JPH1175685A - 乳飲料 - Google Patents

乳飲料

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JPH1175685A
JPH1175685A JP10191549A JP19154998A JPH1175685A JP H1175685 A JPH1175685 A JP H1175685A JP 10191549 A JP10191549 A JP 10191549A JP 19154998 A JP19154998 A JP 19154998A JP H1175685 A JPH1175685 A JP H1175685A
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(57)【要約】 【課題】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して耐
熱芽胞菌胞子の増殖を抑制した乳飲料に発生するオイル
オフを防止し、長期間保存安定性に優れた乳飲料を提供
する。 【解決手段】 0.8%未満の乳脂肪分と乳脂肪分含量
の70%以上の乳蛋白を含有し、且つ、0.025%〜
0.3%のポリグリセリン脂肪酸エステル及び0.00
5%〜0.3%のショ糖脂肪酸エステルを含有してなる
乳飲料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳脂肪分及び乳蛋
白を含有する飲料(乳飲料)に関する。詳しくは保存中
に変敗やオイルオフ等を起こさない、保存安定性に優れ
た乳飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】ミルクコーヒー、ミルク紅茶等は缶飲料
等として、近年需要が増大している。これらの中性乳飲
料は保存のために加熱殺菌が必要であり、通常レトルト
加熱殺菌が施されるが、耐熱性の強い高温芽胞菌の一部
は殺菌工程を経ても残存し、保存中或いは流通段階にお
いて変敗を引き起こす惧れがある。この対策として、特
開平8−228676は、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、特にグリセリンの重合度が2であるジグリセリン脂
肪酸エステルを添加することにより耐熱芽胞菌の増殖を
抑えて変敗を防止することを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】芽胞菌の増殖を抑制す
る目的で、ミルクコーヒーにジグリセリン脂肪酸エステ
ルを添加すると乳脂肪分の分離、いわゆるオイルオフが
発生する場合がある。乳飲料中の乳脂肪は、乳化剤や蛋
白質の働きにより、乳化された状態で存在する。乳化さ
れた粒子は互いに凝集し、比重が軽いため浮上し、クリ
ーム相となる。通常、飲料表面に発生するクリーム相
は、速やかに再分散し、実用上問題とはならない。しか
し、乳化粒子が破壊され、油滴同士の合一が起こると、
飲料表面にオイルオフとして現れる。オイルオフが発生
すると、クリーム相の再分散を妨げ、固形物の浮遊、容
器壁面への付着を起こしたり、製品の味、外観等を著し
く低下させる原因となる。本発明者等の検討に依れば、
このようなオイルオフは、飲料中の乳脂肪分、乳蛋白の
量等、乳飲料の処方にも依るが、ジグリセリン脂肪酸エ
ステルの添加濃度にも影響され、添加量が300ppm
を超える辺りから発生が見られる。これは、十分な抗菌
性を得る為に必要なジグリセリン脂肪酸エステルの添加
濃度と同程度であるため、ジグリセリン脂肪酸エステル
の添加濃度を下げると、変敗が危惧され、添加濃度を上
げると、オイルオフの発生が危惧される。このことは、
ジグリセリン脂肪酸エステルを乳飲料に使用した場合、
乳飲料製品の処方の開発を困難にし、さらには、製品の
製造においても、厳しい製造管理が必要となる。本発明
はかかる事情に鑑みなされたものであって、その目的
は、高温芽胞菌による変敗やオイルオフの発生による品
質低下の惧れのない保存安定性のよい乳飲料の提供にあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ね、乳飲料の処方を検討すると共に、ポリグリセリン
脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを併用すること
により、上記目的を達成し得ることを見出した。即ち、
本発明の要旨は、0.8%未満の乳脂肪分と乳脂肪分含
量の70%以上の乳蛋白を含有し、且つ、0.025%
〜0.3%のポリグリセリン脂肪酸エステル及び0.0
05%〜0.3%のショ糖脂肪酸エステルを含有してな
る乳飲料に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。飲
料中の乳成分としては、乳脂肪分が0%を超え、0.8
%未満の範囲であり、かつ乳蛋白含量が乳脂肪分含量の
70%以上の範囲である。好ましくは、乳脂肪分が0.
1%〜0.6%の範囲であり、かつ乳蛋白含量が乳脂肪
分含量の80%以上の範囲である。当該範囲以上の乳脂
肪分含量では、乳脂肪に伴って増加する乳蛋白(例え
ば、乳脂肪0.8%では乳蛋白は0.6%以上となる)
の働きにより、乳脂肪の乳化が安定となり、特に本発明
を適用する意味がない。また、乳蛋白の含量が、当該範
囲以下の場合、乳脂肪分の乳化が不安定となる。 な
お、本明細書において、「%」は特記しない限り、「重
量%」を意味する。
【0006】本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸
エステルとしては、グリセリンの重合度が2〜4であ
り、その構成脂肪酸はラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸から選ばれる1種以上であり、
モノエステルの含量が50モル%以上であるようなポリ
グリセリン脂肪酸エステルである。なお、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルは重合度、エステル化度等の異なるエ
ステルが混合した組成物であり、例えば、ジグリセリン
エステルとは、平均重合度が2のポリグリセリンエステ
ル組成物を意味する。抗菌性の観点からは、ジグリセリ
ンパルミチン酸モノエステルを70モル%以上含むポリ
グリセリン脂肪酸エステルが好適である。
【0007】飲料中のポリグリセリン脂肪酸エステル組
成物の含有量は、十分な抗菌力を示す量であることが必
要である。この量は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの
種類、乳飲料の種類によっても異なり、200ppm程
度の量でも変敗の発生を見ないとの報告もあるが、本発
明者等が行った実験に依れば、後記参考例に示す様に、
300ppm以下の含有量では、抗菌力が十分とはいえ
ず、保存、流通段階で変敗する惧れがある。従って、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、0.025%
以上、好ましくは0.035%以上、より好ましくは
0.04%以上である。一方、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル含有量は多くとも0.3%以下、好ましくは0.
1%以下である。ポリグリセリン脂肪酸の含有量が多い
ほど抗菌力は高くなるが、それに応じて、オイルオフの
発生も多くなる。また、含有量が多いと、コストが高く
なるばかりでなく、飲料の風味を損ねるので好ましくな
い。
【0008】本発明に使用するショ糖脂肪酸エステルと
しては、構成脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸から選ばれる1種類以上、好ましくはパルミ
チン酸とステアリン酸の含量合計が80%以上で、その
中のステアリン酸の含量が50%以上のエステルであ
る。ショ糖脂肪酸エステルのHLBは、3〜7、好まし
くは4〜6である。乳飲料中のショ糖脂肪酸エステルの
含有量は、0.005%以上、好ましくは0.01%以
上である。当該範囲外では、オイルオフを抑制する効果
が低い。含有量の上限は0.3%、好ましくは0.1%
以下である。添加量が多いとコストが高く、また風味を
損ねるので好ましくない。
【0009】本発明の乳飲料の調製法は特に限定される
ものではない。例えば、ミルクコーヒーの場合を例に挙
げると、所定の乳脂肪分、乳蛋白となる量の乳成分、コ
ーヒーエキス、甘味料、香料等の飲料成分と、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び水を
配合し、ホモジナイザー等により均質化し、レトルト殺
菌により殺菌し、容器に充填する。以上の他、乳飲料に
添加される各種成分を添加してもよく、また必要に応じ
て他の食品用乳化剤、安定剤を加えることもできる。本
発明の対象となる乳飲料としては、ミルク入りで、中性
もしくは弱酸性の飲料が挙げられる。特にミルクコーヒ
ー、ミルク入り紅茶、なかでもミルクコーヒーにおいて
顕著な効果がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、参考例、実施
例及び比較例においては、以下のポリグリセリン脂肪酸
エステル及びショ糖脂肪酸エステルを使用した。 ポリグリセリン脂肪酸エステル; 構成脂肪酸組成 パルミチン酸 100% モノエステル含量 70% 重合度 2 ショ糖脂肪酸エステル; 構成脂肪酸組成 ステアリン酸 70%、パルミチン酸 30% HLB 5
【0011】参考例(ポリグリセリン脂肪酸エステルの
抗菌試験) コーヒーエキス3.7g、全脂粉乳1.8g、グラニュ
ー糖8g、所定量のポリグリセリン脂肪酸エステル、重
曹0.05gに水を混合して全量を100gとした後、
バルブホモゲナイザーを用いて60℃にて200kgf
/cm2 で均質化してミルクコーヒーを得た(乳脂肪分
0.48%)。これに、クロストリジウム・サーモアセ
チカム(Clostridium thermaceticum)芽胞懸濁液を芽胞
濃度が1×105 個/mlとなる様に接種し、ガラスチ
ューブに各2ml×5本ずつ採り、火炎にて開口端を密
封し、121℃で20分間加熱殺菌した。これを55℃
で4週間保存した後、変敗の有無を判定した。判定は外
観及び菌無接種区とのpHの差異により行った。結果を
下記表−1に示した。
【0012】
【表1】 表−1 ポリグリセリン脂肪酸エステル抗菌試験 ───────────────────── ポリグリセリンエステル 変敗本数 添加量(ppm) ───────────────────── 150 5/5 200 4/5 250 4/5 300 1/5 350 0/5
【0013】実施例1 コーヒーエキス37g、全脂粉乳18g、グラニュー糖
80g、重曹1.3g、ショ糖脂肪酸エステル0.15
g、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.6gと水とを混
合し、全量を1000gとした。これを高圧ホモジナイ
ザーを用いて60℃にて150kg/50kgの圧力で
均質化後、30g試験管に各27gずつ分注し、レトル
ト殺菌機で121℃、20分の条件で殺菌してミルクコ
ーヒーを得た。この飲料の乳蛋白は0.4%、乳脂肪は
0.5%である。次に得られたミルクコーヒーを55℃
で2週間、および4週間静置し、オイルオフの発生を肉
眼で観察した。結果を表−2に示した。
【0014】実施例2 ショ糖脂肪酸エステルの添加量を0.3g、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルの添加量を0.3gとした以外は、
実施例1と同様にしてミルクコーヒーを得、同様に観察
した。結果を表−2に示した。
【0015】比較例1 ショ糖脂肪酸エステルを添加しなかった以外は、実施例
1と同様にして、ミルクコーヒーを得、同様に観察し
た。結果を表−2に示した。
【0016】
【表2】 表−2 ミルクコーヒー表面のオイルオフ発生試験 2週間後 4週間後 実施例1 ○ ○ 実施例2 ○ ○ 比較例1 × ×
【0017】表−2における評価基準は以下の通りであ
る。 ○:オイルオフ発生無し △:表面に僅かに油滴が観察される ×:表面に直径1mm以上の油滴が観察される
【0018】実施例3 ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量を1.5gとし
た以外は、実施例1と同様にしてミルクコーヒーを得、
同様に観察した。結果を表−3に示した。 比較例2 ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量を3.2gとし
た以外は、実施例1と同様にしてミルクコーヒーを得、
同様に観察した。結果を表−3に示した。
【0019】
【表3】 表−3 ミルクコーヒー表面のオイルオフ発生試験 2週間後 4週間後 実施例3 △ △ 比較例2 × × 評価基準は表−2の基準と同じである。
【0020】実施例4 ショ糖脂肪酸エステルの添加量を1g、ポリグリセリン
脂肪酸エステルの添加量を0.3gとした以外は、実施
例1と同様にしてミルクコーヒーを得た。得られたミル
クコーヒーを25℃とし、表−4の基準に従い官能評価
を行った。6人のパネラーの採点の平均値をとり、小数
点第一位を四捨五入した結果を表−5に示した。
【0021】
【表4】表−4 官能評価基準 0:異味なし 1:異味をわずかに感じる 2:異味を感じる 3:異味を強く感じる 4:異味を不快な程に感じる
【0022】実施例5 ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量を1.5gとし
た以外は、実施例4と同様に官能評価を行い、結果を表
−5に示した。 比較例3 ショ糖脂肪酸エステルの添加量を3.2gとした以外
は、実施例4と同様に官能評価を行い、結果を表−5に
示した。
【0023】
【表5】表−5 官能評価試験 実施例4 0 実施例5 2 比較例3 3
【0024】
【発明の効果】本発明の乳飲料は、耐熱芽胞菌に対し十
分な抗菌力を示す量のポリグリセリン脂肪酸エステルを
添加した場合でも、オイルオフの発生を防止し、保存安
定性に優れた飲料である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.8%未満の乳脂肪分と乳脂肪分含量
    の70%以上の乳蛋白を含有し、且つ、0.025%〜
    0.3%のポリグリセリン脂肪酸エステル及び0.00
    5%〜0.3%のショ糖脂肪酸エステルを含有してなる
    乳飲料。
  2. 【請求項2】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成す
    るグリセリンの重合度が2〜4であり、構成脂肪酸がラ
    ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
    から選ばれ、且つ、モノエステルの含量が50%以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載の乳飲料。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルがジグリ
    セリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項2
    に記載の乳飲料。
  4. 【請求項4】 ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸がミ
    リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれ、
    HLBが、3〜7であることを特徴とする請求項1乃至
    3の何れか1項に記載の乳飲料。
  5. 【請求項5】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量
    が、0.035%〜0.1%であることを特徴とする請
    求項1乃至4の何れか1項に記載の乳飲料。
  6. 【請求項6】 ショ糖脂肪酸エステルの含有量が0.0
    1%〜0.1%であることを特徴とする請求項1乃至5
    の何れか1項に記載の乳飲料。
  7. 【請求項7】 乳飲料がミルクコーヒーであることを特
    徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の乳飲料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006025743A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Mitsubishi Chemicals Corp 乳化安定剤およびこれを含有する乳飲料
US7150893B1 (en) 1999-03-24 2006-12-19 Mitsubishi Chemical Corporation Milk beverage
JP2008109926A (ja) * 2006-10-04 2008-05-15 Mitsubishi Chemicals Corp コーヒー飲料
JP2009189369A (ja) * 2009-04-27 2009-08-27 Mitsubishi Chemicals Corp 乳飲料用乳化安定剤およびこれを含有する乳飲料

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JP2009189369A (ja) * 2009-04-27 2009-08-27 Mitsubishi Chemicals Corp 乳飲料用乳化安定剤およびこれを含有する乳飲料

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