JPH1183780A - ガスセンサの選別方法 - Google Patents

ガスセンサの選別方法

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JPH1183780A
JPH1183780A JP25604897A JP25604897A JPH1183780A JP H1183780 A JPH1183780 A JP H1183780A JP 25604897 A JP25604897 A JP 25604897A JP 25604897 A JP25604897 A JP 25604897A JP H1183780 A JPH1183780 A JP H1183780A
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temperature
waveform
ppm
concentration
gas sensor
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JP25604897A
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English (en)
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Akira Shioiri
明 塩入
Toshihiro Uko
利浩 宇高
Kazuya Aranishi
一哉 新西
Kazuko Takamatsu
和子 高松
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Figaro Engineering Inc
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属酸化物半導体ガスセンサを温度変化さ
せ、温度変化時の波形と標準波形との類似度により、ガ
スセンサを選別する。類似度は、温度波形のフーリエ変
換と標準波形のフーリエ変換の類似度、あるいは温度波
形と標準波形との相関関数の値で定める。 【効果】 ガスセンサを複雑系として扱うにふさわしい
選別方法が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は金属酸化物半導体ガスセ
ンサの選別に関する。
【0002】
【従来技術】温度変化を用いた金属酸化物半導体ガスセ
ンサとして、SnO2系のCOセンサTGS203等
(TGS203はフィガロ技研の商品名)がある。この
ガスセンサは150秒周期で動作し、最初の60秒間を
高温域に次の90秒間を低温域に割り当て、高温域での
最終温度は300℃、低温域での最終温度は80℃で、
低温域終了時の金属酸化物半導体の抵抗値からCOを検
出する。センサの抵抗値はCO濃度にほぼ反比例し、水
素とCOとの相対感度は1:10で、例えば水素100
0ppmとCO100ppmとが等価となる。さらに抵抗値の
初期分布は、CO100ppm中で1〜10KΩである。
【0003】発明者は、TGS203を用いたCO検出
装置を高精度化し、検出精度を2倍以上向上させること
を検討した。用いた方法論は、TGS203を複雑系と
見なし、ガスセンサ信号の温度波形を用いて信頼性の高
いCO検出信号を得ることであった。この過程で発明者
は、TGS203の経時的ドリフトを除き、また温湿度
依存性を補償することに成功した。
【0004】しかし上記の技術のために、金属酸化物半
導体ガスセンサに対する新たな選別方法、即ち出荷時や
CO警報機に組み込む際の新たな検査方法が必要になっ
た。従来のTGS203の選別基準は、低温域の最後の
信号で、COの水素に対する相対感度が10倍以上であ
ること、CO100ppm中の抵抗値が1〜10KΩにあ
ることである。しかしながらこのような選別基準は不十
分である。TGS203は温度変化するので、温度変化
時のセンサ信号の波形を用いれば複数の信号が得られ、
検出精度が向上する。しかし従来の選別基準は低温域の
最後の信号のみに着目している。またCO100ppm中
でのセンサ抵抗の範囲が1〜10KΩにあることは、ガ
スセンサの特性とは余り関係がなく、単に製造収率を低
下させているだけである。
【0005】ここで関連する先行技術を示す。ガスセン
サの温度を変化させて、その抵抗値の挙動を温度波形と
見なし、これをフーリエ変換してガスを検出すること
は、吉川らにより提案されている(アナリティカル・ケ
ミストリー VoL68,No.13,2067−2072,
1996)。またガスセンサの高温域の信号と低温域の
信号とを組み合わせることには、多数の研究がある(例
えば、米国特許4896143,同4399684)。
【0006】
【発明の課題】この発明の課題は、金属酸化物半導体ガ
スセンサの新たな選別方法を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】この発明では、ヒータとガスにより抵抗
値が変化する金属酸化物半導体とを備えたガスセンサを
選別する方法において、ガスセンサを検出対象ガス中で
温度変化させた際のガスセンサ信号の温度波形を測定
し、この温度波形と標準波形との類似度に基づいてガス
センサを選別することを特徴とする。
【0008】好ましくは、前記温度波形として、温度変
化過程での少なくとも4点のガスセンサ信号を用いる。
また好ましくは、ガスセンサ信号の温度波形と標準波形
とを共に正規化した後に類似度を求める。また好ましく
は、温度波形と標準波形との母関数を求めて、母関数間
の類似度により、ガスセンサの温度波形と標準波形との
類似度を求める。また好ましくは、温度波形と標準波形
との相関関数の値を求めて、相関関数の値によりガスセ
ンサの温度波形と標準波形との類似度を求める。
【0009】
【発明の作用と効果】この発明では金属酸化物半導体ガ
スセンサを検出対象ガス中で温度変化させ、好ましくは
4点以上、より好ましくは10点以上でのガスセンサ信
号をサンプリングして、温度波形を求める。求めた温度
波形を、特性を予め確認済みの標準的なガスセンサに対
応する標準波形と比較する。あるいは選別するガスセン
サの集団中の平均波形を標準波形として、これとと比較
する。そして測定した温度波形と標準波形との類似度に
基づき、ガスセンサを選別する。このようにすれば波形
の揃ったガスセンサを選別でき、温度波形を用いてガス
を検出する際に好都合である。
【0010】温度波形を求めるのに必要なサンプリング
ポイントの数は、ガスセンサの情報量と関係する。例え
ば実施例で用いたTGS203は低温域の後期,高温域
の初期,高温域の後期,低温域の初期の4つの種類の異
なる信号を含んでおり、近似的に情報次元を4次元と見
なすことができる。そこで4点でのサンプリングは、T
GS203の温度波形を表現するための条件である。よ
り複雑な温度波形を有するガスセンサでは、必要なサン
プリングポイントの数は増加する。
【0011】温度波形の比較において、ガスセンサの抵
抗値自体は余り重要ではない。そこで抵抗値の違いをマ
スクして比較するため、好ましくは温度波形も標準波形
も抵抗値に関して正規化を行う。
【0012】温度波形の比較では、フーリエ変換やラプ
ラス変換等の母関数に温度波形や標準波形を変換して比
較しても良い。母関数では元の温度波形に比べてデータ
が圧縮されいる。ただし母関数を用いる場合、母関数へ
の変換のために温度波形を多数の点、例えば10点以上
で好ましくは20点以上でサンプリングする必要があ
る。
【0013】温度波形の比較では、標準波形との相関関
数の値を求めても良い。相関関数の値は測定した温度波
形と標準波形との類似度を表し、例えば4点のサンプリ
ングでは母関数を求めることはできないが、相関関数の
値を求めることはできる。
【0014】標準波形と温度波形との類似性は、標準の
ガスセンサと、仮にそれがバーチャルなものでも実在の
ものでも、選別対象のガスセンサとの、全体的な特性の
類似性を示している。そこでこの発明では、ガスセンサ
特性の全体的な特徴を選別し、温度波形を用いるガスセ
ンサに適した選別方法を提供することができる。
【0015】
【実施例】
【0016】
【ガス検出装置の構造】図1〜図36に実施例を示す。
図1に開発したガス検出装置の構造を示すと、Sは金属
酸化物半導体ガスセンサで、ここではTGS203を用
い、SnO2系の金属酸化物半導体2の両端に一対のヒ
ータh1,h2を配置したものである。センサSの種類
や構造,材料,検出対象ガスは任意である。4は直流5
V等の直流電源で、その出力VDDを用いてガス検出装置
を駆動する。ガスセンサSの一対のヒータh1,h2を
共に駆動するため、トランジスタT1,T2を用い、こ
れらを同時にオン/オフさせる。そしてトランジスタT
1,T2が共にオンすると、ヒータh1、h2に電流が
流れ、トランジスタT1,T2のオンのデューティー比
を変えることによって、金属酸化物半導体2の温度を周
期的に変化させる。ここではTGS203の動作条件に
従い、高温域を60秒間、低温域を90秒間とし、ヒー
タ電力の波形は高温域と低温域の2段階で変化する方形
波状で、高温域の最終温度は300℃、低温域の最終温
度は80℃である。また実施例では時刻の表示として、
低温域の終了直前を0秒目とし、0〜60秒目を高温域
として、90〜150秒目(150秒目は0秒目と等し
い)を低温域とする。ただしヒータ波形は方形波に限ら
ず、サイン波や鋸波等でも良い。
【0017】金属酸化物半導体2には、抵抗ラダー5を
接続し、R1〜Rnはその個別の抵抗である。ここでは
各抵抗R1〜Rnは4倍ずつ変化するものとし、例えば
0.5KΩ,2KΩ,8KΩ,32KΩ,128KΩ,
512KΩの6つの抵抗を用いる。固定抵抗の精度は±
2%程度のものが容易に得られ、抵抗値の切り替えに基
づくAD変換誤差は±2%程度である。そしてトランジ
スタT1,T2をオフすると、電源出力VDD(以下検出
電圧Vcと呼ぶ)は金属酸化物半導体2を介して抵抗ラ
ダー5に流れ、抵抗ラダー5への出力電圧をAD変換し
て処理する。
【0018】8はマイクロコンピュータで、ここでは4
ビットの1チップマイクロコンピュータを想定する。1
0はそのバスで、12は例えば8ビットのADコンバー
タ、14は抵抗ラダー制御部で、抵抗R1〜Rnの1本
のみをアースし、アースした抵抗を負荷抵抗として用い
る。そして前記のように抵抗ラダーへの出力電圧はAD
コンバータ12でAD変換される。なお抵抗ラダー5へ
の出力電圧をさらに分圧してAD変換しても良いことは
当然で、また抵抗ラダー5側の電圧ではなく、センサS
側の電圧をAD変換しても同じことである。16はヒー
タ制御部で、トランジスタT1,T2のオン/オフを制
御し、60秒の高温域と90秒の低温域からなる温度サ
イクルを発生させる。18はEEPROM制御部で、2
0はEEPROMである。
【0019】EEPROM20の構成を図3に示すと、
例えばここではCOを検出対象とし、検出範囲をCO5
0〜600ppmの約10倍の範囲とする。基準信号とし
てはCO65ppm,200ppm,400ppmの3点を用
い、基準信号として0秒目のセンサ抵抗の対数LnR0,
6秒目のセンサ抵抗の対数LnR6,69秒目(低温域の
初期)のセンサ抵抗の対数LnR69を用いる。なおLnは
自然対数を表し、R0の0等の添え字は0秒基準のタイ
ミングを表す。CO200ppmや400ppmでも、同様に
して0秒目,6秒目,69秒目の3つの基準信号をセン
サ抵抗の対数の形で記憶させる。51〜53は、各濃度
についての基準信号を1枚のカードとして考えた際のカ
ードである。これ以外にカード54にはCO検出装置の
使用経歴を記録させる。即ち経過時間として、延べ使用
時間と過去のCOの警報に関する記録を記憶させる。延
べ使用時間はCO検出装置の電源がオンしている時間の
累積値であり、例えば時間の単位は1日として、累積使
用時間をカード54に記憶させる。警報の記録として
は、後述のブザーが鳴動する毎にその日付を記憶する。
日付としては、延べ使用時間と同じ基準での日付を記憶
させる。このようにすると、ブザーが鳴動した日が判明
する。
【0020】22は入出力で、調整スイッチ23とリセ
ットスイッチ24が接続されており、調整スイッチ23
をオンすると、EEPROM制御部18はEEPROM
20への書き込みが可能になり、CO検出装置の調整時
にのみ使用するスイッチである。リセットスイッチ24
はブザー38の鳴動を停止させるためのスイッチであ
る。
【0021】マイクロコンピュータ8には4ビットの算
術論理演算ユニット26があり、150秒周期でCO検
出装置を動作させるためのシーケンス制御部28が存在
し、シーケンス制御部28はタイマを内蔵している。3
0はRAMで、揮発性メモリーとして用い、その構成を
図2に示す。RAM30には、LnR0,LnR6,LnR6
9の3つの測定データと、これらに対する2濃度での基
準信号が記憶されている。基準信号は常時は低濃度側の
65ppmと200ppmを使用し、ガス濃度が200ppmを
越えると、65ppmの基準信号を400ppmの基準信号で
置き換える。そしてガス濃度が200ppm以下に低下す
ると、400ppmの基準信号を65ppmの基準信号で置き
換える。ガスの検出範囲は50〜600ppmであり、5
0〜65ppmの範囲は、基準信号65ppmに近い。また4
00〜600ppmの範囲は、基準信号の400ppmに対し
て1.5倍の範囲であり、400ppmの基準信号を用いて
ガス濃度を正確に求めることができる。これらの範囲を
除くと、COが発生している場合、現実のCO濃度の両
側の基準信号を用いて、2つの基準信号間の補間により
ガス濃度を決定する。
【0022】RAM30にはこれ以外に、求めたCO濃
度やCO濃度から換算したCOHb(血中のCOヘモグ
ロビン濃度)やその他の補助信号(例えば1日単位での
タイマを構成するための時刻データ)等を記録する。
【0023】図1に戻り、32は警報制御部で、駆動回
路36を介してLED39,40を動作させ、血中CO
ヘモグロビン濃度が例えば5%以上でブザー38を鳴動
させる。ブザー38を鳴動させると、EEPROM制御
部18はカード54に警報の日付を書き込む。34はプ
ログラムメモリーであり、これ以外に温度補正に用いる
様々な常数等のデータも記録させてある。なおこれらの
データは、センサSが変わっても共通の固定データであ
る。そしてセンサ毎のデータは全てEEPROM20に
記録させてある。42はサーミスタで周囲温度を測定
し、44は温湿度補正部である。
【0024】
【検出装置でのサンプリングと対数変換】図4に10個
のセンサの平均の温度波形を示す。CO100ppmの波
形に実施例で用いたサンプリングポイントを○で示す
と、150秒目,6秒目及び69秒目でサンプリングを
行う。センサの抵抗値はCO30ppm〜300ppmの範囲
で約10倍変化し、また0秒目と69秒目とでは抵抗値
が約10倍異なる。これ以外にセンサ抵抗のばらつきや
周囲温湿度の変動等を加えると、AD変換の範囲は抵抗
値で約0.5〜500KΩとなる。そこでこの範囲でA
D変換ができるように、抵抗R1〜Rnを0.5KΩ〜
512KΩまで4倍ずつ6段階に変化させ、各サンプリ
ングタイミングの直前に抵抗ラダーへの出力VRlを監視
して、その値に応じて負荷抵抗を切り替える。VRlのA
D変換自体は1秒以内に行うことができ、その時の値に
応じて各サンプリングポイントでどの抵抗を用いるかを
決定すればよい。
【0025】図5は、別の10個のセンサについて高温
域の初期の温度波形を拡大して示したものである。雰囲
気は0℃で相対湿度96%,20℃ 65%,50℃
40%,の3種類で、±2δ(δは標準偏差)の範囲と
平均値とを示してある。ガス濃度はCO100ppmであ
るが、周囲の温度や湿度の変動により抵抗値は各タイミ
ングで10倍弱変化している。また0秒目と6秒目の抵
抗値はほぼ等しく、例えば6秒目には0秒目と同じ負荷
抵抗を用いても良い。しかし好ましくは例えば148秒
目の信号で0秒目(もしくは高温域への移行前のサンプ
リングを確実にするため、149秒目)の抵抗値を決定
し、5秒目の抵抗値から6秒目の負荷抵抗を決定する。
同様に68秒目の抵抗値から69秒目の負荷抵抗を決定
する。
【0026】図6にサンプリングのアルゴリズムを示
す。時刻が148秒目に達すると、出力電圧をAD変換
し、この値が検出電圧Vc(VDDと同じ)の1/3〜2
/3の範囲内にあることを確認する。この範囲では、セ
ンサ抵抗と負荷抵抗との抵抗値の比は2:1〜1:2の
範囲内にある。出力電圧が正しければそのままで、正し
くない場合には負荷抵抗を切り替え、この範囲に収まる
ようにする。次に0秒目に達すると出力電圧をAD変換
し、AD変換した出力電圧VRlを用いて式(1)により0
秒目でのセンサ抵抗の対数を求める。同様に5秒に負荷
抵抗の値が正しいかどうかをチェックし、6秒目のセン
サ抵抗の対数を求める。さらに68秒目でも負荷抵抗の
値が正しいかどうかをチェックし、69秒目でセンサ抵
抗の対数を求める。
【0027】 LnR=2−4VRl/Vc+LnRl (1) 式(1)のようにセンサ抵抗の対数を1次の項まで近似し
た場合、R/Rlが1で誤差が0、R/Rlが1/2また
は2で誤差は2%、R/Rlが1/3または3で誤差は
11%となる。実施例ではCO濃度を±20%以下の誤
差で検出することを目的とするので、±10%の誤差は
大きすぎる。そこでセンサ抵抗と負荷抵抗との比を0秒
目,6秒目,69秒目の3点で2〜1/2の範囲に保つ
ように抵抗ラダー5を制御する。
【0028】式(1)によるVRlからセンサ抵抗の対数へ
の変換は線形変換であり、極めて簡単な変換である。し
かしこれに伴って6個の負荷抵抗が必要であった。負荷
抵抗の数を例えば4個に減少させるには、R/Rlの範
囲を4〜1/4、より好ましくはルート8〜1/ルート
8の範囲に保つようにする。このためには3次の項まで
の変換が必要である。センサ抵抗の対数をVRlで級数展
開すると、2次の項は存在せず、3次の項までを加味し
たものが式(2)、(3)である。式(2),(3)を用いた場合、
R/Rlが1で変換誤差は0%、R/Rlが1/4または
4で変換誤差は4%、Rlが1/3または3で変換誤差
は2%である。そこで例えば抵抗R1〜Rnの値を16
倍ずつ、より好ましくは8倍もしくは9倍ずつ変化させ
る。そして例えば抵抗R1〜Rnの値を1KΩ,8K
Ω,64KΩ,512KΩの4種とする。このようにす
れば0.5〜1MΩの範囲を2%以下の誤差で対数に変
換することができる。 LnR=2x+2/3×x3+LnRl (2) x=1−2VRl/Vc (3)
【0029】
【ガス検出装置の調整】図1のガス検出装置の調整の手
続を図7に示す。なおこの時調整スイッチ23をオン
し、EEPROM20への基準信号の書き込みを可能に
しておく。CO検出装置を調整槽にセットするものとし
て説明すると、検出装置をセットした後、電源を投入し
て作動させる。そして例えば65ppmのCOを注入す
る。するとマイクロコンピュータ8はRAM30に書き
込むために、LnR0,LnR6,LnR69を発生する。こ
れをEEPROM20のカード51に記入させる。次い
でCO濃度を200ppmに増加し、同様の手順を行う。
さらにCO濃度を400ppmまで増加させる。このよう
に所定の手順でCO濃度を増加させれば、EEPROM
20に基準信号を書き込むことができる。そしてこの結
果、可変抵抗を調整して基準信号を記憶させる必要が無
く、調整作業が簡単になる。
【0030】ここではCO検出装置を調整槽にセットす
るものとしたが、センサSのみをセットしても良い。そ
してセンサSの抵抗値を例えば12ビット程度のADコ
ンバータでAD変換し、パーソナルコンピュータ等に記
録させ、これをEEPROM20に書き込んでも良い。
この場合にはセンサSはCO検出装置には組み込まれて
おらず、センサSをEEPROM20とセットにして取
り扱い、これらを別途に組み立てたCO検出装置に組み
付ける。センサSとEEPROM20以外の部分は、通
常の電子回路と全く同様に扱え、ガスセンサについて経
験のないメーカーでもCO検出装置を組み立てることが
できる。
【0031】
【ガスセンサ信号のドリフト】図8〜図12にセンサ抵
抗のドリフト特性を示す。これはTGS203の45個
のデータで、不良品(7個)や良品(20個)、あるい
は2年以上放置したサンプル(8個)、さらにはいった
んCO検出装置にセットした後に回収したサンプル(1
0個)を含んでいる。各図の横軸は0秒目のセンサ抵抗
を対数目盛りで示し、縦軸は6秒目(図8),12秒目
(図9),30秒目(図10),60秒目(図11),
120秒目(図12)のセンサ抵抗を同様に対数目盛り
で示している。そして横軸が1は0秒目のCO100pp
m中での基準信号(通電開始3日目)で、縦軸が1は6
秒目等でのCO100ppmでの基準信号(通電開始3日
目)である。図8〜図12はCO100ppm中での通電
開始3日目の基準信号で正規化してある。
【0032】図の各点は5週間の通電に伴う測定点を示
し、45個のTGS203を5週間使用すると、センサ
は2倍程度高低抵抗化してゆく。図8では、高抵抗化は
6秒目等と0秒目との2次元位相空間で傾きが1の狭い
直線上に集中している。この軸をドリフト軸と呼ぶこと
にする。なおCO30ppm中や300ppm中でドリフト軸
が明瞭でないのは、TGS203の濃度依存性の分散の
ためである。即ち濃度依存性が均一でなく、CO30pp
m中や300ppm中での初期点が1点に揃わないので、初
期点の分散のためドリフト軸が不明瞭である。またCO
30ppm,100ppm,300ppmの3点を結んだ直線を
濃度軸と呼ぶことにする。そしてTGS203の初期の
特性はこの濃度軸上にあり、使用と共に濃度軸はドリフ
ト軸の方向に沿って平行移動していく。
【0033】図9でも同様のドリフト軸が見られるが、
ドリフト軸の周囲の位相点の分布は広がり、これは0秒
目の信号のドリフトと12秒目の信号のドリフトの相関
が、0−6秒目の場合に比べて弱いことを示している。
図10の30−0秒目の特性では、ドリフト軸の周囲の
分布はより広く、CO300ppmでCO100ppmとの区
別が難しい点が生じている。図11の60−0秒目の特
性では、CO300ppm中で最もドリフトしたもので
は、CO100ppmでの基準点にほぼ重なろうとしてい
るものが存在する。図12の120秒目−0秒目の特性
では、0秒目の信号と120秒目の信号が酷似した信号
であるため、ドリフト軸も濃度軸も共通で、かつ全ての
位相点が1本の直線の周囲に集まっている。
【0034】これらのことからドリフト補正に用いるこ
とができるのは、高温域の初期の信号で例えば4〜20
秒目の信号、好ましくは5〜15秒目の信号である。そ
して組み合わせる相手は低温域の後期の信号で、例えば
90〜150秒目,好ましくは120〜150秒目の信
号である。図8〜図11のいずれでも濃度軸とドリフト
軸は斜交し、直交座標系でCO濃度とドリフトとに対応
する2軸を求めることができない。仮にドリフト軸と直
交する濃度軸を求めることができるとすると、それはド
リフトの影響を受けない軸が存在し、その軸上の座標は
ガス濃度のみで定まることを意味する。しかしながらこ
のような軸を見つけることはできなかった。
【0035】実施例ではセンサ抵抗の対数を用いるの
で、濃度軸やドリフト軸は直線となる。しかしセンサ抵
抗そのものを用いれば、濃度軸は放物線に近い曲線軸と
なる。
【0036】
【負の水素感度】各図にはこれ以外にCO100ppmと
水素300ppmの混合ガスの挙動や、水素1000ppm中
での挙動を示した。図8から明らかなように、水素に対
しては感度は僅かに負になっている。例えば図8のCO
100ppm+水素300ppmの各点をドリフト軸に沿って
平行移動させ、濃度軸との交点を求めると、得られる濃
度範囲はCO80ppm〜60ppmである。一方CO100
ppm中での5週間の各点の分布は狭く、ドリフト軸に沿
って平行移動させ、濃度軸との交点を求めると、分布範
囲はCO80〜120ppm程度となる。水素に対する感
度が負になるのは、6秒目の信号の方が0秒目の信号よ
りも水素感度が高いためである。そこでこれを補正する
ため、0秒目と69秒目の信号からなる位相空間を用い
る。
【0037】この場合の同様の5週間の通電データを図
13に示す。図13から明らかなように、水素が発生す
ると69秒目の抵抗値は著しく減少し、濃度軸から極端
に離れた場所にある。そこで濃度軸から図13の下方向
に下降する距離をもって水素濃度を表す信号とする。
【0038】このような水素検出信号は正確なものでは
なく、図13では斜交座標系を用いていない。しかし小
さな負の水素感度の補正用なので、定量性のない水素検
出信号でも用いることができる。そして水素感度の補正
では、図8で僅かに負になっている水素感度を0に戻
す、即ちCOのみに極めて選択的なCO検出装置を設計
する、あるいはTGS203の本来の特性のようにCO
対水素の相対感度を10:1となるように補正する、の
2通りが考えられる。これらのいずれを選ぶかは、CO
検出装置の設計方針の問題である。
【0039】
【ドリフト補正】図14にドリフト補正の原理を示す。
図の実線は濃度軸、破線はドリフト軸である。そして6
5ppm、200ppm,400ppmの3点での基準信号がE
EPROM20に記録されている。測定により、LnR0
とLnR6の2つの次元での位相空間上の点(a,b)が
定まる。またこの位相空間での各基準信号の座標を図1
4のように定める。そして点(a,b)からドリフト軸
に沿って平行移動させ、濃度軸との交点の座標を(e,
f)とする。座標(e,f)が求まれば、濃度軸上の位
置からCO濃度を求めることができる。そして座標
(a,b)から座標(e,f)への移動は、ドリフト軸
に平行な濃度軸への射影である。
【0040】なお射影の手法は任意で、例えば図14の
位相空間上にCO濃度を示すデータを書き込んで2次元
のマップとし、マップ上の位置からCO濃度を求めても
良い。そしてマップが粗く各座標に直接対応するデータ
が無いことは、マップの各点間の補間で処理すれば良
い。あるいは各基準点(l,m),(e,f),(q,
r)からドリフト軸に平行な3本の線を引き、各線上に
CO濃度に対する補正値を書き込み、濃度軸上では補正
値は1とする。そしてドリフトによる高抵抗化を補正す
るように、補正値を定める。そして測定点を通るように
濃度軸を平行移動させ、両側の2つの補正線との交点を
求め、各補正線での補正値を求めて補間する。このよう
にして求めた補正値で0秒目のセンサ抵抗の対数を補正
し、CO濃度に換算する。これらの変形例では、射影の
制限を補正線での補正値やマップの値に反映させること
ができ、射影への微細な操作が容易である。
【0041】
【温湿度依存性】図16に別の10個のTGS203に
ついて、CO100ppm中での0℃,相対湿度約96%
と、20℃相対湿度65%との間の抵抗値の比を示す。
横軸は温度変化でのタイミングである。温湿度依存性の
大部分は0秒目と6秒目とのドリフト補正の副作用とし
て補正される。
【0042】図17に同じ10個のTGS203につい
て、CO100ppm中での50℃,相対湿度約40%
と、20℃相対湿度65%との間の抵抗値の比を示す。
温湿度依存性の大部分は0秒目と6秒目とのドリフト補
正の副作用として補正される。
【0043】
【信号処理】図18〜図23に、CO濃度の算出を示
す。図18はメインループを示し、最初に測定データか
ら、a,b,cの3つの変数を定義する。次に温度補正
のサブルーチン(図19)、ドリフト補正のサブルーチ
ン(図20),水素補正のサブルーチン(図21)によ
りCO濃度を求める。最後にCO濃度から血中COヘモ
グロビン濃度COHbを求める。なおCOHbの初期値
はリセット時には0としておく。この変換自体は既に周
知で、k2,k3,k4は定数で、k4はここでは検出
下限以下のCO30ppm程度に相当する値とし、CO濃
度が30ppm以下では検出を行わないようにする。
【0044】
【温度補正サブルーチン】図19の温度補正サブルーチ
ンでは、サーミスタ42から周囲温度Tを求める。プロ
グラムメモリー34には、周囲温度からa,b,cに対
する補正常数T1,T2,T3の参照表が用意され、こ
れを読み出してa,b,cに加算する。
【0045】
【ドリフト補正サブルーチン】図20にドリフト補正サ
ブルーチンを示す。ドリフト軸の傾きは1で、(e−
a)と(f−b)は等しい。このため f=e+(b−
a) が成立する。そこでe,fの2つの未知数の1つ
を消去できる。次に、n−pがa−b以上かどうかチェ
ックする。この条件が不成立の場合、測定点は200pp
mからドリフト軸を延ばした際にドリフト軸の下側にあ
り、検出濃度は200ppm以下である。次に点(e,
f)は65ppmと200ppmの2つの基準信号で定まる線
分を内分している。このことからe,fは65ppmや2
00ppmでの基準信号の座標n,p,q,rと1つの関
係式に拘束され、これらを用いて座標eを解くことがで
きる。
【0046】求めたeには射影の制限がなく、濃度軸か
ら極端に離れた点でも、濃度軸の近傍でも同様に射影し
ている。また濃度軸の上下で射影は対称である。これに
対して、濃度軸から高抵抗側へのドリフトが著しいほ
ど、射影を制限してドリフトの一部のみを補正するよう
にすることが好ましい。また濃度軸から低抵抗側にドリ
フトした場合には、高抵抗側へのドリフトよりも補正を
控え目にすることが好ましい。さらにCO30ppm程度
でのドリフト軸の傾きは、100ppm以上でのドリフト
軸の傾きよりも僅かに大きく、濃度毎にドリフト軸の傾
きを変えるのが好ましい。また30ppmのCOは無害で
検出対象に含まれず、このような低濃度域のCOに対し
てドリフト補正を行う必要が無い。そこで図22に示す
ように、濃度軸の上下で補正を非対称にし、かつ濃度軸
からの距離が増すとドリフトを部分的に補正することが
好ましい。
【0047】マップを用いる場合やドリフト軸をCO濃
度毎に複数容易する場合は、上記の処理はマップ内のデ
ータの操作やドリフト軸の傾きの操作で処理できる。し
かし実施例では、eを求めた後にプログラムメモリー3
4に記憶させた2次元の参照表で、上記の処理を行う。
この参照表の見出しは(e−a)とeで、(e−a)は
濃度軸からの距離に比例する。また(e−a)の符号
は、濃度軸の上下で反転する。eの値はCO濃度を示
し、低濃度域の処理か高濃度域の処理かはeの値で判明
する。そこで(e−a)とeに応じて、eの値を参照表
から更新すれば、濃度軸の上下で非対称で、濃度軸から
の距離の大きな領域で補正を控え目にし、低濃度域で補
正を控え目にすることができる。ただし図22に対応す
る処理は行わなくても良い。
【0048】値eが最終的に判明すると、65ppmと2
00ppm間の線分の内分比yを求める。yが0でCO濃
度が200ppm、yが1でCO濃度が65ppmである。こ
の間には約3倍のCO濃度の変化があり、これをそのま
ま解くと、exp(y)の級数展開で2次以上の項が必
要になるので、65ppmと200ppmの中点を考え、これ
よりも200ppm寄りでは、200ppmの濃度を元に級数
展開し、これよりも65ppm寄りでは65ppmの濃度を元
に級数展開する。このようにすればexp(y)=1+
y と近似しても、ほとんど近似誤差は生じない。この
ようにして水素濃度の補正前のCO濃度が定まる。
【0049】さて求めた位相点がCO200ppmを通る
ドリフト軸よりも上側にある場合、CO濃度は200pp
mを越えている。そこでこの場合EEPROM20にア
クセスし、CO400ppmの基準信号を読み出す。以下
同様にしてCO濃度を求める。この場合の処理はCO6
5ppmと200ppmの2つの基準信号を用いた場合の処理
と同様で、CO65ppmの基準信号の代わりにCO40
0ppmの基準信号を用いればよい。
【0050】温湿度依存性には図23のようなガス濃度
依存性があり、低濃度域と高濃度域とでは温湿度依存性
が異なる。しかし温湿度補正サブルーチンの段階ではC
O濃度は不明である。そこでCO濃度を仮に求めた後
に、周囲温度Tと仮に求めたCO濃度とからプログラム
メモリー34に記憶させた2次元の参照表を用い、CO
濃度を再補正する。これは温湿度依存性のCO濃度依存
性を無視して1次近似し、求めた仮のCO濃度を用いて
温湿度依存性のCO濃度依存性を再補正する手法であ
る。参照表には仮のCO濃度と周囲温度とを見出しとし
てCO濃度の増減量を記憶させ、この値を加えて再度C
O濃度を求める。図23に対応する処理は省略可能であ
る。
【0051】
【水素補正サブルーチン】CO濃度が求まると水素補正
を施す。その処理を図21に、その原理を図15に示
す。0秒目の抵抗値の対数と69秒目の抵抗値の対数で
定まる2次元位相空間において、測定点の座標が(a,
c)であるとする。これを65ppm,200ppm,400
ppmの濃度軸へ図15の垂直上方に移動させた際の交点
を(a,g)とする。そしてgとcとの差をhとし、h
によって水素濃度が定まるものとする。この場合aの値
がnを越えるか否かから、基準信号として400ppmの
信号を用いる必要があるか否かを判別し、aがn以下の
場合、EEPROM20にアクセスして400ppmの基
準信号を読み出す。そして点(a,g)が200ppmの
基準信号と400ppmの基準信号を結ぶ線分上にあるこ
とから、座標gについて1つの式が発生し、これからg
を求めることができる。gが求まればhが求まり、例え
ばk1を適当な正の定数として、図12のメインループ
で求めたCO濃度にk1×hを加算する。ここでの加算
の基準としては、例えばCO検出装置の水素濃度依存性
が0となるようにする、あるいはCO対水素の相対感度
が10:1等の適当な値となるようにする。aがnより
も大きい場合、即ち図15で求めた座標点(a,c)が
200ppmの基準信号よりも右側にある場合、65ppmと
200ppmの基準信号を用いる。そして前記と同様にし
てhを求め、水素濃度の補正を行う。
【0052】
【ガスセンサの情報次元】ガスセンサが含む独立した信
号の数を情報次元と呼ぶことにする。情報次元はエント
ロピーを基礎として情報科学で明確に定義された概念で
あるが、ここでは単に独立した信号の数を定性的に求め
て情報次元と呼ぶ。既に述べたように、0秒目の信号と
6秒目の信号との組合せでCO濃度とドリフトの程度と
を知ることができ、0秒目の信号と69秒目の信号の組
合せでH2濃度を知ることができた。
【0053】図24は別の40個のTGS203につい
て、0℃相対湿度96%と20℃,65%,50℃40
%での温湿度依存性を、CO30ppm,100ppm,30
0ppmについて示したものである。0℃では20℃や5
0℃とは別のライン上に位相点が存在し、絶対湿度の低
下を検出することができる。なおTGS203の温湿度
依存性は周知のように、主として絶対湿度依存性であ
る。
【0054】TGS203の温度波形を用いると、C
O,ドリフト,水素,絶対湿度(図24)の4種の信号
を得ることができる。一方TGS203の温度波形の他
者相関データ(サンプリングタイミングを変えた信号を
他者信号と見なした際の相関)からは、低温域の後期,
高温域の初期,高温域の後期,低温域の初期の4つに温
度波形を分類できることが分かる。またTGS203の
特性に影響するのは、CO,水素,絶対湿度,ドリフト
の4者である。これらのことからTGS203の温度波
形はCO,水素,絶対湿度,ドリフトの4つの信号を含
んでおり、TGS203の温度波形の情報次元は4次元
であるといえる。
【0055】
【ガスセンサの選別】
【0056】
【温度波形の分散】図25は、図8のドリフト特性中の
不良品7個の特性を示す。同様に図26は、図8のドリ
フト特性中の2年以上放置したサンプル8個の特性を示
す。図25と図8とを比較するとドリフト軸から離れた
サンプルは図25に表れ、不良品ではドリフト補正の精
度が低いことが分かる。同様に図26と図8とを比較す
ると、2年以上放置したサンプルではドリフトは小さ
く、しかもドリフト軸に集中して、きわめて扱い易いサ
ンプルであることが分かる。
【0057】図27〜34は通電開始3日目での図8の
各グループの温度波形を示し、図27,図31は不良品
の波形を、図28,図32は2年以上放置したサンプル
の波形を、図29,図33は良品20個からランダム抽
出した10個の波形を、図30,図34は返却品10個
の波形を示す。図27〜図30では、空気中(最も高抵
抗なライン)、CO30ppm中,100ppm中,300pp
m中のラインを示し、CO100ppmでは抵抗値の最大と
最小の範囲を示した。これ以外に70秒目付近に抵抗値
の谷があるラインは、CO100ppm+H2300ppmの
ラインである。また図の右端の数字の内、正の数字はC
O100ppmの抵抗値の平均で、負の数字はガス濃度依
存性を示している。同様に図31〜図34はCO100
ppm中での個々のセンサの温度波形を示している。
【0058】図27と図28を比べると、図27の不良
品では温度波形の分散が大きく、図28のサンプルは温
度波形の分散が小さく、図29,30のサンプルでは分
散は中程度である。この特徴は図31,図32でも明ら
かで、図31の不良品では温度波形の分散が著しく、図
32の放置サンプルでは分散が4グループ中で最小であ
る。そして図33,図34のサンプルは温度波形の分散
が中程度である。
【0059】上記のことをまとめると、ドリフト補正の
成否,即ちドリフトが特定のドリフト軸に沿って進行す
るか否かは、温度波形の分散の程度で定まる。そして温
度波形の分散の小さなサンプルを用いると、ドリフトは
ドリフト軸に沿って狭い幅で進行する。このことは、標
準波形、例えば図28の波形に近い波形のサンプル程優
れたセンサであり、図29,30が許容範囲の限界で、
図27のサンプルの内で波形平均からのずれが大きいサ
ンプルを排除する必要があることを示している。なお図
27〜図30から明らかなように、CO100ppm中で
の抵抗値の平均には4グループとも差が無く、不良品中
の最も高抵抗なサンプルを除いては、CO100ppm中
での抵抗値はいずれも1〜10KΩの範囲にある。図2
7のサンプルが不良品とされた原因は、選別を行った日
においてCO100ppm中での抵抗値が10KΩを超え
ていたことで、日を変えて測定すれば(実施例では数カ
月放置した後に再測定)図27の特性が得られるのであ
る。発明者は、図8に用いた4グループに付いて温度波
形の経時的変化を測定したが、不良品のグループが最も
平均波形からの分散が大きく、2年以上放置したサンプ
ルが最も平均波形に近い、分散の小さな分布を示すこと
は変わらなかった。
【0060】図25,図31にセンサ番号を記入した。
図31で平均波形からのずれが大きいのは27,28,
30で、平均波形に近いものは24,25,26,29
である。図25では、CO100ppm中でのドリフト
で、軸からのずれが大きいものに27,30が含まれ、
軸に沿ったデータに24,25,26,29が含まれて
いる。このように平均波形からのずれが大きいサンプル
は、ドリフトでも他のサンプルとは異なった挙動を示
す。
【0061】
【選別方法】図35にフーリエ変換を用いたガスセンサ
の選別方法を示す。ガスセンサを検出対象ガス中で温度
変化させ、例えばここではCO100ppm中で60秒高
温域,90秒低温域で温度変化させる。温度波形の分散
の程度は1つのガス濃度中で測定すれば充分で、選別に
も1つのガス濃度中での温度波形を用いれば充分であ
る。また温度変化の条件は、ガスセンサの実使用時の温
度変化と同じにすることが好ましいが、これに限るもの
ではない。そして温度変化の過程で、例えば10点,こ
こでは60点のガスセンサ信号をサンプリングし、Ln
Rst(Rsはセンサ信号,tはサンプリングポイント
を示す)を求める。
【0062】求めたセンサ信号の温度波形をフーリエ変
換する。フーリエ変換に変えてラプラス変換等を用いて
もよく、ガスセンサ信号の温度波形の母関数を求める変
換で有れば良い。フーリエ変換で得られた直流成分をD
1,サイン成分をR1〜R15,コサイン成分をD1〜
D15とする。フーリエ変換の基本周波数は、例えば6
0秒と90秒の最小公倍数の180秒とする。ここでR
15やI15までの成分を求めたのは、高温域の初期の
抵抗値の谷が約3秒目に生じ、周期約12秒に対応する
からである。そしてこれは方形波状のヒータ波形を用い
たからで、サイン波や鋸波等のヒータ波形を用いれば、
例えばR4やI4までの変換で充分でサンプリングポイ
ントも例えば10点で充分である。
【0063】次に得られたフーリエ変換の値を正規化
し、ここでは直流成分D1の値で正規化する。正規化に
は比に変えて差等を用いてもよく、またD1,R1〜R
15,I1〜I15等の重み付き平均等で正規化しても
良い。
【0064】別途に好ましい特性を示すことを確認済み
のサンプルの温度波形、例えば実施例では図32の温度
波形の平均値、を求め、これを同様にフーリエ変換し正
規化して標準波形とする。正規化した標準波形と測定し
た標準波形を比較し、類似度Sを求める。なお正規化は
類似度を求める前に行い、これは抵抗値の大小をマスク
するためである。類似度はR1〜R15,I1〜I15
で定まる30次元空間での距離として定義でき、直流成
分D1は正規化で用いたので類似度には考慮しない。そ
して距離にはトポロジーで知られる様々な距離を用いれ
ばよく、ここでは単純にR1〜R15,I1〜I15の
各次元について、距離の重みAi,Biを用意し、標準
波形でのデータRs1〜Rs15,Is1〜Is15と
の差の絶対値を加算した。このようにして求めた類似度
Sは波形の類似性が高いときに小さくなり、Sが所定値
以下のセンサを良品として選別する。
【0065】図36に相関関数の値を用いた実施例を示
し、フーリエ変換に変えて相関関数を用いることと、相
関関数を用いるので例えば4点,好ましくは10点以上
のセンサ信号を正規化後に比較すればよく、サンプリン
グポイントが減少すること以外は、同様である。例えば
CO100ppm中で10点でのセンサ信号Rstの対数
を求める。TGS203の情報次元は4次元で、温度波
形の比較には少なくとも4つの信号が必要である。また
例えば高温域の末期と低温域の末期の2点の信号のみを
サンプリングすると、これは温度波形を代表する信号と
しては余りにも粗い。3点の信号では、直流成分に1次
元を割り当て、これ以外の交流成分に2次元を割り当て
たことになり、温度波形を代表する信号を得たことには
ならない。そこで最小限のサンプリングポイントは4点
で、好ましくは10点以上である。
【0066】サンプリングしたLnRstを例えば0秒
目の信号LnRs0で正規化し、同様に標準波形LnS
tもLnS0で正規化する。次いで相関関数の値Cを、
重み因子Atと測定波形と標準波形の差の絶対値の積和
として求める。Atの定め方は様々で、例えば分散の大
きい成分では寄与を小さくするため、LnRstの分散
の平方根とLnStの分散の平方根の積を用いれば、標
準的な相関関数となる。そして図35と同様に、相関関
数の値が小さいものを良品として選別する。
【0067】実施例ではTGS203について測定した
が、ガスセンサの種類は任意で、金属酸化物半導体ガス
センサで有れば良い。実施例ではドリフト特性の揃った
ガスセンサを選別でき、ドリフトを正確に補正できる。
また温度波形が揃っていれば、温湿度の補正(図24)
や水素の検出(図13)でも、優れた結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガス検出装置のブロック図
【図2】 実施例のガス検出装置でのRAMの構成を
示す図
【図3】 実施例のガス検出装置でのEEPROMの
構成を示す図
【図4】 実施例で用いたガスセンサの抵抗値の波形
を示す特性図
【図5】 実施例で用いたガスセンサの高温域初期の
抵抗値波形を示す特性図
【図6】 実施例のガス検出装置での、サンプリング
アルゴリズムを示すフローチャート
【図7】 実施例のガス検出装置での、調整アルゴリ
ズムを示すフローチャート
【図8】 実施例での0−6秒平面でのドリフト特性
を示す特性図
【図9】 実施例での0−12秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図10】 実施例での0−30秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図11】 実施例での0−60秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図12】 実施例での0−120秒平面でのドリフト
特性を示す特性図
【図13】 実施例での0−69秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図14】 実施例でのCO濃度の算出機構を示す特性
【図15】 実施例での水素補正を示す特性図
【図16】 ガスセンサの20℃−65%RHと0℃間
の温湿度依存性を示す特性図
【図17】 ガスセンサの20℃−65%RHと50℃
−40%RH間の温湿度依存性を示す特性図
【図18】 実施例での、メインプログラムを示すフロ
ーチャート
【図19】 実施例での、温湿度補正を示すフローチャ
ート
【図20】 実施例での、ドリフト補正を示すフローチ
ャート
【図21】 実施例のガス検出装置での、共存水素への
補正を示すフローチャート
【図22】 実施例でのドリフト補正の詳細を示す特性
【図23】 実施例での温湿度補正の詳細を示す特性図
【図24】 実施例での9−60秒平面での温湿度特性
を示す特性図
【図25】 不良品7個での0−6秒平面でのドリフト
を示す特性図
【図26】 放置サンプル8個での0−6秒平面でのド
リフトを示す特性図
【図27】 不良品7個での、空気中,CO30ppm
中,100ppm中,300ppm中,及びCO100ppm+
H2300ppm中での温度波形を示す特性図
【図28】 放置サンプル8個での、空気中,CO30
ppm中,100ppm中,300ppm中,及びCO100ppm
+H2300ppm中での温度波形を示す特性図
【図29】 良品10個での、空気中,CO30ppm
中,100ppm中,300ppm中,及びCO100ppm+
H2300ppm中での温度波形を示す特性図
【図30】 返却品10個での、空気中,CO30ppm
中,100ppm中,300ppm中,及びCO100ppm+
H2300ppm中での温度波形を示す特性図
【図31】 不良品7個でのCO100ppm中での個々
の温度波形を示す特性図
【図32】 放置サンプル8個でのCO100ppm中で
の個々の温度波形を示す特性図
【図33】 良品10個でのCO100ppm中での個々
の温度波形を示す特性図
【図34】 返却品10個でのCO100ppm中での個
々の温度波形を示す特性図
【図35】 フーリエ変換を用いたガスセンサの選別を
示すフローチャート
【図36】 相関関数の値を用いたガスセンサの選別を
示すフローチャート
【符号の説明】
2 金属酸化物半導体 4 直流電源 5 抵抗ラダー 8,48 マイクロコンピュータ 10 バス 12 ADコンバータ 14 抵抗ラダー制御部 16 ヒータ制御部 18 EEPROM制御部 20 EEPROM 22 入出力 23 調整スイッチ 24 リセットスイッチ 26 算術論理演算ユニット 28 シーケンス制御部 30 RAM 32 警報制御部 34 プログラムメモリー 36 駆動回路 38 ブザー 39,40 LED 51〜54 カード 42 サーミスタ 44 温湿度補正部 S 金属酸化物半導体ガスセンサ h1,h2 ヒータ T1,T2 トランジスタ R1〜Rn 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 和子 箕面市船場西1丁目5番3号 フィガロ技 研株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータとガスにより抵抗値が変化する
    金属酸化物半導体とを備えたガスセンサを選別する方法
    において、 ガスセンサを検出対象ガス中で温度変化させた際のガス
    センサ信号の温度波形を測定し、この温度波形と標準波
    形との類似度に基づいてガスセンサを選別することを特
    徴とするガスセンサの選別方法。
  2. 【請求項2】 前記温度波形として、温度変化過程で
    の少なくとも4点のガスセンサ信号を用いることを特徴
    とする、請求項1のガスセンサの選別方法。
  3. 【請求項3】 ガスセンサ信号の温度波形と標準波形
    とを共に正規化した後に類似度を求めることを特徴とす
    る、請求項1のガスセンサの選別方法。
  4. 【請求項4】 温度波形と標準波形との母関数を求め
    て、母関数間の類似度により、ガスセンサの温度波形と
    標準波形との類似度を求めることを特徴とする、請求項
    1のガスセンサの選別方法。
  5. 【請求項5】 温度波形と標準波形との相関関数の値
    を求めて、相関関数の値によりガスセンサの温度波形と
    標準波形との類似度を求めることを特徴とする、請求項
    1のガスセンサの選別方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017102132A (ja) * 2017-03-09 2017-06-08 富士電機株式会社 薄膜式ガスセンサ及びその検査方法

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JP2017102132A (ja) * 2017-03-09 2017-06-08 富士電機株式会社 薄膜式ガスセンサ及びその検査方法

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