JPH11510794A - 初乳由来成長因子 - Google Patents

初乳由来成長因子

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JPH11510794A
JPH11510794A JP9506409A JP50640997A JPH11510794A JP H11510794 A JPH11510794 A JP H11510794A JP 9506409 A JP9506409 A JP 9506409A JP 50640997 A JP50640997 A JP 50640997A JP H11510794 A JPH11510794 A JP H11510794A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、定義された化学的及び生物学的な特徴を有する初乳から由来するポリペプチド成長因子(CDGF)に関する。この因子は、ブタの初乳から調製され、そしてその製薬上の用途は、病原体による身体への侵入と闘うことと、創傷治癒、器官の成長及び発育を促進することと、及び食事の変化に対する消化管の適応を促進することと、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 初乳由来成長因子 本発明は、初乳に存在する新規な成長因子、該成長因子を含む組成物、及びそ の製薬上の用途に関する。 本発明は、新規なポリペプチドCDGF(初乳由来成長因子)を提供する。 さらに、本発明は、医学上及び獣医学上の応用におけるCDGFの用途を提供 する。特に、本発明は、組織の成長及び/又は機能を促進するCDGFの用途、 並びに疾患の症状又は異常と闘うか又は軽減するCDGFの用途を提供する。C DGFは、創傷治癒の応用(例えば事故又は手術後)のために、そして組織の再 生が要求される疾患の症状(例えば潰瘍)と闘うか又は軽減するために、特別な 有用性を有することができる。CDGFは、また他の医薬の処方の有害な副作用 と闘う、特にガンに対する化学療法又は放射線療法の副作用の低下、そしてとり わけ消化管におけるこれらの治療の影響と闘うのに有用性を有することができる 。CDGFは、消化管、骨格筋、肝臓及び腺組織(特に乳腺)から由来する組織 について特別な有用性を有するものと思われるが、本発明は、これらの器官のみ に関して使用されることに限定されない。 さらに詳細には、CDGFは、健康な組織の再生を促進するのに手術後の患者 を治療するのに助けとなり、そして腫瘍の外科的除去後のCDGF治療は、特に 有利であると思われる。 CDGFの効果の一つは、消化管に沿って並んだ細胞間の密な接合を促進する ことである。これは、出産予定前の新生児にとり重要であり、かれらは、未熟な しかも「漏れやすい」腸(即ち、腸の細胞間の接合が十分に密ではない)を有す るだろう。これは、次に栄養素の吸収に影響する。同様に、アトピー性である( そしてそれ故アレルギーになりがちである)新生児は、また未熟な「漏れやすい 」腸を有することが分かっている。CDGFの投与(医薬として又は食品補強物 としての何れか)は、それ故、これら新生児の消化管の成熟を促進するのに有利 である。 関連するやり方で、完全な非経口的栄養(tpn)を要する患者は、別々な処 方物で、又はtpn組成物の成分としての何れかで、CDGFを得ることから利 益を得る。 消化管に関して、CDGFは、 a)損傷をうけた組織の再生の促進 b)出産予定前の新生児、栄養的に免疫不全な新生児の腸及び身体の機能の促進 c)消化管のバリヤー機能の促進、それによる疾患抵抗性の増大 d)微生物(特に細菌性)の病原体による腸の集落化に対する攻撃 を行うことができる。 他の点では、本発明は、不活性担体又は助剤とともにCDGFを含む組成物を 提供する。 望ましくは、組成物は、治療用の応用(予防用の治療の応用を含む)に処方で き、そして担体又は助剤は、それに従って選ばれねばならない。 別なやり方として、組成物は、食品補助物又は食品として処方できる。例えば 、本発明は、CDGFを含むベビーフード処方物、及びまたtpn処方物、又は CDGFを含む病人用フード処方物を含む。 CDGFに加えて、組成物は、他の成分を含むことができる。特に、生物学的 に活性な成分(例えば、抗生物質;サイトカインとアミノ酸又はポリアミンとの 組合せを含む他の成長因子例えばIGF、EGF、FGF、又はPDGF(例え ばIGF/グルタミンの組合せ);インスリン;サイトカイン例えばインターロ イキン又は生物学的な望ましい効果を有する任意の他の剤);粘度調節剤;浸透 圧調節剤、緩衝剤、pH調節剤、香料、安定剤、着色剤、保存料などを挙げるこ とができる。遅延放出又はコントロール放出の処方物も含まれる。 本発明の組成物は、任意の好適な手段による投与のために処方できる。投与の 経口、経腸、非経口、皮下及び経鼻の経路を特に挙げることができる。組成物は 、噴霧、溶液、懸濁物、コロイド、濃縮物、粉末、顆粒、錠剤、圧縮錠剤、カプ セル(被覆及び非被覆の錠剤及びカプセルを含む)、座薬などとして製造できる 。遅延放出又はコントロール放出の処方物も含まれる。 有利には、組成物は、滅菌され、そして医学的用途に好適であろう。 組成物は、CDGFについて上述されたように使用でき、これらの用途は、本 発明のさらなる面を形成する。 他の面では、本発明は、CDGFの用途を提供し、又は製薬上の用途における 医薬の製造を提供する。 さらなる面では、本発明は、ヒト又はヒト以外の動物(好ましくは哺乳動物) の身体を治療する方法を提供し、該方法は、治療上有効な量のCDGF又はCD GFを含む組成物を該身体に投与することを含む。 上記の治療方法は、病原体による身体(特に消化管)への侵入と闘い、創傷治 癒を促進し、器官(例えば腸)の成長及び発育(特に新生児又は栄養的又は疾患 の免疫不全の成人)を促進することである。方法は、また食事における変化に対 する消化管の適応を促進することに有用性がある。 上記の参考のために、ポリペプチドCDGFについて述べる。このポリペプチ ド(用語「ポリペプチド」は、本明細書で使用されるとき、分子のサイズ、形状 又は構造に関係なく、任意のペプチド分子に関する)は、初乳から由来する活性 因子である。ブタの初乳は、CDGFの好適な源として挙げられている。CDG Fは、200kDa以上の見かけの分子量を与える大きな担体分子に結合して最 初に見いだされた。 CDGFは、60〜80kDaの範囲の分子量を有すると測定されている。C DGFは、疎水性である。 CDGFは、以下の物理的な特徴を有することが分かっている。 1)蛋白分解酵素(トリプシン)により完全に破壊される活性。 2)10分間100℃に加熱後に本質的に熱安定(70%より高い活性が維持さ れている)。 3)2.4Mの蟻酸中で安定。 4)0.1%のトリフルオロ酢酸の100%中で安定且つ溶解。 5)50mMのジチオスレイトールによる処理後の活性維持。 6)50%アセトニトリルで安定。 7)50%エタノールで安定且つ溶解。 ブタ初乳からのCDGFの精製は、実施例に詳細に記載されている。しかし、 方法は、以下のように簡単に要約できる。 a)200kDaより大きい分子量を有する初乳の全ての成分の分離。(このカ ット・オフ以下の分子量を有する成分は捨てる) b)ジチオスレイトール及び10分間煮沸による工程(a)の生成物の処理、及 び c)工程(b)の混合物を遠心分離して全ての沈澱物をスピンダウンさせ、CD GFは上澄液に存在する。 CDGFは、以下の生物学的な効果をもたらすものとして明らかにされている 。 1)生体外培養における腸細胞の増殖の刺激。 2)ラクターゼ活性及び蛋白グリコシル化により測定される腸細胞の分化の促進 。 3)実施例に記載される燐酸化アッセイにおけるMVM小のうの膜蛋白の燐酸化 。 4)MVM小のうにおけるGAPを経るRas経路の刺激。 5)遺伝子c−myc及びfosの刺激。 本発明は、以下の、本発明を制限しない実施例に関連してさらに記述されるだ ろう。実施例 1 ブタ初乳から由来する生物学的に活性な成長因子の同定及び精製 序論 初乳の経口摂取が、蛋白の合成、蛋白の増大、並びに骨格筋及び肝臓を含む腸 及び末梢組織の成長を促進することは、今や十分に確立された事実である。さら に、腸上皮の分化に対する初乳の顕著な効果は、立証されている。これらの効果 のきっかけを与える初乳中の因子の生物学的性質に関する多くの予想が存在して きた。乳房の分泌は、栄養(成長促進)作用を有するポリペプチド成長因子の豊 富な源を提供し、それ故非常に同様な類似物を示すことが知られている。この仮 説の支持は、ここ10年間に行われた研究から生じ、それは、腸の上皮細胞の分 裂及び分化のコントロールにおけるペプチド成長因子の中心的な重要性を過小に 評価している。成長因子の組成上の変化は、ヒト及びブタの両方の乳の授乳中に 報告されている。最大の分裂促進活性は、授乳の初めの週の間に観察され、そし てその後段々に減少することが観察される。これらの変化は、腸の成熟を調節す るのに生理学的に関連すると考えられる。本明細書で提出されたデータは、腸の 分化に対するブタ初乳の生物学的な効果、並びに強力な潜在的に新規な成長因子 の同定及び単離を記述している。後者の生物学的な活性も記述されている。 研究のやり方 本発明者は、生物活性の初乳成分を同定する二三のアプローチを利用した。最 初に、全体の動物のアプローチを使用して、腸の蛋白の合成及び腸細胞の分化を 促進することにおける全初乳の有効性を立証した。しかし、さらに最近、生体外 のやり方が、強力な成長因子を同定し、単離しそして特徴付けるのに採用され、 そしてまた初乳由来成長因子(CDGF)の細胞及び分子の作用を規定するのに 採用された。 腸の成熟に対する初乳の生体外効果 新生児期の間、腸は、拡張性の構造上及び細胞化学上の改造作用を行う。例え ば、乳中の主な炭水化物の加水分解の原因である主要な腸のジサッカリダーゼで あるラクターゼは、生後の期間中劇的に低下する。それ故、腸の上皮中の酵素の 発現の測定は、日常的に使用されて腸の発育及び適応を検討する。さらに、分泌 及び膜の両方の複合糖質の末端グリコシル化における明確な年令に関連する変化 が生ずる。従来の文献(Kelly及びKing、1991 Histoche mical Journal.;23;55−60参照)に提出された細胞化学 的データは、組織血液の群の抗原が非常に感受性のある腸の分化マーカーである ことを立証している。初乳及び初期の乳が腸の成熟に影響することを立証するた めに、二三の生体内の実験が行われた。ラクターゼの発現及び腸のグリコシル化 に対する初乳の摂食の効果を記述する一つの実験の詳細が提出される。 実験のプロトコル 初乳の採集 授乳中の雌ブタは、乳の低下を刺激するためにオキシトシンの1回の注射を受 けた。初乳のサンプルは、ヒトによる搾乳により得られそして滅菌容器に凍結保 存された。実験の開始日に、初乳を解凍しプールして、均一性を確実にした。 動物 試験のための子孫は、5頭の雌ブタ(ラージホワイト種(Large Whi te)×ランドレース種(Landrace))から由来した。同時の交配及び 薬理学上の操作の組合せを使用して、全ての雌ブタを24時間以内に分娩させた 。各雌ブタからの6頭の仔ブタは、産まれたときに捕らえられ、そして滅菌した インキュベーター中で飼育された。それぞれの同腹子からの仔ブタの半分を、初 乳又は市販の代用品により胃管栄養を行った(図1)。後者の飼料製品を細胞培 養系で評価し、そして成長因子の活性を欠くことが分かった。各処理からの5頭 の仔ブタを、分娩後1、3及び5週で殺した。腸の組織を麻酔下得た。 結果 分娩後1週で、腸のラクターゼ(比活性及び組織化学的に測定された絨毛/腺 窩活性)は、代用品飼育動物に比べて初乳飼育仔ブタで有意に低下した(図2) 。同様なデータは、最近、Burrinら、Journal of Nutri tion 124、2350−2357(1994)により記述された。分娩後 3及び5週で、他の酵素即ちスクラーゼの活性は、それらの初乳由来同腹子に比 べて初乳飼育仔ブタで増大した(Kellyら、Biology of the Neonate、64、235−244、1993)。α2,6−シアリル化 からα1,2−フコシル化への漸進的な変化及び腸の複合糖質に対するα2,3 −シアリル化発現は、ブタの生後の発育中に生ずる。この時間に関する事象は、 酵素ラクターゼについて立証されている(図3)。有意に、分娩後1週における α2,6−シアリル化の損失及び3週におけるα2,3−シアリル化の個体発生 の増大は、初乳飼育仔ブタにおいてさらに進む(図4)(Kellyら、199 3、同上)。関連するテストでは、初期の乳の摂取を長引かせることは、また、 腸のラクターゼ、並びに腸の膜上の組織血液群のAO抗原の発現の早熟な低下を もたらすことが分かった(Kellyら、1991、同上及びKellyら、1 991 Gut;32:386−392)。 結論 新生のブタにおける初乳の消化は、ラクターゼの劇的な低下を伴う、小腸にお ける有意な増殖上のレスポンスを生じた。これらの初期のレスポンスは、腸の膜 のシアリル化における生後の変化と相関した。これ及び既存の両者の研究は、初 乳及び初期の乳が腸の成熟を制御する因子を含むことを追認する。実施例 2 初乳中の生物活性因子の同定 現在一致している意見は、初乳の非栄養成分が、初乳の成長促進及び成熟効果 に関係があることである。初乳の生物活性成分の多くの同定及び機能は、現在知 られておらず、そして解明されることが残っている。過去20年間にわたる観察 は、細胞の機能の制御におけるペプチド成長因子の中心的な重要性を過小評価し てきた。初乳は、生物活性ホルモン及び成長因子の豊富な源であり(図5)、そ れらの多くは、単離して投与されるとき、腸の成長、分化、免疫系及び腸内分泌 系の発育に影響することが示されている。成長因子は、成長調節生物活性を有す る蛋白(5kD〜80kD)として規定できる。しかし、生物学的作用は、また 細胞表現型の調節を含む。生物学的な作用を働かすために、成長因子は、特定の 高い親和性の膜結合受容体と相互に反応し、そして適切なシグナル導入/二次メ ッセンジャーカスケードを活性化しなければならない。受容体酵素(チロシンキ ナーゼ)及びG−蛋白結合受容体は、血漿膜に位置する導入要素を形成する。リ ガンド/受容体活性化のこの基本的な機構は、生物学的な活性について初乳及び 初乳フラクションをスクリーンするために生体外二次メッセンジャーバイオアッ セイを開発するのに利用された。 燐酸化バイオアッセイ 微小絨毛膜 調製:腸のブラシ縁膜/微小絨毛膜(MVM)小のうは、新生、乳のみ及び離乳 のブタからの新鮮又は凍結した組織の粘膜のかきとったものから調製された。腸 管のセクションは、氷パック上で縦に開けられ、そして粘膜は、顕微鏡スライド の端により丁寧なかきとりにより取り除かれた。組織は、緩い栓をしたガラス− ガラスホモゲナイザーを使用して、2mMのトリス−HCl、50mMのマニト ール、pH7.4(ロイペプチン 1μM;ペプスタチン 1μM;PMSF 0.2mM;ジナトリウムEDTA 0.1mM;アンチパイン 27μg/m lを含む)からなる緩衝液(緩衝液A)3容量に分散され、そして全ての外膜の 結合組織を3分間200gでの遠心分離により除いた。上澄液を5容量の緩衝液 Aにより希釈し、そして懸濁物をさらにテフロンガラスホモゲナイザー中で10 00rpmで10〜15回ホモゲナイズした。個体のMgCl2を10mM加え 、そして低速度で遠心分離する(15分間で300g)前に、懸濁物を20分間 氷中に放置した。粗BBMvを、30分間27000gでさらに遠心分離するこ とにより、上澄液からペレットにし、そして最後の製品は、緩衝液A中の穏やか な再懸濁次に30分間の27000gの遠心分離の2サイクル後得られた。 燐酸化バイオアッセイ; MVMv製品を、4℃で3時間、2%トリトンX−100を含む20mMのH epes、5mMのMnCl2、4mMのNaF、100μMのNa3VO4、1 0mMのβ−グリセロホスフェート、1μg/mlのロイペプチン、25μg/ mlのトリプシン阻害剤、25KIU/mlのアプロチニン、0.1MのPMS F、0.05%のバシトラシン(緩衝液B)に溶解した。膜溶解蛋白は、30分 間の27000gの遠心分離後に得られた。可溶化したMVMvは、3mg/m lの蛋白濃度に緩衝液Bにより希釈された。30μlの可溶化膜は、5μlの1 :10希釈の脱脂無細胞初乳、初乳フラクション又はナノモル濃度の周知の成長 因子並びに5μlの緩衝液Bとともに10分間周囲温度でインキュベーションし 、次にさらに15分間氷上でインキュベーションした(図6)。燐酸化は、緩衝 液B中で調製された10μlの20μM γ−32P−ATP(20μCi)の添 加により開始された。反応は、3×Laemmli緩衝液を使用して4℃で15 分間そして100℃で10分間煮沸した後、停止された。燐酸化MVMvは、還 元条件下で7.5%SDSポリアクリルアミドゲルで分析された。乾燥したゲル の オートラジオグラムは、X−Omat ARフィルムにより得られた。 実験の結果 初乳及びIGF−1に応じる微小絨毛膜蛋白の燐酸化 この生体内アッセイを有効にするために、周知の成長因子の有効性を立証する ことを必要とした。本発明者の研究室からの以前のデータは、新生ブタの腸中の ペプチド成長因子IGF−1に対する特定の受容体の存在を立証した。これらの 受容体は、腸の筋系、固有層及び粘膜に局在していることが分かった。詳細な細 胞の分析は、尖端又は微小絨毛の膜のIGF−1受容体の集団を明らかにした。 燐酸化アッセイを使用して、本発明者は、IGF−1及び脱脂無細胞初乳に応じ た多数のMVM蛋白中への放射能燐の増加した挿入を立証するのに成功した(図 7)。IGF−1は、他の膜基質に加えてIGF受容体の97kDサブユニット を刺激することが分かった。初乳の乳清は、29〜200kDの分子量範囲の二 三の膜蛋白の燐酸化を刺激することが分かった。主な特徴は、29〜45kDの 分子範囲で観察できる高燐酸化である。 新生、乳のみ及び離乳の微小絨毛膜の燐酸化 新生、乳のみ及び離乳の膜試料は、脱脂初乳に対して同様な定量的レスポンス を生じた(図8)。しかし、等しい膜蛋白の基準では、乳のみの動物からのMV M蛋白は、より大きな程度に刺激されるように思われる。効力の順序は、乳のみ 、離乳そして新生である。この時間的なレスポンスは、発育中の膜受容体の発現 における定量的な差を反映しているようである。腸膜の受容体は、コムギ胚芽凝 集アフィニティー精製後有意に増大する。簡単には、可溶化されたMVMは、2 0mMのHepes、10mMのMgCl2、0.1%のトリトンx−100、 pH7.6により既に平衡されているWGAセファローズアフィニティーカラム( 2mlの上澄液/1mlの樹脂床)に適用された。カラムは、4℃で6時間端か ら端までインキュベーションされた。樹脂を次に100mlのプロテアーゼ阻害 剤を含む上記の平衡緩衝液により洗った。結合した糖蛋白を、20mMのHep es、0.05%のトリトンX−100及び0.3MのN−アセチル−D−グル コ サミンを含む緩衝液により500μlずつのフラクションに溶離した。フラクシ ョン1〜8をプールし、そして30kDのfiltron(Filtron、U K)を使用して10倍に濃縮した。WGA精製蛋白の燐酸化は、上記のように行 われた。結果(図9)は、膜の蛋白、特に高燐酸化蛋白及び120kDの蛋白の 燐酸化の有意な増大を示す。この結果は、初乳により活性化される二次メッセン ジャーカスケード中に或る洞察をもたらす。 初乳による腸膜チロシンキナーゼ受容体の活性化 上述のように、2種の主な膜結合受容体群、即ちチロシンキナーゼ受容体及び G−蛋白結合受容体が存在する。ペプチド成長因子のための膜透過受容体の多く は、リガンド結合のときに多数の膜及び細胞質ゾル基質の自動燐酸化及び燐酸化 を誘導する固有のチロシンキナーゼ活性を有する(図10)。特異的な阻害剤は 、初乳の効果を媒介する受容体の群を確かめるために使用された。ベンジリデン マロンニトリル核から由来するチルホスチン(tyrphostin)と命名さ れた一連の有機化合物が、受容体チロシンキナーゼ活性を阻害することが示され ている。以下の阻害剤チルホスチン1、25、B42、B44、B46、B48 、B50、B56は、ナノモルからミクロモルに及ぶ濃度で、テストされた(図 11、12)。ゲニステイン、スタウロスポリン(staurosporine )及びH7(図13)も検討された。ゲニステインは、イソフラボン化合物であ り、そしてスタウロスポリンは、細菌性アルカロイドである。スタウロスポリン は、チロシンキナーゼを阻害するが、また蛋白キナーゼC(PKC)に影響する 。膜製品は、阻害剤の存在下一晩インキュベーションされ、そして燐酸化アッセ イは、上記のように行われた。チルホスチン25、スタウロスポリン及びH7は 、膜蛋白の燐酸化を有意に阻害し、受容体がチロシンキナーゼ受容体であること を示した。PKCも含まれる。 脱脂無細胞初乳によるRAS/GAP燐酸化の活性化 Ras蛋白の活性化は、リガンド結合細胞表面チロシンキナーゼ受容体により 引き起こされる生化学的経路における重要な段階である。同様に、21kDのG TP結合蛋白であるRasが、成長のコントロールに重要な役割をはたしている ことは、長い間確実とされている。Rasの活性は、それがGTP又はGDPに より占められているかどうかにより決定される。変換は、受容体の活性化後に生 ずる。受容体の活性化後、Grb2及びSOSと呼ばれる2種の蛋白(図14) は、受容体と錯体をつくる。Grb2は、細胞質センサー/輸送体として働き、 そしてリガンド誘導自動燐酸化を検知する。Sosは、グアニンヌクレオチド放 出因子として働き、そしてGTPではなくGDPに対するRasのアフィニティ ーを低下させ、それによりRas活性化に導く。Grb2及びSosは、高アフ ィニティーSH2結合により、受容体上の特異的な自動燐酸化部位に結合する。 他の分子は、この錯体、例えばホスホリパーゼCγ(PLCγ)及びGTPアー ゼ活性化蛋白(GAP)に含まれる。120kDの蛋白であるGAPは、燐酸化 により活性化され、そしてまた受容体と錯体をつくり、さらにRas GTPか らRas GDPへの変換を触媒化する(図15)。Gapは、それ故成長をコ ントロールするシグナル経路において重要な位置を占めると考えられる。 GAP及び他の蛋白基質の免疫精製 新生ブタからの可溶化MVM(100μg/30μl)を、脱脂無細胞初乳に より上記のように燐酸化した(注:初乳サンプルは、IgGを除きそして免疫精 製の方法との干渉を防ぐために、5mgの蛋白G及び7.5mgの蛋白Aにより それぞれ4℃で2時間予め吸収された)。32P−γATPの添加後、GAPをマ ウス抗GAP Mab(Upstate Biotechnology Inc orporated、Lake Placid、NYから購入)により単離した 。GAP MAb(10μg/10μl)を4種の膜サンプルのそれぞれに加え( 4×100μgの蛋白)、そして4℃で4時間インキュベーションした。インキ ュベーション後、2mgの蛋白Gを添加し、そしてサンプルを4℃でさらに4時 間インキュベーションした。サンプルを次にmobitecフィルターカラム( Mobitec、Gottingen、ドイツ)に移し、カラムを50カラム体 積の緩衝液Bにより徹底的に洗った。結合した蛋白は、3×Laemmli緩衝 液を使用して回収され、そして10%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で分離 さ れた。図16は、Ras/GAPが初乳の刺激後活性化されることを立証する。 多重燐酸化蛋白の外見は、受容体錯体の免疫精製と一致した。図17は、2種の 細胞骨格高燐酸化基質即ちアネキシン(annexin)及びサイトケラチン(c ytokeratin)の同定を説明している。実施例 3 初乳由来成長因子の単離及び特性 周知の成長因子との比較: CDGFは、微小絨毛膜蛋白の燐酸化の非常に再現可能且つ強力な刺激を誘導 した。燐酸化のパターンは、活性を同定する試みにおいて周知の成長因子と比較 された。IGF−1は、新生及び乳のみのMVM蛋白を燐酸化することが既に示 されているが、パターンは、全く異なる。同様に、初乳由来(CD)及び初乳飼 育(CF)仔ブタへのIGF−1の経口投与の効果を検討する生体内実験は、I GF−1は腸の機能を調節できるが、初乳の生物学的作用は、IGF−1によっ て真似できない。要するに、IGF−1は、ラクターゼの正常の細胞の低下を予 防し、CDにおけるα2,3−シアリル化の発現を遅延させるが、CFブタにお いてではなかった(図18、19)。(Kellyら、1994)。多数の他の 成長因子は、燐酸化アッセイを使用してスクリーンされている。CDGFと同じ 又は同様な作用を示す成長因子は、スクリーンされていない。図20は、EGF 、インスリン、TGF及びそれらの相乗作用とCDGFとの比較を示している。 成長ホルモン、ボンベシン、ラクトフェリンなどもスクリーンされている。 授乳中のCDGFの濃度: CDGFは、初乳中に最高の濃度で存在し、そして授乳が進むにつれて有意に 低下する。初乳の活性は、100倍の希釈で無視されるレベルに減少する(図2 1)。7日(d)の授乳で生ずる乳は、約20倍少ないCDGFを含むが、レベ ルは、なお生理学的に有意である。さらに、CDGFの濃度の減少は、多くの周 知の成長因子により示される低下する傾向と一致する。 CDGFの化学的な特徴: CDGFは、トリプシンにより劣化し、そのペプチドの性質を確かなものとす る。活性は、酸即ち蟻酸及びトリフルオロ酢酸中で安定である。100℃で10 分間の加熱は、活性の小さな損失をもたらすように見える(図22)。CDGF の活性は、ジチオスレイトール(DTT)で保存され、そのため、ジスルフィド 橋は、生物学的な活性に関係がない。これらの処理の組合せは、生物学的活性に 対して殆ど効果がなかったが、CDGFの有意な精製をもたらした。(図22b 参照)。 CDGFの精製: 第一相:サイズ除外クロマトグラフィー 初乳サンプルを分娩の開始から8時間以内の雌ブタから得た。初乳を30分間 27000gで遠心分離し、そしてAcA 34(アクリルアミド/アガロース) カラム(除外限界300kD)に適用された。サンプルを20mMのHEPES 緩衝液pH7.2(組織培養グレード)で操作した。フラクションをプールし、 蒸留H2Oについて透析し、そして最後に凍結乾燥した。フラクションを、初め の初乳濃度に戻し、そして生物学的な活性を燐酸化バイオアッセイを使用して求 めた。活性は、初乳の高分子量フラクションに存在した(図23)。図24は、 F5と完全に組合わさった燐酸化活性を示す。 最初に述べたように、ペプチド成長因子は、3〜80kDの分子範囲にあると 考えられる。単離された因子がボイド容量で溶離し、そのサイズが少なくとも2 50kDであったことを示唆している。現在まで、新規なTGFβが最近150 kDであると記述されているが、このサイズの成長因子は単離されていない。そ れ故、CDGFは、多くの他のペプチド成長因子と同様に、より小さいペプチド であるが、大きな結合蛋白と組み合わされて初乳中に存在することが仮説として 取り上げられた。 第二相:逆相クロマトグラフィー 即ちCDGFが結合蛋白に結合しそしてそれ自体より低い分子サイズを有する という上記の仮説の正当性を評価するために、2種のさらなる精製のやり方が行 われた。第一のものは、逆相クロマトグラフィーを含んだ。ゲルろ過カラムから 単離されそして生物学的活性(燐酸化アッセイを使用して測定される)により同 定されるフラクションF5を、その結合蛋白からそれを解離するために、0.1 %のトリフルオロ酢酸(TFA)中に再懸濁した。フラクションを次に、アセト ニトリル(ACN)(遠紫外線グレード)及び0.1%のTFAに予め浸漬する ことにより既に調製したBond Elut C18カラムに適用した。(これ らのカラムは、不可逆的により大きな蛋白を結合することに注意)。カラムを次 に90%の0.1%TFA/10%のACNから20%TFA/80%ACNの 勾配により溶離した。溶離されたフラクションを、0.2%ウシ血清アルブミン (BSA)の存在下蒸発乾固し、次に蒸留H2Oにより再溶解した。活性ペプチド は、30〜50%のACNで溶離することが分かった(図25)。 第三相:カオトロピック剤グアニジン塩酸塩の存在下のHPLC精製: ペプチドの分子サイズの指示をもたらすために、ゲルろ過カラムからのフラク ションF5を0.1%TFAに再懸濁し、そしてHPLC BioSep SE C2000カラム(Phenomenex)に注入した。サンプルを5Mグアニ ジン塩酸塩の存在下処理し、全てのピークを集めた。10個の独立した注入から の溶離液をプールした。各フラクションを次に脱塩(残存グアニジンは5pM未 満であった)するために、1K Filtron濃縮器を使用して徹底的に洗い 、そしてサンプルを約40mlの最初の体積から200μlに濃縮した。フラク ションを次に0.2%のBSAの存在下蒸発乾固し、そして蒸留水に再溶解した 。活性は、フラクション2(溶離時間13.5〜14.5分)に存在した(図2 6)。図27は、F2に完全に組み合わされた燐酸化活性を示す。ペプチドの精 製に採用した正確な処理条件下のカラムの以前の較正は、分子サイズが約70k Dであることを明らかにした。ペプチドの正確な分子量は、配列データ、又はマ トリックス補助レーザー脱着イオン化、フライト(MALDI−TOF)スペク トル分析を要する。実施例 4 生物学的活性 成長因子の作用の立証: 成長因子としてのペプチドの最終的な分類は、培養中の細胞に対するその成長 促進作用の立証である。CDGFは、ブタの初乳から由来し、現在、ブタの腸の 細胞系は存在しない。しかし、ラットの腸の腺窩細胞即ちIEC6から単離され た細胞系は、CDGFの分裂促進活性を検討するのに使用された。細胞は、5% の胎児ウシ血清(FCS)、2mMのL−グルタミン及びペニシリン/ストレプ トマイシン抗生物質を含む1mlのDulbeccos修飾Eagles培地D MEM中の24穴Corningプレートの1穴当たり10000個の細胞でシ ードされた。16時間の培養後、細胞を、少なくとも24時間、10μg/ml のトランスフェリン及び0.2μg/mlの亜セレン酸ナトリウムを含むDME M中に入れた。細胞を次に、20時間5%のFCS、10%の脱脂無細胞初乳及 び10%のCDGFにより刺激し、その後、2μci 3H−チミジンをさらに 4時間各穴に添加した。細胞を次いでHanksバランス塩溶液中で洗い、メタ ノール中で固定し、TCAで沈澱させ、そしてNaOHで可溶化した。挿入した 放射能チミジンを次にβ−カウンターを使用して計数した。CDGFは、IEC 6細胞を、対照より有意に上に刺激し、そして事実或る実験では初乳のそれより 上に刺激することを知った(図28)。 周知の成長因子との比較: CDGFの活性は、チロシンキナーゼ受容体を通してそれらの作用も媒介する 周知の成長因子、即ちEGF、IGF、FGF及びPDGFと比較された。これ らの因子は、ナノモルからミクロモルに及ぶ濃度で、単独又は組合せの何れかで 細胞に供給された。テストされた周知の成長因子は、CDGFと真似することが できなかった(図29、30)。実験は、また、CDGFが、ヒト腸Caco− 2細胞系、ヒト結腸ガン細胞系の成長を促進できることを示した。CDGFは、 それ故、異なる種、即ちラット、ブタ及びヒトから由来する腸の細胞系上に生物 学的作用を生ずることができる。 RasのCDGF下流の生物学的活性: 成長因子に応答する増殖及び分化に関する遺伝学的基礎を理解する一つのアプ ローチは、遺伝子活性をモニターすることである。Ras経路は、初期応答遺伝 子c−myc及びfosの誘導と結びついている(図31)。遺伝子の発現を刺 激するCDGFの能力は、ラットIEC6及びヒトCaco−2の両者の細胞系 を使用して検討された。培養条件は、上記のそれと同じであったが、但し細胞は 、90cmのGreiner培養プレート上にシードされた。細胞は、2時間1 0μg/mlのシクロヘキサミドの存在下初乳及びCDGFにより刺激され、そ してトランスフェリン及びセレンを補足されたDMEMの存在下成長した対照と 比較された。初期応答遺伝子c−myc及びfosの超誘導を調べるために、R NAをChomczynski及びSacchiの方法を使用して抽出し、そし て初期応答遺伝子発現をノーザンハイブリッド化を使用してモニターした。予備 的なデータは、CDGFがfos及びc−mycについてmRNAを刺激するこ とを確証した(結果は示されていない)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/27 A61K 37/36 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.60〜80kDaの分子量を有するとともに疎水性である初乳由来成長因子 (CDGF)において、 i)該因子の活性が蛋白分解酵素により完全に破壊され、 ii)前記因子が100℃で10分間加熱後熱安定であり、 iii)前記因子が2.4M蟻酸中で安定であり、 iv)前記因子が100%の0.1%トリフルオロ酢酸中で安定且つ可溶で あり、 v)前記因子の活性が、ジチオスレイトールによる処理後維持され、 vi)前記因子が、50%のアセトニトリル中で安定でありそして vii)前記因子が、50%エタノール中で安定且つ可溶である 初乳由来成長因子(CDGF)。 2.前記因子がブタ初乳から由来する請求項1記載の因子。 3.前記因子が、 i)生体外培養で腸細胞の増殖を刺激し、 ii)ラクターゼ活性及び蛋白グリコシル化により測定されるように腸細胞 の分化を促進し、 iii)燐酸化アッセイにおいてMVM小のうの膜蛋白を燐酸化し、 iv)MVM小のう中のGAPを経てRas経路を刺激しそして v)c−myc及びfosの遺伝子を刺激する 請求項1又は2記載の因子。 4.a)200kDaより大きい分子量を有する初乳の全ての成分を分離し、よ り低い分子量を有する成分を捨てる工程と、 b)ジチオスレイトール及び約10分間煮沸により工程(a)の生成物を処 理する工程と、及び c)工程(b)の混合物を遠心分離して沈澱物をスピンダウンさせ、前記因 子を含む上澄液を分離する工程と、 を備える請求項1乃至3の何れか一つの項の因子の製造方法。 5.請求項1乃至4の何れか一つの項の因子を含む治療組成物。 6.少なくとも不活性担体又は助剤をさらに含む請求項5記載の治療組成物。 7.食品補助剤又は食品として処方された請求項5記載の治療組成物。 8.製薬上の用途用の治療剤の製造における請求項1乃至7の何れか一つの項の 因子の用途。 9.ヒト又はヒト以外の動物の身体に、治療上有効な量の請求項1乃至8の何れ か一つの項の因子又は因子を含む組成物を投与することを含む該身体の治療方法 。 10.病原体による身体への侵入と闘うことと、創傷治癒を促進することと、器官 の成長及び発育を促進することと、及び食事における変化に対する消化管の適応 を促進することと、を含む群からの少なくとも一つの治療のための請求項9の方 法の用途。
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