【発明の詳細な説明】
神経ペプチドYアンタゴニスト及びアゴニスト発明の背景
本発明は、神経ペプチドYのアンタゴニスト又はアゴニストであるペプチド誘
導体に関する。
神経ペプチドY(NPY)は、そのN末端にあるチロシン(Y)残基とそのC末端
にあるチロシンアミド残基により特徴づけされる36残基のペプチドである。ペプ
チドは、ブタの脳(Tatemoto Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.79:5485-5489
,1982)から分離されたものであり、中枢及び末梢神経系に広く分布した神経伝
達物質又はニューロモジュレータであるとみなされている(Allen et al.,Neuro
chem.Int.8:1-8,1986)。これは、哺乳動物の脳及び心臓の中に存在する最
も豊富なペプチドであり(Eduinsson et al.,Trends Pharmol.Sci,8:231-23
5,1987:Gu et al.,Histochem.Cytochem.32:467-472,1984)、今日までに
分離された最も効力ある血管収縮ペプチドの中に入れる(Lundberg et al.,Acta
Physiol.Scand.121:325-332,1984)。しかしながら、NPY は、特異的シナプ
ス前及びシナプス後レセプタを活性化させることによりいくつかの生理学的応答
を惹起させる。中枢では、NPY は、食物摂取、記憶処理及び日周期リズムの調節
に関与するものと考えられている(Sheikh et al.,FEBS Lett.245:209-214,1
989)。末梢では、NPY は交感神経内の伝達物質として機能し、この交感神経にお
いてこれは主としてバスキュラートーンの調節においてノルエピネフリント相互
作用する(Sheikh et al.FEBS Lett.245:209-214,1989)。
さまざまなモデル系におけるNPY 類似体についての異なる構造−活性関係によ
って、多数のNPY レセプタの亜型が存在することが示された(Michel,Tips 12:
389-394,1991)。Wahlestedt及びその共同研究者(Regul.Pept.13:307-318,1
986)が最初に、NPY レセプタの2つの全く異なる亜型の存在を示唆した。完全な
NPY 分子でシナプス後(Y1型)効果が得られ、一方シナプス前(Y2型)効果は、
長いC末端フラグメントによってならびに全NPY 分子を用いて惹起されることが
わかった。かくしてY1及びY2の両方のレセプタはNPY 及びその相同ペプチドであ
るペプチドYYに対してはほぼ等しい親和力を示すが、Sheikh et al.(FEBS Lett
.245:209-214,1989)により記述されている通り、Y2レセプタのみが、NPY(13
−36)を含むより短かいカルボキシル末端フラグメントに結合できた。しかしな
がら、ラット心室膜内のNPY レセプタはNPY とペプチドYYを弁別するがNPY(13−
36)を結合させることから、この系をY2の亜型としてか又は以下で記述するとお
りレセプタの新しいクラス(Y3と呼称する)として分類することが提案された(
Balasubramaniam et al.ペプチド11:545-550,1990)。NPY はまた、心臓及び
血管に分布する神経繊維の個別の集団中に高濃度で存在する(Whartonら、Ann.N
.Y.Acid.Sci.611:133-144,199)。今や、NPY は、哺乳動物の心臓血管系の
中に存在する卓越したペプチドとみなされている。この観察は、NPY の心臓血管
活性についての数多くの研究を導いた。例えば、いくつかの調査により、NPY は
効力ある血圧上昇ペプチドであること、そしてそれが、分離された灌流済みの心
臓内の収縮性及び冠状血管流を阻害するということが報告された(例えばBalasu
bramaniam et al.,Regul.Pept.21:289-299,1988;Allen et al.Regul.Pe
pt.6:247-253,1983;Rioux et al.ペプチド 7:27-31,1986を参照のこと)
。その上、NPY は同様に、(1)分離された心筋(Balasubramaniam et al.前出
)及び筋細胞(Piper et al.Nuanyn-Scniedberg's Arch.Pharmol.340:333-337
,1989)の
収縮力を阻害すること、及び(2)心筋(Kassis et al.,J.Biol.Chem.262:
3429 3431,1987)及び筋細胞(Kassis et al.前出;Millar et al.Nuanyn-Scn
iedber's Arch.Pharmol.338:426-429,1989)によるアデニレートシクラーゼ
活性及びCAMP産生(を阻害すること)もできる能力をもつ。ラット心室膜内のNP
Y の特異的レセプタが特徴づけされ、上述のとおりの以前に特徴づけされたNPY
レセプタに比べNPY に対しより選択的であることが報告されてきた(Balasubram
aniam et al.ペプチド11:545-550,1990)。ラット心蔵膜内のNPY の特異的レ
セプタ、Y−3レセプタの存在も同様に、Nαビオチニル−NPY 類似体での視覚
化によって報告された(Balasubramaniam et al.ペプチド11:1151-1155,1990
)。
以下の表(使用されている略号は当該技術分野において一般に使用されており
、前出のものの中で記述されている)は、NPY とPYY の間のアミノ酸相同性を示
す:
NPY は、(1)視床下部のNPY レベルが肥満のラットにおいて高くガン性食欲
減退ラットにおいて低下していること、(2)血漿NPY レベルがCHF 及び高血圧
症患者において高いこと;(3)真の心臓変力作用及び変時性作用;及び(4)
性本能及び日周期リズムの阻害、のため、肥満、高血圧及び慢性心不全(CHF)を
含む(ただしこれらに限られるわけではない)数多くの疾患の病態生理学に関与
してきた。かくして、NPY は、複数の生理学的事象を調節するため
に重要であることが示されてきたことから、我々は、例えば食欲及び血圧活性と
いったさまざまな生物活性を選択的に変調させる一連のレセプタ特異的類似体を
設計することを企てた。発明の要約
一般に、本発明は、NPY アンタゴニスト及びアゴニストとして挙動する類似体
に関する。
1つの態様において、本発明は、
という構造式を有する化合物において、
この式中、
R1及びR2の各々は、独立して、H,C1−C12アルキル(例えばメチル)、
C6−C18アリル(例えばフェニル)、C1−C12アシル(例えばホルミル、アセ
チル及びミリストイル)、C7−C18アラルキル(例えばベンジル)又はC7−C18
アルカリル(例えば、p−メチルフェニル)であり;
A1は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり、
A2は、Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal 又はAsp であり;
A3は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ile,Val,Aib,Anb,Nle又は
N−Me−Leu であり、
A4は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選
択されたD−又はL−異性体であり;
A5は、Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal 、又はD−Trp であ
り;
A6は、Gly であるか又はAsp,Glu,N−Me−Asp,Ala又はAoc から成るグル
ープの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
Yは、A7−A8−A9−A10−A11−A12−A13−A14−A15−A16−A17−
A18−A19−A20−A21−A22−A23−A24であるか又は不在であり、ここで
A7はAsn,Ala,Gln,Gly又はN−Me−Asn であり;
A8は、Pro,Ser,Thr,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c 、又はD−Pal で
あり、
A9はGly,N−Me−Gly,Ala又はTrp であり、
A10は、Glu,Asp,N−Me−Glu,Ala又はNva であり、
A11は、Asp,Glu,N−Me−Asp,Ala又はAnb であり、
A12は、Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp、又はN−Me−Ala であり;
A13は、Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal,Ser,Thr,N−Me−
Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp 、又はN−Me−Ala であり;
A14は、Ala,Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal,Nal,Thi,Phe
,Bth,Pcp、又はN−Me−Ala であり、
A15は、Glu,Asp,N−Me−Glu,Ala又はNva であり、
A16は、Asp,Glu,N−Me−Asp,Ala又はAnb であり、
A17は、Met,Leu,Ile,Val,Aib,Anb,Nle 又はN−Me−Leu であり、
A18は、Ala,Asn,Gln,Gly,N−Me−Asn,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp、又は
N−Me−Ala であり、
A19は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基)又はOr
n から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体である。
A20は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸である。
A21は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸である。
A22は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pc
p 又はN−Me−Ala である。
A23は、Ala,Ser,Thr,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp,N−Me−Ala,N−Me−Se
r 、又はN−Me−Thr である。
A24は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu である。
A25は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基、又はC6−C18アリル基)又は
Orn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A26は、His,Thr,3−Me−His,β−ピラゾリルアラニン、N−Me−His,Lys
,Arg 、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(なおここでRは
H、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基)又はOrn から成
るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A27は、あらゆる芳香族アミノ酸、Lys 又はインドール環を伴う束縛されたア
ミノ酸(例えばMe−Trp)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性
体であり;
A28は、Aib であるか、又はIle,Leu,Val,Anb,Trp,N−Me−Ile で構成さ
れたグループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか、又は欠失してお
り、
A29は、Asn,Ala,Gln,Gly,N−Me−Asn であるか又は欠失し
ており、
A30は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu である;
A31は、Ile,Cys,Leu,Val,Aib,Anb、又はN−Me−Ile である。
A32は、L−Tyr を除くあらゆる芳香族アミノ酸、インドール環を伴う束縛さ
れたアミノ酸(例えばMe−Trp)、Ant,Ser,N−Me−Ser,Thr,N−Me−Thr,Al
a,N−Me−Ala,D−Hyp 又はあらゆるTrp 誘導体(例えば2−クロロトロプトフ
ァン又はTCC)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり;
A33は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(な
おRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基)、Orn か
ら成るグループの中から選択されたD−、又はL−異性体であるか又は欠失して
おり;
A34は、Gln,Asn,N−Me−Gln,Nle,Nva,Ala又はGly であり;
A35は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(な
おRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基)又はOrn
から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体である。
A36は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸である。
Wは−OH,−N−R3R4、又はOR5(ここでR3,R4及びR5は独立してH,C1−
C12アルキル(例えばメチル)、C6−C18アリル(例えばフェニル)、C1−C12
アシル(例えばホルミル、アセチル及びミリストイル)又はC7−C18アラル
キル(例えばベンジル)、又は、C7−C18アルカリル(例えばp−メチルフェ
ニル)である)であり、構造式(I)中、各々の結合は、化合物が3つ以上のプ
ソイドペプチド結合を含み得ないことを条件としてプソイド
ペプチド結合がペプチド結合のいずれか又はその薬学的に受容可能な塩である化
合物に関する。
好ましくは、前記プソイドペプチド結合は、アミノ酸残基A29−A30,A34−
A35及びA35−A36の間にある。
好ましい化合物構造式(I)には、A32がD−Trp,D−Phe,D−Tyr,D−Bip,
D−Dip,D−Bth,D−Nal,2-Cl-Trp,Tcc,Trp であるもの又はその薬学的に受
容可能な塩が含まれる。本発明のさらにその他の好ましい実施態様においては、
構造式(I)の化合物には、Y(A7−A24)が欠失しているものが含まれる。
好ましくは、構造式(I)の化合物は、〔D−Trp32〕NPY 、シクロ(2/27)Des
−AA7-24〔Asp2,D−Ala6,D−Lys27,D−Trp32〕NPY,Des−AA7-24〔D−Ala5
,Aoc6,D−Trp32〕NPY,Des−AA7-24〔D−Ala5,Gly6,D−Trp32〕NPY 又
は Des−AA7-24〔D−Trp5,Aoc6,D−Trp32〕NPY である。
もう1つの態様においては、本発明は、
という構造式をもつ化合物であって、
Xは、0〜7(7を含む)個のアミノ酸の鎖であって、そのうちのN末端アミ
ノ酸鎖は各々のR1及びR2に結合されており、
各々のR1及びR2は、独立して、H,C1−C12アルキル(例えばメチル)、
C6−C18アリル(例えばフェニル)、C1−C12アシル(例えば、ホルミル、ア
セチル及びミリストイル)、C7−C18アラルキル(例えばベンジル)又はC7−
C18アルカリル(例えばp−メチルフェニル)であり、
A27は、あらゆる芳香族アミノ酸、Lys 又はインドール環を伴う
束縛されたアミノ酸(例えばMe−Trp)から成るグループの中から選択されたD−
又はL−異性体であり、
A28は、Aib であるか又はIle,Leu,Val,Anb,Trp,N−Me−Ile から成るグ
ループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか、又は欠失しており、
A29は、Asn,Ala,Gln,Gly又はN−Me−Asn であるか又は欠失しており、
A30は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu であるか、又は欠失して
おり、
A31は、Ile,Cys,D−Ala,Leu,Val,Aib,Anb 、又はN−Me−Ile である
か又は欠失しており、
A32は、L−Tyr を除くあらゆる芳香族アミノ酸、インドール環を伴う束縛さ
れたアミノ酸(例えば、Me−Trp)、Ant,Ser,N−Me−Ser,Thr,N−Me−Thr,
Ala,N−Me−Ala,D−Hyp 又はあらゆるTry 誘導体(例えば2−クロロトロプト
ファン又はTCC)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体である
。
A33は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基、又はC6−C18アリル基である
)、Orn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか、又
は欠失している;
A34は、Gln,Asn,N−Me−Gln,Nle,Nva,Ala又はGly である;
A35は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体である。
A36は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸である。
Wは、−OH,−N−R3R4、又はOR5(ここで各々のR3,R4及びR5は、独立し
てH,C1−C12アルキル(例えばメチル)、C6−C18アリル(例えばフェニル
)、C1−C12アシル(例えばホルミル、アセチル、及びミリストイル)、C7−
C18アラルキル(例えばベンジル)又はC7−C18アルカリル(例えばp−メチ
ルフェニル)である)であり、
構造式(II)において、各々の結合は、化合物が3つ以上のプソイドペプチド
結合を含み得ないことを条件としてプソイドペプチド結合又はペプチド結合のい
ずれか又はその薬学的に受容可能な塩を表わすことができる化合物に関する。
構造式(II)の好ましい化合物としてはXがA20−A21−A22−A23−A24−
A25−A26であり、ここで
A20は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり、
A21は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり、
A22は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr であり、
A23は、Ala,Ser,Thr,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp,N−Me−Ala,N−Me−Se
r 、又はN−Me−Thr であり、
A24は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 、又はN−Me−Leu であり、
A25は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
A26は、His,Thr,3−Me−His,β−ピラゾリルアラニン、N−Me−His,Lys
,Arg 、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(ここでRはH、
分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)又はOrn から
成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
Wは、−OH,−N−R3R4又はOR5(ここで各R3,R4及びR5は独立して、H,
C1−C12アルキル(例えばメチル)、C6−C18アリル(例えばフェニル)、C1
−C12アシル(例えばホルミル、アセチル及びミリストイル)、C7−C18アラ
ルキル又はC7−C18アルカリルであるか;又はその薬学的に受容可能な塩であ
る化合物が含まれる。
好ましくは、前記プソイドペプチド結合はアミノ酸残基A29−A30,A34−A35
及びA35−A36の間にある。
好ましくは、構造式(II)の化合物は[D−Trp28,D−Trp32〕NPY(27−36),
(Des−Asn29〔D−Trp28,D−Trp32〕NPY(27−36),Des−Asn29〔D−Trp28,D
−Trp32,Nva34〕NPY(27−36),Des−Asn29〔Trp28,Trp32,Nva34〕NPY(27-36)
、及び〔D−Trp28,Ant32,Nva34〕NPY(27−36),Des−Asn29〔D−Trp28,Ant32
,Nva34〕NPY(27−36),又は Des−Asn29,Arg33〔D−Trp28,Ant32,Nva34
〕NPY(27−36)である。
もう1つの態様において、本発明は
という構造式を有する化合物において、ジスルフィド結合がA7とA21の間にあ
るか又は不在であり、
各R1及びR2が、独立して、H,C1−C12アルキル(例えばメチル)、C6−
C18アリル(例えばフェニル)、C1−C12アシル(例えばホルミル、アセチル
及びミリストイル)、C7−C18ア
ラルキル(例えばベンジル)又はC7−C18アルカリル(例えばp−メチルフェ
ニル)であり;
A1は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり、
A2は、Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal 又はAsp であり;
A3は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ile,Val,Aib,Anb,Nle又は
N−Me−Leu であり、
A4は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
A5は、Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal 又はD−Trp であり
;
A6は、Gly であるか又はAsp,Glu,N−Me−Asp,Ala又はAoc から成るグル
ープの中から選択されたD−又はL−異性体であり;
A7は、Cys,Glu,Asn,Ala,Gln,Gly又はN−Me−Asn であり、
A8は、Pro,Ser,Thr,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c 、又はD−Pal で
あり、
A9は、Gly,N−Me−Gly,Ala又はTrp であり、
Yは、A10−A11−A12−A13−A14−A15−A16−A17であるか又は不在で
あり、ここで
A10は、Glu,Asp,N−Me−Glu,Ala又はNva であり、
A11は、Asp,Glu,N−Me−Asp,Ala又はAnb であり、
A12は、Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp、又はN−Me−Ala であり、
A13は、Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal,Ser,
Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp,N−Me−Ala 又
はThr であり、
A14は、Ala,Pro,Hyp,D−Ala,N−Me−Ala,Ac6c,D−Pal,Nal,Thi,Phe
,Bth,Pcp、又はN−Me−Ala であり、
A15は、Glu,Asp,N−Me−Glu,Ala又はNva であり、
A16は、Asp,Glu,N−Me−Asp,Ala又はAnb であり、
A17は、Met,Leu,Ile,Val,Aib,Anb,Nle 、又はN−Me−Leu であり、
A18は、Ala,Asn,Gln,Gly,N−Me−Asn,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp又はN
−Me−Ala であり、
A19は、Arg,D−ホモ−Arg,D−ジエチル−ホモ−Arg,D−Lys−ε−NH−R
(ここでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基、又はC6−C18アリル基で
ある)又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A20は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
A21は、Cys,Lys,Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
A22は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pc
p 又はN−Me−Ala であり;
A23は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pc
p 又はN−Me−Ala であり;
A24は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 、又はN−Me−Leu であり;
A25は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A26は、His,Thr,3−Me−His,β−ピラゾリルアラニン、N−Me−His,Lys
,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε
−NH−R(ここでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリ
ル基である)、又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体
であり;
A27は、あらゆる芳香族アミノ酸、Lys 又はインドール環を伴う束縛されたア
ミノ酸(例えばMe−Trp)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性
体であり;
A28は、Aib であるか、又はIle,Leu,Val,Anb,Trp,N−Me−Ile から成る
グループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか、又は欠失しており;
A29は、Asn,Ala,Gln,Gly,N−Me−Asn であるか又は欠失しており;
A30は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu であり;
A31は、Ile,Cys,Leu,Val,Aib,Anb、又はN−Me−Ile であり、
A32は、L−Tyr を除くあらゆる芳香族アミノ酸、インドール環を伴う束縛さ
れたアミノ酸(例えばMe−Trp)、Ant,Ser,N−Me−Ser,Thr,N−Me−Thr,Al
a,N−Me−Ala,D−Hyp 又はあらゆるTrp 誘導体(例えば2−クロロトロプト
ファン)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
A33は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
、Orn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか又は欠
失しており、
A34は、Gln,Asn,N−Me−Gln,Nle,Nva,Ala又はGly であり、
A35は、Lys,Arg、ホモArg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(ここ
でRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6
−C18アリル基)又はOrn から成るグループの中から選択されたD−又はL−
異性体であり、
A36は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
Wは、−OH,−N−R3R4、又はOR5(ここでR3,R4及びR5は独立して、H,
C1−C12アルキル(例えばメチル)、C5−C18アリル(例えばフェニル)、C1
−C12アシル(例えばホルミル、アセチル及びミリストイル)、C7−C18アラ
ルキル(例えばベンジル)、又はC7−C18アルカリルである)であり、
構造式(III)において、各々の結合が、化合物が3つ以上のプソイドペプチ
ド結合を含み得ないことを条件として、プソイドペプチド結合又はペプチド結合
のいずれか又はその薬学的に受容可能な塩を表わすことができる、化合物、に関
する。
好ましくは、前記プソイドペプチド結合はアミノ酸残基A29−A30,A34−A35
及びA35−A36の間にある。
好ましくは、構造式(III)の化合物はシクロ(7/21),Des AA10-17〔Cys7,Cy
s21,D−Trp32〕NPY 又はシクロ(7/21),Des AA10-17〔Glu7,Lys21,D−Trp3 2
〕NPY である。
もう1つの態様において、本発明は
という構造式を有するプソイドペプチド結合を伴う化合物において、
各R1及びR2が、独立して、H,C1−C12アルキル(例えばメチル)、C6−
C18アリル(例えばフェニル)、C1−C12アシル(例えばホルミル、アセチル
及びミリストイル)、C7−C18ア
ラルキル(例えばベンジル)、又はC7−C18アルカリル(例えばp−メチルフ
ェニル)であり;
A18は、Ala,Asn,Gln,Gly,N−Me−Asn,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp又はN
−Me−Ala であり、
A19は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチルホモArg 、Lys−ε−NH−R(ここ
でRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基、又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A20は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
A21は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
A22は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pc
p 又はN−Me−Ala であり;
A23は、Ser,Thr,N−Me−Ser,N−Me−Thr,Ala,Nal,Thi,Phe,Bth,Pc
p 又はN−Me−Ala であり;
A24は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 、又はN−Me−Leu であり;
A25は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A26は、His,Thr,3−Me−His,β−ピラゾリルアラニン、N−Me−His,Lys
,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(ここでRはH、
分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)、又はOrn か
ら成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり;
A27は、あらゆる芳香族アミノ酸、Lys 又はインドール環を伴う束縛されたア
ミノ酸(例えばMe−Trp)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性
体であり;
A28は、Aib であるか、又はIle,Leu,Val,Anb,Trp,N−Me−Ile から成る
グループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか、又は欠失しており;
A29は、Asn,Ala,Gln,Gly,N−Me−Asn であるか又は欠失しており;
A30は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu であり;
A31は、Ile,Cys,Leu,Val,Aib,Anb、又はN−Me−Ile であり、
A32は、L−Tyr を除くあらゆる芳香族アミノ酸、インドール環を伴う束縛さ
れたアミノ酸(例えばMe−Trp)、Ant,Ser,N−Me−Ser,Thr,N−Me−Thr,Al
a,N−Me−Ala,D−Hyp 又はあらゆるTrp 誘導体(例えば2−クロロトロプトフ
ァン又はTCC))から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり
、
A33は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
、Orn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか又は欠
失しており、
A34は、Gln,Asn,N−Me−Gln,Nle,Nva,Ala又はGly であり、
A35は、Lys,Arg、ホモArg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(ここ
でRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基)又はOrn
から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
A36は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
Wは、−OH,−N−R3R4、又はOR5(ここで各々R3,R4及びR5は独立して、
H,C1−C12アルキル(例えばメチル)、C5−C18アリル(例えばフェニル)
、C1−C12アシル(例えばホルミ
ル、アセチル及びミリストイル)、C7−C18アラルキル(例えばベンジル)、
又はC7−C18アルカリル(例えば、p−メチルフェニル)である)であり;
構造式(IV)において、各々の結合が、化合物が3つ以上のプソイドペプチド
結合を含み得ないことを条件として、プソイドペプチド結合又はペプチド結合の
いずれか又はその薬学的に受容可能な塩を表わすことができる、化合物に関する
。好ましい実施形態においては、化合物は、A30とA31;A31とA32;又はA32
とA33の間にプソイド結合を含んでいる。
もう1つの態様においては、本発明は、
という構造式を有し、しかも、ここで、
各R1及びR2が、独立して、H,C1−C12アルキル(例えばメチル)、C6−
C18アリル(例えばフェニル)、C1−C12アリル(例えばホルミル、アセチル
及びミリストイル)、C7−C18アラルキル(例えばベンジル)、又はC7−C18
アルカリル(例えばp−メチルフェニル)であり;
A18がAla,Asn,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp 又はN−Me−Ala であり、
A19は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチルホモArg 、Lys−ε−NH−R(ここ
でRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基、又はC6−C18アリル基である)
又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であり;
A20は、Ty r又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
A21は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
A22は、Ser,Thr,N−Me−Ser 、又はN−Me−Thr であり;
A23は、Ala,Ser,Nal,Thi,Phe,Bth,Pcp 、又はN−Me−Ala であり;
A24は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu であり;
A25は、Lys,Arg,D−ホモ−Arg,D−ジエチルーホモ−Arg,D−Lys−ε−N
H−R(ここでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル
基である)又はOrn から成るグループの中から選ばれたD−又はL−異性体であ
り;
A26は、His,Thr,3−Me−His,β−ピラゾリルアラニン、N−Me−His,Lys
,Arg 、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(ここでRはH、
分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)、又はOrn か
ら成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり;
A27は、あらゆる芳香族アミノ酸、Lys 又はインドール環を伴う束縛されたア
ミノ酸(例えばMe−Trp)から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性
体であり;
A28は、Aib であるか、又はIle,Leu,Val,Anb,Trp,N−Me−Ile から成る
グループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか、又は欠失しており;
A29は、Asn,Ala,Gln,Gly,N−Me−Asn であるか又は欠失しており;
A30は、Leu,Ile,Val,Aib,Anb 又はN−Me−Leu であり;
A31は、Ile,Cys,Leu,Val,Aib,Anb、又はN−Me−Ile であり、
A32は、L−Tyr を除くあらゆる芳香族アミノ酸、インドール環を伴う束縛さ
れたアミノ酸(例えばMe−Trp)、Ant,Ser,N−Me−
Ser,Thr,N−Me−Thr,Ala,N−Me−Ala,D−Hyp 又はあらゆるTrp 誘導体(
例えば2−クロロトロプトファン又はTCC)から成るグループの中から選択された
D−又はL−異性体であり、
A33は、Lys,Arg、ホモ−Arg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(こ
こでRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基である)
、Orn から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であるか又は欠
失しており、
A34は、Gln,Asn,N−Me−Gln,Nle,Nva,Ala又はGly であり、
A35は、Lys,Arg、ホモArg 、ジエチル−ホモ−Arg,Lys−ε−NH−R(ここ
でRはH、分枝又は直鎖C1−C10アルキル基又はC6−C18アリル基)又はOrn
から成るグループの中から選択されたD−又はL−異性体であり、
A36は、Tyr 又はあらゆる芳香族アミノ酸であり;
Wは、−OH,−N−R3R4、又はOR5(ここでR3,R4及びR5は独立して、H,
C1−C12アルキル(例えばメチル)、C6−C18アリル(例えばフェニル)、C1
−C12アシル(例えばホルミル、アセチル、及びミリストイル)、C7−C18ア
ラルキル(例えばベンジル)、又はC7−C18アルカリル(例えばp−メチルフ
ェニル)であり;
化合物が3つ以上のプソイドペプチド結合を含み得ないことを条件として、各々
の結合がプソイドペプチド結合又はペプチド結合のいずれか又はその薬学的に受
容可能な塩を表わすことのできる、化合物を患者に投与することを含む、患者の
体内の心臓以外の組織内でNPY を媒介とした生理学的応答を抑制する方法に関す
る。
好ましくは、前記プソイドペプチド結合はアミノ酸残基A29−A30,A34−A35
及びA35−A36の間にあるか、又は薬学的に受容可
能な塩である。
好ましい実施形態においては、この方法は、NPY(Y−1)レセプタ又はNPY(Y
−2)レセプタの活性を抑制することができる。
もう1つの態様においては、本発明は、患者に対して構造式(I)の化合物を
投与することを含む、患者の視床下部内のNPY(Y−1)レセプタで媒介された生
理学的応答を抑制する方法に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、構造式(I)の化合物を投与すること
を含んで成る、高血圧症を患う患者の血圧を抑制する方法に関する。
もう1つの態様においては、本発明は、構造式(IV)の化合物を投与すること
を含んで成る、心臓血管系内のNPY(Y−3)レセプタを媒介とした生理学的応答
を抑制する方法に関する。
その他の好ましい実施形態においては、治療上有効な量の構造式(I),(II
),(III)又は(IV)の化合物は、薬学的に受容可能な担体物例えば炭酸マグ
ネシウム又はラクトースと合わせて、NPY を媒介とする生理学的応答を抑制する
ことのできる治療用組成物を形成する。この組成物は、経口投与のための丸薬、
錠剤、カプセル、液体又は持続放出性錠;又は滴剤又はスプレーとしての経鼻投
与用液体;又は、静脈内、皮下、非経口又は腹腔内投与用の液体の形をとること
ができる。
もう1つの好ましい実施形態は、その組成物を必要としている患者に対して筋
内投与するための生分解性の持続放出性組成物である。好ましくは、この組成物
は、親油性塩を含み、それを必要としている患者に対し油性乳剤又は分散の形で
投与するのに適している。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、患者体内のNPY 媒介された生理
学的応答を抑制するための方法に関し、かかる方法には血圧を低下させるため、
性衝動を増大させるため、心臓血管機能
を刺激するため、又は日周期リズムを変調させるために有効な用量で患者に対し
て上述の化合物のうちの単数又は複数のものを投与することが関与している。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、患者の体内にNPY 媒介された生
理学的応答を刺激するための方法に関する;かかる方法には、血圧を増大させる
ため;食欲を増大させるため;性衝動を増大させるため;又は心臓血管機能を刺
激するために有効な用量で患者に上述の化合物のうちの単数又は複数のものを投
与することが関与している。
本書中のペプチド配列内に見られるような記号A1,A2,A3など及びTyr,Ly
sなどは、Rがアミノ酸又はその残基の側鎖(又は同定基)を意味するものとし
て、例えばN末端にある場合には=N−CH(R)−CO−又その他のいずれかの位
置にある場合には−NH−CH(R)−CO−といったアミノ酸残基を表わしている。
例えば、Rは、Asp については−CH2COOH,Glyについては−H,Ser については
CH2OH,Alaについては−CH3,Argについては−CH2CH2CH2CH2NH2である。同様に
、アミノ酸残基が光学的に活性である場合、D型配置が明示的に指定されている
のでないかぎり、意図されるのはL型配置である。プソイドペプチド結合という
のは、2つの残基間の結合に参与する炭素原子がカルボニル炭素からメチレン炭
素すなわちCH2−NHに還元されているか;又はこれほど好ましいものではないも
ののC)−NHの炭素原子がCH2−S,CH2−O,CH2−CH2,CH2−CO、又はCH2−CH2
のいずれかと置換されていることを意味する。(プソイドペプチド結合はここ
では“Ψ”によって象徴されている。)プソイドペプチド結合の化学の詳細な論
述はCoy et al.,(1988)テトラヘドロン44:835-841 の中に記されている。
もう1つの実施形態においては、構造式(I),(II),(III)
又は(IV)の化合物は環式である。好ましくは、環化反応はジスルフィド又はラ
クタム架橋(アミド結合)によって形成される。この開示においては、本発明の
化合物中の2つの残基をリンケージするジスルフィド又はアミド結合は、側鎖官
能基の間で形成されている。すなわち、酸性アミノ酸残基(例えばAsp 又はGlu)
の側鎖カルボキシル基と塩基性アミノ酸残基(例えばLys 又はOrn)の側鎖アミノ
基の間、又は2つのCys の側鎖スルフヒドリル基の間である。本書に記されてい
る全ての構造式の中では、2つの残基の間のアミド又はジスルフィド結合は示さ
れていない。本発明の化合物は同様に、もう1つの書式例えばシクロ(2/27)
Des−AA7-24〔Asp2,D−Ala6,D−Lys27,D−Trp32〕NPY 及びシクロ(7/21
) Des AA10-17〔Cys7,Cys21,D−Trp32〕NPY によっても表わされる。
本発明の好ましい環式化合物は、シクロ(2/27)Des AA7-24〔Asp2,D−Al
a6,D−Lys27,D−Trp32〕NPY 及びシクロ(7/21)Des AA10-17〔Cys7,Cys2 1
,D−Trp32〕NPY である。
もう1つの態様においては、本発明はNPY の新しいダイマー類似体に関する。
このダイマーは、構造式I,II,III又はIVの1つの化合物及び構造式I,II,I
II又はIVの1つの化合物のいずれかを含むことによって形成させることができる
。1実施形態においては、ダイマーは、各化合物内にある第1又は第2のいずれ
かのアミンに結合することのできるジカルボン酸リンカーを利用することによっ
て形成される。R.Vavrek 及びJ.Stewartのペプチド;その構造及び機能 381-3
84(Pierce Chemical Co.1983)を参照のこと。適切なジカルボン酸リンカーの
例としては、コハク酸、グルタミン酸、及びフタル酸がある。その他の実施形態
においては、ダイマーは、1つの化合物の遊離アミン基及びその他の化合物の遊
離カルボン酸基に結合することのできるアミノ酸リンカーを利用することによっ
て
形成される。好ましくは、アミノ酸リンカーは非α−アミノ酸である。適当なア
ミノ酸リンカーの例としては、アミノ−カプロン酸及びアミノ−吉草酸がある。
さらにもう1つの実施形態では、ダイマーは、各化合物内にあるシステインの間
のジスルフィド架橋によって形成される。M.Berngtowicz及びG.Piatsuedaのペ
プチド;その構造と機能 233-244(Pierce Chemical Co.1985):F.Albericio
et al.,ペプチド1990 535(ESCOM 1991)を参照のこと。
本発明の好ましいダイマー化合物はBis(31/31)〔Cys31,Trp32,Nva34〕NP
Y(27−36)、及びBis(31/31)〔Cys31,Trp32,Nva34〕NPY(31−36)である。
上述の通り、本発明を記述する便宜上、さまざまなアミノ酸についての慣習的
及び非慣習的略号が使用される。これらは、当業者にとっては周知のものである
。本書で言及している全てのペプチド配列は、通常の規則に従って書かれ、従っ
てN末端アミノ酸は左側にそしてC末端アミノ酸は右側にある、2つのアミノ酸
残基の間の短かい線はペプチド結合を表わしている。
略号(一般的なもの)
Asp =D=アスパラギン酸
Ala =A=アラニン
Arg =R=アルギニン
Asn =N=アスパラギン
cys =C=システイン
Gly =G=グリシン
Glu =E=グルタミン酸
Gln =Q=グルタミン
His =H=ヒスチジン
Ile =I=イソロイシン
Leu =L=ロイシン
Lys =K=リシン
Met =M=メチオニン
Phe =F=フェニルアラニン
Pro =P=プロリン
Ser =S=セリン
Thr =T=トレオニン
Trp =W=トリプトファン
Tyr =Y=チロシン
Val =V=バリン
略号(稀なもの);
Aoc =(8−アミノオクタン酸;
Orn =オルニチン
Nal =2−ナフチルアラニン
Thi =2−チエニルアラニン
Pcp =4−クロロフェニルアラニン
Bth =3−ベンゾチエニルアラニン
Bip =4,4′−ビフェニルアラニン
Tic =テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸
Aib =アミノイソブチル酸
Anb =α−アミノノルマルブチル酸
Dip =2,2−ジフェニルアラニン
Ac6c=1−アミノシクロヘキサンカルボン酸
D−Pal =β−(3−ピリジル)アラニン;
Tcc =テトラヒドロカルボレンカルボン酸
Nva =ノルバリン
Ant =アントラニル酸
Hyp =ヒドロキシプロリンNle =ノルロイシン
本発明の化合物は、NPY の効果を減少、抑制又は緩和するために有用である。
例えば本発明の化合物は、摂食障害、心臓血管機能、性機能変調ならびに睡眠及
び日周期リズムの障害が関与するいくつかの疾病を治療する上で特に有効である
(例えばHarrisonの内科原理、McGraw-Hill Inc.,New York、第12版参照)。か
かる障害の特定的な例としては、肥満、食欲減退、高血圧、低血圧、うっ血性心
不全、不能症、睡眠異常、急速時間帯変化症候群が含まれるが、これらに限定さ
れるわけではない。本書に記述されている通り、NPY アンタゴニストの戦略的設
計は、その他のNPY レセプタとの不利な相互作用無しに、例えばY3心臓レセプタ
といった異なるクラスのNPY レセプタの選択的拮抗を可能にする。化合物は同様
に、例えば患者の血圧を上昇させることといったNPY レセプタを媒介とする事象
を刺激するためにも有用である。
本発明のその他の特長及び利点は、その好ましい実施態様についての以下の記
述及びクレームから明らかになることだろう。好ましい実施形態の説明
まず図面について説明する。図 面
図1は、ラットの視床下部膜のイソプロテレノールで刺激されたアデニレート
シクラーゼ活性に対する、D−Trp 又はD−Trp(CHO)で置換されたNPY 類似体
(1.0μM)の効果の比較を示す。Iso 、イソプロテレノール、I.,〔D−Trp32〕
Trp32〕NPY;II,〔D−Trp(CHO)32〕NPY;III,〔D−Trp34〕NPY;IV,〔D−
Trp(CHO)34〕NPY;V,〔D−Trp36〕NPY;VI,〔D−Trp(CHO)3 6
〕NPY;a=p,0.01,イソプロテレノールに比較;b,イソプロテレノールに
比べて有意でない。
図2は、NPY(●)及び〔D−Trp32〕NPY(□)の濃度を増大させることによる、
ラット視床下部膜に結合した125I−NPY の転位を示す。
図3は、ラット視床下部膜のイソプロテレノール刺激を受けたアデニレートシ
クラーゼ活性に対して、〔D−Trp32〕NPY(□),NPY 単独(●);30(▲)及
び300(■)nM用量の〔D−Trp32〕NPY の存在下でのNPY の濃度上昇が及ぼす用量
応答効果を示している。
図4は、NPY(100nM)及びセロトニン(100nM)によるラット視床下部膜のイソ
プロテレノール刺激を受けたアデニレートシクラーゼ活性の阻害に対する、〔D
−Trp32〕NPY(1.0μM)の効果の比較を示す。a=p<0.01、イソプロテレノ
ールに対し比較;b,イソプロテレノールに比較して有意でない。
図5は、〔D−Trp32〕NPY による、ラットにおけるNPY 誘発された摂食の拮
抗を示す。
図6は、ラット視床下部膜のイソプロテレノール刺激を受けたアデニレートシ
クラーゼ活性に対する、1μM用量のNPY 及びその類似体〔L−Trp32〕NPY,〔
D−Trp32(CHO)〕NPY,〔D−Nal32〕NPY,〔D−Hyp32]NPY,〔(3−1−Ty
r27),D−Trp32〕NPY 、及び〔(3−1−Tyr27,36),D−Trp32〕NPY の効果を
示している。(iso =イソプロテレノール);(a=p<0.005 対 iso);n.
s=有意にあらず)。
図7は、SK−N−MC細胞によるイソプロテレノール刺激を受けたcAMPの産生に
対する、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY(1μM)の不在(○)
及び存在(●)下でのNPY の濃度上昇の効果を示す。同様に、SK−N−MC細胞に
よるイソプロテレノール
刺激を受けたcAMPの産生に対する、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕
NPY(□)の濃度上昇の効果も示されている。
図8は、200nmol/kgの Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY の不
在(○)及び存在(●)下での麻酔を受けたラットの血圧に対する、NPY の濃度
上昇の効果を示す。
図9は、SK−N−BE2細胞に対する125I−NPY の結合に対するNPY(○)及びNP
Y(18−36)(△)の濃度上昇の効果を示す。
図10は、SK−N−BE2細胞によるフォルスコリン刺激を受けたcAMPの産生に対
する、NPY(○),NPY(18−36)(△)及び1μM用量のNPY(18−36)の存在下でのN
PY(●)の効果を示す。
図11A−11Cは、〔Ψ30-31〕NPY(18−36)(11A),〔Ψ32-33〕NPY(18−36)
(11B)、及び〔Ψ33-34〕NPY(18−36)(11C)の分析的RPLCを示す。
図12は、NPY(〇),NPY(18−36)(■),〔Ψ30/31〕NPY(18−36)(△),〔Ψ31/32
〕NPY(18-36)(▲)及び〔Ψ32/33〕NPY(18−36)(□)によるラットの心
室膜への125I−NPY 結合の阻害を示している。
本発明の任意の数の類似体が、以下に記述する検定のうちの単数又は複数のも
のにおいて又は当該技術分野において既知のものである方法を用いて合成及び試
験可能である。ここで本発明の好ましい実施形態について記述する。構 造
天然に発生するNPY の配列については前述されている。容易に観察できるよう
に、NPY とPYY の間には高度のアミノ酸相同性が存在する。
本発明の類似体は、上述の「発明の要約」で記した一般構造式をもつ。本発明
の類似体は、NPY 及びPYY のアミノ酸及びその誘導体
を含む生物活性のある全長分子(アミノ酸1−36);及びNPY 及びPYY のアミノ
酸又はその誘導体を含む生物活性のあるサブフラグメントに基づいている。
本発明の類似体は、NPY 及びPYY 配列に対する単数又は複数の修正を有してい
てよい(以上の記述を参照のこと)。例えば、化合物は、1つ又は2つ又は3つ
の天然アミノ酸の代りのD−Trp 又はAoc 又はD−Ala;又はいくつかのN末端
アミノ酸の欠失;又は2つの隣接するアミノ酸の間のペプチド結合に代わるプソ
イドペプチド結合の導入といった、NPY レセプタでの選択的活性を得るのに有用
な修正を単数又は複数有していてよい。この類似体は、レセプタに結合すること
によって天然に発生するNPY ペプチドの競争的阻害物質として作用することがで
き、本書で前述した修正のうちの1つのため、天然に発生するペプチドの生物活
性を示すことができない。例えば、2つの残基の間のプソイドペプチド結合の導
入、又はD−Trp での単数又は複数の天然アミノ酸の置換又はN末端残基又は内
部残基の欠失(「des」)が活性関連NPY 活性において有用であるようなペプチ
ドである。
本発明の類似体は、薬学的に受容可能な塩の形でも提供することができる。好
ましい塩の例としては、治療上受容可能な有機酸、例えば酢酸、乳酸、マレイン
酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸又はパモ酸なら
びに高分子酸を伴う塩及び、例えば塩酸及び硫酸といったハロゲン化水素酸など
の無機酸を伴う塩がある。合 成 ペプチド合成
本発明の化合物、すなわち構造式(I),(II),(III),(IV)及び(V
)の化合物は、ペプチドの分野の当業者にとっては既知
のものであるあらゆる技術によって合成することができる。かかる技術について
は、例えば、「固相ペプチド合成」、John M.Stewart 及びJanis D.Young編、
Pierce Chemical Company,Rockford IL、第2版、の中で記述されている。
表1及び表2にリストアップされているペプチドの合成は、以下の要領で行な
われた。すなわち、Applied Biosystemsの430A型自動機器の中でペプチドを合成
し、硫化水素で分割させ、Balasubramaniam et al.(Int.J.Pept.Protein Re
s.29:78-83,1987;Pept,Res.1:32-35,1988)によって記述される通り逆
相クロマトグラフィにより精製した。合成ペプチドは全て、逆相クロマトグラフ
ィによって確認された通り98%を上回る純度をもち、予想通りのアミノ酸組成及
び一次構造を有していた。その他の類似体は、当業者の能力範囲内にある適切な
修正を行なうことによって調製することができる。
さらに、望ましい場合には、例えばNPY(18−36)のアミノ酸残基31−32の間又
はNPY(18−36)の残基32−33の間などの又は以下に記述するあらゆるペプチドの
、さまざまな位置においてプソイドペプチド結合を導入することができる。公開
された方法(Sasaki et al.,ペプチド8:119-121,1987;Fehrentz et al.,「合
成」p678-678,1983)によって、光学的に純粋な Boc−AA−CHO を優れた収量で
獲得しペプチド樹脂のα−NH2基に直接カップリングさせることができるという
事実にもかかわらず、この戦略には、特にC末端領域におけるプソイド結合での
長いペプチドの合成の間に第2アミン基において分枝の可能性があることを理由
として制限がある。従って、ペプチド樹脂内で第2アミン基をキャッピングする
ためのいくつかの保護基Z,Tos 及びZ(2−Cl)の有用性が調査された。Z−
Cl/Tos−Cl(2当量)及びDIEA(4当量)を用いたペプチド樹脂
の反応は、第2アミンを完全に遮断したが、反復した酸分解の間のZ−の Boc基
除去に関する既知の不安定性及びHFに対する Tos基の見かけの耐性のため、我々
は、第2アミンをキャッピングするために、Z(2−Cl)を選択するに至った。
これは、ペプチド樹脂を10〜60分間Z(2−Cl)−OSU(2当量),HOBT(2当量
)及びDIEA(4当量)と反応させることによって導入される。第2アミンを伴う
ニンヒドリンの赤ワイン色は、キャッピングの終了時点で黄色に変わった。この
方法は、分析的HPLCによって判断される通り、65%以上の収量で〔Ψ30/31]NPY
(18−36),〔Ψ31/32〕NPY(18−36),〔Ψ32/33〕NPY(18−36)を生成した。これ
らのペプチドは、アンタゴニスト効果を保持していただけでなく、以下で論述す
る通り、NPY(18−36)に比べ増大した心臓NPY レセプタに対する親和力(2〜220
倍)及び選択性を示した。プソイド結合を含むペプチドの無欠性は、質量スペ
クトル分析によって確認された。これらの方法によって合成されたNPY のプソイ
ドペプチド結合含有類似体は、表IIにリストアップされている。保護されたアミ
ノ酸誘導体(Peptide International,Louismlle,KY)及びペプチド合成試薬(A
pplied Biosystems,Foster City.CA)は市販されているものであり、さらに精
製することなく使用した。
合成された類似体の例は以下のとおりである:
構造式(I)の化合物
構造式(II)の化合物
構造式(III)の化合物
構造式(IV)の化合物
本発明のその他の類似体も上述のとおりに調製でき、又、以下に記す方法及び
当該技術分野において一般的に知られている方法を用いてアンタゴニスト又はア
ゴニストとしてのその生物活性について試験することができる。機能的検定 動物、細胞系統及び培養、及び試薬
本発明の化合物の有効性を検定し試験するのに、適当なあらゆるインビボ
又はインビトロシステムを利用することが可能である。このような検定
は、例えば血圧、腎血管機能、摂食挙動又は日周期リズムなどの生理的応答を評
価するためにインビボ方法を利用することもできるし、或いは例えばSK−N−MC
(ATCC ♯HBT10)又はSK−N−BE(2)(Barnes et al.In Vitro 17:619-631,
1981)といった適切な細胞;又は例えば脾臓、腎臓、心臓又は脳から分離された
細胞といった分離細胞内でのレセプタ結合を評価するインビボ生化学システムを
利用することもできる。例えばY−1,Y−2及びY−3レセプタカテゴリとい
ったようなNPY レセプタに対するアンタゴニストをテストするためには、当業者
にとって既知のものであるいくつかのインビボ及びインビトロ生化学システムが
利用可能である。以下で記述するのは、それぞれ高親和力NPY レセプタ部位Y−
1,Y−2及びY−3を有するSK−N−MC及びSK−N−BE2又は分離された心臓
膜といった細胞系統について利用できる検定方法である。例えばVSM 細胞(Shei
kh et al.,Am.J.Physiol.260:G250-G257,1991)及びHEL 細胞(Motulsky e
t al.Amer.J.Physiol.255:E880-E885,1988)といったY−1レセプタ;例
えば腎臓(Sheikh et al.,Am.J.Physiol.260:F978-F984)、脾臓(Lunberg
et al.,Eur.J.Pharmol.145:21-29,1988)、背根神経節(Bleakman et al
.,Br.J.Pharmal.103:1781-1789,1991)及び海馬細胞(Sheikh et al.,J.Bi
ol.Chem.265:8304-8310,1990)といったY−2レセプタ;及び例えば心室膜(
Balasubramaniam et al.,ペプチド11:545-550,1990)、クロム親和細胞、ラッ
ト胃粘膜(Michel.M.C.Trendsin Pharmol.Sci.12:389-394,1991)及び脳幹
といったY−3レセプタに対するNPY アンタゴニストを評価するためのその他の
システムも知られている。インビトロ生化学検定
NPY のアンタゴニストとして作用する本発明の化合物の能力は、当該技術分野
において既知の多数の方法により立証することができる。例えば、Lundberg et
al.,(Eur.J.Pharmol.145:21-29,1988);Gorden et al.(J.Neuro chemi
stry 55:506-513,1990);Walker et al.(Mol.Pharmacol.34;779-792,19
88);Balasubramaniam et al.(ペプチド10:1283-1286,1989)、その他によっ
て記述されている方法を用いて、化合物がレセプタのためにヨウ素化された神経
ペプチドYと競合するものであることを示すことができる。
Y−1レセプタに対するアンタゴニストを立証する1つの作業例では、ラット
の視床下部を分離し、標準的方法(Unden et al.1984.Eur.J.Biochem.145
:525-530;Westlid-Danielsson et al.1987,Neurosci.Lett.74:237-242)
に従って結合及びアデニレートシクラーゼについての研究のため膜を前処理した
。1%のウシ血清アルブミン、0.1%のバシトラシン、300μmのPMSF及び5KIU/
mlのアプロチニンを含むpH7.4 の合計量0.25mlの20mM HEPES緩衝液の中で、転位
研究を行なった。標準的検定では、増大する濃度のNPY(10-1〜10-5M)の存在下
で、Balasubramaniam et al.(ペプチド11:545-550,1990)により記述された通
り、〔125I=Tyr1〕−NPY(20,000CPM)を用いて45分間24℃で振とう水浴中で1
00μgの膜/管をインキュベートした。インキュベーションの終了時点で、1.0m
l の氷冷緩衝液を付加し、10分間10000xg で遠心分離させ、吸引により上清を除
去した。Micromedicガンマ計数器内で、結合した放射能について、ペレットの入
った管を計数した。
ここで視床下部膜及び大脳皮質膜のアデニレートシクラーゼ活性の検定例につ
いて記述する。視床下部膜及び大脳皮質膜のアデニレートシクラーゼ活性は、15
0mM のNaCl,8.25mMのMgCl2,0.75mM の
EGTA,1.5 テオフィリン、20μg/mlのアプロテニン、100μg/mlのバシトラ
シン、1mg/mlのウシ血清アルブミン、1mMのATP,20mM のクレアチンリン酸、
1mg/mlのホスホクレアチンキナーゼ、10μMのイソプロテレノール、10μMの
GTP 、及びさまざまな濃度のペプチド(0〜10μM)を含む合計量0.20mlのトリ
ス−HCL 30mM pH7.4緩衝液中で50μgの膜をインキュベートすることによって決
定された。振とう水浴中で15分間35℃で混合物をインキュベートした後、100μ
MのEDTAを付加することによって反応を阻止した。cAMPを抽出し、放射線免疫検
定法によって定量した。結合及びアデニレートシクラーゼ中の全ての点は、同一
の形で行なわれた少なくとも3回の並行した実験の平均である。
Y−3レセプタに対するアンタゴニストを実証する1つの作業例においては、
Balasubramaniam et al(ペプチド11:545-550,1990)により記述された方法に従
って、ラット心室膜及びNPY のヨウ素化を調製した。2%のウシ血清アルブミン
、100μMのフッ化フェニルメチルスルホニル、4μg/mlのロイペプチン、4
μg/mlのキモスタチン、5−カリクレイ−不活化単位/mlのアプロチニン及び
0.1%のバシトラシンを含む合計量0.25mlの20mMのHEPES 検定緩衝液pH7.6 の中
で、転位研究を行なった。標準的な検定においては、125I−NPY(40pM)及び増大
する濃度のペプチドと共に、振とう水浴の中で18℃で2時間、200μgの膜タン
パク質/管をインキュベートした。インキュベーションの終了時点で、管を渦巻
運動させ、150μlのアリコートを、250μlの氷冷検定緩衝液を含むポリプロピ
レン管の中に移した。10分間10000xg で遠心分離し、その後ひきつづき上清を吸
引することによって、未結合の125I−NPY を分離した。ペレットを含む管を、M
icromedic γ計数器の中で結合放射能について計数した。F及びKiが125I−NP
Y 濃度と解離定数を
表わすものとして、Ki=IC50/(1+F/Kd)を用いて、NPY 及びNPY アンタゴ
ニストについての平衡解離定数を計算するべく、IC50の値を利用した。
Rosselin et al.(Biochem.Biophys.Acta 304:541-551,1977)によりアデ
ニレートシクラーゼ活性を測定した。各実験は、30mMのトリス−HCl,pH7.4,15
0mM のNaCl,8.25mMのMgCl2 0.75mM EGTA,1.5mMのテオフィリン、20μg/mlの
アプロチニン、100μg/mlのバシトラシン、1mg/mlのBSA,1mMのATP,20mM
のクレアチンリン酸、1mg/mlのホスホクレアチンキナーゼ、10μMのイソプロ
テレノール、10μMのGTP 、及びさまざまな濃度のペプチド(0〜10μM)を含
む合計量200μlの溶液の中で行なわれた。50μg(50μl)の膜タンパク質の
付加により反応を開始した。振とう水浴中で10分間35℃でインキュベートした後
、100μMのEDTAの付加及び3分間の沸とうにより反応を終結させた。cAMPを抽
出し、New Eugland Nuclear,Baston,MA から得たキットを用いて放射線免疫検
定により定量した。インビボ検定
本発明の化合物のアンタゴニスト特性を評価するためには、適切なあらゆるイ ンビボ
モデルシステムを使用することができる。このようなモデルとしては、制
限的な意味なく、摂食及び記憶挙動(Flood et al.ペプチド10:963-966)及び血
管収縮及び高血圧(Balasubramaniam et al.Biochem et Biophys Acta 997:17
6-188,1989)を評価するのに使用されるモデルが含まれる。
かくして、1つの作業例では、NPY 類似体の効果を調査するため、傍室視床下
部カニューレを用いてSDラット(350〜450g)を利用して摂食研究を行なった(Cha
nce et al.1989,ペプチド10:1283-1286)。ラットにおけるNPY 誘発された摂
食の拮抗は〔D−Trp32
〕NPY によるものであった。ラットグループは、人工CSF(1μl)又は1μgの
〔D−Trp32〕NPY の視床下部内投与を受けた。15分後、CSF での処理を受けた
ラットCSF(n=6),1μgのNPY(n=6)、又は10μgの〔D−Trp32〕NPY(n
=7)を注射し、一方〔D−Trp32〕NPY での処置を受けたラットには1μgのNP
Y(n=8)を注入した。既知の量のラット食をラットに供給し、1時間後、消費
した食餌を測定し、こぼれた分について補正した。a=p<0.01対CSF;b、有
意にあらず、対CSF;c=p<0.01、対NPY;d=p<0.05、対 NPY。
もう1つの作業例においては、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NP
Y のアンタゴニスト特性を評価するため、血圧研究を行なった。方法は以下の通
りである:すなわち、外科的前処理の後、3用量のNPY(0.1,1.0 及び10nmol/
kg)を無作為化された順に7匹のラットに対し静脈内圧入により投与した。各々
の用量を20分の洗い出し期間によって分離した。基線収縮期血圧(SBP)値を得た
後、ラットは、200nmol/kgの Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY(
n=5)又は 0.9%の食塩水(n=2)のいずれかを、各々のNPY 用量に先立っ
て受けた。NPY の後に観察された基礎状態から最大SBP までのSBP の変化を、基
線及び Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY 処置の間で比較した。
3匹の動物において、単一の 200nmol/kg用量の Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6
,D−Trp32〕NPY の後75分間にわたり15分毎にNPY を 1.0nmol/kg投与するこ
とにより、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY のSBP 効果の持続時
間を見極めた。結 果
我々はまず最初に、C末端レセプタ結合領域内で位置32,34及び36においてD
−Trp 又はD−Trp(CHO)のいずれかを置換するNPY
の一連の全長類似体を合成した。我々は、イソプロテレノールで刺激された視床
下部アデニレートシクラーゼ活性に対するアゴニスト活性についてテストした。
図1は、1.0μMで、NPY,〔D−Trp34〕NPY,[D−Trp36〕NPY 及び対応する
処方されたD−Trp 類似体が、有意な形で、イソプロテレノール刺激を受けた視
床下部アデニレートシクラーゼ活性を阻害したということを示している。しかし
ながら〔D−Trp32〕NPY 、及びその処方された誘導体は、この濃度では、アデ
ニレートシクラーゼ活性に対する有意な阻害効果を示さなかった。図2に示され
ている結合実験において、NPY 及び〔D−Trp32〕NPY は、それぞれ0.63nn及び
3.0nMのIC50値で、用量に依存する形で、ラット視床下部膜に結合した125I−NP
Y を阻害した。ラット視床下部内で〔D−Trp32〕NPY がNPY のアンタゴニスト
でありうることを示唆しているのは、この高いレセプタ活性と内固性活性の完全
な喪失である。
高い結合潜在能を保持する一方での内固性活性の完全な喪失は、〔D−Trp32
〕NPY が視床下部においてNPY のアンタゴニストでありうることを示唆している
。この観察事実をさらに実証するため、我々は〔D−Trp32〕NPY の不在及び存
在下の両方におけるラット視床下部膜アデニレートシクラーゼ活性に対するNPY
の阻害効果を調査した。図3は、0.18nMというIC50値で、NPY がイソプロテレノ
ール刺激を受けた視床下部膜アデニレートシクラーゼ活性を用量依存式に阻害し
たことを示している。〔D−Trp32〕NPY は、アデニレートシクラーゼ活性に対
するいかなる阻害効果も示さなかった。さらに、図3は、30nM及び 300nMの〔D
−Trp32〕NPY の存在が、視床下部アデニレートシクラーゼ活性に対するNPY の
阻害的用量応答曲線を右へと移行させ、そのIC50値をそれぞれ 4.0nM(Ks=1.41
nM)及び540.nM(Ks=1.36nM)まで増大させたということを示して
いる。〔D−Trp32〕NPY の特異性を評価するため、我々は、セロトニンの阻害
的視床下部アデニレートシクラーゼ活性に対するその効果を調査した。図4は、
セロトニン(100nM)の存在が、〔D−Trp32〕NPY(1μM)の不在下及び存在下の
両方においてイソプロテレノール刺激アデニレートシクラーゼ活性を有意に(P
<0.01;反復測定 ANOVAによる)阻害したことを示している。従って、〔D−Tr
p32〕NPY の拮抗は、類似体がセロトニンの阻害的視床下部AC活性に対しいかな
る効果も示さずかくして包括的アンタゴニストとして作用しなかったことから、
NPY レセプタに特異的なものであった。
視床下部NPY は摂食応答を惹起することが示されたことから、我々は同様に、
自由に移動するラットにおけるNPY 誘発された摂食に対する〔D−Trp32〕NPY
の効果についても調査した。図5は、1時間にわたり、賦形剤(人工的脳脊髄液
)処置に比べてNPY(1μg)の視床下部注入が累積的摂食行動を有意に(p<0.0
1)刺激したことを示している。一方、〔D−Trp32〕NPY(1μg)は、この期
間中摂食を有意に刺激せず、又この濃度でのNPY(1μg)誘発された摂食を減衰
させることもなかった。10μgの〔D−Trp32〕NPY は同様に、摂食に対する有
意な効果を示さず、この用量で、1μgのNPY により誘発された1時間の累積的
摂食行動を有意に(p<0.05)減衰させた。これらの観察事実は全て、D−Trp3 2
がインビトロ及びインビボの両方のモデルでラット視床下部内のNPY における
特異的かつ競合的なアンタゴニストである、ということを示唆している。
潜在能及び選択性を改善するために、32の残基をさまざまなアミノ酸例えばD
−Nal,D−Phe,D−Hyp 又はL−Trp と置換させていくつかの類似体を合成した
(図6)。しかしながらこれらの類似体
は、NPY に対するアンタゴニスト特性を誘発するには厳密な構造的必要条件が存
在するということを示唆するアゴニスト活性を示した。血圧及び摂食に対するNP
Y の効果がY−1レセプタ亜型によって媒介されるということが一般に信じられ
ているが、昇圧効果を惹起するNPY 類似体はいかなる食欲促進効果ももたない可
能性がある。かくして、[D−Trp32〕NPY は視床下部に対するレセプタ亜型媒
介NPY 効果を解明するのに役立つばかりでなく、摂食及び昇圧効果がY−1レセ
プタにより媒介されているか否かを決定するためにも有用である。
次に、表Iに示されているSK−N−MC(Y−1)及びSK−N−BE2(Y−2)
を用いて、構造式(I)をもつさまざまな化合物の相対的結合親和力について調
査した。これらの研究から、SK−N−MC細胞によるcAMP産生を阻害しなかった2
つの切形ペプチド類似体、すなわち Des−AA7-24〔Aoc6,D−Trp32〕NPY 及び
Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY が開発された(表I参照)。し
かしながら、Des−AA7-24〔Aoc6,D−Trp32〕NPY は、Y−1レセプタに対する
低い親和力を示し、従って、SK−N−MC cAMP 産生に対するNPY の阻害効果に拮
抗することができなかった。一方、 Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32
〕NPY は、驚くべきことに、中程度の親和力を示し(表I)、その存在(1.0μM
)はSK−N−MC cAMP 産生に対するNPY の阻害的用量応答曲線を平行に右へと移
行させた(図7)。これらの観察事実は、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−T
rp32〕NPY がY−1レセプタ内でNPY の競合的アンタゴニストであることを確認
している。
これらの化合物がインビボモデル内でアンタゴニスト活性を保持したか否かを
調査するため、我々は、NPY 誘発された食欲不振のラットに対する効果をテスト
した。図8は、基線の間の0.1,1.0及び
10.0nmol/kgのNPY 用量が収縮期血圧(SBP)をそれぞれ8±7,26±6及び37±
7mmHgだけ増大させたことを示している。Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−T
rp32〕NPY の投与後、0.1,1.0及び10.0nmol/kgのNPY 用量は、SBP をそれぞれ
4±5,9±5及び29±17mmHgだけ増大させた。Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6
,D−Trp32〕NPY の間のSBP の変化は、1.0nmol/kgのNPY 用量では基線値(p
=0.0002)と著しく異なっていたが、0.1 又は10nmol/kgの用量では著しく異な
っていなかった。食塩水を受けた対照ラットにおけるSBP の変化は、全てのNPY
用量において、基線値と著しく異ならなかった。アンタゴニストの効果の持続時
間は30〜75分であった。この結果は、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32
〕NPY がインビボでのNPY 誘発された血管収縮を減衰させる上で有効であること
を立証している。中位のNPY 用量においてのみSBP に影響を及ぼすその能力及び
、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY がSK−N−MC細胞に対する12 5
I−NPY の結合を阻害できるという発見事実は、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6
,D−Trp32〕NPY がNPY 誘発された高血圧を競合的に拮抗するということを示
唆している。
その上、Des−AA7-24〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY のさらなる切形及び
欠失の結果、3つの類似体が開発されることになった(表I)。これらの類似体
はY−2レセプタに結合しなかったが、〔D−Ala28〕,D−Trp32〕NPY(27−36
)、及び〔Bip27,D−Al28,D−Trp32〕NPY(27−36)の両方共が、Y−1レセプ
タに対する低い親和力も示した。しかしながら、Des−Asn29〔D−Trp28,32〕NP
Y(27−36)は、中程度の潜在能でY−1レセプタに結合し、同様にSK−N−MC細
胞によるイソプロテレノール刺激を受けたcAMPの産生に対するいかなる内固性活
性も示さなかった。これらの観
察事実は、Des−Asn29〔D−Trp28,32〕NPY(27−36)又はその類似体がY−1レ
セプタのための低分子量の選択的アンタゴニスト化合物の開発に役立つことにな
るだろうということを示唆している。
本発明の類似体は同様に、上述の方法を用いてNPY レセプタY−2活性につい
ても検定し試験され得る。従って、あらゆるY−2レセプタ支持細胞例えばSK−
N−BE2細胞系統又は脾臓、腎臓、海馬又は背根神経節内に見られる細胞を用い
て、例えば〔D−Trp32〕NPY といった化合物を検定することができる。
Y−2レセプタの選択的アゴニスト及びアンタゴニストを開発することに向け
て、我々は、SK−N−BE2細胞系統を用いていくつかの化合物をテストした。こ
れらの研究は、Y−3レセプタを支持するラット心臓膜内のNPY のアンタゴニス
トであることが以前に示さ
れたNPY(18-36)が、図9及び図10に示されている通りY−2レセプタ亜型を支持
するSK−N−BE2細胞のcAMP産生に対する阻害効果に拮抗する、ということ立証
した。NPY レセプタ(Y−3亜型)
次に、我々は、NPY*(18−36)に対するプソイドペプチド結合を導入する効果
についで調査した。表IIは、Y−3レセプタに対するNPY(18−36)のプソイドベ
プチド類似体の増大した親和力及び選択性についての結果を示す。NPY(18−36)
の位置31−32又は32−33でのプソイド結合(−CH2NH−)の導入が、Y−3レセ
プタの親和力を実質的に増大させることがわかった(表2参照)。その後の実験
で、全ての類似体がそのアンタゴニスト特性を保持していることが判明した。そ
の上、〔Ψ30/31〕NPY(18−36)及び〔Ψ31/32〕NPY(18−36)及び[Ψ32-33〕NPY
(18−36)類似体は、NPY(18−36)(表II)に比べて、Y−1及びY−2亜型に対
するより低い親和力を示す(表2)。従って、32−33及び31−32におけるプソイ
ド結合の導入は、同様に、Y−3レセプタに対するその選択性を増大させる。
例
本発明について、以下の制限的意味のない例を用いてさらに説明する。
例1
〔D−Ala5,Aoc6,D−Trp32〕NPY の合成
ペプチド合成−Applied Bioscience(ABI)の430A自動計器の反応容器の中にMBH
A樹脂(0.45mMのNH2基)を入れ、2重カップリング手順を組み入れるべくメーカ
ーから提供された標準プログラムに修正を加えたものを用いて、アミノ酸誘導体
を自動的にカップリングさせた。予め形成された対称性無水物 2.2当量を用いて
、全てのアミノ酸をカップリングさせた。しかしながら、Arg,Asn及びGln は、
脱アミド化又はラクタム形成を避けるため、予め形成された1−HOBTエステル(4
.4当量)としてカップリングされた。合成の終了時点で、N−α−Boc 基を除去
し、以下で記述する通り、HFでペプチド樹脂(−1g)を処理した。
反応容器の中で、反応の40分間そして付加的なHF排出の60分間、 1.0gのペプ
チド樹脂、0.8gのp−クレゾール、0.2gのチオクレゾール、0.8mlの(CH3)2及
び5mlのHFを撹拌した。これらの手順の間、反応容器の温度は0℃〜4℃の間に
保った。その後、ペプチド樹脂を、取付け式フィルター漏斗内のEt2O中へ移し、
余剰のEt2Oで洗浄した。30%のHOAc(2×15ml)で、遊離ペプチドを抽出した。
ペプチド溶液を10%のHOAc(60ml H2O)まで希釈し、凍結乾燥させた。この手順
から390mgの相ペプチドを得た。
例2
〔D−Trp32〕NPY の合成
上述の通りペプチド合成を行なった。HFによる分割は以下の通りであった:す
なわち反応容器内で、0℃〜4℃の間の濃度で40分間
の反応中、1.0gのペプチド樹脂、0.8mlの(CH3)C2S,0.8gのp−クレゾール、0
.2gのp−チオクレゾール及び5mlのHFを撹拌した。その後、HFを60で排出した
。濃度はなお0℃未満に保った。ペプチド樹脂を、取付け式フィルター漏斗内に
移し、余剰のET2Oで洗浄した。ペプチド樹脂を30mlの30% HOAc で抽出した。60
mlのH2Oで10%のHOAcまでペプチド溶液を希釈し、タンパク質を凍結乾燥させた
。粗ペプチドの合計重量:190mg。
例3
シクロ(7/21),Des−AA10-17〔Cys7,21,D−Trp32〕NPY の合成
ペプチド合成は、自動ABI 430A合成装置を用いて、上述の通りであった。−2
℃〜−4℃で1時間、硫化ジメチル(0.8ml)、p−クレゾール(0.2g)を含むHF(
10ml)で保護されたペプチド樹脂(1.0g)を処理することによって遊離ペプチド
を得た。残渣をジエチルエーテルを伴う取付け式フィルター漏斗に移し、ジエチ
ルエーテルでくり返し洗浄し、10%のHOAC(2×15ml)でペプチド抽出し、凍結
乾燥させた。かくして得られた粗ペプチド(100mg)を、500ml の精製水で希釈さ
れた6MのグアニジンHCL(6ml)の中に溶解させ、アンモニアでpHを8に調整し
た。フェリシアン化カリウムの溶液(1% w/v)を、黄色い色が残るまでつ
ねに撹拌しながら徐々に加えていった。さらに30分間撹拌した後、溶液のpHを酢
酸で5に調整し、溶液を陰イオン交換樹脂(AG−3,Cl−形、10g湿潤重量)と
共に30分間撹拌し、0.45ミクロンのフィルターを通過させ、半調製カラム(250×
10mm)の中に圧送し、平らな基線が得られるまで0.1%の TFA−H2O で洗浄した。
ペプチドで含むカラムを次に、NPY について記述した通りグラジエント溶離させ
、精製したペプチドをアミノ酸及び質量スペクトル分析によって特徴づけした。
例4
シクロ(7/21),Des−AA10-17〔Glu7,Cys21,D−Trp32〕NPY の合成
このペプチドの合成を、NPY について記述された一般的戦略を用いて達成した
。ただし、この場合、位置7でBocGlu(OFM)をカップリングした後、20%のピペ
リジン−DMF でペプチド樹脂を除去することによって、側鎖保護基、Lys21のε
−Fmoc基及びGlu7のγORmを除去した。DMF でくり返し洗浄した後、一晩DMF(20m
l)中でBOP−HOBT−DIP EA(1:1:3)と共にペプチド樹脂を撹拌することに
よってGlu7のγ−COOHに対してLys21のε−NH2基をカップリングさせ、標準的ニ
ヒドリン試験によって判断されるように環化が完全でない場合には、完璧な環化
が起こるまで手順を反復した。その後、自動モードで合成を継続し、例3に記述
されている標準HF方法により遊離ペプチドを得た。
例5
〔Ψ32/33〕NPY(18−36)の合成
プソイドペプチド結合の導入が望ましくなるまで、心臓レセプタアンタゴニス
トNPY〔Ψ32/33〕NPY(18−36)のカルボキシ末端部分の固相合成のために、上述
のとおりの標準技術を利用した。その後、第1アミンのための保護基としてBoc
を用いて、Sasaki et al(ペプチド8:119-121,1986)の方法に従って、類似体
の中にプソイドペプチド結合を導入した。
結果として得られたプソイドペプチド結合を伴うN−α−Boc−ペプチド−樹
脂を、乾燥用管の取付けられた2方R,B、フラスコの中で10分間DMF(10ml)中
で膨潤させた。この後直ちにジイソプロピルエチルアミン(1.0mmol)、HOBt(0.5m
mol)及びZ(2−Cl)OSU(0.5mmol)を付加した。HOBtは、プソイドペプチド結
合の第2ア
ミン基に対するZ(2−Cl)のカップリングを増強する。カイザーのニンヒドリ
ン試験が黄色を示し第2アミンが遮断されたことを示すまで、反応混合物を室温
で撹拌した。ペプチド樹脂を自動式ペプチド合成装置の反応容器に戻し、配列の
残りの部分を自動的に組み立てた。標準的分割条件により遊離ペプチドを得、逆
相クロマトグラフィによりこれを精製した。利 用
NPY は、潜在能ある血管収縮剤及び/又は食欲促進剤ならびに性衝動阻害物質
及び循環リズムのエフェクターであることから、本発明の単数又は複数の化合物
の投与がNPY の有害な効果を抑制又は阻害しうる確率が高い。従って、本発明の
NPY アンタゴニストは、心臓血管機能(例えばうっ血性心不全又は高血圧)、肥
満、食欲不振、血圧、ぜん息、肺高血圧症、腎高血圧症、記憶保持、性的機能障
害(例えば不能症)及び睡眠及び日周期リズムが関与する障害に関連する多数の
疾病の治療に適している。例えば、構造式(I),(II),(III)の化合物は
、摂食障害及び血圧を抑制するための治療に有効であり、構造式(IV)の化合物
は、例えば慢性心不全といった多数の心臓慢性病を治療するため、ならびに、心
筋収縮を増強するものと予期されることから虚血からの回復を促進するために有
効である。又構造式(IV)の化合物は、Y−2レセプタ亜型により媒介されるNP
Y 作用を制御するため、例えば腎血流、糸球体ろ過値、ナトリウム排泄増加及び
レニン分泌に対するNPY の効果を制御するために役立つ。
かくして、上述の疾患を治療するためには、治療されるべき状態に応じて、治
療用調製物として(以下に記述する通り)適切なNPY アンタゴニストを投与する
、本発明の方法の実践においては、有効量のNPY アンタゴニスト例えばΨ30-31N
PY(18−36)が、当該技術
分野において既知の通常のかつ受容可能な方法のいずれかを介して、単独で又は
本発明のその他の単数又は複数の化合物と組合わせた形で投与される。かくして
、これらの化合物又は組成物は、経口、舌下、非経口(例えば筋内、静脈内、皮
下又は皮内)で又は吸入によって、又錠剤又は懸濁液を含め固体、液体又は気体
のいずれかの用量の形で、投与することができる。投与は、任意に単一用量療法
にて、又は連続療法で単一単位用量形態にて行なうことができる。
上述の疾患を治療するための本発明の化合物の用量は、投与要領、患者の年令
及び体重そして治療すべき患者の状態に応じて変動し、究極的には担当の医師又
は獣医によって決定されることになる。担当の医師又は獣医によって決定される
ような活性化合物の量は、ここでは「治療上有効な量」と呼ぶ。従って、標準的
な投与は、経口投与又は非経口投与である。経口投与の場合の一日の用量は、標
準的に体重1kgあたり 0.1〜100mg の範囲内にあり、非経口投与の場合の一日の
用量は、体重1kgにつき 0.001〜50mgの範囲内にある。
上述の疾患の予防又は治療にとって有効となるためには、治療用作用物質が実
際の使用のレベルで比較的無毒で、非抗原性で非刺激性であることが重要である
。
ここで記述されている例及び実施形態は、単に例示を目的としたものにすぎず
、これに照らし合わせたさまざまな修正又は変更が当業者に示唆されるであろう
し、又これらの修正又は変更は、本出願の精神及び範囲内又添付クレームの範囲
内に含み入れられるものである、ということを理解されたい。
その他の実施形態が以下のクレームの範囲内にある。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 38/00 ADD A61K 37/02 ABU
AED ACV
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG
,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,
RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN