JPH11511325A - 高力クモシルク蛋白質のクローニング方法 - Google Patents
高力クモシルク蛋白質のクローニング方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、絹生産クモからの絹タンパク質をコードするDNAフラグメントの生産方法に関する。本発明は、クモ絹タンパク質をコードするDNA配列にも関する。本発明は更に、上記DNA配列を用いるクモ絹タンパク質の生産方法に関する。本発明のタンパク質のクローニング方法及び生産方法は、全ての絹生産クモに適用できる。これらの方法で開発されたクローンは市販できる量の高分子量絹タンパク質を生産する。このようなタンパク質から作出された絹は優れた強度を有するので、本発明のクローン化絹タンパク質は顕著な産業上の重要性を有する。
Description
【発明の詳細な説明】
高力クモシルク蛋白質のクローニング方法 発明の分野
この発明は、クモシルク蛋白質に関してコード化するDNA断片の新規生産方
法に関する。本発明はまた、クモシルク蛋白質をコード化するDNA配列にも関
する。この発明はさらに、前記DNA配列を用いるクモシルク蛋白質の新規生産
方法にも関する。本発明はまた、これらのクモシルク蛋白質の精製方法、及びこ
れらの蛋白質からの繊維及びフィルムの製造方法にも関する。
本発明の方法によって開発されたクローンは、分子量が90,000〜250
,000以上の高分子クモシルク蛋白質を大腸菌、商業的に有用な量で生産する
。この分子量は、Nephila clavipesから得られた自然の主要ア
ンプレート(ampulate)(ドラッグライン)(dragline)のク
モシルク蛋白質の分子量の40%〜100%を超える。これらの高分子蛋白質か
ら出来ているシルク糸は、優れた物理的性質、例えば高張力及びかなり大きな弾
性を有しているので、本発明のクローン化シルク蛋白質は工業的には重要性がか
なり
高い。
これらのクモシルク蛋白質は、本発明のいくつかの方法によってクローン化さ
れ、自然配列のクモシルククローンは、大腸菌発現系において生産された。従っ
てこれらの発現系は、様々な部分的長さのクモシルク蛋白質及び完全な長さの自
然クモシルク蛋白質を生産するために用いられている。これらは細胞質量1リッ
トルあたり2グラムを超えるレベルで発現させられたものである。ついでこれら
のクモシルク蛋白質は精製され、多くの目的、例えば繊維紡績、フィルム成形、
及びフィラメントのウイービングから生じるその他の用途に用いられる。発明の背景
様々な多くの動物目(例えば昆虫、蜘形類、及びダニ)によるシルクの生産は
よく知られている。例えばクモは、高張力を有する自然のクモの巣とドラッグラ
インを生産する。同様にカイコは、シルクを高い生産率で生産するが、そのシル
ク蛋白質は、物理的性質においてクモシルク蛋白質より劣ると考えられている。
例えばカイコ蛋白質は、張力がクモシルク蛋白質よりかなり低い。オーブ・ウイ
ーバー(orb weaver)及びその他のクモ類は、シルクフィラメントを
少量しか(商品化
するには経済的でない量)自然には生産しないが、強いフィラ
よりも数倍強い(3×104Jkg-1に対して9.5×104Jkg-1)。これら
の優れた強度特性によって、クモシルク蛋白質フィラメントは、パラシュート、
帆、ボディ用防具、及び強いフィラメントが必要なその他の高強度の用途に対し
て好ましい製品となっている。さらにはこれらのクモフィラメントは、多くの重
金属及び生物兵器をも含む有機物に対して、吸収性フィルムとしての用途にも用
いることができる。これらはまた、選択的にDNAを結合する吸収体、及びその
他の多くの化学薬品、香味料及び香料の吸収体としても用いることができる。
クモシルクは養殖クモから生産できるという仮説があるが、いくつかの理由で
このことは実際的ではない。第一に、クモは育てるのが非常に難しいことに加え
て、非常に密度の高いところで成長する場合、クモは近くに居るものを食べる習
性がある。第二に、クモは非常に少量のシルク蛋白質しか生産しない。このため
ミリグラムの量の生産でさえ、極端に高価なものになる。このような制限がある
ので、クモシルク蛋白質の商業的な量での許容しうる唯一の生産方法は、クモの
遺伝子を許容しうる大
規模生産ベクターにクローン化することである。本発明はこの目的を達成する。
合成シルク蛋白質遺伝子は、以前には、短い塩基対セグメントを作り、ついで
多数の反復単位を用いて生産されていた。中程度の分子量(20,000〜80
,000)の蛋白質はこのような方法で得られていた。多様な物理的性質を得る
ために、この方法は変更され、種々の配列を有する合成蛋白質が生産された。例
えば先行技術の研究者らは、自然界に生じるシルク蛋白質の短い長さのものを選
び、配列を変えて得られた配列を用いていた。
しかしながらこれらの先行技術の方法は、自然のシルクより劣る材料を生じる
結果になった。さらにはこの先行技術はまた、商業用に用いる場合に必要な長期
使用には不安定なクローンを生じる場合もあった。従って本発明の目的の1つは
、重合された短いDNA配列の場合に生じる前記問題を解決することである。こ
のことは、高力な高分子シルク蛋白質に関してコード化する長いDNAの生産に
よって、本発明を利用して達成される。
高力の主要アンプレート(ドラッグライン)のクモシルクが高い可能性を有す
るので、例えばNephila clavipes
のようなオーブ・ウイーバーのシルクに対して、これの強度の分子的根拠を理解
しようとする研究が行なわれた。研究者達はまた、クモシルク繊維の高い強度の
原因となる反復要素を組込むことによって、自然の蛋白質をクローン化するか、
あるいは合成シルク遺伝子を作る試みを行なったが限定的な成功しか得られなか
った。
しかしながらシルク蛋白質のクローニングに関連した問題は多い。第一に、自
然の蛋白質アミノ酸配列は、多数の反復サブ単位から構成されている。従ってこ
の配列は、自然の遺伝子をクローン化するために用いることができる多くのユニ
ーク部位を有していない。文献には、Nephila clavipesからの
ドラッグラインのクモシルク蛋白質のカルボキシ末端は、ユニークであることが
証明されている唯一の区域であると指摘されている。このことから、自然遺伝子
をクローン化する先行技術の試みはわずかで、その結果、合成蛋白質を生産する
先行技術の試みははるかに多いものになった。それにもかかわらず、安定クロー
ンの生産及びその結果生じる合成クモシルク蛋白質は問題が多いが、これは摸倣
されるDNA配列の反復性のためである。例えば多量の反復(特にGCA反復)
を有するDNA
は、転写エラーにより、また組換え欠失の確率が高いために不安定であり、その
結果として常に変化するDNAが生じる。これらの問題のために、多くのクロー
ンの完全性については疑問があった。
本質的にシルク遺伝子はまったく安定である。これは反復部及び非反復部が混
在しているからである。残念ながら合成遺伝子は、このような構成には向いてい
ない。その理由は、これらの合成遺伝子が組換え、特に組換え欠失に対して非常
に不安定だからである。安定クローンを得ることができないのは、不十分な量の
遺伝子がクローン化され、従ってその自然の安定性の基礎を作りうる非反復部が
得られなかったからである。従って、非反復部及び反復部を有する安定クローン
を得ることが、本発明の目的の1つである。
ドラッグラインのクモシルクのクローン化についてのもう1つの問題は、遺伝
子の大きさである。クモシルク蛋白質は一般に、200,000kDa又はこれ
よりも大きく、対応する遺伝子はまた、少なくとも1つのイントロンを有してい
る。従ってDNA断片のサイズを、5〜10Kb+イントロンの範囲内にするよ
うに計画される。現在の技術では、この規模の遺伝子
はクローン化がいまだに難しい。本発明はこの問題を克服した。
これらの機械的強度特性のために、クモシルク蛋白質のクローニングに多くの
関心が向けられてきた。Nephila clavipesドラッグラインシル
クの理解に関しては、スー(Xu)らによって、主要な進歩がなされた(Pro
c.Natl.Acad.Sci.87:7120、1990年)。スーらは、
部分的クローンからのクモドラッグラインシルクの反復配列の一部を突きとめた
。この反復単位は34までのアミノ酸に関してコード化したが、これは正確には
保持されなかった。その理由は、この配列がその反復のいくつかにおいて欠失及
び変化を有していたからである。それにもかかわらず、スーらは配列内に2つの
重要な区域を発見した。すなわちクモシルクにその特性のいくつかを与える反復
部と、非反復(カルボキシ)部である。ヒンマン(Hinman)及びルイス(
Lewis)(J.Biol.Chem.267:19320、1992年)は
、第二クモ蛋白質から来るものと推定される第二cDNAクローンについて報告
した。この配列は、スーらによって発見されたのと同様な反復部と、カルボキシ
ターミナル非反復末端を有していた。ヒンマン及びルイスの反復単位はより長く
、51
アミノ酸に関してコード化するものであり、高度に可変であった。
1991年10月23日に公告されたルイスらの欧州特許出願EP 0452
925 A2によるクモシルク蛋白質の発現において、小さい蛋白質断片のみが
少ない収率で生産されたようである。これらの小さい蛋白質断片はおそらく商品
としての価値はない。その理由は、良好な機械的性質は、これより大きな蛋白質
、特に完全な長さに近いものから生じるからである。1991年10月31日に
公告されたロンバルディ(Lombardi)らの国際特許出願WO91/16
351号はまた、組換えクモシルク蛋白質を非常に低い収率で生産したが、これ
らのクローンは分子量が小さいために機械的強度が低いようであった。
同様にこれまでに開発されたクモシルククローンは、自然の遺伝子の忠実なコ
ピーではないことが理論付けられている。これはいくつかの研究によって確認さ
れている。例えばベックウイズ(Beckwith)及びアーシジアコノ(Ar
cidiacono)(J.Biol.Chem.269(9):6661、1
994年)は、両方のクモ蛋白質が高度な相同性を有し、実際に同じ蛋白質を表
わしているかもしれないことを示している。
自然の発現系がシルク変異体として役に立つことを多くの研究者が認めてはい
るが、コドンプレフェンスに基づく発現の問題を解決することはできなかった。
高度に保持された反復性反復部を用いると、改良された蛋白質を生産することが
できると考えられるが、これらの合成遺伝子発現系は、DNAの安定性の問題、
低発現率、及び自然のクモシルクより望ましくない特性を有する蛋白質の生産と
いう問題を抱えている。従ってこれらの問題を解決することが本発明の目的であ
る。
1988年5月19日に公告されたフェラーリ(Ferrari)らの国際特
許出願WO 88/03533号は、シルク様特性を有する蛋白質を生じる合成
遺伝子を開示している。さらに、1990年5月17日に公告されたカペッロ(
Cappello)らの国際特許出願WO 90/05177号によって、自然
繊維蛋白質を模倣する若干の小さい反復蛋白質が開発された。1994年12月
22日に公告されたフロイド(Floyd)らの国際特許出願WO 94/29
450号でも、スーらによって開発されたいくつかの自然の反復単位を用いるク
モシルク合成遺伝子を開発することが試みられた。しかしながらこれらのクロー
ンのすべては分子量が小さく、従って自然のクモシル
クに望まれる特性を備えることが妨げられている。
本発明は、部分的長さ及び完全な長さのクモシルク蛋白質クローンの新規合成
に関する。これらの部分的長さのクローンはまた、自然のクモシルクの分子量ま
での、又はこれを超える分子量を有する他のクローンに多量体化された(mul
timerized)ものもある。本発明により、全範囲にわたる特性を有する
自然のシルク様クローンを開発することができるようになった。分子生物学にお
ける当業者は、その他の役に立つシルク特性、例えば強度、降伏点、粘着性、及
び可塑性などを有するクローンを作るための出発点として、これらのクローンを
用いることができる。さらには、これらの新規配列はその他の合成遺伝子を設計
するための出発点として用いることもできる。色又は色素をそのシルク蛋白質に
組込んでいるクモのいくつかに関しては、これらの方法はまた、天然色蛋白質を
も許容しうる。
本発明はまた、培地において移入された宿主の独創的な化学的発酵方法にも関
する。細菌発酵によってシルク蛋白質を生産することに関する主な問題の1つは
、プロテアーゼによる蛋白質の部分的消化である。実際、プロテアーゼによる蛋
白質分解率が、高分子シルク蛋白質発現率を上回る場合もあり、このこ
とによって商品化は不可能になる。本発明はこの潜在的問題を克服する。
本発明のこれらの目的及びその他の目的及び利点は、次の明細書によって示さ
れる。図面の簡単な説明
図1は、クモシルク蛋白質をコードする2Kb DNA配列を示している。発明の概要
この発明は、シルク蛋白質に関してコードするDNA断片の生産方法であって
、(i)シルクを生産するクモから取られた標的DNAを選択する工程であって
、この標的DNAが複数の反復部及び非反復部を備える工程;(ii)標的DN
Aの一部位を相補するDNA配列を有する少なくとも10個のヌクレオチドの一
本鎖DNAプライマーを選択する工程;及び(iii)DNAプライマーと融解
標的DNAとを反復的に組合わせ、この組合わせDNAプライマー及び標的DN
Aを、ヌクレオチド及びDNA断片を生産する校正能力を有するDNAポリメラ
ーゼでインキュベーションする工程であって、ここにおいてDNA断片は前記標
的DNAを相補するものであり、少なくと
も2Kbである工程、を含む方法に関する。より特別な実施態様においては、少
なくとも5KbのDNA断片が生産できる。
シルク蛋白質をコードするDNA断片の前記生産方法のもう1つの実施態様に
おいて、この方法は、1つではなく2つの異なるDNAプライマーを用いる工程
を含んでいる。一本鎖DNAプライマー又は2つの異なるDNAプライマーを用
いるDNA断片の生産方法のさらにもう1つの実施態様において、標的DNAは
、クモシルクに関してコードする完全な長さのmRNAの逆転写によって作られ
たcDNAであり、この方法はさらに次の工程を含んでいる。すなわち(i)こ
れから作られた第一鎖cDNAのアミノターミナル末端へプライマー部位を加え
る工程、及び(ii)第一ポリメラーゼプライミング部としてcDNAのポリT
部を用いる工程である。DNA断片のこれらの生産方法のさらにもう1つの実施
態様において、第二プライマー部位は、ライゲーションカセットを用いて、DN
Aの未知末端において作られる。さらにもう1つの実施態様において、第二プラ
イマー部位は、ターミナルトランスフェラーゼを用いて、DNAの未知末端にお
いて作られ、ポリdT、ポリdA、ポリdG、及びポリdCから成る群から選ば
れるプライ
マー部位が作られる。
DNA断片の前記生産方法のためのDNAプライマーは、下記開始配列及び終
了配列(i)〜(xx)によって表わされるDNAから選ぶことができる:
ここにおいて、N=G、A、T、C;V=G、A、C;B=G、T、C;H=
A、T、C;D=G、A、T;K=G、T;S=G、C;W=A、T;M=A、
C;Y=C、T;及びR=A、Gである。
DNA断片の生産方法のさらにもう1つの実施態様において、標的DNAは、
DNAプローブへのハイブリダイゼーションにより選択される。これは前記配列
(i)〜(xx)の少なくとも1つを有するものである。すなわち、これは支持
体に可逆的に結合されて、シルクコード化DNA断片を富化する。
シルク蛋白質をコード化するDNA断片のもう1つの生産方法の実施態様は、
多量体化方法と呼ばれるものであるが、この実施態様において、この方法は、(
i)シルクを生産するクモから取られた、シルク蛋白質をコード化する標的DN
Aを選択する工程であって、この標的DNAが複数の反復部及び非反復部を備え
る工程;(ii)種々のDNAプライマーの第一対を選択する工程であって、D
NAプライマーの第一対はどちらも標的DNAの一部位を相補するものであり、
DNAプライマーの第一対の少なくとも1つが配列(i)〜(xxvi)によっ
て表わされる工程;(iii)DNAプライマーの第一対と、
融解標的DNAとを反復的に組合わせ、かつこの組合わせDNAプライマー及び
標的DNAを、ヌクレオチド及び第一DNA断片を生産する校正能力を有するD
NAポリメラーゼでインキュベーションすることによって第一DNA断片を生産
する工程であって、この第一DNA断片が、標的DNAを相補するものであり、
少なくとも2Kbである工程、を含んでいる。この多量体化工程はさらに、(i
v)種々のDNAプライマーの第二対を選択する工程であって、DNAプライマ
ーの第二対の少なくとも1つが、DNAプライマーの第一対の配列のどちらとも
異なり、DNAプライマーの第二対の少なくとも1つは、配列(i)〜(xxv
i)によって表わされる工程;(v)DNAプライマーの第二対と、融解標的D
NAとを反復的に組合わせ、かつこの組合わせDNAプライマー及び標的DNA
を、ヌクレオチド及び第二DNA断片を生産する校正能力を有するDNAポリメ
ラーゼでインキュベーションすることによって第二DNA断片を生産する工程で
あって、この第二DNA断片が第一DNA断片とは異なり、これも標的DNAを
相補するものであり、この第二DNA断片が少なくとも2Kbである工程;(v
i)第一DNA断片及び第二DNA断片を制限切断する工
程;及び(vii)第一DNA断片及び第二DNA断片の制限部分を、多量体化
DNAに組換える工程であって、この多量体化DNAがクモシルク蛋白質をコー
ド化するものであり、これの長さが少なくとも4Kbである工程を含んでいる。
前記多量体化方法のさらに特別な実施態様において、DNAプライマーはすべ
て、配列(i)〜(xxvi)によって表わされる。もう1つの特別な多量体化
方法の実施態様において、すべてのDNAプライマーは異なっている。さらによ
り特別な多量体化方法の実施態様において、多量体化DNAは、長さが少なくと
も6Kb又は8Kbである。
DNA配列の実施態様において、この発明はクモシルク蛋白質をコード化する
DNA配列に関している。ここにおいてDNA配列は複数の反復部及び非反復部
を備えており、長さが少なくとも2Kbである。より特別な実施態様において、
DNA配列は長さが少なくとも5Kbである。本発明のさらに特別なDNA配列
の実施態様において、DNAは図1に示されている配列を備えている。
シルク蛋白質生産方法の実施態様において、この発明は、(i)DNAを選択
する工程;(ii)DNAを発現ベクター
へ挿入する工程;(iii)宿主細胞を発現ベクターで移入する工程;(iv)
移入された宿主を培地で発酵させてシルク蛋白質を生産する工程;及び(v)シ
ルク蛋白質を回収する工程を含んでいる。より特別なシルク蛋白質生産方法の実
施態様において、移入された宿主を発酵させるための培地は、プロテアーゼ抑制
剤を含んでいる。さらにもう1つのシルク蛋白質生産方法の実施態様において、
この方法は、(i)宿主細胞を破壊するために超音波エネルギーを加える工程;
(ii)シルク蛋白質を再懸濁させるために超音波エネルギーを加える工程;及
び(iii)破壊された宿主細胞を遠心分離して、細胞膜をシルク蛋白質から分
離する工程を含んでいる。これらのシルク蛋白質生産方法において、シルク蛋白
質の精製は、限外濾過又はアルコール沈殿によって実施される。
シルク蛋白質の紡績方法の実施態様において、本発明は、(i)限外濾過又は
アルコール沈殿によって精製されたシルク蛋白質の濃縮工程;(ii)濃縮シル
ク蛋白質の繊維を引き出す工程;(iii)シルク繊維を紡績してシルク糸を製
造する工程;及び(iv)シルク糸を洗浄してあらゆる可溶化試薬を除去する工
程、を含む方法に関する。可溶化試薬は、ヘキサフ
ルオロイソプロパノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、尿素、燐酸ウレ
ア、リチウム塩、有機溶媒、塩酸グアニジン、硫酸アンモニウム、酢酸、燐酸、
ジクロロ酢酸、蟻酸、及び硫酸から成る群から選ばれる。さらに特別なシルク紡
績方法において、この方法はさらに、シルク繊維又はシルク糸を酸化錫又は酸化
チタンで被覆する工程をも含んでいる。
織物の実施態様において、本発明は、本発明の方法のいずれかに従って製造さ
れたクモシルク糸を含む織物に関している。さらにもう1つの織物の実施態様に
おいて、この織物は、
合わされ、本発明の方法のどれかに従って製造されたクモシルク糸を含んでいる
。
この蛋白質は、コーティングとして用いることができ、押出して繊維にするこ
ともでき、あるいはまたポリマーフィルムにすることもできる。発明の詳細な説明 シルクを生産するクモのDNA源
本発明の方法は、Nephila clavipesの主要アンプレート(ド
ラッグライン)のクモシルクをクローン化す
るために特に開発されたものであるが、シルク蛋白質のクローニング方法及び生
産方法は、シルクを生産するすべてのクモに適用することができる。
クモはグループとしては8種類までの絹糸腺を有していることがある。絹糸腺
の8本全部を有するクモ種はないが、すべてのクモは少なくとも3つの絹糸腺を
有しており、大部分は5本有している。各腺は種々の特性を有する種々の型のシ
ルクを生産する。例えば非常に早く乾燥するシルクもあれば、粘着性のままのシ
ルクもある。
クモは、Arthropoda(節足動物)門、Arachnida(蛛形)
類、Araneae(真正クモ)目に属している。本当のクモは、Labido gnatha
亜目に属している。その他のクモの種類には、comb foot
ed、crab、fisher、funnel web、(hackled−b
and、オーブ・ウイーバー、jumping、及びogrefaced st
ickなどがある。本発明によれば、次の属群のあらゆるクモを用いることがで
きる。すなわち、Micrathena、Mastophora、Metepe ira
、Araneus、Argiope、Nephila、又はGasteracantha
である。
オーブ・ウイーバーは、最も優良なクモグループの1つである。その理由は、
これらは顕著な強度と柔軟性のあるシルクを放出するからである。オーブ・ウイ
ーバーは、Argiopidaeとして知られており、これには頭が矢印形のク
モ(arrowheaded shaped)であるMicrathena s agittata
、bolasのMastophora cornigera、
labyrinthのMetepeira labyrinthea、marb
ledのAraneus marmoreus、black−and−yell
ow gardenのArgiope bruennichi、golden
silkのNephila clavipes、及びspiny bodied
のGasteracantha cancriformisがある。
Nephila clavipesは、これのシルク糸が強く、絹糸腺が大き
くて切開しやすいので、遺伝子研究においては最も研究がなされている。その他
のオーブ・ウイーバーも強いシルク糸を生産する。
すべてのクモがシルクを生産するが、シルク糸を形成する蛋
白質は、その分子構成においてかなり様々であり、多様な目的に役立っている。
例えばAntrodiatusクモは、ただ2つの蛋白質を含む単一の種類のシ
ルクを紡ぐ。これに対して、Araneoidea科のクモはウエブ・スピナー
と呼ばれるものであるが、これは8種類までの様々なシルクを生産する。オーブ
・ウイーバーは、いくつかの蛋白質を用いて多様なシルクを生産し、より強くよ
り柔軟なクモの巣を作る。
クモシルク蛋白質はまた、どんな絹糸腺から紡がれたかによって、品質が異な
る。最も強いシルクとして知られているのは、オーブ・ウイーバーの主要アンプ
レート腺から出たものである。オーブクモによって生産された8種類のシルクの
うちで、この研究のために、主要アンプレート(ドラッグライン)シルクが選ば
れた。これは物理的強度及び非粘着性を有するからである。このドラッグライン
シルクは蛋白質から構成されている。但し炭水化物が繊維と組合わされている。
クモの出糸突起において、液体シルクは、アラニンとグリシンの高い相対比から
構成される不溶形態への不可逆性転移に付される。この繊維は、弾力のあるイン
タースペースを備えた逆平行β−シートから成る。このシルクのアミノ酸組成(
下記表に示されている)は、本発明
のクローンの組成を模倣している。
Nephila clavipesの
主要アンプレートクモ絹のパーセントアミノ酸組成
“Silk Polymers”、ACS、Symposium、Ser.54
4、1994年クローニング 2プライマーPCRクローニング
多くの研究では、PCR型技術を用いて、反復シルク遺伝子のクローニングが
試みられたが、少なくとも2つの問題が生じた。これらのPCR技術では、長さ
が8〜15Kbの遺伝子に関して十分忠実にDNAを転写することはできなかっ
た。実際に、文献において報告されている大部分のクローンは、不正確に転写さ
れていた。従って本発明の発明者らは、これらの欠点
の克服に着手し、幾分縮重したプライマーを用いることによって、PCR産物の
1つあるいはいくつかを生産することができることを発見した。
Nephila clavipesの腹部から取られたゲノムDNAが用いら
れた。DNAをクモから分離するために、サムブルーク(Sambrook)ら
の“Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laborat
ory、ニューヨーク(1989年)に記載されている調製方法に正確に従った
。この手順から、2Kbより多い高分子ゲノムDNAが結果として生じた。
発明者らは、スーらによって開示された配列データに関連した多くのプライマ
ーを用いて実験を行なった。用いられているプライマーのいくつかは、プライマ
ー配列(i)〜(xx)として上に開示されているものである。これらのプライ
マーはベックウイズ及びアーシジアコノも試みたものであるが、本発明者らは、
2プライマーPCRクローニング系を用いて、長さ2Kbまでのクモシルク蛋白
質を初めて生産した。本発明者らはまた、特許請求されているcDNA、及び下
記単一部位クロー
ニング方法によって、より大きいKbのクモシルク蛋白質を生産することができ
た。
PCRクローンの当初条件は、スーらとヒンマン及びルイスによって規定され
ているスピドロイン(spidroin)1に由来するプライマーを用いて作ら
れた。Taqポリメラーゼ(カリフォルニア州、ラ・ジョーラ(La Joll
a)、ノース・トレイ・パインズ・ロード(North Torrey Pin
es Road)11011のストラタジーン(Stratagene)社のパ
ーキン・エルマー(Perkin Elmer)からのライセンス下のストラタ
ジーン製品No.600131)を用いた普通のPCRで、発明者らは700〜
1000bpまでのPCR製品のみを得ることができた。このことは他の人々の
発見を確認するものである。これらの小片でさえ品質は疑わしいと考えられた。
Taqエクステンダー(ストラタジーン製品No.600148)を用いて、実
施例1に示されているように、約1900bpまでのいくつかの帯が得られた。
しかしながら校正活性を有するもう1つのポリメラーゼ(タカラ Taq LA
)が用いられた場合、下記実施例2に記載されているように、1つの主要帯だけ
が得られた。実施例1:Taqポリメラーゼを用いたクローニング
この実施例において、ベックウイズ及びアーシジアコノの手順によって分離さ
れたNephila clavipes DNAが、次の2つのプライマーと共
に用いられた:
プライマー(i)GGCGAATTCGGATCCATGGCAGCAGCA
GCAGCAGCAGCTと、プライマー(ii)GGCGAATTCACCC
TAGGGCTTGATAAACTGATTGAC。
プライマー(i)は前進(forward)読み枠に基づくポリアラニン反復
配列をコード化する。フレーム内開始コドンと、突出部としてのクローニングの
ためのBamH IとEcoRIとの両方のリーダー制限部位を挿入するリーダ
ー配列も、プライマーに入れられた。プライマー(ii)は、スーらの逆配列に
基づくPCRプライマー(bp 2218〜2242)である。この配列はまた
、フレーム内停止コドン及びEcoRI制限部位とを有している。この実施例及
び実施例2に示されているように、結果はPCR条件によるものであり、より新
しいポリメラーゼを用いない場合には確実なものではない。通例のTaq及びT
aqエクステンダーは同じ結果を生じなかった
が、これはおそらく読みまちがい又は誤プライミングによるものであろう。
PCR混合物は下記のとおりであった:5μlTaqエクステンダー緩衝液(
ストラタジーン社);Taqポリメラーゼ(ストラタジーン社)5μl/μlが
1μl;1μl/μlのDNA鋳型(クモゲノムDNA)1μl;水中の2μM
プライマー(i)が1μl;水中の2μMプライマー(ii)が1μl;NTP
のもの5μl(各々2μMのdATP、dCTP、dGTP、及びdTTP、p
H7.0);Taqエクステンダー(ストラタジーン社)45μl;及び全部で
100μlまでの水。
PCRサイクル条件は次の通りである:当初ドエル94℃で2分間;PCR条
件(30サイクル);60℃で1分間のアニーリング;72℃で2分間の伸長;
94℃で1分間の変性。あるいはまた、60℃で1分間のアニーリング、72℃
で2分間の伸長というPCR条件は、72℃で2分間の処理と代えることもでき
る。
1%アガロース電気泳動により分析されたこの反応混合物の5μl部分は、D
NA帯を示した。この技術によって、7までのDNA帯が得られ、これらの帯は
配列においていくつかのア
ラニン反復部を表わすと考えられた。最大のDNA断片は1900〜2000b
pであった(これは2Kb片と呼ばれた)。これは本質的には実施例2において
得られたものと同じ帯である。これはGene CapsuleTM(ミズーリ州
63108セントルイス、ワシントンブールバード3830のジーノ・テクノロ
ジー社(Geno Technology Inc.)のCat.No.786
−001)のゲルから切り取られたものであり、フェノール及びエタノール沈殿
で精製されたものである。これらの帯は、下記実施例2に記載された手順を用い
て、大腸菌 XL1 MRF’超コンピテント細胞にクローン化された。実施例
2に記載されたタカラ Ex TaqLAポリメラーゼPCR条件がプライマー
(ii)及び(iii)と共に用いられた時に、2Kb片も見られた。実施例2:タカラTaqLAポリメラーゼによるクローニング
凍結乾燥したクモの腹部を乳鉢に入れて乳棒で粉砕し、Sambrookら、
Molecular Cloning:A Laboratory Manua
l、1−3巻、Cold Spring Harbor Laboratory
,New York(1989年)に従って抽出して、ゲノミックDNA
を分離した。
次のプライマーを用いてこの実施例のためのクローニングを実施した:
プライマー(iii)は、Melloら、Silk Polymers,ACS
,Symposium,Ser544(1994年)が述べているペプチド配列
4から作製した。プライマー(ii)は上記の実施例1で述べたようにして作製
した。
以下のPCR混合物と条件を使用した。PCR混合物:10倍のタカラLA
PCR緩衝液5μl;タカラdNTP混合物5μl;プライマー(iii)(2
μM)1μl;プライマー(ii)(2μM)1μl;プルーフリーディング作
用を持つタカラExTaq1μl;クモのゲノミックDNA1μl;合計50μ
lにするための水;鉱油50μl。タカラLAPCR緩衝液、dNTP混合物お
よびタカラExTaqは、Panvera Corp.,565 Scienc
e Dr.,Madison,WI53711が配給しているタカラロールキッ
トから入手した。PCRサイクルの条件は次の通りであっ
た:94℃で1分間の初期ドエル;PCR条件(30サイクル);68℃で1分
間のアニーリングと延長および94℃で1分間の変性;4℃でのポストドエル。
この2Kb断片を大腸菌に挿入するため、周知のベクター、pUC18を選択
した。これはプラスミドが多数のクローニング部位を有しており、蛋白質を良好
に発現しうるからである。このベクターが周知のプライマーを用いた配列分析に
適することも知られている。この2Kb断片を大腸菌KL1 MRF’に挿入す
るため、最初にSigma Chemical Co.,P.O.Box145
08,St.Louls,MO63178−9916から入手したDNA標本1
μg/1μlにおいてpUC18を作製した。また同様に制限酵素を用いて挿入
部分を消化した。制限プロトコールは次の通りであった:5μg以下のプラスミ
ドあるいは挿入DNA;制限酵素10倍緩衝液5μl;1mg/mlのアセチル
化BSA5μl;制限酵素(EcoR I)5μl;最終容量50μlにするた
めの水;37℃で3時間インキュベートする。
またフェノール抽出し、クリーンアップした後、ベクターをEcoR I制限
酵素で処理した。ウシの腸アルカリホスファ
ターゼ(CIAP)でベクターを同様に処理した。この処理はベクターが再アニ
ーリングするのを予防した。
制限プロトコールに加えて実施したCIAPプロトコールは次の通りであった
:500mMトリス−HCl、pH9.0、10mMMgCl2、1mMZnC
l2および10mMスペルミジンから成るCIAP 10倍緩衝液10μl;C
IAP1単位;最終容量100μlにするための水;37℃で60分間インキュ
ベートする。1単位のCIAPは、37℃で1分当り6.0mMのp−ニトロフ
ェニルホスフェートを加水分解する。これらの単位を、1.0mMZnCl2、
1.0mMMgCl2を含む0.1Mグリシン緩衝液pH10.4中で測定する
。次の段階は挿入部をpUC18に連結することであった。これを行うために、
該DNAをフェノール抽出とエタノール沈降反応によって再精製し、その後以下
に述べるプロトコールに従って連結した。
連結プロトコール:ベクターDNA100ng;100ng以下の挿入DNA
;T4 DNAリガーゼ1単位(ワイス単位);リガーゼ10倍緩衝液1μl;
最終容量10μlにするための水;室温で1時間インキュベートする。
次に、スーパーコンピテント細胞を挿入するためのClonetech法を用
いて、Clonetech Laboratories,Inc.,4030
Fabian Way, Palo Alto,CA94303から入手した大
腸菌XL1 MRF’に新しいベクターを挿入した。LB肉汁10g/l細菌ペ
プトン、5g/l酵母抽出物および5g/lNaCl中で、50μg/μlのア
ンピシリンを用いてアンピシリン耐性により形質転換体を選択した。最初に適当
な大きさのプラスミド、約4.3Kbを探して、クローンの適当な挿入部を調べ
た。同時に、ビオチン化したプローブを使用し、ハイブリダイゼーションに関し
てアッセイすることによっても挿入部を調べた。挿入した蛋白質はpUC18内
で発現するように挿入されているので、その発現に関して形質転換からの最良の
5箇所の挿入部を検討した。
上述したPCR手法を用いて2Kbの挿入部が容易に作製された。この手法は
以下の3つの方法よりもすぐれた結果をもたらした:ペプチド塩基配列決定に基
づくプローブによるシルクに関してのショットガンクローンライブラリーのスク
リーニング(Xuら);絹糸腺からのcDNA挿入部(Hinmanと
Lewis);Taqポリメラーゼあるいはおよびプローフリディング作用のな
い他のポリメラーゼを用いたPCR(BeckwithとArcidiacon
o)。
上記の3つの方法に比べて実施例2のPCR手法は迅速であり、他の報告され
ている方法から明らかなように配列に誤りを生じず、所望する遺伝子だけを対象
とした。クモシルクのアミノ末端およびカルボキシ末端からの配列を少しだけ用
いて、この手法を主要なアンプレート(ドラッグライン)シルク以外のシルクの
塩基配列決定に、あるいは同様の特性を持つ他のクモに適用することができる。
蛋白質が大腸菌宿主において発現するかどうかを調べるために、クモシルク蛋
白質の測定のための抗体アッセイを開発した。これらのアッセイを以下に述べる
。さらに、SDSゲル電気泳動は、2Kb挿入部が良好な収率で94KDa蛋白
質を生じることを示した。ゲル電気泳動はMellowら、Silk Poly
mers,ACS,Symposium Ser.544(1994年)の手順
に従って実施した。LB肉汁を用いると、収率は細菌によって生成される総蛋白
質の0.1−10%の範囲であった。Bio−Rad Laboratorie
s,
3300 Regatta Blvd.,Richmond,CA94804か
らのBio−RadキットNo.170−6460を用いたウエスタンブロッテ
ィングも、この蛋白質がシルク蛋白であることを確認し、またそれは抗体反応を
示す唯一の蛋白質であった。
この2Kb挿入部ならびに本発明者によって開発された他の挿入部は、Pro
megaシルバーシーケンスシステム、Cat.No.Q4130 Prome
ga Corporation,2800 Woods Hollow Rd.
,Madison,WI 53711−5399を用いて通常の条件に従って配
列決定した。これは、多数のプライマー、欠失クローンおよび実施例1に基づく
他のクローンを用いて実施した。この配列は図1に示すDNAおよび蛋白配列を
特徴とした。cDNAからのクローニング
多くの研究者がNephila clavipesクモシルクをクローンする
ことを試みながら、ごく小さな断片がクローンされただけでほとんど成功してい
なかった。cDNAからのクローニングに関連する問題としては、完全な長さの
mRNAが得られないこと、蛋白質の逆転写がうまくいかないこと、お
よび適合度が低いことが含まれた。もうひとつの主要な問題は、絹糸腺から十分
な量のmDNAが得られないことであった。以下に述べる本発明のcDNAクロ
ーニング手法はこれらの問題を克服するものである。実施例3
A.完全な長さのmRNAの開発
このクローニング法が成功を収めるまで、完全な長さのmRNAを得るという
問題を解決しなければならなかった。クモ絹腺中のmRNAのコピー数は非常に
少ないので、クモ絹糸腺から完全な長さのmRNAを得るのと類似の方法を開発
するため、カイコBombyx moriを使用することにした。数多くのmR
NA分離法を試みたのち、PerSeptive Diagnostics(C
ambridge,MA)からのmRNA精製キット(No.8−MB4003
K)が、評価しうるほどの分解を伴わずに、一貫して基本的に完全な長さのmR
NAを分離できることを発見した。このmRNA精製法は、mRNAを分離する
ために生体磁性ビーズ分離およびオリゴ(dT)20粒子を使用する。
B.長くて正確なPCR法の開発
開発過程の次の段階は、該mRNAを良好な一次ストランド鋳型に転換し、次
に確実にDNAを複製することであった。Invitrogen Cycleの
mRNA逆転写を用いると、Invitrogen Corp.,3985B
Sorrento Valley Blvd.,San Diego,CA92
121から入手したcDNAサイクルキットL1310−01およびPCR増幅
系は満足しうるものではなかった。開発されたプライマーはmRNAの小さな断
片の増幅にしか適してなかったからである。発明者はその後、10Kb mRN
Aを得るための自分達自身の手法を開発することにした。この工程の最初の部分
は、逆転写酵素反応を至適にすることであった。AMV(鳥類の骨髄芽球細胞症
ウイルス)逆転写酵素(M5101)およびリボヌクレアーゼH活性を取り除く
ように修飾したM−MLV(モロニーマウス白血病ウイルス)逆転写酵素(M5
301)を含めた様々な逆転写酵素を試みて、一次ストランドを作製するための
好ましい逆転写酵素を発見した。Tanese&Goff,Proc.Natl
.Acad.Sci.U.S.A.85:1977(1988)参照。M510
1とM5301はいずれ
もPromega Corp.,2800 Woods Hollow Roa
d,Madison,WI53711から入手した。Promega社の指示に
従って使用したM−MLVは、最も高い適合性と最長の産物をもたらしたことか
ら好ましいものであった。それ故、M−MLVと次の逆転写酵素プロトコールを
使用することが勧められる:10倍逆転写酵素緩衝液2μl;M−MLV逆転写
酵素(Promega)2μl;ジチオスレイトール2μl;ポリd(T)201
μl;mRNA13μl。
一次ストランドを作成後、mRNA断片を増幅する必要があった(フェノール
抽出とエタノール沈降反応によって再分離した後)。該mRNAがポリA末端を
持つので、ポリTプライマーを使用した。他方の末端にはマーカー配列が必要で
あり、数多くの可能性が存在した。マーカーカセットを各末端に置くと機能した
が、この方法は少ない数の一次ストランドDNAに連結する確率が低かった。m
RNAのポリA末端はは蛋白質のカルボキシ末端がコードされている部分に隣接
しているので、一方の末端を標識する方法が既に使用されていた。それ故、1つ
の末端だけを標識する方法を採用し、ターミナルトランスフェラーゼを使用した
。好ましい方法は、酵素ターミナルトランス
フェラーゼを使用して、一次ストランドの3’末端にポリAを付加するものであ
る。単一プライマー法でmRNAからcDNAの両端を増幅することによってこ
れを行った。そのプロトコールは次の通りである:ターミナルトランスフェラー
ゼ緩衝液(Promega処方)10μl;ターミナルトランスフェラーゼ(P
romega)1μl;上述した逆転写手法からの一次ストランドDNA5μl
;オリゴd(T)6-121μl;d(A)1μl;水7μl;37℃で1時間イン
キュベートする。ターミナルトランスフェラーゼ緩衝液およびターミナルトラン
スフェラーゼはPromega Corp.,2800 Woods Holl
ow Rd.,Madison,WI 53711−5399、カタログNo.
M1871から入手した。
次にフェノールとエタノール沈降反応を用いてDNAを単離し、PCRを使用
した。以下に述べる手法により、一方の末端にポリdAストランド、反対側の末
端にはポリdTを持つDNAストランドを生じた。かかる長いDNA断片につい
てPCRを用いることの問題は、ポリTをプライマーとして使用するcDNAの
長くて正確な増幅プロトコールが必要とされるが、
以下のDNA増幅のタカラLA法を用いて解決した。cDNAのPCR増幅は次
の通りであった:上述したターミナルトランスフェラーゼ手法からのDNA1μ
l;10倍のタカラLA緩衝液10μl;dNTPs(タカラ)10μl;ポリ
d(T)20プライマー1μl;タカラExTaqLAポリメラーゼ1μl;水
78μl;鉱油100μl。PCRの条件は次の通りであった:初期ドエルは9
4℃で1分間であった;増幅サイクル(40)は;94℃で30秒間;55℃で
2分間;72℃で3分間であった;その後2℃でポストドエルを行った。
増幅は最初多数のmRNAによるストリークを示した。必要な特異的プライマ
ーを得るため、初期増幅からのcDNAを、最初にシルク蛋白の非反復領域をコ
ードする2Kbのプライマー(ii)だけで増幅した。これも最初のPCRから
のcDNA1μlを用いて停止コドンを導入した。これににより、一方の末端に
ポリd(A)を持つ一本鎖cDNAだけを生じる。この新しいプライマーだけが
シルク蛋白をコードするcDNAを増幅する。これによりシルク蛋白の選択的ラ
イブラリーを生じる。同時にシルク蛋白からのcDNAを優先的に増幅したスト
リークを生じた。次に、上述した反応産物1μlをプライマー
(ii)およびポリd(T)20と共に使用してPCR法を実施した。これを行っ
た時、エチジウムブロマイドを含むアガロースゲル上に3つの異なるmRNA帯
が形成された。これらのmRNA帯はクモシルク遺伝子から形成される3つの異
なる大きさのmRNAを示した。それらは約95kDa、190kDaおよび2
20kDaの蛋白質をコードするものである。天然のクモシルクでは190kD
aと220kDa蛋白質が多いが、3つすべてが形成された。同じ3つの蛋白が
、電気泳動で確認されたように、クローンと天然のクモドラッグラインシルクの
両方において生成される。これは正しい遺伝子のクローニングを示す上で重要で
あった。これらの結果は、PCR分析に従えば最後の2Kbについては相同であ
るので、この蛋白には3箇所の開始部位が存在することを確信を持って示唆して
いる。これらの断片の最大のものは約14Kbの長さである。その後2つの最大
断片をクローンした。最大の断片は、pUC18をSma Iで平滑末端制限開
裂し、実施例2で述べたようにCIAPで処理してクローンした。cDNAを、
実施例2で示したようにこれをベクターに連結することによって平滑末端挿入し
た。これを、Stratagene Cloning
Systems,11011 North Torrey Pines Rd.
,La Jolla,CA 92037からのキットNo.20030を用いて
スーパーコンピテント大腸菌XL1ブルーMRF’で形質転換した。
1%アガロースゲルで挿入部分の大きさを調べ、陽性形質転換体を挿入に関し
てアッセイした。次に陽性挿入体を、PCRとポリd(T)20プライマーを用い
て正しい挿入に関して試験した。同時に陽性体を以下に論じる抗体法によっても
試験した。大きなmRNAについての抗体試験に適格した陽性体を、SDS電気
泳動を用いて検査し、複数の開始部位を示す3つの異なる蛋白を生じることが分
かった。1つの蛋白質は2Kb断片よりもわずかに大きく、他の2つの蛋白質は
天然クモシルクドラッグライン蛋白質よりもわずかに短かった。しかし、これら
の高分子量蛋白をウエスタン染色で染色することは困難であるが、これは天然蛋
白についても同様であった。
開始コドンを挿入するあるいは確実に読取り枠を正しくするという試みは行わ
なかったが、これらのクローンは大量の蛋白を生成した。実際に、一部はあまり
に多くの蛋白を生成したため増殖が抑制された。発明者の知る限り、培養が標的
蛋白のこ
れほど多くの合成を示したのはこれが初めてであった。以下の発酵の章でさらに
説明するが、低温のような培養条件が蛋白産生の増加を助けるというのは意外な
発見であった。それらの蛋白が塩基配列決定のためのプラスミドDNAの単離に
干渉し、それによって、該DNAが細菌の蛋白をコードしている時に正しい配列
を得ることを困難にすることが分かった。しかし、これらの各々の蛋白の配列の
最後の部分は同じであった(アミノ末端で一部のクローンから100塩基対まで
が欠失している小さな相違を除いて)。これらのクローンは、同じDNAコード
領域を読取るので、カルボキシ末端では同じ配列(最後の1900+塩基)を有
している。単一部位プライマー系からのクローニング
前述したように、プライマー(ii)は主要なドラッグラインシルク蛋白のカ
ルボキシ末端をコードするので、独自のものである。それにもかかわらず、アミ
ノ酸の方向を指示し、望ましくは全体配列を引き出す方法を開発する必要があっ
た。そのような2つのアプローチを開発した。1つはショットガン法を用いてD
NAクローンを作製するもので、これは以下に述べる。1つの挿入部の中で遺伝
子全体をクローンし、この方法で蛋白
を生成することができる可能性は低いと思われた。発明者は、カルボキシ末端が
対象となる他のクモシルクについても独自のものであることを知っていたので、
既知の1つの固有部位から開始しなければならない、PCRのための方法が開発
できるであろうと考えた。この手法が第二のアプローチであり、DNAの末端に
カセットを連結することを含むが、ターミナルトランスフェラーゼの使用はやは
り有効であろう。実施例4
それによって部位に結合するPCRプライマーを開発することができる、DN
Aの末端での独自のマーキングを容易にするために、タカラキットからの多くの
カセットを開発した。以下の開示するカセット系を使用した。
カセット1:Sau3A Iカセット。
カセット2:EcoR Iカセット。
カセット3:Hind IIIカセット。
カセット4:Pst Iカセット。
カセット5:Sal Iカセット。
カセット6:Xba Iカセット。
プライマーC1
プライマーC2
プライマー(ii)
Isegawaら、Mol & Cell.Probes6:
467(1992年)参照。
このアッセイを実施するためには、上記の制限部位のひとつで高分子量のクモ
ゲノミックDNAを消化する必要がある。制限消化手順は次の通りである:1μ
g/μlのゲノミックDNA2μl;適当な制限酵素(上記に示した6つの制限
カセットのひとつに対応するものあるいは同じ制限カセットを制限酵素と共に使
用する場合はその他のもの)20単位;制限酵素のための10倍緩衝液5μl;
合計50μlまでの蒸留水;37℃で3時間インキュベートする。
次のこの制限消化物を洗浄し、エタノール沈降反応によって再濃縮し、滅菌水
に溶解する。その後カセットを各々のDNA消化物に連結する。連結反応手順は
次の通りである:ゲノミックDNA消化物5μl;適当なカセット(上記のカセ
ット1−6のような)2.5μl(20ng/μl);タカラ連結溶液7.5μ
l;室温で30分間のインキュベーション。
次のこの連結反応混合物を洗浄し、エタノール沈降反応によって再濃縮し、滅
菌水5μlに溶解する。タカラのキットのTaqはプローフリーディング作用あ
るいは高い適合性を持たないので、タカラLA PCRキットからの試薬とポリ
メラー
ゼを使用し、非常に正確な転写が得られた。使用したプロトコールを以下に述べ
る。
最初のPCR増幅混合物は次のものを含んだ:DNA溶液2μl;カセット7
(プライマーC1)1μl;カセット9(プライマー(ii))1μl;10倍
のLA eXTaqポリメラーゼ緩衝液10μl;ExTaqLAポリメラーゼ
1μl;dNTPs10μl(各々2.5mM);合計100μlにするための
水。PCR条件は次の通りであった:初期ドエル94℃で1分間;増幅(30サ
イクル):94℃で30秒間;55℃で2分間;72℃で1−3分間;2℃での
ポストドエル。
最初のPCR増幅後、ゲノミックDNA溶液を1回目のPCR産物1μlに置
き換え、カセット7(プライマーC1)をカセット8(プライマーC2)に置き
換えることを除いて、同じ条件下で2回目のPCRを実施した。
2回目のPCR産物のアガロースゲルは、カセット系のうちの3つに関する帯
を示した:Pst I、Hind IIIおよびEcoR I。これらは長さ4
0kB以上、一部は100kB以上の弱い帯であった。ゲルに重要なストリーク
が形成されたが、発明者はこの長さのPCRについての報告を発見でき
なかったので、これはPCR産物が極端に長かったためであろうと推測された。
これらのPCR産物を各々ゲルから切り出し、Gene Cleanで精製した
。これらの産物は平滑末端の断片で、Sma I平滑末端制限部位でpUC18
に直接クローンし、大腸菌XL1ブルーMRF’に形質転換した。これらの挿入
部分はすべて挿入時にある程度欠失したが、それでもやはり、ドラッグラインク
モシルク遺伝子全体を挿入するのに十分な長さである20Kb以上(代表的には
約23Kb)のプラスミドクローンを生じた。以下に論じるように、大腸菌の形
質転換体はシルクの高い産生から生じる生化学的問題のために、肉汁培養ではあ
まり良好に増殖しなかった。
これらの形質転換体は、先に述べたcDNA転換体と同様にあまり良好に増殖
せず、シルクに似た綿状の塊を作ると思われた。このため、本発明者はクモシル
クが産生されているかどうかを調べることにした。以下に述べる抗体検査と血球
凝集反応は、大量のシルク蛋白の産生を示した。SDSゲル電気泳動は3種の蛋
白(実施例3の上述したcDNAの検討から予測されたもの)の存在を検出し、
最も大きい2つの断片は天然クモシルクに適合する完全な長さであることを示し
た。ウエスタンブ
ロッティングもcDNAに関するのと同じ結果、すなわちより小さなシルク断片
が非常に良好に染まることを示した。沈降反応その他の問題のため、非常に大き
な蛋白は天然シルクのようにウエスタンブロッティングで陽性染色されなかった
。実施例3はこの実施例と同様に機能した。しかし、いずれの場合も、また天然
クモシルクに関しても、より大きな蛋白は陰性染色された。
これらのクローンの多くの増殖に関してもいくつかの顕著な問題があった−−
cDNAクローンに関して認められるものと同様であるが、産生は著しく高い。
これらのクローンの一部は、37℃のLB肉汁のような肉汁培養では良好に増殖
しない。興味深いことに、本発明者は、プロモーターがクローンから生じて、産
生率を助けているのではないかと推測した。プラスミドDNAに関連した、完全
な長さのシルクの配列上の問題(アガロースゲル上にストリークを生じさせる)
を避けるためのひとつのアプローチは、蛋白を生成しないあるいは低分子量蛋白
を生成するサブクローンにクローニングすることである。この問題は、上述した
cDNAクローンや以下に述べる多量体に関して認められるものよりも深刻であ
る。cDNAクローンのよう
にこれらのクローンは大量の蛋白を産生し、大量生産に使用することができる。
該DNA配列の最後の2Kbは、配列が終了する2Kb挿入部に適合することが
既に確認されている。ゲノミックシルクDNAからのショットガンクローニング
この独特の方法はカイコのDNAをクローニングするのに知られているが、本
発明者はこの手法がクモシルクDNAの分離にも適することを発見した。しかし
、遺伝子全体を含む適当なクローンを見つけるためには50,000までのクロ
ーンをハイブリダイゼーションプローブによってスクリーニングしなければなら
ないと予想される。上述した他のクローニング法と異なって、これらのクローン
のいずれもが(あるいは少数のクローンだけは)、広汎なスプラインシングを行
わないと蛋白質を生成しないであろうと予想される。そのため、本発明者はこの
手法を改善することに取り組んだ。本発明者が開発した改善とは、クローニング
に使用されるもののような、ガラスビーズに付着したビオチン化されたプローブ
の使用を含む。この手法は、クローニングの前にシルク遺伝子の少なくとも一部
を持った配列を強化することを認めた。ビオチン化プローブは、該プローブにハ
イブリダイズする特異的領域を持ったDNA配列を選択
する。それ故、DNA断片が遺伝子全体を有していないこともある。それにもか
かわらず、この手法はクモシルク遺伝子を得るため、および蛋白質発現クローン
を作製するための開始点として使用される。実施例1−4で述べたクローニング
手法に比べると、これらのショットガン法は初歩的であるが、まだやはりNep hila
やその他のクモシルク蛋白をクローニングするための適切な方法である
。実施例5
ビオチン化プローブでクローンを選択するのにハイブリダイゼーションプロー
ブを使用することは知られている。たとえば、Sigmaキット(Cool−1
)、Sigma Chemical Co.,P.O.Box14508,St
.Louis,MO63178−9916は、BioRadの手法に従ってブロ
ットしたシグマニトロセルロース膜上のクローンのドットブロットを最終的に展
開するための試薬を提供する。これらの手法は数多くあり、また大半の分子生物
学の当業者がこの基本的手法を実践している。
ビオチン化プローブにハイブリダイズするDNA断片を濃縮するための手法は
あまり知られていない。この系では、次の手
順を用いてゲノミックDNAの前強化にDNAL(LakeSuccess,N
Y)M−280ガラスビーズを使用した。まず最初に、ビオチン化プローブとD
ynabeads M−280 Streptavidinをミクロ遠心分離管
において混合した。ビーズ100μlとビオチン化プローブ100μl(1μg
/μl)を混合し、室温で10分間結合させた。管の磁石でビーズを遠心分離管
中に保持し、静かに液体を流出させる。次に0.1M NaClを含むTE緩衝
液でビーズを3回洗浄しする。あらかじめ95℃で2分間変性させたゲノミック
DNA100μlをビーズに加える。2Xで、10mMトリスHCl(pH7.
5)、1mM EDTAおよび2M NaClから成る当量の結合溶液を用いて
、ビーズとDNAを42℃で2時間ハイブリダイズさせる。次に温度を室温まで
下げて、ハイブリダイゼーション溶液中でビーズを3回洗浄する。0.1M N
aClを含む0.15M NaOHを用いて富化したDNAを溶出させる。DN
Aを水中で5μlに濃縮し、Sma I部位でpUCベクターに挿入してクロー
ニングする。クモシルクDNA配列に結合する種々のビオチン化プローブを用い
て正しい断片をさらに選択する。陽性クローンを配列させ
る。この手法は非常に有効であるが、選択にかなりの作業を要する。500以下
のクローンだけをスクリーニングすればよいようにDNAの強化を行うことがで
きる。この強化を行わないと、シルク遺伝子を持つクローンを得るためには20
0,000から2000万のクローンをスクリーニングしなければならない。多量体化工程
実施例1と2で述べた2つのプライマーPCRクローニング手法と、Neph ila
型配列に基づく20以上の異なるプライマーを用いたが、2Kb挿入部が
クローニングした最長のクモシルク断片であった。このため、より大きな断片を
作製するには別の手法が必要であろうという理論が立てられた。アミノ末端付近
をコードする蛋白質の部分からの追加的な配列情報を得る手法が必要と考えられ
た。蛋白質の配列決定から得られた情報ではより大きな断片が生成されなかった
からである。2Kb断片は完全な長さの40%以上であるが、一般にシルクポリ
マーの大きさによって強度が異なるので、強度特性を高めるためには多量体化が
必要と考えられた。それ故、発明者は2Kb挿入部を多量体化して。天然遺伝子
よりも大きな蛋白を作
製したいと考えた。
本発明の発明者は、PCRは報告された配列の反復を避けるので、これらの挿
入部を多量体化するのに適した方法をもたらすであろうと推測した。本発明の多
量体化の工程は以下の実施例の中で示す。
種々の有用な制限部位を持ったPCR断片の構築は、現在の開始および終了プ
ライマーの突出部(オーバーハング)を修飾することによって実施した。上述し
たプライマー(i)や(ii)のような他の開始および終了プライマーは異なる
制限部位を有しており、蛋白がその部位を通してmRNAに翻訳され続けるよう
に欠失した停止枠コドンを持ち、より長い構築物を作製することができる。開始
コドンが最初に残され、そのため欠失を調べるのに役立ち、翻訳を上昇させる多
数の蛋白質が存在する。独自の制限部位で種々の2Kb挿入部を作製するのに用
いたプライマーを以下に示す。これらはプライマー(xxi)−(xxvi)と
称される。
BamH I部位を持つプライマー(xxi)。
Hind III部位を持つプライマー(xxii)。
Sal I部位を持つプライマー(xxiii)。
BamH I部位を持ち、停止コドンを持たないプライマー(xxiv)。
Hind III部位を持ち、停止コドンを持たないプライマー(xxv)。
Sal I部位を持ち、停止コドンを持たないプライマー(xxvi)。
実施例6(4Kb多量体構築物)
この実施例の4Kb構築物は、pUC18中の2Kb挿入部を持つプライマー
(i)および(xxv)のPCRによって作製した。ゲノミックDNAの代わり
に2Kb開始プラスミドを使用したことを除いて、上記の実施例2に従って実施
した別個の反応においてプライマー(ii)および(xxii)を使用
した。LA(長くて正確な)PCR手法を用いて、発見されたDNA断片は、新
たな制限部位とプラスミド全体を表わす2つの帯を持った2Kb断片であった。
その後、製造会社の指示に従って1%アガロースゲル(8cmゲル上での70
Vで90分間の電気泳動)−−Gel Capsules(Geno Tech
nology,Inc.St.Louis,MO63108)によりこれらの帯
を分離した。EcoR IとHind IIIの両方の制限酵素で帯を切り、ベ
クター2μgをEcoR Iで切って、実施例2で述べたようにCIAPで処理
した。次に、2つの2Kb断片の各々の半分とベクターをフェノール抽出とエタ
ノール沈降反応によって精製し、TE緩衝液10μlに溶解した。TE緩衝液は
Sambrookらによって述べられている。各々の5μlの部分標本をリガー
ゼ反応に加えて(実施例2の中の連結プロトコールで述べたように)、連結した
。Invitrogen Corp.,3985B Sorrento Val
ley Blvd.,San Diego,CA92121から入手したInv
itrogenエレクトロポレーター、カタログNo.S1670−01に添付
されている通常の細菌プロトコールを
用いて、これらを大腸菌XL1BlueMRF’細胞(キットNo.20023
0)、大腸菌TOPP細胞(キットNo.200241)および大腸菌Sure
細胞(キットNo.200238)にエレクトロポレーション導入した。大腸菌
細胞はStratagene Cloning Systems,11011
North Torrey Pines Road,La Jolla,CA9
2037から入手した。Sure細胞は、欠失のある形質転換体が少なく、より
良好な結果を生じた。成功した形質転換体は94および188kDaの蛋白質を
生成し、後者は天然クモシルクに関する文献の中で報告されている190kDa
蛋白に類似している。実施例7(6Kb多量体構築物)
本実施例の6Kb構築物は、実施例2で述べた手法を用いて3つの断片のPC
Rによって作製した。この手法は、3つの2Kb構築物と以下のプライマーセッ
トを使用することから成った:セット1:プライマー(i)と(xxiv);セ
ット2:プライマー(xxi)と(xxv);セット3:プライマー(xxii
)と(ii)。
実施例6の4Kb多量体構築物において述べたのと同様の手
法にてこれらをpUC18内に構築した。Sure細胞の一部では天然シルクよ
りも大きい蛋白質を創造する欠失が起こらないことが発見されたが、プライマー
(i)と(ii)および形質転換体ベクターDNAを用いたPCR産物のアガロ
ースゲルから判断すると、多くの場合には何らかの欠失が起こった。Sure細
胞は組み換え欠損であることから好ましかった。予想されたように、DNAは一
定サイズ以上であったため、より不安定で反復を欠失していた。実施例8(8Kb多量体構築物)
本実施例の8Kb構築物は、4つの別々の2Kb断片を次の4つのプライマー
セットから作製したことを除き、上記の実施例の6Kb構築物と全く同じように
作製した:セット1:プライマー(i)(xxiv);セット2:プライマー(
xxi)と(xxv);セット3:プライマー(xxii)と(xxvi);セ
ット4:プライマー(xxiii)と(ii)。
これらを、実施例6および7の他の挿入部分と同様の方法で挿入した。ほとん
どすべての場合に欠失が起こったとしても、天然シルクより大きい蛋白質が生成
され、この多量体化手法がよりすぐれた特性を持つ合成シルクの作製に使用でき
ることを
示唆した。この手法と完全な長さのDNAを使用して、配列を変更して、天然シ
ルクDNAの多量体ユニットを生成できた。最終産物は通常よりもはるかに高い
分子量を有していた。これらのクローンの一部は、完全な長さの天然シルクと同
様の大きさかあるいはそれよりも大きなサイズの蛋白質を生成した。
cDNAや上述した単一部位系のような他の手法からのクローンを統合して、
他の多量体を作製することもできた。800kDaまでのクローンは、完全な長
さのクローンあるいはその断片を用いて本発明の多量体化手法が可能である。ベクターおよび生産系
クモシルク蛋白のクローニングに関しては、大腸菌およびpUC18が好まし
い初期生産系である。どちらも高い適合性のある安定な発現を生じ、その細胞膜
を通してシルク蛋白を排出する。発現系については1つの例しか示していないが
、天然蛋白あるいはそれらから誘導される多量体をコードする特異的挿入部分は
、いずれのベクターあるいはゲノム取り込み系における使用にも適用しうる。潜
在的可能性のあるベクターおよび宿主のリストは膨大な長さとなるので、ごく一
部の例だけを以下に示す。細菌系
大腸菌発現系が好ましい。その理由は非常に高いレベルの組み換え蛋白質を生
成し、それを細胞膜の外側に排出するために必要な生化学的仕組みを有している
からである。またそれらは簡単な発酵を用いると容易に増殖する。さらに、最も
一般的な発現系であるので、この系による蛋白質生成にとっての主要な問題の多
くが既に克服されている。pUC18は最も一般的に使用されるベクターである
。pUCがそのひとつである、ヒトが作製した一般的なプラスミドに加えて、溶
菌ファージに基づく他のベクター、ファージミド、シャトルベクターも発現挿入
系として可能である。そのようなプラスミドの例は、pBR322、pSP−6
4、pUR278およびpORF1を含む。ファージベクターの例は、ラムダ(
λ)、12001、ラムダ(λ)gt10、シャロン4a、シャロン40、M1
3mp19および天然の細菌ファージから修飾した他のファージを含む。
枯草菌系を含むBacillus発現系も使用できる。これらの細菌は宿主に
よる良好な分泌という利点を持ち、その結果処理の段階とコストが少なくてすむ
。発現カセットも使用でき
るが、これまでに検討されたベクター宿主系に関しては不必要であることがわか
っている。大腸菌およびBacillusシャトルベクターとして作用しうるひ
とつのファージミドはpTZ18Rで、これはPharmacia(Pisca
taway,NJ)から入手できる。
他の多くの細菌系が発現のために使用できる。寄託されているクローン
代表的なクローンは、1995年6月2日にAmericab Type C
ulture Collection(12301 Parklawn Dr.
Rockville,Maryland 20852)に寄託され、ATCC
No.69832を与えられた。寄託されているのは、完全な長さのNephi la clavipes
シルク蛋白質を発現することができる完全な長さのクモ
シルク遺伝子を有するpUC18プラスミド(23Kb)を含む、大腸菌XL1
MRF’細胞、菌株名称PA21である。酵母及び糸状菌系
Sccharomyces cerevisiae、Scizosaccha romyces
pombe、 Pichiapastoris、
Aserillus sp.、 Hanse nula
sp.、及びStreptomyces sp.は発現系として使用
できる。しかし、Aspergillus及びPichia系を除き、これらの
系が細菌異常に蛋白質を生産し、規模拡大を容易にするだろうという証拠はほと
んどない。しかしこれらの系は、細菌発酵が毒素及び発熱物質を有するので、U
SP又は食品級物質を生産するためには望ましいが、これらの酵母及び糸状菌の
多くはすでに食品級物質として安全であることが示されてきた。植物変換系
植物系はシルクのような形質転換蛋白質の生産のために使用できる。蛋白質の
量は微生物系で生産されるよりも少ないだろうが、植物栽培はかなり低経費であ
る。植物ゲノムへの遺伝子取込を可能にするAgrobacter型移入系が使
用できる。これらは遺伝子ガン挿入、エレクトロポレーション又は多くの他の挿
入手段を用いて、Agrobacter tumafaciens LB440
4のような細菌により挿入してもよい。一旦挿入されると、それらは安定で遺伝
可能な方法で植物ゲノムに組み込むことができる。これらの植物系は
慣用的に大トン数で栽培され、収穫されるような、多くの利点を有する。農民は
タバコ、大豆、菜種及び他の広く栽培される作物のような、産業的に重要な植物
を栽培する経験を有し、それらはシルク生産のために関心のある主要植物である
。タバコ及び大豆からの高分子量蛋白質の生成のための手段は現在存在する。昆虫系
Baculovirus発現系は使用でき、昆虫細胞系統での組換え蛋白質の
高水準発現でよく知られている。複製及び有効な移入はpBacPAK6、pB
acPAK8又はpBacPAC9を含む多くのベクターで達成される。これら
は他の系とほど経費的に有効ではないが、高水準の発現で使用できる。他の動物系
種々の動物への挿入のために使用できる多くのベクターがある。それらは今や
商業的価値のあるベクター宿主系ではないが、それによって将来蛋白質が有用に
なる応用があるかもしれない。発酵方法
移入した宿主の第1発酵は10gのバクトペプトン、5gの
バクト酵母抽出物並びに5gの食塩及び1リットルの最終濃度のための蒸留水か
らなるLB肉汁中で行われた。この特別な肉汁中に、クモシルク生産菌の大量の
沈澱又は綿状塊が観察された。この観察は、蛋白質が細胞膜を通って分泌される
ことを示唆するので、重要である。しかし、これらの高い分泌速度は細胞を幾分
洩れやすくすると思われる。したがって、生理的食塩濃度の増加が培養を安定化
するようである。
低温、特に室温及びそれ以下で蛋白質生産が増加することを発明者は発見した
。高温では、蛋白質が室温又はそれ以下よりも発酵培地中で急速(5日以内)に
消失することを発見した。この現象は37℃付近の高温でプロテアーゼが誘起さ
れたことを示した。このプロテアーゼ活性はリゾチーム及びプロテイナーゼKの
ような多くのプロテアーゼとして顕著で、クモシルク蛋白質を分解するとは思わ
れない。これらの好ましからざる代謝効果は低温で最少となる。これは低温にお
けるショック蛋白質の誘起のためであろう。
発酵培地の組成がプロテアーゼ活性に影響することが分かった。例えば、二日
培養の尿素−SDSゲルはLB肉汁中で蛋白
質分解を示さなかったが、ぶどう糖で補強したLB培地(10gのぶどう糖、1
0gのペプトン及び1リットルにするための蒸留水)で培養すると、24時間後
大量の蛋白質分解があった。補強LB培地とLB肉汁の間の唯一の差はLB肉汁
が10gm/lのNaClを含むことであるが、補強培地は当量のぶどう糖を含
んだ。
このプロテアーゼ問題の発見の結果として、プロテアーゼ阻害剤が研究された
。あまり経費のかからないプロテアーゼ阻害剤が発見され、培養培地中に挿入さ
れるならば、発酵規模拡大に有利であろう。試験した化合物はZnCl2、硫酸
銅、EDTA二ナトリウム、塩化ナトリウム、ほう酸、エチレングリコールビス
(B−アミノエチルエーテル)、フッ化フェニルメチルスルホニル、N,N,N
’,N’−テトラ酢酸、1,10フェナントロリン、1,10フェナントロリン
鉄錯体、蔗糖、ぶどう糖、乳糖、果糖、グリセリン、ペプトン及び酵母抽出物を
含んだ。
発見された最も有効な阻害剤はNaCl又はKClの塩添加であった。ほう酸
も良好な阻害剤であることが分かった。他の
化合物は有効でなかった。実際、簡単な糖類、特に乳糖及びぶどう糖はプロテア
ーゼ活性を促進した。ペプトン及び酵母抽出物はプロテアーゼ活性に影響しなか
った。これらの化合物はビール中の蛋白質分解冷却補強酵素を試験するための方
法、AOAC公式法969.11で試験された。この試験を行うために、培養物
の1mlが採取され、試験された。活性プロテアーゼが存在すると、溶液は数秒
で透明になった。プロテアーゼ陰性試料は60℃で1/2時間、20℃で一晩後
に濁りを示した。この試験はその蛋白質分解酵素誘起能力に対して種々の培養培
地を選別するための迅速な品質管理ツールとして使用された。
発酵は種々の培地を用いて試みられた。複合培地が非常に良く発酵することが
分かった。しかし、受容可能な蛋白質生産はLB肉汁に含まれるよりも10倍少
ないペプトン及び酵母抽出物を用いて得られた。この簡単で経費の少ない培地は
かなりの蛋白質を生産した。この培地は次の成分からなる:1.2gリン酸二カ
リウム、1.1gリン酸一ナトリウム、4.0g塩化ナトリウム、0.45g硫
酸マグネシウム、2.0g硫酸アン
モニウム、0.04g硝酸ナトリウム、0.03g塩化カルシウム、0.02g
硫酸鉄、0.01g硫酸マンガン、0.01gほう酸、0.0005gモリブデ
ン酸ナトリウム、0.005g塩化コバルト。0.5gグリシン、1.0gアラ
ニン、1.0g酵母抽出物、10gグリセリン、pH7.0に調整された、1リ
ットルにするための蒸留水。広い範囲の培養培地組成が本発明の発酵のために使
用できる。これらの培地は塩類、グリセリン(又は他の炭素源)及び酵母抽出物
又は他の若干の少量栄養物からの組成の範囲にある。簡単な培地は経費のあまり
かからない、一般にシルク蛋白質を低水準で生じる。
最適化しなければならない、他の主要発酵条件は酸素、栄養物水準及び温度で
ある。30℃で嫌気的条件が好ましいことが分かった。さらに、炭素源は成育及
び蛋白質発現を最大にするために比較的高水準で加えられるべきである。例えば
、1リットル当たり10gのぶどう糖及び10gのグリセリンが使用された。
より単純な培地はより安価であるが、一般的に絹タンパク質のレベルが低下す
る。
最適化する必要のある他の主要な発酵条件は、酸素、栄養レベル及び温度である
。30℃での嫌気性条件が好ましいことが知見された。更に、炭素源は、増殖と
タンパク質発現を最大化するために、比較的高レベルで加えるべきである。例え
ば、1L当りグルコース10gとグリセロール10gを使用した。抗体試験
クモ絹タンパク質が宿主 E.coli で発現しているかどうかを測定するために開
発された抗体試験を、カイコ絹とクモ主要瓶状腺絹を用いて3種の動物宿主で行
った。
これらの抗体を開発するために、繭をかける前の第5齢Bombyx mori 幼虫から
カイコタンパク質を取得した。このような幼虫を選択することによって、絹は粘
度が高く、そのために幼虫は認めることができる半透明の外観を有した。粘度の
高い液体絹を、無菌技術によって切開で採取した。次に、この絹を直接アジュバ
ントに加えることができた。あるいは、クモの主要瓶状腺からのクモ絹を引き出
すことができた。しかし、クモ絹を溶解させることが必要であった。このことは
、8M
LiBr中で95℃に5分間加熱してクモ絹を懸濁して行った。このクモ絹とカ
イコ絹を用いて、絹に対する抗体を作出した。
抗体を作出するために、LiBrを、遠心分離で8M尿素、最終的に2M尿素
に置換えた。サンプルが尿素中にあるときに、絹のどちらかのサンプルをフロイ
ンド完全アジュバント10mLと混合する(1:10)。これをマウス、ウサギ
又はヤギに腹腔内注射し、抗体を生産させる。21〜28日に、動物に、絹とフ
ロインド不完全アジュバントで追加免疫した。5週間目までに、血液を毎週集め
、血清中の抗体を集めることは可能である。血清を用いて、血球凝集試験又はウ
エスタンブロットを行った。マウス、ウサギ及びヤギに対し、この方法を使用し
て、血液を採取し、血清を分離した。このことにより、各タイプの動物からカイ
コとクモの絹の両方に対するポリクローナル抗体を得た。これらの血清の抗体の
力価を計り、全ては、標準的血球凝集試験によって力価が少なくとも256であ
ることが知見された。血球凝集試験
1%RBC(Sigma Cat #R-3378)を被覆することによって、血球凝集試験を行
った。溶解絹(1mg)を、1%RBS1
mLに加えた。これを室温で数回渦巻混合し、一晩冷蔵した。次の朝、RBSを
、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.2)中で遠心して3回洗浄し、非吸着タン
パク質を除去した。その後、感作RBCは2週間以上冷蔵庫で安定であった。
血清で血球凝集試験を行うために、抗血清25μLを連続希釈し(2倍希釈)
、感作RBC25μLを加えた。対照ウエルも同様に連続希釈し、非感作RBC
(25μL)を加えた。ミクロタイタープレートを室温で10分間揺動かし、プ
レートを室温で90分間揺動かさないでインキュベートした。プレートを、Rose
と Friedman の方法(Manual of Clinical Immunology,2版,Amer.Soc.Mic
robiol.(1980))で評価した。多くの絹は、それらの繰返し単位の同様性の故に
同様の折畳み構造を有する。それ故、三次構造が同様のために、交差反応性があ
りうることが教示された。カイコ抗血清は、クモ絹タンパク質感作RBCと交差
反応し、クモ絹抗血清は、カイコタンパク質RBCと交差反応することが知見さ
れた。絹が E.coli が作出した別のタンパク質ではないという確信をもって、抗
体の両方のセットに対し、培養液を試験できたので、この交差反応性は主要な道
具となった。
本発明者らはまた、絹抗原によるRBCの被覆に基づく別のスクリーニング技
術を見出した。洗浄細胞を音波処理し、細胞膜を分離し、上清を採取すれば、血
清の代わりにこれを2倍連続希釈で使用できることが知見された。RBS上に絹
感作細胞25μLを置くと、形質転換体の1次スクリーニングとして使用できる
古典的な血球凝集試験ができる。絹タンパク質は、溶液中の他の絹タンパク質に
結合し、RBCを架橋する粘着末端を有するという理論が立てられる。このこと
は、絹タンパク質が会合し、溶液から沈殿する同じ機構で起るであろう。この機
構に基づくタンパク質アッセイには他の参考文献を見出すことができなかった。
それ故、それは、絹及び絹様タンパク質の非常に特異的なアッセイであることが
期待される。
このコロニーについて血球凝集試験を行うために、細菌培養液(1mL)を、
PBS中で遠心分離により3回洗浄し、PBS100μLに入れた。氷浴中で、
1/8インチのチップを有する Branson 450 音波発生器を40%パワーと2分
間の20%効率サイクルで用い、細菌を音波処理した。この溶液をRBCを感作
するために用いる。各々異なる細菌単離株について、上記と同じようにアッセイ
を行った。全ての場合に、絹タンパク質をうまく生
産している培養液は、少なくとも16、通常256の力価を有した。この方法を
用いて、プラスミドとブロットの上記アガロースゲルで見出された10種の最有
望な単離株をスクリーニングした。2kbの挿入物の場合だけの、最適の数株の
単離株だけを更なる仕事のために保存した。絹タンパク質の精製
本発明はまた、絹の精製技術と紡績技術も包含する。これらの工程は、該タン
パク質の最終形態への加工に必須である。該タンパク質は被覆として使用でき、
繊維に押出しでき、又は重合フィルムにすることができる。
発酵培地からの絹タンパク質の精製は、2工程プロセスで行うことができる。
第1に、細菌細胞と沈殿タンパク質を連続遠心分離で取得できる。発酵培養液に
存在する残りの物質を限外濾過で分離できる。何故ならば、分子量80,000
以上のタンパク質の大部分が絹だからである。次に、連続遠心分離と限外濾過方
法からのタンパク質絹流を一緒にできる。残りのタンパク質の大部分は、細菌膜
に存在する。超音波で細菌細胞の破壊によって、細胞は開き、細胞内の絹タンパ
ク質は取出される。
本発明の重要な知見は、超音波を用いてクモ絹の可溶化であ
る。但し、クモ絹が洗浄されておらず、完全には乾燥していなかった場合である
。次に、この再可溶化絹タンパク質溶液を遠心分離して細胞膜を除去できる。細
胞膜の除去後、該タンパク質は限外濾過で更に精製できるか、又は紡績できる。
絹を紡績するために、絹を溶液に保つことが重要である。しかし、従来方法では
非常に過酷な化学薬品を用い、紡績操作のために絹溶解性を維持した。
種々の化合物によって、紡績方法の前に、絹タンパク質は再沈殿しないように
できよう。これらの化合物には、種々の塩、リチウム塩、水酸化ナトリウムと水
酸化カリウム、リン酸尿素、塩酸グアニジン、尿素、及びヘキサフルオロイソプ
ロパノールなどがあるが、それらの全てが絹を可溶化させる。本発明者らによっ
て、限外濾過による精製後、エタノール、メタノール、他のアルコール、又は同
様の溶媒を加えるアルコール沈殿によって更なる精製を行うことができることも
知見された。この精製絹タンパク質物質は、超音波又は1種以上の上記塩化合物
の添加により、再溶解できた。絹タンパク質可溶化のための費用と環境を考慮し
て決定された好適化合物は、タンパク質精製のために超音波又はアルコールと組
合せて使用される、水酸化ナ
トリウムと水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、又
は臭化リチウムである。
他の絹タンパク質のように、クモ絹タンパク質は容易に可溶化しない。クモ絹
は、ギ酸(88%)のような過酷な化学薬品で可溶化できることを示唆するデー
タはあるが、本発明者らは、それによって、完全長のタンパク質の分解が起るこ
とを見出した。しかし、本発明者らは、絹繊維は、LiSCN、LiBr、Li
Cl、尿素、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩酸グアニジン、及び同様の変
性剤中で再可溶化できることを見出した。絹タンパク質が可溶化すると、尿素を
含むより強力でない変性剤を用いてタンパク質が再沈殿しないようにすることが
できる。糸に不可逆的に紡績する前に、溶解タンパク質を使用することが好まし
そうである。それ故、完全に乾燥した絹タンパク質から再可溶化された絹タンパ
ク質、及び発酵方法からの回収後完全には乾燥していない絹タンパク質は、紡績
操作のために推奨される。絹タンパク質の織物への更なる加工 絹の一般的加工
カイコからの絹タンパク質は典型的には、以下のように加工
される。織るために十分に強い絹繊維を作出するために、最大5本の繊維を一緒
に織る。最初のリール後、絹をかせ上に再巻きし、それらを一緒に織る。
次に、生の絹は、スローイングという幾つかの方法にかけられる。かせを洗浄
し、乾燥し、大きなスプール又はボビン上に巻く。これらのボビンを二重枠上に
置き、そこで一本鎖を二重にし、一緒に織り、所望の糸サイズを得る。次に、こ
の糸を織り、スローイングフレームの紡錘で引張る。
次に、スローイングフレームからの絹のボビンを水中に置き、絹をローラーの
間で引張る。スローイングフレームでの伸長の程度は繊維の直径に影響を与える
。ストレッチングフレーム上で、糸を滑らかに、一様にする。最終的に布が織ら
れる前に、スローイングされた絹糸を煮沸し、残りの水溶性タンパク質又は他の
ゴム状物質を除去する。煮沸工程で、絹の重量が小さくなるので、損失重量の幾
分かを取り戻すために、鉄塩又はスズ塩に浸す。この浸し工程の間、絹繊維はこ
れらの塩の幾分かを取り入れ、より重くなるが、つやは失わない。クモ絹タンパク質の特定の加工
上記方法で産生されたクモ絹タンパク質は、カイコタンパク
質と同じように織物に加工できる。このためには、タンパク質又はタンパク質溶
液の紡績又は押出しが必要であり、直径5〜200μm以上の範囲でありうる絹
フィラメントを得ることができる。方法の第1工程は、発酵溶液からの絹タンパ
ク質の濃縮である。この濃縮工程は、一定の分子量範囲の物質のみが通過できる
膜技術の使用を含む幾つかの方法で行うことができる。これらの膜を使用する一
つの欠点は費用である。絹タンパク質の濃縮と宿主ベクターの除去のための費用
の点でより有効な他の方法には、連続遠心分離又はバッチ遠心分離がある。更に
、超音波エネルギーを使用して細菌細胞壁を溶かすことができ、細胞壁内に生産
された絹タンパク質を水性培地に逃すことができる。細菌細胞壁から絹タンパク
質を分離するために、塩濃度が高いことが望ましい。
この時点で、タンパク質溶液を、種々のアルコールにより培地から沈殿させる
ことができる。有用なアルコールには、メタノール、イソプロパノール及びエタ
ノールなどがある。従来技術は、この方法のこの時点で、絹タンパク質は、リチ
ウム塩とフッ素を含む有機溶媒に溶解させることができることを教示する。しか
し、その方法は高価であり、重大な環境に対する挑戦
である。本発明のより好適な実施態様では、アルコール又は膜フィルターを用い
てクモ絹タンパク質を濃縮し、クモ絹タンパク質が押出しを受けるまで、超音波
と組合せて、塩化ナトリウム水溶液を用いて粘性形態の溶液中に維持する。必要
ならば、尿素、水酸化ナトリウムと水酸化カリウム又はリチウム塩を、従来技術
の方法で開示されたように、加えることができる。しかし、塩化ナトリウムと超
音波のせいで、これらの物質のすこぶる低い濃度だけを使用する必要がありうる
。精製の間の過度に高い超音波エネルギー、長い超音波の使用、又はリチウム塩
の高モル濃度は、絹タンパク質の分子量を減少させるおそれがあることに注意す
べきである。
小直径フィラメントを産生する小直径チューブ又は他の方法を用いて、タンパ
ク質が押出しを受けると、タンパク質は、カイコ絹と同様に加工することができ
る。タンパク質が空気に曝され、乾燥すると、もはや塩化ナトリウム中で、又は
超音波によって溶けない。
カイコのために使用するのと同様の装置を使用して、絹タンパク質の前段階伸
長又は撚りを行うことができる。カイコのために使用するのと同様な煮沸も使用
できる。煮沸による重量損
失の大部分はカイコ繊維でのように水溶性タンパク質ではなく、発酵培地からの
残りの塩及び水溶性栄養物である。この加工工程の間、生カイコ絹では20〜2
5%の重量損失が普通であるが、煮沸水に曝して、最終絹をきれいにするとき、
又は染色のためにそれを調製するとき、本発明のクモ絹では5%未満の重量損失
が予想される。
本発明の方法を用いて、更にゲノムDNAにコードされたプライマーを選別す
ることによって、絹タンパク質の天然色を得ることができる。本発明のクローン
と方法から生産されたクモ絹タンパク質で、白、黄、ピンク及び明紫色が得られ
た。天然色の選別は織物の製造には価値が高い。何故ならば、多くの場合に、染
色の必要性と関連費用を無くすからである。
2本以上の糸を一緒に巻くか、撚って、大きい紡ぎ糸を作出することによって
、クモ絹タンパク質フィラメントは、カイコ絹と同様に処理できる。更に、これ
らの紡ぎ糸は、炭素もしくはグラファイトファイバー、ホウ素もしくはホウ素被
覆グラフ
具又は他の適用のための異常に高い強度の織った材料を作出できる。逆に、3〜
5本のフィラメントと純粋のクモ絹だけから
なる小さい紡ぎ糸を用いて、非常に滑らかな感触とつやのある織物を製造できる
。最終的織物の弾性と他の性質は、押出し方法又は紡績方法後のフィラメント又
は繊維の加工によって部分的に制御できる。カイコ加工からの方法パラメーター
の大きな変化は、個々のフィラメントの前もっての伸長又は引っ張りの程度であ
る。何故ならば、個々のフィラメントは、最初のタンパク質溶液から、又はカイ
コ産業で標準的な撚り工程で後に引張られているか、又は押出されているかだか
らである。
上記に加えて、クモ絹タンパク質フィラメントの高強度性質には他の加工変数
がある。一つのこのような方法変数は、色、増強強度、つや、真珠光沢、及び外
観、感触、もしくは強度に基づき、織物の市販性を増す他の質を与える種々の物
質を用いる絹糸のオンライン被覆である。オンライン被覆は、押出し工程、再巻
き工程、もしくは撚り工程の間に、クモ絹フィラメントを種々の浴又はトラフに
通すことを含む幾つかの方法で行うことができる。
絹タンパク質上への材料のオンライン蒸気沈着は、フィラメントが最初に形成
されるときに、残りの塩又は他の発酵化合物が存在しうるということを考慮にい
れなければならない。更に、
これらのフィラメントは、オーブン、ファン、もしくは他の方法によって乾燥さ
れなければ、形成後湿ったままでありがちである。ある場合には、押出し後の煮
沸が、発酵培地の痕跡の全てと再可溶化化学薬品(両方とも、織物に織られたと
きに皮膚からアレルギー反応をもたらしうる)を除去するために好ましい。クモ
絹タンパク質上に蒸気沈着できる材料には、酸化スズと酸化チタンなどがある。
これらの酸化物は、フィラメント上に層を形成し、その厚さはオーブン条件によ
る。チタン被覆により高強度繊維が産生されうるが、二酸化チタン被覆にアレル
ギー反応が起るヒトもいるし、このことにより、衣服以外の適用のための使用が
制限されうる。しかし、酸化チタンは、ヒトの皮膚接触のためのGRAS(安全
であると一般的に推奨される)であり、それ故、衣服適用に使用できる。
クモ絹タンパク質のフィルムは、キャスティング(絹タンパク質溶液をシート
に注ぎ、広げる)を含む幾つかの方法によって、又はローラーを使用して製造で
きる。キャスティング又はローリングの前に、化合物をタンパク質に添加してフ
ィルムを修飾することもできる。これには、芳香剤、風味剤、吸収剤、又は種々
の生物的物質と生物的武器への反応剤として働きうる
活性物質の導入がある。フィルムは、加工の間に加えられた色をも有しうるし、
又は絹クローンタンパク質からの天然色を選択して、天然色を与えることができ
る。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年3月17日
【補正内容】
8. 絹をコードするDNAフラグメントを濃縮するために、支持体に可逆的に
結合する配列(i)〜(XX)を有するDNAプローブへのハイブリダイゼーショ
ンによって標的DNAを選別することを特徴とする請求項7に記載の方法。
9. 標的DNAフラグメントが少なくとも5kbであることを特徴とする請求
項6に記載の方法。
10. 削除
11. 削除
12. クモが、Micrathena 属、Mastophora 属、Metepeira 属、Araneus 属、
Argiope 属、Nephila 属又は Gasteracantha 属であることを特徴とする請求項
14に記載の方法。
13. クモが Nephila clavipes であることを特徴とする請求項14に記載の
DNA。
14. 図1に示す配列を含むクモ絹タンパク質をコードするDNA配列。
15. 多重重合方法であって、
絹生産クモから得られる絹タンパク質をコードする標的DNAを選別すること、
但し標的DNAは複数の反復及び非反復領域を含む;
異なるDNAプライマーの第1のペアを選別すること、但しDNAプライマーの
第1のペアの両方が標的DNAの一領域に相補的であり、DNAプライマーの第
1のペアの少なくとも一つが配列(i)〜(XXVi)
異なるDNAプライマーの第2のペアを選別すること、但しDNAプライマーの
第2のペアの少なくとも一つが、DNAプライマーの第1のペアの配列の両方と
は異なり、DNAプライマーの第2のペアの少なくとも一つが配列(i)〜(XX
)によって表される;
DNAプライマーの第2のペアを融解された標的DNAと混合し、混合したDN
Aプライマーと標的DNAを、ヌクレオチド及び校正能力を有するDNAポリメ
ラーゼとインキュベートし、第2のDNAフラグメントを生産させることを繰返
すことによって第2のDNAフラグメントを生産させること、但し第2のDNA
フラグメントは第1のDNAフラグメントとは異なり、また標的DNAに相補的
であり、少なくとも2kbである;
第1と第2のDNAフラグメントの制限部分を多重重合DNAに再結合させるこ
と、但し多重重合DNAはクモ絹タンパク質をコードし、少なくとも4kbであ
る;
を更に含む該多重重合方法。
16. 全てのDNAプライマーが配列(i)〜(XXVi)によって表されること
を特徴とする請求項15に記載の多重重合方法。
17. 全てのDNAプライマーが異なることを特徴とする請求項16に記載の
多重重合方法。
18. 多重重合DNAが少なくとも6kbであることを特徴とする請求項15
〜17のいずれかに記載の多重重合方法。
19. 多重重合DNAが少なくとも8kbであることを特徴とする請求項18
に記載の多重重合方法。
20. 絹タンパク質の生産方法であって、
請求項14に記載のDNAを選別すること;
該DNAを発現ベクターに挿入すること;
宿主細胞に該発現ベクターをトランスフェクトすること;
トランスフェクトした宿主を培養培地で発酵させ、絹タンパク質を生産させるこ
と;及び
該絹タンパク質を回収すること;
の各工程を含むことを特徴とする該方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12Q 1/68 C12Q 1/68 A
D01F 4/02 D01F 4/02
D03D 15/00 D03D 15/00 A
D06M 11/46
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),AL,AM,AT,A
U,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN
,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,
HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K
Z,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG
,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,
RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,T
M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 エリオン,グレン・アール
アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・
02633、チヤタム、メイン・ストリート・
442
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 絹タンパク質をコードするDNAフラグメントの生産方法であって、 絹生産クモから得られる標的DNAを選別すること、但し標的DNAは複数の反 復及び非反復領域を含むこと; 標的DNA中の一領域に相補的なDNA配列を有する少なくとも10個のヌクレ オチドの一本鎖のDNAプライマーを選別すること;及び DNAプライマーを融解された標的DNAと混合し、混合したDNAプライマー と標的DNAを、ヌクレオチド及び校正能力を有するDNAポリメラーゼとイン キュベートし、該DNAフラグメントを生産させることを繰返すこと、但し該D NAフラグメントは標的DNAに相補的で、少なくとも2kbである; の各工程を含むことを特徴とする該方法。 2. 2種の異なるDNAプライマーを使用する工程を含むことを特徴とする請 求項1に記載の方法。 3. 標的DNAが、クモ絹をコードする完全長のmRNAの逆転写によって作 出されるcDNAであり、その作出された第 1鎖のcDNAのアミノ末端にプライマー部位を加え、第1のポリメラーゼプラ イミング領域としてcDNAのポリdT領域を使用することを特徴とする請求項 1又は2に記載の方法。 4. 第2のプライマー部位を、連結カセットを用いてDNAの未知末端に作出 することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 5. ポリdT、ポリdA、ポリdG、及びポリdCからなる群から選択される プライマー部位を作出するために、第2のプライマー部位を、末端トランスフェ ラーゼを用いてDNAの未知末端に作出することを特徴とする請求項1又は2に 記載の方法。 6. Micrathena属、Mastophora属、Metepeira属、Araneus属、Argiope属、Nep hila属又はGasteracantha属のクモを選別する工程を含むことを特徴とする請求 項1又は2に記載の方法。 7. 配列(i)〜(XX) (式中、N=G、A、T、C;V=G、A、C;B=G、T、C;H=A、T、 C;D=G、A、T;K=G、T;S=G、C;W=A、T;M=A、C;Y= C、T;R=A、G)によって表されるプライマーDNAを選別する工程を含む ことを特徴とする請求項6に記載の方法。 8. 絹をコードするDNAフラグメントを濃縮するために、支持体に可逆的に 結合する配列(i)〜(XX)を有するDNAプローブへのハイブリダイゼーショ ンによって標的DNAを選別することを特徴とする請求項7に記載の方法。 9. 標的DNAフラグメントが少なくとも5kbであること を特徴とする請求項6に記載の方法。 10. クモの絹タンパク質をコードするDNA配列であって、複数の反復及び 非反復領域を含み、少なくとも2kbの長さを有することを特徴とする該DNA 配列。 11. DNA配列が少なくとも5kbの長さを有することを特徴とする請求項 10に記載のDNA。 12. クモが、Micrathena属、Mastophora属、Metepeira属、Araneus属、Argi ope属、Nephila属又はGasteracantha属であることを特徴とする請求項10又は 11に記載のDNA。 13. クモがNephila clavipesであることを特徴とする請求項11に記載のD NA。 14. DNAが図1に示す配列を含むことを特徴とする請求項12に記載のD NA。 15. 多重重合方法であって、 絹生産クモから得られる絹タンパク質をコードする標的DNAを選別すること、 但し標的DNAは複数の反復及び非反復領域を含む; 異なるDNAプライマーの第1のペアを選別すること、但しDNAプライマーの 第1のペアの両方が標的DNAの一領域に相 補的であり、DNAプライマーの第1のペアの少なくとも一つが配列(i)〜( XXVi) によって表される; DNAプライマーの第1のペアを融解された標的DNAと混合し、混合したDN Aプライマーと標的DNAを、ヌクレオチド及び校正能力を有するDNAポリメ ラーゼとインキュベートし、第1のDNAフラグメントを生産させることを繰返 すことによって第1のDNAフラグメントを生産させること、但し第1のDNA フラグメントは標的DNAに相補的であり、少なくとも2kbである; の各工程を含み、 異なるDNAプライマーの第2のペアを選別すること、但しDNAプライマーの 第2のペアの少なくとも一つが、DNAプライマーの第1のペアの配列の両方と は異なり、DNAプライマーの第2のペアの少なくとも一つが配列(i)〜(XX )によって表される; DNAプライマーの第2のペアを融解された標的DNAと混合し、混合したDN Aプライマーと標的DNAを、ヌクレオチド及び校正能力を有するDNAポリメ ラーゼとインキュベートし、第2のDNAフラグメントを生産させることを繰返 すことによって第2のDNAフラグメントを生産させること、但し第2の DNAフラグメントは第1のDNAフラグメントとは異なり、また標的DNAに 相補的であり、少なくとも2kbである; 第1及び第2のDNAフラグメントを制限切断し; 第1と第2のDNAフラグメントの制限部分を多重重合DNAに再結合させるこ と、但し多重重合DNAはクモ絹タンパク質をコードし、少なくとも4kbであ る; を更に含む該多重重合方法。 16. 全てのDNAプライマーが配列(i)〜(XXVi)によって表されること を特徴とする請求項15に記載の多重重合方法。 17. 全てのDNAプライマーが異なることを特徴とする請求項16に記載の 多重重合方法。 18. 多重重合DNAが少なくとも6kbであることを特徴とする請求項15 〜17のいずれかに記載の多重重合方法。 19. 多重重合DNAが少なくとも8kbであることを特徴とする請求項18 に記載の多重重合方法。 20. 絹タンパク質の生産方法であって、 請求項12に記載のDNAを選別すること; 該DNAを発現ベクターに挿入すること; 宿主細胞に該発現ベクターをトランスフェクトすること; トランスフェクトした宿主を培養培地で発酵させ、絹タンパク質を生産させるこ と;及び 該絹タンパク質を回収すること; の各工程を含むことを特徴とする該方法。 21. 培養培地がプロテアーゼ阻害剤を含むことを特徴とする請求項20に記 載の方法。 22. 超音波エネルギーをかけ、宿主細胞を破壊すること; 超音波エネルギーをかけ、絹タンパク質を再懸濁すること;及び 破壊された宿主細胞を遠心分離し、細胞膜を絹タンパク質から分離すること; の各工程を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の絹タンパク質の生産方 法。 23. 限外濾過又はアルコール沈殿による絹タンパク質の精製工程を更に含む ことを特徴とする請求項22に記載の絹タンパク質の生産方法。 24. 請求項23に記載の精製絹タンパク質を濃縮すること; 濃縮された絹タンパク質の繊維を引張ること; 絹繊維を紡ぎ、絹糸を生産すること;及び 絹糸を洗浄し、可溶化薬剤を除去すること; の各工程を含むことを特徴とする絹タンパク質の紡績方法。 25. 可溶化薬剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヘキサフルオロイ ソプロパノール、塩酸グアニジン、尿素、リン酸尿素、リチウム塩、有機溶媒、 硫酸アンモニウム、酢酸、リン酸、ジクロロ酢酸、ギ酸、及び硫酸からなる群か ら選択されることを特徴とする請求項24に記載の絹紡績方法。 26. 絹繊維又は絹糸を、酸化スズ又は酸化チタンで被覆する工程を更に含む ことを特徴とする請求項24に記載の絹紡績方法。 27. 請求項24に基づき作出された絹糸を含む織物。 更に含むことを特徴とする請求項27に記載の織物。
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