JPH11507370A - ウレタン媒介gst特異的分子放出システム - Google Patents

ウレタン媒介gst特異的分子放出システム

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JPH11507370A JP9502035A JP50203597A JPH11507370A JP H11507370 A JPH11507370 A JP H11507370A JP 9502035 A JP9502035 A JP 9502035A JP 50203597 A JP50203597 A JP 50203597A JP H11507370 A JPH11507370 A JP H11507370A
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Abstract

(57)【要約】 以下の式(1)または式(2)の化合物、あるいはそれらのアミド、エステル、または塩は、プロドラッグとして、そしてグルタチオンS-トランスフェラーゼの活性により放出される活性成分を生成するのに有用である: ここで、SXは、S=O、O=S=O、S=NH、HN=S=O、Se=O、O=Se=O、Se=NH、HN=Se=O、S+R3(ここで、R3は、アルキル(炭素数l〜6)もしくはO-C=Oである)、またはHN-C=Oであり;R1およびR2の各Rは、独立して、Hまたは非干渉性の置換基であり;ここで、(conj)は、電子を伝達し得る共役系を表し;nは、0または1であり;YCOは、K-Glu、K-GluGly、Glu、Glu-Gly、JAsp、J-Asp-Gly、AspおよびAsp-Glyからなる群から選択され;AAcは、式1の該化合物の残りの部分とペプチド結合を介して結合したアミノ酸であり;そしてN(Z)は、還元された窒素含有脱離基を表し、そしてLは、電子吸引性脱離基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】 ウレタン媒介GST特異的分子放出システム技術分野 本発明は、有用な要素(entity)を放出し得る化合物に関する(ここで、この 放出は、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)により触媒される)。より 詳細には、本発明は、放出が、ウレタン結合を介する脱離基への電子供与により 媒介されるそのような化合物に関する。背景技術 ウレタン結合を介する電子移動(transit)は、Senter,P.D.ら、J Org Chem (1990)、55:2975により、プロドラッグを構築するために使用されている。こ の研究においては、2つのフェニル部分を架橋するジスルフィドの還元が、ニト ロアニリンまたはマイトマイシンCのいずれかの放出を媒介するために使用され た。ここで、放出された物質のアミノ基は、フェニル部分の1つのジスルフィド に対するパラのウレタン結合の一部であった。この還元は、フェニル部分を介し て電子を放出して、ウレタンを分解する。このことは、放出されたニトロアニリ ンまたはマイトマイシンC、および副生物としてのCO2を提供した。 さらに、Nicolaou、K.C.ら、Angew Chem Int Ed Engl(1991)30:1032は、ダ イネマイシンAアナログの放出を記載する。ここで、ダイネマイシンAアナログ のアミノ基は、f-SO2CH2OC(0)-N部分へのウレタン結合の一部として含まれた。 これらのプロドラッグのいずれのタイプの分子も調製された酵素ではない。 上記を引用しそして参考としたPCT/US1994/11109は、1995年4月13日に、WO95 /09865として公開された。この公開された出願は、グルタチオンS-トランスフ ェラーゼ活性化化合物のセットを記載する。ここで、所望の脱離基の放出は、グ ルタチオンアナログにおける、水素イオンIの、システインのイオウ原子への引 き抜きにより行われた。このグルタチオンアナログの性質は、GSTのどのイソ エンザイムが、脱離基の放出を活性化するのに最も効果的であるかを決定する。 WO95/09865にはまた、ウレタン結合を脱離基内に含むことのために、脱離基が同 様に放出される際にCO2が放出されることが記載されている。 プロドラッグの関連する部分から放出される基への電子の遷移に関与するため の共役X系の使用はまた、Papanastassiou.Z.B.ら、Experientia(1968)24:325 およびTercel、M.ら、J Med Chem(1993)36:2578、ならびに上記のPCT引用文献 に記載されている。 最近は、グルタチオンアナログの性質により与えられた酵素特異性が、ウレタ ン結合に関する電子放出メカニズムとカップリングされて、広範な窒素含有医薬 品についての新しいクラスの効果的なプロドラッグを提供し得ること、および還 元された窒素を含有する任意の部位についての放出メカニズムが分かっている。 さらに、共役系を介して電子を移動させる能力を利用することにより、ウレタン 媒介結合が、使用されて、それ自体は還元窒素をウレタン結合の一部として含有 しない部分を放出し得る。発明の開示 本発明は、必要に応じて共約系へのカップリングを介して、付随するCO2の放 出を有する、ウレタン結合を介する電子遷移により所望の部分を放出し得る新し いクラスのGST-活性化化合物に関する。これらの化合物は、GST調節特性、CO2放 出に関する平衡移動特性、および電子吸引性脱離基の放出への一般的な適用可能 性という利点を有する。ゆえに、本発明の化合物は、プロドラッグとして、なら びに実験試薬として有用である。 従って、1つの局面において、本発明は、以下の式の化合物、あるいはそのア ミド、エステル、または塩に関する。 ここで、 SXは、S=O、O=S=O、S=NH、HN=S=O、Se=O、O=Se=O、Se=NH、HN=Se=O、S+R3(こ こで、R3は、アルキル(炭素数1〜6)もしくはO-C=Oである)、またはHN-C=Oであ り; R1およびR2の各Rは、独立して、Hまたは非干渉性の置換基であり; ここで、(conj)は、電子を伝達し得る共役系を表し; nは、0、または1であり; YCOは、K-Glu、K-Glu-Gly、Glu、Glu-Gly、JAsp、J-Asp-Gly、AspおよびAsp -Glyからなる群から選択され; AAcは、式1の該化合物の残りの部分とペプチド結合を介して結合したアミノ 酸であり;そして N(Z)は、還元された窒素含有脱離基を表す。 本発明はまた、以下の式の化合物に関する。 ここで、SX、Rl、R2、YCO、conj、n、およびAAcは、式1について上記で定義 した通りであり;そして Lは、電子吸引性の脱離基を表す。 他の局面においては、本発明は、式1および2の化合物を合成する方法に関し 、これらの化合物を含む薬学的組成物に関し、そして前後関係(context)におい て式1または2の化合物を投与することにより腫瘍細胞または他の標的を傷害す るかもしくは他の方法で影響を与える方法(ここで、プロドラッグは、標的によ って選択的に開裂され、N(Z)またはL(これは、典型的には、細胞毒性試薬であ る)を放出する)に関する。 さらに他の局面では、本発明は、標的細胞において上昇したレベルを示すGST により開裂しやすい本発明のプロドラッグを選択的に投与することにより、特徴 づけられたGST含量を有する腫瘍細胞または他の標的細胞を、選択的に処置する 方法に関する。発明を実施するための形態 本発明の化合物は、上昇したGST相補体、または所定のプロドラッグに対する 特異性において特有なイソエンザイムを含むGST相補体を有する組織を、選択的 に標的にするために用いられ得るプロドラッグである。YCOおよびAAcの性質に依 存して、これらの化合物は、T、X、およびIクラスのGST酵素により差動的に 活性化される。これらのプロドラッグは、上昇したGST相補体それ自体を有する 細胞に対して選択的であることに加え、GSTグループの特定のイソエンザイムレ ベルを上昇させた標的細胞に対し見事に調和したプロトコルに従って用いられ得 る。 別の用途においては、式1および2の化合物は、式1または2の化合物から放 出された際に検出可能な指示薬基「L」または「N(Z)」を採用することによ り、GST活性についての分析試薬として用いられ得る。このような試薬は、公知 の基質特異性を有するGST濃度の決定に、あるいは式1または2の化合物のグル タチオンアナログ成分を変化させることにより、特定のGSTの特異性を分析する のに好適である。本発明の化合物 本発明の化合物は、式1または2の化合物が適切なGSTで処理された際に脱離 基N(Z)またはLを放出し得る分子系を介して脱離基と結合したグルタチオン またはそのアナログであるトリペプチドを含む。CO2もまた放出される。脱離基 の放出は、「J-脱離」(すなわち、電子密度の低い酸化炭素、硫黄、またはセレ ンに対して炭素I上のプロトンを引き抜くことにより、最終的に脱離基に吸収さ れる電子が放出され、その結果脱離基の放出が起こる)を介して起こる。これは 、以下のように模式的に示され得る: 電子対は、上記のようなJ-脱離を直接介するCO2の遊離を介して、あるいは式 1または2においてnが1である場合には、(conj)によって表される共役系を介 して脱離基へ放出され得る。 置換基R1、およびR2は、置換基N(Z)またはLの放出に直接的な役割を全く 果たさず、そして単に、非干渉性の置換基でなければならない。J-脱離の速度 は、これらのR基の性質によって制御され得る;電子受容置換基または電子供与 置換基を選択することにより脱離速度を加速または減速させ得る。R1およびR2に 適した置換基は、H、置換または非置換のアルキル(炭素数1〜6)、置換または非 置換のアリール(炭素数6〜12)、置換または非置換のアリールアルキル(炭素数7 〜12)、シアノ、ハロゲン(halo)、置換または非置換のアルコキシ(炭素数1〜6) 、置換または非置換のアリールオキシ(炭素数6〜12)、あるいは置換または非置 換のアリールアルキルオキシ(炭素数7〜12)を含む。 アルキル、アリール、およびアリールアルキルは、従来通りの意味を有する; アルキル基は、直鎖、分枝鎖または環状の飽和炭化水素部分(例えば、メチル、t ert-ブチル、シクロヘキシルなど)である。アリール基は、フェニル、ナフチル 、ピリジルなどのような芳香族系を含む。アリールアルキル置換基は、アルキレ ン部分を介して分子の残りの部分と結合したアリール部分を含む。このような基 は、たいてい、ベンジル、フェニルエチル、2-ピリジルエチルなどを含む。 置換形態に適した置換基は、ハロゲン、SR、OR、およびNR2を含み、ここで、R は、Hまたは低級アルキル(炭素数1〜4)である。 任意のR1およびR2に対する好ましい実施態様は、独立して、H、低級アルキル( 炭素数1〜4)およびフェニルである。特に好ましい実施態様においては、R1は、H またはフェニルであり、すべてのR2はHであり、そしてn=0である。しかし、 あらゆる非干渉性の置換基が、R1およびR2として用いられ得る。これらの置換基 は、独立して用いられる。 YCOおよび-AAcの実施態様は、グルタチオン類似トリペプチドの性質を決定す る。好ましい実施態様としては、YCOがK-グルタミン酸であり、AAcが、グリシ ン、フェニルグリシン、J-アラニン、アラニンまたはフェニルアラニンであり、 トリペプチドグルタチオンまたはその近似アナログが得られる。しかし、YCOの 別の実施態様では、J-ASP、Glu、Asp、K-GluGly、J-AspGly,GluGlyおよびAs pGlyを含む。AAcの別の実施態様では、好ましくはグリシン、フェニルグリシン 、J-アラニン、アラニン、および非置換フェニルアラニンと共に:バリン、4- アミノ酪酸、アスパラギン酸、置換フェニルグリシン、ヒスチジン、トリプトフ ァン、チロシン、および置換フェニルアラニンを含む。適切なフェニルアラニン およびフェニルグリシン置換基は、R1およびR2の置換形態について上記に記載し たものである。 Lについての適切な実施態様は、所望でない細胞に対し細胞毒性であり得る薬 剤を生成するものを含む。このような薬剤は、ホスホルアミドマスタード、ホス ホルジアミデートマスタード、化学療法試薬、アドリアマイシンおよびダウノル ビシン、毒素(例えば、リシン毒素またはジフテリア毒素、抗炎症薬剤またはス テロイドベース薬剤など)、および他の代謝モジュレーター(例えば、2,3-ジ-t- ブチル−4−ヒドロキシアニソール)を含む。ホスホルジアミデートマスタード の好ましい形態は、-OP(O)(N(CH2CH2Cl)2)2、-OP(O)(N(CH2CH2Br)2)2、-OP(O)(N HCH2CH2Cl)2および-OP(O)(NHCH2CH2Br)2である。あらゆる生物学的活性部分は、 J-脱離により放出された「L」が用いられ得るような化合物の残りの部物と電 子吸引性結合を提供した。 式Iの化合物の実施態様として、放出された部分N(Z)は、定義によれば、 還元された窒素を含む。さらに、適切な、放出された化合物は、窒素マスタード (例えば、ビス(2-クロロエチル)アミン;ウラシルマスタード(ここで、ビス(2- クロロエチル)アミンは、ウラシル環の五位における置換基である)および一級ま たは二級アミンを含む他のマスタード;ウレタン結合に関与する適切なアミノ基 を有する様々な抗生物質(マイトマイシンC、アクチノマイシンD、およびビンカ アルカロイドビンクリスチンおよびビンブラスチン、ならびに、続いて水素引き 抜きによりDNA不活性化に影響を与え得るベンゼノイドジラジカルを導く反応経 路に従うダイネマイシンアナログ)を含む。 上記のように、電子放出はまた、放出された部分に還元された窒素を含むこと の必要性を避けるためか、または単純に電子の流動を提供するためか、のいずれ かまたはそれらの両方のための共役系によっても媒介され得る。これらの共役系 は、アルキレンベースの直鎖部分(例えば、-CR=CR-、-CR=CR-CR=CR-、-CR=CR-C R=CR-CR=CR-など)であるか、あるいは脂肪族もしくは芳香族の環系(例えば、1 ,3,シクロヘキサジエン(ここでは、環系は、1および4位の結合を介して、化 合物に含まれる)または偶数の炭素への結合を介して含まれるベンゼンもしくは 他の芳香族系)に含まれるかのいずれかであり得る。 式2に示されるように、電子を吸引し得るあらゆる部分を遊離するために、共 役系を利用することができる。例えば、Mulcahy,R.T.ら、J Med Chem(1994)37 :1610による論文において、ホスホルアミデートマスタードの遊離が記載された 。ホスホルアミデートは、メチレン結合を介してパラ−ニトロベンゼン部分と結 合し、そして共役がある細胞の低酸素条件下において還元され、パラ-フェニレ ンモノアミンを残して放出されるホスホルアミデートマスタードOP(O)(N(CH2CH2 Cl)2)2を遊離する。本発明の化合物においては、パラ窒素を介したホスホルアミ デートマスタードの同様の遊離は、芳香環へのウレタン部分を介した電子供与に よりなされ、再度、パラ-フェニレンモノアミンおよびホスホルアミデートマス タードが得られる。 同様に、オルトまたはパラニトロベンゼンとメチレン結合を介して結合した4 級アミンの還元により非常に細胞毒性が高い窒素マスタードであるメクロルエタ ミン(mechlorethamine)(Me-N(CH2CH2Cl)2を生成する公知な方法と類似の方法に より、J-脱離が再び、ウレタン結合を介した電子の供給源として用いられ得、 メクロルエタミンおよびフェニレンモノアミン副生成物を生成し得る。非GSTで 媒介されたオルトニトロベンジルまたはパラニトロベンジルからの低酸素性放出 は、Papanastassiou,Z.B.ら、Experientia(1968)24:325;Tercel,M.ら、J Med Chem (1993)36:2578により記載されている。 本発明の特に好ましい化合物を以下に記載する: K-グルタミル-I-アミノ-J-(2-エチル,N,N-ビス(2’-クロロエチル)カルバ モイル)スルホニル)プロピオニルグリシン; K-グルタミル-I-アミノ-J-(2-エチル,N,N-ビス(2’-クロロエチル)カルバ モイル)スルホニル)プロピオニルフェニルグリシン; K-グルタミル-I-アミノ-J-((2-エチルー(4-ベンシルオキシ(N,N,NI,NI-テ トラキス(2-クロロエチル)ホスホロジアミデート))カルバミド)スルホニル)プロ ピオニルグリシン; K-グルタミル-I-アミノ-J-((2-エチル-(4-ベンシルオキシ(N,N,NI,NI-テト ラキス(2-クロロエチル)ホスホロジアミデート))カルバミド)スルホニル)プロピ オニルフェニルグリシン;およびそれらのジエチルエステル。 さらに、式1または2の化合物が、試薬として意図される場合には、指示剤(i ndicator)分子(例えば、p-ニトロフェノール)が、脱離基として使用され得る 。 本発明の化合物はまた、これらのエステルまたはアミド、あるいはこれらの塩 の形態に調製され得る。エステル、アミドまたは塩は、分子内に存在するカルボ キル基のいずれかあるいは全てを用いて形成される;この理由により、この群に は、モノエステル、ジエステル、そして、適用可能ならば、トリエステルが含ま れる。同様に、モノアミド、ジアミド、あるいは、適用可能ならば、トリアミド が含まれる。 エステルまたはアミドは、アルキル(炭素数1〜6)、アルケニル(炭素数1〜6)ま たはアリールアルキル(炭素数7〜12)であり得る。遊離のカルボキシル基のアル キルエステルは、直鎖および分枝鎖アルキルアルコール(炭素数1〜6)(例えば、 メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール、n-ヘキサノール など)である。適切なアルキル(炭素数1〜6)アミドは、一級直鎖または分枝鎖ア ルキルアミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソ ペンチルアミン、およびイソヘキシルアミン)のアミドである。アルケニルエス テルは同様であるが、少なくとも1つの二重結合を含む。アリールアルキルは、 上記に定義した通りである。アルコールまたはアミンもまた、非干渉性の置換基 (例えば、ハロ、アルコキシ、またはアルキルアミン)を有し得る。そのエステル およびアミドは、式1の化合物のあらゆるアルコールまたはアミノ官能基の適切 な保護を伴った通常の方法を用いて調製される。 本発明の化合物の塩は、遊離のカルボキシル基の塩基性塩を形成する無機また は有機塩基から形成され得、あるいは、遊離のアミノ基の酸付加塩を生成する有 機または無機酸から形成され得る。従って、塩は、無基塩基(例えば、水酸化ナ トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マ グネシウムなど)または有機塩基(トリメチルアミン、ピリジン、ピリミジン、ピ ペリジン、リシン、カフェイン、など)であり得る。酸付加塩は、無機酸(例えば 、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸など)または有機酸(酢酸、プロピオン酸、グ リコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、 ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸など)から形成され得る。クエン酸塩が好ま しい。 式1の化合物の塩は、以下に記載する標準的なプロトコルに従って形成される :約0℃〜約100℃の温度、好ましくは室温で、水のみあるいは水と不活性な水混 和性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノールまたはジオキサン)との混合溶媒 中、適切な塩基または酸による処理。標的薬剤送達のための本発明の化合物の使用 本発明は、GST含量に基づいて、組織に選択的に薬剤を送達する一般的なビヒ クルを提供する。脱離基は、標的組織で放出されると、所望の効果をその標的組 織で選択的に発揮する。細胞毒性に加えて、放出された部分は、他の調節的特徴 を有し得る。例えば、「L」が、2,3-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソールの場 合、この化合物は、マウスにおいてGSTの合成を誘発することが知られている。 「L」が2,3-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソールである式2の化合物の投与は 、この部分を放出して、GSTの付随的な上昇をもたらし得る。放出が起こる標的 細胞は、分子のグルタチオンアナログ部分の性質を操作することにより調節され 得る。腫瘍細胞のGST成分を増強するのに加えて、細胞毒素を含む式1または2 の化合物を提供することが望まれ得る。 上記のようにおよび以下の実施例で実証するように、本発明の様々なプロドラ ッグは、標的腫瘍においてそのレベルが上昇し得るGSTの様々なイソエンザイム に対して選択的である。標的細胞におけるGSTイソエンザイムレベルのプロフィ ールを決定すること、ならびにこのプロフィールとプロドラッグの特異性とを一 致させることにより、腫瘍細胞に対する最大の効果が得られ、そして正常組織に 対する腫瘍細胞の最大の選択性が達成され得る。 式1または2の化合物は、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publ ishing Company、Easton、PA、最新版、に概説されるような通常の処方による薬 学的組成物として投与される。典型的な処方物は、注射、経皮および経粘膜投与 、ならびに経口投与用の処方物を含む。処方物は、意図した方法に依存し、液体 、シロップ、粉末、カプセル、座薬などであり得る。本発明の化合物は、リポソ ーム中、または他の乳化された形態中に含まれ得る。投与および適切な処方物の ためのプロトコルは、当業者に公知の標準的な手順を用いて最適化される。 ホスホルジアミデートマスタードまたは他の毒素と結合した本発明の化合物の 抗腫瘍活性は、腫瘍成長阻害またはB16マウスメラノーマを決定する多くのヒト 腫瘍異種移植を用いて、ならびに特定化合物の効力を決定する生存期間の延長度 を測定して評価され得る。GST イソエンザイム活性のアッセイのための化合物 式1または2の化合物についての別の使用は、アッセイにおける試薬としての 使用である(この場合、部分「N(Z)」「L」は、化合物から放出される際、 容易に検出され得る)。従って、化合物は、好都合に、GST開裂反応の程度をモニ ター(例えば、比色法)するために用いられ得る。従って、GSHまたはGSHアナログ と結合すると無色であるが、GSTにより化合物から放出されると、発色するp-ニ トロフェノールのような指示薬部分は、GST活性をアッセイする改善された方法 を提供する。選択されたGSTイソエンザイムに対してのみ基質となるある種のGSH アナログを含む化合物を用いたGSTイソエンザイム特異的アッセイは、基質特異 性を決定するために用いられ得る。 本発明の化合物の合成 所望の脱離基と結合した上記のグルタチオンまたはそのアナログを含む化合物 は、当該分野で一般的に公知な手順を用いて合成され得る。Sxが、SまたはSeの 酸化形態である場合には、以下に例示するような方法が、本発明の所望の化合物 に適用可能となる改変と組み合わせて使用され得る。 従って、例えば、式1または2の化合物(ここで、SxはS=O、Se=O、O=S=O またはO=Se=Oである)は、弱酸化剤(例えば、ペルオキシドまたはパーアセテー ト)での酸化により、対応する化合物(ここで、S1は、それぞれSまたはSeである) から生成され得る。式1または2の化合物(ここで、SXは、S=NH、Se=NH、O=S =NHまたはO=Se=NHである)は、当該分野で公知の条件下で、式2の適切な前駆 体または部分酸化形態をクロラミンTで処理することにより得られ得る。あるい は、Whitehead、J.K.ら、J Chem Soc(1952)1572〜1574の方法が用いられ得る。Y -COまたはAAcを欠く前駆体化合物は、標準的なペプチドカップリング技術を用い て、ペプチド結合またはAAcアミノ酸を介してY-CO部分を化合物にカップリング することにより、式1または2の化合物に転化され得る。これらの前駆体におい てS*が、還元形態のSまたはSeである場合、これらの化合物は、同様にSまたは Seを酸化形態で含有する化合物へ転化され得る。式1または2の化合物(ここで 、SXは、スルホニウムイオン、すなわちS+である)は、スルフィドをアルキル化 するための適切な条件下で、化合物を、アルカリハロゲン化物を伴う還元された -S-で処理することにより合成され得、あるいは、中間体は、式(1)1または12の 対応する化合物から合成され得る。R3は上記に定義したようにアルキル(炭素数1 〜6)である。この実施態様において、最終的に式1または2の化合物を形成する 反応に好ましいハロゲン化アルキルは、ヨウ化物である。 式1または2の化合物(ここで、SXは、O-C=Oである)は、セリンがシステイン 部分を置換するグルタチオンのアナログジペプチドまたはトリペプチド出発物質 アナログとして用いて得られる。SXがNH-C=Oである場合には、対応するアミド化 反応が、2,3-ジアミノプロピオン酸がシステインを置換するアナログを用いてな される。 好ましい合成法を、以下に例示する。反応スキーム1は、式1の化合物の合成 を示す;例示に用いたこの化合物は、K-Glu-Cys-Gluの酸化された(スルホン) のウレタンマスタードである;しかし、類似の経路は、式1の化合物群のクラス 全般を合成するために用い得る。 下記の例示スキームにおいては、2-ブロモエチルクロロホルメートの、トリエ チルアミン存在下の、ジクロロジエチルアミンとの処理が、ウレタンブロミドを 生じる。グルタチオンの、pH9-10での、この化合物との処理が、グルタチオン結 合体(conjugate)を与え、これを過酸化水素および過酢酸で酸化すると、式1 のスルホンが生じる。 反応スキーム2は、式2の例示的化合物の合成を示す。反応スキーム2に示す ように、2-ブロモエチルクロロホルメートを、トリエタノールアミンおよび塩化 メチレン中で、ヒドロキシメチルバニリンと反応させ、ウレタンブロミドを提供 する。このウレタンブロミドを次に、POCl3およびビス(2-クロロエチル)アミン で処理して、テトラクロロエチルホスホロジアミデートを与え、これを、まずグ ルタチオンまたは関連するグルタチオンアナログと処理し、次に過酢酸で酸化し て、下記のように式2の化合物を与える。 以下の実施例は、本発明の例示を意図しており、その限定を意図したものでは ない。 実施例1 酸化されたK-Glu-Cys-Glyのウレタンマスタード結合体(conjugate) のジエチルエステルの合成 A.2- ブロモエトキシカルボニル[ビス(2-クロロエチル)アミン] 2-ブロモエチルクロロホルメート(5.6mL,50ミリモル)を、ビス(2-クロロエ チル)アミン塩酸塩(9.8g,55ミリモル)の無水ジクロロメタン250mLの撹拌した 懸濁液へと、0-50℃でアルゴン下、2分間かけて添加し、その後28mL(200ミリ モル)のトリエチルアミンを20分間かけて添加した。混合物を5-100℃で3時間 、そして室温で18時間撹拌し、次に吸引濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。 残さを酢酸エチル200mLに溶解し、吸引濾過してトリエチルアミン塩酸塩を除 去した。濾液を、それぞれ100mLの2NHCl、5%NaHCO3、水およびブラインで洗 浄して、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、13gの粗生成物を無 色油状物として得た。これをさらにフラッシュクロマトグラフィー(31-X 3.7cm のシリカゲルのベッド、およびジクロロメタン単独(isocratically)での溶出 )で精製して、12.5g(85%)の表題化合物を無色油状物として得た:Anal.(C7H12 BrC12NO2)C,H,N. B.K-グルタミル-I-アミノ-J-[[2-エトキシカルボニル-ビス(2-クロロエチル)- アミン]-チオ]プロピオニルグリシン グルタチオン(6.14g,20ミリモル)を、水100mLに溶解し、1N NaOHの添加に よってpHを9-10の間に調整した。撹拌したこの溶液に、室温で、パラグラフAで 調製したウレタンブロミド(2.93g,10ミリモル)の1:1エタノール/アセトニト リル100mLの溶液を添加した。得られた無色澄明の溶液を、室温でアルゴン下3 日間撹拌した。混合物のTLCは反応の完了を示した。 この混合物を、10%酢酸でpH5-6まで酸性化させ、有機溶媒の大部分を減圧下 で留去した。水性部分を凍結乾燥させ、HPLC(緩衝液A,0.1%TFA添加1:9 アセトニトリル/水;緩衝液B,0.1%TFA添加9:1アセトニトリル/水);、溶 出は緩衝液B0-100%の勾配で、溶出速度は12mL/分)で精製して、1.7g(3 3%)の表題化合物を白色綿毛状の吸湿性の粉末として得た:mp85-113℃.Anal. (C17H28Cl2N4O8S.TFA.2.5H2O)C,H,N. C.K-グルタミル-I-アミノ-J-[[2-エトキシカルボニル-ビス(2-クロロエチル)- アミン]-スルホニル]プロピオニルグリシ ン パラグラフBの生成物(0.519g,1ミリモル)の氷酢酸10mLの撹拌した溶液に、 室温で、30%H2O2(0.39mL,2ミリモル)を添加した。反応フラスコをアルミホイ ルで覆って遮光し、混合物を室温で4時間撹拌した。マススペクトルは、スルホ キシドへの完全な変換を示した。0.26mL(1.25ミリモル)の32%過酢酸(酢酸溶 液)を混合物に添加し、これを室温でさらに4時間撹拌したところ、混合物のマ ススペクトル分析は、表題化合物の形成を示した。混合物を凍結乾燥させ、HP LCで精製して、0.44g(80%)の生成物を吸湿性の白色綿毛状の粉末として得 た:mp 82-93℃.Anal.(C17H28Cl2N4O10S.TFA.2H2O)C,H,N. D.K-グルタミル-I-アミノ-J-[[2-エトキシカルボニルービス(2-クロロエチル) -アミン]-スルホニル]プロピオニルグリシンジエチルジエステル 還流コンデンサを備えた100mL反応フラスコ中での、パラグラフCの生成物(0 .39g,0.7ミリモル)の無水エタノール28mLの撹拌した懸濁液に、アルゴン下室温 でチオニルクロリド(1.1mL,15ミリモル)を、コンデンサ頭部から添加した。得 られた無色澄明の溶液を、穏やかに還流する温度で2.5時間撹拌した。マススペ クトルは、ジエチルジエステルの形成を示した。混合物を減圧下で濃縮し、ガム 状の残さをHPLCで精製して、0.17g(40%)の表題化合物を吸湿性の白色綿 毛状の粉末として得た:mp 54-60℃.Anal.(C21H36Cl2N4O10S.HCl)C,H,N.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライトル,マシュー エイチ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94956, ポイントレイズステーション,ピー.オ ー.ボックス 1116 (72)発明者 サトヤム,アパラオ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94536, フリーモント,ケード ドライブ 3545

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の式の化合物、あるいはそのアミド、エステル、または塩: ここで、 SXは、S=O、O=S=O、S=NH、HN=S=O、Se=O、O=Se=O、Se=NH、HN=Se=O、S+R3(こ こで、R3は、アルキル(炭素数1〜6)もしくはO-C=Oである)、またはHN-C=Oであ り; R1およびR2の各Rは、独立して、Hまたは非干渉性の置換基であり; ここで、(conj)は、電子を伝達し得る共役系を表し; nは、0または1であり; YCOは、K-Glu、K-Glu-Gly、Glu、Glu-Gly、JAsp、J-Asp-Gly、AspおよびAsp -Glyからなる群から選択され; AAcは、式1の該化合物の残りの部分とペプチド結合を介して結合したアミノ 酸であり;そして N(Z)は、還元された窒素含有脱離基を表す。 2.請求項1に記載の化合物であって、ここで、nは0であり、そして/また は ここで、YCOは、K-Gluであり;そして/または ここで、R1およびR2のすべては、Hであり;そして/または ここで、SXは、O=S=Oであり;そして/または ここで、AAcは、グリシン、フェニルグリシン、J-アラニン、アラニンおよび フェニルアラニンからなる群から選択され;そして/または ここで、N(Z)は、ビス(2-クロロエチル)アミン、ウラシルマスタード、マ イトマイシンC、アクチノマイシンC、ビンクリスチン、ビンブラスチン、およ びダイネマイシンAからなる群から選択される。 3.以下の式の化合物、あるいはそのアミド、エステル、または塩: ここで、 SXは、S=O、O=S=O、S=NH、HN=S=O、Se=O、O=Se=O、Se=NH、HN=Se=O、S+R3(こ こで、R3は、アルキル(炭素数1〜6)もしくはO-C=Oである)、またはHN-C=Oであ り; R1およびR2の各Rは、独立して、Hまたは非干渉性の置換基であり; ここで、(conj)は、電子を伝達し得る共役系を表し; nは、0または1であり; YCOは、K-Glu、K-Glu-Gly、Glu、Glu-Gly、JAsp、J-Asp-Gly、AspおよびAsp-G lyからなる群から選択され; AAcは、式1の該化合物の残りの部分とペプチド結合を介して結合したアミノ 酸であり;そして Lは、電子吸引性の脱離基を表す。 4.請求項3に記載の化合物であって、ここで、nは、0であり;そして/ま たは ここで、Y-COが、K-Gluであり;そして/または ここで、R1およびR2のすべてが、Hであり;そして/または ここで、SXが、O=S=Oであり;そして/または ここで、AAcが、グリシン、フェニルグリシン、J-アラニン、アラニン、およ びフェニルアラニンからなる群から選択され;そして/または ここで、(conj)は、パラ-フェニレンであり;そして/または ここで、Lは、ホスホロアミドマスタード、ホスホロアミデートマスタード、 アドリアマイシンまたはダウノルビシンである。 5.薬物送達のための薬学的組成物であって、該組成物は、薬学的に受容可能 な賦形剤を有する混合物中に、活性成分として請求項1に記載の化合物を含む、 組成物。 6.薬物送達のための薬学的組成物であって、該組成物は、薬学的に受容可能 な賦形剤を有する混合物中に、活性成分として請求項3に記載の化合物を含む、 組成物。 7.生物学的に活性な部分を標的に送達する方法であって該標的を有する被験 体に、請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。 8.生物学的に活性な部分を標的に送達する方法であって該標的を有する被験 体に、請求項3に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
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