JPH1150332A - ポリエステル繊維および製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維および製造方法

Info

Publication number
JPH1150332A
JPH1150332A JP10124875A JP12487598A JPH1150332A JP H1150332 A JPH1150332 A JP H1150332A JP 10124875 A JP10124875 A JP 10124875A JP 12487598 A JP12487598 A JP 12487598A JP H1150332 A JPH1150332 A JP H1150332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester fiber
yarn
fabric
heater
plane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10124875A
Other languages
English (en)
Inventor
Setsuo Taguchi
節男 田口
Takashi Ota
隆司 太田
Satoru Shimoyama
悟 下山
Masumi Fujimoto
倍巳 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP10124875A priority Critical patent/JPH1150332A/ja
Publication of JPH1150332A publication Critical patent/JPH1150332A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル繊維の宿命的な課題である低反発
性、繰り返し圧縮に対する低回復性を改良したポリエス
テル繊維、およびそれを用いた布帛の製造方法を提供す
る。 【解決手段】次の特性(A)を有することを特徴とする
中間体ポリエステル繊維。 特性(A) (1)比重が1.335〜1.360(g/cm3 ) (2)結晶化度が21〜26% (3)結晶サイズが、面指数(010)において1.4
〜2.2nm、面指数(100)において1.4〜2.
5nm、面指数(−105)において1.6〜3.5n
m (4)結晶配向度が010面で75%以下、−105面
で85%以下及び、 (5)非晶配向度が0.15〜0.4、熱水収縮率が0
〜35%であり、かつ乾熱収縮率が0〜35%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成型性の優れた中
間体ポリエステル繊維と反発性、形状保持性、成型性の
優れた弾性に富むポリエステル繊維およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】高配向未延伸ポリエステル繊維を2段階
に弛緩熱処理するものとして、ヨーロッパ特許公開第7
53395号が知られている。しかしながら、この提案
は、極めて高い熱収縮性を有するポリエステル高配向未
延伸糸をそのまま用いるため、熱処理により大きく収縮
し、収縮斑、目付斑、皺、厚さヘタリを発生し、しかも
収縮加工を緩やかに行う必要があること、寸法変化が大
きく収率が著しく低下することによるコストアップの問
題があった。
【0003】一方、高配向未延伸ポリエステル繊維を非
接触加熱手段を用いて弛緩熱処理し、引き続きポリエス
テルマルチフィラメント延伸糸と引き揃えあるいは混繊
手段を用いて複合させる方法(特開平8−158183
号公報)がある。
【0004】しかし、この提案は、特定の低結晶化度の
高配向未延伸ポリエステル繊維を弛緩熱処理し自己伸張
性を発現させ、延伸糸と組合せて、ソフトな感触、適度
なふくらみを付与させることを目的としているものであ
り、自己伸長性を有するものの反発性や形状保持性が著
しく不足したものであった。
【0005】一方、従来から、表地と裏地、さらにこれ
らを連結する中糸(つなぎ糸、柱糸あるいは接合糸とも
いう)からなる多重立体布帛、あるいはダンボールニッ
ト、三次元織編物、三次元布帛と呼ばれる繊維構造体
は、クッション性と断熱性に優れているため、衣類の裏
地や座席シート、靴の内張りなどとして多方面に用いら
れいる。たとえば、中糸(つなぎ糸)に高捲縮糸と熱融
着糸を用いるダンボールニット、中糸にスパンデックス
のモノフィラメントを用いたツーウエイトリコットの3
層構造編物が知られているが、これらは、ポリウレタン
繊維を使用するため高価なものになってしまう。
【0006】また、繊維構造体のみでは耐ヘタリとクッ
ション性が充分ではないため、繊維構造体に発泡ポリウ
レタン樹脂を積層する試みが行われているが、やはりコ
スト面で問題であり、廃棄処理において、環境面からも
好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル繊維の宿命的な課題である低反発性、繰り返し
圧縮に対する低回復性を改良したポリエステル繊維、お
よびそれを用いた布帛の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明のポリエステル繊維は、次の通りの構成をとるもの
である。
【0009】すなわち、本発明は、次の特性(A)を有
することを特徴とする中間体ポリエステル繊維に関す
る。
【0010】特性(A) (1)比重が1.335〜1.360(g/cm3 ) (2)結晶化度が21〜26% (3)結晶サイズが、面指数(010)において1.4
〜2.2nm、面指数(100)において1.4〜2.
5nm、面指数(1バア05以後−105と記述)にお
いて1.6〜3.5nm (4)結晶配向度が010面で75%以下、−105面
で85%以下 (5)非晶配向度が0.15〜0.4、熱水収縮率が0
〜35%であり、かつ乾熱収縮率が0〜35%である。
【0011】また、本発明は、高配向未延伸ポリエステ
ル糸を、ヒータ温度250℃以上の非接触型ヒータ内に
0.3×10-2g/d〜5.0×10-2g/dの張力下
で通過させて5〜40%収縮せしめることを特徴とする
中間体ポリエステル繊維の製造方法、及びその中間体ポ
リエステル繊維を実質的に延伸することなく、布帛とす
る前および/または後において、120℃以上の熱処理
を行い、下記特性(B)を有するポリエステル繊維とす
ることを特徴とする弾性に富むポリエステル繊維の製造
方法に関する。
【0012】特性(B): (1)結晶化度が22〜30% (2)結晶サイズが、面指数(010)において2.5
nm〜4.5nm、面指数(100)において2.5n
m〜4.5nm、面指数(−105)において2.0n
m〜4.5nmの範囲にあって、かつ各面指数間の結晶
サイズの差が1.0nm以下 (3)結晶配向度が010面で50〜85%、−105
面で30〜80% (4)非晶配向度が0.15〜0.40 (5)非晶密度が1.31〜1.37g/cm3 (6)非晶密度/非晶配向度が3.2以上 (7)初期伸度が10%以上 (8)見掛ヤング率が140kgf/ mm2 以下 さらに本願発明は、上記特性(B)を有する弾性に富む
ポリエステル繊維を中糸やパイル糸に用いられてなるこ
とを特徴とする布帛に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明をする。
【0014】本発明は次に述べる特性値(A)を有する
特異構造中間体ポリエステル繊維に係り、この繊維およ
びその布帛を高温熱処理することにより、さらに特性値
(B)を有する弾性に富むポリエステルに転移すること
ができ、従来からポリエステル繊維の課題であった低反
発性と低繰り返し圧縮回復性(ヘタリやすさ)を著しく
向上させることができる。また、布帛での高温熱処理に
おいて、所望の形に規制して処理することにより、その
形を耐久性よく保持し、かつ反発性良好な布帛成型品と
することができる。
【0015】その製造方法の骨子は、一つに紡糸で受け
た繊維軸方向の歪みを緩和すること、一つにはゴムの構
造のような自由度が高くしかもしっかりとした結晶/非
結晶ネットワーク構造を形成することにあると仮説し、
特定の範囲にある比較的高い結晶化度を有する高配向未
延伸ポリエステル繊維を緊張下で収縮処理し、先ず、ゴ
ム状弾性を発現するための前駆体繊維あるいは中間体繊
維(高温熱処理により特性値(B)に転移しうる中間体
ポリエステル繊維)すなわち特性値(A)を有する中間
体ポリエステル繊維となしたものである。
【0016】特性値(A)の特徴と効果 本発明の中間体ポリエステル繊維すなわち特性値(A)
を有するポリエステルは、特定の範囲にある結晶化度を
有する高配向未延伸ポリエステル繊維を延伸することな
く、緊張下で収縮しながら熱処理することで、従来の未
延伸糸、半延伸糸、延伸糸、POYのいずれにも属さな
い特異な構造とせしめたものである。実質的には、未延
伸糸であるが、熱水収縮率および乾熱収縮率とも0〜3
5%と低く、あるいは、さらに0〜10%と自在に制御
されたものである。また、従来の弛緩熱処理されたもの
より、結晶化度は21〜26%と高く、結晶サイズは従
来延伸糸に比べて極めて小さい。結晶配向度および非晶
配向度も極めて低いという特徴を有する。また、重要な
ことは、本発明の中間体ポリエステル繊維は、引き続き
行われる高温熱処理により、構造が変化し、特性値
(B)を有する弾性に富むポリエステル繊維に転移しう
る。かかる特性値(B)を有する弾性に富むポリエステ
ル繊維は、詳細は後述するが、従来のポリエステル繊維
では見られないゴム状弾性を有し、産業上極めて有用な
優れた反発性と繰り返し圧縮回復性を呈する。
【0017】すなわち、中間体ポリエステル繊維それ自
身はゴム状弾性を有するものではないが、それを高温熱
処理することにより、特性値(B)を有する構造の繊維
に転換し、ゴム状弾性を発現する。
【0018】本発明に係る繊維の製造方法 かかる本発明の中間体ポリエステル繊維の製造方法は、
引取速度が2000〜4000m/分、好ましくは25
00〜3500m/分で溶融紡糸された、結晶化度が2
1〜26%、好ましくは22〜25%、複屈折率20〜
80×10-3好ましくは30〜70×10-3の高配向未
延伸ポリエステル繊維を、ヒータ温度250℃以上好ま
しくは300℃以上の非接触型ヒータ内で0.3×10
-2g/d〜5.0×10-2g/dの張力下で、300m
/分以上好ましくは400m/分の加工速度通過させて
5〜40%好ましくは10〜35%収縮せしめることに
より得られる。ここで、張力はヒータを出た直後の位置
で測定した値である。複数のヒータゾーンを有するもの
については、第一のヒータを出た直後の位置での糸の張
力のことである。ヒータ温度は糸が走行する糸道から1
cm以内の位置に取り付けられた温度センサーにより、
糸が走行していない状態で測定された雰囲気温度であ
る。加工速度は最終熱処理後の駆動装置における糸速と
する。ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートお
よびそれを主体とした共重合体が用いられる。
【0019】特性値(A)を有する中間体ポリエステル
繊維となすには、(1) 特定複屈折率(20〜80×10
-3)および結晶化度(21〜26%)を有する高配向未
延伸ポリエステル繊維を用い、(2) 250℃以上の高温
非接触ヒータ内で、(3) 300m/分以上の加工速度
で、(4) 特定緊張状態下(張力0.3×10-2g/d〜
5.0×10-2g/d)、(5) 5〜40%収縮せしめ
る、ことが重要な要件である。
【0020】より好ましく性能を発揮せしめるには、
(1) 高配向未延伸ポリエステル繊維を少なくとも二つの
ヒータゾーンを有する非接触型ヒータを用いて多段階に
収縮熱処理せしめること、(2) 第一のヒータの温度を2
50℃以上とし、第二以降のヒータの温度を300℃以
上として収縮熱処理すること、(3) 第一のヒータでの収
縮処理における収縮率および糸張力が、第二以降のヒー
タでの収縮処理におけるそれらより大きいこと、(4) 糸
速度が300m/分以上好ましくは400m/分以上で
あること、(5) 複数のヒータを用いて多段に収縮熱処理
においては、ヒータ間で一旦80℃以下好ましくは60
℃以下に冷却することなどの条件の一つまたは複数が選
択される。
【0021】上記の他に、好ましい加工条件としては、
熱量係数(ヒータ温度(℃)×処理時間(sec)も一
つの目安とすることができる。通常、40℃・sec以
上で行われるが、好ましくは60℃・sec以上であ
り、特に好ましくは70℃・sec以上である。ここ
で、熱量係数とは、ヒータの入り側駆動装置における糸
速度と出側駆動装置における糸速度の平均速度とヒータ
長さから熱処理時間を求め、ヒータ温度(℃)×熱処理
時間(sec)の計算式から求められる。
【0022】また、緊張収縮熱処理加工において、ヒー
タ温度、収縮率、加工速度あるいは複数のヒータによる
加工条件の組合せにより、熱水収縮率および乾熱収縮率
とも0〜35%と低い特性値(A)を得ることができ、
あるいは同じく0〜10%の特性値を得ることもでき
る。
【0023】熱処理により、特性値(B)に転移 上記について、その作用機構は必ずしも明らかでない
が、我々は、一つに紡糸時に受けた高配向未延伸ポリエ
ステル繊維の歪みを張力負荷を与えつつ緩和すること、
および緊張下で適度な結晶化が進むことにより、比較的
高い結晶化度が保たれつつ収縮が行われるためと考えて
いる。緊張下で収縮を行う必要性は、高配向未延伸ポリ
エステル繊維をフリーで熱収縮すると極めて脆弱なもの
となってしまう点でも明らかである。
【0024】従って、かかる熱収縮処理においては、処
理温度、加工速度、加工張力、収縮率、付加熱量などは
極めて重要な発明要件である。また、引き続き行う熱処
理での熱結晶化をフリーあるいは拘束で行うことによ
り、特性値(B)の構造繊維に転移しうる潜在能力を付
与できるものと考えている。
【0025】かかる緊張収縮熱処理加工において得られ
た中間体ポリエステル繊維は、布帛化の前および/また
は後に120℃以上、好ましくは140℃以上、特に好
ましくは160℃以上の乾熱および/または湿熱での高
温熱処理が施され、次に述べる特性値(B)を有する弾
性に富むポリエステル繊維に転移し、ポリエステル繊維
とは思えないゴム状弾性を発現せしめることができ、良
好な反発性と繰り返し圧縮回復性などを有する布帛とす
ることができる。また、熱処理を所望の形に規制して行
うことにより、その形を耐久性よく保持し、かつ反発性
良好な布帛成型品を作製することができる。
【0026】この性能は、低結晶化度の高配向未延伸ポ
リエステル繊維を弛緩熱処理して自己伸長性を発現させ
ることを目的とした従来方法のものとは全く異なるもの
である。
【0027】特性値(B)の特徴と効果 以上のように、中間体ポリエステル繊維を高温熱処理す
ることにより、特性値(B)の弾性に富むポリエステル
繊維に転移せしめることができる。これは、(1) 結晶化
度が22〜30%、好ましくは24〜28%と従来のポ
リエステル延伸糸と同程度であり、(2) 等方性の結晶サ
イズ、すなわち面指数010で2.5〜4.5nm、面
指数100で2.5〜4.5nm、面指数−105で
2.0〜4.5nmであり、かつ各面指数間の結晶サイ
ズの差が1.0nm以下好ましくは0.7nm以下であ
り、(3) 低い非晶配向度、すなわち0.15〜0.40
好ましくは0.20〜0.32であり、(4) 高い非晶密
度、すなわち、1.31〜1.37g/cm3 、好まし
くは1.34〜1.37g/cm3 であり、また、(5)
特に、非晶密度/非晶配向度の値が極めて高いことであ
り、その値は3.2以上好ましくは4.0以上である点
に特徴があり、ゴム状弾性を発現するメカニズムとして
は、十分に緩和され自由度の高い、かつ高密度の非晶部
を等方性結晶部が拘束するネットワーク構造を形成して
いるからと推定される。機能としては、ポリエステル繊
維とは思えないゴム状弾性すなわち、繊維の特性として
は、次の表1に示す荷重伸張曲線から得られる特性値に
おいて、初期伸度が10%以上、好ましくは15%以上
と大きく、初期応力が1.5g/d以下と低く、見掛ヤ
ング率は140kgf/mm2 以下好ましくは100k
gf/mm2 以下と低い値を有する。この値が良好な反
発性、形状保持性(寸法安定性)や柔軟性、特に厚物や
立毛の布帛においては、感触のよいクッション性や抜群
に高い繰り返し圧縮回復性を発現せしめることを表して
いる。また、次の表の特性は特性値(A)の範囲にある
(イ)あるいは(ロ)の繊維を高温熱処理することによ
り、特性値(B)を有する(ハ)、(ニ)、(ホ)に繊
維へと転移することを明確に示している。
【0028】
【表1】 ここで、上述の(イ)あるいは(ロ)の繊維は、ポリエ
チレンテレフタレート(IV=0.68)を引取速度3
100m/分で溶融紡糸して得た複屈折率0.04、結
晶化度25%、255デニール、30フィラメントのP
OY(上記従来POY)を2.1×10-2g/dの張力
下で、2段階で25%(イ)あるいは35%(ロ)収縮
加工したものである。一方、(ハ)の繊維は、(イ)の
繊維を180℃で3分間フリーの状態で乾熱熱処理した
ものであり、(ニ)の繊維は、特性値(イ)の繊維を1
80℃で3分間3%弛緩状態でセットして乾熱熱処理し
得たものである。(ホ)の繊維は、(ロ)の繊維を18
0℃で3分間フリーの状態で乾熱熱処理したものであ
る。従来延伸糸は、150デニール、48フィラメント
の通常品である。また、初期応力、初期伸度、見掛ヤン
グ率は、次の方法で測定した値である。
【0029】また、NSとは熱水収縮率であり、KSは
乾熱収縮率であり、その測定法は次の通りである。
【0030】引張試験;JIS−L1013に準じた。
【0031】初期応力、初期伸度;図1に示したよう
に、引張試験において得られたSS曲線における第一接
線と第二接線の交点を初期応力、初期伸度とした。
【0032】見掛ヤング率、熱水収縮率、乾熱収縮率;
JIS−L1013に準じた。
【0033】本発明に係る繊維の利用形態 本発明は、特性(A)を有する中間体ポリエステル繊維
であることを要件とするが、かかる繊維成分に他の成
分、例えば前記ポリエステルとナイロンやポリオレフィ
ンなどが複合された複合繊維であってもよく、この場
合、たとえば分割型、菊花型、海島型などの繊維も適用
可能であり、用途に応じてその方が好ましい場合があ
る。
【0034】糸形態としては、フラットヤーンで好まし
く本発明の目的は達成されるが、その他にエアー交絡
糸、仮撚り加工糸として用いるのも可能である。
【0035】本発明において用いられるポリエステル繊
維の太さは、特に限定されないが、一般的には単繊維繊
度で1〜200デニール、トータル繊度において20〜
1000デニールの糸として用いるのが好ましい。
【0036】また、高強度、高弾性、防縮性を得る観点
からは、ポリエステルの極限粘度(オルソクロロフェノ
ール、30℃)は0.55〜1.00であることが好ま
しい。また、染色を容易にする観点からは、ポリエステ
ルが、ポリエチレンテレフタレートにポリアルキレング
リコールが共重合された共重合体であって、90℃〜1
10℃で分散染料可染とすることもできる。このポリエ
ステルを用いたポリエステル繊維の場合、天然繊維と混
用しての染色に有利である。さらに、また、濃色、鮮明
な染色をする観点からは、ポリエステルが5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸が共重合されたカチオン染料可染
型ポリエステルとすることもできる。
【0037】本発明のポリエステル繊維は目的に応じて
他の繊維と混用できる。本発明のポリエステル繊維は、
実質的には未延伸糸であるが、熱水収縮率あるいは乾熱
収縮率が、10〜35%あるいは0〜10%と自在に制
御することが可能であり、他の繊維との混合が容易で適
用範囲は極めて広い。例えば、本発明以外のポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、アラミド
繊維、ポリウレタン繊維、獣毛、絹、綿、レーヨン、麻
のうち、少なくとも1種類以上の繊維と混用することも
は好ましい一形態である。
【0038】本発明のポリエステル繊維の混用率は、本
発明の効果を顕著に発現するために30%以上が好まし
く、50%以上がより好ましく、75%以上がさらに好
ましい。もちろん、本発明のポリエステル繊維のみで構
成されることは好ましい態様である。
【0039】布帛としての利用形態 本発明に用いられる布帛は織物、編物、不織布など従来
公知の繊維シートに適用可能であり特に限定されない。
【0040】本発明のポリエステル繊維の性能をより有
効ならしめる布帛の態様としては、重ね組織、パイル組
織若しくはもじり組織のいずれか、またはそれらの応用
組織であることが好ましい。すなわち、本発明のポリエ
ステル繊維は、厚物、立毛、嵩高生地に適用することに
より、反発性、形状保持性(寸法安定性)、クッション
性、繰り返し圧縮回復性、柔軟性、耐毛倒れ性などに際
だった性能を発揮することができる。
【0041】ここで、重ね組織とは、タテヨコのいずれ
か一方あるいはタテヨコ双方に2種以上の糸を用いた組
織であり、地が厚く、強固で、重く、保温性がよく、両
面使いの生地をつくるときに用いるものである。パイル
組織とは、布帛の片面または両面を毛羽か輪奈すなわち
パイルで地組織をおおったものである。もじり組織と
は、隣接するタテ糸同士がからみ合う多孔質な布帛を作
製しうるものである。
【0042】具体的な組織としては、ジャージ生地特に
ダブルジャージ生地、ダブルラッセル生地、モケット生
地あるいはダンボールニット生地などが好ましく適用さ
れる。また、パイル布帛としては別珍、コール天、タオ
ル組織、ビロード組織などが好ましく適用される。
【0043】ダンボールニットとしての利用 さらに、本発明の性能をより発揮できる布帛の形態であ
る中糸の支えにより厚さ方向に膨らみをもたせ、かつヘ
タリを防止した構造の繊維シートである通称ダンボール
ニットと言われる布帛を例にとって具体的に説明を加え
る。ダンボールニットは、表地と裏地を中糸(柱糸、繋
ぎ糸、ジョイント糸ともいう)で連結した多重布帛、立
体布帛あるいは立毛布帛であり、その中糸や立毛に本発
明ポリエステル繊維を用いることにより、感触のよいク
ッション性や繰り返しの圧縮に対する回復性(厚さ方向
にヘタリ難い性能)が良好であり、また、従来のポリエ
ステル繊維の課題であった毛倒れを著しく改良すること
ができる。
【0044】ダンボールニットは、別名多重立体布帛、
あるいは、三次元織編物、三次元布帛などと呼ばれ、多
重組織からなる織物、あるいはダブル編機から編成され
るゴム編組織、両面編組織で作られるものであり、その
製造手段は限定されない。
【0045】中糸は本発明ポリエステル繊維単独で、し
かも単繊維が5デニール以上好ましくは8デニール以上
の太デニールを用いるのが好ましい。
【0046】また、他の繊維との混合において、反発力
をより高めるには、本発明のポリエステル繊維以外の繊
維としては、単糸が5デニール以上、好ましくは8デニ
ール以上の太デニール延伸糸との交撚糸とするのが好ま
しく、モノフィラメントとの交撚糸も好ましい態様であ
る。
【0047】本発明のダンボールニットの表地と裏地に
用いる繊維は特に限定するものではない。即ち、一般に
用いられる合成繊維、例えば、ポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのフ
ィラメントあるいは紡績糸が用いられる。中でも伸縮性
のある仮撚加工糸が好ましい。また、天然繊維、例え
ば、羊毛、綿、麻等も用いられる。その他これらの複合
糸(交撚糸、合撚糸、長短複合糸など)も好ましく適用
できる。
【0048】もちろん、表地あるいは裏地とは、必ずし
も布帛の表層あるいは裏層にあるもののみに限定される
ものではなく、布帛の内層に用いられるシートとシート
を中糸により連結した布帛であってもよく、さらにこれ
らのシートは2層に限定されず3層以上の多重繊維シー
トであってもよい。
【0049】本発明のポリエステル繊維を中糸に用いた
ダンボールニットは、クッション性や繰り返しの圧縮回
復率が抜群に良好であり、車両座席シートや椅子貼りに
好ましく適用できる。これらの分野では、従来、耐ヘタ
リ性や嵩高性、クッション性が充分でない理由から、そ
の性能を補うためにポリウレタン発泡体などを貼り合わ
せたり積層して用いる場合が多くあるが、本発明の繊維
を使用すれば、繊維のみでその性能を発揮することがで
き、低コスト化が可能であり、通気性や通水性が良好で
清潔であること、およびポリウレタン発泡体の廃棄に係
わる地球環境の点でも貢献できるなどメリットは大き
い。
【0050】また、本発明で得られた布帛に対して染色
や撥水加工あるいはラミネートやコーティングなどの各
種の仕上げ加工を施すことは、さらに有効で好ましいこ
とである。
【0051】その他の利用 本発明繊維およびその布帛におけるその他の性能として
は、ゴム状弾性を有することに起因し、応力が集中しに
くい性能を有していることから、(1) 引裂強力が高いこ
と、(2) 衝撃吸収性が良好なこと、(3) ピリングが発生
し難いこと、などが挙げれる。
【0052】上述したように、本発明のポリエステル繊
維は多くの有用な特性を有すること、様々な布帛組織や
形態として、また単独あるいは他の繊維との混合にして
用いることができることによりその応用範囲は広い。
【0053】その用途としては、一般衣料素材を始めと
して、反発性、クッション性、圧縮回復性を活かして自
動車座席シート地などの車両座席シート地、、自動車内
装シート地、椅子張りシート地、靴の内張り地(アッ
プ、ボトム材を含む)靴の中敷き地などに、衝撃吸収性
や耐ピリング性を活かしウオームアップスーツなどのト
レーニングウエア地、介護医療衣服地などに、高引裂強
力を活かしてパラグライダー生地、ハングライダー生
地、ヨットセールクロス、などに、成型性を活かして帽
子材料、ブラジャーカップ、水着カップなどのカップ類
や肩パットなどに好ましく適用できる。
【0054】分析方法 以下実施例について説明するが、その前に本明細書で述
べる分析の方法に関して説明する。
【0055】各種特性の測定方法および条件は下記のと
おりである。
【0056】(1) 比重;JIS−L1013 7.1
4.2密度こうばい管法に準じた。
【0057】(2) 結晶化度;W.rulandの方法(W.Rulan
d、Acta Cryst .、14(1961)、1180-1185) により、下
記広角X線回析(ディフラクトメータ法)にて測定し
た。
【0058】 X線発生装置;理学電機社(株)製 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 湾曲結晶モノクロメーター(グラファイト使 用) 出力 :50KV 200mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 スリット径:1°-0.15mm-1° 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;理学電機社(株)製RAD−B スキャン方式;2θ/θ:連続スキャン 測定範囲:2θ=5〜140° サンプリング:0.02° スキャン速度:3°/分 (3) 広角X線回折による結晶サイズ測定; (a) 広角X線回析(カウンター法) X線発生装置;理学電機社(株)製 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 スリット径:2mm径ピンホールコリメータ 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;RAD−C、オンライン・データ処理システム 赤道線方向スキャン範囲:10〜35° 子午線方向スキャン範囲:30〜55° スキャン方法 ステップ:2θ/θ サンプリング間隔:0.05°/Step 積算時間 :2秒 円周方向(β)スキャン範囲:90〜270° サンプリング間隔:0.5°/Step 積算時間 :2秒 (b) 広角プレート写真撮影 X線発生装置;理学電機社(株)製:4036A2型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA スリット径:1mm径ピンホールコリメータ使用 撮影条件 カメラ半径 :40mm 露出時間 :20分 フイルム :Kodak DEF−5 結晶サイズ算出は面指数(010)、(100)および
(−105)のピークの半値幅から下記のScherr
erの式を用い計算した。
【0059】L(hkl)=Kλ/β0 cosθB ただし、L(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な
方向の平均の大きさ K:1.0、λ:X線の波長、β0 =(βE2−βI2
1/2 、 βE :見掛けの半値幅(測定値) βI :1.05×10-2rad.、θB :ブラッグ角 (4) 広角X線回折測定による結晶配向度 各ピークを円周方向にスキャンして得られる強度分布の
半値幅Hから下記式により算出したもの。
【0060】結晶配向度(%)=[(180−H)/1
80]×100 (5) 偏光蛍光法による非晶配向度 装 置:日本分光工業製FOM−1 光学系:透過法(励起光波長:365nm、蛍光波長:
420nm) 測定系:偏光子‖検光子、および偏光子〓検光子で回転
して、面内の偏光蛍光強度(I‖、I〓)の角度分布を
得た。
【0061】ここで、‖は平行を示し、〓は垂直を示
す。
【0062】非晶配向度は下記式からの一軸配向係数f
2 で求めた。
【0063】f2 =3/2[{I‖(0)+2I〓
(0)}/K−1/3] 但し、K={I‖(0)+4I〓(0)+8/3I‖
(90)} I‖(0) :‖測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 I‖(90):‖測定での上記と直交方向の相対偏光蛍
光強度 I〓(0) :〓測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 (6) 非晶密度 次の式により非晶密度(da)を求めた。
【0064】da (g/cm3 )=[d-dc×{(Xc/100)/dc}×d]
/1-{(Xc/100)/dc} ×d] d:繊維密度(g/cm3 ) dc:1.501 Xc:結晶化度(%) なお、繊維密度はJIS−L1013 7.14.2密
度こうばい管法に準じ測定した。
【0065】(7) 複屈折率 セナルモン法により、ナトリウムD光を用い測定した。
【0066】
【実施例】
実施例1、2、比較例1、2、3、4 ポリエチレンテレフタレート(IV=0.68)を溶融
紡糸し、引取速度3100m/分、255デニール、3
0フィラメントのPOYを得た。この原糸を延伸するこ
となく350℃雰囲気中の非接触ヒータ(長さ2m)内
を張力1.5×10-2g/d、速度350m/分で通し
て処理し25%収縮させ、320デニールの収縮処理糸
を得た(実施例1)。もう一つの処理条件として独立し
た二つの非接触ヒータ有する糸加工装置を用い、加工速
度400m/分で一段目ヒータが温度320℃、ヒータ
長さ2m、張力1.8×10-2g/dで20%収縮さ
せ、二段目ヒータが温度320℃、ヒータ長さ1m、張
力0.7×10-2g/dで10%収縮させ、トータル3
0%収縮させ、340デニールの収縮処理糸を得た。 実施例2 実施例1および実施例2における収縮処理糸の特性は次
の表2のとおりであり、いずれも本発明の要件である特
性値(A)を満足するものであった。
【0067】
【表2】 かかる収縮処理糸をタテ、ヨコ糸に用いて平織物を製織
し、180℃で3分間熱風乾燥機中で熱処理した。この
処理において、タテが約3%収縮し、ヨコが約4%収縮
した。次いで、130℃で20分間分散染料を用いて染
色した。得られた織物は、実施例1及び実施例2とも反
発性が良好であり、手で握ってから放すとパーンという
感じで元のシート形状に戻る性能を有し、いわゆるプリ
プリ感に富むものであった。両者では、反発性において
実施例2が若干上回っていた。
【0068】実施例1および2の染色上り織物から糸を
解し解析した特性値を次の表3に示した通りであり、実
施例1および2とも本発明の要件である特性値(B)の
範囲のものであった。
【0069】
【表3】 比較例として、上述のPOYを用いて室温で1.3倍延
伸(比較例1)、280℃で1.7倍延伸(比較例2)
した。また、上述のPOYを用い延伸することなく35
0℃雰囲気中の非接触ヒータ(長さ2m)内を張力0.
1×10-2g/d以下、速度400m/分で通して処理
し50%収縮させた(比較例3)。また、同様に180
℃雰囲気中の非接触ヒータ(長さ2m)内を張力1.5
×10-2g/d、速度400m/分で通して処理し20
%収縮させた(比較例4)。
【0070】それらの糸特性は、次の表4のとおりで、
これら4種の糸は、いずれも本発明の要件である特性値
(A)を満たすものではなかった。
【0071】
【表4】 さらにこの4種の糸を用いて実施例1および実施例2と
同様に平織物を作製し、同様の熱処理と染色を行った。
得られたものは、いずれも反発性に乏しく、また、手で
握ったものは、多くの皺が発生し、元の形状には復元し
なかった。比較例1〜4の染色上り織物から糸を解し解
析した特性値は次の表5のとおりであり、本発明の特性
(B)を満たすものではなかった。
【0072】
【表5】 実施例3、比較例5、6 ポリエチレンテレフタレート(IV=0.68)を溶融
紡糸し、引取速度3100m/分、255デニール、3
0フィラメントのPOYを得た。この原糸を延伸するこ
となく1st.ヒータ(ヒータ長さ2m)で張力1.8
×10-2g/d、温度350℃、収縮率20%、2n
d.ヒータ(ヒータ長さ2m)で張力0.7×10-2
/d、温度450℃、収縮率10%で加工速度420m
/分で通して処理しトータル30%収縮させた(実施例
3)。比較例として、280デニール、14フィラメン
トの延伸糸(比較例5)、および300デニール、72
フィラメントの仮撚加工糸(比較例6)を準備した。
【0073】これらの特性を次の表6に示すとおり、実
施例3は本発明でいう特性値(A)の範囲を満足するも
のであり、比較例5および実施例6はその範囲外であっ
た。
【0074】
【表6】 これら3種の糸を中糸とし、150デニール、48フィ
ラメントの仮撚加工糸を表地および裏地とし、両面丸編
機でダンボールニット生機を編成し、次いでネットコン
ベア型熱処理機を通し拡幅することなく、180℃、3
分間処理した。次いで、分散染料を用いて130℃、4
5分間染色した。
【0075】得られたダンボールニットにおいて、実施
例3は繰返し圧縮荷重に対してヘタリ難く、シート全体
が反発性良好であり、クッション性が良好であった。一
方、比較例5および6は、ヘタリやすく、反発性、クッ
ション性ともに不良であった。
【0076】実施例3、比較例5、比較例6の圧縮回復
特性の試験結果を次の表7に示した。
【0077】
【表7】 これら3種のダンボールニットから中糸をほぐして解析
した特性値は下記の表8のとおりであり、実施例3は本
発明の要件である特性値(B)を満たすものであった。
一方、比較例5および比較例6とも本発明の要件である
特性値(B)を満たすものではなかった。
【0078】
【表8】 実施例4 実施例3の収縮糸を用いて、280デニール、14フィ
ラメントの延伸糸と200T/M(S撚)で撚糸(交
撚)した。この糸を中糸とし、150デニール、48フ
ィラメントの仮撚加工糸を表地糸および裏地糸として、
両面丸編機でダンボールニットを編成した。かかるダン
ボールニットを熱風乾燥機中で180℃、5分間処理
し、次いで分散染料を用いて130℃、30分間染色し
た。
【0079】得られたものは実施例3と同じく、繰返し
圧縮荷重に対してヘタリ難く、シート全体が反発性良好
であり、クッション性も良好であった。
【0080】実施例4の編物をほぐして、中糸の収縮糸
部分を解析したところ、次の表9に示すとおり本発明の
要件である特性値(B)を満たすものであった。
【0081】
【表9】 実施例5、6、比較例7、8 実施例3、実施例4、比較例5、比較例6のダンボール
ニットの生機を用い、半円球型の成型機にて、180℃
で1分間成型加工を行った。それぞれ実施例5(実施例
3生機使用)、実施例6(実施例4生機使用)、比較例
7(比較例5生機使用)、比較例8(比較例6生機使
用)とした。その成型性および形状保持性、反発性、洗
濯耐久性は次の表10のとおりであり、いずれの項目も
本発明品が比較例より良好であった。
【0082】
【表10】 なお、実施例5、実施例6および比較例7、比較例8の
成型体からの解し糸の特性は次の表11のとおりであ
り、実施例5および実施例6は本発明の要件である特性
値(B)を満たすものであった。
【0083】
【表11】 実施例7、比較例9 裏地に実施例3の収縮糸を用い、表地と中糸に140デ
ニール、36フィラメントのPOYを同様の方法にて加
工した収縮糸(200デニール、36フィラメント)を
用いてスポーツウエアであるウォームアップスーツ(組
織:ダブルジャージ)を作り、180℃で3分間乾熱熱
処理した後、耐衝撃性と耐ピリング性を調べた(実施例
7)。これは、表地に150デニール、48フィラメン
トの仮撚加工糸、中糸に150デニール、30フィラメ
ントの仮撚加工糸、裏地に300デニール、96フィラ
メントの仮撚加工糸を用いた比較例9より優れた耐衝撃
性を有し、また、ピリングの発生し難いものであった。
【0084】その中糸の解し糸を解析した結果は次の表
12のとおりである。
【0085】
【表12】 実施例8 タテ糸に150デニール、48フィラメントの仮撚加工
糸、ヨコ糸に実施例3の収縮糸と280デニール、14
フィラメントの延伸糸を100T/M(S撚)撚糸(交
撚)して用いて、タテ33本/インチ、ヨコ46本/イ
ンチの密度の平織を作製した。
【0086】この生機をコンベアーネット型の乾燥機を
通し、130℃で2.5分間処理した。次いで、同乾燥
機で180℃で2.5分間処理し、130℃で45分間
染色した。得られたものは、タテヨコ異方性のある反発
性を有し、スーツの胸芯地に適用したところ、スーツの
シルエット形成が良好であり、従来の毛芯に比べて多く
のカラーのものが得られること、水洗濯を行っても型崩
れし難いこと、軽量であること、などの多くの利点を有
するものであった。その芯地から収縮糸を解した糸の解
析値は次の表13のとおりであった。
【0087】
【表13】 比較例10 ポリエチレンテレフタレート(IV=0.68)を溶融
紡糸し、引取速度3100m/分、255デニール、3
0フィラメントのPOYを得た。このPOYをそのまま
使用しタテ糸密度56本/インチ、ヨコ糸密度55本/
インチの平織物を製織した。この織物を95℃の熱水中
を通したところ大きく収縮(タテ収縮:29%、ヨコ収
縮:32%)し、そのため皺および表面凹凸が多く存在
する極めて硬い織物となった。このときの織物密度は、
タテ74本/インチ、ヨコ71本/インチであった。こ
の織物を熱風乾燥機中で180℃・7分間熱処理した。
引き続き、130℃で40分間分散染料を用いて染色し
た。
【0088】得られたものは、ゴム状弾性に富んだ性能
を有し、手で握って放すとパーンと元の形に復元するも
のであった。しかし、熱水処理で発生した皺や凹凸が依
然として残ったものであり、商品価値の乏しいものであ
った。その織物からの解し糸の解析値は次の表14のと
おりであった。
【0089】
【表14】
【0090】
【発明の効果】
イ)本発明のポリエステル繊維は反発性などに優れた繊
維および布帛を提供することができる ロ)本発明のポリエステル繊維から得られる布帛は、優
れた耐ヘタリ性(耐毛倒れ、耐斜向性など)と嵩高性、
クッション性を有することができる。特に、ダンボール
ニットなどの立体布帛といわれる多重布帛において顕著
な効果が得られる。
【0091】ハ)本発明のポリエステル繊維から得られ
る布帛は、上記性能が高いため従来品のようにポリウレ
タン発泡体を積層して性能不足を補う必要がなく、コス
トメリットも大きく、ポリエステル繊維のみでの構成が
可能であり地球環境へも貢献できる。
【0092】ニ)また、ダンボールニットなどの立体布
帛の中糸(つなぎ糸あるいは柱糸ともいう)として用い
た場合、従来品のように融着繊維や仮撚加工糸としない
でも性能が良好であり、糸自身が低価格であり、かつ加
工がシンプルで容易なため安価に製造できる。
【0093】ホ)本発明のポリエステル繊維から得られ
る繊維およびその布帛は、ゴム状弾性を有することに起
因し、応力が集中しにくいものであることから、高い引
裂強力、衝撃吸収性、ピリングが発生し難い布帛を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ポリエステル繊維の初期応力、初期伸度
を説明するSS曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04B 21/00 D04B 21/00 B (72)発明者 藤本 倍巳 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の特性(A)を有することを特徴とする
    中間体ポリエステル繊維。 特性(A) (1)比重が1.335〜1.360(g/cm3 ) (2)結晶化度が21〜26% (3)結晶サイズが、面指数(010)において1.4
    〜2.2nm、面指数(100)において1.4〜2.
    5nm、面指数(1バア05以後−105と記述)にお
    いて1.6〜3.5nm (4)結晶配向度が010面で75%以下、−105面
    で85%以下及び、 (5)非晶配向度が0.15〜0.4、熱水収縮率が0
    〜35%であり、かつ乾熱収縮率が0〜35%
  2. 【請求項2】非晶配向度が0.15〜0.3、熱水収縮
    率が0〜10%であり、かつ乾熱収縮率が0〜10%で
    あることを特徴とする請求項1記載の中間体ポリエステ
    ル繊維。
  3. 【請求項3】高配向未延伸ポリエステル糸を、ヒータ温
    度250℃以上の非接触型ヒータ内に0.3×10-2
    /d〜5.0×10-2g/dの張力下で通過させて5〜
    40%収縮せしめることを特徴とする中間体ポリエステ
    ル繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】前記高配向未延伸ポリエステル糸を、少な
    くとも二つのヒータゾーンを有する非接触型ヒータを用
    いて多段階に収縮せしめることを特徴とする請求項3記
    載の中間体ポリエステル繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、前記高配向未
    延伸ポリエステル糸の糸速度が300m/分以上である
    こと特徴とする中間体ポリエステル繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の中間体ポリエステル繊維を
    実質的に延伸することなく、布帛とする前および/また
    は後において、120℃以上の熱処理を行い、下記特性
    (B)を有するポリエステル繊維とすることを特徴とす
    る弾性に富むポリエステル繊維の製造方法。 特性(B): (1)結晶化度が22〜30% (2)結晶サイズが、面指数(010)において2.5
    nm〜4.5nm、面指数(100)において2.5n
    m〜4.5nm、面指数(−105)において2.0n
    m〜4.5nmの範囲にあって、かつ各面指数間の結晶
    サイズの差が1.0nm以下 (3)結晶配向度が010面で50〜85%、−105
    面で30〜80% (4)非晶配向度が0.15〜0.40 (5)非晶密度が1.31〜1.37g/cm3 (6)非晶密度/非晶配向度が3.2以上 (7)初期伸度が10%以上 (8)見掛ヤング率が140kgf/ mm2 以下
  7. 【請求項7】請求項1記載の中間体ポリエステル繊維ま
    たは請求項6記載の弾性に富むポリエステル繊維を布帛
    の中糸に用いられてなることを特徴とする布帛。
  8. 【請求項8】請求項7において、重ね組織、パイル組織
    若しくはもじり組織のいずれか、またはそれらの応用組
    織であることを特徴とする布帛。
  9. 【請求項9】請求項7において、ジャージ、ダブルラッ
    セル、モケットあるいはダンボールニットであることを
    特徴とするパイル布帛。
  10. 【請求項10】請求項1記載の中間体ポリエステル繊維
    または請求項6記載の弾性に富むポリエステル繊維が布
    帛のパイル糸に用いられてなることを特徴とするパイル
    布帛。
  11. 【請求項11】高配向未延伸ポリエステル糸を、ヒータ
    温度250℃以上の非接触型ヒータ内を0.3×10-2
    g/d〜5.0×10-2g/dの張力下に通過させて5
    〜40%収縮せしめた後、120℃以上の温度で熱処理
    することを特徴とする弾性に富むポリエステル繊維の製
    造方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、少なくとも独立し
    た二つ以上のヒータゾーンを有するヒータを用い、第二
    以降のヒータの温度を300℃以上として、5〜40%
    収縮せしめることを特徴とする弾性に富むポリエステル
    繊維の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12において、第一のヒータでの
    収縮処理における収縮率および糸張力が、第二以降のヒ
    ータでの収縮処理におけるそれらより大きいことを特徴
    とする弾性に富むポリエステル繊維の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項12または13において、複数の
    ヒータ間で糸温度を80℃以下に冷却することを特徴と
    する弾性に富むポリエステル繊維の製造方法。
  15. 【請求項15】高配向未延伸ポリエステル糸を、ヒータ
    温度250℃以上の非接触型ヒータ内に0.3×10-2
    g/d〜5.0×10-2g/dの張力下で通過させて5
    〜40%収縮せしめ、これを布帛とした後、120℃以
    上の温度で熱処理することを特徴とするポリエステル布
    帛の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項11の製造方法で得られた弾性に
    富むポリエステル繊維を布帛とすることを特徴とするポ
    リエステル布帛の製造方法。
JP10124875A 1997-05-20 1998-05-07 ポリエステル繊維および製造方法 Pending JPH1150332A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10124875A JPH1150332A (ja) 1997-05-20 1998-05-07 ポリエステル繊維および製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12974097 1997-05-20
JP9-129740 1997-05-20
JP14803297 1997-06-05
JP9-148032 1997-06-05
JP10124875A JPH1150332A (ja) 1997-05-20 1998-05-07 ポリエステル繊維および製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1150332A true JPH1150332A (ja) 1999-02-23

Family

ID=27314998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10124875A Pending JPH1150332A (ja) 1997-05-20 1998-05-07 ポリエステル繊維および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1150332A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011063895A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Teijin Fibers Ltd ポリエステル繊維及びそれを用いて得られた仮撚加工糸
JP2014055385A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Tsuchiya Tsco Co Ltd パイル材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011063895A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Teijin Fibers Ltd ポリエステル繊維及びそれを用いて得られた仮撚加工糸
JP2014055385A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Tsuchiya Tsco Co Ltd パイル材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6623681B1 (en) Polyester fiber and process for preparing the same
US4298643A (en) Fiber sheet for forming
KR20000005079A (ko) 인조 가죽용 복합 시트
CA2542464A1 (en) Sheet material for seat
WO1996022876A1 (en) Polyester product and process for producing the same
JP5584297B2 (ja) 多層構造布帛および繊維製品
JP2004124348A (ja) 複合織編物
JP2004534673A (ja) 改善されたステッチボンド布及び同製法
JP5599661B2 (ja) ストレッチコート編地
JPH038852A (ja) 成形用布帛
JPH1150332A (ja) ポリエステル繊維および製造方法
JP2019077973A (ja) 吸水性編物
JP2006214056A (ja) 織物
JP2000170031A (ja) ポリエステル繊維およびその製造方法
JP2009074188A (ja) 丸編地および繊維製品
JPH1136164A (ja) 繊維構造体の製造方法
JP4340447B2 (ja) 座席および車両
JP2002212855A (ja) ポリエステル繊維構造体
JP2004183193A (ja) 織物
JPH02277890A (ja) 皮革様シート状物
JP3332118B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメント複合糸
JP2002180359A (ja) ポリエステル繊維構造体
JPH11200200A (ja) パイル基布およびパイルシート
JP2001329438A (ja) ポリエステル繊維およびその製造方法
JP2002194634A (ja) ポリエステル複合糸の製造方法および布帛の製造方法