JPH1158476A - 薄板状成形品及びその成形方法 - Google Patents

薄板状成形品及びその成形方法

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JPH1158476A
JPH1158476A JP23330797A JP23330797A JPH1158476A JP H1158476 A JPH1158476 A JP H1158476A JP 23330797 A JP23330797 A JP 23330797A JP 23330797 A JP23330797 A JP 23330797A JP H1158476 A JPH1158476 A JP H1158476A
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resin
temperature
mold
molded product
thin plate
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JP23330797A
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English (en)
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Hideaki Kumazawa
英明 熊沢
Yoshinobu Suzuki
義信 鈴木
Kazuhiro Nakamura
和洋 中村
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性を必要とする光学用途やディスプ
レイ分野で有用な薄肉シート状の射出成形品、フレネル
レンズなどの加飾を施した射出成形品など、複屈折を小
さく制御した成形品およびその成形方法。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる薄板状成形品
であって、熱可塑性樹脂を金型表面温度が該樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)以上に加熱された金型内に充填し、
金型温度をTg以上の温度で保持して充填時のせん断歪
みを緩和させた後、冷却してなる、光学歪みが50nm
以下であることを特徴とする薄板状成形品、ならびにそ
の成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学特性を必要と
する光学用途やディスプレイ分野で有用な薄肉シート状
の射出成形品、フレネルレンズなどの加飾を施した射出
成形品など、複屈折を小さく制御することが必要とされ
る成形品およびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光学用の樹脂の薄板状射出成形
品は、冷却固化を容易にするため、金型温度を該樹脂の
ガラス転移温度(以下Tgという)以下にして成形して
いた。しかし、かかる従来の方法では成形中に流路が固
化しながら流動するため、せん断応力が大きくかかり、
流れ方向への分子配向が大きいため光学的異方性が大き
くなり、薄板状射出成形品の複屈折は通常100nm以
上と大きく、透明樹脂を光学用途で使用する範囲が限ら
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】種々の形状の成形品を
得るために射出成形は優れた成形法であるが、分子配向
が十分に緩和されず、せん断応力も残留応力として凍結
されるため、複屈折の小さい光学特性に優れた成形品を
成形することはできなかった。本発明はこのような要求
に対し、射出成形を行うときに、Tg以上に加熱した金
型内に溶融樹脂を充填(射出)し、その状態で一定時間
保持することにより、複屈折が小さい成形品が得られる
ことを見いだし、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱可
塑性樹脂からなる薄板状成形品であって、熱可塑性樹脂
を金型表面温度が該樹脂のガラス転移温度(Tg)以上
に加熱された金型内に充填し、金型温度をTg以上の温
度で保持して充填時のせん断歪みを緩和させた後、冷却
してなる、光学歪みが50nm以下であることを特徴と
する薄板状成形品、ならびにその成形方法を提供するも
のである。
【0005】本発明における熱可塑性樹脂としては、P
MMA樹脂、ポリカーボネート、熱可塑性ノルボルネン
樹脂などの、透明熱可塑性樹脂などを用いることができ
る。本発明に使用することのできる熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を
有するものである。例えばこの熱可塑性樹脂としては、
一般式(1)〜(4)で表されるノルボルナン骨格を含
むものである。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。) 本発明において使用することのできるノルボルナン骨格
を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特開昭60−1
68708号公報、特開昭62−252406号公報、
特開昭62−252407号公報、特開平2−1334
13号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭
63−264626号公報、特開平1−240517号
公報、特公昭57−8815号公報などに記載されてい
る樹脂などを挙げることができる。
【0011】この熱可塑性樹脂の好ましい具体例として
は、下記一般式(5)で表される少なくとも1種のテト
ラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデセン
と共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合し
て得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を
挙げることができる。
【0012】
【化5】
【0013】(式中A〜Dは、前記に同じ。) 前記一般式(5)で表されるテトラシクロドデセン誘導
体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含む
ことが、耐熱性および金型表面との親和性がよいために
高い表面精度が得られる点から好ましい。さらに、この
極性基が−(CH2nCOOR3(ここで、R3は炭素数
1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で
表される基であることが、得られる水添重合体が高いガ
ラス転移温度を有するものとなるので好ましい。特に、
この−(CH2nCOOR3で表される基は、一般式
(5)のテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに
1個含有されることが好ましい。前記一般式において、
3は炭素数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が
多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる
点では好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温
度とのバランスの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル
基または炭素数5以上の(多)環状アルキル基であるこ
とが好ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシ
ル基であることが好ましい 。さらに、−(CH2n
OOR3で表される基が結合した炭素原子に、同時に炭
素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合されてい
る一般式(5)のテトラシクロドデセン誘導体は、吸湿
性を低下させるので好ましい。特に、この置換基がメチ
ル基またはエチル基である一般式(5)のテトラシクロ
ドデセン誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具
体的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エ
ンが好ましい。
【0014】これらのテトラシクロドデセン誘導体、あ
るいはこれと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物
は、例えば特開平4−77520号公報第4頁右上欄第
12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法によっ
て、メタセシス重合、水素添加され、本発明に使用され
る熱可塑性樹脂とすることができる。本発明において、
上記水添重合体は、クロロホルム中、30℃で測定され
る固有粘度([η]inh)が0.3〜1.5dl/gの範
囲であることが望ましい。[η]inhが上記範囲にある
ことによって、得られる樹脂の成形加工性、耐熱性、機
械的特性のバランスが良好となる。また、前記水添重合
体のガラス転移温度(Tg)は100℃〜250℃の範
囲であることが好ましく、特に120〜200℃の範囲
であることが好ましい。100℃未満では該樹脂からな
る成形品の耐熱性が劣る。また、Tgが250℃を超え
るものは、成形温度が高くなり樹脂が焼けて着色するな
ど良質な成形品を得ることが難しくなる。また、水添重
合体の水素添加率は、60MHz、1H−NMRで測定
した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好
ましくは98%以上である。水素添加率が高いほど、熱
や光に対する安定性が優れる。なお、本発明において、
ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂として使用され
る水添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル含有量
が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%
であることが好ましい。
【0015】本発明に用いられるポリカーボネート樹脂
としては、ビスフェノールAなどの芳香族ビスフェノー
ルを主成分としたもの、例えばパンライト(帝人化成
(株)製)、レキサン(ゼネラルエレクトリック社
製)、ユーピロン(三菱ガス化学(株)製)、タフロン
(出光石油化学(株)製)などが挙げられる。本発明に
用いられるアクリル系樹脂は、熱変形温度が100℃以
上のものが好ましく、例としてはパラリンクス((株)
クラレ製)、ケマックス(住化ハース(株)製)などが
挙げられる。これらのアクリル系樹脂はシクロヘキシル
基やノルボルネン系で変性されたり、イミド化されてい
てもよい。
【0016】本発明に用いる熱可塑性樹脂には、必要に
応じて公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルフェニルメ
タン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5ート
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル−ベンゼン、ステアリル−
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−
ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、
3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10−テトラ
オキスピロ[5,5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネ
オペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテト
ライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−
ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトを添加
することができる。
【0017】また、上記の熱可塑性樹脂組成物には、上
記のような酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収
剤、例えばp―t―ブチルフェニルサリシレート、2,
2'−ジヒドロキシー4―メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
ー4−メトキシベンゾフェノン、2−(2'−ジヒドロ
キシ−4'−m―オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール;安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エ
ラストマーなどを添加することができる。また、成形
性、加工性を向上させる目的で可塑剤、軟化剤などの添
加剤を添加することもできる。
【0018】本発明の薄板状成形品は、上記の熱可塑性
樹脂を金型表面温度が該樹脂のTg以上に加熱された金
型内に射出などの方法で充填し、金型温度をTg以上で
保持して充填時のせん断歪みを緩和させた後、冷却して
取り出すことにより製造することができる。
【0019】我々は鋭意研究の結果、射出成形品で複屈
折が大きく発現する原因は、射出成形中に金型表面付近
の樹脂がせん断応力により流動方向に配向した分子が、
熱可塑性樹脂のTgよりも低く設定されている金型温度
により、金型表面から冷却固化されそのまま凍結される
ために発生することを突き止めた。また発生するせん断
応力も緩和される以前に冷却固化されるために応力も凍
結され、残留歪みを増大する原因となっている。本発明
は、金型温度を熱可塑性樹脂のTg以上に加熱した状態
で射出することで、かかる溶融樹脂の充填中における冷
却固化を防止することができるものである。この場合で
も金型温度がTg未満の場合と同じように流動中に分子
は一旦流動方向に配向するが、金型温度がTg以上のた
め金型に充填された以後も、依然として分子鎖は回転、
伸縮など運動できる状態であり、Tg以上に一定時間保
持されることによって配向していた分子は徐々に緩和
し、異方性は次第に小さくなるため、複屈折の小さい成
形品を得ることができる。
【0020】金型温度はTg以上であれば光学特性の良
い成形品を得ることは可能であるが、分子配向は金型温
度が高いほど短時間で緩和する。従って、成形サイクル
を短くするためには可能な限り金型温度を高くすること
が望ましく、好ましくは(Tg+20)℃以上、さらに
好ましくは(Tg+30)℃以上に保持する。それが困
難な場合は分子配向が緩和されるに十分な保持時間を必
要とする。
【0021】本発明において、金型の加熱方法はいかな
る方法でもよい。たとえば一般的に使用される方法とし
て、水、オイルの流路を金型内に配置し水、オイルなど
の媒体を熱可塑性樹脂のTg以上にコントロールし金型
温度を温調する方法、また金型内にヒーターを埋め込み
金型を加熱する方法、金型表面に通電可能な電気導電層
を設け、通電することによって発熱して加熱する方法、
誘導加熱装置により金型外部または内部から加熱する方
法、また金型外部からハロゲンランプ、セラミックスヒ
ータによる遠赤外線による輻射によって加熱する方法な
ど、特に限定されない。また、金型の加熱は、急速に行
うことが好ましい。かかる加熱速度としては、通常5℃
/分以上、好ましくは1℃/秒以上、さらに好ましくは
5℃/秒以上である。
【0022】また、金型に射出されるときの熱可塑性樹
脂の樹脂温度は、該樹脂の(Tg+50)℃〜(Tg+
200)℃の範囲であることが好ましく、さらに好まし
くは(Tg+70)℃〜(Tg+180)℃、特に好ま
しくは(Tg+90)℃〜(Tg+150)℃の範囲で
ある。樹脂温度がTg+50℃より低い場合、成形され
た光学成形品に歪みが生じ、複屈折が大きくなり、光学
特性が劣るものとなり、また金型面の転写精度が悪くな
る。一方、樹脂温度がTg+200℃より高い場合は、
樹脂が黄色に着色したり、分解、焼けを起こしたりする
おそれがあり、いずれの場合も本発明が目的とする薄板
状成形品を得ることが難しい。
【0023】本発明の方法により成形される薄板状成形
品において、金型温度がTgよりも低い場合は急速に冷
却が進む。流動の分子配向は、せん断応力が最大になる
金型表面近傍で最も大きくなり、しかも最初に冷却を受
ける部分であるため、充填開始から数秒のうちにこの配
向層はTg以下となってしまい、分子配向は緩和される
ことなく凍結され、光学歪みが残留する原因となる。そ
れに対して金型温度をTg以上にした場合は、金型表面
付近の配向層もTg以上で保持されるため、時間ととも
に分子配向は緩和され、その後Tg以下まで冷却し成形
品を取り出せば光学歪みは残留しない。また、肉厚分布
が成形品中であってもその効果は発揮される。
【0024】充填時のせん断歪みの緩和は、成形品のレ
ターデーションで表すと、50nm以下が好ましく、さ
らに好ましくは10nm以下、特に好ましくは5nm以
下になるまで行うことが好ましい。かかる充填時のせん
断歪みの緩和時間は、樹脂温度や樹脂の分子量によって
も異なるが、金型温度をTm(℃)、保持時間(緩和時
間)をt(秒)とした場合,logt+(Tm−Tg)/
20の値が、3.5以上であることが好ましく、さらに
好ましくは4〜6、特に好ましくは4.5〜5.5であ
る。すなわち、金型温度TmとTgの差(℃)が50℃
である場合、、保持時間tは好ましくは10秒以上、特
に好ましくは100秒以上である。また、金型温度Tm
とTgの差(℃)が70℃である場合、、保持時間tは
好ましくは1秒以上、特に好ましくは10秒以上であ
る。
【0025】本発明においては、樹脂が充填された金型
を一定時間Tg以上で保持後、急速に冷却するが、その
冷却速度は特に限定されないが、4℃/分以上であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは20℃/分以上特に好
ましくは1〜10℃/秒である。冷却の方法としては、
自然放置による方法や冷却装置による方法が用いられる
が、自然放置による方法は、環境条件によって冷却速度
が大きく変化することがあるので、冷却装置によって冷
却する方法がより望ましい。
【0026】以上の方法によって得られる本発明の薄板
状成形品の複屈折は50nm以下、好ましくは30nm
以下、さらに好ましくは10nm以下、特に好ましくは
5nm以下である。また、成型品の肉厚は、10mm以
下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜7
mm,より好ましくは0.2〜5mm,特に好ましくは
0.3〜3mmである。
【0027】本発明において、薄板状成形品表面の形状
は平板、テーパーや段差を有するもの、表面に凹凸を有
するもの、平面、曲面、自由曲面、また矩形、ディスク
などさまざまな形状であってよい。これらさまざまな形
状の薄板状成形品においても上記と同様の効果を得るこ
とができ、また金型表面の転写が良くなることから、表
面性も向上する。また細かな凹凸を表面につけたフレネ
ルレンズ形状形成、スタンパーによる微細凹凸をつけた
ディスクなどには特に形状転写が良好となる効果があ
る。本発明の薄板状成形品は、フレネルレンズなどの薄
型レンズ、光ディスク、光学用薄板など広範な用途に用
いることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例、参考例および比較例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実
施例のみに限定されるものではない。
【0029】実施例1〜5、比較例1〜2 熱可塑性樹脂として、極限粘度0.55、Tg171℃
のノルボルネン樹脂(日本合成ゴム(株)製アートン)
を用いた。この樹脂を、200×150×1.5mmの
平板形状の金型を用い、樹脂温度310℃の条件で金型
温度と保持時間を変えながら射出及び金型温度の保持を
行った。その後冷却し金型温度が150℃になった時点
で成形品を取り出した。成形品表面のひけなどを防止す
るため溶融樹脂には充填後保圧を一定時間かけた。該金
型中には固定側、移動側それぞれにシーズヒーター設置
し、加熱できる構造にした。冷却には温調したオイルを
固定側、移動側両方の金型内部に循環できる構造とし
た。成形した成形品は取り出し後、エリプソメーター
(溝尻光学製)を用いて成形品中央部のレターデーショ
ンを測定した。なお、成形に当たり、金型表面の加熱速
度は10℃/分であり、成形後の金型冷却速度は7℃/
分とした。評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1からわかるとおり、金型温度がTg+
20℃より十分に高いか、あるいはTg+20℃近傍で
あっても保持時間を充分にとって金型温度を保持した場
合(実施例1〜5)はレターデーションが小さく光学的
に良好な成形品が得られる。これに対し、比較例1は金
型温度がTgより低い例で、保持時間を十分にとっても
良好なレターデーションが得られない。比較例2は金型
温度がTg+30℃近傍で保持時間が短い例であり、レ
ターデーションの低減が不十分である。
【0032】実施例6〜8、比較例3〜4 熱可塑性樹脂として、Tgが148℃のポリカーボネー
ト樹脂(帝人化成製パンライトAD5503)を用い
た。この樹脂を、実施例1と同様にして200×150
×1.5mmの平板形状の金型を用い、樹脂温度260
℃の条件で金型温度と保持時間を変えながら射出し、金
型温度の保持を行った。その後冷却し金型温度が130
℃になった時点で成形品を取り出した。成形品表面のひ
けなどを防止するため溶融樹脂には充填後保圧を一定時
間かけた。
【0033】
【表2】
【0034】実施例9〜11、比較例5〜6 熱可塑性樹脂として、Tgが120℃の耐熱ポリメチル
メタアクリレート系樹脂を用いた。この樹脂を、実施例
1と同様にして200×150×1.5mmの上記と同
じ平板形状の金型を用い、樹脂温度300℃の条件で金
型温度と保持時間を変えながら射出し、金型温度の保持
を行った。その後冷却し金型温度が95℃になった時点
で成形品を取り出した。成形品表面のひけなどを防止す
るため溶融樹脂には充填後保圧を一定時間かけた。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明は、樹脂を射出成形時に金型温度
と保持時間を特定の条件とすることにより、得られる成
形品の複屈折を小さくでき、従来樹脂では使用すること
のできなかった、高度の光学特性が求められる用途にも
用いることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 69:00 B29L 7:00 11:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる薄板状成形品であ
    って、熱可塑性樹脂を金型表面温度が該樹脂のガラス転
    移温度(Tg)以上に加熱された金型内に充填し、金型
    温度をTg以上の温度で保持して充填時のせん断歪みを
    緩和させた後、冷却してなる、光学歪みが50nm以下
    であることを特徴とする薄板状成形品。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂を金型表面温度が該樹脂の
    Tg以上に加熱された金型内に射出し、金型温度をTg
    以上で保持して充填時のせん断歪みを緩和させた後、冷
    却することを特徴とする請求項1に記載の薄板状成形品
    の成形方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が熱可塑性ノルボルネン系
    樹脂である請求項1に記載の薄板状成形品。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がアクリル樹脂およびポリ
    カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1に記載の薄板状成形品。
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