JPH1164251A - 試料の定性分析装置およびその方法 - Google Patents

試料の定性分析装置およびその方法

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JPH1164251A
JPH1164251A JP9219599A JP21959997A JPH1164251A JP H1164251 A JPH1164251 A JP H1164251A JP 9219599 A JP9219599 A JP 9219599A JP 21959997 A JP21959997 A JP 21959997A JP H1164251 A JPH1164251 A JP H1164251A
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JP9219599A
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Akihide Doshiyou
明秀 土性
Shuichi Inoue
修一 井上
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定データと標準データとの間のずれをなく
し、客観的で高精度な定性分析を実現する。 【解決手段】 試料にX線を照射したとき同試料から出
てくる回折X線の強度および回折角度を測定し、該測定
した回折X線の強度および回折角度に基づき、回折X線
のピーク位置に関する測定データを算出する。次いで、
該測定データと各種の物質につき既知となっている回折
X線のピーク位置に関する標準データとを比較し、任意
の許容範囲で前記測定データのピーク位置に対応したピ
ーク位置をもつ標準データを検索する。さらに、検索さ
れた標準データのうち測定データのピーク位置との間に
ずれがある標準データを抽出し、該標準データのピーク
位置を測定データのピーク位置とほぼ合致するように補
正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線回折法を利
用した試料の定性分析装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線回折法を利用した試料の定性分析
は、未知物質(試料)に対しX線回折測定を行ない、該
試料の回折X線のピーク位置(測定データ)を求め、既
知の物質の回折X線のピーク位置(標準データ)と比較
して、測定データのピーク位置の中に該標準データのピ
ーク位置と一致するものがあれば、その既知物質が試料
に含まれていると判定する分析手法である。
【0003】図5は、X線回折法を利用した従来の試料
の定性分析手段を示すフローチャートであり、図6は、
図5のフローチャートの流れに対応する測定データおよ
び標準データの表示例を示す図である。従来の試料の定
性分析手段によれば、まず試料を試料板に充填してX線
回折装置の試料台に装着する。次いで、図5に示すよう
に、X線回折装置を駆動して試料に対するX線回折測定
を実施する(S101)。X線回折測定では、試料にX
線を任意の角度θで照射したとき、同試料から2θの回
折角度で出射する回折X線を検出する。このX線回折測
定により、図6の(a)に示すような試料の回折X線の
強度(I)と該回折X線の出射する回折角度(2θ)と
の関係が測定される。
【0004】次いで、X線回折測定により得られた測定
結果から回折X線のピーク位置を算出し(S102)、
図6の(b)に示すような試料の回折X線ピーク位置に
関する測定データを求める。
【0005】さて、回折X線のピーク位置は、物質によ
って特定のパターンがあり、既知物質ごとのピーク位置
パターンは、あらかじめ規格されて周知となっている。
例えば、既知物質に関する回折X線ピーク位置の標準デ
ータをまとめたものとして、「ICDDデータ」があ
る。一方、測定対象とした試料が複数の物質からなる混
合物(一般に、試料はこのような混合物である。)の場
合には、それら試料に含まれる物質の各ピーク位置パタ
ーンが測定データ中に混在することとなる。
【0006】そこで、この測定データのピーク位置パタ
ーンと既知物質のピーク位置パターンとを比較して(S
103、図6(c)参照)、測定データのピーク位置パ
ターン中に既知物質のピーク位置パターンと一致するも
のが含まれていれば、それを検出し、試料中に該既知物
質が含まれていると判定する。
【0007】このために、従来の定性分析装置は、あら
かじめ設定した誤差の範囲内において、測定データのピ
ーク位置パターン中に既知物質のピーク位置パターンと
一致するものが含まれているかどうかを各種既知物質毎
に自動検索し、抽出された既知物質のピーク位置パター
ン(標準データ)と、試料のピーク位置パターン(測定
データ)とをCRTディスプレイ等の表示装置に表示し
(S104、図6(d)参照)、検査員がこの表示され
た標準データと測定データとを目視検査して最終的な判
断を下していた。そして、測定データに含まれると判断
した標準データを登録し、かつこれらのデータを同一ス
ケールにそろえて印刷し、定性分析が終了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、物質のピーク位
置パターンは、岩石鉱物や固溶体などのように結晶の構
成元素が変わると、その回折X線のピーク位置がシフト
したりする。また、加熱下におけるX線回折測定では、
試料の熱膨張によって、試料中に含まれる物質のピーク
位置がシフトすることもある。このように、測定データ
中のピーク位置パターンは、種々の要因によって標準デ
ータと合致しない場合が多く、同一の物質であってもそ
のピーク位置パターンにずれを生じていることが一般的
であった。
【0009】従来は、この測定データと標準データとの
間のピーク位置パターンのずれ(図6(d)のδ)を、
誤差として許容し、表示装置にはこのようなずれを生じ
たままの状態で各データを表示し、検査員はこの誤差を
見込んで判定していた。そして、分析結果についてもこ
のような測定データと標準データとの間のピーク位置パ
ターンがずれたままの状態で登録および印刷を行なって
いた。
【0010】しかしながら、測定データと標準データと
の間にずれδがあったままの状態で検査員が判定した場
合、検査員の判断に主観が入り込むため分析結果にばら
つきを生じ、分析精度が区々となるおそれがあった。こ
の発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、測
定データと標準データとの間のずれをなくし、客観的で
高精度な定性分析を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、X線回折法を利用した試料の定性分析装
置であって、次の構成を備えたことを特徴としている。 試料にX線を照射したとき同試料から出てくる回折
X線の強度および回折角度を測定する回折X線測定手段 回折X線測定手段で測定された回折X線の強度およ
び回折角度に基づき、回折X線のピーク位置に関する測
定データを算出する演算手段 各種の物質につき回折X線のピーク位置に関する標
準データを記憶する記憶手段 測定データと標準データとを比較し、任意の許容範
囲で測定データのピーク位置に対応したピーク位置をも
つ標準データを検索する比較手段 検索された標準データのうち測定データのピーク位
置との間にずれがある標準データを抽出し、該標準デー
タのピーク位置を測定データのピーク位置とほぼ合致す
るように補正する補正手段
【0012】このような構成の本発明によれば、標準デ
ータのピーク位置を測定データのピーク位置とほぼ合致
するように補正するので、該補正された標準データと測
定データとの間の比較分析を容易かつ客観的に行なうこ
とが可能となる。
【0013】上述した構成の本発明において、補正手段
は、補正すべき標準データのピーク位置をシフトさせる
ものとすることができる。このように、あらかじめ算出
されている標準データのピーク位置を、測定データのピ
ーク位置を参照してシフトさせることにより、簡易に測
定データと標準データとをほぼ合致させることが可能と
なる。
【0014】また、補正手段は、補正すべき標準データ
の物質に関し、一定比率で格子面間隔を変えてピーク位
置を演算し直すものとすることができる。このように、
標準データの物質について、一定比率で格子面間隔を変
えてピーク位置を演算し直すことにより、定性分析した
測定データとICDDなどの標準データとの間における
回折角度のずれを小さくすることができる。しかも、定
性分析されていない測定データの区別が明確になる。そ
の結果、一層高精度に標準データと測定データとを比較
分析することができるようになる。
【0015】さらに、補正手段は、補正すべき標準デー
タの物質に関し、格子定数を変えてピーク位置を演算し
直すものとすることができる。このように、標準データ
の物質について、格子定数を変えてピーク位置を演算し
直すことにより、定性分析した測定データとICDDな
どの標準データとの間における回折角度のずれを一層小
さくすることができ、しかも、定性分析されていない測
定データの区別が更に明確になる。その結果、より一層
高精度に標準データと測定データとを比較分析すること
ができるようになる。
【0016】上述したこの発明の定性分析装置は、測定
データと前記補正手段によって補正された標準データと
を出力する出力手段を備えた構成としてもよく、また記
憶手段に記憶してある所要の標準データを、補正手段に
よって補正された標準データに更新するデータ更新手段
を備えた構成とすることもできる。
【0017】また、この発明の試料の定性分析方法は、
試料にX線を照射したとき同試料から出てくる回折X線
の強度および回折角度を測定し、該測定した回折X線の
強度および回折角度に基づき、回折X線のピーク位置に
関する測定データを算出するとともに、該測定データと
各種の物質につき既知となっている回折X線のピーク位
置に関する標準データとを比較し、任意の許容範囲で測
定データのピーク位置に対応したピーク位置をもつ標準
データを検索し、かつ検索された標準データのうち測定
データのピーク位置との間にずれがある標準データを抽
出し、該標準データのピーク位置を測定データのピーク
位置とほぼ合致するように補正することを特徴としてい
る。この発明方法によっても、標準データのピーク位置
を測定データのピーク位置とほぼ合致するように補正す
るので、該補正された標準データと測定データとの間の
比較分析を容易かつ客観的に行なうことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の
実施形態に係る試料の定性分析装置を模式的に示す構成
図であり、図2は同装置の一部を構成する制御ユニット
のブロック図である。図1に示すように、この実施形態
に係る試料の定性分析装置は、X線回折測定ユニット1
および制御ユニット2を備えており、X線回折測定ユニ
ット1は、X線発生器11、ゴニオメータ12、X線検
出器13を含む構成となっている。
【0019】このX線回折測定ユニット1の構造は従来
から周知であり、ゴニオメータ12の回転中心に設けた
試料台に測定対象となる試料Sを装着し、該試料Sの試
料面に対してX線発生器11からθの角度でX線を照射
し、2θの角度に出射する回折X線の強度(I)をX線
検出器13により検出する。ゴニオメータ12は一種の
測角器であり、このゴニオメータ12によってX線の照
射角度(θ)を調整するとともに、回折X線が出射して
くる回折角度(2θ)が検出される。すなわち、X線回
折測定ユニット1は、試料SにX線を照射したとき同試
料Sから出てくる回折X線の強度および回折角度を測定
する回折X線測定手段としての機能を有している。
【0020】制御ユニット2は、図2に示すように、中
央処理部(CPU)21、ROM/RAM22、記憶部
23、X線検出器インタフェース(SC I/O)2
4、ゴニオメータインタフェース25、キーボードイン
タフェース26、表示部インタフェース27、プリンタ
インタフェース28、およびモード切替部29を含んで
いる。
【0021】このうちROM/RAM22は、制御プロ
グラム等を記憶するためのメモリであり、あらかじめこ
のROM/RAM22に格納された制御プログラムに従
って、中央処理部21がX線回折測定ユニット1を制御
するとともに、必要な演算処理などを実行して試料の定
性分析を自動的に行なっていく。
【0022】記憶部23には、試料の定性分析に必要な
各種情報や分析結果などが登録される。試料の定性分析
に必要な各種情報として、例えば、既知の各種物質につ
いての回折X線のピーク位置に関する標準データがあ
る。すなわち、記憶部23は、該標準データの記憶手段
としての機能を有している。この標準データとしては、
例えば、前述したような「ICDDデータ」の内容を登
録してある。
【0023】この実施形態では、標準データとして、縦
軸に回折X線強度(I)、横軸に回折X線の回折角度
(2θ)をとり、回折X線強度Iのピーク位置を回折角
度(2θ)で示す回折図形の形態で表示される。なお、
後述するように、測定データについても、横軸に回折X
線の回折角度(2θ)をとり、回折X線強度(I)のピ
ーク位置を回折角度(2θ)で表示する回折図形の形態
に加工される。
【0024】X線検出器インタフェース24は、前述し
たX線回折測定ユニット1におけるX線検出器13と接
続されており、X線検出器13が検出した回折X線の強
度(I)を入力する。ゴニオメータインタフェース25
は、前述したX線回折測定ユニット1におけるゴニオメ
ータ12と接続されており、中央処理部21からの制御
指令をゴニオメータ12に出力するとともに、ゴニオメ
ータ12から送られてくる回折X線の検出角度(2θ)
を入力する。
【0025】また、キーボードインタフェース26に
は、入力手段としてのキーボード31が接続されてい
る。そして、表示部インターフェース27には、CRT
ディスプレイなどからなる表示部32が接続され、プリ
ンタインタフェース28には、プリンタ33が接続され
る。ここで表示部32およびプリンタ33は、分析結果
を出力するための出力手段として機能している。
【0026】そして、上述した中央処理部21は、X線
回折測定ユニット1で測定された回折X線の強度(I)
および回折角度(2θ)に基づき、回折X線のピーク位
置に関する測定データを算出する演算手段として機能す
るとともに、測定データと標準データとを比較し、任意
の許容範囲で測定データのピーク位置(2θ)に対応し
たピーク位置(2θ)をもつ標準データを検索する比較
手段、および検索された標準データのうち測定データの
ピーク位置(2θ)との間にずれがある標準データを抽
出し、該標準データのピーク位置(2θ)を測定データ
のピーク位置(2θ)とほぼ合致するように補正する補
正手段としての機能を有している。これらの機能は、R
OM/RAM22に格納された制御プログラムに従って
実行される。
【0027】この実施形態では、中央処理部21に補正
手段としての処理を実行させるために、次の三つの補正
モードからなる補正用制御プログラムをあらかじめRO
M/RAM22に格納してある。 補正すべき標準データの各ピーク位置を任意量シフト
させる(シフトモード)。 補正すべき標準データの物質に関し、一定比率で格子
面間隔を変えてピーク位置(2θ)を演算し直す(格子
面間隔演算モード)。 補正すべき標準データの物質に関し、格子定数を変え
てピーク位置(2θ)を演算し直す(格子定数演算モー
ド)。
【0028】これら補正モードの選択は、モード切替部
29によって行なわれる。すなわち、キーボード31の
操作によってモードの選択信号が入力されたとき、モー
ド切替部29がこのモード選択信号を判別し、ROM/
RAM22に格納された補正用制御プログラムの中から
選択された補正モードの補正用制御プログラムを起動さ
せる。
【0029】ここで、シフトモードが選択された場合に
は、比較対象の標準データと測定データとの間のピーク
位置のずれ(2θ)を算出し、該標準データの回折図形
(縦軸I,横軸2θ)における、横軸の回折角度(2
θ)を算出したずれ量だけシフトさせる。
【0030】また、格子面間隔演算モードが選択された
場合には、比較対象に係る標準データに係る物質の格子
面間隔を適宜変更して、ピーク位置(2θ)を再計算す
ることにより、該標準データのピーク位置(2θ)を測
定データのピーク位置(2θ)とほぼ合致するように補
正する。なお、物質の格子面間隔と回折X線強度(I)
のピーク位置(2θ)との間には、次式が成立する。 d=λ/2sin(2θ/θ) (d:格子面間隔、λ:X線回折測定に用いるX線の波
長)
【0031】さらに、格子定数演算モードが選択された
場合には、比較対象に係る標準データに係る物質の格子
定数を適宜変更して、ピーク位置(2θ)を再計算する
ことにより、該標準データのピーク位置(2θ)を測定
データのピーク位置(2θ)とほぼ合致するように補正
する。
【0032】次に、上述した定性分析装置を用いた試料
の定性分析方法の実施形態を説明する。図3は、この発
明の実施形態に係る試料の定性分析方法の手順を示すフ
ローチャート、図4は、図3のフローチャートの流れに
対応する測定データおよび標準データの表示例を示す図
である。まず、試料Sを試料板に充填して、図1に示し
たX線回折測定ユニット1におけるゴニオメータ12の
試料台に装着する。次いで、図3に示すように、X線回
折測定ユニット1を駆動して試料Sに対するX線回折測
定を実施する(S1)。X線回折測定では、試料SにX
線を任意の角度θで照射したとき、同試料Sから2θの
回折角度で出射する回折X線が検出される。
【0033】ここで、回折角度(2θ)は、任意の角度
範囲(例えば、3°≦2θ≦80°)を任意の角度単位
(例えば、0.02°)で測定していく。このX線回折
測定によって得られた回折X線強度(I)の検出データ
は、X線検出器13から制御ユニット2に送られる。ま
た、X線回折測定の回折角度(2θ)に関する走査デー
タは、ゴニオメータ12から制御ユニット2に送られ
る。
【0034】この後、中央処理部21が、入力した回折
X線強度(I)および回折角度(2θ)のデータに基づ
いて、試料Sの回折X線強度(I)と回折角度(2θ)
との関係を、例えば、図4の(a)に示すような回折X
線強度分布図形として求める。
【0035】次に、上述した回折X線強度分布図形(図
4(a))から、中央処理部21が回折X線のピーク位
置を算出し、試料Sの回折X線のピーク位置に関する測
定データを、図4の(b)に示すような回折X線のピー
ク位置(2θ)を示す回折図形の形態で求める(S
2)。
【0036】続いて、中央処理部21が、あらかじめ記
憶部23に記憶してある各種物質に関する標準データを
呼び出し、測定データとの比較を実行する(S3、図4
(c)参照)。通常、試料Sは複数の物質から構成され
ており、測定データにはそれら物質に関する回折X線の
ピーク位置(2θ)がそれぞれ現れている。それらのピ
ーク位置(2θ)の中に一致するものがある標準データ
を、中央処理部21が検出する。
【0037】もっとも、前述したように物質のピーク位
置パターンは、岩石鉱物や固溶体などのように結晶の構
成元素が変わると、その回折X線のピーク位置(2θ)
がシフトしたりする。また、加熱下におけるX線回折測
定では、試料Sの熱膨張によって、試料S中に含まれる
物質のピーク位置(2θ)がシフトすることもある。こ
のように、測定データ中のピーク位置パターンは、種々
の要因によって標準データと合致しない場合が多く、同
一の物質であってもそのピーク位置パターンにずれを生
じていることが一般である。
【0038】そこで、測定データと標準データの比較に
当たっては、任意の許容範囲(例えば、0.1°〜0.
2°)をあらかじめ設定しておき、その許容範囲内でピ
ーク位置がほぼ一致する標準データを検索するようにし
ている。
【0039】次に、検索によって抽出された標準データ
(以下、単に標準データという)のピーク位置と、測定
データのピーク位置とを一致させるための補正を実行す
る(S4)。ここで、測定データを補正の対象とした場
合、全てのピーク位置が補正によって一律にシフトする
結果、補正前に標準データと一致していたピーク位置に
ついては、補正によってずれを生じてしまうことにな
る。したがって、検索した全ての標準データと測定デー
タとを一致させて表示することができないという不都合
が生じる。
【0040】そこで、この発明の実施形態では、標準デ
ータを補正の対象とすることで、各標準データについ
て、測定データと一致させることを可能としている。す
なわち、あらかじめ選択された補正モードにしたがっ
て、中央処理部21が標準データのピーク位置を補正
し、測定データの対応するピーク位置とほぼ合致するよ
うに補正する。
【0041】補正処理の結果、測定データと各標準デー
タとがともに一致する形態の回折図形が得られる。これ
らの回折図形は、中央処理部21からの指令により、表
示部32に同一スケールで出力される(S5、図4の
(d)参照)。検査員は、このように同一スケールで表
示された回折図形を目視検証して、試料Sに含まれる物
質を容易かつ客観的に判別することができる。
【0042】また、中央処理部21に記憶してある標準
データのうち、上記のように補正処理されたものは、中
央処理部21からの指令によって補正後の内容に更新さ
れる。すなわち、中央処理部21は、記憶部23に記憶
してある所要の標準データを、補正された標準データに
更新するデータ更新手段としての機能を有している。
【0043】さらに、キーボード31の操作によって定
性分析結果の印刷指令があったときは、中央処理部21
がプリンタ33へと測定データと各標準データとがとも
に一致する形態の回折図形の情報を出力し、同回折図形
の印刷出力が実行される。一方、補正モードの選択がさ
れなかった場合には、従来どおり、測定データと許容範
囲内で一致する標準データとを、ずれが生じたままの形
態で表示,印刷を実行する(S6)。
【0044】なお、この発明は上述した実施形態に限定
されるものではない。例えば、測定データおよび標準デ
ータのピーク位置は、回折角度(2θ)を格子面間隔
(d)に変換して取り扱うこともできる。この場合は、
X線回折測定ユニットから試料の回折X線強度(I)お
よび回折角度(2θ)を入力した後、中央処理部によっ
て、回折角度(2θ)を格子面間隔(d)に変換するた
めの演算処理が実行される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、標準データのピーク位置を測定データのピーク位置
とほぼ合致するように補正するので、該補正された標準
データと測定データとの間の比較分析を容易かつ客観的
に行なうことが可能となり、客観的で高精度な定性分析
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る試料の定性分析装置
を模式的に示す構成図である。
【図2】同装置の一部を構成する制御ユニットのブロッ
ク図である。
【図3】この発明の実施形態に係る試料の定性分析方法
の手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートの流れに対応する測定デ
ータおよび標準データの表示例を示す図である。
【図5】X線回折法を利用した従来の試料の定性分析手
段を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートの流れに対応する測定デ
ータおよび標準データの表示例を示す図である。
【符号の説明】
1:X線回折測定ユニット 2:制御ユニット 11:X線発生器 12:ゴニオメータ 13:X線検出器 21:中央処理部 22:ROM/RAM 23:記憶部 24:X線検出器インタフェース 25:ゴニオメータインタフェース 26:キーボードインタフェース 27:表示部インタフェース 28:プリンタインタフェース 29:モード切替部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折法を利用した試料の定性分析装
    置であって、 試料にX線を照射したとき同試料から出てくる回折X線
    の強度および回折角度を測定する回折X線測定手段と、 前記回折X線測定手段で測定された回折X線の強度およ
    び回折角度に基づき、回折X線のピーク位置に関する測
    定データを算出する演算手段と、 各種の物質につき回折X線のピーク位置に関する標準デ
    ータを記憶する記憶手段と、 前記測定データと標準データとを比較し、任意の許容範
    囲で前記測定データのピーク位置に対応したピーク位置
    をもつ標準データを検索する比較手段と、 前記検索された標準データのうち測定データのピーク位
    置との間にずれがある標準データを抽出し、該標準デー
    タのピーク位置を測定データのピーク位置とほぼ合致す
    るように補正する補正手段とを備えたことを特徴とする
    試料の定性分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の試料の定性分析装置にお
    いて、 前記補正手段は、補正すべき標準データの各ピーク位置
    をシフトさせるものであることを特徴とする試料の定性
    分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の試料の定性分析装置にお
    いて、 前記補正手段は、補正すべき標準データの物質に関し、
    一定比率で格子面間隔を変えてピーク位置を演算し直す
    ものであることを特徴とする試料の定性分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の試料の定性分析装置にお
    いて、 前記補正手段は、補正すべき標準データの物質に関し、
    格子定数を変えてピーク位置を演算し直すものであるこ
    とを特徴とする試料の定性分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    試料の定性分析装置において、 前記測定データと前記補正手段によって補正された標準
    データとを出力する出力手段を具備することを特徴とす
    る試料の定性分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の
    試料の定性分析装置において、 前記記憶手段に記憶してある所要の標準データを、前記
    補正手段によって補正された標準データに更新するデー
    タ更新手段を具備することを特徴とする試料の定性分析
    装置。
  7. 【請求項7】 試料にX線を照射したとき同試料から出
    てくる回折X線の強度および回折角度を測定し、該測定
    した回折X線の強度および回折角度に基づき、回折X線
    のピーク位置に関する測定データを算出するとともに、 該測定データと各種の物質につき既知となっている回折
    X線のピーク位置に関する標準データとを比較し、任意
    の許容範囲で前記測定データのピーク位置に対応したピ
    ーク位置をもつ標準データを検索し、 かつ検索された標準データのうち測定データのピーク位
    置との間にずれがある標準データを抽出し、該標準デー
    タのピーク位置を測定データのピーク位置とほぼ合致す
    るように補正することを特徴とする試料の定性分析方
    法。
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