JPH1184123A5 - - Google Patents
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- JPH1184123A5 JPH1184123A5 JP1997237355A JP23735597A JPH1184123A5 JP H1184123 A5 JPH1184123 A5 JP H1184123A5 JP 1997237355 A JP1997237355 A JP 1997237355A JP 23735597 A JP23735597 A JP 23735597A JP H1184123 A5 JPH1184123 A5 JP H1184123A5
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Description
【発明の名称】カラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク及びカラーフィルタの製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】インクジェット法によりカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクにおいて、着色剤として顔料を1〜5wt%含有し、溶媒としてグリコール系溶媒及びグリセリンの少なくとも一方と水とを混合して用い、分散剤として一般式(1)で示されるアルキレンオキサイド化合物(ただし、R1は飽和もしくは不飽和の炭化水素基を意味し、R2とR3とは夫々異なり、炭素数が2または3のアルキレン基を意味し、mとnは夫々0または正の整数であり、5≦m+n≦30であり、分子量が2000以下である。)を使用することを特徴とするカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク。
R1−(R2−O−)m−(R3−O−)n−H (1)
【請求項2】R1が芳香族基である請求項1記載のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク。
【請求項3】インクを乾燥させて固形分濃度が20wt%になった時の粘度が100cP以下である請求項1または2記載のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク。
【請求項4】請求項1または2または3記載のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを用いて、基板上にインクジェット法でカラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット法によりカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンの発達に伴い液晶表示装置のカラー表示が増加しており、そのためにカラーフィルタが使用されている。このカラーフィルタについては、100×300μm程度のピッチで800×600×3画素とか、1024×768×3画素とかの微細なカラーフィルタを形成する必要がある。このカラーフィルタの製造方法としては、現在では高精度のパターニングができるフォトリソ工程を利用した顔料分散法が主流となっている。
【0003】
この顔料分散法は、フォトリソ技術を用いる方法であることから、高価なフォトレジストを用いたり、レジストの塗布、乾燥、露光、現像、硬化等の各工程を色毎に3回は繰り返すことになる。このため、大規模な設備が必要になり、かつフォトリソ工程のために生産性が低く、得られるカラーフィルタの価格が高くなる問題があった。
【0004】
このため、製造装置が簡便で生産性が良いカラーフィルタの製造方法として、インクジェット法が注目されてきている。インクジェット装置は、装置が小型で簡便であり、騒音が少なく、ランニングコストが安く、カラー化が容易であるため、オフィスそしてパーソナルユースの紙用のプリンタとして近年急速に普及してきている。
【0005】
この紙へのプリンタ用としては、最近では特に低価格のカラー画像出力機としての要望が高まっており、これに応えるべき技術手段としては、水溶性染料を用いたインクを用いてインクジェットプリンタによりカラー画像を得るというのが一般的であった。
【0006】
ところが、カラー画像の場合、複数色のうち一色でも耐水性や耐光性が悪いとそれらの影響でカラー画像の品位が極端に劣化する場合がある。このため、記録液の着色剤として堅牢性の高い顔料がインクジェット記録用として使用されることが期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら顔料を用いたインクをインクジェット装置で吐出する場合、ノズル近傍のインクが乾燥する、すなわちインク中の溶媒が揮発することにより、顔料が凝集、沈降し、ノズルの目詰まりが生じやすい問題があった。
【0008】
この問題点に対して、例えば特開平6−271797のように、沸点が高く保湿性に優れた水溶性有機溶媒をインクに添加し、その溶媒の揮発を抑える方法が一般的に知られている。しかしながら、一般的な顔料分散剤では水中及び水溶性有機溶媒中の両方で安定に分散しにくい。このため、インクジェット装置を吐出しない状態で放置させるとインク中の水分が優先的に揮発し、インク中の溶媒成分は水より有機溶媒が多く残存し、結果的に顔料が凝集し粘度が上昇する問題があり、吐出安定性は十分とはいえなかった。
【0009】
またこの問題以外にも、インクジェット法によりカラーフィルタを作製した場合、画素の断面が凸形状になりやすく、画素の周辺部が中央部に比べ膜厚が薄く、色が薄くなりやすい問題があった。この原因の一つは、インクジェット法によりインクを吐出し基板に着弾すると、表面張力により半球状にその形が保たれるが、その後インク中の溶媒が乾燥し凸形状が緩和されていく過程でインクの粘度が上昇し、画素の断面形状が完全にフラットになる前にインクの流動性が低下するためと推定される。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解決し、長時間連続吐出しても吐出安定性が高く、高い生産性を有し、画素内で色ムラが少ないインクジェット法によるカラーフィルタの製造に好適なインク及びそれを用いたカラーフィルタ製造方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決すべくなされたものであり、インクジェット法によりカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクにおいて、着色剤として顔料を1〜5wt%含有し、溶媒としてグリコール系溶媒及びグリセリンの少なくとも一方と水とを混合して用い、分散剤として一般式(1)で示されるアルキレンオキサイド化合物(ただし、R1は飽和もしくは不飽和の炭化水素基を意味し、R2とR3とは夫々異なり、炭素数が2または3のアルキレン基を意味し、mとnは夫々0または正の整数であり、5≦m+n≦30であり、分子量が2000以下である。)を使用することを特徴とするカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを提供する。
R1−(R2−O−)m−(R3−O−)n−H (1)
【0012】
また、そのR1が芳香族基であるカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク、及び、それらのインクを乾燥させて固形分濃度が20wt%になった時の粘度が100cP以下であるカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを提供する。
【0013】
さらには、それらのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを用いて、基板上にインクジェット法でカラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料分散型水性インクは、グリコール系溶媒及びグリセリンの少なくとも一方と水との混合溶媒中に、顔料、一般式(1)の特定のアルキレンオキサイド化合物の分散剤を含有させたものであり、インクジェット法により均一性に優れ、フラットな画素断面形状を有するカラーフィルタを長時間連続して安定に製造できる。
【0015】
本発明では、グリコール系溶媒またはグリセリンと水の両者で安定に分散することができるため、インク中の溶媒が乾燥していく過程で、特定の溶媒のみが速く揮発しても、顔料の凝集が抑制され、透過率の高いカラーフィルタを得ることができる。
【0016】
すなわち、インクジェット法により基板上にインクが吐出された後、室温下でインク中の水分が速く揮発し、沸点の高いグリコール系溶媒またはグリセリンが残る傾向がある。この場合においても、本発明の顔料分散型水性インクの場合、一般式(1)の分散剤を使用しているので、顔料が水中でもグリコール系溶媒またはグリセリン中でも安定に分散できる。このため、インク乾燥過程での顔料の凝集が抑制され、画素内でほぼ均一な色分布を有する明るいカラーフィルタを得ることができる。
【0017】
本発明で用いる着色剤としての顔料は、有機または無機の各種顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキやニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。
【0018】
これらの着色用の顔料は構造により異なるが、粒径が比較的小さいものが好ましく、最大粒径が500nm以下、好ましくは最大粒径が200nm以下のものが用いられる。
【0019】
これらの顔料の種類は所望の色が得られるように選択すればよく、単独または混合してインクに対して1〜5wt%とされる。1wt%未満だと色が薄くなりすぎ、インク量が増加し乾燥ムラが生じやすくなりやすい。また、5wt%を超えると、インク粘度が高くなりインクジェットでの吐出が不安定になる。
【0020】
本発明で用いる分散剤としては、下記一般式(1)のアルキレンオキサイド化合物が用いられる。ただし、式中R1は飽和もしくは不飽和の炭化水素基を意味し、R2とR3とは夫々異なり、炭素数が2または3のアルキレン基を意味し、mとnは夫々0または正の整数であり、5≦m+n≦30であり、分子量が2000以下である。
R1−(R2−O−)m−(R3−O−)n−H (1)
【0021】
この一般式(1)の分散剤を用いることにより、水中でもグリコール系溶媒またはグリセリン中でも分散性良く顔料を分散させることができる。このため、インク吐出後の乾燥時にもインクが凸になりにくく、画素内での色の均一性が高くなる。また、インクジェットヘッドのノズル近傍への顔料凝集物としての汚れを生じにくく、長時間安定した吐出ができる。
【0022】
この分散剤の使用量は、インクに対して0.2〜10wt%とされる。この範囲内で添加することにより、顔料の分散性は向上し、均一な着色が得られやすくなる。R1としては具体的には、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、ビフェビル基、フェニルアルキル基、ナフチル基、ナフチルアルキル基等が使用できる。特に、R1がベンゼン環、ナフタレン環等を含む1価の芳香族基であるアルキレンオキサイド付加物が分散性が良く好ましい。
【0023】
本発明におけるインクの水性溶媒としては、水及びグリコール系溶媒またはグリセリンを用いる。
水としては様々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
【0024】
このグリコール系溶媒としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類がある。
【0025】
これらのグリコール系溶媒またはグリセリンのなかでも、保湿性や粘度、沸点の点からエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンを用いることが、目詰まりを生じにくく安定したインクジェットの吐出ができ、製造したカラーフィルタが均一になりやすい。
【0026】
これらのグリコール系溶媒またはグリセリンは、インクに対して3〜30wt%、より好ましくは5〜15wt%用いる。3wt%未満ではインクの乾燥速度が速くなり、インク吐出時に目詰まりが生じやすくなる。30wt%を超えるとインクの粘度が上がり、インクの飛滴状態が不安定になりやすく、生産性が低下する。より好ましくは5〜15wt%である。
【0027】
本発明のインクには、カラー画像の信頼性を高めるためにバインダー成分を添加することができる。バインダーとしては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等のエマルジョン、ポリビニルアセタール等の水溶性樹脂、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水溶性モノマー、水溶性オリゴマーが挙げられる。これらは基板上に吐出後、熱あるいは光により硬化させることもできる。このバインダーは、0〜10wt%とされる。
【0028】
また、体質顔料も0〜5wt%添加できる。この体質顔料としては、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、水酸化アルミニウム、カオリンクレー、ネフェリンサイナイト等の従来用いられているものが使用できる。材質的には、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、沈降性硫酸バリウムが好ましい。この体質顔料の混合量は、上記バインダーの混合量よりも少なくすることが好ましい。
【0029】
また本発明におけるインクは、必要に応じて、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤を添加できる。この界面活性剤は、インクに対して0〜2wt%使用される。
【0030】
アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等がある。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等がある。両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベダイン等がある。
【0032】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等がある。
【0033】
本発明における、水及びグリコール系有機溶媒またはグリセリンの他に、他の水溶性有機溶媒を併用することもできる。この他の水溶性有機溶媒は、使用しているグリコール系溶媒及びグリセリンよりも少ない量とされ、かつインクの性能に悪影響を与えない範囲とされる。
【0034】
併用しうる任意の溶媒成分としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、エチレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル等のアルキルエーテル類が挙げられる。
【0035】
この他、一般に使用される消泡剤、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤等のインク用の添加剤を0〜2wt%添加してもよい。
【0036】
本発明のインクは、インクが乾燥していく途中でインク中の固形分濃度が20wt%になった時のインクの粘度が100cP以下であるようなインクとしておくことが好ましい。このようにしておくことにより、基板上に吐出したインクが乾燥して行く際に画素内で凸になりにくくなり、画素内で色が均一になりやすい。また、インクジェットヘッドのノズル近傍でインクがやや乾燥しても顔料の凝集物が付着しにくく長時間安定した吐出ができる。
【0037】
このようにして調整したインクをインクジェット法で吐出してカラーフィルタを形成する。この際に、あらかじめ基板上に仕切り壁となるような凸部を形成し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット法によってインクを吐出して凹部にインクを堆積させて着色層を形成することが好ましい。
【0038】
顔料系のインクを使用すると、基板表面に顔料が吸着されないので、仕切り壁がないと、吐出したインクが周囲の画素に流れ出したり、飛散して色純度が低下する。このため、あらかじめ仕切り壁として基板上に凸部を形成することが好ましい。
【0039】
この凸部は、基板上に線状や格子状に形成されればよい。この凸部の形状は、それにより区切られた凹部が画素に対応するようにされればよい。例えば、ストライプ状のカラーフィルタを形成する場合には、線状に形成されるし、四角の画素に対応させるためには格子状に形成される。この凸部は、液晶表示装置等では遮光膜を兼用させることが有利である。具体的には、黒色の材料や金属遮光層等で凸部を形成すればよい。
【0040】
この凸部は、インクジェット法によって着色する際に、吐出したインクが他の画素に流れ込んだり滲んだりすることを防止する役割を果たす。したがって、この凸部の高さはある程度高いことが好ましいが、カラーフィルタとした場合の全体の平坦性が高いことも要求されるので、着色層の厚さに近い高さが選択される。通常は0.1〜2μm程度とされればよい。また、この幅は、通常は画素間の幅よりもやや広くして、後工程で位置ずれ等を生じてそれが表示に影響しないようにされる。
【0041】
このようにして吐出されたインクは、通常乾燥し、150〜300℃での焼成を行う。さらに、このカラーフィルタ上に樹脂等の絶縁膜を形成して平坦化しまたは電極との接着性の向上を図り、その上に電極を形成する。このようにして形成したカラーフィルタ基板ともう1枚の電極付き基板とを組合せて液晶表示装置を形成すればよい。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す部は特に説明がない限り重量部を示す。また、下記のナフタレンアルキレンオキサイド付加物は、R1がβ−ナフチル基(C10H7−)、R2がエチレン基(−C2H4−)、m=11、n=0の化合物を意味する。
【0043】
(1)レッド顔料分散液(A)の作製
顔料(Pigment Red 177) 20.0部
ナフタレンアルキレンオキサイド付加物 15.0部
ジエチレングリコール 3.0部
イオン交換水 62.0部
上記成分を混合し、ボールミルで20時間分散を行い、さらに遠心分離処理をかけて粗大粒子を除去した。
【0044】
(2)グリーン分散液(A)の作製
顔料(Pigment Green36) 20.0部
ナフタレンアルキレンオキサイド付加物 12.5部
モノエチレングリコール 7.0部
イオン交換水 60.5部
上記成分を混合し、サンドミルで7時間分散を行い、さらにメンブランフィルターで加圧ろ過し粗大粒子を除去した。
【0045】
(3)ブルー分散液の作製
顔料(Pigment Blue15:6) 20.0部
ナフタレンアルキレンオキサイド付加物 17.0部
モノエチレングリコール 5.0部
イオン交換水 58.0部
上記成分を混合し、サンドミルで5時間分散を行い、さらにメンブランフィルターで加圧ろ過し粗大粒子を除去した。
【0046】
(4)レッド分散液(B)の作製
顔料(Pigment Red 177) 20.0部
スチレン−マレイン酸共重合体 15.0部
(アンモニア中和、有効成分30%)
ジエチレングリコール 3.0部
イオン交換水 62.0部
上記成分を混合し、ボールミルで20時間分散を行い、さらに遠心分離処理をかけて粗大粒子を除去した。
【0047】
(5)グリーン分散液(B)の作製
顔料(Pigment Green36) 20.0部
スチレン−マレイン酸共重合体 12.5部
モノエチレングリコール 7.0部
イオン交換水 60.5部
上記成分を混合し、サンドミルで7時間分散を行い、さらにメンブランフィルターで加圧ろ過し粗大粒子を除去した。
【0048】
インクの作製は、上記各色分散液に以下の成分を加えることにより所定の濃度になるように調整した。
【0049】
例1(実施例)
レッド分散液(A) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 73.09部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0050】
例2(実施例)
グリーン分散液(A) 19.61部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 70.24部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0051】
例3(実施例)
ブルー分散液 16.04部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 73.81部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0052】
例4(実施例)
レッド分散液(A) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 67.09部
エチレングリコール 15.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0053】
例5(実施例)
レッド分散液(A) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.02部
イオン交換水 77.28部
エチレングリコール 5.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0054】
例6(比較例)
レッド分散液(B) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.02部
イオン交換水 73.22部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0055】
例7(比較例)
グリーン分散液(B) 19.61部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 70.24部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0056】
このようにして得られたインクをインクジェット法を用いて、基板に吐出して測定を行った。試験1及び試験2は、単なるガラス基板に吐出を行い測定した。試験3及び試験4は、遮光層によりあらかじめ画素以外の部分に仕切り壁としての凸部を形成しておいたガラス基板に吐出しカラーフィルタを作製した。その結果を表1及び表2に示す。
【0057】
なお、吐出安定性に関しては、試験1として一定の吐出パルス(周波数1kHz)を2.5秒周期で断続的に与えてインクを吐出させ、オリフィスから吐出されたインク5滴分の固形分堆積を測定した。試験開始後20時間経過した時の吐出液量に対する試験開始時の吐出液量の比率が、
1)95%以上である場合 ◎
2)90%以上95%未満である場合 ○
3)70%以上90%未満である場合 △
4)70%未満あるいは液が吐出されていない場合 ×
とした。
【0058】
吐出安定性の2番目の試験である試験2は、一定の吐出パルス(周波数1kHz)を2.5秒周期で断続的に与えてインクを吐出させ、インクがオリフィスから吐出されて1ミリ秒後におけるインク飛滴とインクジェットヘッド間の距離をストロボカメラにより測定して吐出速度を求めた。試験開始後20時間経過した時の吐出速度に対する試験開始時の吐出速度の比率が、
1)90%以上である場合 ○
2)70%以上90%未満である場合 △
3)70%未満あるいは液が吐出されていない場合 ×
とした。
【0059】
試験3は、基板上に吐出したインクの性状に関する試験であり、遮光層を設けた基板の開口部にインクを吐出した後、基板を65℃×10min乾燥し、次いで230℃×1hr焼成を行い、カラーフィルタを形成した。そのカラーフィルタの画素の段差をレーザー顕微鏡により測定し、
1)段差が0.03μm未満である場合 ○
2)段差が0.03μm以上0.06μm未満である場合 △
3)段差が0.06μm以上である場合 ×
とした。
【0060】
試験4は、試験3で作成した例2と例7のカラーフィルタを用い、それらの画素中央部の色度を顕微分光光度計(大塚電子、MCPD1000)を用いて測定した。この結果をxy(CIE1931での色度座標)及びY値(CIE1931での刺激値)で表2に示す。また、515nmの光に対する透過率(%)も表2に示す。
【0061】
固形分濃度が20wt%になった時の粘度を、例2と例7でB型粘度計(60rpm、25℃)で測定したところ、例2のものは45cPであり、例7のものは220cPであった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを用いれば、インクの乾燥に伴う溶媒組成の変化に対応して広い固形分濃度の範囲で分散することができる。このため、インクジェットヘッドのノズル近傍のインクが乾燥しても、インクの凝集に伴うノズルの目詰まりが起こりにくくなり、吐出安定性に優れる。これにより長時間安定したカラーフィルタの製造ができる。
【0065】
また、基板に吐出したインクの乾燥時に、画素中央部が凸になりにくく、画素断面形状もフラットで画素内で色が均一で明るいカラーフィルタを得ることができる。
本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、種々の応用ができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】インクジェット法によりカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクにおいて、着色剤として顔料を1〜5wt%含有し、溶媒としてグリコール系溶媒及びグリセリンの少なくとも一方と水とを混合して用い、分散剤として一般式(1)で示されるアルキレンオキサイド化合物(ただし、R1は飽和もしくは不飽和の炭化水素基を意味し、R2とR3とは夫々異なり、炭素数が2または3のアルキレン基を意味し、mとnは夫々0または正の整数であり、5≦m+n≦30であり、分子量が2000以下である。)を使用することを特徴とするカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク。
R1−(R2−O−)m−(R3−O−)n−H (1)
【請求項2】R1が芳香族基である請求項1記載のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク。
【請求項3】インクを乾燥させて固形分濃度が20wt%になった時の粘度が100cP以下である請求項1または2記載のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク。
【請求項4】請求項1または2または3記載のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを用いて、基板上にインクジェット法でカラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット法によりカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンの発達に伴い液晶表示装置のカラー表示が増加しており、そのためにカラーフィルタが使用されている。このカラーフィルタについては、100×300μm程度のピッチで800×600×3画素とか、1024×768×3画素とかの微細なカラーフィルタを形成する必要がある。このカラーフィルタの製造方法としては、現在では高精度のパターニングができるフォトリソ工程を利用した顔料分散法が主流となっている。
【0003】
この顔料分散法は、フォトリソ技術を用いる方法であることから、高価なフォトレジストを用いたり、レジストの塗布、乾燥、露光、現像、硬化等の各工程を色毎に3回は繰り返すことになる。このため、大規模な設備が必要になり、かつフォトリソ工程のために生産性が低く、得られるカラーフィルタの価格が高くなる問題があった。
【0004】
このため、製造装置が簡便で生産性が良いカラーフィルタの製造方法として、インクジェット法が注目されてきている。インクジェット装置は、装置が小型で簡便であり、騒音が少なく、ランニングコストが安く、カラー化が容易であるため、オフィスそしてパーソナルユースの紙用のプリンタとして近年急速に普及してきている。
【0005】
この紙へのプリンタ用としては、最近では特に低価格のカラー画像出力機としての要望が高まっており、これに応えるべき技術手段としては、水溶性染料を用いたインクを用いてインクジェットプリンタによりカラー画像を得るというのが一般的であった。
【0006】
ところが、カラー画像の場合、複数色のうち一色でも耐水性や耐光性が悪いとそれらの影響でカラー画像の品位が極端に劣化する場合がある。このため、記録液の着色剤として堅牢性の高い顔料がインクジェット記録用として使用されることが期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら顔料を用いたインクをインクジェット装置で吐出する場合、ノズル近傍のインクが乾燥する、すなわちインク中の溶媒が揮発することにより、顔料が凝集、沈降し、ノズルの目詰まりが生じやすい問題があった。
【0008】
この問題点に対して、例えば特開平6−271797のように、沸点が高く保湿性に優れた水溶性有機溶媒をインクに添加し、その溶媒の揮発を抑える方法が一般的に知られている。しかしながら、一般的な顔料分散剤では水中及び水溶性有機溶媒中の両方で安定に分散しにくい。このため、インクジェット装置を吐出しない状態で放置させるとインク中の水分が優先的に揮発し、インク中の溶媒成分は水より有機溶媒が多く残存し、結果的に顔料が凝集し粘度が上昇する問題があり、吐出安定性は十分とはいえなかった。
【0009】
またこの問題以外にも、インクジェット法によりカラーフィルタを作製した場合、画素の断面が凸形状になりやすく、画素の周辺部が中央部に比べ膜厚が薄く、色が薄くなりやすい問題があった。この原因の一つは、インクジェット法によりインクを吐出し基板に着弾すると、表面張力により半球状にその形が保たれるが、その後インク中の溶媒が乾燥し凸形状が緩和されていく過程でインクの粘度が上昇し、画素の断面形状が完全にフラットになる前にインクの流動性が低下するためと推定される。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解決し、長時間連続吐出しても吐出安定性が高く、高い生産性を有し、画素内で色ムラが少ないインクジェット法によるカラーフィルタの製造に好適なインク及びそれを用いたカラーフィルタ製造方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決すべくなされたものであり、インクジェット法によりカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクにおいて、着色剤として顔料を1〜5wt%含有し、溶媒としてグリコール系溶媒及びグリセリンの少なくとも一方と水とを混合して用い、分散剤として一般式(1)で示されるアルキレンオキサイド化合物(ただし、R1は飽和もしくは不飽和の炭化水素基を意味し、R2とR3とは夫々異なり、炭素数が2または3のアルキレン基を意味し、mとnは夫々0または正の整数であり、5≦m+n≦30であり、分子量が2000以下である。)を使用することを特徴とするカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを提供する。
R1−(R2−O−)m−(R3−O−)n−H (1)
【0012】
また、そのR1が芳香族基であるカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インク、及び、それらのインクを乾燥させて固形分濃度が20wt%になった時の粘度が100cP以下であるカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを提供する。
【0013】
さらには、それらのカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを用いて、基板上にインクジェット法でカラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料分散型水性インクは、グリコール系溶媒及びグリセリンの少なくとも一方と水との混合溶媒中に、顔料、一般式(1)の特定のアルキレンオキサイド化合物の分散剤を含有させたものであり、インクジェット法により均一性に優れ、フラットな画素断面形状を有するカラーフィルタを長時間連続して安定に製造できる。
【0015】
本発明では、グリコール系溶媒またはグリセリンと水の両者で安定に分散することができるため、インク中の溶媒が乾燥していく過程で、特定の溶媒のみが速く揮発しても、顔料の凝集が抑制され、透過率の高いカラーフィルタを得ることができる。
【0016】
すなわち、インクジェット法により基板上にインクが吐出された後、室温下でインク中の水分が速く揮発し、沸点の高いグリコール系溶媒またはグリセリンが残る傾向がある。この場合においても、本発明の顔料分散型水性インクの場合、一般式(1)の分散剤を使用しているので、顔料が水中でもグリコール系溶媒またはグリセリン中でも安定に分散できる。このため、インク乾燥過程での顔料の凝集が抑制され、画素内でほぼ均一な色分布を有する明るいカラーフィルタを得ることができる。
【0017】
本発明で用いる着色剤としての顔料は、有機または無機の各種顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキやニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。
【0018】
これらの着色用の顔料は構造により異なるが、粒径が比較的小さいものが好ましく、最大粒径が500nm以下、好ましくは最大粒径が200nm以下のものが用いられる。
【0019】
これらの顔料の種類は所望の色が得られるように選択すればよく、単独または混合してインクに対して1〜5wt%とされる。1wt%未満だと色が薄くなりすぎ、インク量が増加し乾燥ムラが生じやすくなりやすい。また、5wt%を超えると、インク粘度が高くなりインクジェットでの吐出が不安定になる。
【0020】
本発明で用いる分散剤としては、下記一般式(1)のアルキレンオキサイド化合物が用いられる。ただし、式中R1は飽和もしくは不飽和の炭化水素基を意味し、R2とR3とは夫々異なり、炭素数が2または3のアルキレン基を意味し、mとnは夫々0または正の整数であり、5≦m+n≦30であり、分子量が2000以下である。
R1−(R2−O−)m−(R3−O−)n−H (1)
【0021】
この一般式(1)の分散剤を用いることにより、水中でもグリコール系溶媒またはグリセリン中でも分散性良く顔料を分散させることができる。このため、インク吐出後の乾燥時にもインクが凸になりにくく、画素内での色の均一性が高くなる。また、インクジェットヘッドのノズル近傍への顔料凝集物としての汚れを生じにくく、長時間安定した吐出ができる。
【0022】
この分散剤の使用量は、インクに対して0.2〜10wt%とされる。この範囲内で添加することにより、顔料の分散性は向上し、均一な着色が得られやすくなる。R1としては具体的には、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、ビフェビル基、フェニルアルキル基、ナフチル基、ナフチルアルキル基等が使用できる。特に、R1がベンゼン環、ナフタレン環等を含む1価の芳香族基であるアルキレンオキサイド付加物が分散性が良く好ましい。
【0023】
本発明におけるインクの水性溶媒としては、水及びグリコール系溶媒またはグリセリンを用いる。
水としては様々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
【0024】
このグリコール系溶媒としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類がある。
【0025】
これらのグリコール系溶媒またはグリセリンのなかでも、保湿性や粘度、沸点の点からエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンを用いることが、目詰まりを生じにくく安定したインクジェットの吐出ができ、製造したカラーフィルタが均一になりやすい。
【0026】
これらのグリコール系溶媒またはグリセリンは、インクに対して3〜30wt%、より好ましくは5〜15wt%用いる。3wt%未満ではインクの乾燥速度が速くなり、インク吐出時に目詰まりが生じやすくなる。30wt%を超えるとインクの粘度が上がり、インクの飛滴状態が不安定になりやすく、生産性が低下する。より好ましくは5〜15wt%である。
【0027】
本発明のインクには、カラー画像の信頼性を高めるためにバインダー成分を添加することができる。バインダーとしては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等のエマルジョン、ポリビニルアセタール等の水溶性樹脂、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水溶性モノマー、水溶性オリゴマーが挙げられる。これらは基板上に吐出後、熱あるいは光により硬化させることもできる。このバインダーは、0〜10wt%とされる。
【0028】
また、体質顔料も0〜5wt%添加できる。この体質顔料としては、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、水酸化アルミニウム、カオリンクレー、ネフェリンサイナイト等の従来用いられているものが使用できる。材質的には、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、沈降性硫酸バリウムが好ましい。この体質顔料の混合量は、上記バインダーの混合量よりも少なくすることが好ましい。
【0029】
また本発明におけるインクは、必要に応じて、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤を添加できる。この界面活性剤は、インクに対して0〜2wt%使用される。
【0030】
アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等がある。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等がある。両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベダイン等がある。
【0032】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等がある。
【0033】
本発明における、水及びグリコール系有機溶媒またはグリセリンの他に、他の水溶性有機溶媒を併用することもできる。この他の水溶性有機溶媒は、使用しているグリコール系溶媒及びグリセリンよりも少ない量とされ、かつインクの性能に悪影響を与えない範囲とされる。
【0034】
併用しうる任意の溶媒成分としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、エチレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(またはエチル、ブチル)エーテル等のアルキルエーテル類が挙げられる。
【0035】
この他、一般に使用される消泡剤、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤等のインク用の添加剤を0〜2wt%添加してもよい。
【0036】
本発明のインクは、インクが乾燥していく途中でインク中の固形分濃度が20wt%になった時のインクの粘度が100cP以下であるようなインクとしておくことが好ましい。このようにしておくことにより、基板上に吐出したインクが乾燥して行く際に画素内で凸になりにくくなり、画素内で色が均一になりやすい。また、インクジェットヘッドのノズル近傍でインクがやや乾燥しても顔料の凝集物が付着しにくく長時間安定した吐出ができる。
【0037】
このようにして調整したインクをインクジェット法で吐出してカラーフィルタを形成する。この際に、あらかじめ基板上に仕切り壁となるような凸部を形成し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット法によってインクを吐出して凹部にインクを堆積させて着色層を形成することが好ましい。
【0038】
顔料系のインクを使用すると、基板表面に顔料が吸着されないので、仕切り壁がないと、吐出したインクが周囲の画素に流れ出したり、飛散して色純度が低下する。このため、あらかじめ仕切り壁として基板上に凸部を形成することが好ましい。
【0039】
この凸部は、基板上に線状や格子状に形成されればよい。この凸部の形状は、それにより区切られた凹部が画素に対応するようにされればよい。例えば、ストライプ状のカラーフィルタを形成する場合には、線状に形成されるし、四角の画素に対応させるためには格子状に形成される。この凸部は、液晶表示装置等では遮光膜を兼用させることが有利である。具体的には、黒色の材料や金属遮光層等で凸部を形成すればよい。
【0040】
この凸部は、インクジェット法によって着色する際に、吐出したインクが他の画素に流れ込んだり滲んだりすることを防止する役割を果たす。したがって、この凸部の高さはある程度高いことが好ましいが、カラーフィルタとした場合の全体の平坦性が高いことも要求されるので、着色層の厚さに近い高さが選択される。通常は0.1〜2μm程度とされればよい。また、この幅は、通常は画素間の幅よりもやや広くして、後工程で位置ずれ等を生じてそれが表示に影響しないようにされる。
【0041】
このようにして吐出されたインクは、通常乾燥し、150〜300℃での焼成を行う。さらに、このカラーフィルタ上に樹脂等の絶縁膜を形成して平坦化しまたは電極との接着性の向上を図り、その上に電極を形成する。このようにして形成したカラーフィルタ基板ともう1枚の電極付き基板とを組合せて液晶表示装置を形成すればよい。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す部は特に説明がない限り重量部を示す。また、下記のナフタレンアルキレンオキサイド付加物は、R1がβ−ナフチル基(C10H7−)、R2がエチレン基(−C2H4−)、m=11、n=0の化合物を意味する。
【0043】
(1)レッド顔料分散液(A)の作製
顔料(Pigment Red 177) 20.0部
ナフタレンアルキレンオキサイド付加物 15.0部
ジエチレングリコール 3.0部
イオン交換水 62.0部
上記成分を混合し、ボールミルで20時間分散を行い、さらに遠心分離処理をかけて粗大粒子を除去した。
【0044】
(2)グリーン分散液(A)の作製
顔料(Pigment Green36) 20.0部
ナフタレンアルキレンオキサイド付加物 12.5部
モノエチレングリコール 7.0部
イオン交換水 60.5部
上記成分を混合し、サンドミルで7時間分散を行い、さらにメンブランフィルターで加圧ろ過し粗大粒子を除去した。
【0045】
(3)ブルー分散液の作製
顔料(Pigment Blue15:6) 20.0部
ナフタレンアルキレンオキサイド付加物 17.0部
モノエチレングリコール 5.0部
イオン交換水 58.0部
上記成分を混合し、サンドミルで5時間分散を行い、さらにメンブランフィルターで加圧ろ過し粗大粒子を除去した。
【0046】
(4)レッド分散液(B)の作製
顔料(Pigment Red 177) 20.0部
スチレン−マレイン酸共重合体 15.0部
(アンモニア中和、有効成分30%)
ジエチレングリコール 3.0部
イオン交換水 62.0部
上記成分を混合し、ボールミルで20時間分散を行い、さらに遠心分離処理をかけて粗大粒子を除去した。
【0047】
(5)グリーン分散液(B)の作製
顔料(Pigment Green36) 20.0部
スチレン−マレイン酸共重合体 12.5部
モノエチレングリコール 7.0部
イオン交換水 60.5部
上記成分を混合し、サンドミルで7時間分散を行い、さらにメンブランフィルターで加圧ろ過し粗大粒子を除去した。
【0048】
インクの作製は、上記各色分散液に以下の成分を加えることにより所定の濃度になるように調整した。
【0049】
例1(実施例)
レッド分散液(A) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 73.09部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0050】
例2(実施例)
グリーン分散液(A) 19.61部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 70.24部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0051】
例3(実施例)
ブルー分散液 16.04部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 73.81部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0052】
例4(実施例)
レッド分散液(A) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 67.09部
エチレングリコール 15.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0053】
例5(実施例)
レッド分散液(A) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.02部
イオン交換水 77.28部
エチレングリコール 5.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0054】
例6(比較例)
レッド分散液(B) 16.76部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.02部
イオン交換水 73.22部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0055】
例7(比較例)
グリーン分散液(B) 19.61部
ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 0.15部
イオン交換水 70.24部
エチレングリコール 9.00部
モノエタノールアミン 1.00部
【0056】
このようにして得られたインクをインクジェット法を用いて、基板に吐出して測定を行った。試験1及び試験2は、単なるガラス基板に吐出を行い測定した。試験3及び試験4は、遮光層によりあらかじめ画素以外の部分に仕切り壁としての凸部を形成しておいたガラス基板に吐出しカラーフィルタを作製した。その結果を表1及び表2に示す。
【0057】
なお、吐出安定性に関しては、試験1として一定の吐出パルス(周波数1kHz)を2.5秒周期で断続的に与えてインクを吐出させ、オリフィスから吐出されたインク5滴分の固形分堆積を測定した。試験開始後20時間経過した時の吐出液量に対する試験開始時の吐出液量の比率が、
1)95%以上である場合 ◎
2)90%以上95%未満である場合 ○
3)70%以上90%未満である場合 △
4)70%未満あるいは液が吐出されていない場合 ×
とした。
【0058】
吐出安定性の2番目の試験である試験2は、一定の吐出パルス(周波数1kHz)を2.5秒周期で断続的に与えてインクを吐出させ、インクがオリフィスから吐出されて1ミリ秒後におけるインク飛滴とインクジェットヘッド間の距離をストロボカメラにより測定して吐出速度を求めた。試験開始後20時間経過した時の吐出速度に対する試験開始時の吐出速度の比率が、
1)90%以上である場合 ○
2)70%以上90%未満である場合 △
3)70%未満あるいは液が吐出されていない場合 ×
とした。
【0059】
試験3は、基板上に吐出したインクの性状に関する試験であり、遮光層を設けた基板の開口部にインクを吐出した後、基板を65℃×10min乾燥し、次いで230℃×1hr焼成を行い、カラーフィルタを形成した。そのカラーフィルタの画素の段差をレーザー顕微鏡により測定し、
1)段差が0.03μm未満である場合 ○
2)段差が0.03μm以上0.06μm未満である場合 △
3)段差が0.06μm以上である場合 ×
とした。
【0060】
試験4は、試験3で作成した例2と例7のカラーフィルタを用い、それらの画素中央部の色度を顕微分光光度計(大塚電子、MCPD1000)を用いて測定した。この結果をxy(CIE1931での色度座標)及びY値(CIE1931での刺激値)で表2に示す。また、515nmの光に対する透過率(%)も表2に示す。
【0061】
固形分濃度が20wt%になった時の粘度を、例2と例7でB型粘度計(60rpm、25℃)で測定したところ、例2のものは45cPであり、例7のものは220cPであった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明のカラーフィルタ製造用顔料分散型水性インクを用いれば、インクの乾燥に伴う溶媒組成の変化に対応して広い固形分濃度の範囲で分散することができる。このため、インクジェットヘッドのノズル近傍のインクが乾燥しても、インクの凝集に伴うノズルの目詰まりが起こりにくくなり、吐出安定性に優れる。これにより長時間安定したカラーフィルタの製造ができる。
【0065】
また、基板に吐出したインクの乾燥時に、画素中央部が凸になりにくく、画素断面形状もフラットで画素内で色が均一で明るいカラーフィルタを得ることができる。
本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、種々の応用ができる。
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