JPH115162A - チタンクラッド鋼板被覆構造物 - Google Patents

チタンクラッド鋼板被覆構造物

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JPH115162A
JPH115162A JP15682297A JP15682297A JPH115162A JP H115162 A JPH115162 A JP H115162A JP 15682297 A JP15682297 A JP 15682297A JP 15682297 A JP15682297 A JP 15682297A JP H115162 A JPH115162 A JP H115162A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面耐食のためにチタンクラッド鋼板で被覆
を行なった構造物に、耐食性を損なうことなく突起状の
構造物を接続してなる構造物を提供する。 【解決手段】 チタンクラッド鋼板2で被覆した領域の
一部に前記チタンクラッド鋼板を切除した領域を設け、
該切除した領域において鋼製構造物1に接続するように
ステンレス鋼製突起構造物3を配置し、該鋼製構造物と
ステンレス鋼製突起構造物とを溶接接合し、さらに切除
したチタンクラッド鋼板の切除端面におけるチタンクラ
ッド鋼板の鋼製母材、鋼製構造物及びステンレス鋼製突
起構造物との3者で形成される切り欠き部8をチタンク
ラッド鋼板のチタン合せ材に接触しないように肉盛溶接
6し、さらにチタンクラッド鋼板のチタン合せ材と鋼母
材との異種接合部及びステンレス鋼製突起構造物と前記
肉盛溶接部との接合境界を含んで前記肉盛溶接部を覆う
ように銀ろう付け7してなることを特徴とするチタンク
ラッド鋼板被覆構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタンクラッド鋼
板で被覆した鋼製構造物に関するものであり、特に海洋
構造物における脚柱のスプラッシュゾーン等をチタンク
ラッド鋼板で被覆した構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンは耐食性に優れているため、化学
プラントや航空機部品などに使用され、その用途は拡大
しつつあるが、高価であることが実用上の制約となって
いる。これを解決する手段として、母材を鋼とし、表面
をチタンとしたチタンクラッド鋼板が表面耐食用として
近時使用されつつあり、海洋構造物における脚柱もその
一例である。
【0003】海洋構造物における鋼製の脚柱を例にとる
と、脚柱の海上部分、海中部分はそれぞれ耐食処理がほ
どこされるが、スプラッシュゾーンといわれる海水で濡
れていながら大気に曝される部分は通常の耐食処理では
腐食を十分に防ぐことができない。そこで、脚柱のスプ
ラッシュゾーンにおいて脚柱の四周を取り囲むようにチ
タンクラッド鋼板をもって被覆し、腐食を防止する手段
がとられている。
【0004】チタンクラッド鋼板のチタン合せ材は、チ
タンが高価な金属であることもあって通常は厚みが薄
い。そのため、船舶がこの海洋構造物表面のチタンクラ
ッド鋼板に直接接触した場合に簡単にチタン合せ材が破
損し、その部分から海水が浸入して内部の鋼製構造物の
腐食が進行することとなる。これを防止するためには、
海洋構造物の周囲に防舷材を設置することが有効であ
る。防舷材を海洋構造物の周囲に固定するためには、海
洋構造物に防舷材固定用突起を設置するのが一般的あ
る。
【0005】表面はチタンクラッド鋼板のチタン合せ材
で覆われていても、チタンクラッド鋼板の端面の溶接部
等において海水が内部に浸入すると鋼板の内部から腐食
が進行するため、特にチタンクラッド鋼板端面の溶接に
は注意が必要で、例えば特開平5−185237号公報
に示されるような溶接構造が必要である。そのため、チ
タンクラッド鋼板で被覆されたスプラッシュゾーンの領
域は構造が単純化され、チタンクラッド鋼板の内部に海
水が浸入するもととなりやすい突起構造物が設置される
ことはなかった。突起構造物とチタンクラッド鋼板との
接合部を溶接によって被覆しようとすると、チタンと鉄
との異種接合となり、溶接金属中に鉄が大量に溶け込
み、鉄、チタンの金属間化合物やTiCあるいはTiN
等の化合物が大量に生成され、これが溶接金属を脆化さ
せるために溶接は不可能といってもよい。
【0006】従って従来はスプラッシュゾーンより上方
のチタンクラッド鋼板で被覆されていない海上部に突起
構造物を溶接し、この突起構造物から延長部をさらに接
続してその延長部の先端に防舷材を固定する方法がとら
れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、チタンク
ラッド鋼板で被覆された部分には突起構造物を設けず、
チタンクラッド鋼板で被覆されていない部分に突起構造
物を設けて更に延長部を設けて防舷材を敷設する方法に
おいては、延長部が存在するために防舷材にかかる外力
が大きなモーメントとして突起構造物に作用するため、
海洋構造物及び突起構造物を強固かつ大型に設計する必
要があった。本発明は、チタンクラッド鋼板で被覆され
た部位に突起構造物を設け、さらにこの突起構造物の近
傍に腐食しやすい鋼製の部分が露出せず、海水が浸入せ
ず、脆弱層が存在しない構造の海洋構造物を提供し、こ
れにより上記問題点を解決することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、 (1)表面の全部又は一部をチタンクラッド鋼板で被覆
した鋼製構造物において、前記チタンクラッド鋼板で被
覆した領域の一部に前記チタンクラッド鋼板を切除した
領域を設け、該切除した領域において鋼製構造物に接続
するようにステンレス鋼製突起構造物を配置し、該鋼製
構造物とステンレス鋼製突起構造物とを溶接接合し、さ
らに切除したチタンクラッド鋼板の切除端面におけるチ
タンクラッド鋼板の鋼製母材、鋼製構造物及びステンレ
ス鋼製突起構造物との3者で形成される切り欠き部をチ
タンクラッド鋼板のチタン合せ材に接触しないように肉
盛溶接し、さらにチタンクラッド鋼板のチタン合せ材と
鋼母材との異種接合部及びステンレス鋼製突起構造物と
前記肉盛溶接部との接合境界を含んで前記肉盛溶接部を
覆うように銀ろう付けしてなることを特徴とするチタン
クラッド鋼板被覆構造物。
【0009】(2)表面の全部又は一部をチタンクラッ
ド鋼板で被覆した鋼製構造物において、鋼製構造物の表
面の一部にベースプレートを溶接接続し、前記チタンク
ラッド鋼板被覆は前記ベースプレートの表面を被覆し、
前記ベースプレートの表面上の一部に前記チタンクラッ
ド鋼板を切除した領域を設け、前記切除した領域におい
ては切除領域よりも小さな領域において前記ベースプレ
ートに貫通する切除孔を設け、前記ベースプレートの前
記切除孔に嵌合するようにステンレス鋼製突起構造物を
配置し、前記ベースプレートと前記ステンレス鋼製突起
構造物とを溶接接合し、さらに切除したチタンクラッド
鋼板の切除端面におけるチタンクラッド鋼板の鋼製母
材、ベースプレート及びステンレス鋼製突起構造物との
3者で形成される切り欠き部をチタンクラッド鋼板のチ
タン合せ材に接触しないように肉盛溶接し、さらにチタ
ンクラッド鋼板のチタン合せ材と鋼母材との異種接合部
及びステンレス鋼製突起構造物と前記肉盛溶接部との接
合境界を含んで前記肉盛溶接部を覆うように銀ろう付け
してなることを特徴とするチタンクラッド鋼板被覆構造
物。
【0010】(3)表面の全部又は一部をチタンクラッ
ド鋼板で被覆した鋼製構造物において、鋼製構造物の表
面の一部にベースプレートを溶接接続し、前記チタンク
ラッド鋼板被覆は前記ベースプレートの表面を被覆し、
前記ベースプレートの表面上の一部に前記チタンクラッ
ド鋼板を切除した領域を設け、該切除した領域において
ベースプレートに接続するようにステンレス鋼製突起構
造物を配置し、該ベースプレートとステンレス鋼製突起
構造物とを溶接接合し、さらに切除したチタンクラッド
鋼板の切除端面におけるチタンクラッド鋼板の鋼製母
材、ベースプレート及びステンレス鋼製突起構造物との
3者で形成される切り欠き部をチタンクラッド鋼板のチ
タン合せ材に接触しないように肉盛溶接し、さらにチタ
ンクラッド鋼板のチタン合せ材と鋼母材との異種接合部
及びステンレス鋼製突起構造物と前記肉盛溶接部との接
合境界を含んで前記肉盛溶接部を覆うように銀ろう付け
してなることを特徴とするチタンクラッド鋼板被覆構造
物。
【0011】(4)銀ろう付けのかわりにペトロラタム
ペースト(JIS Z1903)を塗布してなることを
特徴とする前記(1)乃至(3)記載のチタンクラッド
鋼板被覆構造物。
【0012】(5)ステンレス鋼製突起構造物を介して
接続した別の構造物によってペトロラタムペースト塗布
部を被覆してなることを特徴とする前記(4)記載のチ
タンクラッド鋼板被覆構造物。
【0013】(6)ステンレス鋼製突起構造物の鋼製構
造物との接続側の端部近傍に肩部を設け、この肩部の平
面がチタンクラッド鋼板の表面と同一の平面上にあるよ
うに構成してなることを特徴とする前記(1)乃至
(5)記載のチタンクラッド鋼板被覆構造物。
【0014】(7)ステンレス鋼製突起構造物がおねじ
を構成し、該おねじ部にステンレス鋼製ナットを接続す
ることにより別の構造物を固定し、該ステンレス鋼製ナ
ットを被覆するチタン製キャップを配置し、該キャップ
の内部を防食剤で充填してなることを特徴とする前記
(1)乃至(6)記載のチタンクラッド鋼板被覆構造
物。である。
【0015】
【発明の実施の形態】チタンは、チタン類似の金属とは
溶接接続できるが、チタンと鋼のような異種金属同士の
溶接は前述したとおり溶接金属を脆化させるため、チタ
ン薄板を直接鋼製構造物の表面の被覆のために用いるこ
とができない。そこで、腐食雰囲気で使用される構造物
については、その表面被覆にチタンクラッド鋼板が用い
られている。チタンクラッド鋼板に使用するチタン合せ
材はJISに規定されている1種〜3種いずれでもよ
い。チタンクラッド鋼板の母材は鋼であり、鋼製構造物
の表面にチタンクラッド鋼板を被覆接合するに際して
は、構造物とチタンクラッド鋼板の母材とを溶接接続す
ることが可能である。これにより異種金属同士の溶接が
回避できる。構造物とチタンクラッド鋼板母材との溶接
部、チタンクラッド鋼板母材同士の溶接部は、腐食防止
のためチタンで被覆する必要があり、溶接金属を脆化さ
せずかつ海水の浸入を防ぐには例えば特開平5−185
237号公報記載の方法が採用される。
【0016】鋼製構造物に突起状に設置される構造物
(以下、突起構造物)は、鋼表面にチタン被覆が防食に
必要なほど過酷な環境に曝されるため、鋼が表面に露出
する構造を採用することはできない。また、この突起に
は防舷材の設置等が行われるため、チタンクラッド鋼板
で被覆しても簡単にチタン被覆が損耗してしまい長期間
の耐食性を維持できない。さらに、この突起は鋼製構造
物との間が溶接接続によって強固に接合される必要があ
り、チタンあるいはチタン合金を用いることは異種接合
の必要が生じるため用いることができない。このような
制約から、この突起はステンレス鋼で製造することとし
た。これにより耐食性及び構造物との強固な接続とを可
能とした。ステンレス鋼としてはSUS304、SUS
316L等を用いることが可能である。
【0017】鋼製構造物においてステンレス鋼製突起構
造物が接続されるべき部位の表面は、その部分だけ表面
を被覆するチタンクラッド鋼板が切除される。チタンク
ラッド鋼板を予めその形状に切除して用いてもいいし、
複数のチタンクラッド鋼板を組み合わせて表面を被覆す
るに際し、ステンレス鋼製突起構造物が接続されるべき
部位だけチタンクラッド鋼板を配置しないことで対応す
ることもできる。
【0018】図1に示す本発明の第一の実施態様におい
ては、ステンレス鋼製突起構造物3は鋼製構造物1に溶
接部5において直接溶接接続される。チタンクラッド鋼
板の切除部分はステンレス鋼製突起構造物の断面よりや
や大きくしておき、切除したチタンクラッド鋼の切除端
面、鋼製構造物及びステンレス鋼製突起構造物との3者
の間に切り欠き部8が形成される。この切り欠き部を埋
めるように溶接部6が形成される。溶接部6は、チタン
クラッド鋼板の切除端面においては、チタンクラッド鋼
板の母材21 部のみと接合され、チタン合せ材22部と
は接合されない。チタンと鉄の異種金属同士の溶接接合
を防ぐことにより溶接金属の脆化を防止するためであ
る。この溶接部6の形成により、チタンクラッド鋼板の
切除部端面においてチタンクラッド鋼板と鋼製構造物と
の接合が行われる。溶接部5及び溶接部6の形成につい
ては、ステンレス溶接材料D316L、Y316L等を
用い、被覆アーク溶接法、TIG溶接法等の溶接法が採
用できる。
【0019】溶接部6は軟鋼で希釈されたステンレス鋼
で形成されておりその表面は耐食性を有しない。従っ
て、チタンあるいはステンレス鋼と同等の耐食性を有す
る被覆が必要となる。本実施態様においては銀ろう付け
による被覆7が用いられる。銀ろう付けは、溶材として
AgまたはAg−Cu−Zn−Sn−Cd系ろうが用い
られ、トーチろう付けまたは抵抗ろう付けの方法で被覆
が行われる。銀ろう付けは溶融温度1100℃以下で行
われるため、被溶接物は溶融せず、従ってチタンと鉄の
異種金属が接しているものの溶接部の脆化の問題は発生
しない。また、この銀ろう付け部は表面を被覆すること
を目的としており何ら構造的強度を担っていないので、
ろう付け接合において十分な接合強度を確保することが
できる。
【0020】図2に示す本発明の第2の実施態様におい
ては、ステンレス鋼製突起構造物3の接続にベースプレ
ート4を用いる。鋼製構造物1は、例えば海洋構造物の
橋脚であれば橋脚としての強度を確保するべく板厚等が
選択されるが、ステンレス鋼製突起構造物にかかる外力
によって発生するモーメントを支えるに十分な強度を有
していない場合がある。このような場合、前記モーメン
トを支えるのに十分な厚みを有するベースプレート4を
配置し、ステンレス鋼製突起構造物3はこのベースプレ
ートと溶接接合し、鋼製構造物との間はベースプレート
の端部に設けた溶接部11で接合することにより、鋼製
構造物にかかる局部的モーメントを軽減することができ
る。
【0021】この場合、平板のベースプレートにステン
レス鋼製突起構造物を載置してコーナー部をすみ肉溶接
で接続してもいいし、図2に示すようにベースプレート
に貫通孔を設け、この貫通孔にステンレス鋼製突起構造
物を貫通させた上で両者を溶接接続してもいい。後者に
おいてはベースプレートに開先9を設けることにより、
図1の溶接部5のようなビードの盛りが切り欠き部8の
中に形成されないので、溶接部6及び銀ろう付け部7の
形成に悪影響を及ぼさないという効果を有する。また、
溶接部10を形成することにより、ベースプレートとス
テンレス鋼製突起構造物との接合強度をさらに向上させ
ることができる。
【0022】ベースプレートの設置により、鋼製構造物
の上に段差が生じる。チタンクラッド鋼板は、鋼製構造
物とベースプレートを共に覆い、海水の浸入を防ぐ構造
が必要である。図2に示すように、段差部のチタンクラ
ッド鋼板の間にチタン板12を架け渡し、チタン板12
とチタンクラッド鋼板のチタン合せ材22とをTIG溶
接法で接合することによって所要のチタン被覆を実現す
ることができる。
【0023】溶接部6の被覆は、銀ろう付けのかわりに
ペトロラタムペースト(JIS Z1903)を塗布す
ることで行なうこともできる。ペトロラタムペーストは
原油から減圧蒸留により分離された石油ワックスの一種
であるペトロラタムを主成分として腐食抑制剤等を添加
したペースト状の物質であり、そのはっ水性により水の
侵入を防止し、かつ酸素の透過を抑制することにより防
食機能を発揮する。塗布は、作業者が適量を塗布部分に
手で塗り付ける方法で施工可能である。防舷材などの構
造物を接続するにあたり、当該構造物でペトロラタムペ
ースト塗布部を覆うように配置すれば、ペトロラタムペ
ースト部の耐久性を向上することができる。
【0024】ステンレス鋼製構造物をボルト状とし、こ
れにステンレス鋼製ナットを介して硬質ゴム製防舷材を
接続する場合、ステンレス鋼製ナットの腐食が進展する
ことがある。このようなナットの腐食を防止するために
は、ナット部をチタン製のキャップで覆い、その中をペ
トロラタムペースト等の防食剤で充填することが有効で
ある。
【0025】ステンレス鋼製突起構造物の形状は、図3
に示すようにずん胴でもいいが、図1、図2に示すよう
に鋼製構造物との接続側の端部近傍に肩部を設け、この
肩部の平面がチタンクラッド鋼板の表面と同一の平面上
にあるように構成してもいい。肩部の平面を設けること
により、ステンレス鋼製突起構造物の突起部にそって溶
接金属を肉盛りし、その上をろう付けする作業の作業性
を向上し、確実な施工を容易にする。
【0026】
【実施例】
(実施例1)12mmの板厚の一般構造用鋼材を用いて
四角柱の形状に海洋構造物の脚柱を構成し、この脚柱の
スプラッシュゾーンに該当する部分の四周をチタンクラ
ッド鋼板で被覆した。チタンクラッド鋼板2は、チタン
合せ材22の厚みが1.0mm、母材21を含めた全体
厚みが5mmであった。このチタンクラッド鋼板の被覆
部の一部に、防舷材を取り付けるためのステンレス鋼製
のボルト様突起物3を接続した。接続部断面は図2に示
した通りである。ステンレス鋼材質としてはSUS31
6Lを用いた。突起物は長さが120mm、基部の幅は
60mm、ボルト部の直径は40mmとした。突起物に
は肩部を設け、チタンクラッド鋼板の表面と肩部の平面
とが同一平面を構成するようにした。ベースプレートと
して厚み25mmの一般構造用鋼材を用い、ベースプレ
ートに貫通孔及び上下面に開先を設けてステンレス鋼製
ボルト様突起物を嵌合して接続した。接続にはスタッド
と母材間にアークを発生させるフィリップス式アークス
タッド溶接法を採用し、ステンレス鋼製突起構造物を接
続したベースプレートの四周を溶接部として鋼製構造物
に溶接した。
【0027】鋼製構造物1の表面及びベースプレート4
の表面にチタンクラッド鋼板2を接合した。鋼製構造物
上のチタンクラッド鋼板とベースプレート上のチタンク
ラッド鋼板との段差部分には、チタン薄板12を架橋
し、チタン薄板とチタンクラッド鋼板のチタン合せ材と
を溶材を使用しないTIG溶接法で溶接接合し、密閉構
造を実現した。
【0028】ベースプレート上のチタンクラッド鋼板の
切除部の端面はステンレス鋼製突起構造物との間に幅7
mmの切り欠き部8を構成するように配置した。この切
り欠き部をステンレス溶接材料Y316Lを溶材として
TIG溶接法で肉盛6を行なった。肉盛高さは4mmと
し、チタンクラッド鋼板のチタン合せ材と母材との間の
異材溶接が発生しないようにした。この肉盛溶接部の表
面を被覆するように銀ろう付け7を行なった。銀ろう付
けはAg−Cu−Zn−Sn−Cd系ろう材を用い、ト
ーチろう付けの方法で行なった。その結果、チタンクラ
ッド鋼板のチタン合せ材からステンレス鋼製突起構造物
の間が銀ろうで密封され、内部の溶接部への海水浸入を
防止することができた。
【0029】(実施例2)図5に示す海洋構造物の橋脚
のスプラッシュゾーンをチタンクラッド鋼板で被覆する
構造物において、図6に示すようにスプラッシュゾーン
内に防舷材の取り付けを行った。防舷材を取り付けるた
めのステンレス鋼製突起構造物の詳細構造を図4に示
す。ステンレス鋼製突起構造物を取り付ける主要な構成
は実施例1と同一であり、銀ろう付けのみをペトロラタ
ムペースト塗布13に置換した。ペトロラタムペースト
塗布は適量を手にとり塗布部分に手で塗り付ける方法で
行なった。ボルト状ステンレス鋼製突起構造物3にステ
ンレス鋼製ナット14を介して防舷材15を固定した。
ペトロラタムペースト塗布部13は、密閉性は銀ろう付
け同様十分であり、内部への海水浸入を防止することが
できた。また、塗布部13を防舷材15で保護する配置
としているので塗布部の耐久性はさらに向上し、銀ろう
付け同様十分な耐久性が得られた。
【0030】防舷材15は硬質ゴムで製造した。ステン
レス鋼製ナット14の腐食を防止するため、ナット14
とステンレス鋼製突起構造物3を覆うようにチタン製キ
ャップ16を設置し、キャップの内部17にペトロラタ
ムペーストを充填した。これにより、ステンレス鋼で製
造されたナット14の腐食を防止することができた。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、チタン
クラッド鋼板で被覆された鋼製構造物の表面に簡単に施
工でき、かつコンパクトなステンレス鋼製の突起構造物
により、耐食性を確保した上で、防舷材の設置が容易に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチタンクラッド鋼板被覆構造物にステ
ンレス鋼製突起構造物を接続した部分の断面図である。
【図2】本発明のチタンクラッド鋼板被覆構造物にステ
ンレス鋼製突起構造物を接続した部分の断面図である。
【図3】図2において、ステンレス鋼製突起構造物に肩
部を設けない場合の断面図である。
【図4】本発明のチタンクラッド鋼板被覆構造物にステ
ンレス鋼製突起構造物を接続し、さらに防舷材を接続し
た部分の断面図である。
【図5】本発明の海洋構造物の全体図である。
【図6】本発明の防舷材の取り付け部の全体断面図であ
る。
【符号の説明】 1 鋼製構造物 2 チタンクラッド鋼板 3 ステンレス鋼製突起構造物 4 ベースプレート 5 鋼製構造物とステンレス鋼製突起構造物相互の溶
接部 6 肉盛溶接部 7 銀ろう付け部 8 切り欠き部 9 ベースプレートとステンレス鋼製突起構造物相互
の溶接部 10 同上 11 鋼製構造物とベースプレート相互の溶接部 12 段差のあるチタンクラッド鋼板相互に架橋するチ
タン板 13 ペトロラタムペースト塗布部 14 ステンレス鋼製ナット 15 防舷材 16 チタン製キャップ 17 防食剤充填部 18 座金 19 チタンクラッド鋼板の鋼製母材 20 チタンクラッド鋼板のチタン合せ材 31 橋脚 32 海上部 33 スプラッシュゾーン(チタンクラッド鋼板被覆) 34 海中部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/23 B23K 9/23 H // B23K 103:14 103:16 (72)発明者 本間 宏二 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 松岡 和巳 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製構造物の表面の全部又は一部をチタ
    ンクラッド鋼板で被覆した構造物において、前記チタン
    クラッド鋼板で被覆した領域の一部に前記チタンクラッ
    ド鋼板を切除した領域を設け、該切除した領域において
    鋼製構造物に接続するようにステンレス鋼製突起構造物
    を配置し、該鋼製構造物とステンレス鋼製突起構造物と
    を溶接接合し、さらに切除したチタンクラッド鋼板の切
    除端面におけるチタンクラッド鋼板の鋼製母材、鋼製構
    造物及びステンレス鋼製突起構造物との3者で形成され
    る切り欠き部をチタンクラッド鋼板のチタン合せ材に接
    触しないように肉盛溶接し、さらにチタンクラッド鋼板
    のチタン合せ材と鋼母材との異種接合部及びステンレス
    鋼製突起構造物と前記肉盛溶接部との接合境界を含んで
    前記肉盛溶接部を覆うように銀ろう付けしてなることを
    特徴とするチタンクラッド鋼板被覆構造物。
  2. 【請求項2】 表面の全部又は一部をチタンクラッド鋼
    板で被覆した鋼製構造物において、鋼製構造物の表面の
    一部にベースプレートを溶接接続し、前記チタンクラッ
    ド鋼板被覆は前記ベースプレートの表面を被覆し、前記
    ベースプレートの表面上の一部に前記チタンクラッド鋼
    板を切除した領域を設け、前記切除した領域においては
    切除領域よりも小さな領域において前記ベースプレート
    に貫通する切除孔を設け、前記ベースプレートの前記切
    除孔に嵌合するようにステンレス鋼製突起構造物を配置
    し、前記ベースプレートと前記ステンレス鋼製突起構造
    物とを溶接接合し、さらに切除したチタンクラッド鋼板
    の切除端面におけるチタンクラッド鋼板の鋼製母材、ベ
    ースプレート及びステンレス鋼製突起構造物との3者で
    形成される切り欠き部をチタンクラッド鋼板のチタン合
    せ材に接触しないように肉盛溶接し、さらにチタンクラ
    ッド鋼板のチタン合せ材と鋼母材との異種接合部及びス
    テンレス鋼製突起構造物と前記肉盛溶接部との接合境界
    を含んで前記肉盛溶接部を覆うように銀ろう付けしてな
    ることを特徴とするチタンクラッド鋼板被覆構造物。
  3. 【請求項3】 表面の全部又は一部をチタンクラッド鋼
    板で被覆した鋼製構造物において、鋼製構造物の表面の
    一部にベースプレートを溶接接続し、前記チタンクラッ
    ド鋼板被覆は前記ベースプレートの表面を被覆し、前記
    ベースプレートの表面上の一部に前記チタンクラッド鋼
    板を切除した領域を設け、該切除した領域においてベー
    スプレートに接続するようにステンレス鋼製突起構造物
    を配置し、該ベースプレートとステンレス鋼製突起構造
    物とを溶接接合し、さらに切除したチタンクラッド鋼板
    の切除端面におけるチタンクラッド鋼板の鋼製母材、ベ
    ースプレート及びステンレス鋼製突起構造物との3者で
    形成される切り欠き部をチタンクラッド鋼板のチタン合
    せ材に接触しないように肉盛溶接し、さらにチタンクラ
    ッド鋼板のチタン合せ材と鋼母材との異種接合部及びス
    テンレス鋼製突起構造物と前記肉盛溶接部との接合境界
    を含んで前記肉盛溶接部を覆うように銀ろう付けしてな
    ることを特徴とするチタンクラッド鋼板被覆構造物。
  4. 【請求項4】 銀ろう付けのかわりにペトロラタムペー
    ストを塗布してなることを特徴とする請求項1乃至3記
    載のチタンクラッド鋼板被覆構造物。
  5. 【請求項5】 ステンレス鋼製突起構造物を介して接続
    した別の構造物によってペトロラタムペースト塗布部を
    被覆してなることを特徴とする請求項4記載のチタンク
    ラッド鋼板被覆構造物。
  6. 【請求項6】 ステンレス鋼製突起構造物の鋼製構造物
    との接続側の端部近傍に肩部を設け、この肩部の平面が
    チタンクラッド鋼板の表面と同一の平面上にあるように
    構成してなることを特徴とする請求項1乃至5記載のチ
    タンクラッド鋼板被覆構造物。
  7. 【請求項7】 ステンレス鋼製突起構造物がおねじを構
    成し、該おねじ部にステンレス鋼製ナットを接続するこ
    とにより別の構造物を固定し、該ステンレス鋼製ナット
    を被覆するチタン製キャップを配置し、該キャップの内
    部を防食剤で充填してなることを特徴とする請求項1乃
    至6記載のチタンクラッド鋼板被覆構造物。
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CN104913320A (zh) * 2015-06-30 2015-09-16 河南玉和新型节能建材有限公司 烟囱钢筒内衬钛板防腐改造方法
CN106180982A (zh) * 2016-08-11 2016-12-07 浙江诚信医化设备有限公司 一种钛制品与钢制品的焊缝焊接方法

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