JPH1183776A - ガス検出装置とその設計方法 - Google Patents

ガス検出装置とその設計方法

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JPH1183776A
JPH1183776A JP25604997A JP25604997A JPH1183776A JP H1183776 A JPH1183776 A JP H1183776A JP 25604997 A JP25604997 A JP 25604997A JP 25604997 A JP25604997 A JP 25604997A JP H1183776 A JPH1183776 A JP H1183776A
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signal
gas
ppm
concentration
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JP25604997A
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English (en)
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Akira Shioiri
明 塩入
Toshihiro Uko
利浩 宇高
Kazuya Aranishi
一哉 新西
Kazuko Takamatsu
和子 高松
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Figaro Engineering Inc
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属酸化物半導体ガスセンサを温度変化さ
せ、対象ガス中での感度が高い時点での信号を主信号と
する。主信号との相関を補正対象に付いて他の時点の信
号に対して求め、対象ガスへの感度が異なり補正対象で
の感度が高い時点の信号を補正用信号とする。 【効果】 温度変化に伴う多数の時点でのセンサ信号か
ら、好適な信号の組合せを容易に決定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、金属酸化物半導体ガス
センサを用いたガス検出装置とその設計とに関する。
【0002】
【従来技術】温度変化を用いた金属酸化物半導体ガスセ
ンサとして、SnO2系のCOセンサTGS203等
(TGS203はフィガロ技研の商品名)がある。この
ガスセンサは150秒周期で動作し、最初の60秒間を
高温域に次の90秒間を低温域に割り当て、高温域での
最終温度は300℃、低温域での最終温度は80℃で、
低温域終了時の金属酸化物半導体の抵抗値からCOを検
出する。センサの抵抗値はCO濃度にほぼ反比例し、水
素とCOとの相対感度は1:10で、例えば水素100
0ppmとCO100ppmとが等価となる。さらに抵抗値の
初期分布は、CO100ppm中で1〜10KΩである。
【0003】しかしながら金属酸化物半導体ガスセンサ
には使用に伴う特性のドリフトがあり、このセンサの場
合は使用開始から2カ月程度で抵抗値は最大2倍に増加
し、その後数年程度で抵抗値は初期値の約1/2程度ま
で低下する。TGS203の抵抗値はCO濃度にほぼ反
比例するので、上記のドリフトはCO検出濃度が2倍〜
1/2倍に変化することを意味する。
【0004】発明者は、TGS203を用いて温度変化
に伴う複数の時点での信号を組合せ、ドリフトを補正す
ることを検討した。COの検出信号としては従来法と同
様に低温域の信号を用いることとし、それと組み合わせ
る信号を探索した。そしてこのためには、どの信号を用
いるのが好ましいかの探索手法が必要であった。例えば
TGS203は150秒周期で動作し、仮に3秒毎にセ
ンサ信号をサンプリングすると信号の総数は50個であ
り、これらの信号の組合せは極めて多数存在する。そし
て信号の数が多いとその整理はきわめて難しい。
【0005】ここで関連する先行技術を示す。ガスセン
サの温度を変化させて、その抵抗値の挙動を温度波形と
見なし、これをフーリエ変換してガスを検出すること
は、吉川らにより提案されている(アナリティカル・ケ
ミストリー VoL68,No.13,2067−2072,
1996)。またガスセンサの高温域の信号と低温域の
信号とを組み合わせることには、多数の研究がある(例
えば、米国特許4896143,同4399684)。
【0006】
【発明の課題】この発明の課題は、金属酸化物半導体ガ
スセンサの温度変化を用いてガスを検出するに際し、用
いる信号の組合せを容易に決定し得るようにすることに
ある。
【0007】
【発明の構成】この発明では、金属酸化物半導体ガスセ
ンサを温度変化させて複数のガスセンサ信号を取り出
し、これらを組み合わせて対象ガスを検出する。例えば
複数の時点でガスセンサの出力をサンプリングすれば、
複数のガスセンサ信号が得られる。またサンプリングし
た出力にフーリエ変換等を施せば、フーリエ変換等での
成分が複数のガスセンサ信号となる。
【0008】この発明はここで、対象ガスへの感度の高
いガスセンサ信号を主信号として用い、上記主信号と相
関が高いガスセンサ信号の中で、対象ガスへの感度が異
なり、かつ補正対象に対する特性が類似した信号を補正
用信号として用いることを特徴とする。
【0009】この発明では、金属酸化物半導体ガスセン
サを温度変化させて複数のガスセンサ信号を取り出し、
これらを組み合わせて対象ガスを検出するようにしたガ
ス検出装置の設計において、対象ガスへの感度の高いガ
スセンサ信号を主信号として用い、上記主信号と相関が
高いガスセンサ信号を探索して、探索したガスセンサ信
号の中で、対象ガスへの感度が異なり、かつ補正対象に
対する特性が類似した信号を補正用信号として用いるこ
とを特徴とする。
【0010】好ましくは、前記の相関として、ガスセン
サを複数個、例えば10個〜100個程度用いて温度変
化に対するガスセンサ信号の波形(以下温度波形)を測
定し、対象ガス中での抵抗値の相関を用いる。また好ま
しくは、前記の相関として、ガスセンサを複数個、例え
ば10個〜100個程度用いて温度波形を測定し、補正
対象での抵抗値の挙動の相関を用いる。
【0011】
【発明の作用と効果】この発明では、金属酸化物半導体
ガスセンサを温度変化させてCOや水蒸気,アンモニ
ア,エタノール,ベンゼン等のガスを検出する。温度変
化は例えばガスセンサのヒータに方形波状の電力を加え
て行うが、サイン波状や鋸波状等でも良い。金属酸化物
半導体の種類は実施例に示すSnO2の他にIn2O3や
ZnO等でも良く、センサの構造は任意である。
【0012】主信号は検出対象ガスへの感度が高い信号
で、補正用信号はセンサ特性のドリフト,温湿度依存
性,共存ガスへの感度等への補正用の信号である。そし
てこの発明では、補正対象での特性に関して主信号と相
関が高く、かつ対象ガスへの感度が異なる信号を補正用
の信号とする。
【0013】ここで発明者は1つの経験則を発見した。
例えばガスセンサのドリフト、即ち使用に伴うセンサ特
性の変化を補正対象とする。主信号の選択は対象ガスへ
の感度の点から行えばよく簡単である。ここで例えば数
十個のセンサを用い、測定開始時、例えばガスセンサの
使用開始から3日目〜1週間目程度の時期での、対象ガ
ス中等での温度波形を測定する。ここで主信号と抵抗値
の相関の高い時点を選び出す。この選択は使用開始時の
初期的特性に関して行ったもので、ドリフトを反映して
いない。しかしここで抵抗値の相関の高い信号を用いる
と、ドリフトに関しても高い相関が得られるのである。
【0014】即ちある測定日に置いて相関が高い2つの
信号は、他の項目に関しても挙動が類似した信号であ
り、その一方を主信号他方を補正用信号とすると、これ
らはドリフト補正にも用いる得る。当然のことながら、
例えばドリフトを補正対象とする場合、ドリフトに関す
る挙動、例えば抵抗値の初期値からの変化分等を測定し
て、この変化分の相関を求めて補正用信号を決定しても
良い。ここでの発明者の知見は、初期的に抵抗値が相関
する2つの信号は、ドリフトによる抵抗値の変化に関し
ても強く相関することである。
【0015】フーリエ変換等の母関数へ変換する場合、
対象ガスへの感度が高い成分を主信号とし、これと相関
が強く、かつ対象ガスへの感度が低く、補正対象での挙
動が類似する成分を補正用の信号とする。
【0016】この発明では、主信号と組み合わせる補正
用信号を容易に決定することができる。以下に相関関数
を用いて補正用信号を選択し、クラスター解析で選択し
た補正用信号の妥当性を確認をするようにした実施例を
示す。なおガス検出装置の構造、その調整方法、ガス検
出のアルゴリズム等も示すが、これはガス検出装置の構
造自体も新しいものが要求され、調整方法に関しても従
来の調整では不十分であるからである。実施例では特定
のガスセンサと特定の検出対象や補正対象を示すが、こ
れらに限られるものではない。
【0017】
【実施例】
【0018】
【ガス検出装置の構造】図1〜図36に実施例を示す。
図1に開発したガス検出装置の構造を示すと、Sは金属
酸化物半導体ガスセンサで、ここではTGS203を用
い、SnO2系の金属酸化物半導体2の両端に一対のヒ
ータh1,h2を配置したものである。センサSの種類
や構造,材料,検出対象ガスは任意である。4は直流5
V等の直流電源で、その出力VDDを用いてガス検出装置
を駆動する。ガスセンサSの一対のヒータh1,h2を
共に駆動するため、トランジスタT1,T2を用い、こ
れらを同時にオン/オフさせる。そしてトランジスタT
1,T2が共にオンすると、ヒータh1、h2に電流が
流れ、トランジスタT1,T2のオンのデューティー比
を変えることによって、金属酸化物半導体2の温度を周
期的に変化させる。ここではTGS203の動作条件に
従い、高温域を60秒間、低温域を90秒間とし、ヒー
タ電力の波形は高温域と低温域の2段階で変化する方形
波状で、高温域の最終温度は300℃、低温域の最終温
度は80℃である。また実施例では時刻の表示として、
低温域の終了直前を0秒目とし、0〜60秒目を高温域
として、90〜150秒目(150秒目は0秒目と等し
い)を低温域とする。ただしヒータ波形は方形波に限ら
ず、サイン波や鋸波等でも良い。
【0019】金属酸化物半導体2には、抵抗ラダー5を
接続し、R1〜Rnはその個別の抵抗である。ここでは
各抵抗R1〜Rnは4倍ずつ変化するものとし、例えば
0.5KΩ,2KΩ,8KΩ,32KΩ,128KΩ,
512KΩの6つの抵抗を用いる。固定抵抗の精度は±
2%程度のものが容易に得られ、抵抗値の切り替えに基
づくAD変換誤差は±2%程度である。そしてトランジ
スタT1,T2をオフすると、電源出力VDD(以下検出
電圧Vcと呼ぶ)は金属酸化物半導体2を介して抵抗ラ
ダー5に流れ、抵抗ラダー5への出力電圧をAD変換し
て処理する。
【0020】8はマイクロコンピュータで、ここでは4
ビットの1チップマイクロコンピュータを想定する。1
0はそのバスで、12は例えば8ビットのADコンバー
タ、14は抵抗ラダー制御部で、抵抗R1〜Rnの1本
のみをアースし、アースした抵抗を負荷抵抗として用い
る。そして前記のように抵抗ラダーへの出力電圧はAD
コンバータ12でAD変換される。なお抵抗ラダー5へ
の出力電圧をさらに分圧してAD変換しても良いことは
当然で、また抵抗ラダー5側の電圧ではなく、センサS
側の電圧をAD変換しても同じことである。16はヒー
タ制御部で、トランジスタT1,T2のオン/オフを制
御し、60秒の高温域と90秒の低温域からなる温度サ
イクルを発生させる。18はEEPROM制御部で、2
0はEEPROMである。
【0021】EEPROM20の構成を図3に示すと、
例えばここではCOを検出対象とし、検出範囲をCO5
0〜600ppmの約10倍の範囲とする。基準信号とし
てはCO65ppm,200ppm,400ppmの3点を用
い、基準信号として0秒目のセンサ抵抗の対数LnR0,
6秒目のセンサ抵抗の対数LnR6,69秒目(低温域の
初期)のセンサ抵抗の対数LnR69を用いる。なおLnは
自然対数を表し、R0の0等の添え字は0秒基準のタイ
ミングを表す。CO200ppmや400ppmでも、同様に
して0秒目,6秒目,69秒目の3つの基準信号をセン
サ抵抗の対数の形で記憶させる。51〜53は、各濃度
についての基準信号を1枚のカードとして考えた際のカ
ードである。これ以外にカード54にはCO検出装置の
使用経歴を記録させる。即ち経過時間として、延べ使用
時間と過去のCOの警報に関する記録を記憶させる。延
べ使用時間はCO検出装置の電源がオンしている時間の
累積値であり、例えば時間の単位は1日として、累積使
用時間をカード54に記憶させる。警報の記録として
は、後述のブザーが鳴動する毎にその日付を記憶する。
日付としては、延べ使用時間と同じ基準での日付を記憶
させる。このようにすると、ブザーが鳴動した日が判明
する。
【0022】22は入出力で、調整スイッチ23とリセ
ットスイッチ24が接続されており、調整スイッチ23
をオンすると、EEPROM制御部18はEEPROM
20への書き込みが可能になり、CO検出装置の調整時
にのみ使用するスイッチである。リセットスイッチ24
はブザー38の鳴動を停止させるためのスイッチであ
る。
【0023】マイクロコンピュータ8には4ビットの算
術論理演算ユニット26があり、150秒周期でCO検
出装置を動作させるためのシーケンス制御部28が存在
し、シーケンス制御部28はタイマを内蔵している。3
0はRAMで、揮発性メモリーとして用い、その構成を
図2に示す。RAM30には、LnR0,LnR6,LnR6
9の3つの測定データと、これらに対する2濃度での基
準信号が記憶されている。基準信号は常時は低濃度側の
65ppmと200ppmを使用し、ガス濃度が200ppmを
越えると、65ppmの基準信号を400ppmの基準信号で
置き換える。そしてガス濃度が200ppm以下に低下す
ると、400ppmの基準信号を65ppmの基準信号で置き
換える。ガスの検出範囲は50〜600ppmであり、5
0〜65ppmの範囲は、基準信号65ppmに近い。また4
00〜600ppmの範囲は、基準信号の400ppmに対し
て1.5倍の範囲であり、400ppmの基準信号を用いて
ガス濃度を正確に求めることができる。これらの範囲を
除くと、COが発生している場合、現実のCO濃度の両
側の基準信号を用いて、2つの基準信号間の補間により
ガス濃度を決定する。
【0024】RAM30にはこれ以外に、求めたCO濃
度やCO濃度から換算したCOHb(血中のCOヘモグ
ロビン濃度)やその他の補助信号(例えば1日単位での
タイマを構成するための時刻データ)等を記録する。
【0025】図1に戻り、32は警報制御部で、駆動回
路36を介してLED39,40を動作させ、血中CO
ヘモグロビン濃度が例えば5%以上でブザー38を鳴動
させる。ブザー38を鳴動させると、EEPROM制御
部18はカード54に警報の日付を書き込む。34はプ
ログラムメモリーであり、これ以外に温度補正に用いる
様々な常数等のデータも記録させてある。なおこれらの
データは、センサSが変わっても共通の固定データであ
る。そしてセンサ毎のデータは全てEEPROM20に
記録させてある。42はサーミスタで周囲温度を測定
し、44は温湿度補正部である。
【0026】
【検出装置でのサンプリングと対数変換】図4に10個
のセンサの平均の温度波形を示す。CO100ppmの波
形に実施例で用いたサンプリングポイントを○で示す
と、150秒目,6秒目及び69秒目でサンプリングを
行う。センサの抵抗値はCO30ppm〜300ppmの範囲
で約10倍変化し、また0秒目と69秒目とでは抵抗値
が約10倍異なる。これ以外にセンサ抵抗のばらつきや
周囲温湿度の変動等を加えると、AD変換の範囲は抵抗
値で約0.5〜500KΩとなる。そこでこの範囲でA
D変換ができるように、抵抗R1〜Rnを0.5KΩ〜
512KΩまで4倍ずつ6段階に変化させ、各サンプリ
ングタイミングの直前に抵抗ラダーへの出力VRlを監視
して、その値に応じて負荷抵抗を切り替える。VRlのA
D変換自体は1秒以内に行うことができ、その時の値に
応じて各サンプリングポイントでどの抵抗を用いるかを
決定すればよい。
【0027】図5は、別の10個のセンサについて高温
域の初期の温度波形を拡大して示したものである。雰囲
気は0℃で相対湿度96%,20℃ 65%,50℃
40%,の3種類で、±2δ(δは標準偏差)の範囲と
平均値とを示してある。ガス濃度はCO100ppmであ
るが、周囲の温度や湿度の変動により抵抗値は各タイミ
ングで10倍弱変化している。また0秒目と6秒目の抵
抗値はほぼ等しく、例えば6秒目には0秒目と同じ負荷
抵抗を用いても良い。しかし好ましくは例えば148秒
目の信号で0秒目(もしくは高温域への移行前のサンプ
リングを確実にするため、149秒目)の抵抗値を決定
し、5秒目の抵抗値から6秒目の負荷抵抗を決定する。
同様に68秒目の抵抗値から69秒目の負荷抵抗を決定
する。
【0028】図6にサンプリングのアルゴリズムを示
す。時刻が148秒目に達すると、出力電圧をAD変換
し、この値が検出電圧Vc(VDDと同じ)の1/3〜2
/3の範囲内にあることを確認する。この範囲では、セ
ンサ抵抗と負荷抵抗との抵抗値の比は2:1〜1:2の
範囲内にある。出力電圧が正しければそのままで、正し
くない場合には負荷抵抗を切り替え、この範囲に収まる
ようにする。次に0秒目に達すると出力電圧をAD変換
し、AD変換した出力電圧VRlを用いて式(1)により0
秒目でのセンサ抵抗の対数を求める。同様に5秒に負荷
抵抗の値が正しいかどうかをチェックし、6秒目のセン
サ抵抗の対数を求める。さらに68秒目でも負荷抵抗の
値が正しいかどうかをチェックし、69秒目でセンサ抵
抗の対数を求める。
【0029】 LnR=2−4VRl/Vc+LnRl (1) 式(1)のようにセンサ抵抗の対数を1次の項まで近似し
た場合、R/Rlが1で誤差が0、R/Rlが1/2また
は2で誤差は2%、R/Rlが1/3または3で誤差は
11%となる。実施例ではCO濃度を±20%以下の誤
差で検出することを目的とするので、±10%の誤差は
大きすぎる。そこでセンサ抵抗と負荷抵抗との比を0秒
目,6秒目,69秒目の3点で2〜1/2の範囲に保つ
ように抵抗ラダー5を制御する。
【0030】式(1)によるVRlからセンサ抵抗の対数へ
の変換は線形変換であり、極めて簡単な変換である。し
かしこれに伴って6個の負荷抵抗が必要であった。負荷
抵抗の数を例えば4個に減少させるには、R/Rlの範
囲を4〜1/4、より好ましくはルート8〜1/ルート
8の範囲に保つようにする。このためには3次の項まで
の変換が必要である。センサ抵抗の対数をVRlで級数展
開すると、2次の項は存在せず、3次の項までを加味し
たものが式(2)、(3)である。式(2),(3)を用いた場合、
R/Rlが1で変換誤差は0%、R/Rlが1/4または
4で変換誤差は4%、Rlが1/3または3で変換誤差
は2%である。そこで例えば抵抗R1〜Rnの値を16
倍ずつ、より好ましくは8倍もしくは9倍ずつ変化させ
る。そして例えば抵抗R1〜Rnの値を1KΩ,8K
Ω,64KΩ,512KΩの4種とする。このようにす
れば0.5〜1MΩの範囲を2%以下の誤差で対数に変
換することができる。 LnR=2x+2/3×x3+LnRl (2) x=1−2VRl/Vc (3)
【0031】
【ガス検出装置の調整】図1のガス検出装置の調整の手
続を図7に示す。なおこの時調整スイッチ23をオン
し、EEPROM20への基準信号の書き込みを可能に
しておく。CO検出装置を調整槽にセットするものとし
て説明すると、検出装置をセットした後、電源を投入し
て作動させる。そして例えば65ppmのCOを注入す
る。するとマイクロコンピュータ8はRAM30に書き
込むために、LnR0,LnR6,LnR69を発生する。こ
れをEEPROM20のカード51に記入させる。次い
でCO濃度を200ppmに増加し、同様の手順を行う。
さらにCO濃度を400ppmまで増加させる。このよう
に所定の手順でCO濃度を増加させれば、EEPROM
20に基準信号を書き込むことができる。そしてこの結
果、可変抵抗を調整して基準信号を記憶させる必要が無
く、調整作業が簡単になる。
【0032】ここではCO検出装置を調整槽にセットす
るものとしたが、センサSのみをセットしても良い。そ
してセンサSの抵抗値を例えば12ビット程度のADコ
ンバータでAD変換し、パーソナルコンピュータ等に記
録させ、これをEEPROM20に書き込んでも良い。
この場合にはセンサSはCO検出装置には組み込まれて
おらず、センサSをEEPROM20とセットにして取
り扱い、これらを別途に組み立てたCO検出装置に組み
付ける。センサSとEEPROM20以外の部分は、通
常の電子回路と全く同様に扱え、ガスセンサについて経
験のないメーカーでもCO検出装置を組み立てることが
できる。
【0033】
【ガスセンサ信号の相関】図8にTGS203の温度、
(サーミスタで測定した金属酸化物半導体の表面温度,
センサ数1個)を示す。
【0034】図9〜図12に、CO100ppm中でのT
GS203のセンサ信号の抵抗値の相関を示す。通電期
間は、途中2回の放置を挟んで、約40日間である。セ
ンサの抵抗値は150秒周期の50点で3秒間隔で測定
した。用いたTGS203は10個で、図19〜図26
に用いたサンプル中の良品20個の内の、ランダムに抽
出した10個のデータである。図9は0秒目との抵抗値
の相関を、図10は6秒目との抵抗値の相関を、図11
は60秒目との抵抗値の相関を、図12は69秒目との
抵抗値の相関を示す。図13〜図15に同じ10個のサ
ンプルに付いて、0秒目値と他のタイミングとの抵抗値
の相関を示し、図13はCO300ppm中で、図14は
CO100ppm+H2300ppm中で、図15はH2100
0ppm中である。
【0035】低温域の後期(120秒〜150秒)の相
関は強く(図9)、高温域の初期(6秒)は低温域の後
期から高温域の中期(30秒)と相関が強く(図1
0)、高温域の後期(60秒)は高温域の中期(30
秒)と強く相関するが低温域の後期との相関は弱い(図
11)。また低温域の初期(69秒)は60秒や90秒
と相関する(図12)。CO300ppm中でもCO10
0ppm中と相関の傾向は変わらないが(図13)、CO
と水素との混合ガスでは相関の傾向は変わり(図1
4)、水素中でも相関の傾向が異なる(図15)。
【0036】ドリフトに伴う抵抗値の変化の相関を図1
6に示す。ガスはCO100ppmで、通電開始から3日
目のCO100ppm中の0秒を基準とする他者相関であ
る。通電開始3日目に、0秒目の抵抗値と6秒目の抵抗
値は強い相関があるが、この相関はその後も崩れない。
0秒目の抵抗値は測定日を変えても相関係数はほぼ1な
ので、通電開始3日目の6秒目の抵抗値は、その後の0
秒目の抵抗値と強く相関する。従って、通電開始3日目
の6秒目の抵抗値で、その後の0秒目の抵抗値のドリフ
トを補正できる。
【0037】図17に抵抗値の相関を用いた際の補正用
信号の決定基準を示し、図18にドリフトに伴う抵抗値
の変化分の相関を用いた際の補正用信号の決定基準を示
す。図17では、0秒目の抵抗値をTGS203の従来
の用い方に従いCO検出用の主信号とする。通電開始3
日目,あるいは7日目等の適当な日に各タイミングtに
ついて、CO中での抵抗値を測定し、抵抗値の平均と分
散とを各タイミングついて求める。次に0秒目とt秒目
との抵抗値の他者相関Cを求め、相関が強く、CO感度
が低く、妨害ガスである水素への感度が類似したタイミ
ングの信号を補正用の信号とする。
【0038】図18の処理も同様で、0秒目の抵抗値を
TGS203の従来の用い方に従いCO検出用の主信号
とする。例えば40日〜1年程度の期間に渡って、CO
中での抵抗値を測定し、同じタイミングでの抵抗値の初
期値(3日目あるいは7日目)との比の平均と分散とを
求める。次に0秒目とt秒目との抵抗値の他者相関Cを
求め、相関が強く、CO感度が低く、妨害ガスである水
素への感度が類似したタイミングの信号を補正用の信号
とする。
【0039】
【ガスセンサ信号のドリフト】図19〜図24にセンサ
抵抗のドリフト特性を示す。用いたサンプルは45個
で、良品(20個),2年以上放置したサンプル(8
個),不良品(7個),いったんCO警報器に組み込ん
だ後回収したサンプル(10個)を含んでいる。各図の
横軸は0秒目のセンサ抵抗を対数目盛りで示し、縦軸は
3秒目(図19),6秒目(図20),12秒目(図2
1),30秒目(図22),60秒目(図23),12
0秒目(図24)のセンサ抵抗を同様に対数目盛りで示
している。そして横軸が1は0秒目のCO100ppm中
での基準信号(通電開始3日目)で、縦軸が1は6秒目
等でのCO100ppmでの基準信号(通電開始3日目)
である。図19〜図24はCO100ppm中での通電開
始3日目の基準信号で正規化してある。
【0040】図の各点は5週間の通電に伴う測定点を示
し、45個のTGS203を5週間使用すると、センサ
は2倍程度、高低抵抗化してゆく。図20では、高抵抗
化は6秒目等と0秒目との2次元位相空間で傾きが1の
狭い直線上に集中している。この軸をドリフト軸と呼ぶ
ことにする。なおCO30ppm中や300ppm中でドリフ
ト軸が明瞭でないのは、TGS203の濃度依存性の分
散のためである。即ち濃度依存性が均一でなく、CO3
0ppm中や300ppm中での初期点が1点に揃わないの
で、初期点の分散のためドリフト軸が不明瞭である。ま
たCO30ppm,100ppm,300ppmの3点を結んだ
直線を濃度軸と呼ぶことにする。そしてTGS203の
初期の特性はこの濃度軸上にあり、使用と共に濃度軸は
ドリフト軸の方向に沿って平行移動していく。また図1
9〜図24を通してサンプルの一部は低抵抗化が始まっ
ており、これはCO100ppm中の座標(位相点)が原
点よりも左下の第4象限にあるものが存在することに示
されている。そして低抵抗化のドリフトは高抵抗化の場
合と同様にドリフト軸に沿って進行している。
【0041】抵抗値の谷の3秒目の信号と0秒目の信号
の組合せ(図19)では、ドリフト軸と濃度軸は近接
し、ドリフト補正は困難である。これは3秒目の信号
(100℃強)は低温域の信号(80℃付近)とCO感
度が類似するためである。
【0042】図21でも図20と同様のドリフト軸が見
られるが、ドリフト軸の周囲の位相点の分布は広がり、
これは0秒目の信号のドリフトと12秒目の信号のドリ
フトの相関が、0−6秒目の場合に比べて弱いことを示
している。図22の30−0秒目の特性では、ドリフト
軸の周囲の分布はより広く、CO300ppmでCO10
0ppmとの区別が難しい点が生じている。図23の60
−0秒目の特性では、CO300ppm中で最もドリフト
したものでは、CO100ppmでの基準点にほぼ重なろ
うとしているものが存在する。図24の120秒目−0
秒目の特性では、0秒目の信号と120秒目の信号が酷
似した信号であるため、ドリフト軸も濃度軸も共通で、
かつ全ての位相点が1本の直線の周囲に集まっている。
【0043】これらのことからドリフト補正に用いるこ
とができるのは、高温域の初期の信号は、例えば4〜2
0秒目の信号、好ましくは5〜15秒目の信号とする。
そして組み合わせる相手は低温域の後期の信号で、例え
ば90〜150秒目,好ましくは120〜150秒目の
信号である。図19〜図23のいずれでも濃度軸とドリ
フト軸は斜交し、直交座標系でCO濃度とドリフトとに
対応する2軸を求めることができない。仮にドリフト軸
と直交する濃度軸を求めることができるとすると、それ
はドリフトの影響を受けない軸が存在し、その軸上の座
標はガス濃度のみで定まることを意味する。しかしなが
らこのような軸を見つけることはできなかった。
【0044】
【負の水素感度】各図にはこれ以外にCO100ppmと
水素300ppmの混合ガスの挙動や、水素1000ppm中
での挙動を示した。図20から明らかなように、水素に
対しては感度は僅かに負になっている。例えば図20の
CO100ppm+水素300ppmの各点をドリフト軸に沿
って平行移動させ、濃度軸との交点を求めると、得られ
る濃度範囲はCO80ppm〜60ppmである。一方CO1
00ppm中での5週間の各点の分布は狭く、ドリフト軸
に沿って平行移動させ、濃度軸との交点を求めると、分
布範囲はCO80〜120ppm程度となる。水素に対す
る感度が負になるのは、6秒目の信号の方が0秒目の信
号よりも水素感度が高いためである。そこでこれを補正
するため、0秒目と69秒目の信号からなる位相空間を
用いる。
【0045】この場合の同様の5週間の通電データを図
25に示す。図25から明らかなように、水素が発生す
ると69秒目の抵抗値は著しく減少し、濃度軸から極端
に離れた場所にある。そこで濃度軸から図25の下方向
に下降する距離をもって水素濃度を表す信号とする。
【0046】このような水素検出信号は正確なものでは
なく、図25では斜交座標系を用いていない。しかし小
さな負の水素感度の補正用なので、定量性のない水素検
出信号でも用いることができる。そして水素感度の補正
では、図20で僅かに負になっている水素感度を0に戻
す、即ちCOのみに極めて選択的なCO検出装置を設計
する、あるいはTGS203の本来の特性のようにCO
対水素の相対感度を10:1となるように補正する、の
2通りが考えられる。これらのいずれを選ぶかは、CO
検出装置の設計方針の問題である。
【0047】
【温湿度依存性】図26は40個のTGS203につい
て、0℃相対湿度96%と20℃,65%,50℃40
%での温湿度依存性を、CO30ppm,100ppm,30
0ppmについて示したものである。0℃では20℃や5
0℃とは別のライン上に位相点が存在し、絶対湿度の低
下を検出することができる。なおTGS203の温湿度
依存性は周知のように、主として絶対湿度依存性であ
る。
【0048】図27に別の10個のTGS203(使用
開始から2カ月弱経過)について、CO100ppm中で
の0℃,相対湿度約96%と、20℃相対湿度65%と
の間の抵抗値の比を示す。横軸は温度変化でのタイミン
グである。温湿度依存性の大部分は0秒目と6秒目との
ドリフト補正の副作用として補正される。
【0049】図28に同じ10個のTGS203(図2
7と同じサンプル)について、CO100ppm中での5
0℃,相対湿度約40%と、20℃相対湿度65%との
間の抵抗値の比を示す。温湿度依存性の大部分は0秒目
と6秒目とのドリフト補正の副作用として補正される。
【0050】図27,図28は高温域の初期で温湿度依
存性が小さくなることを示しており、低温域よりも温湿
度依存性が小さいことが問題である。温湿度補正のため
に高温域初期での温湿度依存性を増大させるには、例え
ば10〜15秒目の信号が信号が好ましく、6秒目付近
の信号を用いてドリフトを正確に補正するか、10〜1
5秒目の信号を用いて温湿度依存性の補正に重点を置く
かはトレードオフの問題である。
【0051】
【ガスセンサの情報次元】ガスセンサが含む独立した信
号の数を情報次元と呼ぶことにする。情報次元はエント
ロピーを基礎として情報科学で明確に定義された概念で
あるが、ここでは単に独立した信号の数を定性的に求め
て情報次元と呼ぶ。既に述べたように、0秒目の信号と
6秒目の信号との組合せでCO濃度とドリフトの程度と
を知ることができ、0秒目の信号と69秒目の信号の組
合せでH2濃度を知ることができた。
【0052】TGS203の温度波形を用いると、C
O,ドリフト,水素,絶対湿度(図26)の4種の信号
を得ることができる。一方TGS203の温度波形の相
関(図9〜図16)からは、低温域の後期,高温域の初
期,高温域の後期,低温域の初期の4つに温度波形を分
類できることが分かっている。またTGS203の特性
に影響するのは、CO,水素,絶対湿度,ドリフトの4
者である。これらのことからTGS203の温度波形は
CO,水素,絶対湿度,ドリフトの4つの信号を含んで
おり、TGS203の温度波形の情報次元は4次元であ
るといえる。
【0053】そしてこれらの4次元の情報次元の信号
は、 1) CO検出用の主信号、例えば90秒〜150秒,よ
り好ましくは120秒〜150秒の信号と、 2) ドリフト補正用の信号,例えば4〜20秒,より好
ましくは5〜15秒の信号、 3) 低温域初期の水素検出用の信号と、 4) 高温域初期の信号と高温域後期の信号の組合せによ
るサーミスタ無しでの絶対湿度の補正用の信号、 の4種の信号として使用できる。
【0054】TGS203の情報次元が4次元であるこ
とは、相関解析とクラスター解析で裏付けられている。
そして相関解析は高温域初期の信号をドリフト補正用の
信号とすべきことを示している。主信号となる低温域後
期の信号と相関の強いのは高温域初期の信号で、高温域
の後期の信号とは相関が弱い。また低温域初期の信号と
低温域後期の信号は相関が弱く、かつ低温域初期の信号
は水素に選択的でドリフト補正用の信号とはならない。
【0055】図4の波形データは、高温域初期の例えば
3秒目では0秒目とCO感度が酷似し、その後は水素感
度が増すことを示している。従ってドリフト補正用の信
号は例えば4〜20秒、好ましくは5〜15秒目の信号
に限られる。即ち3秒目では検出対象ガスでの特性が類
似し過ぎ、20秒を越えると水素感度の差が著しくな
る。このことは図19〜図22のクラスター解析で裏付
けられ、6〜12秒目付近に最適点があることが判明す
る。
【0056】
【ドリフト補正】図29にドリフト補正の原理を示す。
図の実線は濃度軸、破線はドリフト軸である。そして6
5ppm、200ppm,400ppmの3点での基準信号がE
EPROM20に記録されている。測定により、LnR0
とLnR6の2つの次元での位相空間上の点(a,b)が
定まる。またこの位相空間での各基準信号の座標を図2
9のように定める。そして点(a,b)からドリフト軸
に沿って平行移動させ、濃度軸との交点の座標を(e,
f)とする。座標(e,f)が求まれば、濃度軸上の位
置からCO濃度を求めることができる。そして座標
(a,b)から座標(e,f)への移動は、ドリフト軸
に平行な濃度軸への射影である。
【0057】なお射影の手法は任意で、例えば図29の
位相空間上にCO濃度を示すデータを書き込んで2次元
のマップとし、マップ上の位置からCO濃度を求めても
良い。そしてマップが粗く各座標に直接対応するデータ
が無いことは、マップの各点間の補間で処理すれば良
い。あるいは各基準点(l,m),(e,f),(q,
r)からドリフト軸に平行な3本の線を引き、各線上に
CO濃度に対する補正値を書き込み、濃度軸上では補正
値は1とする。そしてドリフトによる高抵抗化を補正す
るように、補正値を定める。そして測定点を通るように
濃度軸を平行移動させ、両側の2つの補正線との交点を
求め、各補正線での補正値を求めて補間する。このよう
にして求めた補正値で0秒目のセンサ抵抗の対数を補正
し、CO濃度に換算する。これらの変形例では、射影の
制限を補正線での補正値やマップの値に反映させること
ができ、射影への微細な操作が容易である。
【0058】
【信号処理】図31〜図36に、CO濃度の算出を示
す。図31はメインループを示し、最初に測定データか
ら、a,b,cの3つの変数を定義する。次に温度補正
のサブルーチン(図32)、ドリフト補正のサブルーチ
ン(図33),水素補正のサブルーチン(図34)によ
りCO濃度を求める。最後にCO濃度から血中COヘモ
グロビン濃度COHbを求める。なおCOHbの初期値
はリセット時には0としておく。この変換自体は既に周
知で、k2,k3,k4は定数で、k4はここでは検出
下限以下のCO30ppm程度に相当する値とし、CO濃
度が30ppm以下では検出を行わないようにする。
【0059】
【温度補正サブルーチン】図32の温度補正サブルーチ
ンでは、サーミスタ42から周囲温度Tを求める。プロ
グラムメモリー34には、周囲温度からa,b,cに対
する補正常数T1,T2,T3の参照表が用意され、こ
れを読み出してa,b,cに加算する。
【0060】
【ドリフト補正サブルーチン】図33にドリフト補正サ
ブルーチンを示す。ドリフト軸の傾きは1で、(e−
a)と(f−b)は等しい。このため f=e+(b−
a) が成立する。そこでe,fの2つの未知数の1つ
を消去できる。次に、n−pがa−b以上かどうかチェ
ックする。この条件が不成立の場合、測定点は200pp
mからドリフト軸を延ばした際にドリフト軸の下側にあ
り、検出濃度は200ppm以下である。次に点(e,
f)は65ppmと200ppmの2つの基準信号で定まる線
分を内分している。このことからe,fは65ppmや2
00ppmでの基準信号の座標n,p,q,rと1つの関
係式に拘束され、これらを用いて座標eを解くことがで
きる。
【0061】求めたeには射影の制限がなく、濃度軸か
ら極端に離れた点でも、濃度軸の近傍でも同様に射影し
ている。また濃度軸の上下で射影は対称である。これに
対して、濃度軸から高抵抗側へのドリフトが著しいほ
ど、射影を制限してドリフトの一部のみを補正するよう
にすることが好ましい。また濃度軸から低抵抗側にドリ
フトした場合には、高抵抗側へのドリフトよりも補正を
控え目にすることが好ましい。さらにCO30ppm程度
でのドリフト軸の傾きは、100ppm以上でのドリフト
軸の傾きよりも僅かに大きく、濃度毎にドリフト軸の傾
きを変えるのが好ましい。また30ppmのCOは無害で
検出対象に含まれず、このような低濃度域のCOに対し
てドリフト補正を行う必要が無い。そこで図35に示す
ように、濃度軸の上下で補正を非対称にし、かつ濃度軸
からの距離が増すとドリフトを部分的に補正することが
好ましい。
【0062】マップを用いる場合やドリフト軸をCO濃
度毎に複数容易する場合は、上記の処理はマップ内のデ
ータの操作やドリフト軸の傾きの操作で処理できる。し
かし実施例では、eを求めた後にプログラムメモリー3
4に記憶させた2次元の参照表で、上記の処理を行う。
この参照表の見出しは(e−a)とeで、(e−a)は
濃度軸からの距離に比例する。また(e−a)の符号
は、濃度軸の上下で反転する。eの値はCO濃度を示
し、低濃度域の処理か高濃度域の処理かはeの値で判明
する。そこで(e−a)とeに応じて、eの値を参照表
から更新すれば、濃度軸の上下で非対称で、濃度軸から
の距離の大きな領域で補正を控え目にし、低濃度域で補
正を控え目にすることができる。ただし図35に対応す
る処理は行わなくても良い。
【0063】値eが最終的に判明すると、65ppmと2
00ppm間の線分の内分比yを求める。yが0でCO濃
度が200ppm、yが1でCO濃度が65ppmである。こ
の間には約3倍のCO濃度の変化があり、これをそのま
ま解くと、exp(y)の級数展開で2次以上の項が必
要になるので、65ppmと200ppmの中点を考え、これ
よりも200ppm寄りでは、200ppmの濃度を元に級数
展開し、これよりも65ppm寄りでは65ppmの濃度を元
に級数展開する。このようにすればexp(y)=1+
y と近似しても、ほとんど近似誤差は生じない。この
ようにして水素濃度の補正前のCO濃度が定まる。
【0064】さて求めた位相点がCO200ppmを通る
ドリフト軸よりも上側にある場合、CO濃度は200pp
mを越えている。そこでこの場合EEPROM20にア
クセスし、CO400ppmの基準信号を読み出す。以下
同様にしてCO濃度を求める。この場合の処理はCO6
5ppmと200ppmの2つの基準信号を用いた場合の処理
と同様で、CO65ppmの基準信号の代わりにCO40
0ppmの基準信号を用いればよい。
【0065】温湿度依存性には図36のようなガス濃度
依存性があり、低濃度域と高濃度域とでは温湿度依存性
が異なる。しかし温湿度補正サブルーチンの段階ではC
O濃度は不明である。そこでCO濃度を仮に求めた後
に、周囲温度Tと仮に求めたCO濃度とからプログラム
メモリー34に記憶させた2次元の参照表を用い、CO
濃度を再補正する。これは温湿度依存性のCO濃度依存
性を無視して1次近似し、求めた仮のCO濃度を用いて
温湿度依存性のCO濃度依存性を再補正する手法であ
る。参照表には仮のCO濃度と周囲温度とを見出しとし
てCO濃度の増減量を記憶させ、この値を加えて再度C
O濃度を求める。図35に対応する処理は省略可能であ
る。
【0066】
【水素補正サブルーチン】CO濃度が求まると水素補正
を施す。その処理を図34に、その原理を図30に示
す。0秒目の抵抗値の対数と69秒目の抵抗値の対数で
定まる2次元位相空間において、測定点の座標が(a,
c)であるとする。これを65ppm,200ppm,400
ppmの濃度軸へ図30の垂直上方に移動させた際の交点
を(a,g)とする。そしてgとcとの差をhとし、h
によって水素濃度が定まるものとする。この場合aの値
がnを越えるか否かから、基準信号として400ppmの
信号を用いる必要があるか否かを判別し、aがn以下の
場合、EEPROM20にアクセスして400ppmの基
準信号を読み出す。そして点(a,g)が200ppmの
基準信号と400ppmの基準信号を結ぶ線分上にあるこ
とから、座標gについて1つの式が発生し、これからg
を求めることができる。gが求まればhが求まり、例え
ばk1を適当な正の定数として、図31のメインループ
で求めたCO濃度にk1×hを加算する。ここでの加算
の基準としては、例えばCO検出装置の水素濃度依存性
が0となるようにする、あるいはCO対水素の相対感度
が10:1等の適当な値となるようにする。aがnより
も大きい場合、即ち図30で求めた座標点(a,c)が
200ppmの基準信号よりも右側にある場合、65ppmと
200ppmの基準信号を用いる。そして前記と同様にし
てhを求め、水素濃度の補正を行う。
【0067】
【フーリエ変換】特定のセンサを例にし特定のヒータ波
形を例にして、実施例を説明したが、これらは例であ
る。また実施例ではガスセンサ信号の温度波形を母関数
に変換せずに用いたが、フーリエ変換等を施した信号を
用いても良い。例えばガスセンサの温度波形にラプラス
変換やフーリエ変換を施し、変換後の成分を複数組み合
わせてガスを検出する。この場合、対象ガスへの感度の
高い成分を主信号とし、これと相関して対象ガスへの感
度が低く、補正対象での挙動が類似した成分を補正用の
信号とすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガス検出装置のブロック図
【図2】 実施例のガス検出装置でのRAMの構成を
示す図
【図3】 実施例のガス検出装置でのEEPROMの
構成を示す図
【図4】 実施例で用いたガスセンサの抵抗値の波形
を示す特性図
【図5】 実施例で用いたガスセンサの高温域初期の
抵抗値波形を示す特性図
【図6】 実施例のガス検出装置での、サンプリング
アルゴリズムを示すフローチャート
【図7】 実施例のガス検出装置での、調整アルゴリ
ズムを示すフローチャート
【図8】 実施例で用いたガスセンサの温度変化を示
す特性図
【図9】 実施例での0秒目のセンサ信号と他の時点
でのセンサ信号との、同一測定日での抵抗値の相関を示
す特性図
【図10】 実施例での6秒目のセンサ信号と他の時点
でのセンサ信号との、同一測定日でCO100ppm中で
の抵抗値の相関を示す特性図
【図11】 実施例での60秒目のセンサ信号と他の時
点でのセンサ信号との、同一測定日でCO100ppm中
での抵抗値の相関を示す特性図
【図12】 実施例での69秒目のセンサ信号と他の時
点でのセンサ信号との、同一測定日でCO100ppm中
での抵抗値の相関を示す特性図
【図13】 実施例での0秒目のセンサ信号と他の時点
でのセンサ信号との、同一測定日でCO300ppm中で
の抵抗値の相関を示す特性図
【図14】 実施例での6秒目のセンサ信号と他の時点
でのセンサ信号との、同一測定日でCO100ppm+H2
300ppm中での抵抗値の相関を示す特性図
【図15】 実施例での60秒目のセンサ信号と他の時
点でのセンサ信号との、同一測定日でH21000ppm中
での抵抗値の相関を示す特性図
【図16】 実施例での69秒目のセンサ信号と他の時
点でのセンサ信号との、異なる測定日での抵抗値の相関
を示す特性図
【図17】 実施例での相関の評価を示すフローチャー
【図18】 変形例での相関の評価を示すフローチャー
【図19】 実施例での0−3秒平面でのドリフト特性
を示す特性図
【図20】 実施例での0−6秒平面でのドリフト特性
を示す特性図
【図21】 実施例での0−12秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図22】 実施例での0−30秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図23】 実施例での0−60秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図24】 実施例での0−120秒平面でのドリフト
特性を示す特性図
【図25】 実施例での0−69秒平面でのドリフト特
性を示す特性図
【図26】 実施例での9−60秒平面での温湿度特性
を示す特性図
【図27】 ガスセンサの20℃−65%RHと0℃間
の温湿度依存性を示す特性図
【図28】 ガスセンサの20℃−65%RHと50℃
−40%RH間の温湿度依存性を示す特性図
【図29】 実施例でのCO濃度の算出機構を示す特性
【図30】 実施例での水素補正を示す特性図
【図31】 実施例での、メインプログラムを示すフロ
ーチャート
【図32】 実施例での、温湿度補正を示すフローチャ
ート
【図33】 実施例での、ドリフト補正を示すフローチ
ャート
【図34】 実施例のガス検出装置での、共存水素への
補正を示すフローチャート
【図35】 実施例でのドリフト補正の詳細を示す特性
【図36】 実施例での温湿度補正の詳細を示す特性図
【符号の説明】
2 金属酸化物半導体 4 直流電源 5 抵抗ラダー 8,48 マイクロコンピュータ 10 バス 12 ADコンバータ 14 抵抗ラダー制御部 16 ヒータ制御部 18 EEPROM制御部 20 EEPROM 22 入出力 23 調整スイッチ 24 リセットスイッチ 26 算術論理演算ユニット 28 シーケンス制御部 30 RAM 32 警報制御部 34 プログラムメモリー 36 駆動回路 38 ブザー 39,40 LED 51〜54 カード 42 サーミスタ 44 温湿度補正部 S 金属酸化物半導体ガスセンサ h1,h2 ヒータ T1,T2 トランジスタ R1〜Rn 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 和子 箕面市船場西1丁目5番3号 フィガロ技 研株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物半導体ガスセンサを温度変
    化させて複数のガスセンサ信号を取り出し、これらを組
    み合わせて対象ガスを検出するようにしたガス検出装置
    において、 対象ガスへの感度の高いガスセンサ信号を主信号として
    用い、 上記主信号と相関が高いガスセンサ信号の中で、対象ガ
    スへの感度が異なり、かつ補正対象に対する特性が類似
    した信号を補正用信号として用いることを特徴とする、
    ガス検出装置。
  2. 【請求項2】 金属酸化物半導体ガスセンサを温度変
    化させて複数のガスセンサ信号を取り出し、これらを組
    み合わせて対象ガスを検出するようにしたガス検出装置
    の設計において、 対象ガスへの感度の高いガスセンサ信号を主信号として
    用い、 上記主信号と相関が高いガスセンサ信号を探索して、 探索したガスセンサ信号の中で、対象ガスへの感度が異
    なり、かつ補正対象に対する特性が類似した信号を補正
    用信号として用いることを特徴とする、ガス検出装置の
    設計方法。
  3. 【請求項3】 前記の相関として、ガスセンサを複数
    用いて、対象ガス中での抵抗値の相関を用いることを特
    徴とする、請求項2のガス検出装置の設計方法。
  4. 【請求項4】 前記の相関として、ガスセンサを複数
    用いて、補正対象での抵抗値の挙動の相関を用いること
    を特徴とする、請求項2のガス検出装置の設計方法。
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JP2005300448A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Yazaki Corp ガス検出装置及び警報器
JP2009539069A (ja) * 2006-05-29 2009-11-12 エーアーデーエス・ドイッチュラント・ゲーエムベーハー Moxガスセンサーを動作させるための方法及びデバイス
JP2024020312A (ja) * 2019-04-05 2024-02-14 エイチツースキャン・コーポレーション 流体環境中の標的ガス濃度を求めるための方法およびシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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