JPH117213A - 定着ローラ及びその製造方法 - Google Patents
定着ローラ及びその製造方法Info
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- JPH117213A JPH117213A JP15975697A JP15975697A JPH117213A JP H117213 A JPH117213 A JP H117213A JP 15975697 A JP15975697 A JP 15975697A JP 15975697 A JP15975697 A JP 15975697A JP H117213 A JPH117213 A JP H117213A
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- Fixing For Electrophotography (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 相転移の際に発生する熱エネルギーを利用し
て加熱促進が図れ、相転移発熱材料の熔融、結晶化サイ
クルが繰り返されても相転移発熱材料の凝集が起こらな
い定着ローラにおいて、その相転移発熱材料から発する
熱エネルギーを効率よく利用できる定着ローラとその製
造方法を提供する。 【解決手段】 相転移の際に熱エネルギーを発生する相
転移発熱材料3が結着剤4中に分散された相転移発熱層
5を有する定着ローラ1である。この相転移発熱材料3
は、相転移発熱層5の円周方向外表面に向かって密度勾
配が高められている。
て加熱促進が図れ、相転移発熱材料の熔融、結晶化サイ
クルが繰り返されても相転移発熱材料の凝集が起こらな
い定着ローラにおいて、その相転移発熱材料から発する
熱エネルギーを効率よく利用できる定着ローラとその製
造方法を提供する。 【解決手段】 相転移の際に熱エネルギーを発生する相
転移発熱材料3が結着剤4中に分散された相転移発熱層
5を有する定着ローラ1である。この相転移発熱材料3
は、相転移発熱層5の円周方向外表面に向かって密度勾
配が高められている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の定着装置に使用される定着ローラ
及びその製造方法に関する。
ー、ファクシミリ等の定着装置に使用される定着ローラ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真式の複写機、プリンタ
ー、ファクシミリなどでは、現像された画像の定着に、
定着ローラと加圧ローラとからなる定着装置を用いてい
る。この定着装置では、トナーが転写されて現像された
印刷用紙が定着ローラと加圧ローラとの間のローラ間に
挿通されるものである。これにより、画像を形成するト
ナーが加熱熔融(軟化)されて印刷用紙上に融着して定
着される。
ー、ファクシミリなどでは、現像された画像の定着に、
定着ローラと加圧ローラとからなる定着装置を用いてい
る。この定着装置では、トナーが転写されて現像された
印刷用紙が定着ローラと加圧ローラとの間のローラ間に
挿通されるものである。これにより、画像を形成するト
ナーが加熱熔融(軟化)されて印刷用紙上に融着して定
着される。
【0003】この種の定着ローラとして、本件出願人
は、中空筒状の芯金の外周に、非晶質と結晶質との間で
相転移が可能な相転移発熱材料により相転移発熱層を設
け、その相転移発熱層を保護層で被覆する構成の定着ロ
ーラを提案した(例えば、特開平7−140823号公
報を参照)。この定着ローラによれば、主熱源からの加
熱による昇温を利用して定着ローラの外周面の温度が定
着に要求される温度(所定温度)に達するまでの間に、
相転移発熱層において非晶質から結晶質への相転移によ
る熱エネルギー(結晶化エネルギー)を発生させてい
る。これにより、定着ローラ外周面の温度上昇が主熱源
のみの温度上昇よりも促進される。この定着ローラを用
いれば、ウオーミングアップ時間の短縮が図られ、また
省電力化が図られるので期待される。
は、中空筒状の芯金の外周に、非晶質と結晶質との間で
相転移が可能な相転移発熱材料により相転移発熱層を設
け、その相転移発熱層を保護層で被覆する構成の定着ロ
ーラを提案した(例えば、特開平7−140823号公
報を参照)。この定着ローラによれば、主熱源からの加
熱による昇温を利用して定着ローラの外周面の温度が定
着に要求される温度(所定温度)に達するまでの間に、
相転移発熱層において非晶質から結晶質への相転移によ
る熱エネルギー(結晶化エネルギー)を発生させてい
る。これにより、定着ローラ外周面の温度上昇が主熱源
のみの温度上昇よりも促進される。この定着ローラを用
いれば、ウオーミングアップ時間の短縮が図られ、また
省電力化が図られるので期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの相転移発熱層
は、熱伝導率の上昇を図るために良伝導性物質を分散さ
せたり、また、発熱をスムーズとするために発熱温度の
異なる複数の相転移発熱材料を混合して用いることが考
えられる。
は、熱伝導率の上昇を図るために良伝導性物質を分散さ
せたり、また、発熱をスムーズとするために発熱温度の
異なる複数の相転移発熱材料を混合して用いることが考
えられる。
【0005】しかしながら、このような定着装置におい
て、相転移発熱材料は融解されて使用されるので、これ
らの相転移発熱材料は、融解により互いに凝集しないよ
うに結着剤により被覆分散させて相転移発熱材料を相互
に孤立させておくことが望ましい。
て、相転移発熱材料は融解されて使用されるので、これ
らの相転移発熱材料は、融解により互いに凝集しないよ
うに結着剤により被覆分散させて相転移発熱材料を相互
に孤立させておくことが望ましい。
【0006】そこで本出願人は、結着剤としてイミド化
前の前駆体を用いて相転移発熱材料の微粒子を被覆して
流動化を防止する方法をすでに提案している(特願平9
−88062号明細書など)。この方法によれば、ポリ
イミド前駆体に相転移発熱材料の微粒子を分散して層を
形成後、その層を加熱することによりポリイミド前駆体
をイミド化することにより相転移発熱材料の微粒子が結
着剤中に分散された相転移発熱層を得ている。
前の前駆体を用いて相転移発熱材料の微粒子を被覆して
流動化を防止する方法をすでに提案している(特願平9
−88062号明細書など)。この方法によれば、ポリ
イミド前駆体に相転移発熱材料の微粒子を分散して層を
形成後、その層を加熱することによりポリイミド前駆体
をイミド化することにより相転移発熱材料の微粒子が結
着剤中に分散された相転移発熱層を得ている。
【0007】ところで、相転移発熱材料は基本的に完全
非晶質の場合でも融解潜熱と同等の一定の発熱量しか有
していない。従って、相転移発熱材料を結着剤中に分散
して使用すると、一定体積中での発熱量は減少するので
効率よく昇温させることができないといる不具合が生じ
る。
非晶質の場合でも融解潜熱と同等の一定の発熱量しか有
していない。従って、相転移発熱材料を結着剤中に分散
して使用すると、一定体積中での発熱量は減少するので
効率よく昇温させることができないといる不具合が生じ
る。
【0008】本発明は、上記の事情を考慮して為された
もので、相転移の際に発生する熱エネルギーを利用して
加熱促進が図れ、相転移発熱材料の熔融、結晶化サイク
ルが繰り返されても相転移発熱材料の凝集が起こらない
定着ローラにおいて、その相転移発熱材料から発する熱
エネルギーを効率よく利用できる定着ローラとその製造
方法を提供することにある。
もので、相転移の際に発生する熱エネルギーを利用して
加熱促進が図れ、相転移発熱材料の熔融、結晶化サイク
ルが繰り返されても相転移発熱材料の凝集が起こらない
定着ローラにおいて、その相転移発熱材料から発する熱
エネルギーを効率よく利用できる定着ローラとその製造
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、相転移の際に熱エネルギーを発
生する相転移発熱材料が結着剤中に分散された相転移発
熱層を有する定着ローラにおいて、前記相転移発熱材料
は、前記相転移発熱層の円周方向外表面に向かって密度
勾配が高められていることを特徴とする。
に、請求項1の発明は、相転移の際に熱エネルギーを発
生する相転移発熱材料が結着剤中に分散された相転移発
熱層を有する定着ローラにおいて、前記相転移発熱材料
は、前記相転移発熱層の円周方向外表面に向かって密度
勾配が高められていることを特徴とする。
【0010】このように構成すれば、定着ローラの表面
側の相転移発熱材料密度が高められる。定着ローラが内
部ヒータなどにより暖められると所定温度において相転
移発熱材料が発熱する。このとき、相転移発熱層中での
発熱材料の密度は、表面側が高くなっているので、発熱
量は相対的に表面側が高くなる。これにより、定着ロー
ラの表面が効率よく昇温される。
側の相転移発熱材料密度が高められる。定着ローラが内
部ヒータなどにより暖められると所定温度において相転
移発熱材料が発熱する。このとき、相転移発熱層中での
発熱材料の密度は、表面側が高くなっているので、発熱
量は相対的に表面側が高くなる。これにより、定着ロー
ラの表面が効率よく昇温される。
【0011】請求項2の発明は、前記結着剤は、ポリイ
ミドであることを特徴とする。
ミドであることを特徴とする。
【0012】このように構成すれば、ポリイミドは化学
的、熱的に安定であるので、熔融・結晶化サイクルを繰
り返して使用しても、結着剤は形態を保持でき、相転移
発熱材料の凝集が起こらない。
的、熱的に安定であるので、熔融・結晶化サイクルを繰
り返して使用しても、結着剤は形態を保持でき、相転移
発熱材料の凝集が起こらない。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記相転移発熱
層には、良熱伝導性物質が配合されていることを特徴と
する。
層には、良熱伝導性物質が配合されていることを特徴と
する。
【0014】このように構成すれば、相転移発熱層の熱
伝導性が向上されて定着ローラの昇温が一層加速され
る。
伝導性が向上されて定着ローラの昇温が一層加速され
る。
【0015】請求項4の発明は、請求項1に記載の定着
ローラの製造方法であり、相転移の際に熱エネルギーを
発生する相転移発熱材料を分散した結着剤塗液を、内面
が略円筒状の仮の支持体内面に中空円筒状に付与する筒
状塗膜付与工程、前記仮支持体を高速で回転させること
により、前記筒状塗膜中の前記相転移発熱材料の密度勾
配を遠心力方向に向かって高める密度勾配付与工程、前
記仮支持体内に支持体芯金を挿入する芯金挿入工程、前
記塗膜を前記支持体芯金と接合させる接合工程、前記仮
支持体から前記芯金を前記相転移発熱層とともに取り出
す取り出し工程、を順次行うことを特徴とする。。
ローラの製造方法であり、相転移の際に熱エネルギーを
発生する相転移発熱材料を分散した結着剤塗液を、内面
が略円筒状の仮の支持体内面に中空円筒状に付与する筒
状塗膜付与工程、前記仮支持体を高速で回転させること
により、前記筒状塗膜中の前記相転移発熱材料の密度勾
配を遠心力方向に向かって高める密度勾配付与工程、前
記仮支持体内に支持体芯金を挿入する芯金挿入工程、前
記塗膜を前記支持体芯金と接合させる接合工程、前記仮
支持体から前記芯金を前記相転移発熱層とともに取り出
す取り出し工程、を順次行うことを特徴とする。。
【0016】相転移発熱材料は結着剤として用いられる
溶液に比較して比重が高いので、相転移発熱材料を分散
させた結着剤塗液の膜を、結着剤塗液の流動性のある状
態で高速回転させることにより、遠心力の作用する外表
面方向に向かって相転移発熱材料は移動できる。これに
より、円周方向外表面に向かって相転移発熱材料の密度
勾配を高めた筒状塗膜が得られる。
溶液に比較して比重が高いので、相転移発熱材料を分散
させた結着剤塗液の膜を、結着剤塗液の流動性のある状
態で高速回転させることにより、遠心力の作用する外表
面方向に向かって相転移発熱材料は移動できる。これに
より、円周方向外表面に向かって相転移発熱材料の密度
勾配を高めた筒状塗膜が得られる。
【0017】この筒状塗膜の内側に支持体となる芯金を
挿入して、その芯金と筒状塗膜を接合後に、仮支持体を
取り除くと、請求項1の定着ローラが得られる。
挿入して、その芯金と筒状塗膜を接合後に、仮支持体を
取り除くと、請求項1の定着ローラが得られる。
【0018】請求項5の発明は、請求項4の発明の取り
出し工程の後に、前記相転移発熱層の外表面に表面層を
付与する表面層付与工程を行うことを特徴とする。これ
により、表面層が付与された請求項1に記載の定着ロー
ラの製造方法が提供される。
出し工程の後に、前記相転移発熱層の外表面に表面層を
付与する表面層付与工程を行うことを特徴とする。これ
により、表面層が付与された請求項1に記載の定着ロー
ラの製造方法が提供される。
【0019】請求項6の発明は、前記接合工程は、加熱
によることを特徴とする。加熱することにより、結着剤
は収縮して芯金に接合し、芯金を発熱層と共に取り出す
のを容易とする。
によることを特徴とする。加熱することにより、結着剤
は収縮して芯金に接合し、芯金を発熱層と共に取り出す
のを容易とする。
【0020】請求項7の発明は、前記仮支持体は、内部
表面をフッ素樹脂をコーティングしたものであることを
特徴とする。
表面をフッ素樹脂をコーティングしたものであることを
特徴とする。
【0021】このように構成すれば、フッ素樹脂は離型
性がよいので、芯金と相転移発熱層を接合させた後で
も、相転移発熱層を仮支持体から容易に離型できる。
性がよいので、芯金と相転移発熱層を接合させた後で
も、相転移発熱層を仮支持体から容易に離型できる。
【0022】請求項8の発明は、仮支持体は、ガラスで
あることを特徴とする。
あることを特徴とする。
【0023】このように構成すれば、ガラスは離型性が
よいので、芯金と相転移発熱層を接合させた後でも、相
転移発熱層を仮支持体から容易に離型できる。また、ガ
ラスは金属に比べて比較的低温で軟化変形し、成形性が
よいので加工が容易である。
よいので、芯金と相転移発熱層を接合させた後でも、相
転移発熱層を仮支持体から容易に離型できる。また、ガ
ラスは金属に比べて比較的低温で軟化変形し、成形性が
よいので加工が容易である。
【0024】請求項9の発明は、前記結着剤塗液は、ポ
リイミド前駆体塗液であり、前記密度勾配付与工程以降
の任意の段階で前記塗膜を減圧下に加熱して前記ポリイ
ミド前駆体を硬化させる硬化工程を組み合わせることを
特徴とする。
リイミド前駆体塗液であり、前記密度勾配付与工程以降
の任意の段階で前記塗膜を減圧下に加熱して前記ポリイ
ミド前駆体を硬化させる硬化工程を組み合わせることを
特徴とする。
【0025】このように構成すれば、ポリイミドは耐薬
品性がよく、溶剤に溶解させるのが困難であるが、ポリ
イミド前駆体は容易に溶剤に溶けて溶液粘度を調整する
ことができるので、相転移発熱材料の粒子を均一に分散
できる。また、この方法は、湿式塗布法であるので相転
移発熱層を任意の形態に加工することが容易となる。
品性がよく、溶剤に溶解させるのが困難であるが、ポリ
イミド前駆体は容易に溶剤に溶けて溶液粘度を調整する
ことができるので、相転移発熱材料の粒子を均一に分散
できる。また、この方法は、湿式塗布法であるので相転
移発熱層を任意の形態に加工することが容易となる。
【0026】請求項10の発明は、前記表面層は少なく
とも一端を開放して形成され、前記硬化工程は前記開放
端から水分を除去しつつ行われることを特徴とする。
とも一端を開放して形成され、前記硬化工程は前記開放
端から水分を除去しつつ行われることを特徴とする。
【0027】このように構成すれば、硬化反応中に発生
する水分を相転移発熱層中から除去することができる。
する水分を相転移発熱層中から除去することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の定着ローラの実施
の形態を図を参照しつつ説明する。
の形態を図を参照しつつ説明する。
【0029】本発明の定着ローラは、主熱源からの加熱
による昇温を利用して物質内部に蓄えられたエネルギー
を熱の形で放出することにより、主熱源のみの昇温より
も急速に表面温度を立ち上げる原理を応用したものであ
り、加熱定着装置などの定着ローラとして利用される。
による昇温を利用して物質内部に蓄えられたエネルギー
を熱の形で放出することにより、主熱源のみの昇温より
も急速に表面温度を立ち上げる原理を応用したものであ
り、加熱定着装置などの定着ローラとして利用される。
【0030】この定着ローラ1は、例えば、図1に示す
ように中空筒状の芯金2を有する。その芯金2の材料に
は例えばアルミニウム、その合金、ステンレスなどが使
用されている。芯金2の外周には、相転移発熱材料の微
粒子3がポリイミドなどの結着剤4中に分散された相転
移発熱層5が形成されている。この相転移発熱層5中の
相転移発熱材料の微粒子3は、外表面に向かうほど密度
が高く、相対的に結着剤の濃度は外表面に向かうほど低
くなっているが、芯金2側は結着剤によりしっかりと固
定される。
ように中空筒状の芯金2を有する。その芯金2の材料に
は例えばアルミニウム、その合金、ステンレスなどが使
用されている。芯金2の外周には、相転移発熱材料の微
粒子3がポリイミドなどの結着剤4中に分散された相転
移発熱層5が形成されている。この相転移発熱層5中の
相転移発熱材料の微粒子3は、外表面に向かうほど密度
が高く、相対的に結着剤の濃度は外表面に向かうほど低
くなっているが、芯金2側は結着剤によりしっかりと固
定される。
【0031】相転移発熱層5の外周には保護層6が形成
されている。保護層6は相転移発熱層5を被覆封止して
相転移発熱材料の粒子3が熔融状態のときに流出するの
を防止している。この保護層6は、トナーなどとの粘着
を防止するための離型性を有する層であってもよい。こ
の定着ローラ1には接着層、通電発熱層、絶縁層などが
必要に応じて追加されていてもよい。
されている。保護層6は相転移発熱層5を被覆封止して
相転移発熱材料の粒子3が熔融状態のときに流出するの
を防止している。この保護層6は、トナーなどとの粘着
を防止するための離型性を有する層であってもよい。こ
の定着ローラ1には接着層、通電発熱層、絶縁層などが
必要に応じて追加されていてもよい。
【0032】この定着ローラ1では、定着ローラ1の外
周をトナー定着温度Ttにまで昇温させ、結晶化した相
転移発熱層5を加熱して熔融させるための主熱源が配備
されている。この例では、芯金2内部の中空部7に、主
熱源(図示を省略する)が設けられる。この主熱源とし
ては例えばハロゲンランプ、赤外線ランプ、ニクロム線
などのヒータが例示される。
周をトナー定着温度Ttにまで昇温させ、結晶化した相
転移発熱層5を加熱して熔融させるための主熱源が配備
されている。この例では、芯金2内部の中空部7に、主
熱源(図示を省略する)が設けられる。この主熱源とし
ては例えばハロゲンランプ、赤外線ランプ、ニクロム線
などのヒータが例示される。
【0033】本発明に用いられる相転移発熱材料とは、
相転移に伴い発熱する材料である。このような材料は、
一般に熔融状態から急冷により非晶質化するものであっ
て、その非晶質化状態の物質を昇温すると結晶化する、
いわゆる非晶質化可能領域のある物質である。
相転移に伴い発熱する材料である。このような材料は、
一般に熔融状態から急冷により非晶質化するものであっ
て、その非晶質化状態の物質を昇温すると結晶化する、
いわゆる非晶質化可能領域のある物質である。
【0034】これらの相転移発熱材料は非晶質から結晶
質への相転移の際に発熱するが、この結晶化温度は物質
に固有の温度であるので、結晶化の開始温度と終了温度
は使用する相転移発熱材料によって決まってしまう。ま
た、結晶化温度はエネルギー的に準安定状態である非晶
質相から、より安定な結晶相へ転移する温度であり、物
質によって決まる融点とガラス転移点との間にある。こ
の融点は、一度発熱させた物質を再度非晶質化させて初
期化させるために重要な特性であり、トナーの軟化融着
する定着温度以上であり、省エネルギーの観点からなる
べく低い温度である方が望ましい。
質への相転移の際に発熱するが、この結晶化温度は物質
に固有の温度であるので、結晶化の開始温度と終了温度
は使用する相転移発熱材料によって決まってしまう。ま
た、結晶化温度はエネルギー的に準安定状態である非晶
質相から、より安定な結晶相へ転移する温度であり、物
質によって決まる融点とガラス転移点との間にある。こ
の融点は、一度発熱させた物質を再度非晶質化させて初
期化させるために重要な特性であり、トナーの軟化融着
する定着温度以上であり、省エネルギーの観点からなる
べく低い温度である方が望ましい。
【0035】このような性能を有する相転移発熱材料
は、無機系物質、有機系物質などから広く使用できる。
無機系物質では、例えば、周期律表第III族〜第VI
族の多元系で非晶質化可能領域を有するものが知られて
いる。その中でもSe(セレン)を主成分としたカルコ
ゲンやカルコゲナイド化合物は、急速に結晶化して発熱
し、また、結晶化の際の発熱エネルギーも大きいので好
適な材料である。
は、無機系物質、有機系物質などから広く使用できる。
無機系物質では、例えば、周期律表第III族〜第VI
族の多元系で非晶質化可能領域を有するものが知られて
いる。その中でもSe(セレン)を主成分としたカルコ
ゲンやカルコゲナイド化合物は、急速に結晶化して発熱
し、また、結晶化の際の発熱エネルギーも大きいので好
適な材料である。
【0036】また、有機系物質では、例えば、PET
(ポリエチレンテレフタレート)系やPBT(ポリブチ
レンテレフタレート)系等のポリエステル類のような結
晶性熱可塑性樹脂などの高分子系物質やイソフタル酸ジ
フェニルの誘導体、ビスフェノール誘導体等の低分子物
質で、非晶質化及び結晶化発熱するものが使用できる。
(ポリエチレンテレフタレート)系やPBT(ポリブチ
レンテレフタレート)系等のポリエステル類のような結
晶性熱可塑性樹脂などの高分子系物質やイソフタル酸ジ
フェニルの誘導体、ビスフェノール誘導体等の低分子物
質で、非晶質化及び結晶化発熱するものが使用できる。
【0037】一方、この相転移発熱材料の粒子を被覆す
る結着剤としては、フッ素樹脂やポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂等が例示されるが、これらの樹脂は一般には加
工が困難である。ポリイミド前駆体は、加工性のよい材
料として例示される。
る結着剤としては、フッ素樹脂やポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂等が例示されるが、これらの樹脂は一般には加
工が困難である。ポリイミド前駆体は、加工性のよい材
料として例示される。
【0038】ポリイミドは通常特殊な蒸着重合法により
製造されるものが多いが、イミドのモノマーから重合さ
れる際、溶剤中で重合され、溶液のまま提供される中間
体を経由する。この中間体は加熱することにより、水を
生成してイミド化反応が終了し、ポリイミドを生成する
のでポリイミド前駆体と呼ばれている。このポリイミド
前駆体の溶液に相転移発熱材料の粒子を分散させ、加熱
等により脱水しながらイミド化を完了させると相転移発
熱材料が強固に結合されたポリイミド膜を生成する。こ
の膜は、粒子が被覆された状態で、内部の相転移発熱材
料を非晶質化させるために相転移発熱材料を熔融させて
も、その塗膜が熔融されたり、分解されたりせずに形態
を保つことにより初期の粒子形態を保持させることがで
きる。このポリイミド前駆体は、この性質を利用するこ
とにより、良好な分散膜を形成することが可能である。
製造されるものが多いが、イミドのモノマーから重合さ
れる際、溶剤中で重合され、溶液のまま提供される中間
体を経由する。この中間体は加熱することにより、水を
生成してイミド化反応が終了し、ポリイミドを生成する
のでポリイミド前駆体と呼ばれている。このポリイミド
前駆体の溶液に相転移発熱材料の粒子を分散させ、加熱
等により脱水しながらイミド化を完了させると相転移発
熱材料が強固に結合されたポリイミド膜を生成する。こ
の膜は、粒子が被覆された状態で、内部の相転移発熱材
料を非晶質化させるために相転移発熱材料を熔融させて
も、その塗膜が熔融されたり、分解されたりせずに形態
を保つことにより初期の粒子形態を保持させることがで
きる。このポリイミド前駆体は、この性質を利用するこ
とにより、良好な分散膜を形成することが可能である。
【0039】このようなポリイミド前駆体は、全芳香族
ポリアミド酸、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体
の溶液として耐熱絶縁ワニス用などとして市販されてい
る。全芳香族ポリイミド系ワニスは、特に結着性、耐熱
性がすぐれているので好ましく用いられる。このような
前駆体は、希釈することができ、これにより後述される
相転移発熱材料を分散させるに適正な粘度に調整するこ
とが容易である。これにより、相転移発熱材料の粒子を
容易に分散させることができ、相転移発熱材料が均一に
分散された分散塗液とすることができる。これらの溶媒
としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセ
トアミド、芳香族炭化水素などが使用されている。
ポリアミド酸、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体
の溶液として耐熱絶縁ワニス用などとして市販されてい
る。全芳香族ポリイミド系ワニスは、特に結着性、耐熱
性がすぐれているので好ましく用いられる。このような
前駆体は、希釈することができ、これにより後述される
相転移発熱材料を分散させるに適正な粘度に調整するこ
とが容易である。これにより、相転移発熱材料の粒子を
容易に分散させることができ、相転移発熱材料が均一に
分散された分散塗液とすることができる。これらの溶媒
としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセ
トアミド、芳香族炭化水素などが使用されている。
【0040】この相転移発熱層5には、さらに必要に応
じて他の添加剤を添加してもよい。例えば、カーボンブ
ラックなどの熱伝導性のよい物質(良熱伝導物質)を配
合させることにより、相転移発熱層の伝熱率を上昇させ
て、ローラの表面温度を所望温度まで上昇させることを
促進できる。
じて他の添加剤を添加してもよい。例えば、カーボンブ
ラックなどの熱伝導性のよい物質(良熱伝導物質)を配
合させることにより、相転移発熱層の伝熱率を上昇させ
て、ローラの表面温度を所望温度まで上昇させることを
促進できる。
【0041】次に、図2及び図3を用いて、本発明の定
着ローラの製造工程を説明する。
着ローラの製造工程を説明する。
【0042】図2において、符号11は仮支持体を示
す。この仮支持体11は、内型φ11が定着ローラ1の
外径d1と略同一の円筒状で、その長さL11は芯金2
の長さL2よりも長い。この仮支持体11は、図示を略
す回転機構により回転矢印a方向に回転可能にされてい
る。
す。この仮支持体11は、内型φ11が定着ローラ1の
外径d1と略同一の円筒状で、その長さL11は芯金2
の長さL2よりも長い。この仮支持体11は、図示を略
す回転機構により回転矢印a方向に回転可能にされてい
る。
【0043】この仮支持体11の一端側11aには、デ
ィスペンサー12が配置されている。このディスペンサ
ー12は、相転移発熱材料が結着剤中に均一に分散され
た分散塗液(溶液)を仮支持体11に供給してスプレー
塗装などの湿式塗布法により塗布するための塗布装置で
ある。この塗布装置は従来公知のものが使用できるが、
例えばこの例では、内部に塗液供給タンクと定量ポンプ
を備え、その定量ポンプはスプレー用のノズル部12a
に接続されている。また、このディスペンサー12は、
ノズル部12aを仮支持体11の円筒軸方向(両矢印
b)方向に等速で走査可能とする走査手段を内蔵してい
る。仮支持体11が円筒軸方向に操作可能であれば、こ
のノズル部12aは固定されていてもよい。
ィスペンサー12が配置されている。このディスペンサ
ー12は、相転移発熱材料が結着剤中に均一に分散され
た分散塗液(溶液)を仮支持体11に供給してスプレー
塗装などの湿式塗布法により塗布するための塗布装置で
ある。この塗布装置は従来公知のものが使用できるが、
例えばこの例では、内部に塗液供給タンクと定量ポンプ
を備え、その定量ポンプはスプレー用のノズル部12a
に接続されている。また、このディスペンサー12は、
ノズル部12aを仮支持体11の円筒軸方向(両矢印
b)方向に等速で走査可能とする走査手段を内蔵してい
る。仮支持体11が円筒軸方向に操作可能であれば、こ
のノズル部12aは固定されていてもよい。
【0044】この装置を用いて、仮支持体11を10〜
100rpm程度の低速で回転させる。ついで、ノズル
部12aを所望とする相転移発熱層5の長さだけ走査さ
せながら、ディスペンサー12から相転移発熱材料の粒
子3を結着剤4中に分散させた結着剤塗液を定速度で供
給する。これにより、仮支持体11の内面に相転移発熱
層5の長さだけ塗液の層を全面に亘ってスパイラル状に
塗布することができる。後述される密度勾配付与工程
で、塗液の膜厚の均一化が行えるので、この段階では、
塗液に凹凸があってもよい(筒状塗膜付与工程)。
100rpm程度の低速で回転させる。ついで、ノズル
部12aを所望とする相転移発熱層5の長さだけ走査さ
せながら、ディスペンサー12から相転移発熱材料の粒
子3を結着剤4中に分散させた結着剤塗液を定速度で供
給する。これにより、仮支持体11の内面に相転移発熱
層5の長さだけ塗液の層を全面に亘ってスパイラル状に
塗布することができる。後述される密度勾配付与工程
で、塗液の膜厚の均一化が行えるので、この段階では、
塗液に凹凸があってもよい(筒状塗膜付与工程)。
【0045】ついで、この仮支持体11を例えば500
rpm以上の高速度で回転すると、遠心力の作用によ
り、塗液の膜厚は均一化されると共に塗液中の相転移発
熱材料は比重が結着剤に比較して大きいので外方向に移
動する。この移動速度は、用いられる結着剤の粘性や相
転移発熱材料の比重を考慮して回転速度及び回転時間に
より適宜決定される。回転速度が早ければ速いほど、相
転移発熱材料は、相転移発熱層の円周方向外表面に向か
って密度勾配が高められる(密度勾配付与工程)。結着
剤は通常粘性があるので、付与された密度勾配は一定時
間は安定であるが、不安定な場合は、結着剤中の溶媒を
一部除去するなどの工程を付与すれば粘性が上昇して安
定とすることができる。
rpm以上の高速度で回転すると、遠心力の作用によ
り、塗液の膜厚は均一化されると共に塗液中の相転移発
熱材料は比重が結着剤に比較して大きいので外方向に移
動する。この移動速度は、用いられる結着剤の粘性や相
転移発熱材料の比重を考慮して回転速度及び回転時間に
より適宜決定される。回転速度が早ければ速いほど、相
転移発熱材料は、相転移発熱層の円周方向外表面に向か
って密度勾配が高められる(密度勾配付与工程)。結着
剤は通常粘性があるので、付与された密度勾配は一定時
間は安定であるが、不安定な場合は、結着剤中の溶媒を
一部除去するなどの工程を付与すれば粘性が上昇して安
定とすることができる。
【0046】仮支持体11の他端側11bには、芯金2
を内面から把持して、芯金2を両矢印c方向に移動させ
る芯金移動手段が配置されている。この芯金移動手段
は、仮支持体11の内部に芯金2を挿脱するためのもの
である。塗膜の厚みは通常数mm以下であるので、この精
度を保ちつつ、ガイドローラなどに固定された状態で挿
入される(芯金挿入工程)。この芯金2は、外表面に絶
縁層などの任意の層が付与されていてもよく、また主熱
源などが装着されていてもよい。
を内面から把持して、芯金2を両矢印c方向に移動させ
る芯金移動手段が配置されている。この芯金移動手段
は、仮支持体11の内部に芯金2を挿脱するためのもの
である。塗膜の厚みは通常数mm以下であるので、この精
度を保ちつつ、ガイドローラなどに固定された状態で挿
入される(芯金挿入工程)。この芯金2は、外表面に絶
縁層などの任意の層が付与されていてもよく、また主熱
源などが装着されていてもよい。
【0047】図2において、仮支持体11が配置されて
いる2点鎖線(想像線)13で示された部分は、一つの
密閉が可能な室13であり、内部には図示されていない
温度調整可能なヒータが配置され、また室13内の全体
は真空ポンプなどにより減圧できるように構成されてい
る。
いる2点鎖線(想像線)13で示された部分は、一つの
密閉が可能な室13であり、内部には図示されていない
温度調整可能なヒータが配置され、また室13内の全体
は真空ポンプなどにより減圧できるように構成されてい
る。
【0048】接合は、この室13内で加熱や減圧を施し
ながら行われる。結着剤中の溶剤を除去することにより
接着性が生じて塗膜は芯金に接合される(芯金接合工
程)。この工程の接合は、塗膜が芯金2と共に取り出し
可能に必要な接合性を有すればよいが、密着されていて
もよい。例えば、結着剤としてポリイミド前駆体を用い
た場合には、この塗膜は、相転移発熱材料の融点以下の
温度、例えば、120°C程度の温度で予備加熱すると
塗膜は収縮して芯金2に接合される。
ながら行われる。結着剤中の溶剤を除去することにより
接着性が生じて塗膜は芯金に接合される(芯金接合工
程)。この工程の接合は、塗膜が芯金2と共に取り出し
可能に必要な接合性を有すればよいが、密着されていて
もよい。例えば、結着剤としてポリイミド前駆体を用い
た場合には、この塗膜は、相転移発熱材料の融点以下の
温度、例えば、120°C程度の温度で予備加熱すると
塗膜は収縮して芯金2に接合される。
【0049】ついで、仮支持体11から芯金2は相転移
発熱層6と共に取り出される(取り出し工程)。相転移
発熱材料層5の外表面に保護層等の表面層6を付与する
場合には、この保護層6の付与は、硬化前のこの工程で
施されるのがよい(表面層付与工程)。相転移発熱層6
は、芯金接合工程により保護層6を付与するに必要な強
度を有するので、例えば、PFAチュウーブにより被覆
するなどの通常の手法により付与することができが、後
述される硬化工程が脱水反応などの副成物を生じる場合
には、硬化工程で生じる副成物を除去できるように保つ
必要があり、例えばその一端は開放端とされている。
発熱層6と共に取り出される(取り出し工程)。相転移
発熱材料層5の外表面に保護層等の表面層6を付与する
場合には、この保護層6の付与は、硬化前のこの工程で
施されるのがよい(表面層付与工程)。相転移発熱層6
は、芯金接合工程により保護層6を付与するに必要な強
度を有するので、例えば、PFAチュウーブにより被覆
するなどの通常の手法により付与することができが、後
述される硬化工程が脱水反応などの副成物を生じる場合
には、硬化工程で生じる副成物を除去できるように保つ
必要があり、例えばその一端は開放端とされている。
【0050】ついで保護層6の付与された芯金2は、硬
化のためにロータリーポンプなどで減圧されながら加熱
される。これにより、脱水反応を伴うイミド化反応が完
結する(硬化工程)。また、この硬化工程で、相転移発
熱層5と芯金2とは密着され、固着される。この工程で
の加熱温度は、相転移発熱材料の融点以上であるが、保
護層6が付与されているので、相転移発熱層5は融点以
上に加熱されても安定である。これにより、相転移発熱
層5中に水分が残存することなく、また、内部に気泡な
どがない相転移発熱層5を得ることができる。また、内
部を減圧にしながら、開放端を封止すれば、内部に気泡
のない定着ローラ1が得られる。このような定着ローラ
1は、ローラの成型時、使用時の加熱により気泡発生等
に基づく変形が少なくなる。
化のためにロータリーポンプなどで減圧されながら加熱
される。これにより、脱水反応を伴うイミド化反応が完
結する(硬化工程)。また、この硬化工程で、相転移発
熱層5と芯金2とは密着され、固着される。この工程で
の加熱温度は、相転移発熱材料の融点以上であるが、保
護層6が付与されているので、相転移発熱層5は融点以
上に加熱されても安定である。これにより、相転移発熱
層5中に水分が残存することなく、また、内部に気泡な
どがない相転移発熱層5を得ることができる。また、内
部を減圧にしながら、開放端を封止すれば、内部に気泡
のない定着ローラ1が得られる。このような定着ローラ
1は、ローラの成型時、使用時の加熱により気泡発生等
に基づく変形が少なくなる。
【0051】また、このようにして得られた定着ローラ
1は、そのまま急冷させることにより、相転移発熱材料
3を非晶質化させることができる(非晶質化工程)。こ
れにより、この定着ローラ1は直ちに使用できる。
1は、そのまま急冷させることにより、相転移発熱材料
3を非晶質化させることができる(非晶質化工程)。こ
れにより、この定着ローラ1は直ちに使用できる。
【0052】以下に実施例により具体的に述べる。
【0053】(実施例1)加水溶解還元法で製造された
高純度Se(99.99%)の微粒子をポリイミド前駆
体(東レ製 トレニース#3000)30%希釈液に分
散して塗液とした。この塗液を用い、スプレー塗布で内
面をフッ素樹脂でコーティングした内径φ11が21mm
φのアルミニウムからなる円筒の型(仮支持体11)に
塗布した。
高純度Se(99.99%)の微粒子をポリイミド前駆
体(東レ製 トレニース#3000)30%希釈液に分
散して塗液とした。この塗液を用い、スプレー塗布で内
面をフッ素樹脂でコーティングした内径φ11が21mm
φのアルミニウムからなる円筒の型(仮支持体11)に
塗布した。
【0054】ついでその型11を1000rpmで回転
させて塗膜を均一化させたのち、外径20mmφのアルミ
ニウム芯金2を挿入して約150度Cで20分加熱し
て、溶剤の乾燥と共に予備的にイミド化を行った。これ
により、平滑な相転移発熱層5を形成し、アルミニウム
芯金2を引き出した。
させて塗膜を均一化させたのち、外径20mmφのアルミ
ニウム芯金2を挿入して約150度Cで20分加熱し
て、溶剤の乾燥と共に予備的にイミド化を行った。これ
により、平滑な相転移発熱層5を形成し、アルミニウム
芯金2を引き出した。
【0055】その後、その相転移発熱層5にフッ素樹脂
PFA(パーフルオロアルコキシ)の熱収縮チューブ6
を被せて一端を封止し、他端の開放端からロータリーポ
ンプで減圧しながら徐々に300℃まで加熱し、イミド
化を完了させた。その後その開放端を封止し、毎分10
℃以上の冷却速度で急冷して実施例1の定着ローラを作
成した。
PFA(パーフルオロアルコキシ)の熱収縮チューブ6
を被せて一端を封止し、他端の開放端からロータリーポ
ンプで減圧しながら徐々に300℃まで加熱し、イミド
化を完了させた。その後その開放端を封止し、毎分10
℃以上の冷却速度で急冷して実施例1の定着ローラを作
成した。
【0056】(実施例2)熔融水中ショットで急冷した
PET(ポリエチレンテレフタレート:商標名マイラ
ー)を乾燥後粉砕し、実施例1と同様にポリイミド前駆
体に分散して塗液とした。その後、実施例1と同様にし
て遠心塗布した芯金2を加熱して定着ローラ1を作成
し、毎分50℃以上の冷却速度で急冷して実施例2の定
着ローラを作成した。
PET(ポリエチレンテレフタレート:商標名マイラ
ー)を乾燥後粉砕し、実施例1と同様にポリイミド前駆
体に分散して塗液とした。その後、実施例1と同様にし
て遠心塗布した芯金2を加熱して定着ローラ1を作成
し、毎分50℃以上の冷却速度で急冷して実施例2の定
着ローラを作成した。
【0057】(実施例3)熔融水中ショットで急冷した
PET(ポリエチレンテレフタレート:商標名マイラ
ー)を乾燥後粉砕して微粒子を得た。この微粒子とCB
(カーボンブラック)とを重量比で5:5の割合で混合
したものを、実施例2と同様にポリイミド前駆体に分散
して塗液とした。その後、実施例1と同様にして遠心塗
布した芯金2を加熱してイミド化を完了させ、毎分50
℃以上の冷却速度で急冷して実施例3の定着ローラを作
成した。
PET(ポリエチレンテレフタレート:商標名マイラ
ー)を乾燥後粉砕して微粒子を得た。この微粒子とCB
(カーボンブラック)とを重量比で5:5の割合で混合
したものを、実施例2と同様にポリイミド前駆体に分散
して塗液とした。その後、実施例1と同様にして遠心塗
布した芯金2を加熱してイミド化を完了させ、毎分50
℃以上の冷却速度で急冷して実施例3の定着ローラを作
成した。
【0058】(比較例1)実施例1のSeが分散された
塗液を用い、スプレー塗布でアルミニウムからなる芯金
2に均一濃度で塗布した。自然乾燥及び予備加熱を行
い、フッ素樹脂PFAの熱収縮チューブ6を被せて一端
を封止し、他端を開放させた状態でその開放端からロー
タリーポンプで減圧しながら徐々に300℃まで加熱
し、イミド化を完了させた。その後、その開放端を封止
して、実施例1と同様に毎分10℃以上の冷却速度で急
冷して比較例1の定着ローラを作成した。
塗液を用い、スプレー塗布でアルミニウムからなる芯金
2に均一濃度で塗布した。自然乾燥及び予備加熱を行
い、フッ素樹脂PFAの熱収縮チューブ6を被せて一端
を封止し、他端を開放させた状態でその開放端からロー
タリーポンプで減圧しながら徐々に300℃まで加熱
し、イミド化を完了させた。その後、その開放端を封止
して、実施例1と同様に毎分10℃以上の冷却速度で急
冷して比較例1の定着ローラを作成した。
【0059】(比較例2)実施例2のPETが分散され
た塗液を用い、スプレー塗布でアルミニウムからなる芯
金2に均一濃度で塗布した。その後、実施例2と同様に
して芯金2を加熱して、ついで、毎分50℃以上の冷却
速度で急冷して比較例2の定着ローラを作成した。
た塗液を用い、スプレー塗布でアルミニウムからなる芯
金2に均一濃度で塗布した。その後、実施例2と同様に
して芯金2を加熱して、ついで、毎分50℃以上の冷却
速度で急冷して比較例2の定着ローラを作成した。
【0060】(比較例3)実施例1で用いたアルミニウ
ム円筒型11に換えてフッ素樹脂コーティングがされて
いないアルミニウム円筒型11を用いた以外は実施例1
と同様な操作により定着ローラを作成した。150度C
で予備乾燥後アルミニウム芯金2を引き抜いたが、相転
移発熱層6としての塗布層は円筒型11に密着してお
り、無理に引き抜くと塗布層が引きちぎれてしまった。
ム円筒型11に換えてフッ素樹脂コーティングがされて
いないアルミニウム円筒型11を用いた以外は実施例1
と同様な操作により定着ローラを作成した。150度C
で予備乾燥後アルミニウム芯金2を引き抜いたが、相転
移発熱層6としての塗布層は円筒型11に密着してお
り、無理に引き抜くと塗布層が引きちぎれてしまった。
【0061】なお、アルミニウム円筒型11に換えて、
硬質ガラスなどのガラス材料から仮支持体を作成すれ
ば、仮支持体の製作加工が容易となり、また、相転移発
熱層6の離型性も向上する。
硬質ガラスなどのガラス材料から仮支持体を作成すれ
ば、仮支持体の製作加工が容易となり、また、相転移発
熱層6の離型性も向上する。
【0062】(比較例4)相転移発熱層を設けずに、ア
ルミニウムからなる芯金2にフッ素樹脂PFAの熱収縮
チューブを被せて比較例4の定着ローラを得た。
ルミニウムからなる芯金2にフッ素樹脂PFAの熱収縮
チューブを被せて比較例4の定着ローラを得た。
【0063】比較例1のローラでは相転移発熱層5に斑
点状に凝集塊が発生して表面の凹凸を引き起こし、ま
た、比較例2のローラでは相転移発熱層5と表面保護層
4の間に点々と大きな気泡が発生していた。これに対し
て、実施例1,2のローラは、これらの不都合がなく、
良好な相転移発熱層5及び表面保護層6が得られた。
点状に凝集塊が発生して表面の凹凸を引き起こし、ま
た、比較例2のローラでは相転移発熱層5と表面保護層
4の間に点々と大きな気泡が発生していた。これに対し
て、実施例1,2のローラは、これらの不都合がなく、
良好な相転移発熱層5及び表面保護層6が得られた。
【0064】これらの実施例1〜3及び比較例1、2、
4で得られたローラを株式会社リコー製の電子写真複写
機M210の定着装置に組み込み、ヒータ電力960W
で加熱しながら実機内のローラの表面温度の上昇状況を
調べてみた。
4で得られたローラを株式会社リコー製の電子写真複写
機M210の定着装置に組み込み、ヒータ電力960W
で加熱しながら実機内のローラの表面温度の上昇状況を
調べてみた。
【0065】結果を図4に示すが、比較例4の相転移発
熱層5ないローラに比較して他のいずれのローラも発熱
に促進効果が得られている。実施例1〜3の定着ローラ
では、立ち上がり初期においては遅れるが、狙いのトナ
ー定着温度には比較例1〜2の定着ローラよりも早く達
することが判り、いずれも良好な立ち上がり温度を示し
た。また、実施例3の熱伝導物質を配合した定着ローラ
では、実施例1、2の定着ローラに比較して、初期から
立ち上がりが早く、トナー定着温度への到達も早まって
いた。
熱層5ないローラに比較して他のいずれのローラも発熱
に促進効果が得られている。実施例1〜3の定着ローラ
では、立ち上がり初期においては遅れるが、狙いのトナ
ー定着温度には比較例1〜2の定着ローラよりも早く達
することが判り、いずれも良好な立ち上がり温度を示し
た。また、実施例3の熱伝導物質を配合した定着ローラ
では、実施例1、2の定着ローラに比較して、初期から
立ち上がりが早く、トナー定着温度への到達も早まって
いた。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が期待できる。
以下の効果が期待できる。
【0067】請求項1の発明によれば、相転移発熱層中
での発熱材料の密度は、表面側が高くなっているので、
発熱量は相対的に表面側が高くなり、定着ローラの表面
は効率よく昇温される。
での発熱材料の密度は、表面側が高くなっているので、
発熱量は相対的に表面側が高くなり、定着ローラの表面
は効率よく昇温される。
【0068】請求項2の発明によれば、ポリイミドは化
学的、熱的に安定であるので、熔融・結晶化サイクルを
繰り返して使用しても、結着剤は形態を保持でき、相転
移発熱材料の凝集が起こらない。
学的、熱的に安定であるので、熔融・結晶化サイクルを
繰り返して使用しても、結着剤は形態を保持でき、相転
移発熱材料の凝集が起こらない。
【0069】請求項3の発明によれば、相転移発熱層の
熱伝導性が向上されて定着ローラの昇温が一層加速され
る請求項4〜請求項10の発明によれば、本発明の定着
ローラの効果的な製造方法が提供される。
熱伝導性が向上されて定着ローラの昇温が一層加速され
る請求項4〜請求項10の発明によれば、本発明の定着
ローラの効果的な製造方法が提供される。
【0070】請求項6の発明によれば、相転移発熱材料
の粒子が融ける前にその粒子の固定化ができる。
の粒子が融ける前にその粒子の固定化ができる。
【0071】請求項7、8の発明によれば、破損のない
相転移発熱層が得られやすい。
相転移発熱層が得られやすい。
【0072】請求項9の発明によれば、ポリイミド前駆
体を用いることで、相転移発熱材料の粒子を分散するの
が容易となり、また、湿式塗布法で層を形成できるので
相転移発熱層を任意の形態に加工することが容易とな
る。
体を用いることで、相転移発熱材料の粒子を分散するの
が容易となり、また、湿式塗布法で層を形成できるので
相転移発熱層を任意の形態に加工することが容易とな
る。
【0073】請求項10の発明によれば、相転移発熱層
中に水分、気泡が残存することない。また、この定着ロ
ーラによれば、ローラの成型時、使用時の加熱により気
泡発生等に基づく変形が少なくなる。また、イミド化反
応により発生してくる水分は、開放端から除去されるの
で、保護層を有する定着ローラが容易に製造される。
中に水分、気泡が残存することない。また、この定着ロ
ーラによれば、ローラの成型時、使用時の加熱により気
泡発生等に基づく変形が少なくなる。また、イミド化反
応により発生してくる水分は、開放端から除去されるの
で、保護層を有する定着ローラが容易に製造される。
【図1】 本発明の定着ローラ1の層構成の一例を示す
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】 本発明の定着ローラ1の製造工程を説明する
斜視模式図である。
斜視模式図である。
【図3】 本発明の定着ローラ1の製造工程を説明する
工程図である。
工程図である。
【図4】 実施例と比較例の定着ローラの性能を説明す
るためのローラの表面温度の昇温曲線図である。
るためのローラの表面温度の昇温曲線図である。
1…定着ローラ 2…芯金 3…相転移発熱材料 4…結着剤 5…相転移発熱層 6…保護層(表面層)
Claims (10)
- 【請求項1】 相転移の際に熱エネルギーを発生する相
転移発熱材料が結着剤中に分散された相転移発熱層を有
する定着ローラにおいて、 前記相転移発熱材料は、前記相転移発熱層の円周方向外
表面に向かって密度勾配が高められていることを特徴と
する定着ローラ。 - 【請求項2】 前記結着剤は、ポリイミドであることを
特徴とする請求項1に記載の定着ローラ。 - 【請求項3】 前記相転移発熱層には、良熱伝導性物質
が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の定
着ローラ。 - 【請求項4】 相転移の際に熱エネルギーを発生する相
転移発熱材料を分散した結着剤塗液を、内面が略円筒状
の仮の支持体内面に中空円筒状に付与する筒状塗膜付与
工程、 前記仮支持体を高速で回転させることにより、前記筒状
塗膜中の前記相転移発熱材料の密度勾配を遠心力方向に
向かって高める密度勾配付与工程、 前記仮支持体内に支持体芯金を挿入する芯金挿入工程、 前記塗膜を前記支持体芯金と接合させる接合工程、 前記仮支持体から前記芯金を前記相転移発熱層とともに
取り出す取り出し工程、 を順次行うことを特徴とする請求項1に記載の定着ロー
ラの製造方法。 - 【請求項5】 非晶質から結晶質への相転移の際に熱エ
ネルギーを発生する相転移発熱材料の粒子を分散した結
着剤塗液を、内面が略円筒状の仮の支持体内部に膜状に
付与する塗液付与工程、 前記仮支持体を高速で回転させることにより、前記塗膜
中の前記相転移発熱材料の密度勾配を遠心力方向に向か
って高める密度勾配付与工程、 前記仮支持体内に支持体芯金を挿入する芯金挿入工程、 前記塗膜を前記支持体芯金と接合させる接合工程、 前記仮支持体から前記芯金を前記相転移発熱層とともに
取り出す取り出し工程、 前記相転移発熱層の外表面に表面層を付与する表面層付
与工程、を順次行うことを特徴とする表面層が付与され
た請求項1に記載の定着ローラの製造方法。 - 【請求項6】 前記接合工程は、加熱によることを特徴
とする請求項4又は請求項5に記載の定着ローラの製造
方法。 - 【請求項7】 前記仮支持体は、内部表面をフッ素樹脂
をコーティングしたものであることを特徴とする請求項
4又は請求項5に記載の定着ローラの製造方法。 - 【請求項8】 前記仮支持体は、ガラスであることを特
徴とする請求項4又は請求項5に記載の定着ローラの製
造方法。 - 【請求項9】 前記結着剤塗液は、ポリイミド前駆体塗
液であり、 前記密度勾配付与工程以降の任意の段階で前記塗膜を減
圧下に加熱して前記ポリイミド前駆体を硬化させる硬化
工程を組み合わせることを特徴とする請求項4又は請求
項5に記載の定着ローラの製造方法。 - 【請求項10】 前記表面層は少なくとも一端を開放し
て形成され、前記硬化工程は前記開放端から水分を除去
しつつ行われることを特徴とする請求項5に記載の定着
ローラの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15975697A JPH117213A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 定着ローラ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15975697A JPH117213A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 定着ローラ及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH117213A true JPH117213A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15700584
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15975697A Pending JPH117213A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 定着ローラ及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH117213A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008190600A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Ulvac Japan Ltd | 締結具とその製造方法及び真空装置の組立方法 |
| JP5072095B2 (ja) * | 2005-08-02 | 2012-11-14 | 株式会社アルバック | 締結具及びその製造方法 |
| EP2728415A1 (en) * | 2012-10-30 | 2014-05-07 | Samsung Electronics Co., Ltd | Fusing device and image forming apparatus having the same |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP15975697A patent/JPH117213A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5072095B2 (ja) * | 2005-08-02 | 2012-11-14 | 株式会社アルバック | 締結具及びその製造方法 |
| JP2008190600A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Ulvac Japan Ltd | 締結具とその製造方法及び真空装置の組立方法 |
| EP2728415A1 (en) * | 2012-10-30 | 2014-05-07 | Samsung Electronics Co., Ltd | Fusing device and image forming apparatus having the same |
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