JPH1161274A - 焼付硬化性に優れる超深絞り用鋼板の製造方法 - Google Patents

焼付硬化性に優れる超深絞り用鋼板の製造方法

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JPH1161274A
JPH1161274A JP24173097A JP24173097A JPH1161274A JP H1161274 A JPH1161274 A JP H1161274A JP 24173097 A JP24173097 A JP 24173097A JP 24173097 A JP24173097 A JP 24173097A JP H1161274 A JPH1161274 A JP H1161274A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の外板パネルに主として用いられる焼
付硬化性に優れた超深絞り用鋼板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 重量%にて、C:0.001〜0.01
%、Al:0.01〜0.1%、N:0.005%以
下、さらに、Ti、Nb、Vのうち1種以上を0.05
%以下でかつ(Ti/48+Nb/93+V/51)/
(C/12+N/14)<1の範囲で含有する鋼片を、
通常の熱間圧延後、熱間鋼帯とし酸洗した後、圧下率5
0%以上で冷間圧延を行い、再結晶温度以上の温度で焼
鈍し再び圧下率50%以上で冷間圧延を行った後、再結
晶温度以上、850℃以下の焼鈍を行い、調質圧延を施
すことを特徴とする焼付硬化性に優れる超深絞り用鋼板
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は自動車の外板パネ
ルに主として用いられる焼付硬化性に優れた超深絞り用
鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のルーフおよびドアアウター等に
使用される外板パネルには、成形時には形状性に優れる
低降伏強度が、成形後には耐デント性(指等の押込みで
凹みができにくい特性)に優れる高降伏点となるような
相反する特性が要求される。さらに最近、高生産性の観
点から外板パネルの一体成形化を可能とする優れた深絞
り性も要求されている。これらの要求に対し、特開昭5
3−114717号公報には、プレス後の自動車の塗装
焼付工程を利用した時効硬化により加工後の強度を高め
た焼付硬化型鋼板が開示されている。この焼付硬化性
(以後BH性と称す)は鋼中の固溶Cあるいは固溶Nに
よって、成形時の低降伏点と成形後の高降伏点を両立す
ることができる有効な特性である。さらに、特開昭57
−70258号公報と特開昭59−31827号公報に
は、BH性と同時に深絞り性を付与したものとして、N
b添加鋼またはTi、Nb複合添加鋼を連続焼鈍により
製造する方法が開示されている。これは、連続焼鈍前に
は深絞り性に良好な集合組織の形成を阻害する鋼中の
C、Nを固定し、連続焼鈍後は炭窒化物を分解させ、固
溶CおよびNを残してBH性を付与する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたようにBH
性と深絞り性を同時に付与して外板パネルの要求特性を
満たしたNb添加またはTi、Nb複合添加技術では、
焼鈍中の炭窒化物の分解により生成した固溶Cを室温ま
で残留させてBH性を付与するため、炭窒化物の分解に
850℃以上の高い焼鈍温度が、また室温までの冷却時
に再析出を防ぐための急冷が必要になる。そのため、こ
の技術では原理上、焼鈍温度依存性ならびに冷却速度依
存性が大きく安定したBH性を得ることが難しいこと、
さらに、高い焼鈍温度が要求されるため、通板性の悪化
に伴う生産性の低下やロール起因の疵による表面品質の
低下などの問題点がある。また、BH性は、固溶C、N
量に対しppmレベルの微量な制御が必要であるが、製
鋼工程におけるC、N量のばらつきの影響を受けやす
く、上記の方法ではこの影響も大きい。これに対し、連
続焼鈍前に固溶Cを残す方法は、炭窒化物の溶解を利用
することなくBH性を付与できるため高温焼鈍する必要
もなく、また製鋼段階でのC、N量ばらつきによるBH
性ばらつきの影響も小さいため安定して生産できるが、
この方法では、良好な深絞り性が得られない問題があっ
た。従って、本発明の目的は、上記の問題を解決すべ
く、安定したBH性と一体成形化を可能とする超深絞り
性とを有した鋼板を製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】その具体的な手段は、重
量比にて C:0.001〜0.01mass% Al:0.01〜0.1mass% N:0.005mass%以下 さらにTi、Nb、Vのうち1種以上を0.05%以下
でかつ (Ti/48+Nb/93+V/51)/(C/12+
N/14)<1 の範囲で含有する鋼片を、通常の熱間圧延後、熱延鋼帯
とし酸洗した後、圧下率50%以上の冷間圧延を行い、
再結晶温度以上の温度で焼鈍し、再び圧下率50%以上
で冷間圧延を行った後、再結晶温度以上、850℃以下
の焼鈍を行い、調質圧延を施すことを特徴とする焼付硬
化性に優れる超深絞り用鋼板の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】発明者らは、深絞り性および焼付
硬化性に優れた特性を満足する鋼板を開発すべく、極低
炭素化した鋼にTi、NbならびにVなどの炭窒化物形
成元素を添加し、さらに、強化元素としてP、Mnを添
加した高張力鋼板も含めてその製造方法を詳細に検討し
た。その結果、Cを原子モル量で炭窒化物形成元素必要
量より多く含む鋼を通常の熱間圧延により熱延鋼帯と
し、酸洗後、圧下率50%以上で冷延し、十分な再結晶
温度で焼鈍を施した後、再び圧下率50%以上で冷延
し、800℃前後の再結晶焼鈍を施すことにより、30
MPa以上のBH性と2.2以上のランクフォード値を
兼ね備えた鋼板が得られることを見出した。
【0006】この知見を得た実験について以下に記す。
【0007】C;0.0040wt%、(以下単に%と
示す)、Nb;0.025%、Mn;0.5%、Si;
0.02%、P;0.06%、S;0.006%、A
l;0.03%、N;0.0018%を含有する鋼を、
6.0mm厚まで熱間圧延後、種々の冷間圧延率で圧延
し、これを775℃で連続焼鈍、あるいは680℃で1
2時間の箱焼鈍を施し、均一な再結晶粒を生成させたの
ち、再び冷間圧延を行った。これを800℃で1分均熱
する連続焼鈍サイクルで焼鈍し、ついで圧下率0.8%
の調質圧延を施した後、JIS5号試験片として引張試
験を行い、その材質を調査した。なお、BH性の評価は
2%予歪みを与えた後170℃で20分の焼付工程相当
の時効処理による降伏点の上昇量を測定することで評価
した。
【0008】図1に、冷延焼鈍後の再冷延率(以後、2
次冷延率と称す)70%における1回目の冷延率(以
後、1次冷延率と称す)とr値およびBH性の関係を示
す。1次冷延率が0%の従来法と比較し、本法では1次
冷延率50%以上の範囲でr値の著しい向上が見られ
る。このとき、BH性は冷延率によらず安定している。
また、図2に1次冷延率70%における2次冷延率とr
値およびBH性の関係を示す。2次冷延率が0%すなわ
ち従来法と比較し、本法ではやはり冷延率50%以上の
範囲でr値の向上が著しい。このr値の向上する理由に
ついて、必ずしも明らかではないが以下のように推測さ
れる。1次冷延焼鈍は、鋼板に微細かつ均一な再結晶組
織を生じさせ、しかも深絞り性に有効な集合組織の形成
を阻害する微細な炭窒化物を成長、消失させる。そのた
め2次冷延焼鈍時の深絞り性に有効な集合組織を発達さ
せる密度が増加したためと考えられる。一方、1次冷延
率が小さい40%以下においてr値が向上しないのは、
1回目の焼鈍後の組織を観察したところ均一な再結晶組
織が形成されてなく、2次冷延焼鈍しても、深絞り性に
有利な再結晶集合組織が得られなかったためと考えられ
る。また、2次冷延率が40%以下の場合にも同様であ
ると考えられる。また、BH性は1次および2次冷延率
に依存せず安定して得られていることがわかる。この原
因について、1次冷延焼鈍によって粗大な析出物が生成
したため、冷却時の再析出サイト密度が低く、焼鈍後に
安定した固溶Cが残りやすくなったためと考えられる。
【0009】以下にこの発明における成分組成範囲の限
定理由について説明する。
【0010】C:0.001〜0.01% Cは低い程延性および深絞り性を向上させるが、低すぎ
るとBH性を得られないため、その下限は0.0010
%となる。多量の固溶Cの存在は、プレス時においてス
トレッチャーストレインの発生など外観を損ねる原因と
なるため、後に述べるような炭窒化物形成元素を添加し
て固溶C量を適正化するが、C量が多いほど析出物も多
く、多量の析出物の存在は著しく延性を損ねる。そのた
め、C量の上限は0.01%とする。
【0011】Al:0.01〜0.1% Alは、脱酸材として用いられ十分な脱酸を行うには
0.01%以上が必要である。また、固溶しているNを
AlNとして無害化する。しかし、多量の添加は鋼中の
介在物を増加させ、連続鋳造での生産性を低下させる原
因となり、また鋼の清浄度を落とし延性が劣化するなど
の問題が生じる。そのため鋼中Al量は0.1%以下と
する。
【0012】N:0.005%以下 鋼中の侵入型元素であるNは、Cと同様BH性を発現す
る。しかし、室温での時効特性はCに劣る。そのため、
本発明ではAlおよびTiなどの窒化物形成元素を添加
してNを無害化する。なお、Nを過剰に含む場合、固定
するための合金添加量も多くコスト的に不利であり、ま
た多量の析出物の存在は延性を劣化する。そのため、N
量の上限を0.005%とする。
【0013】Ti、Nb、V Ti、Nb、Vは炭窒化物の形成により鋼中のC、Nを
固定するために添加する。本発明では適量のCを鋼中に
残すことで主たるBH性を発現させるため、原子モル量
で(C+N)量以上の添加はさける。すなわち、Ti、
Nb、Vのうち1種以上を0.05%以下でかつ(Ti
/48+Nb/93+V/51)/(C/12+N/1
4)<1の範囲をその含有量とする。
【0014】上記の成分範囲を満たすことで、本製造法
により優れた深絞り性と焼付硬化性を確保できるが、さ
らに下記の元素を含有しても優れた特性が得られる。そ
れらを以下に述べる。
【0015】Mn:0.05〜2.0% Mnは成形性を損なわずに鋼板を高強度化する有効な元
素である。しかし、2.0%以上の添加は延性を極端に
下げるため、十分な成形性が得られず、また、0.05
%以上含まない場合には、Sに起因する熱間割れを抑止
する効果が薄れる。したがって、その含有範囲は0.0
5〜2.0%が適正である。
【0016】Si:≦1.5% SiはMnと同様、延性を損なうことなく鋼板強度を上
昇させる有効な元素である。しかし、1.5%以上の添
加は延性を極端に下げるため、十分な成形性を確保でき
ない。そのため1.5%を上限とする。
【0017】P≦0.15% PはSi、Mnと同様、鋼板強度を上昇させるのに有効
な元素であり、しかも添加量あたりの強度上昇量が大き
いため、低コストで高強度化できる元素である。しか
し、0.15%を超える添加はプレス成形性を劣化さ
せ、また、粒界偏析により二次加工性を悪化させる。そ
のため上限は0.15%とする。
【0018】S:≦0.015% Sは熱間工程での割れを発生しやすいため、添加量は少
ないほど良いが、S含有量の低減は精錬コストを増大さ
せ、また生産性も阻害するなどの問題点がある。しかし
本法ではMnあるいはTiなどの硫化物形成元素が添加
されているため、Sは無害化されている。そのためS量
は0.015%まで許容される。
【0019】B:≦0.005% 鋼中のBはNと強い親和力をもつため、鋼中の固溶Nを
固定する効果を有する。また、Bは粒界に偏析して粒界
強度を高め、Pが多量に含まれる鋼板などの2次加工性
を向上させる効果をもつ。但し、2次加工性への効果は
15ppm程度で飽和し、これ以上は成形性に悪影響を
及ぼす。そこで、Nを固定するB含有量も考慮し、上限
を0.005%とする。
【0020】次に本発明鋼の製造条件について説明す
る。
【0021】熱延条件は、通常の熱延で構わず、後述す
る冷延焼鈍を2回するための条件と最終の製品厚から定
まる所定の厚みまで減ずればよい。
【0022】酸洗後の1次冷延率が50%以下では、焼
鈍後に微細均一な再結晶組織が得られず、2回冷延焼鈍
時に良好な深絞り性が期待できない。したがって、その
下限を50%とする。
【0023】1回目の焼鈍温度(以後、中間焼鈍温度と
称す)は、均一な再結晶粒が生成すれば良いので、再結
晶温度以上であればよい。なお、焼鈍方式は連続焼鈍方
式よりも箱焼鈍方式で本発明の効果が十分に得られる。
理由として、箱焼鈍方式は長時間加熱保定されるため、
熱延時の微細で密度の高い析出物は消失あるいは成長
し、粗大で低密度の析出物になる。これにより、深絞り
性に有利な集合組織形成を阻害する微細析出物が減少す
るため、深絞り性が向上することと、さらに、BH性に
関しては2回目の冷延後の焼鈍温度が高く炭化物が再溶
解しても、再析出サイトの密度が減少しているため安定
したBH性が得られるためと推測している。
【0024】2次冷延率が高いほど深絞り性が向上する
が、低圧下率では1回目の冷延と同様均一な再結晶組織
が得らず、深絞り性は向上しない。そこで2次冷延率は
50%以上とする。
【0025】2回目の焼鈍温度(以後、最終焼鈍温度と
称す)は、本発明では過剰な固溶Cを利用してBH性を
得るため、高温焼鈍により炭化物を溶解させる必要がな
く、再結晶温度以上で十分である。
【0026】調圧率は通常の範囲で構わず、0.5〜
3.0%でよい。
【0027】
【実施例】表1に示す組成の鋼を転炉−脱ガス法で溶製
し、連続鋳造法にてスラブとし、ついで通常の熱間圧延
を施し6.0mmの板とし酸洗した後、表2に示す条件
で、2回冷延焼鈍を行い、板厚0.7mmとした鋼板に
圧下率0.7%〜1.5%で調質圧延を施した。得られ
た鋼板をJIS5号試験片に加工し、該試験片の機械的
性質について調べた結果を表2に示す。なおBH性は前
述の通り2%予歪み後、170℃で20分焼付相当処理
後の降伏点の上昇量で評価した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 表2より、発明鋼(A〜F)では強度TSが300〜4
50MPaの範囲において形状凍結性に優れるYS≦2
50MPaを満足し、かつr値>2.2の深絞り性を得
ているにも関わらず、30〜50MPaのBH性を熱延
および焼鈍条件に関わらず安定して得られていることが
わかる。しかし、C量が適合範囲外の比較鋼G、H、及
びTi量が適合範囲外の比較鋼I、及びC、N量と炭化
物形成元素の原子モル比が適合範囲外の比較鋼Jでは、
適正範囲内のBH性が得られていない。また、製造条件
の影響を見ると1次冷延率の低い比較鋼K、及び2次冷
延率の低い比較鋼Lにおいては、適度なBH性は得られ
ているものの、深絞り性に劣る。
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、製鋼、熱延、焼鈍の
制約条件の影響を受けにくく、安定した焼付硬化性を有
し、かつ一体成形化を可能とする超深絞り用鋼板が製造
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】r値およびBH性に及ぼす1次冷延率の影響を
示す図である。
【図2】r値およびBH性に及ぼす2次冷延率の影響を
示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にて C:0.001〜0.01mass% Al:0.01〜0.1mass% N:0.005mass%以下 さらにTi、Nb、Vのうち1種以上を0.05%以下
    でかつ (Ti/48+Nb/93+V/51)/(C/12+
    N/14)<1 の範囲で含有する鋼片を、通常の熱間圧延後、熱延鋼帯
    とし酸洗した後、圧下率50%以上の冷間圧延を行い、
    再結晶温度以上で焼鈍し、再び圧下率50%以上で冷間
    圧延を行った後、再結晶温度以上で焼鈍を行い、調質圧
    延を施すことを特徴とする焼付硬化性に優れる超深絞り
    用鋼板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102172813A (zh) * 2011-01-08 2011-09-07 中国科学院等离子体物理研究所 一种中心冷却管用钢带制造方法和冷却管绕制方法
CN102304665A (zh) * 2011-09-21 2012-01-04 首钢总公司 一种汽车用钢板及其生产方法
CN102605250A (zh) * 2012-03-27 2012-07-25 首钢总公司 一种汽车用钢板及其生产方法

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