JPH11510910A - 原子炉制御クラスタのための吸収棒とその製造方法 - Google Patents

原子炉制御クラスタのための吸収棒とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 吸収棒は、少なくともその下部に、少なくとも5μmの厚さを有する酸化物またはクロム耐摩耗保護層により被覆されたハフニウム金属合成物により形成された中性子吸収材を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】 原子炉制御クラスタのための吸収棒とその製造方法 この発明は、原子炉のための制御クラスタに含まれる吸収棒に関するものであ る。この吸収棒は、特に、加圧水により減速および冷却され、炉心が、棒を支持 するグリッドを取り付けた案内管により接続されるノズルからなる骨格の規則正 しい配列の節において保持される燃料棒の束をそれぞれ有する燃料集合体により 構成されている原子炉において有用である。そのような環境下において、各クラ スタは、制御機構に接続されたスパイダーにより構成されており、吸収材料を含 有する棒を搬送し、案内管内により深くまたはより浅く挿入され、または、炉心 から完全に引き抜かれさえするように設計されている。 通常、原子炉の出力を調節することおよび原子炉を停止することには、(高い 吸収性を有する「ブラック」クラスタおよび低い吸収性を有する「グレー」クラ スタのような)使用されるべき異なる組成を有するクラスタの複数のグループが 必要とされる。 「ブラック」クラスタは、一般にステンレス鋼からなる被覆管内に、Ag−I n−Cd合金または炭化ホウ素B4Cのような高い吸収性を有する材料を収容し た棒からなっている。そのような棒は、非常に長い時間にわたって、または、「 負荷追従」を履行する原子炉内において使用されるように設計されているときに 制限を有する。Ag−In−Cd合金は、照射においてクリープおよびスエリン グにかけられる。炭化ホウ素B4Cは、照射下において相当量スエリングされる 。ハフニウムは、運転温度においてクリープせず、照射下においてスエリングし ない中性子吸収材である。それにもかかわらず、鋼製の被覆管に配されている場 合には水素化から保護されなければならず、案内部材に対して摩擦される場合に は摩耗から保護されなければならない。 Ag−In−Cdを被覆管内のハフニウムに置き換えることにより、ハフニウ ムの水素化が回避される限りスエリングを避けることができる。しかしながら、 そのような種類の棒から構成するための試みには、いくつかの困難がある。摩擦 により、ハフニウム酸化物の天然の膜が、一旦、摩滅されると、ハフニウムは、 被覆管を通過した水素を吸収して、早期にクラスタを交換することが必要となる ほどにスエリングする。 同様の問題は、より低い吸収性の棒を含む「グレー」クラスタの棒においても 生ずる。 この発明は、特に、運転中の原子炉内において長い期間にわたって照射に耐え ることができ、かつ、特に、クラスタの交換を行う目的のために、現在の棒と互 換性を有することができる吸収棒を提供することを求めるものである。 この目的のために、この発明は、特に、原子炉制御クラスタのための吸収棒を 提供するものであり、この棒は、プラグによって閉じられる被覆管を有し、少な くともその下部に中性子吸収材を含み、前記被覆管がHf−Zr合金からなり、 かつ、少なくとも5μmの厚さを有する酸化物またはクロム保護層で被覆されて いる。前記下部は、一般に、棒、すなわち操縦バンドの長さの少なくとも15% を表している。 前記下部プラグは、ハフニウムを主成分とする材料からなっていてもよい。こ のプラグは全長の少なくとも15%を占め、または、それは短くかつ前記長さま でハフニウムを主成分とする金属材料の柱を上に載せていてもよい。 この方法で、棒の下部における吸収材、すなわち、最も頻繁に炉内に配される 吸収材は、クリープしない材料からなっている。そうでなければ、被覆管を亀裂 させるスエリングの危険性がある。この材料が長いプラグからなるときには、ク ラスタガイドまたは燃料集合体における摩耗を制限するために、一般には酸化に より被覆管とともに処理され得る。プラグ内部の空洞の体積を調節することによ り、または、プラグの長さを調節することにより、棒の質量は低減され、現存す る制御機構と互換性を持たせることができる。同様に、吸収能力は、要求する使 用に適合され得る。 被覆管は、少なくとも18重量%のHfを含有するHf−Zr合金からなり、 あるいは、数百〜数千ppmの鉄および/または酸素を含有している。約180 0ppmの酸素を加えることにより、形成の容易性に受容し難いほどの影響を与 えることなく、その機械的性質を向上することができる。鉄を800ppmを超 えない濃度まで加えることにより、水中または加圧された蒸気中における腐食に 対する抵抗を向上することができる。 吸収材料のハフニウム含有量は、種々のパラメータの関数として選択される。 もし、原料コストを低減することを望む場合には、ジルコニウムとハフニウムを 分離するときの親溶液の含有量であるために、約30重量%Hf−70重量%Z rという含有量が経済性の観点から好ましい。親溶液から直接得られる合金の使 用は、その材料のコストをジルカロイ4の近くまで低減する。加えて、ジルコニ ウムの存在によって合金の可鍛性が改善される。 しかしながら、被覆管に所定の質量に対して最大の吸収性を与えることが望ま れる場合には、実質的にはジルコニウムを全く含有しない合金が選択されるべき である。被覆管の耐摩耗性は、クロムメッキ、または、有利には、O2またはO2 −Arの雰囲気内での数時間にわたる熱酸化により改良される。そのような酸化 は、特に、酸素−アルゴン混合気内では、850℃〜950℃の範囲の温度で3 〜15時間にわたって実施される。この温度において、5〜6時間処理すると、 鉄を含有しない合金に対して10μmの厚さを有する酸化層となり、約350p pmの鉄を含有する合金に対しては6μm〜7μmの厚さを有する酸化層となる 。5μm以上の厚さという条件では、結合した酸化物は、摩耗およびそれに続く 水素化に対して、非常に効果的な保護を提供する。一般に、被覆管の厚さは少な くとも0.4mmである。 ハフニウムおよびジルコニウムの両方とも、外部酸化により生成される水素の 保有および棒に含まれるホウ素を主成分とする吸収材の照射下における変換によ り生成されるチタンの保有に関係する。 下部プラグは、4重量%を超えないジルコニウム含有量を有するハフニウム金 属の中実棒により構成され、例えば、電子ビーム、TIGまたはレーザ溶接によ り被覆管に溶接される。被覆管の下部に通常収容される吸収材を交換する時には 、それはかなりの長さを占有する(例えば、今日の900MWe加圧水型原子炉 (PWR)に対して750mm、1300MWe原子炉に対して1000mm) 。そのような長いプラグは、スエリングおよびクリープしない。該プラグは、ス エリングおよび亀裂の発生に関する問題を回避する。該プラグは、クラスタガイ ドまたは燃料集合体における摩耗を制限するために、被覆管とともに酸化処理( または、他の任意の被覆を形成するための処理)にかけられる。プラグの質量を 適合させるために、プラグは中空でもよい。 被覆管を閉じる上端プラグは、他の部分よりも少ない中性子ストレスにかけら れ、そのためにより広い範囲のオプションを利用することができる。それにもか かわらず、該上端プラグは、ZrおよびHfの合金により構成される被覆管に溶 接可能でなければならず(これはZr,HfおよびTiに基づく合金にも真実で ある。)、かつ、腐食に対して保護され得なければならない。 上端プラグは、該上端プラグが溶接された後に酸化により棒全体が保護される 場合には、時間に対する制限された機械的強度のためにジルカロイから形成する ことができない。一般には、Ti−Zr合金が好ましく、特に、Ti80−Zr 20または被覆管と同一の合金が好ましい。棒の上端部に収容される吸収材は、 種々の種類のものでよい。それにもかかわらず、ハフニウム−ジルコニウム二ホ ウ化物ペレット、例えば、親混合物Hf30−Zr70をホウ化することにより 得られる(Hf28−Zr72)B2を積み重ねたものを使用することが有利で ある。 被覆管内およびハフニウムホウ化物内に含有されるハフニウムによる中性子吸 収のために、ともにホウ化物を主成分とする吸収材のスエリングの原因となるホ ウ素10による吸収およびヘリウムの生成が減じられる。加えて、HfB2およ びZrB2の六方結晶構造は、斜方六面体であるB4Cにおけるよりも多数のヘリ ウム原子をその格子内に挿入することを可能とし、それによって、ヘリウムの解 放を減じている。最後に、吸収材(Hf,Zr)B2は、熱的に安定であり、仕 上げられた棒における酸化熱処理を阻害しない。 仕上げられた棒に熱酸化を実施することが望まれる場合には、ペレットを下方 に保持するスプリングは、高温に耐えうる材料から形成されなければならない。 ニッケルを主成分とする超合金またはTi−Zr耐熱合金またはハフニウムを主 成分とする合金を使用することができる。 この発明は、限定しない例により与えられる発明の特定の実施形態の以下の説 明からよりよく理解することができる。この説明は、棒を長手方向の断面で示す 添付図1〜図3を参照している。 最初に与えられる組成の例は、現存するブラッククラスタを置き換えるために クラスタに予定される棒に使用するために適している。棒の質量は、置き換えら れる棒の質量と数%の範囲内で同一でなければならず、その中性子吸収能力は、 同一または若干大きくなければならない。 図1に示される棒10(より明確にするために縮尺を合わせていない。)は、 プラグ14,16により閉じられ、スプリング20により下部プラグ14に対し て押下した状態に保持される吸収材料の柱を収容する被覆管12を具備する。ス プリング20は柱と上部プラグ16との間で圧縮されている。上部プラグ16は 、棒がスパイダ22の指部に取り付けられることを可能としている。 中性子吸収を適合させるために、種々のパラメータに基づいて行うことができ る。パラメータは、 ・(Hf,Zr)B2ペレットの密度が調節され得るか、または、ペレットがハ フニウムにより置き換えられ得ること、 ・外径とともに吸収が増大することを補償するために、中空の下部プラグが使用 され得ること ・Hf30−Zr70と同様の吸収性を有しない材料からなる被覆管が使用され 得ることである。 大きすぎる質量を有するクラスタの置き換えにおける危険性は、特に、吸収材 として、ハフニウムより小さい密度を有するAg−In−Cd合金および(Hf −Zr)B2より密度の小さいB4Cを使用する現存の1300MWeの原子炉の ための「ブラック」クラスタにおいて生じる。調節は、高いHf含有量を有し随 意に吸収材ペレットを収容する中空の下部プラグを使用することにより実施され 得る。 反対に、小さすぎる質量の危険性は、Ag−In−Cd合金が、それらの上部 において、より小さい密度の(Hf−Zr)B2により置き換えられる900M Weの原子炉のためのクラスタの取り替えにおいて生じ得る。そのような状況下 においては、下部プラグを長くし、または、被覆管をより高い密度のハフニウム ペレットで満たすことにより、質量を増加させることができる。被覆管は、水素 に対して非浸透性の合金から形成されているので、ハフニウムペレットの水素化 は全く生じない。 ブラッククラスタおよびグレークラスタに対する棒に対応するいくつかの例を 以下に示す。900MWeのPWR原子炉のブラッククラスタのための棒 実施例1 棒は、長い下部プラグを有している。 図1の実施例は、棒の長さの少なくとも40%を占め、Hf−Zr合金からな り、(Hf−Zr)B2ペレットの柱を土に載せられる「長い」下部プラグ14 を具備している。 上部プラグ16:ジルカロイ4またはTi80−Zr20%合金またはHf3 0−Zr70%合金。 スプリング20:ニッケルを主成分とする超合金またはTi80−Zr20% 合金またはHf30−Zr70%合金。 被覆管12:Hf30−Zr70%、長さ194cm、外径9.68mm、厚 さ0.98mm。 下部プラグ:Hf、長さ181cm。 吸収材24:長さ約L0=194cmの理想的な密度の85%までの(Hf2 8−Zr72)B2ペレットの柱。実施例2 棒は、短い下部プラグと該プラグ上のHfペレットの柱を有している(図2) 。 実施例1におけるものと同じスプリングおよび上部プラグ。 被覆管12:Hf30−Zr70%、長さ372cm、厚さ0.47mm。 下部プラグ:Hf、長さ3cm。 下部プラグ上のペレット26:長さL1=244cmにわたる、直径8.66 のHf。 柱24:実施例1と同じ組成を有する吸収材、長さ108cmにわたる直径8 .53mm。 下部プラグ:3cmのHf。1300MWeのPWR原子炉におけるブラッククラスタのための棒 実施例3 下部プラグ:長い。 上部プラグ:ジルカロイ4またはTi−Zr合金またはHf30−Zr70% 合金からなる。 スプリング:ニッケルを主成分とする超合金からなる。 被覆管:長さ332cm、Hf30−Zr70%合金からなり、直径9.68 mm、厚さ0.98mm。 下部プラグ:中空、Hfからなり、長さ106cm、直径9.68mm、直径 6.12mmの空洞28を有する。 吸収材:長さL0=314cm、理想密度の85%までの(Hf28−Zr7 2)B2ペレットからなる柱。900MWe原子炉におけるグレークラスタのための棒 この場合、棒は中実でよく、酸化物の耐摩耗層により水素化に対して保護され たハフニウム合金からなる。棒はプラグにより閉じられる管の形態をしている。実施例4(図3) 被覆管を形成する管12から構成される棒は、直径9.68mm、厚さ1.5 4mmを有するHf30−Zr70%からなる。補強プラグ14は、Hf30− Zr70%からなり、長さ3cmである。長さ360cmのステンレス鋼からな り、質量の増加を提供するパッキン30が含まれている。1300MWe原子炉のグレークラスタのための棒 実施例5 (図3) 管:Hf30−Zr70%、直径9.68mm、厚さ1.09mm、長さ43 3cm。 下部プラグ:Hf30−Zr70%からなり、長さ3cm。 ステンレス鋼パッキン:長さ42cm、直径7.4mm。 ブラッククラスタのための棒を製造するための有利な方法は、プラグ、被覆管 、吸収材ペレットおよびスプリングを、従来の方法により製造することにある。 構成要素は、一体に組み立てられ、プラグは、例えば、TIGまたはレーザ溶接 により、組立体に溶接される。最後に、摩耗に対する保護層が、純粋な酸素また はO2−Arの雰囲気内で、850℃〜950℃の範囲の温度で、外表面の酸化 を調節することにより生成される。数十年の寿命が求められる場合には、少なく とも5μmの厚さに保護層が確実に達するように、作業が持続される。しかしな がら、厚さ30μmを超えて増加させることには全く意味がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロマリー,ジャン−ミシェル フランス国 69006 リヨン リュ グリ ロン 38

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 原子炉制御クラスタのための吸収棒であって、 プラグにより閉じられる被覆管を具備し、 少なくともその下部に、中性子吸収材を具備し、 前記被覆管が、Hf−Zr合金からなり、かつ、少なくとも5μmの厚さを有 する酸化物またはクロム保護層により被覆されていることを特徴とする吸収棒。 2. 前記酸化物の層が酸化物からなり、かつ、5μm〜30μmの厚さを有す ることを特徴とする請求項1記載の棒。 3. 前記下部が、棒の長さの少なくとも15%を構成していることを特徴とす る請求項1または請求項2記載の棒。 4. 前記下部プラグが、ハフニウムを主成分とする金属材料からなり高さの少 なくとも15%を占めるか、または、短くかつハフニウムを主成分とする材料の 柱を前記高さに達するまで上に乗せているかのいずれかであることを特徴とする 請求項1から請求項3のいずれかに記載の棒。 5. 前記被覆管が、少なくとも18重量%のHfを含有し、かつ、好ましくは 、約30%のHfと70%のZrからなる合金であることを特徴とする請求項1 から請求項4のいずれかに記載の棒。 6. 前記ハフニウム合金が、0〜1800ppmの酸素および0〜800pp mの鉄成分を含有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに 記載の棒。 7. 前記下部プラグが、4重量%以下のジルコニウムを有する、ハフニウムと ジルコニウムを含む合金からなることを特徴とする請求項4または請求項5記載 の棒。 8. 前記下部プラグがハフニウム−ジルコニウム合金からなり、ステンレス鋼 からなるパッキンが上に載せられていることを特徴とする請求項1から請求項3 のいずれかに記載の棒。 9. 前記下部プラグ上の前記吸収材が、ホウ化物ペレットからなる柱により構 成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の棒。 10. 前記ホウ化物が、HfZrB2であることを特徴とする請求項9記載の 棒。 11. 原子炉制御クラスタのための吸収棒であって、 プラグにより閉じられる被覆管を具備し、 該被覆管および少なくとも下部プラグが、ハフニウム合金からなり、 前記被覆管および両方のプラグが、少なくとも厚さ5μmの酸化物またはクロ ムからなる保護層により被覆されていることを特徴とする吸収棒。 12. 請求項4記載の棒の製造方法であって、 前記被覆管と、前記吸収材と、前記柱を下方に保持するスプリングとが形成さ れ、 これらの構成要素が一体に組み立てられ、 前記プラグがその組立体に溶接され、 摩耗に対する保護層が、純粋な酸素またはO2−Ar雰囲気内において、85 0℃〜950℃の範囲の温度で、外表面の酸化を調節されることにより生成され ることを特徴とする方法。
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