【発明の詳細な説明】
ベンゾ[b]チオフェンの製造法
本発明は、ベンゾ[b]チオフェン、特に 2-アリールベンゾ[b]チオフェンの
新規製造法に関するものである。
ベンゾ[b]チオフェンは、数多くの異なる合成経路により製造されてきた。最
も広範に使用される方法の1つは、o-メルカプトケイ皮酸の酸化的環化である
。この経路は、ベンゾ[b]-チオフェン-2-カルボキシラートの製造に限定される
。2-フェニルベンゾ[b]チオフェンは、2-フェニルチオアセトアルデヒドジアル
キルアセタールの酸触媒環化反応により製造される。非置換ベンゾ[b]チオフェ
ンは、スチレンおよび硫黄の触媒的縮合により製造される。3-置換ベンゾ[b]チ
オフェンは、アリールチオメチルケトンの酸触媒環化反応により製造される:し
かし、この経路は、3-アルキルベンゾ[b]チオフェンの製造に限定される。Comp
rehensive Heterocyclic Chemistry(Katritzky および Rees 監修)第IV巻、
第III部 863-934(1984)の、『チオフェンおよびそのベンゾ誘導体:(iii)製
造および応用』の製造法を参照。3-クロロ-2-フェニルベンゾ[b]チオフェンは
、二塩化硫黄とジフェニルアセチレンとの反応により製造される。Barton およ
びZika、J.Org.Chem.、35、1729-1733(1970)。ベンゾ[b]チオフェンはまた、ス
チリルスルホキシドの熱分解により製造される。しかし、低収率および極度に高
い温度から、この経路は大量合成には不適当である。Ando、J.Chem.Soc.、Chem.
Comm.704-705(1975)参照。
本発明のベンゾ[b]チオフェンの製造法の1つに、中間体のスルフェン酸誘導
体を必要とするものがある。スルフェン酸は、数多くの化学反応の鍵となる中間
体と仮定されている;しかしながら、これらの化合物を単離した例はほとんどな
い。Shelton および Davis、J.Am.Chem.Soc.、89(3)、718-719(1968)および D
avis et al.、J.Am.Chem.Soc.、100、2844(1978)参照。スルフェン酸はその場
で生成し、オレフィンおよびアセチレンと分子内または分子間環化する。Mazzan
ti et al.、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.I、3299-3004(1944)およびDavis e
t al.、J.Org.Chem.、45、1650-1653(1980)参照。一連のトリメチルシリルア
レンスルフェナートは、対応するN-ベンジリデンアレンスルフィンアミドから
製造される;しかし、トリメチルシリルエステルの収率は一般的に大変低い。Da
vis et al.、J.Org.Chem.、45、1650-1653(1980)。
6-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゾ[b]チオフェンの製造は、米
国特許 4,133,814 および 4,380,635 号に記載された。これらの特許に記載され
た1つの方法は、α-(3-メトキシフェニルチオ)-4-メトキシアセトフェノンの酸
触媒分子内環化/転移である。純粋なポリリン酸中で、この出発化合物を約 85
℃から約 90℃で反応させると、2つの位置異性体生成物(6-メトキシ-2-(4-メ
トキシフェニル)-ベンゾ[b]チオフェンおよび 4-メトキシ-2-(4-メトキシフェ
ニル)ベンゾ[b]-チオフェン)の約 3:1 の混合物が得られる。これらの異性体
ベンゾ[b]チオフェンは反応混合物から共沈殿し、両化合物を含む混合物が生成
する。単一の位置異性体を得るために、例えばクロマトグラフィーまたは分別結
晶法などにより、位置異性体を分離しなければならない。それ故、現在、容易に
入手可能な出発原料から、2-アリールベンゾ[b]チオフェンを効率的で位置特異
的に製造することが必要とされている。
本発明は、ベンゾ[b]チオフェンの製造法に関するものである。具体的には、
本発明は、式
[式中、
R1は水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、またはアミノで
あり;および
R2は水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、またはアミノで
あり;
R4はOSi(R)3、NR5R6、またはSR8であり;
各Rは、独立して、C1−C6アルキル、アリール、またはアリールアルキルであ
り;
R5およびR6は、独立して、水素、C1−C6アルキル、アリールアルキル、また
はアリールであるか、またはR5およびR6は、窒素元素と共に、ピペリジン、ピ
ロリジン、モルホリン、またはヘキサメチルイミンから選択された環を形成し;
および
R8は、C1−C6アルキル、アリール、またはアリールアルキルである]
で示される化合物を、酸触媒下で環化することを含む、式
[式中、R1およびR2は上記に定義した通りである]
で示される化合物の製造法に関するものである。
本発明の別の態様は、ベンゾ[b]チオフェンの第二の製造法である。具体的に
は、本発明は、式
[式中、R1は水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、アミノ
であり;および
R2は水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、アミノである]
で示される化合物を酸触媒で処理することを含む、式
[式中、
R1およびR2は上記で定義した通りである]
で示される化合物の製造法に関するものである。本発明はまた、式VIで示され
る化合物、並びにその製造法にも関するものである。
本発明の別の態様は、
(a)酸触媒の存在下、式
[式中、
R1は水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、またはアミノで
あり;
R2は水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、またはアミノで
あり;および
R4はOSi(R)3、NR5R6、またはSR8であり;
各Rは、独立して、C1−C6アルキル、アリール、またはアリールアルキルであ
り;
R5およびR6は、独立して、水素、C1−C6アルキル、またはアリールであるか
、
またはR5およびR6は、窒素原子と共に、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン
、およびヘキサメチルイミンから選択された環を形成し、および
R8はC1−C6アルキル、アリール、またはアリールアルキルである]
で示される化合物を環化し、式
[式中、R1およびR2は上記で定義した通りである]
で示されるベンゾチオフェン化合物を製造し;
(b)式
[式中、
R11、R12、およびHXは前記で定義した通りであり;および
R13は、クロロ、ブロモ、またはヒドロキシルである]
で示されるアシル化剤を用いて、BX'3の存在下で(ただし、X'はクロロまた
はブロモである)、該ベンゾチオフェン化合物をアシル化し;
(c)R1および/またはR2は、C1−C4アルコキシまたはアリールアルコキシ
である場合には、追加のBX'3(ただし、X'は上記で定義した通りである)を
用いて反応させることにより、段階(b)のアシル化生成物の1つ以上のフェノ
ール基を脱アルキル化し;および
(d)式XIIIで示される化合物を単離する段階を含む、式
[式中、
R9は水素、ハロ、アミノ、またはヒドロキシルであり;
R10は水素、ハロ、アミノ、またはヒドロキシルであり;
R11およびR12は、独立して、C1−C4アルキルであるか、またはR11およびR12
は、隣接する窒素原子と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミ
ノおよびモルホリノからなる群から選択されたヘテロ環を形成し;および
HXはHClまたはHBrである]
で示される化合物の製造法に関するものである。
用語『酸触媒』なる語は、ルイス酸またはブレンステッド酸を表す。代表的な
ルイス酸は、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化アルミニウム、および臭化アルミニウ
ムである。代表的なブレンステッド酸は:硫酸およびリン酸などの無機酸、酢酸
およびトリフルオロ酢酸などのカルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、1-ナフタレンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、エタンスルホン酸、4-エ
チルベンゼンスルホン酸、1-ヘキサンスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸
、1-オクタンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、およびp-トルエンスルホン酸などのスルホン酸、ナフィオン(登録商標)
、アンバーリスト(登録商標)、またはアンバーライト(登録商標)などの重合
アリールスルホン酸、を含む。本発明の工程を触媒するために使用する好ましい
酸は、スルホン酸また重合スルホン酸である。より好ましくは、酸触媒は、例え
ばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、およびp-
トルエンスルホン酸などのスルホン酸である。最も好ましい酸触媒は、p-トル
エンスルホン酸である。
上記の式において、用語『C1−C4アルコキシ』なる語は、メトキシ、エトキ
シ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、およびその
他の基を表す。用語『ハロ』なる語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨー
ド基を表す。
用語『C1−C6アルキル』なる語は、1から6つの炭素原子を有する直鎖また
は分枝アルキル鎖を意味する。典型的なC1−C6アルキル基は、メチル、エチル
、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブ
チル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、およびそ
の他を含む。用語『C1−C4アルキル』なる語は、1から4つの炭素原子を有す
る直鎖または分枝アルキル鎖を意味し、メチル、エチル、n-プロピル、イソプ
ロピル、n-ブチル、sec-ブチル、i-ブチル、およびt-ブチルを含む。
用語『アリール』なる語は、フェニルおよび置換フェニルなどの基を意味する
。用語『置換フェニル』なる語は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、C1−C4アルキ
ル、C1−C4アルコキシ、トリクロロメチル、およびトリフルオロメチルからな
る群から選択された1つ以上の基で置換で置換されたフェニル基を意味する。置
換フェニル基の例は、4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロ
フェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、4-ブ
ロモフェニル、3,4-ジブロモフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2-フル
オロフェニル、4-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキ
シフェニル、3-ニトロフェニル、4-ニトロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、4-
メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-メトキシフェニル、4-プロピルフェニル
、4-n-ブチルフェニル、4-t-ブチルフェニル、3-フルオロ-2-メチルフェニル
、2,3-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,6-ジメチルフェニル、
2-フルオロ-5-メチルフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-トリフルオロ
メチルフェニル、2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル、3,5-ビス-(トリフ
ルオロメチル)フェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、3,5-ジメ
トキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル、3,5-ジメチル、4-ヒドロキ
シフェニル、2-メチル-4-ニトロフェニル、4-メトキシ-2-ニトロフェニル、およ
びその他を含む。
用語『アリールアルキル』なる語は、1つ以上のアリール基を有するC1−C4
アルキル基を意味する。この基の代表例は、ベンジル、o-ニトロベンジル、p-
ニトロベンジル、p-ハロベンジル(例えば、p-クロロベンジル、p-ブロモベ
ンジル、p-ヨードベンジルなど)、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、3-
フェニルプロピル、4-フェニルブチル、2-メチル-2-フェニルプロピル、(2,6-ジ
クロロフェニル)メチル、ビス(2,6-ジクロロフェニル)メチル、(4-ヒドロキシフ
ェニル)メチル、(2,4-ジニトロフェニル)メチル、ジフェニルメチル、トリフェ
ニルメチル、(p-メトキシフェニル)-ジフェニルメチル、ビス(p−メトキシフ
ェニル)メチル、ビス(2-ニトロフェニル)メチル、およびその他を含む。
用語『アリールアルコキシ』なる語は、1つ以上のアリール基を有するC1−
C4アルコキシ基を意味する。この基の代表例は、ベンジルオキシ、o-ニトロベ
ンジルオキシ、p-ニトロベンジルオキシ、p-ハロベンジルオキシ(例えば、p-
クロロベンジルオキシ、p-ブロモベンジルオキシ、p-ヨードベンジルオキシな
ど)、1-フェニルエトキシ、2-フェニルエトキシ、3-フェニルプロポキシ、4-フ
ェニルブトキシ、2-メチル-2-フェニルプロポキシ、(2,6-ジクロロフェニル)メ
トキシ、ビス(2,6-ジクロロフェニル)メトキシ、(4-ヒドロキシフェニル)メトキ
シ、(2,4-ジニトロフェニル)メトキシ、ジフェニルメトキシ、トリフェニルメト
キシ、(p-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ、ビス(p-メトキシフェニル)
メトキシ、ビス(2-ニトロフェニル)メトキシ、およびその他を含む。
用語『熱不安定性または酸不安定性C2−C10アルキル、C4−C10アルケニル
、またはアリール(C1−C10アルキル)基』なる語は、加熱または酸触媒で処理
することにより、容易にスルホキシド(SO)基から除去できる基を意味する。
熱不安定性または酸不安定性C2−C10アルキル基は、2個から10個の炭素原
子を有し、少なくとも1つのβ水素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖であ
る。代表的な熱不安定性又は酸不安定性C2−C10アルキル基は、エチル、n-プ
ロピル、i-プロピル、1,1-ジメチルプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-
ブチル、1,1-ジメチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-メチルブチ
ル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,4-ジメチルブチル、3,3-ジメ
チル
ブチル,n-ペンチル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチ
ル、4-メチルペンチル、n-ヘキシル、およびその他を含む。熱不安定性または
酸不安定性C4−C10アルケニル基は、4個から10個の炭素原子、少なくとも
1カ所の不飽和部位、およびβ水素またはδ水素原子のいずれかを有する直鎖ま
たは分枝アルケニル鎖である。代表的な熱不安定性または酸不安定性C4−C10
アルケニル基は、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-
ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル
、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、2
-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、2-メ
チル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、2-ヘキ
セニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、およびその他を含む。用
語である熱不安定性または酸不安定性アリール(C1−C10アルキル)は、追加
的に1つ以上のアリール基およびアリール置換メチル基を含む熱不安定性または
酸不安定性C2−C10アルキル基を意味する。代表的なアリール(C1−C10アル
キル)基は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、p-メトキシ
ベンジル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロピル、およ
びその他を含む。
式IIIで示される化合物は、2つの位置異性体の形で存在する:E異性体およ
びZ異性体である。本発明の工程では、式IIIで示される化合物のEおよびZ異
性体、またはその混合物を個別に使用する。これらのEおよびZ位置異性体は、
以下の構造で表される:
本発明の工程において有益な化合物の1群は、スルフェナートシリルエステル
である。特に、式III(ただし、R4はOSi(R)3であり、各Rは独立して、C1
−C6アルキル、アリール、またはアリールアルキルである)で示される化合物
および式IVで示される化合物は、スルフェン酸のシリルエステルである。好ま
しいスルフェナートシリルエステルは、以下の表に示したように、化学分野でよ
く通用する命名法を用いて略する。
用語『シリル化剤』なる語は、中間体であるスルフェン酸をスルフェナートシ
リルエステルに変換する際に使用する化合物、または化合物の組合せを意味する
。代表的なシリル化剤は、例えば1,3-ビス(トリメチルシリル)尿素、1,3-ビス(
トリエチルシリル)尿素、1,3-ビス(ジメチルイソプロピルシリル)尿素、1,3-ビ
ス(トリイソプロピルシリル)尿素、1,3-ビス(ジエチルイソプロピルシリル)尿素
、1,3-ビス(ジメチルヘキシルシリル)尿素、および1,3-ビス(t-ブチルジメチル
シリル)尿素などのビス(トリアルキルシリル)尿素;例えば1,3-ビス(トリフェニ
ルシリル)尿素などのビス(トリアリールシリル)尿素;例えば1,3-ビス(ジフェニ
ルメチルシリル)尿素および1,3-ビス(t-ブチルジフェニルシリル)尿素などのビ
ス(ジアリールアルキルシリル)尿素;および例えばヘキサメチルジシラザンなど
のヘキサアルキルジシラザン;またはヘキサアルキルジシラザンおよび例えばク
ロロトリメチルシランなどのクロロトロアルキルシランの触媒量との組合せを含
む。
本発明の工程における出発化合物は、数多くの経路により製造し得る。式IIで
示される化合物の1つの製造法を大要1に示す。
一般的に、式VIIで示される化合物を、ルイス酸の存在下で、式HSR3で示さ
れるメルカプタンと反応させることでスチリルスルフィドに変換する。ついで、
式VIIIで示される化合物を酸化し、式IIで示される化合物であるスチリルスルホ
キシドとする。
より具体的には、式VII(ただし、R1およびR2は上記で定義した通りである
)で示される化合物を例えば塩化チタニウム(IV)などのルイス酸で処理する。こ
の反応は、例えば乾燥テトラヒドロフランなどの無水有機溶媒中で、約 0℃から
約 35℃の温度で行う。約 15分から約1時間後に、反応混合物をアミン塩基およ
び式HSR3(ただしR3は熱不安定性または酸不安定性C1−C10アルキル、C4
−C10アルケニル、またはアリール(C1−C10アルキル)基である)で示される
メルカプタンで処理する。好ましくは、メルカプタンおよびアミン塩基を反応溶
媒
中に溶液として加える。代表的なアミン塩基はトリエチルアミンである。メルカ
プタンおよびアミン塩基を加えた後、一般的には、反応物を約 35℃〜約 65℃、
好ましくは約 50℃の温度まで加熱する。この反応の生成物は、例えば結晶化ま
たはクロマトグラフィーなどの化学分野でよく知られている技術を用いて精製し
得る。
ついで、式VIII(ただし、R1、R2、およびR3は上記で定義した通りである
)で示される化合物を酸化して、式IIで示される化合物を製造する。この反応に
適した酸化剤は、例えば過酢酸およびm-クロロペルオキシ安息香酸などの過酸
、および過酸化水素である。この酸化反応は、典型的には、例えばトルエン、塩
化メチレン、クロロホルム、または四塩化炭素などの有機溶媒中で行う。過酸を
酸化剤として使用する場合、一般的に、反応は約−30℃から約 15℃、好ましく
は約−20℃の温度で行う。反応生成物は再結晶で容易に精製される。R3がt-ブ
チルである場合、この反応段階の結晶生成物は、式IIで示されるE位置異性体で
ある。
R3が硫黄原子に隣接する3級炭素を有する場合、式IIで示される化合物のZ
位置異性体は、大要IIで示される第2番目の経路で選択的に製造し得る。
一般的に、式IXで示される化合物のベンジルアルコールを式R3SHで示され
るメルカプタンと反応させると、式Xで示される化合物のベンジルスルフィドが
生成する。このベンジルスルフィドを強塩基と反応させると、ベンジルアニオン
が形成され、これをベンズアルデヒドで縮合する。この縮合生成物を酸塩化物と
反応させ、得られた中間体を第2番目の強塩基で処理すると、式VIIIZで示され
る化合物のスチリルスルフィドが生成する。ついで、このスチリルスルフィドを
酸化剤で酸化すると式IIZで示される化合物が生成する。
Zスチリルスルホキシド化合物の合成における第1の段階は、ベンジルアルコ
ールから、式Xで示される化合物であるベンジルスルフィドへの変換である。式
IX(ただし、R2は上記で定義した通りである)で示される化合物を、ルイス酸
の存在下で、式R3SH(ただし、R3は、硫黄原子に隣接した3級炭素原子を有
する熱不安定性または酸不安定性C2−C10アルキル、C4−C10アルケニル、ま
たはアリール(C1−C10アルキル)基である)で示されるメルカプタンと反応さ
せると、式Xで示される化合物のベンジルスルフィドが生成する。この変換に適
したルイス酸は、臭化亜鉛、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化第二鉄、塩化チタニウ
ム(IV)、三塩化アルミニウム、および三臭化アルミニウム、好ましくはヨウ化亜
鉛である。一般的に、反応は、例えば 1,2-ジクロロエタンまたは塩化メチレン
などの有機溶媒中で行う。反応を室温で行う場合、反応は約 18 時間で完結する
。
ベンジルスルフィドは強塩基と反応して、ベンジルアニオンを形成する。この
反応に適した強塩基は、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
リチウムエトキシド、リチウムt-ブトキシド、およびカリウムt-ブトキシドな
どの金属アルコキシド;水素化ナトリウム;および、例えばn-ブチルリチウム
、t-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、およびメチルリチウムなどのア
ルキルリチウムを含む。この反応に好ましい強塩基はn-ブチルリチウムである
。この反応に好ましい溶媒は乾燥テトラヒドロフランである。n-ブチルリチウ
ムを強塩基として使用する場合、反応は約−35℃から約−15℃の温度で行う。
ベンジルアニオンをベンズアルデヒドで縮合して、中間体である縮合生成物を
製造する。ベンズアルデヒドは、一般式p-R1(C6H4)CHO(ただし、R1は
水素、C1−C4アルコキシ、アリールアルコキシ、ハロ、またはアミノである)
を有する。好ましくは、ベンジルアニオンを調製し、ベンズアルデヒドをベンジ
ルアニオンの冷溶液に加えることにより、その場で縮合生成物を形成する。
縮合生成物を酸塩化物で処理し、中間体化合物を製造する。代表的な酸塩化物
は、例えば塩化アセチルおよび塩化ペンゾイルなどの塩化アシル;例えば塩化メ
タンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、1-塩化ブタンスルホニル、塩化エタ
ンスルホニル、塩化イソプロピルスルホニル、および塩化p-トルエンスルホニ
ルなどの塩化スルホニル;例えば塩化メトキシカルボニルおよび塩化ベンジルオ
キシカルボニルなどの塩化アルコキシカルボニル;および例えば塩化N,N-ジメ
チルアミノカルボニルなどの塩化ジアルキルアミノカルボニル;好ましくは塩化
スルホニルを含む。好ましくは、塩化メタンスルホニルを縮合生成物が形成され
たすぐ後に反応混合物に加える。
この中間体化合物を第2番目の強塩基と反応させると、式VIIIZ(ただし、R1
、R2およびR3は上記で定義した通りである)で示されるスチリルスルフィドが
製造される。この反応に適した強塩基は、例えばナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、リチウムエトキシド、リチウムt-ブトキシド、およびカリウ
ムt-ブトキシドなどの金属アルコキシド;水素化ナトリウム;例えばn-ブチル
リチウム、t-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、およびメチルリチウム
などのアルキルリチウム;例えばナトリウムアミド、マグネシウムジイソプロピ
ルアミドおよびリチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミドを含む。この反
応に好ましい強塩基はカリウムt-ブトキシドである。一般的に、この反応は、
約15℃からおよそ室温、好ましくは室温で行う。
スチリルスルフィドを酸化して、対応するスチリルスルホキシドを製造する。
この反応に適した酸化剤は、例えば過酢酸およびm-クロロペルオキシ安息香酸
などの過酸;例えばt-ブチルペルオキシドなどの有機ペルオキシド;および過
酸化水素である。好ましくは酸化剤は過酢酸である。この酸化は、典型的には、
例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、メタノール、エタノール、酢酸メチル、
酢酸エチル、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、またはクロロホルムなどの有
機溶媒中;好ましくは塩化メチレン中で行う。この酸化は約−40℃から約 0℃の
温度で行い得る。
別に、R3が硫黄原子に隣接する3級炭素を有する場合、ベンジルスルフィド
中間体(式Xで示される化合物)を使用して、式IIで示される化合物であるスチ
リルスルホキシドのEおよびZ異性体混合物を製造し得る。この合成は、大要3
に概略を示す。
上記のように製造したベンジルスルフィドを酸化して、対応するベンジルスル
ホキシドを製造する。このベンジルスルホキシドを強塩基と反応させ、得られた
アニオンをベンズアルデヒドで縮合する。縮合生成物を酸塩化物および第2番目
の強塩基と反応させて得られた中間体化合物と反応させると、スチリルスルホキ
シドが生成する。
式X(ただし、R2は上記で定義した通りであり、R3は、硫黄原子に隣接する
3級炭素原子を有する熱不安定性または酸不安定性C2−C10アルキル、C4−C10
アルケニル、またはアリール(C1−C10アルキル)基である)で示される化合
物であるベンジルスルフィドを酸化すると、式XIで示される化合物である対応す
るベンジルスルホキシドが生成する。この反応に適した酸化剤は、例えば過酢酸
およびm-クロロペルオキシ安息香酸などの過酸;例えばt-ブチルペルオキシド
などの有機ペルオキシド;および過酸化水素である。好ましくは、酸化剤は過酢
酸である。この酸化は典型的には、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、メタ
ノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、塩化メチレン、1,2-ジクロロエ
タン、またはクロロホルムなどの有機溶媒中;好ましくは約−30℃〜約 5℃の温
度で行う。
式XI(ただし、R2およびR3は上記で定義した通りである)で示される化合物
であるベンジルスルフィドを強塩基と反応させ、ベンジルアニオンを生成する。
この反応に適した強塩基は、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、リチウムエトキシド、リチウムt-ブチキシド、およびカリウムt-ブトキシ
ドなどの金属アルコキシド;水素化ナトリウム;例えばn-ブチルリチウム、t-
ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、およびメチルリチウムなどのアルキ
ルリチウム;および例えばナトリウムアミド、マグネシウムジイソプロピルアミ
ド、およびリチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミドを含む。この変換に
好ましい塩基はn-ブチルリチウムである。この脱プロトン化反応は、例えばテ
トラヒドロフランまたは1,2-ジメトキシエタンなどの乾燥有機溶媒中で、約−25
℃の温度で行う。
ベンジルアニオンを単離せずに、式p-R1(C6H4)CHO(ただし、R1は上
記で定義した通りである)で示されるベンズアルデヒド化合物を用いて縮合する
。好ましくは、約1当量のベンズアルデヒドを前段落で記載のように調製した冷
溶液に加える。得られた縮合生成物のジアステレオマー混合物を単離し、または
好ましくは、単離せずに、次の段階に使用し得る。
縮合生成物を酸塩化物と反応させると、中間体化合物が生成する。所望により
、縮合生成物を、例えばn-ブチルリチウムなどの塩基で処理し、酸塩化物と反
応させる。代表的な酸塩化物は、例えば塩化アセチルおよび塩化ベンゾイルなど
の塩化アシル;例えば塩化メタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化 1
-ブタンスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化イソプロピルスルホニル、お
よび塩化p-トルエンスルホニルなどの塩化スルホニル;例えば塩化メトキシカ
ルボニルおよび塩化ベンジルオキシカルボニルなどの塩化アルコキシカルボニル
;および例えば塩化N,N-ジメチルアミノカルボニルなどの塩化ジアルキルアミ
ノカルボニル;好ましくは塩化スルホニルを含む。酸塩化物を冷反応混合物に加
え、ついで、得られた混合物を室温まで昇温する。好ましくは、塩化メタンスル
ホニルを縮合生成物が形成されたすぐ後に、反応混合物に加え、このことにより
、追
加の塩基を加える必要がなくなる。
得られた中間体化合物を第2番目に強い塩基と反応させると、式II(ただし、
R1、R2およびR3は上記で定義した通りである)で示される化合物であるEお
よびZスチリルスルホキシドが生成する。この脱離反応において代表的な第2番
目の強塩基は、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウム
エトキシド、リチウムt-ブトキシド、およびカリウムt-ブトキシドなどの金属
アルコキシド;水素化ナトリウム;例えばn-ブチルリチウム、t-ブチルリチウ
ム、sec-ブチルリチウム、およびメチルリチウムなどのアルキルリチウム;
および例えばナトリウムアミド、マグネシウムジイソプロピルアミド、およびリ
チウムジイソプロピルアミドなどの金属アミドを含む。この変換に好ましい塩基
はカリウムt-ブトキシドである。好ましくは、例えば 1.2 当量といった 20%
過剰の第2番目の強塩基を加える。一般的に、この反応は約 15℃からおよそ室
温、好ましくは室温の温度で行う。
本発明の化合物は式IIで示される化合物から製造し得る。新規スルフェナート
シリルエステルは、大要4に示したように、スチリルスルホキシドから製造され
る。
一般的に、スルフェナートシリルエステル(ただし、R1、R2、およびR7は
上記で定義された通りであり、R3は熱不安定性または酸不安定性C1−C10アル
キル、C4−C10アルケニル、またはアリール(C1−C10アルキル)基である)は
、式IIで示される化合物をシリル化剤と反応させることにより製造される。この
反応に適した溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレンおよび例えば 1,1,2-トリ
クロロエタンなどの 80℃よりも高いか 80℃の沸点を有する高沸点ハロゲン化炭
化
水素溶媒を含む。適当なシリル化剤は、例えば 1,3-ビス(トリメチルシリル)尿
素、1,3-ビス(トリエチルシリル)尿素、1,3-ビス(ジメチルイソプロピルシリル)
尿素、1,3-ビス(t-ブチル-ジメチルシリル)尿素などのビス(トリアルキルシリ
ル)尿素;例えば 1,3-ビス(トリフェニルシリル)尿素などのビス(トリアリール
シリル)尿素;例えば 1,3-ビス(ジフェニルメチルシリル)尿素などのビス(ジア
ルキルアリールシリル)尿素;および例えばヘキサメチルジシリルアザンなどの
ヘキサアルキルジシリルアザン;またはヘキサアルキルジシリルアザンと例えば
クロロトリメチルシランなどのクロロトリアルキルシランの触媒量との組合せを
含む。最良の結果では、式IIで示される化合物を全て加えた後の最終濃度は約 0
.001Mから約 0.5Mである。好ましくは、シリル化剤を例えば 10%のようにわ
ずかに過剰を使用する。この反応は約 10 分から約 2 時間、約 80℃から約 140
℃で行い得る。Z異性体は対応するE異性体よりもずっと速く反応するので、Z
異性体のみを出発化合物として使用すると、完全に変換するのに必要とされる時
間が少なくなる。
新規スルフェンアミドは、大要 5 で示されるように、スルフェナートシリル
エステルから製造される。
一般的に、スルフェナートシリルエステル(ただし、R1、R2、およびR7は
上記で定義した通りである)は、スチリルスルホキシドから製造され、好ましく
は、単離または精製せずに、式HNR5R6(ただし、R5およびR6は上記で定義
した通りである)で示されるアミンと反応させる。典型的には、スルフェナート
シリルエステルを調製し、反応溶液を約 0 ℃から約 50℃に冷却し、アミンと反
応させる。好ましくは1から2当量のアミンを使用する。シリルエステルからス
ルフェンアミドへの変換は、典型的には約 2 時間から約 8 時間で完了する。得
られたスルフェンアミドは、シリカゲルクロマトグラフィーなどの標準的な有機
技術を用いて精製し得る。
新規ジスルフィドは大要6に示されるように、スルフェナートシリルエステル
から製造される。
一般的に、スルフェナートシリルエステル(ただし、R1、R2、およびR7は
上記で定義した通りである)はスチリルスルホキシドから製造し、好ましくは単
離または精製せずに、アミン塩基の存在下で、式HSR8(ただし、R8は上記で
定義した通りである)で示されるメルカプタンと反応させる。好ましくは、スル
フェナートシリルエステルを調製し、反応溶液を室温まで冷却し、反応混合物を
メルカプタンおよびアミン塩基を含有する溶液で処理する。このメルカプタン/
アミン溶液用の溶媒は、スルフェナートシリルエステル含有混合物の溶媒と同じ
である。代表的なアミン塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、ピリジン、モルホリン、N-メチル-モルホリン、およびコリジンを含む。ス
ルフェナートシリルエステルの変換は、典型的には約 1 から約 8 時間後に完了
する。得られたジスルフィドは、シリカゲルクロマトグラフィーなどの標準的な
有機技術を用いて精製し得る。
中間体のスルフェナートシリルエステル、スルフェンアミドおよびジスルフィ
ドは、大要 7 で示されるように、2-アリールベンゾ[b]チオフェンの合成に有
益である。
一般的には、スルフェナートシリルエステル、スルフェンアミド、またはジス
ルフィドを酸触媒で処理し、式Iで示される化合物を生成する。この反応に適当
な酸触媒は、ルイス酸またはブレンステッド酸を含む。代表的なルイス酸は塩化
亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化アルミニウム、および臭化アルミニウムを含む。代表的
なブレンステッド酸は、硫酸およびリン酸などの無機酸;酢酸およびトリフルオ
ロ酢酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1-ナフタレ
ンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、エタンスルホン酸、4-エチルベンゼンスル
ホン酸、1-ヘキサンスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、1-オクタンスル
ホン酸、ショウノウスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、およびp-ト
ルエンスルホン酸などのスルホン酸;ナフィオン(登録商標)、アンバーリスト
(登録商標)またはアンバーライト(登録商標)などの重合アリールスルホン酸
を含む。より好ましい酸触媒は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ショ
ウノウスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸などのスルホン酸である。最
も好ましい酸触媒はp-トルエンスルホン酸である。典型的には、例えば、トル
エン、ベンゼン、キシレン、または例えば 1,1,2-トリクロロエタンなどの高沸
点ハロゲン化炭化水素溶媒などの有機溶媒中の酸触媒溶液を、約 80℃から約 14
0℃に加熱し、同溶媒中で、スルフェナートシリルエステル、スルフェンアミド
、またはジスルフィドの溶液で処理する。過剰量の触媒を使用し、好ましくは 3
当量の酸を使用する。最良の結果では、出発化合物の最終濃度は約 0.01Mから
約 0.2、好ましくは 0.05Mである。さらに、スルフェナートシリルエステルを
約 15 分間から約 3 時間かけて、加熱した酸性溶液にゆっくりと加えるときに
最良の収率が得られる。最良の結果を得るためには、ディーン−スタークトラッ
プまたはソックスレー抽出器を用いて残存水を反応溶液から除去する。
スチリルスルホキシドはまた、大要 8 に示されるように、ベンゾチオフェン
スチリルスルフィドの製造に有益である。
これらのベンゾチオフェンスチリルスルフィド(ただし、R1およびR2は上記
で定義した通りである)は、スチリルスルホキシドから製造する。一般的に、ス
チリルスルホキシド(ただし、R1およびR2は上記で定義した通りであり、R3
は熱不安定性または酸不安定性C2−C10アルキル、C4−C10アルケニル、また
はアリール(C1−C10アルキル)基である)溶液を、約 100℃から約 140℃の
温度で、酸触媒溶液に加える(ただし、酸触媒は上記で定義した通りである)。
酸触媒の濃度は式IIで示される化合物の最終濃度、および式IIで示される化合物
の添加速度に依存する。スチリルスルホキシドの最終濃度が約 0.2Mであり、6
時間かけて添加した場合、酸濃度は約 0.002Mである。スチリルスルホキシドの
最終濃度が約 0.05Mであり、30 分間かけて添加した場合、酸濃度は約 0.025M
である。かなりの量の式VIで示される化合物が約 1 から 2 時間後に反応中に存
在する。より反応時間を長くすると、式Iで示される化合物が生成する。
続いて、これらの式VIで示される化合物を、約 0.5 から約 3 当量の追加的な
酸を用いて処理し、約 100℃から約 140℃に加熱することにより式Iで示される
化合物に変換し得る。式VIで示される化合物の濃度は、約 0.01Mから約 0.5M
の範囲である。式VIで示される化合物の形成および式Iで示される化合物への変
換の両方に適した溶媒は、トルエン、キシレン、および1,2-ジクロロエタンを含
む。
式Iで示される化合物は、3-アロイル-2-アリールベンゾ[b]-チオフェン系統
の合成における中間体として有益である。引用として記載されている米国特許 4
,133,814 および 4,418,068 号には、これらの 3-アロイル-2-アリールベンゾ[
b]チオフェン、並びに式Iで示される化合物からのその製造法について記載さ
れていた。式I(ただし、R1およびR2は水素、C1−C4アルコキシ、またはア
リールアルコキシである)で示される化合物からのこれらの 3-アロイル-2-アリ
ールベンゾ[b]チオフェンの群の応用合成は、大要 9 に概略を示す。
式I(ただし、R1およびR2は水素、C1−C4アルコキシ、またはアリールア
ルコキシである)で示される化合物を式XII(ただし、R13はクロロまたはヒド
ロキシである)で示される化合物で、三塩化ホウ素または三臭化ホウ素の存在下
でアシル化する;三塩化ホウ素が好ましい。反応は、例えばクロロホルム、塩化
メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,2,3-ジクロロプロパン、1,1,2,2-テトラクロ
ロエタン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、およびフルオロベンゼンな
どの様々な有機溶媒中で行い得る。この合成に好ましい溶媒は 1,2-ジクロロエ
タンである。反応は約−10℃から約 25℃、好ましくは 0℃の温度で行う。反応
は式Iで示される化合物であるベンゾチオフェンの濃度が約 0.2Mから約 1.0M
で最も良く行われる。アシル化反応は一般的に約 2 時間から約 8 時間後に完了
する。
R1および/またはR2がC1−C4アルコキシまたはアリールアルコキシ基であ
る場合、好ましくは、アシル化反応生成物を単離せずに、アシル化ベンゾチオフ
ェンは、式XIII(ただし、R5および/またはR6はヒドロキシである)で示され
る化合物へと変換される。この変換は追加の三塩化ホウ素または三臭化ホウ素を
加え、反応混合物を加熱することにより行う。好ましくは、2 から 5 モル当量
、最も好ましくは 3 モル当量の三塩化ホウ素を反応混合物に加える。この反応
は約 25℃から約 40℃、好ましくは 35℃の温度で行う。一般的に反応は約 4 時
間から約 48 時間で完了する。
アシル化反応またはアシル化/脱アルキル化反応は、アルコールまたはアルコ
ール混合物で反応を停止する。反応停止に使用するために適したアルコールはメ
タノール、エタノール、およびイソプロパノールを含む。好ましくは、アシル化
/脱アルキル化反応混合物を、エタノールおよびメタノール(3Aエタノール)
の 95:5 混合物に加える。3Aエタノールは室温にし得るか、または加熱還流し
、好ましくは還流する。反応停止をこのような方法で行うと、式XIIIで示される
化合物が簡便に、得られたアルコール混合物から結晶化する。一般的に、ベンゾ
チオフェン出発原料の1ミリモルに対して 1.25mLから3.75mLのアルコール
を使用する。
以下の実施例は、さらに本発明を説明する。実施例はどのような観点において
も本発明の範囲を制限するものではなく、そのように解釈すべきではない。全て
の実験は乾燥窒素の加圧下で行った。全ての溶媒および試薬は得られたものを使
用した。比率は一般的に、容量(v/v)基準で計算する高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)溶媒を除き、重量(w/w)基準で計算する。プロトン核磁
気共鳴(1H NMR)スペクトルおよび13C核磁気共鳴(13C NMR)スペク
トルは、プロトンおよび炭素について、それぞれ 300.135MHzまたは 75.469
MHzで、ブルーカー(Bruker)AC−300 FTNMR分光計で、または 300.1
5MHzでGE QE−300分光計で得られた。シリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィーを、シリカゲル 60(230-400 メッシュ、E.Merck)を用いて Still et
al.により記載されたように行った。Still et al.、J.Org.Chem.、43、2923(19
78)。炭素、水素、および窒素の元素分析をコントロール・イクイップメント・
コーポレイション(Control Equipment Corporation)440 元素分析計で測定し
た。硫黄の元素分析は、ブリンクマン(Brinkman)比色元素分析計で測定した。
融点をMel−Temp II融点測定装置またはメトラーFP62 自動測定装置で、中空
キャピラリー中で測定し、未補正である。磁場吸収質量スペクトル(FDMS)
は、バリアン装置VG70−SEまたはVG ZAB−3F質量分析計を用いて
得た。高分解能遊離原子衝撃質量スペクトル(FABMS)は、バリアン装置V
G ZAB−2SE質量分析計を用いて得られた。
6-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)-ベンゾ[b]チオフェンのその場の収率は
、公表されている合成経路により製造されたこの化合物の基準資料に比較して、
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。米国特許 4,133,814
号参照。一般的に、反応混合物のサンプルはアセトニトリルで希釈し、希釈サン
プルは、UV検知(280nm)のついたゾルバックス(登録商標)RX−C8カラ
ム(4.6mm×25cm)を用いたHPLCによりアッセイした。以下の直線−勾配溶
媒系を、この解析のために使用した:
勾配溶媒系
結晶性物質の 6-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-[4-(2-ピペリジノ
エトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン塩酸塩(力価)の量(比率)を以下
の方法により決定した。結晶固体(5mg)のサンプルを 100mL容量フラスコ
に量り入れ、75mMリン酸カリウム緩衝液(pH2.0)およびアセトニトリルの 70/3
0(v/v)混合物中に溶解した。この溶液の一部(10μL)を、ゾルバックス(
登録商標)RX−C8カラム(25cm×4.6mm ID、5μ粒子)およびUV検知(2
80nm)を用いた高速液体クロマトグラフィーによりアッセイした。以下の勾配溶
媒系を使用した:
勾配溶媒系(力価)
サンプル中の 6-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-[4-(2-ピペリジノ
エトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン塩酸塩の比率を、以下の式で用いた
検量線のピーク面積、傾斜(m)、および切片(b)を用いて計算した:
1,2-ジクロロエタンなどの結晶物質に存在する溶媒の量(比率)をガスクロマ
トグラフィーにより測定した。結晶固体のサンプル(50mg)を、10mL容量フラ
スコに量り入れ、ジメチルスルホキシドの 2-ブタノール(0.025mg/mL)溶液に
溶解した。この溶液のサンプルを、10mL/分のカラム流速およびフレームイオン
化検知でDBワックスカラム(30m×0.53mm ID、1μ粒子)を用いてガスクロ
マトグラフィーにより解析した。カラム温度は 12 分間に及び 35℃から 230℃
で加熱した。溶媒量を内部標準(2-ブタノール)と比較することにより測定した
。
実施例1
E-t-ブチル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルホキシド
A.E-t-ブチル 4,4-ジメトキシスチルベニルスルフィドの製造
デソキシアニソイン(12.82g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を塩化(IV
)チタニウム(10.43g)で処理した。塩化(IV)チタニウムを滴下して加える間に
、反応混合物を 35℃以下に維持するように冷却した。添加完了時に、得られた
混合物を 30℃で撹拌した。さらに 30 分後、この混合物を 2-メチル-2-プロパ
ンチオール(6.76mL)およびトリエチルアミン(16.70mL)のテトラヒドロフラ
ン(15mL)溶液で処理した。得られた混合物を 50℃で撹拌した。2 時間後、混
合物を 10%炭酸ナトリウム(500mL)に加えた。得られた混合物を塩化メチレン
で抽出した。合わせた塩化メチレン抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過
し、真空下で濃縮すると、油状物質が 17.2g 得られ、これを室温まで冷却して
結晶化した。この結晶物質を熱エタノールから再結晶すると表題化合物が 12.3g
得られた。融点 71-73℃。
元素分析C20H24O2Sの計算値:C,73.13;H,7.36;S,9.76。実測値:
C,73.37;H,7.51;S,9.87。
B.E-t-ブチル4,4'-ジメトキシスチルベニルスルホキシドの製造
実施例1Aに記載したように製造した結晶化合物をトルエン(150mL)に溶解
し、得られた溶液を約−20℃に冷却した。冷溶液を過酢酸(希釈酢酸中、32%w
/w、1.24g)で 10 分間処理した。得られた混合物を飽和亜硫酸ナトリウムおよ
び食塩水で抽出した。有機層を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘプタンか
ら再結晶すると表題化合物が 14.11g 得られた。融点104℃(分解)。
元素分析C20H24O3Sの計算値:C,69.74;H,7.02;S,9.31。実測値:
C,69.47;H,7.04;S,9.54。
実施例2
Z-t-ブチル4,4'-ジメトキシスチルベニルスルホキシド
A.t-ブチル 4-メトキシベンジルスルフィドの製造
4-メトキシベンジルアルコール(10.13g)およびヨウ化亜鉛(11.7g)混合物
の 1,2-ジクロロエタン(120mL)溶液を一度に 2-メチル-2-プロパンチオール(
9.92mL)で処理した。得られた混合物を室温で撹拌した。約 18 時間後、反応物
を水(100mL)および塩化メチレン(100mL)で希釈した。有機層を除去し、硫酸
マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮すると油状物が 14.4g 得られた
。
1H NMR(CDCl3):δ7.28(d,2H)、6.85(d,2H)、3.77(s,3H)、3.73
(s,2H)、1.36(s,9H)。
13C NMR(CDCl3):δ130、114、56、35、32。
元素分析C12H18OSの計算値:C,68.52;H,8.63。実測値:C,68.80;
H,8.67。
B.Z-t-ブチル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルフィド
実施例2Aで記載したように製造した化合物(2.51g)のテトラヒドロフラン
(50mL)溶液を約−20℃に冷却した。この冷溶液を 10 分間、n-ブチルリチウ
ムのヘキサン溶液(1.6M、7.47mL)で処理した。得られた溶液を 35 分間、約0
℃まで昇温した。この冷溶液をp-アニスアルデヒド(1.46mL)で処理した。さ
らに 15 分後、反応溶液を塩化メタンスルホニル(0.95mL)で処理した。得られ
た反応物を室温まで昇温した。さらに 45 分後、反応混合物をカリウムt-ブト
キシドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M、12.0mL)で処理した。さらに 45 分
後、反応物を1N塩酸(12.0mL)を添加することで反応を停止した。有機層を分
離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して油状物とした(4.4g)。
1H NMR(CDCl3):δ7.95(d,H)、7.05(s,H)、6.9(d,H)、6.8(dd,
2H)、3.75(s,3H)、0.95(s,9H)。
13C NMR(CDCl3):δ153、139、137、114、56、32。
C.Z-t-ブチル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルホキシドの製造
実施例2Bからの化合物を、実施例1Bに記載したような方法を実質的に用い
て表題化合物へと変換した。
1H NMR(CDCl3):δ7.61(d,H)、7.56(d,H)、7.1(s,H)、6.9(dd,
2H)、3.83(s,3H)、1.05(s,9H)。
13C NMR(CDCl3):δ142、132.5、131、118、117、56、24。
元素分析C20H24O3Sの計算値:C,69.74;H,7.02。実測値:C,69.98
;H,6.94。
実施例3
EおよびZ-t-ブチル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルホキシド
A.t-ブチル4-メトキシベンジルスルフィドの製造
4-メトキシベンジルアルコール(10.13g)およびヨウ化亜鉛(11.7g)混合物
の 1,2-ジクロロエタン(120mL)溶液を一度に 2-メチル-2-プロパンチオール(
9.92mL)で処理した。得られた混合物を室温で撹拌した。約 18 時間後、反応物
を水(100mL)および塩化メチレン(100mL)で希釈した。有機層を除去し、硫酸
マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮すると油状物が 14.4g 得られた
。
1H NMR(CDCl3):δ7.28(d,2H)、6.85(d,2H)、3.77(s,3H)、3.73
(s,2H)、1.36(s,9H)。
13C NMR(CDCl3):δ130、114、56、35、32。
元素分析C12H18OSの計算値:C,68.52;H,8.63。実測値:C,68.80;
H,8.67。
B.t-ブチル4-メトキシベンジルスルホキシドの製造
実施例3Aに記載したように製造した化合物(14.4g)の 1,2-ジクロロエタン
(50mL)溶液を約5℃に冷却し、冷溶液を30分間、過酢酸(希釈酢酸中、32%w/
w、14.2mL)で処理した。過酢酸の添加完了時に、反応物を食塩水および重炭酸
ナトリウムで処理した。有機層を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し
、濃縮すると黄色状の沈澱物が得られた。この残渣をヘキサン(100mL)で処理
し、得られた混合物を室温で撹拌した。約 18 時間後、混合物を濾過し、固体を
ヘキサン(100mL)で洗浄した。固体物質を真空で乾燥させると表題化合物が 14
.07g 得られた。融点 124-126℃。
1H NMR(CDCl3):δ7.26(d,2H)、6.89(d,2H)、3.79(d,3H)、3.78
(s,3H)、3.58(d,H)、1.3(s,9H)。
13C NMR(CDCl3):δ132、114、56、53、23。
元素分析C12H18O2Sの計算値:C,63.68;H,8.02。実測値:C,63.72
;H,7.93。
C.EおよびZ-t-ブチル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルホキシドの製造
実施例3Bに記載したように製造した化合物(10.0g)のテエトラヒドロフラ
ン(140mL)溶液を約−30℃から−25℃(ドライアイス/アセトン浴)に冷却し
た。この冷溶液を 25 分間、n-ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(1.6M、
27.65mL)で処理した。35 分間撹拌した後、反応混合物をp-アニスアルデヒド
(5.4mL)で処理した。ドライアイス/アセトン浴を外し、反応物を約 20℃まで
昇温した。この混合物を塩化メタンスルホニル(3.5mL)で処理した。反応の温
度は、塩化メタンスルホニルの添加により、約 20℃から約 35℃に上昇した。混
合物を約 25℃に冷却し、ついで、カリウムt-ブトキシドのテトラヒドロフラン
溶液(1M、50.9mL)で処理した。さらに 35 分間撹拌した後、反応物を1N塩
酸(51.0mL)で処理した。層が分かれ、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、
濾過し、濃縮して油状物とした(16.67g)。この物質は、これ以上精製すること
なく次の段階に使用した。炭素およびプロトンNMRスペクトルは、実施例1お
よび2に記載したように製造した化合物で得られた数値と類似していた。
実施例4
EおよびZ-トリメチルシリル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルフェナート
実施例1に記載したように製造した化合物(350mg)と 1,3-ビス(トリメチル
シリル)尿素(116mg)との混合物のトルエン(11mL)溶液を加熱還流した。1.5
時間後、反応混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を真空で濃縮すると、表題化
合物のE/Z位置異性体の7:1混合物が得られた。
FDMS:m/z=361(M+1)
E異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.39(d,2H)、7.10(d,2H)、6.68(d,2H)、6.6
8(s,1H)、6.57(d,2H)、3.18(s,3H)、3.17(s,3H)、0.23(s,9H)。
Z異性体:1
H NMR(d6−ベンゼン):δ7.71(d,2H)、7.31(d,2H)、6.85(d,2H)、6.
79(d,2H)、6.60(s,1H)、3.28(s,3H)、3.26(s,3H)、−0.05(s,9H)。
実施例5
EおよびZ-トリメチルシリル 4,4'-ジメトキシスチルベニルスルフェナート
実施例2に記載したように製造した化合物および1,3-ビス(トリメチルシリル)
尿素の混合物のトルエン溶液を加熱還流した。10 分後、反応混合物を冷却し、
濾過し、濾液を真空で濃縮すると、表題化合物のE/Z位置異性体の 7:1 混合
物が得られた。
E異性体:13
C NMR(d6-ベンゼン、8℃):δ160.49、158.53、141.54、131.97、129.
91、129.65、125.59、116.41、114.68、113.98、54.56、−0.09。
実施例6
EおよびZ-N,N-ジメチル-4,4'-ジメトキシスチルベニルスルフェンアミド
実施例1に記載したように製造した化合物(1.74g)および 1,3-ビス(トリメ
チルシリル)尿素(578mg)の混合物のトルエン(54mL)溶液を加熱還流した。1.
5 時間後、反応混合物を室温に冷却し、ジメチルアミン(2.80mL、テトラヒドロ
フラン中 2.0M)で処理した。さらに 2 時間後、反応溶液を留去し乾燥すると
、表題化合物のE/Z位置異性体の 7:1 混合物が得られた。この残渣混合物を
酢酸エチル/ヘキサン(9:1)の混合物で溶出しながら、シリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィーを用いて精製するとE/Z位置異性体の 8:1 混合物の表題
化合物が 1.06g 得られた。
FDMS:m/z=315(M+)。
元素分析C18H21NO2Sの計算値:C,68.54;H,6.71;N,4.44。実測値
:C,68.40;H,6.69;N,4.22。
E異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.44(d,2H)、7.11(d,2H)、6.99(s,1H)、6.7
1(d,2H)、6.56(d,2H)、3.22(s,3H)、3.18(s,3H)、2.66(s,6H)。13
C NMR(d6-ベンゼン):δ160.00、158.83、139.70、131.48、130.78、1
30.51、129.94、123.77、114.55、113.97、54.63、54.61、48.17。
Z異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.61(d,4H)、6.82(d,2H)、6.80(d,2H)、6.8
0(s,1H)、3.32(s,3H)、3.27(s,3H)、2.41(s,6H)。13
C NMR(d6-ベンゼン):δ159.89、159.30、139.76、136.46、131.94、1
31.82、130.22、130.20、113.83、113.76、54.81,.54.73、48.61。
実施例7
EおよびZ-N-ベンジル-4,4'-ジメトキシスチルベニルスルフェンアミド
実施例1に記載したように製造した化合物(1.74g)および 1,3-ビス(トリメ
チルシリル)尿素(578mg)の混合物のトルエン(54mL)溶液を加熱還流した。1.
5 時間後、反応物を室温に冷却し、ベンジルアミン(0.575mL)で処理した。さ
らに 2 時間後、反応溶液を留去し乾燥すると、表題化合物のE/Z位置異性体
の 7:1 混合物が得られた。この残渣混合物を酢酸エチル/ヘキサン(7:1)の
混合物で溶出しながら、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製
するとE/Z位置異性体の 6:1 混合物の表題化合物が 1.06g 得られた。
元素分析C23H23NO2Sの計算値:C,73.18;H,6.14;N,3.71。実測値
:C,73.16;H,6.18;N,3.50。
E異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.41(d,2H)、7.13(d,2H)、7.12-7.03(m,5H)
、6.87(s,1H)、6.71(d,2H)、6.59(d,2H)、3.89(d,2H)、3.23(s,3H)、3.20(
s,3H)、2.71(t,1H)。13
C NMR(d6-ベンゼン):δ159.98、158.91、140.53、139.77、131.45、1
30.50、129.87、128.77、128.66、128.59、127.53、123.10、111.74、114.02、5
6.14、54.69、54.64。
Z異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.59(d,2H)、7.53(d,2H)、7.01-6.91(m,5H)
、6.83(s,1H)、6.79(d,2H)、6.77(d,2H)、3.62(d,2H)、3.31(s,3H)、3.27(
s,3H)、2.82(t,1H)。13
C NMR(d6-ベンゼン):δ160.05、159.14、140.48、139.27、132.50、1
31.32、130.04、129.86、128.87、128.58、128.46、127.49、114.48、114.00、5
6.23、54.90、54.78。
実施例8
6-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン
p-トルエンスルホン酸−水和物(552mg)溶液をトルエン(15mL)に加え、加
熱還流し、水をディーン−スタ−クトラップ中に回収することにより除去した。
この還流溶液を 15 分間、実施例4で記載したように製造した位置異性体化合物
(523mg)のトルエン(15mL)溶液で処理した。添加完了時に、一部をHPLC
解析のために取り除いた。この解析により、その場で、表題化合物の収率が 46.
6%であることが示された。
実施例9
6-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン
p-トルエンスルホン酸−水和物(1.26g)のトルエン(20mL)溶液を加熱還流
し、水をディーン−スタ−クトラップ中に回収することにより除去した。実施例
6で記載したように製造した位置異性体化合物(650mg)のトルエン(9mL)溶液
を 1.8 時間かけて、還流酸性溶液に加えた。反応溶液をエタノール(10mL)で
処理し、得られた混合物を室温まで冷却した。得られたスラリーを室温で撹拌し
た。約 18 時間後、混合物を約 5℃に冷却し、濾過すると表題化合物 290mg が
得られた。融点 199-200℃。1
H NMR(d6-DMSO):δ7.67(d,1H)、7.64(d,2H)、7.61(s,1H)、7.5
2(d,1H)、7.01(d,2H)、6.98(dd,1H)、3.81(s,3H)、3.79(s,3H)。
元素分析C16H14O2Sの計算値:C,71.09;H,5.22。実測値:C,71.09
;H,5.27。
実施例10
EおよびZ-3-(4,4'-ジメトキシスチルベニルスルフィド)-6-メトキシ-2-(4-
メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン
p-トルエンスルホン酸一水和物(552mg)のトルエン(111mL)溶液を加熱還
流し、水をディーン−スタ−クトラップ中に回収することにより除去した。実施
例1で記載したように製造した化合物(10g)のトルエン(34mL)溶液を 6 時間
かけて、還流酸性溶液に加えた。さらに2時間後、混合物を 0℃に冷却した。さ
らに 18 時間後、冷混合物を濾過し、沈澱した 6-メトキシ-2-(4-メトキシフェ
ニル)ベンゾ[b]チオフェンを除去した。濾液を等量の飽和重炭酸ナトリウム溶
液で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃
縮するとオレンジ状油状物が 4.8g 得られた。この油状物を二部に分け、ヘキサ
ン/酢酸エチル(3.5:1)を用いて溶出しながら、シリカゲルフラッシュクロマ
トグラフィーを用いて各々精製した。所望の位置異性体中に含まれる分画を濃縮
して油状物とした。この油状物をジエチルエーテルで処理すると初めに溶出して
くる位置異性体(155mg)が選択的に結晶化されてきた。これらの結晶化から得
られた母液には、後に溶出する位置異性体が豊富であった。
初めに溶出する異性体1
H NMR(CDCl3):δ7.71(d,2H)、7.64(d,1H)、7.46(d,2H)、7.06(d
,1H)、6.94(d,2H)、6.92(d,2H)、6.90(m,1H)、6.85(d,2H)、6.59(s,1H)、
6.45(d,2H)、3.86(s,3H)、3.85(s,3H)、3.80(s,3H)、3.66(s,3H)。
高分解FABMS C32H29O4S2(MH+)の計算値 541.1507。実測値:541.1
491。
後に溶出する異性体1
H NMR(CDCl3):δ7.90(d,1H)、7.62(d,2H)、7.24(1H)、7.08(d,2
H)、7.02(dd,1H)、6.96(d,2H)、6.74-6.71(d,2H)、6.70(d,2H)、6.55(d,2
H)、6.21(s,1H)、3.86(s,3H)、3.85(s,3H)、3.76(s,3H)、3.67(s,3H)。
FDMS:m/z=540(m+)
実施例11
6-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン
実施例10に記載したように製造した化合物(初めに溶出する異性体)(125mg
)を、p-トルエンスルホン酸一水和物(4.2mg)のトルエン(1.5mL)還流溶液
中に加えた。6時間後、メタンスルホン酸(7.5μL)を反応混合物に加えた。さ
ら
に1時間後、反応混合物を室温まで冷却した。得られた混合物をアセトニトリル
で希釈し、HPLCでアッセイすると、その場で表題化合物の収率は 71.1%で
あることが示された。
実施例12
6-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-[4-(2-ピペリジノエトキシ)-ベンゾ
イル]ベンゾ[b]チオフェン塩酸塩
1,2-ジクロロエタン溶媒和物
A.エチル4-(2-ピペリジノエトキシ)ベンゾエートの製造
エチル 4-ヒドロキシベンゾエート(8.31g)、1-(2-クロロエチル)ピペリジン
一塩酸塩(10.13g)、炭酸カリウム(16.59g)、およびメチルエチルケトン(60
mL)からなる混合物を 80℃に加熱した。1時間後、混合物を約 55℃に冷却し、
追加の 1-(2-クロロエチル)-ピペリジン一塩酸塩(0.92g)で処理した。得られ
た混合物を 80℃に加熱した。反応物をシリカゲル板および酢酸エチル/アセト
ニトリル/トリエチルアミン(10:6:1、v/v)を用いて、薄層クロマトグラフ
ィー(TLC)によりモニターした。出発原料の 4-ヒドロキシベンゾエートエ
ステルが消費されるまで、追加の 1-(2-クロロエチル)ピペリジン塩酸塩を加え
た。反応完了時に、反応混合物を水(60mL)で処理し、室温まで冷却した。水層
を廃棄し、有機層を真空で 40℃、40mmHg で濃縮した。得られた油状物をさらに
精製することなく次の段階で使用した。
B.4-(2-ピペリジノエトキシ)安息香酸塩酸塩の製造
実施例12Aで記載したように製造した化合物(約 13.87g)のメタノール(30m
L)溶液を、5N水酸化ナトリウム(15mL)で処理し、40℃に加熱した。4 1/2 時
間後、水(40mL)を加えた。得られた混合物を 5-10℃まで冷却し、濃塩酸(18m
L)をゆっくりと加え得る。表題化合物が酸性化する間に結晶化した。この結晶
生成物を濾過して集め、40-50℃にて真空で乾燥すると表題化合物が 83%の収率
で得られた。融点 270-271℃。
C.4-(2-ピペリジノエトキシ)ベンゾイルクロリド塩酸塩の製造
実施例12Bで記載したように製造した化合物(30.01g)およびジメチルホルム
アミド(2mL)の塩化メチレン(500mL)溶液を 30-35分間、塩化オキサリル(10
.05mL)で処理した。約 1 8時間撹拌後、反応物をHPLC解析により反応完了
についてアッセイした。もし、出発原料のカルボン酸が存在すれば、追加の塩化
オキサリルを反応物に加えた。完了時に、反応溶液を留去し、真空乾燥した。残
査を塩化メチレン(200mL)に溶解し、得られた溶液を留去し乾燥した。この溶
解/留去の方法を繰り返すと、固体状の表題化合物が得られた。
D.6-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-[4-(2-ピペリジノエトキシ)ベ
ンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン塩酸塩の製造
1,2-ジクロロエタン溶媒和物
実施例8または9で記載したように製造した化合物(2.92g)、実施例12Cで
記載したように製造した化合物(3.45g)および 1,2-ジクロロエタン(52mL)か
らなる混合物を約 0℃に冷却した。三塩化ホウ素ガスを冷メートルシリンダー(
2.8mL)中に圧縮し、上記の冷混合物に加えた。0℃で 8 時間後、反応混合物を
追加の三塩化ホウ素(2.8mL)で処理した。得られた溶液を 35℃に加熱した。16
時間後、反応は完了した。
メタノール(30mL)を 20 分間、メタノールを還流させながら、上記の反応混
合物で処理した。得られたスラリーを 25℃で撹拌した。1時間後、結晶生成物
を濾過し、冷メタノール(8mL)で洗浄し、真空下で 40℃で乾燥させると表題化
合物が 5.14g 得られた。融点225℃。
力価(HPLC):86.8%
1,2-ジクロロエタン(ガスクロマトグラフィー):6.5%
実施例13
6-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン
p-トルエンスルホン酸一水和物(1.05g)のトルエン(20mL)溶液を加熱還流
し、水をディーン−スタ−クトラップ中に回収することにより除去した。実施例
7で記載したように製造した位置異性体化合物(780mg)のトルエン(9mL)溶液
を 10 分間かけて、還流酸性溶液に加えた。1時間後、反応溶液をエタノール(
10mL)で処理し、得られた混合物を室温まで冷却させた。得られたスラリーを室
温で撹拌した。約 18 時間後、混合物を濾過すると表題化合物が 149mg 得られ
た。融点 199-200℃。
元素分析C16H14O2Sの計算値:C,71.09;H,5.22。実測値:C,71.05
;H,5.22。
実施例14
EおよびZ-4,4'-ジメトキシスチルベニルエチルジスルフィド
実施例4で記載したように製造した位置異性体化合物(1.83g)のトルエン(5
4mL)溶液をエタンチオール(0.433mL)およびトリエチルアミン(0.715mL)で
処理した。室温で約 2.5 時間後、反応溶液を留去し、真空乾燥すると位置異性
体の混合物が得られた。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(9:1)で溶出しながら
、シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製すると、表題化合物のE/Z位置
異性体の 5.7:1 混合物が得られた。
元素分析C18H20O2S2の計算値:C,65.03;H,6.06。実測値:C,65.32
;H,6.28。
E異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.35(d,2H)、7.19(s,1H)、7.05(d,2H)、6.7
2(d,2H)、6.54(d,2H)、3.21(s,3H)、3.14(s,3H)、2.39(q,2H)、1.09(t,3H
)。13
C NMR(d6-ベンゼン):δ160.09、159.16、135.95、131.71、130.61、1
30.16、129.48、126.88、114.54、113.99、54.64、54.61、32.29、14.33。
Z異性体:1
H NMR(d6-ベンゼン):δ7.67(d,2H)、7.58(d,2H)、6.90(s,1H)、6.8
3(d,2H)、6.80(d,2H)、3.30(s,3H)、3.28(s,3H)、2.26(q,2H)、0.94(t,3H
)。13
C NMR(d6-ベンゼン):δ159.98、159.53、137.58、134.03、132.79、1
31.69、130.45、113.91、113.87、54.79、54.73、32.61、14.25。
実施例15
6-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン
p-トルエンスルホン酸一水和物(1.21g)のトルエン(20mL)溶液を加熱還流
し、水をディーン−スタ−クトラップ中に回収することにより除去した。実施例
14で記載したように製造した位置異性体化合物(685mg、5.7:1位置異性体混合
物)のトルエン(9mL)溶液を 1.8 時間かけて、還流酸性溶液に加えた。混合物
の一部をHPLCで解析すると、表題化合物のその場の収率は 23.2%であるこ
とが示された。
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