JPH1177065A - アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法 - Google Patents
アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法Info
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- JPH1177065A JPH1177065A JP24307497A JP24307497A JPH1177065A JP H1177065 A JPH1177065 A JP H1177065A JP 24307497 A JP24307497 A JP 24307497A JP 24307497 A JP24307497 A JP 24307497A JP H1177065 A JPH1177065 A JP H1177065A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム材の化成処理の際等に発生する
アジピン酸アンモニウムを含む廃液より効率的にアジピ
ン酸イオンおよびアンモニウムイオンを除去し、安全な
排水とし、しかもアジピン酸を高純度で回収できる方法
を提供する。 【解決手段】 アジピン酸アンモニウムを含む廃液を消
石灰等のカルシウム源を添加すると共に弱アルカリ性に
し且つ加温してアジピン酸カルシウムの晶析と脱アンモ
ニアを同時に行うとともに、晶析アジピン酸カルシウム
の濃密スラリーに硫酸又は塩酸を添加することにより、
簡単かつ容易に廃水中の有機化合物(COD)およびア
ンモニア生窒素を減少させることができる。更にアジピ
ン酸を高純度で回収できる。
アジピン酸アンモニウムを含む廃液より効率的にアジピ
ン酸イオンおよびアンモニウムイオンを除去し、安全な
排水とし、しかもアジピン酸を高純度で回収できる方法
を提供する。 【解決手段】 アジピン酸アンモニウムを含む廃液を消
石灰等のカルシウム源を添加すると共に弱アルカリ性に
し且つ加温してアジピン酸カルシウムの晶析と脱アンモ
ニアを同時に行うとともに、晶析アジピン酸カルシウム
の濃密スラリーに硫酸又は塩酸を添加することにより、
簡単かつ容易に廃水中の有機化合物(COD)およびア
ンモニア生窒素を減少させることができる。更にアジピ
ン酸を高純度で回収できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電解コンデ
ンサ用アルミニウム電極箔の製造法における化成処理等
の際に発生するアジピン酸アンモニウムを含む廃液を処
理する方法に関する。
ンサ用アルミニウム電極箔の製造法における化成処理等
の際に発生するアジピン酸アンモニウムを含む廃液を処
理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アジピン酸廃液の処理方法として
は、特開平1−224092号公報、特開昭54−11
5314号公報および特開昭51−32513号公報等
に記載された方法が挙げられる。これらは、いずれもア
ジピン酸廃液を酸性状態で無機塩を添加したり、あるい
は濃縮してアジピン酸を晶析させるというものである
が、それらの方法自体、アジピン酸の回収率がまだ十分
と言えず、更なる改善が望まれていた。更に、特に溶解
度の高い成分から成るアジピン酸アンモニウムを含む廃
液の有効な処理については全く考慮されていなかった。
は、特開平1−224092号公報、特開昭54−11
5314号公報および特開昭51−32513号公報等
に記載された方法が挙げられる。これらは、いずれもア
ジピン酸廃液を酸性状態で無機塩を添加したり、あるい
は濃縮してアジピン酸を晶析させるというものである
が、それらの方法自体、アジピン酸の回収率がまだ十分
と言えず、更なる改善が望まれていた。更に、特に溶解
度の高い成分から成るアジピン酸アンモニウムを含む廃
液の有効な処理については全く考慮されていなかった。
【0003】次に、電解コンデンサ用アルミニウム電極
箔の製造法における化成処理からアジピン酸アンモニウ
ムを含む廃液が発生することについて詳しく説明する。
小型大容量を特徴とするアルミニウム系電解コンデンサ
では、アルミニウム箔にいわゆるエッチング処理をして
有効表面積を増加させた後、化成処理して表面に絶縁性
酸化アルミニウム皮膜を形成する。この化成処理には、
往時、ホウ酸塩系電解液(化成液)が用いられていた
が、耐電圧、誘電率、絶縁性等の特性向上のためアジピ
ン酸アンモニウム化成浴が提唱された(独公開特許19
36267号、特開昭49−81240号公報等)。更
にそれとリン酸系浴による化成処理との併用により、よ
り高性能の電極箔が得られるため(特開昭52−923
60号)、現在では世界的にアジピン酸アンモニウム化
成浴およびリン酸化成浴による二段化成処理がひろく行
われている。
箔の製造法における化成処理からアジピン酸アンモニウ
ムを含む廃液が発生することについて詳しく説明する。
小型大容量を特徴とするアルミニウム系電解コンデンサ
では、アルミニウム箔にいわゆるエッチング処理をして
有効表面積を増加させた後、化成処理して表面に絶縁性
酸化アルミニウム皮膜を形成する。この化成処理には、
往時、ホウ酸塩系電解液(化成液)が用いられていた
が、耐電圧、誘電率、絶縁性等の特性向上のためアジピ
ン酸アンモニウム化成浴が提唱された(独公開特許19
36267号、特開昭49−81240号公報等)。更
にそれとリン酸系浴による化成処理との併用により、よ
り高性能の電極箔が得られるため(特開昭52−923
60号)、現在では世界的にアジピン酸アンモニウム化
成浴およびリン酸化成浴による二段化成処理がひろく行
われている。
【0004】これら化成処理において、電気化学反応生
成物やアルミニウム材の溶解等により化成浴中に不純物
が蓄積し、そのまま化成処理を継続するとアルミニウム
電極箔の物理的および電気化学的性能を低下させるの
で、アルミニウム材を所定量化成処理した後、新規化成
浴に換えて該化成処理を行っている。そして老化化成浴
は廃液となる。すなわち、この化成処理からアジピン酸
アンモニウムを含む廃液が発生する。更に、この化成処
理からリン酸系廃液も発生する。また、表面保護のた
め、給電は通常湿式で行われているが、この給電装置か
らも同様な理由で中濃度のアジピン酸アンモニウムを含
む廃液が発生する。
成物やアルミニウム材の溶解等により化成浴中に不純物
が蓄積し、そのまま化成処理を継続するとアルミニウム
電極箔の物理的および電気化学的性能を低下させるの
で、アルミニウム材を所定量化成処理した後、新規化成
浴に換えて該化成処理を行っている。そして老化化成浴
は廃液となる。すなわち、この化成処理からアジピン酸
アンモニウムを含む廃液が発生する。更に、この化成処
理からリン酸系廃液も発生する。また、表面保護のた
め、給電は通常湿式で行われているが、この給電装置か
らも同様な理由で中濃度のアジピン酸アンモニウムを含
む廃液が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記廃液の内、リン酸
系廃液については、一般的によく知られているカルシウ
ム化合物(水酸化カルシウム等)の添加により、リン酸
カルシウムとして不溶化し、該リン酸カルシウムを固液
分離して回収し、有用資源として利用すると共に、安全
な排水とする方法がひろく行われている。
系廃液については、一般的によく知られているカルシウ
ム化合物(水酸化カルシウム等)の添加により、リン酸
カルシウムとして不溶化し、該リン酸カルシウムを固液
分離して回収し、有用資源として利用すると共に、安全
な排水とする方法がひろく行われている。
【0006】しかしながら、アジピン酸アンモニウムを
含む廃液については、水溶解度の大きい有機酸成分とア
ンモニア成分から成るため、前記従来の特開平1−22
4092号公報などに開示されたアジピン酸処理方法
は、有効には適用できなかった。 また、化学的方法と
して、アンモニウム塩廃液を水酸化ナトリウムを用いて
アルカリ性とし、加温してアンモニアガスを分離する方
法や鉱酸による酸性下で有機酸を分離する方法も知られ
ているが、アジピン酸アンモニウムを含む廃液ではアン
モニア除去後のアジピン酸の分離が容易には行われない
という問題がある。すなわち、アジピン酸は有機酸の中
では中程度の溶解度を有し、常温ではPHを2程度に下
げても、なお20〜30g/l溶存し(COD 3000〜4
000ppm)、また、通常の工業的冷却では数g/lまで溶
解度を下げるのは容易ではない。従って、この化学的方
法では、晶析アジピン酸分離後の残りの母液中のアジピ
ン酸残存量が多く、そのまま排水として放流することは
できず、その大部分を再び濃縮してアジピン酸濃度を上
げ、未処理廃液に合流させて循環処理することが必要と
なる。
含む廃液については、水溶解度の大きい有機酸成分とア
ンモニア成分から成るため、前記従来の特開平1−22
4092号公報などに開示されたアジピン酸処理方法
は、有効には適用できなかった。 また、化学的方法と
して、アンモニウム塩廃液を水酸化ナトリウムを用いて
アルカリ性とし、加温してアンモニアガスを分離する方
法や鉱酸による酸性下で有機酸を分離する方法も知られ
ているが、アジピン酸アンモニウムを含む廃液ではアン
モニア除去後のアジピン酸の分離が容易には行われない
という問題がある。すなわち、アジピン酸は有機酸の中
では中程度の溶解度を有し、常温ではPHを2程度に下
げても、なお20〜30g/l溶存し(COD 3000〜4
000ppm)、また、通常の工業的冷却では数g/lまで溶
解度を下げるのは容易ではない。従って、この化学的方
法では、晶析アジピン酸分離後の残りの母液中のアジピ
ン酸残存量が多く、そのまま排水として放流することは
できず、その大部分を再び濃縮してアジピン酸濃度を上
げ、未処理廃液に合流させて循環処理することが必要と
なる。
【0007】しかしながら、水酸化ナトリウムや鉱酸を
添加することにより塩が生成するため、前記循環処理に
より、その塩濃度は加速度的に増加し、時にはアジピン
酸以上の濃度となる。そのため、上記処理工程において
アジピン酸の晶析時に一緒に他の塩も晶析し、有用資源
化しにくい問題があった。
添加することにより塩が生成するため、前記循環処理に
より、その塩濃度は加速度的に増加し、時にはアジピン
酸以上の濃度となる。そのため、上記処理工程において
アジピン酸の晶析時に一緒に他の塩も晶析し、有用資源
化しにくい問題があった。
【0008】上記の如く、アジピン酸アンモニウムを含
む廃液の処理には、決定的な方法はなく、微生物処理
法、イオン交換法等の部分的処理と、多量の水による希
釈により環境の問題を避けているのが実状である。しか
も、微生物処理法では予めアンモニアを除去しなければ
ならないため、膨大な曝気設備が必要になると共に、汚
泥処理等の問題がある。またイオン交換樹脂によりアン
モニアの分離とアジピン酸の分離を行っても、その溶離
液及び再生液の処理ための二次的問題が発生し、その経
済的負担は容易ではない。
む廃液の処理には、決定的な方法はなく、微生物処理
法、イオン交換法等の部分的処理と、多量の水による希
釈により環境の問題を避けているのが実状である。しか
も、微生物処理法では予めアンモニアを除去しなければ
ならないため、膨大な曝気設備が必要になると共に、汚
泥処理等の問題がある。またイオン交換樹脂によりアン
モニアの分離とアジピン酸の分離を行っても、その溶離
液及び再生液の処理ための二次的問題が発生し、その経
済的負担は容易ではない。
【0009】本発明の課題は、水溶解度の大きい成分か
ら成るアジピン酸アンモニウムを含む廃液からアジピン
酸成分とアンモニア成分をほとんど回収できる効果的な
処理方法を提供することにある。更に高純度でアジピン
酸を回収できる処理方法を提供することにある。
ら成るアジピン酸アンモニウムを含む廃液からアジピン
酸成分とアンモニア成分をほとんど回収できる効果的な
処理方法を提供することにある。更に高純度でアジピン
酸を回収できる処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アジピン
酸アンモニウムを含む廃液を効果的に処理する方法につ
いて鋭意研究した結果、代表的には水酸化カルシウムを
用い、単純なプロセスでアジピン酸アンモニウムを含む
廃液を処理し、アジピン酸成分及びアンモニア成分を効
果的に除去し、また有用資源化できる方法を見出した。
酸アンモニウムを含む廃液を効果的に処理する方法につ
いて鋭意研究した結果、代表的には水酸化カルシウムを
用い、単純なプロセスでアジピン酸アンモニウムを含む
廃液を処理し、アジピン酸成分及びアンモニア成分を効
果的に除去し、また有用資源化できる方法を見出した。
【0011】すなわち本願発明に係るアジピン酸アンモ
ニウム廃液の処理方法は、アジピン酸アンモニウムを含
む廃液に前記アジピン酸アンモニウムと反応してアジピ
ン酸カルシウムを生成するカルシウム源を添加すると共
に弱アルカリ性とし且つ加温し、発生するアンモニアガ
スをその反応液外に分離し、反応液中に晶析したアジピ
ン酸カルシウムを含む廃液を沈降処理し、その上澄液を
分離した残りの濃密部(通常アジピン酸アンモニウム廃
液濃縮液の2〜3倍のアジピン酸濃度をもつ)に硫酸を
添加し、生成した硫酸カルシウムを固液分離して回収し
た後、残りの溶液を冷却してアジピン酸を晶析せしめ、
これを固液分離してアジピン酸を回収することを特徴と
するものである。この発明によれば、アジピン酸アンモ
ニウムを含む廃液は、水溶解度の比較的大きい有機酸塩
であり固液分離が困難であるが、該廃液に前記カルシウ
ム源を添加すると共に弱アルカリ性にし且つ加温するこ
とにより、該カルシウム源添加後の該廃液中に相対的に
溶解度が小さく且つ温度上昇による溶解度変化が負であ
るアジピン酸カルシウムを晶析させることができる。同
時に、カルシウム源添加後の廃液は弱アルカリ性で且つ
加温されているためアンモニアは容易にガス状となって
該廃液外に高率で分離される。そして、該廃液を沈降処
理して上澄液を分離した残りの晶析アジピン酸カルシウ
ムの濃密部(濃縮スラリー)に硫酸を添加して弱酸性に
することにより、アジピン酸カルシウムは複分解反応に
より溶解度の小さい硫酸カルシウムと溶存状態の遊離ア
ジピン酸となるので、沈殿した硫酸カルシウムを固液分
離することによりアジピン酸溶液が残る。この溶液を冷
却するとアジピン酸は容易に晶析するので、これにより
高純度のアジピン酸を廃液中より高率で分離回収するこ
とができる。本願請求項2記載発明は、請求項1記載発
明において、前記硫酸カルシウムの固液分離を前記溶液
の温度を60℃以上に維持して行うことを特徴とするも
のである。この温度に維持することにより、アジピン酸
はほぼ溶存状態にあるため、沈降した硫酸カルシウムを
固液分離することで、アジピン酸と硫酸カルシウムとを
ほぼ完全に分離することができる。
ニウム廃液の処理方法は、アジピン酸アンモニウムを含
む廃液に前記アジピン酸アンモニウムと反応してアジピ
ン酸カルシウムを生成するカルシウム源を添加すると共
に弱アルカリ性とし且つ加温し、発生するアンモニアガ
スをその反応液外に分離し、反応液中に晶析したアジピ
ン酸カルシウムを含む廃液を沈降処理し、その上澄液を
分離した残りの濃密部(通常アジピン酸アンモニウム廃
液濃縮液の2〜3倍のアジピン酸濃度をもつ)に硫酸を
添加し、生成した硫酸カルシウムを固液分離して回収し
た後、残りの溶液を冷却してアジピン酸を晶析せしめ、
これを固液分離してアジピン酸を回収することを特徴と
するものである。この発明によれば、アジピン酸アンモ
ニウムを含む廃液は、水溶解度の比較的大きい有機酸塩
であり固液分離が困難であるが、該廃液に前記カルシウ
ム源を添加すると共に弱アルカリ性にし且つ加温するこ
とにより、該カルシウム源添加後の該廃液中に相対的に
溶解度が小さく且つ温度上昇による溶解度変化が負であ
るアジピン酸カルシウムを晶析させることができる。同
時に、カルシウム源添加後の廃液は弱アルカリ性で且つ
加温されているためアンモニアは容易にガス状となって
該廃液外に高率で分離される。そして、該廃液を沈降処
理して上澄液を分離した残りの晶析アジピン酸カルシウ
ムの濃密部(濃縮スラリー)に硫酸を添加して弱酸性に
することにより、アジピン酸カルシウムは複分解反応に
より溶解度の小さい硫酸カルシウムと溶存状態の遊離ア
ジピン酸となるので、沈殿した硫酸カルシウムを固液分
離することによりアジピン酸溶液が残る。この溶液を冷
却するとアジピン酸は容易に晶析するので、これにより
高純度のアジピン酸を廃液中より高率で分離回収するこ
とができる。本願請求項2記載発明は、請求項1記載発
明において、前記硫酸カルシウムの固液分離を前記溶液
の温度を60℃以上に維持して行うことを特徴とするも
のである。この温度に維持することにより、アジピン酸
はほぼ溶存状態にあるため、沈降した硫酸カルシウムを
固液分離することで、アジピン酸と硫酸カルシウムとを
ほぼ完全に分離することができる。
【0012】本願請求項3記載発明は、請求項1記載発
明の硫酸に代えて塩酸を添加して前記晶析アジピン酸カ
ルシウムを溶解し、その溶液を冷却してアジピン酸を晶
析せしめ、これを固液分離してアジピン酸を回収するこ
とを特徴とするものである。これにより、請求項1記載
発明と同様の作用効果が得られる。
明の硫酸に代えて塩酸を添加して前記晶析アジピン酸カ
ルシウムを溶解し、その溶液を冷却してアジピン酸を晶
析せしめ、これを固液分離してアジピン酸を回収するこ
とを特徴とするものである。これにより、請求項1記載
発明と同様の作用効果が得られる。
【0013】本願請求項4記載発明は、請求項1〜3記
載のいずれかの発明において、前記上澄液を上流に返送
し、未処理の前記アジピン酸アンモニウム廃液に合流せ
しめて循環処理することを特徴とするものである。この
発明によれば、処理廃水の上澄液がそのまま排水されず
に未処理の前記廃液と一緒に循環処理されるため、アジ
ピン酸イオンの分離回収率を更に高めることができる。
更に、前記上澄液には無用な塩はごく僅かしか含まれて
いないので、前処理として廃液を濃縮する場合に経済的
な逆浸透処理法(以下、RO処理法という。)で行うこ
とが可能である。上澄液単独では濃縮処理中ただちにア
ジピン酸カルシウムが晶出して操業困難と成るので、本
発明では特に未処理のアジピン酸アンモニウム廃液に合
流させてアジピン酸カルシウムの割合を相対的に下げ、
その溶解度以内に保ちつつ、合流液を処理に適当な濃度
まで濃縮することがポイントの一つとなっている。
載のいずれかの発明において、前記上澄液を上流に返送
し、未処理の前記アジピン酸アンモニウム廃液に合流せ
しめて循環処理することを特徴とするものである。この
発明によれば、処理廃水の上澄液がそのまま排水されず
に未処理の前記廃液と一緒に循環処理されるため、アジ
ピン酸イオンの分離回収率を更に高めることができる。
更に、前記上澄液には無用な塩はごく僅かしか含まれて
いないので、前処理として廃液を濃縮する場合に経済的
な逆浸透処理法(以下、RO処理法という。)で行うこ
とが可能である。上澄液単独では濃縮処理中ただちにア
ジピン酸カルシウムが晶出して操業困難と成るので、本
発明では特に未処理のアジピン酸アンモニウム廃液に合
流させてアジピン酸カルシウムの割合を相対的に下げ、
その溶解度以内に保ちつつ、合流液を処理に適当な濃度
まで濃縮することがポイントの一つとなっている。
【0014】本願請求項5記載発明は、請求項1〜4記
載のいずれかの発明において、前記カルシウム源は、水
酸化カルシウムであることを特徴とするものである。水
酸化カルシウムは、それ自体で前記カルシウム源とアル
カリ化剤の両方の働きをするため、カルシウム源とアル
カリ化剤に別々の薬剤を用いる場合に比して、1種類の
添加剤で済ませることができる。また、その添加量の制
御や管理が容易である。更に水酸化カルシウムは入手お
よび取り扱いが容易であるため、経済的である。
載のいずれかの発明において、前記カルシウム源は、水
酸化カルシウムであることを特徴とするものである。水
酸化カルシウムは、それ自体で前記カルシウム源とアル
カリ化剤の両方の働きをするため、カルシウム源とアル
カリ化剤に別々の薬剤を用いる場合に比して、1種類の
添加剤で済ませることができる。また、その添加量の制
御や管理が容易である。更に水酸化カルシウムは入手お
よび取り扱いが容易であるため、経済的である。
【0015】本願請求項6記載発明は、請求項1〜5記
載のいずれかの発明において、アジピン酸アンモニウム
を含む廃液は、カルシウム源を添加する前にアジピン酸
アンモニウムを濃縮処理することを特徴とするものであ
る。この発明によれば、前記濃縮処理によりアジピン酸
カルシウムの晶析率が高まり、該アジピン酸カルシウム
を一層高回収率で分離回収することができる。
載のいずれかの発明において、アジピン酸アンモニウム
を含む廃液は、カルシウム源を添加する前にアジピン酸
アンモニウムを濃縮処理することを特徴とするものであ
る。この発明によれば、前記濃縮処理によりアジピン酸
カルシウムの晶析率が高まり、該アジピン酸カルシウム
を一層高回収率で分離回収することができる。
【0016】本願請求項7記載発明は、請求項6記載発
明において、アジピン酸アンモニウムを60g/l以上
に濃縮処理することを特徴とするものである。この程度
に濃縮すれば、確実且つ容易に高い回収率での分離回収
が可能になる。
明において、アジピン酸アンモニウムを60g/l以上
に濃縮処理することを特徴とするものである。この程度
に濃縮すれば、確実且つ容易に高い回収率での分離回収
が可能になる。
【0017】本願請求項8記載発明は、請求項1〜7記
載のいずれかの発明において、前記アンモニアガスの分
離とアジピン酸カルシウムの晶析を70℃〜100℃の
温度範囲で行うことを特徴とするものである。アジピン
酸カルシウムは温度上昇による溶解度変化が負である性
質を有するため、前記晶析を70℃〜100℃の温度範
囲で行うことにより、晶析率を高く維持することができ
ると共に、晶析後の再溶解を防止できる。尚、この温度
に保持しておく時間を1〜5時間程度にすればほぼ大部
分のアジピン酸カルシウムが晶析する。
載のいずれかの発明において、前記アンモニアガスの分
離とアジピン酸カルシウムの晶析を70℃〜100℃の
温度範囲で行うことを特徴とするものである。アジピン
酸カルシウムは温度上昇による溶解度変化が負である性
質を有するため、前記晶析を70℃〜100℃の温度範
囲で行うことにより、晶析率を高く維持することができ
ると共に、晶析後の再溶解を防止できる。尚、この温度
に保持しておく時間を1〜5時間程度にすればほぼ大部
分のアジピン酸カルシウムが晶析する。
【0018】本願請求項9記載発明は、請求項1〜8記
載のいずれかの発明において、前記硫酸又は塩酸の添加
により溶液のPHを4以下にすることを特徴とするもの
である。これにより、アジピン酸カルシウムの分解反応
をほぼ完結させることができる。
載のいずれかの発明において、前記硫酸又は塩酸の添加
により溶液のPHを4以下にすることを特徴とするもの
である。これにより、アジピン酸カルシウムの分解反応
をほぼ完結させることができる。
【0019】本願請求項10記載発明は、請求項1〜9
記載のいずれかの発明において、アジピン酸の晶析及び
回収は、その溶液を5〜20℃に冷却して行うことを特
徴とするものである。アジピン酸の溶解度は20℃で略
15g/lなので20℃以下に冷却すれば、大部分のア
ジピン酸を白色結晶として回収できる。また低温ほど回
収効率は良くなるが、過度の冷却は冷凍設備の負担が大
きく、また局部的晶析による操業上の不都合が生ずるの
で、総合排水量にもよるが、実用上は5℃以上、特に1
0℃前後が適当である。
記載のいずれかの発明において、アジピン酸の晶析及び
回収は、その溶液を5〜20℃に冷却して行うことを特
徴とするものである。アジピン酸の溶解度は20℃で略
15g/lなので20℃以下に冷却すれば、大部分のア
ジピン酸を白色結晶として回収できる。また低温ほど回
収効率は良くなるが、過度の冷却は冷凍設備の負担が大
きく、また局部的晶析による操業上の不都合が生ずるの
で、総合排水量にもよるが、実用上は5℃以上、特に1
0℃前後が適当である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において処理の対象となる
廃液は、各種発生源からのアジピン酸アンモニウムを含
む廃液全般であるが、以下、電解コンデンサ用アルミニ
ウム電極箔の製造工程で発生するアジピン酸アンモニウ
ムを含む廃液を例にして説明する。この化成処理で発生
するアジピン酸アンモニウムを含む廃液の内、そのまま
一括して排水系に流し得る例えばCOD10ppm以下
の仕上げ洗浄液等の希薄廃液(通常COD4ppm以
下)を除き、高濃度の老化化成浴および化成工程の給電
槽等の付帯設備からの廃液や中間洗浄液等の中程度の濃
度の廃液を処理する。通常、主化成液としてはアジピン
酸アンモニウム20〜130g/l、特に50〜110
g/lの濃度のものがひろく用いられており、付帯設備
や中間洗浄液からは6〜15g/lの濃度の廃液が発生
する。
廃液は、各種発生源からのアジピン酸アンモニウムを含
む廃液全般であるが、以下、電解コンデンサ用アルミニ
ウム電極箔の製造工程で発生するアジピン酸アンモニウ
ムを含む廃液を例にして説明する。この化成処理で発生
するアジピン酸アンモニウムを含む廃液の内、そのまま
一括して排水系に流し得る例えばCOD10ppm以下
の仕上げ洗浄液等の希薄廃液(通常COD4ppm以
下)を除き、高濃度の老化化成浴および化成工程の給電
槽等の付帯設備からの廃液や中間洗浄液等の中程度の濃
度の廃液を処理する。通常、主化成液としてはアジピン
酸アンモニウム20〜130g/l、特に50〜110
g/lの濃度のものがひろく用いられており、付帯設備
や中間洗浄液からは6〜15g/lの濃度の廃液が発生
する。
【0021】本発明では、数百g/lの溶解度をもつア
ジピン酸アンモニウムを相対的に低い溶解度を有するア
ジピン酸カルシウムとして効率的に晶析せしめてアジピ
ン酸イオンを廃液中から除去するには、濃厚なアジピン
酸アンモニウム廃液であることが望ましい。特にアジピ
ン酸アンモニウムが60g/l以上好ましくは80g/
l以上であれば、確実且つ容易に高い回収率での分離回
収が可能になる。濃縮方法は公知のいずれの方法でもよ
いが、本発明ではRO処理法を主眼としている。RO処
理法によれば容易にアジピン酸アンモニウムを約110
g/l程度まで濃縮可能である。ただし、RO処理法は
溶質総量の影響を受けるので、アジピン酸塩以外の塩類
は可及的に少ないことが望ましい。本発明では後述する
ように水酸化ナトリウム等の添加による余計な塩類の増
加がないので、RO処理法による濃縮を有効に利用でき
る。
ジピン酸アンモニウムを相対的に低い溶解度を有するア
ジピン酸カルシウムとして効率的に晶析せしめてアジピ
ン酸イオンを廃液中から除去するには、濃厚なアジピン
酸アンモニウム廃液であることが望ましい。特にアジピ
ン酸アンモニウムが60g/l以上好ましくは80g/
l以上であれば、確実且つ容易に高い回収率での分離回
収が可能になる。濃縮方法は公知のいずれの方法でもよ
いが、本発明ではRO処理法を主眼としている。RO処
理法によれば容易にアジピン酸アンモニウムを約110
g/l程度まで濃縮可能である。ただし、RO処理法は
溶質総量の影響を受けるので、アジピン酸塩以外の塩類
は可及的に少ないことが望ましい。本発明では後述する
ように水酸化ナトリウム等の添加による余計な塩類の増
加がないので、RO処理法による濃縮を有効に利用でき
る。
【0022】カルシウム源は、弱アルカリ性下でアジピ
ン酸カルシウムを晶析し得るものであれば、特定のもの
に限定されないが、水酸化カルシウムは、それ自体で前
記カルシウム源とアルカリ化剤の両方の働きをするた
め、2つの役割を1種類の添加剤で済ませることができ
る。また、その添加量の制御や管理が容易である。更
に、通常の工業用水酸化カルシウムを使用できるので安
価である。そして水酸化カルシウムを前記廃液中に均一
に分散添加し、反応を効率よく行わせるために予め石灰
乳として添加することが好ましい。石灰乳濃度は大なる
ほど液相の量が少なくなり、アジピン酸カルシウムの回
収率が上がるので望ましい。しかしこの濃度が過大にな
ると、連続使用中、供給用配管の閉塞を引き起こし易い
ので、30重量%以下、実用上10〜15重量%が適当
である。
ン酸カルシウムを晶析し得るものであれば、特定のもの
に限定されないが、水酸化カルシウムは、それ自体で前
記カルシウム源とアルカリ化剤の両方の働きをするた
め、2つの役割を1種類の添加剤で済ませることができ
る。また、その添加量の制御や管理が容易である。更
に、通常の工業用水酸化カルシウムを使用できるので安
価である。そして水酸化カルシウムを前記廃液中に均一
に分散添加し、反応を効率よく行わせるために予め石灰
乳として添加することが好ましい。石灰乳濃度は大なる
ほど液相の量が少なくなり、アジピン酸カルシウムの回
収率が上がるので望ましい。しかしこの濃度が過大にな
ると、連続使用中、供給用配管の閉塞を引き起こし易い
ので、30重量%以下、実用上10〜15重量%が適当
である。
【0023】反応乳ベースとしては通常工業用水を用い
るが、前述のように液相量が増えアジピン酸イオンの濃
度がその分低下し、アジピン酸カルシウム回収後の漏洩
アジピン酸塩が増加し、回収率を下げるので、晶析アジ
ピン酸カルシウムを沈降処理し、その上澄液の一部をも
って、水酸化カルシウムを処理し石灰乳として還流すれ
ば回収率はより向上する。
るが、前述のように液相量が増えアジピン酸イオンの濃
度がその分低下し、アジピン酸カルシウム回収後の漏洩
アジピン酸塩が増加し、回収率を下げるので、晶析アジ
ピン酸カルシウムを沈降処理し、その上澄液の一部をも
って、水酸化カルシウムを処理し石灰乳として還流すれ
ば回収率はより向上する。
【0024】アジピン酸カルシウムはアジピン酸塩のう
ち、もっとも小さい溶解度をもち、特に水酸化カルシウ
ム飽和溶液中の溶解度の詳細は明らかでないが、本発明
者等の実験によれば、大略表1に示す値であった。この
表1より、水溶液中における1水塩と無水塩との変態点
は、ほぼ85〜95℃にあると思われる。
ち、もっとも小さい溶解度をもち、特に水酸化カルシウ
ム飽和溶液中の溶解度の詳細は明らかでないが、本発明
者等の実験によれば、大略表1に示す値であった。この
表1より、水溶液中における1水塩と無水塩との変態点
は、ほぼ85〜95℃にあると思われる。
【0025】
【表1】
【0026】したがって、アジピン酸イオンを効率よく
補集するには、高温であるほど、溶解度が低く望ましい
が、実用上は装置規模、総合排水量、本発明処理後の廃
水の後処理の有無等により決定される。一般的には、9
5℃以上として、平衡溶解度の小さい範囲を設定すれ
ば、溶解しているアジピン酸カルシウムの濃度が減少し
て有利であるが、熱エネルギーを多量に要する点に留意
する必要がある。実用的には70〜90℃の方が1水塩
晶析となり、水分の一部が結晶水として持ち出され、残
留溶液量が減少し、その結果漏洩アジピン酸イオンの総
量が減少するので、廃水処理としては有利であることが
多い。
補集するには、高温であるほど、溶解度が低く望ましい
が、実用上は装置規模、総合排水量、本発明処理後の廃
水の後処理の有無等により決定される。一般的には、9
5℃以上として、平衡溶解度の小さい範囲を設定すれ
ば、溶解しているアジピン酸カルシウムの濃度が減少し
て有利であるが、熱エネルギーを多量に要する点に留意
する必要がある。実用的には70〜90℃の方が1水塩
晶析となり、水分の一部が結晶水として持ち出され、残
留溶液量が減少し、その結果漏洩アジピン酸イオンの総
量が減少するので、廃水処理としては有利であることが
多い。
【0027】このアジピン酸アンモニウムの水酸化カル
シウム処理は、バッチ式、連続式何れの方法でも行うこ
とができるが、アンモニアの発生量や生成アジピン酸カ
ルシウムの性状(沈降性、ろ過性)のバラツキ防止およ
び系全体の温度安定性のためには、連続的処理が望まし
い。アジピン酸カルシウムは、温度降下により再溶解
し、回収率低下の恐れがあるからである。加熱方法は、
蒸気や電熱によるものの他、他工程排熱による間接加熱
方法、アンモニアキャリヤー用高温空気吹き込み等の直
接加熱方法やあるいはこれらを並用した方法等公知いず
れの方法でもよい。
シウム処理は、バッチ式、連続式何れの方法でも行うこ
とができるが、アンモニアの発生量や生成アジピン酸カ
ルシウムの性状(沈降性、ろ過性)のバラツキ防止およ
び系全体の温度安定性のためには、連続的処理が望まし
い。アジピン酸カルシウムは、温度降下により再溶解
し、回収率低下の恐れがあるからである。加熱方法は、
蒸気や電熱によるものの他、他工程排熱による間接加熱
方法、アンモニアキャリヤー用高温空気吹き込み等の直
接加熱方法やあるいはこれらを並用した方法等公知いず
れの方法でもよい。
【0028】アンモニアガスの放出およびアジピン酸カ
ルシウム晶析のための熟成は、所定温度(70℃〜10
0℃)での撹拌状態で行われるが、バッチ方式で1〜4
時間、連続式では単槽処理の場合でも2〜5時間の滞留
時間で実用上は略足りる。熟成中溶液は弱アルカリ性で
且つ加温状態にあるので、アンモニアは容易にガス状と
なって分離するが、排出気体中のアンモニア濃度は少な
くとも爆発限界以下、好ましくは4〜10容量%(乾燥
ベース)になるように管理する必要がある。具体的に
は、処理槽底部に工業用空気、好ましくは加熱空気を吹
き込めば、上記熟成時間中に95%以上のアンモニアが
容易に回収できる。
ルシウム晶析のための熟成は、所定温度(70℃〜10
0℃)での撹拌状態で行われるが、バッチ方式で1〜4
時間、連続式では単槽処理の場合でも2〜5時間の滞留
時間で実用上は略足りる。熟成中溶液は弱アルカリ性で
且つ加温状態にあるので、アンモニアは容易にガス状と
なって分離するが、排出気体中のアンモニア濃度は少な
くとも爆発限界以下、好ましくは4〜10容量%(乾燥
ベース)になるように管理する必要がある。具体的に
は、処理槽底部に工業用空気、好ましくは加熱空気を吹
き込めば、上記熟成時間中に95%以上のアンモニアが
容易に回収できる。
【0029】塾成終了後のアジピン酸カルシウム懸濁液
は、ただちに沈降処理にかけられる。アジピン酸カルシ
ウムの溶解度変化が温度に対して負であることから、熟
成後の温度低下を可及的に避ける必要のあること、又晶
出物の分離が不完全の場合、漏洩晶出物は、温度の低下
につれて再溶解し、排水中のCODを増加させるので、
保温して極力完全分離するよう留意すべきである。温度
低下は15℃以下好ましくは10℃以下に押さえるのが
よい。実用上、熟成終了後直ちに充分な保温帯を有する
連続式沈降槽に導いて沈降処理を行う。この時加温下で
晶出したアジピン酸カルシウムは沈降性が極めて良好で
あり、通常の縦長型連続式沈降槽で滞留時間1〜3時間
で、清澄上澄液と固体濃度200g/l以上の濃密部を
得ることができる。
は、ただちに沈降処理にかけられる。アジピン酸カルシ
ウムの溶解度変化が温度に対して負であることから、熟
成後の温度低下を可及的に避ける必要のあること、又晶
出物の分離が不完全の場合、漏洩晶出物は、温度の低下
につれて再溶解し、排水中のCODを増加させるので、
保温して極力完全分離するよう留意すべきである。温度
低下は15℃以下好ましくは10℃以下に押さえるのが
よい。実用上、熟成終了後直ちに充分な保温帯を有する
連続式沈降槽に導いて沈降処理を行う。この時加温下で
晶出したアジピン酸カルシウムは沈降性が極めて良好で
あり、通常の縦長型連続式沈降槽で滞留時間1〜3時間
で、清澄上澄液と固体濃度200g/l以上の濃密部を
得ることができる。
【0030】上澄液は、アジピン酸カルシウム15〜1
7g/lのほか、少量のアンモニア及び遊離水酸化カル
シウムを含み、未処理のアジピン酸アンモニウム廃液と
合流され、濃縮されて循環処理される。その濃縮は所定
濃度(アジピン酸アンモニウム換算60g/l以上)ま
で上げるが、上澄液単独では濃縮途中にアジピン酸カル
シウムの晶析が起こるので、前記のように未処理のアジ
ピン酸アンモニウム廃液と混合し、アジピン酸カルシウ
ムの濃度を相対的に低くして濃縮を行い、前記晶析を防
止する。また、上澄液中の少量の遊離水酸化カルシウム
は、未処理のアジピン酸アンモニウム廃液と混合される
と、アジピン酸アンモニウムと反応してアジピン酸カル
シウムとアンモニアを生成するので、上澄液単独の濃縮
の場合と異なり、Ca(OH)2の他不溶性のカルシウ
ム化合物を生成しないので、円滑に濃縮を行うことがで
きる。
7g/lのほか、少量のアンモニア及び遊離水酸化カル
シウムを含み、未処理のアジピン酸アンモニウム廃液と
合流され、濃縮されて循環処理される。その濃縮は所定
濃度(アジピン酸アンモニウム換算60g/l以上)ま
で上げるが、上澄液単独では濃縮途中にアジピン酸カル
シウムの晶析が起こるので、前記のように未処理のアジ
ピン酸アンモニウム廃液と混合し、アジピン酸カルシウ
ムの濃度を相対的に低くして濃縮を行い、前記晶析を防
止する。また、上澄液中の少量の遊離水酸化カルシウム
は、未処理のアジピン酸アンモニウム廃液と混合される
と、アジピン酸アンモニウムと反応してアジピン酸カル
シウムとアンモニアを生成するので、上澄液単独の濃縮
の場合と異なり、Ca(OH)2の他不溶性のカルシウ
ム化合物を生成しないので、円滑に濃縮を行うことがで
きる。
【0031】なお、アンモニア濃度が高くなり、濃縮操
作上や環境上不都合を生ずる場合には、上澄液をアジピ
ン酸アンモニウム廃液と混合する前に、酸を用いてPH
調整するのがよい。酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸を
使用してもよいが、本発明では最終工程で得られたアジ
ピン酸の一部を使用してもよい。通常はアジピン酸カル
シウム晶析の塾成を70℃以上で行い、アンモニア除去
率が95%以上であれば、特にPH調整の必要はない。
作上や環境上不都合を生ずる場合には、上澄液をアジピ
ン酸アンモニウム廃液と混合する前に、酸を用いてPH
調整するのがよい。酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸を
使用してもよいが、本発明では最終工程で得られたアジ
ピン酸の一部を使用してもよい。通常はアジピン酸カル
シウム晶析の塾成を70℃以上で行い、アンモニア除去
率が95%以上であれば、特にPH調整の必要はない。
【0032】濃密化された晶析アジピン酸カルシウム温
スラリーには、晶析アジピン酸カルシウム及び溶存アジ
ピン酸カルシウムや少量の遊離アルカリが含まれてい
る。これらと当量又は極微量過剰の硫酸(または塩酸)
を添加し、複分解反応により硫酸カルシウム(塩化カル
シウム)と遊離アジピン酸を生成する。この反応はPH
6より始まりPH4で終了するので実用上PH3.5〜
4.0を終点とする。
スラリーには、晶析アジピン酸カルシウム及び溶存アジ
ピン酸カルシウムや少量の遊離アルカリが含まれてい
る。これらと当量又は極微量過剰の硫酸(または塩酸)
を添加し、複分解反応により硫酸カルシウム(塩化カル
シウム)と遊離アジピン酸を生成する。この反応はPH
6より始まりPH4で終了するので実用上PH3.5〜
4.0を終点とする。
【0033】反応の結果、硫酸添加の場合は生成する硫
酸カルシウムの大部分は2水塩として析出し、一方遊離
アジピン酸は、大略140g/l以上となる。本発明で
はアジピン酸を溶存状態のまま硫酸カルシウムを分離す
るために、その溶液の温度低下を防止し、通常は60℃
以下に下がらないようにする。一方塩酸添加の場合は生
成する塩化カルシウムは溶解度か大きいため溶存する。
酸カルシウムの大部分は2水塩として析出し、一方遊離
アジピン酸は、大略140g/l以上となる。本発明で
はアジピン酸を溶存状態のまま硫酸カルシウムを分離す
るために、その溶液の温度低下を防止し、通常は60℃
以下に下がらないようにする。一方塩酸添加の場合は生
成する塩化カルシウムは溶解度か大きいため溶存する。
【0034】硫酸カルシウムを分離した残りの溶液は、
主としてアジピン酸を含み、他には少量の塩類を含むの
みであるので、これを実用上5〜20℃特に10℃前後
に冷却することにより比較的純度の高いアジピン酸を晶
析させて回収することができる。一方塩化カルシウムの
場合は、冷却してアジピン酸を晶析させても溶存したま
まであるため同様にアジピン酸だけを晶析させて回収す
ることができる。
主としてアジピン酸を含み、他には少量の塩類を含むの
みであるので、これを実用上5〜20℃特に10℃前後
に冷却することにより比較的純度の高いアジピン酸を晶
析させて回収することができる。一方塩化カルシウムの
場合は、冷却してアジピン酸を晶析させても溶存したま
まであるため同様にアジピン酸だけを晶析させて回収す
ることができる。
【0035】晶析アジピン酸を固液分離して回収した濾
液中のアジピン酸イオンは、当初のアジピン酸アンモニ
ウム廃液に較べて約1/10〜1/20となる。この濾
液は必要に応じ石灰乳作製用の分散媒として使用され、
残液は電極箔化成処理の一括排水系に送られ、中和処理
後安全に放流することができる。他工程の希薄廃水があ
れば、実用上pH調整の後、上記他工程の排水と一緒に
安全に放出できる。
液中のアジピン酸イオンは、当初のアジピン酸アンモニ
ウム廃液に較べて約1/10〜1/20となる。この濾
液は必要に応じ石灰乳作製用の分散媒として使用され、
残液は電極箔化成処理の一括排水系に送られ、中和処理
後安全に放流することができる。他工程の希薄廃水があ
れば、実用上pH調整の後、上記他工程の排水と一緒に
安全に放出できる。
【0036】また、希釈水としてアルミニウム電極箔製
造工程で発生するリン酸系廃液(特開昭51−8780
号公報等)を利用すれば、希釈効果のほか、前記リン酸
カルシウム系スラッジによるアジピン酸イオンの補集効
果により排水中のCODは更に1/2〜2/3に軽減さ
れる利点がある。
造工程で発生するリン酸系廃液(特開昭51−8780
号公報等)を利用すれば、希釈効果のほか、前記リン酸
カルシウム系スラッジによるアジピン酸イオンの補集効
果により排水中のCODは更に1/2〜2/3に軽減さ
れる利点がある。
【0037】以上説明したように、本発明によれば、ア
ジピン酸アンモニウムを含む廃液よりアンモニアおよび
アジピン酸を回収して、充分安全な排水とすることがで
きるが、さらに必要に応じ活性炭処理や微生物処理を併
用してもよい。これらの処理においては、アンモニアそ
の他処理上有害物質を含まず、その大半が処理されてい
るので、極めて小規模の設備で充分な効果があげられ
る。
ジピン酸アンモニウムを含む廃液よりアンモニアおよび
アジピン酸を回収して、充分安全な排水とすることがで
きるが、さらに必要に応じ活性炭処理や微生物処理を併
用してもよい。これらの処理においては、アンモニアそ
の他処理上有害物質を含まず、その大半が処理されてい
るので、極めて小規模の設備で充分な効果があげられ
る。
【0038】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例
を説明するが、個々の単位操作の装置及び方法は、これ
に限定されるものではないことは勿論である。図1は、
本発明の基本となるアジピン酸アンモニウムを含む廃液
を水酸化カルシウムで処理する方法を示す概略構成図で
ある。直接放流可能なCOD10ppm以下の希薄廃液
を除く低中濃度(以下0.06〜60g/l濃度のもの
を指称する。)及び高濃度(以下60g/l以上の濃度
のものを指称する。)のアジピン酸アンモニウムを含む
廃液は、濃度の可及的均一化のため、一旦廃液貯槽1、
2にまとめられる。貯槽1、2の容量は発生源装置基
数、発生周期、濃度変動状態により定められるが、高濃
度廃液の液量は、低中濃度廃液量より一般的に少ないの
で、頻度が少ない場合、図示の如く、2種の貯槽1、2
を設け、所定の割合でそれぞれから抜き出すようにすれ
ば、却って小規模で済むことになる。
を説明するが、個々の単位操作の装置及び方法は、これ
に限定されるものではないことは勿論である。図1は、
本発明の基本となるアジピン酸アンモニウムを含む廃液
を水酸化カルシウムで処理する方法を示す概略構成図で
ある。直接放流可能なCOD10ppm以下の希薄廃液
を除く低中濃度(以下0.06〜60g/l濃度のもの
を指称する。)及び高濃度(以下60g/l以上の濃度
のものを指称する。)のアジピン酸アンモニウムを含む
廃液は、濃度の可及的均一化のため、一旦廃液貯槽1、
2にまとめられる。貯槽1、2の容量は発生源装置基
数、発生周期、濃度変動状態により定められるが、高濃
度廃液の液量は、低中濃度廃液量より一般的に少ないの
で、頻度が少ない場合、図示の如く、2種の貯槽1、2
を設け、所定の割合でそれぞれから抜き出すようにすれ
ば、却って小規模で済むことになる。
【0039】貯槽1、2より連続的に抜き出された廃液
は、混合槽7に送られ、ここで後述する沈降槽5から戻
される上澄液と合流し、続いて予備濾過の前処理後にR
O装置3によりアジピン酸アンモニウムは80〜100
g/l、好ましくは100g/lまで濃縮される。この
ように、前記上澄液の還流がある場合には、別々に濃縮
せずに一旦処理前の廃液と混合した後、RO処理すれ
ば、無用な不溶物を晶析させることなく円滑に濃縮可能
である場合が多い。
は、混合槽7に送られ、ここで後述する沈降槽5から戻
される上澄液と合流し、続いて予備濾過の前処理後にR
O装置3によりアジピン酸アンモニウムは80〜100
g/l、好ましくは100g/lまで濃縮される。この
ように、前記上澄液の還流がある場合には、別々に濃縮
せずに一旦処理前の廃液と混合した後、RO処理すれ
ば、無用な不溶物を晶析させることなく円滑に濃縮可能
である場合が多い。
【0040】濃縮されたアジピン酸アンモニウム廃液は
連続的に蒸気ジャケットおよび回転羽根による撹拌装置
(図示せず)を設けたアジピン酸カルシウム化槽(以
下、アジカル槽と称する。)4に導かれる。一方、水酸
化カルシウム(例えば、工業用消石灰1号等)は、工業
用水又は、前記上澄液の一部をもって乳化し、10〜1
5重量%の石灰乳とする。前記石灰乳はアジカル槽4に
連続的に添加され、該槽4内のPHを10.5〜12.
0(但し、サンプル冷却後の常温測定値とする。)に保
ち、液温は70〜90℃に維持される。アジカル槽4内
で反応液の滞留時間は1〜10時間が適当であり、好ま
しくは3〜4時間となるように、槽容量、温度、PH条
件等を選定する。この間、槽4内の下部より空気、好ま
しくは100〜300℃の加熱空気(例えば回収アンモ
ニアの燃焼処理の際の排熱を利用した空気)を、液中か
ら発生するアンモニアが4〜6容量%(乾燥ベース)と
なるように吹き込む。
連続的に蒸気ジャケットおよび回転羽根による撹拌装置
(図示せず)を設けたアジピン酸カルシウム化槽(以
下、アジカル槽と称する。)4に導かれる。一方、水酸
化カルシウム(例えば、工業用消石灰1号等)は、工業
用水又は、前記上澄液の一部をもって乳化し、10〜1
5重量%の石灰乳とする。前記石灰乳はアジカル槽4に
連続的に添加され、該槽4内のPHを10.5〜12.
0(但し、サンプル冷却後の常温測定値とする。)に保
ち、液温は70〜90℃に維持される。アジカル槽4内
で反応液の滞留時間は1〜10時間が適当であり、好ま
しくは3〜4時間となるように、槽容量、温度、PH条
件等を選定する。この間、槽4内の下部より空気、好ま
しくは100〜300℃の加熱空気(例えば回収アンモ
ニアの燃焼処理の際の排熱を利用した空気)を、液中か
ら発生するアンモニアが4〜6容量%(乾燥ベース)と
なるように吹き込む。
【0041】この水酸化カルシウム処理により、アンモ
ニアの95%以上が廃液系外に分離回収され、槽4内で
は白色結晶のアジピン酸カルシウム1水塩が晶析し、液
相中のアジピン酸カルシウムの濃度は14〜16g/l
(アジピン酸アンモニウム換算で13.7〜15.7g
/l)、一方、液相中の残留アンモニア濃度は2.0g
/l以下となった。
ニアの95%以上が廃液系外に分離回収され、槽4内で
は白色結晶のアジピン酸カルシウム1水塩が晶析し、液
相中のアジピン酸カルシウムの濃度は14〜16g/l
(アジピン酸アンモニウム換算で13.7〜15.7g
/l)、一方、液相中の残留アンモニア濃度は2.0g
/l以下となった。
【0042】オーバーフローまたは、適宣位置から抜き
出された晶析アジピン酸カルシウムを含む懸濁液は、直
ちに連続式縦長の沈降槽5に送られ、そこで1〜3時間
の沈降処理が施される。この間、廃液の温度低下による
晶析アジピン酸カルシウムの再溶解を防止するため、沈
降槽5に設けた保温帯(図示せず)により該廃液を保温
し、少なくとも70℃以上好ましくは75℃を下らない
ようにする。この沈降処理により上澄液と濃密部に分離
される。上澄液は前記混合槽7に還流されて循環処理さ
れる。沈降槽5の下部より抜き出された固体濃度200
〜300g/lの濃密部には、硫酸を添加し、温熱状態
で遊離アジピン酸を液中に溶存させたまま硫酸カルシウ
ムを晶析させる。本発明ではアジピン酸カルシウム化処
理が70℃以上通常80〜90℃で行われ、保温沈降層
5による沈降処理を経て濃密スラリーは65〜75℃の
状態で得られ、更に硫酸添加による反応熱もあるので、
反応後60℃以上となっており、中和槽8の保温に留意
すれば、特に加温の必要はない。なお、用いる硫酸は、
後のアジピン酸晶析の効率を考慮すると、容積増を抑え
るため、高濃度のものが望ましいが、安全操作上20〜
60%の硫酸を使用するのがよい。
出された晶析アジピン酸カルシウムを含む懸濁液は、直
ちに連続式縦長の沈降槽5に送られ、そこで1〜3時間
の沈降処理が施される。この間、廃液の温度低下による
晶析アジピン酸カルシウムの再溶解を防止するため、沈
降槽5に設けた保温帯(図示せず)により該廃液を保温
し、少なくとも70℃以上好ましくは75℃を下らない
ようにする。この沈降処理により上澄液と濃密部に分離
される。上澄液は前記混合槽7に還流されて循環処理さ
れる。沈降槽5の下部より抜き出された固体濃度200
〜300g/lの濃密部には、硫酸を添加し、温熱状態
で遊離アジピン酸を液中に溶存させたまま硫酸カルシウ
ムを晶析させる。本発明ではアジピン酸カルシウム化処
理が70℃以上通常80〜90℃で行われ、保温沈降層
5による沈降処理を経て濃密スラリーは65〜75℃の
状態で得られ、更に硫酸添加による反応熱もあるので、
反応後60℃以上となっており、中和槽8の保温に留意
すれば、特に加温の必要はない。なお、用いる硫酸は、
後のアジピン酸晶析の効率を考慮すると、容積増を抑え
るため、高濃度のものが望ましいが、安全操作上20〜
60%の硫酸を使用するのがよい。
【0043】硫酸カルシウムの固液分離には公知の方法
を用いることができるが、装置のメンテナンス上(硫酸
カルシウムの固着軽減)、また硫酸カルシウムの有用資
源化のため、洗浄可能かつ保守容易な濾過装置9による
のがよい。洗浄する場合、洗浄水は特に分別することな
く濾液に合流させる。
を用いることができるが、装置のメンテナンス上(硫酸
カルシウムの固着軽減)、また硫酸カルシウムの有用資
源化のため、洗浄可能かつ保守容易な濾過装置9による
のがよい。洗浄する場合、洗浄水は特に分別することな
く濾液に合流させる。
【0044】硫酸カルシウムを回収した残りの溶液は、
水冷ジャケットおよび撹拌羽根による撹拌装置付き晶析
槽10に導かれ、ここでアジピン酸晶析処理が行われ
る。10℃に冷却した場合、連続晶析処理でも滞留4〜
8時間で液中のアジピン酸濃度は10g/lとなる。
水冷ジャケットおよび撹拌羽根による撹拌装置付き晶析
槽10に導かれ、ここでアジピン酸晶析処理が行われ
る。10℃に冷却した場合、連続晶析処理でも滞留4〜
8時間で液中のアジピン酸濃度は10g/lとなる。
【0045】晶析アジピン酸結晶は、分離性に富み、簡
単な濾過装置11(かご型濾過装置や吸引濾過装置等)
により分離可能であり、付着液分を10%以下、特に吸
引濾過装置によれば空気吹き付け併用により4〜7%に
止めることができる。
単な濾過装置11(かご型濾過装置や吸引濾過装置等)
により分離可能であり、付着液分を10%以下、特に吸
引濾過装置によれば空気吹き付け併用により4〜7%に
止めることができる。
【0046】アジピン酸分離後の廃水は、当初のアジピ
ン酸廃液に比べて容積、アジピン酸イオン濃度ともに大
幅に減少しているので、そのまま他工程廃水とともに一
括中和排水処理され、安全に放流される。
ン酸廃液に比べて容積、アジピン酸イオン濃度ともに大
幅に減少しているので、そのまま他工程廃水とともに一
括中和排水処理され、安全に放流される。
【0047】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。実施例中の量的数値は、1/10〜1/20規
模の実験結果を、その効果を判り易くするため、実規模
に換算したものである。
明する。実施例中の量的数値は、1/10〜1/20規
模の実験結果を、その効果を判り易くするため、実規模
に換算したものである。
【0048】(実施例1)図1に示すような構成を有
し、1月(24×30時間)当り、アジピン酸アンモニ
ウム75g/lを含む老化化成浴を約120m3、約8
g/lを含む中濃度廃液を約510m3および0.03
g/lを含む希薄洗浄液の廃液を約2000m3を発生
する電極箔製造上のアジピン酸アンモニウムによる化成
工程において、希薄洗浄液はそのまま排水系へ放流し、
老化化成浴および中濃度廃液に、後の工程の沈降槽5か
ら生ずる上澄液89m3(アジピン酸カルシウム15.
0g/l、Ca(OH)20.3g/l、NH31.9g
/l)を混合槽7にて混合し、アジピン酸アンモニウム
18.1g/l、アジピン酸カルシウム1.9g/l、
NH30.25g/lを含む混合液719m3とした。
し、1月(24×30時間)当り、アジピン酸アンモニ
ウム75g/lを含む老化化成浴を約120m3、約8
g/lを含む中濃度廃液を約510m3および0.03
g/lを含む希薄洗浄液の廃液を約2000m3を発生
する電極箔製造上のアジピン酸アンモニウムによる化成
工程において、希薄洗浄液はそのまま排水系へ放流し、
老化化成浴および中濃度廃液に、後の工程の沈降槽5か
ら生ずる上澄液89m3(アジピン酸カルシウム15.
0g/l、Ca(OH)20.3g/l、NH31.9g
/l)を混合槽7にて混合し、アジピン酸アンモニウム
18.1g/l、アジピン酸カルシウム1.9g/l、
NH30.25g/lを含む混合液719m3とした。
【0049】続いて、前記混合液をRO処理して、アジ
ピン酸アンモニウム85.9g/l、アジピン酸カルシ
ウム9.3g/l、NH31.2g/lを含む濃縮液1
50.6m3を得た。脱水量約568m3のうち漏洩アジ
ピン酸はアジピン酸アンモニウム換算で約0.1g/l
(60kg)であった。
ピン酸アンモニウム85.9g/l、アジピン酸カルシ
ウム9.3g/l、NH31.2g/lを含む濃縮液1
50.6m3を得た。脱水量約568m3のうち漏洩アジ
ピン酸はアジピン酸アンモニウム換算で約0.1g/l
(60kg)であった。
【0050】濃縮液は、15%石灰乳32.8m3とと
もに加熱用ジャケット及び回転羽根式撹拌装置を設けた
アジカル槽4(内容積約1m3)に導かれて連続塾成処
理される。このアジカル槽4は、常時85℃、液量(ス
ラリー量)0.9m3を保持するようになっており、流
入量に対し公称で滞留時間が3時間に相当する。該槽4
の底部より150℃に加熱された空気を81Nm3/時
の割合で吹き込み、上部よりアンモニア2457kg
(処理廃液換算94.7%)が対空気5容量%の濃度
で、水蒸気を伴いながら系外に回収された。
もに加熱用ジャケット及び回転羽根式撹拌装置を設けた
アジカル槽4(内容積約1m3)に導かれて連続塾成処
理される。このアジカル槽4は、常時85℃、液量(ス
ラリー量)0.9m3を保持するようになっており、流
入量に対し公称で滞留時間が3時間に相当する。該槽4
の底部より150℃に加熱された空気を81Nm3/時
の割合で吹き込み、上部よりアンモニア2457kg
(処理廃液換算94.7%)が対空気5容量%の濃度
で、水蒸気を伴いながら系外に回収された。
【0051】アジピン酸カルシウム1水塩の晶析を終え
たスラリー150m3は、次いで0.7mdiaの保温
帯付き沈降槽5中で滞留3時間で連続的に沈降処理さ
れ、上澄液89m3と濃密スラリー61m3(固体濃度2
25g/l)に分けられ、上澄液はそのまま循環処理の
ため前記混合層7に還流される。
たスラリー150m3は、次いで0.7mdiaの保温
帯付き沈降槽5中で滞留3時間で連続的に沈降処理さ
れ、上澄液89m3と濃密スラリー61m3(固体濃度2
25g/l)に分けられ、上澄液はそのまま循環処理の
ため前記混合層7に還流される。
【0052】濃密スラリーは、保温上記ジャケットおよ
び回転羽根式撹拌装置を備えた中和槽8に導き、50°
ボーメ硫酸11.9tを添加してPHを4.0とした。
65℃で平均滞留時間2時間の後、濾過装置9にて晶析
硫酸カルシウムを5気圧フィルタープレスで濾過し、6
m3の水で洗浄後空気圧搾して付着水分30%を含む硫
酸カルシウム2水塩17.6tを得た。
び回転羽根式撹拌装置を備えた中和槽8に導き、50°
ボーメ硫酸11.9tを添加してPHを4.0とした。
65℃で平均滞留時間2時間の後、濾過装置9にて晶析
硫酸カルシウムを5気圧フィルタープレスで濾過し、6
m3の水で洗浄後空気圧搾して付着水分30%を含む硫
酸カルシウム2水塩17.6tを得た。
【0053】アジピン酸165g/l、(NH4)2SO
46.1g/l、CaSO42g/lを含む濾洗液63.
8m3を水冷ジャケットと回転羽根式撹拌装置を備えた
晶析槽10に導き、ここで10℃に冷却してアジピン酸
を晶析させた。滞留6時間の晶析処理を終えた晶析アジ
ピン酸を含む懸濁液を吸引濾過装置11により固液分離
し、アジピン酸を回収した。回収アジピン酸は、付着水
分6%を含む10.6t(アジピン酸94.0%、(N
H4)2SO40.04%、CaSO40.01%)であっ
た。
46.1g/l、CaSO42g/lを含む濾洗液63.
8m3を水冷ジャケットと回転羽根式撹拌装置を備えた
晶析槽10に導き、ここで10℃に冷却してアジピン酸
を晶析させた。滞留6時間の晶析処理を終えた晶析アジ
ピン酸を含む懸濁液を吸引濾過装置11により固液分離
し、アジピン酸を回収した。回収アジピン酸は、付着水
分6%を含む10.6t(アジピン酸94.0%、(N
H4)2SO40.04%、CaSO40.01%)であっ
た。
【0054】濾液(廃水)58m3の組成は、アジピン
酸10g/l、(NH4)2SO46.6g/l、CaS
O42.2g/lであったが、これは他工程廃水ととも
に一括排水処理され、総排水量12000m3中のCO
Dは8ppm、アンモニア性窒素は9ppmであった。
酸10g/l、(NH4)2SO46.6g/l、CaS
O42.2g/lであったが、これは他工程廃水ととも
に一括排水処理され、総排水量12000m3中のCO
Dは8ppm、アンモニア性窒素は9ppmであった。
【0055】(実施例2)この実施例は、図2に示した
如く、実施例1の硫酸の添加に代えて塩酸を添加するも
のである。この場合生成する塩化カルシウムは溶解度が
大きく可溶性であるため、硫酸添加の場合の硫酸カルシ
ウムの濾過工程が無くなる。塩化カルシウムは最終工程
の晶析アジピン酸濾過後の濾液中に含まれて排水処理さ
れる。その他は基本的に同様である。
如く、実施例1の硫酸の添加に代えて塩酸を添加するも
のである。この場合生成する塩化カルシウムは溶解度が
大きく可溶性であるため、硫酸添加の場合の硫酸カルシ
ウムの濾過工程が無くなる。塩化カルシウムは最終工程
の晶析アジピン酸濾過後の濾液中に含まれて排水処理さ
れる。その他は基本的に同様である。
【0056】晶析アジピン酸カルシウムの濃密スラリー
に塩酸を添加する工程から具体的に説明すると、中和槽
8に35%塩酸15.7tを添加してアジピン酸カルシ
ウムを溶解し(PH4.0)、アジピン酸146g/
l、CaCl2111g/l、NH4Clが4.3g/l
の溶液72.5m3としたのち、水冷ジャケット付きの
晶析槽10に導き、10℃に冷却して撹拌しながら4時
間の連続晶析処理を行った。
に塩酸を添加する工程から具体的に説明すると、中和槽
8に35%塩酸15.7tを添加してアジピン酸カルシ
ウムを溶解し(PH4.0)、アジピン酸146g/
l、CaCl2111g/l、NH4Clが4.3g/l
の溶液72.5m3としたのち、水冷ジャケット付きの
晶析槽10に導き、10℃に冷却して撹拌しながら4時
間の連続晶析処理を行った。
【0057】アジピン酸晶析後のスラリーを連続吸引の
濾過装置11で固液分離処理して、付着水分6%を含む
アジピン酸10.6tを回収した。濾液(廃水)は6
6.7m3であった。回収アジピン酸の組成は、湿潤状
態でアジピン酸93.5%、NH4Clが0.03%、
CaCl2が0.7%であった。
濾過装置11で固液分離処理して、付着水分6%を含む
アジピン酸10.6tを回収した。濾液(廃水)は6
6.7m3であった。回収アジピン酸の組成は、湿潤状
態でアジピン酸93.5%、NH4Clが0.03%、
CaCl2が0.7%であった。
【0058】廃水66.7m3は、アジピン酸10g/
l、NH4Clが4.6g/l、CaCl2が119g/
lを含み、これを一括排水系に放流したところ、総廃水
量12000m3のCODは8.6ppm、アンモニア
性窒素は9ppmであった。
l、NH4Clが4.6g/l、CaCl2が119g/
lを含み、これを一括排水系に放流したところ、総廃水
量12000m3のCODは8.6ppm、アンモニア
性窒素は9ppmであった。
【0059】
【発明の効果】本発明方法によれば、アジピン酸アンモ
ニウムを含む廃液を消石灰等のカルシウム源を添加する
と共に弱アルカリ性にし且つ加温してアジピン酸カルシ
ウムの晶析と脱アンモニアを同時に行うとともに、晶析
アジピン酸カルシウムの濃密スラリーに硫酸又は塩酸を
添加することにより、簡単かつ容易に廃水中の有機化合
物(COD)およびアンモニア生窒素を減少させること
ができる。更にアジピン酸を高純度で回収できる。
ニウムを含む廃液を消石灰等のカルシウム源を添加する
と共に弱アルカリ性にし且つ加温してアジピン酸カルシ
ウムの晶析と脱アンモニアを同時に行うとともに、晶析
アジピン酸カルシウムの濃密スラリーに硫酸又は塩酸を
添加することにより、簡単かつ容易に廃水中の有機化合
物(COD)およびアンモニア生窒素を減少させること
ができる。更にアジピン酸を高純度で回収できる。
【図1】本発明のアジピン酸アンモニウムを含む廃液の
処理方法の基本的な概略構成図である。
処理方法の基本的な概略構成図である。
【図2】本発明の他の例に係るアジピン酸アンモニウム
を含む廃液の処理方法の基本的な概略構成図である。
を含む廃液の処理方法の基本的な概略構成図である。
1 貯槽 2 貯槽 3 RO処理 4 アジカル槽 5 沈降槽 7 混合槽 8 中和槽 9 濾過装置 10 晶析槽 11 濾過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 9/02 608 B01D 9/02 608B 610 610Z 615 615Z 618 618Z 625 625E 625A C07C 51/43 C07C 51/43 55/14 55/14 (72)発明者 杉山 昇 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 江上 泰 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内
Claims (10)
- 【請求項1】 アジピン酸アンモニウムを含む廃液に前
記アジピン酸アンモニウムと反応してアジピン酸カルシ
ウムを生成するカルシウム源を添加すると共に弱アルカ
リ性とし且つ加温し、発生するアンモニアガスをその反
応液外に分離し、反応液中に晶析したアジピン酸カルシ
ウムを含む廃液を沈降処理し、その上澄液を分離した残
りの濃密部に硫酸を添加し、生成した硫酸カルシウムを
固液分離して回収した後、残りの溶液を冷却してアジピ
ン酸を晶析せしめ、これを固液分離してアジピン酸を回
収することを特徴とするアジピン酸アンモニウム廃液の
処理方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記硫酸カルシウム
の固液分離を前記溶液の温度を60℃以上に維持して行
うことを特徴とするアジピン酸アンモニウム廃液の処理
方法。 - 【請求項3】 アジピン酸アンモニウムを含む廃液に前
記アジピン酸アンモニウムと反応してアジピン酸カルシ
ウムを生成するカルシウム源を添加すると共に弱アルカ
リ性とし且つ加温し、発生するアンモニアガスをその反
応液外に分離し、反応液中に晶析したアジピン酸カルシ
ウムを含む廃液を沈降処理し、その上澄液を分離した残
りの濃密部に塩酸を添加して前記晶析物を溶解し、その
溶液を冷却してアジピン酸を晶析せしめ、これを固液分
離してアジピン酸を回収することを特徴とするアジピン
酸アンモニウム廃液の処理方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
上澄液を上流に返送し、未処理の前記アジピン酸アンモ
ニウム廃液に合流せしめて循環処理することを特徴とす
るアジピン酸アンモニウム廃液の処理方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
カルシウム源は、水酸化カルシウムであることを特徴と
するアジピン酸アンモニウム廃液の処理方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、アジ
ピン酸アンモニウムを含む廃液は、カルシウム源を添加
する前にアジピン酸アンモニウムを濃縮処理することを
特徴とするアジピン酸アンモニウム廃液の処理方法。 - 【請求項7】 請求項6において、アジピン酸アンモニ
ウムを60g/l以上に濃縮処理することを特徴とする
アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記
アンモニウムガスの分離とアジピン酸カルシウムの晶析
を70℃〜100℃の温度範囲で行うことを特徴とする
アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記
硫酸又は塩酸の添加により溶液のPHを4以下にするこ
とを特徴とするアジピン酸アンモニウム廃液の処理方
法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかにおいて、ア
ジピン酸の晶析及び回収は、その溶液を5〜20℃に冷
却して行うことを特徴とするアジピン酸アンモニウム廃
液の処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24307497A JPH1177065A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24307497A JPH1177065A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1177065A true JPH1177065A (ja) | 1999-03-23 |
Family
ID=17098406
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24307497A Pending JPH1177065A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | アジピン酸アンモニウム廃液の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1177065A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2635106C1 (ru) * | 2017-02-20 | 2017-11-09 | Федеральное автономное учреждение "25 Государственный научно-исследовательский институт химмотологии Министерства обороны Российской Федерации" | Способ получения концентрата адипиновой кислоты и натриевой щелочи из щелочных стоков производства капролактама |
| RU2681195C1 (ru) * | 2018-05-21 | 2019-03-04 | Федеральное автономное учреждение "25 Государственный научно-исследовательский институт химмотологии Министерства обороны Российской Федерации" | Способ получения концентрата адипиновой кислоты и натриевой щелочи из щелочных стоков производства капролактама |
| JP2022120643A (ja) * | 2021-02-05 | 2022-08-18 | 住友化学株式会社 | 粒子の製造方法および製造システム |
-
1997
- 1997-09-08 JP JP24307497A patent/JPH1177065A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2635106C1 (ru) * | 2017-02-20 | 2017-11-09 | Федеральное автономное учреждение "25 Государственный научно-исследовательский институт химмотологии Министерства обороны Российской Федерации" | Способ получения концентрата адипиновой кислоты и натриевой щелочи из щелочных стоков производства капролактама |
| RU2681195C1 (ru) * | 2018-05-21 | 2019-03-04 | Федеральное автономное учреждение "25 Государственный научно-исследовательский институт химмотологии Министерства обороны Российской Федерации" | Способ получения концентрата адипиновой кислоты и натриевой щелочи из щелочных стоков производства капролактама |
| JP2022120643A (ja) * | 2021-02-05 | 2022-08-18 | 住友化学株式会社 | 粒子の製造方法および製造システム |
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