JPH1180598A - 騒音防止用アンダーコート剤 - Google Patents

騒音防止用アンダーコート剤

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JPH1180598A
JPH1180598A JP26809997A JP26809997A JPH1180598A JP H1180598 A JPH1180598 A JP H1180598A JP 26809997 A JP26809997 A JP 26809997A JP 26809997 A JP26809997 A JP 26809997A JP H1180598 A JPH1180598 A JP H1180598A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂、有機発泡剤、可塑
剤、充填剤を含有してなる騒音防止用アンダーコート剤
において、上記塩化ビニル系樹脂が、平均粒径が5μm
以下の1次粒子と、1次粒子の凝集体であり平均粒径が
100μm以下の2次粒子からなる塩化ビニル系樹脂粒
子を50重量%以上含有することを特徴とする騒音防止
用アンダーコート剤。 【効果】 本発明の騒音防止用アンダーコート剤は、ス
プレー作業性がよく、また優れた耐チッピング特性、密
着性を与え、かつ騒音防止性に優れた塗膜を与えるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の床裏部や
ホイルハウス部のパネルなどの石ハネ音による騒音を防
止すべき箇所に対するアンダーコートとして好適な騒音
防止用アンダーコート剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
の床裏部やホイルハウス(タイヤハウス)部には、走行
中にしばしば石ハネ,砂ハネが生じ、運転者などに耳ざ
わりな騒音を発生する。
【0003】従来、このような石ハネ音,砂ハネ音を防
止する方法としては、自動車の床裏部やホイルハウス部
のパネルに対し、非発泡型の塩化ビニル系樹脂(PV
C)塗料や未膨張バルーンを利用した発泡倍率50%前
後の低発泡型塩化ビニル系樹脂(PVC)塗料をアンダ
ーコート剤として使用することが行われている。
【0004】しかし、前者の非発泡型PVCを使用した
場合、塗膜層が厚くなれば石ハネ,砂ハネ騒音低減効果
はあるが、コストが高くなり、塗布量の増加による作業
効率の低下を招き、塗布重量の増加により車輌重量が増
大する。
【0005】一方、後者の未膨張バルーンを利用した低
発泡型PVC塗料を使用した場合、非発泡型PVC塗料
に比べ塗膜層の厚さがアップする効果により防音効果は
上がるが、未膨張バルーンを利用した発泡体は発泡剤に
よる発泡体に比べ硬い膜になるため、石、砂衝撃時の衝
撃吸収効果が少なくなり、防音効果面で劣る。また、バ
ルーン膜によりクッション性が低下し、耐チッピング性
が極端に低下する。この場合、耐チッピング性の極端な
低下に対しては、コンパウンドの物性を向上させるよう
な配合(例えば未膨張バルーンの低充填、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体比率を上げるなど)を用いること
で、一定レベル値を確保しているが、なお十分ではな
い。
【0006】また、自動車製造ラインに使用されるため
には、130〜160℃の耐熱性が要求されるために未
膨張バルーンの材質は、耐熱性のよいアクリロニトリル
ポリマー単独或いはアクリロニトリル−塩化ビニリデン
共重合体のアクリロニトリル比率の高いものが用いられ
る。しかし、塩化ビニリデンは耐熱性に劣り、アクリロ
ニトリル比率が高くなると、アクリロニトリルモノマー
の含有率が大きくなり、環境衛生面上から望ましくな
い。
【0007】このような点から有機発泡剤を用いた発泡
型PVC塗料が望まれるが、特に自動車の床裏部やホイ
ルハウス部に適用するに際しては、騒音防止性に加えて
耐チッピング性に優れ、密着性のよい塗膜を形成し得、
また作業性の点からスプレー性に優れたものであること
が要求される。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は、上記要望に応えるためになされたもので、塩化
ビニル系樹脂として、1次粒子の平均粒径が5μm以下
で、その一部を凝集させて1次粒子に2次粒子を混在さ
せた塩化ビニル系樹脂を使用し、これを有機発泡剤、充
填剤、可塑剤と組合せることにより、上記目的を達成し
たものである。
【0009】即ち、本発明は、塩化ビニル系樹脂、有機
発泡剤、可塑剤、充填剤を含有してなる騒音防止用アン
ダーコート剤において、上記塩化ビニル系樹脂が、平均
粒径が5μm以下の1次粒子と、1次粒子の凝集体であ
り平均粒径が100μm以下の2次粒子からなる塩化ビ
ニル系樹脂粒子を50重量%以上含有することを特徴と
する騒音防止用アンダーコート剤を提供する。
【0010】本発明のアンダーコート剤は、自動車の床
裏部やホイルハウス部のパネルなどの石ハネ,砂ハネに
よる騒音を防止すべき箇所に対するアンダーコート膜を
形成するために用いられて、それ単層でも該騒音を効果
的に防止し、しかも現行の自動車塗装工程にその工程を
変更することなく組み入れることができるものであり、
特にこの塗装工程において、スプレー作業性に優れ、ま
た耐チッピング性、密着性に優れ、騒音防止効果の良好
な塗膜を与えるものである。
【0011】なお、塩化ビニル系樹脂に可塑剤や発泡剤
を配合し、加熱により発泡させる方法又は発泡体は、特
開平1−287147号、特公平6−18916号、特
開平7−330937号公報などにより公知の技術であ
る。しかし、自動車床裏、タイヤハウスなどに用いるア
ンダーコート剤において、石ハネによる耐チッピングと
騒音防止効果を目的としたものはなく、特にこの目的を
達成すべく、特定の塩化ビニル系樹脂に有機発泡剤、充
填剤、可塑剤を特定量用いて、現行の自動車製造ライン
に適用させる条件を兼ね備え、しかも作業性の向上、貯
蔵安定性、防音効果などに優れた効果を与える本発明の
アンダーコート剤は本発明者らが初めて見出したもので
ある。
【0012】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の騒音防止用アンダーコート剤は、塩化ビニル系
樹脂をベースポリマーとし、これに有機発泡剤、必要に
より発泡助剤と、充填剤と、可塑剤とを配合し、更に必
要により密着成分、吸湿剤、安定剤、着色剤等を配合し
たものである。
【0013】ここで、塩化ビニル系樹脂(PVC)とし
ては、塩化ビニルのホモポリマー、塩化ビニルを主体と
し、これに他の共重合し得るモノマー、例えば酢酸ビニ
ル等とのコポリマー(塩化ビニル含有量50重量%以
上、特に70重量%以上)の1種を単独で又は2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0014】この場合、PVCとしては、1次粒子の平
均粒径が5μm以下、好ましくは3μm以下、更に好ま
しくは1.5μm以下で、その一部を凝集させて1次粒
子に2次粒子を混在させたものを使用する。ここで1次
粒子の平均粒径が5μmを超える粒径の大きいPVCの
使用は、耐チッピング性を低下させると共に、発泡面に
おいて異常発泡が生じ、外観面上好ましくない。
【0015】上記PVCは、粒径の小さい1次粒子の一
部を製造工程中で凝集させて2次粒子を得たもので、粒
径の小さい1次粒子とその一部を凝集させて得た2次粒
子が混在することにより、粒度分布上、1次粒子側と2
次粒子側とにそれぞれピークを有するものであり、この
PVCは、互いに異なる平均粒径を有する2種のPVC
を混合したものとは相違する。なお、上記PVCにおい
て、2次粒子側のピークは100μm以下、より好まし
くは3〜30μm、特に5〜20μmの範囲にあること
が好ましい。平均粒径が100μmを超えると粒径が粗
くなり、塩化ビニルペーストゾルにしたものは、スプレ
ー塗布時、チップづまりを起こし易く、作業性の低下を
きたし、また塗布物の表面状態に平滑性を欠き、焼付外
観が悪くなり、好ましくない。また、このPVC中にお
ける2次粒子の割合は20〜90重量%、特に40〜8
0重量%であることが好ましい。このようなPVCとし
ては、例えば市販品としてヒュルス(Huls)社製E
−7031等を使用することができる。
【0016】上記1次粒子と2次粒子が混在するPVC
は、膨潤ゲル化性が良好で、作業性及び得られる発泡P
VCの物性の点から好適なものである。即ち、PVCゾ
ルのスプレー作業性を向上させる(チキソ性を上げる)
ために、粒径の小さいPVCに粒径の大きいPVCをブ
レンドすると、このブレンド物中にこれら大小の粒径の
中間の粒径を有する粒子が比較的多く散在することにな
り、このため剪断による低粘度化が阻害され、チキソト
ロピック性が低下する。これに対し、粒径の小さい1次
粒子の一部を凝集させて2次粒子を混在させたPVCに
おいては、中間粒径の粒子が少なく、剪断を受けると低
粘度化を示し、チキソトロピック現象を示す。従って、
スプレー塗布の場合、高剪断領域10000sec-1
40000sec-1)で良好なスプレー性を与え、しか
もスプレー後の剪断状態にない塗布物は高粘度でタレ現
象もなく、垂直部等でその形状を維持するものである。
つまり、ゲル化性に関しては、2次粒子はもともと1次
粒子の集合体(凝集物)であるため、1次粒子の性能に
なり、膨潤ゲル化性が良好であり、また貯蔵安定性に関
しては、2次粒子は強固な凝集物であるので、加熱前の
ゾルの保管時における可塑剤との膨潤性を防止し、貯蔵
安定性が良好である。
【0017】更に、PVCとしては、平均重合度が25
00以下、好ましくは2000以下、更に好ましくは1
900以下のものが望ましい。平均重合度が高すぎるも
のは、耐チッピング性能等の発泡PVCの物性が低下す
るおそれがある。なお、平均重合度の下限は通常50
0、好ましくは850、更に好ましくは1000であ
る。
【0018】上記コポリマーとしては、塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマーが膨潤ゲル化性の点から好適に使用
されるが、この塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーにお
いて、酢酸ビニル含有量が1〜15重量%、特に3〜1
0重量%のものが好ましい。この場合、塩化ビニルホモ
ポリマーは金属表面の密着性が塩化ビニル−酢酸ビニル
コポリマーに比べて幾分劣り、一方塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマーは可塑剤に対する膨潤ゲル化性が良好
で、加熱により密着性良好となるものの、コストが高
く、従って両者を併用することが好ましい。その併用割
合は適宜選定されるが、塩化ビニルホモポリマー:塩化
ビニル−酢酸ビニルコポリマー=4:1〜1:4(重量
比)とすることが好ましい。
【0019】また、コポリマーとして、−CH2ROH
基をもつ架橋性コポリマーを使用することもできる。こ
れは、そのOH基が後述する密着成分としてのブロック
イソシアネートと加熱時に反応し、ウレタン結合を生成
して、密着性、耐水性を向上させる。
【0020】本発明においては、上記1次粒子に2次粒
子が混在したPVCを単独使用しても良いが、必要に応
じ、特に騒音防止効果の点から、通常のPVCを併用す
ることができる。この場合、その割合は前者の1次粒子
と2次粒子が混在したPVCを50重量%以上、特に7
0重量%とすることが好ましく、50重量%より少ない
とスプレー作業性が低下する。
【0021】次に、本発明において、PVCの発泡に用
いる有機発泡剤としては、特に制限されないが、現行の
塗装工程を変更しないで用いるという点から、分解温度
が130〜180℃にある発泡剤又は発泡剤混合物もし
くは発泡剤と発泡助剤との混合物を使用することが好ま
しい。分解温度が180℃を超えるものは、120〜1
60℃の温度において良好に発泡せず、一方、130℃
より分解温度が低いものは、PVCが硬化する前にガス
抜けが生じ、良好な発泡PVCが得られない上、貯蔵安
定性も劣る場合が生じる。
【0022】具体的には、発泡剤として4,4’−オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド(OBSH)
が好適に使用し得、p−トルエンスルホニルアジド、p
−メチルウレタンベンゼンスルホニルヒドラジッドなど
を使用することもできる。また、発泡剤混合物として
は、OBSHとアゾジカルボンアミド(ADCA)との
混合物などを好適なものとして挙げることができる。更
に、ADCAのようにそれ単独では分解温度が180℃
を超えるが、発泡助剤と併用することにより、分解温度
を130〜180℃に調整したものも好適に使用するこ
とができる。なお、OBSH等の分解温度が130〜1
80℃の範囲にある発泡剤や発泡剤混合物に発泡助剤を
併用してもその分解温度が130〜180℃にある限り
は差し支えない。
【0023】発泡助剤としては公知のものを使用するこ
とができ、各種の金属酸化物(例えば酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム等)、金属石けん(例えばステアリン酸亜
鉛)、尿素化合物、アミン等が挙げられる。なお、この
ような発泡助剤は、同時に他の目的を兼ねて配合するこ
とができる。例えば、金属石けんは炭酸カルシウム等の
無機充填剤の表面処理剤として用いられており、このよ
うな表面処理剤として使用された金属石けんも発泡剤の
分解温度を低下させる限り、ここでいう発泡助剤に含ま
れる。
【0024】上記有機発泡剤の配合量は、上記PVC1
00部(重量部、以下同じ)に対し1〜3部であること
が好ましく、更に好ましくは、発泡剤又は発泡剤混合物
1〜2.5部、特に1.5〜2.5部、発泡助剤0〜1
5部、特に1〜10部である。
【0025】本発明において、充填剤としては、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、クレー、珪藻土、シリカ、タ
ルク等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上
を組み合わせて使用することができる。また必要によ
り、ガラスバルーン、樹脂バルーン等の中空粒子を配合
することもできる。
【0026】この場合、特には表面処理炭酸カルシウム
等の表面処理した無機充填剤を使用することが好まし
く、また無機充填剤の平均粒径は0.01〜1μm、特
に0.02〜0.1μm、またBET法による比表面積
が5〜30m2/g、特に15〜25m2/gのものが好
ましい。微粒子の表面処理充填剤を使い、粗い充填剤を
添加しないことで、PVCペーストへの均一分散化が計
られ、発泡セルを緻密なものとすることができる。ま
た、比表面積の高い表面処理無機充填剤を使用すること
により、可塑剤の多量添加が支障なく行われ、可塑剤量
を多くすることによって発泡PVCの柔軟性が向上し、
石ハネ時の衝撃吸収性を向上させることができる。な
お、表面処理剤としては金属石けんなどを用いることが
でき、またその使用量は無機充填剤に対して0.5〜5
重量%、特に1〜4重量%とすることが好ましい。
【0027】充填剤の配合量は、上記PVC100部に
対し160〜500部とすることが好ましい。160部
より少ないとスプレー塗布時の流れ、吐出性が悪くなる
おそれが生じ、また、500部より多くなると塗膜の物
理的性能が劣化し、弾性が低下するおそれが生じる。
【0028】また、本発明において、可塑剤としては芳
香族系可塑剤を使用することが好ましい。このような芳
香族系可塑剤としては、ジブチルフタレート(DB
P)、ジヘキシルフタレート(DHP)、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフ
タレート(DnOP)、ジイソオクチルフタレート(D
IOP)、ジデシルフタレート(DDP)、ジノニルフ
タレート(DNP)、ジイソノニルフタレート(DIN
P)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、C6〜C
10混合高級アルコールフタレート、ブチルベンジルフタ
レート(BBP)、オクチルベンジルフタレート、ノニ
ルベンジルフタレート、ブチルフタールブチルグリコレ
ート(BPBG)等のフタール酸エステル類、トリクレ
ジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェ
ート(TXP)、モノオクチルジフェニルホスフェー
ト、モノブチル−ジキシレニルホスフェート(B−Z−
X)等のリン酸エステル類、ジプロピレングリコールベ
ンゾエート、N−ブチルベンゾエート、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレートベ
ンゾエート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールジベンゾエート等の安息香酸エステル、フェ
ノール系アルキルスルホン酸エステルなどを挙げること
ができ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して
使用することができるが、これらの中ではフタール酸エ
ステル類、特にジアルキルフタレート、アルキルベンジ
ルフタレートと、安息香酸エステルが好適に用いられ
る。
【0029】また、他の可塑剤、例えばジオクチルアジ
ペート(DOA)、ジオクチルアゼレート(DOZ)、
ジオクチルセバケート(DOS)等の直鎖二塩基酸エス
テル類、トリオクチルホスフェート(TOF)等のリン
酸エステル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ジオールモノ又はジイソブチレートや、トリブチル・ク
エン酸エステル、トリオクチル・アセチルクエン酸エス
テル、C6〜C10脂肪酸のトリ又はテトラエチレングリ
コールエステル、メチルアセチルリシノレート等の上記
以外のエステル系可塑剤、ニトリル系合成ゴム、塩素化
物及び石油補助可塑剤等、またはこれらを混合したもの
等を用いることもできる。
【0030】本発明においては、スプレー作業性の改善
などの点から沸点が150〜250℃の低沸点可塑剤、
例えば石油系炭化水素(パラフィン系、ナフテン系、芳
香族系)可塑剤などを配合することが好ましい。その配
合量はPVC100部に対して5〜50部、より好まし
くは5〜40部、更に好ましくは10〜30部とするこ
とが好ましい。50部より多いと焼付時に低沸点可塑剤
が揮散し、発泡倍率の低下と、焼付塗膜の亀裂や異常発
泡が発生するおそれがある。
【0031】上記芳香族系可塑剤及び低沸点可塑剤を含
めた合計可塑剤量は、PVC100部に対して180〜
500部であることが好ましく、特には180〜300
部であることが好ましい。180部より少ないと、PV
Cゾルのゲル化速度が早まり、発泡セル形成に支障をき
たし発泡倍率を低下せしめると共に、焼付後の塗膜硬度
も硬くなり、発泡PVCの衝撃吸収性が低下して防音性
能が低下するおそれがある。一方、500部より多い
と、焼付後の塗膜物性が柔らかくなりすぎ、耐チッピン
グ性の確保ができない場合がある。
【0032】本発明のアンダーコート剤には、密着成分
としてポリアミドアミン、ブロックイソシアネートを単
独で又は組み合わせて用いることが発泡PVC塗膜の基
材に対する密着性を向上させる点から好ましく、特にポ
リアミドアミンとブロックイソシアネートとを併用する
と耐水性、耐腐食性が顕著に改善されると共に、騒音防
止性も著しく改善される。これは、ポリアミドアミンと
ブロックイソシアネートとが架橋してウレタン結合が生
じ、PVC塗膜に柔軟性、弾力性が付与され、衝撃吸収
性が向上し、音評価面で優れた効果が与えられるためと
考えられる。その配合量はPVC100部に対して5〜
40部、特に10〜30部であることが好ましく、この
場合、ポリアミドアミンはPVC100部に対して0〜
30部、特に5〜20部、ブロックイソシアネートはP
VC100部に対して1〜35部、特に3〜25部であ
ることが好ましい。上記密着成分の配合量が5部より少
ないとその効果を十分発揮せず、40部より多いとPV
Cゾルが液粘性が上がり、スプレー作業性が低下するお
それがある。
【0033】また、本発明のアンダーコート剤には、酸
化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤をゾル中の
水分をキャッチして水分による発泡を防止し、発泡PV
Cの耐水性、耐腐食性を向上させる点からPVC100
部に対して5〜100部、特に10〜40部配合するこ
とができる。なお、この吸湿剤の添加は、特に工程間放
置のふくれの問題を生じさせない点から好適である。即
ち、例えば、土、日の休日などにラインが止まり、ウェ
ットで塗布されたままで、発泡前のアンダーコート剤が
吸湿によってふくれが発生するおそれがある場合には、
この吸湿剤の添加が好適である。
【0034】更に、ジブチルすずラウレート系、亜鉛系
有機複合剤等のPVC安定剤を気泡調整剤としてPVC
100部に対して0〜5部、特に0.1〜3部配合する
ことができる。その他、着色剤として、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、カドミウムイエロー、フタロシアニン
ブルー等の顔料を用いることができ、PVC100部に
対し0〜5部、好ましくは1〜3部配合することができ
る。
【0035】本発明のアンダーコート剤は、特に自動車
の床裏部又はホイルハウス部のパネルに対するアンダー
コート用として好適であり、本発明のアンダーコート剤
を用いて自動車の床裏部やホイルハウス部のパネルにア
ンダーコート膜を形成する場合は、このアンダーコート
剤を上記パネルにスプレー塗布した後、120〜160
℃に加熱して発泡PVC層を形成するものである。この
場合、この発泡PVC層(膜)の厚さは1〜4mm、好
ましくは1.5〜4mm、更に好ましくは2〜4mmと
することが好適である。1mmより薄いと、耐チッピン
グ性の低下及び衝撃吸収性の低下による防音性能の低下
のおそれがある。一方、4mmより厚いと、塗布量が多
くなり、車体重量増、塗布作業性の低下及び垂直部の垂
れが懸念される。
【0036】本発明によれば、非発泡PVCを用いた場
合には、石ハネ騒音対策を考えると通常6mm以上の膜
厚が必要であるが、このようにアンダーコート膜が薄く
ても十分な騒音防止効果が発揮される。
【0037】なお、加熱、発泡、硬化は、自動車の塗装
工程の中で、中塗り塗装及び上塗り塗装の乾燥、焼付工
程と同時に行うようにすることが推奨される。
【0038】また、アンダーコート方法としては、パネ
ル接合部に防水・防塵を目的として行われるシール吹き
塗布と、パネル一般面に防錆及び耐チッピング性を目的
として行われる面吹き塗布とがあり、通常、最初にシー
ル吹き塗布が行われ、その上から面吹き塗布が実施され
る。従って、両者が重なって塗布されるため、両層の乾
燥前(塗布時)における相溶性、乾燥後の密着性が要求
され、このためシール吹き塗布と面吹き塗布に用いるア
ンダーコート剤は同一系のものであることが好ましい
が、本発明のアンダーコート剤はシール吹き塗布と面吹
き塗布との両者に適用できるので、貯蔵タンク、配管、
塗布設備等、設備面及び作業性面において優れているも
のである。なお、本発明のアンダーコート剤をシール吹
き、面吹きの両者に用いる場合、シール吹き面がウェッ
ト状態のまま面吹きを行い、両者を同時に発泡、硬化さ
せることが好ましい。また、面吹き塗布としてのみ使用
される場合は、本発明のアンダーコート剤がPVC系で
あるため、シール吹き塗布用のアンダーコート剤として
は、相溶性、密着性の点でPVC系のものを用いること
が好ましい。
【0039】本発明のアンダーコート剤は、2層構成の
アンダーコート膜において、その下層のクッション材を
構成する使用法、或いは表層(上層)として使用する方
法、更には上下両層への使用といった2層型に適用する
ことも可能であるが、好ましくは単層型として使用す
る。
【0040】本発明のアンダーコート剤は、単層とした
場合でも耐チッピング性、騒音防止効果に優れ、しかも
上述したようにアンダーコート膜が薄くてもかかる効果
を発揮するので、単層型の作業性が良いというメリット
を十分享受することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において、各性能のテスト
方法は以下の通りである。また、下記の例で“ウェッ
ト”とは、発泡、硬化前のゲル状態の塗膜を意味する。
【0042】[テスト方法]耐チッピング性 電着塗装を施した鋼板上に試料をウェットの膜厚が1m
mとなるように塗布し、130℃×20分間焼付けた。
上記試料を塗装面を上にして水平から60°の角度にセ
ットし、この塗膜面に垂直に立てた内径20mmで長さ
2mの塩化ビニルパイプの下端を当て、このパイプの上
端からパイプ内を通してJISに定められたM−4ナッ
トを落下させ、素地が露出するまでのナットの総重量を
測定した。
【0043】密着性 電着塗装を施した鋼板上に試料をウェット1mmに塗布
し、130℃×20分間焼付けた。焼付試料にカッター
ナイフで切り目を入れ、爪にて端末部から剥離を行い、
その剥離度合いで密着性の良否を決めた。 ○:凝集破壊 △:凝集/界面破壊の混合 ×:界面破壊
【0044】石ハネ音低減効果 1.6×300×300mmの電着塗装鋼板上の中央部
に190×190mmの面積で所定厚さの塗膜を形成
し、この鋼板を外寸法300×300mm、内寸法20
0×200mm、厚さ20mmの鋼鉄製四角枠で挟み、
この枠1を図1及び図2に示すように45°に傾けて配
置し、上記塗膜2の上方に内径25mm、長さ2mの塩
化ビニル樹脂製パイプ3を塗膜2の中心にスチールボー
ルが落下するように配置する。そして、直径8mm、重
さ2.08gのスチールボールをパイプ3から一個ずつ
落下させ、上記塗膜2にスチールボールが衝突したとき
に発生する衝撃音を測定する。この場合、パイプ3の下
端位置は塗膜2の中心の上方40mmとし、また衝撃音
を集音するマイクロホン4は、塗膜2の中心部より20
0mm上方で、パイプ3から40mm離間させた位置に
設置した。なお、結果は、8回の測定の平均値である。
【0045】またこの場合、塗膜を形成していない鋼板
の衝撃音はPOA値(2.5〜10KHz値)で106
dBであり、結果はこの衝撃音に比べてどの程度衝撃音
が低減したかで評価した。
【0046】スプレー作業性 電着塗装を施した鋼板上に、エアレススプレー用ポンプ
(圧縮比45:1)及び3/8インチ×5mのホースを
用い、温度30℃,ガン元静圧力100kgf/c
2,ガン距離300mm,チップ#443(日本グレ
イ社製)の条件下で各試料を塗布し、パターン幅を測定
し、スプレー作業性の良否を決めた。 ○:パターン幅200mm以上 △:パターン幅150〜200mm ×:150mm以下
【0047】〔実施例,比較例〕表1に示す処方のPV
Cゾルを調製し、130℃,20分で発泡させ、PVC
の種類による耐チッピング性、音評価、密着性を評価す
ると共に、PVCゾルのスプレー作業性について評価し
た。結果を同表に示す。
【0048】
【表1】 *1ペーストPVC:ペーストポリ塩化ビニル,平均重
合度1200,平均粒径1μm以下(粒度分布は2つの
ピークを有する ピーク:1次粒径0.1μm,2次粒径12μm) 〔Huls社製(独国)E−7031(商品名)〕 *2ペーストPVC:ペーストポリ塩化ビニル,平均重
合度1600,平均粒径2μm(粒度分布は1つのピー
クを有する) *3ペーストPVC:ペーストポリ塩化ビニル,平均重
合度2000,平均粒径1μm(粒度分布は1つのピー
クを有する) *4ペーストPVC:ペーストポリ塩化ビニル,平均重
合度1000,平均粒径20μm(粒度分布は1つのピ
ークを有する) *5コポリマーレジン:塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー(酢酸ビニル含量8重量%),平均重合度190
0,平均粒径1μm以下(粒度分布は2つのピークを有
する ピーク:1次粒径1μm,2次粒径10μm) *6コポリマーレジン:塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー(酢酸ビニル含量5重量%),平均重合度160
0,平均粒径2μm(粒度分布は1つのピークを有す
る) *7コポリマーレジン:塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー(酢酸ビニル含量11重量%),平均重合度100
0,平均粒径20μm(粒度分布は1つのピークを有す
る) *8低沸点可塑剤:パラフィン系炭化水素,沸点170
【0049】表1の結果より、1次粒子と2次粒子が混
在する塩化ビニル系樹脂を使用した場合、耐チッピング
特性に優れ、かつ音評価、密着性が良好であると共に、
スプレー作業性に優れていることが認められる。
【0050】
【発明の効果】本発明の騒音防止用アンダーコート剤
は、スプレー作業性がよく、また優れた耐チッピング特
性、密着性を与え、かつ騒音防止性に優れた塗膜を与え
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】石ハネ音低減効果測定装置の側面図である。
【図2】石ハネ音低減効果測定装置の正面図である。
【符号の説明】
1 枠 2 塗膜 3 パイプ 4 マイクロホン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 豊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂、有機発泡剤、可塑
    剤、充填剤を含有してなる騒音防止用アンダーコート剤
    において、上記塩化ビニル系樹脂が、平均粒径が5μm
    以下の1次粒子と、1次粒子の凝集体であり平均粒径が
    100μm以下の2次粒子からなる塩化ビニル系樹脂粒
    子を50重量%以上含有することを特徴とする騒音防止
    用アンダーコート剤。
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KR100826834B1 (ko) 2008-02-04 2008-05-02 김영동 소음방지 조성물 제조방법 및 이를 이용한 소음방지 바닥시공방법
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KR20210034889A (ko) * 2019-09-23 2021-03-31 (주)엘지하우시스 스프레이 코팅용 조성물

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