JPH1152945A - 鍵盤楽器、鍵盤楽器の加工方法及び鍵盤楽器の鍵調節装置 - Google Patents

鍵盤楽器、鍵盤楽器の加工方法及び鍵盤楽器の鍵調節装置

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JPH1152945A
JPH1152945A JP9215355A JP21535597A JPH1152945A JP H1152945 A JPH1152945 A JP H1152945A JP 9215355 A JP9215355 A JP 9215355A JP 21535597 A JP21535597 A JP 21535597A JP H1152945 A JPH1152945 A JP H1152945A
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JP
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key
string
hammer
plunger
keyboard
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JP9215355A
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Inventor
Makoto Namikawa
誠 南川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電磁石を直接棚板内に埋設するとと
もに、鍵盤下面にコマを取り付けることで、鍵盤楽器の
改造を容易にする。 【解決手段】 鍵4の底面であって、キャプスタンスク
リュ35の付近に、コマ52を直接取り付ける。さら
に、筬3に穴53を設け、この穴53からコマ52が突
出されるようにする。また、棚板2の上面には、コマ5
2を押し上げるプランジャ形直流電磁石51を直接埋設
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍵装置等のアクシ
ョンによって打弦音が発せられるピアノに関し、特に、
人的操作によって実際の演奏と、楽音情報に基づくオー
ト演奏とを行えるグランドピアノ、アップライトピアノ
等の鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グランドピアノの打弦機構部分
は、一般的にアクションと呼称されている。このアクシ
ョンは、次のような部材から構成されている。すなわ
ち、黒鍵と白鍵とからなる鍵盤がバランスレール央上に
載置されたバランスレール上に載置される。そして、各
鍵は、このバランスレール上で、シーソの様な動作(揺
動)がされる。
【0003】上記鍵の奥手中央の上面には、キャプスタ
ンスクリュが設置されている。このキャプスタンスクリ
ュの上空には、ウイッペンが設けられている。このウイ
ッペンは、鍵盤の先端上空に固定されたウイッペンレー
ルに、回動可能に取り付けられている。つまり、ウイッ
ペンは、鍵盤の先端上空を支点として、上方に跳ね上げ
られる。また、ウイッペンの略中央に立設された支柱の
頂上には、揺動されるリペティションレバーが取り付け
られている。
【0004】しかも、ウイッペンの回動される先端部分
には、ジャックが取り付けられている。このジャック
は、ウイッペンが所定量だけ跳ね上げられたときに、レ
ギュレチングボタンに当接されるように設けられてい
る。このレギュレチングボタンは、シャンクレールに垂
下されている。このシャンクレールは、「L」字型の台
座であるアクションブラケットの上部に固定されてい
る。
【0005】また、アクションブラケットの上部には、
シャンクフレンジが設けられている。このシャンクフラ
ンジには、先端部分が回動されるハンマーシャンクの支
点が取り付けられている。このハンマーシャンクの支点
部近傍の下面には、ハンマーローラが取り付けられてい
る。さらに、ハンマーシャンクの首振り動作される先端
部分には、ハンマーヘッドが固定されている。このハン
マーヘッドの上方には、各音の弦が張られている。
【0006】そして、鍵が打鍵されると、この鍵の奥手
部分が上昇される。この鍵による上昇力が、キャプスタ
ンスクリュ、ウイッペン、ジャンク、リペティションレ
バー、ハンマーローラ、ハンマーシャンクと伝達され、
ハンマーヘッドが跳ね上げられる。これにより、ハンマ
ーヘッドが弦に衝突され、音が発生される。
【0007】また、このようなグランドピアノのアクシ
ョンを利用して、自動演奏を行うピアノが知られてい
る。このような自動演奏は、電磁力によって可動鉄心が
上下動されるソレノイドが用いられる。このソレノイド
の可動鉄心によって、鍵盤の奥手部分が上下されるよ
う、鍵盤の直下にソレノイドが配置される。すなわち、
鍵盤が配置される筬と、その鍵盤との間に、ソレノイド
が埋設される。
【0008】さらに、従来、アクション途中に、その動
力の伝達を阻止して、ハンマーヘッドが弦に打ち付けら
れることを禁止する消音機構が用いられている。例え
ば、従来の消音機構では、ハンマーシャンク途中にスト
ッパが設けられる。そして、このストッパでハンマーヘ
ッドが弦に打ち付けられることが禁止される。
【0009】また、上記されたように、複数の白鍵及び
黒鍵からなる鍵盤は、筬の中央に突設されたバランスレ
ール上に載置される。しかも、このバランスレール上面
には、バランスピンが立設されており、このバランスピ
ンが、鍵のほぼ中央を下から上に向けて貫通されてい
る。つまり、鍵は、この1本のバランスピンに支えられ
て、揺動される。しかも、鍵とバランスレールとの間の
バランスピンには、ペーパ状で、しかもドーナッツの形
をしたバランスパンチングクロス及びパンチングペーパ
が取り付けられている。
【0010】そして、各鍵の上面の高さは、全ての鍵で
同じとなるように調整される。この高さの調整(鍵盤な
らし作業)は、上記されたパンチングペーパの厚みを換
えることで、行われる。つまり、厚みの異なるパチング
ペーパが差し換えられることで、鍵の高さが調整され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような筬上にソレノイドを埋設する方法は、ピアノの製
造途中においては埋設が容易である。しかし、既に製造
されたピアノに、後から施す改造では、上記方法は困難
である。なぜなら、筬は、アクションに固定されてお
り、容易に離脱できない。つまり、完成されたピアノ
に、自動演奏用のソレノイドを、筬上に取り付ける従来
の方法は、極めて困難である。
【0012】また、上記従来の消音機構では、ハンマー
シャンクがストッパに当接される際、その当接音が発せ
られている。つまり、ピアノの自然音以外の小さな衝突
音が、消音機構動作中に発せられている。例えば、「コ
ン」といった、小さな衝突音が発せられている。このよ
うな当接音は不自然なものであり、押鍵中に聞こえるこ
とは好ましくない。しかも、ハンマーシャンクの途中が
ストッパで強制停止される。つまり、アクションの動力
伝達が最後まで行われないことがあり得る。これは、押
し下げられつつある鍵が、途中で、物にぶつかるように
急激に停止されることになる。結果、演奏者による押鍵
感触の変化となって現される。しかし、このような消音
時と消音時以外とで、押鍵感触が変化することは、演奏
者にとって好ましくない。つまり、従来の消音機構で
は、ストッパに物がぶつかる音が発生されると共に、押
鍵感触の変化が生じさせられている。
【0013】また、上記された、鍵盤ならし作業は、次
のように行われている。初めに、アクション全体が、ピ
アノから取り出される。そして、不揃いとなっている、
1つ1つの鍵が、バランスレールのバランスピンから抜
かれる。この状態で、パンチングペーパが交換される。
つまり、鍵盤ならし作業では、パンチングペーパの交換
のため、必ずアクションが取り出され、その上で、鍵が
一度、バランスピンから外されている。
【0014】仮に、パンチングペーパの一部に切り欠き
が設けられ、バランスピンの横方向から抜き差しできる
ようにされていたとしても、次のような問題がある。す
なわち、パンチングペーパを交換するため、鍵自体を多
少持ち上げて、バランスレールと鍵との間に隙間を作ら
ねばならない。この作業は、結局、アクション自体をピ
アノから脱着して行わねばならない。つまり、鍵盤なら
し作業は、必ずアクションがピアノから脱着されて行わ
れねばならない。しかし、このようなアクションの脱着
は、煩わしい作業である。しかも、一度のパンチングペ
ーパの交換で、正しく、鍵の高さが調整できないとき
は、そのパンチングペーパの交換が複数回繰り返して行
わねばならない。つまり、非常に煩雑な作業が繰り返し
要求されていた。
【0015】さらにまた、経年変化により、鍵の高さに
不揃いが発生された場合、パンチングペーパの交換が必
要になる。つまり、厚みの異なる複数のパンチングペー
パを用意し、順次、パンチングペーパを交換して、鍵の
高さの変化の様子を繰り返し観察することになる。つま
り、厚みの異なる新しいパンチングペーパを複数用意し
なければ、鍵盤ならしの再調整ができないことになる。
しかも、従来のパンチングペーパは、厚みが異なって
も、全て、外観(色または形状)が同じあった。よっ
て、何れの厚みのパンチングペーパか、外観からの判別
が困難な場合があった。この結果、誤った厚みのパンチ
ングペーパがバランスピンに差し込まれる場合もあっ
た。例えば、厚みの薄いパンチングペーパを用いるつも
りが、逆に、厚いパンチングペーパが誤って装着される
場合があった。
【0016】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、完成したピアノに、後から良好に
自動演奏手段を組み付けられると共に、消音時に不要音
の発生と、押鍵感触の変化を生じさせず、しかも鍵盤な
らし作業が容易に行える鍵盤楽器を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、次の手段が用いられる。 鍵盤
楽器の各鍵の動作を伝達して発音を行わせる発音手段
と、 この発音手段の外側に存在する部材に対して設け
られ、鍵を駆動させるための鍵駆動手段であって、この
鍵駆動手段は上記発音手段に接触しない位置またはこの
発音手段の中に入り込まない位置に設けられ、 上記鍵
に対して設けられ、上記鍵駆動手段の駆動を当該鍵に伝
達する伝達手段であって、この伝達手段は上記発音手段
から突出しない位置に設けられている。
【0018】また、完成された鍵盤楽器を完成後に加工
する方法であって、 この鍵盤楽器の各鍵の動作を伝達
して発音を行わせる発音手段の外側に存在する部材に対
して、鍵を駆動させるための鍵駆動手段を取り付け、し
かもこの鍵駆動手段を上記発音手段に接触しない位置ま
たはこの発音手段の中に入り込まない位置に設け、上記
鍵駆動手段の駆動を上記鍵に伝達する伝達手段を上記鍵
に対して取り付け、しかもこの伝達手段は上記発音手段
から突出しない位置に設ける。
【0019】さらに、鍵盤楽器の各鍵の動作を弦に伝達
して発音を行わせる発音手段と、この発音手段のなかの
上記弦を打つハンマーの先端とこの弦との間に入ったり
出たりし、この入ったときには上記弦に接触するととも
に、上記ハンマーの先端を受け止めて、上記発音手段の
発音を禁止する緩衝手段とを備える。
【0020】また、各鍵を支える台部に形成された雌ね
じ機構または雄ねじ機構と、 この雌ねじ機構または雄
ねじ機構と係合し、回動することにより回動方向とほぼ
直角方向に動くねじ手段と、 このねじ手段から周囲に
突出し、上記鍵を受け止めてこの鍵の支点として支える
支え手段と、 この支え手段から先に延び、上記鍵に対
して遊びをもって貫通し、上記ねじ手段及び当該支え手
段を回動させてこの名時手段及び支え手段を動かして上
記鍵の支点の位置を調整する回動手段とを備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
1.実施例の要約 上記伝達手段(コマ52)の上面全体は上記鍵(4)の
下面全体にほぼ一致しており、当該伝達手段の下面全体
は発音手段の下面全体(アクション1及び筬3の下面ま
たは棚板2上面)にほぼ一致しており、発音手段を当該
発音手段を支えている基台に対して動かしたとき、上記
伝達手段が発音手段より突出して基台に引っかかること
がなく、 さらに、発音手段を基台に対して動かしたと
き、鍵駆動手段が上記伝達手段に対して引っかからない
ように、伝達手段に逃げ部が形成されている。
【0022】また、上記緩衝部材(防振材68、69)
のハンマー側は、ハンマーの衝撃に対して大きく変形
し、この変形した状態を維持し、ハンマーが離れたあ
と、ゆっくりと元に戻るゲル状部材であり、同緩衝部材
の弦側は、弦の振動を吸収する、または上記ハンマーの
衝撃を弦に伝えない非振動部材からなっている。
【0023】さらに、各鍵の下面に伝達部材が取り付け
られる。しかも、この伝達部材は、各鍵を支える筬に設
けた穴を挿通される。さらに、上記筬を支える棚板に、
上記伝達部材を押し上げる上下動力発生手段(ソレノイ
ド)を十分に埋設する。また、弦に平行かつ上下方向に
スライドされる緩衝部材を弦の直下に設ける。そして、
消音時には、弦近傍であって、ハンマーヘッドと弦との
間に、この緩衝部材が移動される消音部材スライド機構
を設けた。さらにまた、バランスレールに螺合されるネ
ジを、バランスピンの基幹部に設ける。しかも、バラン
スピンの中間に鍵を支えるフランジを設ける。このフラ
ンジの上に、載置されるドーナッツ状の緩衝材を載置す
る。そして、バランスピンを回転させて、ピン自体の高
さを調整し、鍵盤ならし作業を行う。
【0024】以下に説明する本発明の鍵盤楽器は、揺動
される複数の各鍵(鍵4)の下面(底面4a)に取り付
けられた伝達部材(コマ52)と、上記各鍵の動作が伝
達されて弦(弦37)を打つ打弦機構(アクション1)
が収納される基台(棚板2)に直接埋め込まれた上下動
力発生手段(プランジャ形直流電磁石51)と、上記伝
達部材と上下動力発生手段との間に、上記伝達部材の上
下動を良好に行わせる貫通穴手段(穴53)が設けられ
ていることを特徴とする。
【0025】以下に説明する本発明の鍵盤楽器は、上記
弦(弦37)と、上記打弦機構(アクション1)の打弦
部材(ハンマーヘッド36)との間に選択的に移動され
る緩衝部材(防振材68、69)を備えることを特徴と
する。
【0026】以下に説明する本発明の鍵盤楽器は、頂上
に回転力伝達手段(突起物135)を、基部に螺合手段
(基部133の雄ネジ)を設け、心棒(心棒131)中
央に水平突起(フランジ132)を設けた支点支持手段
(バランスピン25)が、上記鍵(鍵4)の揺動支点を
支えることを特徴とする。
【0027】以下に説明する本発明の鍵盤楽器は、上記
支点支持手段(バランスピン25)の水平突起(フラン
ジ132)上に、異なる厚み(1.0ミリ〜3.9ミ
リ)の識別を外観色(色違い)で行える緩衝体(マット
137)を載置したことを特徴とする。
【0028】請求項1記載の伝達部材、上下動力発生手
段、貫通手段及び/または、 請求項2記載の緩衝部材
及び/または、 請求項3記載の支点支持手段及び/ま
たは、 請求項4記載の緩衝体を備えたことを特徴とす
る鍵盤楽器。
【0029】2.構成 図1には、グランドピアノの打弦機構であるアクション
1が示されている。以下の文書で、アクション1の構造
について説明される。アクション1が格納される棚板2
は、所定の厚みで形成される。この棚板2上に、筬3が
載置される。この筬3は、棚板2に対して、水平方向に
引き出し可能とされている。また、筬3の上部中央に
は、台座形に作られたバランスレール32が固定されて
いる。このバランスレール32の上に、複数の黒鍵及び
白鍵からなる鍵4が載せられている。この鍵4のほぼ中
央には、バランスピン25が突出されている。
【0030】そして、鍵4は、このバランスピン25を
支点として、前後部分がシーソのように揺動される。な
お、バランスレール32上に取り付けられるバランスピ
ン25は、木口側(鍵4の演奏者側)のものが、白鍵用
のバランスピンであり、奥側のバランスピンが、黒鍵用
である。
【0031】また、筬3の奥には、筬後31が、筬3の
木口側には、筬前33がそれぞれ設けられている。鍵4
の奥の上面には、キャプスタンスクリュ35と、バック
チェック38が立設されている。また、鍵4の奥上方に
は、U字型のウイッペンレール39が設けられている。
このウイッペンレール39は、ピアノの筐体(打ち回し
等)に固定されている。
【0032】上記ウイッペンレール39の奥端には、ウ
イッペンフレンジ40が取り付けられている。さらに、
ウイッペンフレンジ40の上端には、ウイッペン41が
回動可能に装着されている。ウイッペン41の回動され
る先端部分には、L字型のジャック42が取り付けられ
ている。このジャック42は、ウイッペン41の先端に
おいて、上下方向に回動される。また、ウイッペン41
の中央部近傍には、支持部材43が立設されている。こ
の支持部材43の上端に、前後方向に延びるリペティシ
ョンレバー44が、回動自在に取り付けられている。
【0033】よって、リペティションレバー44は、支
持部材43に取り付けられた支点を中心として、揺動さ
れる。また、リペティションレバー44及びウイッペン
41の内側には、リペティションレバースプリング45
が取り付けられている。このリペティションレバースプ
リング45は、リペティションレバー44及びジャック
42を、もとの位置に復帰させる働きがある。
【0034】また、リペティションレバー44の先端部
近傍の上面には、ハンマーローラ46が接触されてい
る。このハンマーローラ46は、ハンマージャック34
の支点部近傍の下面に取り付けられている。このハンマ
ージャック34は、シャンクフランジ48に回動可能に
取り付けられている。そして、シャンクフランジ48
は、シャンクレール47の上面に固定されている。ま
た、シャンクレール47の下面には、レギュレッチング
ボタン49が垂下して固定されている。なお、このレギ
ュレッチングボタン49の頂に、上記ジャック42のフ
ック部分42aが当接される。
【0035】上記ハンマージャック34の先端には、ハ
ンマーヘッド36が取り付けられている。また、このハ
ンマーヘッド36の上方には、弦37が前後方向に張ら
れている。この弦37にハンマーヘッド36が打ち付け
られることで、弦37が振動され、音が発音される。
【0036】上記された棚板2の上面には、箱形の溝5
0が長手方向に沿って掘られている。この溝50には、
プランジャ形直流電磁石51が収納されている。このプ
ランジャ形直流電磁石51には、印加される励磁電流に
より突出されるプランジャ51aが、鍵4と同数、電磁
石の上面中央に格納されている。そして、このプランジ
ャ51aが、鍵4の下面に固着されたコマ52の底面に
当接される。なお、コマ52は、キャプスタンスクリュ
35に近い、鍵4の下面に装着されている。よって、プ
ランジャ51aによって突き上げられるコマ52への力
が、良好にキャプスタンスクリュ35を上昇させる。ま
た、筬3の場合には、上記コマ52及びプランジャ51
aの上下動を妨げない、穴53が開けられている。この
穴53は、筬3が枠型状の場合には、この枠型の箇所に
のみ形成される。
【0037】図2には、コマ52近傍のアクション1の
様子が拡大表示されている。コマ52の底面52aは、
筬3の底面3aとは、ほぼ同一平面となるように設定さ
れている。つまり、底面52aと、底面3aとが、ほぼ
同一の平面となるように、コマ52の高さ120が調整
されている。さらに、コマ52の上面52bは、鍵4の
底面4aに適合するよう、傾斜が付けられている。
【0038】上記コマ52の上面全体は上記鍵4の下面
全体にほぼ一致しており、当該コマ52の下面全体はア
クション1及び筬3の下面全体または棚板2上面全体に
ほぼ一致しており、アクション1及び筬3を当該アクシ
ョン1及び筬3を支えている棚板2に対して動かしたと
き、上記コマ52がアクション1及び筬3より突出して
棚板2に引っかかることがなく、 さらに、アクション
1及び筬3を棚板2に対して動かしたとき、プランジャ
51aが上記アクション1及び筬3に対して引っかから
ないように、コマ52には切り欠き52cが形成されて
いる。
【0039】また、底面52aには、切り欠き52cが
設けられている。この切り欠き52cは、鍵4にコマ5
2が接合された状態で、筬3が棚板2上を滑らされた
際、コマ52が棚板2の上面に引っかかることを防止す
るために設けられている。なお、底面52aは、底面3
aより、下方へ多少突出されていてもよい。逆に底面3
aより穴53内へ(上方)凹んだ状態でもよい。
【0040】いずれにせよ、筬3が棚板2上に格納され
た際、コマ52と、プランジャ形直流電磁石51のプラ
ンジャ51aとが軽く接触するように、コマ52は設置
されている。しかも、プランジャ形直流電磁石51が棚
板2の溝50に格納された際、プランジャ51aの先端
が、筬3の引き出し移動で障害とならないように、溝5
0の深さが設定されている。つまり、筬3の引き出し及
び格納時に、筬3に接触して、プランジャ51aが折損
されないように、溝50の深さが設定されている。な
お、プランジャ51aの先端とコマ52との間には隙間
があいていてもよい。
【0041】コマ52の寸法は、例えば、奥行き121
が約40ミリ、高さ120が約23ミリ、奥側の高さ1
22が約21ミリ、厚みが約11ミリとされている。な
お、本発明では、このコマ52の寸法を上記に限定する
ものではなく、これ以上、またはこれ以下の各寸法でも
よい。
【0042】3.消音機構 図3には、斜視されたときの消音機構60の様子が示さ
れている。この図3は図1とは反対方向から見た図であ
る。図4には、この消音機構60を上観したときの様子
が示されている。この消音機構60は、ピアノの筐体内
で、しかも横方向に並べられた、複数の弦37の直下に
配置される。この消音機構60の枠組みは、側板61、
62と、背板63と用いた、コの字形に構成される。そ
して、各側板61、62は、それぞれ、ピアノ筐体内に
ある鉄骨または打ち回し等(図示せず)に固定される。
【0043】また、側板61、62それぞれには、スロ
ープ状のガイド溝64、65が設けられている。このガ
イド溝64、65のガイド部分64a、65aは、側板
61、62のやや下部に設けられている。さらに、ガイ
ド部分64b、65bは、ガイド側板61、62のやや
上部に設けられている。つまり、ガイド部分64b、6
5bは、ガイド部分64a、65aより上方の位置に設
定されている。
【0044】このガイド溝64、65には、スライド板
66それぞれの側端に設けられた、係合爪67が遊嵌さ
れている。これにより、スライド板66がガイド溝6
4、65に沿って、前後方向に移動可能とされている。
スライド板66の上下面には、細長いブロック状の防振
材68、69が取り付けられている。この防振材69の
下方に、各音のハンマーヘッド36が配列される。
【0045】また、スライド板66の各側端には、第1
連結軸71、72が接続されている。各第1連結軸7
1、72の他端には、ジョイント75、76が設けられ
ている。このジョイント75、76には、第2連結軸7
3、74が、ピン等によって連結されている。このジョ
イント75、76により、第1連結軸71、72は、第
2連結軸73、74に対して、上下方向に揺動される。
【0046】第2連結軸73、74は、背板63に設け
られた穴を貫通されている。そして、この第2連結軸7
3、74の他端に、アーム77、78が回動自在に連結
されている。このアーム77とアーム78とは、端同士
が互いに連結され、連結部79が形成されている。
【0047】また、各アーム77、78は、連結部79
近傍の支点81、82において、台座80に回動可能な
ように装着されている。この台座80は、背板63に固
定されている。よって、アーム77、78は、台座80
上で、前後方向にシーソのような運動が行われる。この
台座80の前部と後部には、電磁石83、84が取り付
けられている。
【0048】この電磁石83、84の各駆動軸85、8
6は、上記連結部79に繋がれている。よって、各駆動
軸85、86のいずれか一方の牽引により、連結部79
が前後いずれかの方向に移動される。つまり、電磁石8
3、84のいずれか一方に励磁電流が供給されれば、連
結部79が、前方または後方にスライドされる。
【0049】上記防振材68の上方には、各音の弦37
が、スライド板66の長軸方向に並べられている。な
お、防振材68、69は、次のような必要最小限の厚み
とされている。すなわち、防振材68が弦37に接触さ
れたとき、防振材69に当接されるハンマーヘッド36
は、慣性力のみによって上昇されているように設定され
ている。
【0050】つまり、ハンマーヘッド36の支柱である
ハンマージャック34には、リペティションレバー44
及びジャック42の基部54等によって上昇力が加えら
れる。この上昇力の印加の後は、ハンマーヘッド36が
慣性力によってのみ上昇が続けられる。つまり、ハンマ
ージャック34には、ジャック42等によって所定時間
のみ、上昇力が加えられる。
【0051】そこで、ジャック42等による上昇力の印
加が取り除かれた後のハンマーヘッド36が、防振材6
9に当接できる厚みとされている。逆に、ジャック42
等による動力伝達中のハンマージャック34の動きを停
止させるような厚みに、防振材68、69は形成されな
い。なお、防振材68の厚みは、弦37の振動を最低限
防止できる厚みである。しかも、防振材69の厚みは、
ジャック42による動力伝達中の動きを阻害しないと共
に、ハンマーヘッド36との衝突音を十分に消去できる
厚みである。
【0052】また、上記防振材68、69のハンマー側
69は、ハンマー36の衝撃に対して大きく変形し、こ
の変形した状態を維持し、ハンマー36が離れたあと、
ゆっくりと元に戻るゲル状部材であり、同防振材68、
69の弦側68は、弦37の振動を吸収する、または上
記ハンマー36の衝撃を弦37に伝えない非振動部材か
らなっている。
【0053】4.楽音回路100 図5には、本発明で用いられる楽音回路100の構成ブ
ロック図が示されている。この楽音回路100は、中央
演算処理装置(以下CPU)94を中心とした回路で構
成されている。すなわち、複数のデータ信号線と、制御
用信号線が集まって構成されるシステムバス91にCP
U94、リードオンリメモリ(以下ROM)95、ラン
ダムアクセスメモリ(以下RAM)96、電磁駆動回路
97、メモリ装置93、MIDI(Musical I
nsutrument Digital Interfa
ce)回路92及 びユーザインターフェイス90が接
続されている。よって、これらの各回路及びデバイス同
士は、システムバス91を介して、双方向に通信が行わ
れる。
【0054】ユーザインターフェイス90は、液晶ディ
スプレイ装置、プラズマディスプレイ装置またはCRT
装置などの情報表示装置と、複数のキースイッチなどの
指示入力装置とから構成される。よって、楽音回路10
0への命令は、ユーザインターフェイス90の指示入力
装置を操作して行われる。そして、現在の楽音回路10
0の状態や、必要な情報が、情報表示装置に表示され
る。
【0055】MIDI回路92は、パラレルインターフ
ェイス回路または、シリアルインターフェイス回路と、
それらの回路を制御するローカル制御回路と、バッファ
回路等から構成されている。ローカル制御回路とは、例
えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)または、
マイクロプロセッサユニット(MPU)等が用いられ
る。このMIDI回路92は、MIDI情報を外部へ出
力することができると共に、外部の装置(パソコン等)
からMIDI情報またはインターネット情報を受信でき
る。
【0056】このMIDI回路92によって受信された
MIDI情報は、CPU94の制御のもと、電磁駆動回
路97に送られ、演奏情報として用いられる。また、M
IDI回路92によって受信されたMIDI情報は、メ
モリ装置93に保存される場合もある。なお、MIDI
情報は、押鍵(ノートオン)、離鍵(ノートオフ)等を
示すデータ、音程となる鍵番号(ノートナンバー)、音
量となる押鍵強度(ベロシティ)などを示すデータ等か
ら構成される。
【0057】メモリ装置93には、フロッピー装置、ハ
ードディスク装置、ICメモリカード、または光磁気デ
ィスク装置(MO)または磁気テープ装置等が用いられ
る。このメモリ装置93には、演奏用のMIDI情報が
蓄えられる。そして、要求に応じて読み出され、電磁駆
動回路97への出力データに利用される。この電磁駆動
回路97には、トランジスタなどのスイッチング素子が
用いられる。そして、CPU94によって送られてくる
演奏用の情報に基づき、各スイッチイング素子が制御さ
れる。このスイッチイング素子がオンされると、電磁駆
動回路97に接続された各音のプランジャ形直流電磁石
51へ、それぞれ励磁電流が供給される。
【0058】これにより、励磁電流の供給されたプラン
ジャ形直流電磁石51が駆動される。この結果、プラン
ジャ形直流電磁石51上のハンマーヘッド36が揺動さ
れ、弦37に打ち付けられる。つまり、電磁駆動回路9
7から、選択して出力される励磁電流により、所望の音
が発音される。また、この電磁駆動回路97には、電磁
石83、84が接続されており、この電磁石83、84
の励磁制御も行われる。
【0059】RAM96は、ダイナミックRAMまたは
スタックRAM等で構成されている。そして、楽音回路
100の状態や、ユーザインターフェイス90から入力
された命令などの情報が蓄えられる。つまり、CPU9
4で実行されるプログラムのワークメモリとして活用さ
れる。ROM95には、CPU94で実行されるプログ
ラムが記憶されている。よって、CPU94によって、
ROM95に保存されているプログラムが読み出され、
実行される。
【0060】5.バランスピンの構造 図6には、本発明で用いられるバランスピン25近傍
の、鍵4及びバランスレール32が示されている。ま
た、図7には、バランスピン25を上観した様子が示さ
れている。本発明で用いられるバランスピン25は、中
心部材である心棒131のほぼ中央に、周囲に水平方向
に突出されたフランジ132が設けられている。さら
に、心棒131の基部133の外周に、雄ネジが形成さ
れている。
【0061】また、バランスレール32の上面には、ネ
ジ穴134が設けられている。このネジ穴134の内周
には、メスネジが設けられている。そして、このネジ穴
134に、バランスピン25の基部133がねじ込まれ
る。よって、バランスピン25は、バランスレール32
に対して、回転されることで回転方向に対して直下U方
向つまり上下方向に動かされる。
【0062】さらに、バランスピン25の頂上には、マ
イナスドライバの様な平板状の突起物135が設けられ
ている。この突起物135には、後述されるU字型のレ
ンチ136が填め込まれる。そして、レンチ136によ
ってバランスピン25が回転される。また、フランジ1
32の上には、マット137が載置される。そして、こ
のマット137の上に、鍵4が遊嵌される。
【0063】よって、鍵4は、マット137の上で、心
棒131を中心として支点として支えられ揺動される。
このマット137は、シリコンゴム、またはシリコンゲ
ル等の緩衝材で製造される。したがって、マット137
は、鍵4のクッションとして働く。このマット137に
より、鍵4の揺動時において、軋み音等の発生が防止さ
れる。また、マット137は、鍵4の動作を良好にさせ
る作用がある。
【0064】図8には、上記レンチ136の側面の様子
が示されている。また、図9には、このレンチ136の
上観した場合の様子が示されている。このレンチ136
の作用点である底面138の中央には、上記突起物13
5と嵌合する長方形の穴139が設けられている。さら
に、人力が加えられる取手140a、140bは、底面
138に対して、上方に持ち上げつつ折り曲げられた構
造とされている。つまり、取手140a、140bは、
底面138に対して翼を広げるような形に形成されてい
る。
【0065】レンチ136が上記構造に作られるのは、
次の理由による。すなわち、バランスピン25の高さが
調整される場合、バランスピン25の突起物135に、
レンチ136の穴139が嵌合される。そして、取手1
40a、140bに加えられる回転モーメントにより、
バランスピン25が回転される。このレンチ136が回
転されるとき、隣のバランスピンに取手140a、14
0bがぶつからないようにするため、上記構造にレンチ
136は作られている。
【0066】上記構造のバランスピン25が用いられた
ピアノにおいて、鍵盤ならし作業は次のよう行われる。
すなわち、アクション部分におけるピアノの上蓋または
前部扉が開放される。これにより、各鍵のバランスピン
25部分が露出される。この状態で、調整目的のバラン
スピン25の突起物135に、レンチ136が嵌合され
る。そして、レンチ136を用いて、バランスピン25
が回転される。
【0067】このバランスピン25の回転により、鍵4
を支えるフランジ132が上下動される。これにより、
鍵4の高さが調整される。つまり、アクション自体を、
ピアノから引き出さなくても、バランスピン25の回転
作業が可能である。よって、従来のように、鍵盤ならし
作業において、アクション全体をピアノから引き出す必
要が全くない。
【0068】また、上記マット137は、異なる厚みの
ものが用いられる。例えば、1.0ミリ〜3.9ミリま
でで、0.1ミリ毎に厚みが異なるマット137が用い
られる。これは、初期の鍵盤ならし作業等において、マ
ット137の厚みが変更されて、鍵4の高さが調整され
る。そこで、マット137の厚みの判別を色識別によっ
てできるよう、各厚みのマット137が色違いに製造さ
れる。
【0069】すなわち、アクションへの自動演奏手段
(上記プランジャ形直流電磁石51)組み込み時などに
おいて、初期の鍵盤ならし作業が行われる。この時点で
の鍵盤のならし作業では、異なる厚みのマット137
が、順次取り換えられて、各鍵4の高さが調整される。
この色違いのマット137は次のように製造される。例
えば、1.0ミリ〜1.9ミリを10等分し、それぞれ
異なる色に、マット137が製造される。厚みが1.0
ミリのマット137は、白色に製造され、厚みが1、1
ミリのマット137が茶色に製造される。つまり、10
色の色違いマット137が製造される。
【0070】このように、厚みが異なるマット137
が、色違いに製造されれば、その色によって、マット1
37の厚みが容易に判別される。よって、鍵盤ならし作
業時において、マット137の厚みを変更する際、色に
よってマット137の厚みが判別されるので、所望の厚
みのマット137が的確に選択できる。
【0071】なお、マット137は、1.0ミリと、
2.0ミリ及び3.0ミリの厚みのものが同色に製造さ
れる。同じように、1.1ミリと2.1ミリ及び3.1
ミリのマット137は、同色に製造される。つまり、
1.0ミリ〜1.9ミリのマット137に用いられた1
0色が、2.0ミリ〜2.9ミリ及び3.0ミリ〜3.
9ミリのマット137でも、同一順序でかつ同色が用い
られる。この同色が用いられるのは、1.0ミリのマッ
ト137と、2.0ミリのマット137とでは、その感
触から容易に判別できる理由による。
【0072】しかし、さらに多くの色のマット137が
製造できるなら、全てのマット137が異なる色で製造
されてもよい。つまり、30種類の厚みのマット137
が、それぞれ異なる色で製造されてもよい。さらに、3
0種類以上より多くの異なる厚みのマット137が用い
られても良い。また、雄ねじ機構がバランスレール32
側に設けられ、雌ねじ機構がレンチ131側に設けられ
てもよい。
【0073】6.打弦機構の動作 上述されたように、演奏用のMIDI情報は、MIDI
回路92を介して外部から入力されるか、またはメモリ
装置93に保存されたMIDI情報が用いられる。例え
ば、メモリ装置93から、CPU94の制御によって読
み出されたMIDI情報は、CPU94によって解析さ
れる。そして、そのMIDI情報のノートオン情報等に
基づいて、対応する音のプランジャ形直流電磁石51が
駆動されるように、電磁駆動回路97に信号が、CPU
94から与えられる。
【0074】電磁駆動回路97では、CPU94から与
えられた信号に応じて、対応するプランジャ形直流電磁
石51へ励磁電流の供給が開始される。このように、メ
モリ装置93から読み出されたMIDI情報に基づき、
各プランジャ形直流電磁石51への励磁電流の供給及び
停止が、CPU94の制御のもと電磁駆動回路97によ
って選択される。
【0075】プランジャ形直流電磁石51に励磁電流が
供給されると、プランジャ形直流電磁石51のプランジ
ャ51aが突出される。これにより、コマ52を介して
鍵4の奥端が上昇される(図1参照)。この鍵4の奥端
部の上昇により、キャプスタンスクリュ35を介してウ
イッペン41の先端が上昇される。つまり、ウイッペン
41が、ウイッペンフレンジ40を支点として、反時計
方向に回動される。これにより、ウイッペン41の先端
にあるジャック42の基部54が、リペティションレバ
ー44を介してハンマーローラ46を押し上げる。
【0076】このハンマーローラ46に加えられる上昇
力により、ハンマージャック34が、シャンクフランジ
48との接続部を支点として時計方向に回転される。ま
た、リペティションレバー44が上昇されると、その先
端部分が、シャンクフランジ48の底面に当接される。
この後、ジャック42のフック部分42aがレギュレッ
チングボタン49に当接される。これにより、ジャック
42は、ウイッペン41の先端において、時計方向に回
動される。よって、基部54の押し上げ力の作用方向
が、ハンマーローラ46方向から外される。
【0077】この結果、ハンマーローラ46及びハンマ
ージャック34を押し上げる力が除去される。しかし、
ハンマージャック34は、慣性力によって上昇し続けら
れる。そして、ハンマージャック34の先端にあるハン
マーヘッド36が弦37に当てられる。つまり、鍵4ま
たはプランジャ形直流電磁石51によって加えられる上
昇力により、ハンマージャック34の回動が開始され
る。そして、ハンマーヘッド36が弦37に接近したと
き、ジャック42が、ウイッペン41の先端で回動され
るので、それ以上の動力伝達が行われない。
【0078】つまり、弦37にハンマーヘッド36が当
たる際には、ハンマーヘッド36は慣性力のみよって上
昇されている。このように、ジャック42によって常
時、ハンマージャック34が押し上げられているのでは
ない。よって、ハンマーヘッド36が弦37に当たった
後、直ちに、ハンマーヘッド36の下降が開始される。
【0079】なお、プランジャ形直流電磁石51に印加
される励磁電流は、プランジャ51aが十分に突出され
た直後に、停止される。つまり、ハンマーヘッド36が
少なくとも、弦37に当接されるだけのエネルギをアク
ション1に供給できるように、励磁電流の最低値が定め
られている。逆に、より高い(強い)励磁電流が供給さ
れれば、プランジャ形直流電磁石51の駆動時間が速く
なり、プランジャ51aの突出速度が早まる。そこで、
MIDI情報の押鍵強度に応じて、この励磁電流の強弱
が、電磁駆動回路97において調整される。これによ
り、メモリ装置93から読み出されたMIDI情報の押
鍵強度に応じて、プランジャ形直流電磁石51が動作さ
れる。
【0080】このように、プランジャ形直流電磁石51
へ励磁電流が供給されると、対応する音が発生される。
よって、各プランジャ形直流電磁石51への励磁電流の
供給が電磁駆動回路97によって、選択及び電流値制御
されることで、MIDI情報に基づく演奏が実行され
る。
【0081】7.消音機構の動作 楽音回路100の電磁石83、84への励磁電流は、C
PU94の制御のもと、電磁駆動回路97から送られて
くる。なお、電磁石83、84への励磁電流の供給は、
排他的に行われる。すなわち、電磁石83に励磁電流が
供給されているときは、電磁石84への励磁電流の供給
は行われない。また、この楽音回路100の動作は、ユ
ーザインターフェイス90を介し、演奏者によって指示
される。
【0082】電磁石84に励磁電流が供給されると、駆
動軸86によって、連結部79が奥手方向へ牽引される
(図3、4参照)。これにより、アーム77、78が、
支点81、82を中心として回動される。よって、アー
ム77、78先端に連結された、第2連結軸73、74
及び第1連結軸71、72が手前側に押し出される。
【0083】この結果、スライド板66は、ガイド溝6
4、65をスライドされ、ガイド部分64b、65bへ
と導かれる。スライド板66がガイド部分64b、65
b部分へ移動されると、防振材68が、各音の弦37に
接触される。また、防振材69の直下には、各ハンマー
ヘッド36が位置される。
【0084】なお、上記第2連結軸73、74と第1連
結軸71、72とは、ジョイント75、76によって連
結されている。よって、スライド板66が移動されて
も、第1連結軸71、72がジョイント75、76を支
点として揺動される。これにより、背板63を貫通され
ている第2連結軸73、74の前後動作に、スライド板
66の移動による支障が加えられることはない。
【0085】上記の状態で、鍵4が押鍵されると、アク
ション1の機構により、ハンマーヘッド36が弦37へ
向けて上昇される。しかし、ハンマーヘッド36は、防
振材69に当たるのみで、弦37に直接当てられない。
つまり、ハンマーヘッド36の弦37への当接が、スラ
イド板66の防振材68、69によって妨げられる。よ
って、弦37は振動せず、発音は行われない。しかも、
ハンマーヘッド36の衝突時の微少音も、この防振材6
8、69によって十分に吸収される。
【0086】他方、電磁石83へ励磁電流が供給される
と、連結部79は手前側に引かれる。なお、電磁石84
への励磁電流の供給は停止される。連結部79が手前側
に引かれることにより、アーム77、78先端の第2連
結軸73、74及び第1連結軸71、72が奥手側に引
かれる。これにより、スライド板66は、ガイド部分6
4a、65a部分にスライドされる。結果、防振材68
の弦37への接触が解除される。しかも、ハンマーヘッ
ド36の揺動軌跡上からスライド板66が撤去されるの
で、ハンマーヘッド36の弦37への当接は妨げられな
い。よって、鍵4の打鍵またはプランジャ形直流電磁石
51の動作により、ハンマーヘッド36が弦37に打ち
付けられる。結果、弦37が振動され、所望の音が発音
される。
【0087】このように、消音機構60により、弦37
に防振材68が直接接触されるとともに、ハンマーヘッ
ド36の打弦動作が弦37直前で阻止される。よって、
弦37の振動が完全に防止されるとともに、ハンマーヘ
ッド36の動作が抑制されるので、ピアノ内の音の発生
が完全に防止される。しかも、弦37に直接、防振材6
8が接触されると共に、防振材68、69は最小限の厚
みに形成されている。よって、ハンマーヘッド36は、
慣性力によって上昇されているときのみ、その動作が阻
止される。
【0088】つまり、アクション1におけるハンマーヘ
ッド36への動力伝達中に、このハンマーヘッド36の
上昇が停止されることがない。よって、鍵4の押鍵力が
正しくハンマーヘッド36に伝達される。この結果、ス
ライド板66による消音機構が動作されている時と、さ
れていないときで、鍵4の演奏者の押鍵感触に変化がな
い。これにより、消音状態における演奏練習が、より実
演状態に近い環境で行える。
【0089】なお、上記実施例では、スライド板66の
スライドに、二つの電磁石83、84が用いられたが、
一方をバネに置き換えても良い。例えば、電磁石83に
代えて、収縮力のあるバネが用いられる。そして、この
バネで、駆動軸85が牽引される。そして、このバネの
牽引力に打ち勝つように、電磁石84が励磁されれば、
スライド板66はガイド部分64b、65bへスライド
される。反対に、電磁石84への励磁電流の供給が遮断
されれば、バネの牽引力により、スライド板66が、ガ
イド部分64a、65aへスライドされる。
【0090】さらにまた、電磁石83、84に代えて、
人力によって前後方向に動かされるレバーで、連結部7
9が前後移動されてもよい。つまり、人力によって、ス
ライド板66がスライドされてもよい。
【0091】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例え
ば、上記実施例におけるコマ52の材質は、本発明にお
いて特に限定されない。材質は、木材、樹脂、金属、プ
ラスチック等如何なるものでもよい。さらに、コマ52
に、レギュレッチングボタン49と同じものが用いられ
てもよい。つまり、支柱を有する円筒状のコマでも良
い。ただし、プランジャ形直流電磁石51のプランジャ
51aによって確実に押し上げられるように、コマ52
の底面52aの面積が定められる。
【0092】ハンマー36側の防振材69は、例えばイ
ソプレンゴム、シリコンゴム、シリコンゲル、ウレタン
ゲル、熱硬化性エストラマー、ラバー、ウレタン系高ダ
ンピングゴム、ポリノルボルネンゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、、フェルト等、ゲル状、ゴム状、発泡体状等い
かなるものでもよい。弦37側の防振材68は、例え
ば、フェルト、イソプレンゴム、シリコンゴム、シリコ
ンゲル、ウレタンゲル、熱硬化性エストラマー、ラバ
ー、ウレタン系高ダンピングゴム、ポリノルボルネンゴ
ム、ポリイソブチレンゴム、フェルト等、非振動部材ま
たは非伝達部材等いかなるものでもよい。
【0093】さらに、防振材68、69は、外皮が塩化
ビニールなどの合成樹脂で覆われた中空クッションでも
よいし、内部にウレタン等の発泡体、水等の液体、空気
などの気体が充填されたクッションでもよい。また、上
記各緩衝材が複数積層された複合体でもよいし単層体で
もよい。さらに、防振材68には、ゴムなどの緩衝材が
使用され、防振材69には、フェルトなど、別の緩衝材
が用いられても良い。つまり、防振材68、69それぞ
れに異なるまたは同じ緩衝材が用いられても良い。
【0094】スライド板66の材質についても、アルミ
ニュウム、木材等如何なるものでもよい。ただし、アル
ミニュウムが用いられれば、防振材69に当てられたハ
ンマーヘッド36が、効率よく下降される。つまり、防
振材69には、衝撃吸収力が比較的小さい緩衝材が用い
られるのがよい。しかも、防振材69が受け止めたハン
マーヘッド36を押し返すように、強い反発力のある硬
い材質がスライド板66に用いられるのが好ましい。た
だし、防振材68には、より衝撃吸収力の高い(強い)
材質が用いられる。
【0095】また、プランジャ形直流電磁石51は、交
流電磁石でも良い。しかも、このプランジャ形の電磁石
51が、アップライトピアノまたはその他の鍵盤楽器の
棚板上に設けられてもよい。つまり、アップライトピア
ノの押鍵機構またはその他の鍵盤楽器の発音機構が、プ
ランジャ形直流電磁石51等の電磁石によって駆動され
るようにしてもよい。また、楽音回路100にトーンジ
ェネレータを含む電子音発生装置が設けられてもよい。
つまり、MIDI情報により、人工波形を加工して、疑
似ピアノ音等の楽器音を発生させてもよい。この場合、
弦37による発音は、消音機構60によって禁止されて
もよい。
【0096】本発明のバランスピン25の頂上の形状
は、突起物135のように限定されるものではない。す
なわち、十字形状の突起でもよいし、ナット形状の外形
でもよい。さらに、この突起物135に嵌合され、バラ
ンスピン25を回転させるレンチ136の形状について
も、本発明では特に限定されるものではない。つまり、
突起物135の形状に嵌合するものならば、如何なる形
状でもよい。例えば、突起物135がナット形状に形成
されたなら、レンチ136もナット回しの形状に構成さ
れる。また、バランスピン25の頂上に、マイナスドラ
イバが差し込める溝が形成されたなら、レンチ136に
代えて、マイナスドライバが用いられればよい。同じよ
うに、バランスピン25の頂上に、十字の溝が形成され
ているなら、レンチ136に代えて、プラスドライバが
用いられればよい。
【0097】さらにまた、鍵4は、バランスピン25を
支点として揺動される。そこで、鍵4の底面にコマ52
が取り付けられることの影響を極力小さくするため、筬
前33近傍の鍵4の底面にバランス用のウェイトが取り
付けられてもよい。
【0098】ピアノの鍵の木口側の下に敷かれるフロン
トパンチングクロスについても、上記された緩衝材のイ
ソプレンゴム、シリコンゴム、シリコンゲル、ウレタン
ゲル、熱硬化性エストラマー、ラバー、ウレタン系高ダ
ンピングゴム、ポリノルボルネンゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、フェルト等の厚みの変わる部材が用いられても
良い。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、棚板
上に直接、電磁石等の上下動力発生手段が埋設されると
ともに、鍵盤の下面に、電磁石のプランジャによって良
好に押し上げられるコマ等の伝達部材が取り付けられ
た。しかも、このコマとプランジャとの良好な上下動作
を確保するため、筬に貫通穴が設けられている。これに
より、既に完成されたピアノにも、迅速かつ良好に自動
演奏手段が装備できる。また、本発明の消音機構では、
弦とハンマーヘッドの間に、選択的に移動して割り込ま
れる緩衝材が設けられた。これにより、弦の振動が完全
に防止されると共に、消音時の不要音の発生が防止され
る。また、ハンマーヘッドは、慣性力によって上昇され
ているときに、緩衝材によって停止される。よって、押
鍵中の鍵の動きに支障が与えられない。すなわち、押鍵
感触に変化が与えられない。また、バランスピンの先頭
に回転手段を、しかも基部に螺合手段を設けた。よっ
て、バランスピンの上下動が容易に行える。結果、鍵盤
ならし作業が容易になる。さらに、従来のパンチングペ
ーパに代えて、緩衝材で製造されたマットをバランスピ
ンに填め込んだ。よって、マットの経年変化が極めて少
ない。よって、鍵の高さの不揃いが発生しにくく、鍵盤
全体の高さの均一性がより長期間保てる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアクション1の様子を示す図で
ある。
【図2】 コマ52近傍のアクション1の様子を示す図
である。
【図3】 消音機構60の様子を示す図である。
【図4】 消音機構60の上観図である。
【図5】 楽音回路100の構成を示す図である。
【図6】 バランスピン25近傍の鍵4の様子を示す図
である。
【図7】 バランスピン25の上観を示す図である。
【図8】 本発明で利用されるレンチ136の側面の様
子を示す図である。
【図9】 レンチ136の上観の様子を示す図である。
【符号の説明】
1…アクション、2…棚板、3…筬、3a…底面、4…
鍵、4a…底面、25…バランスピン、31…筬後、3
2…バランスレール、33…筬前、34…ハンマージャ
ック、35…キャプスタンスクリュ、36…ハンマーヘ
ッド、37…弦、38…バックチェック、39…ウイッ
ペンレール、40…ウイッペンフレンジ、41…ウイッ
ペン、42…ジャック、42a…フック部分、43…支
持部材、44…リペティションレバー、45…リペティ
ションレバースプリング、46…ハンマーローラ、47
…シャンクレール、48…シャンクフランジ、49…レ
ギュレッチングボタン、50…溝、51…プランジャ形
直流電磁石、51a…プランジャ、52…コマ、52a
…底面、52b…上面、52c…切り欠き、53…穴、
54…基部、60…消音機構、61、62…側板、63
…背板、64、65…ガイド溝、64b、65b…ガイ
ド部分、64a、65a…ガイド部分、66…スライド
板、67…係合爪、68、69…防振材、71、72…
第1連結軸、73、74…第2連結軸、75、76…ジ
ョイント、77、78…アーム、79…連結部、80…
台座、81、82…支点、83、84…電磁石、85、
86…駆動軸、90…ユーザインターフェイス、91…
システムバス、92…MIDI回路、93…メモリ装
置、94…CPU、95…ROM、96…RAM、97
…電磁駆動回路、100…楽音回路、120…高さ、1
21…奥行き、122…高さ、131…心棒、132…
フランジ、133…基部、134…ネジ穴、135…突
起物、136…レンチ、137…マット、138…底
面、139…穴、140a、140b…取手。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤楽器の各鍵の動作を伝達して発音を
    行わせる発音手段と、 この発音手段の外側に存在する部材に対して設けられ、
    鍵を駆動させるための鍵駆動手段であって、この鍵駆動
    手段は上記発音手段に接触しない位置またはこの発音手
    段の中に入り込まない位置に設けられ、 上記鍵に対して設けられ、上記鍵駆動手段の駆動を当該
    鍵に伝達する伝達手段であって、この伝達手段は上記発
    音手段から突出しない位置に設けられていることを特徴
    とする鍵盤楽器。
  2. 【請求項2】 完成された鍵盤楽器を完成後に加工する
    方法であって、 この鍵盤楽器の各鍵の動作を伝達して発音を行わせる発
    音手段の外側に存在する部材に対して、鍵を駆動させる
    ための鍵駆動手段を取り付け、しかもこの鍵駆動手段を
    上記発音手段に接触しない位置またはこの発音手段の中
    に入り込まない位置に設け、 上記鍵駆動手段の駆動を上記鍵に伝達する伝達手段を上
    記鍵に対して取り付け、しかもこの伝達手段は上記発音
    手段から突出しない位置に設けることを特徴とする鍵盤
    楽器の加工方法。
  3. 【請求項3】 鍵盤楽器の各鍵の動作を弦に伝達して発
    音を行わせる発音手段と、 この発音手段のなかの上記弦を打つハンマーの先端とこ
    の弦との間に入ったり出たりし、この入ったときには上
    記弦に接触するとともに、上記ハンマーの先端を受け止
    めて、上記発音手段の発音を禁止する緩衝手段とを備え
    たことを特徴とする鍵盤楽器。
  4. 【請求項4】 各鍵を支える台部に形成された雌ねじ機
    構または雄ねじ機構と、 この雌ねじ機構または雄ねじ機構と係合し、回動するこ
    とにより回動方向とほぼ直角方向に動くねじ手段と、 このねじ手段から周囲に突出し、上記鍵を受け止めてこ
    の鍵の支点として支える支え手段と、 この支え手段から先に延び、上記鍵に対して遊びをもっ
    て貫通し、上記ねじ手段及び当該支え手段を回動させて
    このねじ手段及び支え手段を動かして上記鍵の支点の位
    置を調整する回動手段とを備えたことを特徴とする鍵盤
    楽器の鍵調節装置。
JP9215355A 1997-08-08 1997-08-08 鍵盤楽器、鍵盤楽器の加工方法及び鍵盤楽器の鍵調節装置 Pending JPH1152945A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100772123B1 (ko) 2006-09-28 2007-11-05 주식회사 다이나톤 자동 연주용 디지털 피아노의 건반 동작을 위한 높이조절장치
JP2009236950A (ja) * 2008-03-25 2009-10-15 Yamaha Corp 電子楽器用鍵盤装置及び鍵ガイド

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