JPH1176183A - 圧力センサ付きガイドワイヤー型心内心電図用電極 - Google Patents

圧力センサ付きガイドワイヤー型心内心電図用電極

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JPH1176183A
JPH1176183A JP10167973A JP16797398A JPH1176183A JP H1176183 A JPH1176183 A JP H1176183A JP 10167973 A JP10167973 A JP 10167973A JP 16797398 A JP16797398 A JP 16797398A JP H1176183 A JPH1176183 A JP H1176183A
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guide wire
wire
electrocardiogram
sensor
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JP10167973A
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Takeshi Takeuchi
武 竹内
Kazuo Tani
和雄 谷
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経皮的血管形成術(PTA)や経皮的冠状動
脈形成術(PTCA)等のカテーテル治療において、血
圧測定に同期させて心表面に近い部位で心電図をモニタ
ーする半導体型圧力センサ付きのガイドワイヤー型心内
心電図用電極に関する。 【解決手段】 心臓にカテーテルを挿入案内するガイド
ワイヤー型の心内心電図用電極において、前記ガイドワ
イヤー型の心内心電図用電極は、金属製のX線不透過先
端部と先端部に近接した開口部に血圧測定用の圧力セン
サを装着するセンサ部及び外部の測定機器に接続される
延長部とが相互に固着され、このワイヤー内腔には、セ
ンサ及びX線不透過部と外部機器とをそれぞれ接続する
導電性の微細配線を内在し、且つ先端のX線不透過部を
除くワイヤー外部表面を樹脂で被覆させて、このX線不
透過部を単極電極とする、ことを特徴とする圧力センサ
付きガイドワイヤー型心内心電図用電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経皮的血管形成術(P
TA)、経皮的冠状動脈形成術(PTCA)等における
心電図監視に関し、より詳細には、PTA、PTCA治
療においてカテーテルを目的の血管部位に案内するガイ
ドワイヤーから成り、その血管部位での血圧測定に同期
させて心表面に近い心内部位で心電図を測定することの
できる半導体型圧力センサ付きのガイドワイヤー型心内
心電図用電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】心電図は、心臓カテーテル検査中の監視
及び計測とか又はカテーテル治療、即ち経皮的冠状動脈
形成術(PTCA)とか 経皮的血管形成術(PTA)
等の実施中の監視及び計測の項目として重要なパラメー
タである。上記するPTCAやPTAとは、従来からの
バイパス手術という開胸する外科的手術に代わって行わ
れている治療法であり、即ち、開胸することなく皮膚か
ら窄芽刺した血管(これを経皮的と称す)に治療が行わ
れるために、術後の管理が容易で、早期に退院が可能
で、しかも心理的にも経済的にも患者に与える負担が著
しく軽減されるものである。
【0003】従来から上記等の手術中に、患者を監視す
る心電図には、12誘導心電計による体表面心電図、ま
たはより心表面に近い部位での心電図としてのカテーテ
ル電極による心内心電図等が用いられている。
【0004】ところが最近になって、例えば冠動脈内に
挿入したガイドワイヤーから導かれる心電図を観察する
ことで、より的確に心筋虚血を評価出来ると期待され、
冠内心電図を測定、モニターする試みが成されている。
これは従来の体表面心電図に比べ、心表面に近い部位で
心電図をとるため、上記するように、例えば虚血変化に
敏感に対応するものと期待されているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記するように心臓の
カテーテル治療が急速に普及し、特に冠動脈狭窄に対す
るバルーンカテーテルを用いて行う経皮的冠状動脈形成
術(PTCA)が心臓治療に多く実施され、また大血管
や抹消血管の拡張術として行われる経皮的血管成形術
(PTA)等の治療にも多く実施されている。しかしな
がら、これらの治療を実施するにあたっては患者の容体
を常に監視することが極めて重要であり、従来から実施
されている通常の体表面心電図の他に心表面心電図とし
て心内心電図を併用することが必須と言われており、場
合によっては血圧監視も併行して実施されているもので
ある。
【0006】そこで従来からこのような治療、検査に用
いられる体表面心電図用に用いられている心電図記録用
電極は、X線透視下に写らないカーボン電極が使用され
ている。これらのカーボン電極は、一般の使い捨て電極
より高価であり、リード線が切れやすく、また絡みやす
く、しばしばノイズが発生しやすく、また皮膚との接触
部で剥がれやすい等の欠点を有している。
【0007】そこで本発明者は、従来のカーボン電極が
かかえる諸問題を解決すべく、鋭意検討した結果、本願
出願人がすでに特願平9ー190307号明細書で提案
した心臓に各種のカテーテルを挿入案内するガイドワイ
ヤーであって、しかも極めて微細であるが捻れ、撓み、
圧縮等の外部応力の影響を受け難い半導体型圧力センサ
付き金属製のガイドワイヤーに着目し、このガイドワイ
ヤーを心内に挿入させて単極電極として用いることによ
って、従来の体表面心電図用電極より、より心表面に近
い部位での心臓の電位変位を取り出せるものと期待し、
本発明に至ったものである。
【0008】従って本発明の目的は、上記圧力センサ付
きガイドワイヤーを単極電極に用いて、心臓内の内部部
位における正確な血圧測定及びモニターも行えて、心表
面に近い心内心電図を測定できる半導体型圧力センサ付
きのガイドワイヤー型心内心電図用電極を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、心臓に
カテーテルを挿入案内する、特に外径が0.26乃至
1.05mmで長さが30乃至250cmの、ガイドワ
イヤー型の心内心電図用電極において、前記ガイドワイ
ヤー型の心内心電図用電極は、金属製、特に白金製のX
線不透過先端部と先端部に近接した開口部に血圧測定用
の圧力センサを装着するセンサ部及び外部の測定機器に
接続される延長部とが相互に固着(又は溶接)され、こ
のワイヤー内腔には、センサ及びX線不透過部と外部機
器とをそれぞれ接続する導電性の微細配線を内在し、且
つ先端の金属製X線不透過部を除くワイヤー外部表面を
樹脂で被覆させて、このX線不透過部を単極電極とす
る、ことを特徴とする圧力センサ付きガイドワイヤー型
心内心電図用電極が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
[圧力センサー付き心内心電図用電極]本発明によるガ
イドワイヤー型心内心電図用電極(以下、単に心内心電
図用電極と記すこともある)は、その本体が、例えば血
管造影用カテーテルや各種心臓のカテーテル治療法に用
いられるカテーテルを心内の血管内に挿入する際に、挿
入を案内するために使用されるガイドワイヤーとしての
機能を有し、その先端部位には心内血圧を測定又はモニ
ターすることができる圧力センサを装着し、しかもこの
ガイドワイヤー型の心内心電図用電極が血圧測定に同期
させて心内心電図を測ることが出来る単極電極として使
用されることを特徴としているものである。
【0011】そこで、図1の具体例を参照してより詳細
に説明すると、本発明による心内心電図用電極は、長さ
が30乃至250cmで、外径が0.26乃至1.05
mmで、相互に溶接されている先端部1、センサ部2及
び延長部3からなる。 (1)先端部1のX線不透過部は、長さ10乃至30m
mで、白金製微細ワイヤーを密に巻いた螺旋形コイル4
から成り、本発明においては、この螺旋形コイル4が白
金電極として作用するものである。しかも下記延長部3
及びセンサ部2を通して延長されたステンレス製コアワ
イヤー3’に錫ー銀系合金で溶接された安全ワイヤーを
内包し、その安全ワイヤーの端と該白金製ワイヤーの一
部端部を含め先端が丸められた錫ー銀系合金のチップに
溶接されている。 (2)センサ部2は、長さ2乃至20mmで、好ましく
は長さ3乃至10mmで、内腔を有するステンレス製の
外套管8で、その外套管に設けた開口部に面した内腔内
に設けられているシリコンチップ5を台座に、半導体型
圧力センサが受圧面を開口部に露出するようにエポキシ
樹脂6でその台座に固定されている。 (3)延長部3は、ステンレス製微細ワイヤが螺旋形に
密に巻かれたコイル9及びステンレス製外套管8から成
る管状ワイヤーであり、体外部で血圧測定用のモニター
装置に連結されている。 (4)このガイドワイヤーの内腔内には、センサの端子
又は先端1のX線不透過の白金コイルにそれぞれ結線さ
れた樹脂被覆された導電性微細配線7又は7´を内在さ
せ、延長部端部のコネクタ端子にそれぞれ結線されてい
る。しかも、 (5)先端部1の白金製のX線不透過部を単極電極とし
て作用させるために、この先端部1を除く該ガイドワイ
ヤーの外部表面が、樹脂10で被覆されている。
【0012】このようなガイドワイヤー型の電極をいわ
ゆるガイドワイヤーとして心内の血管に挿入することに
より、従来から使用されている体表面にカーボン電極を
貼り付ける12誘導電極とか、或いはカテーテル電極と
して心腔内に挿入されるカーボン電極等と同じく心電図
を計測する電極として使用される。
【0013】しかるに、本発明のガイドワイヤー型心内
心電図用電極は、上述するようにガイドワイヤーとして
用いられる極めて微細なワイヤーであることから、心内
の微細な血管内に直接挿入されることから、従来の体表
面に貼り付ける12誘導電極、または心腔内に挿入され
る太いカテーテル電極とは異なり、心臓の微細な血管内
に挿入させて活動部位内での測定ができることを特徴と
することから、得られる心電図は、心表面から心臓に発
生する人間の活動電位の微弱電圧を直接取り出して、心
電計(電圧心電計)で増幅記録させられるものである。
このような電極によって心電計に記録される体内電位
は、数ミリボルト程度の極めて微弱な心臓の活動電位で
あり、これを従来の電極と同様に、数千倍に増幅させて
記録され、この心電計によって得られる心電波形を監視
することができる。しかもガイドワイヤーが電極である
ため、このような微弱な電位を心内の血管内で直接に計
測できることから、すでに前記したような従来のカーボ
ン電極がかかえる諸問題を心配することなく、心電図が
計測され、これは本発明の顕著な特徴である。
【0014】また、本発明によるガイドワイヤー型電極
のように、本体のガイドワイヤーが極めて細い金属製ワ
イヤーを螺旋形に密に巻かれて成る管状ワイヤーから成
っていることから、後述するように、これを血管内へ挿
入するに際しては、極めて操作性に優れ、本電極は心臓
の心表面に極近い部位に電極を挿入させられ、しかも測
定点を安定に監視することができる特徴を有している。
【0015】その優れた操作性とは、例えば、 (1)内腔を有する管状ワイヤーであって、ワイヤー全
体が金属製微細ワイヤーが螺旋形に密に巻かれた管状コ
イルであることから、例えば体外部でその端部を左右に
回転操作させると、その動きがガイドワイヤーの螺旋形
状に沿って容易に血管内のワイヤーに動作され、ガイド
ワイヤーを前進または挿入方向を変化させることができ
るものである。 (2)また極細な管状ワイヤーであり、ガイドワイヤー
の主部材がステンレスであることから、この金属特有の
弾性が生かされて曲がりくねった血管内も捻れることな
く、前進させることができるものである。 (3)しかも、これらの操作はX線透視下に行われるこ
とから、先端部の金属製(特に白金製)のX線不透過部
は、影絵なるマーカ(目印)として利用される。本出願
人は、すでに、前記したように特願平9ー190307
号明細書にこれらの特徴(1)乃至(3)を生かした圧
力センサ付きガイドワイヤーを提案しているものであ
る。 本発明のガイドワイヤー型心内心電図用電極において
も、上記する特徴が生かされることから、電極を目的部
位に安定して挿入できることから、このガイドワイヤー
型電極を体外に延長させて測定モニター及び動静脈圧測
定モニターに接続することにより、従来のカテーテル法
では得られなかった心臓内の直接患部及び治療部位での
正確な血圧測定又は安定した血圧モニターをすることが
でき、しかもその部位での心内電位をこの血圧に同期さ
せて測定することを可能にさせたものである。
【0016】このガイドワイヤー型電極は、その外径が
0.20乃至1.05mmで、好ましくは0.24乃至
1.02mm、より好ましくは0.3乃至1mmである
極めて微細な管状ワイヤーであることも特徴である。そ
の長さは使用する目的により異なるが、一般的には30
乃至250cmのものを適宜に使用され、また必要に応
じて、使用するに際しては体外部に露出する端部に外部
の測定機器と接続するための外径が0.26乃至1.0
2mmで、長さが100乃至200cmのステンレス製
の延長管状ワイヤーを着脱式に接続させ、簡単に延長さ
せて使用するこが出来るものである。
【0017】そこで、上記するように樹脂被覆させてガ
イドワイヤーを単極電極にするために本発明において
は、ガイドワイヤーの先端部の先から30乃至60m
m、好ましくは35乃至50mmの範囲迄のガイドワイ
ヤー外表面を樹脂で被覆せずに、この白金面を裸にして
心内の血管内で電極として作用させるものである。
【0018】従って、本発明による心内心電図用電極
は、カテーテルを挿入案内するガイドワイヤーとしても
使用されるし、血圧測定用の半導体型圧力センサーを装
着し且つ単極電極として機能することから、本発明の主
目的である挿入部位で、必要に応じて血圧測定をも行
い、その心表面に近い部位での心臓内の血管を介して心
腔内電位を体外部の大地を対極として取出し、体外部の
心電計で増幅記録させて心内心電図を得ることができる
ものである(後述する使用例を参照)。
【0019】また本発明にとって重要なことは、心内圧
測定及び心内心電図測定をするに際して、本発明に使用
するガイドワイヤーは、金属製の極めて細い細管である
が、全体がピアノ線形の形状であることから、血管等の
生体内での使用時に起きるような条件下でも、本体ガイ
ドワイヤは捻れ、撓み、屈曲、引っ張り等の外部応力に
対しても変形し難い十分な強度と弾性を有していること
が特徴である。
【0020】その反面金属製であることから可撓性等の
柔軟性に乏しいものと奏されるが、該ガイドワイヤーは
金属特有の弾性を有し、上記するように形状がピアノ線
形で、しかも極めて細い細管であることから、自由にコ
イルのように曲げられ従来のプラスチック製のカテーテ
ルに比べても柔軟性や、可撓性においても遜色なく取り
扱えるものである。
【0021】従って、従来から使用されているプラスチ
ック製のカテーテルで起こりがちな、外部応力又は熱に
よっても容易に引き伸ばされ、取扱い時の不用意でカテ
ーテルが引き伸ばされた時、カテーテル内の導電線が容
易に破断され測定を不可能にすることもあるが、本発明
に使用するガイドワイヤーは、このような温度、引っ張
り等による伸び縮みに関しても殆ど心配なく使用される
ものと言える。
【0022】さらにまた実際に使用する観点から、例え
ば、心臓には、心臓自体に酸素と栄養を与える心臓の栄
養管と言われている冠状動脈があり、大動脈の付け根の
ところから枝分かれして、心臓を表面から包むようにし
て分布している。このような心臓において、最近はバイ
パス手術に代わる虚心症の治療法であるPTCA(経皮
的冠状動脈形成術)等において、バルーン付きカテーテ
ルを使って、狭窄部を拡張させる治療法が施行されてお
り、患者を監視するために、少なくとも血圧及び心電図
等を併行させてモニターすることは必須と言われてい
る。
【0023】本発明者は、既に提案した半導体型圧力セ
ンサを装着させたガイドワイヤーによって、PTCA術
中における狭窄部前後の血圧を正確に測定、モニタする
ことに成功したが、PTCA、PTA術のような治療に
おいては、実施中の血圧監視及び計測は勿論のこと、常
に心電図による監視、計測は不可欠である。
【0024】ところが、従来からこれらの監視、計測を
実施するとなると、12誘導電極による体表面心電図、
カテーテル電極による心腔内心電図、煩雑な水平位置合
わせを必要とするカテーテル法血圧、更には治療用のカ
テーテル等の細管、配線ケーブルが心臓周辺の体表面上
を入り乱れて設置され、又操作、監視されることにな
る。
【0025】従って、本発明による圧力センサ付きガイ
ドワイヤー型の単極電極によって、心腔内に挿入した部
位で血圧をモニターし、これに同期させて、心腔内心電
図を測定できることは、上記した煩雑さを解消させるだ
けでなく、心臓に差し込まれる管の数を減らすことがで
きることから、患者にとっての負担を著しく軽減させら
れ、これは本発明の著しい特徴と言える。
【0026】そこで参考例的に以下に心臓の活動と上記
心電図及び血圧との関係について記述すると、心臓の拡
張期及び収縮期の心拍サイクルに併せて、拡張期には
P、QRSの各波形の心電図が現れ、収縮期にはST部
分及びT波が現れ記録される。
【0027】このような心臓活動の拡張期及び収縮期の
一拍動に対応して血圧が変化し、心臓の主な部位での血
圧値(正常値)は、大動脈圧においては、収縮期圧とし
て90〜130mmHG(拡張期圧;60〜90mmH
G)、肺動脈圧においては、収縮期圧として15〜35
mmHg(拡張期圧;5〜10mmHG)、右室におい
ては、収縮期圧として25mmHg以下(拡張末期圧;
5〜7mmHg)また左室においては、収縮期圧として
80〜120mmHg(拡張末期圧;5〜12mmH
g)であり、これらの心臓活動に対応して血液が体全体
に循環され、またこれらの活動に伴って起こる微弱な活
動電位が心電図として測定されるものである。
【0028】一般に用いられている心電図に現れる波形
の山、谷は左から順にP、Q、R、S、T波と名付けら
れている。P波は心房の興奮を表し(心房の脱分極によ
って生ずる波形)、QRS波は心室の興奮を表し(心室
の脱分極によって生ずる波形)、T波は心室が興奮から
さめる様子(心室の再分極によって生ずる波形)を表し
ているものである。
【0029】特にこの心電図において、ST部分は虚血
に敏感に反応し、STの上昇は急性心筋梗塞、下降は狭
心症の発作時に現れると言われている。一方、収縮期に
大動脈圧の血圧は、最大の圧波形を示す。従ってこの心
電図の波形と血圧波形が同期して測定及びモニターされ
るとしたら、心臓疾患の診断又は治療にとって極めて有
意義であることが理解される。
【0030】この虚血とは、冠動脈の狭窄や閉塞のた
め、組織に必要な血液が十分に供給されなくなり、心臓
病のなかでも頻度が高く、狭心症や心筋梗塞など死亡率
の高い疾患が含まれ、最も重要な心臓疾患である。
【0031】これらの虚血性心疾患として、心筋梗塞、
労作性狭心症、異型狭心症、無痛性心筋虚血、心不全、
不整脈、弁膜症などを挙げることができる。特にこの無
痛性心筋虚血とは、心臓の酸欠状態を示す変化が見られ
るにもかかわらず、本人は無痛で感じない状態、即ち狭
心症が発生しているのに痛み、感受性が低下して全く気
づかない危険な状態といわれているものである。
【0032】従って本発明によって提案された、圧力セ
ンサ付きで且つ心表電位を測定できるガイドワイヤー型
心内電極を心臓内に挿入することで、ガイドワイヤーと
しての役務を果たすことは勿論であるが、挿入部位での
血圧が測定、モニターされ、更に心内心電図をこの血圧
測定に併せて測定、モニターすることができるものであ
る。
【0033】[微細配線及び圧力センサ]本発明による
ガイドワイヤー型心内心電図用電極は、上記したように
ワイヤーの内腔には樹脂で被覆された導電性の微細な配
線が内在し、センサ部の半導体圧力サンサの端子及び電
極である先端部のX線不透過の白金ワイヤーとそれぞれ
結線させて、外部の測定機器に接続されているものであ
る。本発明のガイドワイヤーに装着される半導体型圧力
センサとして、形式がダイヤフラムタイプの静電容量
型、半導体拡散抵抗型、半導体静電容量型、電磁誘導
式、圧電素子型、力平衡型、ストレンゲージ型、薄膜歪
センサ型等が挙げられ、これらを適宜に使用することが
できる。
【0034】そこで、半導体センサ及び心内心電図用電
極に結線されている導電性の微細配線は、通常の極細の
導電線にフッ素樹脂で被覆したマイクロケーブルが好適
に使用されるが、例えば本発明においは通常の導電線の
他に、フレキシブルプリント配線基板を適宜に使用する
ことができる。即ち、ポリエステルフイルム、フッ素樹
脂フイルム、ポリイミドフイルム、ポリエステルフイル
ム、ポリ塩化ビニルフイルム等のフイルムに銅箔、又は
リボン状の銅芯を貼り合わせたフレキシブルプリント配
線材料であり、更にはフレキシブルフラットケーブル、
フレキシブルプリント回路、低損失プリント板等を挙げ
ることができる。
【0035】[使用方法]この本発明によるガイドワイ
ヤ型心内心電図用電極は、血圧又は心内心電図等の測定
をするのに単独で血管内に挿入して使用されるが、ガイ
ドワイヤーとしても各種のカテーテルを目的部位に挿入
させるため、ガイド役として使用される。即ちカテーテ
ルは、先に血管内に挿入されたガイドワイヤーに沿っ
て、ガイドワイヤーを通しながら挿入するものである。
例えば、通常の心臓疾患治療に際して汎用される血管造
影用カテーテルを挿入ガイドするために、先導して併用
されているものである。
【0036】また先端部の白金製のX線不透過部には、
先導して挿入するに際して血管壁を損傷させないため
に、特にソフトな白金製のチップ部材が装着されてい
る。挿入がX線透視下で操作されることから、このX線
不透過部はシャドー(影絵)となって確認され、上記の
カテーテルの挿入を容易にさせるばかりでなく、マーカ
として血圧等の測定部位を明確に監視できることから、
長時間のモニターも容易且つ安定させるものである。
【0037】また本発明による心内心電図用電極は、生
体内部位及び生体外部位を含めて単独でも使用される
が、これに上記したように延長ワイヤを着脱式で接続し
て使用する他に、生体外の延長部材としては目的によっ
ては接続ケーブル或いはイントロデューサー更にはトル
クディバイス等のコネクタ部材を組合わせて使用され
る。
【0038】また目的によっては生体内に長時間にわた
って挿入されていることから、上記したように各種の部
材から構成される心内心電図用電極は、特に生体内に挿
入される部位においては、安全性の面から部材材質の溶
出、毒性、腐食等に特に配慮しなければならない。
【0039】しかるに本発明の心内心電図用電極は、そ
の主材を耐食性の金属、即ち、ステンレス、白金等とす
れば、上記する問題はないが、本発明における樹脂被覆
の目的は、あくまでこのガイドワイヤーを単極電極とし
て機能させるためから、その先端部を除く全外部表面を
樹脂で被覆させているものである。
【0040】[樹脂被覆]ガイドワイヤーを単極電極と
するために、ガイドワイヤー外表面に被覆される樹脂と
して、好ましくはテフロンコーテングしたものを適宜に
組合わせて使用するのがよい。これによって心内心電図
用電極は、上記する安全性の問題を解決させる他に、テ
フロンの特性が生かされて血管への挿入をよりスムーズ
にさせるものである。
【0041】フッ素樹脂を被覆させる方法としては、真
空蒸着法、ホットメルトコーテング、エマルジョン型コ
ーテング、溶液型コーテング等を挙げることができる。
また本発明における被覆材としては、上記のフッ素樹脂
の他に、特に耐薬品性、耐腐食性、絶縁性等を考慮し
て、エポキシ、ポリスチレン、三フッ化エチレン、テト
ラフロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリカーボネートを挙げることができる。
【0042】[用途]本発明によるガイドワイヤー型心
内心電図用電極は、上記したようにそれ自体は、各種の
カテーテルを心臓の目的部位に挿入案内する先導役とし
て使用され、その役務後に挿入部位の血圧を測定すると
同時に、例えば心臓冠動脈の目的部位において、この血
圧測定に同期させてその部位の心表面に近い心内心電図
(又は心電図波形)を血圧と同様に精度よく、しかも長
時間にわたって安定したモニターを可能にさせるもので
ある。
【0043】そこで本発明のガイドワイヤー型心内電極
を使用する症例を挙げると、例えば虚血性心疾患の治療
法の最も有効な治療法として、冠状動脈のバイパス手術
がある。最近はこのバイパス手術に代わって普及してい
る経皮的冠状動脈形成術(PTCA)において、閉塞冠
状動脈にガイドワイヤ型心内電極を通し、これに沿って
バルーン付きカテーテルを閉塞官部に挿入し、バルーン
を膨らませることにより、閉塞部血管を機械的に広げ、
再開通をはかる方法において、素早くその狭窄部の前後
の圧測定に同期させて冠内心電図を計測することに好適
に使用される。
【0044】更にはまた、心臓カテーテル治療法とし
て、動脈、静脈からカテーテルを挿入し、心房、心室内
の圧を測定する際に好適に使用され、また圧の較差より
弁膜症、先天性心疾患がわかることからカテーテルと併
用されて好適に使用される。
【0045】また既に上記したようにPTCA、PTA
等のカテーテル治療の事前の診断として実施されるEP
S等の臨床検査においても、検査中は常に、心電図をモ
ニタリングし、同時に血圧もチェックする必要から体表
面心電図に併せて好適に使用される。
【0046】これらの症例の何れにおいても、本発明の
圧力センサ付きガイドワイヤー型の心内電極を使用する
ことにより、安定した血圧及び心電図波形が得られるば
かりでなく、従来の心臓カテーテル治療法に比べて心臓
に挿入されるカテーテル等の管の数が削減され、又心臓
の体表面上に張りめぐら配線も削減されることから測定
の煩雑さばかりでなく、患者に対する物理的、精神的な
負担を軽減させることができたことは、本発明の大きな
特徴と言える。
【0047】
【実施例】本発明は次の例で、さらに説明する。本発明
に使用される半導体型圧力センサ付きガイドワイヤー型
の心内心電図用電極により血圧及び心表面に近い部位で
の電位を測定し、血圧に同期させて心内心電図を測定す
る方法について以下に説明する。 (1)半導体型圧力センサの作動原理 センサを固定する基盤上のホイートストンブリッジを備
えたピエゾ抵抗圧センサにより圧変化を電気抵抗に変換
させる半導体センサにより、計測した電気抵抗を増幅
し、本体内の大気圧センサによる大気下の電圧抵抗によ
って補正し、電圧に変換することにより、血圧の測定を
行う。すなわち、ホイートストンブリッジ回路に励磁電
圧を供給すると、シリコンメンブレンが血流に接触して
受圧することにより、抵抗が変化する。一方、温度補償
回路に設けている温度抵抗素子で温度のみにより変化を
受け、この両者の抵抗差を電圧に変化し、圧換算する。
【0048】尚本実施例において使用した半導体型圧力
センサ付きガイドワイヤー型電極の性能は以下の通りで
ある。 作動圧測定範囲 :−25〜300mmHg 直線性(0〜200mmHg):±1%以下 周波数特性 :200Hz 時間ゼロ点変化 :5mmHg/h以下 温度ゼロ点変化 :0.2mmHg/℃ 時間感度変化 :3%/h以下 感度 :25μV/mmHg 本ガイドワイヤー型電極を使用するに際して、下記に示
す電気的安全試験を行う。 (1)漏れ電流試験 JIS T1002 12法に準拠して漏れ電流試験とし
て、連続漏れ電流及び患者測定電流の項により、外装漏
れ電流及び患者漏れ電流の性状状態及び単一故障状態を
それぞれ測定する。次いで下記に示す性能試験を行う。 (2)定格出力電圧、 時間ゼロ点変化、時間感度変化 1.JIS T1116の臨床用観血式血圧計の定格出
力電圧及び出力感度の項に準拠して、圧センサ付きガイ
ドワイヤーを本体に接続し、端子の出力電圧が定格内で
あることを確認する。次いで、校正信号の適合性を確認
し、圧センサ付きガイドワイヤー型電極にー25〜30
0mmHgの範囲の負荷圧力にたいして、測定圧がそれ
ぞれ負荷圧値の±1%以内の表示精度であることを確認
する。 2.時間ゼロ点変化 次いで、出力端子の出力電圧の0ボルトを調整した後、
1時間経過後の出力電圧変化が、5mmHg/h未満で
あることを確認する。 3.次いで同様にして、100mmHgに相当する出力
電圧変化が1時間後に3%/h未満であることを確認す
る。 (3)曲げ試験 本発明で使用する外径0.36mmで長さが180cm
のガイドワイヤーを径が50mmの棒の周りに巻き付け
て手を離した時の元通りに復元するかどうかで曲げ強度
を検討する。尚、本発明で使用したガイドワイヤー型電
極は、何れも異状がなく適合するものであった。
【0049】(使用例1)冠状動脈狭窄部の症例におい
て、圧センサが半導体型である本発明による圧センサ付
きガイドワイヤ型心内心電図用電極(以下、本電極とい
う)を使用して、血管が狭窄している部位に本電極をガ
イドにバルーンカテーテルを挿入させて血管が狭窄して
いる部位をPTCAバルーン拡張させ、その処置の前後
における狭窄部直前部位の血圧測定を行ない、その結果
を図2に示した。図中(A)のPG波形が、本電極によ
る狭窄部のバルーン拡張する術前の圧波形で、図中
(B)のPG波形が、バルーン拡張術後の圧波形を表し
ている。
【0050】(使用例2)使用例1で示したPTCAバ
ルーン拡張前の血圧波形図2の(A)を計測した時点の
本電極で併せて心電図を計測し、図3に示した。図中の
は従来の体表面に貼り付ける12誘導電極による電
極配置(V)に相当する心電図であり、図中のD
本発明の電極によるその時点の、心内心電図である。
【0051】(使用例3)使用例1で示したPTCAバ
ルーン拡張後の血圧波形図2の(B)を計測した時点の
本電極で併せて心電図を計測し、図4に示した。図中の
は従来の体表面に貼り付ける12誘導電極による電
極配置(V)に相当する心電図であり、図中のD
本発明の電極によるその時点の、心内心電図である。
【0052】以上の使用例1乃至3から明らかなよう
に、PTCAバルーン拡張後に血流が正常になった後の
本電極による心電図波形には、従来の体表面心電図では
現れなかった変化が示されている。即ち、本発明による
圧センサー付きガイドワイヤー型心内心電図用電極によ
り、心内での血圧に同期させて心内で心表面の心電図を
計測することができた。
【0053】
【発明の効果】本発明による金属製の圧力センサ付きガ
イドワイヤー型心内心電図用電極によって、EPS等の
臨床検査、PTA(経皮的血管成形術)、PTCA(経
皮的冠状動脈形成術)等のカテーテル治療において、本
電極はガイドワイヤーとしての役務を果たすと同時に、
これらの検査、治療時に必須とされていた心内の挿入部
位での血圧測定に同期させて心表面に近い心内部位での
心電図を測定することができ、またそれに用いられる半
導体型圧力センサ付きのガイドワイヤー型心内心電図用
電極を提供することができた。即ち、本発明のガイドワ
イヤー型心内心電図用電極によって、従来の体表面心電
図では検出できなかった心電図波形が得られ、心電図に
基づくより精密な検査、手術、治療等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力センサ付きガイドワイヤー型心内
心電図用電極の概念図を表す。
【図2】本発明の圧力センサ付きガイドワイヤー型心内
心電図用電極によるPTCA術前後の狭窄部手前の圧波
形を表す。(A)は術前、(B)は術後、の圧波形であ
る。
【図3】本発明の圧力センサ付きガイドワイヤー型心内
心電図用電極によるPTCA術前の狭窄部手前の心電図
波形(D)を表す。波形Cは、比較のための、従来
の体表面に貼り付ける12誘導電極による電極配置(V
)に相当する心電図である。
【図4】本発明の圧力センサ付きガイドワイヤー型心内
心電図用電極によるPTCA術後の狭窄部手前の心電図
波形(D)を表す。波形Cは、比較のための、従来
の体表面に貼り付ける12誘導電極による電極配置(V
)に相当する心電図である。
【符号の説明】
1 先端部(X線不透過) 2 センサ部 3 延長部 4 白金製螺旋形管状ワイヤー 5 シリコンチップ 6 シリコン樹脂 7、7´微細配線 8 ステンレス製外套管 9 ステンレス製螺旋形管状ワイヤー 10 被覆樹脂

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心臓にカテーテルを挿入案内するガイド
    ワイヤー型の心内心電図用電極において、 前記ガイドワイヤー型の心内心電図用電極は、金属製の
    X線不透過先端部と先端部に近接した開口部に血圧測定
    用の圧力センサを装着するセンサ部及び外部の測定機器
    に接続される延長部とが相互に固着され、 このワイヤー内腔には、センサ及びX線不透過部と外部
    機器とをそれぞれ接続する導電性の微細配線を内在し、
    且つ先端のX線不透過部を除くワイヤー外部表面を樹脂
    で被覆させて、このX線不透過部を単極電極とする、 ことを特徴とする圧力センサ付きガイドワイヤー型心内
    心電図用電極。
  2. 【請求項2】 ガイドワイヤー型心内心電図用電極にお
    いて、 (1)先端部は、金属製微細ワイヤーを密に巻かれて成
    る螺旋形管状コイルであって、延長部及びセンサ部を通
    して延ばされたステンレス製コアワイヤーに錫ー銀系合
    金で溶接されたステンレス製の安全ワイヤーを内包し、
    その安全ワイヤーの端が先端が丸められた錫ー銀系合金
    のチップに溶接され、 (2)センサ部は、内腔を有するステンレス製の外套管
    で、その開口部に面した内腔内にシリコンチップの台座
    に、半導体型圧力センサが受圧面を露出するようにその
    台座に樹脂で固定され、 (3)延長部は、ステンレス製ワイヤが螺旋形に密に巻
    かれた管状コイル及びステンレス製外套管から成り、そ
    の端部にコネクターを設け、および (4)ガイドワイヤーの内腔内には、センサの端子及び
    先端の金属製コイルにそれぞれ結線された樹脂被覆され
    た導電性の微細配線を内在し、且つ延長部端の上記コネ
    クタに結線され、ていることを特徴とする請求項1記載
    のガイドワイヤー型心内心電図用電極。
  3. 【請求項3】 被覆樹脂がテフロン樹脂であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のガイドワイヤー型心内心
    電図用電極。
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