JPH1154754A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH1154754A
JPH1154754A JP9223040A JP22304097A JPH1154754A JP H1154754 A JPH1154754 A JP H1154754A JP 9223040 A JP9223040 A JP 9223040A JP 22304097 A JP22304097 A JP 22304097A JP H1154754 A JPH1154754 A JP H1154754A
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い動作性能と高い信頼性とを同時に実現し
うる新しい構造の半導体装置を提供する。 【解決手段】 結晶性半導体で構成されるソース領域1
01、ドレイン領域103に挟まれた活性領域102に
おいて、局部的にゲルマニウムを添加することでSix Ge
1-x 領域105を形成する。このSix Ge1-x 領域105
とゲルマニウムが添加されなかったSi領域106とのバ
ンド構造の差を利用して、ドレイン側からソース側に向
かって広がる空乏層を効果的に抑止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
結晶性半導体を利用した半導体装置、特に絶縁ゲイト型
トランジスタの構成に関する。また、その様なトランジ
スタ等で構成された半導体回路、電気光学装置及びそれ
らを複合化した電子機器の構成に関する。
【0002】なお、本明細書中では上記トランジスタ、
半導体回路、電気光学装置および電子機器を全て「半導
体装置」の範疇に含めて扱う。即ち、半導体特性を利用
して機能しうる装置を全て半導体装置と呼ぶ。従って、
上記特許請求の範囲に記載された半導体装置は、トラン
ジスタ等の単体素子だけでなく、それを集積化した半導
体回路、電気光学装置及び電子機器をも包含する。
【0003】
【従来の技術】現状のVLSI、ULSIではさらなる
集積度向上を求めて素子サイズが微細化の一途を辿る傾
向にある。この流れはバルク単結晶を用いたMOSFE
Tでも薄膜を用いたTFTでも同様に見られる。現在で
は、チャネル長が1μm以下、さらには 0.2μm以下と
いった素子が求められる様になっている。
【0004】ところが、微細化を妨げる要因として短チ
ャネル効果という現象が知られている。短チャネル効果
とは、チャネル長が短くなるにつれて引き起こされるソ
ース/ドレイン間耐圧の低下、しきい値電圧の低下など
の諸問題である(サブミクロンデバイスI;小柳光正
他,pp88〜138 ,丸善株式会社,1987参照)。
【0005】同参考書によれば、耐圧低下の原因の一つ
としてパンチスルー現象が最もよく知られている。この
現象は、チャネル長が短くなることでドレイン側空乏層
の電位的な影響がソース側に及び、ソース側の拡散電位
が下げられる(ドレイン誘起障壁低下現象)ことでゲイ
ト電圧による多数キャリアの制御が困難な状況になる現
象である。
【0006】この様な短チャネル効果は微細化を行う上
で乗り越えなくてはならない課題となっている。また、
短チャネル効果の代表例としてしきい値電圧の低下が挙
げられる。これも空乏層の広がりによって引き起こされ
ると考えられる。
【0007】以上の様な短チャネル効果に対して様々な
対策がなされているが、最も一般的に行なわれている対
策はチャネルドープである。チャネルドープとは、チャ
ネル形成領域全体に浅くP(リン)、B(ボロン)とい
った不純物元素を微量に添加し、短チャネル効果を抑制
する技術である(特開平4-206971号公報、特開平4-2863
39号公報等)。
【0008】チャネルドープはしきい値電圧の制御とパ
ンチスルーの抑制とを目的として行われる。しかしなが
ら、チャネルドープ技術はTFTの電界効果移動度(以
下、モビリティと呼ぶ)に重大な制約を与えるという欠
点を持っている。即ち、意図的に添加された不純物元素
によってキャリアの移動が阻害され、キャリア移動度が
大幅に低下してしまうのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記問題点
を鑑みて成されたものであり、高い動作性能(高いモビ
リティ)と高い信頼性(高い耐圧特性)とを同時に実現
しうる全く新しい構造の半導体装置およびその作製方法
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
の構成は、結晶性半導体を利用して形成されたソース領
域、ドレイン領域および活性領域を含む半導体装置であ
って、前記活性領域は局部的にゲルマニウムを添加して
形成されたSix Ge1-x 領域及び前記ゲルマニウムが添加
されなかったSi領域とで構成され、局部的に設けられた
前記Six Ge1-x 領域によって前記ドレイン領域から前記
ソース領域に向かって広がる空乏層が抑止されることを
特徴とする。
【0011】また、他の発明の構成は、結晶性半導体を
利用して形成されたソース領域、ドレイン領域および活
性領域を含む半導体装置であって、前記活性領域は局部
的にゲルマニウムを添加して形成されたSix Ge1-x 領域
及び前記ゲルマニウムが添加されなかったSi領域とで構
成され、局部的に設けられた前記Si領域によって前記ド
レイン領域から前記ソース領域に向かって広がる空乏層
が抑止されることを特徴とする。
【0012】また、他の発明の構成は、結晶性半導体を
利用して形成されたソース領域、ドレイン領域および活
性領域を含む半導体装置であって、前記活性領域は局部
的にゲルマニウムを添加して形成されたSix Ge1-x 領域
及び前記ゲルマニウムが添加されなかったSi領域とで構
成され、局部的に設けられた前記Six Ge1-x 領域によっ
て前記ドレイン領域から前記ソース領域に向かって広が
る空乏層が抑止され、且つ、しきい値電圧が制御される
ことを特徴とする。
【0013】また、他の発明の構成は、結晶性半導体を
利用して形成されたソース領域、ドレイン領域および活
性領域を含む半導体装置であって、前記活性領域は局部
的にゲルマニウムを添加して形成されたSix Ge1-x 領域
及び前記ゲルマニウムが添加されなかったSi領域とで構
成され、局部的に設けられた前記Si領域によって前記ド
レイン領域から前記ソース領域に向かって広がる空乏層
が抑止され、且つ、しきい値電圧が制御されることを特
徴とする。
【0014】本願発明の主旨は、活性領域に対して局部
的にゲルマニウムを添加することで意図的にバンド構造
の異なる2種類の領域を形成し、そのバンド構造の差を
利用してドレイン側からソース側に向かって広がる空乏
層を抑止することにある。なお、活性領域とはソース/
ドレイン領域間(またはLDD領域間)に挟まれた領域
のことを指す。
【0015】また、本発明者らは空乏層を抑止する効果
があたかも空乏層をピン止めする様に捉えられることか
ら、「抑止」という意味で「ピニング」という言葉を定
義している。そして、本願発明を利用した半導体装置を
ピニングFET(またはピニングTFT)と呼び、従来
の半導体装置とは明確に区別している。
【0016】上述の構成からなる本願発明の半導体装置
は、高い動作性能と高い信頼性とを同時に実現する。本
願発明の半導体装置に関する詳細について以下に示す実
施例でもって説明する。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕本願発明のピニングFETの構造について
図1を用いて説明する。図1(A)は上面図、図1
(B)は上面図をA−A’で切断した断面図、図1
(C)は上面図をB−B’で切断した断面図である。
【0018】図1(A)において、101はソース領
域、102は活性領域、103はドレイン領域、104
はフィールド酸化膜である。また、活性領域102を横
切る様にして複数設けられた領域105は、局部的にゲ
ルマニウム(Ge)を添加した領域(以下、Six Ge1-x
(0<X<1) 領域と略記する)である。
【0019】なお、Six Ge1-x で示される組成では0<
X<1の関係が成り立つ。即ち、Six Ge1-x 領域はSiの
み又はGeのみといった組成にはならない。
【0020】また、活性領域102内において、ゲルマ
ニウムが添加されなかった領域106は、真性または実
質的に真性なシリコンからなる領域(以下、Si領域と略
記する)である。
【0021】また、活性領域102の両端にはLDD領
域107が設けられ、活性領域102の上にはゲイト絶
縁膜を介してゲイト電極108が設けられている。この
ゲイト電極108は導電性を付与したシリコンを用い
る。他にもアルミニウムを主成分とする材料、タンタ
ル、タングステン、モリブデン等を用いることもでき
る。さらに、層間絶縁膜を介してソース電極109、ド
レイン電極110が設けられ、それぞれソース領域10
1、ドレイン領域103と接している。
【0022】ここで、本願発明の特徴であるSix Ge1-x
領域とSi領域とについて説明を行う。上述の様に、本願
発明では活性領域102がSix Ge1-x 領域105とSi領
域106とで構成されている。最も典型的な構成は、図
1(A)に示す様にSix Ge1-x 領域105とSi領域10
6とが互いに概略平行に、且つ、交互に並んだ構成であ
る。なお、この様な構成では活性領域102がSix Ge
1-x 領域105によって複数のSi領域106に分断され
ているとも見なせる。
【0023】このSix Ge1-x 領域105は質量分離した
イオンプランテーション法を用いてゲルマニウムを添加
することで形成することができる。ここでゲルマニウム
を添加した場合のバンドギャップの変化について図2を
用いて説明する。
【0024】図2に示すエネルギーバンド図は、隣接す
るSix Ge1-x 領域とSi領域とのバンド構造の変化を模式
的に示したものである。Si/Si x Ge1-x 界面におけるバ
ンド構造に関しては未だ研究過程にあるが、Six Ge1-x
層をSi層で挟み込むと図2に示す様なバンド構造となる
という報告(シリコン系ヘテロデバイス,古川 静二郎
他,pp.190,丸善,1991)がなされている。
【0025】上記報告は積層構造に関する内容である
が、図1に示した構造はSix Ge1-x 層をSi層で挟み込ん
だ構造となるので、図2に示した模式図の様にSix Ge
1-x 領域のバンドギャップ(Eg2 )は、Si領域のバン
ドギャップ(Eg1 )に比べて小さくなる。また、Six
Ge1-x 領域の価電子体及び伝導体はSi領域のそれよりも
上になると予想される。
【0026】この時、Six Ge1-x 領域のバンドギャップ
は組成中に含まれるゲルマニウム量で変化する。本願発
明ではSix Ge1-x で示される組成において0<X<1、
好ましくは 0.05 <x<0.95(代表的には 0.5<x<0.
95 )となる様にxを変化させる。また、この制御によ
りSix Ge1-x 領域のバンドギャップ(Eg2 )は0.66<
Eg2 <1.6 (代表的には0.66<Eg2 <1.1 )の間で
変化する。
【0027】この場合、Six Ge1-x 領域とSi領域との間
には電位障壁が形成される。この障壁は、電子にとって
はSi領域からSix Ge1-x 領域への移動を妨げる障壁とし
て振る舞うと考えられる。即ち、多数キャリアが電子で
あるNチャネル型動作の場合には、電子はSi領域を優先
的に移動する。
【0028】逆に、正孔にとってはSix Ge1-x 領域から
Si領域への移動を妨げる障壁として振る舞うと考えられ
る。即ち、多数キャリアが正孔であるPチャネル型動作
の場合には、正孔はSix Ge1-x 領域を優先的に移動す
る。
【0029】ここでチャネル長およびチャネル幅の定義
を図3を用いて行う。図3においてソース領域301と
ドレイン領域302との間の距離(活性領域303の長
さに相当する)をチャネル長(L)と定義する。本願発
明はこの長さが2μm以下、典型的には30〜500 nm(さ
らに好ましくは50〜200 nm)である場合に有効である。
また、このチャネル長に沿った方向をチャネル長方向と
呼ぶ。
【0030】また、任意のSix Ge1-x 領域304の幅を
vi とする。幅vi は2μm以下、好ましくは50〜300n
m (さらに好ましくは1〜50nm)とすれば良い。そし
て、活性領域303内に存在する全てのSix Ge1-x 領域
の幅の総和をVi とすると、次式の様に定義される。
【0031】
【数1】
【0032】なお、Nチャネル型FETを作製した場合
には、Six Ge1-x 領域304が空乏層をピニングするた
めの領域(以下、ピニング領域と略記する)として機能
する。そのため、本願発明のピニング効果を得るには活
性領域303に対して少なくとも一つのSix Ge1-x 領域
を設ける必要がある。即ち、i =1〜mとなり、1本乃
至m本のSix Ge1-x 領域を形成する必要がある。
【0033】また、Si領域305の幅をvj とする。幅
vj もSix Ge1-x 領域304と同様に2μm以下、好ま
しくは50〜300nm (さらに好ましくは1〜50nm)とすれ
ば良い。また、上記Si領域305の幅vj の総和をVj
とすると次式の様に定義される。
【0034】
【数2】
【0035】なお、Si領域305は、Pチャネル型FE
Tを作製した場合には空乏層をピニングするための領域
として機能する。即ち、本願発明のピニング効果を得る
には活性領域303に対して少なくとも一つのSi領域を
設ける必要がある。即ち、j=1〜nとなり、1本乃至
n本のSi領域を形成する必要がある。
【0036】また、Nチャネル型FETではSix Ge1-x
領域がピニング領域として機能し、Si領域がキャリアが
移動する領域(チャネル形成領域)として機能する。従
って、Nチャネル型FETでは、Si領域の幅の総和Vj
がチャネル幅と定義される。逆に、Pチャネル型FET
では、Six Ge1-x 領域をキャリアが移動するので、Six
Ge1-x 領域の幅の総和Vi がチャネル幅となる。
【0037】この様に、Nチャネル型FETとPチャネ
ル型FETとでピニング領域及びチャネル形成領域の役
割が逆になるという点が本願発明の大きな特徴である。
【0038】上述のチャネル幅は活性領域303の幅
(活性領域のチャネル長方向に対して垂直な方向の長
さ)に相当するものである。また、このチャネル幅に沿
った方向をチャネル幅方向と呼ぶことにする。
【0039】以上の様に定義される本願発明の半導体装
置は、特にチャネル長が極めて小さい半導体装置に適用
することを念頭に置いているので、Six Ge1-x 領域の形
成は極めて微細な寸法で行わなくてはならない。
【0040】そのため、図1(A)におけるSix Ge1-x
領域105の形成には極めて微細なフォトリソグラフィ
技術及びイオン注入技術が必要となる。即ち、エキシマ
レーザー、電子ビームまたは集束イオンビーム等を用い
た微細露光技術を駆使しなくては、上述の様な微細なパ
ターン形成をすることはできない。
【0041】また、当然、ゲルマニウムの導入量を精密
に制御するためにもイオンプランテーション(イオン注
入とも言う)技術等の如き精密な濃度制御の可能な技術
を利用することが好ましい。勿論、質量分離をしないイ
オンドーピング法(プラズマドーピング法等)を用いる
ことも可能である。
【0042】次に、図1(B)についての説明を行う。
なお、図1(B)において、図1(A)で説明した部分
については同一の符号を用いて説明することにする。
【0043】図1(B)において、111は単結晶シリ
コン基板であり、N型またはP型シリコン基板を用い
る。なお、シリコン基板111としては、通常のCZ
法、FZ法またはその他の方法で形成された全てのシリ
コン基板を用いることができる。ただし、キャリアの移
動度を高めるためには、ドーパント量(不純物元素の添
加濃度)の少ない高抵抗シリコン基板を用いることが好
ましい。
【0044】また、112はフィールド酸化膜104の
下に形成されたチャネルストッパー、113はゲイト絶
縁膜、114は層間絶縁膜である。また、活性領域10
2内においてSix Ge1-x 領域105以外の領域がSi領域
106となる。
【0045】そして、活性領域102に対してストライ
プ状にSix Ge1-x 領域105が形成されている。Six Ge
1-x 領域105はドレイン側からソース側に向かって広
がる空乏層を効果的にピニングする様に深く形成するこ
とが好ましい。基本的には、ソース/ドレイン領域の接
合深さよりも深くすると良い。
【0046】次に、図1(C)について説明を行う。図
1(C)において、ソース領域101及びドレイン領域
103の内側に設けられた領域107がLDD領域であ
る。このLDD領域107はサイドウォール115を利
用して形成される。
【0047】なお、図1(C)に示す様にSix Ge1-x 領
域105をLDD領域107の内部にまで食い込む様に
形成すると、ドレイン側空乏層に対するピニング効果が
強まって効果的である。勿論、ドレイン領域103の内
部にまで食い込む様に形成するとさらに効果的である。
【0048】本願発明のピニングFETは、以上に示し
た様な構成を基本とする。ただし、最も重要なのは活性
領域の構成であり、活性領域とは直接関係しない素子構
造に関しては図1の構造に限定されるものではない。
【0049】次に、Six Ge1-x 領域105及びSi領域1
06の果たす役割と、それによって得られる効果につい
てNチャネル型FETを例にとって説明する。
【0050】まず、第1の効果について説明する。本願
発明の最も大きな目的は、ドレイン側からソース側に向
かって広がる空乏層を抑止(ピニング)し、ドレイン電
圧によるソース側の電位障壁の低下を防止することにあ
る。そして、空乏層の広がりを抑止することでしきい値
電圧の低下やパンチスルーによる耐圧の低下を十分に防
ぐことが可能となる。
【0051】図1において、活性領域102に局部的に
形成されたSix Ge1-x 領域105は、ドレイン側から広
がる空乏層に対して電位的なストッパー(障壁)として
働き、空乏層の広がりを効果的に抑止する。従って、空
乏層の広がりによってソース側の拡散電位が引き下げら
れることもなくなり、パンチスルー現象が防止される。
また、空乏層の広がりによる空乏層電荷の増加が抑制さ
れるので、しきい値電圧の低下も避けられる。
【0052】以上の様に、Six Ge1-x 領域105を形成
することで、微細化に際して非常に重大な問題であった
短チャネル効果を抑止または防止することが可能とな
る。この効果は本願発明の半導体装置の最も重要な効果
である。
【0053】次に第2の効果について説明する。本願発
明のNチャネル型FETではSix Ge1-x 領域によって意
図的に狭チャネル効果を強めることができる。狭チャネ
ル効果とは、チャネル幅が極端に狭い場合に観測される
現象であり、しきい値電圧の増加をもたらす(従来例で
参照したサブミクロンデバイスIに詳しい)。
【0054】図4は本実施例のピニングTFTが動作し
た際の活性領域102のエネルギー状態(電位状態)を
示している。図4において、401、402で示される
領域がSix Ge1-x 領域105のエネルギー状態に相当
し、403で示される領域がSi領域106のエネルギー
状態に相当する。
【0055】図4からも明らかな様に、隣接するSi領域
106の間にはSix Ge1-x 領域105が存在し、電子に
とってエネルギー的に高い障壁を形成している。そのた
め、電子はSix Ge1-x 領域105を越えることができ
ず、エネルギー状態の低いSi領域106を優先的に移動
する。
【0056】この様に、Six Ge1-x 領域105では電子
にとってエネルギー的に高い障壁が形成され、その部分
のしきい値電圧が増加する。その結果、全体として観測
されるしきい値電圧も増加するのである。この狭チャネ
ル効果はSi領域106の幅が狭くなるほど顕著に現れ
る。
【0057】この様なしきい値電圧の制御は、Six Ge
1-x 領域105の組成(バンドギャップやバンド構造に
関わる)を変えることで所望の値を狙うことができる。
また、Si領域の幅(vj )を適宜設定することで所望の
しきい値電圧に制御することが可能である。
【0058】以上に示した様に、本願発明ではSix Ge
1-x 領域105を適当に設計することで狭チャネル効果
の強弱を制御し、しきい値電圧を調節することが可能で
ある。即ち、ピニング効果を制御することで短チャネル
効果によるしきい値電圧の低下と狭チャネル効果による
しきい値電圧の増加とのバランスをとって所望の値に調
節することも可能である。
【0059】次に、第3の効果について説明する。本願
発明ではSix Ge1-x 領域およびSi領域はどちらも真性ま
たは実質的に真性な領域である。即ち、Nチャネル型ピ
ニングFETでは、チャネル形成領域となるSi領域10
5が真性または実質的に真性な領域で構成され、その領
域を多数キャリアが移動するという構成になる。
【0060】ここで真性な領域とは、N型やP型を付与
する不純物元素および炭素、窒素、酸素といった不純物
元素を意図的に添加しない領域を呼ぶ。また、実質的に
真性な領域とは、逆導電型不純物の添加により意図的に
導電型を相殺させた領域又はしきい値電圧の制御が可能
な範囲において一導電型を示す領域を指す。
【0061】例えば、ドーパント濃度(リン、砒素、ボ
ロン、インジウム、アンチモン等の濃度)が 5×1017at
oms/cm3 以下(好ましくは 5×1015atoms/cm3 以下)で
あり、含有する炭素、窒素、酸素の濃度が 2×1018atom
s/cm3 以下である様なシリコン基板は実質的に真性であ
るといって差し支えない。
【0062】そういった意味で、一般的に半導体用に用
いられる単結晶シリコン基板はプロセス過程で意図的に
一導電型を付与する不純物元素を添加しない限り全て実
質的に真性であると言える。
【0063】キャリアの移動する領域が真性または実質
的に真性である場合、不純物散乱による移動度の低下は
極めて小さくなり高いモビリティが得られる。この点が
本願発明とチャネルドープ法との大きな相違点である。
【0064】また、図1(A)に示す様に、ソース領域
からドレイン領域にかけて線状のSix Ge1-x 領域を設け
た場合、Six Ge1-x 領域によって多数キャリアの移動経
路が規定されるという効果が得られる。
【0065】前述の様に、Six Ge1-x 領域に挟まれたSi
領域のエネルギー状態は図4に示す様な状態となってい
る。図1(A)に示す構成では、図4の様なエネルギー
状態のスリットが複数並んでいると考えられる。
【0066】この様子を模式的に表したのが図5であ
る。図5において、501がSix Ge1-x 領域(ピニング
領域)、502がSi領域(チャネル形成領域)を表して
いる。また、503が多数キャリア(ここでは電子)で
ある。図5に示す様に、電子503はSix Ge1-x 領域5
01を越えることができないのでSi領域502を優先的
に移動する。
【0067】この様に多数キャリアの移動経路を規定す
ることでキャリア同士の自己衝突による散乱が低減す
る。この事はモビリティの向上に大きく寄与する。
【0068】次に、第4の効果について説明する。本願
発明のピニング領域は短チャネル効果の防止、しきい値
電圧の制御といった機能を有することを既に述べたが、
その他に衝突電離によるソース/ドレイン間耐圧の低下
を防止する上で非常に重要な役割を果たしている。
【0069】衝突電離(インパクトイオン化現象)によ
って生成した少数キャリア(ここでは正孔)は寄生バイ
ポーラトランジスタを導通させたり、ソース近傍に蓄積
してソース側の拡散電位を下げたりするなど、キャリア
注入誘起型の降伏現象の原因となる。
【0070】しかしながら、図1に示した様な構造のN
チャネル型ピニングFETの場合、Six Ge1-x 領域10
5は正孔にとって電位的な溝として振る舞い、衝突電離
によって発生した正孔はSix Ge1-x 領域105を流れ、
そのままソース領域101に到達する。そこで、Six Ge
1-x 領域105に外部端子を接続して正孔を引き出せば
正孔の蓄積を防ぐことができる。
【0071】この様に、本願発明のピニング領域は衝突
電離によって発生した少数キャリア(正孔)を多数キャ
リア(電子)とは逆の方向に流し、そのまま外部へ引き
出すためのパスとしても機能する。
【0072】この第4の効果によって衝突電離によるキ
ャリア注入誘起型の降伏現象を防ぐことが可能であるた
め、第1の効果(パンチスルーによる耐圧の低下防止)
との相乗効果で、非常に高い耐圧を有する信頼性の高い
半導体装置を実現できる。
【0073】以上の効果によって、本願発明のピニング
TFTは高い信頼性と高いモビリティとを同時に実現す
ることが可能である。
【0074】以上の説明はNチャネル型FETを例にと
った説明であるが、Pチャネル型FETでも同様の効果
を得ることができる。ただし、NチャネルFETではSi
x Ge1-x 領域がピニング領域として機能し、Si領域がチ
ャネル形成領域として機能するのに対し、Pチャネル型
FETではSix Ge1-x 領域がチャネル形成領域として機
能し、Si領域がピニング領域として機能するという相違
点がある。
【0075】〔実施例2〕実施例1ではバルク単結晶を
利用したMOSFETに対して本願発明を適用した場合
の例について説明した。これ以外にも本願発明は結晶性
半導体薄膜を利用した薄膜トランジスタ(TFT)に対
して適用することもできる。
【0076】結晶性半導体薄膜としては、単結晶半導体
薄膜、多結晶半導体薄膜などを用いることができる。単
結晶半導体薄膜は、酸素イオン注入による方法(SIM
OX)、貼り合わせによる方法、ELTRAN法、スマ
ートカット法などの公知技術を利用して得ることができ
る。
【0077】また、多結晶半導体薄膜は特開平7-130652
号公報記載の技術、レーザーアニールを利用した技術な
どを利用して非晶質半導体薄膜を結晶化させる方法、減
圧熱CVD法で直接成膜する方法などを利用して得るこ
とができる。
【0078】特に特開平7-130652号公報記載の技術を利
用する場合、結晶化を助長する触媒元素をハロゲン元素
によりゲッタリングする技術(特願平8-335152号公報
等)やリン元素によりゲッタリングする技術(特願平9-
29551 号公報等)を併用すると結晶性に優れた半導体薄
膜が得られるので好ましい。
【0079】また、この他にもあらゆる手段で形成され
た結晶性半導体薄膜を利用することが可能である。ここ
で、本願発明をTFTに適用した場合の構成を図6を用
いて説明する。
【0080】図6において、601はソース領域、60
2はドレイン領域、603は活性領域、604はSix Ge
1-x 領域、605はSi領域、606はLDD領域であ
る。これらは結晶性半導体薄膜を利用して形成される。
【0081】また、607はアルミニウムを主成分とす
るゲイト電極、608はゲイト電極を陽極酸化して得ら
れる陽極酸化膜、609はソース電極、610はドレイ
ン電極である。なお、ゲイト電極607はタンタル、タ
ングステン、モリブデンまたは導電性を付与したシリコ
ンを用いることもできる。
【0082】次に、図6(A)をA−A’で切断した断
面図を図6(B)に示す。図6(B)において、611
は絶縁表面を有する基板、612は下地膜であり、その
上に結晶性半導体薄膜が形成される。基板611はプロ
セスの最高温度に耐えうる耐熱性を備えた基板を用い
る。また、613はゲイト絶縁膜であり、その上のゲイ
ト電極607、陽極酸化膜608上には層間絶縁膜61
4が設けられている。
【0083】次に、図6(A)をB−B’で切断した断
面図を図6(C)に示す。図6(C)に示す様に本願発
明のTFTは、基本構造は特開平7-135318号公報に記載
された技術を利用したTFTに似ているが、活性領域6
03にSix Ge1-x 領域604が設けられている点で異な
る。
【0084】この様に、本願発明は活性領域(ゲイト電
極の直下)に対するエンジニアリングであり、それ以外
のTFT構造に影響される技術ではない。即ち、本願発
明は図6に示したTFT構造に限定されず、あらゆる構
造のTFTに適用することが可能である。
【0085】〔実施例3〕実施例1に示したピニングF
ETまたは実施例2に示したピニングTFTは、Nチャ
ネル型とPチャネル型とを相補的に組み合わせることで
容易にCMOS回路(インバータ回路)を構成すること
ができる。
【0086】本願発明を適用した半導体装置は、Nチャ
ネル型の場合にはSi領域がチャネル形成領域として機能
し、Pチャネル型の場合にはSix Ge1-x 領域がチャネル
形成領域として機能する。従って、Nチャネル型かPチ
ャネル型かによって多数キャリアの移動する領域の物性
が異なる。
【0087】また、最近ではチャネル形成領域がSiで構
成されたFETよりもSix Ge1-x で構成されたTFTの
方が高いモビリティが得られるという報告もなされてい
る。従って、Six Ge1-x 領域がチャネル形成領域として
機能するPチャネル型の方がモビリティの向上には有効
であると予想される。この事はCMOS回路を構成する
にあたって非常に有意なことである。
【0088】通常、Nチャネル型に比べてPチャネル型
の方がモビリティは小さく、その特性差がCMOS回路
の動作不良を招く要因の一つであることが指摘されてい
る。しかしながら、本願発明の半導体装置を用いてCM
OS回路を構成した場合、特にPチャネル型半導体装置
の方のモビリティが向上するので、特性差が結果的に低
減される。そのため、非常に安定した動作のCMOS回
路を構成することが可能である。
【0089】〔実施例4〕本実施例では、実施例1乃至
実施例3に示した半導体装置において、ピニング領域と
して機能する領域に対してエネルギー障壁を高めるため
の不純物元素を添加する場合の例を示す。
【0090】具体的には、Nチャネル型半導体装置では
Six Ge1-x 領域に対してボロンまたはインジウムを添加
する。一方、Pチャネル型半導体装置ではSi領域に対し
てリン、砒素またはアンチモンを添加する。
【0091】Nチャネル型半導体装置では、多数キャリ
アが電子であるので電子の移動を妨げる方向にバンド構
造をシフトさせる13族元素を用いる。この場合、少数
キャリアである正孔を引き出すためのパスとしての機能
は損なわれない。また、13族元素はしきい値電圧を正
の方向にシフトさせる。
【0092】逆に、Pチャネル型半導体装置では、多数
キャリアが正孔であるので正孔の移動を妨げる方向にバ
ンド構造をシフトさせる15族元素を用いる。この時、
15族元素はしきい値電圧を負の方向にシフトさせる。
【0093】この様な構造とすることで、多数キャリア
の移動する領域(ピニング領域)と少数キャリアの移動
する領域(チャネル形成領域)とがより明確に区別され
る。また、ピニング領域に添加された不純物元素によっ
てしきい値電圧の制御を行うことも可能である。また、
上記不純物元素の添加はイオンプランテーション法で行
えば良い。
【0094】また、この時、13族または15族の元素
を添加した領域に対して酸素を同時に添加しておくこと
はさらに効果的である。酸素が添加されることで、ドレ
イン領域との接合部における耐圧が高くなる。また、酸
素の添加は13族または15族の元素を添加するのに利
用したマスクをそのまま活用してイオンプランテーショ
ン法により添加すれば良い。
【0095】〔実施例5〕実施例1乃至実施例3に示し
た半導体装置において、Six Ge1-x 領域及びSi領域の幅
をNチャネル型とPチャネル型とで異ならせても良い。
これは、例えばSix Ge1-x 領域を例にすれば、Nチャネ
ル型半導体装置ではピニング領域として機能し、Pチャ
ネル型半導体装置ではチャネル形成領域として機能する
といった様に、適用する半導体装置の導電型の違いで逆
の役割を果たすからである。
【0096】例えば、アンプ系回路などの様に大電流を
取り扱う必要のある場合には、チャネル形成領域をでき
るだけ広く、ピニング領域をなるべく狭くするなどの工
夫が必要となる。従って、その場合の構成はNチャネル
型とPチャネル型とで異なるのである。
【0097】図7は、大電流を流す必要のある回路に適
した構成のCMOS回路の一例である。なお、図面を簡
略化するため、ソース/ドレイン領域と活性領域の構成
のみに着目して説明する。
【0098】701、702はそれぞれNチャネル型半
導体装置のソース領域、ドレイン領域である。また、7
03、704はそれぞれPチャネル型半導体装置のソー
ス領域、ドレイン領域である。
【0099】Nチャネル型半導体装置では、活性領域に
Six Ge1-x 領域705、Si領域706が形成されてい
る。この場合、Si領域706を電子が移動するため、Si
領域706を広くして大電流を流しやすくする。このSi
領域706の幅は実施例1に記載した範囲で調節すれば
良い。
【0100】一方、Pチャネル型半導体装置では、活性
領域にはSix Ge1-x 領域707、Si領域708が形成さ
れている。この場合、Six Ge1-x 領域707を正孔が移
動するので、Six Ge1-x 領域707を広く形成する。こ
の幅も実施例1に記載した範囲で調節すれば良い。
【0101】また、ピニング効果を強めたい場合には、
Nチャネル型半導体装置ではSix Ge1-x 領域を広くし、
Pチャネル型半導体装置ではSi領域を広くするといった
様な構成とすることが好ましい。
【0102】以上の様に、必要とする性能に応じてピニ
ング領域の幅を変えることで所望の特性の素子を形成す
ることができる。そして、その場合にはNチャネル型と
Pチャネル型とで多数キャリアの移動する領域が異なる
ことを十分に考慮した上で必要な設計を施すことが重要
である。
【0103】〔実施例6〕本実施例では、実施例1で説
明した第4の効果を有効に活用するための構成について
説明する。なお、説明には図8を用い、Nチャネル型半
導体装置を例にとって説明を行う。
【0104】図8において、801はソース領域、80
2はドレイン領域、803はSix Ge1-x 領域(ピニング
領域)である。また、804はソース電極(図示せず)
とソース領域801との接続箇所(コンタクトホール)
を表している。
【0105】第4の効果、即ち衝突電離によって発生し
た少数キャリア(正孔)の蓄積を防ぐ効果は、発生した
正孔がSix Ge1-x 領域803を伝ってソース領域に逃げ
ることによって達成される。
【0106】そのため、図8に示す様にSix Ge1-x 領域
803を接続箇所804の内部に到達する程度に長く形
成しておけば、Six Ge1-x 領域803に直接的にソース
電極(図示せず)が接触する構成となる。こうすること
で、Six Ge1-x 領域802を伝ってソース領域801へ
と移動した正孔がソース電極によって外部へと引き出さ
れるのである。
【0107】本実施例の効果は、Pチャネル型半導体装
置でも同様に得ることができる。また、FETやTFT
等の単体素子だけでなく、CMOS回路などに適用する
ことも有効である。
【0108】ただし、もともとPチャネル型半導体装置
は衝突電離による劣化現象が問題となりにくいので、N
チャネル型半導体装置のみに本実施例の構成を適用する
のであっても良い。
【0109】〔実施例7〕本実施例では、実施例1とは
異なる構成とした活性領域の例について説明する。な
お、説明はNチャネル型を例にとって行う。
【0110】本願発明の最も重要な効果は、ドレイン側
からソース側に向かって広がる空乏層を抑止することで
ある。その効果を得るためには、空乏層を抑止するため
のピニング領域が活性領域のどこかに設けられていれば
良い。
【0111】その様な例として図9(A)の様な構成が
考えられる。図9(A)の構成では、Six Ge1-x 領域9
01がソース領域902、ドレイン領域903と接触し
ない様に形成されている。
【0112】この場合、ドレイン側から広がった空乏層
はSix Ge1-x 領域901の所でカットされる。また、活
性領域とドレイン領域との接合部904にSix Ge1-x 領
域901が接していないので、Six Ge1-x 領域とドレイ
ン領域との接合部に電界集中が生じる様なこともなく、
耐圧の向上に有効である。
【0113】また、図9(B)の様な構成も考えられ
る。図9(B)の構成では、Six Ge1-x 領域905がソ
ース領域906の内部には入り込み、ドレイン領域90
7には接しない構成となっている。そのため、ドレイン
接合部908での電界集中も起こらず、耐圧も高くな
る。
【0114】この場合、衝突電離によって発生した少数
キャリアをソース領域906へと引き抜くのに効果的で
ある。実施例6の構成と組み合わせればさらに顕著な効
果を得ることができる。
【0115】なお、本実施例の構成は、Pチャネル型半
導体装置においても同様の効果を得ることができる。さ
らに、本実施例は、実施例1乃至実施例3に示した全て
の半導体装置に適用可能である。
【0116】〔実施例8〕実施例3に示したCMOS回
路を構成する際、どちらか片方のみに本願発明を適用す
ることもできる。例えば、図10(A)の構成ではNチ
ャネル型FETは従来のチャネルドープを用いたFET
(チャネルドープFET)を用い、Pチャネル型FET
は本願発明のピニングFETを用いる。
【0117】図10(A)の様な構成では、Nチャネル
型FETに従来のチャネルドープを用いているのでモビ
リティにある程度の制限が与えられる。逆にPチャネル
型FETはピニングにより高いモビリティを実現する。
従って、Nチャネル型とPチャネル型の特性の出力差が
緩和され、安定な動作のCMOS回路を構成しやすくな
る。
【0118】勿論、図10(B)の様な構成をとること
も可能である。図10(B)の構成ではNチャネル型F
ETとしてピニングFETを用い、Pチャネル型FET
として従来のチャネルドープを利用したFETを用いて
いる。
【0119】なお、本実施例ではFETを例にとって説
明しているがTFTに本願発明を適用する場合において
も同様であることは言うまでもない。
【0120】本実施例の様に、より好適な回路を形成す
るためには本願発明のピニング半導体装置と従来のチャ
ネルドープを利用した半導体装置とを適所に混在させる
様な工夫も必要である。
【0121】〔実施例9〕本願発明はトップゲイト型半
導体装置(代表的にはプレーナ型半導体装置)に適用さ
れるだけでなく、ボトムゲイト型半導体装置(代表的に
は逆スタガ型半導体装置)にも適用することができる。
【0122】なお、ボトムゲイト型半導体装置に本願発
明を適用した場合においても、他の実施例の構成と組み
合わせることが可能である。
【0123】〔実施例10〕本実施例では、本願発明の
ピニングTFTを用いて電気光学装置を構成する場合の
例について説明する。なお、電気光学装置とは電気的信
号を光学的信号に変換する装置またはその逆を行う装置
と定義する。
【0124】電気光学装置としてはアクティブマトリク
ス型の液晶表示装置、EL(エレクトロルミネッセン
ス)表示装置、EC(エレクトロクロミクス)表示装置
などが挙げられる。また、イメージセンサやCCDを作
製することも可能である。
【0125】図11に示すのは液晶モジュールの一部
(素子形成側基板)の配置例を示している。11は絶縁
表面を有する基板、12は画素マトリクス回路、13は
ソース側駆動回路、14はゲイト側駆動回路、15はロ
ジック回路である。
【0126】ソース側駆動回路13は主にシフトレジス
タ回路、サンプリング回路、バッファ回路等から構成さ
れる。また、ゲイト側駆動回路14は主にシフトレジス
タ回路、バッファ回路等から構成される。ロジック回路
15はクロック発生回路、メモリ回路、演算回路、信号
変換回路など各種信号処理回路から構成される。
【0127】本願発明のピニングTFTは上記全ての回
路に対して適用することができる。また、必要とする性
能に応じて部分的に採用する様なこともできる。例え
ば、高速動作特性を必要とする回路(ロジック回路やシ
フトレジスタ回路等)にピニングTFTを適用すること
は有効である。また、高耐圧特性を必要とする画素マト
リクス回路にピニングTFTを適用することも有効であ
る。
【0128】一方、バッファ回路やサンプリング回路な
どの様に大電流を必要とする様な回路に対してはピニン
グTFTを使うメリットが生かされない。本願発明のピ
ニングTFTはピニング領域を形成する分だけ有効チャ
ネル幅が狭まるので、同一サイズの従来型TFTに比べ
てオン電流を稼ぎにくい。
【0129】従って、大電流を必要とする回路には従来
のチャネルドープを用いたTFTを用い、大電流を取り
扱うことなく高速動作性と高耐圧性を重視する回路には
本願発明のピニングTFTを用いる様なシステムが好ま
しい。
【0130】なお、本実施例では実施例2に示したピニ
ングTFTを用いて電気光学装置を構成する例を示した
が、駆動回路やロジック回路は実施例3に示したCMO
S回路を基本回路として組まれる。また、実施例1に示
したピニングFETを用いて本実施例の液晶モジュール
を構成することもできる。
【0131】〔実施例11〕本願発明のピニング半導体
装置は実施例10に示した様な電気光学装置だけでな
く、ロジックIC、ロジックLSIといった半導体回路
回路を構築することも可能である。なお、半導体回路と
は半導体特性を利用して電気信号の制御、変換を行う電
気回路と定義する。
【0132】また、携帯電話の入出力信号制御回路など
の様に、高周波を利用する回路、具体的にはMMIC
(マイクロウェイブモジュールIC)などに適用するこ
とも有効である。
【0133】勿論、実施例10と同様に大電流を取り扱
う必要のある部分には従来のチャネルドープを用いた半
導体装置を用い、高速動作性能と高耐圧性能とを必要と
する部分には本願発明のピニング半導体装置を用いる様
な構成が望ましい。
【0134】また、高耐圧と高速動作を同時に実現する
という特徴を生かして静電対策用の回路を構成する場合
にも本願発明のピニング半導体装置は有効である。
【0135】以上の様に、本願発明のピニング半導体装
置は高い動作性能と高い耐圧特性(高い信頼性)とを同
時に満足する半導体装置であるので、あらゆる半導体回
路に対して適用することが可能である。
【0136】〔実施例12〕本願発明のピニング半導体
装置を用いて構成した電気光学装置や半導体回路は、様
々な電子機器の構成部品として利用される。なお、本実
施例に挙げる電子機器とは、半導体回路または電気光学
装置を搭載した製品と定義する。
【0137】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、スチルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントデ
ィスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュ
ータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話
等)などが挙げられる。それらの一例を図12に示す。
【0138】図12(A)は携帯電話であり、本体20
01、音声出力部2002、音声入力部2003、表示
装置2004、操作スイッチ2005、アンテナ200
6で構成される。本願発明は音声出力部2002、音声
出力部2003、表示装置2004等に適用することが
できる。
【0139】図12(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示装置2102、音声入力部2103、操
作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部21
06で構成される。本願発明は表示装置2102、音声
入力部2103、受像部2106等に適用することがで
きる。
【0140】図12(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示装置2205で構成される。本願発明はカメラ部22
02、受像部2203、表示装置2205等に適用でき
る。
【0141】図12(D)はヘッドマウントディスプレ
イであり、本体2301、表示装置2302、バンド部
2303で構成される。本発明は表示装置2302に適
用することができる。
【0142】図12(E)はリア型プロジェクターであ
り、本体2401、光源2402、表示装置2403、
偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター240
5、2406、スクリーン2407で構成される。本発
明は表示装置2403に適用することができる。
【0143】図12(F)はフロント型プロジェクター
であり、本体2501、光源2502、表示装置250
3、光学系2504、スクリーン2505で構成され
る。本発明は表示装置2503に適用することができ
る。
【0144】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、実施例10の電気光学装置や実施例11の
半導体回路を必要とする製品であれば全てに適用でき
る。
【0145】
【発明の効果】本願発明によりチャネル長およびチャネ
ル幅が極めて小さい微細な半導体装置においても短チャ
ネル効果による悪影響を抑制または防止することができ
る。即ち、パンチスルーによるソース−ドレイン間耐圧
の低下としきい値電圧の低下とを同時に解決することが
できる。
【0146】さらに、上記効果はチャネル形成領域(キ
ャリアが移動する領域)に余計な不純物を含ませること
なく得られるので、キャリア移動度を損なうことがな
い。その結果、非常に高いモビリティが実現され、高速
動作特性(高周波特性)に優れるという利点がある。
【0147】また、チャネル形成領域に形成したピニン
グ領域を少数キャリアの引き出し配線として活用するこ
とで、衝突電離によるソース−ドレイン間耐圧の低下を
防ぐことが可能である。
【0148】以上の相乗効果によって、高い動作性能と
高い信頼性とを同時に実現する半導体装置を実現するこ
とができる。また、本願発明の半導体装置を採用した電
気光学装置および半導体回路並びにそれらを搭載した電
子機器は、非常に高い性能と高い信頼性を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の半導体装置の構成を示す図。
【図2】 活性領域のバンド構造を示す図。
【図3】 チャネル長及びチャネル幅の定義を示す
図。
【図4】 活性領域のエネルギー状態を示す図。
【図5】 活性領域のエネルギー状態を模式的に示す
図。
【図6】 本願発明の半導体装置の構成を示す図。
【図7】 活性領域の構成を示す図。
【図8】 活性領域の構成を示す図。
【図9】 活性領域の構成を示す図。
【図10】 CMOS回路の構成を説明するための図。
【図11】 電気光学装置の概略の構成を示す図。
【図12】 電子機器の一例を説明するための図。
【符号の説明】
101 ソース領域 102 活性領域 103 ドレイン領域 104 フィールド酸化膜 105 Six Ge1-x 領域 106 Si領域 107 LDD領域 108 ゲイト電極 109 ソース電極 110 ドレイン電極 111 単結晶シリコン基板 112 チャネルストッパー 113 ゲイト絶縁膜 114 層間絶縁膜 115 サイドウォール

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性半導体を利用して形成されたソース
    領域、ドレイン領域および活性領域を含む半導体装置で
    あって、 前記活性領域は局部的にゲルマニウムを添加して形成さ
    れたSix Ge1-x (0<X<1) 領域及び前記ゲルマニウムが添
    加されなかったSi領域とで構成され、 局部的に設けられた前記Six Ge1-x (0<X<1) 領域によっ
    て前記ドレイン領域から前記ソース領域に向かって広が
    る空乏層が抑止されることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】結晶性半導体を利用して形成されたソース
    領域、ドレイン領域および活性領域を含む半導体装置で
    あって、 前記活性領域は局部的にゲルマニウムを添加して形成さ
    れたSix Ge1-x (0<X<1) 領域及び前記ゲルマニウムが添
    加されなかったSi領域とで構成され、 局部的に設けられた前記Si領域によって前記ドレイン領
    域から前記ソース領域に向かって広がる空乏層が抑止さ
    れることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】結晶性半導体を利用して形成されたソース
    領域、ドレイン領域および活性領域を含む半導体装置で
    あって、 前記活性領域は局部的にゲルマニウムを添加して形成さ
    れたSix Ge1-x (0<X<1) 領域及び前記ゲルマニウムが添
    加されなかったSi領域とで構成され、 局部的に設けられた前記Six Ge1-x (0<X<1) 領域によっ
    て前記ドレイン領域から前記ソース領域に向かって広が
    る空乏層が抑止され、且つ、しきい値電圧が制御される
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】結晶性半導体を利用して形成されたソース
    領域、ドレイン領域および活性領域を含む半導体装置で
    あって、 前記活性領域は局部的にゲルマニウムを添加して形成さ
    れたSix Ge1-x (0<X<1) 領域及び前記ゲルマニウムが添
    加されなかったSi領域とで構成され、 局部的に設けられた前記Si領域によって前記ドレイン領
    域から前記ソース領域に向かって広がる空乏層が抑止さ
    れ、且つ、しきい値電圧が制御されることを特徴とする
    半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4において、前記活性
    領域は前記Six Ge1-x (0<X<1) 領域及び前記Si領域が互
    いに概略平行に、且つ、交互に並んで構成され、 前記Six Ge1-x (0<X<1) 領域は前記ソース領域から前記
    ドレイン領域にかけて形成されていること特徴とする半
    導体装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項4において、前記活性
    領域はEg1 のバンドギャップを有する領域と、Eg1
    よりも小さなEg2 のバンドギャップを有する領域とを
    有することを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記Eg1 のバンドギ
    ャップを有する領域とはSi領域であり、Eg2 のバンド
    ギャップを有する領域とはSix Ge1-x (0<X<1) 領域であ
    ることを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項4において、前記活性
    領域の一部はチャネル形成領域となることを特徴とする
    半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1または請求項3において、前記Si
    領域は多数キャリアの移動経路となり、且つ、前記Six
    Ge1-x (0<X<1) 領域は少数キャリアを前記活性領域の外
    部へ引き出すための移動経路となることを特徴とする半
    導体装置。
  10. 【請求項10】請求項2または請求項4において、前記
    Six Ge1-x (0<X<1) 領域は多数キャリアの移動経路とな
    り、且つ、前記Si領域は少数キャリアを前記活性領域の
    外部へ引き出すための移動経路となることを特徴とする
    半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項4において、前記Si
    x Ge1-x (0<X<1) 領域にはxが0.05〜0.95の範囲に収ま
    る様な濃度でゲルマニウムが添加されていることを特徴
    とする半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項1または請求項3において、前記
    Si領域は真性または実質的に真性な領域であることを特
    徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項2または請求項4において、前記
    Six Ge1-x (0<X<1) 領域は真性または実質的に真性な領
    域であることを特徴とする半導体装置。
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