【発明の詳細な説明】
アスペルギルスのアラピノフラノシダーゼ
本発明は酵素に関する。さらに、本発明はこの酵素をコードするヌクレオチド
配列に関する。また、本発明は、プロモーターに関し、ここでこのプロモーター
はこの酵素をコードするヌクレオチド配列の発現を制御するために用いれられ得
る。
特に、本発明の酵素は、アラビノキシラン分解活性を有するアラビノフラノシ
ダーゼ酵素である。
ある生物(例えば糸状菌(例えば、Aspergillus Niger)またはさらに植物作物)
の特定の組織において、目的の遺伝子(「GOI」)の発現を指示することが望まし
いことが知られている。得られるタンパク質または酵素は、その生物自身にとっ
て有用であり得る。例えば、最適化されたアミノ酸組成物を有する作物タンパク
質産物を生産し、そして作物の栄養価を増大させることが所望であり得る。例え
ば、作物は飼料としてより有用になり得る。
あるいは、得られたタンパク質または酵素を単離し、そして次いでそのタンパ
ク質または酵素を、例えば、食物組成物を調製するために用いることが所望であ
り得る。この点に関して、得られたタンパク質または酵素は、食物組成物の成分
であり得、または食物組成物を調製するために使用され得、これは食物組成物の
特性または外観を改変する工程を包含する。その生物(例えば、糸状菌または作
物植物)を非植物遺伝子を例えば同目的について、発現するために用いることさ
えも所望であり得る。
また、ある生物(例えば、糸状菌または作物植物)を、哺乳類遺伝子を発現する
ために、用いることが所望でさえあり得る。後者産物の例として、インターフェ
ロン、インスリン、血液因子、およびプラスミノーゲンアクチベーターが挙げら
れる。微生物(例えば、糸状菌)を、その微生物中で活性なプロモーターの使用に
より、GOIから産物を調製するために用いることがまた所望であり得る。
果実および野菜の細胞壁は、主に多糖(主成分がペクチン、セルロース、およ
びキシログルカン)から成る(R.R.SelvendranおよびJ.A.Robertson,IFR Repor
t1989)。強度および可撓性の本質的な特性の取り込みを試みる種々の細胞壁モデ
ルが提唱されてきた(P.Albersheim,Sci.Am.232,81-95,1975;P.Albershei
m,Plant Biochem.第3版,(Bonner および Varner),Ac.Press,1976;T.Hay
ashi,Ann.Rev.Plant Physiol.& Plant Mol.Biol.,40,139-168,1989)。
植物細胞壁の組成は、複雑かつ変化しやすい。多糖は主に、長鎖のセルロース
(植物細胞壁の主要構造成分)、ヘミセルロース(種々のβ−キシラン鎖を含む)、
および、ペクチン質(ガラクツロナンおよびラムノガラクツロナン;アラビナン
;ならびにガラクタンおよびアラビノガラクタンからなる)の形態で見出される
。食品工業の立場から、ペクチン質、特にアラビナンは植物細胞壁の最も重要な
構成成分の1つになった(Whitaker,J.R.(1984)Enzyme Microb.Technol.,6,
341)。
植物多糖の1つの形態はアラビナンである。アラビナンの概説は、EP-A-05061
90中に見出され得る。この書類に従えば、アラビナンは互いに連結したα-(1→
5)基の主鎖からなる。側鎖はα-(1→3)またはときどきα-(1→2)と主要な
α-(1→5)-L-アラビナン骨格とを連結する。例えば、リンゴ中では、全アラビ
ノースの3分の1が側鎖中に存在する。アラビナンの分子量は通常約15kDaであ
る。
アラビナンは、集合的にアラビナーゼと呼ばれる酵素により分解される。この
ことに関して、アラビナン分解活性は、アラビナン骨格からまたはアラビノガラ
クタンのような他のヘミセルロース骨格構造のアラビナン含有側鎖からアラビノ
ース残基(モノマーまたはオリゴマーのいずれか)を放出する酵素の能力、あるい
はさらにモノテルペニルα-L-アラビノフラノシルグルコシドの末端アラビノフ
ラノシル単位と中間グルコシル単位との間の1→6結合の切断を介するアラビノ
ースモノマーの放出能力である。
EP-A-0506190のアラビナン分解酵素の活性は:a)(1→2)-α-L-アラビノシド
結合を切断する能力;b)(1→3)-α-L-アラビノシド結合を切断する能力;c)(
1→5)-α-L-アラビノシド結合を切断する能力;d)モノテルペニルα-L-アラビ
ノフラノシルグルコシドの末端アラビノフラノシル単位と中間グルコシル単位
との間の1→6結合を切断する能力を包含する。
アラビナン分解酵素は、種々の植物および微生物、これらの中で、Aspergillu
s属、Corticium属、Rhodotorula属(Kaji,A.(1984)Adv.Carbohydr.Chem.Bioch
em.,42,383)、Dichotomitus属(Brillouetら(1985)Carbohydrate Research,1 44
,113)、Ascomycetes属、およびBasidomycetes属(Sydow,G.(1977)ドイツ民
主共和国特許出願第124,812号)のような菌類により産生されることが公知である
。
別の植物多糖はキシランであり、その主要単糖単位はキシロースである。キシ
ランはヘミセルロース中に豊富な成分である。単子葉植物中の主なヘミセルロー
スはアラビノキシランであり、その中では、アラビノース側鎖がキシロース残基
の骨格に結合される。
アラビノキシランは、穀類の細胞壁中に見出される炭水化物である。アラビノ
キシランおよびその酵素分解は、Voragenら(1992穀類のアラビノキシラン、キシ
ラン、およびキシラナーゼの特徴付け(Characterisation of Cereal Arabinoxyl
ans,Xylans and Xylanases)、51〜67頁、J,Visser編、Elsevier Science Publ
ishers発行)に見出され得る。
代表的には、アラビノキシランは、β-1,4-結合を介して共に連結されたキシ
ロース骨格を含む。キシロース骨格は、キシロース残基の2または3位へのα-1
結合を介して連結されるL-アラビノース残基で置換される。キシロース残基は、
単一または二重置換され得る。アラビノースでの置換に加えて、キシロース残基
は、アセチル基、グルクロン酸、および種々の他の炭水化物で置換され得る。さ
らにアラビノース残基は、フェノール酸(例えば、フェルラ酸およびクマル酸)で
置換され得る。置換の度合いおよび種類は、特定のアラビノキシランの供給源に
依存する。
アラビノキシランは、それらが二次細胞壁の一部である穀類の細胞壁中に見出
される。アラビノキシランは、コムギ粉の約3%を形成する―その一部は水溶性
(WSP)であり、その一部は水不溶性(WIP)である。
アラビノキシラン量がコムギの約3%に過ぎないという事実にもかかわらず、
アラビノキシラン画分の重要性はより非常に高い。これは、穀類のアラビノキシ
ランがそれらが水でゲルに似た構造を形成するように、ヒドロゲルとして作用す
るからである。例えば、コムギ粉のアラビノキシランは、それらは総量で乾燥物
の僅か3%であるという事実にもかかわらず、練り粉(dough)中では水の30%ま
でを結合する。アラビノキシランが水と結合する場合、それらは粉にした穀類の
粘度を増加させ、そしてその穀類が取り扱い困難になる程度にまで増加させる。
粉にした穀類が用いられるいくつかの系のレオロジー的特性は、アラビノキシ
ランを分解する酵素を用いて操作され得る。現在のパン製造業では、練り粉を処
理するために必要なエネルギーを低減するために、そしてまたパンの容量をより
高くするために練り粉の粘度を低減することは有利である。これは通常、アラビ
ノキシランのキシロース骨格を分解し得る酵素を用いることにより達成される。
この応用の目的のために、アラビノキシランのキシロース骨格由来のアラビノ
ース側鎖を切断するのみの酵素は、集合的にアラビノキシラン分解酵素と呼ばれ
る。
穀類に基づく食物中で、穀類のアラビノキシランは、その食物が摂取された後
に、その動物の腸内の流体の粘度を増加させ得る。これは、その動物に消化不良
のような不快をもたらすため問題である。また、その食物の栄養価は低減される
。これらの問題は、消化不良を避け、そしてその食物の栄養価を増加させるよう
に、その食物に、アラビノキシランを分解する酵素(例えば、キシラナーゼ)を添
加することにより避けられ得る。しかし、アラビノキシランを分解するいくつか
の酵素(特にキシラナーゼのいくつか)は、置換されていない骨格の存在が必要で
あり、そしてそのためにそれらの活性は制限され得る。
さらにアラビノキシランについての考察は、キシランおよびキシラナーゼ中に
見出され得る(1992、J.Visser編、Elsevier Science Publishers発行)。
アラビノキシラン分解酵素は、Kormelinkら、1991(Kormelink,F.J.M.,Searl
e-Van Leeuwen M.J.F.,Wood.T.M.,Voragen,A.G.J.(1991)Aspergillus awamo
ri由来(1,4)-β-D-アラビノキシランアラビノフラノヒドロラーゼの精製と特徴
付け。Appl.Microbiol.Biotechnol.25:753-758)により記載されたように、(1
,4)-β-D-アラビノキシランアラビノフラノヒドロラーゼ(AXH)である。しかし、
この文書は、その酵素の配列データあるいはそれをコードするヌクレオチド配列
またはそのプロモーターをコードするヌクレオチド配列を提供しない。
明らかに、好ましくは組換えDNA技術の使用により、アラビノキシランを分解
し得ることは有用である。
本発明は、アラビノキシラン分解活性を有する酵素を提供することを目的とす
る;好ましくは、ここで、生物(代表的には、糸状菌、好ましくは、Aspergillus
属(例えば、Aspergillus niger)、または植物)のあるまたは特定の細胞または組
織(例えば、ただ特定の細胞または組織)において酵素が調製され得る。
また、本発明は、生物(代表的には糸状菌、好ましくはAspergillus属(例えばA
spergillus niger)、または植物)の特定の細胞または組織(例えば、あるまたは
特定の細胞または組織)において、好ましく発現され得る酵素をコードするGOIを
提供することを目的とする。
さらに、本発明は、GOIの発現を指示し得るプロモーター、例えば、好ましく
は、生物(代表的には糸状菌、好ましくはAspergillus属(例えばAspergillus nig
er)、または植物)のある特定の細胞または組織(例えばただ特定の細胞または組
織)の、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を提供することを目的とす
る。好ましくは、GOIによりコードされる産物が、宿主生物から周囲の培地中に
分泌されるAspergillusにおいて、プロモーターが用いられる。
さらに、本発明は、GOIおよび/またはプロモーターを含む構築物、ベクター、
プラスミド、細胞、組織、器官、および生物、ならびに、好ましくは、生物(代
表的には糸状菌、好ましくはAspergillus属、または植物)の特定の細胞または組
織においてそれを発現する(例えば、ただ特定の細胞または組織における発現)方
法を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に従い、Aspergillusから得ることができる酵素が提供さ
れ、ここでこの酵素は以下の特徴付けを有する:33,270D±50DのMW;約3.7のp
I値;アラビノキシラン分解活性;約2.5〜約7.0の至適pH(より特には約3.3〜約4.6
、より特には約4);約40℃〜約60℃の至適温度(より特には約45℃〜約55℃、よ
り特には約50℃);そしてここで酵素は、アラビノキシランのキシロース骨格か
らアラビノースを切断し得る。
本発明の第2の局面に従い、配列番号1に示される配列、あるいはその変異体
、
相同体、またはフラグメントを有する酵素が提供される。
本発明の第3の局面に従い、配列番号2に示されるヌクレオチド配列、あるい
はその変異体、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列によ
りコードされる酵素が提供される。
本発明の第4の局面に従い、本発明による酵素をコードするヌクレオチド配列
が提供される。
本発明の第5の局面に従い、配列番号2に示される配列、あるいはその変異体
、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列を有するヌクレオ
チド配列が提供される。
本発明の第6の局面に従い、配列番号3に示される配列、あるいはその変異体
、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列を有するプロモー
ターが提供される。
本発明の第7の局面に従い、配列番号13に示されるヌクレオチド配列、あるい
はその変異体、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列を有
するターミネーターが提供される。
本発明の第8の局面に従い、配列番号14に示されるヌクレオチド配列、あるい
はその変異体、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列を有
するシグナル配列が提供される。
本発明の第9の局面に従い、プロモーターの使用(ここでそのプロモーターは
本発明によるプロモーターである)によりGOIを発現するプロセスが提供される。
本発明の第10の局面に従い、アラビノキシランを分解するために、本発明によ
る酵素の使用が提供される。
本発明の第11の局面に従い、アラビノキシランを分解するための酵素の組み合
わせが提供され、この組み合わせは本発明による酵素およびキシラナーゼを含む
。
本発明の第12の局面に従い、アラビノキシランを分解し得る酵素を発現するた
めに、またはその発現を制御するために、または別のGOIの発現を制御するため
に、プラスミドNCIMB40703、またはそれから得ることができるヌクレオチド配列
が提供される。
本発明の第13の局面に従い、配列番号15に示される配列、あるいはその変異体
、
相同体、またはフラグメントを有するシグナル配列が提供される。
本発明の第14の局面に従い、消化不良を低減もしくは防止するために、および
/または消化性を増大させるために、および/または栄養吸収を増大させるために
、医薬または食料品の製造における、本発明による酵素の使用が提供される。
本発明の第15の局面に従い、配列番号1に示される配列を有する精製されたア
ラビノフラノシダーゼ酵素に対して惹起された抗体と免疫学的に反応する、アラ
ビノキシラン分解活性を有する、アラビノフラノシダーゼ酵素が提供される。
本発明の第16の局面に従い、アラビノフラノシダーゼプロモーター(ここでプ
ロモーターはキシロース代謝における中間体により誘導される)が提供される。
本発明の第17の局面に従い、分枝基質の粘度を低減するプロセス(ここで酵素
が基質の分枝を分解し、基質の骨格を分解しない)が提供される。
本発明のさらなる局面に従い、粘性調節剤としての本発明の酵素の使用が提供
される。
本発明のさらなる局面に従い、ペクチンの粘度を低減するために、本発明の酵
素の使用が提供される。
本発明の他の局面は、本発明の前述の局面を含む、構築物、ベクター、プラス
ミド、細胞、組織、器官、およびトランスジェニック生物を含む。
本発明の他の局面は、ヌクレオチド配列、構築物、プラスミド、ベクター、細
胞、組織、器官、または生物、ならびにその産物のいずれか1つを発現するか、
または発現を可能にするか、または形質転換する方法を包含する。
本発明のさらなる局面は、ブロスのような培養培地中で、またはトランスジェ
ニック生物中でGOIを発現するためのプロモーターの使用を包含する。
本発明のさらなる局面は、食料(動物の飼料を含む)を調製するまたは処理する
ための酵素の使用を包含する。
好ましくは、酵素は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列、またはその変
異体、相同体、フラグメント、あるいはそれに相補的な配列によりコードされる
。
好ましくは、ヌクレオチド配列は、配列番号2に示される配列、またはその変
異体、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列を有する。
好ましくは、ヌクレオチド配列は作動可能にプロモーターに連結される。
好ましくは、プロモーターは配列CCAATを含む。
好ましくは、プロモーターは、配列番号3に示される配列、またはその変異体
、相同体、またはフラグメント、あるいはそれに相補的な配列を有するプロモー
ターである。
好ましくは、プロモーターは、Xma 111〜BamHI部位までの100bpの配列を含む
。
好ましくは、本発明のプロモーターは、GOIに作動可能に連結される。
好ましくは、GOIは、本発明によるヌクレオチド配列を含む。
好ましくは、トランスジェニック生物は菌類である。
好ましくは、トランスジェニック生物は糸状菌であり、より好ましくはAsperg
illus属である。
好ましくは、トランスジェニック生物は植物である。
好ましくは、使用において、酵素は、キシラナーゼ、好ましくはエンドキシラ
ナーゼと組み合わせて用いられる。
本発明のそれぞれの局面の非常に好ましい実施態様は、自然環境内の、天然の
酵素、天然のプロモーター、または天然のヌクレオチド配列のどれ1つも含まな
い。
好ましくは、プラスミド、発現ベクターまたは形質転換ベクターのようなベク
ター、細胞、組織、器官、生物、あるいはトランスジェニック生物のいずれか1
つにおいて、プロモーターは、少なくとも1つのGOIと組み合わせて存在する。
好ましくは、プロモーターおよびそのGOIはトランスジェニック生物のゲノム
内に安定的に取り込まれる。
好ましくは、トランスジェニック生物は、糸状菌、好ましくはAspergillus属
、より好ましくはAspergillus nigerである。トランスジェニック生物は、植物(
例えば、単子葉植物または双子葉植物)でさえあり得る。
非常に好ましい実施態様は、Aspergillusから得ることができる酵素であり、
ここで酵素は以下の特徴を有する:33,270D±50DのMW;約3.7のpI値;アラビ
ノキシラン分解活性;約2.5〜約7.0の至適pH(より特には約3.3〜約4.6、より特
には約4);約40℃〜約60℃の至適温度(より特には約45℃〜約55℃、より特には
約50℃);そしてここで酵素はアラビノキシランのキシロース骨格からアラビノ
ースを切断し得る;ここで酵素は配列番号1に示される配列、あるいはその変異
体、相同体、またはフラグメントを有し得る。
別の非常に好ましい実施態様は、Aspergillusから得ることができる酵素であ
り、ここで酵素は以下の特徴を有する:33,270D±50DのMW;約3.7のpI値;ア
ラビノキシラン分解活性;約2.5〜約7.0の至適pH(より特には約3.3〜約4.6、よ
り特には約4);約40℃〜約60℃の至適温度(より特には約45℃〜約55℃、より特
には約50℃);そしてここで酵素はアラビノキシランのキシロース骨格からアラ
ビノースを切断し得る;ここで酵素は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列
、あるいはその変異体、相同体、またはフラグメントを、あるいはそれに相補的
な配列によりコードされる。
本発明の利点は、アラビノキシラン分解活性を有するアラビノフラノシダーゼ
酵素およびそれをコードするヌクレオチド配列を調製する方法を提供することで
ある。さらに、本発明は、そのヌクレオチド配列、または別のヌクレオチド配列
の発現を制御し得るプロモーターを提供する。
他の利点は、本発明の酵素が、粉にした穀類の操作をし易くするように、そし
て例えばパンの容積をより大きくするように、粉にした穀類(例えば、練り粉)の
粘度に影響し得ることである。
本発明の酵素はまた、アラビノキシランを分解し、それゆえ飼料の栄養価を増
加させるために、飼料に対して有利である。さらに、それは動物の腸内のアラビ
ノキシランの粘度を低減させ、そのため消化不良を低減または防止する。
本発明の酵素とキシラナーゼとの使用の組み合わせは、本発明の酵素およびキ
シラナーゼが互いに驚くべきかつ予期せぬ相乗効果を有するために、特に有利で
ある。
このことに関して、本発明の酵素は、キシラナーゼの分解効果を増大し、そし
てシキラナーゼは本発明の酵素の分解効果を増大する。本発明の酵素がより低い
置換された基を有する多糖基質を提供するため、キシラナーゼの活性が増大され
ると考えられる。
従って、本発明は、アラビノキシラン分解活性を有する酵素を提供し、ここで
、生物(代表的には、糸状菌、好ましくは、Aspergillus属(例えば、Aspergillus
n
iger))のあるまたは特定の細胞または組織(例えば、ただ特定の細胞または組織)
において酵素が調製され得る。酵素は植物からさえも調製され得る。
より詳細には、本発明の酵素は、アラビノキシランのキシロース骨格からアラ
ビノースを特異的に切断し得る。
本発明のアラビノフラノシダーゼは、既に公知のアラビノフラノシダーゼとは
異なる。このことに関して、先に記載のアラビノフラノシダーゼ―例えば、EP-A
-0506190―が、非分枝アラビナンを分解する能力を特徴とし、そしてp-ニトロフ
ェニル-アラビノシドを用いてアッセイされる。
本発明のアラビノフラノシダーゼは非分枝アラビナンを分解せず、そしてマイ
ナーな活性のみがニトロフェニル-アラビノシドに対して認められる。対照的に
、本発明のアラビノフラノシダーゼは、アラビノキシランを分解するには有用で
ある。したがって、本発明のアラビノフラノシダーゼは以前に単離されたアラビ
ノフラノシダーゼとは全く異なる。
また、本発明は、生物(代表的には、糸状菌、好ましくは、Aspergillus属(例
えば、Aspergillus niger))の好ましくは特定の細胞または組織(例えば、あるま
たは特定の細胞または組織)において発現され得る酵素をコードするGOIを提供す
る。
さらに、本発明は、生物(代表的には糸状菌、好ましくはAspergillus属(例え
ばAspergillus niger)、または植物)の好ましくはある特定の細胞または組織(例
えば、ただ特定の細胞または組織)において、GOI(例えば、本発明の酵素をコー
ドするヌクレオチド配列)の発現を指示し得るプロモーターを提供する。好まし
くは、このプロモーターはGOIによりコードされる産物が、宿主生物から周囲の
培地中に分泌される、Aspergillusにおいて使用される。このプロモーターはな
お、植物中でGOIを発現するために(必要であれば)適応され得る。
本発明はまた、生物(代表的には糸状菌、好ましくはAspergillus属、または植
物)のGOIおよび/またはプロモーターを含む構築物、ベクター、プラスミド、細
胞、組織、器官、および生物、ならびにそれを、好ましくは特定の細胞または組
織において発現する(例えば、ただ特定の細胞または組織における発現)方法を提
供する。
酵素に関連する用語「変異体」、「相同体」、または「フラグメント」は、ア
ラビノキシラン分解活性を有する、好ましくは少なくとも配列表(配列番号1ま
たは12)に示される酵素と同じ活性を有する、得られたアミノ酸配列を提供する
配列からの、またはその配列への、1つ(またはそれ以上の)アミノ酸の、あらゆ
る置換(substitution)、変異、修飾、置換え(replacement)、欠失、または付加
を包含する。特に、用語「相同体」は、アラビノキシラン分解活性を有する得ら
れた酵素を提供する構造および/または機能に関するホモロジーを包含する。配
列ホモロジーに関しては、添付の配列表に示す配列番号1と好ましくは少なくと
も75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%のホモ
ロジーがある。より好ましくは添付の配列表に示す配列番号1と少なくとも95%
の、より好ましくは少なくとも98%のホモロジーがある。
酵素をコードするヌクレオチド配列に関連する、用語「変異体」、「相同体」
、または「フラグメント」は、アラビノキシラン分解活性を有する酵素、好まし
くは少なくとも配列表(配列番号2または12)に示される酵素と同じ活性を有する
酵素をコードする得られたヌクレオチド配列を提供する配列からの、またはその
配列への、1つ(またはそれ以上の)核酸の、あらゆる置換、変異、修飾、置換え
、欠失、または付加を包含する。特に、用語「相同体」は、アラビノキシラン分
解活性を有する酵素をコードする、得られたヌクレオチド配列を提供する構造お
よび/または機能に関するホモロジーを包含する。配列ホモロジーに関しては、
添付の配列表に示す配列番号2と好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%のホモロジーがある。より好まし
くは添付の配列表に示す配列番号2と少なくとも95%の、より好ましくは少なく
とも98%のホモロジーがある。
プロモーターに関連する、用語「変異体」、「相同体」、または「フラグメン
ト」は、発現系(例えば、本発明の形質転換した細胞またはトランスジェニック
生物)においてプロモーターとして作用する能力を有する得られたヌクレオチド
配列を提供する配列からの、またはその配列への、1つ(またはそれ以上の)核酸
の、あらゆる置換、変異、修飾、置換え、欠失、または付加を包含する。特に、
用語「相同体」は、プロモーターとして作用する能力を有する、得られたヌクレ
オチド配列を提供する構造および/または機能に関するホモロジーを包含する。
配列ホモロジーに関しては、添付の配列表に示す配列番号3と、好ましくは少な
くとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の
ホモロジーがある。より好ましくは添付した配列表に示す配列番号3と少なくと
も95%の、より好ましくは少なくとも98%のホモロジーがある。
ターミネーターまたはシグナルヌクレオチド配列に関連する、用語「変異体」
、「相同体」、または「フラグメント」は、発現系(例えば、本発明の形質転換
した細胞またはトランスジェニック生物)において、それぞれターミネーターと
して作用する能力を有する得られたヌクレオチド配列、またはシグナル配列とし
て作用する能力を有するアミノ酸配列をコードする、得られたヌクレオチド配列
を提供する配列からの、またはその配列への、1つ(またはそれ以上の)核酸の、
あらゆる置換、変異、修飾、置換え、欠失、または付加を含む。特に、用語「相
同体」は、それぞれターミネーターまたはシグナルとして作用する能力を有する
かまたはそれをコードする能力を有する、得られたヌクレオチド配列を提供する
構造および/または機能に関するホモロジーを包含する。配列ホモロジーに関し
ては、添付の配列表に示す配列番号13および14と、(それぞれ)好ましくは少なく
とも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%のホ
モロジーがある。より好ましくは添付の配列表に示す配列番号13および14と(そ
れぞれ)少なくとも95%の、より好ましくは少なくとも98%のホモロジーがある
。
シグナルアミノ酸配列に関連する、用語「変異体」、「相同体」、または「フ
ラグメント」は、発現系(例えば、本発明の形質転換した細胞またはトランスジ
ェニック生物)においてシグナル配列として作用する能力を有する、得られた配
列を提供する配列からの、またはその配列への、1つ(またはそれ以上の)アミノ
酸の、あらゆる置換、変異、修飾、置換え、欠失、または付加を包含する。特に
、用語「相同体」は、それぞれシグナルとして作用する能力を有するかまたはそ
れをコードする能力を有する、得られたヌクレオチド配列を提供する構造および
/または機能に関するホモロジーを包含する。配列ホモロジーに関しては、添付
の配列表に示す配列番号15と、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少な
くとも85%、より好ましくは少なくとも90%のホモロジーがある。より好ましく
は
添付の配列表に示す配列番号15と少なくとも95%の、より好ましくは少なくとも
98%のホモロジーがある。
上記の用語は、その配列の対立遺伝子変異と同義語である。
用語「相補的な」は、本発明がまた、コード配列またはプロモーター配列のヌ
クレオチド配列に、それぞれハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を包含する
ことを意味する。
本発明に関連する、用語「ヌクレオチド」は、ゲノムDNA,cNDNA、合成DNA、
およびRNAを含む。好ましくは、それは本発明のコード配列に対するDNA、より好
ましくはcDNAを意味する。
用語「構築物」(これは、「コンジュゲート」、「カセット」、および「ハイ
ブリッド」のような用語と同義語である)は、プロモーターに直接的または間接
的に接着したGOIを含む。間接的な接着の例として、プロモーターとGOIとを仲介
するイントロン配列(例えば、ShlイントロンまたはADHイントロン)のような適切
なスペーサー基の供給(provision)である。同じことが直接的または間接的な接
着を包含する、本発明に関連した用語「融合した」について当てはまる。それぞ
れの場合において、その用語は、野生型遺伝子プロモーターと通常結び付いてい
る酵素をコードする遺伝子の天然の組み合わせおよびそれらが共に天然の環境に
ある場合を包含しないことが非常に好ましい。非常に好ましい実施態様は、ある
またはそのプロモーターに作動可能に連結されている、そのまたはあるGOIであ
る。
その構築物は、さらに、例えばそれが移入された、糸状菌、好ましくはAsperg
illus属(例えば、Aspergillus niger)、または植物、好ましくは穀類(例えば、
トウモロコシ、コメ、オオムギなど)中での遺伝的構築物の選択を可能にするマ
ーカーを含むかまたは発現し得る。使用され得る種々のマーカーが存在する(例
えば、マンノース-6-リン酸イソメラーゼ(特に植物に対して)、または抗生物質
耐性(例えば、G418、ヒグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシン、および
ゲンタマイシンに対する耐性)を提供するマーカー)。
用語「ベクター」は、発現ベクターおよび形質転換ベクターを含む。
用語「発現ベクター」は、インビボまたはインビトロでの発現が可能な構築物
を意味する。
用語「形質転換ベクター」は、1つの種から別の種へ(例えば、E.coliプラス
ミドから糸状菌、好ましくはAspergillus属へ)移され得る構築物を意味する。そ
れは、E.coliプラスミドから植物に対するAgrobacteeriumへ移させ得る構築物
でさえあり得る。
用語「組織」は、組織そのものおよび器官を包含する。
本発明に関連する用語「生物」は、本発明のプロモーター、および/または本
発明の酵素をコードするヌクレオチド配列、および/またはそれから得られる産
物を含み得るあらゆる生物を含み、ここでプロモーターはGOIの発現を可能にし
得、および/またはここで本発明のヌクレオチド配列はその生物中に存在する場
合発現され得る。
好ましくはその生物は、糸状菌、好ましくはAspergillus属、より好ましくはA
spergillus nigerである。
本発明に関連する用語「トランスジェニック生物」は、本発明のプロモーター
、および/または本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列、および/またはそ
れから得られる産物を含むあらゆる生物を含み、ここでプロモーターはGOIの発
現を可能にし得、および/またはここで本発明のヌクレオチド配列は生物内で、
発現され得る。好ましくは、プロモーターおよび/またはヌクレオチド配列は、
生物のゲノム中に組み込まれる。
好ましくは、トランスジェニック生物は、糸状菌、好ましくはAspergillus属
、より好ましくはAspergillus nigerである。
従って、本発明のトランスジェニック生物は、本発明のプロモーター、本発明
の酵素をコードするヌクレオチド配列、本発明の構築物、本発明のベクター、本
発明のプラスミド、本発明の細胞、本発明の組織、またはそれらの産物の、任意
の1つまたは組み合わせを含む生物を包含する。例えば、トランスジェニック生
物は、本発明のプロモーターの制御下で、GOI、好ましくは、外因性ヌクレオチ
ド配列を含み得る。トランスジェニック生物はまた、プロモーターの制御下で、
本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を含み得、そのプロモーターは、本
発明のプロモーターであり得る。
高度に好ましい実施態様において、トランスジェニック生物は、本発明のプロ
モーターと本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列とを組み合わせでは含ま
ず、ここで、プロモーターおよびヌクレオチド配列は共にその生物本来のもので
あり、そして天然の環境下に存在する。従って、これらの高度に好ましい実施態
様において、本発明は、天然の環境下で、やはり天然の環境下に存在する天然の
プロモーターの制御下にある場合、本発明の配列をコードする天然のヌクレオチ
ドを包含しない。さらに、この高度に好ましい実施態様において、本発明は、本
発明の酵素が天然の環境下に存在する場合、そしてやはり天然の環境下に存在す
る配列をコードする天然のヌクレオチドにより発現された場合、そしてそのヌク
レオチド配列が、やはり天然の環境下に存在する天然のプロモーターの制御下に
ある場合、本発明の天然の酵素を包含しない。
用語「プロモーター」は、当該分野での通常の意味、例えば、遺伝子発現のJa
cob-Mond仮説におけるRNAポリメラーゼ結合部位という意味で使用される。
1つの局面において、本発明のプロモーターは、GOIを発現し得、GOIは、本発
明の酵素をコードするヌクレオチド配列であり得る。
別の局面において、本発明のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列を発現さ
せるプロモーターの制御下にある。これに関連して、このプロモーターは、必ず
しも本発明のプロモーターと同一である必要はない。この局面において、プロモ
ーターは、細胞または組織特異的プロモーターであり得る。例えば、生物が植物
である場合、プロモーターは、茎、芽、根、および葉組織のうちの任意の1つ以
上においてヌクレオチド配列の発現に影響を与えるプロモーターであり得る。
例として、本発明のヌクレオチド配列のためのプロモーターは、α-Amy1プロ
モーター(または、Amy1プロモーター、Amy 637プロモーター、またはα-Amy 63
7プロモーターとして知られる)であり得、本発明者らの、同時係属中の英国特許
出願第9421292.5号(1994年10月21日出願)に記載される。このプロモーターは、
図1に示す配列を含む。
あるいは、本発明のヌクレオチド配列のためのプロモーターは、α-Amy3プロ
モーター(または、Amy3プロモーター、Amy 351プロモーター、またはα-Amy 35
1プロモータ一として知られる)であり得、本発明者らの、同時係属中の英国特許
第9421286.7号(1994年10月21日出願)に記載される。このプロモーターは、図2
に示す配列を含む。
好ましくは、このプロモーターは、本発明のプロモーターである。
上記のヌクレオチド配列に加えて、プロモーター、特に本発明のプロモーター
は、適切な宿主における発現を確実にするか、または増加させるための特徴をさ
らに含み得る。例えば、この特徴は、Pribnow BoxまたはTATA boxなどの領域を
維持し得る。プロモーターは、GOIの発現レベルに影響(例えば、維持、増強、減
少)を与える他の配列さえも含み得る。例えば、適切な他の配列は、Shl-イント
ロンまたはADHイントロンを含む。他の配列は、誘導性エレメント―例えば、温
度、化学、光、またはストレス誘導性エレメントを含む。
さらに、転写または翻訳を増強するのに適切なエレメントが存在し得る。後者
のエレメントの例として、TMV5'シグナル配列がある(Sleat Gene 217[1987]21
7-225; およびDawson Plant Mol.Biol.23[1993]97を参照のこと)。
さらに、本発明はまた、プロモーター、ならびに/またはタンパク質もしくは
酵素および/もしくはエレメントをコードするヌクレオチド配列の組み合わせを
包含する。例えば、本発明は、GOIに作動可能に連結された本発明のプロモータ
ー(本発明のヌクレオチド配列であり得る)と、同一のGOIまたは異なるGOIに作動
可能に連結された組織特異的プロモーターのような別のプロモーターとの組み合
わせを含む。
本発明はまた、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を発現するための
プロモーターの使用を包含し、ここで、このプロモーターの一部は、不活化され
るが、そのプロモーターはなおプロモーターとして機能し得る。いくつかの例に
おいて、プロモーターの部分的不活化は、都合がよい。
詳細には、部分的に不活化されたプロモーターが、1つの特異的組織型または
器官のみにおける発現のように、より特異的な様式でGOIを発現するように、上
記のAmy 351プロモーターを用いて、その一部を不活化することが可能である。
用語「不活化された」は、プロモーターの発現パターンが改変されるという意
味での部分的な不活化を意味するが、ここで部分的に不活化されたプロモーター
はなおプロモーターとして機能する。しかし、上記のように、改変されたプロモ
ーターは、元のプロモーターの少なくとも1つの(しかし全てではない)特異的な
組織において、GOIを発現し得る。このようなプロモーターの1つは、上記のAmy
351プロモーターである。
部分的不活化の例は、ヌクレオチド配列の一部が、例えば、RNAポリメラーゼ
によって認識されないように、プロモーター配列の折り畳みパターンを変化させ
ること、または種をヌクレオチド配列の一部へ結合させることを含む。別の、そ
して好ましいプロモーターの部分的不活化の方法は、プロモーターを切りつめて
、それらのフラグメントを形成させることである。別の方法は、RNAポリメラー
ゼがその部分または別の部分に結合できないように、少なくとも配列の一部を変
異させることである。
別の改変は、制御タンパク質(例えば、糸状菌由来の、炭素異化産物抑制を行
うとして知られるCreAタンパク質)の結合部位を変異させ、従って、天然のプロ
モーターの異化産物抑制を完全に破壊することである。
本発明に関する用語「GOI」は、目的の任意の遺伝子を意味する。GOIは、問題
の生物(例えば、糸状菌、好ましくは、Aspergillus属、または植物)にとって外
来性または天然のいずれかの任意のヌクレオチドであり得る。GOIの代表例は、
代謝または異化過程を改変するタンパク質または酵素をコードする遺伝子を含む
。GOIは、病原体抵抗性を導入または増大させる薬剤をコードし得る。GOIは、関
連する組織に存在する天然の転写物の発現を改変するためのアンチセンス構築物
でさえあり得る。GOIは、糸状菌、好ましくはAspergillus属の非天然タンパク質
、または動物またはヒトのためになる化合物さえコードし得る。
例えば、GOIは、薬学的に活性なタンパク質または酵素(例えばインシュリン、
インターフェロン、ヒト血清アルブミン、ヒト成長因子、および血液凝固因子と
いう治療的化合物のいずれか)をコードし得る。これに関連して、形質転換した
細胞または生物は、容易に細胞または生物から回収可能である、受容可能な量の
所望の化合物を調整し得る。GOIは、食物や作物に対し栄養価を与えるタンパク
質でさえあり得る。代表例は、抗栄養因子の形成を阻害し得る植物タンパク質ま
たはより好ましいアミノ酸組成(例えば、非トランスジェニック植物よりも高い
リジン含有量)を有する植物タンパク質を含む。GOIは、キモシン、タウマチン、
およびα−ガラクトシダーゼのような、食物の加工処理に使用され得る酵素さえ
もコードし得る。GOIは、ペストトキシン、パタチン(patatin)、またはα−アミ
ラーゼに対するアンチセンス転写物のようなアンチセンス転写物、ADP−グルコ
ースピロホスホリラーゼ(例えば、EP-A-0455316を参照のこと)、プロテアーゼア
ンチセンスまたはグルカナーゼのいずれかをコードする遺伝子であり得る。
GOIは、本発明者らの同時係属中の英国特許出願第9413439.2号(1994年7月4
日出願)の主題である、α−アミラーゼ酵素をコードするヌクレオチド配列(その
配列を図3に示す)であり得る。GOIは、本発明者らの同時係属中の英国特許出願
第9421290.9号(1994年10月21日出願)の主題である、α−アミラーゼ酵素をコー
ドするヌクレオチド配列(その配列を図4に示す)であり得る。GOIは、本発明者
らの、同時係属中のPCT特許出願第PCT/EP94/01082号(1994年4月7日出願)の主
題である、ADP-グルコースピロホスホリラーゼ酵素をコードするヌクレオチド配
列(その配列を図5および6に示す)のいずれかであり得る。GOIは、本発明者ら
の同時係属中のPCT特許出願第PCT/EP94/03397号(1994年10月15日出願)に記載さ
れる、α−グルカンリアーゼ酵素をコードするヌクレオチド配列(その配列を図
7〜10に示す)のいずれかであり得る。
1つの好ましい実施態様において、GOIは、本発明の酵素をコードするヌクレ
オチド配列である。
上記のように、好ましい宿主生物はAspergillus nigerのような、Aspergillus
属である。本発明のトランスジェニックAspergillusは、下記の教示に従って調
製される;Rambosek,JおよびLeach,J.1987(糸状菌における組換えDNA:Progres
s and Prospects.CRC Crit.Rev.Biotechnol.6:357-393)、Davis R.W.1994
(Aspergillusにおける異種構造遺伝子発現およびタンパク質分泌:Martinelli S
.D.,Kinghorn J.R.(編)Aspergillus:50 years on.Progress in industrial
microbiology 第29巻 Elsevier Amsterdam 1994 525-560頁)、Ballance,D.J
.1991(糸状菌の形質転換系および菌類遺伝子構造の全体像:Leong,S.A.,Ber
ka R.M.(編)Molecular Industrial Mycology.Systems and Applications for
Filamentous Fungi.Marcel Dekker Inc.New York1991 1-29頁)、およびTurne
r G.1994(遺伝子操作のためのベクター:Martinelli S.D.,Kinghorn J.
R.(編)Aspergillus:50 years on.Progress in industrial microbiology 第29
巻 Elsevier Amsterdam 1994 641-666頁)。しかし、以下の解説は、本発明のト
ランスジェニックAspergillusを生成するためのこれらの教示の概要を提供する
。
糸状菌は、ほぼ1世紀の間、有機化合物および酵素の生成のために産業界にお
いて広範に使用されてきた。日本の伝統的な麹および醤油の発酵には、何百年の
間、Aspergillus種を使用してきた。今世紀において、Aspergillus nigerは、有
機酸、特にクエン酸の生成、および産業に使用する種々の酵素の生成に使用され
ている。
糸状菌が、広範に産業界で使用されることには、2つの主な理由がある。第1
に、糸状菌は、多量の細胞外産物、例えば、酵素および抗生物質または有機酸の
ような有機化合物を産生し得るからである。第2に、糸状菌は、穀物、ふすま、
ビートパルプなどの低コスト基質上で成長し得る。同じ理由のために、糸状菌は
、本発明の異種構造発現のための宿主として魅力的な生物となる。
トランスジェニックAspergillusの調製のために、発現構築物を、糸状菌にお
ける発現のために設計された構築物中に、GOI(例えば、アミラーゼまたは配列番
号2)を挿入することにより、調製する。
異種構造発現のために使用されるいくつかのタイプの構築物が開発されている
。構築物は、菌類において活性な本発明のプロモーター(または、GOIが本発明
の酵素をコードする場合、別のプロモーターを所望の場合)を含む。本発明のプ
ロモーター以外のプロモーターの例は、グルコアミラーゼプロモーターまたはα
−アミラーゼプロモーターのような、高度に発現する細胞外酵素についての菌類
プロモーターを含む。GOIは、GOIによりコードされるタンパク質が分泌されるよ
うに指示するシグナル配列(例えば、本発明のシグナル配列または別の適切な配
列)と融合され得る。通常は、菌類起源のシグナル配列、例えば、本発明のシグ
ナル配列が使用される。菌類において活性なターミネーターは、本発明の発現系
のような、発現系を終了させる。
GOIが安定なタンパク質をコードする菌類遺伝子のより小さな部分またはより
大きな部分に融合される発現系の別のタイプが、菌類において開発されている。
これはGOIにコードされるタンパク質を安定化させ得る。このような系において
、特異的プロテアーゼによって認識される切断部位は、菌類タンパク質とGOIに
よりコードされるタンパク質との間に導入され得、そのため生成された融合タン
パク質は、特異的プロテアーゼにより、この位置で切断され得、従って、GOIに
よりコードされるタンパク質(「POI」)を遊離させ得る。例として、少なくとも
いくつかのAspergillusに見出されるKEX-2様ペプチダーゼにより認識される部位
を導入し得る。このような融合は、インビボでの切断をもたらし、POIの保護、
およびPOIの生成を引き出し、そしてより大きな融合タンパク質の生成を引き起
こさない。
Aspergillusにおける異種構造発現は、細菌、菌類、脊椎動物、および植物の
タンパク質をコードするいくつかの遺伝子について報告されている。このタンパ
ク質は、GOIがシグナル配列に融合されない場合、細胞内に沈殿し得る。このよ
うなタンパク質は、細胞質に蓄積し、そして通常はグリコシル化されない。これ
は、いくつかの細菌性タンパク質について有利であり得る。GOIがシグナル配列
を備えている場合、タンパク質は、細胞外に蓄積する。
生成物の安定性および宿主株の改変に関しては、いくつかの異種構造タンパク
質は、菌類の培養液中に分泌される場合、あまり安定ではない。ほとんどの菌類
は、異種構造タンパク質を分解する、いくつかの細胞外プロテアーゼを産生する
。この問題を避けるため、プロテアーゼ産生が減少した特殊な菌類株が、異種構
造産物のための宿主として使用されている。
糸状菌の形質転換のために、いくつかの形質転換プロトコルが、多くの糸状菌
について開発された(Ballance,1991,前出)。それらの多くは、プロトプラスト
の調製、およびPEGおよびCa2+イオンを使用したプロトプラストへのDNAの導入に
基づいている。次いで、形質転換されたプロトプラストは、再生し、そして形質
転換された菌類は、種々の選択マーカーを使用して選択される。形質転換に使用
されるマーカーの中には、多くの栄養要求性マーカー(例えば、argB、trpC、nia
D、およびpyrG)、抗生物質耐性(例えば、ベノミル耐性、ハイグロマイシン耐性
、およびフレオマイシン耐性)マーカーがある。極めて一般的に使用される形質
転換マーカーは、高いコピー数において、菌類が、唯一の窒素源としてのアク
リルアミドを用いて増殖することを可能にするA.nidulansのamdS遺伝子である
。
たとえ本発明の酵素、その酵素をコードするヌクレオチド配列およびプロモー
ターが、EP-B-0470145およびCA-A-2006454に開示されないとしても、これらの2
つの文献は、本発明のトランスジェニック植物を調製するために使用され得る技
術のタイプについて、いくつかの有用な背景の解説を提供する。これらの背景の
教示のいくつかは、ここで、以下の解説に含まれる。
遺伝的に改変された植物の構築における基本原理は、挿入された遺伝材料の安
定的な維持を得るように、遺伝情報を植物ゲノムに挿入することである。
遺伝情報を挿入するためのいくつかの技術が存在し、2つの主な原理は、遺伝
情報の直接的な導入、およびベクター系の使用による遺伝情報の導入である。一
般的な技術のレビューがPotrykus(Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol[19
91]42:205-225)およびChristou(Agro-Food-Industry Hi-Tech 3月/4月 199
4 17-27)による文献に見出され得る。
従って、1つの局面において、本発明は、本発明のプロモーターまたはヌクレ
オチド配列または構築物を有するベクター系、およびプロモーターまたはヌクレ
オチド配列または構築物を生物、例えば植物のゲノムに導入し得るベクター系に
関する。
ベクター系は1つのベクターを含み得るが、2つのベクターを含むこともでき
る。2つのベクターの場合、ベクター系は、通常、バイナリーベクター系といわ
れる。バイナリーベクター系は、Gynheung Anら、(1980)、Binary Vectors,Pla
nt Molecular Biology Manual A3,1-19にさらに詳細に記載される。
所定のプロモーターまたはヌクレオチド配列または構築物を用いた植物細胞の
形質転換に広範に使用される1つの系は、Agrobacterium tumefaciens由来のTi
プラスミド、またはAgrobacterium rhizogenes由来のRiプラスミドの使用に基づ
く(Anら、(1986),Plant Physiol.81,301-305、およびButcher D.N.ら、(19
80),Tissue Culture Methods for Plant Pathologists,編:D.S.Ingramsお
よびJ.P.Helgeson,203-208)。
上記の植物または植物細胞構築物の構築に適したいくつかの異なるTiおよびRi
プラスミドが構築されている。このようなTiプラスミドの非制限的な例は、pGV3
850である。
本発明のプロモーターまたはヌクレオチド配列または構築物は、T-DNAボーダ
ーのすぐ周囲の配列の破壊を避けるために、好ましくは、T-DNAの末端配列の間
またはT-DNA配列付近で、Tiプラスミドに挿入されるべきである。なぜなら、少
なくともこれらの領域の1つが改変T-DNAの植物ゲノムへの挿入に必須であるよ
うであるからである。
上記の説明で理解されるように、生物が植物である場合、本発明のベクター系
は、好ましくは、植物を感染させるに必要な配列(例えば、vir領域)、およびT-D
NA配列のボーダー部分の少なくとも1つを含むベクター系である。ボーダー部分
は、遺伝的構築物と同じベクター上に位置している。
さらに、ベクター系は、好ましくはAgrobacterium tumefaciens Ti-プラスミ
ド、またはAgrobacterium rhizogenes Ri-プラスミド、またはそれらの誘導体で
ある。これらのプラスミドは周知であり、そしてトランスジェニック植物の構築
に広範に使用されているので、これらのプラスミドまたはそれらの誘導体に基づ
いた多くのベクター系が存在する。
トランスジェニック植物の構築において、本発明のプロモーターまたはヌクレ
オチド配列、または構築物は、ベクターが複製可能で、そして植物への挿入前に
容易に操作できる微生物中で最初に構築され得る。有用な微生物の例は、E.col
iであるが、上記の特性を有する他の微生物も使用され得る。上記で定義したベ
クター系のベクターが、E.coli中に構築された場合、そのベクターは、必要で
あれば、適切なAgrobacterium株、例えば、Agrobacterium tumefaciens中に移入
される。本発明のプロモーターまたはヌクレオチド配列または構築物を有するTi
プラスミドを、このように好ましくは適切なAgrobacterium株、例えば、A.tume
faciens中に移入し、本発明のプロモーターまたはヌクレオチド配列または構築
物を有するAgrobacterium細胞を得る。そのDNAはその後、改変されるべき植物細
胞に移入される。
CA-A-2006454に報告されるように、E.coliにおける複製系および形質転換さ
れた細胞の選択を可能にするマーカーを含む大量のクローニングベクターが利用
可能である。ベクターは、例えば、pBR 322、pUCシリーズ、M13 mpシリーズ、pA
CYC 184などを含む。
この方法において、本発明のヌクレオチドまたは構築物またはプロモーターは
、ベクターにおける適切な制限部位に導入され得る。含まれるプラスミドは、E
.coliにおける形質転換に使用される。E.coli細胞を適切な栄養培地中で培養
し、次いで回収してそして溶解する。このプラスミドを、次いで回収する。分析
法として、一般に、配列分析、制限分析、電気泳動、およびさらなる生化学―分
子生物学的方法が使用される。各操作の後、使用したDNA配列を、制限し、そし
て次のDNA配列に結合させ得る。各配列を、同一または異なるプラスミド中にク
ローン化し得る。
本発明の所望のプロモーターまたは構築物またはヌクレオチド配列の植物中へ
の各導入法の後、さらなるDNA配列の存在および/または挿入が必要であり得る
。例えば、植物細胞の形質転換のためにTiまたはRiプラスミドが使用される場合
、TiおよびRiプラスミドT-DNAの、少なくとも右の境界、ならびにしばしばしか
し右および左の境界が、導入された遺伝子のフランキング領域として、結合され
得る。植物細胞の形質転換のためのT-DNAの使用は、集中的に研究され、そして
、EP-A-120516;Hoekema:The Binary Plant Vector System Offset-drukkerij
Kanters B.B.,Alblasserdam,1985,第V章;Fraleyら、Crit.Rev.Plant Sci.
,4:1-46;およびAnら、EMBO J.(1985)4:277-284に記載される。
Agrobacteriumによる植物組織の直接感染は、広範に使用され、そしてButcher
D.N.ら、(1980),Tissue Culture Methods for Plant Pathologists、編:D.
S.IngramsおよびJ.P.Helgeson,203-208に記載される単純な技術である。こ
の論題に関するさらなる教示については、Potrykus(Annu Rev Plant Physiol Pl
ant Mol Biol[1991]42:205-225)、およびChristou(Agro-Food-Industry Hi-Te
ch 3月/4月 1994 17-27)を参照のこと。この技術を用いて、植物の感染を、
植物の特定の部分または組織、すなわち、葉、根、茎の一部、または植物の他の
部分においてなし得る。
代表的に、プロモーターおよび/またはGOIを有するAgrobacteriumによる植物
組織の直接的な感染で、感染されるべき植物は、例えば、剃刀で植物を切ること
により、または針で植物に穴をあけることにより、または研磨剤で植物をこする
ことにより、傷を付けられる。次いで、傷にAgrobacteriumを接種する。接種さ
れた植物または植物の一部を、次いで、適切な培養培地で成長させ、そして成熟
植物に発育させる。
植物細胞を構築する場合、これらの細胞を、周知の組織培養法(例えば、アミ
ノ酸、植物ホルモン、ビタミンなどのような必要な成長因子を補充した適切な培
養培地中で細胞を培養することによる)に従って、成長させ、そして維持し得る
。
形質転換した細胞の、遺伝的に改変された植物への再生は、細胞または組織培
養物からの植物の公知の再生法を用いて、例えば、抗生物質を使用して形質転換
したシュートを選択することによって、および適切な栄養素、植物ホルモンなど
を含む培地でシュートを継代培養することによって、達成され得る。
植物の形質転換に関するさらなる教示は、EP-A-0449375に見出され得る。
要約すると、本発明は、アラビノキシラン分解活性を有するアラビノフラノシ
ダーゼ酵素、およびこの酵素をコードするヌクレオチド配列を提供する。さらに
、本発明は、そのヌクレオチド配列または別のヌクレオチド配列の発現を制御し
得るプロモーターを提供する。さらに、本発明は、そのターミネーターおよびシ
グナル配列を包含する。
下記のサンプルは、ブタペスト条約に従い、承認された受託者であるThe Nati
onal Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited (NCIMB)(23 St
. Machar Drive,Aberdeen,Scotland,United Kingdom,AB2 IRY)に、1995年1
月16日に寄託された:
プラスミドpB53.1を含むE.coli{すなわちE.coli DH5α-pB53.1}
寄託番号は、NCIMB 40703である。
本発明はここで、実施例として記載される。
下記の実施例において、添付の図に対して言及する:
図1〜10は、本発明の局面での使用に有用な先行する特許出願のプロモーターお
よびGOIの配列である;
図11は、プラスミドpB53.1(寄託物NCIMB 40703の対象である)のプラスミドマッ
プである;
図12は、本発明のプロモーターに対して作製された、欠失の概略図である;
図13は、pXP-AMYのプラスミドマップである;
図14は、pXP-XssAMYのプラスミドマップである;
図15は、グラフである;
図16は、HP-TLCプロフィールである;
図17は、HP-TLCプロフィールである;
図18は、HPLCプロフィールである;
図19は、粘度プロットである;
図20は、活性プロットである;
図21は、活性プロットである;そして
図22は、活性プロットである。
下記の本文は、特に組換えDNA技術の使用を議論している。組換えDNA技術の一
般的な教示は、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.,Maniatis T.(編)Molecular Cl
oning.A laboratory manual.第2版 Cold Spring Harbour Laboratory Press.
New York 1989に見出され得る。
これらの実施例において、本発明の酵素は、時々AbfCといわれる。さらに、本
発明のプロモーターは、時々、AbfCプロモーターといわれる。
アラピノフラノシダーゼの精製
Aspergillus niger 3M43をコムギふすまおよびビートパルプを含有する培地中
で増殖させた。発酵ブロスを、濾過によりブロスの固体部分から分離した。濃縮
された発酵ブロスを、20m MTris,HCl(pH 7.5)で平衡化した25X100mm Q-SEPHAROS
E(Pharmacia)高Performanceカラムにロードし、そして0〜500mM NaClの線状勾
配を行い、そしてその溶出画分を回収した。アラビノフラノシダーゼを、130〜1
50mMのNaClで溶出した。
アラビノフラノシダーゼを含む画分を一緒にし、そして50×200mm G-25 SEPHA
ROSE Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩した。このカラムを蒸留水で溶出した
。
脱塩後、その酵素をHigh-Trapスピンカラムを用いて濃縮した。次に、濃縮さ
れ、脱塩された画分を、50×600 mm SUPERDEX 50カラムでゲル濾過に供した。サ
ンプルをロードし、そしてカラムを0.2M NaClを加えた0.2Mリン酸緩衝液(pH7.
0)で溶出し、そしてその溶出画分を回収した。
アラビノフラノシダーゼを含む画分を、上述のように一緒にし、そして脱塩し
、そして濃縮した。一緒にした画分を、1.5M(NH4)2SO4含有50mMリン酸緩衝液(pH
6.0)で平衡化した16×100 mm Phenylsepharose High Performanceカラム(Pharma
cia)上にロードした。(NH4)2SO4濃度を1.5〜0Mに変化させた含む勾配を適用し、
そして溶出物を画分中に回収した。アラビノフラノシダーゼを含む画分を一緒に
した。アラビノフラノシダーゼの純度は、ファーストシステムゲル(Pharmacia)
を用いるSDS-PAGEにより評価した。
特徴付け
精製アラビノフラノシダーゼの分子量を、レーザー吸収技術を用いるマススペ
クトロメトリーにより決定した。アラビノフラノシダーゼの分子量は、33,270D
±50Dと見出された。
pI値をBroad pIキット(Pharmacia)の使用により決定した。そのアラビノフラ
ノシダーゼは、約3.7のpI値を有する。
SDS-PAGE分析後、PAS試薬による処理は、アラビノフラノシダーゼがグリコシ
ル化されていることを示した。PAS染色は、I.Van-SeuningenおよびM.Davril(199
2)Electrophoresis 13 97-99頁の手順に従って行った。
活性研究
水溶性ペントザン(WSP)濃度(mg/ml)の関数としてのAbfCの活性を決定した。そ
の結果を図21に示す。結果は、AcfC活性が8mg/mlのWSPの基質濃度で最大に達し
たことを示す。
pH活性研究
本発明のアラビノフラノシダーゼの活性におよぼすpHの影響を、コムギ由来の
水溶性ペントザン(10mg/ml)を、50mMクエン酸ナトリウムリン酸緩衝液中の基質
として用いて調べた。インキュベーション時間は15分であった。本発明のアラビ
ノフラノシダーゼは、約2.5〜約7.0(図20参照)、より特には約3.3〜約4.6、よ
り特には約4の範囲の幅広い最適pHを有することが観察された。
温度活性研究
本発明のアラビノフラノシダーゼの活性におよぼす温度の影響を、コムギ由来
の水溶性ペントザン(10mg/ml)を、50mMクエン酸ナトリウムリン酸緩衝液中の基
質として用いて調べた。インキュベーション時間は15分であった。本発明のアラ
ビノフラノシダーゼは、約40℃〜60℃、より特には約45℃〜55℃、より特には約
50℃の温度で最適の活性を有することが観察された(図22)。この酵素は10℃に
おいてもまだ活性であり、そして70℃および80℃において残存活性を示した。
アラビノフラノシダーゼのアミノ酸配列
酵素を、Stone & Williams 1993(Stone,K.L.およびWilliams,K.R.(1993).タ
ンパク質の酵素分解およびHPLCペプチド分離.Matsudaira P.(編集者)中.微量
配列決定のためのタンパク質およびペプチド精製の実用的ガイド.第2版.Acad
emic Press,San Diego 1993.45-73頁)に記載の方法の改変を用いて、Boehringe
r Mannheimから入手したエンドプロテイナーゼLys-C配列グレードで消化した。
凍結乾燥したβ-アラビノフラノシダーゼ(0.4mg)を、50μlの8M尿素、0.4M NH4
HCO3(pH 8.4)に溶解した。N2でのオーバーレイおよび5μlの45mM DTTの添加後
、タンパク質を変性し、そしてN2下、50℃で15分間還元した。室温に冷却後、5
μlの100mMヨードアセトアミドを、N2下、暗所で、室温で15分間、システインを
誘導体化するために添加した。続いて、90μlの水および50μlの50mMトリシンお
よび10mM EDTA(pH8.0)中の5μgのエンドプロテイナーゼLys-Cを添加し、そして
消化をN2下、37℃で24時間行った。得られたペプチドをVYDAC C18カラム(0.46 x
15cm;10μm;The Separations Group;California)上で、溶媒A:水中0.1%TFA
および溶媒B:アセトニトリル中0.1%TFAを用いて、逆相HPLCにより分離した。
選択されたペプチドを同じ溶媒系を用いて、Develosil C18カラム(0.46×10cm;
3μm)上で再クロマトグラフし、その後pulsed-liquid fast cyclesを用いる、A
pplied Biosystems 476Aシークエンサーで配列決定した。
以下のペプチド配列が見出された:
配列番号4
配列番号5
配列番号6
配列番号7
配列番号8
遺伝子のフラグメントのPCRクローンの単離
PCRプライマーを、Applied Biosystems DNA合成機モデル392を用いて合成した
。これに関しては、PCRプライマーは、見出されたペプチドの一つ、すなわち配
列番号5から合成した。このプライマーは以下の通りである:
EMTAQA由来の1つのプライマー(逆方向)
配列番号9 GCY TGN GCN GTC ATY TC
17マー 64ミックス
MIVEAIG由来の1つのプライマー
配列番号10 ATG ATH GTN GAR GCN ATH GG
20マー 288ミックス 。
PCR増幅は、Amplitaqポリメラーゼ(PERKIN ELMER)を用い、100μlの反応にお
いてこれらの各プライマーの各100pmolを用いて行った:
工程2〜4を40サイクル繰り返した。
PCR反応はPERKIN ELMER DNA Thermal Cyclerで行った。
100bpの増幅フラグメントを単離し、そして製造者(Novagen)の指示に従って、
pT7-Blue T-ベクター中にクローン化した。
A.nigerゲノムDNAの単離
凍結したA.nigerの菌糸を液体窒素下で乳鉢でひいた。覆っている液体窒素を
蒸発させた後、ひいた菌糸を1mlの20%ドデシル硫酸ナトリウムを含む15mlの抽
出緩衝液(100mM Tris-HCl,pH8.0、0.50mM EDTA、500mM NaCl,10mM β-メルカ
プトエタノール)で抽出した。65℃で10分間インキュベーション後、5mlの5M KA
c(pH 5.0)を添加しそしてその混合物を混合後さらに氷上で20分間インキュベー
ションした。抽出後、その混合物を20分間遠心し、そしてその上清を抽出された
DNAを沈澱させるために、0.6容のイソプロパノールと混合した。さらなる15分間
の遠心分離の後、そのDNAペレットを0.7mlのTE(10mM Tris,HCl pH 8.0、1mM EDT
A)に溶解し、そして75μlの3M NaAc(pH 4.8)および500μlのイソプロパノールで
沈澱させた。
遠心分離後、そのペレットを70%ETOHで洗浄し、そして真空で乾燥した。その
DNAを200μlのTEに溶解し、そして-20℃に保管した。
ライブラリーの構築
20μgのゲノムDNAを、EcoRI末端と適合する末端を生じるTsp509Iで部分消化し
た。この消化したDNAを、1%アガロースゲルで分離し、そして4〜10kbのフラ
グメントを精製した。StratageneのλZAPII EcoRI/CIAPキットを用いて製造者の
指示に従ってライブラリーを構築した。2μlのライゲーション物(全部で5μl
)を、StratageneのGigapack Gold IIパッキングイクストラクトでパックした。
ライブラリーは、650,000の独立したクローンを含有した。
ライブラリーのスクリーニング
2X50,000pfuをNZYプレートに播種し、そしてHybond Nシート(Amersham)上で
プラークを単離した。プラークの単離は2連で行った。このシートを、Pharmaci
aのReady-to-go標識キットを用いて、32P dCTP(Amersham)で標識したPCRクロー
ンでハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションが両方のシート上で検出され
た場合にのみ、陽性クローンとみなした。その遺伝子を配列決定し、そして見出
された配列は、配列決定したペプチド配列のすべてが、見出された配列によりコ
ードされていることを示した。
配列情報
配列番号12は、本発明の酵素の、プロモーター配列、酵素コード配列、ターミ
ネーター配列およびシグナル配列ならびにアミノ酸配列を示す。
アラビノフラノシダーゼアッセイ
コムギ粉由来の2つの異なるアラビノキシラン調製物(コムギ由来不溶性ペン
トザン(WIP)およびコムギ由来可溶性ペントザン(WSP))を、本発明のアラビノフ
ラノシダーゼ酵素単独で、およびA.nigerから精製したエンドキシラナーゼと組
み合わせて分解した。そのアッセイは、50mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)中
、1%の基質で行った。反応を30℃で2.5時間行った。その反応は高分子物質を
沈殿する、3容量のエタノールの添加により停止させた。サンプルを遠心分離し
、そして上清を回収し、真空乾燥し、そして0.5mlの蒸留水に再懸濁した。サン
プルを、水で1:1に希釈し、そして提供者の指示に従ってShimadzu RI D-6A
屈折率検出器を用いるShimadzu C-R4A Cromatopac HPLCシステムを用いて、Chro
matopack Carbohydrate Pbカラム(300X7.8mm,カタログ番号29010)で分析した。
カラムを0.48mg/mlキシロトリオース、0.48mg/mlキシロビオース、0.60mg/ml
キシロース、および0.58mg/ml L-アラビノースから構成されるスタンダードで校
正した。ピークを同定し、そして装備として提供されたソフトウェアを用いて定
量した。結果−コムギ由来不溶性ペントザン由来の遊離サッカライド
50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中の基質1%WIP。値はmg/mlで表現する。
結果−コムギ由来可溶性ペントザンから遊離したサッカライド
50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中基質1%WIP。値はmg/mlで表現する。
図17は、キシラナーゼAとともに相乗的に作用するAbfC酵素のHP-TLCプロフィ
ールを示す。この図において、以下の略を用いる:水溶性ペントザン(WSP);非
水溶性ペントザン(WIP);および基質としてのオートムギキシラン。スタンダー
ドは:X-キシロース;X2-キシロビオース;X3-キシロトリオース;A-アラビノー
スであった。
図18は、基質として1%オートスペルトムギキシランを用いる加水分解産物の
HPLC分析を示す。図18(a)および図18(b)は、AbfC酵素およびキシラナーゼ酵素そ
れぞれを単独で用いた場合の産物を示す。図18(c)は、AbfC酵素およびキシラナ
ーゼ酵素を組み合わせた場合の産物を示す。
これらの実験の結果は2つの重要な発見を提供する。
第1に、本発明の酵素は、アラビノキシランからアラビノース、特にL-アラビ
ノースを遊離する。
第2に、エンドキシラナーゼと本発明の酵素の第2の組み合わせの作用は、個
々の作用の合計より顕著に高い。従って、それら2つの酵素は相乗的な様式でお
互いの酵素活性に影響する。
AbfC遺伝子の誘導:インデューサーの同定
Aspergillus nigerの遺伝子をコードするAbfCの転写調節を、E.coliの遺伝子(
uid A)をコードするβ-グルクロニダーゼへAbfCプロモーターを融合させたもの
を含む株を用いて研究した。
GUS産生形質転換体を異なる炭素源で増殖させ、そしてp-ニトロフェノールグ
ルクロニドを加水分解する能力を定性的および定量的の両方においてアッセイし
た。
結果を以下に示す:炭素源
誘導24時間後のGUS活性
(1%) (ユニット/mg)
キシロース 12.37
キシリトール 1.49
アラビノース 6.66
アラビトール 5.30
グルコース 0.70
セルビオース 0.95
キシロ-オリゴマー70 17.26
グルコピラノシド 0.40
メチル-キシロピラノシド 24.20
キシログルカン 1.00
ペクチン 0.27
アラビノガラクタン 2.60
アラビトール+グルコース 2.20。
その結果は、AbfCプロモーターが、キシロース、キシロ-オリゴマー70、メチ
ルキシロピラノシド、アラビノースおよびアラビトールの存在下において増殖し
た場合、24時間後にスイッチオンすることを示す。これらの研究はまた、メチル
-キシロピラノシドが、このプロモーターの天然のおよび最も強力なインデュー
サーであることを示唆する。
AbfCプロモーターは、グルコースにより強力に抑制され、そしてそれゆえAbfC
プロモーターは炭素カタボライトレプレッション下にある。しかし、アラビノー
スおよびアラビトールにより誘導される、アラビノフラノシダーゼに対するすべ
ての発表されたプロモーターとは異なり、本発明のAbfCプロモーターはキシロー
ス代謝中の中間体により強力に調節される。従って、本発明はまた、プロモータ
ーがキシロース代謝における中間体により誘導可能なアラビノフラノシダーゼプ
ロモーターもカバーする。
AbfC遺伝子の発現の調節における異なるプロモータ欠失の効果
分子レベルでの調節を研究するために、AbfC遺伝子の発現のために必要とされ
る可能性のある上流調節配列を検出するための実験を組に立てた。その遺伝子の
5'上流領域に欠失を有する一連のプラスミドを構築した(図12参照)。E.coli u
id A遺伝子をレポーター遺伝子として用い、そして定性的GUSアッセイを実施し
た。
その結果は、590bpの短縮型のAbfCプロモーターが、AbfC遺伝子の誘導能およ
びその調節のための十分な情報を有することを示した。そのプロモーターのXma1
11〜BamHI部位の100bpの配列の削除は、このプロモーターの活性の低下を導いた
。それゆえ、この100bpの領域は、遺伝子発現の良好なレベルのために重要であ
る。このATGの前の290bpの欠失は、この領域が、重要ではあるが、このプロモー
ターの活性を破壊するのにはあるが十分ではないことを同定した。このプロモー
ター構築物を含む分析された形質転換体すべて、試験した場合に非常にうすい青
色を示した(+GUS)。この領域は以下:
−170 TCATCCAATAT
である。
見られるように、この領域はCCAATエレメント領域を含み、そして一般的な転
写アクチベーターの推定標的である。この配列は2つのデンプン誘導性プロモー
ター:Aspergillus nigerグルコアミラーゼ遺伝子、およびAspergillus oryzae
アミラーゼ遺伝子、ならびにAspergillus nidulansのamdS遺伝子中に見出される
核タンパク質結合部位に類似する。AbfC プロモーターおよびAbfCシグナル配列で形質転換したAspergillus nigerを 用いる異種タンパク質の生産
Aspergillus Nigerの形質転換
A.nigerの形質転換のプロトコルは、Buxton,F.P.,Gwynne D.I.,Davis,R.W.1
985(Aspergillus nidulansのarg B遺伝子を用いるAspergillus nigerの形質転換
.Gene 37:207-214)、Daboussi,M,J.,Djeballi,A.,Gerlinger,C.,Blaiseau,P
.L.,Cassan,M.,Leburn,M.H.,Parisot,D.,Bygoo,Y.1989(Aspergillus nidula
nsの硝酸還元酵素遺伝子を用いる7種の糸状菌の形質転換、Curr.Genet.15:453
-456)およびPunt,P.J.,van den Hondel,C.A.M.J.J.1992(ハイグロマイシンB
およびフェロマイシン耐性マーカーに基づく糸状菌の形質転換、Meth.Enzym.21
6:447-457)に基づいた。
プロトプラストの精製のために、新鮮な胞子形成されたN400(CBS 120.49,Cen
traalbureau voor Schimmelcultures,Baarn)(7日齢)のPDA(ポテトデキストロ
ースアガー−Difco Lab.Detroitより入手)プレート由来の胞子を5〜10mlの水
で洗い落とした。200mlのPDC(ポテトデキストロースブロス、Difco 0549-17-9、
Difco Lab.Detroit)を含む振盪フラスコに、この胞子懸濁液を接種し、そして30
℃で16〜20時間振盪(250rpm)する。
菌糸をMiracloth紙を用いて採集し、そして3〜4gの湿った菌糸を75mgの溶解酵
素(Sigma L-2265)および4500ユニットリチカーゼ(Sigma L-8012)を含む10mlのST
C(1.2Mソルビトール、10mM Tris Hcl(pH7.5)、50mM CaCl2)含有滅菌ペトリ皿に
移す。
菌糸が分解し、そしてプロトプラストが放出されるまで、菌糸を、酵素でイン
キュベートする。次いで、分解した菌糸を滅菌60μmのメッシュフィルターを通
して濾過する。プロトプラストをスウィングアウトローター中で2000rpmで10分
間遠心分離することにより回収する。上清を廃棄し、そしてそのペレットを8ml
の1.5M MgSO4中に溶解し、そして次いで3000rpmで10分間遠心分離する。
プロトプラストを含有する上部のバンドを、トランスファーピペットを用いて
別のチューブに移し、そして2mlの0.6M KClを添加する。注意深く5mlの30%ス
クロースを上部に加え、そしてそのチューブを3000rpmで15分間遠心分離する。
中間面のバンド中に横たわるプロトプラストを新しいチューブに移し、そして
1容量のSTCで希釈する。この溶液を3000rpmで10分間遠心分離する。ペレットを
STCで2回洗浄し、そして最後に1mlのSTC中に溶解する。プロトプラストを計測
し、そして形質転換の前に最後に濃縮する。
形質転換のために、100μlのプロトプラスト溶液(106〜107プロトプラスト)を
5〜10gのDNAを含む10μlのDNA溶液と混合し、そして室温で25分間インキュベー
トする。次いで、60%PEG-4000を200μl、200μlおよび800μlの比率で注意深く
添加する。混合物を室温で20分間インキュベートする。3mlのSTCをその混合物
に添加し、そして注意深く混合する。この混合物を、3000rpmで10分間遠心分離
する。
上清を取り除き、そしてプロトプラストが上清の残りの中に溶解している。3
〜5mlのトップアガロースを添加し、そしてプロトプラストを選択的なプレート
上に素早く広げる。
AbfCプロモーターおよび異種遺伝子発現
発現ベクターpXP-Amy(図13)は、AbfCプロモーター(2.1kb)の下流およびキシラ
ナーゼAターミネーターの上流にクローン化したThermomyces Ianuginosus由来
の遺伝子をコードする2.1kbのα-アミラーゼを含有する。このベクターは、選択
可能なマーカーとしてハイグロマイシン遺伝子とともに、AbsCプロモーターの機
能性を試験するために同時形質転換のために用いられた。
最適の形質転換体は、振盪フラスコ実験において、培養培地中に少なくとも1
g/lのα-アミラーゼを蓄積した。次いで、デンプン分解活性が48時間以内に検出
され、そして酵素活性のピークは、砂糖ビートパルプおよびコムギふすま上での
増殖の4日目に観察される(図15)。
タンパク質分泌におけるAbfCシグナル配列機能
T.lanuginosus由来の成熟α-アミラーゼに翻訳的に融合させたAbfC遺伝子の
シグナルペプチドを含む発現構築物を調製し、そしてその産生株中のこの構築物
の発現を観察した。これに関して、翻訳的融合構築物pXPXss-Amy(図14)を、AbfC
プロモーターおよびキシラナーゼA終止シグナルの翻訳制御下に置いた。内在性
のシグナルペプチドの取り込みは、アミラーゼおよびハイグロマイシン耐性マー
カーの両方を発現する同時形質転換体の検出能の増大をもたらす。内在性のシグ
ナルペプチドは細胞外アミラーゼの分泌を指向した。
AbfCタンパク質の基質特異性
精製AbfCの基質特異性を、ヘミセルロース:コムギ、オートムギ、およびカラ
マツ由来のアラビノキシラン、分枝および脱分枝アラビナン;アラビノガラクタ
ン、砂糖ビートペクチン、およびキシログルカン、を含有するアラビノースを用
いて決定した。
HPLCおよびHP-TLCの結果を図16に示す。図中で以下の略語を用いる:WSP-水溶
性ペントザン、WIP-水不溶性ペントザン、AG-アラビノガラクタン、deB-A-脱分
枝アラビナン。使用したスタンダードは:A-アラビノース、X-キシロースであっ
た。
その結果は、アラビノースが、アラビノキシラン由来の加水分解産物であるこ
とを示す。アラビノガラクタン、脱分枝アラビナンまたはキシログルカンからは
加水分解産物は放出されなかった。アラビノースは分枝アラビナン由来の加水分
解産物として放出された。従って、AbfCは、1,2/1,2脱分枝酵素であり、そして
それは脱分枝アラビナンおよびアラビノガラクタン中で見出される線状1,5α-結
合L-アラビノフラノース残基に対する活性を有さない。この酵素はまた、ペクチ
ンを基質として用いる場合にも産物を放出する。この産物はフェルラ酸を含むア
ラビノースまたはアラビノビオースであると考えられる。
AbfCによる粘度の低減
基質特異性研究についての結果はまた、本発明の酵素が飼料の粘度を低減する
ために使用し得ることを示唆する。これに関して、この酵素は、基質の骨格では
なく、枝を除去することにより分枝した基質の粘度を低減する。これは、基質骨
格を分解する公知の粘性調節剤とは対照的である。
従って、本発明は、分枝基質の粘度を低減する方法をカバーし、ここでこの酵
素は基質の枝を分解するが基質の骨格は分解しない。
特に、本発明は粘性調節剤としての本発明の酵素の使用をカバーする。
このことに関して、アラビノフラノシダーゼによる、コムギ粉由来の水溶性ペ
ントザン画分の粘度の減少を調べるための実験を行った。この実験において、6
mlの水溶性ペントザンを100μlのAbfCとともに20℃で、20時間、pH5.5でインキ
ュベートした。
結果(図19を参照)は、本発明の酵素がペクチン、特に果物ジュースのような
飲料中で使用されるペクチンの粘度を低減するために使用し得ることを示す。
従って、本発明は、ペクチンの粘度を低減するための、本発明の酵素の使用を
カバーする。
抗体産生
N HarboeおよびA Ingild(「免疫処置、免疫グロブリンの単離、抗体力価の測
定」定量的免疫電気泳動のマニュアル中、方法および応用、N H Axelsenら、(
編)、Universitetsforlaget,Olso,1973)およびT G Cooper(「生化学の道具」,
John Wiley & Sons,New York,1977)に記載の手順に従い、精製した酵素をウサギ
に注射し、そして抗血清からその免疫グロブリンを単離することにより、本発明
の酵素に対する抗体を作製した。要旨
Aspergillus nigerがアラビノフラノシダーゼを産生することが公知であって
も、本発明は新規のおよび発明的なアラビノフラノシダーゼ、ならびにそれをコ
ードする配列およびその配列のプロモーターを提供する。本発明の重要な利点は
、酵素を大量に産生し得ることである。
さらに、そのプロモーターおよび調節配列(例えば、シグナル配列およびター
ミネーター)が、生物中で、例えばA.niger中での、発現に用いられ得るか、ま
たはGOIの発現に使用され得る。
本発明のアラビノフラノシダーゼは、既に公知のアラビノフラノシダーゼとは
異なる。これに関して、前記のアラビノフラノシダーゼ(例えば、EP-A-0506190)
は、アラビナンを分解する能力により特徴付けられ、そしてp-ニトロフェニル-
アラビノシドを用いてアッセイされる。
本発明のアラビノフラノシダーゼは、アラビナンを分解せず、そしてp-ニトロ
フェニル-アラビノシドにおいては少量の活性しかみられなかった。
対照的に、本発明のアラビノフラノシダーゼは、アラビノキシランを分解する
ために有用である。従って、本発明のアラビノフラノシダーゼは、先に単離され
たアラビノフラノシダーゼとは全く異なる。
より詳細には、本発明の酵素は、アラビノキシランのキシロース骨格から、ア
ラビノースを特異的に切断し得る。
本発明の酵素は、食物および飼料を調製する方法ならびに食物および飼料自身
を改善し得るので有用である。例えば、本発明の酵素は、アラビノキシランが豊
富な動物の飼料に添加され得る。オオムギ、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、
またはオートムギのような穀類、あるいはコムギふすままたはトウモロコシふす
まのような穀物副産物を含む、単胃動物(例えば、家禽またはブタ)用の飼料(
サイレージを含む)に添加された場合、この酵素は顕著に植物細胞壁の破壊を向
上させ、そしてそれは動物による植物栄養素のよりよい利用に導く。結果として
、成長速度および/または飼料転換が向上される。さらには、アラビノキシラン-
分解酵素は、アラビナンを含む飼料の粘度を低減するために用いられ得る。アラ
ビノキシラン-分解酵素は、予め浸水したまたは湿った食餌が好まれる場合は、
飼料またはサイレージに予め添加され得る。
本発明の酵素を、キシラナーゼ、特にエンドキシラナーゼと組み合わせて使用
することは特に有益である。
本発明の酵素の可能なさらなる適用は、パルプまたは製紙工業にある。キシラ
ナーゼの適用はしばしば、紙の生産のための、木、木パルプ、または木の誘導産
物の加工において必須の工程である、ヘミセルロース骨格のセルロースおよびヘ
ミセルロース残基からのリグニンおよびテルペノイドの除去において有用である
。本発明に従って産生されたアラビノキシラン分解酵素のキシラナーゼ処理工程
への添加は、アラビナン含有ヘミセルロース骨格の分解を助け、従って、リグニ
ンおよびテルペノイド両方の、改善された、より効果的な除去を容易にする。ア
ラビノキシラン分解酵素の適用は、ヘミセルロース骨格がグルクロン酸を含む、
柔軟な木の加工において特に有効である。
本発明の酵素はまた、エンドキシラナーゼと相乗的な様式で作用するので有用
である(上述の結果を参照のこと)。
本発明の他の改変が、発明の範囲を逸脱することなく、当業者には明らかであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
//(C12N 15/09 ZNA
C12R 1:685)
(C12N 1/15
C12R 1:685)
(C12N 9/24
C12R 1:685)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 バルシュ,アニタ
デンマーク国 グロストルップ ディーケ
イ−2600,ブロンドビーベステルベジュ
9