JPH11506334A - 遺伝子治療のためのアデノウィルスベクター - Google Patents

遺伝子治療のためのアデノウィルスベクター

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Abstract

(57)【要約】 本発明は選定の外来タンパク質の挿入のための有用なリコンビナーゼ標的部位を含むアデノウィルスクローニング用ベクターを作製するための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 遺伝子治療のためのアデノウィルスベクター 発明の分野 本発明は哺乳動物細胞への遺伝子導入のための高められた有用性を有するアデ ノウィルスベクターに関する。記載のベクター系は外来DNAの挿入のための高め られた能力及び向上した安定性を有する。 発明の背景 1994年5月31日提出の特許出願第08/250,885及びその原出願第08/080,727号は 生存組換ワクチンとして及び遺伝子治療のための導入用ベクターとして優れた容 量を有するアデノウィルス(Ad)由来細胞発現ベクター属を開示及び請求する。 ヒトAdゲノムにおいて、早期領域1(E1),E3、及びE4の上流部位がアデ ノウィルス組換体を作製するための外来DNA配列の導入部位として利用されてい る。E1又はE3の欠失を補完しなければ活性ウィルス子孫を作り上げるのに最 大約2kbをAdゲノムの中に挿入できる。E1領域は293細胞の補完におけるウィ ルス複製にとって必要でなく、そして5.0〜5.2kbの容量を有する条件ヘルパー依 存性ベクターを作製するために3.2kbまでがこの領域において欠失させることが できる。培養細胞におけるウィルス複製のために不要なE3領域において、様々 なサイズの欠失が4.5〜4.7kbに至るまでの容量を存する非条件ヘルパー非依存性 ベクターを作製するために利用されている。 原出願に記載の如き現状有用なヘルパー非依存性Adベクターにおける外来DNA のインサートについての最大容量は約8kbである。こ の制約された容量は、E1及びE3配列の欠失を有するAdベクターの利用と、ウ ィルスベクターがヘルパーウィルスについてのニーズを必要とすることなく増幅 し得るようにするためにウィルスゲノムのその他のほとんどの領域が保持されね ばならないという事実として由来する。 インサートDNAについてのこの制約された容量の他に、従来のベクターはウィ ルスゲノムのほとんどを保持しており、形質導入細胞又はヒトを含む接種動物に おける発現は毒性又はその他の好ましくない作用を供しうる。更に、従来のウィ ルスベクターはベクターの増殖のために利用される細胞の中に存在するAd配列又 は接種動物の中に存在しうるAd配列と組換できうる。従って、本発明の目的は、 全て又はほとんどのウィルス遺伝子を除去してよく、且つ現状有用なベクターと 比べて安定性が高まり、しかも大きい挿入体のための容量を有するであろうAdク ローニング用ベクターを提供することにある。 発明の概要 本発明の目標は、高容量Ad5クローニング用ベクターを開発できるようにしう る簡単、且つ有用なシステムの提供にある。同時に提出された出願第08/486,549 号(名称「Adenovirus for Control of Gene Expression」)に示されている通 り、Ad感染細胞におけるCreリコンビナーゼの具備はCre媒介式部位特異的組換の ための標的部位(lox P)を含むウィルスDNA配列の切除又は転移を触媒しうる 。本発明において、Creの作用によりウィルスゲノムからウィルスDNAパッケージ ングシグナルを切除できうるAd5ゲノムを構築するのにこの知識が利用される。 前記パッケージングシグナルの前記切除はビリオン粒子へとパッケージできない ウィルスDNAを供する 。かかるウィルスDNAは、ビリオンへとはパッケージングできないが、第二ウィ ルス「ベクター」であってウィルスゲノムの実体部分を欠くものの複製のための 相補性機能を供するウィルス機能はコードし得るものであり、従って同時感染細 胞においては、ヘルパー及びベクターDNAの双方が複製し得るが、ベクターDNAの みがビリオンへとパッケージし得る。 本発明の一の態様は、Creとして知られる部位特異的リコンビナーゼにより認 識且つそれにより作用され得る配列を含む環状改質ヒト5型アデノウィルス(Ad 5)ゲノムを含んで成る細菌プラスミドを提供する。この細菌プラスミドは、Cre により認識されうる配列を含む改質配列を担持する感染性Ad5を作製することが できる。この細菌プラスミド及びこのプラスミドから作製したウィルスにおける 改質配列の構造は、Creにより触媒される組換が、感染性ビリオン粒子に至るAd5 DNAのパッケージングのために必要とされるAd5ゲノムの左端付近にあるパッケー ジングシグナルとして知られる配列の切除を供するであろう。任意的に、プラス ミド及び得られるウィルスの所定の領域、例えば感染性ウィルスの形態において 前記ウィルスゲノムが複製できるような細胞の中でこのウィルスゲノムが複製す ることを妨げることなくウィルスゲノムから削除され得るE1又はE3由来の配 列を欠失させてよい。 本発明の第二の態様は、Ad5ゲノムの左末端反復配列及びそのパッケージング シグナル配列並びにAd5ゲノムの左末端反復配列を含むAd5ゲノムの左端から約34 0塩基対を含んで成る細菌プラスミドを提供する。左末端反復配列の左端は右末 端反復と「ヘラド・トゥ・テール」形態で連結されている。このゲノムの左端付 近のほぼ340番目のヌクレオチドとこのゲノムの右端付近のほぼ35,800番目のヌ クレオチドとの間には外来DNA配列の挿入に適する置換化制限酵 素部位がある。 本発明の第三の態様はCreリコンビナーゼ酵素を供するヒト細胞系の如き哺乳 動物細胞系を提供する。他方、Creは適当な細胞においてCreタンパク質を発現す るAd5誘導ベクターより供されうる。 本発明のその他の態様には、長さが20〜35kbの外来DNAの大型挿入により置換 されたウィルスDNA配列の有意な欠失を含む「ベクター」として知られるAdゲノ ム構築体が含まれる。かかるゲノムは、以降「ヘルパー」ウィルスと呼ぶ、第二 ウィルスにより供されるウィルス産物がないとウィルスとして複製できない。 本発明の一の特定の態様はヘルパーウィルスであって、第二ウィルス、即ちウ ィルスゲノムの実体部分が欠失し且つ外来DNAで置換されたベクターの複製を支 持するために採用したときに、この「ヘルパー」ウィルスのDNAが感染性ビリオ ンへとパッケージングできないようにデザイン、増幅及び使用されうるヘルパー ウィルスを提供する。 図面の簡単な説明 図1はパッケージングシグナルにlox P部位が隣接しているウィルスベクター からのDNAのCre媒介式切除の模式図である。 図2はヘルパーウィルスDNAのパッケージングを妨げるパッケージングシグナ ルのCre媒介式切除を利用してヘルパー依存性ウィルスベクターを作製する方法 の模式図である。 図3はlox P配列がパッケージングシグナルに隣接する位置において導入され たpBHG10由来のプラスミドの模式図である。 図4は、左方及び右方ITR並びにパッケージングシグナルを除きウィルスDNAの ほとんどが欠失したpBHG10由来のプラスミドの模式図である。 図5は293Cre細胞の同時トランスフェクションにより同時複製式ヘルパー及び ヘルパー依存性ウィルスを獲得するための手段の模式図である。 図6はpLC2及びpLC3プラスミドの構築の模式図である。 図7はCre発現性293及び293N3S細胞系についての形質転換、選別及びスクリー ニングプロトコールの模式概要である。 図8はCre特異的ウサギ抗血清によるCreの発現についてスクリーニングしたG 418耐性クローンのウェスタンブロット分析である。 図9は親細胞系についてのルシフェラーゼ発現アッセイの模式図である。 図10Aは形質転換細胞系についてのルシフェラーゼ発現アッセイの結果を示す 写真である。 図10Bは形質転換細胞系についてのルシフェラーゼ発現アッセイの模式図であ る。 図11AはAdLC8ヘルパーウィルスの構築の模式図である。 図11BはAdLC8由来のパッケージングシグナルの切除の効率を示すエチジウム ブロミド染色結果を示す写真である。 図11CはCre−媒介式組換の反応速度を示すサザンブロット分析結果を示す写 真である。 図12Aは293Cre1細胞のpRP1001トランスフェクション及び18時間後のトラン スフェクション細胞のAdLC3感染の模式図である。 図12BはAdRP1001からAdLC8−感染293Cre1細胞に至る系列継代による力価上 昇を示すグラフである。 図13AはAdLC8clucによるAdRP1001の高力価に至る増幅の模式図である。 図13BはAdRP1001からAdLC8cluc−感染234Cre1細胞に至る系列 継代による力価上昇を示すグラフである。 図14はルシフェラーゼ活性と夾雑ヘルパーウィルスとの関係を示すグラフであ る。 発明の詳細な説明 本明細書において参照する文献は全て引用することで本明細書に組入れる。 本発明の理解のために、本明細書において用いる全ての技術及び科学用語は、 何らかのことわりのない限り、当業者を一般に理解されている意味を有するつも りである。本明細書において採用している技術は、何らかのことわりのない限り 、当業者にも公知である。 特定のバッファー、培地、試薬、細胞、培養条件についての言及は、限定を意 味するのではなく、その論述がなされている特定の背景において当業者により関 心のもたられる又は有用と認識されているものに延縁する物質全てを含むものと 解されるべきである。例えば、一のバッファー系又は培養培地を別のものと置換 することが往々にして可能であり、従って異なりはするものの公知の手段を提唱 の方法、材料又は組成物が担いとする用途と同じ目標を達成するのに利用できる 。 本明細書に用いる語は本発明を制約するつもりはない。例えば、「遺伝子」な る語にはcDNA,RNA又はその他のポリヌクレオチドであって遺伝子産物をコード するものが含まれる。「外来遺伝子」とは、それが発現されるべき生物又は細胞 タイプとは異なる生物又は細胞タイプから得られる遺伝子を意味する、これはま た、ゲノムの中のその正常部位から転移したものと同じ生物に由来する遺伝子を も意味する。「核酸」、「RNA」、「DNA」等の語を利用するうえで、我々は特定 の段階において利用できうる化学構造に限定するつ もりはない。例えば、RNAはDNAに一般的に置換できうることが当業界に公知であ り、従って、「DNA」なる語の利用はこの置換を含むものと解すべきである。更 に、様々な核酸類似体及び誘導体を作ることができ、そしてそれは互いと並びに DNA及びRNAにハイブリダイズし、そしてかかる類似体及び誘導体の利用も本発明 の範囲に属する。 遺伝子又は核酸の「発現」は細胞遺伝子発現のみならず、クローニング系及び 任意のその他のものにおける核酸の転写及び翻訳も包括する。「リコンビナーゼ 」なる層は組換を誘導、媒介又は促進する酵素、並びに核酸配列の転移又は第二 核酸配列からのもしくはそれへの第一核酸配列の切除もしくは挿入を及ぼす、媒 介するもしくは促進する酵素を包括する。リコンビナーゼの標的部位はリコンビ ナーゼにより認識する(例えば、特異的に結合する)及び/又は作用する(切除 、切断、又は組換を誘導する)配列又は領域である。「遺伝子産物」なる語は核 酸によりコードされるタンパク質及びポリペプチドを主として意味するが、更に その他の核酸(例えば非コード及び調節RNA、例えばcRNA,sNRP)によりコード される核酸を含む。「発現の調節」とは、所定の遺伝子産物の合成、分解、入手 性又は活性を高める又は低める現象又は分子を意味する。 本発明は本明細書における細胞タイプ及び細胞系の利用に限定されない。様々 な組織(胸上皮細胞、結腸、リンパ球等)又は様々な種(ヒト、マウス、等)由 来の細胞も本発明において有用である。 本発明においては組換核酸の作製及び発現並びにそのコード遺伝子産物の検出 が重要である。本明細書に開示の検出方法には、例えばクローニング及び配列決 定、オリゴヌクレオチドのライゲーション、ポリメラーゼ連鎖反応及びその変異 法の利用(例えば、クーデアザGTPを利用するPCR)、単一ヌクレオチドプライマ ーがイド式伸 長アッセイ、所定のストリンジェンシー条件下で相補性配列に優先的に結合する ことの示されうる標的依存性オリゴヌクレオチドを利用するハイブリダイゼーシ ョン技術、並びにサンドイッチハイブリダイゼーション法を利用する。 配列決定はラベル化プライマーもしくはターミネーターを利用して、又は配列 決定用ゲルベース法を利用して市販の自動シーケンサーで実施し得る。配列分析 は標的DNA又はRNA分子上のすぐ隣りにアニールするオリゴヌクレオチド配列のラ イゲーションに基づく方法によっても実施される(Wu and Wallace,Genomics4 :560-569(1989);Landren et al.,Science 241:1077-1080(1988);Nicke rson et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.87:8923-8927(1990);Barany,F.,P roc .Natl.Acad.Sci. 88:189-193(1991))。リガーゼ媒介式共有付加はオリ ゴヌクレオチドが適正に塩基対合したときのみ起こる。標的増幅のために熱安定 性Tagリガーゼを利用するリガーゼ連鎖反応(LCR)は後期発症糖尿病突然変異座を 探すのに特に有用である。高い反応温度は高いストリンジェンシーでライゲーシ ョン反応が行われることを可能にする(Barany,F.,PCR Methods and Applicat ions 1:5-16(1991))。 このハイブリダイゼーション方式はフィルターベース方式で実施し得、それに おいては標的核酸をニトロセルロース又はナイロン膜の上に固定し、そしてオリ ゴヌクレオチドプローブでブロービングする。任意の公知のハイブリダイゼーシ ョン方式、例えばサザンブロット、スロットブロット、「逆」ドットブロット、 溶液ハイブリダイゼーション、溶液支持体ベースサンドイッチハイブリダイゼー ション、ビーズベース、シリコンベース及びマイクロタイターベースハイブリダ イゼーション方式が利用されうる。 検出オリゴヌクレオチドプローブは10〜1,000塩基のサイズに範 囲する。検出オリゴヌクレオチドプローブを利用する必要たる標的区別を得るた め、ハイブリダイゼーション反応は一般に20℃〜60℃、そして最も好ましくは30 〜50℃で行う。当業者を公知の通り、完璧と沈対含二置体との最適区別は温度及 び/もしくは塩濃度の操作又はストンジェンシー洗浄液中のホルムアミドの組込 みにより得られる。 本明細書に記載のクローニング及び発現ベクターは当業界公知の様々な方法の いづれかにより細胞又は組織の中に導入する。かかる方法は例えば引用すること で本明細書に組入れるSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harber Laboratory,New York(1992)、及びこれも本明細書に組 入れるAusubelらCurrent Protocols in Molecular Biology John Wiley and So ns,Baltimore,MD(1989)に記載されている。この方法は、例えば組換ウィル スベクターによる安定式又は一時式トランスフェクション、リポフェクション、 エレクトロポレーション及び感染し含む。 組換及び非組換コード配列のタンパク質産物は免疫技術を利用して分析し得る 。例えば、タンパク質又はそのフラグメントをアジュバントと共に宿主動物に注 射し、免疫反応を作製させる。組換フラグメントに結合するイムノグロブリンを 抗血清として回収し、そして任意的にアフィニティークロマトグラフィー又はそ の他の手段により精製する。更に、脾臓細胞は感作マウス宿主から回収し得、そ して抗体分泌ハイブリドーマ細胞のバンクを作るためにミエローマ細胞に融合し 得る。ハイブリドーマのバンクは組換生産したフラグメントに結合するイムノグ ロブリンを分泌するクローンのためにスクリーニングできる。より詳しくは、変 異ポリペプチドに選択的に結合するか、野生型ポリペプチドにはほとんど又は全 く結合しない イムノグロブリンを、野生型タンパク質との事前吸着により、又は変異体には結 合するが野生型ポリペプチドには結合しない特異的なイディオタイプについての ハイブリドーマ細胞系のスクリーニングにより選択する。 所望の変異ポリペプチドを最終的に発現できる核酸配列が多種多様なポリヌク レオチドから(ゲノム又はcDNA,RNA、合成オリゴヌクレオチド、等)並びに多 種多様な技術より形成される。 DNA配列は発現コントロール配列に作用可能式に連結(即ち、その機能を確保 するように配置)された後に宿主の中で発現される。これらの発現ベクターは一 般にエビソーム又は宿主染色体DNAの必須部分のいづれかとして宿主生物におい て一般に複製可能である。一般に、発現ベクターは所望のDNA配列により形質転 換された細胞の検出及び/又は選択を可能にする選択マーカー(例えば、テトラ サイクリン耐性又はヒグロマイシン耐性を基礎とするマーカー)を含む。更なる 詳細は米国特許第4,704,362号において見い出せうる。 変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、コードされるポリペプチ ド産物が産生されるようにコード配列の転写(発現配列)及び翻訳を助長する。 かかるポリヌクレオチドの構築は当業界公知である。例えば、かかるポリヌクレ オチドにはプロモーター、転写終止部位(真核発現宿主におけるポリアデニル化 部位)、リボソーム結合部位、及び任意的に真核発現宿主において利用するため のエンハンサー、及び任意的にベクターの複製のために必要な配列を含む。 E.コリ(E.coli)は本発明のDNA配列をクローニングするのに極めて有用な 一つの原核宿主である。使用に適するその他の微生物宿主には細菌、例えばバチ ルス・スブチルス(Bucillus subtilus) 、及びその他の腸内細菌、例えばサルモネラ(Salmonella)、セラッチア(serrat ia)及び様々なシュードモナス(Psendomonas)種が含まれる。発現ベクターは 宿主細胞に適合性な発現コントロール配列(例えば、複製起点)を一般に含むで あろう原核宿主において作られる。更に、数多くの多種多様な公知のプロモータ ー、例えばラクトースプロモーター系、トリプトファン(Trp)プロモーター系、 ベーターラクタマーゼプロモーター系、又はファージラムダ由来のプロモーター 系が使用される。これらのプロモーターは任意的にオペレター配列により発現を コントロールし、そして例えば転写及び翻訳を開始及び完了させるためのリボソ ーム結合部位配列を有する。 その他の微生物、例えば酵母が発現のために利用される。サッカロマイセス( Saccharomyces)が適当な宿主であり、発現コントロール配列、例えば3−ホス ホグリセリン酸キナーゼ又はその他の解糖系酵素に関与するプロモーター、及び 複製起点、終止配列等を所望により有する。 微生物の他に、哺乳動物組織細胞培養物が本発明のポリペプチドの発現及び産 生のために利用される。真核細胞が好ましく、その理由はインタクトヒトタンパ ク質を分泌できる数多くの適当な宿主細胞系が当業界において開発され、そして CHO細胞系、様々なCOS細胞系、HeLa細胞、ミエローヌ細胞系、ジャーカット細胞 、等が含まれる。このような細胞のための発現ベクターには発現コントロール配 列、例えば複製起点、プロモーター、エンハッカー、及び必須情報プロセシング 部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスブライス部位、ポリアデニル化部位及 び転写ターミネーター配列を含む。好適な発現コントロール配列はイムノグロブ リン遺伝子由来のプロモーター、SV40、アデノウイルス、牛パピロマウィルス等 である。注目のDNAセグメント(例えば変更ポリペプチドをコードするポリペ プチド)を含むベクターを公知の方法により宿主細胞に導入する。それは細胞宿 主のタイプに依存して変わる。例えば、塩化カルシウムトランスフェクションは 一般に原核細胞に利用され、一方リン酸カルシウム処理又はエレクトロポレーシ ョンはその他の細胞宿主のために有用である。 この方法は診断に利用するための検査キットの製造に容易に適用される。かか るキットは密接な区画の中に1又は複数個の容器を受容するように区切られた担 体を含んで成り、ここで第一容器は適当にラベルされたDNAプローブを含む。そ の他の容器はラベル化プローブの位置決定において有用な試薬、例えば酵素基質 を含む。その他の容器は制限酵素、バッファーを、使用のための仕様書と一緒に 含む。 本明細書記載の組換Adベクターは従来記述の構築体とは有意に相違する。これ らはウィルス遺伝子の全て又はほとんどが欠失したベクターと、このベクターウ ィルスと共に同時感染において使用したときにベクターの増殖は補完できるがウ ィルスDNAを感染性ビリオンにパッケージングさせることのできないようにデザ インされたヘルパーウィルスとの利用を組合せる。従って、ベクターウィルスは 実質的にヘルパーウィルス抜きで調製できうる。 ウィルスDNA複製及びウィルスDNAのビリオン粒子に至るパッケージングに関し て、このウィルスDNAのうちcisである必要があるのは3つしか知られていない。 これらは左方反転末端反復(left inverted terminal repeat)又はITR(bp1〜約10 3)、パッケージングシグナル(約194〜358bp)(Hearing and Shenk,1983,Cell 3 3:695-703;Gradable and Hearing 1992,J.Virol.64:2047-2056)及び右方I TRである。ウィルスゲノムのその他の全ての領域は、ウィルス複製及び感染性ウ ィルスの産生を可能にするようin tra nで作用するウィルス産物を産生するのにのみ必要とされるようである。即ち、 全ての必須ウィルスタンパク質及びRNAがヘルパーウィルスにより供されること ができるなら、ウィルスDNA複製及びパッケージングのためにin cisである必要 がある上記の配列を除き、ウィルスDNAのほとんどが欠失されたベクターをデザ イン及び構築できる。ヘルパー依存性ベクターについての問題は、かかるベクタ ーの調製品がヘルパーウィルスにより常に汚染されることであり、そしてかかる ヘルパーをベクターから分解するのは技術的に非常に困難である。本発明の主要 な態様において、ヘルパーウィルスはゲノムの左端付近に2個のlox P部位を存 し、一方はウィルスDNAの最左端から約189bpに挿入され、そして第二は第1lox Pと平行な方向において、パッケージングシグナルの右側に、即ち、bp358の右 側に配置されている(図1に示す)。このウィルスはAd5を通常増殖させる細胞 の中で複製できるであろう。しかしながら、Creリコンビナーゼを発現する細胞 において、又はCreリコンビナーゼを発現する第二ウィルスの存在下で、ヘルパ ーウィルスDNAのlox P部位間での配列の切除はパッケージングシグナルを排除 し、そして得られるウィルスDNAは感染性ウィルス粒子へとパッケージングしな いであろう。従って、前記ヘルパーと、第二ウィルス、即ちベクターであってウ ィルス複製のためにin transである必要があるウィルス産物の発現のために通常 必要とされるウィルスDNA配列の全て又はほとんどが欠失しているものとしてよ り同時感染された細胞において、ベクター及びヘルパーウィルスゲノムは共に複 製するであろうが、ベクターDNAのみがビリオンにパッケージングされるであろ うパッケージングシグナルを保持する(図2)。 本発明の一の態様において、ヘルパーウィルスは原出願に記載され、且つ図3 及び4に示すものと類似のプラスミドに由来する。こ れらの実施例において、Ad5ゲノムは環状分子であって細菌プラスミド由来DNA複 製起点(「ori」と表示)及び前記分子を担持する細菌にアンピシリンを耐性を 授ける細菌抗生物質耐性コード配列(「Apr」)を含む分子として存在する。Ad5 ゲノムの前記環状形態をpBG17と表示した本実施例において、領域E1及びE3 由来のウィルス配列はウィルスゲノムから欠失しているが、本実施例は限定を意 味するつもりはなく、なぜなら原出願に記載の方法によりその他の欠失又は欠失 抜きを環状分子の中において同等に操作し得るからである。pBG17と表示する分 子はbp19(左ゲノム端)からbp341に至るAd5配列を含み、「ITR」とパッケージ ングシグナル「Ψ」との間にあり、且つウィルス複製を妨げるものとは知られて いないAd5配列におけるほぼ188と189bpとの間に人工操作BamH1制限部位が挿入さ れている(Bett,A.J.,W.Haddara,L,Prevec及びF.L.Graham,1994,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 91 :8802-8806)。pBG17の中に存在するAd5配列はパッ ケージングシグナルの右方向に伸び、約341bpに至り、その位置にはXba1制限部 位があり、それにほぼ3534bpからほぼ27864bpに至るAd5配列、次いでpUC19複製 起点及びアンピシリン耐性遺伝子を含む1874bpのDNAを含んで成る配列、そして 最後にAd5bp30996〜35934(右ゲノム端)が続く。当業者により容易に採用され る技術により、約34bpのよく特定されたDNA配列であるlox P部位をAd5ゲノムの 中にBamHI及びXbaI部位隣接「Ψ」にて導入できる。例えば、合成二本鎖オリゴ ヌクレオチドは、それらがCreにより認識されるlox P配列を含み、そしてBamHI 又はXbaI切断DNAへのライゲーションを可能にする一本鎖伸長体に隣接するよう に容易にデザイン及び合成されうる。即ち、当業者はnt 188にあるBamHI部位の 中にlox P部位の導入されたpBG17lox 1と表示のプラスミド(図4)、次いでpB G17lox 1の XbaI部位に更なるlox P部位の導入されたpBG17lox2(図3)を容易に獲得でき る。プラスミドpGB17は293細胞のトランスフェクションにより感染性ウィルスを 作製するのに利用できうる。同等に、プラスミドpBG17lox1又はpBG17lox2は感 染性ウィルス(例えば図3に示すAdBG17lox2)を供し、なぜなら271bpまでの挿 入体がウィルス複製及びウィルスDNAパッケージングを妨害することなくITRとパ ッケージングシグナルとの間で操作し得るからである(Hearingら、Journal of V irology Vol 61,p2555,1987)。Cre酵素の存在下で、パッケージングシグナル を含む配列は2個のlox P部位(図3下)の間の分子内組換の結果として切除さ れ、複製のために必要な全ての配列を保持するが、ビリオンに至るDNAのパッケ ージングのために必要な配列を欠くウィルスゲノムが供されるであろう。このゲ ノムは第二ウィルス、即ち図2に示すウィルス複製のために必要なウィルスゲノ ムの全て又はほとんどを欠くベクターの複製を支持する相補性ウィルスゲノムを 担いうる。これらの実施例は限定を意味するものではなく、なぜなら図3のそれ とDNA構造において類似の改質ウィルスがその他の手段により作製されうること が明らかであろうからである。例えば、当業者はlox P部位を図3に示すプラス ミドの中のその他の部位、例えばBst B1もしくはPac I部位に、又は所望するな らその他の位置、又はその他のAd配列含有プラスミド、又は所望されうるその他 のウィルスゲノムの中に導入できうる。本実施例及びその他の実施例におけるCr eリコンビナーゼの利用は限定を意味するのではなく、なぜなら当業者はその他 の酵素であってそれにより認識されるDNA配列間での部位特異的組換を触媒でき るものがCreリコンビナーゼの代わりに同等に採用できうることを容易に理解す るであろうからである。例えば、限定することなく、Creの代わりとなりうるか かる酵素は、その標的部位と組 合せた酵母の「FLP」リコンビナーゼである(O’Gormanら、Science251,1351,1 991)。 本発明の別の態様は、本発明のウィルス成分の複製を支持し、Creリコンビナ ーゼを発現し、そしてCreにより媒介される切除を介してパッケージングシグナ ルの除去されることのできるヘルパーウィルスを作製するための従来の実施例に 記載のプラスミドによりトランスフェクションされうる点で適当と認められうる 293細胞又はその他の細胞の如きヒト細胞を提供する。当業者は、必須の細胞系 がプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含み、且つ更に例えばG418又は ヒスチジノールに対する耐性の如きをコードする選択遺伝子を含む適当な調節配 列のコントロール下でCreをコードする配列を含んで成るプラスミドによる293細 胞又はその他の細胞をトランスフェクションすることにより作製できうることを 理解するであろう。当業者は、識別のために用いる薬剤耐性遺伝子に加えてCre リコンビナーゼを発現するであろう薬剤耐性細胞を容易に得ることができうる。 本発明の別の態様において、左方ITR、パッケージングシグナル及び右方ITRを 含んで成る配列より成り、そして任意的に追加のウィルス配列を含むプラスミド が容易に得られうる。例えば、限定するつもりはないが、図4に例示されている 。本実施例において、pBG17lox1DNAをXbaI及びSmaI制限酵素で消化し、それ は図示する部位においてウィルスDNAを切断し、更にウィルスDNAのその他の部位 を切断する。ウィルス末端の連結部(図4においてはち合わせ矢印で表示)並び にlox P部位及びパッケージングシグナルを含むフラグメントを精製でき、そし てpUC18又はpUC19の如き適当なクローニングプラスミドのポリクローニング部位 に挿入してpPAD1と表示するプラスミドを作製できる。例示の実施例において、 pPAD 1はpUCとAd5DNAとの連結部に存在する残りの制限酵素クローニング部位の一つ においてサイズ約30kbまでの外来DNAの挿入のためのベクターを担うことができ 、pADHDV1の如きプラスミドであってpADHDV1の開環セグメントが任意の起源及 び配列組成の外来DNAであるプラスミドが作製される。プラスミドpADHDV1はウ ィルスDNA複製のため及びビリオンに至るウィルスDNAのパッケージングのために in cisである必要があるAd5配列の全てを含む。in transである必要があるウィ ルス機能がヘルパーウィルスにより供され、従ってpADHDV1は、ウィルスゲノム の左端及び右端由来のウィルスDNA配列が隣接している30kbまでの外来DNAを含む であろうヘルパー依存性ウィルスDNA分子として複製する能力を有するであろう 。pADHDV1の中に挿入された外来DNAの一部として、その他の配列の他に容易に 検出可能なリポーター遺伝子の発現を供することのできるDNA配列を含ませるこ とが好都合であり得、このリポーター遺伝子はpADHDV1に由来するウィルスADHD V1により感染された細胞又は細胞群を同定する簡単な手段を供する。限定を意 味しない実施例として、当業者はpADHDV1の中に、細菌性β−ガラクトシダーゼ であって、その発現が細胞のX−galに対する曝露により容易に検出可能な酵素 をコードする配列を含ませてよい。更に、図4に示すように、pPAD1及びpADHDV 1はAd5nt189において単一のlox P部位を含み、それはpGB17 lox 1&2におけ るlox P挿入体のいづれかと同じ部位である。本例は限定を意味しないが、pPAD 1,pADHDV1及び誘導体におけるこの位置でのlox P部位の配置は、図2及び5 に示すように2つのウィルスの同時複製中のヘルパーウィルスとベクターとの組 換の効率を引き下げるのを担いうる。 本発明の別の態様において、pBG17 lox 2の如きプラスミド由来の配列を含ん で成るヘルパーウィルス及びpADHDV1の如きプラスミ ド由来の配列を含んで成るヘルパー依存性ウィルスは複製ウィルスゲノムを作製 するように前記プラスミドによる細胞の同時トランスフェクションにより達成し 得る。限定を意味するつもりのない図5に示す本例において、Creリコンビナー ゼの存在下で、AdBG17 lox2又はlox P部位で囲まれた配列の切除によりAdBG17 Ψ−へと変換されうる。ウィルスAdBG17Ψ−は、パッケージングシグナルの除去 により、そのゲノムをビリオンへとパッケージングすることはできないが、その DNAを複製することができ、そしてウィルス複製のためにin transである必要が あるウィルス機能を供し、それ故ヘルパー依存性ウィルスAdHDV1の複製のため の相補性機能を供することができるであろう。AdHDV1はパッケージングシグナ ルを保持するため、このヘルパー依存性ウィルスのDNAはビリオンへとパッケー ジングされるであろう。このヘルパー依存性ウィルスAdHDV1は回収し得、そし て任意的にCsCl勾配におけるイソピクニック遠心により精製及び濃縮し得、夾雑 ヘルパーウィルスを実質的に含まない又は全体的に含まないヘルパー依存性ウィ ルス調製品が製造される。 本発明の別の態様において、293細胞又はその他のヒト細胞であってCreを発現 しないものは図3及び5においてpBG17 lox 2と表示されているものの如きプラ スミドでトランスフェクションしてAdBG17 lox2と表示されているようなウィル スを製造できる。前記ウィルスはlox Pにより囲まれた配列の切除を受けること なく前記細胞の中で複製し得、それ故容易に増殖し得る。293Cre又は同等の細胞 のAdBG17 lox2及びAdHDV1による同時感染はAdHDV1の増殖を補完するであろう AdBG17Ψ−の形成をもたらし、双方のウィルスゲノムの同時複製はもたらすが、 ウィルス粒子へのAdHDV1 DNAのみのパッケージングが供される。 実施例1.リコンビナーゼCreを発現する細胞系の製造及び特性決起 プラスミドpLC2を、pCA14のXbaI/SalI部位の中にpSP13Creの1.6kbのXbaSa I/SalIフラグメントをクローニングし、Cre遺伝子をHCMVプロモーターのコン トロール下に置き、そしてSV40ポリアデニル化シグナル(pA)を遺伝子の3′末端 に加えることにより作った。pSP13CreのXbaI/SalIセグメントはSV40 pAを含む ため、このクローニング工程はCreの3′側に2個のポリアデニルシグナルを供 した。次いでpLC2の2.2kbのBalIIフラグメントをpPBdx4のBamHI部位の中にクロ ーニングした。得られるプラスミドpLC3はSV40プロモーターのコントロール下 でCre発現カセットとネオマイシン耐性遺伝子とを含む。図6はpLC2及びpLC3 プラスミドの構築を示す。プラスミドpLC2及びpLC3の構造は制限分析を介して 確認した。 293及び293N3S細胞をml当り100Uのペニシリン、ml当り100μgのストレプト マイシン、2.5μg/mlのフンギゾン及び10%の胎児牛血清を感染用の5%の馬 血清の維持のために添加してあるF11培地の中に維持した。細胞をリン酸カルシ ウム技術を利用してpLC2で形質転換した(McKinnon,R.D.,and F.R.Graham ,Microinjection and Organelle Transplantation Techniques 199-214(1986)) 。次いで細胞を形質転換の3日後に開始する完全F11中の400μg/mlのG418に よる選別にかけた。形質転換の4週間後、G418耐性コロニーをクローニングし 、そして増殖させた。図7はCre発現性細胞系の形質転換、選別及びスクリーニ ングプロトコールをまとめる。細胞培養培地、及びフンギゾンを除く試薬はGibc o BRL(Burlington,Ontario,Canada)より購入した。フンギゾンはBristol-Myer s Squibb Canada(Montreal,Qyebec,Canada)より購入した 。 クローンをまずCre特異的ウサギ抗血清によるウェスタンブロット分析によりC reの発現についてスクリーニングした。単離された77個のG418耐性クローンの うち、7個の293クローン及び17個の293N3Sクローンが系間で異なるレベルにお いて適正サイズ(38KD)のCreタンパク質を発現した。10の代表的な系を図8に示 す。系293Cre1〜6(レーン2〜7)並びに293N3S Cre7及び8(レーン9〜10 )は高レベルのCreタンパク質を発現し(AdCre1感染細胞中のレベルと比較;Ad Cre1はE1欠失ベクター中のHCMVプロモーターのコントロール下のCre遺伝子を 含む)、一方Creは親239及び293N3S細胞系においても(レーン1及び8)、又は 293N3S Cre9及び10(レーン11〜12)においても検出されなかった。少量のCre が後者の2つの細胞系において、それらのクローンを最初に単離したときには検 出されたが、その後のアッセイでは発現は検出されなかった。 ウェスタンブロットによるCre発現に関して陽性と評価された細胞系を次にCre 感受性分子スイッチのコントロール下のリポーター遺伝子発現Adベクターを利用 して機能性リコンビナーゼ活性についてアッセイした(Anton,M.and F.L.Gra ham,J .Virol,69:4600-4606(1995))。293Cre及び293N3S Cre細胞系をAdd 170 -3又はAdCre1との組合せでこのベクターにより、各ベクターについて細胞当り1 0PFUのMOIで感染せしめ、内生発現CreリコンビナーゼとAdCre1により産生され るものとの活性レベルを比較した。 ウェスタンブロット分析によりCre発現について陽性と検査されたクローンを 次にCre誘導性ウィルスAdMA19,AdMA23及びAdMA35を利用してCreリコンビナーゼ 活性についてスクリーニングした。293Cre及び293N3S Cre細胞系をAdd 170-3又 はAdCre1と組合せたこ のベクターにより、各ベクターについて細胞当り10PFUのMOIにおいて感染せしめ 、内生発現CreリコンビナーゼとAdCre1により産生されるものとの活性レベルを 比較した。AdMA23を利用する一次スクリーニングは、Creリコンビナーゼの任意 の外生起源の非存在下での特異的Cre-lox組換の媒介及びAdMA23由来のβ−ガラ クトシダーゼ活性の発現をAdMA23及びAdCre1による複合感染を経て得られるレ ベルの50%以上において可能である6個の293Cre細胞系及び4個の239N3S Cre系 を同定した。 ルシフェラーゼ、対、β−ガラクトシダーゼアッセイの一層の高感度且つ広域 性を理由に、「スペーサー」DNA配列のCre媒介式切除を経てルシフェラーゼを発 現するベクターAdMA19を利用してこれらの系の一層詳細な特性決定を実施した。 親293及び293N3S細胞系はCre発現の非存在下でのAdMA19由来のルシフェラーゼ発 現レベルの陰性コントロールを担い、そして陽性コントロールとしてはAdMA19及 びAdCre1による同時感染を利用し、なぜならかかる複合感染がHCMVプロモータ ーとルシフェラーゼcDNAとの間でのスペーサーの効率的な切除を供し、且つ高レ ベルのルシフェラーゼ発現を誘導することが事前に実証されているからである。 β−ガラクトシダーゼアッセイにおけるように、形質転換系におけるCreの内 生発現のための機能性アッセイにおいてAdd 170-3をAdCre1に置換して、感染性 Ad5の総量を定常レベルに保持した。事前スクリーニングにおいて陽性と評価さ れた親細胞及び10の形質転換系に関する典型的な分析の結果を図9に示す。AdMA 19及びAdd170-3による感染後、形質転換系のほとんどがAdMA19及びAdCre1によ り二重感染した親239又は293M3S細胞において認められるものと同等レベルの効 率性でルシフェラーゼを発現し、一方偽似感染系、又はAdMA19及びAdd 170-3で 二重感染した親細胞系はバックグラ ンドレベル以上にルシフェラーゼを発現しなかった。更に、AdMA19及びAdCre1 による系293Cre1−6及び293N3S Cre7−8の感染は、AdMA19及びAdd 170-3に よる感染により誘導したものを超えてルシフェラーゼの量を有意に高めず、系10 8における内生発現CreのレベルがAdCre1感染293細胞において産生されたレベル と類似するということを示すウェスタンブロット分析の結果と一致する。他方、 293N3S Cre9及び10は最初はAdMA19及びAdd 170-3による感染を経て低レベルで のみルシフェラーゼを発現し、そしてAdd 170-3をAdCre1に置き換えると有意に 高いレベル(それぞれ5倍及び12倍高い)を発現した。 現状、これらの系はもはやAdCre1感染抜きではCre応答性ベクターを誘導する ことができない。これは、このような系におけるCre発現の欠如を示唆する本ウ ェスタンブロット分析(図8、レーン11〜12)と一致する。系293N3S Cre9及び 293N3S Cre 10は当初は機能性発現カセットを含み、それは細胞の継続継代によ り失われた。 実施例2.Cre細胞系の安定性 G418を含む又は含まない培地の中での多重継代を経たCre細胞系の安定性を決 定した。293Cre1,293Cre3及び293Cre4、並びに293 N3SCre8由来のDNAを G418選択の有無で9回以上の継代を経て単離した。消化のため、pLC3内を切断 しないEcoR1を、Cre遺伝子のコピー数の変化が容易に検出できるように選定し た。ジゴキシゲニン−dUTPラベル化プローブをpSP13Creの1.6kbのXbaI/SalIフ ラグメントを用いて作製し、そしてEcoR1限処理染色体DNAにハイブリダイゼー ションした。プローブは293Cre1の約9.5kbのフラグメント及び293N3S Cre8の1 5kbのフラグメントにハイブリダイズし、Cre配列がこのような系のゲノムDNAの 中に存在して いることを示唆して(図10A)。このプローブは293Cre1における約18kbにおい て非常に薄いバンドも検出せしめ、それはCre遺伝子のサブフラグメントの挿入 又は不完全に消化したDNAのいづれかを示しうる。pLC内のCreの外側の部位を一 箇所、そして隣接調節配列を切断するHindIII制限DNAのサザンブロット分析は、 Cre配列が293Cre1中で単一コピーにて存在し、且つ293NS Cre8において約3コ ピー存在することを示唆した。293Cre1の9.5kbのEcoRIフラグメント及び293N3S Cre8の15kbのフラグメントの双方共9回の継代に関してG418抜きで細胞の中 でそのまま維持され、293Cre1についてのDNAは18回の継代後もCre配列を保持し ていた。Creプローブは293Cre3において23kb及び5kb上にて強いバンドを、そ してG318選別下で維持した293Cre4細胞のDNA由来の12.5,9.8及び6.6kbの強い バンドを検出せしめ、Cre配列がこれらの系の中に2及び3コピーでそれぞれ存 在していることを示す(図10A)。これらの結果はHindIII制限DNAに対するプロ ーブのハイブリダイゼーションを確認した。293Cre3細胞において20,18及び15 kbにて検出された薄いバンドは部分的に制限処理されたDNAを示しうる。細胞を G418抜きで9回継代すると、293Cre3の6kbのフラグメント及び293Cre4の6.6 kbのフラグメントはもはや検出されず、このような細胞系中の対応のCreインサ ートが失われていることを示唆する。293Cre3及び294Cre4内の残留Cre特異的 フラグメントは安定であることが認められた。系293Cre1,3及び4、並びに29 3N3S Cre8のプレート効率のアッセイは全て、細胞が選択的又は非選択的培地の 中で維持されたか否かに関係なく、G418耐性が全ての系に関して安定な表現型 であることを示唆した。 G418選別の有無で増殖させたいくつかの293Cre系も機能性Cre活性について試 験した。細胞を新規ガラクトシダーゼ発現ベクター AdMA35により、Add 170-3又はAdCre1と組合せて、前述の通り各ウィルスに関し て細胞当り10pfuのMDIにおいて感染させた。細胞を感染後24時間にて回収し、そ してβ−ガラクトシダーゼレベルを決定した。図10Bに示す結果は、AdMA35から のβ−ガラクトシダーゼの発現を誘導する能力は一般にG418選別抜きで10回以 上の継代を経てもそのままですることを示唆する。系293Cre1及び293N3S Cre8 におけるCreの機能活性はサザンブロット分析におけるCreの安定存在と一致した 。Cre配列はこれらの系の中に安定的に組込まれた。サザンブロットにより検出 される系293Cre3における2種のCre特異的インサートの一方の損失は(図10A )、Cre誘導性リポーター遺伝子によるアッセイによる決定に従い(図10B)こ のような細胞のCre機能の若干の低下と一致し得、一方293Cre4における一のCre 特異的バンドの損失は機能性Creのレベルに対して何らの作用がないと考えられ る。この細胞系の中に導入された全てのlox P部位に結合するのに十分なCreが 安定インサートから発現されることが可能である。他方、不安定なインサートは 任意の機能性リコンビナーゼ発現しないことがあり、そして293Cre4細胞中のCr e発現レベルはそのままでありうる。 実施例3.AdLC8及びAdLC8cヘルパーウィルスの構築 プラスミドを標準のプロトコールに従って構築した(Sambrookら、1989)。Ad LC8(図11A)ヘルパーウィルスを「フロックス」(floxed)パッケージングシグ ナル(Ψ)を有するpLC8及びpBHG10による293細胞の同時感染により救済(resc ue)した。Adパッケージングシグナル及びITRを含むアデノウィルスゲノムの大 半を含むプラスミドpBG18(Bett and Graham未公開)から9.6kbのAscIフラグメン トを除去し、PLC4を作った。BumHI適合性末端を有する合成lox P部位を2本の 一本鎖オリゴヌクレオチド: 5′−GAT CCA ATA ACT TCG TAT AGC ATA CAT TAT ACG AAG TTA TAA GTA CTG AA T TCG-3′及び5′−GAT CCG AAT TCA GTA CTT ATA ACT TCG TAT AAT GTA TGC TAT ACG AAG TTA TTG−3′ をアニーリングすることにより得た。lox P部位を、Ad5ゲノムの左端からnt188 に位置する pLC4の固有BamHI部位にクローニングし、pLC5を作製した。この領 域はウィルス複製に影響を及ぼすことなくDNAの類似の挿入を寛容することが予 め示されている (Bautistaら1991)。第二lox P部位をpLC5の中に、まずlox PオリゴヌクレオチドをpABS.9のBamHI部位に導入してpLC7を作り、そし てl ox P部位及びneo細菌発現カセットを含む1.4kbのXbzIフラグメントをpLC5の 固有XbaI部位にサブクローニングすることにより挿入した。即ち、得られるプ ラスミドpLC8は1452bpで隔てられ、且つアデノウィルスパッケージングシグナ ル及びneoカセットに隣接する2個のlox P部位を含む。AdLC8clucヘルパーウィ ルスはAdLC8に類似するが、E1のneo発現カセットを欠き、そしてヒトサイト メガロウィルス(HCMV)主要即時−早期プロモーター(転写開始部位に対して− 299〜+72bp)の調節下にあるホタルルシフェラーゼ遺伝子及びE3欠失領域の 中に挿入されたサルウィルス40ポリアデニル化シグナル(pA)を含む。AdLC8clu cをpLC8C及びpUMA7Lによる293細胞の同時感染により救済した。pLC8cはSwaIに よる消化によりneoカセットが除去され、次いで再環化にかけられたpLC8の誘導 体である。pUMA7Lはホタルルシフェラーゼ遺伝子をHCMV即時−早期プロモーター 及びSV40pAの調節下で含むpBHG10の誘導体である(DeWetら、1987)。HCMV−ル シフェラーゼ発現カセットを含む2.2kbのBglIIフラグメントをpCA18(Addison a nd Graham未公開)から除去し、そしてpABS.10(Bett 1995)の固有BamHI部位に ライゲーションしてpABS101ucrを作った。次いでpABS. 101ucrをPvuIで部分消化してプラスミドを線形化し、そしてpBHG10のPacI部位 に挿入し、pUMA7Lを作った。 実施例4.ヘルパー依存性ベクターの構築 E.コリβガラクトシダーゼ(lacZ)オープンリーディングフレームをマウス サイトメガロウィルス(MCMV)即時−早期プロモーターのコントロールFで含む pCA35をSaLIで消化し、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントで修復し、 そ して再環化し、pCA35KSを作った。MCMV−lacZ発現カセットをXbaI/BamHIによ る消化によりpCA35KSから切り出し、そしてXbaI/BamHI消化pABS.4に挿入し、 pABS.4MlacZを作った。次いでこのプラスミドをSalIで線形にし、そしてAd5ゲ ノムの16.1と83.6マップ単位との間で配列の欠失したpFG140(Graham)の誘導体 pFG140dx3の固有XhoI部にライゲーションし、pUMA10Rを作った。pUMA10R由来の 1276kb SwaIフラグメントを除去し、そしてバクテリオファージラムダDNA(慣用 のラムダマップの31617〜39888bp)由来の8270bpのSmaIフラグメントと交換し、 pRP1001を作った。 実施例5.AdLC8からのパッケージングシグナルの切除の効率 293Cre1細胞系におけるCreリコンビナーゼによる切除の速度及び効率、並び にΨウィルスDNAの複製能力 293Cre1細胞、及びコントロールとしての293細胞を細胞当り10PFUのMOIにてA dLC8により感染せしめた。DNAを様々な感染経過時において精製し、PvuIで消 化し、0.8%のアガロースゲル上で分離し、そしてその産物をエチジウムブロミ ド染色により調べた。 図11Bはlox P隣接フラグメントの切除が、親ウィルスAdLC8の左端を双方が 構成する293Cre1細胞における1.1kbバンドの完全排除及び3.5kbバンドのほぼ完 全な消失により示される通り、ほぼ完全であることを実証する。その代わり、そ の後12hrでは3.2kbのバ ンドが検出可能であり、それはフロックスカセットの切除により作られたウィル スバンドを示す。1.5kbの切除産物はアガロースチル上では検出できず、なぜな らそれはDNA合成のための起源の欠如により複製されないまま残るからである。 更に、図11Bは293Cre1系における組換ウィルス(AdLC8Ψ)が293細胞上の親A dLC8ウィルスと同様に複製することを示す。 Cre媒介式組換の速度を更に調べるためにサザンブロット分析を実施した。図1 1Bに示すアガロースゲルをナイロン膜に転写し、そして pLC8由来の部分精製4 .4kb BstXI-BgL IIラベル化フラグメントでプロービングした。このプローブはA dLC8 の3489及び1123bpのフラグメント、並びに組換ウィルスの1452bp(切除環 を占める)及び3160bpフラグメントとハイブリダイズした(図11C)。更に、こ のプローブは両ウィルスの右端を占めて9777bpフラグメントとハイブリダイズし た。約4.6、2.2及び1.7kbの追加のバンドがこのプローブとpLC8の5.3kbのBstXI フラグメントとの夾雑により検出された。オートラジオグラフィーの際の膜の過 剰曝露は、293Cre1系における感染後6時間までは組換産物が検出できないこと を示した。このことは、ウィルスの最左端が感染後早期の間はCreがアクセスで きず、それはたとえCreが293Cre1細胞系により構成的に作られ、且つ感染時に 存在する場合もそうである。より短い曝露時間を利用するその後の分析は、感染 後12hrで、約80%のウィルスDNAが組換し、そしてこの割合がその後上昇しない ことを示す。1.5kbバンドである切除環は一層高感度なサザンブロット技術によ りその9hr後に検出され、そして複製していないようであった。AdLC8による29 3細胞の感染後組換産物(3.2kb及び1.5kbバンド)は検出されず、感染293Cre1細 胞において認められる組換産物がCre−特異的現象に由来することを示唆する。 非組換ウィルス2DNAの量が全 DNAのそれと似た速度で経時的に上昇するため、このことはウィルスが細胞に入 って複製したことを示し、そして細胞に感染しなかった残留ウィルスに原因しな いものと考えた。我々はなぜこのようなウィルスゲノムがCre−媒介式組換を回 避するかの理由はわからないが、それは293細胞系の中のCreタンパク質の飽和を 反映しうる。にもかかわらず、このことはパッケージングシグナルが293Cre1細 胞系の中のADLC8ウィルスの大半から効率的に切除され、そしてこの配列の除去 がウィルスDNA複製に影響しないことを示す。 実施例6.AdLC8及びAdLC8clucによるAdRP1001の増幅。 293細胞の半集密単層(60mm)をリン酸カルシウム沈殿(Graham and van der Eb 1973)により37℃にて4hr5μgのpRP1001でトランスフェクションし、その トランスフェクション細胞をAdLC8又はAdLC8clucにより10の感染多重度(MOI) にて感染せしめ、培地を交換し、そしてその細胞を単層が完全なCPEを示すまで インキュベーションした(48〜72時間)。細胞を培地の中にかき落とし、そして ウィルスを3回の凍結融解により遊離させた。得られる粗ウィルスリゼートのア リコート(500μl)を293Cre1又は293Cre4細胞の60mmの皿の上で系列継代し た。ヘルパー依存性ベクターの各増幅ラウンドの間、293Cre細胞をAdLC8又はADL C8clucにより、最初の2ラウンドの増幅に関しては5のMOI、そしてその後の継 代については1のMOIで同時感染せしめた。AdRP1001の増幅は293細胞上のlacZ− 発現性ウィルスの存在(青色形成単位、BFU)について各継代の後に担ウィルスリ ゼートのアリコートをアッセイすることによりモニターした。293単層をウィル ス播種物(500μl)で30分感染し、そしてその感染単層を37℃で24時間インキ ュベーションした。感染単層をPBS2+で1回洗い、0.2%のグルタルアルデヒド、 2%のパラホルムアルデヒド、2mMのMgCl20.5mlで37℃にて5分固定 し、洗い、そしてX−gal(PBS中の5mMのK4Fe(CN)6,5mMのK3Fe(CN)6,2mMのMg Cl2,1mg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル−β−D−ガラクト ピラノシド〔X−gal〕)で染色した。プレートを室温で一夜インキュベーショ ンし、そして目視検査によりBFUの数を決定した。ウィルスリゼートをヘルパー ウィルス及びRCAの存在について293リゼート上でのプラークアッセイによっても モニターし、またヘルパーウィルス及びRCAの存在について293及びA549単層上 でのプラークアッセイによってもそれぞれモニターした。パッケージング可能な 線形ゲノムに至るPRP1001のAdLC8−媒介式変換の頻度は約800BFU/1μgのトラ ンスフェクション化DNAであった。 293Cre1細胞を、アデノウィルス配列のほとんどが欠失しているプラスミドpR P1001(図12A)でトランスフェクションせしめ、次いで18時間後にそのトラン スフェクション細胞をAdLC8ヘルパーウィルスで感染させた。AdRP1001〜AdLC8感 染化293Cre1細胞の系列継代の継代毎のヘルパー依存性ベクターの力価の上昇を もたらした(図12B)。5回の系列継代後、AdRP1001の力価は約108BFU/mlとな った。パッケージングシグナルの切除及びRCAの形成を回避したAdLC8の量を293 及びA549細胞系上でのプラークアッセイによりそれぞれモニターした。各継代 後に存在するAdLC8のレベルは5×105PFU/mlにおいて比較的一定であり続け( 図12B)、そしてサザンブロット分析の際に観察される非組換AdLC8DNAの相対量 に匹敵した(図11C)。RCAは293Cre1を介する2回目の増幅を経て検出され、 そしてRCA力価はその後の継代により上昇し続けた。従って、RCAをいくつかのプ ラーク単離体のDNA含量の分析により決定した。塩化セシウム精製ウィルス由来 のDNAの制限酵素分析は、最終ウィルス調製品が3種のウィルス集団、AdRP1001 ,AdLC8及びE3 −欠失RCAの存在に位置する制限パターンを含むことを示した。 AdLC8について概略したのと同じ増幅戦略を利用し、AdRP1001ベクターをAdLC 8clucにより高力価にまで増幅させた(図13A)。パッケージング可能な線形ゲ ノムに至るpRP1001のAdLC8cluc−媒介式変換の頻度はAdLC8のそれと類似であっ た(AdLC8cluc感染293細胞中のトランスフェクション化DNA 1μg当り約1400BFU )。AdRP1001からAdLC8cluc感染234Cre1細胞に至る系列継代は、1継代当り約10 倍のAdRP1001の力価の上昇を供した。類似の増幅速度がその他のベクターについ て観察され、27.7kbから33.6kbのサイズに範囲した。更に、ストック中に存在す るAdLC8clucの量は低くあり続け、そして7回の継代にわたり、全ウィルスの1 %未満を占めていた。最後に、RCAは検出されなかった。図13Bに示すデーター はAdLC8clucがAdRP1001の高力価ストックを産生するためのヘルパーウィルスと して採用し得ることを明確に示した。 実施例7.AdRP1001の大量スケールウィルス調製。 AdRP1001の大量スケールウィルス調製は293Creの150mmの皿を、2×107PFUの ヘルパーウィルスを添加した150mmの皿当り1mlの粗AdRP1001ストック(MOI=〜 1)で感染させることにより実施した。CPE完了後、AdRP1001の精製を前述の通 りCsCl乳遊密度遠心分離により実施した。遠心後、画分をウィルスバンドを介し て回収し、そしてルシフェラーゼ発現性ウィルスの存在についてアッセイした。 各画分を1:1000に希釈し、アリコート(500μl)を293単層の感染のために用 いた。感染の24時間後、粗タンパク質抽出物を感染細胞から調製し、そして市販 のキット(Promega)及びBertholdモデルLB9501ルミノメーターを用いてルシフェ ラーゼ活性についてアッセイした。ルシフェラーゼ活性(R2=0.963)はAdLC8clu cの相対力価とよく相関し、ルシフェラーゼ活性が夾雑ヘルパーウィルスのレ ベルの良好な指標であることを示唆する。図14に示す関係を利用し、1PFU AdLC 8clucは106個の感染細胞当りにつき〜2.6×105pgのルシフェラーゼに相当する。 AdRP1001及びヘルパーウィルス力価物もCsCl遠心分離の後に低密度バンドから 単離した。我々は293Cre細胞の20-150mm皿から8.6×109のBFU/ml又は総収量6.5 ×109個のAdRP1001ビリオンを得た。このストック中のAdRP1001、対、AdLC8cluc の比は〜1:16,000、又は精製において用いた粗ストックよりも30倍のAdRP1001 の純度の増大であった。これを、「精製」ベクターの主要成分がヘルパーウィル スであり、ベクターよりもヘルパーウィルスが100〜1000倍多い先に開発したヘ ルパー依存性系と比べた(Mitaniら、1995,Fischerら、1996)。更に、ほぼ101 0 ビリオンの我々の収量はこのようなその他の系を利用して得られるものよりも 約1000倍多かった。更に、このような系におけるベクターは高頻度においてDNA 組換し、モノマー、ダイマー、及び一層複雑なDNA構造より成るベクターの異種 集団を作製する。他方、精製AdRP1001の制限分析は、ベクターのDNA構造が受動 ベクター及び所期トランスフェクション用プラスミドpRP1001の配列から推定さ れる制限地図と同一であることを示した(図4B)。我々は上記のヘルパー依存 性系が非常に少量のヘルパーウィルスを含む高力価ベクター調製品を製造可能で あると考えた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グラハム,フランク エル. カナダ国,オンタリオ エル8ピー 2シ ー4,ハミルトン,アメリア ストリート 34 (72)発明者 アントン,マルティナ カナダ国,オンタリオ エル8エス 1エ ー9,ハミルトン,メイン ストリート ウエスト 1001 (72)発明者 ルドニッキ,マイケル エー. カナダ国,オンタリオ エル9エイチ 4 イー8,ダンガス,シャーウッド ライズ 14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.外来遺伝子を発現するための組換アデノウィルスベクター系であって: (a)リコンビナーゼにより認識される標的部位がウィルスのパッケージング シグナルの両側に隣接する改質早期領域1(E1)を有する第一アデノウィルス ベクター、並びに (b)前記1.(a)のウィルスの複製を変換でき、且つlox P部位の間での 部位特異的組換を触媒できる組換Creを更に発現する細胞系、並びに (c)(i)ウィルスゲノムの約35,000bpまでの大型領域の欠失を有するが、 ウィルスDNAの複製のため及びウィルス核酸のビリオンに至るパッケージングの ためにin cisである必要のあるAdウィルス配列、即ち、左方及び右方ITR並びに パッケージング配列は保持し、且つ (ii)サイズ約35,000bpの外来核酸の1又は複数のフラグメントを有す る、 第二ベクター、 を含んで成る組換アデノウィルスベクター系。 2.前記リコンビナーゼがCreであり、そして前記標的部位がlox Pである、 請求項1記載の組換アデノウィルスベクター系。 3.請求項1の(a)に記載のベクター(ヘルパーウィルス)を作製するため に利用するプラスミドであって、改質環状アデノウィルスゲノムを含んで成り、 ここで前記ウィルスゲノムの領域E3由来の配列は(a)リコンビナーゼのため の標的部位により囲まれたウィルスゲノム由来のパッケージングシグナル、(b )細菌性複製起点、及び(c)抗生物質耐性遺伝子、により置換されている、前 記プラスミド。 4.前記リコンビナーゼがCreであり、前記標的部位がlox Pであり、そして 前記抗生物質がアンピシリンである、請求項3記載のプラスミド。 5.請求項1の(c)に記載のベクター(ヘルパー依存性ウィルス)を作製す るために利用するプラスミドであって、ウィルスゲノムの左方及び右方ITR並び にパッケージングシグナル、プラスミド複製起点及び抗生物質耐性遺伝子、並び に長さ35,000bpまでの外来核酸を含んで成る前記プラスミド。 6.前記抗生物質がアンピシリンである、請求項5記載のプラスミド。 7.その核酸をビリオンへとパッケージングすることができず、またウィルス 遺伝子の全て又はほとんどが欠失され、且つ外来核酸で置換されている第二ヘル パー依存性ベクターの複製を補完するようin trasで作用できるウィルス機能を 保持するようなヘルパーウィルスゲノムを製造する方法であって: アデノウィルスベクターの複製を支持する細胞系を、 (a)Creリコンビナーゼにより認識されるlox P部位がウィルスのパッケー ジングシグナルの両側に隣接するようにして改質早期領域1(E1)を有する第 一ベクター及び (b)(i)ウィルスゲノムの約35,000bpまでの大型領域の欠失を有するが、 ウィルスDNAの精製のため及びウィルス核酸のビリオンに至るパッケージングの ために又はcisである必要のあるAdウィルス配列、即ち、左方及び右方ITR並びに パッケージング配列は保持している第二ベクター、 により同時感染せしめ、前記細胞の中で発現されたCreリコンビナーゼが前記第 一ベクターのパッケージングシグナルに隣接するlox P部位に作用して前記パッケージングシグナルの切除を誘導せしめることを含ん で成る方法。
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