【発明の詳細な説明】
トロンビン阻害剤類
発明の背景
発明の分野
本発明は、トロンビン活性の阻害剤である新規化合物、それらの薬学的に許容
される塩およびその薬学的組成物に関する。該化合物は、動脈及び静脈の血栓性
閉塞性疾患、炎症、癌および神経変性疾患の治療に有用である。
関連技術
セリンプロテアーゼであるトロンビンは、止血および血栓症において中心的な
役割を占めている(Tapparelli et al.,Trends in Pharmacological Sciences
14:366-376(1993);Lefkovits and Topol, Circulation 90(3):1522
-1536(1994);Harker,Blood Coagulation and Fibrinolysis 5(Suppl 1):S47-S5
8(1994))。内因性機序(接触活性)、または外因性機序(非内皮細胞性表面に
対する血漿の暴露や血管壁の損傷に対する血漿の暴露による活性化、もしくは組
織因子の放出による活性化)による、凝固系カスケードの活性化は、トロンビン
一点に集中する一連の生化学的な結果を引き起こす。トロンビンは、フィブリノ
ーゲンを開裂し、最終的には、止血性血栓(クロット形成)を導き、細胞表面の
トロンビン受容体のユニークな蛋白分解的開裂を経て、血小板を強力に活性化し
(Coughlin,Seminars in Hematology 31(4):270-277(1994))、フィードバック
機構により、それ自身の産生を自動的に増幅する。
多因子的タンパク質として、トロンビンは、血小板、内皮細胞、平滑筋細胞、
白血球、心臓、神経において多くの作用を誘導する(Tapparelli et al.,Trend
s in Pharmacological Sciences 14:366-376(1993);Church and Hoffman,Trends
in Cardiovascular Medicine 4(3):140-146(1993))。血小板の活性化は、形態
変化および凝集並びに血管作動性物質およびリソソーム酵素の産生、放出および
分泌を誘導する。内皮細胞の活性化が、血管透過性の増加および単球接着の増加
を
招く刺激物質の分泌を引き起こし、その一つの結果として、トロンビン産生部位
における白血球の血管外遊走が生じる。トロンビンは、繊維芽細胞と血管平滑筋
細胞の増殖を誘導しており、このことは、血管損傷に続く病変の進展において、
トロンビンが重要な役割を担っていることを示唆している。トロンビン感受性を
示す心筋細胞においては、増強された反射と再分極の延長が観察されている。ま
た、正常な神経の発達も、トロンビンにより影響され得ることが示されている。
従って、トロンビン機能の阻害剤は、心血管系および非心血管系疾患(即ち、心
筋梗塞;不安定狭心症;脳卒中;再狭窄;深部静脈血栓;外傷、敗血症または腫
瘍転移に起因して拡大した血管内凝固;血液透析;心肺バイパス手術;成人呼吸
障害症候群;エンドトキシンショック;慢性関節リュウマチ;潰瘍性大腸炎;硬
化;転移;化学療法中の凝固性亢進;アルツハイマー病;ダウン症候群を含む)
の罹患者における治療の可能性を有している。
今日までに、ただ3種類の化合物、即ち、ヘパリン類、低分子量ヘパリン類お
よびワルファリン等のクマリン類のみが、抗凝固治療において使用されている。
それぞれの種類には、厳しい制限と欠点がある(Weitz and Hirsh,Journal of
Laboratory Clinical Medicine 122:364-373(1993); Raj et al.,The American
Journal of the Medical Sciences 307(2):128(1994))。この3種類の化合物
は、全て、間接的にトロンビンを阻害する。ヘパリンおよび低分子量ヘパリン類
は、アンチトロンビンIIIおよび/またはヘパリン副因子IIと結合して、トロン
ビンを阻害する。これに対して、クマリンは、ビタミンK依存性の翻訳後修飾を
阻害する。患者の血液凝固能の変動に起因して、これらの薬剤を使用するときに
は、緻密なモニタリングと治療量の力価の測定が要求される。出血することによ
る出血性の合併症は、偶発的な副作用である。実際に、出血は、長期経口抗凝固
治療の最もよくある副作用として未だに取り残されている。ヘパリンの場合、動
脈性血栓における活性の不足は、トロンビンの結合によるクロット形成(clot bo
und)を抑制する能力がないことによる。ヘパリン類および低分子量ヘパリン類の
場合、経口活性が不足しているものは、長期間の投与にはそれらを使用しない。
近年、多様な種類の化学構造を持つ直接的トロンビン阻害剤が、同定されてい
る (Tapparelli et al.,Trends in Pharmacological Sciences 14:366-
376(1993);Claeson, Blood Coagulation and Fibrinolysis 5:411-436
(1994);Lefkovits and Topol,Circulation 90(3):1522-1536(1994))。トロンビ
ンの活性部位を阻害することにより作用する代表的な化合物には、α−クロロケ
トンであるD−フェニルアラニル−L−プロリル−L−アルギニルクロロメチル
ケトン(PPAC)、ブロアルギニンであるDUP714、ペプチドであるアル
ギナル(peptide arginyl)GYK114766、シクロペプチドであるシクロ
セオナミドAおよびB(cyclotheonamideA,B)、ベンザミジンであるNAPAP
、アリルスルホニルアルギニンであるアルガトロバンが含まれる。その上、トロ
ンビン阻害性ペプチドのヒルジンおよびヒルログは、トロンビンの活性ドメイン
とエクソサイトドメイン(exosite domains)とに及ぶ。ペプチドであるヒルジン
と一重鎖DNAアプタマーズ(aptamers)は、エクソサイト領域(exosite occupa
ncy)を通してトロンビンを阻害する。
直接的トロンビン阻害剤についての実験に基づく研究は、多様な動物モデルに
おける有効な抗トロンビン作用を示している(Lefkovits and Topol,Circulatio
n 90(3):1522-1536(1994))。直接的トロンビン阻害剤は、血栓溶解において重
要な補助的役割を担っており、冠動脈治療の分野において有益な役割を提供して
いる。急性心筋梗塞の治療のため、不安定狭心症の治療のため、および診断的な
冠動脈血管造影を受ける患者のための、直接的トロンビン阻害剤についての臨床
的研究は、有望な結果を提供している。それにも関わらず、これらの種類の抗ト
ロンビン剤は、未だに以下の欠点の1以上を持つ傾向がある:(1)これらの薬
剤は、ペプチド特性またはオリゴヌクレオチド特性に起因して経口での生物学的
利用能が乏しいこと;(2)出血性合併症の可能性;(3)他のセリンプロテア
ーゼと比較したトロンビン選択性の欠乏(これは、動物モデルにおいて、時々致
死性の低血圧および呼吸機能低下を導く);(4)肝毒性;(5)経済的効果。
有効な選択的トロンビン阻害剤であり、現在入手可能な直接的トロンビン阻害
剤よりも強力な生物学的利用能を有し、副作用もほとんどない選択的トロンビン
阻害剤である非ペプチド化合物に対する必要性が継続して存在する。
米国特許第5,248,673号(1993年9月28日に発行)は、トロン
ビン阻害剤としてのビスアミジン誘導体類を開示している。この特許は、これら
の化合物類が、血栓、虚血、脳卒中の治療に使用出来ることを開示している。
PCT国際出願公開番号 WO 93/15756(1993年8月19日公開
)は、トロンビン阻害活性を示すペプチドアルデヒド類似体を開示している。
PCT国際出願公開番号 WO 94/20526(1994年9月15日公開
)は、C−末端ボロン酸基を有するペプチド誘導体類を開示している。この出願
公開は、これらのプロテアーセ阻害活性を開示している。
ネルソン等(Nelson et.al.,NIDA Res.Monogr.69:204.230(1986))は、オピオ
イドペプチドの類似体であるモルフィセプチン(morphiceptin)、並びにそのμ−
受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニストとしての試験を開示している。
ペプチド類似本であるL−チロシル−N−[2−4(ニトロフェニル)エチル]
−L−プロリナミドが開示されている。
バジュズ(Bajusz,Symp.Biol.Hung.25:277.298(1984))は、トロンビン、プラス
ミン、カリクレインおよびトリプシンのようなトリプシン様酵素のペプチド阻害
剤の構造および阻害特性を概説している。該化合物D−フェニルアラニル−N−
[2−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]フェニル]エチル−L−プロリ
ナミドが開示されている。
発明の概要
本発明は、式I(以下に記す)の構造を有する新規物に関する。また式Iの化合
物の製造方法も提供される。本発明の新規化合物は、直接トロンビンを阻害する
ことを介する抗トロンビン活性を提示し、また、本発明の新規化合物は、抗トロ
ンビン活性を有する化合物類を形成するために有用な中間物でもある。また、哺
乳類における虚血、脳卒中、再狭窄または炎症の治療方法を提供することであっ
て、式Iの化合物の有効量を哺乳類に投与することを具備する治療を必要とする
哺乳類の虚血、脳卒中、再狭窄または炎症の治療方法を提供することである。さ
らに、式Iの化合物および1以上の薬学的に許容され得る担体若しくは希釈剤を
含んでなる薬学的組成物を提供する。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩に関する:
ここで、R1は、水素、−SO2R8、−CONHR8または−CO2R8のう
ちの一つであり、R8は、水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リル基若しくはアリルアルキル基であり;
R2は、水素または−NR6R7のどちらかであり;
R3およびR4は、独立して、水素、水酸基、−NR6R7、アルキル基、ア
リル基、アリルアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、アミ
ノアルキル基またはヒドロキシアルキル基のうちの一つであり;
R5、R6およびR7は、独立して、水素、アルキル基、アリル基またはア
リルアルキル基のうちの一つであり;
nは2から6であり;
mは1から6である。
本発明の式I化合物の好ましいものは;
R1は、水素または−CO2−R8のどちらかであり、R8は、上記に示した
通り、好ましくはベンジルであり;R2は、水素または、−NR6R7であり、R6
およびR7は、上記に示した通り、および好ましくは独立した水素またはC1-6ア
ルキルであり;R3およびR4は、独立して水素、水酸基、C1-6アルキルまたは
C1-6アルコキシであり;R5は水素であり;nは2から6であり、更に好ましく
は2から5であり、より更に好ましくは2、3または4であり、最も好ましくは
3であり;mは1から6であり、好ましくは1から4であり、最も好ましくは1
から2である。
式I化合物のより好ましいものは;
R1が、水素または−CO2−ベンジルのどちらか一つであり;R2は、水
酸基、−NH2−または−N(CH3)2であり;R3およびR4は、独立して、水
素、水酸基またはメトキシであり;R5は水素;nは3;mは1または2である
。
最も好ましい化合物には以下のものが含まれる;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−
メトキシベンジル)]−L−プロリナミド;
D−フェニルアラニル−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベン
ジル)]−L−プロリナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2(4−ジメチルアミノベン
ジル)]−L−プロリナミド;
D−フェニルアラニル−N−[2(4−ジメチルアミノベンジル)]−L
−プロリナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(3,4−ジヒドロキシ
フェネチル)]−L−プロリナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−ヒドロキシフェネ
チル)]−L−ブロリナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−アミノベンジル)
]−L−プロリナミド;
D−フェニルアラニル−N−[2(4−アミノベンジル)]−L−プロリ
ナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−アミノフェニルエ
チル)]−L−プロリナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(3,5−ジメトキシ−
4−ヒドロキシフェネチル)]−L−プロリナミド;
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2(3−メトキシ−4−ヒド
ロキシフェネチル)]−L−プロリナミドである。
本発明は、立体異性体および光学異性体(例えば、個々のエナンチオマーおよ
びジアステレオマーは勿論のこと、エナンチオマーの混合物も)を含むのものと
理解されるべきであり、これらは、本発明の一連の選択された化合物における構
造的不斉の結果としておこる。
医薬品として使用するために、薬学的に許容される酸付加塩(それらの塩にお
いて、アニオンは、毒性または有機カチオンの薬理学的活性に寄与しない)が好
ましい。該酸付加塩類は、式Iの有機塩基を、好ましくは有機酸若しくは無機酸
と接触せて反応させることによって、または、当該技術の如何なる実行者でも入
手可能な文献中に詳述された、如何なる標準的な方法によっても得られる。有用
な有機酸の例は、マレイン酸、酢酸、酒石酸、プロピオン酸、フマル酸、イセチ
オン酸、琥珀酸、パモ酸、シクラミン酸、ピバル酸等のようなカルボキシル基を
持つ酸であり;有用な無機酸の例は、HCl、HBr、HIのようなハロゲン化
水素である酸;硫酸;リン酸等が挙げられる。
本明細書で使用される「アルキル」の語は、12までの炭素基部、好ましくは
1から8の炭素(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基
、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘ
プチル基、4,4−ジエチルペンチル基、オクチル基、2,2,4−トリメチル
ペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基およびその多様な
分岐鎖異性体等)の直鎖および分岐鎖の両方を含む。
本明細書中で、それ自身または他の基の1部分として使用される「アリル」の
語は、フェニル、ナフチル若しくはテトラヒドロナフチルのような、環構造部分
において6から12の炭素を、好ましくは環構造部分において10の炭素を含む
モノサイクリックまたはバイサイクリック芳香族基を言う。
本明細書中で、それ自身または他の基の1部分として使用される「アラルキル
」もしくは「アリルアルキル」の語は、前述されたベンジル基、フェネチル若し
くは2−ナフチルメチル基のようなアリル置換を有するC1-6アルキル基を言う
。
「アルコキシ」または「アラルコキシ」の語は、酸素原子と結合させた上記の
アルキル若しくはアラルキシ基を含む。
本明細書において、それ自身または他の基の1部分として使用される「ハロゲ
ン」または「ハロ」の語は、塩素、臭素、フッ素若しくは沃素を言い、塩素が好
ましい。
本明細書において、それ自身または他の基の1部分として使用される「アルケ
ニル」の語は、炭素鎖それ自身または他の基の一部分として16までの炭素、好
ましくは2から10の炭素を持ち、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
2−ペンテニル、4−ペンテニル等のような1つの二重結合を含む炭素鎖であり
、I、ClまたはFのようなハロゲン置換基を含んでいてもよい。
本明細書において、それ自身または他の基の1部分として使用される「アルキ
ニル」の語は、16までの炭素、好ましくは2から10の炭素のであり、2−プ
ロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル等のような3重結合を含む炭素鎖を含む
。
ここで使用される「ハロアルキル」の語は、1以上のフッ素、塩素、臭素、沃
素原子により置換された上記のアルキル基(例えば、フルオロメチル、ジフルオ
ロメチル、トリフルオロメチルおよびクロロメチル)の如何なるものにも該当す
る。
ここで使用される「アミノアルキル」の語は、−NH2により置換された上記
のアルキル基の如何なるものにも該当する。
ここで使用される「ヒドロキシアルキル」の語は、1以上の水酸基部分により
置換された上記のアルキル基の如何なるものにも該当する。
ここで使用される「BOP」の語は、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシト
リス(ジメチラミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(カストロ試薬
:Castro's reagent)に該当する。
ここで使用される「CBZ」は、アミノ−保護基ベンジロキシカルボニルに該
当する。
「Phe」の語は、アミノ酸のフェニルアラニンに該当する。
「Pro」の語は、アミノ酸のプロリンに該当する。
アミノ酸であるPheおよびProは、天然にタンパク質中に存在するL−ア
ミノ酸または対応するエナンチオマーであるD−アミノ酸から選択され得るα−
アミノ酸である。
本発明の化合物は、スキーム1および2に該略された一般的な方法によって製
造されてよい。
ここでR2、R3、R4、nおよびmは、上記に明示した通りである。
本発明の化合物の合成に使用されたジペプチドである出発物質(1)は、アミ
ノ基を保護したフィニルアラニンをプロリンと縮合する固層法または溶液法を用
いて得ることができる。アゼチジンカルボン酸(azetidinecarboxylic acid)およ
びピペコール酸(pipecolic acid)のような他のサイクリックアミノ酸をプロリン
の代わりにし、各々、mが3および5の本発明の化合物を形成することができる
。これらの環状アミノ酸は、市販され入手することが可能である。出発物質(1
)を形成するための有用なアミノ保護基は、ベンジロキシカルボニル(CBZ)
またはt−ブトキシカルボニル(BOC)が含まれる。
ジペプチド(1)は、周知のペプチドカップリンク方法を用いて、適切に置換
されたフェニルアルキルアミンとカップリングされる。該カップリングステップ
のための試薬は、最も好ましくはカストロ試薬(Castro's reagent:BOP)/ジ
イソプロピルエチルアミン、またはその代わりにはヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(hydroxybenzotriazole:HOBT)、ヒドロキシスクシニミド(hydroxysucci
nimide)、1,3−ジシクロカルボジイミド(DCC)、カルボニルジイミダゾー
ル(CDI)、イソブチルクロロホルメイト/NEt3(isobutylchloroformate/N
et3)若しくはジフェニルホスホリルアザイド(DPPA)/Net3である。カップリ
ングされた生成物は、通常の製造の後の主要生成
物である。
アミノ保護基は、スキーム2に示したように、続くステープにおいて除去する
ことが可能である。従って、R1が水素である化合物は、3の水素付加によって
製造される。水素付加は、例えは、Pd/C触媒を使用した標準的な条件下で達
成されてよい。
ここでR2、R3、R4、nおよびmは上記で明記した通り。
R1が−SO2−R8である化合物は、D−Phe−Proのような非保護ジペ
プチドを適切なスルホニルクロリドと、標準的な条件下において処理することに
より形成して、N−スルホニル化誘導体を提供してよい。それから、該N−スル
ホニル化誘導体は、スキーム1における(1)の代わりに使用してよい。
本発明の化合物は、ティッシュプラスミノーゲンアクチベーター(tissue plas
minogen actibator)、ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼのような血栓溶解
剤と組み合わせて使用してもよい。更に、本発明の該化合物は、フィブリノーゲ
ン拮抗薬およびトロンボキサン受容体拮抗薬のような他の抗トロンビン薬または
抗凝固薬と組み合わせて使用してもよいが、これらに限られるものではない。
本発明の化合物は、単回投与量約0.1から約500mg/体重kg、好まし
くは0.1から10mg/体重kgの範囲内での有効量を、一日当たりの投与量
を1回でまたは2から4回に分割する方法で投与がなされてよい。
本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物の有益な効果が生じ得る如何なる動
物にも投与することができる。本発明をそのように限定するつもりはないが、先
ず第一に、そのような動物はヒトである。
本発明の薬学的組成物は、それらの意図した目的を達成するような如何なる手
段によっても投与されることができる。例えは、非経口的、皮下、静脈内、筋肉
内、腹腔内、経皮的、口腔内、眼科的経路による投与が可能である。その代わり
に、または同時に、経口経路による投与も可能である。1度に投与される量は、
投与されるものの年齢、健康状態および体重、同時に施される治療の種類(もし
あるならば)、治療頻度、および要求される効果の種類に依存するであろう。
薬理学的活性化合物に加えて、新しい製薬方法は、該活性化合物を薬学的に使
用可能な製剤にする製造過程を容易にする賦形剤および補助剤を具備する適切な
薬学的に許容される担体を含有することが可能である。本発明の薬学的製剤は、
それ自身公知の、例えは、慣習的な混合、顆粒化、糖衣形成、溶解または凍結乾
燥工程の手段による方法で製造される。このように、経口的使用のための薬学的
製剤は、活性化合物と固体賦形剤を組み合わせることとにより、もし所望するか
または必要であるならば、錠剤もしくは糖衣錠のコアを得るために、適切な補助
剤を添加した後に、随意に生じた混合物を粉砕することと、顆粒を混合する工程
により得ることが可能である。
適切な賦形剤は、特に、糖類(例えば、乳糖、サッカロース、マンニトール、
ソルビトール等)、セルロース合剤、および/またはリン酸カルシウム(例えば
、リン酸三カルシウム若しくはリン酸水素カルシウム等)のような充填剤、並び
にデンプンペースト(starch paste)のような結合剤(例えば、コーンスターチ、
小麦スターチ、米スターチ、ポテトスターチ、ゼラチン、タラガカントゴム、メ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、および/若しくはポリビニルピロリドン等が使用される)。
もし所望するのであれば、上記で言及したスターチ、更にカルボキシメチルスタ
ーチ、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギニン酸若しくはそ
の塩(例えばアルギニン酸ナトリウム等)などを添加することも可能である。補
助剤は、就中、流動調節剤および潤滑剤は、例えばシリカ、タルク、ステアリン
酸またはその塩(ステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウム等
)、および/またはポリエチレングリコール等である。糖衣錠コアは、所望に応
じて、胃液抵抗性である安定したコーティングによって提供される。この目的の
ために、濃縮した糖類溶液を使用することが可能であり、随意にアラビアゴム、
タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化
チタニウム、ラッカー溶液(lacquer solution)および適切な有機溶媒若しくは溶
媒混合物を含有してもよい。胃液抵抗性のコーティングを施すためには、適切な
セルロース合剤の溶液(リン酸アセチルセルロースまたはリン酸ヒドロキシプロ
ピルメチルセルルース等)を用いる。染料または色素を、例えは、識別のために
、または配合された活性化合物の量を特徴付けるために、錠剤若しくは糖衣錠に
添加することも可能である。
経口剤に使用可能な他の薬学的製剤は、ゼラチンで作られたプッシュフィット
カプセル(push-fit capsules)、並びにゼラチンおよびグリセロール若しくはソ
ルビトールのような可塑剤で作られた軟カプセルであるシールドカプセル(seale
d capsules)を含む。該プッシュフィットカプセルは、乳糖のような充填剤、ス
ターチのような結合剤および/またはタルク若しくはステアリン酸のような潤滑
剤、随意に安定化剤と混合してもよい顆粒の形態で活性化合物を含有することが
可能である。軟カプセルでは、好ましくは活性化合物は、脂肪油若しくは液体パ
ラフィンのような適切な液体に溶解または懸濁する。その上、安定化剤を添加し
てよい。
非経口投与のための適切な処方は、例えば水溶性の塩およびアルカリ溶液のよ
うな水溶解性の形で活性化合物の水性溶液を含む。特に好ましいアルカリ塩は、
例えば、トリス、水酸化コリン、Bis-Trisプロパン、N−メチルグルコアミンま
たはアルギニン等で調製されたアンモニウム塩である。更に、適切な油性注射用
懸濁液として、活性化合物の懸濁液は投与されることも可能である。適切な油脂
親和性溶媒若しくは媒体は、脂肪油(例えばゴマ油)、合成脂肪酸エステル(例
えば、オレイン酸エチル若しくはトリグリセリド若しくはポリエチレングリコー
ル−400(該化合物はPEG-400に溶ける)等)が含まれる。水性注射用懸濁
液は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/若
しくはデキストラン等の該懸濁液の粘度を増加させるような物質を含有させるこ
とができる。任意に、懸濁液には保存剤を含有させてもよい。
以下に実施例は、本発明の方法及び組成を詳説したが、これにより制限される
ものではない。当業者が通常的に遭遇し且つ彼らにとって明白であるような種々
の条件およびパラメーターの他の適切な修飾および調節は、本発明の精神および
範囲に含まれる。
例1
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
シベンジル)−L−プロリナミド(6)
DMF(1.5mL)中のN−カルボキシベンゾリル−D−フェニルアラニン
−プロリン(N−CBZ−D−Phe−Pro、5)(0.20g、0.5mm
ol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェイト(カストロ試薬)(0.23g、0.52m
mol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.5mL、2.87mmol)
の溶液を4−ヒドロキシ−3−ミトキシベンジラミン・HCl(0.098g、
0.51mmol)により室温で1時間処理した。その反応液を飽和NaHCO3
(5mL)で反応を止め、酢酸エチル(15mL)で抽出した。その有機層を
飽和NaHCOC3(2×5ml)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥し、乾燥するまで
蒸留した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10g)により溶出溶媒とし
て酢酸エチルを用いて精製し、蒸留後に0.216g(収率82%)の固体を得
た。1H-NMR(CDCl3;300MHz)δ2.19-2.26(m,2H),2.56(q,2H),3.62(t,2
H),3.87(S,3H),4.17(dd,1H,J=15.5Hz),4,83(d,1H,J=12Hz),5.35(d,
1H,J=6.2Hz),5.53(1H),6.71(S,1H),6.79(s,1H),6.81(d,1H),7.19-7.36(
m,10H)。
例2
D−フェニルアラニン−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)
]−L−プロリナミド(7)
4:1のエタノール/THF(5mL)中のN−CBZ−D−フェニルアラニ
ル−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)]−L−プロリナミ
ド(6)(0.162g、0.3mmol)をカーボン(40mg)上の10%
パラヂウムで処理をし、室温で水素存在下で5時間攪拌した。反応混合物をセラ
イト(Celite:セライトは、Johns-Manville Product Corporation 社の珪藻土に
対する登録商標)パッドで濾過し、メタノールで洗浄した。合わせた濾液を、蒸
留し、高真空下で乾燥し、白色固体を得た(0.122g、収率100%)。1
H-NMR(CDCl3;300MHz)δ3.42-3.49(m,2H),3.73-3.8(m,2H),4.25(dd,1
H),4.40(dd,1H),4.47(dd,1H),6.74(dd,1H,J=1.8,8Hz),6.80(d,1H,J=1.8
Hz),6.83(d,1H),7.0-7.3(m,5H)。質量スペクトル(MALDI-TOF,m/
z)C22H27N3O4についての理論値,402.2(M+Na+)。実測値:419.9。
例3
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−ジメチルアミノベンジル
)]−L−プロリナミド(8)
標題化合物(265mg)は、4−(ジメチルアミノ)ベンジルアミン・2H
Cl(115mg)をカップリングアミンとして用いて、例1と同様な手順を使
用して合成した:1H-NMR(CDCl3; 300MHz)δ 2.56(q,1H),2.84(s,6
H),3.60(t,1H),4.21(dd,1H),4.38(dd,1H),4.51(q,2H),4.63(d,1H),4.89(d
,1H),5.39(d,1H,J=6Hz),6.7(d,2H),7.1(d,2H),and7.2-7.4(m,9H)。
例4
D−フェニルアラニル−N−[2(4−ジメチルアミノベンジル)]−L−プロ
リナミド(9)
標題化合物は、例2に概略された手順を用いて対応するCBZ誘導体(8)(
207mg)から得た(40mg):1H-NMR(CDCl3; 300MHz)δ 2.92(
s,6H),3.45(dt,J=3,9Hz),3.74(dd,1H),J=7,8Hz),4.22(dd,1H,J=6,14
Hz),4.36(dd,1H,J=6,14Hz),4.49(d,1H,2Hz),6.67(d,2h,J=9Hz),7.02-
7.32(m,7H)。質量スペクトル(MALDI−TOF)C23H30N4O2について
の理論値:417.2(M+Na)。実測値:416.8。
例5
N−CBD−フェニルアラニル−L−[2(3,4−ジヘドロキシフェネチル)
]−L−プロリナミド(10)
標題化合物は、例1と同様な手順を使用して、3,4−ジヒドロキシフェネチ
ルアミン・HClをカップリングアミンとして用いて製造した:1H NMR(C
DCl3;300MHz)δ 1.43-1.57(m,3H),2.02-2.17(m,1H),2.47-2.56(m,2H),2
.65-2.71(m,1H),2.88-3.02(m,2H)3.06-3.1 9(m,1H),3.43-3.56(m,2H),4.44-
4.52(m,2H)4.65(d,1H,J=12.2 Hz),4.91(d,1H,J=12.2 Hz),5.81(d,1H,J
=5.4Hz),6.5(d,1H,J=7.6Hz),6.70(s,1H),6.72(d,1H,J=7.8Hz),7.00(s,
1H),7.17-7.28(m,10H)。質量スペクトル(MALDI-TOF)C30H33N3O6
についての理論値:554.6(M+Na)。実測値:554.1。
例6
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−ヒドロキシフェネチル)
]−L−プロリナミド(11)
標題化合物は、例1と同様な手段を使用し、カップリングアミンとして4−ヒ
ドロキシフェネチルアミンを用いて製造した:1H NMR(CDCl3; 300MHz)
δ1.43-1.56(m,3H),2.42-2.50(m,1H),2.61-2.70(m,2H),2.93-3.04(m,2H
),3.22-3.30(m,1H),3,37-3.50(m,3H),4.41-4.51(m,2H),5.00(ABq,2
H,
J=12.3Hz),5.86(d,1H,J=6.2Hz),6.72(d,2H,J=8.0Hz),6.95(d,2H,J=8.
0Hz),6.96-7,00(m,1H),7.02-7.33(m,10H)。質量スペクトル(MALDI-TO
F)理論値:C30H33N3O5:538.6(M+Na)。実測値:539.4。
例7
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−アミノベンジル)−L−
プロリナミド(12)
DMF(2mL)中のN−CBZ−D−Phe−Pro(5)(0.793g
、2.0mmol)、4−アミノベンジルアミン(0.366g、3.0 mmol
)、ジフェニルホスホリルアザイド(0.55g、2.0 mmol)およびトリエ
チルアミノ(0.3g、3.0 mmol)の溶液を0℃で2時間、室温で3時間で
撹拌した。酢酸エチル(150mL)を添加し、有機層を飽和NaHCO3(2
×50mL)と水(2×50mL)で洗浄した。酢酸エチルを無水Na2SO4上
で乾燥し、乾燥するまで蒸留した。その残渣を、溶出液として酢酸エチルを使用
したフラッシュ(flash)シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した:1H-N
MR(CDCl3;300 MHz)δ 1.70(m,4H),2.25(d,1H),2.55(q,1H),2.98(d,2
H),349(s,2H),3.60(t,1H),4.30(m,2H),4.50(d,2H),4.72(d,1H),4.90(d,1
H),5.43(d,1H),6.58(d,2H),6.99(d,2H),7.26(m,10H)。質量スペクトル(M
ALDI-TOF,シナピン酸(sinapinic acid),m/z):C29H32N4O4について
の理論値:523.6(M+Na+)。実測値:523.6。
例8
D−フェニルアラニル−N−[2−(4−アミノベンジル)]−L−プロリナミ
ド(13)
エタノール(15mL)中のN−CBZ−D−フィニルアラニル−N−[2−
(4−アミノベンジル)−L−プロリナミド(12)(0.5g、1.0 mmol
)をカーボン(50mg)上の10%パラジウムで処理し、室温で水素ガス存在
下(風船)で2時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、メタノールで洗
浄した。合わせた濾液を蒸留し、高真空下で蒸留して乾燥し、白色固体を得た(
0.32g、収率90%)。1H-NMR(CD3OD;300 MHz)δ 1.84(m,4H),
2.87(t,2H),3.34(d,2H),3.44(m,1H),3.83(m,1H),4.23(d,2H),6.69(d,2H),
7.00(d,2H),7.25(m,5H)。質量スペクトル(MALDI-TOF,シナピン酸(si
napinic acid,m/z)):C21H26N4O2についての理論値:389.4(M+Na+)。実
測値:389.6。
例9
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(4−アミノフェネチル)]−
L−プロリナミド(14)
標題化合物は、カップリングアミンとして4−アミノフェネチルアミンを用い
て、例7と同様な手段を使用して製造した:1H-NMR(CDCl3;300 MHz
)δ1.28-1.51(m,2H),2.15-2.21(m,1H),2.47-2.55(m,1H),2.57-2.73(m,2H),
2.88-3.00(m,2H),3.23-3.28(m,1H),3.30-3.51(m,3H),4.41(d,1H,J=7Hz),4
.52(dd,1H.J=7 and 15Hz),5.08(ABq,2H,J=12.3Hz),5.45(d,1H,J=7Hz
),6.58(d,2H,J=8Hz),6.90-6.92(m,1H),6.94(d,2H,J=8.3Hz),7.18-7.39(m
,10H)。質量スペクトル(MALDI-TOF)C30H34N4O4についての理論値
:537.5(M+Na)。実測値:537.2。
例10
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(3,5−ジメチロキシ−4−
ヒドロキシフェネチル)]−L−プロリナミド(15)
1.0mLのDMF中のN−CBZ−D−Phe−Pro(5)(250 mg
、0.631 mmol)、3,5−ジメチロキシ−4−ヒドロキシフェネチルアミ
ン塩酸塩(162mg、0.694 mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン(0.329mL、1.89 mmol)の溶液に、ジフェニルホスホリル
アザイド(0.139mL、0.644 mmol)を添加し、その混合物を常温で
攪拌した。1.5時間後、更に0.020mLのジフェニルホスホリルアザイド
を添加した。更に1時間の撹拌をした後、その反応混合物を35mLの1,1,
1−トリクロロエタンと35mLの1NのHClの間で分配した。その水層を2
5mLの酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を白色半固体になるまで蒸留した
。40mLの酢酸エチルに再溶解し、水で(2×25mL)、1MのHCl(2
×mL)および塩水で洗浄した。溶液をNa2SO4上で乾燥し、真空で濃縮する
と白色固体が得られた。エーテルから再結晶化すると、334mg(92%)の
結晶性固体が得られた:1NMR(CDCl3; 300 MHz)δ 1.50-1.74(m,3H),2.
16(m,1H),2.54(m,1H),2.70(m,1H),2.99(m,1H),3.28-3.53(m,3H),3.82
(s,3H),4.43(d,1H,J=6.0Hz),4.50(dd,2H),5.07(dd,2H),5.40(br s,3H),
5.47(d,1H,J=6.5Hz),6.42(s,2H),6.96(br t,1H)and 7.18-7.38(m,10H)。
質量スペクトル(MALDI-TOF)C31H35N3O6についての理論値: 598.3(
M +Na)。実測値: 598.1。
例11
N−CBZ−D−フェニルアラニル−N−[2−(3−メトキシ−4−ヒドロキ
シフェネチル)]−L−プロリナミド(16)
1.0mLのDMF中のN−CBZ−D−Phe−Pro(5)(250 mg
、0.631 mmol)、塩酸4−ヒドロキシ−3−メトキシフェネチルアミン(
141mg、0.694mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン
(0.329mL、1.89 mmol)の溶液に、ジフェニルホスホニルアザイド
(0.139mL、0.644 mmol)を添加し、その混合物を常温で攪拌した
、1.5時間後、0.020mLのジフェニルホスホニルアザイドを添加した。
更に1時間攪拌した後、その反応混合物を35mLの1,1,1−トリクロロエ
タンおよび35mLの1NのHClの間で分配した。その水層を25mLの酢酸
エチルで抽出し、その合わせた有機層を白色固体となるまで蒸留した。メタノー
ルエーテルから再結晶化し、341mg(99%)の標題生成物を白色粉末とし
で得た:1H-NMR(DMSO-d6; 300 MHz)(コンプレックスロータマー(comp
lex rotamer)複合体)δ 1.53-1.78(m,2H),1.88 and 2.16(ロータマー,m,1
H),2.53-2.68(m,2H),2.70-2.97(m,2H),3.08-3.18(m,1H),3.20-3.29(m,1H)
.3.53 and 4.08(ロータマー,m,1H),3.71(8,3H),4.17(t,1H),4.94 and 5.01(
ロータマー,オーバーラッピング dd,2H),6.56(td,1H,J=7.9,1.6Hz),6.67(
d,1H,J=8.0Hz),6.72(br s,1H),7.18-7.35(m,10H),7.47 and 8.34(ロータマ
ー,
br t,1H,J=5.5Hz), 7,83 and 7.88(ロータマー,d, 1H,)8.78(d, 1H,J=10.
5Hz)。質量スペクトル(MALDI-TOF)、C31H35N3O6につての理論値:
568.2(M+Na)。実測値:568.1。
例12
インビトロにおける精製した酵素の阻害
トロンビン、第Xa因子およびプラスミンの触媒作用の阻害剤として作用する
ための、本発明の化合物の能力は、精製したヒト酵素を用いて酵素活性を50%
抑制する濃度を決定することにより評価した。加水分解の当初の速度における5
0%減少を引き起こす添加した阻害剤の濃度を、IC50値として定義した。
全てのアッセイは、試験化合物の、ペプチドであるp−ニトロアニリド基質の
加水分解を阻害する能力を基本にしている。典型的な実験において、適明な基質
は、DMSOで調製し、50mM HEPESおよび130mMNaClをpH
7.5で含有するアッセイバッファーに希釈した。それぞれの基質の最終濃度を
以下に列記した。全ての基質の濃度は、阻害が競合的なものであることを確実に
するために、Km値よりも少なくとも10倍は低くした。試験化合物は、DMS
Oに1mg/mlとして調製し、DMSOによる10倍希釈を更に3回行った希
釈液を用意した。酵素溶液は、アッセイバッファーに以下に列記した濃度で調製
した。
典型的なIC50の決定において、96ウェルプレートのそれぞれのウェルに2
80μLの基質溶液、10μLの阻害剤溶液をピペッティングし、そのプレート
を、モレキュラーデバイス(Molecular Devises)プレートリーダー内で少なく
とも10分間、37℃に定温放置した。20μL分の酵素を添加することにより
、反応を開始し、405nmにおける吸収度の増加を15分間記録した。総基質
の10%未満の加水分解に相当するデータを計算に用いた。阻害剤を含まない試
料における速度(経時的な吸収度の変化率)を、阻害剤を含有した試料の速度で
割った比率を、阻害剤濃度の作用としてプロットした。傾きの逆数は、該酵素の
作用を50%減少させる阻害剤の濃度である。この濃度は、IC50として定義さ
れる。
トロンビン
トロンビン活性は、基質N−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニト
ロアニリド(Bz−Phe−Val−Arg−pNa)(Sigma Chemical Com
pany社,St.Louis,MOから入手)を加水分解する能力として評価した。基質溶
液は、アッセイバッファーに60μM(60μM≪Km=1.2mM)の濃度で
調製した。最終DMSO濃度は0.3%であった。精製したヒトα-トロンビン
は、エンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ,Inc.,(Enzyme Research Labora
tories,Inc.,)社から入手し、アッセイバッファーに1.2μMの濃度で希釈し
た、最終試薬濃度は、[トロンビン]=36nM、[Bz−Phe−Val−A
rg−pNa]=66μM、[阻害剤]=60から0.06μMである。
第Xa因子
第Xa因子活性は、基質Bz-Ile-Glu-Gly-Arg-pNa(Sigma社より入手)を
加水分解する能力として評価した。基質溶液は、26μM(26μM≪Km=1.
3mM)の濃度でアッセイバッファーで調製した。最終DMSO濃度は、0.3
%である。活性化第Xa因子は、エンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ,Inc.
,社より入手し、アッセイバッファーに1.2μMの濃度で希釈した。最終試薬
濃度は、[第Xa因子]=10nM、[Bz-Il-Glu-Gly-Arg-pNa]=26
μM、[阻害剤]=60から0.06μMであった。
プラスミン
プラスミン活性は、基質Tos-Gly-Pro-Lys-pNa(Sigma社より入手)を加水
分解する能力として評価した。基質溶液は、22μM(22μM≪Km=240
μM)の濃度でアッセイバッファーに調製した。最終DMSO濃度は、0.3%
であった。精製ヒトプラスミンは、エンザイム・リサーチ・ラボラトリーズInc
.,社から入手し、アッセイバッファーに1.2μMの濃度に希釈した。最終試薬
濃度は、[プラスミン]=15nM、[Bz-Ile-Glu-Gly-Arg-pNa]=26
μM、[阻害剤]=60から0.06μMであった。
それぞれ化合物13、7および12を用いて得られた結果を表1に記載した。
結果は、本発明の化合物、とりわけ例2、7および8の化合物は、高い選択性
を有した効果的なトロンビン阻害剤である。
以上、本発明について充分に説明したが、本発明の範囲若しくはその如何なる態
様にも影響せずに、条件、処方および他のパラメーターの広く均等な範囲におい
て同様のことを行い得ることが、当業者に理解されるであろう。ここで引用され
た全ての特許と出版物は、それらの全体が、ここでの引用により本明細書に組み
込まれる。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 38/00 ACB A61K 37/02 ABE
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,
MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ソル、リチャード・エム
アメリカ合衆国、ニュージャージー州
08648、ローレンスビル、グレン・アベニ
ュー 324
(72)発明者 イリッグ、カール・アール
アメリカ合衆国、ペンシルバニア州
19460、フェニックスビル、ジョナサン・
ドライブ 25
(72)発明者 ルー、ティアンバオ
アメリカ合衆国、ペンシルバニア州
19341、エクストン、サーリー・ウェイ
45
(72)発明者 スバシンゲー、ナリン・エル
アメリカ合衆国、ペンシルバニア州
19380、ウエスト・チェスター、ロングフ
ォード・ロード 129