【発明の詳細な説明】
不均質試料の分光分析方法
発明の背景
1. 著作権の掲示:
この特許の開示の一部は、著作権保護を受ける資料を含んでいる。所有権者は
、いずれの人による特許書類の複製に対しても異論を唱えないが、他の点では著
作権に関する全ての権利を保有する。
2. 技術分野:
本発明は、不均質な試験試料の分光分析の実施における改良に関するものであ
る。より詳しくは、試験試料について複数の信号測定を行い、信頼性のある解答
を与えるのに最も適した一連の選択された信号測定値のみから分析結果を計算す
る。本発明の方法は、ヘモグロビン分画またはその誘導体の濃度の分光測定に特
別に適用される。
3. 従来の技術:
流体の分光測定は、分析化学に関して広く用いられている技術である。分光測
定を行う装置は、この業界でよく知られている。試験試料を光学セル中に移動さ
せ、試料が静止している間に透過率、吸光度または反射率の測定を行うことによ
り、試験試料の分析を行ってもよい。あるいは、試験試料を光学流動セルに通し
て流して、試料が光学セル中を通って流れている間に測定を行ってもよい。その
ような測定は、非散乱均質試料について行うことが最も適している。残念ながら
、いくつかの試料は、信頼性のある測定を困難にする、気泡または粒子のような
不均質物を含有している。試験試料中に不均質物が存在すると、ある場合には、
試料を再測定しなければならない信号測定値が不利に得られることがある。さら
に重要なことには、不均質物はまた、もっともらしいが、それでも不正確な試験
結果が得られるかもしれない微妙な誤差を生じる。
マツオカ等の米国特許第3,966,323号には、光度分析のために一連の試料セル
の前進のタイミングを計る方法および装置が開示されている。この分析には、各
々
の試料セルを通って透過する光の分散、分散した光からのそれぞれの波長を検出
する光電検出器、信号保持装置、および表示器および/または記録装置からの信
号を読み取るまたはサンプリングする制御手段が含まれる。この制御手段は、試
料セル間の、または試料セルと光源との間の相対的な移動の推定値を求める際の
試料セルを通って透過する光の変動に応答する。
セムロー等の米国特許第5,036,857号には、心サイクルの拡張期間中の拡張心
音の分析により心臓病を検出する方法が開示されている。時間変域におけるウイ
ンドを用いて、このウインドの最中の聴覚試料を評価して、望ましくない音を除
去している。予測した拡張期間を越えて著しい振幅が検出された場合、試料は、
異質のノイズを含むものとして拒絶される。あるいは、全試料期間に亘る分散分
析が所定のしきい値を越えた場合には、試料の全ウインドは、異質のノイズを含
むものとして度外視される。
したがって、本発明の目的は、不均質な試験試料の分光分析を行う改良方法を
提供することにある。
本発明のより具体的な目的は、試料測定値の範囲または群に対して、あるいは
、試験試料の分析に使用すべき所定のしきい値に対して低い変動性を有する特定
の組の信号測定値を選択することにより、透過率、吸光度または反射率の測定を
改良する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、血液試料中のヘモグロビン分画または誘導体の濃度をよ
り正確に測定することにある。
本発明の別の目的は、分光光度計と共に新しいアルゴリズムを用いてヘモグロ
ビン分画または誘導体を測定することにある。
本発明のさらなる目的は、試験試料の光学流動セル分析により提供された1つ
以上の群の信号測定値を比較し、選択して、試験試料の不均質物により影響を受
けた信号測定値を避けることにある。
本発明の上述した目的は、試験試料について複数の光学セル信号測定値を分析
して;測定値から、信号測定値の範囲または群、あるいは所定のしきい値に対す
る低い変動性、並びに信号レベル最大値または信号レベル最小値のいずれかの両
方を有する1つ以上の組の測定値を選択し:選択された組の測定値を用いて試験
試料を分析する方法を提供することにより達成される。
本発明の別の目的は、末知の試料について多くの繰返試験を行うように設計さ
れた臨床研究測定器と共に使用するアルゴリズムを提供することにある。
本発明の好ましい実施の形態において、試験試料の一連の透過率、吸光度また
は反射率の信号測定値を分析して、測定値の範囲または群、あるいは所定のしき
い値に対する低い変動率、並びに高いまたは低い透過率、吸光度または反射率の
信号レベルの一方の両方を有する1つ以上の組の信号測定値を選択して、試験試
料を分析する。
本発明のさらなる目的は、均質領域が、試験試料の時間走査または空間走査の
いずれかを用いて選択される、試験試料の分光分析から一連の信号測定値を選択
する方法を提供することにある。
本発明の別の実施の形態において、試験試料は光学流動セルを通って流され、
一連の透過率測定が行われる。透過率測定値の範囲または群、あるいは所定のし
きい値に対する低い変動性、並びに透過率最大値または透過率最小値のうちのい
ずれか一方の両方を有する組の透過率測定値を選択して、この組の透過率測定値
の平均値を用いて試験試料を分析する。
4. 図面の簡単な説明:
本発明の主な現在好ましい実施の形態を、添付した図面に関して記載する。
図1は、試験試料の分光分析と共に用いられるアルゴリズムのフローチャート
である。
図2A−2Cは、試験試料1595の信号読取りを示している:
図2Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウン
トを示している;
図2Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図2Aの
単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図2Cは、図2Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な
時間単位97(x軸)での選択されたウインドを示している。
図3A−3Cは、試験試料1596の信号読取りを示している:
図3Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウン
トを示している;
図3Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図3Aの単
位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図3Cは、図3Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な時
間単位78(x軸)での選択されたウインドを示している。
図4A−4Cは、試験試料1597の信号読取りを示している:
図4Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウント
を示している;
図4Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図4Aの単
位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図4Cは、図4Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な時
間単位82(x軸)での選択されたウインドを示している。
図5A−5Cは、試験試料1598の信号読取りを示している:
図5Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウント
を示している;
図5Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図5Aの単
位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図5Cは、図5Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な時
間単位84(x軸)での選択されたウインドを示している。
図6A−6Cは、試験試料1599の信号読取りを示している:
図6Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウント
を示している;
図6Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図6Aの単
位時間放出当たりのADCカウントの拡大図である;
図6Cは、図6Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な時
間単位82(x軸)での選択されたウインドを示している。
図7A−7Cは、試験試料1600の信号読取りを示している:
図7Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウント
を示している;
図7Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図7Aの
単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図7Cは、図7Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な
時間単位83(x軸)での選択されたウインドを示している。
図8A−8Cは、試験試料1601の信号読取りを示している:
図8Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウン
トを示している;
図8Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図8Aの
単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図8Cは、図8Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な
時間単位85(x軸)での選択されたウインドを示している。
図9A−9Cは、試験試料1602の信号読取りを示している:
図9Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウン
トを示している;
図9Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図9Aの
単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図9Cは、図9Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適切な
時間単位68(x軸)での選択されたウインドを示している。
図10A−10Cは、トレーリングブランク試験試料1603の信号読取りを示し
ている:
図10Aは、トレーリングブランク試料の単位時間当たりの信号または
ADCカウントを示している;
図10Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図10
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図10Cは、図10Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位38(x軸)での選択されたウインドを示している。
図11A−11Cは、リーディングブランク試料1594の信号読取りを示してい
る:
図11Aは、リーディングブランク試験試料の単位時間当たりの信号ま
たはADCカウントを示している;
図11Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図11
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図11Cは、図11Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位52(x軸)での選択されたウインドを示している。
図12A−12Cは、試験試料2049の信号読取りを示している:
図12Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図12Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図12
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図12Cは、図12Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位135(x軸)での選択されたウインドを示している。
図13A−13Cは、試験試料2050の信号読取りを示している:
図13Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図13Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図13
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図13Cは、図13Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位163(x軸)での選択されたウインドを示している。
図14A−14Cは、試験試料2051の信号読取りを示している:
図14Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図14Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図14
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図14Cは、図14Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位137(x軸)での選択されたウインドを示している。
図15A−15Cは、試験試料2052の信号読取りを示している:
図15Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図15Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図15
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図15Cは、図15Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位162(x軸)での選択されたウインドを示している。
図16A−16Cは、試験試料2053の信号読取りを示している:
図16Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図16Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図16
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図16Cは、図16Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位169(x軸)での選択されたウインドを示している。
図17A−17Cは、試験試料2054の信号読取りを示している:
図17Aは、不均質試験試料の単位時間当たりのADCカウントを示し
ている;
図17Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図17
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図17Cは、図17Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位176(x軸)での選択されたウインドを示している。
図18A−18Cは、試験試料2055の信号読取りを示している:
図18Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図18Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図18
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図18Cは、図18Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位165(x軸)での選択されたウインドを示している。
図19A−19Cは、試験試料2056の信号読取りを示している:
図19Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図19Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図19
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図19Cは、図19Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位144(x軸)での選択されたウインドを示している。
図20A−20Cは、試験試料2057の信号読取りを示している:
図20Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図20Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図20
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図20Cは、図20Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位173(x軸)での選択されたウインドを示している。
図21A−21Cは、リーディングブランク試験試料2048の信号読取りを示し
ている:
図21Aは、不均質試験試料の単位時間当たりの信号またはADCカウ
ントを示している;
図21Bは、低い信号変動性を有する選択されたウインドを示す図21
Aの単位時間当たりのADCカウントの拡大図である;
図21Cは、図21Bの試験試料の信号レベルの算定変動性を示し、適
切な時間単位83(x軸)での選択されたウインドを示している。
図22A−Dは、本発明のアルゴリズムにより信号測定値を選択する分析測定
器に使用するプログラムのコードである。
図23は、試験試料1595-1602の吸収スペクトルを示すグラフである。
図24は、試験試料2049-2057の吸収スペクトルを示すグラフである。
5. 発明の詳細な説明:
分光光度計と共に、不均質試験試料の単純で信頼性のある分析を可能にするア
ルゴリズムを提供する。このアルゴリズムは、(a)試験試料の前縁を発見し;(b)
「しきい値1」よりも小さい信号変動性を有する全てのデータウインドを収集し
;(c)(b)および信号レベル基準(「しきい値1」を満たすデータウインドの組か
らの最低または最高)を満たす1つ以上のデータウインドからデータを選択し;
(d)あるいは、どのデータウインドも(b)を満たさない場合には、「しきい値2」
より小さい信号変動性を有する1つ以上のデータウインドから全てのデータウイ
ンドを収集し;(e)(d)および信号レベル基準(「しきい値2」を満たすデータウ
インドの組からの最低または最高)を満たす1つ以上のデータウインドからデー
タを選択し;(f)あるいは、どのデータウインドも(d)を満たさない場合には、1
つ以上の最低の変動性ウインドからデータを選択し;(g)選択された(f)のデータ
が「しきい値3」よりも大きい場合には、エラーが宣言されることを教示する。
試験測定値の変動性を分析することがこの業界で知られている。本発明におい
て、信号測定値の変動性の分析は、以下の式(1)にしたがって求められる:
変動性を求める別の方法を用いて、上述したアルゴリズムを実行してもよい。
分光光度計と共にまたはこの中に組み込まれたコンピュータに使用するためにこ
のアルゴリズムをプログラムに書き込んで、信号測定値のデータ分析を行う。
前縁は、(a)ブランク試料から得られた信号に対する特定の値でしきい値を設
定するか、または(b)(a)により得られた特定の値を設定して、さらに信号変動性
基準を設定することのいずれかにより得られる。好ましい実施の形態において、
前縁のしきい値は、ブランク試料により求められた信号カウントの80%に設定さ
れている。
ウインドサイズは、最適に選択されて試料の不均質物を避ける一方で、試料の
変動性を良好に測定するほど十分に大きい。試料の変動性は、図面を参照して最
良に反映されているように、ADC(アナログ−デジタル変換器)カウントまた
は信号の関数である。好ましい実施の形態において、ウインドサイズは、8時間
単位または瞬間(time ticks)で設定され、そこで、各々の単位時間で試料の信
号測定が行われる。好ましい実施の形態の各々の単位時間は0.1秒に等しく、各
々の試験試料は10秒間に亘り分析される。試験試料の分析時間は、一部には、試
料サイズ、測定を行うのに用いられる測定器および分析を行う試料の安定性に依
存しており、本発明のアルゴリズムを用いている間は、いずれもが変動してもよ
い。
流体流動セル型の分光光度計において、安定性は試験試料中の気泡により反映
されるかもしれない。試験試料は、発泡されたり、セグメントに分けられたり、
希釈されたりしている。上述したアルゴリズムにより、試料の信頼性のある分析
を与えるために、不安定な試料データから選択する能力が得られる。このアルゴ
リズムを使用する際に、信号測定の安定性は結局は、高いまたは低い信号レベル
、すなわち、低いまたは高い透過率、吸光度または反射率よりも重要になる。
各々の変動性しきい値は、信号測定を行うのに用いられる測定器または装置の
仕様または精度、並びに単位時間当たりに測定される信号数の関数であるウイン
ドサイズに従って経験的に設定される。しきい値により、試験試料の分析に関す
る信号測定に用いられる基準が設けられる。しきい値の値は、結果にエラーが示
される前に、適当な数の信号測定値が分析のために提供されるように設定される
。エラーは、信号測定値を既知の制御に関する吸光度に変換して、次いでエラー
を評価することにより、数学的に示されてもよい。例えば、「しきい値1」を、
それによって、信号測定値の少なくとも50%が分析に用いられるように設定して
もよい。「しきい値2」は、それによって、信号測定値の少なくとも80%が分析
に用いられるように設定してもよい。以下の実施例に提供されているような、本
発明のある実施の形態に用いられる分光光度計において、「しきい値1」は、20
0から400変動性単位の範囲、またはウインド内の時間単位の数の25から50倍の範
囲に設定された。「しきい値2」は、400から800変動性単位の範囲、またはウイ
ンド内の時間単位の数の50から100倍の範囲に設定された。「しきい値3」は、8
00から1600変動性単位の範囲、またはウインド内の時間単位の数の100から200倍
の範囲に設定された。分析された試料の変動性が「しきい値3」を越える場合に
は、測定システムがシステム制御装置にエラーを知らせる。好ましい実施の形態
において、「しきい値1」を200変動単位に設定し;「しきい値2」を400変動単
位に設定し;「しきい値3」を800変動単位に設定する。しきい値が減少するに
つれ、選択に関する変動性の基準を満たす信号測定値の数が少なくなる。これは
、より多くの信号測定値がアウトライアーとして特徴付けられることを意味する
。
アルゴリズムにおいて設けられたしきい値はまた、信号測定を行う測定器の仕
様または信頼性にも関連する。精度の高い装置には、より小さい「しきい値3」
を設定することができる。
最初に分析される試料のデータ選択には、最大感度の波長、例えば、血液の場
合、大きい吸光度を示す波長、すなわち、577nmを選択する必要がある。選択
された波長はまた、試料中の不均質物が最大の影響を有する波長である。
本発明のある実施の形態において、波長520-680nmに及ぶ256チャンネル光学
検出器からのデータ組が、試験試料の不均質物に対する最大感度に基づいて、上
述したように、選択された波長またはメートルベースに対して分析される。測定
信号の1つ以上の組が、アルゴリズムにより定義された基準にしたがって選択さ
れる。好ましい実施の形態において、測定信号の1つの組またはウインドが試料
分析のために選択される。信号測定値は、試験試料の時間走査または空間走査の
いずれかを用いることにより選択される。最も好ましくは、流動する試験試料の
時間走査の場合には、複数の一連の信号測定値が分析される。
光学透過率により試験試料を分析する場合、データ組またはウインドは、小さ
い変動性と、不均質物が透過率を減少させる場合の最大透過率または不均質物が
透過率を増加させる場合の最小透過率のいずれかとを有するウインドを試験する
ことにより選択される。選択されたウインドからの他の測定された波長からのデ
ータが、この業界で知られている適切な方程式を使用することにより、試験試料
の分析に用いられる。ヘモグロビン分画または誘導体の場合には、波長は、ヘモ
グロビン分画または誘導体が良好な吸光度を有する520-680nmの範囲にある。
試験試料においてまたは制御目的のために評価される分析物または成分にしたが
って、別の波長からの分析を行ってもよい。
図2B−21Bを参照すると、アルゴリズムを使用することにより選択された
ウインドに陰影が付けられている。
本発明の方法の主な利点は、分析測定器、特に、分光光度計の測定サブシステ
ムを以前のシステムよりも、不均質物、すなわち、試料中の気泡またはアーチフ
アクトによりあまり影響を受けないようにできることにある。この理由は、好ま
しい実施の形態において、全試料が複数回測定され、試験試料の分析が、信頼性
のある解答を得るのに最も適した試料測定値の部分のみから計算されるからであ
る。これは、試料中にいくつかの気泡がある場合、気泡を有する試料の部分が避
けられ、試料の最良部分のみを用いて結果を計算することを意味する。以前のシ
ステムにおいては、測定中に不均質物が存在すると典型的に、試験試料の測定が
台無しになってしまう。さらに悪いことには、ある種の不均質物、すなわち、微
小気泡に関しては、エラーが微妙であり、検出できないもっともらしいが不正確
な結果が得られることがある。本発明により定義されるアルゴリズムはまた、測
定のための試料の最小希釈部分を選択することにより、システム内の希釈を埋め
合わせる。
信号測定およびアルゴリズム流れ図の使用の説明は、ここに記載された機能お
よび操作を実施するのに用いられる汎用プログラマブルコンピュータにおけるプ
ログラムを機能的に示すことを含むものとして解釈すべきである。システムを操
作するプログラマブルコンピュータおよび測定器は様々な形態または形状をとっ
ていても差し支えなく、本発明の教示を示すそのようなシステムのプログラミン
グも多くの形態をとっても差し支えない。測定器またはプログラミングにおける
そのような変種は、本発明の使用を制限するものではない。以下の実施例におい
て、チバコーニングダイアグノスティクス社により販売されているコオキシメー
タに使用するプログラムが図22に示されている。
本発明の好ましい実施の形態において、アルゴリズムが、tHb(総ヘモグロ
ビン)、O2Hb(オキシヘモグロビン)、HHb(デオキシヘモグロビン)、
MetHb(メトヘモグロビン)、およびCOHb(カルボキシヘモグロビン)
を含むヘモグロビン分画または誘導体の濃度を分光光学的に測定する装置と共に
用いられる。
分光光度計の検出器により発せられる信号は、ソフトウェアプログラムの形態
で書かれ、マイクロプロセッサのような適切なコンピュータにより実行される本
発明のアルゴリズムを用いて分析される。
好ましい実施の形態において、I00ADCから60KADCのカウントの測定範
囲を有する16ビットのAD変換器が用いられる。ここに記載されているような信
号変動性は、ADCカウントの関数である。試料のウインドサイズもまた、小さ
いウインドサイズでは変動性の真の測定を行うことができないので、重要な変数
である。小さいウインドサイズは試験試料中の不均質物を避けるのにより適して
いるかもしれないが、試料の変動性の真の測定を行えないというリスクがある。
別の実施の形態において、信号の選択を用いて、群内に小さい変動性のみを含
む信号測定値の群または組を求めており、選択された群を用いて試料分析を行っ
ている。最も好ましくは、これらの群または組を選択した後、最低の透過率(ま
たは、不均質物および試料に依存して、最高の透過率)を有する群もまた選択し
てもよい。
試験試料への不均質の影響を分析する際に、不均質が透過率を減少させる場合
には、最大の透過率を用いてウインドを選択し、あるいは、不均質が透過率を増
加させる場合には、最小の透過率を有するウインドを選択する。例えば、気泡は
、一般的に、不透明な流体中の透過率を増加させるが、透明な流体中の透過率は
減少させる。微粒物質は典型的に、透過率を減少させる。
本発明の教示の具体的な用途を、以下の実施例に説明されているように、血液
中のヘモグロビン分画の濃度の測定に関して、最良に記載することができる。実
施例は本発明を説明することを意図したものであり、制限を意図したものではな
く、当業者に導かれるように、本発明の原理を別の分析用途に適用してもよい。
6. 実施例1−10
健康に関する志願供血者からの血液試料を9の試験試料1595-1602に分けた。
ヘモグロビン誘導体または分画を測定するために、各々の試料をプロトタイプの
コオキシメータ(800シリーズ、チバコーニングダイアグノスティクス社)中に
導入した。試験試料を、1回の測定のために(透過率)流体流動セルに進入させ
る前に、溶血させる。光学的に透明な流体からなるブランク試料1594および1603
もまた分析した。リードブランク試料1594により得られた信号測定値を試験試料
透過率の測定に用いる。
各々の試験試料およびブランクの測定信号は、合計で100の測定または100の瞬
間に関して、10秒間に亘り0.1秒ごとに一連の時間で得た。測定値を、8点また
は8の瞬間のウインドまたはセグメントに分けた。ウインドサイズの基準は、試
験試料中の不均質物を避ける信号の収集、並びに検出器を過ぎた試料または測定
可能な試料の部分または光学流動セルの通過の流速に基づいている。試験試料15
95-1602並びにブランク1594および1603の信号測定値が、試験試料に関する時間
単位当たりのADCカウントを示す、図3−11および図23−24にそれぞれ
示さ
れている。試料またはブランクに関してアルゴリズムにより選択されたウインド
が、各々の図面の陰影のついた区域に示されている。ウインド内に提供されたデ
ータの平均値を用いて、ヘモグロビン誘導体または分画の濃度を計算する。
図2Bの矢印(選択されたウインドの直前と直後)は、信号測定変動により反
映される試験試料中に存在する不均質物を示している。図6Bの矢印(選択され
たウインドの後)は、試験試料中に存在する希釈または微小気泡の影響を示して
いる。図8Bは、比較的不均質物のない、非常に良好な試料の実行を示している
。
表Iは、試験試料1595-1602に関する得られたヘモグロビン誘導体または分画
の濃度、各々の試験試料の変動およびデータの組の静止分析を示している。図3
−10の各々の分析は、各々の試験試料の信号測定値は変化しているが、アルゴ
リズムにより適切なウインドを選択することにより、許容できる試験結果が得ら
れることを示している。
7. 実施例11−20
健康に関する志願供血者からの血液試料を9の試験試料2049-2057に分けた。
ヘモグロビン誘導体または分画を測定するために、各々の試料をプロトタイプの
コオキシメータ(800シリーズ、チバコーニングダイアグノスティクス社)中に
導入した。試験試料を、1回の測定のために(透過率)流体流動セルに進入させ
る前に、溶血させる。光学的に透明な流体からなるリードブランク試料2048もま
た分
析した。リードブランク試料2048により得られた信号測定値を試験試料透過率の
測定に用いる。
各々の試験試料およびブランクの測定信号は、合計で100の測定または100の瞬
間に関して、10秒間に亘り0.1秒ごとに一連の時間で得た。測定値を、8点また
は8の瞬間のウインドまたはセグメントに分けた。ウインドサイズの基準は、試
験試料中の不均質物を避ける信号の収集、並びに検出器を過ぎた試料または測定
可能な試料の部分または光学流動セルの通過の流速に基づいている。各々の試験
試料およびブランクの信号測定値が、試験試料の吸収スペクトルを示す、図12
−23および図25にそれぞれ示されている。試料またはブランクに関してアル
ゴリズムにより選択されたウインドが、各々の図面の陰影のついた区域に示され
ている。ウインド内に提供されたデータの平均値を用いて、ヘモグロビン誘導体
または分画の濃度を計算した。
図12Bの矢印(選択されたウインドの直前と直後)は、信号測定変動により
反映される試験試料中に存在する不均質物を示している。図14Bの矢印(選択
されたウインドの後)は、試験試料中に存在する希釈または微小気泡の影響を示
している。
表IIは、試験試料2049-2057に関する得られたヘモグロビン誘導体または分画
の濃度、各々の試験試料の変動およびデータの組の静止分析を示している。図1
2−22の各々の分析は、各々の試験試料の信号測定値は変化しているが、アル
ゴリズムにより適切なウインドを選択することにより、実施例2056を除いて、許
容できる試験結果が得られることを示している。
試験試料2056に関しては、信号変動872は、試験試料2049-2055および2057の信
号変動と比較して大きかった。この変動により、試料が、アルゴリズムに関して
設定されたしきい値に従って拒絶される。
請求の範囲から逸脱せずに、この教示に対する様々な変更が行われることが理
解されよう。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ガリーアンテス,マイケル エフ
アメリカ合衆国 ニュージャージー州
07920 バスキング リッジ アーヴィン
グ プレイス 116