JPH1172040A - 船外機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法 - Google Patents

船外機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法

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JPH1172040A
JPH1172040A JP10154611A JP15461198A JPH1172040A JP H1172040 A JPH1172040 A JP H1172040A JP 10154611 A JP10154611 A JP 10154611A JP 15461198 A JP15461198 A JP 15461198A JP H1172040 A JPH1172040 A JP H1172040A
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JP
Japan
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ignition
engine
temperature
overheat
signal
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Application number
JP10154611A
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English (en)
Inventor
Akihiko Hoshiba
昭彦 干場
Kazuhiro Nakamura
和広 中村
Yasuo Suganuma
泰夫 菅沼
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Yamaha Marine Co Ltd
Original Assignee
Sanshin Kogyo KK
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Publication date
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Publication of JPH1172040A publication Critical patent/JPH1172040A/ja
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の船外機におけるエンジンのオーバーヒ
ート検出方法の欠点及び問題点を解決し、エンジン始動
直後から誤判断することなくオーバーヒートの検出を行
うことができる船外機用エンジンにおけるオーバーヒー
ト検出方法を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る船外機用エンジンにおける
オーバーヒート検出方法は、エンジン停止時にウォータ
ジャケット内の冷却水を排水し、エンジン始動後にウォ
ータジャケット内に冷却水を供給する船外機用エンジン
におけるオーバーヒート検出方法であって、前記ウォー
タジャケット内に温度検知手段を設け、該温度検知手段
でウォータジャケット内の温度変化を検出し、温度変化
に基づいてエンジンのオーバーヒートを検出することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機用エンジン
におけるオーバーヒートの検出方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、船外機用エンジンにおいて、
冷却系にトラブルが発生した時にエンジン保護の目的で
失火制御等のオーバーヒート警告制御を行うことは知ら
れている。上記した冷却系のトラブルの検出、即ち、オ
ーバーヒートの検出は、エンジンのウォータージャケッ
ト内の温度をバイメタルスイッチ等のオーバーヒートス
イッチで監視することで行われており、ウォータジャケ
ット内の温度が所定しきい値Tlim以上、例えば、冷却
水の沸点温度以上になると前記オーバーヒートスイッチ
がONになりエンジンがオーバーヒート状態になってい
ると判断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、船外機のエン
ジンでは、冷却水として海水を使用している関係上、エ
ンジン停止時に冷却水を一度全てウォータジャケットか
ら排水するため、ウォータジャケット内が空になり、こ
の空になったウォータジャケットがエンジン停止時に1
30゜程度の温度まで温度上昇している潤滑油の影響で
加熱され、かなり高温になるという問題がある。図16
に、ウォータジャケット内の温度、潤滑油の温度、及び
エンジン回転数の経時的変化を示す。図面に示すよう
に、エンジン停止後、潤滑油の温度Toは徐々に下がっ
ていくが、この潤滑油は冷めるのに時間がかかること、
及び、エンジン停止後にウォータジャケット内から冷却
水が排水されてウォータジャケット内に冷却要素が全く
ない状態となることが原因で、ウォータジャケット内の
温度Twは冷却水が排水された後、一時的に上昇してい
き、一定期間、オーバーヒートの判断のしきい値Tlim
となる温度(図16では85゜C)を越える。そして、
ウォータジャケットは、潤滑油の温度Toの温度が下が
り、その温度影響が小さくなるに伴って、自然冷却され
るため、ウォータジャケット内の温度Twは、潤滑油の
温度Toの低下より遅れて徐々に低下し、通常の温度ま
で下がる。エンジン停止中は、オーバーヒート判断を行
わないので、上記したようにウォータジャケット内の温
度Twが前記しきい値Tlimより高くなっていても問題
はないが、図16に示すようにウォータジャケット内の
温度Twが前記しきい値Tlim以下まで冷却される前に
エンジンを再始動してしまうと、エンジン始動直後に前
記オーバーヒートスイッチがONとなりオーバーヒート
と誤判断してしまう。従来のオーバーヒート検出方法
は、上記したエンジン再始動時の誤判断を防止するため
に、エンジン始動後、所定の時間ts経過するまではオ
ーバーヒートの検出を行わないようにしていた。具体的
には、図17のフローチャートに示すように、エンジン
始動直後から、オーバーヒートスイッチの状態を監視
し、オーバーヒートスイッチの出力がONになると、即
ち、ウォータジャケット内の温度Twがしきい値Tlim
より高くなると、エンジンが始動直後か否かをエンジン
回転数が2000rpm以下か否かで判断し(ステップ
2)、エンジンが始動直後でない場合(以下、エンジン
通常運転状態という)には、20秒間のマスキングの後
(ステップ3)、再度オーバーヒートスイッチがONか
否かを判断し(ステップ4)、ここでオーバーヒートス
イッチがONであれば、温度が低下していない判断して
オーバーヒート信号を出力し、また、ステップ4の判断
でオーバーヒートスイッチがOFFにであれば、温度が
低下していると判断して、再び、オーバーヒートスイッ
チの監視状態(ステップ1)に戻り、一方、ステップ2
の判断において、エンジンが始動直後と判断した場合に
は、所定の時間ts(ここでは90秒)だけマスキング
した後(ステップ5)、再びオーバーヒートスイッチが
ONか否かを判断し(ステップ4)、温度低下があるか
無いかを確認していた。このように、エンジン始動後、
冷却水がウォータジャケット内に吸い上げられる時間を
考慮して、エンジン始動直後のマスキング時間tsをエ
ンジン通常運転時のマスキング時間に比べて充分に長く
採ることにより、エンジン始動直後にオーバーヒートの
誤判断が生じることは防止される。しかし、このように
エンジン始動直後のマスキング時間tsを長くすると、
上記した誤判断は防止されるが、もし、本当に冷却系に
トラブルが生じていた場合にはオーバーヒートの検出が
遅れることになりエンジンに負担がかかるという問題が
ある。本発明は、上記した従来の船外機におけるエンジ
ンのオーバーヒート検出方法の欠点及び問題点を解決
し、エンジン始動直後から誤判断することなくオーバー
ヒートの検出を行うことができる船外機用エンジンにお
けるオーバーヒート検出方法を提供することを目的とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る船外機用エンジンにおけるオーバ
ーヒート検出方法によれば、エンジン停止時にウォータ
ジャケット内の冷却水を排水し、エンジン始動後にウォ
ータジャケット内に冷却水を供給する船外機用エンジン
におけるオーバーヒート検出方法であって、前記ウォー
タジャケット内に温度検知手段を設け、該温度検知手段
でウォータジャケット内の温度変化を検出し、温度変化
に基づいてエンジンのオーバーヒートを検出することを
特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示した一実施例
を参照しながら本発明に係る船外機用エンジンにおける
オーバーヒート検出方法の実施の形態について説明して
いく。図1は本発明に係る船外機用エンジンにおけるオ
ーバーヒート検出方法を適用したエンジンを搭載する船
外機付き船舶の概略斜視図であり、また、図2は前記オ
ーバーヒート検出方法を実行すると共に、オーバーヒー
ト時にオーバーヒート警告制御を行う制御装置を含む船
外機側の配線構造と船体側の配線構造との関係を示す概
略図である。図面に示すように船外機1は、オープンデ
ッキ型の船体2の船尾に搭載され、船体2の前部には操
舵ハンドル3、シート4、スロットル兼シフトレバー
5、メインスイッチ6、ストップスイッチ7、メータパ
ネル8、燃料タンク9、及びバッテリ10が配置されて
いる。船外機1には、エンジン11、交流発電機(図示
せず)及びエンジン11の点火時期を制御する点火制御
装置30が設けられている。また、船外機1には、図示
していないが、上記したものの他に推進プロペラ、エン
ジン11の駆動力をプロペラに伝達する動力伝達系、オ
イルポンプ、及び冷却水供給ポンプ等も設けられてい
る。前記エンジン11は、各気筒の位相が180゜ずれ
た直列4気筒の4サイクルエンジンから成り、船外機1
の上部にクランク軸を縦置きに搭載され、その駆動力で
船外機1の下方に設けられた推進プロペラを回転駆動さ
せて推進力を得るように構成されている。このエンジン
11は、周知の通りクランク軸の回転から見て第1気筒
と第4気筒、及び第2気筒と第3気筒が同じ位相で作動
する。前記エンジン11のクランク軸(図示せず)には
二つのパルサコイル12,13が180度間隔で設けら
れ、一方の(第1)パルサコイル12で第1気筒及び第
4気筒の点火タイミングを検出し、他方の(第2)パル
サコイル13で第2気筒及び第3気筒の点火タイミング
を検出するよう構成されている。また、エンジン11
は、そのウォータジャケット(図示せず)の吸込口近傍
にウォータジャケット内の温度を監視するサーモセンサ
14が、さらに、その潤滑油供給通路(図示せず)のオ
イルポンプ(図示せず)の下流側に潤滑油供給通路中の
油圧を監視する油圧スイッチ15が各々設けられてお
り、これらパルサコイル12,13及び各スイッチ1
4,15からの信号に基づいて点火制御装置30で点火
時期制御が行われる。尚、前記点火制御装置30は、好
ましくはスロットル開度やスロットル変化率に関する情
報やシフトレバーのシフト状態に関する情報を入力し、
これらの情報に基づいてエンジンの運転状態に合わせた
点火遅角・点火進角制御やシフト状態に合わせた点火制
御が行われ得るが、ここではそれらの方法の詳細な説明
は省略する。
【0006】(電源回路について)図2に示すように、
船体2側にあるバッテリ10は、船外機1側にある交流
発電機の充電用コイル16に整流定電圧装置17(例え
ば、レクチファイヤ及びレギュレータ)を介して接続さ
れ、これらで充電回路を構成し、この充電回路で、船外
機1に設けられたエンジン11の点火制御装置30や船
体2に設けられたメータ等の電装品に電力供給を行うと
共に、バッテリ10の充電を行うように構成されてい
る。尚、船体2側にあるバッテリ10と船外機1側にあ
る充電用コイル16とは適当なコネクタ18及びメイン
ヒューズ19を介して接続され、前記メインヒューズ1
9で、点火制御装置30やメータ等を構成する回路がシ
ョートした時にバッテリ10からこれらの回路に大電流
が流れないように回路保護が成されている。前記充電回
路の船外機1側には、点火制御装置30に電力供給を行
う点火用電源回路20と、船体2の電装品に電力供給を
行う船体用電源回路21とが接続されており、点火用電
源回路20は、点火制御装置30に設けられた無接点ス
イッチ回路31によりON/OFFされ、また、船体用
電源回路21は船体2に設けられた有接点式のメインス
イッチ6によりON/OFFされる。前記船体用電源回
路21の船外機1側の回路部分と船体2側の回路部分と
はコネクタ22を介して接続され、また、その船外機1
側の回路部分には船体2側の電装品を保護するアクセサ
リヒューズ23が設けられている。また、この船体用電
源回路21におけるメインスイッチ7の下流側にはバッ
クアップ回路21aが接続されており、このバックアッ
プ回路21aは、コネクタ24を介して再び船外機1側
に戻り点火制御装置30におけるスイッチ回路31より
下流側の接続され、例えば、点火用電源回路20の断線
や前記スイッチ回路31の故障が生じた場合でも、船体
用電源回路21から点火制御装置30の点火系に直流電
圧が供給できるように構成されている。尚、前記点火制
御装置30は、その回路が、少なくとも整流定電圧装置
17で制限されたライトコイル16の最大電流値に耐え
得る強さの配線で構成されているため、点火制御装置3
0と充電用コイル16との間を接続する点火用電源回路
20には回路保護のヒューズは設けられていない。ま
た、図2に示すように、点火制御装置30にはエンジン
停止回路25が接続されており、船体2側に設けられた
ストップスイッチ7を操船者等が閉成するとこのエンジ
ン停止回路25が導通して前記点火用電源回路20及び
バックアップ回路21aから点火制御装置30へ供給さ
れる電力を止めてエンジン11を停止させるように構成
されている。
【0007】(制御装置の構成について)前記点火制御
装置30は、前記したスイッチ回路31の他に、 ・各気筒の点火プラグP1〜P4の点火コイルC1及び
C2に磁束変化を生じさせ各点火プラグP1〜P4を着
火するCDI回路32、 ・各気筒の点火時期を決定しCDI回路32に対する点
火信号を出力するCPU40、 ・充電回路からの直流電圧を約5Vの定電圧に変換しC
PU40に供給する定電圧回路34、 ・パルサコイル12,13や各スイッチ類14,15か
らの入力をデジタル信号に変換する入力回路35〜3
8、 ・CPU40からの点火信号(以下、ソフト点火信号と
称する。)とパルサコイル12,13からの点火信号
(以下、ハード点火信号と称する。)の切換を行う点火
信号切換回路39、 ・及びCPU40の動作を監視し異常時にCPU40に
リセット信号を出力するウォッチドック回路33を備え
ている。尚、図中符号15aは、船体2に設けられた警
告ランプを示しており、この警告ランプ15aは、潤滑
油供給路中の油圧低下により油圧スイッチ15が閉成し
た時に微弱電流が流れて点灯して油圧異常を操船者に警
告する。また、油圧スイッチ15は、前記警告ランプ1
5aを備えた回路と並列に少なくとも前記警告ランプ1
5aより高い電流を流すことが可能な負荷15bを備え
た回路が接続されており、これにより、例えば、接点の
酸化等により油圧スイッチ15の接点抵抗が高くなった
場合でも確実に油圧スイッチ15を導通させてCPU4
0に油圧異常情報を送れるようになる。
【0008】(スイッチ回路について)前記スイッチ回
路31には、図2に示すようにパルサコイル12,13
からの信号が入力される。スイッチ回路31はこのパル
サコイル12,13からの信号が入ると導通して、点火
用電源回路20からの12V直流電圧をCDI回路32
及び定電圧回路34に供給する無接点スイッチ素子を備
えている。これにより、エンジン始動直後から点火制御
装置30におけるCDI回路32及びCPU40に必要
な電力が確実に供給されるようになる。尚、通常コネク
タや機械的スイッチ類等の接続部品は接触不良等による
断線の可能性があり、また、ヒューズも振動等により断
線する可能性があるが、前記したように点火用電源回路
20はヒューズ、コネクタ、及び機械的スイッチ(例え
ば、メインスイッチ)を一つも介さずに点火制御装置3
0に接続され、無接点スイッチ回路31によりON/O
FFされるように構成されているので、コネクタ、ヒュ
ーズ、及び機械的スイッチを介装した回路に比べて断線
の可能性が極めて低い。従って、エンジン作動中に接触
不良や断線等により点火制御装置30への電力供給が遮
断される可能性が著しく低下する。また、前記点火用電
源回路20は充電用コイル16の他にバッテリ10にも
接続されているため、万一充電用コイル16が故障した
場合でも点火制御装置30にはバッテリ10から電力を
供給することが可能である。さらに、船体用電源回路2
1に、スイッチ回路31の下流側に接続されるバックア
ップ回路21aを設けているので、万一点火用電源回路
20が断線したり、また、スイッチ回路31が故障した
場合でもCDI回路32及びCPU40への電力供給を
確実に確保することができる。
【0009】(CDI回路について)前記CDI回路3
2は、エンジン11の第1気筒及び第4気筒、又は第2
気筒及び第3気筒の点火プラグP1及びP4又はP2及
びP3を共通の点火コイルC1又はC2で同時に着火さ
せる同時着火方式の回路であり、 ・充電用コンデンサ32a、 ・第1気筒及び第4気筒の点火プラグP1、P4共通の
第1点火コイルC1に充電用コンデンサ32aの点火エ
ネルギを放電させるための第1サイリスタ32b、 ・第2気筒及び第3気筒の点火プラグP2、P3共通の
第2点火コイルC2に充電用コンデンサ32aの点火エ
ネルギを放電させるための第2サイリスタ32cを備え
ている。また、CDI回路32は、前記点火用電源回路
20からの12V直流電圧を300V程度に昇圧させる
昇圧回路(D−D変換器)32dを備え、この昇圧回路
32dを介してバッテリ10及び充電用コイル16から
成る充電回路から点火エネルギを充電用コンデンサ32
aを充電するように構成されている。即ち、この点火制
御装置30における前記CDI回路32は、前記充電回
路と共に、所謂DC−CDI回路を構成しており、エン
ジン始動直後から十分な充電用コンデンサ32aに充電
が行えるように構成されている。
【0010】(点火信号切換回路について)前記したC
DI回路32の第1及び第2サイリスタ32b及び32
cは、点火信号が入力されると導通し、充電用コンデン
サ32aに蓄えられていた電荷を急激に放電させて第1
点火コイルC1又は第2点火コイルC2に急激な磁束変
化を発生させ、点火プラグP1及びP4又はP2及びP
3の二次コイルに高電圧を誘起させて火花放電を起こさ
せる。前記点火信号は、基本的には第1及び第2パルサ
コイル12,13からのパルサ信号に基づいて決められ
るが、この点火制御装置30では、パルサ信号を直接点
火信号として用いるハード点火信号又は、パルサ信号に
基づいてCPU40で最適な点火時期に適合した点火信
号出力タイミングを演算し、より最適なタイミングでC
PU40から出力されるソフト点火信号の何れかを選択
的に用いてサイリスタ32b,32cを導通させること
ができるように構成されている。前記点火信号の切換は
点火信号切換回路39によって行われる。この点火信号
切換回路39は、CPU40からのソフト点火信号が出
力されている場合は、ソフト点火信号をサイリスタ32
b又は32cに出力し、CPU40からソフト点火信号
が出力されていなければパルサコイル12又は13から
直接送られてくるハード点火信号(パルサ信号)をサイ
リスタ32b又は32cに出力するよう構成されてい
る。CPU40は、パルサ信号の種類(即ち、第1パル
サコイル12からのパルサ信号及び第2パルサコイル1
3からのパルサ信号)によって磁束変化を起こさせる点
火コイルC1又はC2を決め、対応するサイリスタ32
b又は32cに点火信号を出力するが、各点火信号を出
力するタイミング(即ち点火時期)は、図3に示すよう
に連続する二つのパルサ信号の周期に基づいて演算す
る。従って、図3に示すように、CPU40は、少なく
ともパルサ信号が二回入力された後でなければ(即ち、
本実施例の場合には、パルサコイル12,13が180
度間隔で設けられているため、少なくともクランク軸が
180度以上回転しなければ)点火信号を出力しないた
め、前記点火信号切換回路39は、エンジンがクランキ
ングされると直ぐにパルサコイル12又は13からのハ
ード点火信号(パルサ信号)をCDI回路32のサイリ
スタ32b又は32cに出力し、CPU40がソフト点
火信号を出力し始めると出力信号をソフト点火信号に切
り換える。また、点火信号切換回路39にはウォッチド
ック回路33からのリセット信号も入力され、このリセ
ット信号が入力されると、ソフト点火信号による制御中
であっても強制的にハード点火信号に出力を切り換え
る。このように点火信号切換回路39で、ハード点火信
号とソフト点火信号の切換を行うことにより、パルサコ
イル12,13の数や間隔に関係なく、(本実施例の場
合にはクランク軸を180度以上回転させなくても)エ
ンジンがクランキングされたら直ぐにハード点火信号で
点火を行うことができるためエンジンの始動性能が向上
し、また、エンジン始動後はCPU40で演算した最適
な点火タイミングで出力されるソフト点火信号により点
火制御を行うことができるのでエンジンの出力性能が向
上すると共に、後述する失火制御等も行えるようにな
る。また、上記したように点火信号切換回路39はウォ
ッチドック回路33からのリセット信号に基づいてソフ
ト点火信号からハード点火信号に強制的に切り換えるよ
うに構成しているので、万一CPU40が故障した場合
でもウォッチドック回路33がCPU40をリセットす
ると同時に自動的にハード点火信号に切り換えることが
できる。
【0011】(CPUについて)次に、点火制御装置3
0におけるCPU40の機能についてする。このCPU
40は、上記したように二つのパルサーコイル12,1
3からのパルサ信号に基づいて、磁束変化を起こさせる
点火コイルと点火信号の出力タイミングとを決定してサ
イリスタ32b又は32cの何れかにソフト信号を出力
し、対応する点火プラグP1及びP4又はP2及びP3
に火花放電を起こさせる。これにより、同時に火花放電
を起こす二つの点火プラグP1及びP4又はP2及びP
3の一方は、対応する気筒は圧縮行程終期にあるので、
その火花放電が実際に混合気を燃焼させるが、他方は、
対応する気筒が排気行程終期にあるので単に火花放電を
生じるだけで混合気を燃焼させない。本明細書では、点
火プラグが火花放電することを「着火」と称し、また、
火花放電が実際に混合気を燃焼させることを「点火」と
称する。図4はCPU40の各処理機能を表す概略図で
ある。この図4に示すように、このCPU40は、 ・エンジン回転数やスロットル開度等のエンジンの運転
状態に基づいて予め用意された点火時期マップからその
時のエンジンの運転状態に適合した点火時期を決定し、
パルサ信号に基づいて着火すべき点火コイルと前記点火
時期に適合した点火信号の出力タイミングを決定する点
火時期決定部41、 ・パルサ信号に基づいてエンジン回転数を演算するため
のエンジン回転数演算部42、 ・サーモセンサ14からの入力信号に基づいてエンジン
がオーバーヒート状態にあるか否かを判断するオーバー
ヒート判断部43、 ・及びエンジン回転数演算部42とオーバーヒート判断
部43と油圧スイッチ15からの入力信号に基づいてエ
ンジン回転数を落とす必要があるか否かを判断して失火
すべき気筒の数を決定し点火時期決定部41に出力する
失火気筒数決定部44を備えている。また、前記点火時
期決定部41はパルサコイル12,13からのパルサ信
号が入力される毎に点火順番をカウントする点火順カウ
ンタ45を備え、この点火順カウンタ45でカウントし
た点火順番を仮の点火気筒番号(以下、仮想点火気筒番
号と称する。)として記憶する(図5参照、本図はパル
サ信号、点火順カウンタのカウント数、仮想点火気筒番
号、実際の点火気筒、着火される点火プラグ、及び点火
時期決定部41から出力される点火信号の関係を示す図
である)。尚、これら各処理部41〜45は便宜上、別
個に独立して記載しているが、このCPU40は実際に
はメモリ(図示せず)に予め記憶された動作プログラム
に従って各処理部の処理を行い点火タイミングや失火気
筒を決定しソフト点火信号を出力するものである。
【0012】始めにこのCPU40での各処理の概略を
簡単に説明する。エンジン11が始動すると、パルサコ
イル12又は13からのパルサ信号が入力回路35又は
36を介してCPU40に入力される。点火時期決定部
41では、上記したようにパルサ信号の種類によって着
火すべき点火コイルC1又はC2を決めると共に、出力
すべきソフト点火信号のタイミング(即ち点火時期)
を、連続する二つのパルサ信号の周期に基づいて演算す
る。また、この点火時期決定部41ではパルサコイル1
2又は13からの信号が入力される毎に点火順カウンタ
45で1番〜4番の点火順番を繰り返しカウントし、こ
れを仮想点火気筒番号として記憶する。一方、失火気筒
数決定部44は、エンジン始動直後から、油圧スイッチ
15の信号に基づいて潤滑油の供給状態を監視すると共
に、オーバーヒート判断部43からのオーバーヒート信
号の入力があるか否かを監視し、さらにエンジン回転数
演算部42で算出されたエンジン回転数に基づいてエン
ジン回転数が過回転か否かを監視している。そして、エ
ンジン11が、潤滑不良状態、オーバーヒート状態、又
は過回転状態の何れかに陥ると、エンジン保護のために
必要な失火気筒数を決定して失火信号を点火時期決定部
41に出力する。点火時期決定部41は、失火信号が入
力されると仮想点火気筒番号に基づいて何番目の仮想点
火気筒を失火させるかを決定し、その順番に対応する点
火信号の出力を停止する。通常、同時着火を行う場合、
上記したように一つのパルサコイルからのパルサ信号に
基づいて同時に二つの気筒の着火を行う点火信号を出力
するため、入力されたパルサ信号からは同時着火されて
いる二つの点火プラグのどちらが実際に点火を行ってい
るかが分からないが、上記したようにパルサ信号が入力
される毎に点火順カウンタでカウントし、これを仮想点
火気筒番号として記憶しておくことにより、実際に点火
している点火プラグ(即ち、点火気筒)を、パルサ信号
から擬似的に認識することができるようになるので、点
火気筒を1気筒単位で認識できるようになり、1気筒単
位で失火を行うことが可能になる。
【0013】次に、CPU40における点火時期決定部
41、オーバーヒート判断部43、及び失火気筒数決定
部44における各処理の流れの一例を図6〜図11を参
照して、さらに詳細に説明している。図6は点火時期決
定部41のフローチャートである。図面に示すように、
この点火時期決定部41は、エンジンが始動すると、気
筒設定カウンタを始動し(ステップ1)、パルサコイル
12又は13からのパルサ信号を入力する(ステップ
2)。点火順カウンタ45ではパルサ信号が入力される
毎に点火順番を気筒数に応じてカウントし(本実施例の
場合は4気筒なので1〜4)、このカウント値を仮想点
火気筒番号として記憶する(ステップ3)。次いで失火
気筒数決定部44から失火信号が入力されたか否かを判
断し(ステップ4)、失火信号の入力がなければ入力さ
れたパルサ信号に基づいて着火させる点火コイルC1又
はC2を決定すると共に二つのパルサ信号の周期から点
火信号を出力するタイミングを決定し、対応するサイリ
スタ32b又は32cに点火信号を出力する(ステップ
5)。また、ステップ4の判断時に失火信号の入力があ
れば、記憶した仮想点火気筒番号に基づいて失火する仮
想点火気筒(以下、失火する仮想点火気筒のことを「仮
想失火気筒」と称する。)を設定し(ステップ6)、そ
の後、現在の仮想点火気筒がステップ6で設定した仮想
失火気筒か否かを判断して(ステップ7)、現在の仮想
点火気筒が仮想失火気筒ではない場合には点火信号を出
力し(ステップ5)、そうでない場合にはステップ5の
点火信号出力を行わずにステップ2の処理に戻る。尚、
前記仮想失火気筒の設定は、図7に示すように失火のタ
イミングが等間隔になるように設定するのが好ましい
が、これに限定されるものではなく、エンジンが使用さ
れる環境やエンジンの排気量、又は点火プラグの性能等
の様々な条件に応じて任意に設定することができ、例え
ば、失火する点火プラグが偏らないようにエンジンの挙
動に影響がでない程度にランダムになるよう仮想失火気
筒を設定してもよい。上記したステップ2以降の処理は
エンジン始動直後に開始され、ストップスイッチ7等の
操作によりエンジン11が停止するまでの間繰り返し行
われる。
【0014】図8は、失火気筒数決定部44のメインフ
ローチャートである。図8に示すように、始めに油圧ス
イッチ15がONされたか否かを判断し(ステップ
1)、油圧スイッチ15から信号が入力されると潤滑不
良と判断して、直ぐ全気筒を失火させる全気筒失火信号
を出力する(ステップ10)。尚、この全気筒失火は油
圧スイッチ15からの潤滑不良信号が無くなるまで解除
されない。油圧スイッチ15からの潤滑不良信号が入力
されなければ、次にオーバーヒート判断部43からのオ
ーバーヒート信号が入力されたか否か判断し(ステップ
2)、オーバーヒート信号が入力されたら、エンジン1
1がオーバーヒート状態にあると判断して後述するオー
バーヒート警告制御を開始する。尚、オーバーヒート判
断部43におけるオーバーヒートの判断及び失火気筒数
決定部44におけるオーバーヒート警告制御については
後で詳述することとし、先にメインフローチャートの処
理についてのみ説明する。ステップ2でオーバーヒート
信号の入力がなければ、エンジン回転数演算部42から
入力されるエンジン回転数Neが6000rpmより小
さいか否かの判断を行う(ステップ3)。ここでエンジ
ン回転数Neが6000rpmより小さければ、再びス
テップ1のオーバーヒート信号の入力判断処理に戻り、
また、エンジン回転数Neが6000rpmより大きけ
れば、次いでエンジン回転数が6100rpmより小さ
いか否かの判断を行う(ステップ4)。ここで、エンジ
ン回転数Neが6100rpmより小さければ点火時期
決定部41に1気筒失火信号を出力し(ステップ5)、
また、6100rpmより大きければ、エンジン回転数
Neが6200rpmより小さいか否かの判断を行う
(ステップ6)。このステップ6の判断で、エンジン回
転数Neが6200rpmより小さければ2気筒失火信
号を出力し(ステップ7)、また、6200rpmより
大きければ次の判断処理に進む。この判断処理をさらに
6300rpmについて行い(ステップ8)、エンジン
回転数Neが6300rpmより小さければ3気筒失火
信号を出力し(ステップ9)、また、6300rpmよ
り大きければ全気筒失火信号を出力する(ステップ1
0)。上記した処理は、エンジン始動時からエンジン停
止までの間繰り返し行われ、これにより、潤滑不良が生
じた場合にはエンジン11の全気筒が失火され、また、
エンジン回転数Neが6000rpm以上の過回転にな
った場合にはエンジン11が1気筒〜4気筒失火されエ
ンジン回転数が6000rpm以下に下げられる。これ
によりエンジン11が潤滑不良のまま回転し続けたり、
過回転のままで回転し続けることがなくなりエンジン1
1が保護される。
【0015】最後に、オーバーヒート警告制御について
図9はオーバーヒート判断部43におけるオーバーヒー
ト判断処理のフローチャートを、また、図10はウォー
タジャケット内の温度変化の一例を示すグラフを示す図
を各々示している。図9に示すように、オーバーヒート
判断部43は、エンジン11の始動と同時にサーモセン
サ14から入力されるウォータジャケット内の温度(以
下、センサ温度)Tsが上限温度Tmax以上か否かの判
断を行い(ステップ1)、センサ温度Tsが上限温度T
max以上の場合には予め決められた所定の時間t1以内
に所定の下限温度Tmin以下まで下がるか否かを監視し
(ステップ2)、図10に一点鎖線で示すようにセンサ
温度Tsが時間t1以内に所定の温度Tmin以下まで下
がらなければオーバーヒート状態と判断して失火気筒数
決定部44にオーバーヒート信号を出力する(ステップ
3)。また、図10に実線で示すようにセンサ温度Ts
が時間t1以内に下限温度Tmin以下まで下がると、そ
の後は、センサ温度Tsが予め決めた限界温度上昇速度
以上の速さで温度上昇したか否かを監視し続け(ステッ
プ4)、図10に二点鎖線で示すようにセンサ温度Ts
が限界温度上昇速度以上の速度で上昇すると、オーバー
ヒート状態にあると判断して失火気筒数決定部44にオ
ーバーヒート信号を出力する(ステップ3)。尚、上記
した上限温度Tmaxは、一般的なオーバーヒート制御に
おけるしきい値としての温度Tlim、例えば、85゜前
後の温度より高く設定され、下限温度Tminは前記上限
温度Tlimより低く設定され、また、時間t1は、エン
ジンが停止してウォータジャケット内の冷却水が一度全
て排水された後、高温の潤滑油の影響で前記しきい値T
lim以上の上限温度Tmaxまで上がったウォータジャケッ
ト内の温度Tsを、その温度がしきい値Tlim以下まで
自然冷却される前にエンジンを再始動しウォータジャケ
ット内に正常に冷却水が供給された時に、冷却水で下限
温度Tminまで下げるのに必要な時間を基準に、それよ
り若干長く設定される。これにより、エンジンが停止し
てウォータジャケット内の冷却水が一度全て排水された
後に高温の潤滑油の影響でウォータジャケット内の温度
が高温になっている状態で、エンジンを再始動させた時
に、ウォータジャケット内に冷却水が正常に供給されて
いるにもかかわらず、エンジン停止時に潤滑油の影響で
しきい値Tlim以上まで加熱されたウォータジャケット
内の温度を冷却系のトラブル、即ち、オーバーヒートと
誤判断することがなく、オーバーヒート警告制御が誤作
動することはなくなる。上記したオーバーヒート判断部
43の処理はエンジン11が始動した直後からエンジン
11が停止するまでの間、エンジン11がオーバーヒー
ト状態にならない限りは繰り返し行われ、エンジン11
がオーバーヒート状態になると失火気筒数決定部44に
オーバーヒート信号を出力して終了する。
【0016】失火気筒数決定部44は、オーバーヒート
判断部43からオーバーヒート信号が入力されると、図
11に示すオーバーヒート警告制御処理を行う。図11
は失火気筒数決定部44におけるオーバーヒート警告制
御中の処理のフローチャートである。このオーバーヒー
ト警告制御は、エンジン回転数Neが2000rpm以
上にならないように失火気筒を1気筒から4気筒まで順
次増やし(ステップ2〜ステップ9)、エンジン回転数
Neが2000rpm以下まで下がると失火を1気筒づ
つ中止する(ステップ10及び11)。これにより、オ
ーバーヒート状態にある間はエンジン回転数Neが20
00rpmに収束され、冷却不良の状態でエンジン11
が高回転で回転することはなくなる。尚、図9のフロー
チャートには示していないが、オーバーヒート判断部4
3はサーモセンサ14からのセンサ温度Tsが所定のオ
ーバーヒート状態解除温度以下まで下がったら、失火気
筒数決定部44に解除信号を出力し、失火気筒数決定部
44は、オーバーヒート警告制御中にこの解除信号が入
力されると、オーバーヒート警告制御を停止して、図8
に示した過回転及び潤滑不良を監視するメインフローチ
ャートの処理に戻る(ステップ1)。
【0017】(第2実施例)次に、本発明に係る船舶用
エンジンにおけるオーバーヒート検出方法の第2の実施
例について説明する。図12は、本発明に係るエンジン
におけるオーバーヒート検出方法の第2の実施例を採用
した船外機用点火制御装置におけるCPUの概略ブロッ
ク図である。尚、この船外機用点火制御装置は、オーバ
ーヒート検出用のセンサが2種類あること、及び、オー
バーヒート判断部43の処理が異なること以外は、第1
実施例の点火制御装置と同様の構成なので、ここでは、
第1実施例と構成及び処理の異なる部分のみについて説
明し、それ以外の部分は第1実施例と同じ符号を付して
説明を省略する。この船外機用点火制御装置が搭載され
る船外機は、図13に示すように、エンジン50のウォ
ータジャケット51の吸込口52の近くにサーモセンサ
53が設けられ、ウォータジャケットの前記サーモセン
サ53より下流側には、所定の温度で出力がOFFから
ONに切り替わるバイメタルスイッチ等から成るオーバ
ーヒートスイッチ55が設けられている。このオーバー
ヒートスイッチ55は、少なくともウォータジャケット
内に冷却水が充分に供給されていなければ反応しない場
所、即ち、例えば、船外機における冷却水の吸込口に藻
等が付着して冷却水の吸込量がゼロではないが激減し、
ウォータジャケット51における吸込口52付近までは
若干の冷却水が供給され、サーモセンサ53に冷却され
るが、それより下流の排水口付近までは冷却水が流れな
いような場合には反応しない場所、好ましくは、ウォー
タジャケット51の排水口54の近くに配置される。制
御装置におけるCPU60は、前記二つのオーバーヒー
ト検出用センサ(サーモセンサ53及びオーバーヒート
スイッチ55)から入力される情報に基づいて、オーバ
ーヒート判断部61でエンジンがオーバーヒート状態に
あるか否かの判断を行う。図14は、オーバーヒート判
断部53における判断処理のフローチャートを示してい
る。この図面に示すように、オーバーヒート判断部53
は、エンジン50の始動と同時にサーモセンサ53から
入力されるウォータジャケット内の温度(以下、センサ
温度)Tsが所定の上限温度Tmax以上か否かの判断を
行い(ステップ1)、センサ温度Tsが上限温度Tmax
以上の場合には予め決められた所定の時間t1以内にセ
ンサ温度Tsが所定の下限温度Tmin以下まで下がるか
否かを監視し(ステップ2)、センサ温度Tsが時間t
1以内に所定の温度Tmin以下まで下がらなければオー
バーヒート状態と判断して失火気筒数決定部44にオー
バーヒート信号を出力する(ステップ3)。ステップ1
の判断時にセンサ温度Tsが上限温度Tmaxより低い場
合、又はステップ2の判断時に、センサ温度Tsが時間
t1以内に下限温度Tmin以下まで下がった場合には、
オーバーヒートスイッチ55がONか否かを判断し(ス
テップ4)、ここで、オーバーヒートスイッチ55がO
Nの場合には冷却水の吸込量が激減しており、ウォータ
ジャケット内に充分に冷却水が供給されていないと判断
し、オーバーヒート信号を出力し(ステップ3)、ま
た、オーバーヒートスイッチ55がOFFの場合には再
びステップ1のサーモセンサ53の温度監視状態に戻
る。尚、オーバーヒートスイッチ55は、上述したよう
に、サーモセンサ53の下流で、かつ、冷却水がウォー
タジャケット内に充分に供給されていなければ反応しな
い場所、即ち、サーモセンサ53が設けられている吸入
口52付近に比べて燃焼室に近く、温度が高い場所に設
けられているため、その反応温度は、少なくともステッ
プ1におけるサーモセンサ53の上限温度Tmaxより高
い値に設定されている。このように、サーモセンサ53
の下流における少なくともウォータジャケット内に冷却
水が充分に供給されていなければ反応しない場所に、オ
ーバーヒートスイッチ55を設け、サーモセンサ53か
ら得られるウォータジャケット内の温度Tsの温度変化
に加えて、前記オーバーヒートスイッチ55の状態を監
視することにより、エンジン始動直後のご判断が無くな
ると共に、例えば、船外機における冷却水の吸込口に藻
等が付着して冷却水の吸込量がゼロではないが激減し、
ウォータジャケット51における吸込口52付近までは
若干の冷却水が供給され、サーモセンサ53に冷却され
るが、それより下流の排水口付近までは冷却水が流れな
いような場合にオーバーヒートではないとご判断するこ
とがなくなり、より一層、オーバーヒート検出が確実に
なるという効果を奏する。
【0018】上記したように、オーバーヒート検出セン
サをエンジンに二カ所設けた場合のオーバーヒート判断
処理は、上記実施例に限定されることなく、任意の判断
処理を行うことができることは勿論である。具体的に
は、例えば、図15に示すように、始めにセンサ温度T
sが所定の上限温度Tmax以上か否かの判断を行い(ス
テップ1)、センサ温度Tsが上限温度Tmax以上の場
合には予め決められた所定の時間t1以内にセンサ温度
Tsが所定の下限温度Tmin以下まで下がるか否かを監
視し(ステップ2)、センサ温度Tsが時間t1以内に
所定の温度Tmin以下まで下がらなければオーバーヒー
ト状態と判断して失火気筒数決定部44にオーバーヒー
ト信号を出力し(ステップ3)、また、ステップ1の判
断時にセンサ温度Tsが上限温度Tmaxより低い場合又
はステップ2の判断時にセンサ温度Tsが時間t1以内
に下限温度Tmin以下まで下がった場合には、その後
は、センサ温度Tsが予め決めた限界温度上昇速度以上
の速さで温度上昇したか否か(ステップ4)及びオーバ
ーヒートスイッチ55の出力がONになっていないかど
うか(ステップ5)を監視し続けるように判断処理を行
ってもよい。
【0018】(その他)以上説明した実施例では、本発
明に係るオーバーヒート検出方法を、同時着火式の点火
制御装置に適用した例を示しているが、これは本実施例
に限定されることなく、任意のエンジン制御に適用でき
ることはいうまでもない。また、本実施例では、エンジ
ンがオーバーヒート状態に陥った時に失火制御によりエ
ンジン回転数を2000rpmに制限するオーバーヒー
ト警告制御を行っているが、オーバーヒート検出後のエ
ンジン保護のための制御の仕方は本実施例に限定される
ことなく任意の方法でよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る船外
機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法は、ウォ
ータジャケット内に温度検知手段を設け、該温度検知手
段でウォータジャケット内の温度変化を検出し、温度変
化に基づいてエンジンのオーバーヒートを検出するの
で、エンジン始動時に、潤滑油の影響でウォータージャ
ケット内が加熱されていても、その時点の温度のみから
オーバーヒートの判断をするこがなく、従って、正確な
オーバーヒート検出を行うことが可能になるという効果
を奏し、従って、エンジン始動直後からオーバーヒート
判断を開始することが可能になり、エンジン保護をより
完全に達成することができるという効果をそうする。ま
た、請求項4に係るオーバーヒート検出方法によれば、
前記温度検知手段をウォータジャケットの吸込口側に設
けると共に、ウォータジャケットの排出口側に第2の温
度検知手段を設け、前記第2の温度検知手段で検出され
るウォータジャケットの排出口側の温度に基づいてオー
バーヒートを検出することにより、船外機における冷却
水の吸込口に藻等が付着して冷却水の吸込量がゼロでは
ないが激減するという特殊な状態においてもオーバーヒ
ートの検出が可能になり、より一層、オーバーヒート検
出の精度を高くすることができるという効果を奏する。
また、このように、オーバーヒート検出手段を二つ設
け、一方の検出手段で温度変化を検出するようにするこ
とにより、温度変化を検出するセンサをウォータジャケ
ット内では比較的温度が低く、配置のし易い吸入口側に
設けることができるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る船外機用エンジンにおけるオー
バーヒート検出方法を適用したエンジンを搭載する船外
機付き船舶の概略斜視図である。
【図2】 オーバーヒート検出方法を実行すると共に、
オーバーヒート時にオーバーヒート警告制御を行う制御
装置を含む船外機側の配線構造と船体側の配線構造との
関係を示す概略図である。
【図3】 パルサ信号、ソフト点火信号、ハード点火信
号、及び点火信号切換回路の出力信号の関係を示すタイ
ミングチャートである。
【図4】 CPU40の各処理機能を表す概略図であ
る。
【図5】 パルサ信号、点火順カウンタのカウント数、
仮想点火気筒番号、実際の点火気筒、着火される点火プ
ラグ、及び点火時期決定部41から出力される点火信号
の関係を示す図である。
【図6】 点火時期決定部41のフローチャートであ
る。
【図7】 実際の点火気筒及び仮想点火気筒と失火パタ
ーンの幾つかの例との関係を示す図である。
【図8】 失火気筒数決定部44のメインフローチャー
トである。
【図9】 オーバーヒート判断部43におけるオーバー
ヒート判断処理のフローチャートである。
【図10】 ウォータジャケット内の温度変化の一例を
示すグラフを示す図である。
【図11】 失火気筒数決定部44におけるオーバーヒ
ート警告制御中の処理のフローチャートである。
【図12】 本発明に係るエンジンにおけるオーバーヒ
ート検出方法の第2の実施例を採用した船外機用点火制
御装置におけるCPUの概略ブロック図である。
【図13】 エンジンにおける二つのオーバーヒート検
出センサの配置位置を示す概略図である。
【図14】 オーバーヒート判断部61におけるオーバ
ーヒート判断処理のフローチャートである。
【図15】 オーバーヒート判断処理のさらに別の実施
例を示すフローチャートである。
【図16】 ウォータジャケット内の温度、潤滑油の温
度、及びエンジン回転数の経時的変化の一例をを示す。
【図17】 従来のオーバーヒート判断処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 船外機 2 船体 3 ハンドル 4 シート 5 スロットル兼シフトレバー 6 メインスイッチ 7 ストップスイッチ 8 メータパネル 9 燃料タンク 10 バッテリ 11 エンジン 12 第1パルサコイル 13 第2パルサコイル 14 サーモセンサ 15 油圧スイッチ 16 ライトコイル 17 整流定電圧装置 18 コネクタ 19 メインヒューズ 20 点火用電源回路 21 船体用電源回路 21a バックアップ回路 22 コネクタ 23 アクセサリヒューズ 24 コネクタ 25 エンジン停止回路 30 点火制御装置 31 スイッチ回路 32 CDI回路 32a 充電用コンデンサ 32b 第1サイリスタ 32c 第2サイリスタ 32d 昇圧回路 33 ウォッチドック回路 34 定電圧回路 35〜38 入力回路 39 点火信号切換回路 40 CPU 41 点火時期決定部 42 エンジン回転数演算部 43 オーバーヒート判断部 44 失火気筒数決定部 45 点火順カウンタ P1 第1気筒点火プラグ P2 第2気筒点火プラグ P3 第3気筒点火プラグ P4 第4気筒点火プラグ C1 第1点火コイル C2 第1点火コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン停止時にウォータジャケット内
    の冷却水を排水し、 エンジン始動後にウォータジャケット内に冷却水を供給
    する船外機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法
    であって、 前記ウォータジャケット内に温度検知手段を設け、 該温度検知手段でウォータジャケット内の温度変化を検
    出し、 温度変化に基づいてエンジンのオーバーヒートを検出す
    ることを特徴とする船外機用エンジンにおけるオーバー
    ヒート検出方法。
  2. 【請求項2】 前記温度変化が、予め設定した所定の温
    度を挟んだ変化を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の船外機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法。
  3. 【請求項3】 前記温度変化が、予め設定した所定の温
    度より低い温度での温度上昇速度を含むことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の船外機用エンジンにおけるオ
    ーバーヒート検出方法。
  4. 【請求項4】 前記温度検知手段をウォータジャケット
    の吸込口側に設けると共に、ウォータジャケットの排出
    口側に第2の温度検知手段を設け、 前記第2の温度検知手段で検出されるウォータジャケッ
    トの排出口側の温度に基づいてオーバーヒートを検出す
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の
    船外機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法。
JP10154611A 1997-07-02 1998-06-03 船外機用エンジンにおけるオーバーヒート検出方法 Pending JPH1172040A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240686A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Aisin Seiki Co Ltd 熱源用冷却システム
JP2011007068A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Nippon Soken Inc 冷却装置
US9574503B2 (en) 2013-02-25 2017-02-21 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Engine and outboard motor
CN112576395A (zh) * 2020-12-08 2021-03-30 潍柴动力股份有限公司 一种防止误报超温警报的方法及系统

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