JPH1150203A - 表面高硬度、高耐食性、高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents
表面高硬度、高耐食性、高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼Info
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- JPH1150203A JPH1150203A JP20679297A JP20679297A JPH1150203A JP H1150203 A JPH1150203 A JP H1150203A JP 20679297 A JP20679297 A JP 20679297A JP 20679297 A JP20679297 A JP 20679297A JP H1150203 A JPH1150203 A JP H1150203A
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Abstract
れ、建築、建材等の構造用の表面改質されたマルテンサ
イト系スレンテス鋼を提供する。 【解決手段】 マトリックスの組成が重量%で、C:
0.05〜0.40%、N:0.12%以下、Cr:1
2.0〜16.0%、0.1%≦C+N≦0.40%で
残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であるマルテ
ンサイト系ステンレス鋼で、表層の結晶粒度が約30〜
150μm、表層のN濃度が約0.15%以上、表層の
炭窒化物量が重量%で0.5%以下であることを特徴と
する表面高硬度、高耐食、高靭性マルテンサイト系ステ
ンレス鋼。
Description
および靭性に優れ、建築、建材等の構造用材料として使
用される表面改質されたマルテンサイト系ステンレス鋼
に関するものである。
添加が有効である。しかし、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼に窒素を多量に添加しようとすると凝固時にδフェ
ライト構造をとるため、窒素の溶解度が低く、ブローホ
ールが発生する。そのため、素材に窒素を添加しようと
しても約0.1%程度が限界であった。
900〜1300℃ではオーステナイト組織となり、そ
の温度では窒素の溶解度が高くなる。このため、マルテ
ンサイト系ステンレス鋼をその温度で窒素主体の雰囲気
中で熱処理すると表層から窒素が素材に侵入し、表面が
硬化(窒化)することが知られている(特開昭52−7
7836号公報参照)。
性を高めるために微細炭窒化物を利用して結晶粒の微細
化が行われている(特開平8−67950号公報参
照)。
件によっては表面の硬化不良、耐食性不良、または靭性
不良を起こすことがあり、表面高硬度、高耐食性および
高靭性を全て兼ね備えた表面特性を得ることができなか
った。また、結晶粒微細化に伴い、多量の粒界炭窒化物
が生成し、靭性が劣化する場合があった。本発明はこれ
らの課題を解決し、表面高硬度、高耐食性、且つ高靭性
を全て兼ね備えたマルテンサイト系ステンレス鋼材料を
提供することにある。
を解決するために種々検討した結果、マルテンサイト系
ステンレス鋼において、マトリックスの成分を限定し、
且つ表面の結晶粒度、N量(%)、析出物量を限定する
ことで表面高硬度、高耐食、および高靭性を有するマル
テンサイト系ステンレス鋼を得ることを見いだした。本
発明は、この知見に基づいてなされた。
重量%で C: 0.05〜0.40%、 N:0.1%以下、 Cr:12.0〜16.0%、 0.1%≦C+N≦0.4% を含有し、残部が実質的にFeおよび不可避的不純物で
あるマルテンサイト系ステンレス鋼であり、表層の結晶
粒度が約30〜100μmであることを特徴とする表面
高硬度、高耐食性および高靭性のマルテンサイト系ステ
ンレス鋼である。また、上記記載の鋼における表層の炭
窒化物量が、重量%で0.7%以下であることを特徴と
する表面高硬度、高耐食、および高靭性マルテンサイト
系ステンレス鋼である。更に、上記それぞれに記載した
鋼における表層のN量が、重量%で0.2〜0.8%で
あることを特徴とする表面高硬度、高耐食性、および高
靭性マルテンサイト系ステンレス鋼である。
が、更に重量%で3%以下のMoを含むことを特徴とす
る高硬度、高耐食性および高靭性マルテンサイト系ステ
ンス鋼である。更に、上記それぞれに記載した鋼の組成
が、更に重量%で3.5%以下のNiを含むことを特徴
とする高硬度、高耐食および高靭性マルテンサイト系ス
テンレス鋼である。更に、上記それぞれに記載した鋼の
組成が、更に重量%で0.2%以下のTi、または0.
2%以下のNbのうちの1種以上を含むことを特徴とす
る表面高硬度、高耐食性および高靭性マルテンサイト系
ステンレス鋼である。
の成分範囲について述べる。Cはマルテンサイト系ステ
ンレス鋼の窒化後の表層のビッカース硬さで550以上
を確保するために0.05%以上添加する。しかし、
0.4%を超えて添加すると、粗大粒界炭化物が析出
し、耐食性や、靭性を劣化させることから上限を0.4
%に限定した。
%以上添加する。しかし、16%を超えて添加すると、
δフェライト組織が存在し、耐食性および靭性を劣化さ
せるため、上限を16.0%に限定した。
後の表層のビッカース硬さで550以上を確保するため
に添加する。しかし、0.1%を超えて添加すると凝固
時に気泡を生成し、製造性を著しく低下させるため、上
限を0.1%に限定した。
レス鋼の表面でビッカース硬さ550以上を確保するた
め、および窒化時の表層の結晶粒径を100μm以下に
するために0.1%以上にする。しかし、0.4%を超
えて添加すると、冷却中に粒界に多量の炭窒化物が生成
し、靭性を劣化させるため、上限を0.4%に限定し
た。
て添加するが、3.0%を超えて添加してもその効果は
飽和するばかりか、δフェライトが生成し、耐食性、お
よび靭性を劣化させるため上限を3.0%に限定した。
ために必要に応じて添加するが、3.5%を超えて添加
すると、窒化時に表層に残留γが生成し、表層の硬さを
低下させるため上限を3.5%に限定した。
炭窒化物を抑制し、耐食性および靭性を向上させ、結晶
粒の粗大化を防止するために必要に応じて1種または2
種添加するが、0.2%以上添加するとその効果は飽和
するばかりか、靭性を劣化させる。このことから上限を
0.2%に限定した。上記した以外のMn,Si,S,
P等の元素は、通常マルテンサイト系ステンレス鋼に含
有する量含んでいる。
の表面特性から構成される。窒化後の表層の結晶粒は、
窒素の粒界拡散による窒化を促進させ、靭性を確保させ
るために100μm以下に限定した。しかし、30μm
より小さくするには炭窒化物のピンニングを利用しなけ
ればならず、窒化の場合、冷却中にピンニングに使った
炭窒化物を起点に粒界炭窒化物が生成し、靭性を劣化さ
せるため、下限を30μmに限定した。
確保および耐食性確保のため、重量%で0.7%以下に
限定した。
び表層の硬さをHvで550以上にするために、0.2
%以上に限定した。しかし、0.8%を超えると表層C
r窒化物量が増加し、耐食性および靭性を劣化させるこ
とから上限を0.8%に限定した。ここで、表層のN量
(%)の表層とは、例えば表面から約0.2mmの範囲を
いう。
耐食性の関係を図1に示す。図中でハンチングした領域
が本願発明範囲である。また、表層の結晶粒径、表層の
N量(%)と硬さ、靭性、耐食性の関係を図2に示す。
図中のハンチングしてある領域が本願発明範囲である。
本発明範囲において高硬度、高耐食性、高靭性が得られ
る。以上の成分と表層特性を有するマルテンサイト系ス
テンレス鋼はの表層高硬度、高耐食性および高靭性を具
備するものである。
説明する。表1に本発明鋼A〜Mおよび比較鋼N〜Uの
成分を示す。なお、表1において、0.2%未満のM
o,Cr量、0.01%未満のTi,Nb量は、特に添
加したものでなく、鋼中に含有する分析値を示したもの
である。
%Cr系を基本成分としてマルテンサイトの強度および
結晶粒径に影響を及ぼすC量(%)およびN量(%)を
変化させたものである。本発明鋼B,E,Fと比較鋼
Q,Rは0.15%C−0.03%N系を基本成分とし
てマルテンサイトの耐食性に影響を及ぼすCr量(%)
を変化させたものである。本発明鋼E,G,Hと比較鋼
Sは0.16%C−13%Cr−0.04%N系を基本
成分としてマルテンサイトの耐食性に影響を及ぼすMo
量(%)を変化させたものである。
15%C−12.5%Cr−2%Mo−0.06%N系
を基本成分としてマルテンサイトの靭性に影響を及ぼす
Ni量(%)を変化させたものである。本発明鋼G,
K,L,Mと比較鋼Uは0.15%C−13%Cr−1
%Mo−0.05%N系を基本成分としてマルテンサイ
トの結晶粒微細化に影響を及ぼすTi量(%)およびN
b量(%)を変化させたものである。
ンレス鋼線の製造工程で、溶製し、φ7mmまで熱間線材
圧延を行い、1000℃で熱延を終了した。得られた熱
延線材を焼鈍、酸洗し、φ5.5mmまで冷間伸線加工を
施した。その後、焼鈍・酸洗を施しφ5.5mmの鋼線に
した。上記鋼線を硬さ評価試験用にφ5.5mm×20mm
の試験片に加工し、端面を鏡面研磨した。また、耐食性
評価試験用にφ5.5mm×100mmの試験片に加工し、
靭性評価試験用に5.5×2×55mmで1mm深さのUノ
ッチを入れた試験片に加工した。
℃の窒素ガス雰囲気中で窒化し、窒素ガスにより常温ま
で約60℃/minの冷却速度にて冷却し、200℃で低温
焼戻しを行った。この結果、表面改質されたマルテンサ
イト系ステンレス鋼が得られた。
靭性を得るための試験を行った。表面硬さはJIS Z
2244により試験片端面の表層硬さを測定した。本発
明例の硬さのランクはビッカース硬さで550以上とし
た。耐食性はJIS Z2371により表層を#500
で研磨後、240時間試験実施後、その発銹状況で評価
した。本発明の発銹状況は流れ錆が発生してないことに
した。靭性はJIS Z2202よりサイズ5.5×2
×55mm、深さ1mmのUノッチで室温にて試験を行い、
その時のシャルピー衝撃値にて評価した。本発明のシャ
ルピー衝撃値は60J/cm2 以上とした。
かなように、本発明例は全て上記特性ランクを満足して
いるのに対し、比較例No.14はC量(%)およびC
+N量(%)が低く、表層硬さに劣っていた。比較例N
o.15はC量(%)およびC+N量(%)が高く、粒
界炭窒化物析出のため耐食性および靭性に劣っているば
かりか、表層残留γのため表面硬さにも劣っていた。比
較例No.16はマトリックスのN量(%)が高く、鋳
造時に気泡が生成し、製造性に劣っていた。
耐食性に劣っていた。比較例No.18はCr量(%)
が高く、δフェライト生成のため粒界炭窒化物量が多
く、耐食性および靭性に劣っていた。比較例No.19
はMo量(%)が高く、δフェライト生成のため粒界炭
窒化物量が多く、耐食性および靭性に劣っていた。
表層に残留γ生成により表層硬さに劣っていた。比較例
No.21はTi量(%)およびNb量(%)が高く、
析出物量が多く、靭性に劣っていた。以上の実施例から
分かるように本発明鋼の優位性は明らかである。
量、N量(%)について本発明例および比較例を比較し
た実施例を示す。これらの実施例は表1記載の本発明鋼
CおよびIの成分の鋼線を前記試験片に加工し、表3に
示すようにな条件で窒化焼入を行い、その後、200℃
で焼戻した。
食性、靭性にて評価した。表3で明らかなように、本発
明例は全て前記特性ランクを満足しているのに対し、N
o.26は結晶粒径が小さく、粒界炭化物が析出してお
り、耐食性、靭性に劣っていた。No.27は表層のN
量(%)が低く、耐食性に劣っていた。
ている。No.29は粒径が小さく、粒界炭窒化物量が
多く、耐食性、靭性に劣っていた。No.30は表層の
N量(%)が低く、表層硬さに劣っていた。No.31
は結晶粒径が大きく靭性に劣っていた。No.32は表
面のN量が高く、耐食性および靭性に劣っていた。
晶粒径についての本発明例および比較例を比較した実施
例を示す。これらの実施例は表1記載の本発明鋼Cの成
分の鋼線を前記試験片に加工し、表4に示すようにな条
件で窒化焼入を行い、その後、200℃で焼戻した。
食性、靭性にて評価した。表4で明らかなように、本発
明例は全て前記特性ランクを満足しているのに対し、N
o.35は結晶粒径が小さく、炭窒化物量が多く、耐食
性、および靭性に劣っていた。No.36は結晶粒径が
大きく、靭性に劣っていた。
表層の炭窒化物量について本発明例および比較例を比較
した実施例を示す。これらの実施例は表1記載の本発明
鋼CおよびIの成分の鋼線を前記試験片に加工し、表3
に示すようにな条件で窒化焼入を行い、その後、200
℃で焼戻した。
食性、靭性にて評価した。表5で明らかなように、本発
明例は全て前記特性ランクを満足しているのに対し、N
o.39,40は炭窒化物量が多く、耐食性および靭性
に劣っていた。以上の実施例から分かるように本発明鋼
の優位性が明らかである。
明により表面硬度、耐食性および靭性に優れ、建築、建
材等の構造用の表面改質されたマルテンサイト系ステン
レス鋼を安価に提供することが可能であり、産業上極め
て有用である。
耐食性の関係を示す。
性、耐食性の関係を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 マトリックスの組成が重量%で、 C :0.05〜0.40%、 N :0.1%以下、 Cr:12.0〜16.0%を含有し、 0.1%≦C+N≦0.4% で残部が実質的にFeおよび不可避的不純物であるマル
テンサイト系ステンレス鋼であり、表層の結晶粒度が約
30〜100μmであることを特徴とする表面高硬度、
高耐食性および高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼。 - 【請求項2】 表層の炭窒化物量が重量%で0.7%以
下であることを特徴とする請求項1記載の表面高硬度、
高耐食性および高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼。 - 【請求項3】 表層のN量(%)が重量%で0.2〜
0.8%であることを特徴とする請求項1または2記載
の表面高硬度、高耐食性および高靭性マルテンサイト系
ステンレス鋼。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のマルテンサイト系ステンレス鋼であって、該鋼の組成
が更に重量%で3%以下のMoを含むことを特徴とする
表面高硬度、高耐食性および高靭性マルテンサイト系ス
テンレス鋼。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
のマルテンサイト系ステンレス鋼であって、該鋼の組成
が更に重量%で3.5%以下のNiを含むことを特徴と
する表面高硬度、高耐食性および高靭性マルテンサイト
系ステンレス鋼。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
のマルテンサイト系ステンレス鋼であって、該鋼の組成
が更に重量%で0.2%以下のTi、または0.2%以
下のNbのうちの1種以上を含むことを特徴とする表面
高硬度、高耐食性および高靭性マルテンサイト系ステン
レス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20679297A JP3471576B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 表面高硬度、高耐食性、高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP20679297A JP3471576B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 表面高硬度、高耐食性、高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1150203A true JPH1150203A (ja) | 1999-02-23 |
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ID=16529182
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|---|---|---|---|
| JP20679297A Expired - Lifetime JP3471576B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 表面高硬度、高耐食性、高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼 |
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| JP3471576B2 (ja) | 2003-12-02 |
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