JPH1169868A - 同期電動機の制御方法及び制御装置 - Google Patents

同期電動機の制御方法及び制御装置

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JPH1169868A
JPH1169868A JP9226071A JP22607197A JPH1169868A JP H1169868 A JPH1169868 A JP H1169868A JP 9226071 A JP9226071 A JP 9226071A JP 22607197 A JP22607197 A JP 22607197A JP H1169868 A JPH1169868 A JP H1169868A
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JP
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armature
synchronous motor
inverter
winding
voltage
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JP9226071A
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English (en)
Inventor
Yukio Shiozaki
幸夫 塩崎
Masashi Sakata
昌司 坂田
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FUJII SEIMITSU KAITENKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
FUJII SEIMITSU KAITENKI SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同期電動機のロータの回転角度位置を検出する
ための位置検出器を用いることなく、同期電動機を制御
して円滑に運転することのできる制御方法及び装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 インバータ11により駆動される同期電
動機MRをフィードバックループ10によって制御する
同期電動機の制御装置1であって、フィードバックルー
プには、同期電動機の各電機子捲線CFu,CFv,C
Fwの誘起電圧を合成した電圧波形V3sを検出するた
めのセンサー捲線CSと、同期電動機の電機子捲線に流
れる電機子電流Iaを検出する電機子電流検出手段1
8,19と、電機子電流のゼロクロスタイミングがセン
サー捲線の出力する電圧波形の各サイクルにおけるゼロ
クロスタイミングに一致するようにインバータを制御す
るインバータ制御手段12とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータにより
駆動される同期電動機をフィードバックループによって
制御する同期電動機の制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、同期電動機をインバータで駆動す
る際には、ロータの回転始動を円滑に行うために、また
脱調を防止するために、同期電動機にロータの回転位置
を検出する位置検出器を設け、位置検出器によって得ら
れたロータの角度位置信号に基づいてインバータの出力
を制御する制御方法が用いられる。
【0003】位置検出器として、ロータに設けられた永
久磁石の磁界を検出するホール素子が一般によく用いら
れる。このように運転制御される同期電動機又は運転制
御方法は「ホールモータ」「DCブラシレスモータ」
「DCブラシレスモータシステム」などと呼称される。
【0004】図12は従来の制御方法による同期電動機
の制御装置80を示すブロック図である。図12におい
て、制御装置80は、インバータ81、電流制御部8
2、速度制御部83、位置信号合成部84、速度信号合
成部85、直流電源86、及び電流検出器SECなどか
らなる。
【0005】同期電動機MRjには位置検出器SERが
設けられている。位置検出器SERとして例えばロータ
リエンコーダが用いられ、ロータの所定の回転角度毎に
2相のパルス信号Sa,Sbを出力し、1回転毎に原点
信号Szを出力する。
【0006】インバータ81は、電圧形電流制御方式の
3相PWMインバータであり、直流電源86から供給さ
れる直流電力を電流制御部82からの制御信号に基づい
てPWM制御し、同期電動機MRjのU相,V相,W相
の各電機子捲線に流れる電機子電流(負荷電流)IL
制御する。電流検出器SECは、同期電動機MRjの電
機子電流IL を検出する。検出された電機子電流IL
電流フィードバック信号として電流制御部82に入力さ
れる。
【0007】速度信号合成部85は、位置検出器SER
からの出力信号Sa,Sb,Szに基づいて速度フィー
ドバックのための信号VVBを生成し、速度制御部83に
出力する。位置信号合成部84は、位置検出器SERか
らの出力信号Sa,Sb,Szに基づいて位置信号VPB
を生成し、電流制御部82に出力する。
【0008】速度制御部83では、速度指令信号VCS
信号VVBとに基づいて、速度指令信号IS を出力する。
電流制御部82は、速度指令信号IS 、位置信号VPB
及び電機子電流IL の各信号に基づいて、インバータ8
1を制御するための制御信号を生成する。
【0009】制御装置80においては、電機子電流IL
の大きさ及び位相を制御し、電機子電流IL と誘導起電
力Eaaとのベクトルの角度を零にすることによって、
力率角とトルク角とを常に一致させた状態で運転するこ
とが可能である。また、必要に応じて進み位相又は遅れ
位相で運転することも可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同期電動機M
Rjを力率角とトルク角とを一致させて運転するには、
電機子電流IL と誘導起電力Eaaとの角度(位相差)
を零にするために位置信号VPBを高精度で生成する必要
がある。そのためには、位置検出器SERに精度の高い
ものを用いて、信号Sa,Sb,Szを高精度で検出す
る必要がある。位置検出器SERの精度がよくなけれ
ば、制御の精度が低下して位相差が大きくなり、全体の
効率及びトルクが低下する。
【0011】したがって、従来の制御方法では、効率及
びトルクを良好に維持するために位置検出器SERのコ
ストが高くなり、同期電動機MRjを含めた制御装置8
0が高価になるという問題があった。
【0012】また、位置検出器SERは、温度や振動に
対して弱く位置検出器SERの信頼性の確保が容易でな
いこと、電流の補正演算が必要な場合があるなど、位置
検出器SERを設けることにともなう種々の問題があっ
た。
【0013】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、同期電動機のロータの回転角度位置を検出するた
めの位置検出器を用いることなく、同期電動機を制御し
て円滑に運転することのできる制御方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、インバータ11により駆動される同期電動機MR
をフィードバックループ10によって制御する同期電動
機MRの制御方法であって、前記フィードバックループ
10は、前記同期電動機MRの電機子捲線CFに流れる
電機子電流IaのゼロクロスタイミングZT1が前記同
期電動機MRの各電機子捲線CFの誘起電圧Vsu,V
sv,Vswを合成したときに得られる電圧波形V3s
のゼロクロスタイミングZT2に一致するように、前記
インバータ11を制御する。
【0015】請求項2の発明に係る方法は、インバータ
11により駆動される同期電動機MRをフィードバック
ループ10によって制御する同期電動機MRの制御方法
であって、前記同期電動機MRに、前記同期電動機MR
の各電機子捲線CFの誘起電圧Vsu,Vsv,Vsw
を合成した電圧波形V3sを検出するためのセンサー捲
線CSを設けておき、前記フィードバックループ10に
よって、前記同期電動機MRの電機子捲線CFに流れる
電機子電流IaのゼロクロスタイミングZT1が、前記
センサー捲線CSにより検出される電機子横軸誘起電圧
Eqの第3次高調波成分V3sのゼロクロスタイミング
ZT2に一致するように、前記インバータ11を制御す
る。
【0016】請求項3の発明に係る装置は、インバータ
11により駆動される同期電動機MRをフィードバック
ループ10によって制御する同期電動機MRの制御装置
であって、前記同期電動機MRには、前記同期電動機M
Rの各電機子捲線CFの誘起電圧Vsu,Vsv,Vs
wを合成した電圧波形V3sを検出するためのセンサー
捲線CSが設けられ、前記フィードバックループ10に
は、前記同期電動機MRの電機子捲線CFに流れる電機
子電流Iaを検出する電機子電流検出手段18,19
と、前記電機子電流IaのゼロクロスタイミングZT1
が前記センサー捲線CSの出力する電圧波形V3sの各
サイクルにおけるゼロクロスタイミングZT2に一致す
るように前記インバータ11を制御するインバータ制御
手段12と、が設けられてなる。
【0017】請求項4の発明に係る装置では、前記イン
バータ制御手段12は、前記電機子電流Iaの立ち上が
りのゼロクロスタイミングZT1が前記センサー捲線C
Sにより検出される電機子横軸誘起電圧Eaqの第3次
高調波成分V3sの立ち上がりのゼロクロスタイミング
ZT2より早いときに前記インバータ11の出力電圧V
au,Vav,Vawを上げ、前記電機子電流Iaの立
ち上がりのゼロクロスタイミングZT1が前記第3次高
調波成分V3sの立ち上がりのゼロクロスタイミングZ
T2より遅いときには前記インバータ11の出力電圧V
au,Vav,Vawを下げるように制御する。
【0018】請求項5の発明に係る装置では、前記電機
子電流Iaを方形波PT1に変換する第1の方形波変換
手段131と、前記第3次高調波成分V3sを方形波P
T2に変換する第2の方形波変換手段132と、が設け
られてなる。
【0019】本発明の制御方法について、同期電動機M
Rのベクトル図である図4に基づいて、他の図も参照し
ながら説明する。図4において、電機子捲線CFに電機
子電流Iaが流れると、電機子反作用磁束Φaが電機子
電流Iaと同じ方向に生じる。
【0020】センサー捲線CSのうちスロットSTに巻
かれた部分に誘起される電機子誘起電圧Esは、電機子
反作用磁束Φaとメイン磁束Φgとのベクトル和である
負荷磁束Φrによって誘起される。
【0021】一方、センサー捲線CSのうちスロットS
T内に収められていない部分、つまり例えばセンサー捲
線CSのうちスロットSTの外方を通る部分又は捲線終
端部においては、電機子捲線端リアクタンス降下電圧E
eが誘起される。したがって、センサー捲線CSに誘起
されるセンサー捲線電圧Vsは、電機子誘起電圧Esと
電機子捲線端リアクタンス降下電圧Eeとのベクトル和
となる。
【0022】電機子反作用磁束Φaは、その直軸成分で
ある電機子直軸反作用磁束Φadと、横軸成分である電
機子横軸反作用磁束Φaqとにベクトル分解される。な
お、直軸とはメイン磁束Φgの方向に沿う軸であり、横
軸とはメイン磁束Φgの方向と直交する方向に沿う軸で
ある。
【0023】センサー捲線CSには、無負荷磁界Φg及
び電機子直軸反作用磁束Φadによって、それより90
度位相の進んだ電機子速度誘起電圧Eaが誘起され、ま
た、電機子横軸反作用磁束Φaqによって、それより9
0度位相の進んだ電機子横軸誘起電圧Eqが誘起され
る。
【0024】電機子速度誘起電圧Eaと電機子電流Ia
とのなす角度が力率角φであり、本発明の制御方法で
は、電機子電流IaのゼロクロスタイミングZT1(図
6を参照)と電機子横軸誘起電圧Eqの第3次高調波電
圧V3sのゼロクロスタイミングZT2とが一致するよ
うに制御を行うことによって、力率角φが30度となる
ように制御される。制御に当たっては、インバータ11
のPWM制御を行うことにより、その出力電圧Vau,
Vav,Vaw、つまり電機子捲線CFに印加される電
圧を制御する。
【0025】なお、本発明において、「ゼロクロスタイ
ミング」とは、電機子電流Ia及び第3次高調波電圧V
3sが0となるタイミングを意味する。また、「立ち上
がりのゼロクロスタイミング」とは、電機子電流Ia及
び第3次高調波電圧V3sがマイナスからプラスに遷移
する際のゼロクロスタイミングを意味する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る制御装置であ
る駆動制御部10を含むDCブラシレスモータシステム
1のブロック図、図2は同期電動機MRの電機子捲線C
F及びセンサー捲線CSを示す図、図3は同期電動機M
Rの電機子捲線CF及びセンサー捲線CSの捲線方法の
例を示す図である。
【0027】図1において、DCブラシレスモータシス
テム1は、同期電動機MR、及び動作を駆動制御するた
めの駆動制御部10から構成されている。駆動制御部1
0は、インバータ11、インバータ制御回路12、位相
検出回路13、フィルター回路15、及び電流検出器1
8,19などから構成されている。
【0028】図2に示すように、同期電動機MRには、
3相星型に接続されるU,V,Wの各相の各電機子捲線
CFu,CFv,CFw、及び、互いに直列に接続され
る各相のセンサー捲線CSu,CSv,CSwが設けら
れている。センサー捲線CSu,CSv,CSwは、電
機子捲線CFu,CFv,CFwの誘起電圧を検出する
ために、電機子捲線CFu,CFv,CFwの捲かれる
スロットの全部又は一部に同居して捲かれている。各セ
ンサー捲線CSu,CSv,CSwは、それぞれに誘起
される電圧を合成するために、互いに直列に接続され、
それらの全体で1つのセンサー捲線CSが構成されてい
る。その結果、センサー捲線CSは、負荷磁束Φrよっ
て誘起されるセンサー捲線電圧Vsu,Vsv,Vsw
を合成して得られる電圧V3sを、その両端部a,bか
ら出力する。なお、合成された電圧V3sは、後で説明
する電機子横軸誘起電圧Eqの第3次高調波成分である
ので、この電圧V3sを「第3次高調波電圧V3s」と
記載することがある。
【0029】図3において、スロットSTの数は「1
2」であり、電機子捲線CFは捲線ピッチが「5」の3
相2極全節捲きとなっている。センサー捲線CSは、捲
線ピッチが「1」の短節捲きの捲線を直列に接続したも
のとなっている。
【0030】図3に示されるように、センサー捲線CS
は、各センサー捲線CSu,CSv,CSwが互いに直
列に接続されるので、必ずしも3相に分けてスロットS
Tに捲く必要がなく、等価的に各相に対する捲線が直列
に接続された状態となればよい。しかし、電機子捲線C
Fの一部と並行してセンサー捲線CSを捲いてもよい。
センサー捲線CSの捲数は電機子捲線CFの1/10程
度であり、例えば、電機子捲線CFが全体として300
回捲きであればセンサー捲線CSは約30回捲きであ
る。センサー捲線CSは電機子捲線CFと比較して細い
線、例えば1/3程度の太さの線でよいので、センサー
捲線CSを設けたことによる容積の増加は僅かである。
【0031】なお、センサー捲線CSは、負荷磁束Φr
より誘起されるセンサー捲線電圧Vsu,Vsv,Vs
wを合成して得られる第3次高調波電圧V3sを出力す
るのが目的であるため、その捲線ピッチは電機子捲線C
Fの捲線ピッチと同じである必要はない。通常、電機子
捲線CFは全節捲き又はこれに近い短節捲きであるが、
センサー捲線CSについては負荷磁束Φrにより誘起さ
れるセンサー捲線電圧Vsu,Vsv,Vswを確保で
きる程度の短節捲きでよい。短節捲きにした場合には捲
線作業が楽である。
【0032】フィルタ回路15は、例えばオペアンプを
使用したCR形のアクティブフィルタであり、センサー
捲線CSによって出力された第3次高調波電圧V3sに
含まれる雑音を除去する。主な雑音として、PWMのキ
ャリヤー周波数成分がある。したがって、フィルタ回路
15として、キャリヤー周波数よりも充分低い遮断周波
数(例えば500Hz)と適当な減衰特性(例えば12
db/oct)とを有するローパスフィタが用いられ
る。
【0033】電流検出器18,19は、それぞれ、電機
子捲線CFu,CFvに流れる電機子電流Ia(Ia
u,Iav)を検出し、検出信号Ibu,Ibvとして
位相検出回路13に出力する。電流検出器18,19と
して、例えばホール素子を用いた直流変流器(DCC
T)が用いられる。
【0034】位相検出回路13は、検出信号Ibu,I
bvに基づいて、W相について検出信号Ibu,Ibv
と同様な信号Ibwを生成するとともに、これらの信号
Ibu,Ibv、Ibwをそれぞれ方形波信号に変換す
る。さらに、変換した3つの方形波信号を加算し、加算
する前の各方形波信号に対して3倍のパルス周波数をも
った方形波信号PT1に変換する。また、フィルタ回路
15を通って入力された第3高調波電圧V3sを、第3
高調波電圧V3sと同じパルス周波数の方形波信号PT
2に変換する。
【0035】インバータ制御回路12は、位相検出回路
13から出力される方形波信号PT1及びPT2の位相
を互いに比較し、これら方形波信号PT1及びPT2の
立ち上がりタイミングが互いに一致するように、インバ
ータ11の出力電圧Vau,Vav,Vawを制御す
る。
【0036】つまり、方形波信号PT1の立ち上がりタ
イミングが方形波信号PT2の立ち上がりタイミングよ
り早いときには、出力電圧Vau,Vav,Vawを上
げ、その逆に方形波信号PT1の立ち上がりタイミング
が方形波PT2の立ち上がりタイミングより遅いときに
は、出力電圧Vau,Vav,Vawを下げる。
【0037】なお、インバータ制御回路12には、CP
U(中央処理装置)、DSP、及びメモリなどが用いら
れており、各種の信号に対する演算処理又はデジタル処
理を行う。また、PWM制御に必要な信号の生成及び演
算なども行う。
【0038】インバータ11は、電圧形電流制御方式の
3相PWMインバータであり、電源から供給される3相
交流電力を、インバータ制御回路11からの制御信号に
基づいてPWM制御し、同期電動機MRの各電機子捲線
CFu,CFv,CFwに電力を供給する。
【0039】次に、駆動制御部10による制御方法につ
いて、同期電動機MRのベクトル図を参照しつつ説明す
る。図4は同期電動機MRのベクトル図である。図4に
おいて、φは力率角、δはトルク角をそれぞれ示す。
【0040】図4において、電機子捲線CFに電機子電
流Iaが流れると、電機子反作用磁束Φaが電機子電流
Iaと同じ方向に生じる。センサー捲線CSのうちスロ
ットSTに巻かれた部分に誘起される電機子誘起電圧E
sは、電機子反作用磁束Φaとメイン磁束Φgとのベク
トル和である負荷磁束Φrによって誘起される。
【0041】一方、センサー捲線CSのうちスロットS
T内に収められていない部分、つまり例えばセンサー捲
線CSのうちスロットSTの外方を通る部分又は捲線終
端部においては、電機子捲線端リアクタンス降下電圧E
eが誘起される。したがって、センサー捲線CSに誘起
されるセンサー捲線電圧Vsは、電機子誘起電圧Esと
電機子捲線端リアクタンス降下電圧Eeとのベクトル和
となる。
【0042】電機子反作用磁束Φaは、その直軸成分で
ある電機子直軸反作用磁束Φadと、横軸成分である電
機子横軸反作用磁束Φaqとにベクトル分解される。な
お、直軸とはメイン磁束Φgの方向に沿う軸であり、横
軸とはメイン磁束Φgの方向と直交する方向に沿う軸で
ある。
【0043】センサー捲線CSには、界磁による無負荷
磁界Φg及び電機子直軸反作用磁束Φadによって、そ
れより90度位相の進んだ電機子速度誘起電圧Eaが誘
起され、また、電機子横軸反作用磁束Φaqによって、
それより90度位相の進んだ電機子横軸誘起電圧Eqが
誘起される。
【0044】電機子速度誘起電圧Eaと電機子電流Ia
とのなす角度が力率角φであり、本発明の制御方法で
は、電機子電流IaのゼロクロスタイミングZT1(図
6を参照)と電機子横軸誘起電圧Eqの第3次高調波電
圧V3sのゼロクロスタイミングZT2とが一致するよ
うに制御を行うことによって、力率角φが30度となる
ように制御される。制御に当たっては、インバータ11
のPWM制御を行うことにより、その出力電圧Vau,
Vav,Vaw、つまり電機子捲線CFに印加される電
圧を制御する。
【0045】次に、センサー捲線CSから出力される電
機子横軸誘起電圧Eqの第3次高調波電圧V3sについ
て、図2及び図5などを参照して説明する。図5は電機
子反作用のアンペア導体数を直軸方向と横軸方向とに分
けたときの磁束分布を示す図である。図5(A)は直軸
方向の電機子反作用、つまり有効電流による電機子反作
用を示し、図5(B)は横軸方向の電機子反作用、つま
り無効電流による電機子反作用を示す。
【0046】図5(A)において、曲線W1は磁極鉄心
MPの直軸方向の磁界によって生じる主磁束Φgの磁束
密度であり、Bgdはその振幅の最大値を示す。曲線W
2は直軸方向の基本波を示し、Bdlはその振幅の最大
値を示す。曲線W3は直軸方向のアンペア導体数を示
し、ACdはその振幅の最大値を示す。
【0047】図5(B)において、曲線W4は磁極鉄心
MPの横軸方向の磁界によってできると考えられる磁束
の磁束密度であり、Bgqはその振幅の最大値を示す。
曲線W4の位相は曲線W1に対して90度の遅れがあ
る。曲線W5は横軸方向の基本波を示し、Bqlはこの
振幅の最大値を示す。曲線W6は横軸方向のアンペア導
体数を示し、Acdはこの振幅の最大値を示す。
【0048】曲線W7は実際の横軸方向の磁束、つま
り、電機子横軸反作用磁束Φaqを示す。曲線W7は、
曲線W5の上に第3次高調波成分が重畳されたような形
をしている。
【0049】各センサー捲線電圧Vsu,Vsv,Vs
wを合成することによって、基本波成分である電機子速
度誘起電圧Eaは互いに打ち消し合って零となり、スロ
ットSTの外方を通る部分に誘起される電機子捲線端リ
アクタンス降下電圧Eeも互いに打ち消し合って零とな
る。その結果、センサー捲線CSの端部a,bからは、
電機子横軸反作用磁束Φaqの第3次高調波成分による
誘起電圧、つまり電機子横軸誘起電圧Eqの第3次高調
波電圧だけが出力される。
【0050】各センサー捲線電圧Vsu,Vsv,Vs
w(ボルト)は、概略、次の(1)式によって表され
る。
【0051】
【数1】
【0052】(1)式において、nはセンサー捲線CS
u,CSv,CSwの1相あたりの捲き回数、ωは電機
子電流Iaの角速度(rad)、fは周波数(Hz)、
apは磁極鉄心MPの表面積(m2 )をそれぞれ示す
る。
【0053】(1)式で示されるセンサー捲線電圧Vs
u,Vsv,Vswを加算したときの電圧V3sは、次
の(2)式によって表される。
【0054】
【数2】
【0055】(2)式に示すように、センサー捲線電圧
Vsu,Vsv,Vswを加算すると、直軸方向の磁束
密度の最大値Bgdを含む項はなくなり、横軸方向の磁
束密度の最大値Bgqを含む第3次高調波成分だけが残
る。
【0056】図6は電機子横軸誘起電圧Eq、電機子速
度誘起電圧Ea、第3次高調波電圧V3s、及び電機子
電流Iaの互いの位相関係を示す図である。図6に示す
ように、電機子電流Iaの立ち上がりタイミングZT1
と第3次高調波電圧V3sの立ち上がりタイミングZT
2とが一致している場合には、電機子電流Iaは電機子
速度誘起電圧Eaに対して30度の遅れ位相となる。
【0057】本発明の制御方法では、図6に示すように
電機子電流Iaの立ち上がりタイミングZT1が第3次
高調波電圧V3sの立ち上がりタイミングZT2に丁度
一致するように、インバータ11の出力電圧Vau,V
av,Vawを制御する。こうすることによって、電機
子電流Iaの位相は電機子速度誘起電圧Eaの位相より
30度遅れることになる。つまり、力率角φが30度と
なる。
【0058】一般に、力率角φは零度であるのが望まし
いが、実際には電機子反作用で減磁作用があるため、適
度な遅れ力率である方が望ましい。実験によると、本シ
ステムの場合には、30度の遅れが最適であることを見
いだした。
【0059】駆動制御部10内において、電機子速度誘
起電圧Eaのベクトル角の情報を直接に得ることはでき
ないが、センサー捲線CSにより第3次高調波電圧V3
sを得ることによって、電機子速度誘起電圧Eaに対し
て90度進んだ電機子横軸誘起電圧Eqのベクトル角の
情報が得られ、間接的に電機子速度誘起電圧Eaのベク
トル角の情報を知ることができる。
【0060】次に、位相検出回路13における処理につ
いて、図7及び図8を参照して説明する。図7は位相検
出回路13の構成を示すブロック図、図8は各部の波形
を示す図である。
【0061】図7において、位相検出回路13には、セ
ンサー捲線CSによって得られた第3次高調波電圧V3
s、及び電流検出器18,19によって検出された電機
子電流Ia(Iau,Iav)の検出信号Ibu,Ib
vが入力される。
【0062】位相検出回路13は、検出信号Ibu,I
bvに対して方形波信号PT1を出力する電機子電流方
形波生成回路131と、第3次高調波電圧V3sに対し
て方形波信号PT2を出力する第3次高調波方形波生成
回路132とからなる。
【0063】電機子電流方形波生成回路131は、増幅
部AU,AV、W相波信号生成部AW、方形波発生部S
U,SV,SW、及び加算部AD1から構成される。第
3次高調波方形波生成回路132は、増幅部AC及び方
形波発生部SCから構成される。
【0064】位相検出回路13に入力された検出信号I
bu,Ibvは、それぞれ増幅部AU,AVで増幅され
た後、方形波発生部SU,SVに入力され、それぞれ方
形波信号Iaup,Iavpに変換される。また、検出
信号Ibu,Ibvは、それぞれ増幅部AU,AVで増
幅された後、ともにW相波信号生成部AWに入力され、
検出信号Ibuに対して240°の遅れをもったW相の
信号Ibwが生成される。生成された信号Ibwは、方
形波発生部SWに入力され、方形波信号Iawpに変換
される。方形波信号Iaup,Iavp,Iawpは、
加算部AD1において加算され、方形波信号PT1とな
ってインバータ制御回路12に出力される。
【0065】また、第3次高調波電圧V3sは増幅部A
Cで増幅された後、方形波発生部SCに入力され、方形
波信号PT2に変換される。次にインバータ制御回路1
2における処理について説明する。
【0066】インバータ制御回路12には、位相検出回
路13において生成された方形波信号PT1及び方形波
信号PT2が入力される。インバータ制御回路12で
は、方形波信号PT1の立ち上がりタイミングが、方形
波信号PT2の立ち上がりタイミングより早いときに
は、インバータ11のPWM制御により出力電圧Va
u,Vav,Vawを上げ、方形波信号PT1の立ち上
がりタイミングが方形波信号PT2の立ち上がりタイミ
ングより遅いときには、インバータ11のPWM制御に
より出力電圧Vau,Vav,Vawを下げるように制
御が行われる。
【0067】なお、図7に示すように方形波信号PT1
と方形波信号PT2とは、パルス周波数が互いに等しい
ので、簡単なデジタル信号処理を行って方形波信号PT
1と方形波信号PT2とを同期させればよく、制御のた
めの処理が容易である。
【0068】次に、参考のための測定結果について説明
する。図9〜図11は、駆動制御部10による制御を行
うことなく、回転数を一定とし負荷トルクを変化させた
ときの電機子電流Iaと第3次高調波電圧V3sとの変
化を示す図である。
【0069】図9に示すように負荷トルクが1.2kg
・cmというほとんど無負荷の状態では、電機子電流I
aの立ち上がりタイミングZT3は、第3次高調波電圧
V3sのゼロクロスタイミングZT4より位相角D1だ
け遅れている。
【0070】図10に示すように負荷トルクが10kg
・cmの場合では、電機子電流Iaの立ち上がりタイミ
ングZT5は、第3次高調波電圧V3sの立ち上がりタ
イミングZT6より位相角A1だけ進んでいる。
【0071】図11に示すように負荷トルクが7.5k
g・cmの場合では、電機子電流Iaの立ち上がりタイ
ミングZT7と第3次高調波電圧V3sの立ち上がりタ
イミングZT8とは一致している。この状態では、図9
及び図10の場合に比べて同期電動機MRの回転音は静
かであり、電機子電流Iaの値は同じであるにも係わら
ず大きなトルクを出すことができる。図6に示したよう
に、電機子電流Iaの位相は電機子速度誘起電圧Eaの
位相より30度遅れることになり、この状態が同期電動
機MRを運転する最適の状態であった。
【0072】上述の実施形態においては、電機子捲線C
Fを星形のものとしたが、デルタ形のものでも適用可能
である。電流検出器18,19をU相及びV相に設けた
が、U,V,Wのいずれの相の組み合わせでもよく、総
ての相に設けてもよい。
【0073】電機子捲線CF及びセンサー捲線CSの捲
き方、捲数は適宜変更できる。また、センサー捲線CS
以外の方法によって第3次高調波電圧V3sを検出して
もよい。交流電源で動作するインバータ11について説
明したが、直流電源で動作するインバータであってもよ
い。その他、同期電動機MRの構造、形状、材質、DC
ブラシレスモータシステム1、駆動制御部10の構成、
制御内容などは、本発明の主旨に沿って適宜変更するこ
とができる。
【0074】
【発明の効果】請求項1乃至請求項5の発明によると、
同期電動機のロータの回転角度位置を検出するための回
転検出器を用いることなく、同期電動機を制御して円滑
に運転することができる。回転検出器を用いないので、
堅牢であり、悪環境に強い。従来のような回転検出器が
不要な分だけ小型化及び低コスト化を図ることができ、
特に小型の同期電動機において大きな利点がある。
【0075】また、一般に回転検出器は無負荷時の磁極
位置に合わせるように用いられるので、リラクタンスモ
ータのように負荷によって磁極位置が変化するものに対
しては補正が必要となって回路が複雑となるが、本発明
による場合には常に正しい磁極位置を検出するので、リ
ラクタンスモータの制御にも容易に適用することができ
る。
【0076】請求項4の発明によると、位相を合わせる
ために従来のように周波数を変えるのではなく、電機子
捲線に印加される電圧を制御するので、同期電動機の負
荷変動に対し速度変動がない。
【0077】請求項5の発明によると、インバータ制御
回路で行うデジタル信号処理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御方法による駆動制御部を含む
DCブラシレスモータシステムのブロック図である。
【図2】同期電動機の電機子捲線及びセンサー捲線を示
す回路図である。
【図3】同期電動機の電機子捲線及びセンサー捲線の捲
線状態を示す図である。
【図4】同期電動機のベクトル図である。
【図5】電機子反作用のアンペア導体数を直軸方向と横
軸方向とに分けたときの磁束分布を示す図である。
【図6】各誘起電圧の位相関係を示す図である。
【図7】位相検出回路の構成を示すブロック図である。
【図8】各部の波形を示す図である。
【図9】電機子電流と第3次高調波電圧との位相の関係
の例を示す図である。
【図10】電機子電流と第3次高調波電圧との位相の関
係の例を示す図である。
【図11】電機子電流と第3次高調波電圧との位相の関
係の例を示す図である。
【図12】従来の同期電動機の制御装置を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 DCブラシレスモータシステム(制御装置) 10 駆動制御部(フィードバックループ) 11 インバータ 12 インバータ制御回路(インバータ制御手段) 131 電機子電流方形波生成回路(第1の方形波変換
手段) 132 第3次高調波方形波生成回路(第2の方形波変
換手段) MR 同期電動機 CF,CFu,CFv,CFw 電機子捲線 CS,CSu,CSv,CSw センサー捲線(電機子
電流検出手段) Ia,Iau,Iav 電機子電流 Vsu,Vsv,Vsw センサー捲線電圧(誘起電
圧) ZT1,ZT2 ゼロクロスタイミング Eq 電機子横軸誘起電圧 V3s 第3次高調波電圧(電圧波形、第3次高調波成
分) Vau,Vav,Vaw 出力電圧

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータにより駆動される同期電動機を
    フィードバックループによって制御する同期電動機の制
    御方法であって、 前記フィードバックループは、前記同期電動機の電機子
    捲線に流れる電機子電流のゼロクロスタイミングが前記
    同期電動機の各電機子捲線の誘起電圧を合成したときに
    得られる電圧波形のゼロクロスタイミングに一致するよ
    うに、前記インバータを制御する、 ことを特徴とする同期電動機の制御方法。
  2. 【請求項2】インバータにより駆動される同期電動機を
    フィードバックループによって制御する同期電動機の制
    御方法であって、 前記同期電動機に、前記同期電動機の各電機子捲線の誘
    起電圧を合成した電圧波形を検出するためのセンサー捲
    線を設けておき、 前記フィードバックループによって、前記電機子捲線に
    流れる電機子電流のゼロクロスタイミングが、前記セン
    サー捲線により検出される電機子横軸誘起電圧の第3次
    高調波成分のゼロクロスタイミングに一致するように、
    前記インバータを制御する、 ことを特徴とする同期電動機の制御方法。
  3. 【請求項3】インバータにより駆動される同期電動機を
    フィードバックループによって制御する同期電動機の制
    御装置であって、 前記同期電動機には、前記同期電動機の電機子捲線の誘
    起電圧を合成した電圧波形を検出するためのセンサー捲
    線が設けられ、 前記フィードバックループには、 前記同期電動機の前記電機子捲線に流れる電機子電流を
    検出する電機子電流検出手段と、 前記電機子電流のゼロクロスタイミングが前記センサー
    捲線の出力する電圧波形の各サイクルにおけるゼロクロ
    スタイミングに一致するように前記インバータを制御す
    るインバータ制御手段と、 が設けられてなる、 ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】前記インバータ制御手段は、前記電機子電
    流の立ち上がりのゼロクロスタイミングが前記センサー
    捲線により検出される電機子横軸誘起電圧の第3次高調
    波成分の立ち上がりのゼロクロスタイミングより早いと
    きに前記インバータの出力電圧を上げ、前記電機子電流
    の立ち上がりのゼロクロスタイミングが前記第3次高調
    波成分の立ち上がりのゼロクロスタイミングより遅いと
    きには前記インバータの出力電圧を下げるように制御す
    る、 請求項3記載の同期電動機の制御装置。
  5. 【請求項5】前記電機子電流を方形波に変換する第1の
    方形波変換手段と、 前記第3次高調波成分を方形波に変換する第2の方形波
    変換手段と、 が設けられてなる、 請求項3又は請求項4記載の同期電動機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006101621A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機駆動装置

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