JPH1163997A - 電子コンパス - Google Patents

電子コンパス

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JPH1163997A
JPH1163997A JP9225392A JP22539297A JPH1163997A JP H1163997 A JPH1163997 A JP H1163997A JP 9225392 A JP9225392 A JP 9225392A JP 22539297 A JP22539297 A JP 22539297A JP H1163997 A JPH1163997 A JP H1163997A
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JP
Japan
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electronic compass
magnetic field
elements
external magnetic
magneto
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Withdrawn
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JP9225392A
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Inventor
Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Yoshihiro Sudou
能啓 須藤
Shinichi Sasagawa
新一 笹川
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状を小型にすることが可能であり、かつ地
磁気による磁力線の方位を精密に測定できる電子コンパ
スを提供する。 【解決手段】 外部磁界による磁力線のX軸方向の成分
を検出する第1の磁気インピーダンス効果素子(以下M
I素子と略す)2と、外部磁界による磁力線のY軸方向
の成分を検出する第2のMI素子3と、第1、2のMI
素子にバイアス磁化を印加するための巻線5、6とを備
え、第1、2のMI素子2、3が、それぞれに印加され
る交流電流の電流路が互いに直交するように同一平面4
内に配置されたものであり、更に、第1、2のMI素子
2、3が、Feを主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式
中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示
す)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20
K以上であるFe基金属ガラス合金であることを特徴と
する電子コンパス1を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地磁気による磁力
線の方位を検出する電子コンパスに関するものであり、
特に、Fe基金属ガラス合金からなる磁気インピーダン
ス効果素子を備えた電子コンパスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子コンパスは、単独で地磁気等の外部
磁界による磁力線の方位を測定できるので、車載用コン
パス及びナビゲーションシステム等の自車位置の検出手
段として広く用いられている。
【0003】上述の電子コンパスの中でも、フラックス
ゲートセンサーは、その動作原理上安定性に優れ、磁界
の検出感度も10-7〜10-6G程度と高いので、広く用
いられている。しかし、このフラックスゲートセンサー
は、環状の磁心と、この磁心に巻回して磁場を印加する
励磁巻線と、磁心の磁束密度を検出する検出巻線とから
なる構造であるため、形状が塊状となり、小型化が図れ
ないという課題がある。
【0004】一方、別の電子コンパスとして、磁気抵抗
素子(以下、MR素子と略す)を用いた磁気センサー
は、2つのMR素子をそれぞれに印加される電流の電流
路が互いに直交するように同一平面内に配置し、これら
2つのMR素子をブリッジ等に接続することにより外部
磁界による磁力線の方位を検出するもので、形状が平面
状であり、小型化を図ることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のMR素
子を用いた磁気センサーは、外部磁界の強度の変化によ
るMR素子自身の固有抵抗に対する抵抗変化率が3〜6
%程度と小さく、抵抗変化が鋭敏ではないので、地磁気
等の外部磁界による磁力線の精密な方位測定を行うこと
が困難であり、電子コンパスとして適当でないという課
題があった。
【0006】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであって、その形状を小型にすることが可能で
あり、かつ地磁気による磁力線の方位を精密に測定でき
る電子コンパスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の電子コ
ンパスは、外部磁界の方位の検出手段として、Feを主
成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開
始温度、Tgはガラス転移温度を示す)の式で表される
過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であるFe基
金属ガラス合金からなる磁気インピーダンス効果素子を
備えることを特徴とする。本発明の電子コンパスは、先
に記載の電子コンパスであって、前記外部磁界による磁
力線のX軸方向の成分の検出手段である第1の磁気イン
ピーダンス効果素子と、前記外部磁界による磁力線のY
軸方向の成分の検出手段である第2の磁気インピーダン
ス効果素子とを備えることを特徴とする。
【0008】また、本発明の電子コンパスは、先に記載
の電子コンパスであって、前記第1、2の磁気インピー
ダンス効果素子は、それぞれに印加される交流電流の電
流路が互いに直交するように同一平面内に配置されたこ
とを特徴とする。また、本発明の電子コンパスは、先に
記載の電子コンパスであって、前記第1、2の磁気イン
ピーダンス効果素子には、それぞれに印加される交流電
流の電流路に沿ってバイアス磁化を印加するための巻線
が巻回されたものであることを特徴とする。
【0009】更に、本発明の電子コンパスは、先に記載
の電子コンパスであって、前記Fe基金属ガラス合金が
Fe以外の他の金属元素と半金属元素とを含有してな
り、前記他の金属元素としてAl、Ga、In、Snの
うちの1種または2種以上が含有され、前記半金属元素
として、P、C、B、Ge、Siのうちの1種または2
種以上が含有されてなることを特徴とする。更に、本発
明の電子コンパスは、先に記載の電子コンパスであっ
て、前記Fe基金属ガラス合金の組成が、それぞれ原子
%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Fe: 残部 であることを特徴とする。
【0010】更に、本発明の電子コンパスは、先に記載
の電子コンパスであって、前記Fe基金属ガラス合金の
組成が、それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Si: 0 〜15 Fe: 残部 であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1において、電子コンパス1に
は、外部磁界のX軸方向の成分の検出手段である第1の
磁気インピーダンス効果素子(以下、MI素子と略す)
2と、X軸方向に垂直なY軸方向の外部磁界の成分の検
出手段である第2のMI素子3とが備えられている。磁
気インピーダンス効果素子(MI素子)とは、磁気イン
ピーダンス効果(Magneto-Impedance Effect)を有する
素子である。磁気インピーダンス効果とは、ワイヤ状ま
たはリボン状の磁性体に電源からMHz帯域の交流電流
を印加し、この状態で磁性体の長手方向から外部磁界を
印加すると、外部磁界が数ガウス程度の微弱磁界であっ
ても、磁性体の両端に素材固有のインピーダンスによる
電圧が発生し、その振幅が外部磁界の強度に対応して数
十%の範囲で変化する、すなわちインピーダンス変化を
起こす現象をいう。第1、2のMI素子2、3は、Fe
を主成分とするFe基金属ガラス合金からなり、その形
状は平面視略矩形で所定の厚みを有するものである。第
1、2のMI素子2、3は、それぞれに印加される交流
電流の電流路の方向が互いに直交するように平面4に配
置されている。即ち、第1、2のMI素子2、3は、そ
れぞれの長手方向の向きが互いに直交するように配置さ
れている。具体的には、第1、2のMI素子2、3は、
平面4に任意の手段により固定されている。第1、2の
MI素子2、3の形状は、図1においては板状である
が、これに限られることはなく、棒状、薄帯(リボン)
状、ワイヤ状、線状、線状の成形体の複数本を撚り合わ
せたもの等であっても良い。
【0012】第1、2のMI素子2、3には、第1、2
のMI素子2、3に印加される交流電流の電流路の方向
に沿って、即ち、第1、2のMI素子2、3の長手方向
に沿ってバイアス磁化を印加するための巻線5、6が巻
回されている。巻線5、6の両端は、巻線端子5a、6
aを介して、外部巻線用導線5b、6bに接続されてい
る。第1、2のMI素子2、3の長手方向の両端2a、
3aには、出力電流を取り出すための出力導線7、8、
9が接続されている。導線7、9は、出力端子7a、9
aを介して、出力用外部導線7b、9bに接続されてい
る。また、導線8の両端は、第1のMI素子2の端部2
aと第2のMI素子3の端部3aとに接続されている。
また、導線8は、出力端子8aを介して、出力用外部導
線8bに接続されている。更に、第1、2のMI素子
2、3のそれぞれの長手方向の両端2a、3aには、図
示しない交流電流を印加するための導線が接続されてい
る。
【0013】上述の電子コンパス1の動作は次の通りで
ある。図1において、第1、2のMI素子2、3には、
図示しない導線からMHz帯域の交流電流が印加されて
いる。このとき、第1、2のMI素子2、3のそれぞれ
の両端2a、3aには、それぞれの素子に固有のインピ
ーダンスによる電圧が発生している。図1に示すよう
に、外部磁界による磁力線の方向を任意とし、この磁力
線が第1のMI素子2に印加されると、第1のMI素子
2の両端に発生するインピーダンスは、この磁力線の第
1のMI素子2の長手方向に対して平行な成分(X軸方
向の成分)の大きさに対応したものとなる。同様に、こ
の磁力線が第2のMI素子3に印加されると、第2のM
I素子3の両端に発生するインピーダンスは、この磁力
線の第2のMI素子3の長手方向に対して平行な成分
(Y軸方向の成分)の大きさに対応したものとなる。即
ち、第1、2のMI素子2、3に対して、外部磁界によ
る磁力線の方向が変化すると、これに対応して第1、2
のMI素子2、3のインピーダンスが変化し、第1、2
のMI素子2、3から出力される電圧値が変化すること
になる。このようにして、電子コンパス1においては、
出力端子7a、8aから、地磁気のX軸方向の成分の大
きさに対応した電圧値を示す出力電流が取り出され、出
力端子9a、8aから、地磁気のY軸方向の成分の大き
さに対応した電圧値を示す出力電流が取り出される。こ
れらの出力電流は、外部出力導線7b、8b、9bを介
して図示しない処理部に送られる。処理部では、得られ
た出力電流に基づいて地磁気による磁力線の方位が測定
される。
【0014】従来のMR素子の磁気検出感度が0.1
Oe程度であるのに対し、磁気インピーダンス効果を有
する素子(MI素子)は、10-5 Oe程度の磁気を検
出することが可能である。特に、本発明の第1、2のM
I素子2、3に、コルピッツ発振回路などの自己発振回
路等を接続して数〜数十MHzの交流電流を印加した場
合には、分解能が約10-6 Oeの高感度で外部磁界を
安定に検出できるので、微弱な外部磁界の検出が可能に
なる。従って、第1、2のMI素子2、3の形状を、長
手方向の長さを短くしてMI素子固有のインピーダンス
を小さくするような形状とした場合においても、良好な
磁気検出感度が得られるので、電子コンパス1の小型化
を図ることが可能となる。
【0015】また、上述したように、本発明の電子コン
パス1には、第1、2のMI素子2、3にバイアス磁化
を印加するための巻線5、6が備えられている。本発明
に係る第1、2のMI素子2、3は、図2(a)に示す
ように、外部磁界ゼロを中心に外部磁界の絶対値に依存
して正負方向にほぼ対称的に出力電圧の変化(インピー
ダンス変化)を示す。
【0016】電子コンパス1の第1、2のMI素子2、
3にバイアス磁化を印加しない場合には、図2(b)に
示すように、外部磁界による磁力線の方向を第1のMI
素子2の長手方向に対して0〜90゜に変化させると、
第1のMI素子2からの出力電圧が低下する。また、外
部磁界による磁力線の方向を90〜180゜に変化させ
ると、第1のMI素子2からの出力電圧が上昇する。こ
のとき、0゜と180゜における出力電圧の電圧値は同
一となり、磁力線の方向を正確に測定することができな
い。
【0017】第1、2のMI素子2、3にバイアス磁化
を印加した場合には、図2(c)に示すように、外部磁
界に対するインピーダンスが直線的に変化する領域を使
用することになり、外部磁界による磁力線の方向を0〜
180゜に変化した場合でも、MI素子からの出力電圧
の変化が線形的であり、外部磁界の方向を正確に測定で
きる。
【0018】第1、2のMI素子2、3に印加するバイ
アス磁化の大きさは、絶対値で0.1〜2 Oeの範囲
であることが好ましい。バイアス磁化の大きさが、0.
1 Oe以下若しくは2 Oe以上の範囲では、外部磁界
に対するインピーダンス変化が線形変化でないので好ま
しくない。従って、バイアス磁化を印加するための巻線
5、6に印加するバイアス電流は、数mAの直流電流で
十分である。
【0019】第1、2のMI素子2、3を構成するFe
基金属ガラス合金は、Feを主成分とし、ΔTx=Tx
−Tg(式中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス転
移温度を示す)の式で表される過冷却液体領域の温度幅
ΔTxが20K以上、組成によっては40〜60K以上
という顕著な温度間隔を示すので、徐冷による成形が可
能となり、比較的肉厚のリボン状や線状の成形体を作成
することが可能となる。
【0020】高い磁気インピーダンス効果を有しなが
ら、しかも20K以上のΔTxを有するFe基金属ガラ
ス合金を得るために、このFe基金属ガラス合金に、F
e以外の他の金属元素と半金属元素とを含有させる。こ
のうちFe以外の他の金属とは、周期律表の3B族およ
び4B族の少なくとも1種類以上からなるものであり、
具体的にはAl、Ga、In、Tl、Sn、およびPb
の少なくとも1種以上が好ましく、中でもAl、Ga、
InまたはSnがより好ましい。前記の半金属元素は、
P、C、B、GeおよびSiの少なくとも1種以上であ
ることが好ましい。特に、P、C、およびBの少なくと
も1種以上を含有させることが好ましい。また、Siを
加えることにより、過冷却液体の温度間隔ΔTxを向上
させ、非晶質単相組織となる臨界板厚を増大できる。S
iの含有量は多すぎると過冷却液体領域ΔTxが消滅す
るので、15原子%以下が好ましい。
【0021】より具体的に例示すると、本発明では、そ
の組成が原子%で、Al:1〜10、Ga:0.5〜
4、P:0〜15、C:2〜7、B:2〜10、Fe:
残部であって、不可避不純物が含有されていても良いF
e基金属ガラス合金が得られる。また、本発明では、そ
の組成が原子%で、Al:1〜10、Ga:0.5〜
4、P:0〜15、C:2〜7、B:2〜10、Si:
0〜 15、Fe:残部であって、不可避不純物が含有
されていても良いFe基金属ガラス合金が得られる。
尚、より大きな過冷却液体領域ΔTxを得るために、上
述の2つの組成中、PとCを原子%で、P:6〜15、
C:5〜7とするとより好ましく35K以上の過冷却液
体領域ΔTxを得ることができる。
【0022】本発明に係るFe基金属ガラス合金からな
る第1、2のMI素子2、3は、溶製してから鋳造法に
より、或いは単ロールもしくは双ロールによる急冷法に
よって、更には液中紡糸法や溶液抽出法によって、バル
ク状、薄帯(リボン)状、線状体等の種々の形状として
製造される。これらの製造法によって、従来の非晶質合
金によるリボン状のMI素子に比べての10倍以上の厚
さと形の大きさの第1、2のMI素子2、3を得ること
ができるので、電子コンパス1に用いる場合において
も、第1、2のMI素子2、3の形状の自由度が高い故
に、電子コンパス1の設計、製造が容易になる。
【0023】これらの方法により得られた前記の組成の
Fe基軟磁性金属ガラス合金は、室温において軟磁気特
性(Soft magnetism)を有している。この軟磁気特性は
300℃〜500℃の範囲内の熱処理を施すことによっ
て更に改善される。このため、電子コンパス1への応用
に有用なものとなる。
【0024】上述の電子コンパス1は、Feを主成分と
し、ΔTx=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開始温
度、Tgはガラス転移温度を示す)の式で表される過冷
却液体の温度間隔ΔTxが20K以上、より好ましくは
35K以上であり、Fe以外の他の金属元素と半金属元
素とを含有するFe基金属ガラス合金からなるMI素子
を備えており、外部磁界の変化に対するインピーダンス
の変化が大きいので、地磁気のような微弱な外部磁界を
検出することができる。また、本発明に係る第1、2の
MI素子2、3は、外部磁界の検出感度が高いので、第
1、2のMI素子2、3の大きさを小さくすることが可
能となり、電子コンパス1の形状を小型化できる。更
に、本発明に係る第1、2のMI素子2、3は、鋳造
法、単ロール法、双ロール法等により、従来の非晶質合
金に比べて板厚が大きい成形体を容易に得られるので、
電子コンパス1に用いる場合においても、第1、2のM
I素子2、3の形状の自由度が高い故に、電子コンパス
1の設計が容易になり、更に第1、2のMI素子2、3
の加工等が容易であり、電子コンパス1の製造が容易に
なると共に、製造コストを低減できる。
【0025】上述の電子コンパス1は、外部磁界のX軸
方向の成分の検出手段である第1のMI素子2と、Y軸
方向の外部磁界の成分の検出手段である第2のMI素子
3とを備え、第1、2のMI素子2、3は、それぞれに
印加される交流電流の電流路が互いに直交するように同
一平面4内に配置され、第1、2のMI素子2、3に印
加される交流電流の電流路に沿ってバイアス磁化を印加
する巻線5、6が巻回されたものであるので、地磁気に
よる磁力線の方位を正確に測定できる。
【0026】また、上述の第1、2のMI素子2、3
は、外部磁界が−2 Oe〜+2 Oe程度の微弱磁界の
範囲において、出力電圧の値の変化が穏やかであると共
に出力電圧の値の変化が線形的で定量性が良好であるの
で、電子コンパス1の外部磁界による磁力線の方位測定
の精度をより高くすることができる。また、外部磁界の
方位を測定するための出力電圧を処理する回路構成が比
較的簡単になり、電子コンパス1の製造コストを下げる
ことができる。更に、第1、2のMI素子2、3に印加
するバイアス磁化は最大でも2 Oe程度と小さくて済
むので、バイアス磁化を印加するための回路構成を簡単
にすることができる。
【0027】上述の電子コンパス1は、Fe基金属ガラ
ス合金である第1、2のMI素子2、3に、300℃〜
500℃の範囲内の熱処理が施されたものであり、良好
な軟磁気特性を示し、磁気インピーダンス効果を向上さ
せることができるので、地磁気のような微弱な外部磁界
を検出することが容易に行える。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって詳細に説明する。 (実施例1)Fe、Al、Ga、Fe-C合金、Fe-P
合金およびBのそれぞれ所定量を秤量混合し、減圧Ar
雰囲気下においてこれらの原料を高周波誘導加熱炉で溶
融し、原子組成比がFe72Al5Ga21164となる
組成物のインゴットを製造した。このインゴットをルツ
ボ内に入れて溶融し、ルツボのノズルから回転している
ロールに溶湯を吹き出して急冷する単ロール法によっ
て、減圧Ar雰囲気下で厚さ20μmの急冷リボンを得
た。このリボンから、長さ31mm、幅0.1mm〜
0.2mm、厚さ20μmの試料を切り出してMI素子
とした。また、このときの過冷却液体領域ΔTxは47
Kであった。
【0029】(実施例2)原子組成がFe72Al5Ga2
1064Si1であること以外は実施例1と同様にし
てMI素子を得た。得られた急冷リボンは、図7に示す
X線回折パターンから、板厚20〜160μmの試料に
あってはいずれも2θ=40〜60゜にハローなパター
ンを有しており、アモルファス単相組織を有することが
わかる。これに対し、板厚170μm以上の試料では、
2θ=50゜付近にのみピークが観察された。このピー
クは、Fe3C、Fe3Bに帰属するピークであると考え
られる。また、本実施例における過冷却液体領域ΔTx
は50K以上の高い値を示した。
【0030】実施例1及び実施例2のMI素子を図3に
示す磁界検知回路に挿入し、3MHzの交流電流を印加
した状態で、MI素子の長さ方向に外部磁界Hexを印加
し、外部磁界Hex(Oe)と発生した出力電圧(mV)
との関係を調べた。外部磁界Hexは、0 Oeからスタ
ートし、5 Oe、0 Oe、−5 Oe、0 Oeと連続
的に往復変化させた。増幅率は10倍に設定した。測定
結果を図4及び図5に示す。更に、図6には、実施例1
のMI素子と、従来のFe78Si1913および(Fe6
Co9472.5Si12.515 の組成のMI素子とを比較
するために、外部磁界Hex(Oe)と発生した出力電圧
(mV)との関係をそれぞれ調べた結果を示す。
【0031】図3に示す磁界検知回路は、ブロックA,
BおよびCからなり、それぞれ、高周波電源部、外部磁
界(Hex)検知部および増幅出力部である。MI素子
(Mi)は外部磁界検知部(B)に挿入されている。高
周波電源部(A)は、高周波交流電流を発生し外部磁界
検知部(B)に供給するための回路であってその方式は
特に限定されない。ここでは一例として、安定化コルビ
ッツ発振回路を採用したものを掲げる。自己発振方式で
はこの他に磁気変調を利用した振幅変調(AM)、周波
数変調(FM)、または位相変調(PM)をかけて磁界
感知作動をさせることもできる。外部磁界検知部(B)
はMI素子(Mi)と復調回路とからなり、高周波電源
部(A)から供給された高周波交流電流により待機状態
とされたMI素子が外部磁界(Hex)に感応して発生
したインピーダンス変化を、復調回路により復調し、増
幅出力部(C)に伝送する。増幅出力部(C)は差動増
幅回路と出力端子とを有する。この出力端子からMI素
子からの出力電圧(mV)を得る。
【0032】図4及び図5において、実施例1及び実施
例2のMI素子は、−2 Oe〜+2 Oe程度の微弱磁
界帯域において、出力電圧の値が高く、かつ線形性に優
れる領域があるために良好な定量性を示す。従って、こ
のようなMI素子を電子コンパスに使用した場合には、
地磁気のような微弱な外部磁界の検出が可能となり、外
部磁界によるMI素子からの出力電圧を処理して外部磁
界の方位を測定するための回路構成を簡単にできる。ま
た、バイアス磁化は、絶対値で2 Oe程度の磁化をか
ければよいので、バイアス磁化を印加するための回路構
成も簡単にできる。
【0033】また、図6において、実施例1のMI素子
は、従来のFe78Si1913の組成のMI素子よりも出
力電圧の電圧値が高く、外部磁界の検出感度が高いこと
がわかる。一方、実施例1のMI素子は、微弱磁界の範
囲内(−2 Oe〜+2 Oe)で従来の(Fe6
9472.5Si12.515 の組成のMI素子よりも出力
電圧の立ち上がりが緩やかであるので、定量性が良好と
なり、これを用いた電子コンパスの回路構成が容易とな
る。
【0034】(実施例3)実施例1と同様にして、原子
組成比がFe73Al5Ga21154となる組成物のイ
ンゴットを製造し、単ロール法によって急冷リボンを得
た。単ロール法での製造時のノズル径と、ノズル先端と
ロール表面との距離(ギャップ)と、ロールの回転数
と、射出圧力と、雰囲気圧力とを以下の表1のように設
定し、厚さ35μm〜229μmのリボン状Fe基金属
ガラス合金を得た。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示した各金属ガラス合金のX線回折
パターンは、図8に示すように、板厚32μm〜135
μmの合金でいずれもハローなパターンとなっており、
非晶質単相組織であることがわかる。これに対し、板厚
151μmと180μmの合金では、Fe2Bに帰属す
るピークが観察される。更に、229μmの合金では先
のピーク以外にもFe3Bに帰属するピークが観察さ
れ、更に別の化合物が生成しているものと思われる。
【0037】実施例3の金属ガラス合金によれば、板厚
が20〜135μmであり、板厚が充分なリボン状の金
属ガラス合金が得られ、しかもこれら合金は、実施例
1、実施例2と同様にMI効果を有することから、電子
コンパスに用いる場合においても、MI素子の形状の自
由度が高い故に、電子コンパスの設計が容易になり、更
にMI素子の加工等が容易であり、電子コンパスの製造
が容易になると共に、製造コストを低減できる。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
電子コンパスは、Feを主成分とし、ΔTx=Tx−T
g(式中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温
度を示す)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTx
が20K以上であり、Fe以外の他の金属元素と半金属
元素とを含有するFe基金属ガラス合金からなるMI素
子を備えており、外部磁界の変化に対する検出感度が高
いので、微弱な地磁気を検出することができると共に、
MI素子の大きさを小さくすることが可能となり、電子
コンパスの形状を小型化できる。更に、本発明に係るM
I素子は、加工性に優れるリボン状または線状のMI素
子を容易に得ることができるので、電子コンパスの設
計、製造を容易にすると共に、製造コストを低減でき
る。
【0039】また、本発明の電子コンパスは、外部磁界
のX軸方向の成分の検出手段である第1のMI素子と、
Y軸方向の外部磁界の成分の検出手段である第2のMI
素子とを備え、第1、2のMI素子は、それぞれに印加
される交流電流の電流路が互いに直交するように同一平
面内に配置され、MI素子に印加される交流電流の電流
路に沿ってバイアス磁化を印加する巻線が巻回されたも
のでありバイアス磁化を印加できるので、地磁気のよう
な外部磁界による磁力線の方位を正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である電子コンパスを示
す平面図である。
【図2】 本発明の実施の形態であるMI素子の外部磁
界と出力電圧との関係を示す図であって、(a)はMI
素子の外部磁化と出力電圧との関係を示すグラフであ
り、(b)は外部磁界の磁力線の方向をMI素子の長手
方向に対して0〜180゜の範囲で変化させたときの外
部磁界と出力電圧との関係を示すグラフであり、(c)
はMI素子のバイアス磁化をかけて(b)と同様にの外
部磁界の磁力線の方向を変化させたときの外部磁界と出
力電圧との関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施の形態であるMI素子を用いた
磁気検知回路を示す回路図である。
【図4】 実施例1のMI素子の外部磁化と出力電圧と
の関係を示すグラフである。
【図5】 実施例2のMI素子の外部磁化と出力電圧と
の関係を示すグラフである。
【図6】 実施例1および従来のMI素子の外部磁化と
出力電圧との関係を示すグラフである。
【図7】 Fe72Al5Ga21064Si1の組成の
合金の各板厚におけるX線回折パターンを示す図であ
る。
【図8】 Fe73Al5Ga21154の組成の合金の
各板厚におけるX線回折パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 電子コンパス 2 第1のMI素子 3 第2のMI素子 4 平面 5 バイアス磁化を印加するための巻線 6 バイアス磁化を印加するための巻線 7 出力導線 8 出力導線 9 出力導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 須藤 能啓 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 笹川 新一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁界による磁力線の方位の検出手段
    として、Feを主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式
    中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示
    す)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20
    K以上であるFe基金属ガラス合金からなる磁気インピ
    ーダンス効果素子を備えることを特徴とする電子コンパ
    ス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子コンパスであっ
    て、 前記外部磁界による磁力線のX軸方向の成分の検出手段
    である第1の磁気インピーダンス効果素子と、 前記外部磁界による磁力線のY軸方向の成分の検出手段
    である第2の磁気インピーダンス効果素子とを備えるこ
    とを特徴とする電子コンパス。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子コンパスであっ
    て、 前記第1、2の磁気インピーダンス効果素子は、それぞ
    れに印加される交流電流の電流路が互いに直交するよう
    に同一平面内に配置されたことを特徴とする電子コンパ
    ス。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子コンパスであっ
    て、 前記第1、2の磁気インピーダンス効果素子には、それ
    ぞれに印加される交流電流の電流路に沿ってバイアス磁
    化を印加するための巻線が巻回されたことを特徴とする
    電子コンパス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子コ
    ンパスであって、前記Fe基金属ガラス合金がFe以外
    の他の金属元素と半金属元素とを含有してなり、前記他
    の金属元素としてAl、Ga、In、Snのうちの1種
    または2種以上が含有され、前記半金属元素として、
    P、C、B、Ge、Siのうちの1種または2種以上が
    含有されてなることを特徴とする電子コンパス。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項5に記載の電子コ
    ンパスであって、前記Fe基金属ガラス合金の組成が、
    それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Fe: 残部 であることを特徴とする電子コンパス。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項5に記載の電子コ
    ンパスであって、前記Fe基金属ガラス合金の組成が、
    それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Si: 0 〜15 Fe: 残部 であることを特徴とする電子コンパス。
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EP98303656A EP0881503A3 (en) 1997-05-26 1998-05-11 Magneto-impedance effect element and magnetic head, electronic compass and autocanceller using the element
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6831457B2 (en) 2002-02-19 2004-12-14 Aichi Micro Intelligent Corporation Two-dimensional magnetic sensor including magneto-impedance sensor elements

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