JPH1170557A - 熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法Info
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- JPH1170557A JPH1170557A JP14593198A JP14593198A JPH1170557A JP H1170557 A JPH1170557 A JP H1170557A JP 14593198 A JP14593198 A JP 14593198A JP 14593198 A JP14593198 A JP 14593198A JP H1170557 A JPH1170557 A JP H1170557A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】特別な装置を必要とせずにヒケの発生を抑制す
ることができる、熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方
法を提供する。 【解決手段】金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可
塑性樹脂を導入することによって、突起部を有する成形
品を成形する方法は、成形品の突起部を形成するための
金型部分17,18に対向した金型の部分におけるキャ
ビティを構成する面16B,16Cは、2×10-2ca
l/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ
0.1mm乃至10mmの入れ子16から構成されてお
り、使用する熱可塑性樹脂の種類(非晶性の熱可塑性樹
脂、結晶性の熱可塑性樹脂、ポリマーアロイ材料)に応
じて、金型温度Tを設定する。
ることができる、熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方
法を提供する。 【解決手段】金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可
塑性樹脂を導入することによって、突起部を有する成形
品を成形する方法は、成形品の突起部を形成するための
金型部分17,18に対向した金型の部分におけるキャ
ビティを構成する面16B,16Cは、2×10-2ca
l/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ
0.1mm乃至10mmの入れ子16から構成されてお
り、使用する熱可塑性樹脂の種類(非晶性の熱可塑性樹
脂、結晶性の熱可塑性樹脂、ポリマーアロイ材料)に応
じて、金型温度Tを設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂から
成る成形品の製造方法に関し、特に、成形品にヒケが発
生することを効果的に防止し得る、熱可塑性樹脂から成
る成形品の製造方法に関する。
成る成形品の製造方法に関し、特に、成形品にヒケが発
生することを効果的に防止し得る、熱可塑性樹脂から成
る成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形する
ための金型(以下、単に金型と呼ぶ)は、通常、金型に
設けられた中空部分であるキャビティ内に溶融熱可塑性
樹脂(以下、単に溶融樹脂と呼ぶ場合がある)を射出、
注入あるいは充填する際の高い圧力によっても変形しな
い金属材料、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニ
ウム合金、銅合金から作製されている。そして、金型に
設けられたキャビティ内に溶融樹脂を射出、注入あるい
は充填することで、所望の形状を有し、しかも金型のキ
ャビティを構成する面(以下、便宜上、金型のキャビテ
ィ面と呼ぶ)が転写された成形品を得ている。尚、金型
に設けられたキャビティ内に溶融樹脂を射出、注入ある
いは充填することを、以下、総称して、金型に設けられ
たキャビティ内に溶融樹脂を導入するという。
ための金型(以下、単に金型と呼ぶ)は、通常、金型に
設けられた中空部分であるキャビティ内に溶融熱可塑性
樹脂(以下、単に溶融樹脂と呼ぶ場合がある)を射出、
注入あるいは充填する際の高い圧力によっても変形しな
い金属材料、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニ
ウム合金、銅合金から作製されている。そして、金型に
設けられたキャビティ内に溶融樹脂を射出、注入あるい
は充填することで、所望の形状を有し、しかも金型のキ
ャビティを構成する面(以下、便宜上、金型のキャビテ
ィ面と呼ぶ)が転写された成形品を得ている。尚、金型
に設けられたキャビティ内に溶融樹脂を射出、注入ある
いは充填することを、以下、総称して、金型に設けられ
たキャビティ内に溶融樹脂を導入するという。
【0003】熱可塑性樹脂は、大きくは2種類の樹脂、
即ち、非晶性の熱可塑性樹脂と結晶性の熱可塑性樹脂に
分類される。非晶性の熱可塑性樹脂においては、ガラス
転移温度Tgを前後して熱可塑性樹脂の固化及び軟化が
発生する。他方、結晶性の熱可塑性樹脂においては、融
点Tm以上で溶融し、結晶化開始温度Tc以下で結晶が生
成し、発達し、熱可塑性樹脂の固化が生じる。
即ち、非晶性の熱可塑性樹脂と結晶性の熱可塑性樹脂に
分類される。非晶性の熱可塑性樹脂においては、ガラス
転移温度Tgを前後して熱可塑性樹脂の固化及び軟化が
発生する。他方、結晶性の熱可塑性樹脂においては、融
点Tm以上で溶融し、結晶化開始温度Tc以下で結晶が生
成し、発達し、熱可塑性樹脂の固化が生じる。
【0004】このような金属製の金型を用いて成形を行
なう場合、成形品の表面状態を金型のキャビティ面の状
態に近づけることは容易でない。通常、金型は、導入さ
れた溶融樹脂に起因した圧力等の高い応力によっても変
形しない金属材料から作製されているが、これらの金属
材料は、また、熱伝導性に優れている。それ故、キャビ
ティ内に導入された溶融樹脂は金型のキャビティ面と接
触したとき、瞬時に冷却され始める。その結果、金型の
キャビティ面と接触した溶融樹脂の部分に固化層が形成
され、ウエルドマークやフローマーク等の外観不良が成
形品に生じ易いし、金型のキャビティ面の成形品表面へ
の転写不良といった問題も生じる。また、リブやボス等
の肉厚部を有する成形品においては、かかる肉厚部が設
けられた成形品面とは反対側の成形品面の部分であって
肉厚部と対向する部分に屡々ヒケが発生する。
なう場合、成形品の表面状態を金型のキャビティ面の状
態に近づけることは容易でない。通常、金型は、導入さ
れた溶融樹脂に起因した圧力等の高い応力によっても変
形しない金属材料から作製されているが、これらの金属
材料は、また、熱伝導性に優れている。それ故、キャビ
ティ内に導入された溶融樹脂は金型のキャビティ面と接
触したとき、瞬時に冷却され始める。その結果、金型の
キャビティ面と接触した溶融樹脂の部分に固化層が形成
され、ウエルドマークやフローマーク等の外観不良が成
形品に生じ易いし、金型のキャビティ面の成形品表面へ
の転写不良といった問題も生じる。また、リブやボス等
の肉厚部を有する成形品においては、かかる肉厚部が設
けられた成形品面とは反対側の成形品面の部分であって
肉厚部と対向する部分に屡々ヒケが発生する。
【0005】これらの問題点を解決するために、一般的
には、キャビティ内に溶融樹脂を高圧導入することで金
型のキャビティ面を無理矢理、成形品の表面に転写させ
る方法、あるいは又、金型温度を高温にして溶融樹脂の
固化層の発達を遅らせてウエルドマークやフローマーク
の発生を防止し、且つ、金型のキャビティ面の成形品表
面への転写性不良の発生を防止する方法がある。しかし
前者の方法においては、成形装置の大型化、金型自体の
大型化・肉厚化によるコストアップにつながると共に、
溶融樹脂の高圧導入により成形品内部に応力が残留し、
その結果、成形品の品質が低下するといった問題が発生
する。後者の方法においては、金型温度を成形に用いる
樹脂の荷重撓み温度よりもやや低めに設定して固化層の
発達を遅らせるために、キャビティ内の樹脂の冷却時間
が長くなる結果、成形サイクルが長くなり、生産性が低
下するといった問題があるし、金型温度が高いため、冷
却時の熱可塑性樹脂の収縮量が増加し、ヒケが一層大き
くなるといった問題もある。
には、キャビティ内に溶融樹脂を高圧導入することで金
型のキャビティ面を無理矢理、成形品の表面に転写させ
る方法、あるいは又、金型温度を高温にして溶融樹脂の
固化層の発達を遅らせてウエルドマークやフローマーク
の発生を防止し、且つ、金型のキャビティ面の成形品表
面への転写性不良の発生を防止する方法がある。しかし
前者の方法においては、成形装置の大型化、金型自体の
大型化・肉厚化によるコストアップにつながると共に、
溶融樹脂の高圧導入により成形品内部に応力が残留し、
その結果、成形品の品質が低下するといった問題が発生
する。後者の方法においては、金型温度を成形に用いる
樹脂の荷重撓み温度よりもやや低めに設定して固化層の
発達を遅らせるために、キャビティ内の樹脂の冷却時間
が長くなる結果、成形サイクルが長くなり、生産性が低
下するといった問題があるし、金型温度が高いため、冷
却時の熱可塑性樹脂の収縮量が増加し、ヒケが一層大き
くなるといった問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ヒケは、溶融樹脂の冷
却・固化に伴う樹脂の収縮が原因の1つであるため、通
常の射出成形法では避けられない不良現象である。この
ヒケの問題を解決するために、例えば射出成形時に半溶
融熱可塑性樹脂の体積収縮分を圧縮する方法、即ち、キ
ャビティの体積を樹脂収縮分だけ減少させる方法が提案
されている。あるいは又、金型のキャビティ内に導入さ
れた溶融樹脂の内部に不活性高圧流体を注入して中空部
を設け、中空部から金型のキャビティ面に向かう圧力を
樹脂に加えることによってヒケをなくす方法が提案され
ている。
却・固化に伴う樹脂の収縮が原因の1つであるため、通
常の射出成形法では避けられない不良現象である。この
ヒケの問題を解決するために、例えば射出成形時に半溶
融熱可塑性樹脂の体積収縮分を圧縮する方法、即ち、キ
ャビティの体積を樹脂収縮分だけ減少させる方法が提案
されている。あるいは又、金型のキャビティ内に導入さ
れた溶融樹脂の内部に不活性高圧流体を注入して中空部
を設け、中空部から金型のキャビティ面に向かう圧力を
樹脂に加えることによってヒケをなくす方法が提案され
ている。
【0007】しかしながら、前者の方法の場合、特殊な
成形機及び精密な金型が必要とされ、また、金型内に油
圧配管や種々の装置を設ける等が必要であり、金型の大
型化及び設備や装置の追加等による成形品製造コスト増
加が避けられない。後者の方法の場合、キャビティ内に
導入された溶融樹脂内に高圧流体を注入するための装置
が必要とされる。しかも、中空部を形成できるような肉
厚部を成形品に設けるために、金型に肉厚部形成キャビ
ティ部を設ける必要がある。更には、溶融樹脂内部に高
圧流体を注入するため、キャビティ内の樹脂の冷却が遅
くなり、成形品の成形サイクルが長くなる場合があると
いった問題もある。
成形機及び精密な金型が必要とされ、また、金型内に油
圧配管や種々の装置を設ける等が必要であり、金型の大
型化及び設備や装置の追加等による成形品製造コスト増
加が避けられない。後者の方法の場合、キャビティ内に
導入された溶融樹脂内に高圧流体を注入するための装置
が必要とされる。しかも、中空部を形成できるような肉
厚部を成形品に設けるために、金型に肉厚部形成キャビ
ティ部を設ける必要がある。更には、溶融樹脂内部に高
圧流体を注入するため、キャビティ内の樹脂の冷却が遅
くなり、成形品の成形サイクルが長くなる場合があると
いった問題もある。
【0008】従って、本発明の目的は、特別な装置を必
要とせずにヒケの発生を抑制することができ、成形品内
に残留する応力を少なくすることができ、金型のキャビ
ティを構成する面を確実に成形品の表面に転写すること
ができる、熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法を提
供することにある。
要とせずにヒケの発生を抑制することができ、成形品内
に残留する応力を少なくすることができ、金型のキャビ
ティを構成する面を確実に成形品の表面に転写すること
ができる、熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る熱可塑性樹脂から成る成
形品の製造方法は、金型に設けられたキャビティ内に溶
融熱可塑性樹脂を導入することによって、突起部を有す
る成形品を成形する方法であって、成形品の突起部を形
成するための金型部分に対向した金型の部分におけるキ
ャビティを構成する面は、2×10-2cal/cm・s
ec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃至
10mmの入れ子から構成されており、使用する熱可塑
性樹脂の種類に応じて、以下の表1のとおりに金型温度
T(単位:゜C)を設定することを特徴とする。
めの本発明の第1の態様に係る熱可塑性樹脂から成る成
形品の製造方法は、金型に設けられたキャビティ内に溶
融熱可塑性樹脂を導入することによって、突起部を有す
る成形品を成形する方法であって、成形品の突起部を形
成するための金型部分に対向した金型の部分におけるキ
ャビティを構成する面は、2×10-2cal/cm・s
ec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃至
10mmの入れ子から構成されており、使用する熱可塑
性樹脂の種類に応じて、以下の表1のとおりに金型温度
T(単位:゜C)を設定することを特徴とする。
【0010】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法
は、金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂
導入部から溶融熱可塑性樹脂を導入することによって成
形品を成形する方法であって、溶融熱可塑性樹脂導入部
に対向した金型の部分におけるキャビティを構成する面
は、2×10-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝
導率を有する厚さ0.1mm乃至10mmの入れ子から
構成されており、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じ
て、以下の表1のとおりに金型温度T(単位:゜C)を
設定することを特徴とする。
の態様に係る熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法
は、金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂
導入部から溶融熱可塑性樹脂を導入することによって成
形品を成形する方法であって、溶融熱可塑性樹脂導入部
に対向した金型の部分におけるキャビティを構成する面
は、2×10-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝
導率を有する厚さ0.1mm乃至10mmの入れ子から
構成されており、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じ
て、以下の表1のとおりに金型温度T(単位:゜C)を
設定することを特徴とする。
【0011】
【表1】 (1)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂を使用する場合:Tg−80<T<Tg
−10、好ましくはTg−70<T<Tg−15、更に好
ましくはTg−60<T<Tg−20 (2)結晶化開始温度Tc(゜C)を有する結晶性の熱
可塑性樹脂を使用する場合:Tc−130<T<Tc−1
0、好ましくはTc−120<T<Tc−15、更に好ま
しくはTc−110<T<Tc−20 (3)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率(重量%)が結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)よりも高いポリマーアロイ材料を使用する場合:T
g−90<T<Tg−10、好ましくはTg−80<T<
Tg−15、更に好ましくはTg−70<T<Tg−20 (4)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率(重量%)と結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)が同率であるポリマーアロイ材料を使用する場合:
Tg−100<T<Tg−10、好ましくはTg−90<
T<Tg−15、更に好ましくはTg−80<T<Tg−
20 (5)非晶性の熱可塑性樹脂及び結晶化開始温度T
c(゜C)を有する結晶性の熱可塑性樹脂から成るポリ
マーアロイ材料であって、結晶性の熱可塑性樹脂の含有
率(重量%)が非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)よりも高いポリマーアロイ材料を使用する場合:T
c−120<T<Tc−10、好ましくはTc−110<
T<Tc−15、更に好ましくはTc−100<T<Tc
−20
性の熱可塑性樹脂を使用する場合:Tg−80<T<Tg
−10、好ましくはTg−70<T<Tg−15、更に好
ましくはTg−60<T<Tg−20 (2)結晶化開始温度Tc(゜C)を有する結晶性の熱
可塑性樹脂を使用する場合:Tc−130<T<Tc−1
0、好ましくはTc−120<T<Tc−15、更に好ま
しくはTc−110<T<Tc−20 (3)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率(重量%)が結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)よりも高いポリマーアロイ材料を使用する場合:T
g−90<T<Tg−10、好ましくはTg−80<T<
Tg−15、更に好ましくはTg−70<T<Tg−20 (4)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率(重量%)と結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)が同率であるポリマーアロイ材料を使用する場合:
Tg−100<T<Tg−10、好ましくはTg−90<
T<Tg−15、更に好ましくはTg−80<T<Tg−
20 (5)非晶性の熱可塑性樹脂及び結晶化開始温度T
c(゜C)を有する結晶性の熱可塑性樹脂から成るポリ
マーアロイ材料であって、結晶性の熱可塑性樹脂の含有
率(重量%)が非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)よりも高いポリマーアロイ材料を使用する場合:T
c−120<T<Tc−10、好ましくはTc−110<
T<Tc−15、更に好ましくはTc−100<T<Tc
−20
【0012】成形品にヒケが発生する原因は、キャビテ
ィ内での溶融樹脂の冷却・固化に伴う樹脂の収縮の他
に、金型のキャビティを構成する面(金型のキャビティ
面)に対する熱可塑性樹脂の密着性低下にもある。即
ち、キャビティ内に導入され、金型のキャビティ面と接
触した溶融樹脂が急冷されると、キャビティ内の熱可塑
性樹脂に固化層が急速に形成される。その結果、金型の
キャビティ面に対する熱可塑性樹脂の密着性が低下し、
金型のキャビティ面から熱可塑性樹脂が部分的に離れ、
成形品にヒケが発生する。本発明の熱可塑性樹脂から成
る成形品の製造方法においては、入れ子を配設し、しか
も、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて金型温度を所
定の温度に設定することで、入れ子と接触した溶融樹脂
の急冷を防止することができる結果、キャビティ内の熱
可塑性樹脂に固化層が急速には形成されなくなる。尚、
金型温度とは、金型に設けられたキャビティ内に溶融熱
可塑性樹脂を導入する前の金型の設定温度であり、金型
を適切な加熱手段で加熱して定常状態となったときの金
型の温度である。それ故、金型のキャビティ面に対する
熱可塑性樹脂の密着性が低下することを抑制でき、金型
のキャビティ面から熱可塑性樹脂が部分的に離れること
を抑制できる結果、成形品にヒケが発生することを防止
することができる。尚、金型温度を表1に示す温度の下
限値以下とした場合、入れ子と接触した溶融樹脂の急冷
を防止することができなくなるため、キャビティ内の熱
可塑性樹脂に固化層が急速に形成され、ヒケの発生を防
止することができなくなる。一方、金型温度を表1に示
す温度の上限値以上とした場合、キャビティ内の樹脂の
冷却時間を延長しないと、成形品取り出し後に成形品が
変形することがある。それ故、成形サイクルの延長とい
った問題が発生することがある。
ィ内での溶融樹脂の冷却・固化に伴う樹脂の収縮の他
に、金型のキャビティを構成する面(金型のキャビティ
面)に対する熱可塑性樹脂の密着性低下にもある。即
ち、キャビティ内に導入され、金型のキャビティ面と接
触した溶融樹脂が急冷されると、キャビティ内の熱可塑
性樹脂に固化層が急速に形成される。その結果、金型の
キャビティ面に対する熱可塑性樹脂の密着性が低下し、
金型のキャビティ面から熱可塑性樹脂が部分的に離れ、
成形品にヒケが発生する。本発明の熱可塑性樹脂から成
る成形品の製造方法においては、入れ子を配設し、しか
も、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて金型温度を所
定の温度に設定することで、入れ子と接触した溶融樹脂
の急冷を防止することができる結果、キャビティ内の熱
可塑性樹脂に固化層が急速には形成されなくなる。尚、
金型温度とは、金型に設けられたキャビティ内に溶融熱
可塑性樹脂を導入する前の金型の設定温度であり、金型
を適切な加熱手段で加熱して定常状態となったときの金
型の温度である。それ故、金型のキャビティ面に対する
熱可塑性樹脂の密着性が低下することを抑制でき、金型
のキャビティ面から熱可塑性樹脂が部分的に離れること
を抑制できる結果、成形品にヒケが発生することを防止
することができる。尚、金型温度を表1に示す温度の下
限値以下とした場合、入れ子と接触した溶融樹脂の急冷
を防止することができなくなるため、キャビティ内の熱
可塑性樹脂に固化層が急速に形成され、ヒケの発生を防
止することができなくなる。一方、金型温度を表1に示
す温度の上限値以上とした場合、キャビティ内の樹脂の
冷却時間を延長しないと、成形品取り出し後に成形品が
変形することがある。それ故、成形サイクルの延長とい
った問題が発生することがある。
【0013】一般に、突起部が形成された成形品の部分
は、他の部分と比較して肉厚であるが故に、樹脂の収縮
量が多く、突起部が形成された成形品面とは反対側の成
形品面の部分であって突起部と対向する部分に屡々ヒケ
が発生する。本発明の第1の態様に係る熱可塑性樹脂か
ら成る成形品の製造方法においては、成形品の突起部を
形成するための金型部分に対向した金型の部分における
キャビティを構成する面を入れ子によって構成すること
により、突起部が形成された成形品面とは反対側の部分
であって成形品面の突起部と対向する部分におけるヒケ
の発生を効果的に防止することができる。尚、ヒケが改
善されたかかる成形品の部分におけるヒケ量(ヒケの深
さ)は20μm以下である。ヒケの有無は人間の目で成
形品の表面を観察することによって容易に確認すること
ができ、20μmを越えるとヒケが目立ってくる。
は、他の部分と比較して肉厚であるが故に、樹脂の収縮
量が多く、突起部が形成された成形品面とは反対側の成
形品面の部分であって突起部と対向する部分に屡々ヒケ
が発生する。本発明の第1の態様に係る熱可塑性樹脂か
ら成る成形品の製造方法においては、成形品の突起部を
形成するための金型部分に対向した金型の部分における
キャビティを構成する面を入れ子によって構成すること
により、突起部が形成された成形品面とは反対側の部分
であって成形品面の突起部と対向する部分におけるヒケ
の発生を効果的に防止することができる。尚、ヒケが改
善されたかかる成形品の部分におけるヒケ量(ヒケの深
さ)は20μm以下である。ヒケの有無は人間の目で成
形品の表面を観察することによって容易に確認すること
ができ、20μmを越えるとヒケが目立ってくる。
【0014】突起部が設けられた成形品の部分の近傍で
あって突起部が設けられていない部分の成形品厚さをt
0(単位:mm)としたとき、1≦t0≦5であることが
好ましい。t0の値が1mm未満ではヒケが発生し難
い。一方、t0の値が5mmを超える場合には、金型の
キャビティ面に対する熱可塑性樹脂の密着性の低下に起
因したヒケの発生よりも、キャビティ内の熱可塑性樹脂
の収縮に起因したヒケが主となるため、本発明の成形品
の製造方法によってもヒケの発生を防止することが困難
となる場合がある。
あって突起部が設けられていない部分の成形品厚さをt
0(単位:mm)としたとき、1≦t0≦5であることが
好ましい。t0の値が1mm未満ではヒケが発生し難
い。一方、t0の値が5mmを超える場合には、金型の
キャビティ面に対する熱可塑性樹脂の密着性の低下に起
因したヒケの発生よりも、キャビティ内の熱可塑性樹脂
の収縮に起因したヒケが主となるため、本発明の成形品
の製造方法によってもヒケの発生を防止することが困難
となる場合がある。
【0015】突起部を、成形品に剛性や強度を形状的に
付与するためのリブから構成する態様とすることができ
る。この場合、リブが設けられた成形品の部分の近傍で
あってリブが設けられていない部分の成形品厚さをt0
(単位:mm)としたとき、t0の値に関係なく、リブ
の幅Wを1mm乃至7mm(1≦W≦7)とすることが
好ましい。リブの幅Wが1mm未満ではヒケが発生し難
く、7mmを超える場合には、本発明の成形品の製造方
法によってもヒケの発生を防止することが困難となる。
あるいは又、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、以
下の表2に示すとおりとすることが望ましい。突起部
を、例えば成形品と他の部品とをアセンブリーするため
のボスから構成する態様とすることもできる。ここで、
ボスとは、成形品の強度を増し、組立時の心合せを容易
にし、または、成形品を他の部品に取り付け、若しくは
他の部品を成形品に取り付けるために、成形品に設けら
れた突起部を意味する。この場合、ボスが設けられた成
形品の部分の近傍であってボスが設けられていない部分
の成形品厚さをt0(単位:mm)としたとき、t0の値
に関係なく、ボスの肉厚tを1mm乃至5mm(1≦t
≦5)とすることが好ましい。ボスの肉厚tが1mm未
満ではヒケが発生し難く、5mmを超える場合には、本
発明の成形品の製造方法によってもヒケの発生を防止す
ることが困難となる。尚、ボスの形状が中空円筒形であ
る場合、ボスの肉厚は、(外径−内径)/2で表すこと
ができる。あるいは又、使用する熱可塑性樹脂の種類に
応じて、以下の表3に示すとおりとすることが望まし
い。尚、表中、「非晶性の熱可塑性樹脂リッチ」とは、
非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)が結晶性の熱
可塑性樹脂の含有率(重量%)よりも高いポリマーアロ
イ材料を使用する場合を意味し、「結晶性の熱可塑性樹
脂リッチ」とは、結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)が非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)よりも
高いポリマーアロイ材料を使用する場合を意味し、「同
率」とは、非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)と
結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)が同率である
ポリマーアロイ材料を使用する場合を意味する。
付与するためのリブから構成する態様とすることができ
る。この場合、リブが設けられた成形品の部分の近傍で
あってリブが設けられていない部分の成形品厚さをt0
(単位:mm)としたとき、t0の値に関係なく、リブ
の幅Wを1mm乃至7mm(1≦W≦7)とすることが
好ましい。リブの幅Wが1mm未満ではヒケが発生し難
く、7mmを超える場合には、本発明の成形品の製造方
法によってもヒケの発生を防止することが困難となる。
あるいは又、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、以
下の表2に示すとおりとすることが望ましい。突起部
を、例えば成形品と他の部品とをアセンブリーするため
のボスから構成する態様とすることもできる。ここで、
ボスとは、成形品の強度を増し、組立時の心合せを容易
にし、または、成形品を他の部品に取り付け、若しくは
他の部品を成形品に取り付けるために、成形品に設けら
れた突起部を意味する。この場合、ボスが設けられた成
形品の部分の近傍であってボスが設けられていない部分
の成形品厚さをt0(単位:mm)としたとき、t0の値
に関係なく、ボスの肉厚tを1mm乃至5mm(1≦t
≦5)とすることが好ましい。ボスの肉厚tが1mm未
満ではヒケが発生し難く、5mmを超える場合には、本
発明の成形品の製造方法によってもヒケの発生を防止す
ることが困難となる。尚、ボスの形状が中空円筒形であ
る場合、ボスの肉厚は、(外径−内径)/2で表すこと
ができる。あるいは又、使用する熱可塑性樹脂の種類に
応じて、以下の表3に示すとおりとすることが望まし
い。尚、表中、「非晶性の熱可塑性樹脂リッチ」とは、
非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)が結晶性の熱
可塑性樹脂の含有率(重量%)よりも高いポリマーアロ
イ材料を使用する場合を意味し、「結晶性の熱可塑性樹
脂リッチ」とは、結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量
%)が非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)よりも
高いポリマーアロイ材料を使用する場合を意味し、「同
率」とは、非晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)と
結晶性の熱可塑性樹脂の含有率(重量%)が同率である
ポリマーアロイ材料を使用する場合を意味する。
【0016】
【表2】 使用する熱可塑性樹脂 リブの幅Wの範囲(単位:mm) 非晶性の熱可塑性樹脂 1〜7 好ましくは1〜6.5 一層好ましくは1〜6 結晶性の熱可塑性樹脂 1〜7 好ましくは1〜6 一層好ましくは1〜5 ポリマーアロイ材料 非晶性の熱可塑性樹脂リッチ 1〜7 好ましくは1〜6.5 一層好ましくは1〜6 同率 1〜7 好ましくは1〜6.5 一層好ましくは1〜6 結晶性の熱可塑性樹脂リッチ 1〜7 好ましくは1〜6 一層好ましくは1〜5
【0017】
【表3】 使用する熱可塑性樹脂 ボスの肉厚tの範囲(単位:mm) 非晶性の熱可塑性樹脂 1〜5 好ましくは1〜4.5 一層好ましくは1〜4 結晶性の熱可塑性樹脂 1〜5 好ましくは1〜4 一層好ましくは1〜3 ポリマーアロイ材料 非晶性の熱可塑性樹脂リッチ 1〜5 好ましくは1〜4.5 一層好ましくは1〜4 同率 1〜5 好ましくは1〜4.5 一層好ましくは1〜4 結晶性の熱可塑性樹脂リッチ 1〜5 好ましくは1〜4 一層好ましくは1〜3
【0018】本発明の第2の態様に係る熱可塑性樹脂か
ら成る成形品の製造方法においては、例えばダイレクト
ゲートやオーバラップゲートから構成された溶融熱可塑
性樹脂導入部に対向した金型の部分におけるキャビティ
を構成する面を入れ子によって構成することにより、熱
可塑性樹脂導入部跡が形成された成形品面とは反対側の
成形品面の部分であって熱可塑性樹脂導入部跡と対向す
る部分におけるヒケの発生を防止することができる。
尚、ヒケが改善されたかかる成形品の部分におけるヒケ
量は20μm以下である。尚、熱可塑性樹脂導入部跡が
形成された成形品の部分の近傍であって熱可塑性樹脂導
入部跡が形成されていない部分の成形品厚さをt0(単
位:mm)としたとき、1≦t0≦5であることが望ま
しい。更には、熱可塑性樹脂導入部跡の面積は4mm2
乃至50mm2とすることが好ましい。熱可塑性樹脂導
入部跡の面積が4mm2未満ではヒケが発生し難く、5
0mm2を超える場合には、本発明の成形品の製造方法
によってもヒケの発生を防止することが困難となる。
ら成る成形品の製造方法においては、例えばダイレクト
ゲートやオーバラップゲートから構成された溶融熱可塑
性樹脂導入部に対向した金型の部分におけるキャビティ
を構成する面を入れ子によって構成することにより、熱
可塑性樹脂導入部跡が形成された成形品面とは反対側の
成形品面の部分であって熱可塑性樹脂導入部跡と対向す
る部分におけるヒケの発生を防止することができる。
尚、ヒケが改善されたかかる成形品の部分におけるヒケ
量は20μm以下である。尚、熱可塑性樹脂導入部跡が
形成された成形品の部分の近傍であって熱可塑性樹脂導
入部跡が形成されていない部分の成形品厚さをt0(単
位:mm)としたとき、1≦t0≦5であることが望ま
しい。更には、熱可塑性樹脂導入部跡の面積は4mm2
乃至50mm2とすることが好ましい。熱可塑性樹脂導
入部跡の面積が4mm2未満ではヒケが発生し難く、5
0mm2を超える場合には、本発明の成形品の製造方法
によってもヒケの発生を防止することが困難となる。
【0019】通常、金型のキャビティ面と、キャビティ
内に導入された熱可塑性樹脂との密着性を緩和して離型
性を向上させることを目的として、熱可塑性樹脂には離
型剤若しくは滑剤が添加される。本発明の第1若しくは
第2の態様に係る熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方
法においては、熱可塑性樹脂に添加される離型剤若しく
は滑剤の添加率を0.4重量%未満とすることが好まし
い。本発明においては、キャビティ内への導入初期の熱
可塑性樹脂と金型のキャビティ面との密着性を向上させ
る必要がある。従って、これらの添加剤の影響でキャビ
ティ内への導入初期の熱可塑性樹脂と金型のキャビティ
面との密着性が低下することを防ぐ必要がある。然る
に、離型剤若しくは滑剤の添加率が0.4重量%以上に
なると、密着性が低下する結果、ヒケ発生を抑制する効
果が少なくなる虞がある。尚、離型剤若しくは滑剤の添
加率の下限は、0.001重量%とすることが好まし
い。
内に導入された熱可塑性樹脂との密着性を緩和して離型
性を向上させることを目的として、熱可塑性樹脂には離
型剤若しくは滑剤が添加される。本発明の第1若しくは
第2の態様に係る熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方
法においては、熱可塑性樹脂に添加される離型剤若しく
は滑剤の添加率を0.4重量%未満とすることが好まし
い。本発明においては、キャビティ内への導入初期の熱
可塑性樹脂と金型のキャビティ面との密着性を向上させ
る必要がある。従って、これらの添加剤の影響でキャビ
ティ内への導入初期の熱可塑性樹脂と金型のキャビティ
面との密着性が低下することを防ぐ必要がある。然る
に、離型剤若しくは滑剤の添加率が0.4重量%以上に
なると、密着性が低下する結果、ヒケ発生を抑制する効
果が少なくなる虞がある。尚、離型剤若しくは滑剤の添
加率の下限は、0.001重量%とすることが好まし
い。
【0020】本発明の第1若しくは第2の態様に係る熱
可塑性樹脂から成る成形品の製造方法においては、入れ
子は、広く、ジルコニア系材料、アルミナ系材料、チタ
ニア系材料から成る群から選択されたセラミック、若し
くは、ソーダガラス、石英ガラス、耐熱ガラス及び結晶
化ガラスから成る群から選択されたガラスから作製する
ことが望ましい。より具体的には、入れ子は、Zr
O2、ZrO2−CaO、ZrO2−Y2O3、ZrO2−C
eO2、ZrO2−MgO、ZrO2−SiO2、K2O−
TiO2、Al2O3、Al2O3−TiC、Ti3N2、3
Al2O3−2SiO2、MgO−SiO2、2MgO−S
iO2、MgO−Al2O3−SiO2及びチタニアから成
る群から選択されたセラミックから作製されていること
が好ましく、中でも、ZrO2、ZrO2−Y2O3又はZ
rO2−CeO2から成るセラミックから作製されている
ことが一層好ましい。あるいは又、ソーダガラス、石英
ガラス、耐熱ガラス及び結晶化ガラスから成る群から選
択されたガラスから作製されていることが好ましく、中
でも、結晶化ガラスから作製されていることが一層好ま
しい。
可塑性樹脂から成る成形品の製造方法においては、入れ
子は、広く、ジルコニア系材料、アルミナ系材料、チタ
ニア系材料から成る群から選択されたセラミック、若し
くは、ソーダガラス、石英ガラス、耐熱ガラス及び結晶
化ガラスから成る群から選択されたガラスから作製する
ことが望ましい。より具体的には、入れ子は、Zr
O2、ZrO2−CaO、ZrO2−Y2O3、ZrO2−C
eO2、ZrO2−MgO、ZrO2−SiO2、K2O−
TiO2、Al2O3、Al2O3−TiC、Ti3N2、3
Al2O3−2SiO2、MgO−SiO2、2MgO−S
iO2、MgO−Al2O3−SiO2及びチタニアから成
る群から選択されたセラミックから作製されていること
が好ましく、中でも、ZrO2、ZrO2−Y2O3又はZ
rO2−CeO2から成るセラミックから作製されている
ことが一層好ましい。あるいは又、ソーダガラス、石英
ガラス、耐熱ガラス及び結晶化ガラスから成る群から選
択されたガラスから作製されていることが好ましく、中
でも、結晶化ガラスから作製されていることが一層好ま
しい。
【0021】入れ子の厚さが0.1mm未満の場合、入
れ子による断熱効果が少なくなり、キャビティ内に導入
された溶融樹脂の急冷を招き、ヒケが発生し易くなる
し、ウエルドマークやフローマーク等の外観不良が成形
品に発生し易くなる。また、金型を構成する金属若しく
は合金製の金型部に入れ子を固定する際には、例えば熱
硬化性接着剤を用いて入れ子を金型部に接着すればよい
が、入れ子の厚さが0.1mm未満の場合、接着剤の膜
厚が不均一になると入れ子に不均一な応力が残るため
に、成形品表面がうねる現象が生じたり、キャビティ内
に導入された溶融樹脂の圧力によって入れ子が破損する
ことがある。一方、入れ子の厚さが10mmを越える場
合、入れ子による断熱効果が大きくなり過ぎ、キャビテ
ィ内の樹脂の冷却時間を延長しないと、成形品取り出し
後に成形品が変形することがある。それ故、成形サイク
ルの延長といった問題が発生することがある。尚、入れ
子の厚さは、0.1mm乃至10mm、好ましくは、
0.5mm乃至10mm、より好ましくは1mm乃至7
mm、一層好ましくは2mm乃至5mmである。
れ子による断熱効果が少なくなり、キャビティ内に導入
された溶融樹脂の急冷を招き、ヒケが発生し易くなる
し、ウエルドマークやフローマーク等の外観不良が成形
品に発生し易くなる。また、金型を構成する金属若しく
は合金製の金型部に入れ子を固定する際には、例えば熱
硬化性接着剤を用いて入れ子を金型部に接着すればよい
が、入れ子の厚さが0.1mm未満の場合、接着剤の膜
厚が不均一になると入れ子に不均一な応力が残るため
に、成形品表面がうねる現象が生じたり、キャビティ内
に導入された溶融樹脂の圧力によって入れ子が破損する
ことがある。一方、入れ子の厚さが10mmを越える場
合、入れ子による断熱効果が大きくなり過ぎ、キャビテ
ィ内の樹脂の冷却時間を延長しないと、成形品取り出し
後に成形品が変形することがある。それ故、成形サイク
ルの延長といった問題が発生することがある。尚、入れ
子の厚さは、0.1mm乃至10mm、好ましくは、
0.5mm乃至10mm、より好ましくは1mm乃至7
mm、一層好ましくは2mm乃至5mmである。
【0022】入れ子を構成する材料の熱伝導率は、キャ
ビティ内の溶融樹脂の急冷を抑制することで成形品の表
面におけるヒケ発生を防止することを目的とするため
に、2×10-2cal/cm・sec・゜C以下である
ことが必要とされる。この値を越える熱伝導率を有する
材料を用いて入れ子を作製した場合、キャビティ内の溶
融樹脂が入れ子によって急冷されるために、入れ子を備
えていない通常の炭素鋼等から作製された金型にて成形
された成形品と同程度の外観しか得られない。
ビティ内の溶融樹脂の急冷を抑制することで成形品の表
面におけるヒケ発生を防止することを目的とするため
に、2×10-2cal/cm・sec・゜C以下である
ことが必要とされる。この値を越える熱伝導率を有する
材料を用いて入れ子を作製した場合、キャビティ内の溶
融樹脂が入れ子によって急冷されるために、入れ子を備
えていない通常の炭素鋼等から作製された金型にて成形
された成形品と同程度の外観しか得られない。
【0023】入れ子を構成する材料に対して、通常の研
削加工で凹凸、曲面等の加工を容易にでき、かなり複雑
な形状以外は任意の形状の入れ子を製作できる。セラミ
ック粉末若しくは溶融ガラスを成形用金型に入れてプレ
ス成形した後に熱処理することで、入れ子を作製するこ
とができる。また、ガラスから成る板状物を治具上に置
いたまま炉内で自然に賦形させることによって、入れ子
を作製することもできる。
削加工で凹凸、曲面等の加工を容易にでき、かなり複雑
な形状以外は任意の形状の入れ子を製作できる。セラミ
ック粉末若しくは溶融ガラスを成形用金型に入れてプレ
ス成形した後に熱処理することで、入れ子を作製するこ
とができる。また、ガラスから成る板状物を治具上に置
いたまま炉内で自然に賦形させることによって、入れ子
を作製することもできる。
【0024】入れ子を結晶化ガラスから作製する場合、
入れ子を、結晶化度が10%以上、更に望ましくは結晶
化度が60%以上、一層望ましくは結晶化度が70〜1
00%の結晶化ガラスから作製することが好ましい。1
0%以上の結晶化度になると結晶がガラス全体に均一に
分散するので、熱衝撃強度及び界面剥離性が飛躍的に向
上するため、成形品の成形時における入れ子の破損発生
を著しく低下させることができる。結晶化度が10%未
満では、成形時にその表面から界面剥離を起こし易いと
いった欠点がある。尚、入れ子を構成する結晶化ガラス
の線膨張係数が1×10-6/K以下、熱衝撃強度が40
0゜C以上であることが好ましい。
入れ子を、結晶化度が10%以上、更に望ましくは結晶
化度が60%以上、一層望ましくは結晶化度が70〜1
00%の結晶化ガラスから作製することが好ましい。1
0%以上の結晶化度になると結晶がガラス全体に均一に
分散するので、熱衝撃強度及び界面剥離性が飛躍的に向
上するため、成形品の成形時における入れ子の破損発生
を著しく低下させることができる。結晶化度が10%未
満では、成形時にその表面から界面剥離を起こし易いと
いった欠点がある。尚、入れ子を構成する結晶化ガラス
の線膨張係数が1×10-6/K以下、熱衝撃強度が40
0゜C以上であることが好ましい。
【0025】熱衝撃強度とは、所定の温度に加熱した1
00mm×100mm×3mmのガラスを25゜Cの水
中に投げ込んだとき、ガラスに割れが発生するか否かの
温度を強度として規定したものである。熱衝撃強度が4
00゜Cであるとは、400゜Cに熱した100mm×
100mm×3mmのガラスを25゜Cの水中に投げ込
んだとき、ガラスに割れが発生しないことを意味する。
この熱衝撃強度は、耐熱ガラスにおいても180゜C前
後の値しか得られない。従って、それ以上の温度(例え
ば、約300゜C)で溶融された樹脂が入れ子と接触し
たとき、入れ子に歪みが生じ、入れ子が破損する場合が
ある。熱衝撃強度は、ガラスの結晶化度とも関係し、1
0%以上の結晶化度を有する結晶化ガラスから入れ子を
作製すれば、成形時に入れ子が割れることを確実に防止
し得る。
00mm×100mm×3mmのガラスを25゜Cの水
中に投げ込んだとき、ガラスに割れが発生するか否かの
温度を強度として規定したものである。熱衝撃強度が4
00゜Cであるとは、400゜Cに熱した100mm×
100mm×3mmのガラスを25゜Cの水中に投げ込
んだとき、ガラスに割れが発生しないことを意味する。
この熱衝撃強度は、耐熱ガラスにおいても180゜C前
後の値しか得られない。従って、それ以上の温度(例え
ば、約300゜C)で溶融された樹脂が入れ子と接触し
たとき、入れ子に歪みが生じ、入れ子が破損する場合が
ある。熱衝撃強度は、ガラスの結晶化度とも関係し、1
0%以上の結晶化度を有する結晶化ガラスから入れ子を
作製すれば、成形時に入れ子が割れることを確実に防止
し得る。
【0026】ここで、結晶化ガラスとは、原ガラスに少
量のTiO2及びZrO2の核剤を添加し、1600゜C
以上の高温下で溶融した後、プレス、ブロー、ロール、
キャスト法等によって成形され、更に結晶化のために熱
処理を行い、ガラス中にLi 2O−Al2O3−SiO2系
結晶を成長させ、主結晶相がβ−ユークリプタイト系結
晶及びβ−スポジュメン結晶が生成したものを例示する
ことができる。あるいは又、CaO−Al2O3−SiO
2系ガラスを1400〜1500゜Cで溶融後、水中へ
移して砕いて小粒化を行った後、集積し、耐火物セッタ
ー上で板状に成形後、更に加熱処理を行い、β−ウォラ
ストナイト結晶相が生成したものを例示することができ
る。更には、SiO2−B2O3−Al2O3−MgO−K2
O−F系ガラスを熱処理して雲母結晶を生成させたもの
や、核剤を含むMgO−Al2O3−SiO2系ガラスを
熱処理してコーディエライト結晶が生成されたものを例
示することができる。
量のTiO2及びZrO2の核剤を添加し、1600゜C
以上の高温下で溶融した後、プレス、ブロー、ロール、
キャスト法等によって成形され、更に結晶化のために熱
処理を行い、ガラス中にLi 2O−Al2O3−SiO2系
結晶を成長させ、主結晶相がβ−ユークリプタイト系結
晶及びβ−スポジュメン結晶が生成したものを例示する
ことができる。あるいは又、CaO−Al2O3−SiO
2系ガラスを1400〜1500゜Cで溶融後、水中へ
移して砕いて小粒化を行った後、集積し、耐火物セッタ
ー上で板状に成形後、更に加熱処理を行い、β−ウォラ
ストナイト結晶相が生成したものを例示することができ
る。更には、SiO2−B2O3−Al2O3−MgO−K2
O−F系ガラスを熱処理して雲母結晶を生成させたもの
や、核剤を含むMgO−Al2O3−SiO2系ガラスを
熱処理してコーディエライト結晶が生成されたものを例
示することができる。
【0027】これら結晶化ガラスにおいては、ガラス基
材中に存在する結晶粒子の割合を結晶化度という指標で
表すことができる。そして、X線回折装置等の分析機器
を用いて非晶相と結晶相の割合を測定することで結晶化
度を測定することができる。
材中に存在する結晶粒子の割合を結晶化度という指標で
表すことができる。そして、X線回折装置等の分析機器
を用いて非晶相と結晶相の割合を測定することで結晶化
度を測定することができる。
【0028】入れ子をセラミックから作製した場合、入
れ子の素材が多孔質であるために、成形品の表面に凸状
の突起物が転写される場合がある。しかしながら、結晶
化ガラスは、結晶粒子が微細であり、しかも粒子間の接
着力が優れており、多孔質でないために、成形品の表面
が鏡面になり易いといった利点がある。
れ子の素材が多孔質であるために、成形品の表面に凸状
の突起物が転写される場合がある。しかしながら、結晶
化ガラスは、結晶粒子が微細であり、しかも粒子間の接
着力が優れており、多孔質でないために、成形品の表面
が鏡面になり易いといった利点がある。
【0029】入れ子の表面に、スパッタリングやイオン
プレーティング等の表面処理技術によって、上述した材
料又は金属化合物から成る薄膜層を少なくとも1層設け
てもよく、これによって、セラミックの空孔を充填する
ことができ、成形品の表面特性を一層向上させることが
できる。但し、膜厚としては、20μm以下が好まし
く、この厚さを越えると断熱効果の低下及び薄膜層の入
れ子表面への密着性の低下、入れ子縁部での薄膜層のだ
れ発生、薄膜層の損傷発生、薄膜層の表面のうねり発生
が生じる虞がある。
プレーティング等の表面処理技術によって、上述した材
料又は金属化合物から成る薄膜層を少なくとも1層設け
てもよく、これによって、セラミックの空孔を充填する
ことができ、成形品の表面特性を一層向上させることが
できる。但し、膜厚としては、20μm以下が好まし
く、この厚さを越えると断熱効果の低下及び薄膜層の入
れ子表面への密着性の低下、入れ子縁部での薄膜層のだ
れ発生、薄膜層の損傷発生、薄膜層の表面のうねり発生
が生じる虞がある。
【0030】成形品に鏡面性が要求される場合、入れ子
のキャビティを構成する面(入れ子のキャビティ面と呼
ぶ)の表面粗さRyを0.03μm以下とすることが望
ましい。表面粗さRyが0.03μmを越えると、鏡面
性が不足し、成形品に要求される特性、例えば表面平滑
性(写像性)を満足しない場合がある。そのためには、
作製された入れ子のキャビティ面に対して、表面粗さR
yが0.03μm以下になるまで、例えばダイヤモンド
ラッピングを行い、更に、必要に応じて、ポリッシング
を行えばよい。ラッピングは、ラッピングマシン等を用
いて行うことができる。尚、ラッピングは入れ子加工の
最終工程で行うことが望ましい。通常の炭素鋼等の磨き
と比較すると、例えば結晶化ガラスの場合、約1/2の
コストで鏡面が得られるために、金型の製作費を低減さ
せることが可能である。尚、表面粗さRyの測定は、J
IS B0601に準じた。つや消し若しくはヘラーラ
インの状態の表面を有する成形品を成形する場合には、
入れ子のキャビティ面をサンドブラスト処理やエッチン
グを行うことによって、入れ子のキャビティ面に細かい
凹凸やラインを形成すればよい。
のキャビティを構成する面(入れ子のキャビティ面と呼
ぶ)の表面粗さRyを0.03μm以下とすることが望
ましい。表面粗さRyが0.03μmを越えると、鏡面
性が不足し、成形品に要求される特性、例えば表面平滑
性(写像性)を満足しない場合がある。そのためには、
作製された入れ子のキャビティ面に対して、表面粗さR
yが0.03μm以下になるまで、例えばダイヤモンド
ラッピングを行い、更に、必要に応じて、ポリッシング
を行えばよい。ラッピングは、ラッピングマシン等を用
いて行うことができる。尚、ラッピングは入れ子加工の
最終工程で行うことが望ましい。通常の炭素鋼等の磨き
と比較すると、例えば結晶化ガラスの場合、約1/2の
コストで鏡面が得られるために、金型の製作費を低減さ
せることが可能である。尚、表面粗さRyの測定は、J
IS B0601に準じた。つや消し若しくはヘラーラ
インの状態の表面を有する成形品を成形する場合には、
入れ子のキャビティ面をサンドブラスト処理やエッチン
グを行うことによって、入れ子のキャビティ面に細かい
凹凸やラインを形成すればよい。
【0031】また、入れ子に凹凸形状を設ける場合に
は、凹凸部のエッジに発生した微細なクラックが溶融樹
脂と接触して破損することを防止するために、ダイヤモ
ンド砥石で凹凸部の縁部を研磨して応力が集中しないよ
うにすべきである。あるいは又、場合によっては、半径
0.3mm以下の曲率面やC面カットを設け、応力集中
を避けることが好ましい。
は、凹凸部のエッジに発生した微細なクラックが溶融樹
脂と接触して破損することを防止するために、ダイヤモ
ンド砥石で凹凸部の縁部を研磨して応力が集中しないよ
うにすべきである。あるいは又、場合によっては、半径
0.3mm以下の曲率面やC面カットを設け、応力集中
を避けることが好ましい。
【0032】研削加工等によって所定形状に加工した
後、入れ子の装着時に入れ子が金型部に設けられた入れ
子装着部から落下して破損する虞がない場合、あるいは
又、接着剤を用いることなく入れ子を入れ子装着部に装
着可能な場合には、接着剤を用いずに入れ子を金型部に
設けられた入れ子装着部に直接装着することができる。
あるいは又、エポキシ系、シリコン系、ウレタン系、ア
クリル系等の中から選択された熱硬化性接着剤を用い
て、入れ子を入れ子装着部に接着してもよい。あるいは
又、場合によっては、ボルトを用いて固定することがで
きる。尚、入れ子装着部が設けられた入れ子装着用中子
を金型部に取り付け、かかる入れ子装着用中子の入れ子
装着部に入れ子を装着してもよい。
後、入れ子の装着時に入れ子が金型部に設けられた入れ
子装着部から落下して破損する虞がない場合、あるいは
又、接着剤を用いることなく入れ子を入れ子装着部に装
着可能な場合には、接着剤を用いずに入れ子を金型部に
設けられた入れ子装着部に直接装着することができる。
あるいは又、エポキシ系、シリコン系、ウレタン系、ア
クリル系等の中から選択された熱硬化性接着剤を用い
て、入れ子を入れ子装着部に接着してもよい。あるいは
又、場合によっては、ボルトを用いて固定することがで
きる。尚、入れ子装着部が設けられた入れ子装着用中子
を金型部に取り付け、かかる入れ子装着用中子の入れ子
装着部に入れ子を装着してもよい。
【0033】金型部の入れ子装着部と入れ子のクリアラ
ンス(D)は、限りなく0に近い値であってよいが、実
用的には、0.005mm以上であることが好ましい。
ここで、クリアランス(D)は、入れ子のキャビティ面
に沿った、金型部の入れ子装着部と入れ子との間のクリ
アランスを指す。入れ子を構成する材料の線膨張係数に
依存するが、クリアランス(D)が余りに小さい場合、
金型部を構成する材料と入れ子を構成する材料の線膨張
係数の差による入れ子の破損を防止することができなく
なる場合があるので、入れ子のクリアランス(D)は、
このような問題が生じないような値とすればよい。尚、
クリアランス(D)を大きくし過ぎると、入れ子の位置
ズレ及び位置安定性が不足するために、入れ子が破損す
る虞がある。従って、クリアランス(D)は、2mm程
度以下であることが好ましい。
ンス(D)は、限りなく0に近い値であってよいが、実
用的には、0.005mm以上であることが好ましい。
ここで、クリアランス(D)は、入れ子のキャビティ面
に沿った、金型部の入れ子装着部と入れ子との間のクリ
アランスを指す。入れ子を構成する材料の線膨張係数に
依存するが、クリアランス(D)が余りに小さい場合、
金型部を構成する材料と入れ子を構成する材料の線膨張
係数の差による入れ子の破損を防止することができなく
なる場合があるので、入れ子のクリアランス(D)は、
このような問題が生じないような値とすればよい。尚、
クリアランス(D)を大きくし過ぎると、入れ子の位置
ズレ及び位置安定性が不足するために、入れ子が破損す
る虞がある。従って、クリアランス(D)は、2mm程
度以下であることが好ましい。
【0034】本発明の成形品の製造方法において、成形
品を成形する方法としては、熱可塑性樹脂を成形するた
めに一般的に用いられる射出成形法やブロー成形法、多
色成形法を挙げることができるが、最も好ましい方法は
射出成形法である。
品を成形する方法としては、熱可塑性樹脂を成形するた
めに一般的に用いられる射出成形法やブロー成形法、多
色成形法を挙げることができるが、最も好ましい方法は
射出成形法である。
【0035】本発明における熱可塑性樹脂としては、通
常使用されている熱可塑性樹脂の全てを用いることがで
きる。具体的には、非晶性の熱可塑性樹脂として、ポリ
スチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂とい
ったスチレン系樹脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネー
ト樹脂;変性PPE樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエ
ステルカーボネート樹脂を挙げることができる。また、
結晶性の熱可塑性樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド
6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミ
ド系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹
脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリ
ブチレンエチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポ
リエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;
ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエ
ーテルイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリイミド
系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂;液晶ポリマーを挙げることができる。
常使用されている熱可塑性樹脂の全てを用いることがで
きる。具体的には、非晶性の熱可塑性樹脂として、ポリ
スチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂とい
ったスチレン系樹脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネー
ト樹脂;変性PPE樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエ
ステルカーボネート樹脂を挙げることができる。また、
結晶性の熱可塑性樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド
6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミ
ド系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹
脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリ
ブチレンエチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポ
リエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;
ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエ
ーテルイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリイミド
系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂;液晶ポリマーを挙げることができる。
【0036】結晶性の熱可塑性樹脂は、結晶化によって
密度及び融点が高くなり、成形品の硬度や弾性率が向上
する。また、結晶性の熱可塑性樹脂は、水分や染料、可
塑剤等が結晶組織へ入り込み難いといった特徴を有して
いるため、耐薬品性に優れている。通常、結晶性の熱可
塑性樹脂を用いた成形品の成形においては、金型温度を
結晶性の熱可塑性樹脂の荷重撓み温度よりもかなり低く
設定しておき、キャビティ内に導入された溶融した結晶
性の熱可塑性樹脂の冷却、固化を促進させる方法が採ら
れている。従来の技術においては、金型は金属材料から
作製されているので、熱伝導性が良く、しかも、金型温
度を結晶性の熱可塑性樹脂の荷重撓み温度よりもかなり
低く設定した場合、キャビティ内に導入された溶融した
結晶性の熱可塑性樹脂は、金型のキャビティ面と接触し
たとき、瞬時に冷却され始める。その結果、成形品の表
面には、非晶質層あるいは結晶化度の低い微細な結晶層
(スキン層)が形成される。このようなスキン層が形成
された成形品においては、成形品の表面に関連する物性
が著しく低下するという問題が生じる。例えば結晶性の
熱可塑性樹脂としてポリオキシメチレン(ポリアセター
ル)樹脂から成形された成形品の耐摩擦摩耗性や耐候性
が著しく低下する。また、金型のキャビティ面の成形品
表面への転写性が劣化するし、ヒケも発生する。
密度及び融点が高くなり、成形品の硬度や弾性率が向上
する。また、結晶性の熱可塑性樹脂は、水分や染料、可
塑剤等が結晶組織へ入り込み難いといった特徴を有して
いるため、耐薬品性に優れている。通常、結晶性の熱可
塑性樹脂を用いた成形品の成形においては、金型温度を
結晶性の熱可塑性樹脂の荷重撓み温度よりもかなり低く
設定しておき、キャビティ内に導入された溶融した結晶
性の熱可塑性樹脂の冷却、固化を促進させる方法が採ら
れている。従来の技術においては、金型は金属材料から
作製されているので、熱伝導性が良く、しかも、金型温
度を結晶性の熱可塑性樹脂の荷重撓み温度よりもかなり
低く設定した場合、キャビティ内に導入された溶融した
結晶性の熱可塑性樹脂は、金型のキャビティ面と接触し
たとき、瞬時に冷却され始める。その結果、成形品の表
面には、非晶質層あるいは結晶化度の低い微細な結晶層
(スキン層)が形成される。このようなスキン層が形成
された成形品においては、成形品の表面に関連する物性
が著しく低下するという問題が生じる。例えば結晶性の
熱可塑性樹脂としてポリオキシメチレン(ポリアセター
ル)樹脂から成形された成形品の耐摩擦摩耗性や耐候性
が著しく低下する。また、金型のキャビティ面の成形品
表面への転写性が劣化するし、ヒケも発生する。
【0037】本発明においては、キャビティ内に導入さ
れた溶融した結晶性の熱可塑性樹脂が急冷されることが
ないために、結晶性の熱可塑性樹脂を用いた場合にも、
樹脂の結晶化度の低下を招くことがなく、成形品の樹脂
表面の結晶化度が高く、樹脂の劣化による割れ等、樹脂
表面に関連する物性の低下を防止することができる。
れた溶融した結晶性の熱可塑性樹脂が急冷されることが
ないために、結晶性の熱可塑性樹脂を用いた場合にも、
樹脂の結晶化度の低下を招くことがなく、成形品の樹脂
表面の結晶化度が高く、樹脂の劣化による割れ等、樹脂
表面に関連する物性の低下を防止することができる。
【0038】更には、ポリマーアロイ材料から成る熱可
塑性樹脂を用いることもできる。ここで、ポリマーアロ
イ材料は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンド
したもの、又は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を化
学的に結合させたブロック共重合体若しくはグラフト共
重合体から成る。ここで、少なくとも2種類の熱可塑性
樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料を構成する熱可
塑性樹脂として、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AE
S樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹
脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミ
ド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリア
ミド系樹脂;変性PPE樹脂;ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエ
ステル樹脂;ポリオキシメチレン樹脂;ポリスルホン樹
脂;ポリイミド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹
脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;
ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン
樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;液晶ポリマー;
エラストマーを挙げることができる。2種類の熱可塑性
樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカ
ーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイ材料を
例示することができる。尚、このような樹脂の組合せ
を、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂と表記する。以
下においても同様である。更に、少なくとも2種類の熱
可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、
ポリカーボネート樹脂/PET樹脂、ポリカーボネート
樹脂/PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂/PET樹
脂、変性PPE樹脂/HIPS樹脂、変性PPE樹脂/
ポリアミド系樹脂、変性PPE樹脂/PBT樹脂/PE
T樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミドMXD6樹脂、ポ
リオキシメチレン樹脂/ポリウレタン樹脂、PBT樹脂
/PET樹脂、ポリカーボネート樹脂/液晶ポリマーを
例示することができる。また、少なくとも2種類の熱可
塑性樹脂を化学的に結合させたブロック共重合体若しく
はグラフト共重合体から成るポリマーアロイ材料とし
て、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹
脂を例示することができる。
塑性樹脂を用いることもできる。ここで、ポリマーアロ
イ材料は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンド
したもの、又は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を化
学的に結合させたブロック共重合体若しくはグラフト共
重合体から成る。ここで、少なくとも2種類の熱可塑性
樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料を構成する熱可
塑性樹脂として、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AE
S樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹
脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミ
ド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリア
ミド系樹脂;変性PPE樹脂;ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエ
ステル樹脂;ポリオキシメチレン樹脂;ポリスルホン樹
脂;ポリイミド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹
脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;
ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン
樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;液晶ポリマー;
エラストマーを挙げることができる。2種類の熱可塑性
樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカ
ーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイ材料を
例示することができる。尚、このような樹脂の組合せ
を、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂と表記する。以
下においても同様である。更に、少なくとも2種類の熱
可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、
ポリカーボネート樹脂/PET樹脂、ポリカーボネート
樹脂/PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂/PET樹
脂、変性PPE樹脂/HIPS樹脂、変性PPE樹脂/
ポリアミド系樹脂、変性PPE樹脂/PBT樹脂/PE
T樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミドMXD6樹脂、ポ
リオキシメチレン樹脂/ポリウレタン樹脂、PBT樹脂
/PET樹脂、ポリカーボネート樹脂/液晶ポリマーを
例示することができる。また、少なくとも2種類の熱可
塑性樹脂を化学的に結合させたブロック共重合体若しく
はグラフト共重合体から成るポリマーアロイ材料とし
て、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹
脂を例示することができる。
【0039】尚、本発明の熱可塑性樹脂から成る成形品
の製造方法によれば、非晶性の熱可塑性樹脂と結晶性の
熱可塑性樹脂から成るポリマーアロイ材料に特有の現象
である成形品外観不良(色ムラや表面のくもり)の発生
を効果的に防止することができる。即ち、ポリマーアロ
イ材料に基づき成形された成形品においては、一般に、
成形品の外観(特に、光沢性)が悪くなり、特に、成形
品の厚さが変わる部分やウェルド部分において外観不良
が生じ易いという問題がある。この原因は、通常、金型
は熱伝導性が良い金属材料から作製されているので、キ
ャビティ内に導入された溶融したポリマーアロイ材料
は、金型のキャビティ面と接触したとき、瞬時に冷却さ
れ始める。その結果、溶融したポリマーアロイ材料に固
化層が形成され、ヒケが発生すると同時に、転写性不良
や光沢不良が生じる。本発明においては、キャビティ内
に導入された溶融したポリマーアロイ材料が急冷される
ことがないために、ヒケの発生を防止することができる
ばかりか、成形品の光沢性が極めて向上し、鏡面性に優
れた成形品を容易に得ることができる。
の製造方法によれば、非晶性の熱可塑性樹脂と結晶性の
熱可塑性樹脂から成るポリマーアロイ材料に特有の現象
である成形品外観不良(色ムラや表面のくもり)の発生
を効果的に防止することができる。即ち、ポリマーアロ
イ材料に基づき成形された成形品においては、一般に、
成形品の外観(特に、光沢性)が悪くなり、特に、成形
品の厚さが変わる部分やウェルド部分において外観不良
が生じ易いという問題がある。この原因は、通常、金型
は熱伝導性が良い金属材料から作製されているので、キ
ャビティ内に導入された溶融したポリマーアロイ材料
は、金型のキャビティ面と接触したとき、瞬時に冷却さ
れ始める。その結果、溶融したポリマーアロイ材料に固
化層が形成され、ヒケが発生すると同時に、転写性不良
や光沢不良が生じる。本発明においては、キャビティ内
に導入された溶融したポリマーアロイ材料が急冷される
ことがないために、ヒケの発生を防止することができる
ばかりか、成形品の光沢性が極めて向上し、鏡面性に優
れた成形品を容易に得ることができる。
【0040】尚、以上に説明した各種の熱可塑性樹脂
に、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、染顔料等を添加す
ることができるし、ガラスビーズ、マイカ、カオリン、
炭酸カルシウム等の無機充填材、あるいは有機充填材を
添加することもできる。
に、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、染顔料等を添加す
ることができるし、ガラスビーズ、マイカ、カオリン、
炭酸カルシウム等の無機充填材、あるいは有機充填材を
添加することもできる。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂から成る成形品の製
造方法においては、無機繊維を5重量%乃至80重量%
含有する熱可塑性樹脂を用いることもできる。尚、成形
品の強度を重視する場合には、無機繊維の平均長さを、
5μm乃至5mm、好ましくは10μm乃至0.4mm
とし、成形品の写像性(鏡面性)を重視する場合には、
5μm乃至0.4mm、より好ましくは5μm乃至0.
2mm、一層好ましくは5μm乃至0.1mmとするこ
とが望ましい。また、これらの場合、無機繊維の平均直
径を、0.01μm乃至15μm、より好ましくは0.
1μm乃至13μm、一層好ましくは0.1μm乃至1
0μmとすることが望ましい。
造方法においては、無機繊維を5重量%乃至80重量%
含有する熱可塑性樹脂を用いることもできる。尚、成形
品の強度を重視する場合には、無機繊維の平均長さを、
5μm乃至5mm、好ましくは10μm乃至0.4mm
とし、成形品の写像性(鏡面性)を重視する場合には、
5μm乃至0.4mm、より好ましくは5μm乃至0.
2mm、一層好ましくは5μm乃至0.1mmとするこ
とが望ましい。また、これらの場合、無機繊維の平均直
径を、0.01μm乃至15μm、より好ましくは0.
1μm乃至13μm、一層好ましくは0.1μm乃至1
0μmとすることが望ましい。
【0042】従来の技術において、無機繊維を含有した
熱可塑性樹脂を用いて成形品を成形した場合、成形品の
表面に無機繊維が析出する結果、成形品の外観が悪くな
り、あるいは又、写像性(鏡面性)が劣化するという問
題が生じ易い。それ故、優れた外観特性や写像性が要求
される成形品に対しては、無機繊維を含有する熱可塑性
樹脂を使用することは困難であった。尚、成形品の表面
への無機繊維の析出という現象は、成形品の表面に無機
繊維が浮き出ることなどで認識することができる。それ
故、成形品の表面への無機繊維の析出といった問題を解
決するために、従来の技術においては、熱可塑性樹脂の
粘度を低下させ、溶融樹脂の流動性を良くすることで対
応していた。しかしながら、無機繊維の含有率を増加さ
せた場合、無機繊維が成形品の表面から析出することを
防止することは難しくなる。そのため、優れた外観特性
が必要とされる成形品には、優れた性能を有しているに
も拘らず、無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を使用する
ことは困難であった。無機繊維の含有率が増えると無機
繊維が成形品の表面から析出する原因も、金型の材質と
関係している。通常、金型は熱伝導性が良い金属材料か
ら作製されているので、キャビティ内に導入された無機
繊維を含有する溶融樹脂は、金型のキャビティ面と接触
したとき、瞬時に冷却され始める。その結果、金型のキ
ャビティ面と接触した溶融樹脂に固化層が形成され、成
形品表面にヒケが発生するだけでなく、無機繊維が析出
する。加えて、金型のキャビティ面の成形品表面への転
写性が不足するという問題を生じる。本発明において
は、キャビティ内に導入された溶融した熱可塑性樹脂が
急冷されることがないために、金型のキャビティ面と接
触した溶融樹脂に固化層が形成されることが無く、ヒケ
の発生、無機繊維の析出を確実に防止することができ
る。
熱可塑性樹脂を用いて成形品を成形した場合、成形品の
表面に無機繊維が析出する結果、成形品の外観が悪くな
り、あるいは又、写像性(鏡面性)が劣化するという問
題が生じ易い。それ故、優れた外観特性や写像性が要求
される成形品に対しては、無機繊維を含有する熱可塑性
樹脂を使用することは困難であった。尚、成形品の表面
への無機繊維の析出という現象は、成形品の表面に無機
繊維が浮き出ることなどで認識することができる。それ
故、成形品の表面への無機繊維の析出といった問題を解
決するために、従来の技術においては、熱可塑性樹脂の
粘度を低下させ、溶融樹脂の流動性を良くすることで対
応していた。しかしながら、無機繊維の含有率を増加さ
せた場合、無機繊維が成形品の表面から析出することを
防止することは難しくなる。そのため、優れた外観特性
が必要とされる成形品には、優れた性能を有しているに
も拘らず、無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を使用する
ことは困難であった。無機繊維の含有率が増えると無機
繊維が成形品の表面から析出する原因も、金型の材質と
関係している。通常、金型は熱伝導性が良い金属材料か
ら作製されているので、キャビティ内に導入された無機
繊維を含有する溶融樹脂は、金型のキャビティ面と接触
したとき、瞬時に冷却され始める。その結果、金型のキ
ャビティ面と接触した溶融樹脂に固化層が形成され、成
形品表面にヒケが発生するだけでなく、無機繊維が析出
する。加えて、金型のキャビティ面の成形品表面への転
写性が不足するという問題を生じる。本発明において
は、キャビティ内に導入された溶融した熱可塑性樹脂が
急冷されることがないために、金型のキャビティ面と接
触した溶融樹脂に固化層が形成されることが無く、ヒケ
の発生、無機繊維の析出を確実に防止することができ
る。
【0043】この場合、熱可塑性樹脂が含有する無機繊
維の割合(言い換えれば、熱可塑性樹脂に添加された無
機繊維の割合)は、要求される曲げ弾性率(例えば、A
STM D790に準拠して測定したときの値が3.0
GPa以上)を満足し得る成形品を成形できる範囲であ
ればよく、その上限は、キャビティ内の溶融樹脂の流動
性が低下するため成形が困難となり、あるいは又、優れ
た鏡面性を有する成形品を成形できなくなるときの値と
すればよい。具体的には、結晶性の熱可塑性樹脂を用い
る場合には上限は概ね80重量%である。非晶性の熱可
塑性樹脂を用いる場合には、結晶性の熱可塑性樹脂より
も流動性が劣るために、場合によっては上限は概ね50
重量%となる。含有率が5重量%未満では成形品に要求
される曲げ弾性率、弾性率や線膨張係数が得られず、ま
た、80重量%を越えると溶融樹脂の流動性が低下する
ため成形品の成形が困難となり、あるいは又、優れた鏡
面性を有する成形品を成形できなくなる虞がある。
維の割合(言い換えれば、熱可塑性樹脂に添加された無
機繊維の割合)は、要求される曲げ弾性率(例えば、A
STM D790に準拠して測定したときの値が3.0
GPa以上)を満足し得る成形品を成形できる範囲であ
ればよく、その上限は、キャビティ内の溶融樹脂の流動
性が低下するため成形が困難となり、あるいは又、優れ
た鏡面性を有する成形品を成形できなくなるときの値と
すればよい。具体的には、結晶性の熱可塑性樹脂を用い
る場合には上限は概ね80重量%である。非晶性の熱可
塑性樹脂を用いる場合には、結晶性の熱可塑性樹脂より
も流動性が劣るために、場合によっては上限は概ね50
重量%となる。含有率が5重量%未満では成形品に要求
される曲げ弾性率、弾性率や線膨張係数が得られず、ま
た、80重量%を越えると溶融樹脂の流動性が低下する
ため成形品の成形が困難となり、あるいは又、優れた鏡
面性を有する成形品を成形できなくなる虞がある。
【0044】また、無機繊維の平均長さが5μm未満で
あったり、平均直径が0.01μm未満では、成形品に
要求される曲げ弾性率が得られない。一方、無機繊維の
平均長さが5mmを越えたり、平均直径が15μmを越
えると、成形品の表面が鏡面にならないといった問題が
生じる。
あったり、平均直径が0.01μm未満では、成形品に
要求される曲げ弾性率が得られない。一方、無機繊維の
平均長さが5mmを越えたり、平均直径が15μmを越
えると、成形品の表面が鏡面にならないといった問題が
生じる。
【0045】上記の範囲の平均長さ及び平均直径を有す
る無機繊維を、好ましくはシランカップリング剤等を用
いて表面処理した後、熱可塑性樹脂とコンパウンドし
て、ペレット化して成形用材料とする。このような成形
用材料、及び入れ子が組み込まれた金型を用い、使用す
る熱可塑性樹脂の種類に応じて金型温度を制御して成形
品の成形を行うことで、高剛性、高弾性率、低線膨張係
数、高荷重撓み温度(耐熱性)を有し且つ鏡面性(写像
性)に優れ、ヒケの無い成形品を得ることができる。
る無機繊維を、好ましくはシランカップリング剤等を用
いて表面処理した後、熱可塑性樹脂とコンパウンドし
て、ペレット化して成形用材料とする。このような成形
用材料、及び入れ子が組み込まれた金型を用い、使用す
る熱可塑性樹脂の種類に応じて金型温度を制御して成形
品の成形を行うことで、高剛性、高弾性率、低線膨張係
数、高荷重撓み温度(耐熱性)を有し且つ鏡面性(写像
性)に優れ、ヒケの無い成形品を得ることができる。
【0046】無機繊維は、ガラス繊維、カーボン繊維、
ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊
維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグ
ネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊
維及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から成る群から選
択された少なくとも1種の材料から構成することが好ま
しい。尚、熱可塑性樹脂に含有される無機繊維は1種類
に限定されず、2種類以上の無機繊維を熱可塑性樹脂に
含有させてもよい。
ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊
維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグ
ネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊
維及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から成る群から選
択された少なくとも1種の材料から構成することが好ま
しい。尚、熱可塑性樹脂に含有される無機繊維は1種類
に限定されず、2種類以上の無機繊維を熱可塑性樹脂に
含有させてもよい。
【0047】無機繊維の平均長さは、重量平均長さを意
味する。無機繊維の長さの測定は、熱可塑性樹脂の樹脂
成分を溶解する液体に無機繊維を含有する成形用ペレッ
ト若しくは成形品を浸漬して樹脂成分を溶解するか、ガ
ラス繊維の場合、600゜C以上の高温で樹脂成分を燃
焼させて、残留する無機繊維を顕微鏡等で観察して測定
することができる。通常、無機繊維を写真撮影して人が
測長するか、専用の繊維長測定装置を使用して無機繊維
の長さを求める。数平均長さでは微小に破壊された繊維
の影響が大き過ぎるので、重量平均長さを採用すること
が好ましい。重量平均長さの測定に際しては、あまりに
小さく破砕された無機繊維の破片を除いて測定する。無
機繊維の公称直径の2倍よりも長さが短くなると測定が
難しくなるので、例えば公称直径の2倍以上の長さを有
する無機繊維を測定の対象とする。
味する。無機繊維の長さの測定は、熱可塑性樹脂の樹脂
成分を溶解する液体に無機繊維を含有する成形用ペレッ
ト若しくは成形品を浸漬して樹脂成分を溶解するか、ガ
ラス繊維の場合、600゜C以上の高温で樹脂成分を燃
焼させて、残留する無機繊維を顕微鏡等で観察して測定
することができる。通常、無機繊維を写真撮影して人が
測長するか、専用の繊維長測定装置を使用して無機繊維
の長さを求める。数平均長さでは微小に破壊された繊維
の影響が大き過ぎるので、重量平均長さを採用すること
が好ましい。重量平均長さの測定に際しては、あまりに
小さく破砕された無機繊維の破片を除いて測定する。無
機繊維の公称直径の2倍よりも長さが短くなると測定が
難しくなるので、例えば公称直径の2倍以上の長さを有
する無機繊維を測定の対象とする。
【0048】無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いた
本発明の成形品の製造方法において得られる成形品とし
て、自動車用ドアハンドルを挙げることもできる。自動
車用ドアハンドルから成る成形品に要求される物性値を
例示すると、以下の表4のとおりである。これらの特性
を満足するためには、以下の表5に示す諸元を満足する
無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いることが好まし
い。尚、自動車用ドアハンドルは、ドアに固定される本
体部品、及び、バネあるいは固定部品によって本体部品
と連結される取っ手部品から構成されており、外ヒンジ
タイプ又は内ヒンジタイプの引手式(プルアップ式)あ
るいはプッシュボタン式のアウトサイド・ドアハンド
ル、ドアトリムに埋め込まれた引手式のインサイド・ド
アハンドルを例示することができる。
本発明の成形品の製造方法において得られる成形品とし
て、自動車用ドアハンドルを挙げることもできる。自動
車用ドアハンドルから成る成形品に要求される物性値を
例示すると、以下の表4のとおりである。これらの特性
を満足するためには、以下の表5に示す諸元を満足する
無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いることが好まし
い。尚、自動車用ドアハンドルは、ドアに固定される本
体部品、及び、バネあるいは固定部品によって本体部品
と連結される取っ手部品から構成されており、外ヒンジ
タイプ又は内ヒンジタイプの引手式(プルアップ式)あ
るいはプッシュボタン式のアウトサイド・ドアハンド
ル、ドアトリムに埋め込まれた引手式のインサイド・ド
アハンドルを例示することができる。
【0049】
【表4】 曲げ弾性率 :5.0GPa以上 好ましくは、5〜25GPa 線膨張係数 :3.0×10-5/K以下 好ましくは 0.5〜3.0×10-5/K 荷重撓み温度:140゜C以上 写像性 :85%以上
【0050】
【表5】 平均長さ:5μm〜400μm 好ましくは5μm乃至70μm 平均直径:0.01μm〜15μm 好ましくは0.1μm〜10μm 含有率 :15〜80重量% 好ましくは20〜60重量%
【0051】また、無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を
用いた本発明の成形品の製造方法においては、成形品の
表面の少なくとも一部分に光反射薄膜を成膜する工程を
更に含むことができる。この場合、光反射薄膜の厚さ
は、光を効果的に反射できる厚さであればよく、例え
ば、少なくとも50nm、好ましくは50nm乃至50
0nm、一層好ましくは100nm乃至300nmとす
ることが望ましい。尚、50nm未満では、反射率が十
分でなくなる場合があり、一方、500nmを越えると
成形品の表面平滑性が低下し反射率に問題を生じる場合
がある。光反射薄膜を構成する材料として、例えば、
金、白金、銀、クロム、ニッケル、リンニッケル、アル
ミニウム、銅、ベリリウム、ベリリウム銅、亜鉛等の金
属又はこれらの金属化合物、合金を挙げることができ
る。成膜方法として、 (a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着
法等の各種真空蒸着法、 (b)プラズマ蒸着法 (c)2極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネト
ロンスパッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパ
ッタ法、イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法
等の各種スパッタ法 (d)DC(Direct Current)法、RF法、多陰極法、
活性化反応法、HCD(Hollow Cathode Discharge)
法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応
性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティン
グ法 等のPVD(Physical Vapor Deposition)法を挙げる
ことができる。反射率とコストの観点からは、アルミニ
ウムを真空蒸着することによって光反射薄膜を成膜する
ことが最も好ましい。
用いた本発明の成形品の製造方法においては、成形品の
表面の少なくとも一部分に光反射薄膜を成膜する工程を
更に含むことができる。この場合、光反射薄膜の厚さ
は、光を効果的に反射できる厚さであればよく、例え
ば、少なくとも50nm、好ましくは50nm乃至50
0nm、一層好ましくは100nm乃至300nmとす
ることが望ましい。尚、50nm未満では、反射率が十
分でなくなる場合があり、一方、500nmを越えると
成形品の表面平滑性が低下し反射率に問題を生じる場合
がある。光反射薄膜を構成する材料として、例えば、
金、白金、銀、クロム、ニッケル、リンニッケル、アル
ミニウム、銅、ベリリウム、ベリリウム銅、亜鉛等の金
属又はこれらの金属化合物、合金を挙げることができ
る。成膜方法として、 (a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着
法等の各種真空蒸着法、 (b)プラズマ蒸着法 (c)2極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネト
ロンスパッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパ
ッタ法、イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法
等の各種スパッタ法 (d)DC(Direct Current)法、RF法、多陰極法、
活性化反応法、HCD(Hollow Cathode Discharge)
法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応
性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティン
グ法 等のPVD(Physical Vapor Deposition)法を挙げる
ことができる。反射率とコストの観点からは、アルミニ
ウムを真空蒸着することによって光反射薄膜を成膜する
ことが最も好ましい。
【0052】こうして得られた成形品の一形態としてミ
ラーを挙げることができる。より具体的には、ルームミ
ラー、ドアミラー、フェンダーミラー、スピードメータ
ーに内蔵されるミラー等の車両車載ミラー、カメラ用ダ
ハミラー、複写機用光学系ミラー、レーザビームプリン
ター用ポリゴンミラー等の光学系ミラーを例示すること
ができる。ミラー部材(光反射薄膜を成膜する前の成形
品)あるいはミラーから成る成形品に要求される物性値
は、以下の表6のとおりである。尚、表6中、写像性
は、光反射薄膜形成前の成形品に対する値である。これ
らの特性を満足するためには、以下の表7に示す諸元を
満足する無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いること
が好ましい。本発明の熱可塑性樹脂から成る成形品の製
造方法によってミラーから成る成形品を製造すれば、ガ
ラスから製造する従来のミラー作製方法よりも量産性に
優れ、且つ、アセンブリー部分までも成形によって一体
化できることから、部品の低減及びミラーの製造コスト
ダウンが期待できる。
ラーを挙げることができる。より具体的には、ルームミ
ラー、ドアミラー、フェンダーミラー、スピードメータ
ーに内蔵されるミラー等の車両車載ミラー、カメラ用ダ
ハミラー、複写機用光学系ミラー、レーザビームプリン
ター用ポリゴンミラー等の光学系ミラーを例示すること
ができる。ミラー部材(光反射薄膜を成膜する前の成形
品)あるいはミラーから成る成形品に要求される物性値
は、以下の表6のとおりである。尚、表6中、写像性
は、光反射薄膜形成前の成形品に対する値である。これ
らの特性を満足するためには、以下の表7に示す諸元を
満足する無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いること
が好ましい。本発明の熱可塑性樹脂から成る成形品の製
造方法によってミラーから成る成形品を製造すれば、ガ
ラスから製造する従来のミラー作製方法よりも量産性に
優れ、且つ、アセンブリー部分までも成形によって一体
化できることから、部品の低減及びミラーの製造コスト
ダウンが期待できる。
【0053】
【表6】 曲げ弾性率 :5.0GPa以上 線膨張係数 :3.0×10-5/K以下 荷重撓み温度:100゜C以上 写像性 :85%以上(ミラー部材として)
【0054】
【表7】 平均長さ:5〜100μm 好ましくは5〜70μm 平均直径:0.01〜15μm 好ましくは0.1〜10μm 含有率 :15〜80重量%
【0055】あるいは又、こうして得られた成形品の別
の形態としてリフレクターを挙げることができる。より
具体的には、ヘッドランプ、ターンランプ、サーチライ
ト、回転灯、非常灯等に組み込まれたリフレクターを例
示することができる。リフレクター部材(光反射薄膜を
成膜する前の成形品)に要求される物性値を、以下の表
8に例示する。これらの特性を満足するためには、以下
の表9に示す諸元を満足する無機繊維を含有する熱可塑
性樹脂を用いることが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂
から成る成形品の製造方法によってリフレクターから成
る成形品を製造すれば、ガラス又は熱硬化性樹脂から製
造する従来のリフレクター作製方法よりも量産性に優
れ、且つ、アセンブリー部分までも成形によって一体化
できることから、部品の低減及びミラーの製造コストダ
ウンが期待できるし、光源からの熱によってもリフレク
ターは変形せず、しかも熱による膨張量も極めて少な
い。
の形態としてリフレクターを挙げることができる。より
具体的には、ヘッドランプ、ターンランプ、サーチライ
ト、回転灯、非常灯等に組み込まれたリフレクターを例
示することができる。リフレクター部材(光反射薄膜を
成膜する前の成形品)に要求される物性値を、以下の表
8に例示する。これらの特性を満足するためには、以下
の表9に示す諸元を満足する無機繊維を含有する熱可塑
性樹脂を用いることが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂
から成る成形品の製造方法によってリフレクターから成
る成形品を製造すれば、ガラス又は熱硬化性樹脂から製
造する従来のリフレクター作製方法よりも量産性に優
れ、且つ、アセンブリー部分までも成形によって一体化
できることから、部品の低減及びミラーの製造コストダ
ウンが期待できるし、光源からの熱によってもリフレク
ターは変形せず、しかも熱による膨張量も極めて少な
い。
【0056】
【表8】 線膨張係数 :3.0×10-5/K以下 好ましくは 0.5〜3.0×10-5/K 荷重撓み温度:140゜C以上 好ましくは140〜260゜C
【0057】
【表9】 平均長さ:5〜100μm 好ましくは5〜70μm 平均直径:0.01〜15μm 好ましくは0.05〜13μm 更に好ましくは0.1〜10μm 含有率 :15〜80重量%
【0058】あるいは又、無機繊維を含有する熱可塑性
樹脂を用いた本発明の成形品の製造方法においては、成
形品の表面の少なくとも一部分に塗膜を形成する工程を
更に含むことができる。この場合、塗膜は、アクリル系
塗料皮膜、ウレタン系塗料皮膜及びエポキシ系塗料皮膜
から成る群から選択された少なくとも1種の塗料皮膜で
あることが好ましい。即ち、成形された成形品の表面か
ら埃等を除去した後、成形品の表面に塗料を刷毛塗り、
スプレー、静電塗装、浸漬法等の方法により塗布し、そ
の後、乾燥することによって、成形品(例えば、自動車
用外装部材)の表面の少なくとも一部分に塗膜を形成す
ることができる。本発明によって得られた成形品に残留
する歪みが小さいために、塗料溶液による成形品へのク
ラックが発生し難い。また、本発明によって得られた成
形品の表面は写像性に優れており、塗装後も写像性に優
れた外観を有する成形品を得ることができる。尚、原料
樹脂の荷重撓み温度以下の硬化温度を有する塗料を使用
することが好ましい。こうして得られた成形品の一形態
である自動車用外装部材として、フロントフェンダー、
リアフェンダー、ドア、ボンネット、ルーフ又はトラン
クフェードを例示することができる。このような自動車
用外装部材としての成形品に要求される物性値を例示す
ると、以下の表10のとおりである。これらの特性を満
足するためには、以下の表11の諸元を満足する無機繊
維を含有する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
尚、先に説明した自動車用ドアハンドルの少なくとも一
部分に塗膜を形成することもできる。
樹脂を用いた本発明の成形品の製造方法においては、成
形品の表面の少なくとも一部分に塗膜を形成する工程を
更に含むことができる。この場合、塗膜は、アクリル系
塗料皮膜、ウレタン系塗料皮膜及びエポキシ系塗料皮膜
から成る群から選択された少なくとも1種の塗料皮膜で
あることが好ましい。即ち、成形された成形品の表面か
ら埃等を除去した後、成形品の表面に塗料を刷毛塗り、
スプレー、静電塗装、浸漬法等の方法により塗布し、そ
の後、乾燥することによって、成形品(例えば、自動車
用外装部材)の表面の少なくとも一部分に塗膜を形成す
ることができる。本発明によって得られた成形品に残留
する歪みが小さいために、塗料溶液による成形品へのク
ラックが発生し難い。また、本発明によって得られた成
形品の表面は写像性に優れており、塗装後も写像性に優
れた外観を有する成形品を得ることができる。尚、原料
樹脂の荷重撓み温度以下の硬化温度を有する塗料を使用
することが好ましい。こうして得られた成形品の一形態
である自動車用外装部材として、フロントフェンダー、
リアフェンダー、ドア、ボンネット、ルーフ又はトラン
クフェードを例示することができる。このような自動車
用外装部材としての成形品に要求される物性値を例示す
ると、以下の表10のとおりである。これらの特性を満
足するためには、以下の表11の諸元を満足する無機繊
維を含有する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
尚、先に説明した自動車用ドアハンドルの少なくとも一
部分に塗膜を形成することもできる。
【0059】
【表10】 曲げ弾性率 :4.0GPa以上 好ましくは4.5GPa以上 線膨張係数 :4.0×10-5/K以下 好ましくは 3.5×10-5/K以下 荷重撓み温度:100゜C以上 好ましくは110゜C以上
【0060】
【表11】 平均長さ:5〜400μm 好ましくは5〜200μm 平均直径:0.01〜15μm 好ましくは0.1〜10μm 含有率 :15〜80重量% 好ましくは20〜60重量%
【0061】あるいは又、無機繊維を含有する熱可塑性
樹脂を用いた本発明の成形品の製造方法においては、成
形品の表面の少なくとも一部分にハードコート層を形成
する工程を更に含むことができる。この場合、ハードコ
ート層は、アクリル系ハードコート層、ウレタン系ハー
ドコート層及びシリコーン系ハードコート層から構成さ
れた群から選択された少なくとも1種のハードコート層
から成ることが好ましい。即ち、成形された成形品の表
面から埃等を除去した後、アクリル系、ウレタン系又は
シリコーン系のハードコート溶液から選択された溶液
を、成形品の表面にディップ法、フローコート法、スプ
レー法等の方法により塗布し、その後、乾燥、硬化させ
ることによって、成形品の表面の少なくとも一部分にハ
ードコート層を形成することができる。成形品の表面の
ハードコート層の厚さは1μm乃至30μm、好ましく
は3μm乃至15μmであることが望ましい。1μm未
満ではハードコート層の耐久性が不足し、30μmを越
えるとハードコート層にクラックが発生し易くなる。ハ
ードコート層と成形品との間の密着性が十分でない場合
には、プライマーコートを成形品に塗布した後にトップ
コートを塗布することで、密着力を向上させることがで
きる。成形品に残留する歪みが小さいために、ハードコ
ート層の形成に起因した成形品へのクラックの発生は生
じ難い。また、本発明によって得られた成形品の表面は
写像性に優れており、ハードコート層形成後も写像性に
優れた外観を有する成形品を得ることができる。こうし
て得られた成形品の一形態として、フロント・ピラー、
センター・ピラーあるいはリア・ピラーといった自動車
用ピラーを挙げることができる。ハードコート層を形成
する前の成形品に要求される物性値を例示すると、以下
の表12のとおりである。これらの特性を満足するため
には、以下の表13に示す諸元を満足する無機繊維を含
有する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
樹脂を用いた本発明の成形品の製造方法においては、成
形品の表面の少なくとも一部分にハードコート層を形成
する工程を更に含むことができる。この場合、ハードコ
ート層は、アクリル系ハードコート層、ウレタン系ハー
ドコート層及びシリコーン系ハードコート層から構成さ
れた群から選択された少なくとも1種のハードコート層
から成ることが好ましい。即ち、成形された成形品の表
面から埃等を除去した後、アクリル系、ウレタン系又は
シリコーン系のハードコート溶液から選択された溶液
を、成形品の表面にディップ法、フローコート法、スプ
レー法等の方法により塗布し、その後、乾燥、硬化させ
ることによって、成形品の表面の少なくとも一部分にハ
ードコート層を形成することができる。成形品の表面の
ハードコート層の厚さは1μm乃至30μm、好ましく
は3μm乃至15μmであることが望ましい。1μm未
満ではハードコート層の耐久性が不足し、30μmを越
えるとハードコート層にクラックが発生し易くなる。ハ
ードコート層と成形品との間の密着性が十分でない場合
には、プライマーコートを成形品に塗布した後にトップ
コートを塗布することで、密着力を向上させることがで
きる。成形品に残留する歪みが小さいために、ハードコ
ート層の形成に起因した成形品へのクラックの発生は生
じ難い。また、本発明によって得られた成形品の表面は
写像性に優れており、ハードコート層形成後も写像性に
優れた外観を有する成形品を得ることができる。こうし
て得られた成形品の一形態として、フロント・ピラー、
センター・ピラーあるいはリア・ピラーといった自動車
用ピラーを挙げることができる。ハードコート層を形成
する前の成形品に要求される物性値を例示すると、以下
の表12のとおりである。これらの特性を満足するため
には、以下の表13に示す諸元を満足する無機繊維を含
有する熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0062】
【表12】 曲げ弾性率 :4.0GPa以上 線膨張係数 :4.0×10-5/K以下 荷重撓み温度:100゜C以上
【0063】
【表13】 平均長さ:5〜400μm 好ましくは5〜200μm 平均直径:0.01〜15μm 好ましくは0.1〜10μm 含有率 :15〜80重量% 好ましくは20〜60重量%
【0064】あるいは又、本発明の熱可塑性樹脂から成
る成形品の製造方法において、平均粒子径0.1μm乃
至1mm、好ましくは0.2μm乃至0.5mmの金属
粉末、又は、平均厚さ0.1μm乃至200μm、好ま
しくは1乃至150μmで平均外径が平均厚さより大き
い金属フレークを、0.01重量%乃至80重量%、好
ましくは0.1重量%乃至60重量%、より好ましくは
1重量%乃至50重量%含有する熱可塑性樹脂を用いる
こともできる。
る成形品の製造方法において、平均粒子径0.1μm乃
至1mm、好ましくは0.2μm乃至0.5mmの金属
粉末、又は、平均厚さ0.1μm乃至200μm、好ま
しくは1乃至150μmで平均外径が平均厚さより大き
い金属フレークを、0.01重量%乃至80重量%、好
ましくは0.1重量%乃至60重量%、より好ましくは
1重量%乃至50重量%含有する熱可塑性樹脂を用いる
こともできる。
【0065】メタリック色調を有する熱可塑性樹脂製の
成形品は、金属部品に比べ軽量であり、しかも、金属感
を有しており、各種の自動車部品や工業製品の部品等に
使用されている。通常、成形品にメタリック色調を付与
するためには、メタリック色調を与える金属粒子を含ん
だ塗料を成形品に塗装したり、メタリック色調を与える
金属粒子を成形品の原料樹脂に練り込む。成形品を塗装
することによって、塗料に含有された金属粒子の大きさ
に関係なく、比較的容易に金属感を成形品の表面に付与
することができる。しかしながら、成形品に深み感を与
えようとした場合、クリヤーコートを重ね塗りしなけれ
ばならず、成形品の製造工数が増加するという問題があ
る。一方、原料樹脂に金属粒子を練り込む方法において
は、例えば、粒子径の小さい金属粒子を用いると成形品
が濁った灰色になり易く、成形品に金属感を付与するこ
とが困難となる。また、粒子径の大きい金属粒子を用い
ると、金属粒子が成形品表面に析出するために、ギラギ
ラした金属感が成形品表面に強く現れるという問題があ
る。それ故、金属粒子の粒子径を規定する必要がある
が、そうした場合でも、クリヤーコートを施した場合の
深み感のある色調を成形品の表面に付与することができ
ない。そのため、現状では、成形品の原料樹脂に金属粒
子を練り込む場合であっても、成形品の表面にクリアー
コートを施し、成形品の表面に深み感のある色調を付与
している。従来の技術において、成形品の表面に深み感
が得られない理由は、成形品の表面に金属粒子が析出
し、成形品の表面に凹凸が生じることにある。この現象
は、金型の材質と関係している。従来の技術において
は、金型は熱伝導性が良い金属材料から作製されている
ので、キャビティ内に導入された溶融樹脂は、金型のキ
ャビティ面と接触したとき、瞬時に冷却され始める。そ
の結果、金属粒子を含む溶融樹脂に固化層が形成され、
成形品の表面に金属粒子が析出し、光沢不良を生じる。
本発明においては、キャビティ内に導入された溶融した
熱可塑性樹脂が急冷されることがないために、金型のキ
ャビティ面と接触した溶融樹脂に固化層が形成されるこ
とが無く、成形品の表面に金属粒子が析出することが無
く、光沢不良を生じることを確実に防止することができ
る。
成形品は、金属部品に比べ軽量であり、しかも、金属感
を有しており、各種の自動車部品や工業製品の部品等に
使用されている。通常、成形品にメタリック色調を付与
するためには、メタリック色調を与える金属粒子を含ん
だ塗料を成形品に塗装したり、メタリック色調を与える
金属粒子を成形品の原料樹脂に練り込む。成形品を塗装
することによって、塗料に含有された金属粒子の大きさ
に関係なく、比較的容易に金属感を成形品の表面に付与
することができる。しかしながら、成形品に深み感を与
えようとした場合、クリヤーコートを重ね塗りしなけれ
ばならず、成形品の製造工数が増加するという問題があ
る。一方、原料樹脂に金属粒子を練り込む方法において
は、例えば、粒子径の小さい金属粒子を用いると成形品
が濁った灰色になり易く、成形品に金属感を付与するこ
とが困難となる。また、粒子径の大きい金属粒子を用い
ると、金属粒子が成形品表面に析出するために、ギラギ
ラした金属感が成形品表面に強く現れるという問題があ
る。それ故、金属粒子の粒子径を規定する必要がある
が、そうした場合でも、クリヤーコートを施した場合の
深み感のある色調を成形品の表面に付与することができ
ない。そのため、現状では、成形品の原料樹脂に金属粒
子を練り込む場合であっても、成形品の表面にクリアー
コートを施し、成形品の表面に深み感のある色調を付与
している。従来の技術において、成形品の表面に深み感
が得られない理由は、成形品の表面に金属粒子が析出
し、成形品の表面に凹凸が生じることにある。この現象
は、金型の材質と関係している。従来の技術において
は、金型は熱伝導性が良い金属材料から作製されている
ので、キャビティ内に導入された溶融樹脂は、金型のキ
ャビティ面と接触したとき、瞬時に冷却され始める。そ
の結果、金属粒子を含む溶融樹脂に固化層が形成され、
成形品の表面に金属粒子が析出し、光沢不良を生じる。
本発明においては、キャビティ内に導入された溶融した
熱可塑性樹脂が急冷されることがないために、金型のキ
ャビティ面と接触した溶融樹脂に固化層が形成されるこ
とが無く、成形品の表面に金属粒子が析出することが無
く、光沢不良を生じることを確実に防止することができ
る。
【0066】金属粉末又は金属フレークの含有率が0.
01重量%未満では、成形品にはメタリック色調が不足
する。一方、80重量%を越えると、成形品の外観にぎ
らついた感じしか得られず、あるいは又、金属粉末若し
くは金属フレークが成形品の表面に析出する結果、成形
品の表面に深み感を付与することが困難となる。金属粉
末の平均粒子径が0.1μm未満では、深みのある金属
感を得られない。一方、1mmを越えると、金属粉末が
成形品表面に析出し易くなるために深み感が得られなく
なる。また、金属フレークを用いる場合、平均厚さが
0.1μm未満では、樹脂と混練する際、金属フレーク
に亀裂が生じるため、成形品のメタリック色調が低減す
る。一方、平均厚さが200μmを越えると、金属フレ
ークが成形品の表面に析出し易くなり、成形品の表面に
深み感を付与することが困難となる。また、平均外径が
平均厚さより小さいと、成形品の表面に深み感を付与す
ることが困難となる。
01重量%未満では、成形品にはメタリック色調が不足
する。一方、80重量%を越えると、成形品の外観にぎ
らついた感じしか得られず、あるいは又、金属粉末若し
くは金属フレークが成形品の表面に析出する結果、成形
品の表面に深み感を付与することが困難となる。金属粉
末の平均粒子径が0.1μm未満では、深みのある金属
感を得られない。一方、1mmを越えると、金属粉末が
成形品表面に析出し易くなるために深み感が得られなく
なる。また、金属フレークを用いる場合、平均厚さが
0.1μm未満では、樹脂と混練する際、金属フレーク
に亀裂が生じるため、成形品のメタリック色調が低減す
る。一方、平均厚さが200μmを越えると、金属フレ
ークが成形品の表面に析出し易くなり、成形品の表面に
深み感を付与することが困難となる。また、平均外径が
平均厚さより小さいと、成形品の表面に深み感を付与す
ることが困難となる。
【0067】金属粉末の平均粒子径、金属フレークの平
均厚さや平均外径は、画像解析装置を用いて測定するこ
とができる。金属粉末、金属フレークが樹脂に含有され
ている場合、樹脂を炭化するか、溶剤で樹脂を溶解した
後、金属粉末の平均粒子径、金属フレークの平均厚さや
平均外径を測定すればよい。
均厚さや平均外径は、画像解析装置を用いて測定するこ
とができる。金属粉末、金属フレークが樹脂に含有され
ている場合、樹脂を炭化するか、溶剤で樹脂を溶解した
後、金属粉末の平均粒子径、金属フレークの平均厚さや
平均外径を測定すればよい。
【0068】金属粉末若しくは金属フレークを構成する
金属としては、金、銀、白金、銅、アルミニウム、クロ
ム、鉄、ニッケル、又はこれらの化合物、合金を挙げる
ことができる。中でも、金属粉末を酸化クロム粉末又は
アルミニウム粉末から構成し、あるいは又、金属フレー
クをアルミニウムフレークから構成することが、深み感
のあるメタリック色調を得るために、コストあるいは外
観的な観点から好ましい。
金属としては、金、銀、白金、銅、アルミニウム、クロ
ム、鉄、ニッケル、又はこれらの化合物、合金を挙げる
ことができる。中でも、金属粉末を酸化クロム粉末又は
アルミニウム粉末から構成し、あるいは又、金属フレー
クをアルミニウムフレークから構成することが、深み感
のあるメタリック色調を得るために、コストあるいは外
観的な観点から好ましい。
【0069】尚、この場合、熱可塑性樹脂には、無機繊
維を1乃至50重量%、好ましくは5乃至40重量%含
有させることができる。尚、この場合、金属粉末若しく
は金属フィラーと無機繊維の合計重量%を50重量%以
下とすることが好ましい。無機繊維として、ガラス繊
維、ガラスビーズ、カーボン繊維、ウォラストナイト、
ほう酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウム
ウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊
維、珪酸カルシウムウィスカー繊維、硫酸カルシウムウ
ィスカー繊維を挙げることができる。無機繊維の含有率
が少なすぎると成形品の強度が不十分となる場合があ
る。一方、無機繊維の含有率が50重量%を越えると、
成形品表面に無機繊維が析出する虞がある。
維を1乃至50重量%、好ましくは5乃至40重量%含
有させることができる。尚、この場合、金属粉末若しく
は金属フィラーと無機繊維の合計重量%を50重量%以
下とすることが好ましい。無機繊維として、ガラス繊
維、ガラスビーズ、カーボン繊維、ウォラストナイト、
ほう酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウム
ウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊
維、珪酸カルシウムウィスカー繊維、硫酸カルシウムウ
ィスカー繊維を挙げることができる。無機繊維の含有率
が少なすぎると成形品の強度が不十分となる場合があ
る。一方、無機繊維の含有率が50重量%を越えると、
成形品表面に無機繊維が析出する虞がある。
【0070】本発明において、キャビティを構成する面
の一部を上述の入れ子から構成する場合、保守が容易で
あり、成形時、セラミックやガラスといった非常に脆い
材料から成る入れ子に破損が発生せず、成形品にバリを
発生させず、長期間の使用に耐え、キャビティ面を構成
する入れ子の面の状態を確実に成形品の表面に転写する
ために、以下に説明する金型を使用することが好まし
い。
の一部を上述の入れ子から構成する場合、保守が容易で
あり、成形時、セラミックやガラスといった非常に脆い
材料から成る入れ子に破損が発生せず、成形品にバリを
発生させず、長期間の使用に耐え、キャビティ面を構成
する入れ子の面の状態を確実に成形品の表面に転写する
ために、以下に説明する金型を使用することが好まし
い。
【0071】即ち、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品
を成形するための金型部、(ロ)該金型部の内部に配設
された前記入れ子、及び、(ハ)該金型部の内部に配設
され、キャビティの一部を構成し、該入れ子の端部を被
覆する被覆プレート、を備えており、入れ子と被覆プレ
ートとの間のクリアランス(C21)は0.03mm以下
(C21≦0.03mm)であり、且つ、入れ子に対する
被覆プレートの重なり量(ΔS21)は0.5mm以上
(ΔS21≧0.5mm)である金型(第1の態様に係る
金型)を用いる。
を成形するための金型部、(ロ)該金型部の内部に配設
された前記入れ子、及び、(ハ)該金型部の内部に配設
され、キャビティの一部を構成し、該入れ子の端部を被
覆する被覆プレート、を備えており、入れ子と被覆プレ
ートとの間のクリアランス(C21)は0.03mm以下
(C21≦0.03mm)であり、且つ、入れ子に対する
被覆プレートの重なり量(ΔS21)は0.5mm以上
(ΔS21≧0.5mm)である金型(第1の態様に係る
金型)を用いる。
【0072】あるいは又、(イ)熱可塑性樹脂に基づき
成形品を成形するための第1の金型部及び第2の金型
部、(ロ)第1の金型部に配設された前記入れ子、及
び、(ハ)第2の金型部に設けられた溶融熱可塑性樹脂
導入部、を備え、第2の金型部には、入れ子被覆部が設
けられており、第1の金型部と第2の金型部とを型締め
した状態において、(A)入れ子と入れ子被覆部との間
のクリアランス(C11)は0.03mm以下(C11≦
0.03mm)であり、(B)入れ子に対する入れ子被
覆部の重なり量(ΔS11)は0.5mm以上(ΔS11≧
0.5mm)である金型(第2の態様に係る金型)を用
いる。尚、このような構造の金型部における入れ子被覆
部の構造は、入れ子と対向する第2の金型部の面に設け
られた一種の切り込み(切り欠き)とすることができ
る。
成形品を成形するための第1の金型部及び第2の金型
部、(ロ)第1の金型部に配設された前記入れ子、及
び、(ハ)第2の金型部に設けられた溶融熱可塑性樹脂
導入部、を備え、第2の金型部には、入れ子被覆部が設
けられており、第1の金型部と第2の金型部とを型締め
した状態において、(A)入れ子と入れ子被覆部との間
のクリアランス(C11)は0.03mm以下(C11≦
0.03mm)であり、(B)入れ子に対する入れ子被
覆部の重なり量(ΔS11)は0.5mm以上(ΔS11≧
0.5mm)である金型(第2の態様に係る金型)を用
いる。尚、このような構造の金型部における入れ子被覆
部の構造は、入れ子と対向する第2の金型部の面に設け
られた一種の切り込み(切り欠き)とすることができ
る。
【0073】更には、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形
品を成形するための第1の金型部及び第2の金型部、
(ロ)第1の金型部に配設された前記入れ子、及び、
(ハ)入れ子と第2の金型部との間に配設され、第1の
金型部に取り付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部が設け
られた被覆プレート、を備え、第2の金型部には、入れ
子被覆部が設けられており、第1の金型部と第2の金型
部とを型締めした状態において、(A)入れ子と入れ子
被覆部との間のクリアランス(C31)は0.03mm以
下(C31≦0.03mm)であり、(B)入れ子に対す
る入れ子被覆部の重なり量(ΔS31)は0.5mm以上
(ΔS31≧0.5mm)であり、(C)入れ子と被覆プ
レートとの間のクリアランス(C32)は0.03mm以
下(C32≦0.03mm)であり、(D)入れ子に対す
る被覆プレートの重なり量(ΔS32)は0.5mm以上
(ΔS32≧0.5mm)である金型(第3の態様に係る
金型)を用いる。尚、被覆プレートは入れ子の一部分と
のみ重なり合っている。ここで、このような構造の金型
における溶融熱可塑性樹脂導入部としては、例えば、サ
イドゲート構造を挙げることができる。
品を成形するための第1の金型部及び第2の金型部、
(ロ)第1の金型部に配設された前記入れ子、及び、
(ハ)入れ子と第2の金型部との間に配設され、第1の
金型部に取り付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部が設け
られた被覆プレート、を備え、第2の金型部には、入れ
子被覆部が設けられており、第1の金型部と第2の金型
部とを型締めした状態において、(A)入れ子と入れ子
被覆部との間のクリアランス(C31)は0.03mm以
下(C31≦0.03mm)であり、(B)入れ子に対す
る入れ子被覆部の重なり量(ΔS31)は0.5mm以上
(ΔS31≧0.5mm)であり、(C)入れ子と被覆プ
レートとの間のクリアランス(C32)は0.03mm以
下(C32≦0.03mm)であり、(D)入れ子に対す
る被覆プレートの重なり量(ΔS32)は0.5mm以上
(ΔS32≧0.5mm)である金型(第3の態様に係る
金型)を用いる。尚、被覆プレートは入れ子の一部分と
のみ重なり合っている。ここで、このような構造の金型
における溶融熱可塑性樹脂導入部としては、例えば、サ
イドゲート構造を挙げることができる。
【0074】更には、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形
品を成形するための第1の金型部及び第2の金型部、
(ロ)第1の金型部に配設され、2×10-2cal/c
m・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1m
m乃至10mmの第1の入れ子、(ハ)第2の金型部に
配設され、2×10-2cal/cm・sec・゜C以下
の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃至10mmの第2
の入れ子、及び、(ニ)第1の入れ子と第2の入れ子と
の間に配設され、第1の金型部、第2の金型部、あるい
は、第1及び第2の金型部に取り付けられ、溶融熱可塑
性樹脂導入部が設けられた被覆プレート、を備え、該第
1の入れ子及び/又は該第2の入れ子は前記入れ子に相
当し、第1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態
において、(A)第1の入れ子の第2の入れ子と対向す
る面と、第2の入れ子の第1の入れ子と対向する面との
間のクリアランス(C40)は0.03mm以下(C40≦
0.03mm)であり、(B)第1の入れ子の第2の入
れ子と対向する面と、第2の入れ子の第1の入れ子と対
向する面との重なり量(ΔS40)は0.5mm以上(Δ
S40≧0.5mm)であり、(C)第1の入れ子と被覆
プレートとの間のクリアランス(C41)、及び第2の入
れ子と被覆プレートとの間のクリアランス(C42)は
0.03mm以下(C 41≦0.03mm且つC42≦0.
03mm)であり、(D)第1の入れ子に対する被覆プ
レートの重なり量(ΔS41)、及び第2の入れ子に対す
る被覆プレートの重なり量(ΔS42)は0.5mm以上
(ΔS41≧0.5mm且つΔS42≧0.5mm)以上で
ある金型(第4の態様に係る金型)を用いる。尚、被覆
プレートは第1及び第2の入れ子の一部分とのみ重なり
合っている。ここで、このような構造の金型における溶
融熱可塑性樹脂導入部としては、例えば、サイドゲート
構造を挙げることができる。
品を成形するための第1の金型部及び第2の金型部、
(ロ)第1の金型部に配設され、2×10-2cal/c
m・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1m
m乃至10mmの第1の入れ子、(ハ)第2の金型部に
配設され、2×10-2cal/cm・sec・゜C以下
の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃至10mmの第2
の入れ子、及び、(ニ)第1の入れ子と第2の入れ子と
の間に配設され、第1の金型部、第2の金型部、あるい
は、第1及び第2の金型部に取り付けられ、溶融熱可塑
性樹脂導入部が設けられた被覆プレート、を備え、該第
1の入れ子及び/又は該第2の入れ子は前記入れ子に相
当し、第1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態
において、(A)第1の入れ子の第2の入れ子と対向す
る面と、第2の入れ子の第1の入れ子と対向する面との
間のクリアランス(C40)は0.03mm以下(C40≦
0.03mm)であり、(B)第1の入れ子の第2の入
れ子と対向する面と、第2の入れ子の第1の入れ子と対
向する面との重なり量(ΔS40)は0.5mm以上(Δ
S40≧0.5mm)であり、(C)第1の入れ子と被覆
プレートとの間のクリアランス(C41)、及び第2の入
れ子と被覆プレートとの間のクリアランス(C42)は
0.03mm以下(C 41≦0.03mm且つC42≦0.
03mm)であり、(D)第1の入れ子に対する被覆プ
レートの重なり量(ΔS41)、及び第2の入れ子に対す
る被覆プレートの重なり量(ΔS42)は0.5mm以上
(ΔS41≧0.5mm且つΔS42≧0.5mm)以上で
ある金型(第4の態様に係る金型)を用いる。尚、被覆
プレートは第1及び第2の入れ子の一部分とのみ重なり
合っている。ここで、このような構造の金型における溶
融熱可塑性樹脂導入部としては、例えば、サイドゲート
構造を挙げることができる。
【0075】通常、成形品を金型から取り足すために突
き出しピンを金型に配設する。ところが、成形品の形状
に依っては突き出しピンの先端の跡が成形品の表面に残
るために、突き出しピンを金型に配設することが困難と
なる場合がある。このような場合、第3又は第4の態様
に係る金型においては、成形品を金型から取り出すため
に、被覆プレートにはキャビティに連通したタブ形成部
が設けられている構造とすることもできる。これによっ
て、成形品にはタブ部が形成される。かかるタブ部に突
き出しピンを当てて、成形品を金型から取り出せばよ
い。尚、成形品に形成されたタブ部は、後の工程で削除
すればよい。
き出しピンを金型に配設する。ところが、成形品の形状
に依っては突き出しピンの先端の跡が成形品の表面に残
るために、突き出しピンを金型に配設することが困難と
なる場合がある。このような場合、第3又は第4の態様
に係る金型においては、成形品を金型から取り出すため
に、被覆プレートにはキャビティに連通したタブ形成部
が設けられている構造とすることもできる。これによっ
て、成形品にはタブ部が形成される。かかるタブ部に突
き出しピンを当てて、成形品を金型から取り出せばよ
い。尚、成形品に形成されたタブ部は、後の工程で削除
すればよい。
【0076】ここで、キャビティの一部を構成すると
は、成形品の外形を規定するキャビティ面を構成するこ
とを意味する。より具体的には、キャビティは、例え
ば、金型部、第1の金型部あるいは第2の金型部に形成
されたキャビティを構成する面と、入れ子に形成された
キャビティを構成する面と、場合によっては、被覆プレ
ートに形成されたキャビティを構成する面とから構成さ
れている。そして、キャビティを構成する面の一部は、
入れ子から構成される。
は、成形品の外形を規定するキャビティ面を構成するこ
とを意味する。より具体的には、キャビティは、例え
ば、金型部、第1の金型部あるいは第2の金型部に形成
されたキャビティを構成する面と、入れ子に形成された
キャビティを構成する面と、場合によっては、被覆プレ
ートに形成されたキャビティを構成する面とから構成さ
れている。そして、キャビティを構成する面の一部は、
入れ子から構成される。
【0077】型締め状態において、クリアランス
(C11,C21,C31,C32,C40,C41,C42)を、
0.03mm以下、実用的には、0.001mm以上
0.03mm以下(0.001mm≦C11,C21,
C31,C32,C40,C41,C42≦0.03mm)、好ま
しくは0.003mm以上0.03mm以下(0.00
3mm≦C11,C21,C31,C32,C40,C41,C42≦
0.03mm)とする。クリアランスの下限は、入れ子
の外周部に微細なクラックが発生したり、金型温度上昇
時に入れ子が熱膨張することによって、入れ子が金型部
の入れ子被覆部、被覆プレートや他の入れ子と接触し、
入れ子の外周部の微細クラックに応力がかかる結果、入
れ子が破損するといった問題が生じないような値とすれ
ばよい。クリアランス(C11,C21,C31,C32,
C40,C41,C42)が0.03mmを越えると、溶融樹
脂が、入れ子と被覆プレートの間、入れ子と金型部入れ
子被覆部や被覆プレートとの間、あるいは第1の入れ子
と第2の入れ子との間に侵入し、入れ子にクラックが生
じる場合があるし、成形品にバリが発生したり、金型部
から成形品を取り出す際に入れ子が損傷するといった問
題も生じる虞がある。
(C11,C21,C31,C32,C40,C41,C42)を、
0.03mm以下、実用的には、0.001mm以上
0.03mm以下(0.001mm≦C11,C21,
C31,C32,C40,C41,C42≦0.03mm)、好ま
しくは0.003mm以上0.03mm以下(0.00
3mm≦C11,C21,C31,C32,C40,C41,C42≦
0.03mm)とする。クリアランスの下限は、入れ子
の外周部に微細なクラックが発生したり、金型温度上昇
時に入れ子が熱膨張することによって、入れ子が金型部
の入れ子被覆部、被覆プレートや他の入れ子と接触し、
入れ子の外周部の微細クラックに応力がかかる結果、入
れ子が破損するといった問題が生じないような値とすれ
ばよい。クリアランス(C11,C21,C31,C32,
C40,C41,C42)が0.03mmを越えると、溶融樹
脂が、入れ子と被覆プレートの間、入れ子と金型部入れ
子被覆部や被覆プレートとの間、あるいは第1の入れ子
と第2の入れ子との間に侵入し、入れ子にクラックが生
じる場合があるし、成形品にバリが発生したり、金型部
から成形品を取り出す際に入れ子が損傷するといった問
題も生じる虞がある。
【0078】重なり量(ΔS11,ΔS21,ΔS31,ΔS
32,ΔS40,ΔS41,ΔS42)の値が0.5mm未満の
場合、入れ子の外周部に発生した微細なクラックと溶融
樹脂とが接触する結果、入れ子に生成したクラックが成
長し、入れ子が破損する虞がある。
32,ΔS40,ΔS41,ΔS42)の値が0.5mm未満の
場合、入れ子の外周部に発生した微細なクラックと溶融
樹脂とが接触する結果、入れ子に生成したクラックが成
長し、入れ子が破損する虞がある。
【0079】このような構造の金型によれば、入れ子に
よる断熱効果が大きく、キャビティ内に導入された溶融
樹脂の急冷を抑制することができ、ヒケの発生やウエル
ドマーク、フローマーク等の外観不良が発生することを
効果的に防止することができる。しかも、入れ子を、所
定のクリアランスや重なり量の範囲内で入れ子被覆部や
被覆プレートによって被覆することで、成形品端部の外
観を損なうことがなくなり、成形品端部にバリが発生し
なくなり、更には、入れ子外周部に残っている微細なク
レーズと溶融樹脂が接触しなくなるために入れ子の破損
を防止し得る。
よる断熱効果が大きく、キャビティ内に導入された溶融
樹脂の急冷を抑制することができ、ヒケの発生やウエル
ドマーク、フローマーク等の外観不良が発生することを
効果的に防止することができる。しかも、入れ子を、所
定のクリアランスや重なり量の範囲内で入れ子被覆部や
被覆プレートによって被覆することで、成形品端部の外
観を損なうことがなくなり、成形品端部にバリが発生し
なくなり、更には、入れ子外周部に残っている微細なク
レーズと溶融樹脂が接触しなくなるために入れ子の破損
を防止し得る。
【0080】特にエンジニアリングプラスチックス、ス
ーパーエンジニアリングプラスチックといった耐熱性や
強度に優れる反面、成形性が悪いプラスチックを使用す
る場合、通常、金型温度を80゜C以上として成形を行
なうが、ヒケの発生、フローマーク等の外観不良が多発
している。然るに、本発明の熱可塑性樹脂から成る成形
品の製造方法においては、金型温度を80゜C以下とし
ても、ヒケの無い外観特性が良好な成形品を得ることが
できる。また、無機繊維や金属粉末、金属フレークを含
有する熱可塑性樹脂を用いた場合であっても、これらの
材料が成形品の表面に析出する現象が生ぜず、鏡面性等
の外観特性に優れた成形品を得ることができる。これ
は、入れ子を用い、しかも金型温度を使用する熱可塑性
樹脂の種類に依存して制御することによって、キャビテ
ィ内に導入されそして入れ子と接した溶融樹脂の急冷を
防止できる結果、キャビティ内に導入された溶融樹脂の
冷却・固化を適度に遅延することが可能となり、ヒケの
発生防止、溶融樹脂の流動性及び転写性を向上できるか
らである。
ーパーエンジニアリングプラスチックといった耐熱性や
強度に優れる反面、成形性が悪いプラスチックを使用す
る場合、通常、金型温度を80゜C以上として成形を行
なうが、ヒケの発生、フローマーク等の外観不良が多発
している。然るに、本発明の熱可塑性樹脂から成る成形
品の製造方法においては、金型温度を80゜C以下とし
ても、ヒケの無い外観特性が良好な成形品を得ることが
できる。また、無機繊維や金属粉末、金属フレークを含
有する熱可塑性樹脂を用いた場合であっても、これらの
材料が成形品の表面に析出する現象が生ぜず、鏡面性等
の外観特性に優れた成形品を得ることができる。これ
は、入れ子を用い、しかも金型温度を使用する熱可塑性
樹脂の種類に依存して制御することによって、キャビテ
ィ内に導入されそして入れ子と接した溶融樹脂の急冷を
防止できる結果、キャビティ内に導入された溶融樹脂の
冷却・固化を適度に遅延することが可能となり、ヒケの
発生防止、溶融樹脂の流動性及び転写性を向上できるか
らである。
【0081】しかも、溶融樹脂の流動性が向上するが故
に、溶融樹脂のキャビティ内への導入圧力を低く設定で
きる結果、成形品に残留する応力を緩和できる。それ
故、高い品質の成形品を成形することが可能となる。ま
た、例えば導入圧力を低減できるために、金型の薄肉
化、成形装置の小型化が可能となり、成形品のコストダ
ウンも可能になる。
に、溶融樹脂のキャビティ内への導入圧力を低く設定で
きる結果、成形品に残留する応力を緩和できる。それ
故、高い品質の成形品を成形することが可能となる。ま
た、例えば導入圧力を低減できるために、金型の薄肉
化、成形装置の小型化が可能となり、成形品のコストダ
ウンも可能になる。
【0082】また、入れ子を用いることにより、かかる
入れ子は、低熱膨張率を有する材料から作製されてお
り、しかも、金型とは独立して作製され、金型に配設さ
れるので、入れ子による断熱効果が大きいばかりか、入
れ子の保守が容易である。入れ子を結晶化ガラスから作
製すれば、線膨張係数が低く、熱衝撃に対しても強く、
破損やクラックが発生し難い入れ子を作製することがで
きる。
入れ子は、低熱膨張率を有する材料から作製されてお
り、しかも、金型とは独立して作製され、金型に配設さ
れるので、入れ子による断熱効果が大きいばかりか、入
れ子の保守が容易である。入れ子を結晶化ガラスから作
製すれば、線膨張係数が低く、熱衝撃に対しても強く、
破損やクラックが発生し難い入れ子を作製することがで
きる。
【0083】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
明を説明する。
【0084】(実施例1)実施例1における成形品20
の模式的な正面図を図1の(A)に、模式的な平面図を
図1の(B)に、模式的な底面図を図1の(C)に示
す。また、金型の模式的な端面図を図2に示す。尚、図
2の端面図は、図1の(B)の点線に沿った端面図であ
る。実施例1にて使用した金型は第2の態様に係る金型
である。実施例1にて成形した成形品20の大きさは、
100mm×100mm×4mmであり、形状は直方体
(板状)である。成形品20の裏面(突起部が形成され
た成形品面)20Bには突起部が設けられている。これ
らの突起部は、リブ21及びボス22である。また、成
形品20の裏面20Bには熱可塑性樹脂導入部跡23が
形成され、残されている。図1の(C)には、突起部2
1,22あるいは熱可塑性樹脂導入部跡23が形成され
た成形品面20Bとは反対側の成形品面(成形品20の
表面)20Aの突起部21,22あるいは熱可塑性樹脂
導入部跡23と対向する部分に斜線を付した。従来の製
造方法においては、これらの斜線を付した部分に屡々ヒ
ケが発生する。実施例1においては、リブ21の幅Wを
5mm、高さを5mmとした。また、ボスの肉厚tを3
mm、高さを5mmとした。一方、熱可塑性樹脂導入部
跡23の直径は4mm(断面積12.56mm2)であ
る。尚、成形品面20Bとは反対側の成形品面(成形品
20の表面)20Aの部分であって突起部21,22と
対向する部分を、以下、便宜上、突起部21,22と対
向する成形品面部分と呼ぶ。また、成形品面20Bとは
反対側の成形品面(成形品20の表面)20Aの部分で
あって熱可塑性樹脂導入部跡23と対向する部分を、以
下、便宜上、熱可塑性樹脂導入部跡23と対向する成形
品面部分と呼ぶ。
の模式的な正面図を図1の(A)に、模式的な平面図を
図1の(B)に、模式的な底面図を図1の(C)に示
す。また、金型の模式的な端面図を図2に示す。尚、図
2の端面図は、図1の(B)の点線に沿った端面図であ
る。実施例1にて使用した金型は第2の態様に係る金型
である。実施例1にて成形した成形品20の大きさは、
100mm×100mm×4mmであり、形状は直方体
(板状)である。成形品20の裏面(突起部が形成され
た成形品面)20Bには突起部が設けられている。これ
らの突起部は、リブ21及びボス22である。また、成
形品20の裏面20Bには熱可塑性樹脂導入部跡23が
形成され、残されている。図1の(C)には、突起部2
1,22あるいは熱可塑性樹脂導入部跡23が形成され
た成形品面20Bとは反対側の成形品面(成形品20の
表面)20Aの突起部21,22あるいは熱可塑性樹脂
導入部跡23と対向する部分に斜線を付した。従来の製
造方法においては、これらの斜線を付した部分に屡々ヒ
ケが発生する。実施例1においては、リブ21の幅Wを
5mm、高さを5mmとした。また、ボスの肉厚tを3
mm、高さを5mmとした。一方、熱可塑性樹脂導入部
跡23の直径は4mm(断面積12.56mm2)であ
る。尚、成形品面20Bとは反対側の成形品面(成形品
20の表面)20Aの部分であって突起部21,22と
対向する部分を、以下、便宜上、突起部21,22と対
向する成形品面部分と呼ぶ。また、成形品面20Bとは
反対側の成形品面(成形品20の表面)20Aの部分で
あって熱可塑性樹脂導入部跡23と対向する部分を、以
下、便宜上、熱可塑性樹脂導入部跡23と対向する成形
品面部分と呼ぶ。
【0085】この金型においては、成形品20の突起部
21,22を形成するための金型部分17(リブ21を
形成するための金型部分),18(ボス22を形成する
ための金型部分)に対向した金型の部分におけるキャビ
ティ面16B,16Cは、2×10-2cal/cm・s
ec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃至
10mmの入れ子16から構成されている。また、溶融
熱可塑性樹脂導入部12に対向した金型の部分における
キャビティを構成する面16Dは、2×10-2cal/
cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1
mm乃至10mmの入れ子16から構成されている。よ
り具体的には、この金型は、(イ)熱可塑性樹脂に基づ
き成形品を成形するための第1の金型部10及び第2の
金型部11、(ロ)第1の金型部10に配設され、キャ
ビティ13を構成する面の一部を構成し、厚さが0.1
mm乃至10mm(実施例1においては3.00mm
厚)の入れ子16、及び、(ハ)第2の金型部11に設
けられた溶融熱可塑性樹脂導入部12を備え、そして、
第2の金型部11には、入れ子被覆部15が設けられて
おり、第1の金型部10と第2の金型部11とを型締め
した状態において、(A)入れ子16と入れ子被覆部1
5との間のクリアランス(C11)を0.03mm以下
(C11≦0.03mm)とし、(B)入れ子16に対す
る入れ子被覆部15の重なり量(ΔS11)を0.5mm
以上(ΔS11≧0.5mm)とする構造の金型(第2の
態様に係る金型)である。尚、このような構造の金型部
における入れ子被覆部15の構造は、入れ子16と対向
する第2の金型部11の面に設けられた一種の切り込み
(切り欠き)14とすることができる。金型を型締めし
たときの模式的な端面図を図2の(A)に示し、型開き
したときの模式的な端面図を図2の(B)に示す。ま
た、組み立て中の金型の模式的な端面図を、図3の
(A)、(B)及び(C)に示す。
21,22を形成するための金型部分17(リブ21を
形成するための金型部分),18(ボス22を形成する
ための金型部分)に対向した金型の部分におけるキャビ
ティ面16B,16Cは、2×10-2cal/cm・s
ec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃至
10mmの入れ子16から構成されている。また、溶融
熱可塑性樹脂導入部12に対向した金型の部分における
キャビティを構成する面16Dは、2×10-2cal/
cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1
mm乃至10mmの入れ子16から構成されている。よ
り具体的には、この金型は、(イ)熱可塑性樹脂に基づ
き成形品を成形するための第1の金型部10及び第2の
金型部11、(ロ)第1の金型部10に配設され、キャ
ビティ13を構成する面の一部を構成し、厚さが0.1
mm乃至10mm(実施例1においては3.00mm
厚)の入れ子16、及び、(ハ)第2の金型部11に設
けられた溶融熱可塑性樹脂導入部12を備え、そして、
第2の金型部11には、入れ子被覆部15が設けられて
おり、第1の金型部10と第2の金型部11とを型締め
した状態において、(A)入れ子16と入れ子被覆部1
5との間のクリアランス(C11)を0.03mm以下
(C11≦0.03mm)とし、(B)入れ子16に対す
る入れ子被覆部15の重なり量(ΔS11)を0.5mm
以上(ΔS11≧0.5mm)とする構造の金型(第2の
態様に係る金型)である。尚、このような構造の金型部
における入れ子被覆部15の構造は、入れ子16と対向
する第2の金型部11の面に設けられた一種の切り込み
(切り欠き)14とすることができる。金型を型締めし
たときの模式的な端面図を図2の(A)に示し、型開き
したときの模式的な端面図を図2の(B)に示す。ま
た、組み立て中の金型の模式的な端面図を、図3の
(A)、(B)及び(C)に示す。
【0086】金型に設けられたキャビティ13の大きさ
を100mm×100mm×4mmとした。即ち、キャ
ビティ13の形状は直方体である。実施例1において
は、入れ子16をジルコニア(ZrO2)から研削加工
にて作製した。入れ子16の大きさを、102.00m
m×102.00mm×3.00mmとした。入れ子1
6のキャビティ面(キャビティ13を構成する面)16
Aに対して、ダイヤモンド砥石を用いた研磨及び仕上げ
を行ない、入れ子16のキャビティ面16Aの表面粗さ
Ryを0.02μmとした。使用したジルコニアの熱伝
導率は0.8×10-2cal/cm・sec・゜Cであ
る。
を100mm×100mm×4mmとした。即ち、キャ
ビティ13の形状は直方体である。実施例1において
は、入れ子16をジルコニア(ZrO2)から研削加工
にて作製した。入れ子16の大きさを、102.00m
m×102.00mm×3.00mmとした。入れ子1
6のキャビティ面(キャビティ13を構成する面)16
Aに対して、ダイヤモンド砥石を用いた研磨及び仕上げ
を行ない、入れ子16のキャビティ面16Aの表面粗さ
Ryを0.02μmとした。使用したジルコニアの熱伝
導率は0.8×10-2cal/cm・sec・゜Cであ
る。
【0087】第1の金型部(可動金型部)10を炭素鋼
S55Cから作製した。そして、入れ子16用の入れ子
装着部10Aの内寸法が、102.20mm×102.
20mm、深さが3.02mmとなるように切削加工し
(図3の(A)参照)、次いで入れ子16を、シリコン
系接着剤(図示せず)を用いて、入れ子装着部10A内
に接着した(図3の(B)参照)。隙間ゲージを用いて
入れ子16と入れ子装着部10Aのクリアランス(D)
を測定したところ、最低クリアランスは0.05mmで
あった。
S55Cから作製した。そして、入れ子16用の入れ子
装着部10Aの内寸法が、102.20mm×102.
20mm、深さが3.02mmとなるように切削加工し
(図3の(A)参照)、次いで入れ子16を、シリコン
系接着剤(図示せず)を用いて、入れ子装着部10A内
に接着した(図3の(B)参照)。隙間ゲージを用いて
入れ子16と入れ子装着部10Aのクリアランス(D)
を測定したところ、最低クリアランスは0.05mmで
あった。
【0088】一方、第2の金型部(固定金型部)11を
炭素鋼S55Cから作製した。第2の金型部11の中央
に直径4mmの溶融熱可塑性樹脂導入部であるダイレク
トゲート構造を有するゲート部12を設けた。また、第
2の金型部11に、100mm×100mm×4mmの
キャビティ13、成形品の突起部21,22を形成する
ための金型部分17,18を彫り込んだ(図3の(C)
参照)。
炭素鋼S55Cから作製した。第2の金型部11の中央
に直径4mmの溶融熱可塑性樹脂導入部であるダイレク
トゲート構造を有するゲート部12を設けた。また、第
2の金型部11に、100mm×100mm×4mmの
キャビティ13、成形品の突起部21,22を形成する
ための金型部分17,18を彫り込んだ(図3の(C)
参照)。
【0089】このように作製した第1の金型部(可動金
型部)10及び第2の金型部(固定金型部)11を組み
付けて金型を得ることができる。この金型において、入
れ子16と入れ子被覆部15との間のクリアランス(C
11)、及び、入れ子16に対する入れ子被覆部15の重
なり量(ΔS11)は、それぞれ、C11=0.02mm、
ΔS11=1.0mmであった。これによって、入れ子1
6の端部とキャビティ13に導入された溶融樹脂との間
には接触がない構造となる。
型部)10及び第2の金型部(固定金型部)11を組み
付けて金型を得ることができる。この金型において、入
れ子16と入れ子被覆部15との間のクリアランス(C
11)、及び、入れ子16に対する入れ子被覆部15の重
なり量(ΔS11)は、それぞれ、C11=0.02mm、
ΔS11=1.0mmであった。これによって、入れ子1
6の端部とキャビティ13に導入された溶融樹脂との間
には接触がない構造となる。
【0090】完成した金型を成形装置に取り付けた後、
金型を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40
゜Cまで急冷しても、ジルコニアから作製された入れ子
16に割れ等の損傷は発生しなかった。
金型を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40
゜Cまで急冷しても、ジルコニアから作製された入れ子
16に割れ等の損傷は発生しなかった。
【0091】成形装置として住友重機械株式会社製、S
H−100射出成形機を用いた。また使用した熱可塑性
樹脂として以下の熱可塑性樹脂を用いた。即ち、非晶
性の熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エ
ンジニアリングプラスチックス株式会社製 S300
0、Tg=145゜C)、結晶性の熱可塑性樹脂とし
てポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリ
ングプラスチックス株式会社製 5010R5、Tc=
193゜C)、ポリマーアロイ材料としてポリカーボ
ネート樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エ
ンジニアリングプラスチックス株式会社製 MB430
3、重量比率7:3であり、ポリカーボネート樹脂のT
gは145゜C)、ポリマーアロイ材料としてポリカ
ーボネート樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三
菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 GMB
4030、重量比率7:3であり、ポリカーボネート樹
脂のTgは145゜Cである。また、平均長さ200μ
m、平均直径13μmのガラス繊維が30重量%添加さ
れている)、ポリマーアロイ材料としてポリカーボネ
ート樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エン
ジニアリングプラスチックス株式会社製、重量比率1:
1であり、ポリカーボネート樹脂のTgは145゜
C)、ポリマーアロイ材料としてポリカーボネート樹
脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニア
リングプラスチックス株式会社製 5710G30、重
量比率3:7であり、ポリブチレンテレフタレート樹脂
のTcは193゜Cである。また、平均長さ200μ
m、平均直径13μmのガラス繊維が30重量%添加さ
れている)を、それぞれ用いた。尚、これらの熱可塑性
樹脂には、離型剤が0.2重量%含まれている。使用し
た熱可塑性樹脂の種類に応じて、以下の表14のとおり
に金型温度T(単位:゜C)を設定した。
H−100射出成形機を用いた。また使用した熱可塑性
樹脂として以下の熱可塑性樹脂を用いた。即ち、非晶
性の熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エ
ンジニアリングプラスチックス株式会社製 S300
0、Tg=145゜C)、結晶性の熱可塑性樹脂とし
てポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリ
ングプラスチックス株式会社製 5010R5、Tc=
193゜C)、ポリマーアロイ材料としてポリカーボ
ネート樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エ
ンジニアリングプラスチックス株式会社製 MB430
3、重量比率7:3であり、ポリカーボネート樹脂のT
gは145゜C)、ポリマーアロイ材料としてポリカ
ーボネート樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三
菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 GMB
4030、重量比率7:3であり、ポリカーボネート樹
脂のTgは145゜Cである。また、平均長さ200μ
m、平均直径13μmのガラス繊維が30重量%添加さ
れている)、ポリマーアロイ材料としてポリカーボネ
ート樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エン
ジニアリングプラスチックス株式会社製、重量比率1:
1であり、ポリカーボネート樹脂のTgは145゜
C)、ポリマーアロイ材料としてポリカーボネート樹
脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニア
リングプラスチックス株式会社製 5710G30、重
量比率3:7であり、ポリブチレンテレフタレート樹脂
のTcは193゜Cである。また、平均長さ200μ
m、平均直径13μmのガラス繊維が30重量%添加さ
れている)を、それぞれ用いた。尚、これらの熱可塑性
樹脂には、離型剤が0.2重量%含まれている。使用し
た熱可塑性樹脂の種類に応じて、以下の表14のとおり
に金型温度T(単位:゜C)を設定した。
【0092】
【表14】 使用熱可塑性樹脂 T(゜C) 溶融熱可塑性樹脂温度(゜C) 80(=Tg−65) 290 70(=Tc−123) 250 100(=Tg−45) 290 65(=Tg−80) 280 80(=Tg−65) 270 80(=Tc−113) 250
【0093】射出圧力を700kgf/cm2−Gとし
て、所定量の溶融熱可塑性樹脂をゲート部12を介して
キャビティ13内に導入(射出)した後、20秒後に金
型を型開きし、次いで、金型から成形品を取り出した。
て、所定量の溶融熱可塑性樹脂をゲート部12を介して
キャビティ13内に導入(射出)した後、20秒後に金
型を型開きし、次いで、金型から成形品を取り出した。
【0094】全ての熱可塑性樹脂において、入れ子16
と接していた成形品20の表面20Aの部分(突起部2
1,22と対向する成形品面部分及び熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分)には、裏面20Bに
リブ21、ボス22、熱可塑性樹脂導入部跡23がある
にも拘わらず、ヒケは殆ど認められなかった。また、ガ
ラス繊維添加の熱可塑性樹脂あるいはを使用した場
合にあっても、ガラス繊維の析出は無く、非常に高い鏡
面性を有していた。しかも、フローマーク及びジェッテ
ィング等の成形不良も認められなかった。突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)を表面粗さ計で測定したとこ
ろ、ヒケ量は2μm乃至15μmであった。
と接していた成形品20の表面20Aの部分(突起部2
1,22と対向する成形品面部分及び熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分)には、裏面20Bに
リブ21、ボス22、熱可塑性樹脂導入部跡23がある
にも拘わらず、ヒケは殆ど認められなかった。また、ガ
ラス繊維添加の熱可塑性樹脂あるいはを使用した場
合にあっても、ガラス繊維の析出は無く、非常に高い鏡
面性を有していた。しかも、フローマーク及びジェッテ
ィング等の成形不良も認められなかった。突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)を表面粗さ計で測定したとこ
ろ、ヒケ量は2μm乃至15μmであった。
【0095】尚、連続して10000サイクル、成形を
行ったが、入れ子16に割れ等の損傷は発生しなかっ
た。
行ったが、入れ子16に割れ等の損傷は発生しなかっ
た。
【0096】(実施例2)実施例2においては、入れ子
16を構成する材料として、ジルコニア(ZrO 2)の
代わりに部分安定化ジルコニア(ZrO2−Y2O3)を
用い、実施例1と同様の金型組立体を得た。尚、この部
分安定化ジルコニア(ZrO2−Y2O3)の熱伝導率は
0.9×10-2cal/cm・sec・゜Cである。完
成した金型組立体を成形装置に取り付けた後、金型組立
体を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40゜
Cまで急冷しても、部分安定化ジルコニアから作製され
た入れ子16に割れ等の損傷は発生しなかった。
16を構成する材料として、ジルコニア(ZrO 2)の
代わりに部分安定化ジルコニア(ZrO2−Y2O3)を
用い、実施例1と同様の金型組立体を得た。尚、この部
分安定化ジルコニア(ZrO2−Y2O3)の熱伝導率は
0.9×10-2cal/cm・sec・゜Cである。完
成した金型組立体を成形装置に取り付けた後、金型組立
体を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40゜
Cまで急冷しても、部分安定化ジルコニアから作製され
た入れ子16に割れ等の損傷は発生しなかった。
【0097】実施例1と同じ成形装置を用い、金型組立
体を90゜Cに加熱した。実施例1と同じ6種類の熱可
塑性樹脂を用いて、実施例1と同じ条件にて射出成形を
行なった。全ての熱可塑性樹脂において、入れ子16と
接していた成形品20の表面20Aの部分(突起部2
1,22と対向する成形品面部分及び熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分)には、裏面20Bに
リブ21、ボス22、熱可塑性樹脂導入部跡23がある
にも拘わらず、ヒケは殆ど認められなかった。また、ガ
ラス繊維添加の熱可塑性樹脂あるいはを使用した場
合にあっても、ガラス繊維の析出は無く、非常に高い鏡
面性を有していた。しかも、フローマーク及びジェッテ
ィング等の成形不良も認められなかった。突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)を表面粗さ計で測定したとこ
ろ、ヒケ量は2μm乃至15μmであった。尚、連続し
て成形を10000サイクル行ったが、入れ子16に割
れ等の損傷は発生しなかった。
体を90゜Cに加熱した。実施例1と同じ6種類の熱可
塑性樹脂を用いて、実施例1と同じ条件にて射出成形を
行なった。全ての熱可塑性樹脂において、入れ子16と
接していた成形品20の表面20Aの部分(突起部2
1,22と対向する成形品面部分及び熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分)には、裏面20Bに
リブ21、ボス22、熱可塑性樹脂導入部跡23がある
にも拘わらず、ヒケは殆ど認められなかった。また、ガ
ラス繊維添加の熱可塑性樹脂あるいはを使用した場
合にあっても、ガラス繊維の析出は無く、非常に高い鏡
面性を有していた。しかも、フローマーク及びジェッテ
ィング等の成形不良も認められなかった。突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)を表面粗さ計で測定したとこ
ろ、ヒケ量は2μm乃至15μmであった。尚、連続し
て成形を10000サイクル行ったが、入れ子16に割
れ等の損傷は発生しなかった。
【0098】(実施例3)実施例3においては、入れ子
16を構成する材料として、ジルコニア(ZrO 2)の
代わりに部分安定化ジルコニア(ZrO2−CeO2)を
用い、実施例1と同様の金型組立体を得た。尚、この部
分安定化ジルコニア(ZrO2−CeO2)の熱伝導率は
1.0×10-2cal/cm・sec・゜Cである。完
成した金型組立体を成形装置に取り付けた後、金型組立
体を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40゜
Cまで急冷しても、部分安定化ジルコニアから作製され
た入れ子16に割れ等の損傷は発生しなかった。
16を構成する材料として、ジルコニア(ZrO 2)の
代わりに部分安定化ジルコニア(ZrO2−CeO2)を
用い、実施例1と同様の金型組立体を得た。尚、この部
分安定化ジルコニア(ZrO2−CeO2)の熱伝導率は
1.0×10-2cal/cm・sec・゜Cである。完
成した金型組立体を成形装置に取り付けた後、金型組立
体を金型温調機を用いて130゜Cまで加熱後、40゜
Cまで急冷しても、部分安定化ジルコニアから作製され
た入れ子16に割れ等の損傷は発生しなかった。
【0099】実施例1と同じ成形装置を用い、金型組立
体を90゜Cに加熱した。実施例1と同じ6種類の熱可
塑性樹脂を用いて、実施例1と同じ条件にて射出成形を
行なった。全ての熱可塑性樹脂において、入れ子16と
接していた成形品20の表面20Aの部分(突起部2
1,22と対向する成形品面部分及び熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分)には、裏面20Bに
リブ21、ボス22、熱可塑性樹脂導入部跡23がある
にも拘わらず、ヒケは殆ど認められなかった。また、ガ
ラス繊維添加の熱可塑性樹脂あるいはを使用した場
合にあっても、ガラス繊維の析出は無く、非常に高い鏡
面性を有していた。しかも、フローマーク及びジェッテ
ィング等の成形不良も認められなかった。突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)を表面粗さ計で測定したとこ
ろ、ヒケ量は2μm乃至15μmであった。尚、連続し
て成形を10000サイクル行ったが、入れ子16に割
れ等の損傷は発生しなかった。
体を90゜Cに加熱した。実施例1と同じ6種類の熱可
塑性樹脂を用いて、実施例1と同じ条件にて射出成形を
行なった。全ての熱可塑性樹脂において、入れ子16と
接していた成形品20の表面20Aの部分(突起部2
1,22と対向する成形品面部分及び熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分)には、裏面20Bに
リブ21、ボス22、熱可塑性樹脂導入部跡23がある
にも拘わらず、ヒケは殆ど認められなかった。また、ガ
ラス繊維添加の熱可塑性樹脂あるいはを使用した場
合にあっても、ガラス繊維の析出は無く、非常に高い鏡
面性を有していた。しかも、フローマーク及びジェッテ
ィング等の成形不良も認められなかった。突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)を表面粗さ計で測定したとこ
ろ、ヒケ量は2μm乃至15μmであった。尚、連続し
て成形を10000サイクル行ったが、入れ子16に割
れ等の損傷は発生しなかった。
【0100】(比較例1)比較例1にて用いた金型にお
いては、実施例1の入れ子16を、Ry=0.02μm
まで鏡面仕上げをした炭素鋼(熱伝導率11×10-2c
al/cm・sec・゜C)から成るブロックと交換し
た。そして、実施例1と同じ熱可塑性樹脂〜を使用
し、実施例1と同じ成形条件にて成形を行った。然る
に、キャビティ13内での溶融熱可塑性樹脂の流動性が
悪く、キャビティ13内を完全に溶融熱可塑性樹脂で充
填することができなかった。そこで、射出圧力を200
kgf/cm2−G増加させ、900kgf/cm2−G
として成形を行なった。得られた成形品の突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)におけるヒケ量は、30μm
乃至100μmであった。しかも、フローマーク及びジ
ェッテイング等の成形不良が生じていた。尚、熱可塑性
樹脂を使用した成形品においては、成形品表面にガラ
ス繊維が析出しており、実施例と比較すると鏡面性が著
しく劣っていた。
いては、実施例1の入れ子16を、Ry=0.02μm
まで鏡面仕上げをした炭素鋼(熱伝導率11×10-2c
al/cm・sec・゜C)から成るブロックと交換し
た。そして、実施例1と同じ熱可塑性樹脂〜を使用
し、実施例1と同じ成形条件にて成形を行った。然る
に、キャビティ13内での溶融熱可塑性樹脂の流動性が
悪く、キャビティ13内を完全に溶融熱可塑性樹脂で充
填することができなかった。そこで、射出圧力を200
kgf/cm2−G増加させ、900kgf/cm2−G
として成形を行なった。得られた成形品の突起部21,
22と対向する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入
部跡23と対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線
を付した部分が相当する)におけるヒケ量は、30μm
乃至100μmであった。しかも、フローマーク及びジ
ェッテイング等の成形不良が生じていた。尚、熱可塑性
樹脂を使用した成形品においては、成形品表面にガラ
ス繊維が析出しており、実施例と比較すると鏡面性が著
しく劣っていた。
【0101】(比較例2)比較例2においては、実施例
1の金型及び熱可塑性樹脂〜を用いて成形を行っ
た。但し、金型温度を以下の表15に示す値に制御し
た。
1の金型及び熱可塑性樹脂〜を用いて成形を行っ
た。但し、金型温度を以下の表15に示す値に制御し
た。
【0102】
【表15】 使用熱可塑性樹脂 T(゜C) 60(=Tg−85) <Tg−80 60(=Tc−133) <Tc−130 50(=Tg−95) <Tg−90 40(=Tg−105) <Tg−90
【0103】得られた成形品の突起部21,22と対向
する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入部跡23と
対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線を付した部
分が相当する)におけるヒケ量は、25μm乃至50μ
mであった。しかも、フローマーク及びジェッテイング
等の成形不良が生じていた。尚、熱可塑性樹脂を使用
した成形品においては、成形品表面にガラス繊維が析出
しており、実施例と比較すると鏡面性が著しく劣ってい
た。
する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入部跡23と
対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線を付した部
分が相当する)におけるヒケ量は、25μm乃至50μ
mであった。しかも、フローマーク及びジェッテイング
等の成形不良が生じていた。尚、熱可塑性樹脂を使用
した成形品においては、成形品表面にガラス繊維が析出
しており、実施例と比較すると鏡面性が著しく劣ってい
た。
【0104】(比較例3)比較例3においては、実施例
1の金型を用い、熱可塑性樹脂(但し、離型剤が0.
45重量%添加)を使用した。そして、実施例1と同じ
条件で成形を行った。
1の金型を用い、熱可塑性樹脂(但し、離型剤が0.
45重量%添加)を使用した。そして、実施例1と同じ
条件で成形を行った。
【0105】得られた成形品の突起部21,22と対向
する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入部跡23と
対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線を付した部
分が相当する)には、ヒケが僅かではあるが肉眼でもは
っきりと認められた。ヒケ量を測定したところ、22μ
m乃至30μmであった。尚、フローマーク及びジェッ
テイング等の成形不良は認められなかった。
する成形品面部分、及び、熱可塑性樹脂導入部跡23と
対向する成形品面部分(図1の(C)の斜線を付した部
分が相当する)には、ヒケが僅かではあるが肉眼でもは
っきりと認められた。ヒケ量を測定したところ、22μ
m乃至30μmであった。尚、フローマーク及びジェッ
テイング等の成形不良は認められなかった。
【0106】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例にて説明した金型の構造、使用した熱可塑性樹
脂、射出成形条件は例示であり、適宜変更することがで
きる。
明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例にて説明した金型の構造、使用した熱可塑性樹
脂、射出成形条件は例示であり、適宜変更することがで
きる。
【0107】例えば、図4の(A)に模式的な一部端面
図を示す構造の金型(第1の態様に係る金型)を用いる
こともできる。この金型は、(イ)熱可塑性樹脂に基づ
き成形品を成形するための金型部(固定金型部30及び
可動金型部31)と、(ロ)金型部の内部に配設され、
キャビティ33を構成する面の一部を構成し、2×10
-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有し、
厚さが0.1mm乃至10mmの入れ子36と、(ハ)
金型部の内部に配設され、キャビティ33を構成する面
の一部を構成し、入れ子36の端部を被覆する被覆プレ
ート34とから成る。そして、入れ子36と被覆プレー
ト34との間のクリアランス(C21)を、0.03mm
以下(C21≦0.03mm)とし、且つ、入れ子36に
対する被覆プレート34の重なり量(ΔS21)を0.5
mm以上(ΔS21≧0.5mm)とする。尚、図4の
(A)に示した金型の組み立て中の模式的な端面図を、
図4の(B)及び(C)に示す。尚、参照番号37は、
成形品の突起部を形成するための金型部分であり、参照
番号32はゲート部である。
図を示す構造の金型(第1の態様に係る金型)を用いる
こともできる。この金型は、(イ)熱可塑性樹脂に基づ
き成形品を成形するための金型部(固定金型部30及び
可動金型部31)と、(ロ)金型部の内部に配設され、
キャビティ33を構成する面の一部を構成し、2×10
-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有し、
厚さが0.1mm乃至10mmの入れ子36と、(ハ)
金型部の内部に配設され、キャビティ33を構成する面
の一部を構成し、入れ子36の端部を被覆する被覆プレ
ート34とから成る。そして、入れ子36と被覆プレー
ト34との間のクリアランス(C21)を、0.03mm
以下(C21≦0.03mm)とし、且つ、入れ子36に
対する被覆プレート34の重なり量(ΔS21)を0.5
mm以上(ΔS21≧0.5mm)とする。尚、図4の
(A)に示した金型の組み立て中の模式的な端面図を、
図4の(B)及び(C)に示す。尚、参照番号37は、
成形品の突起部を形成するための金型部分であり、参照
番号32はゲート部である。
【0108】例えば、入れ子36は石英ガラスから研削
加工にて作製することができる。そして、入れ子36の
キャビティ面36Aに対して、ダイヤモンド砥石及び酸
化セリウム砥石を用いた研磨及び仕上げを行ない、入れ
子36のキャビティ面36Aの表面粗さRyを0.02
μmとする。入れ子36を構成する石英ガラスの熱伝導
率は0.32×10-2cal/cm・sec・゜Cであ
り、線膨張係数は0.58×10-6/Kである。
加工にて作製することができる。そして、入れ子36の
キャビティ面36Aに対して、ダイヤモンド砥石及び酸
化セリウム砥石を用いた研磨及び仕上げを行ない、入れ
子36のキャビティ面36Aの表面粗さRyを0.02
μmとする。入れ子36を構成する石英ガラスの熱伝導
率は0.32×10-2cal/cm・sec・゜Cであ
り、線膨張係数は0.58×10-6/Kである。
【0109】固定金型部30は炭素鋼S55Cから作製
することができる。炭素鋼S55Cを切削加工して、入
れ子装着部30Aを設ける。次いで、入れ子36を、2
液硬化型エポキシ系接着剤(図示せず)を用いて、入れ
子装着部30A内に仮り止めする(図4の(B)参
照)。尚、仮り止め後、隙間ゲージを用いて入れ子36
と入れ子装着部30Aのクリアランス(D)を測定し、
最低クリアランスが0.005mm以上となるように、
入れ子装着部30Aの切削加工を行うことが好ましい。
一方、可動金型部31は炭素鋼S55Cから作製するこ
とができる。
することができる。炭素鋼S55Cを切削加工して、入
れ子装着部30Aを設ける。次いで、入れ子36を、2
液硬化型エポキシ系接着剤(図示せず)を用いて、入れ
子装着部30A内に仮り止めする(図4の(B)参
照)。尚、仮り止め後、隙間ゲージを用いて入れ子36
と入れ子装着部30Aのクリアランス(D)を測定し、
最低クリアランスが0.005mm以上となるように、
入れ子装着部30Aの切削加工を行うことが好ましい。
一方、可動金型部31は炭素鋼S55Cから作製するこ
とができる。
【0110】炭素鋼S55Cから被覆プレート34を作
製することができる。被覆プレート34を切削加工した
後、固定金型部30にビス(図示せず)を用いて固定す
る(図4の(C)参照)。尚、図4の(C)にはゲート
部の図示を省略した。入れ子36と被覆プレート34と
の間のクリアランス(C21)が0.03mm以下となる
ように、また、入れ子36に対する被覆プレート34の
重なり量(ΔS21)が0.5mm以上となるように、被
覆プレート34を切削加工する。
製することができる。被覆プレート34を切削加工した
後、固定金型部30にビス(図示せず)を用いて固定す
る(図4の(C)参照)。尚、図4の(C)にはゲート
部の図示を省略した。入れ子36と被覆プレート34と
の間のクリアランス(C21)が0.03mm以下となる
ように、また、入れ子36に対する被覆プレート34の
重なり量(ΔS21)が0.5mm以上となるように、被
覆プレート34を切削加工する。
【0111】あるいは又、金型の模式的な一部端面図を
図5の(A)に示すように、成形すべき成形品の形状に
依り、曲面を有する入れ子36を用いることもできる。
この場合には、固定金型部30を炭素鋼S55Cから作
製し、入れ子装着部30Aの切削加工を行い、固定金型
部30に設けられた入れ子装着部30Aの底部の曲率半
径を、入れ子装着部と対向する入れ子36の裏面(キャ
ビティ面と反対の面)の曲率半径に合わせることが好ま
しい。被覆プレート34は炭素鋼S55Cから作製する
ことができる。被覆プレート34の入れ子36に対向す
る面の曲率半径を入れ子36のキャビティ面の曲率半径
と一致させることが好ましい。被覆プレート34を切削
加工した後、固定金型部30にビス(図示せず)を用い
て固定することができる。また、可動金型部31は炭素
鋼S55Cから作製すればよい。あるいは又、図5の
(B)に模式的な一部端面図を示すように、入れ子36
を装着する固定金型部30の部分を、固定金型部30に
装着された入れ子装着用中子30Bから構成することも
できる。この場合、入れ子装着用中子30Bに入れ子装
着部を設ける。
図5の(A)に示すように、成形すべき成形品の形状に
依り、曲面を有する入れ子36を用いることもできる。
この場合には、固定金型部30を炭素鋼S55Cから作
製し、入れ子装着部30Aの切削加工を行い、固定金型
部30に設けられた入れ子装着部30Aの底部の曲率半
径を、入れ子装着部と対向する入れ子36の裏面(キャ
ビティ面と反対の面)の曲率半径に合わせることが好ま
しい。被覆プレート34は炭素鋼S55Cから作製する
ことができる。被覆プレート34の入れ子36に対向す
る面の曲率半径を入れ子36のキャビティ面の曲率半径
と一致させることが好ましい。被覆プレート34を切削
加工した後、固定金型部30にビス(図示せず)を用い
て固定することができる。また、可動金型部31は炭素
鋼S55Cから作製すればよい。あるいは又、図5の
(B)に模式的な一部端面図を示すように、入れ子36
を装着する固定金型部30の部分を、固定金型部30に
装着された入れ子装着用中子30Bから構成することも
できる。この場合、入れ子装着用中子30Bに入れ子装
着部を設ける。
【0112】あるいは又、図6に模式的な端面図を示す
ように、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形する
ための第1の金型部40及び第2の金型部45、(ロ)
第1の金型部40に配設され、キャビティ44を構成す
る面の一部を構成し、2×10-2cal/cm・sec
・゜C以下の熱伝導率を有し、厚さが0.1mm乃至1
0mmの入れ子48、及び、(ハ)入れ子48と第2の
金型部45との間に配設され、第1の金型部40に取り
付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部42が設けられた被
覆プレート41を備え、第2の金型部45には、入れ子
被覆部47が設けられており、第1の金型部40と第2
の金型部45とを型締めした状態において、(A)入れ
子48と入れ子被覆部47との間のクリアランス
(C31)を0.03mm以下(C31≦0.03mm)と
し、(B)入れ子48に対する入れ子被覆部47の重な
り量(ΔS31)を0.5mm以上(ΔS31≧0.5m
m)とし、(C)入れ子48と被覆プレート41との間
のクリアランス(C32)を0.03mm以下(C32≦
0.03mm)とし、(D)入れ子48に対する被覆プ
レート41の重なり量(ΔS32)を0.5mm以上(Δ
S32≧0.5mm)とした構造を有する金型(第3の態
様に係る金型)を用いることもできる。尚、図6の
(A)及び(B)に示すように、被覆プレート41は入
れ子48の一部分とのみ重なり合っている。入れ子被覆
部47は、入れ子48のキャビティ面48Aと対向する
第2の金型部45の面に設けられた一種の切り込み(切
り欠き)46である。ここで、このような構造の金型に
おける溶融熱可塑性樹脂導入部42としては、例えば、
ダイレクトゲート構造を挙げることができる。尚、参照
番号49は、成形品の突起部を形成するための金型部分
である。
ように、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形する
ための第1の金型部40及び第2の金型部45、(ロ)
第1の金型部40に配設され、キャビティ44を構成す
る面の一部を構成し、2×10-2cal/cm・sec
・゜C以下の熱伝導率を有し、厚さが0.1mm乃至1
0mmの入れ子48、及び、(ハ)入れ子48と第2の
金型部45との間に配設され、第1の金型部40に取り
付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部42が設けられた被
覆プレート41を備え、第2の金型部45には、入れ子
被覆部47が設けられており、第1の金型部40と第2
の金型部45とを型締めした状態において、(A)入れ
子48と入れ子被覆部47との間のクリアランス
(C31)を0.03mm以下(C31≦0.03mm)と
し、(B)入れ子48に対する入れ子被覆部47の重な
り量(ΔS31)を0.5mm以上(ΔS31≧0.5m
m)とし、(C)入れ子48と被覆プレート41との間
のクリアランス(C32)を0.03mm以下(C32≦
0.03mm)とし、(D)入れ子48に対する被覆プ
レート41の重なり量(ΔS32)を0.5mm以上(Δ
S32≧0.5mm)とした構造を有する金型(第3の態
様に係る金型)を用いることもできる。尚、図6の
(A)及び(B)に示すように、被覆プレート41は入
れ子48の一部分とのみ重なり合っている。入れ子被覆
部47は、入れ子48のキャビティ面48Aと対向する
第2の金型部45の面に設けられた一種の切り込み(切
り欠き)46である。ここで、このような構造の金型に
おける溶融熱可塑性樹脂導入部42としては、例えば、
ダイレクトゲート構造を挙げることができる。尚、参照
番号49は、成形品の突起部を形成するための金型部分
である。
【0113】尚、金型を型締めしたときの模式的な端面
図を図6の(A)及び(B)に示し、型開きしたときの
模式的な端面図を図8に示す。また、組み立て中の金型
の模式的な端面図を、図7の(A)、(B)及び(C)
に示す。尚、図6の(A)、図7の(A)〜(C)及び
図8は、垂直面で被覆プレート41を含む金型の領域を
切断したときの図であり、図6の(B)はかかる垂直面
と平行な垂直面で被覆プレート41を含まない金型の領
域を切断したときの図である。
図を図6の(A)及び(B)に示し、型開きしたときの
模式的な端面図を図8に示す。また、組み立て中の金型
の模式的な端面図を、図7の(A)、(B)及び(C)
に示す。尚、図6の(A)、図7の(A)〜(C)及び
図8は、垂直面で被覆プレート41を含む金型の領域を
切断したときの図であり、図6の(B)はかかる垂直面
と平行な垂直面で被覆プレート41を含まない金型の領
域を切断したときの図である。
【0114】第1の金型部(固定金型部)40は炭素鋼
S55Cから作製することができる。そして、切削加工
を行い、入れ子48のための入れ子装着部40Aを設け
(図7の(A)参照)、次いで、入れ子48をシリコン
系接着剤(図示せず)を用いて入れ子装着部40A内に
接着する(図7の(B)参照)。隙間ゲージを用いて入
れ子48と入れ子装着部40Aとの間のクリアランス
(D)を測定し、最低クリアランスが0.005mm以
上となるように、入れ子装着部40Aの切削加工を行う
ことが好ましい。一方、第2の金型部(可動金型部)4
5は炭素鋼S55Cから作製することができる。
S55Cから作製することができる。そして、切削加工
を行い、入れ子48のための入れ子装着部40Aを設け
(図7の(A)参照)、次いで、入れ子48をシリコン
系接着剤(図示せず)を用いて入れ子装着部40A内に
接着する(図7の(B)参照)。隙間ゲージを用いて入
れ子48と入れ子装着部40Aとの間のクリアランス
(D)を測定し、最低クリアランスが0.005mm以
上となるように、入れ子装着部40Aの切削加工を行う
ことが好ましい。一方、第2の金型部(可動金型部)4
5は炭素鋼S55Cから作製することができる。
【0115】炭素鋼にて被覆プレート41を作製するこ
とができる。そして、所定位置にボルト(図示せず)に
て第1の金型部40に取り付ける(図7の(C)参
照)。尚、被覆プレート41には溶融熱可塑性樹脂導入
部(ゲート部)42を設ける。被覆プレート41の入れ
子と対向する面43と、入れ子48との間のクリアラン
ス(C32)、及び、入れ子48に対する被覆プレート4
1の重なり量(ΔS32)のそれぞれが、C32≦0.03
mm及びΔS32≧0.5mmを満足するように、被覆プ
レート41の加工を行う。
とができる。そして、所定位置にボルト(図示せず)に
て第1の金型部40に取り付ける(図7の(C)参
照)。尚、被覆プレート41には溶融熱可塑性樹脂導入
部(ゲート部)42を設ける。被覆プレート41の入れ
子と対向する面43と、入れ子48との間のクリアラン
ス(C32)、及び、入れ子48に対する被覆プレート4
1の重なり量(ΔS32)のそれぞれが、C32≦0.03
mm及びΔS32≧0.5mmを満足するように、被覆プ
レート41の加工を行う。
【0116】このように作製した第1の金型部(固定金
型部)40及び第2の金型部(可動金型部)45を組み
付けて金型を得ることができる。この金型において、入
れ子48と入れ子被覆部47との間のクリアランス(C
31)、及び、入れ子48に対する入れ子被覆部47の重
なり量(ΔS31)のそれぞれが、C31≦0.03mm及
びΔS31≧0.5mmを満足するように、入れ子被覆部
47の加工を行う。こうして、入れ子48の端部とキャ
ビティ44に導入された溶融樹脂との間には接触が無い
構造とすることができる。
型部)40及び第2の金型部(可動金型部)45を組み
付けて金型を得ることができる。この金型において、入
れ子48と入れ子被覆部47との間のクリアランス(C
31)、及び、入れ子48に対する入れ子被覆部47の重
なり量(ΔS31)のそれぞれが、C31≦0.03mm及
びΔS31≧0.5mmを満足するように、入れ子被覆部
47の加工を行う。こうして、入れ子48の端部とキャ
ビティ44に導入された溶融樹脂との間には接触が無い
構造とすることができる。
【0117】あるいは又、図9に模式的な端面図を示す
ように、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形する
ための第1の金型部50及び第2の金型部55、(ロ)
第1の金型部50に配設され、キャビティを構成する面
の一部を構成し、2×10-2cal/cm・sec・゜
C以下の熱伝導率を有し、厚さが0.1mm乃至10m
mの第1の入れ子54、(ハ)第2の金型部55に配設
され、キャビティを構成する面の一部を構成し、2×1
0-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有
し、厚さが0.1mm乃至10mmの第2の入れ子5
9、及び、(ニ)第1の入れ子54と第2の入れ子59
との間に配設され、第1の金型部50、第2の金型部5
5、あるいは、第1及び第2の金型部50,55に取り
付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部60が設けられた被
覆プレート52,57を備え、そして、第1の金型部5
0と第2の金型部55とを型締めした状態において、
(A)第1の入れ子54の第2の入れ子と対向する面5
4Aと、第2の入れ子59の第1の入れ子と対向する面
59Dとの間のクリアランス(C40)を0.03mm以
下(C40≦0.03mm)とし、(B)第1の入れ子5
4の第2の入れ子と対向する面54Aと、第2の入れ子
59の第1の入れ子と対向する面59Dとの重なり量
(ΔS40)を0.5mm以上(ΔS40≧0.5mm)と
し、(C)第1の入れ子54と被覆プレート52との間
のクリアランス(C41)、及び第2の入れ子59と被覆
プレート57との間のクリアランス(C42)を0.03
mm以下(C41≦0.03mm且つC42≦0.03m
m)とし、(D)第1の入れ子54に対する被覆プレー
ト52の重なり量(ΔS41)、及び第2の入れ子59に
対する被覆プレート57の重なり量(ΔS42)を0.5
mm以上(ΔS41≧0.5mm且つΔS42≧0.5m
m)とした金型(第4の態様に係る金型)を用いること
もできる。尚、被覆プレート52,57は第1及び第2
の入れ子54,59の一部分とのみ重なり合っている。
ここで、このような構造の金型における溶融熱可塑性樹
脂導入部60としては、例えば、サイドゲート構造を挙
げることができる。ここで、参照番号61はキャビティ
である。
ように、(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形する
ための第1の金型部50及び第2の金型部55、(ロ)
第1の金型部50に配設され、キャビティを構成する面
の一部を構成し、2×10-2cal/cm・sec・゜
C以下の熱伝導率を有し、厚さが0.1mm乃至10m
mの第1の入れ子54、(ハ)第2の金型部55に配設
され、キャビティを構成する面の一部を構成し、2×1
0-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有
し、厚さが0.1mm乃至10mmの第2の入れ子5
9、及び、(ニ)第1の入れ子54と第2の入れ子59
との間に配設され、第1の金型部50、第2の金型部5
5、あるいは、第1及び第2の金型部50,55に取り
付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部60が設けられた被
覆プレート52,57を備え、そして、第1の金型部5
0と第2の金型部55とを型締めした状態において、
(A)第1の入れ子54の第2の入れ子と対向する面5
4Aと、第2の入れ子59の第1の入れ子と対向する面
59Dとの間のクリアランス(C40)を0.03mm以
下(C40≦0.03mm)とし、(B)第1の入れ子5
4の第2の入れ子と対向する面54Aと、第2の入れ子
59の第1の入れ子と対向する面59Dとの重なり量
(ΔS40)を0.5mm以上(ΔS40≧0.5mm)と
し、(C)第1の入れ子54と被覆プレート52との間
のクリアランス(C41)、及び第2の入れ子59と被覆
プレート57との間のクリアランス(C42)を0.03
mm以下(C41≦0.03mm且つC42≦0.03m
m)とし、(D)第1の入れ子54に対する被覆プレー
ト52の重なり量(ΔS41)、及び第2の入れ子59に
対する被覆プレート57の重なり量(ΔS42)を0.5
mm以上(ΔS41≧0.5mm且つΔS42≧0.5m
m)とした金型(第4の態様に係る金型)を用いること
もできる。尚、被覆プレート52,57は第1及び第2
の入れ子54,59の一部分とのみ重なり合っている。
ここで、このような構造の金型における溶融熱可塑性樹
脂導入部60としては、例えば、サイドゲート構造を挙
げることができる。ここで、参照番号61はキャビティ
である。
【0118】尚、組み立て中の金型の模式的な端面図
を、図10〜図12に示す。ここで、図9の(A)、図
10の(A),(C)、図11の(A),(C)及び図
12の(A)は、垂直面で被覆プレート52,57を含
む金型の領域を切断したときの図であり、図9の
(B)、図10の(B),(D)、図11の(B),
(D)及び図12の(B)は、かかる垂直面と平行な垂
直面で被覆プレート52,57を含まない金型の領域を
切断したときの図である。
を、図10〜図12に示す。ここで、図9の(A)、図
10の(A),(C)、図11の(A),(C)及び図
12の(A)は、垂直面で被覆プレート52,57を含
む金型の領域を切断したときの図であり、図9の
(B)、図10の(B),(D)、図11の(B),
(D)及び図12の(B)は、かかる垂直面と平行な垂
直面で被覆プレート52,57を含まない金型の領域を
切断したときの図である。
【0119】この金型においては、ジルコニアをキャビ
ティ面に成形品の突起部を形成するための金型部分(リ
ブを形成するための金型部分54B及びボスを形成する
ための金型部分分54C)が形成されるようにプレス成
形後、焼成することによって、第1の入れ子54を作製
する。第1の入れ子54の形状は、これらの金型部分5
4B,54Cを除き、直方体である。また、ジルコニア
をキャビティ面が凹形状になるようにプレス成形後、焼
成することによって、第2の入れ子59を作製する。第
2の入れ子59には凹部が設けられている。第2の入れ
子59における凹部の底面59Bは所定の厚さを有す
る。また、第2の入れ子59は、底面59Bからの立ち
上がり部59Cを有する。第2の入れ子59の凹部の底
面59B及び立ち上がり部59Cの内側面59A(これ
らの面はキャビティ面である)に対して、ダイヤモンド
砥石を用いた研磨及び仕上げを行うことが好ましい。更
には、第2の入れ子59の凹部の底面59Bと立ち上が
り部59Cの境界部を、半径0.1mmの曲面とするこ
とが好ましい。尚、第2の金型部55に第2の被覆プレ
ート57を取り付けるために、第2の入れ子59の立ち
上がり部59Cの一部は除去された形状となっている
(図11の(A)及び(B)参照)。
ティ面に成形品の突起部を形成するための金型部分(リ
ブを形成するための金型部分54B及びボスを形成する
ための金型部分分54C)が形成されるようにプレス成
形後、焼成することによって、第1の入れ子54を作製
する。第1の入れ子54の形状は、これらの金型部分5
4B,54Cを除き、直方体である。また、ジルコニア
をキャビティ面が凹形状になるようにプレス成形後、焼
成することによって、第2の入れ子59を作製する。第
2の入れ子59には凹部が設けられている。第2の入れ
子59における凹部の底面59Bは所定の厚さを有す
る。また、第2の入れ子59は、底面59Bからの立ち
上がり部59Cを有する。第2の入れ子59の凹部の底
面59B及び立ち上がり部59Cの内側面59A(これ
らの面はキャビティ面である)に対して、ダイヤモンド
砥石を用いた研磨及び仕上げを行うことが好ましい。更
には、第2の入れ子59の凹部の底面59Bと立ち上が
り部59Cの境界部を、半径0.1mmの曲面とするこ
とが好ましい。尚、第2の金型部55に第2の被覆プレ
ート57を取り付けるために、第2の入れ子59の立ち
上がり部59Cの一部は除去された形状となっている
(図11の(A)及び(B)参照)。
【0120】第1の金型部(固定金型部)50は炭素鋼
S55Cから作製することができる。第1の入れ子54
のための入れ子装着部50Aを第1の金型部50に設け
る(図10の(C)及び(D)参照)。尚、参照番号5
1は、第1の被覆プレート取付部である。そして、第1
の入れ子54を、シリコン系接着剤(図示せず)を用い
て、入れ子装着部50A内に接着する(図11の(C)
及び(D)参照)。隙間ゲージを用いて第1の入れ子5
4と入れ子装着部50Aとの間のクリアランス(D)を
測定し、最低クリアランスが0.005mm以上となる
ように、入れ子装着部50Aの加工を行うことが好まし
い。
S55Cから作製することができる。第1の入れ子54
のための入れ子装着部50Aを第1の金型部50に設け
る(図10の(C)及び(D)参照)。尚、参照番号5
1は、第1の被覆プレート取付部である。そして、第1
の入れ子54を、シリコン系接着剤(図示せず)を用い
て、入れ子装着部50A内に接着する(図11の(C)
及び(D)参照)。隙間ゲージを用いて第1の入れ子5
4と入れ子装着部50Aとの間のクリアランス(D)を
測定し、最低クリアランスが0.005mm以上となる
ように、入れ子装着部50Aの加工を行うことが好まし
い。
【0121】第2の金型部(可動金型部)55も炭素鋼
S55Cから作製することができる。そして、第2の入
れ子59のための入れ子装着部55Aを第2の金型部5
5に設ける(図10の(A)及び(B)参照)。尚、参
照番号56は、第2の被覆プレート取付部である。次い
で、第2の入れ子59を、シリコン系接着剤(図示せ
ず)を用いて、入れ子装着部55A内に接着する(図1
1の(A)及び(B)参照)。隙間ゲージを用いて第2
の入れ子59と入れ子装着部55Aとの間のクリアラン
ス(D)を測定し、最低クリアランスが0.005mm
以上となるように、入れ子装着部55Aの加工を行うこ
とが好ましい。
S55Cから作製することができる。そして、第2の入
れ子59のための入れ子装着部55Aを第2の金型部5
5に設ける(図10の(A)及び(B)参照)。尚、参
照番号56は、第2の被覆プレート取付部である。次い
で、第2の入れ子59を、シリコン系接着剤(図示せ
ず)を用いて、入れ子装着部55A内に接着する(図1
1の(A)及び(B)参照)。隙間ゲージを用いて第2
の入れ子59と入れ子装着部55Aとの間のクリアラン
ス(D)を測定し、最低クリアランスが0.005mm
以上となるように、入れ子装着部55Aの加工を行うこ
とが好ましい。
【0122】炭素鋼にて第1の被覆プレート52を作製
し、第1の被覆プレート取付部51の所定位置にボルト
(図示せず)にて第1の金型部50に固定する(図12
の(B)参照)。尚、第1の被覆プレート52には、溶
融熱可塑性樹脂導入部の一部60Aが形成されている。
また、炭素鋼にて第2の被覆プレート57を作製し、第
2の被覆プレート取付部56の所定位置にボルト(図示
せず)にて第2の金型部55に固定する(図12の
(A)参照)。尚、第2の被覆プレート57には、溶融
熱可塑性樹脂導入部の一部60Bが形成されている。第
1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態におい
て、第1の被覆プレート52及び第2の被覆プレート5
7によって、溶融熱可塑性樹脂導入部60が構成され
る。ここで、このような構造の金型における溶融熱可塑
性樹脂導入部60としては、例えば、サイドゲート構造
を挙げることができる。
し、第1の被覆プレート取付部51の所定位置にボルト
(図示せず)にて第1の金型部50に固定する(図12
の(B)参照)。尚、第1の被覆プレート52には、溶
融熱可塑性樹脂導入部の一部60Aが形成されている。
また、炭素鋼にて第2の被覆プレート57を作製し、第
2の被覆プレート取付部56の所定位置にボルト(図示
せず)にて第2の金型部55に固定する(図12の
(A)参照)。尚、第2の被覆プレート57には、溶融
熱可塑性樹脂導入部の一部60Bが形成されている。第
1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態におい
て、第1の被覆プレート52及び第2の被覆プレート5
7によって、溶融熱可塑性樹脂導入部60が構成され
る。ここで、このような構造の金型における溶融熱可塑
性樹脂導入部60としては、例えば、サイドゲート構造
を挙げることができる。
【0123】このように作製した第1の金型部(固定金
型部)50と第2の金型部(可動金型部)55を組み付
けて金型を得ることができる。この金型において、第1
の金型部50と第2の金型部55とを型締めした状態
で、C40,ΔS40,C41,C42,ΔS41,ΔS42が規定
の値を満足するように、第1の入れ子54、第2の入れ
子59、第1の被覆プレート52及び第2の被覆プレー
ト57を加工する。尚、参照番号53は、第1の被覆プ
レート52の第1の入れ子54と対向する面であり、参
照番号58は、第2の被覆プレート57の第2の入れ子
59と対向する面である。
型部)50と第2の金型部(可動金型部)55を組み付
けて金型を得ることができる。この金型において、第1
の金型部50と第2の金型部55とを型締めした状態
で、C40,ΔS40,C41,C42,ΔS41,ΔS42が規定
の値を満足するように、第1の入れ子54、第2の入れ
子59、第1の被覆プレート52及び第2の被覆プレー
ト57を加工する。尚、参照番号53は、第1の被覆プ
レート52の第1の入れ子54と対向する面であり、参
照番号58は、第2の被覆プレート57の第2の入れ子
59と対向する面である。
【0124】図13には、成形品を金型から取り出すた
めに、キャビティ44に連通したタブ形成部41Bが被
覆プレート41Aに設けられている構造を例示する。
尚、被覆プレート41Aは第1の金型部40に取り付け
られている。尚、この場合にも、入れ子48と被覆プレ
ート41Aとの間のクリアランスC33は0.03mm以
下を満足する必要がある。この金型は図6にて説明した
金型と実質的には同様の構造を有する。被覆プレート4
1Aは、図13の(A)の紙面垂直方向にも2カ所設け
られている。尚、図13の(A)及び図14の(A)
は、垂直面で被覆プレート41,41Aを含む金型の領
域を切断したときの図であり、図13の(B)及び図1
4の(B)は、かかる垂直面と平行な垂直面で被覆プレ
ート41,41Aを含まない金型の領域を切断したとき
の図である。金型をこのような構造にすることによっ
て、成形品にはタブ部が形成される。金型の型開き後
(図14の(A)及び(B)参照)、第2の金型部に配
設された突き出しピン(図示せず)をかかるタブ部に当
てて成形品を押し出し、成形品を第2の金型部45から
取り出せばよい。尚、成形品に形成されたタブ部は、後
の工程で削除すればよい。
めに、キャビティ44に連通したタブ形成部41Bが被
覆プレート41Aに設けられている構造を例示する。
尚、被覆プレート41Aは第1の金型部40に取り付け
られている。尚、この場合にも、入れ子48と被覆プレ
ート41Aとの間のクリアランスC33は0.03mm以
下を満足する必要がある。この金型は図6にて説明した
金型と実質的には同様の構造を有する。被覆プレート4
1Aは、図13の(A)の紙面垂直方向にも2カ所設け
られている。尚、図13の(A)及び図14の(A)
は、垂直面で被覆プレート41,41Aを含む金型の領
域を切断したときの図であり、図13の(B)及び図1
4の(B)は、かかる垂直面と平行な垂直面で被覆プレ
ート41,41Aを含まない金型の領域を切断したとき
の図である。金型をこのような構造にすることによっ
て、成形品にはタブ部が形成される。金型の型開き後
(図14の(A)及び(B)参照)、第2の金型部に配
設された突き出しピン(図示せず)をかかるタブ部に当
てて成形品を押し出し、成形品を第2の金型部45から
取り出せばよい。尚、成形品に形成されたタブ部は、後
の工程で削除すればよい。
【0125】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂から成る成形品の
製造方法によれば、キャビティ内に導入された溶融熱可
塑性樹脂の急冷を抑制することができるので、突起部や
熱可塑性樹脂導入部跡が形成された部分とは反対側の成
形品面部分におけるヒケの発生を効果的に防止すること
ができ、しかも、フローマーク及びジェッテイング等の
外観不良が発生することを防止することができる。更に
は、例えば、無機繊維強化熱可塑性樹脂を使用した場合
にあっても、無機繊維の析出を防止することが可能とな
る。また、成形品の不良率低減及び成形品の均質化、高
品質化を達成することができ、成形品の製造コストの削
減を図ることができる。更には、キャビティ内での溶融
熱可塑性樹脂の流動性が向上するが故に、溶融熱可塑性
樹脂のキャビティ内への導入圧力を低く設定できる。そ
れ故、成形品に残留する応力を緩和でき、成形品の品質
を向上させることができる。また、導入圧力を低減でき
るために、金型の薄肉化、成形装置の小型化が可能とな
り、成形品のコストダウンも可能になる。
製造方法によれば、キャビティ内に導入された溶融熱可
塑性樹脂の急冷を抑制することができるので、突起部や
熱可塑性樹脂導入部跡が形成された部分とは反対側の成
形品面部分におけるヒケの発生を効果的に防止すること
ができ、しかも、フローマーク及びジェッテイング等の
外観不良が発生することを防止することができる。更に
は、例えば、無機繊維強化熱可塑性樹脂を使用した場合
にあっても、無機繊維の析出を防止することが可能とな
る。また、成形品の不良率低減及び成形品の均質化、高
品質化を達成することができ、成形品の製造コストの削
減を図ることができる。更には、キャビティ内での溶融
熱可塑性樹脂の流動性が向上するが故に、溶融熱可塑性
樹脂のキャビティ内への導入圧力を低く設定できる。そ
れ故、成形品に残留する応力を緩和でき、成形品の品質
を向上させることができる。また、導入圧力を低減でき
るために、金型の薄肉化、成形装置の小型化が可能とな
り、成形品のコストダウンも可能になる。
【0126】本発明における入れ子は、断熱効果が大き
いばかりか、入れ子の保守が容易である。また、本発明
においては、入れ子を、所定のクリアランスや重なり量
の範囲内で金型内に組み込むことによって、長期的な成
形を実施しても、入れ子に破損が生じることがなく、容
易且つ安価に金型組立体を製作できるし、成形品端部の
バリ発生を防止できる。
いばかりか、入れ子の保守が容易である。また、本発明
においては、入れ子を、所定のクリアランスや重なり量
の範囲内で金型内に組み込むことによって、長期的な成
形を実施しても、入れ子に破損が生じることがなく、容
易且つ安価に金型組立体を製作できるし、成形品端部の
バリ発生を防止できる。
【図1】実施例1にて成形した成形品の模式的な正面
図、模式的な平面図及び模式的な底面図である。
図、模式的な平面図及び模式的な底面図である。
【図2】実施例1にて用いた金型の模式的な一部端面図
である。
である。
【図3】図2に示した金型の組立中の模式的な端面図で
ある。
ある。
【図4】本発明の熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方
法において使用に適した金型の模式的な一部端面図、及
び金型組立中の模式的な一部端面図である。
法において使用に適した金型の模式的な一部端面図、及
び金型組立中の模式的な一部端面図である。
【図5】図4とは若干構造の異なる、本発明の熱可塑性
樹脂から成る成形品の製造方法において使用に適した金
型の模式的な一部端面図である。
樹脂から成る成形品の製造方法において使用に適した金
型の模式的な一部端面図である。
【図6】図1とは若干構造の異なる、本発明の熱可塑性
樹脂から成る成形品の製造方法において使用に適した金
型の型締め時の模式的な端面図である。
樹脂から成る成形品の製造方法において使用に適した金
型の型締め時の模式的な端面図である。
【図7】図6に示した金型の組み立て中の模式的な端面
図である。
図である。
【図8】図6に示した金型の型開き時の模式的な端面図
である。
である。
【図9】図1とは若干構造の異なる、本発明の熱可塑性
樹脂から成る成形品の製造方法において使用に適した金
型の型締め時の模式的な端面図である。
樹脂から成る成形品の製造方法において使用に適した金
型の型締め時の模式的な端面図である。
【図10】図9に示した金型の組み立て中の模式的な端
面図である。
面図である。
【図11】図10に引き続き、金型の組み立て中の模式
的な端面図である。
的な端面図である。
【図12】図9に示した金型の型開き時の模式的な端面
図である。
図である。
【図13】成形品を金型から取り出すために、キャビテ
ィに連通したタブ形成部が被覆プレートに設けられてい
る構造を有する金型の型締め時の模式的な端面図であ
る。
ィに連通したタブ形成部が被覆プレートに設けられてい
る構造を有する金型の型締め時の模式的な端面図であ
る。
【図14】図13に示した金型の型開き後の可動金型部
及び成形品の状態を示す図である。
及び成形品の状態を示す図である。
10・・・第1の金型部、10A・・・入れ子装着部、
11・・・第2の金型部、12・・・溶融熱可塑性樹脂
導入部(ゲート部)、13・・・キャビティ、14・・
・切り込み(切り欠き)、15・・・入れ子被覆部、1
6・・・入れ子、16A・・・入れ子のキャビティ面、
16B,16C・・・成形品の突起部を形成するための
金型部分に対向した金型の部分におけるキャビティ面、
16D・・・溶融熱可塑性樹脂導入部に対向した金型の
部分におけるキャビティを構成する面、17,18・・
・成形品の突起部を形成するための金型部分、20・・
・成形品、20A・・・成形品20の表面、20B・・
・成形品の裏面、21・・・リブ、22・・・ボス、2
3・・・熱可塑性樹脂導入部跡、30・・・固定金型
部、30A・・・入れ子装着部、30B・・・入れ子装
着用中子、31・・・可動金型部、32・・・ゲート
部、33・・・キャビティ、34・・・被覆プレート、
36・・・入れ子、36A・・・入れ子のキャビティ
面、37・・・成形品の突起部を形成するための金型部
分、40・・・第1の金型部、40A・・・入れ子装着
部、41,41A・・・被覆プレート、41B・・・タ
ブ形成部、42・・・溶融熱可塑性樹脂導入部、43・
・・被覆プレートの入れ子と対向する面、44・・・キ
ャビティ、45・・・第2の金型部、46・・・切り込
み(切り欠き)、47・・・入れ子被覆部、48・・・
入れ子、48A・・・入れ子のキャビティ面、49・・
・成形品の突起部を形成するための金型部分、50・・
・第1の金型部、50A・・・入れ子装着部、51・・
・第1の被覆プレート取付部、52,57・・・被覆プ
レート、53・・・第1の被覆プレートの第1の入れ子
と対向する面、54・・・第1の入れ子、54A・・・
第1の入れ子の第2の入れ子と対向する面、54B・・
・リブを形成するための金型部分、54C・・・ボスを
形成するための金型部分、55・・・第2の金型部、5
5A・・・入れ子装着部、56・・・第2の被覆プレー
ト取付部、58・・・第2の被覆プレートの第2の入れ
子と対向する面、59・・・第2の入れ子、59A・・
・第2の入れ子の凹部の底面B及び立ち上がり部の内側
面、59B・・・第2の入れ子における凹部の底面、5
9C・・・第2の入れ子の底面からの立ち上がり部、5
9D・・・第2の入れ子の第1の入れ子と対向する面、
60・・・溶融熱可塑性樹脂導入部、61・・・キャビ
ティ
11・・・第2の金型部、12・・・溶融熱可塑性樹脂
導入部(ゲート部)、13・・・キャビティ、14・・
・切り込み(切り欠き)、15・・・入れ子被覆部、1
6・・・入れ子、16A・・・入れ子のキャビティ面、
16B,16C・・・成形品の突起部を形成するための
金型部分に対向した金型の部分におけるキャビティ面、
16D・・・溶融熱可塑性樹脂導入部に対向した金型の
部分におけるキャビティを構成する面、17,18・・
・成形品の突起部を形成するための金型部分、20・・
・成形品、20A・・・成形品20の表面、20B・・
・成形品の裏面、21・・・リブ、22・・・ボス、2
3・・・熱可塑性樹脂導入部跡、30・・・固定金型
部、30A・・・入れ子装着部、30B・・・入れ子装
着用中子、31・・・可動金型部、32・・・ゲート
部、33・・・キャビティ、34・・・被覆プレート、
36・・・入れ子、36A・・・入れ子のキャビティ
面、37・・・成形品の突起部を形成するための金型部
分、40・・・第1の金型部、40A・・・入れ子装着
部、41,41A・・・被覆プレート、41B・・・タ
ブ形成部、42・・・溶融熱可塑性樹脂導入部、43・
・・被覆プレートの入れ子と対向する面、44・・・キ
ャビティ、45・・・第2の金型部、46・・・切り込
み(切り欠き)、47・・・入れ子被覆部、48・・・
入れ子、48A・・・入れ子のキャビティ面、49・・
・成形品の突起部を形成するための金型部分、50・・
・第1の金型部、50A・・・入れ子装着部、51・・
・第1の被覆プレート取付部、52,57・・・被覆プ
レート、53・・・第1の被覆プレートの第1の入れ子
と対向する面、54・・・第1の入れ子、54A・・・
第1の入れ子の第2の入れ子と対向する面、54B・・
・リブを形成するための金型部分、54C・・・ボスを
形成するための金型部分、55・・・第2の金型部、5
5A・・・入れ子装着部、56・・・第2の被覆プレー
ト取付部、58・・・第2の被覆プレートの第2の入れ
子と対向する面、59・・・第2の入れ子、59A・・
・第2の入れ子の凹部の底面B及び立ち上がり部の内側
面、59B・・・第2の入れ子における凹部の底面、5
9C・・・第2の入れ子の底面からの立ち上がり部、5
9D・・・第2の入れ子の第1の入れ子と対向する面、
60・・・溶融熱可塑性樹脂導入部、61・・・キャビ
ティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 101:12
Claims (16)
- 【請求項1】金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可
塑性樹脂を導入することによって、突起部を有する成形
品を成形する方法であって、 成形品の突起部を形成するための金型部分に対向した金
型の部分におけるキャビティを構成する面は、2×10
-2cal/cm・sec・゜C以下の熱伝導率を有する
厚さ0.1mm乃至10mmの入れ子から構成されてお
り、 使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、以下のとおりに
金型温度T(単位:゜C)を設定することを特徴とする
熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 (1)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂を使用する場合:Tg−80<T<Tg
−10 (2)結晶化開始温度Tc(゜C)を有する結晶性の熱
可塑性樹脂を使用する場合:Tc−130<T<Tc−1
0 (3)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率が結晶性の熱可塑性樹脂の含有率よりも高いポリマ
ーアロイ材料を使用する場合:Tg−90<T<Tg−1
0 (4)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率と結晶性の熱可塑性樹脂の含有率が同率であるポリ
マーアロイ材料を使用する場合:Tg−100<T<Tg
−10 (5)非晶性の熱可塑性樹脂及び結晶化開始温度T
c(゜C)を有する結晶性の熱可塑性樹脂から成るポリ
マーアロイ材料であって、結晶性の熱可塑性樹脂の含有
率が非晶性の熱可塑性樹脂の含有率よりも高いポリマー
アロイ材料を使用する場合:Tc−120<T<Tc−1
0 - 【請求項2】成形品の突起部を形成するための金型部分
に対向した金型の部分におけるキャビティを構成する面
を前記入れ子によって構成することにより、突起部が形
成された成形品面とは反対側の成形品面の突起部と対向
する部分におけるヒケ発生を防止する特徴とする請求項
1に記載の熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項3】突起部が設けられた成形品の部分の近傍で
あって突起部が設けられていない部分の成形品厚さをt
0(単位:mm)としたとき、1≦t0≦5であることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂
から成る成形品の製造方法。 - 【請求項4】突起部はリブから成り、リブの幅は1mm
乃至7mmであることを特徴とする請求項3に記載の熱
可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項5】突起部はボスから成り、ボスの肉厚は1m
m乃至5mmであることを特徴とする請求項3に記載の
熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項6】金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可
塑性樹脂導入部から溶融熱可塑性樹脂を導入することに
よって成形品を成形する方法であって、 溶融熱可塑性樹脂導入部に対向した金型の部分における
キャビティを構成する面は、2×10-2cal/cm・
sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1mm乃
至10mmの入れ子から構成されており、 使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、以下のとおりに
金型温度T(単位:゜C)を設定することを特徴とする
熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 (1)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂を使用する場合:Tg−80<T<Tg
−10 (2)結晶化開始温度Tc(゜C)を有する結晶性の熱
可塑性樹脂を使用する場合:Tc−130<T<Tc−1
0 (3)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率が結晶性の熱可塑性樹脂の含有率よりも高いポリマ
ーアロイ材料を使用する場合:Tg−90<T<Tg−1
0 (4)ガラス転移温度Tg(単位:゜C)を有する非晶
性の熱可塑性樹脂及び結晶性の熱可塑性樹脂から成るポ
リマーアロイ材料であって、非晶性の熱可塑性樹脂の含
有率と結晶性の熱可塑性樹脂の含有率が同率であるポリ
マーアロイ材料を使用する場合:Tg−100<T<Tg
−10 (5)非晶性の熱可塑性樹脂及び結晶化開始温度T
c(゜C)を有する結晶性の熱可塑性樹脂から成るポリ
マーアロイ材料であって、結晶性の熱可塑性樹脂の含有
率が非晶性の熱可塑性樹脂の含有率よりも高いポリマー
アロイ材料を使用する場合:Tc−120<T<Tc−1
0 - 【請求項7】溶融熱可塑性樹脂導入部に対向した金型の
部分におけるキャビティを構成する面を前記入れ子によ
って構成することにより、熱可塑性樹脂導入部跡が形成
された成形品面とは反対側の成形品面の熱可塑性樹脂導
入部跡と対向する部分におけるヒケ発生を防止する特徴
とする請求項6に記載の熱可塑性樹脂から成る成形品の
製造方法。 - 【請求項8】熱可塑性樹脂導入部跡が形成された成形品
の部分の近傍であって熱可塑性樹脂導入部跡が形成され
ていない部分の成形品厚さをt0(単位:mm)とした
とき、1≦t0≦5であることを特徴とする請求項7に
記載の熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項9】熱可塑性樹脂導入部跡の面積は4mm2乃
至50mm2であることを特徴とする請求項8に記載の
熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項10】熱可塑性樹脂に添加された離型剤若しく
は滑剤の添加率は0.4重量%未満であることを特徴と
する請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱可
塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項11】入れ子は、ZrO2、ZrO2−CaO、
ZrO2−Y2O3、ZrO2−CeO2、ZrO2−Mg
O、ZrO2−SiO2、K2O−TiO2、Al2O3、A
l2O3−TiC、Ti3N2、3Al2O3−2SiO2、
MgO−SiO2、2MgO−SiO2、MgO−Al2
O3−SiO2及びチタニアから成る群から選択されたセ
ラミック、若しくは、ソーダガラス、石英ガラス、耐熱
ガラス及び結晶化ガラスから成る群から選択されたガラ
スから作製されていることを特徴とする請求項1乃至請
求項10のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂から成る
成形品の製造方法。 - 【請求項12】入れ子は、ZrO2、ZrO2−Y2O3、
ZrO2−CeO2、又は、結晶化ガラスから作製されて
いることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれ
か1項に記載の熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方
法。 - 【請求項13】(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成
形するための金型部、 (ロ)該金型部の内部に配設された前記入れ子、及び、 (ハ)該金型部の内部に配設され、キャビティの一部を
構成し、該入れ子の端部を被覆する被覆プレート、を備
え、 入れ子と被覆プレートとの間のクリアランスは0.03
mm以下であり、且つ、入れ子に対する被覆プレートの
重なり量は0.5mm以上である金型を用いることを特
徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載
の熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法。 - 【請求項14】(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成
形するための第1の金型部及び第2の金型部、 (ロ)第1の金型部に配設された前記入れ子、及び、 (ハ)第2の金型部に設けられた溶融熱可塑性樹脂導入
部、を備え、 第2の金型部には、入れ子被覆部が設けられており、 第1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態におい
て、(A)入れ子と入れ子被覆部との間のクリアランス
は0.03mm以下であり 、 (B)入れ子に対する入れ子被覆部の重なり量は0.5
mm以上である金型を用いることを特徴とする請求項1
乃至請求項12のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂か
ら成る成形品の製造方法。 - 【請求項15】(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成
形するための第1の金型部及び第2の金型部、 (ロ)第1の金型部に配設された前記入れ子、及び、 (ハ)入れ子と第2の金型部との間に配設され、第1の
金型部に取り付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部が設け
られた被覆プレート、を備え、 第2の金型部には、入れ子被覆部が設けられており、 第1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態におい
て、 (A)入れ子と入れ子被覆部との間のクリアランスは
0.03mm以下であり、 (B)入れ子に対する入れ子被覆部の重なり量は0.5
mm以上であり、 (C)入れ子と被覆プレートとの間のクリアランスは
0.03mm以下であり、 (D)入れ子に対する被覆プレートの重なり量は0.5
mm以上である金型を用いることを特徴とする請求項1
乃至請求項12のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂か
ら成る成形品の製造方法。 - 【請求項16】(イ)熱可塑性樹脂に基づき成形品を成
形するための第1の金型部及び第2の金型部、 (ロ)第1の金型部に配設され、2×10-2cal/c
m・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1m
m乃至10mmの第1の入れ子、 (ハ)第2の金型部に配設され、2×10-2cal/c
m・sec・゜C以下の熱伝導率を有する厚さ0.1m
m乃至10mmの第2の入れ子、及び、 (ニ)第1の入れ子と第2の入れ子との間に配設され、
第1の金型部、第2の金型部、あるいは、第1及び第2
の金型部に取り付けられ、溶融熱可塑性樹脂導入部が設
けられた被覆プレート、を備え、該第1の入れ子及び/
又は該第2の入れ子は前記入れ子に相当し、 第1の金型部と第2の金型部とを型締めした状態におい
て、 (A)第1の入れ子の第2の入れ子と対向する面と、第
2の入れ子の第1の入れ子と対向する面との間のクリア
ランスは0.03mm以下であり、 (B)第1の入れ子の第2の入れ子と対向する面と、第
2の入れ子の第1の入れ子と対向する面との重なり量は
0.5mm以上であり、 (C)第1の入れ子と被覆プレートとの間のクリアラン
ス、及び第2の入れ子と被覆プレートとの間のクリアラ
ンスは0.03mm以下であり、 (D)第1の入れ子に対する被覆プレートの重なり量、
及び第2の入れ子に対する被覆プレートの重なり量は
0.5mm以上以上である金型を用いることを特徴とす
る請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の熱可
塑性樹脂から成る成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14593198A JPH1170557A (ja) | 1997-06-17 | 1998-05-27 | 熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15978097 | 1997-06-17 | ||
| JP9-159780 | 1997-06-17 | ||
| JP14593198A JPH1170557A (ja) | 1997-06-17 | 1998-05-27 | 熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1170557A true JPH1170557A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=26476912
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14593198A Pending JPH1170557A (ja) | 1997-06-17 | 1998-05-27 | 熱可塑性樹脂から成る成形品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1170557A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014188880A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Hoya Corp | レンズ成形用型、及びプラスチックレンズの製造方法 |
-
1998
- 1998-05-27 JP JP14593198A patent/JPH1170557A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014188880A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Hoya Corp | レンズ成形用型、及びプラスチックレンズの製造方法 |
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