JPH1167568A - ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

ボンド磁石の製造方法

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JPH1167568A
JPH1167568A JP9217641A JP21764197A JPH1167568A JP H1167568 A JPH1167568 A JP H1167568A JP 9217641 A JP9217641 A JP 9217641A JP 21764197 A JP21764197 A JP 21764197A JP H1167568 A JPH1167568 A JP H1167568A
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JP
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magnetic field
powder
magnetic
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pulse
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JP9217641A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Hashimasa
好行 橋正
Masakazu Okita
雅一 大北
Nobutsugu Mino
修嗣 三野
Naoyuki Ishigaki
尚幸 石垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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    • H01—ELECTRIC ELEMENTS
    • H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
    • H01F41/0273—Imparting anisotropy

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  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時間を長くせずに、磁気異方性磁粉の配
向度が向上した磁気特性に優れたボンド磁石を製造す
る。 【解決手段】 磁気異方性の磁性粉末を熱硬化性樹脂で
被覆した原料粉末を金型に充填し、好ましくは熱硬化樹
脂が溶融するように加熱してから、磁場方向が交互に反
転するパルス磁場を複数回印加し、次いで静磁場を印加
しながらプレス成形を行い、静磁場の方向を、静磁場を
印加する直前のパルス磁場の方向と一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場中プレス成形
による磁気異方性ボンド磁石の製造方法に関し、磁気異
方性磁性粉末の配向度が向上し、従って磁気特性が改善
されたボンド磁石の製造が可能な方法を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】磁性粉末 (以下、磁粉ともいう) を樹脂
で結合したボンド磁石は、磁粉を焼結して製造される従
来の焼結磁石に比べ、磁性を発現しない樹脂分を含むた
め磁気特性はやや劣る。しかし、焼結による収縮がない
ため寸法精度が良く、種々の形状の磁石が簡単に得られ
る上、焼結磁石の硬くて脆く、欠け易いという欠点が解
消され、耐薬品性や耐候性にも優れている。そのため、
ボンド磁石は一般家庭の各種電気製品から大型コンピュ
ーターの周辺端末機器に至るまで広く応用されており、
特にスピンドルモーター、ステッピングモーター等の小
型モーターに近年多く用いられている。
【0003】ボンド磁石は、永久磁石材料となるハード
フェライトや希土類合金などの磁粉を、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹
脂、またはポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂などの熱可塑性樹脂をバイ
ンダーとして成形することにより製造される。
【0004】成形方法としては、射出成形、押出成形、
プレス成形などが可能である。このうち、射出成形と押
出成形は、高い流動性が必要なため、バインダーには一
般に熱可塑性樹脂が使用される。成形温度はバインダー
の種類により異なるが、ポリプロピレン樹脂の場合で 2
00〜300 ℃、ポリアミド樹脂の場合では 250〜300 ℃と
高くなる。
【0005】プレス成形 (圧縮成形、加圧成形ともい
う) には、主に熱硬化性樹脂がバインダーとして用いら
れる。通常、予め磁粉とバインダーとを複合化させた原
料粉末(「コンパウンド」と呼ばれる) を作製し、それ
を金型内に投入して、パンチで加圧することによりプレ
ス成形を行う。得られた成形体 (圧粉体とも呼ばれる)
を次いで加熱して、バインダーの熱硬化性樹脂を硬化さ
せる。
【0006】ボンド磁石の最終強度はこの熱硬化時に付
与されるので、硬化前の成形体の強度は、加熱設備への
搬入に必要なハンドリングが可能な程度であればよい。
そのため、プレス成形の温度は通常は室温である。プレ
ス成形は、射出および押出成形に比べ、樹脂量が少なく
てすみ、従って磁粉の充填率が大きくなるので、より優
れた磁気特性を持つボンド磁石の製造が可能である。
【0007】磁粉それ自体の磁気特性向上についても研
究が進み、Sm2Co17 合金系やNd−Fe−B合金系の磁粉で
は、従来のどの方向に磁化しても同じ磁気特性を示す等
方性の磁粉に比べてより優れた磁気特性を示すことがで
きる、磁気異方性の磁粉が開発されている。
【0008】この異方性の磁粉は、或る一定方向 (磁化
容易方向) にのみ磁気特性が極めて高いので、樹脂で結
合する際に磁粉の磁化容易方向が揃うように、成形を磁
場の作用下に行う。通常は、成形に用いる金型に、磁気
回路を形成するための磁場コイルなどを付設して、粉末
に磁場を作用させることにより粉末を回転させ、異方性
磁粉の磁化容易方向を磁場の方向に揃える (即ち、粉末
を配向させる) 。
【0009】磁粉が同じである場合、ボンド磁石の磁気
特性を向上させるには、磁粉の充填率を高めることと、
異方性磁粉の場合にはその磁気配向度 (磁化容易方向が
揃っている磁粉の割合) を高めることが有効であり、そ
のための工夫が従来より数多く提案されている。
【0010】例えば、バインダーの熱硬化性樹脂の流動
性を高めるためプレス成形を加熱下に実施すると、磁粉
の充填率が高くなることが特開平1−205403号公報およ
び特開平2−116104号公報に記載されている。
【0011】一方、磁気配向度の向上についても、磁場
の印加方法により磁気配向度を向上させる手段がいくつ
か提案されている。例えば、特開昭62−262413号公報に
は、配向磁場として0.5 秒以下のパルス磁場のみを使用
する方法が記載されている。
【0012】特開昭63−120407号公報には、コンパウン
ドを予め磁化した後、磁場プレス成型機に供給し、静磁
場中で磁場配向プレス成形する方法が開示されている。
また、特開昭60−88418 号公報、特開昭60−10277 号公
報、特開平4−112504号公報には、配向磁場として静磁
場とパルス磁場とを併用するさまざまな方法が提案され
ている。
【0013】特開平8−31677 号各公報には、異方性磁
粉と熱硬化性樹脂粉末とを主成分とする原料粉末を温度
と磁界を制御できる金型に充填し、加熱して樹脂が溶融
状態になってから磁界を印加して磁粉を配向させつつ、
次いで加圧して圧縮成形を行う方法が開示されている。
【0014】特開昭63−153806号公報、特開平1−2455
03号公報、特開平4−28207 号公報には、配向磁場とし
て正逆交番の静磁場を印加する方法が提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ボンド磁石の磁場配向
プレス成形において実際に採用されている主流は、配向
磁場として静磁場を使用する方法である。しかし、配向
磁場が静磁場のみでは、異方性磁粉の配向度を増大させ
るために配向磁場強度を大きくすると、コイルの巻き数
が増大し、コイルを付設した金型が大型化する。さら
に、巻き数の多いコイルに大電流を流すので、コイルに
は加熱を防ぐための大型の冷却装置が必要になる。その
ため、設備全体が大型化し、一台のプレス装置で多数個
取りできるような装置の実現は難しい。また、大電流を
持続して流すため電力消費が多く、コストが高くなると
いう問題もある。
【0016】特開昭62−262413号公報に提案のように、
配向磁場としてパルス磁場のみを使用する方法では、パ
ルス磁場の持続時間が通常は数ミリ秒と短く、パルス電
流を発生させるための充電時間に数秒かかることから、
加圧成形中の短い時間しか配向磁場を作用させることが
できない。さらに、パルス磁場を付与するタイミングが
配向度に大きく影響する。以上より、異方性磁粉の配向
性を十分に向上させることができない。
【0017】特開昭63−120407号公報に記載のコンパウ
ンドを予め磁化した後、静磁場中で磁場配向プレス成形
する方法では、金型に供給する前に磁化させたコンパウ
ンドが磁力により凝集し易く、金型への給粉性が低下す
るため、充填量のバラツキが生じ易く、その結果、生産
性が低下する。
【0018】特開昭60−88418 号公報に記載の方法で
は、高パルス磁場で予め磁粉を着磁させた後、静磁場中
で着磁方向とは異なる方向に配向させながらプレス成形
を行う。この方法は、希土類合金系の異方性磁粉が一般
に不規則形状であるため、プレス成形中に磁粉が回転し
にくく、高配向化することは困難である。
【0019】特開昭60−10277 号公報には、パルス磁場
を印加した後、永久磁石による静磁場を用いて磁粉の配
向方向を保持しておいてプレス成形する方法が開示され
ている。コイルを用いて配向磁場を発生させる方法を取
れば、プレス成形終了直前に電流を反対方向に流し、成
形体を脱磁することができるが、永久磁石を用いる方法
ではこの脱磁ができないため、成形後の成形体の取り扱
いが困難である。
【0020】特開平4−112504号公報には、コンパウン
ドをコイル静磁場中で加圧成形する際に、上パンチによ
る加圧圧縮を複数回に分けて行い、それぞれの加圧圧縮
時にパルス磁場を重畳させて印加する方法が提示されて
いる。この方法は、圧縮回数が多いほど磁気特性が向上
するものの、成形時間が長くなる。また、パルス磁場を
印加するタイミングが成形体の配向度に及ぼす影響が大
きい上、加圧力が増す2回目や3回目のパルス磁場は配
向度の向上に有効に作用しない。
【0021】特開平8−31677 号公報に記載の方法は、
加熱下で磁場配向プレス成形を行うため、プレス成形時
に樹脂が軟化・溶融し、磁粉が動き易くなる。そのた
め、磁粉の充填率と配向度が向上し、磁気特性に優れた
磁気異方性ボンド磁石が得られると説明されている。し
かし、本発明者らが検討した結果、この方法でも異方性
磁粉の配向度は十分に向上せず、なお改良の余地がある
ことが判明した。
【0022】配向磁場として正逆交番の静磁場を印加す
る方法は、磁場が静磁場であるため、先に述べたよう
に、異方性磁粉の配向性を上昇するために磁場強度を大
きくするとコイルの巻き数が増大し、金型が大型化し、
1台のプレス成形装置で多数個取りできるような装置の
実現は難しい上、エネルギーコストも高くなる。また、
飽和磁化が高い磁気異方性磁粉では磁粉が充分に磁化さ
れず、配向度が十分に向上しない。
【0023】本発明は、成形時間を長くせずに、磁気異
方性磁粉の磁場配向プレス成形における磁粉の配向度を
さらに向上させることができ、それにより磁気特性がよ
り向上した磁気異方性ボンド磁石を製造することが可能
な方法を開発することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、短い成形
時間で磁気異方性磁粉の配向度が向上する効率の良い配
向磁場条件と成形条件について鋭意検討した結果、磁場
方向が交互に反転するパルス磁場 (以下、反転パルス磁
場ともいう) を複数回印加すると異方性磁粉の配向度が
大きく向上すること、この向上した配向度をその後に静
磁場を印加して保持しながらプレス成形を行うことによ
り、配向度が著しく向上し、従って磁気特性に優れたボ
ンド磁石を製造できることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0025】ここに、本発明は、磁気異方性の磁性粉末
と熱硬化性樹脂とからなる原料粉末を金型に充填し、磁
場中でプレス成形した後、成形体を加熱して樹脂を硬化
させることからなるボンド磁石の製造方法であって、金
型に充填した原料粉末を、まず磁場方向が交互に反転す
るパルス磁場を複数回印加した後、静磁場を印加しなが
らプレス成形を行い、その際に静磁場の方向と、静磁場
を印加する直前のパルス磁場の方向が同じであることを
特徴とする、ボンド磁石の製造方法である。
【0026】好適態様にあっては、金型に充填した原料
粉末を、該熱硬化性樹脂の溶融温度以上に加熱した状態
で、パルス磁場の印加および静磁場の印加下でのプレス
成形を行う。
【0027】本発明の方法により配向度が著しく向上し
たボンド磁石が製造できる理由としては、次のように考
えられる。磁場強度の大きいパルス磁場を印加すること
で飽和磁化の大きい磁気異方性磁粉が大きく磁化される
とともに、このパルス磁場の方向を交互に反転させて複
数回印加することで、特に不規則形状を有する磁気異方
性磁粉にもパルス磁場による回転トルクが有効に作用
し、配向度が向上する。そして、最後のパルス磁場方向
と同一方向の静磁場を印加しながらプレス成形を行うこ
とにより、パルス磁場により得られた高い磁粉の配向度
がプレス成形中も保持されるため、配向度の著しい向上
が得られる。さらに、上記の磁場配向をコンパウンドの
樹脂の溶融温度以上の温間で実施すると、樹脂の溶融に
より磁性粉末間の摩擦力が低減し、パルス磁場による磁
気力による回転トルクが磁気異方性磁粉の配向により有
効に作用し、配向度の一層の向上が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明のボンド磁石の製造方法に
用いる原料粉末は、従来のプレス成形用のコンパウンド
と同様に、磁粉とバインダーの熱硬化性樹脂とからな
る。原料粉末は、磁粉と熱硬化性樹脂粉末との混合物で
もよいが、磁粉を熱硬化性樹脂で被覆したものの方が樹
脂が磁粉に対してより均一に分布しているため好まし
い。熱硬化性樹脂による磁粉の被覆は、押出機等を用い
て熱硬化性樹脂をその溶融温度以上で硬化温度より低温
にて磁粉と溶融混練するか、または熱硬化性樹脂の溶液
を磁粉と混合した後、溶媒を蒸発させるといった慣用法
により実施できる。
【0029】磁粉は磁気異方性のものを利用する。磁粉
の種類は特に制限されないが、通常はSm2Co17 系、Sm−
Fe−N系、Nd−Fe−B系等の希土類合金からなる。磁気
異方性磁粉は、急冷凝固法により製造した磁粉を熱間静
水圧プレスし、成形体を塑性加工後に粉砕する方法、水
素処理 (HDDR) 法などの従来法により製造したものでよ
い。希土類合金系の磁気異方性の磁粉は一般に不規則形
状の粉末であるため、配向度が低くなるが、本発明はこ
のような粉末に適用した時に配向度の向上効果が大き
い。好ましい磁粉は、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系など
を含む希土類鉄系合金の粉末である。
【0030】粉末の粒度も広範囲に適用可能であるが、
平均粒径が 0.5〜350 μmの範囲内が好適である。0.5
μm未満であると外部配向磁場により磁粉に作用する回
転トルクが小さく、磁気特性が低下し、350 μmを越え
ると、磁石中の空孔サイズが大きくなり、表面処理に対
して問題になる。より好ましい粒度範囲は、38μm以
上、300 μm未満である。
【0031】バインダーとして用いる熱硬化性樹脂も特
に制限されず、従来よりボンド磁石に使用されてきたエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラ
ミン樹脂などが使用できる。樹脂の常温での性状は液状
でも固形でもよいが、金型への投入のしやすさからは固
形が望ましい。さらに固形樹脂の溶融温度が45℃〜90℃
の範囲であることが望ましい。
【0032】溶融温度が45℃未満であると、連続的にプ
レス成形を行う場合、パンチと金型および/または粉末
と金型との摩擦熱により金型温度が上昇する可能性があ
るため、金型への投入時に原料粉末が付着しやすく、投
入しづらくなる。逆に溶融温度が90℃を越えると、樹脂
が溶融するまで金型内の原料粉末を加熱するのに時間を
要するため、生産性が低下する。
【0033】磁粉に対するバインダー (熱硬化性樹脂)
の混合比率は1〜20wt%とするのが好ましい。この混合
比率が1wt%未満では、成形されたボンド磁石内の磁粉
間の結合が不十分となり、成形性が悪く、得られた成形
体と最終的に得られるボンド磁石の機械的強度が著しく
低下する。一方、バインダーの混合比率が20wt%を越え
ると、磁粉の割合が低下し、磁気特性が著しく低下す
る。磁粉をバインダー樹脂で被覆する場合には、バイン
ダーの好ましい混合比率は2wt%以上、10wt%以下であ
り、より好ましくは2wt%以上、5wt%以下である。
【0034】原料粉末には、熱硬化性樹脂と磁粉の他
に、必要に応じて、カップリング剤、潤滑剤等の従来よ
り用いられてきた各種の添加剤を少量であれば添加でき
る。また、熱硬化性樹脂による被覆を異なる樹脂で2層
以上施すこともできる。
【0035】この原料粉末を金型に給粉して磁場中プレ
ス成形を行う。本発明では、磁場配向を反転パルス磁場
を印加した後、静磁場中でプレス成形を行う。また、プ
レス成形温度は、常温でもよいが、好ましくはバインダ
ーの熱硬化性樹脂が溶融する温間で行う。バインダーの
溶融により磁粉間の摩擦力が低下するので、配向磁場に
より磁粉に作用する回転トルクが配向により有効に作用
し、異方性磁粉の配向度が著しく向上した成形体が得ら
れる。
【0036】従って、使用するプレス成形機は、電磁石
等のパルス磁場および静磁場の印加手段と、好ましくは
金型の加熱手段とを備えている。パルス磁場は、静磁場
発生用と同じコイルを利用して印加することもできる
が、発生可能なパルス磁場強度が制限されるので、静磁
場発生用の電磁石とは別に、パルス磁場発生用空心コイ
ルを設置することが好ましい。
【0037】温間プレス成形する場合の加熱温度 (原料
粉末の加熱は金型を通じて行われるので、実際には金型
の加熱温度) は、原料粉末に用いた熱硬化性樹脂の溶融
温度以上とすることが好ましい。もちろん、この温度は
この熱硬化性樹脂の硬化温度以上に高くしてはならな
い。好ましい加熱温度は、熱硬化性樹脂の溶融温度以上
で、溶融温度+50℃以下、より好ましくは溶融温度+30
℃以下、特に好ましくは溶融温度+20℃以下である。
【0038】配向磁場の強さは、静磁場は好ましくは8
kOe 以上、より好ましくは10 kOe以上であり、パルス磁
場は好ましくは10 kOe以上、より好ましくは25 kOe以上
である。静磁場が8kOe 未満、またはパルス磁場が10 k
Oe未満であると、得られたボンド磁石の配向度がかなり
低下する。配向磁場の強さの上限は特に限定されず、磁
場が強いほど磁粉の配向度が向上する傾向があるが、上
記のより好ましい磁場の強さを超えた場合の配向度の向
上はそれほど大きくない。磁場強さを過大にするとエネ
ルギーコストや装置が大型化するので、通常は静磁場で
15 kOe以下、パルス磁場で40 kOe以下、特に35 kOe以下
で十分である。パルス磁場の1波形の時間 (パルス時
間) は、好ましくは1マイクロ秒〜1秒、より好ましく
は5マイクロ秒〜100 ミリ秒である。
【0039】プレス成形は、従来と同様に、下パンチで
底面が形成された金型キャビティ内に原料粉末を給粉
し、上パンチを押し下げて加圧することにより実施で
き。加圧力は特に制限されず、従来と同様でよいが、好
ましくは8〜10 ton/cm2、より好ましくは6〜8ton/cm
2 の範囲内である。加圧保持時間は通常は1〜3秒程度
で十分である。
【0040】金型キャビティに充填した原料粉末を上記
のように加圧する前に、まず反転パルス磁場を複数回印
加する。特に不規則形状の磁気異方性の磁粉は静磁場で
は回転しにくく、従来は配向度を十分に高くすることが
困難であった。本発明により高い磁場強度のパルス磁場
を磁場方向を交互に反転させて複数回印加することによ
り、同一方向のパルス磁場を複数回印加するよりも、こ
のような不規則形状の磁気異方性磁粉が配向しやすくな
る。反転パルス磁場の印加回数は2回以上であれば制限
されないが、通常は2〜5回、特に2〜4回で十分であ
る。印加回数をそれ以上増やしても、配向度の向上効果
は飽和し、成形時間が長くなる。
【0041】この反転パルス磁場の印加は、金型キャビ
ティ内の磁粉をごく軽く加圧してから実施してもよい。
この軽加圧の目安は、充填された磁粉の嵩密度 (金型の
キャビティ内に充填されている樹脂被覆磁粉の重量を金
型キャビティの体積で除した値) が、タッピングで得ら
れる最大嵩密度 (タップ密度) の85%以下にとどまる程
度である。それ以上に加圧してから反転パルス磁場を印
加しても、磁粉の周囲の空隙が少ないため、磁粉が回転
しにくくなり、反転パルス磁場による配向度の向上効果
が小さくなる。
【0042】その後、静磁場を印加しながら、上パンチ
を押出下げて金型キャビティ内の原料粉末をプレス成形
する。静磁場の方向は複数回の反転パルス磁場の最後の
パルス磁場の方向と同一にする。反転パルス磁場の初回
の磁場方向を静磁場方向と同方向にした場合、反転パル
ス磁場の印加回数が奇数であれば、その最後のパルス磁
場方向が静磁場の方向と同じになり、偶数であれば最後
のパルス磁場方向が静磁場方向と逆向きになる。逆に、
反転パルス磁場の初回の磁場方向が静磁場方向と逆方向
であった場合には、反転パルス磁場の印加回数が偶数で
あれば、その最後のパルス磁場方向が静磁場方向と同じ
になり、奇数であれば最後のパルス磁場方向が静磁場の
方向と逆向きになる。
【0043】静磁場の方向が複数回の反転パルス磁場の
最後のパルス磁場方向と逆方向になると、反転パルス磁
場の印加により付与されて磁粉の高度の配向性が、プレ
ス成形中の圧下による磁粉の回転/移動による乱れに加
えて、逆向きの静磁場によっても乱され、成形体の磁粉
の配向度が低下し、最終的にボンド磁石の磁気特性が低
下する。
【0044】これに対し、静磁場方向を反転パルス磁場
の最後のパルス磁場方向と同一にすると、複数回の反転
パルス磁場で付与された高度の磁粉の配向性を静磁場が
保持するように作用し、プレス成形中の圧下による磁粉
の回転/移動により乱れが静磁場により妨げられるた
め、高度に異方性磁粉が配向した成形体が得られ、最終
的に高い磁気特性のボンド磁石が製造される。静磁場は
この磁性粉末の配向状態を維持するために、プレス成形
中、特にその加圧中はずっと印加しておくことが好まし
い。
【0045】プレス成形中に、静磁場と同一方向のパル
ス磁場を静磁場に重畳させるように印加してもよい。こ
のパルス磁場はやはり、静磁場より強度が大きいのでプ
レス成形中の配向度の低下を防止する作用をする。この
パルス磁場の強度は、反転パルス磁場の強度と同様でよ
い。
【0046】プレス成形後、好ましくは適当な冷却手段
により金型内の成形体を樹脂の溶融温度より低温に冷却
し、静磁場発生用の磁場コイルに配向方向 (静磁場の方
向)と逆向きの電流を流して脱磁し、金型を加熱した場
合には、冷却後に成形体を脱型する。
【0047】プレス成形で得られた成形体は、従来と同
様に、適当な加熱炉に移してバインダーの熱硬化性樹脂
の硬化に必要な温度に加熱すると、磁粉が熱硬化性樹脂
で結合されたボンド磁石が得られる。その後、必要に応
じて、機械加工、表面処理等の処理を施してもよい。
【0048】
【実施例】水素処理法で得た不規則形状の磁気異方性Nd
−Fe−B系磁粉 (平均粒径150 μm) に、バインダーと
して磁粉重量に対して3wt%のエポキシ樹脂 (硬化剤と
硬化促進剤を含有、溶融温度60℃) を混合し、60℃で溶
融混練して、磁粉がエポキシ樹脂で被覆された原料粉末
(コンパウンド) を得た。
【0049】この原料粉末を、磁場中プレス成形機を用
いて、断面積が9×11mmの成形体を得るようにプレス成
形した。このプレス成形機は、温度調節装置を取り付け
た金型を備えており、金型温度を一定に保持できる。さ
らに、金型には、圧下方向に垂直な方向 (横磁場) の静
磁場および/またはパルス磁場を印加できる磁化コイル
も付設されている。
【0050】原料粉末を20℃または80℃に保持された金
型内に投入した後、80℃の場合には原料粉末の樹脂が溶
融したことを確認してから、25 kOeの反転パルス磁場を
所定回数印加し、次いで10 kOeの静磁場を配向磁場とし
て印加しながらプレス成形を行った (加圧力6ton/cm
2 、加圧保持時間1秒) 。なお、後述するの方法を除
いて、反転パルス磁場の初回のパルス磁場の方向を静磁
場の方向と同一にした。従って、反転パルス磁場の印加
回数が奇数であると、最後のパルス磁場の方向が静磁場
方向と同じになり、偶数では最後のパルス磁場方向は静
磁場方向と逆向きになった。の方法では、逆に反転パ
ルス磁場の初回のパルス磁場の方向を静磁場の方向と反
対にしたので、反転パルス磁場の印加回数が偶数の時
に、最後のパルス磁場の方向が静磁場方向と同じにな
る。
【0051】その後、静磁場発生用コイルに逆向きの電
流を流して脱磁させ、金型温度が80℃の場合には温度調
節装置により金型を冷却してから、脱型して成形体を得
た。この成形体をArガス雰囲気中で120 ℃に60分間加熱
してバインダーを硬化させ、ボンド磁石を得た。
【0052】従来例として、プレス成形前の反転パルス
磁場の印加を行わずに、静磁場(10kOe)のみを、または
静磁場の方向を交互に反転させた反転静磁場(10 kOe)を
印加しながらプレス成形を行った。
【0053】比較例として、静磁場の方向と同一方向に
(パルス方向を反転させずに) パルス磁場を複数回印加
した後、静磁場(10 kOe)を配向磁場として印加しながら
プレス成形してボンド磁石を作製した。
【0054】得られたボンド磁石について、下記の方法
により、磁気特性を測定した。試験結果も表1に併せて
示す。
【0055】(1) 磁気特性 得られたボンド磁石の磁気特性を、BHトレーサーによ
り測定した。また、原料磁粉のVSM測定を行い、成形
体残留磁束密度と原料磁粉の残留磁束密度との比により
配向度を以下の計算式で算出した。
【0056】(ボンド磁石の配向度) = B/B0 /Vf B:ボンド磁石のBr(kG) B0 :原料磁粉のBr(kG) (=12.3) Vf :磁粉の体積充填率 Vf =D×Xm /Dm D:ボンド磁石密度(g/cm3) Xm :磁粉重量分率 (=0.97) Dm :磁粉密度 (=7.6 g/cm3)
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかなように、表1におよび
として示す本発明の方法によれば、20℃の常温プレス
成形の場合で92〜93%、80℃の温間プレス成形では実に
95%から98.5%前後という、従来にない非常に高い配向
度を持ったボンド磁石が得られた。反転パルス磁場の印
加回数は2回でも効果があるが、3回にした方が特に温
間プレスの場合の配向度向上効果が大きい。この回数を
5回に増やしても配向度の向上は小さいので、3〜4回
で十分である。
【0059】これに対し、反転パルス磁場を同様に印加
しても、最後のパルス磁場の方向が静磁場の方向と逆向
きになるの方法では、プレス成形中に静磁場だけを印
加したの方法に比べて、配向度がほとんど向上しなか
った。また、静磁場を反転させるの方法も、に比べ
た配向度の向上効果はほとんどなかった。で反転磁場
の印加回数が1回の例は、磁場中プレス成形前に、静磁
場と同方向にパルス磁場を1回だけ印加した場合であ
る。この場合、配向度の向上効果はあるものの、その効
果は反転磁場を複数回印加する本発明の方法に比べる
と、効果が小さかった。
【0060】また、静磁場と同一方向のパルス磁場を複
数回印加した後に静磁場中でプレス成形するの方法
も、に比べれば配向度の向上効果はあるが、このパル
ス磁場を1回だけ印加した場合 (即ち、でパルス磁場
の印加回数が1回の場合) との効果が同程度であった。
即ち、パルス磁場が同一方向であると、印加回数を1回
から複数回に増やしても、配向度の向上はほとんど得ら
れない。静磁場プレス成形中に反転パルス磁場を複数回
印加したの方法は、の方法より配向度が低く、静磁
場プレス成形中の反転パルス磁場の印加は、静磁場中で
の配向にかえって悪影響があることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明により、次のような効果を得るこ
とができる。
【0062】(1) 従来にない高い配向度を持った磁気異
方性のボンド磁石を製造でき、特にプレス成形を温間で
行うと、配向度は98%以上に達する。また、磁粉を熱硬
化性樹脂で被覆した原料粉末をプレス成形することで、
磁粉の充填率も高まる。これらの効果があいまって、磁
気異方性の磁粉の高い磁気特性を十分にいかした、磁気
特性に非常に優れたボンド磁石を得ることができる。
【0063】(2) 加圧中に上パンチを止めてパルス磁場
を印加する必要がなく、金型内部で磁粉を充分に磁化配
向させてからプレス成形するので、パンチ速度を増大さ
せることができ、さらに金型内部で成形体を脱磁できる
ので、プレス成形の時間が短縮でき、生産性が改善され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三野 修嗣 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 石垣 尚幸 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気異方性の磁性粉末と熱硬化性樹脂と
    からなる原料粉末を金型に充填し、磁場中でプレス成形
    した後、成形体を加熱して樹脂を硬化させることからな
    るボンド磁石の製造方法であって、金型に充填した原料
    粉末を、まず磁場方向が交互に反転するパルス磁場を複
    数回印加した後、静磁場を印加しながらプレス成形を行
    い、その際に静磁場の方向と、静磁場を印加する直前の
    パルス磁場の方向が同じであることを特徴とする、ボン
    ド磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 金型に充填した原料粉末を、該熱硬化性
    樹脂の溶融温度以上に加熱した状態で、パルス磁場の印
    加および静磁場の印加下でのプレス成形を行う、請求項
    1記載のボンド磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 磁気異方性の磁性粉末が希土類鉄系合金
    の粉末である、請求項1または2記載のボンド磁石の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008258460A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Uchiyama Mfg Corp 磁気エンコーダ用環状樹脂磁石の製造方法
JP2021129064A (ja) * 2020-02-17 2021-09-02 昭和電工マテリアルズ株式会社 希土類ボンド磁石成形体の製造方法
CN115010478A (zh) * 2022-07-06 2022-09-06 横店集团东磁股份有限公司 一种异性干压铁氧体及其制备方法

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CN115010478B (zh) * 2022-07-06 2023-09-26 横店集团东磁股份有限公司 一种异性干压铁氧体及其制备方法

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