JPH1187510A - 配線構造およびこの配線構造の形成方法ならびにこの配線構造を適用する半導体集積回路 - Google Patents

配線構造およびこの配線構造の形成方法ならびにこの配線構造を適用する半導体集積回路

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JPH1187510A
JPH1187510A JP10195642A JP19564298A JPH1187510A JP H1187510 A JPH1187510 A JP H1187510A JP 10195642 A JP10195642 A JP 10195642A JP 19564298 A JP19564298 A JP 19564298A JP H1187510 A JPH1187510 A JP H1187510A
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浩 山本
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10PGENERIC PROCESSES OR APPARATUS FOR THE MANUFACTURE OR TREATMENT OF DEVICES COVERED BY CLASS H10
    • H10P14/00Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars
    • H10P14/60Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars of insulating materials
    • H10P14/65Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars of insulating materials characterised by treatments performed before or after the formation of the materials
    • H10P14/6516Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars of insulating materials characterised by treatments performed before or after the formation of the materials of treatments performed after formation of the materials
    • H10P14/6548Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars of insulating materials characterised by treatments performed before or after the formation of the materials of treatments performed after formation of the materials by forming intermediate materials, e.g. capping layers or diffusion barriers

Landscapes

  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】配線間の静電容量を削減し、さらに配線抵抗を
削減し、半導体集積回路の動作速度を高速化させること
ができる配線構造、および、この配線構造の形成方法、
ならびに、この配線構造を適用する半導体集積回路を提
供すること。 【解決手段】第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に形成
された配線層と、少なくとも配線層の配線間に形成され
た低誘電率膜を含む第2の絶縁層とを有し、配線層の配
線間に形成された第2の絶縁層の底面の高さを、配線層
の配線の底面の高さよりも、配線間の間隔の20%以上
低く形成し、さらに、下層側の配線層の内、少なくとも
1つの配線層をAl系配線とし、上層側の配線層の内、
少なくとも1つの配線層を銅系配線層とすることによ
り、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線間容量を削減
し、動作速度を高速化することができる半導体集積回路
の配線構造、および、この配線構造の形成方法、ならび
に、この配線構造を適用する半導体集積回路に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体集積回路は、微細加工
技術の進歩に伴って、1つの半導体チップ内に集積でき
る素子数が増大するとともに、その動作速度も向上して
きた。これは主としてトランジスタ寸法、例えばMOS
トランジスタの場合にはそのゲート長が縮小されたこと
によって、個々のトランジスタのスイッチング速度が向
上したことに起因するものである。ところが、半導体集
積回路のレイアウトの設計ルール(通常、トランジスタ
の最小ゲート長で表現される)が0.5μmを下回るよ
うになると、微細化の進行が必ずしも動作速度の向上に
はつながらないことが問題になってきた。これは主とし
て、半導体集積回路内の複数の回路ブロック間を接続す
る配線を信号が伝達する際の遅延時間が増大することに
起因するものである。
【0003】すなわち、トランジスタのゲート長が縮小
されても、配線の高さは概略一定に保たれるため、単位
配線長当たりの静電容量は、配線間隔の縮小に伴って増
大することになる。しかも、回路ブロック間の配線長は
必ずしも短くならず、逆に、1つの半導体チップ内に集
積される機能の増大に伴って長くなる傾向にある。従っ
て、微細化の進行に伴って、回路ブロック間の配線間の
静電容量や配線抵抗が増大し、この静電容量と配線抵抗
の増大によって、配線に起因する信号遅延が増大する。
このため、半導体集積回路の動作速度を向上させるため
には、特に、設計ルールが0.5μm以下に微細化され
た半導体集積回路では、配線間の静電容量および配線抵
抗を低減させることが必要である。
【0004】ところで、従来より、同一配線層内の配線
間の絶縁、および、上下の配線層間の絶縁のためには、
CVD法で形成したシリコン酸化膜(酸化シリコン)が
一般的に使用されてきた。純粋な酸化シリコンは3.9
の誘電率を有するが、CVD法で形成したシリコン酸化
膜は、一般的に、4.0〜4.4程度の誘電率を有す
る。また、配線としては、Al(アルミニウム)膜もし
くはAl合金膜を主体とした配線(以下、「Al系配
線」と呼ぶ)を使用するのが一般的であった。これに対
し、配線間の静電容量を低減させるために、シリコン酸
化膜に比較して誘電率の低い絶縁材料の使用が検討され
ている。一方、配線抵抗の低減のためには、Alに比較
して抵抗の低い金、銀、銅を主体とする低抵抗配線が検
討されている。例えば、Cu(銅)膜もしくはCu合金
膜を主体とした配線(以下、「Cu系配線」と呼ぶ)の
使用が検討されている。
【0005】なお、Al系配線の形成のためには、通
常、金属膜を絶縁層の表面上全面に形成した後、不要な
部分を除去する方法(以下、「エッチング法」と呼ぶ)
が使用される。これに対して、Cu系配線の形成のため
には、配線間を絶縁するための絶縁層に配線を形成する
ための溝をあらかじめ形成した後、溝内を含めた絶縁層
表面上に金属膜を形成し、溝外の金属膜を除去するダマ
シン法が検討されている(M. T. Bohr, IEEE Internati
onal Electrons Devices Meeting Digest of Technical
Papers (1995) p. 241 、J. Paraszczak et al., IEEE
International Electrons Devices Meeting Digest of
Technical Papers (1993) p. 261 )。
【0006】シリコン酸化膜に比較して誘電率の低い材
料としては、例えば以下のようなものが提案されてい
る。
【0007】1)フッ素化シリコン酸化膜 従来のシリコン酸化膜形成のガス系にフッ素化合物ガス
を添加してCVDを行うことにより、フッ素化シリコン
酸化膜を形成する技術が開発されている。その誘電率は
3.0〜3.7程度の値であって、フッ素添加量の増大
に応じて低減させることができる。しかしながら、フッ
素添加量の増大に従って吸湿性が増大するため、実用的
には誘電率を3.3程度までしか下げることができない
という欠点がある(H. Miyajima et al., Proceedings
of Symposium on Dry Process, (1994), p. 133, R.Kat
sumata et al., Proceedings of Symposium on Dry Pro
cess (1995), P. 269 )。
【0008】2)シロキサンSOG さらに誘電率が低い材料としては、Si−R(R=H,
CH3 ,C6 5 等)の結合を有するシロキサンオリゴ
マーを含む溶液を塗布し、キュアすることによって形成
するシロキサンSOG(spin-on-glass )がある。2.
8〜3.3程度の誘電率を有する。具体例としては、水
素化シルセスキオキサン(B.T. Ahlburnet al., Procee
dings of the 1st International Dielectrics for ULS
I Multilevel Interconnection Conference (1995) p.
36 )、メチルシロキサン(K. Numata et al., Materia
ls Research Society Symposium Proceedings, Vol. 38
1(1995) p. 255)等がある。
【0009】3)有機材料 さらに誘電率が低い材料として、BPDA−PDA等の
ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリイミド−シロキ
サン、環状フッ素樹脂/シロキサン共重合体、ベンゾシ
クロブテン、パリレン−F、ポリ(フッ素化ナフタレ
ン)、アモルファステフロン(amorphous Teflon(商
標))、フッ素化ポリ(アリールエーテル)、シクロパ
ーフルオロカーボンポリマー、フッ素化アモルファスカ
ーボン等の有機材料がある。これらの材料の多くは塗布
法によって膜状に形成するが、パリレン、フッ素化アモ
ルファスカーボン等はCVD法で形成される(例えば、
C.H.Ting et al., Materials Research Society Proc
eedings, Vol. 381 (1995) p.3, C.-I. Lang et al., M
aterials Research Society Proceedings, Vol. 381 (1
995) p. 45, M. Mills et al., 1st International Die
lectrics for ULSI Multilevel Interconnection Confe
rence (1995) p. 269, S.-P. Jeng et al., Materials
Research Society Symposium Proceedings, Vol. 381
(1995) p. 197, B.C. Auman, 1st International Diele
ctrics for ULSI Multilevel Interconnection Confere
nce (1995) p. 297, N.H. Hendricks et al., 1st Inte
rnationalDielectrics for ULSI Multilevel Interconn
ection Conference (1995) p. 283, K. Endo et al., J
apanese Journal of Applied Physics, Vol. 35 (1996)
p.L1348)。
【0010】4)多孔質材料 絶縁物を多孔質化することによって誘電率を下げること
が可能である。究極的には、配線間を真空もしくは不活
性なガスで絶縁することによって、1の誘電率を得るこ
とができる。例えば、ポリイミドを多孔質化した有機質
の多孔質材料(K.R. Carter et al., Materials Resear
ch Society Symposium Proceedings, Vol. 381 (1995)
p. 79 )や、ゲル状シリカ等の無機質の多孔質材料(米
国特許第5488015号)が提案されている。また、
配線間にカーボンを充填した多層配線構造を形成した後
で、酸素中で加熱してカーボンを除去し、配線間をガス
で絶縁した構造等も提案されている(M.B. Anand et a
l. Symposium on VLSI Technology Digest of Technica
l Papers (1996) p. 82)。
【0011】上記1)〜4)までの材料の中で、1)の
フッ素化シリコン酸化膜は、実用的に得られる誘電率の
下限が3.3程度であり、静電容量の低減効果には限界
がある。従って、より効果的に静電容量を減少させるた
め、上記2)、3)および4)に分類される材料の検討
が精力的に行われている。以下、単に「低誘電率材料」
と呼ぶ場合には、上記2)、3)および4)に分類され
るような、従来のシリコン酸化膜よりも誘電率の低い新
規の材料を意味するものとする。
【0012】しかし、これらの低誘電率材料は、一般的
に、従来のシリコン酸化膜に比較して耐熱性が低く、製
造プロセス中の熱処理工程において変質や分解が起きる
ことが多いし、膜中に水分を含んでいたり、熱処理工程
での変質によって吸湿性を持つ状態に変化するものが多
いという問題点がある。このような含有水分や吸着され
た水分は、その後の熱処理工程において脱離し、このよ
うにして放出される水分が金属配線の腐食の原因にな
る。また、これらの低誘電率材料には、金属に対する密
着性が乏しいという別の問題点もある。
【0013】さらに、上述する低誘電率材料は、シリコ
ン酸化膜に比較して機械強度が低いため、金属配線表面
のヒロック(突起)の発生を防止できないという問題も
ある。
【0014】また、多層配線構造の形成のためには、配
線層間の接続を行うためのヴィア孔を形成する必要があ
る。従来のシリコン酸化膜の場合には、レジストをマス
クにしてドライエッチングを行い、その後、アッシング
(酸素プラズマや活性酸素による酸化)によってレジス
トを除去する工程により、微細な接続孔を容易に形成す
ることができた。ところが、上述する低誘電率材料は一
般的に酸化に対する耐性に乏しく、アッシング処理によ
り変質して吸湿性の増大や誘電率の上昇を招くため、低
誘電率材料には、レジストのアッシングを利用する従来
のヴィア孔形成工程をそのまま適用することができない
という問題点もある。
【0015】このため、レジストではなくシリコン酸化
膜、シリコン窒化膜等の無機材料をマスクとして利用し
てヴィア孔を形成する方法が採られることが多い。この
ような無機材料のマスクはハードマスクと呼ばれる。ま
た、上述する低誘電率材料は一般的に熱伝導率が低く、
配線に電流が流れることによって発生するジュール熱を
効率的に拡散させることができないという問題点もあ
る。
【0016】さらに、このような誘電率の低い材料が使
用できたとしても、配線容量を効果的に低減できるとは
限らない。すなわち、実効誘電率(実際の容量値と配線
寸法から求められる誘電率)が材料の誘電率にまで低減
できるとは限らない。例えば、図1のように、半導体基
板210上の下地絶縁層212表面上に配線218a,
218b,218cを含む配線層218が形成された場
合を考える。この場合、低い誘電率を有する層間絶縁層
220が配線間および配線上に形成されているとして
も、配線間の電界はこの層間絶縁層内のみに閉じこめら
れるわけではない。すなわち、配線層の直下に形成され
た下地絶縁層212内にまで電界が広がる。従って、下
地絶縁層212が通常のシリコン酸化膜で形成されてい
るため、配線間の実効誘電率は層間絶縁層220を構成
する材料の誘電率までは低くならない。このような現象
は、例えば特開平8−162528号公報に説明されて
いる。
【0017】以上に述べたさまざまな問題の少なくとも
一部の解決のため、低誘電率材料は、シリコン酸化膜、
シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜等の材料と組み合わ
せて使われることが多い。例えば、下層の配線層への密
着性を向上させ、また下層配線層表面のヒロック発生を
防止するため、配線層上にCVD法によってシリコン酸
化膜を下地膜として堆積し、その後に、低誘電率材料の
膜を堆積する方法が一般的である(J.T. Wetzel et a
l., Materials Research Society Symposium proceedin
gs Vol. 381 (1995) P. 217, y. Homma et al., Procee
dings of the 12th International Conference on VLSI
Multilevel Interconnection Conference(1995) p. 45
7)。同様に、上層の配線層の密着性を改善し、低誘電
率材料に含まれる水分による上層配線層の腐食発生を防
止するため、低誘電率材料の膜上にキャップ膜を形成す
る方法もある。
【0018】しかし、シリコン酸化膜は4.0−4.4
程度の誘電率を有し、シリコン酸窒化膜やシリコン窒化
膜は、それよりもさらに高い誘電率を有する。従って、
このような下地膜やキャップ膜を形成すると、配線間に
誘電率の高い材料が存在することになる。このため、図
1に示した場合よりもさらに、配線間の静電容量が大き
くなるという問題点がある。
【0019】また、このような下地膜が、垂直な表面上
に、通常の方法、例えばプラズマCVD法によって堆積
された場合、堆積された膜の表面がオーバーハング形状
を持つことが多い。例えば、図2に示されたように、垂
直な側壁を有する配線218a,218b,218cを
含む配線層が形成された基板上にプラズマCVD法によ
って下地膜216を堆積すると、堆積された下地膜21
6の表面は、配線の側面上においてオーバーハングす
る。このオーバーハングによってそれ以降のプロセスが
困難になる。例えば、このような下地膜上に低誘電率膜
228を形成すると、配線間にボイド229が形成され
る。このボイドは層間絶縁層220のクラック発生の原
因になる。また、ボイドの形状が一定しないために配線
間の容量にばらつきが発生する。
【0020】なお、ヴィア孔の形成が困難であるという
問題点に対しては、同一層内の配線間の絶縁にのみ低誘
電率材料を使用し、配線層間の絶縁には通常のCVD絶
縁膜を使用する構造も提案されている(S.-P. Jeng et
al, Materials Research Society Symposium Proceedin
gs, Vol. 337 (1994) p. 25 )。しかしながら、この場
合には配線間の電界がこのCVD絶縁膜内にも広がるた
め、図1に示した場合よりもさらに配線間の容量が増大
するという問題が発生する。
【0021】また、ジュール熱を効率的に拡散させるこ
とができないという問題に対して、配線に直接接触する
ように、シリコン酸化膜よりも熱伝導率の高い材料、例
えば窒化シリコンや酸化アルミニウムの膜を配線層間に
形成することも提案されている(米国特許第54768
17号)。しかし、このような熱伝導率が高い材料は、
シリコン酸化膜よりもさらに高い誘電率を有する。この
ような高い誘電率の材料内への電界の広がりにより、配
線間の容量は高くなる。
【0022】前述の特開平8−162528号公報に
は、配線間の低誘電率膜の膜厚を配線の高さよりも大き
くすることによって配線間の容量を効果的に低減させる
構造が提案されている。しかし、この構造ではシリコン
酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜等の下地膜
が使用されている。従って、上記の下地膜に関わる問題
点は解決されていない。一方、配線材料に関しては、A
l系配線はやがてCu系配線にすべて置き換えられると
いうような議論がなされることもある。しかし現実に
は、Cu系配線を使用した半導体集積回路製品を低コス
トで製造するためには、解決すべき問題が多々残されて
いる。従って、様々な半導体集積回路製品にCu系配線
を適用するための、産業の現実に合った現実的な方法が
提案される必要がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術に基づく問題点をかえりみて、配線間の静電容
量を削減し、半導体集積回路の動作速度を高速化させる
ことができる配線構造、および、この配線構造の形成方
法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、
上記配線構造を適用する半導体集積回路において、さら
に配線抵抗を削減し、半導体集積回路の動作速度をさら
に高速化させることができる半導体集積回路を提供する
ことにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、半導体集積回路に適用される配線構造で
あって、半導体基板の上に形成された第1の絶縁層と、
この第1の絶縁層の上に形成され、少なくとも1つの隣
接する配線を含む配線層と、少なくとも前記配線層の隣
接する配線の間に形成され、シリコン酸化膜よりも低い
誘電率を持つ低誘電率膜を含む第2の絶縁層とを有し、
前記隣接する配線の間に形成された前記第2の絶縁層の
底面の高さは、前記隣接する配線の底面の高さよりも、
前記隣接する配線間の間隔の20%以上低く形成されて
いることを特徴とする配線構造を提供するものである。
【0025】ここで、上記配線構造であって、前記第2
の絶縁層は、前記配線層の配線と前記低誘電率膜との間
に、さらに、少なくとも前記隣接する配線の上面および
側面上に形成された下地膜を含み、この下地膜は、前記
隣接する配線の側面の上端部における膜厚が下端部にお
ける膜厚よりも薄く形成されているのが好ましい。ま
た、上記配線構造であって、前記低誘電率膜は、前記隣
接する配線上にも形成され、前記第2の絶縁層は、さら
に、前記低誘電率膜の上に形成された熱伝導性絶縁膜を
含み、この熱伝導性絶縁膜は、シリコン酸化膜の熱電導
率よりも高い熱電導率を持つのが好ましい。
【0026】また、本発明は、半導体集積回路に適用さ
れる配線構造の形成方法であって、半導体基板の上に第
1の絶縁層を形成し、この第1の絶縁層の上に、少なく
とも1つの隣接する配線を含む配線層を形成し、この隣
接する配線の間に形成された前記第1の絶縁層の上面の
前記隣接する配線間の間隔の20%以上の膜厚の領域を
除去した後、少なくとも前記配線層の隣接する配線の間
に、シリコン酸化膜よりも低い誘電率を持つ低誘電率膜
を含む第2の絶縁層を形成することを特徴とする配線構
造の形成方法を提供するものである。
【0027】ここで、上記配線構造の形成方法であっ
て、前記第2の絶縁層を形成するに際し、前記低誘電率
膜を形成する前に、さらに、前記隣接する配線の上面お
よび側面上に下地膜を、前記隣接する配線の側面の上端
部における膜厚が下端部における膜厚よりも薄くなるよ
うに形成し、その後、この下地膜の上に、かつ、少なく
とも前記配線層の隣接する配線の間に、前記低誘電率膜
を形成するのが好ましい。また、上記配線構造の形成方
法であって、前記第2の絶縁層を形成するに際し、前記
低誘電率膜を前記隣接する配線上にも形成されるように
形成した後に、さらに、シリコン酸化膜の熱電導率より
も高い熱電導率を持つ熱伝導性絶縁膜を形成するのが好
ましい。
【0028】さらに、本発明は、少なくとも2層以上の
配線層を有し、下層側の配線層の内、少なくとも1つの
配線層は、請求項1〜3のいずれかに記載の配線構造を
適用するアルミニウムもしくはアルミニウム合金を主体
とするアルミニウム系配線層であり、上層側の配線層の
内、少なくとも1つの配線層は、銅もしくは銅合金を主
体とする銅系配線層であって、この銅系配線層の配線を
用いて、長距離信号配線、クロック配線、および、電源
バス配線の内の少なくとも1つが形成されていることを
特徴とする半導体集積回路を提供するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面に示す好適実
施例に基づいて、本発明の配線構造、および、この配線
構造の形成方法、ならびに、この配線構造を適用する半
導体集積回路を詳細に説明する。
【0030】(実施例1)図3(a),(b),(c)
および図4(d),(e)は、本発明の配線構造の各形
成工程を表す第1の実施例の断面図である。図3(a)
において、半導体基板10の表面にはトランジスタやフ
ィールド酸化膜等の、半導体デバイスに必要な構造(図
示せず)が形成されている。同図に示すように、まず、
この半導体基板10上に、CVD法を用いて堆積したシ
リコン酸化膜やBPSG(borophospho-silicate glas
s)膜等の絶縁膜を1つもしくは複数組み合わせて使用
して下地絶縁層12を形成する。シリコン酸化膜やBP
SG膜は、4.0〜4.4程度の誘電率を有するもの
で、その表面は、CMP(chemical mechanical polish
ing )等の方法によって平坦化するのが好ましい。
【0031】続いて、下地絶縁層12の必要な位置に、
半導体基板10の表面に形成されたトランジスタを第1
配線層の配線に接続するためのコンタクト孔(図示せ
ず)を形成し、コンタクト孔内には、例えばタングステ
ンのプラグを形成した後、このような基板表面上に、第
1配線層の配線を形成するための金属膜14を堆積する
(以下、単に「基板」と言う場合、半導体基板、およ
び、様々な膜や構造が表面上に形成された半導体基板を
一般的に意味するものとする)。金属膜14は、例えば
膜厚10〜50nmのTi膜、30〜150nmのTi
N膜、300〜1000nmのAl−0.5wt%Cu
膜、5〜20nmのTi膜、20〜100nmのTiN
膜をこの順に積層して形成する。なお、Al−0.5w
t%Cu膜以外にも、様々なAl合金膜や純Al膜等の
Al含有膜を利用することが可能である。
【0032】続いて、図3(b)に示すように、公知の
フォトリソグラフィ技術によってレジストパターン16
を形成し、塩素系のガス(BCl3 ,Cl2 等)を利用
した異方性プラズマエッチングによって金属膜14をパ
ターンニングし、配線18a,18b,18cを含む第
1配線層18を形成する。エッチング装置としては、例
えばECR(electro-cyclotron resonance )プラズマ
エッチング装置やTCP(transformer coupled plasm
a)エッチング装置、ICP(inductive coupled plasm
a)エッチング装置を好適に利用することができる。好
ましくは、配線18a,18b,18cの側壁が半導体
基板表面に対してほぼ垂直になるような条件でエッチン
グを行うのがよい。なお、同図は、第1配線層18の配
線が密に形成された部分を示すもので、この部分の配線
の高さをh1、配線間の間隔をs1とする。
【0033】続いて、図3(c)に示すように、公知の
アッシング技術によってレジストパターン16を除去
し、フッ素系のガスを利用した異方性プラズマエッチン
グ技術によって、第1配線層18の配線間の下地絶縁層
12の表面の膜厚d1の領域をエッチングする。好まし
くは、配線最上層のTiN膜が実質的にエッチングされ
ない条件でエッチングを行うのがよい。エッチング装置
としては、例えば平行平板型RIE(reactive ion etc
hing)装置やICPエッチング装置が好適に利用でき
る。さらに必要に応じて、アッシング、ウエット洗浄等
の方法によって、ドライエッチング中に基板表面に付着
した堆積物を除去する。
【0034】続いて、図4(d)に示すように、例えば
高密度プラズマCVD法を利用してフッ素化シリコン酸
化膜を堆積し、例えばCMP法により平坦化して層間絶
縁層20を形成する。高密度プラズマCVDの一例とし
ては、SiH4 ,SiF4 ,O2 ,Arを含む原料ガス
を使用したヘリコンプラズマCVD法がある。以下に、
代表的な堆積条件の一例(室田 他、月刊Semiconducto
r World 1996.2, p. 82 )を示す。 SiF4 :SiH4 =1:1 O2/(SiF4 +SiH4 )=1〜2 Ar/(SiF4 +SiH4 )=1 基板温度=400℃ ヘリコンプラズマパワー(13.56MHz)=2.5
kW バイアスパワー(400kHz)=2kW
【0035】上述するフッ素化シリコン酸化膜の誘電率
は純粋なシリコン酸化膜と比較して低く、例えば3.5
程度の値を有する。また、このような条件では、プラズ
マCVDによる堆積とArスパッタリングによるエッチ
ングとが同時に行われ、微細な配線間を埋め込むことが
できる。しかし、例えば広幅の配線上に堆積されたフッ
素化シリコン酸化膜の表面の高さと、配線が存在しない
領域に堆積されたフッ素化シリコン酸化膜の表面の高さ
との差は解消されないため、フッ素化シリコン酸化膜の
表面を、例えばCMP法により平坦化する。CMPに
は、例えばシリカ粒を研磨剤として含むスラリーを使用
する。
【0036】適切な条件で高密度プラズマCVDを行う
ことにより、配線に直接接触させることができる高い膜
質のフッ素化シリコン酸化膜を堆積することができる。
特に、膜中にSi−F結合が存在することにより、膜が
疎水性になる。このため、膜中の水分含有量が十分に低
くなる。しかしながら、フッ素添加量が多くなりすぎる
と、膜中のSi(−F)2 結合の量が大きくなる。この
場合には膜は吸湿性を持つ。従って、フッ素化シリコン
酸化膜のフッ素添加量は、膜中のSi(−F) 2 結合量
が十分に少ない範囲に制限するべきである。すなわち、
FT−IR(Fourier transformed infrared absorptio
n spectroscopy)法によって実質的にSi(−F)2
合による吸収(980cm-1付近で観察される)が観察
されないか、もしくはSi−O結合の吸収(1080c
-1付近で観察される)の積分強度に比較してSi(−
F)2 結合の吸収の積分強度が約2.0%以下、好まし
くは約0.1%以下である範囲に制限するべきである。
この、フッ素添加量の制限により、フッ素化シリコン酸
化膜の誘電率の下限には制限がある。現時点において利
用可能な高密度プラズマCVD技術では約3.3が誘電
率の下限である。しかし将来の成膜技術の進歩によっ
て、Si(−F)2 結合の量を増大させることなく、さ
らに低い誘電率が得られる可能性もある。
【0037】本実施例の配線構造では、第1配線層18
の配線間の下地絶縁層12表面の厚さd1の領域がエッ
チングされ、この部分に、誘電率の低いフッ素化シリコ
ン酸化膜からなる層間絶縁層20が形成されている。す
なわち、隣り合う配線間に形成されたフッ素化シリコン
酸化膜の底面の高さは、配線の底面の高さよりも膜厚d
1だけ低くなっている。この結果、配線間の電界の広が
りが、誘電率の低いフッ素化シリコン酸化膜内に制限さ
れ、配線間の実効誘電率がフッ素化シリコン酸化膜自体
の誘電率に近い値にまで低下するため、配線間の静電容
量を効果的に低減することができる。
【0038】具体的には、膜厚d1が配線間隔s1に対
して20%程度以上の場合に効果が得られる。例えば、
配線間隔s1が0.50,0.35,0.25,0.1
8μmの場合、膜厚d1は、それぞれ約0.1,0.0
7,0.05,0.036μmに相当する。50%程度
以上であればさらに静電容量を低減することができる。
例えば、配線間隔s1が0.50,0.35,0.2
5,0.18μmの時に、膜厚d1は、それぞれ約0.
25,0.18,0.12,0.09μmに相当する。
【0039】なお、図3および図4では、模式的に、第
1配線層18の配線間の下地絶縁層12表面の膜厚d1
の部分を完全に矩形状にエッチングした状態を示した
が、現実的には、完全に矩形状にエッチングすることは
困難であるし、またその必要もない。例えば、周辺部が
丸められた形状にエッチングしてもよい。この場合、膜
厚d1は、配線間の中央付近における膜厚の値とすれば
よい。また、下地絶縁層12表面の平坦化状態によって
は、隣り合う配線の底面の高さが一致していないことも
ある。この場合、フッ素化シリコン酸化膜の底面の高さ
と配線の底面の高さとの差は、隣り合う配線間の中央付
近におけるフッ素化シリコン酸化膜の底面の高さと、隣
り合う配線の底面の平均的高さとの差として求めればよ
い。
【0040】この後、さらに必要に応じて、同様の工程
を繰り返し、第2層以降の配線層および層間絶縁層を形
成する。図4(e)は、配線22a,22b,22cを
含む第2配線層22を形成し、さらに、第2の層間絶縁
層24を形成した状態の断面図を示すものである。同図
に示す配線構造において、層間絶縁層20は、第1配線
層18の配線相互間を絶縁するとともに、第1配線層1
8と第2配線層22との間の絶縁を行う機能を果たす。
層間絶縁層20の配線層18,22間の膜厚は0.6〜
1.5μm程度にする。図示していないが、層間絶縁層
20の必要な部分に、第1配線層18の配線と第2配線
層22の配線とを接続するためのヴィア孔を形成し、例
えばW(タングステン)膜のCVDとエッチバックとに
よって、ヴィア孔を埋めるプラグを形成する。なお、本
実施例の場合には、層間絶縁層20を高密度プラズマC
VD法を用いて堆積したフッ素化シリコン酸化膜で形成
しているため、通常のレジストパターンをマスクとした
異方性プラズマエッチによってヴィア孔を形成すること
が可能である。
【0041】その後、さらに表面保護膜を形成し、ボン
ディングパッドを形成して、半導体集積回路のウエハ製
造工程を完了する。第2配線層22が最上層の配線層で
あれば、その上に直接表面保護膜を形成する。
【0042】なお、本実施例では、第1配線層18の配
線間の下地絶縁層12表面のエッチングを異方性のプラ
ズマエッチングで行う例を示したが、完全な異方性エッ
チングを行うことは必須ではなく、等方的なエッチング
を行ってもよい。この場合、第1配線層18の配線間の
下地絶縁層12の表面は凹面状に湾曲してエッチングさ
れ、さらに、配線の下にも横方向にエッチングが進行す
る。この結果、配線間の電界の広がりに沿って、層間絶
縁層20のフッ素化シリコン酸化膜が形成される。これ
により、第1配線層18の配線間の電界の広がりをフッ
素化シリコン酸化膜内に制限する効果が高くなり、配線
間の静電容量を低減する効果がさらに高くなるという利
点がある。
【0043】また、本実施例では、金属膜14のエッチ
ングの後、レジストパターン16を除去してから、金属
膜14のエッチングとは異なるガス系のプラズマエッチ
ングによって、下地絶縁層12の表面領域のエッチング
を行った。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば
金属膜14のエッチングのオーバーエッチング時間を長
くすることによって、下地絶縁層12の表面領域のエッ
チングを行うことも可能である。このオーバーエッチン
グは、例えば金属膜14にSiを含むAl合金膜が含ま
れている場合、Siの析出物に起因するエッチング残渣
を除去するためにも有効である。
【0044】また、本実施例では、層間絶縁層20を、
ヘリコンプラズマCVD法を使用して堆積したフッ素化
シリコン酸化膜によって形成したが、本発明はこれに限
定されず、その他の高密度プラズマ、例えばICP C
VD,ECR CVD等を利用することも可能である。
また、SiH4 ,SiF4 ,O2 およびArを含むガス
系を使用した例を示したが、Si2 6 ,SiH3 F,
SiH2 2 ,SiHF3 等を含むガス系を使用するこ
とも可能である。フッ素化合物ガスとしてSiのフッ素
化合物ガスを使用することは必須ではなく、CF4 ,C
2 6 ,NF3等のフッ素化合物ガスを使用することも
可能である。この場合には、Si原料としてフッ素を含
まない化合物のガスのみ使用することも可能である。逆
に、Si原料として、フッ素化合物ガスのみを使用する
ことも可能である。Si原料として、Si(OC
2 5 4 等の有機化合物を使用することも可能であ
る。FSi(OC2 5 3 ,F2 Si(OC2 5
2 等のフッ素化有機シリコン化合物を使用することも可
能である。
【0045】高密度プラズマCVD法ではなく、通常の
プラズマCVD法によってフッ素化シリコン酸化膜を形
成することも可能である。ただしこの場合、高密度プラ
ズマCVD法を利用した場合に比較して、吸湿性を低く
保つことができる誘電率の下限値が高くなる。さらに、
フッ素化シリコン酸化膜以外の材料を利用して層間絶縁
層20を形成することも可能であるし、その他のシリコ
ン酸化膜に比較して誘電率が低い材料、例えばプラズマ
CVD法で形成したSiBON等を使用することも可能
である。また、密着性や水分放出等の問題が解決されれ
ば、各種のシロキサンSOG、有機材料、多孔質材料等
の低誘電率材料を使用することももちろん可能である。
【0046】また、本実施例では、第1および第2配線
層18,22の配線としてAl含有膜を主体としたAl
系配線を使用したが、本発明はこれに限定されず、第1
および第2配線層18,22の一方もしくは両方を他の
配線、例えばCu系配線やW膜を主体とする配線(以下
「W系配線」と呼ぶ)とすることも可能である。また、
第1配線層18よりも下層に他の配線層を形成した後、
上記の方法で第1配線層18および層間絶縁層20を形
成することも可能である。
【0047】さらに、本実施例では、第1配線層18の
下の絶縁層12を「下地絶縁層」と呼び、第1配線層1
8の配線間、および、第1配線層18と第2配線層22
との間の絶縁層20を「層間絶縁層」と呼んだが、これ
らの用語は、以下に述べる理由により限定的に解釈され
るべきではない。すなわち、第1配線層18の下の絶縁
層12は、第1配線層18にとっては「下地絶縁層」と
して機能すると同時に、第1配線層18と半導体基板1
0表面に形成されたトランジスタとの間の「層間絶縁
層」としても機能する。また、第1配線層18よりも下
層に別の配線層が形成されている場合には、この下層の
配線層の配線間、および、この下層の配線層と第1配線
層18との間の「層間絶縁層」としても機能する。同様
に、第1配線層18の配線間、および、第1配線層18
と第2配線層22との間の層間絶縁層20は、第2配線
層22にとっては「下地絶縁層」としても機能する。
【0048】(実施例2)図5(a),(b),(c)
および図6(d),(e),(f)は、本発明の配線構
造の各形成工程を表す第2の実施例の断面図である。図
5(a)に示すように、実施例1の場合と同様にして、
トランジスタやフィールド酸化膜等の構造を形成した半
導体基板10上に下地絶縁層12を形成し、その上に配
線18a,18b,18cを含む第1配線層18を形成
する。同様に、第1配線層18の配線の高さをh1と
し、配線間の間隔をs1とする。その後、第1配線層1
8の配線間の下地絶縁層12の表面の膜厚d1の領域を
エッチングする。
【0049】次に、図5(b)に示すように、例えば高
密度プラズマCVD法を利用してフッ素化シリコン酸化
膜を堆積する。このとき、実施例1の場合に比較して堆
積時間を短く設定し、第1配線層18の配線間を埋め込
む状態に至る以前に、配線の上面および側面が覆われた
段階で堆積を終了する。ここでは、第1配線層18の密
集した配線間の下地絶縁層12表面上に形成されたフッ
素化シリコン酸化膜の膜厚をt1、配線の上面上に形成
された膜厚をt2とする。第1配線層18の配線間を埋
め込まないように堆積時間を設定した場合、t1および
t2は、いずれも平坦な基板上に堆積される膜厚と概略
等しい。高密度プラズマCVD法によるフッ素化シリコ
ン酸化膜堆積時に、基板側に高周波電力を印加してバイ
アス電位を発生させることにより、CVDによる堆積と
Arおよび酸素イオンによるスパッタエッチングとが同
時に進行する。この結果、配線の側壁が概略垂直に形成
されている場合にも、その側壁上のフッ素化シリコン酸
化膜の表面は、配線上端のコーナー部付近を除いて、実
質的にその全面においてほぼ均一な順方向の傾斜(順テ
ーパー形状)を有する。すなわち、フッ素化シリコン酸
化膜は、配線上端のコーナー部付近を除いた側壁の上部
での膜厚が下部での膜厚に比較して薄い。また、配線の
側壁上に堆積されるフッ素化シリコン酸化膜の平均的な
膜厚(配線の高さの中央位置におけるフッ素化シリコン
酸化膜の側壁上の膜厚)はt1およびt2に比較して薄
い。さらに、配線の上端のコーナー部付近にはファセッ
トが形成される。このファセットは、スパッタエッチン
グ速度の角度依存性によって決定される一定の角度(通
常、水平面に対して45ないし60゜)を持つ。このフ
ッ素化シリコン酸化膜は、層間絶縁層の一部となり、次
の工程で形成される低誘電率膜に対する下地層26とな
る。
【0050】続いて、図5(c)に示すように、基板表
面全面に、例えばシロキサンオリゴマーを含む塗布液を
スピンコート法によって塗布し、キュアを行うことによ
ってシロキサンSOGからなる低誘電率膜28を形成す
る。この時、高密度プラズマCVD法によって形成した
下地膜26が、第1配線層18の配線の側壁上で順方向
の傾斜を有し、かつ、配線上端のコーナー部にファセッ
トが形成されているため、配線間の間隔が微細になった
場合にも、シロキサンSOGによって配線間の下地膜堆
積後に残された部分を良好に埋め込むことが可能であ
る。キュアは、例えば80℃および200℃の加熱によ
って塗布液に含まれる溶剤を蒸発させた後、400℃の
加熱によって重合反応を起こさせることによって実現さ
せる。この方法で形成した低誘電率膜28は3.0程度
の誘電率を有する。この段階の低誘電率膜28の表面
は、下地膜26の表面に比較するとなだらかな形状を有
する。例えば、配線が高密度に形成された領域上では、
図5(c)の断面図に示すように、ほぼ平坦な形状を有
する。しかし、例えば配線が高密度に形成された領域上
に堆積された低誘電率膜28の表面の高さと、配線が形
成されていない領域に形成された低誘電率膜28の表面
の高さとの差は残る。この表面高さの差を解消するた
め、例えばCMP法で平坦化を行うのが好ましい。
【0051】前述のように、順方向に傾斜した下地膜側
面は、配線間への低誘電率膜の埋め込み性を向上させ
る。この効果は、配線上端のコーナー部にファセットが
形成されているときにさらに高まる。高い埋め込み性向
上効果を得るためには、基板垂直面に対する側面の傾斜
の角度を約2゜以上、好ましくは約4゜以上、さらに好
ましくは約6゜以上にする。しかし傾斜が更に大きく、
例えば約8゜以上になることは好ましくない。傾斜角度
を小さくすることによって、配線間の体積の内の大きな
部分が低誘電率膜で埋め込まれ、配線間の容量を低減す
ることができる。この角度は、高密度プラズマCVDの
条件、特に基板バイアスの条件によって制御できる。
【0052】順方向に傾斜した下地膜側面による埋め込
み性向上効果は、低誘電率膜堆積のために特定の方法が
利用される場合に特に顕著である。例えば、基板バイア
スを併用した高密度プラズマCVD法を利用して、フッ
素化アモルファスカーボン等の低誘電率材料を好適に堆
積することができる。下地膜と低誘電率膜との堆積方法
の類似性により、微細な配線間への低誘電率膜の埋め込
み性が効果的に向上される。この場合、下地膜と低誘電
率膜とを同一の成膜装置を使用して堆積することが可能
である。すなわち、同一の堆積槽内でガス雰囲気を変化
させて下地膜と低誘電率膜とを堆積することも可能であ
るし、同一装置内の別個の堆積槽内でそれぞれの膜の堆
積を行うことも可能である。
【0053】図6(d)に、第1配線層18の配線上面
上の低誘電率膜28が除去されるまでCMPを行い、配
線間を埋め込む低誘電率膜28が形成された状態の断面
図を示す。同図に示されるように、図5(c)の段階で
十分に厚い低誘電率材料膜28が形成されていた場合、
CMPを行うことにより、配線が高密度に形成された領
域上と配線が形成されていない領域との低誘電率膜28
表面の高さの差を解消し、平坦化を実現することができ
る。具体的には、配線が形成されていない部分のCMP
前の低誘電率膜28の膜厚を、配線の高さh1と配線間
の下地絶縁層12の表面をエッチングした膜厚d1との
合計と同程度以上、好ましくは1.5倍以上、さらに好
ましくは2倍以上にする。例えば、MnO2 を研磨剤と
したスラリーを使用してCMPを行うことにより、下地
膜12のエッチング速度に比較して低誘電率膜28のエ
ッチング速度を大きくすることができる(Y. Homma et
al., Proceedings of the 12th International Confere
nce on VLSI Multilevel Interconnection Conference
(1995) p. 457 )。この結果、配線の上面上の下地膜2
6であるフッ素化シリコン酸化膜をエッチングストッパ
として、高い制御性で、配線上の低誘電率膜28が除去
された時点でCMPを終えることができる。
【0054】続いて、図6(e)に示すように、再び高
密度プラズマCVD法でフッ素化シリコン酸化膜を堆積
し、キャップ膜30を形成する。以上の工程により、下
地膜26、配線間を埋め込む低誘電率膜28、キャップ
膜30からなる層間絶縁層32を形成する。
【0055】本実施例の配線構造では、第1配線層18
の配線間に低誘電率材料であるシロキサンSOGからな
る低誘電率膜28が埋め込まれている。この低誘電率膜
28の下面の高さは、配線の下面の高さよりも(d1−
t1)だけ低く、かつ、その上面の高さは配線の上面の
高さよりもt2だけ高くなっている。さらに、第1配線
層18の配線の側壁の下地膜26および配線上のキャッ
プ膜30も、従来のシリコン酸化膜に比較して誘電率が
低いフッ素化シリコン酸化膜で形成されている。これに
より、配線間の静電容量を効果的に低減することができ
る。配線間の静電容量は、s1,h1,t1,t2等の
寸法、フッ素化シリコン酸化膜やシロキサンSOGの誘
電率等によって決まる。一般的には、下地膜26の膜厚
が薄いほど配線間の静電容量は減少する。下地膜26
は、配線に対する低誘電率膜28の密着性を向上させる
とともに、低誘電率膜28内の水分が配線もしくは半導
体基板10表面に形成されたトランジスタに拡散するの
を防止する機能を有する。密着性向上に対しては、連続
的な膜が形成される範囲で下地膜26を薄くしても十分
な効果が得られる。一方、水分の拡散を防止するために
は一定以上の膜厚の下地膜26が必要である。高密度プ
ラズマCVD法で堆積されたシリコン酸化膜は米国特許
第5512513号に開示されたように、高い水分拡散
防止効果を有する。このため、他の方法で形成された膜
を使用する場合に比較して、薄い膜厚でも高い水分拡散
防止効果を得ることができる。例えば、t1を25nm
程度以下に、条件によっては10nm程度まで薄くする
ことができる。従って、微細化が進んで配線間の間隔が
縮小された場合にも使用可能である。
【0056】従来の配線構造においては、シリコン酸化
膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜等からなる下地
膜が使用されていた。これに対して本実施例では、低誘
電率膜28に対する下地膜26としてフッ素化シリコン
酸化膜を使用している。この結果、配線容量が効果的に
低減されている。フッ素化シリコン酸化膜を下地膜とし
て使用することは自明なことではない。従来、フッ素化
シリコン酸化膜が密着性向上や水分拡散防止に対して十
分な効果があることは確認されていなかった。それどこ
ろか、フッ素化シリコン酸化膜自体が十分な密着性を有
することも、それ自体に含まれる水分量が、配線の腐食
等の問題を発生しない程度に低いことも確認されていな
かった。現実には、フッ素の添加によっても密着性向上
効果が顕著に劣化することはない。水分拡散防止効果が
顕著に劣化することもないし、膜中の水分量が顕著に増
大することもない。それどころか、実際には、膜中にS
i−F結合が含まれることによって膜が疎水性になり、
水分拡散防止効果は改善され、膜中の水分量も減少す
る。このため、シリコン酸化膜を使用した場合よりもフ
ッ素化シリコン酸化膜を使用した場合の方が、下地膜を
薄くすることが可能である。
【0057】しかしながら、フッ素化シリコン酸化膜の
フッ素添加量は、膜中に顕著な量のSi(−F)2 結合
が含まれない範囲に制限する必要がある。このため、下
地膜26の誘電率はある値以下には低くできない。しか
しながら、フッ素化シリコン酸化膜よりも更に低い誘電
率を有する材料によって構成された低誘電率膜と組み合
わせて使用することにより、配線容量を効果的に低減す
ることができる。配線が、高い水分拡散防止効果を有す
る下地膜に覆われ、低誘電率材料とは接触しないため、
様々な低誘電率材料を使用して低誘電率膜を形成するこ
とが可能である。
【0058】なお、本実施例の場合、下地絶縁層12表
面をエッチングする膜厚(深さ)d1は、実施例1の場
合に比較してt1だけ大きくするのが好ましい。しかし
ながら、d1が十分に大きくない場合にも、もしくは、
下地絶縁層12の表面のエッチングを行わない場合にお
いても、下地膜26と低誘電率膜28の両方が低い誘電
率を有するため、配線容量をある程度低減することが可
能である。
【0059】この後、必要に応じて、同様の工程を繰り
返して第2層以降の配線層および層間絶縁層を形成す
る。図6(f)に、配線22a,22b,22cを含む
第2配線層22と、下地膜34、第2配線層2の配線間
を埋め込む低誘電率膜36、および、キャップ膜38か
らなる第2層間絶縁層40とを形成した状態の断面図を
示す。その後、表面保護膜およびボンディングパッドを
形成し、半導体集積回路のウエハ製造工程を完了する。
【0060】本実施例では、配線層18,22間の絶縁
にはフッ素化シリコン酸化膜からなるキャップ膜30が
使用され、配線層18,22間を接続するヴィア孔は、
このキャップ膜30に形成される。このため、従来のシ
リコン酸化膜を使用して層間絶縁層を形成した場合と同
様の方法でヴィア孔を形成することが可能である。ま
た、キャップ膜30の表面上に形成する第2配線層22
の配線の密着性も従来と同程度であり、何の問題もな
い。しかも、フッ素化シリコン酸化膜は、従来のシリコ
ン酸化膜に比較すると低い誘電率を有するため、配線層
18,22間の静電容量を効率的に低減することができ
る。従って、本実施例の配線構造は、従来の製造技術と
の整合性を保ちながら、配線間および配線層18,22
間の静電容量を効果的に削減することができる。
【0061】なお、本実施例では、低誘電率膜28を形
成するためにシロキサンSOGを使用しているが、本発
明はこれに限定されず、その他各種の低誘電率材料を使
用することができる。例えば、3.2程度以下、さらに
好ましくは3.0もしくは2.5程度以下、最も好まし
くは2.0程度以下の誘電率を有する低誘電率材料を使
用するのがよい。また、高密度プラズマCVD法で堆積
したフッ素化シリコン酸化膜を使用して低誘電率膜28
を形成することも可能である。この場合、堆積条件を調
整して、下地膜26およびキャップ膜30を形成する場
合に比較してフッ素濃度を増加させ、3.2程度以下、
さらに好ましくは3.0程度以下に誘電率を低減させ
る。フッ素化シリコン酸化膜は、誘電率を下げるにつれ
て吸湿性等の点で膜質が劣化するが、本実施例の配線構
造では低誘電率膜が配線と直接接触しないため、誘電率
を重視して形成条件を設定したフッ素化シリコン酸化膜
を使用することも可能である。
【0062】また、本実施例では、高密度プラズマCV
D法で堆積したフッ素化シリコン酸化膜をキャップ膜3
0とし、配線層18,22間の絶縁のために使用してい
るが、本発明はこれに限定されず、通常のプラズマCV
D法で堆積したシリコン酸化膜やフッ素化シリコン酸化
膜を使用することも可能である。ただし、配線間および
配線層18,22間の静電容量を低減するためにはキャ
ップ膜30の誘電率が低い方が好ましい。このために
は、高い膜質を保ったままで3.5程度以下の低い誘電
率が得られる高密度プラズマCVD法を使用して堆積し
たフッ素化シリコン酸化膜を使用するのが好ましい。
【0063】本実施例では、高密度プラズマCVD法で
堆積したフッ素化シリコン酸化膜を下地膜26として使
用しているが、本発明はこれに限定されない。配線の側
壁上で順方向の傾斜を形成し、さらに好ましくは配線上
端のコーナー部にファセットを形成し、配線間の間隔が
微細になった場合にも低誘電率膜28によって配線間を
良好に埋め込むことを可能にする目的のためには、例え
ば基板バイアスを併用した高密度プラズマCVD法で形
成した、フッ素を含んでいないシリコン酸化膜を使用す
ることも可能である。高密度プラズマCVD法以外の方
法でも、配線の側壁上で順方向の傾斜や、さらに好まし
くは配線上端のコーナー部のファセットを形成できる方
法であれば、使用することができる。また、低誘電率膜
28のCMPの際のエッチングストッパとして使用する
目的のためにも、フッ素を含んだ膜を使用することは必
須ではない。ただし、配線間の静電容量を低減するため
には下地膜26の誘電率が低い方が好ましい。このため
には、高い膜質を保ったままで3.5程度以下の低い誘
電率が得られる高密度プラズマCVD法を使用して堆積
したフッ素化シリコン酸化膜を使用するのが好ましい。
【0064】また、本発明においては、低誘電率膜28
の表面をCMPで平坦化して配線間を埋め込む低誘電率
膜30を形成した後、再び低誘電率材料の膜を形成する
ことによって層間絶縁層32を形成することも可能であ
る。配線層18,22間にも低誘電率材料の膜を形成す
ることにより、配線層18,22間および配線間の静電
容量をさらに低減することができる。この場合、配線間
を埋め込むために使用する低誘電率膜28と同一の材料
を使用することも可能であるし、異なる材料を使用する
ことも可能である。配線間の低誘電率膜28を形成する
ためには、微細な隙間を埋め込むことができ、かつ、凹
凸を有する基板上に均一に形成することができる材料を
選択することが必要である。これに対して、配線層1
8,22間の低誘電率材料膜は、平坦化された基板上に
形成するため、高い埋め込み性や凹凸基板上へ形成可能
性は不要であり、異なった材料を使用することが可能で
ある。例えば、低誘電率性やヴィア孔形成の容易性を重
視して材料を選択することができる。
【0065】(実施例3)図7(a),(b),
(c)、図8(d),(e),(f)および図9(g)
は、本発明の配線構造の各形成工程を表す第3の実施例
の断面図である。図7(a)に示すように、実施例2の
場合と同様に、トランジスタやフィールド酸化膜等の構
造を形成した半導体基板10上に、BPSG膜等を使用
して下地絶縁層12を形成し、この基板上に、第1配線
層を形成するための金属膜14を堆積する。その後、本
実施例においては、この金属膜14上にさらに、プラズ
マCVD法でシリコン酸化膜42を形成する。
【0066】次に、図7(b)に示すように、レジスト
パターンを形成し、フッ素系のガスを利用した異方性プ
ラズマエッチングでシリコン酸化膜42をパターンニン
グした後、アッシングでレジストパターンを除去する。
続いて、塩素系のガスを利用した異方性プラズマエッチ
ング技術によって、パターンニングしたシリコン酸化膜
42をマスクとして金属膜14をパターンニングし、配
線18a,18b,18cを含む第1配線層18を形成
する。同様に、ここでは、第1配線層18の配線の高さ
をh1、配線間の間隔をs1とする。
【0067】続いて、図7(c)に示すように、必要に
応じて、第1配線層18の配線の側壁に堆積した堆積物
を例えばアッシングによって除去した後、再びフッ素系
のガスを使用した異方性プラズマエッチングを行い、配
線間の下地絶縁層12の表面の膜厚d1の部分をエッチ
ングする。この工程の後の配線上のシリコン酸化膜42
の膜厚をd2とする。下地絶縁層12の表面の部分のエ
ッチングの際に、配線上のシリコン酸化膜42も部分的
にエッチングされるため、必要な膜厚が残るように、堆
積するシリコン酸化膜42の膜厚を設定する。
【0068】次に、図8(d)に示すように、例えば高
密度プラズマCVD法を利用してフッ素化シリコン酸化
膜を堆積し、下地膜26を形成する。同様に、ここで
は、第1配線層18の密集した配線間の下地絶縁層12
上に形成された下地膜26の膜厚をt1、配線上のシリ
コン酸化膜42上に形成された下地膜26の膜厚をt2
とする。
【0069】次に、図8(e)に示すように、基板表面
全面に、例えばシロキサンSOGからなる低誘電率材料
膜を形成し、第1配線層18の配線上の低誘電率材料膜
が除去されるまでCMPを行い、配線間を埋め込む低誘
電率膜28を形成する。十分な平坦性を得るため、実施
例2の場合に比較してCMP前の低誘電率材料膜28の
膜厚をd2だけ厚くするのが好ましい。
【0070】続いて、図8(f)に示すように、再び高
密度プラズマCVD法でフッ素化シリコン酸化膜を堆積
し、キャップ膜30を形成する。以上の工程により、下
地膜26、第1配線層18の配線間を埋め込む低誘電率
膜28、および、キャップ膜30からなる層間絶縁層4
4を形成する。
【0071】本実施例の配線構造では、第1配線層18
の配線間に埋め込まれた低誘電率膜28の下面の高さ
が、配線の下面の高さよりも(d1−t1)だけ低いこ
とに加えて、低誘電率膜28の上面の高さが、配線の上
面の高さよりも(t2+d2)だけ高い。従って、実施
例2の場合よりもさらに配線間の静電容量を低減するこ
とができる。なお、配線間の静電容量を効果的に減少さ
せるためには、(t2+d2)の値を配線間隔s1に対
して20%程度以上に、さらに好ましくは50%程度以
上にするのがよい。
【0072】この後、必要に応じて、同様の工程を繰り
返し、第2層以降の配線層および層間絶縁層を形成す
る。図9(g)には、配線22a,22b,22cを含
む第2配線層22と、下地膜34、第2配線層22の配
線間を埋め込む低誘電率膜36、および、キャップ膜3
8からなる第2層の層間絶縁層48とを形成した状態の
断面形状を示す。第2配線層22上にもシリコン酸化膜
46を形成し、第2配線層22の配線間に埋め込まれた
低誘電率膜46の上面の高さを配線の上面の高さよりも
高くしている。このため、第2配線層22の配線間の静
電容量が実施例2の場合と比較してさらに削減されてい
る。
【0073】その後、表面保護膜およびボンディングパ
ッドを形成し、半導体集積回路のウエハ製造工程を完了
する。なお、図示していないが、層間絶縁層44には、
第1配線層18の配線と第2配線層22の配線とを接続
するヴィア孔が形成され、例えばWからなるプラグが埋
め込まれている。
【0074】なお、上述する本実施例では、配線間を埋
め込む低誘電率膜の表面の高さを配線上面の高さよりも
高くするため、配線上にシリコン酸化膜を形成したが、
本発明はこれに限定されず、例えばシリコン酸化膜より
も誘電率の低いフッ素化シリコン酸化膜を使用すること
により、さらに配線間および配線層18,22間の静電
容量を低減することができる。また、さらに誘電率の低
い低誘電率材料の膜を使用することも可能である。ま
た、本実施例では、配線上のシリコン酸化膜をパターン
ニングした後にレジストパターンを除去したが、配線形
成後、もしくは下地絶縁層の表面領域のエッチングを行
った後で除去することも可能である。
【0075】(実施例4)図10(a),(b),
(c)および図11(d)は、本発明の配線構造の各形
成工程を表す第4の実施例の断面図である。図10
(a)に示すように、実施例2の場合と同様の工程で、
半導体基板10上に、下地絶縁層12、および、配線1
8a,18b,18cを含む第1配線層18を形成した
後、第1配線層18の配線間の下地絶縁層12の表面の
膜厚d1の領域をエッチングする。続いて、例えば高密
度プラズマCVD法を利用してフッ素化シリコン酸化膜
を堆積し、下地膜26を形成する。
【0076】次に、図10(b)に示すように、基板表
面全面に、例えばフッ素化ポリイミドの前駆物質を含む
溶液を塗布し、キュアを行うことによってフッ素化ポリ
イミドからなる低誘電率膜28を形成する。
【0077】続いて、図10(c)に示すように、CM
P法によって低誘電率膜28表面の平坦化を行う。本実
施例の場合、実施例2の場合とは異なり、第1配線層1
8の配線上の低誘電率膜28が除去されるまでCMPを
続けるのではなく、表面が平坦化された段階でCMPを
終了する。この段階での配線上の低誘電率膜28の膜厚
をt3とする。最後に、例えば高密度プラズマCVD法
でフッ素化シリコン酸化膜を堆積し、キャップ膜30を
形成する。以上の工程により、下地膜26、第1配線層
18の配線間を埋め込むとともに、配線上に所定の膜厚
を有する低誘電率膜28、および、キャップ膜30から
なる第1層の層間絶縁層50が形成される。実施例2の
場合とは異なり、層間絶縁層50を構成する低誘電率膜
28は、配線間を埋め込むだけではなく、配線上にも形
成される。このため、実施例2の場合よりもさらに配線
間および配線層間の静電容量が減少する。
【0078】なお、CMP後の低誘電率膜28の配線上
の膜厚t3が不足する場合には、例えばフッ素化シリコ
ン酸化膜30の膜厚を増やすことも可能である。また、
低誘電率膜28表面上に別の低誘電率材料の膜を形成す
ることも可能である。
【0079】本実施例では、第2の実施例の場合とは異
なり、低誘電率膜28のCMPの際に、第1配線層18
の配線上の下地膜26をエッチングストッパとして使用
しないため、制御性および均一性の高い条件でCMPを
行うことが必要である。低誘電率膜28の形成方法の選
択によってCMPの制御性を向上させることも可能であ
る。例えば、基板バイアスを印加した高密度プラズマC
VD法で堆積したフッ素化アモルファスカーボンで低誘
電率膜28を形成することにより、幅広の配線上に凸部
が形成されることを除いて、堆積後の表面をほぼ平坦な
状態にすることができる。この場合、例えば米国特許第
5036015号に開示されたように、幅広の配線上の
凸部が除去され、低誘電率膜28全面がほぼ平坦になっ
た時点を、CMP装置のモータ電流の変化によって検出
することが可能である。また、J.M. Neirynck et al.,
Materials Research Society Symposium Proceedings,
Vol. 381 (1995) p. 229に開示されたように、低誘電率
材料のCMP特性はキュア状態によっても変化する。低
誘電率材料の種類によっては、溶剤を除去するための熱
処理(150℃程度以下の温度での加熱)を行った後、
もしくは、さらに部分的なキュアを行うための熱処理
(200〜300℃程度での加熱)を行った後にCMP
を行い、さらにその後、完全にキュアを行うために、さ
らに高い温度での熱処理(350〜450℃程度での加
熱)を行うことが好ましい場合もある。
【0080】続いて、層間絶縁層50にヴィア孔を形成
し、プラグを形成する(図示せず)。この時、キャップ
膜30を、低誘電率膜28にヴィア孔を形成するための
マスクとして使用することができる。すなわち、ヴィア
孔に対応するレジストパターンをキャップ膜30上に形
成し、フッ素系のガスを使用した異方性プラズマエッチ
ングにより、ヴィア孔に対応する開口部をキャップ膜3
0に形成した後、酸素イオンを使用した異方性エッチン
グにより、低誘電率膜28にヴィア孔を形成する。この
方法により、アッシングに対する耐性に乏しい材料で低
誘電率膜28を形成した場合にもヴィア孔を形成するこ
とが可能である。従来技術の説明において述べた3)の
低誘電率材料に分類される有機材料の多くはアッシング
耐性が乏しい。また、有機質の多孔質材料や水素化シル
セスキオキサンSOG等もアッシング耐性が乏しい。
【0081】酸素イオンを使用した異方性エッチングに
は、例えば酸素ガスもしくは酸素ガスにN2 O,H
2 O,CO等を添加したガス雰囲気を使用し、平行平板
型RIE装置や、ICPプラズマエッチング装置、EC
Rプラズマエッチング装置、ヘリコンプラズマエッチン
グ装置等が好適に使用可能である。平行平板型RIE装
置以外では、基板バイアスを併用して、イオンを、基板
に垂直な方向に、適切なエネルギーに加速する。異方性
を高めるため、エッチング中の基板温度を低く(100
℃程度以下、好ましくは50℃程度以下、さらに好まし
くは20℃程度以下、もっとも好ましくは0℃程度以
下)保ち、酸素ラジカルによる等方性エッチングの速度
を低くする。また、酸素イオンの方向性を高めるため、
エッチング雰囲気の圧力を低く(100mtorr程度
以下、好ましくは20mtorr程度以下、さらに好ま
しくは10mtorr程度以下、もっとも好ましくは5
mtorr程度以下)保つ。このような低温、低圧の条
件下で実用的なエッチング速度を得るためには、高いイ
オン密度が得られる、ICP,ECR,ヘリコン等の高
密度プラズマエッチング装置を使用することが好まし
い。また、低誘電率膜28の材料によっては、CF4
2 6 等のフッ素化合物ガスをエッチング雰囲気に添
加することも、エッチング速度を高めるために有効であ
る。
【0082】このような酸素イオンを使用した異方性エ
ッチングではレジストもエッチングされるため、レジス
トパターン除去のためのアッシング工程を行わなくて
も、低誘電率膜28へのヴィア孔形成と同時にレジスト
パターンを除去することが可能である。一方、フッ素化
シリコン酸化膜からなるキャップ膜30は、酸素イオン
を使用した異方性エッチングではほとんどエッチングさ
れない。従って、ヴィア孔形成が終了する以前にレジス
トパターンが除去されたとしても、キャップ膜30がマ
スクとして作用するため、ヴィア孔の形成には問題な
い。逆に、ヴィア孔形成終了の時点でレジストパターン
の除去が終了していないと、レジストパターンが除去さ
れるまでオーバーエッチング時間を長くすることが必要
である。従って、ヴィア孔形成が終了する以前にレジス
トパターン除去が終了するように、エッチング条件、お
よびレジストの膜厚と配線18a,18b,18c上の
低誘電率膜28の膜厚との関係を適切に設定することが
好ましい。
【0083】なお、マスクとして使用する目的のために
は、キャップ膜の材料はフッ素化シリコン酸化膜には限
られず、各種の無機質の材料を使用することができる。
例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸
窒化膜等を使用することができる。また、高密度プラズ
マCVD法で堆積した膜に限られず、例えばプラズマC
VD法で堆積した膜、SOG膜等を使用することが可能
である。ただしもちろん、配線間および配線層間の静電
容量を削減するためには、誘電率の低い、フッ素化シリ
コン酸化膜を使用することが好ましい。
【0084】また、ヴィア孔に対応する開口部をキャッ
プ膜30に形成した後、アッシングによってレジストを
除去してから、酸素イオンを使用した異方性エッチング
によって低誘電率膜28にヴィア孔を形成することも可
能である。ただしアッシング条件によっては、キャップ
膜30の開口部から等方的に低誘電率膜28がエッチン
グされるので、アッシング条件の調整が必要である。ま
た、レジストは溶解するが低誘電率膜28は溶解しない
ような溶剤を使用して、レジストを除去することも可能
である。
【0085】一方、メチルシロキサンSOGや無機質の
多孔質材料等は比較的高いアッシング耐性を有する。こ
れらの材料を低誘電率膜28に使用した場合には、レジ
ストをマスクとしてフッ素系のガスを使用した異方性プ
ラズマエッチングでヴィア孔を形成することが可能であ
る。ただし、このような材料を使用した場合にも、ヴィ
ア孔のエッチングを行った後、レジストを除去するため
のアッシングを行った際に、ヴィア孔側壁に露出した低
誘電率材料表面の劣化が生じ、吸湿性が増大するおそれ
がある。このため、Ito et al., Journal of the Elect
rochemical Society, Vol. 137 (1990) p. 1212 に開示
されたように、低温(100℃程度以下、好ましくは5
0℃程度以下、さらに好ましくは20℃程度以下)、低
圧(100mtorr程度以下、好ましくは20mto
rr程度以下、さらに好ましくは10mtorr程度以
下)での、方向性を持つ酸素イオンを含むプラズマを使
用した安定化処理を行うことが好ましい。その後に通常
のアッシングを行うことも、酸素イオン処理の時間を長
くしてレジスト除去を行うことも可能である。また、溶
剤によるレジスト除去を行い、プラズマによるアッシン
グを省略するか、もしくはその時間を短縮することも可
能である。
【0086】さらに、必要に応じて、同様の工程を繰り
返し、第2層以降の配線層および層間絶縁層を形成す
る。図11(d)には、配線22a,22b,22cを
含む第2配線層22と、下地膜34、第2配線層22の
配線間および配線上に形成された低誘電率膜36、なら
びに、キャップ膜38からなる第2層の層間絶縁層52
を形成した状態の断面図を示す。
【0087】キャップ膜30は、層間絶縁層50に対す
る第2配線層22の密着性改善膜としても機能する。さ
らに、低誘電率膜28から放出される水分が第2配線層
22に拡散することを防止する機能も有する。高密度プ
ラズマCVDで堆積したフッ素化シリコン酸化膜は高い
水分散防止効果を有し、必要な拡散防止効果を得るため
に必要な膜厚が小さいため、キャップ膜30の膜厚を削
減し、第2配線層22の配線間の静電容量、および、第
1配線層18の配線と第2配線層22の配線との間の静
電容量を低減することができる。具体的には、高密度プ
ラズマCVDで堆積したフッ素化シリコン酸化膜の膜厚
は25nm程度以下、条件によっては10nm程度まで
薄くすることができる。もちろん、密着性および水分放
出の問題が無く、レジストをマスクとしてヴィア孔を形
成することが可能な材料を使用して低誘電率膜28を形
成した場合には、キャップ膜30を省略することも可能
である。また、密着性向上および水分拡散防止のために
は、フッ素を含まないシリコン酸化膜や窒化シリコン
膜、窒化シリコン酸化膜等をキャップ膜30として使用
することも可能である。シリコン酸化膜を使用する場合
には、高密度プラズマCVD法を使用して堆積した、高
い水分拡散防止効果を有する膜を使用し、膜厚を薄くす
ることが、静電容量を低減するために好ましい。
【0088】その後、表面保護膜を形成し、ボンディン
グパッドを形成し、半導体集積回路のウエハ製造工程を
完了する。
【0089】(実施例5)図12(a),(b),
(c)および図13(d)は、本発明の配線構造の各形
成工程を表す第5の実施例の断面図である。図12
(a)に示すように、実施例4の場合と同様の工程で、
配線18a,18b,18cを含む第1配線層18を形
成し、下地膜26、第1配線層18の配線間および配線
上に形成された低誘電率膜28、ならびに、キャップ膜
30からなる層間絶縁層50を形成する。ここでは、キ
ャップ膜30の膜厚をt6とする。
【0090】次に、図12(b)に示すように、層間絶
縁層50にヴィア孔を形成し、プラグを形成する(図示
せず)。続いて、キャップ膜30上に第2配線層の配線
を形成するための金属膜を形成する。この金属膜上にレ
ジストパターン54を形成し、塩素系のガスを使用した
異方性プラズマエッチングによって配線22a,22
b,22cを含む第2配線層22を形成する。ここで
は、第2配線層22の配線間の間隔をs11とする。な
お、このエッチングは、第2配線層22の配線間のキャ
ップ膜30が除去されない状態で終了する。
【0091】次に、図12(c)に示すように、レジス
トパターン54を除去した後、フッ素系のガスを使用し
た異方性プラズマエッチングによって、第2配線層22
の配線間のキャップ膜30を除去した後、酸素イオンを
使用した異方性プラズマエッチングによって、第2配線
層22の配線間の低誘電率膜28表面の厚さd11の部
分を除去する。
【0092】さらに、図13(d)に示すように、第1
層の層間絶縁層50形成工程と同様の工程を繰り返し
て、下地膜34、第2配線層22の配線間および配線上
に形成された低誘電率膜36、ならびに、キャップ膜3
8からなる第2層の層間絶縁層56を形成する。ここで
は、第2配線層22の配線間の下地膜34の膜厚をt1
1、配線上の下地膜34の膜厚をt12とする。
【0093】本実施例の配線構造では、実施例4の場合
とは異なり、第2配線層22の配線間において、第1層
の層間絶縁層50のキャップ膜30が除去され、さらに
第1層の層間絶縁層50の低誘電率膜28表面の膜厚d
11の領域が除去されている。このため、第2配線層2
2の配線間において、第2層の層間絶縁層56の低誘電
率膜36の下面の高さは、第2配線層22の配線の下面
の高さよりも低くなっている。従って、第2配線層22
の配線間の電界の広がりが、低誘電率膜36内に制限さ
れるため、第2配線層22の配線間の静電容量が、実施
例4の場合に比較してさらに減少する。なお、第2配線
層22の配線間の静電容量を効果的に減少させるために
は、(d11+t6−t11)の値を、配線間隔s11
に対して20%程度以上に、さらに好ましくは50%程
度以上にするのがよい。
【0094】この後さらに、必要に応じて第3層以降の
配線層を形成し、表面保護膜層を形成し、ボンディング
パッドを形成して、ウエハプロセスを終了する。
【0095】本実施例では、塩素系のガスを使用した異
方性プラズマエッチングによって第2配線層22の配線
を形成し、レジストを除去した後、フッ素系のガスを使
用した異方性プラズマエッチングによって第2配線層2
2の配線間のキャップ膜30を除去し、さらに、酸素イ
オンを使用した異方性プラズマエッチングによって低誘
電率膜28の表面部分を除去した。しかし、本発明はこ
れに限定されず、例えば低誘電率膜28の種類によって
は、フッ素系のガスを使用した異方性プラズマエッチン
グによってエッチングすることも可能である。
【0096】また、本実施例では第2配線層22の配線
間のキャップ膜30を除去し、さらに、配線間の低誘電
率膜28の表面領域を除去したが、第2配線層22の配
線間のキャップ膜30を除去するだけでも、実施例4の
場合に比較すれば、第2配線層22の配線間の静電容量
をさらに減少させることができる。
【0097】(実施例6)以上の実施例1〜5では第1
配線層18の配線および第2配線層22の配線をいずれ
もエッチング法によって形成したが、本発明はこれに限
定されず、例えば第2配線層22の配線をダマシン法で
形成することも可能である。図14(a),(b),
(c)、図15(d),(e),(f)および図16
(g)は、本発明の配線構造の各形成工程を表す第6の
実施例の断面図である。まず、図14(a)に示すよう
に、実施例2と同様の工程で、配線18a,18b,1
8cを含む第1配線層18と、下地膜26、第1配線層
18の配線間を埋め込む低誘電率膜28、および、キャ
ップ膜30からなる層間絶縁層32を形成する。
【0098】次に、図14(b)に示すように、層間絶
縁層32上に、第1配線層18の配線と第2配線層の配
線とを接続するヴィア孔に対応するレジストパターン5
8を形成する。このレジストパターン58をマスクとし
て、フッ素系のガスを使用した異方性プラズマエッチン
グを行い、層間絶縁層32にヴィア孔60を形成する。
ヴィア孔60は、その側壁に第1層の層間絶縁層32の
低誘電率膜28が露出しない寸法に設定する。特に、低
誘電率膜28としてアッシングに対する耐性に乏しい低
誘電率材料からなる膜を使用する場合には、例えばフォ
トリソグラフィー工程におけるマスク合わせずれが発生
した場合にも、低誘電率材料がヴィア孔60側壁に露出
しないように、第1配線層18の配線の寸法とヴィア孔
60の寸法との関係を設定するのが好ましい。
【0099】図14(c)に示すように、レジストパタ
ーン58を除去した後、第1層の層間絶縁層50上に、
例えばフッ素化ポリイミドの前駆物質を含む溶液を塗布
し、キュアすることによって、フッ素化ポリイミドから
なる低誘電率膜62を形成する。この時、ヴィア孔60
もフッ素化ポリイミドによって埋められる。第1層の層
間絶縁層50の表面が平坦化されているため、低誘電率
膜62の膜厚がヴィア孔60の寸法(直径)に比較して
厚い場合には、低誘電率膜62の表面もほぼ平坦にな
る。塗布およびキュアを行った後でCMPを行い、さら
に平坦度を高めることも可能である。ここで、低誘電率
膜62を、アッシング耐性に乏しい低誘電率材料を使用
して形成したものとする。そしてさらに、例えばフッ素
化シリコン酸化膜を低誘電率膜62上に堆積してキャッ
プ膜64を形成する。この、低誘電率膜62およびキャ
ップ膜64が、第2配線層の配線間の絶縁層66を構成
する。
【0100】続いて、図15(d)に示すように、キャ
ップ膜64の上に第2配線層の配線を形成する溝に対応
するレジストパターン68を形成し、フッ素系ガスを使
用した異方性プラズマエッチングによってキャップ膜6
4に開口部を形成する。
【0101】次に、図15(e)に示すように、酸素イ
オンを使用した異方性エッチングによって、低誘電率膜
62に溝70を形する。この時、ヴィア孔60内の低誘
電率膜62が除去されるように、オーバーエッチング量
を設定する。実施例4における低誘電率膜28へのヴィ
ア孔形成の場合と同様に、レジストパターン68は、あ
らかじめ除去しておくことも可能であるし、低誘電率膜
62のエッチングとレジストパターン68の除去とを同
時に行うことも可能である。
【0102】次に、図15(f)に示すように、基板表
面全体に、第1配線層18の配線と第2配線層の配線と
を接続するプラグ、および、第2配線層の配線を形成す
るための金属膜72を形成する。例えば、膜厚10〜1
00nm程度のTi膜、膜厚20〜200nm程度のT
iN膜、膜厚0.5〜2μm程度のCu膜を、この順に
形成する。Ti膜およびTiN膜の堆積には、例えばイ
オン化スパッタ法(G.Dixit et al., International El
ectron Devices Meeting Digest of Technical Papers
(1996) p. 357)を、Cu膜の堆積にはCVD法を使用
する。この時、ヴィア孔60および溝70が埋め込まれ
るように、被覆性の高い堆積条件を選定する。
【0103】その後、図16(g)に示すように、キャ
ップ膜64上に形成された金属膜72を、例えばCMP
法で除去する。これにより、ヴィア孔60内に埋め込ま
れて第1配線層18の配線と第2配線層の配線とを接続
するプラグ74、および、溝70内に埋め込まれた第2
配線層22の配線が形成される。また、必要に応じて、
例えばK. Ueno et al., Symposium on VLSI Technology
Digest of TechnicalPapers (1995) p. 27に開示され
たように、第2配線層22の配線の表面に酸化防止層を
形成する。
【0104】本実施例では、第2配線層22の配線とし
てCu膜を主体とするCu系の配線が形成される。本実
施例では純Cu膜を使用したが、Cu−Ti,Cu−Z
r合金等、各種のCu含有膜を使用することも可能であ
る。一方、Ti膜は、第2配線層22の密着性を向上さ
せるとともに、第1配線層18の配線と第2配線層22
の配線との間のコンタクト抵抗を低減する機能を有す
る。TiN膜は、Cuの拡散を防止する機能を有する。
なお、Ti膜の代わりにZr,Hf,Ta,W等の高融
点金属の膜を使用することもできる。また、密着性やコ
ンタクト抵抗の問題がなければ、この膜を省略すること
も可能である。TiN膜の代わりにZrN,HfN,T
aN,WN等の高融点金属窒化物や、TiSiN,Ta
SiN,WSiN等の高融点金属の珪化窒化物の膜を使
用することも可能である(これらの窒化物、珪化窒化物
は、化学両論比をとる物質には限定されない)。高融点
金属の内、少なくともTa,W等は単層の膜で(密着性
向上および拡散防止のために)使用することも可能であ
る。
【0105】この後さらに、必要に応じて第3層以降の
配線層を形成し、表面保護膜およびボンディングパッド
を形成し、半導体集積回路のウエハ製造工程を終了す
る。
【0106】本実施例では、溝70形成の際に、フッ素
系のガスを使用した異方性プラズマエッチングでキャッ
プ膜64に開口を形成し、その後、酸素イオンを利用し
た異方性プラズマエッチングによって低誘電率膜62の
エッチングを行っている。酸素イオンを使用した異方性
エッチングでは、フッ素化シリコン酸化膜のエッチング
速度は極めて小さいため、オーバーエッチングの際に
も、溝70の底に露出するフッ素化シリコン酸化膜から
なるキャップ膜30はほとんどエッチングされない。従
って、溝70の深さは低誘電率膜62の膜厚によって自
動的に決定される。また、図15(e)に示したよう
に、溝70形成のためのマスクを、ヴィア孔60と重な
る部分において、合わせずれを考慮してヴィア孔形成の
ためのマスクよりも広くした場合にも、溝70形成の際
にヴィア孔60が広がることは無い。さらに、図17に
模式的に示すように、ヴィア孔60に対して溝70形成
のためのマスクがずれたとしても、ヴィア孔60の寸法
が狭まることはあっても広がることは無い。この意味
で、本実施例の方法はマスク合わせずれに対する余裕度
が大きいという利点がある。
【0107】なお、本実施例では、ヴィア孔60および
溝70を形成した後、金属膜72を形成し、CMPを行
うことによってプラグ74および第2配線層22の配線
を同時に形成しているが、本発明はこれに限定されず、
ヴィア孔60を形成した段階で金属膜の形成およびCM
Pを行ってプラグ74を形成し、その後、溝70を形成
し、第2配線層22の配線を形成することも可能であ
る。また、本実施例では、キャップ膜64を、第2配線
層22の配線間の絶縁層66の一部として残している
が、本発明はこれに限定されず、例えば第2配線層22
の配線を形成するためのCMPの条件を適切に設定する
ことにより、キャップ膜64を除去することも可能であ
る。
【0108】また、本実施例では、第1配線層18の配
線として、エッチング法で形成したAl系配線を使用
し、第2配線層22の配線として、ダマシン法で形成し
たCu系配線を使用しているが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0109】従来の半導体集積回路では、エッチング法
によって形成したAl系配線が一般的に使用されてい
た。Al系配線をダマシン法で形成することも可能であ
るが、CMP装置等の新たな設備の導入を必要とするた
め、Al系配線は、一般的に、従来技術を踏襲してエッ
チング法で形成するのが好ましい。一方、Cu系配線
は、エッチング法で形成することは困難であり、ダマシ
ン法で形成するのが好ましい。なお、W系配線も、ダマ
シン法を用いて形成するのが好ましい。
【0110】また、本発明の配線構造では、Al系配線
およびCu系配線の一方もしくは両方を複数層設けるこ
とも可能である。さらに、他の配線、例えばW系配線を
設けることも可能である。W系配線は、抵抗は高いが微
細に形成することが可能であり、例えばDRAMセルア
レイ内のビット線配線や、SRAMセル内の局所配線
(例えば、T. Ueda et al., Symposium on VLSI Techno
logy Digest of Technical Papers (1996) p. 142, K.
Furumochi et al., International Solid-StateCircuit
s Conference Digest of Technical Papers (1996) p.
156)等に使用される。Al系配線は、従来のLSIに
おいて広く使用されており、低コストで形成することが
でき、W系配線に比較して低い抵抗を有するため、信号
配線や電源配線等に一般的に使用することができる。ま
た、Cu系配線は、Al系配線に比較して抵抗が低いた
め、例えば長距離(1mm以上)の信号配線に利用すれ
ば、LSIの動作速度を向上させることが可能である
し、クロック信号分配のための配線に使用すれば、クロ
ック信号の遅れによる半導体チップ内での動作タイミン
グのずれを低減して動作速度を向上させることが可能で
あるし、電源配線に使用すれば、電圧低下を低減して動
作安定性を向上させることも可能である。
【0111】上記のように、Cu系配線を使用すること
により半導体集積回路の性能を向上させることが可能で
ある。しかし、Cu系配線は、現状では量産での実績に
乏しく、トランジスタ特性に対する影響、生産性、コス
ト、歩留まり等の点でまだ検討すべき課題が残されてい
る。これらの課題は技術的には解決可能であるとして
も、量産のためには、Cu膜成膜工程やダマシン工程を
実施するための装置を新たに導入することが必要であ
る。特に、Cuはトランジスタ特性を劣化させる可能性
があり、相互汚染を防止するために、クリーンルーム内
の装置レイアウトに制限が加わる。このため、既存の生
産工場の改装によって、Cu系配線を有するLSIを大
量に生産することは困難である。また、新規に工場を建
設する場合にも、実績に乏しい工程を必要とするため、
装置およびプロセス開発のコストが大きい。さらに、材
料のコストもAl系配線に比較して高い。
【0112】このため、少なくとも現状では、Cu系配
線はAl系配線に比較してコストの点で不利である。従
って、Cu系配線を利用した高性能の半導体集積回路に
対する需要はあるとしても、それ以上に、Cu系配線を
使用しない(Al系配線のみ、もしくはAl系配線とW
系配線等とを使用した)低コストの半導体集積回路に対
する需要が大きい。半導体集積回路の生産者はこのよう
な現実の需要に応えることが要求される。特に、ゲート
アレイやスタンダードセル、エンベッディドセルアレイ
等のASIC事業においては、様々な顧客のニーズに合
わせた製品をフレキシブル、かつ低コストで生産するこ
とが求められる。このような要求に応えるためには、C
u系配線を使用しない製品とCu系配線を使用する製品
とを、互いに他を生かし合うような形態で生産すること
が必要である。
【0113】ゲートアレイ型ASICでは、理論的に
は、決まった個数および形状のトランジスタを配置した
基本セルを用意すれば、その基本セル内のトランジスタ
を使って様々な顧客のニーズに応える製品を製造するこ
とができる。しかし、現実には、個々の顧客からの注文
を受けてから、必要な回路ブロックのすべてを開発して
いたのでは、開発期間が長くなるし、開発コストも高く
なる。また、十分な開発期間が確保できなければ、高い
性能の製品を開発することは困難である。このような問
題を解決するために、基本セルのみではなく、加算器、
乗算器、SRAM,CPU,DSP等の、頻繁に使用さ
れる機能を実現するための回路ブロックをあらかじめ開
発し、マクロセルとして用意しておくことが必要であ
る。顧客からの注文を受けた時に、適切なマクロセルを
選択し、基本セルを使用して新たに設計した回路ブロッ
クと組み合わせて、必要な機能を有する半導体集積回路
を生産することにより、納期短縮および開発費削減を実
現することができる。すなわち、性能が高く、汎用性に
優れた多数のマクロセルからなるマクロセルライブラリ
を整えておくことが、顧客からの様々な要求を満足する
製品を短納期、低開発費で供給し、高い競争力を得るた
めに必須である。
【0114】ゲートアレイにおいては、マクロセルも、
基本セル内のトランジスタを使用して形成される。一
方、スタンダードセルやエンベッディドセルアレイにお
いては、それぞれのマクロセルの要求にあわせて寸法、
形状を決めたトランジスタを使用して形成される。スタ
ンダードセルやエンベッディドセルアレイにおいては、
マクロセル(機能セル)を基本にして個々の顧客の要求
する機能を実現するため、ゲートアレイの場合よりもさ
らに、マクロセルの重要度は高い。
【0115】多数のマクロセルを、Cu系配線を使用し
ない製品用と、Cu系配線を使用する製品用とで別個に
開発するためには、長い開発期間と多大な費用とを必要
とする。従って、可能な限り、Cu系配線を使用する製
品と使用しない製品とで共通のマクロセルを使用するの
が好ましい。現実には、ASICメーカは、既にAl系
配線を前提にして設計し、動作確認を行った多数のマク
ロセルからなるライブラリを有している。さらに近年で
は、マクロセルをIP(Intellectual Property )とし
てメーカ間で共用しようとする動きも広がっている。多
くのユーザが必要とする性能の高いマクロセルを共用す
ることにより、メーカ間での交換性を高め、ユーザの便
宜を図るとともに、個々のメーカのマクロセル開発負担
を低減することが目的である。従って、Al系配線を前
提にして設計し動作確認したマクロセルを、Cu系配線
を使用する製品において、IPの交換性を保ったまま、
低コストで、かつ、Cu系配線の低抵抗性や高エレクト
ロマイグレーション耐性を生かしながら使用する方法を
見いだすことが望まれる。
【0116】そこで以下、Cu系配線を使用する製品に
おいて、どのような部分にCu系配線を使用するのが最
も効率的であるのかを考察する。
【0117】Cu系配線が使用可能な製品においても、
以下の理由により、このようなマクロセル内の接続にC
u配線を使用する効果は小さい。まず、規模が小さいマ
クロセルでは、Al系配線をCu系配線に置き換えるこ
とによって配線抵抗が低減されても、特性はほとんど改
善されない。主としてトランジスタの性能および配線容
量によって性能が決まっているからである。一方、規模
の大きなマクロセルでは、配線抵抗が特性に対して影響
を持つ場合もある。このようなマクロセルでは、Al系
配線をCu系配線に置き換えることによって特性が向上
する可能性はあるが、Al系配線を前提にして設計され
たマクロセルである限り、単に配線をCu系配線に置き
換えても、大きな特性改善が実現できる可能性は低いと
いえる。
【0118】また、Al系配線を前提として設計された
マクロセルをCu系配線で使用するためには、実際に製
品に使用する前に、テストデバイスを製造し、特性を評
価し、必要な特性が得られていることを確認する必要が
ある。たとえ、Al系配線とCu系配線との配線抵抗の
差からは顕著な特性の変化が予想されないとしても、プ
ロセスの変化が予想外の特性の変化を招く可能性は否定
できない。その理由は、エッチング法を使用するAl系
配線をダマシン法を使用するCu系配線に置き換えるこ
とによって、単なる材料の変更にはとどまらない大きな
プロセス上の変化が発生するからである。
【0119】さらに、Cuは、Si内にディープレベル
を形成することが知られている。このため、Cu系配線
を使用した場合、配線内のCuがトランジスタに拡散
し、トランジスタの特性を劣化させることが懸念され
る。もちろん、このような現象を防止するために、Cu
系配線形成においては、例えばTiN膜等からなる拡散
防止層が使用される。しかし、特にトランジスタに近い
下層側の配線層をCu系配線層にする場合には注意が必
要である。たとえ、現実にはCu拡散によるトランジス
タ特性劣化の問題はないとしても、Cu系配線を実際に
使用する以前に、トランジスタ特性および信頼性に対す
るCu系配線の影響を評価し、確認を行うことが必須で
あり、このような評価には通常数ヶ月以上の期間を必要
とする。従って、このような評価、確認作業を実施する
コストに見合うだけの特性改善が得られないとすれば、
マクロセル内のAl系配線をCu系配線に置き換える価
値は小さいといえる。
【0120】もちろん、Cu系配線の低抵抗性、高エレ
クトロマイグレーション耐性を前提として配線寸法を縮
小すれば、マクロセルの面積を削減し、特性を向上させ
ることが可能である。しかし、このためには、マスク設
計を新たに行い、試験用素子を製造して動作確認を行う
必要があるが、この作業には通常数カ月以上の期間を必
要とする。例えば、重要性の高い限られた種類のマクロ
セルのみをCu系配線を前提に再設計し、動作確認を行
い、Cu系配線を使用する製品のための第2のマクロセ
ルライブラリとして準備しておくことは可能である。し
かし、ライブラリ内の大量のマクロセルの全てを、Cu
系配線用に設計し直し、動作確認を行うためには大きな
コストを要し、現実的ではない。
【0121】これに対し、例えば以下の配線について
は、Al系配線をCu系配線に置き換えることによって
大きな効果が得られる。
【0122】1)長距離の信号配線 マクロセルやその他の回路ブロック内の配線は、長い場
合でも100μmからせいぜい数mm程度の距離しか持
たない。これに対して、回路ブロック間や、I/Oセル
(半導体集積回路の外部との信号のやりとりを行う)と
回路ブロックとの間を接続する配線は、短いものでも1
mm程度以上の距離を持ち、さらに、半導体集積回路の
チップ寸法と同程度(例えば1cm以上)の距離を持つ
配線も存在する。配線の抵抗および静電容量は配線の長
さに比例するため、このような長距離の配線は大きな抵
抗および静電容量を持つ。このため、大きな信号遅延の
原因になり、しばしば半導体集積回路全体の動作速度を
制限する。
【0123】これに対し、例えばこのような長距離の配
線に抵抗の低いCu系配線を使用して配線抵抗を低減す
るか、もしくは、Cu系配線の低抵抗性を前提として配
線寸法を縮小し、静電容量を低減することにより、信号
遅延を低減し、半導体集積回路の動作速度を向上させる
ことができる。このような長距離の信号配線に対して、
実施例1〜6において説明した、配線間容量を削減する
本発明の配線構造を併用することが、さらに動作速度を
向上させるために有効であることは言うまでもない。
【0124】2)クロック配線 半導体集積回路中の多くの回路ブロックは、共通のクロ
ック信号に同期して動作する。しかし、このクロック信
号を半導体集積回路内に分配するクロック配線は、半導
体チップの寸法と同程度以上の距離(1cm程度以上)
を有し、大きな抵抗および静電容量を有する。従って、
クロック配線によるクロック信号の遅延によって、半導
体集積回路内の異なる回路ブロックに伝達されるクロッ
ク信号のタイミングがずれ(「スキューが発生する」と
言われる)、同期動作に異常が発生する。動作異常を防
止するためにタイミングの余裕を大きくすると、動作速
度が低下する。
【0125】このようなクロック配線にCu系配線を使
用して抵抗を低減するか、もしくは配線寸法の縮小によ
って静電容量を低減することにより、半導体チップ内の
様々な位置に配置された回路ブロック間のクロック信号
のスキューを低減することができる。これにより、半導
体集積回路の動作速度向上が実現できる。このような配
線に対して、実施例1〜6において説明した、配線間容
量を削減する本発明の配線構造を併用することが、さら
に動作速度を向上させるために有効であることは言うま
でもない。
【0126】3)電源バス配線 半導体集積回路を動作させるために、半導体集積回路内
の全ての素子に電源を供給する必要があることは言うま
でもない。電源を供給するために、多くの配線が階層的
に設けられるが、その中で多数の素子に電源を供給する
ために共通に設けられた配線は、一般的に電源バスと呼
ばれる。例えば、米国特許第4511914号には、ゲ
ートアレイ内の基本セルに電源を供給するために格子状
に設けられた電源バスの例が、米国特許第504014
4号には、メモリアレイに電源を供給するために格子状
に設けられた電源バスの例が開示されている。
【0127】このような電源バス配線は、半導体チップ
の寸法と同程度以上の長さ(1cm以上)を有すること
が多く、かつ、多くの素子に電源を供給するため、大き
な直流(より正確には、脈流)電流が流れる。このた
め、エレクトロマイグレーション不良が発生する可能性
が高い。また、抵抗が高いと、多くの素子が同時に動作
して大きな電流が流れた時に電圧降下が発生し、動作不
良の原因となる。このような問題を解決するために、抵
抗が低くかつエレクトロマイグレーション耐性が高い、
Cu系配線を使用する効果は大きい。
【0128】ところで、現在の半導体集積回路には、2
層もしくはそれ以上の配線層を含む多層配線が使用され
るのが通例である。上記のマクロセルは、例えば第1お
よび第2のAl系配線層に、それぞれ互いに直交する方
向の配線を主として形成し、トランジスタ間の接続を行
うことにより形成される。また、その上にさらに、1層
もしくはそれ以上のAl系配線層が設けられる場合もあ
る。
【0129】従って、マクロセル内の接続に使用してい
る例えば2層のAl系配線層をそのまま使用し、それよ
りも上層側のAl系配線をCu系配線に置き換え、もし
くはその上に1層もしくはそれ以上のCu系配線層を追
加し、それを、上記の長距離信号配線、クロック配線、
電源バス配線等に使用することが可能である。なお、2
層を超えるAl系配線層を使用してマクロセルが形成さ
れている場合には、それらの配線層をそのまま使用し
て、その上にCu系配線層を設けることも可能である。
また、上層側の配線層、例えば第3配線層が、限られた
用途のみに、例えばマクロセル内部の回路ブロック間の
接続にのみに主として使用されている場合には、この配
線層をCu系配線層に置き換えることも可能である。上
層側の配線層のみであれば、Cu系配線層に置き換えて
もトランジスタ特性に対して悪影響を与える可能性は小
さい。
【0130】図26(a)および(b)は、Cu系配線
を使用しない製品と使用する製品それぞれの配線層構成
の一例を模式的に示す断面図である。図26(a)はC
u系配線を使用しない製品の配線層構成であり、Si基
板10上に、下から順に第1、第2、第3のAl系配線
層106,108,110が形成されている。Si基板
10と第1層のAl系配線層106との間、およびそれ
ぞれの配線層の間には層間絶縁層が形成されている。第
1層のAl系配線層106の下に、例えば1層のW系配
線層を設けることも可能である。個々の回路ブロック内
の接続のためには、主として、2層のAl系配線層10
6,108に互いに直交する方向に狭い間隔で形成した
配線を使用する。第3層のAl系配線層110は主とし
て、例えば、回路ブロック間の長距離の信号配線や、電
源バス配線、クロック配線等を形成するために使用す
る。これらの配線は、低い配線抵抗および配線容量を有
することが好ましい。従って、第1および第2層のAl
系配線層に形成した回路ブロック内の配線に比較して、
配線幅および間隔を大きくする。また、配線抵抗を低減
するため、配線の高さ(配線を形成するために使用する
金属膜の膜厚)を、第1および第2のAl系配線に比較
して大きくする。
【0131】これに対して、Cu系配線を使用する製品
は、例えば図26(b)に示されたような配線層構造を
有する。すなわち、図26(a)の第1および第2のA
l系配線層106,108はそのまま使用し、第3層の
Al系配線層を第1層のCu系配線層112に置き換
え、さらに第2層のCu系配線層114を追加する。第
1および第2層のAl系配線層に形成された、個々の回
路ブロック内の配線は原則としてそのまま使用する。す
なわち、Cu系配線を使用しない製品と共通のマスクパ
ターンを使用する。ただしもちろん、細かな性能向上の
ための修正は、必要に応じて行われる。そして、第1お
よび第2層のCu系配線層112,114を使用して、
回路ブロック間の長距離の信号配線、電源バス配線、ク
ロック配線等を形成する。
【0132】もちろん、図26(a)の第3のAl系配
線層に形成されていた配線をそのまま置き換えるだけで
あれば、第2のCu系配線層114は不要である。しか
し、例えば長距離の信号配線にCu系配線の低抵抗性を
生かし、高い性能の製品を得るためには、2層のCu系
配線層を設け、互いに直交する方向の配線形成の自由度
を高めることが有効である。必要に応じて、3層もしく
はそれ以上のCu系配線層を設けることも可能である。
逆に、Cu系配線の使用によって配線層数を削減し、コ
ストを低減することが可能な場合もある。具体的には例
えば、Cu系配線を使用しない製品において2層の配線
層(例えば第3および第4の配線層)を必要としていた
配線を、Cu系配線の低抵抗性、高エレクトロマイグレ
ーション耐性を前提にして配線幅を縮小し、配線密度を
高めることにより、1層のCu系配線層内に形成するこ
とができれば、配線層数を1層削減できる。
【0133】図27には長距離の信号配線の例を模式的
に示す。半導体集積回路チップ116内に複数の回路ブ
ロック118が配置され、周辺部には多数のI/Oセル
120が配置される。そして、回路ブロック118の間
の信号伝達を行うため、長距離の信号配線122が設け
られ、さらに、それぞれの回路ブロック118に半導体
集積回路外部からの信号のやりとりを行うために長距離
の信号配線124が設けられる。それぞれの配線は、図
では1本の線で表記されているが、例えば32ビットの
信号を伝達するためには、32本の配線が設けられる。
【0134】図28にはクロック配線の例を模式的に示
す。半導体集積回路チップ116内に複数の回路ブロッ
ク126が配置される。また、チップ中央にはクロック
信号を発生するための発振回路128が設けられる。そ
して、この発振回路128からそれぞれの回路ブロック
126へ、階層的に設けられたクロック配線130を通
じて、クロック信号が分配されている。クロック信号
は、まず発振回路に直接接続された幹の配線を通じて分
配され、さらに、その配線に接続された枝部の配線を通
じてそれぞれの回路ブロックに分配される。それぞれの
回路ブロック内では、低位の配線(図示しない)を通じ
て個々のゲート回路に分配される。このような階層的な
クロック配線の中の高位の部分にCu系配線を使用する
ことが特に効果的である。すなわち、発振回路(もしく
はクロック信号を入力するパッド)から複数の回路ブロ
ックに分配する部分である。
【0135】このように、本発明の半導体集積回路で
は、Al系配線を前提にして設計し動作確認を行ったマ
クロセルを、Al系配線のままで使用し、かつ、Cu系
配線の低抵抗性、高エレクトロマイグレーション耐性を
生かして、高性能の半導体集積回路を実現することがで
きる。しかも、トランジスタに隣接して設けられた下層
側の配線層は従来のAl系配線層のままであるため、C
u系配線からのCuの拡散によるトランジスタ特性劣化
が起きる可能性は低い。この結果、IPの交換性を維持
することができる。すなわち、例えば、Al系配線を前
提にして開発されたIPを、大幅な変更を行うことな
く、Cu系配線を使用する製品および使用しない製品の
両方で使用することができる。
【0136】従って、下層側の配線層にCu系配線層を
設ける場合と比較すると、Cu拡散を防止するために設
ける拡散防止層の膜厚を削減したり、もしくは、拡散防
止層形成のための工程を簡略化することが可能である。
また、Cu系配線の影響を評価するための試験も簡略化
することができる。すなわち、例えば3層目にCu系配
線を設けた、限られた種類のテストデバイスを使用し
て、Cu拡散によるトランジスタ特性に対する影響に関
する試験をのみを行えばよい。マクロセル内部の配線は
Al系配線のままであるため、Cu系配線使用による個
々のマクロセルの特性変化に関する試験は省略すること
ができる。また、複数のCu系配線層を設け、そのそれ
ぞれを特定の目的に主として使用することにより、より
配線の自由度を向上させることができ、半導体集積回路
の性能を向上させることが可能である。また、長距離の
信号配線を形成するためには、主として互いに直交する
方向への配線を形成するために、2層、もしくは2層を
組として偶数層のCu系配線層を設けるのが好ましい。
【0137】電源バス配線の内、階層が低い(深い)部
分は、例えばマクロセル内の接続に使用されている下層
側の配線層にも形成されていることが多い。このような
部分の配線はそのまま使用し、それらの配線と概略平行
する配線をCu系配線層に形成し、電気的に並列にして
使用することが可能である。これにより、エレクトロマ
イグレーション耐性を向上させるとともに、電圧降下を
低減して、回路動作を安定させることが可能である。す
なわち、Al系配線を補強する目的でCu系配線を使用
することも可能である。また、それぞれのAl系配線に
対して専用の補強用Cu系配線を設けることも可能であ
るし、複数のAl系配線に対して共通の補強用Cu系配
線を設けることも可能である。一方、電源バス配線の階
層の高い(浅い)部分、例えば、ゲートアレイの全ての
基本セルに電力を供給するために半導体チップの周辺部
を取り囲むように設ける電源バスは、特に距離が長く、
流れる電流も大きいため、Cu系配線層を使用する効果
が大きい。また、電源電位(VDD)供給用とグラウン
ド電位(VSS)供給用とにそれぞれ別のCu系配線層
を設けることも有効である。
【0138】図29には電源バス配線の例を模式的に示
す。図には、ゲートアレイ型半導体集積回路に設けられ
る三つの階層の電源バスが示される。半導体集積回路チ
ップ116の周辺部にはI/Oセル120が配置され、
内部には多数の基本セルが、縦、横に一定間隔で配置さ
れたセルアレイ132が設けられる。図には、このセル
アレイに電源を供給するための電源バスを示す。1次電
源バス134は、セルアレイ全体を取り囲むように設け
られており、集積回路の主要部分、すなわち、すべての
基本セルに電源を供給するために共通に設けられる。集
積回路のその他の部分、例えばI/Oセルのために、別
個の電源バスを設けることも可能である。3次電源バス
138は、それぞれ対応する列の基本セル上に配置さ
れ、その列の基本セル内のトランジスタに電源を供給す
る。2次電源バス136は、1次電源バスの向かい合う
辺の間を結ぶように設けられており、それぞれの3次電
源バスに接続されている。2次電源バスは、1次電源バ
スと3次電源バスとの間のインピーダンスを低減し、多
数の基本セル内のトランジスタが同時に動作した場合の
電圧降下を低減する役目を果たす。
【0139】Cu系配線を使用する製品において、この
ように階層的に設けられた電源バスの内、階層の高い部
分、例えば1次電源バス134および2次電源バス13
6をCu系配線層に形成する。もしくは、Al系配線層
の電源バス配線はそのまま使用して、Cu系配線層に補
強用配線を形成する。一方階層の低い部分、例えば3次
電源バス138は、Al系配線層に形成する。もちろん
3次電源バス136を補強する配線をCu系配線層に設
けることも可能である。なお、図には1系統の電源バス
配線のみが表示されているが、実際には、例えばVDD
電位供給とVSS電位供給用との2系統、もしくはそれ
以上の系統の電源バスが設けられる。
【0140】また、必要な階層数のCu系配線層を形成
した上に、さらにAl系配線層を形成することも可能で
ある。例えば、最上層の配線としては、ボンディングに
よるパッケージへの接続において実績がある、Al系配
線層を使用することが好ましい。
【0141】このように、Cu系配線を使用しない製品
と共通のライブラリのマクロセルを利用し、マクロセル
内部の配線のために使用しているAl系配線層を原則と
してそのまま使用し、その上に1層もしくは複数層のC
u系配線を設けて、Cu系配線を使用する製品を生産す
ることにより、以下のような効果を得ることができる。
【0142】1)長距離の信号配線、クロック配線、電
源バス配線等の低抵抗性、高エレクトロマイグレーショ
ン耐性を生かせる特定の部分にCu系配線を使用し、高
性能の集積回路を製造することができる。 2)Al系配線を前提にして開発し、動作確認を行った
マクロセルの資産を生かし、開発期間および開発費を削
減することができる。 3)他メーカと共用したIPの交換性を維持しながら、
かつ、集積回路製品全体としての性能を高めることがで
きる。 以上の効果により、高性能の製品を、短い開発期間およ
び低開発コストで供給することができる。
【0143】実際には、このようにCu系配線を使用す
る品種を高性能グレード品種として用意し、性能を重視
する顧客の要望に応える。一方、Cu系配線を使用しな
い品種を普及グレード品種として用意し、コストを重視
する顧客の要望に応える。そして、この高性能グレード
品種と普及グレード品種とでマクロセルライブラリを共
有する。また、両方のグレードの品種は、Cu系配線工
程(ダマシン法のための溝形成工程等を含む)以外は可
能な限り共通化し、コスト削減を図る。例えば、トラン
ジスタ形成のためのプロセスや基本セルのレイアウトを
共通化し、共通化された工程は、原則として共通の製造
ラインを使用して行う。
【0144】標準グレードの製品を設計する場合には、
ライブラリから必要なマクロセルを選択し、半導体集積
回路チップ上に配置する。マクロセルはその内部の接続
に必要な配線を含んでいる。さらに、マクロセルの外側
の接続のための配線を、Al系配線層に形成する。
【0145】高性能グレードの製品を設計する場合に
も、同様に、必要なマクロセルをライブラリから選択し
てチップ上に配置する。マクロセル内の配線の内、下方
(例えば第1層および第2層)の配線層に形成された部
分はそのまま使用される。すなわち、この部分の配線は
1層もしくは複数層のAl系配線層に形成される。そし
て、上方(例えば第3層)の配線層に形成された部分の
み、1層もしくは複数層のCu系配線層に形成される。
この結果、マクロセル内の接続は主としてAl系配線層
内の配線によって行われる。一方、マクロセルの外側の
接続は主として1層もしくは複数層のCu系配線層に形
成される配線によって行われる。マクロセルの外側の配
線には、Cu系配線の低抵抗性および高エレクトロマイ
グレーション耐性が生かされる部分が含まれる。例え
ば、マクロセル間もしくはマクロセルとI/Oセルとの
間の長距離信号配線、電源バス配線(特に、階層的に設
けられた電源バスの高位の部分)、クロック配線(特
に、複数の回路ブロックにクロック信号を配分する部
分)等が、Cu系配線層に形成される。この結果、標準
グレードの製品と共通のライブラリから選んだマクロセ
ルを使用するにも関わらず、高い性能が実現できる。も
ちろん、マクロセルに対してある程度の改善を行うこと
も可能である。しかし通常は、開発コストを低減するた
め、マクロセルの大幅な変更もしくは再設計は避けるべ
きである。
【0146】以上の設計作業は、実際にはCAD(comp
uter aided design )システム上で行われる。設計結果
を基にマスクが作成され、そのマスクを使用して実際の
半導体集積回路が製造される。
【0147】このように下層側のAl系配線層と、上層
側のCu系配線層とを併用することにより、Cu系配線
を使用しないことを前提にした製品においても、例えば
以下のような効果を得ることができる。
【0148】1)Al系配線を前提にして開発を行って
いて、初期段階での見積もりに比較して配線の本数、例
えば電源バスの本数が増大し、定められたチップサイズ
の上限に納めることが困難であることが判明したような
場合の対策として、Cu系配線層を利用することができ
る。すなわち、電源バスに主として使用する配線層をC
u系配線層に置き換え、Cu系配線の低抵抗性、高エレ
クトロマイグレーション耐性を前提に配線幅を削減すれ
ば、予定していたチップサイズに納めることが可能にな
る場合もある。チップサイズの増大によってパッケージ
を変更したり、予定されたチップサイズに納めるために
最初から設計をやり直す場合に比較すれば、Cu系配線
自体のコストはAl系配線に比較して高いとしても、開
発コストを含めた総コストは削減できる。
【0149】2)ある機能を有する半導体集積回路を、
コストを重視してCu系配線を使用しないで開発した後
に、より高性能の製品が必要になった場合に、迅速に対
応することができる。すなわち、最初に開発した製品の
回路およびレイアウトには大きな変更を加えずに、Al
系配線層上にCu系配線層を追加して、もくしは、Al
系配線層の内、高い層の配線層をCu系配線層に置き換
えて、このCu系配線層に長距離信号配線等の、特性に
対して大きな影響を持つ配線を形成することにより、容
易に、性能向上を実現することができる。もちろん、全
てのAl系配線層をCu系配線層に置き換え、Cu系配
線の使用を前提に設計をやり直せば、さらに大きな特性
改善が期待できる。しかし、このためには長い開発期間
が必要であり、開発コストも上昇する。
【0150】以上、ゲートアレイ、スタンダードセル、
エンベッディドセルアレイ等のASIC製品を例にし
て、下層側のAl系配線層と上層側のCu系配線層とを
併用して半導体集積回路を製造することの効果を説明し
た。しかし、ASIC製品に限らず、多くの半導体集積
回路において、高性能、短い開発期間、低開発コストに
対する強い要求が存在することは言うまでもない。従っ
て、このような下層側のAl系配線層と上層側のCu系
配線層との併用は、さまざまな種類の半導体集積回路に
おいて有効である。
【0151】例えば、ASIC製品の一種であるFPG
A(field programmable gate array )製品において
も、同様のAl系配線とCu系配線との併用は有効であ
る。以上の説明の回路ブロックをプログラマブル論理ブ
ロックに、長距離配線をプログラマブル論理ブロック間
およびプログラマブル論理ブロックとI/Oセルとの間
のプログラマブル配線に当てはめて考えることができ
る。すなわち、個々のプログラマブル論理ブロック内の
配線を、下層側のAl系配線層を主として使用して形成
し、プログラマブル論理ブロック間およびプログラマブ
ル論理ブロックとI/Oセルとの間のプログラマブル配
線を上層側のCu系配線を利用して形成することによ
り、このような配線の距離が長くなりがちなFPGAの
動作速度を高めることができる。クロック配線や電源バ
ス配線へのCu系配線の使用によっても同様の効果が得
られる。
【0152】一方、図30には、DRAM(Dynamic Ra
ndom Access Memory)とロジック回路とを同一チップ上
に混載した半導体集積回路にCu系配線を使用した例を
模式的に示す。半導体集積回路チップ116内には、メ
モリセルアレイ140とセンスアンプアレイ142とを
含むDRAM144と、例えば画像処理を行うためのロ
ジック回路ブロック146とが配置されている。そして
このDRAM144とロジックブロック146との間の
信号を伝送するために、複数のデータ配線148が設け
られている。回路画像処理を行うためには、大量のデー
タを一次的に記録するために、大容量のメモリが必要で
ある。さらに、例えばリアルタイムの動画像処理を行う
ためには、このような大量の画像データを、画像処理回
路とメモリとの間で短時間に伝送することが必要であ
る。このような目的のため、抵抗の低いCu系配線を使
用することが有効である。
【0153】コスト低減のために、メモリセルアレイ1
40は、単体のDRAM製品のメモリセルアレイと共通
の製造プロセスを使用して製造することが望ましい。単
体DRAMのメモリセルアレイ部の配線には通常高々2
層の配線層しか使用しない。従って、この部分の配線を
従来通りのAl系配線層に形成し、その上にCu系配線
層を設け、その配線層にデータ配線148を形成するこ
とによって、単体DRAM製品の製造プロセスとの共通
性を高めることが可能である。また、汚染に対して敏感
なメモリセルに近い、低い層の配線層をAl系配線層に
することにより、Cuの拡散による特性劣化を防止する
ことも可能である。同様のデータ配線へのCu系配線の
利用は、例えばマイクロプロセッサにおける、CPUと
キャッシュメモリとの間で高速にデータを伝送するため
にも有効である。
【0154】なお、このように、低コストを求める顧客
に対してはCu系配線を使用しない製品を供給し、高性
能を求める顧客に対してのみCu系配線を使用する製品
を供給し、しかも、Cu系配線を使用する製品において
も、上層側の配線層にのみCu系配線層を使用する場
合、Cu系配線を形成するための生産設備に要求される
生産能力は、Cu系配線を使用しない製品を生産するた
めの設備に要求される生産能力に比較して小さい。従っ
て、例えばCu系配線を使用しない製品を生産するため
のラインを複数用意し、その全てに対して共通に、Cu
系配線を形成する生産ラインを設けることも可能であ
る。また、新規に工場を建設する際に、Al系配線を形
成する設備と、Cu系配線を形成する設備とを設け、C
u系配線を形成するための設備を、その工場、および、
Cu系配線を形成するための設備を有さない既存の工場
とで共用することも可能である。
【0155】(実施例7)図14(a)〜(c)、図1
5(d)〜(f)および図16(g)に示された構造の
第1層の層間絶縁膜32では、第1配線層18の配線間
を埋める部分にのみ低誘電率膜28が形成されている。
これに対して、第1配線層18の配線間のみではなく配
線上にも低誘電率膜を形成した場合にも、第2配線層2
2の配線をダマシン法で形成することが可能である。こ
こで、図18(a),(b),(c)、図19(d),
(e),(f)、図20(g),(h),(i)および
図21(j)は、本発明の配線構造の各形成工程を表す
第7の実施例の断面図である。図18(a)に示すよう
に、実施例4の場合と同様にして、第1配線層18を形
成し、下地膜26、第1配線層18の配線間および配線
上に形成した低誘電率膜28、ならびに、キャップ膜3
0からなる第1層の層間絶縁層50を形成する。ここ
で、低誘電率膜28の表面は平坦化されている。また、
低誘電率膜28は、アッシングに対する耐性の乏しい材
料で形成したものとする。
【0156】次に、図18(b)に示すように、ヴィア
孔に対応するレジストパターン58を形成し、フッ素系
のガスを使用した異方性のプラズマエッチングで、ヴィ
ア孔に対応する位置のキャップ膜30を除去する。続い
て、図18(c)に示すように、酸素イオンを使用した
異方性エッチングで、低誘電率膜28にヴィア孔60を
形成する。この時、キャップ膜30がマスクとして機能
する。
【0157】次に、図19(d)に示すように、第2配
線層の配線間を絶縁する配線間絶縁層66を形成するた
めに、基板表面全面に低誘電率膜62およびキャップ膜
64を順に形成する。低誘電率膜62の形成には、例え
ば塗布法を使用する。低誘電率膜62はヴィア孔60内
にも形成される。第1層の層間絶縁層50の表面が平坦
化されているため、低誘電率膜62の表面もほぼ平坦に
なる。続いて、図19(e)に示すように、第2配線層
の配線をその中に形成する溝に対応するレジストパター
ン68を形成し、フッ素系のガスを使用した異方性プラ
ズマエッチングによってキャップ膜64のエッチングを
行う。
【0158】図19(f)に示すように、酸素イオンを
使用した異方性エッチングによって、低誘電率膜62に
溝70を形成する。この時、ヴィア孔60内に形成され
た低誘電率膜62も除去されるようにオーバーエッチン
グ時間を設定する。なお、溝70の底には第1層目の層
間絶縁層50のキャップ膜30が存在する。このキャッ
プ膜30を形成するフッ素化シリコン酸化膜は、酸素イ
オンを使用した異方性エッチングによってほとんどエッ
チングされないため、溝70の深さを正確に制御するこ
とができる。また、キャップ膜30がマスクとして機能
するため、溝70形成の際のヴィア孔の拡大も防止でき
る。そしてさらに、フッ素系のガスを使用した異方性の
プラズマエッチングを行い、ヴィア孔60底に露出し
た、第1層の層間絶縁層50の下地膜26を除去し、第
1配線層18の配線の表面をヴィア孔60底に露出させ
る。この時、第1層の層間絶縁層50のキャップ膜30
および第2配線層の配線間の絶縁層66のキャップ膜6
4も同時にエッチングされるため、この両者の膜厚およ
びエッチング条件を適切に設定する。なお、同図には、
第1層のキャップ膜30および第2層のキャップ膜64
を残す例を示した。
【0159】次に、図20(g)に示すように、実施例
6の場合と同様の工程(ダマシン法)で、ヴィア孔60
および溝70内にプラグ74および第2配線層22の配
線を形成する。
【0160】この後さらに、必要に応じて、第3層以降
の配線を形成する。図20(h),(i)および図21
(j)には、ダマシン法によって第3配線層を形成する
工程の例を示す。まず、図20(h)に示すように、第
2配線層22と第3配線層との間を絶縁する絶縁層(第
2の層間絶縁層)76を形成するために、下地膜78、
低誘電率膜80およびキャップ膜82を形成順に形成す
る。そして、第1配線層18の配線と第2配線層22の
配線とを接続するためのヴィア孔60の形成と同様の方
法によって、第2配線層22の配線と第3配線層の配線
とを接続するためのヴィア孔84を形成する。
【0161】続いて、図20(i)に示すように、第3
配線層の配線間を絶縁する絶縁層86を形成するために
低誘電率膜88およびキャップ膜90を順に形成する。
この時、ヴィア孔84内にも低誘電率膜88は形成され
る。そして、第2層の溝70の形成と同様の方法で、第
3層配線をその中に形成する溝92を形成する。その
後、ヴィア孔84の底に露出した、第2配線層22と第
3配線層との間の層間絶縁層76の下地膜78を除去す
る。なお、同図には、下地膜78の除去工程において、
溝92の底のキャップ膜82および第3配線層の配線間
の絶縁層86のキャップ膜90が残るように、これらの
膜の膜厚および除去条件を設定した例を示した。
【0162】そして、図21(j)に示すように、ダマ
シン法によってヴィア孔84内および溝92内に第2層
配線層22の配線と第3配線層96の配線とを接続する
プラグ94、および、第3配線層96の配線を形成す
る。この後さらに、必要に応じて第4層以降の配線層を
形成し、表面保護膜およびボンディングパッドを形成
し、半導体集積回路のウエハ製造工程を終了する。
【0163】なお、本実施例では、低誘電率膜28,6
2,80,88としてアッシングに対する耐性に乏しい
材料の膜を使用し、ヴィア孔60,84および溝70,
92を、キャップ膜30,64,82,90をマスクと
して、酸素イオンを使用した異方性エッチングによって
形成したが、本発明はこれに限定されず、低誘電率膜2
8,62,80,88をアッシング耐性を有する材料
(例えばシロキサンSOG)で形成し、レジストをマス
クとして、フッ素系ガスを使用した異方性プラズマエッ
チングでヴィア孔60,84や溝70,92を形成する
ことも可能である。この場合、キャップ膜30,64,
82,90を省略することも可能である。
【0164】また、本実施例では、ヴィア孔60,84
および溝70,92の形成を酸素イオンを使用した異方
性エッチングを利用して行っている。酸素イオンを使用
した異方性エッチングではレジストもエッチングされる
ため、レジストパターン除去のためのアッシング工程を
省略し、ヴィア孔60,84もしくは溝70,92形成
のためのエッチング工程でレジストパターン除去を同時
に行うことも可能である。これにより、工程削減が可能
である。この目的のためには、低誘電率膜28,62,
80,88のエッチングが終了した時点でレジストの除
去がすでに終了しているように、低誘電率膜28,6
2,80,88およびレジストの膜厚と、プラズマエッ
チングの条件を設定することが好ましい。レジストの除
去が先に終了しても、キャップ膜30,64,82,9
0が低誘電率膜28,62,80,88上に存在し、マ
スクとして機能するため、ヴィア孔60,84および溝
70,92の寸法精度は劣化しない。
【0165】また、本実施例においては、ヴィア孔6
0,84を形成する際にも、溝70,92を形成する際
にも、基板の表面は平坦化されている。従って、レジス
トパターン58,68等を形成するためのレジストの膜
厚を薄くしても、均一に塗布することが可能である。レ
ジスト膜厚を薄くすることによって、上記のようにヴィ
ア孔60,84および溝70,92のエッチングとレジ
ストの除去とを同時に行う工程が容易になるし、解像度
も高めることができる。例えば、0.5μm程度以下に
までレジスト膜厚を薄くすることは容易であるし、0.
3μm程度以下にまで薄くすることも可能である。低誘
電率膜のエッチングが終了した時点でレジストの除去が
すでに終了しているためには、レジストの膜厚をエッチ
ングすべき低誘電率膜の膜厚、すなわちヴィア孔60,
84形成の際にはヴィア孔の深さ、溝70,92形成の
際には溝の深さとヴィア孔の深さとの合計に対して、同
程度以下、好ましくは70%程度以下、さらに好ましく
は50%程度以下、もっとも好ましくは30%程度以下
にする。
【0166】また、本実施例では、第1層の層間絶縁層
50の下地膜26を残して低誘電率膜28にヴィア孔6
0を形成し、その後、第2配線層22の配線間の絶縁層
66に溝70を形成する際に、ヴィア孔60底の下地膜
26を除去している。しかし、第1層の低誘電率膜28
にヴィア孔60を形成するのに続いて、フッ素系のガス
を使用した異方性プラズマエッチングによって、ヴィア
孔60底の下地膜26を除去することも可能である。
【0167】また、本実施例では、第2配線層22の配
線間の絶縁層66の表面にキャップ膜64を残している
が、本発明はこれに限定されず、例えば第1配線層18
の配線と第2配線層22の配線とを接続するヴィア孔6
0の底の下地膜26を除去する際に第2配線層22の配
線間のキャップ膜64を除去することも可能である。第
2配線層22の配線間のキャップ膜64が除去されるこ
とによって、第2配線層22の配線間の静電容量をさら
に削減することが可能である。この場合、第2配線層2
2の配線を形成するためのCMP条件を適切に設定し、
低誘電率膜62表面にスクラッチが発生しないように注
意することが必要である。また、ヴィア孔60の底の下
地膜26を除去する際には、第2配線層22の配線間の
キャップ膜64が残るような条件を設定し、第2配線層
22の配線を形成するためのCMPの終了後、条件を変
更して、キャップ膜64の除去を行うことも可能であ
る。少なくともこの場合には、キャップ膜64を、例え
ば窒化シリコン等のCMP速度の低い材料で形成するこ
とも可能である。このような材料からなるキャップ膜6
4を、第2配線層22形成のためのCMPのエッチング
ストップ層として使用することにより、プロセス条件の
ばらつきによってオーバーエッチング量が大きくなった
場合にも、低誘電率膜62表面にスクラッチが発生する
ことを防止することが可能である。窒化シリコンは、シ
リコン酸化膜に比較して高い誘電率を有するが、エッチ
ングストップ層として使用した後に、CMP条件を変更
して除去すれば、配線間の静電容量の増大にはつながら
ない。
【0168】さらに、本実施例では、第1層の層間絶縁
層50にヴィア孔60を形成した後、第2配線層22の
配線間の絶縁層66を形成し、この配線間の絶縁層66
に溝70を形成したが、本発明はこれに限定されず、逆
に、例えば第2配線層22の配線間の絶縁層66に溝7
0を形成してから、第1層の層間絶縁層50にヴィア孔
60を形成することも可能である。この場合の本発明の
配線構造の各形成工程を表す一実施例の断面図を図22
(a),(b),(c)および図23(d),(e)に
示す。まず、図22(a)に示すように、実施例4の場
合と同様の工程で、第1配線層18と、下地膜26、第
1配線層18の配線間および配線上に形成された低誘電
率膜28、ならびに、キャップ膜30からなる第1層の
層間絶縁層50とを形成する。その後、この層間絶縁層
50上に、第2配線層の配線間を絶縁する配線間絶縁層
66を構成する低誘電率膜62およびキャップ膜64を
形成する。
【0169】次に、図22(b)に示すように、第2配
線層の配線をその中に形成する溝に対応するレジストパ
ターンを形成し、フッ素系のガスを使用した異方性プラ
ズマエッチングによってキャップ膜64に開口部を形成
し、酸素イオンを使用した異方性プラズマエッチングに
よって低誘電率膜62に溝70を形成する。
【0170】次に、図22(c)に示すように、ヴィア
孔に対応するレジストパターン98を形成し、フッ素系
のガスを使用した異方性プラズマエッチングによってヴ
ィア孔に対応する部分の、第1層の層間絶縁層50のキ
ャップ膜30を除去する。続いて、図23(d)に示す
ように、酸素イオンを使用した異方性エッチングによっ
て低誘電率膜28をエッチングし、フッ素系のガスを使
用した異方性のプラズマエッチングを行って下地膜26
を除去してヴィア孔60を形成する。
【0171】そして、図23(e)に示すように、ダマ
シン法によって第2配線層22の配線および第1配線層
18の配線と第2配線層22の配線とを接続するヴィア
プラグ74を形成する。この後さらに、必要に応じて第
3層以降の配線層を形成し、表面保護膜およびボンディ
ングパッドを形成し、半導体集積回路のウエハ製造工程
を終了する。
【0172】以上に説明した実施例では、第1層間絶縁
層50の低誘電率膜28はヴィア孔60の側壁において
露出しており、第2配線間絶縁層66の低誘電率膜62
は溝70の側壁において露出している。そして、第2配
線層22の配線および、第1および第2配線層間を接続
するプラグ74を形成するための金属膜が、このヴィア
孔および溝内に堆積される。この結果、プラグ74はヴ
ィア孔60の側壁において露出した低誘電率膜28に接
触し、第2配線層22の配線は溝70の側壁において露
出した低誘電率膜62に接触する。同様に、第2および
第3配線層間を接続するプラグ94は、ヴィア孔84の
側壁において第2層間絶縁層の低誘電率膜80に接触
し、第3配線層の配線は、溝92の側壁において第3配
線間絶縁層の低誘電率膜88に接触する。しかし、材料
およびプロセス条件によっては、低誘電率膜がプラグお
よび配線に悪影響を与える可能性がある。例えば、低誘
電率膜が大量の水分を含む場合がある。このような場
合、プラグおよび配線を低誘電率膜に直接接触させない
ことが好ましい。
【0173】図24(a),(b),(c)は、プラグ
および配線が低誘電率膜に直接接触しない配線構造の形
成工程を表す断面図である。まず、既に説明した実施例
と類似した工程によって、例えば図19(f)もしくは
図23(d)に示されるような、第1配線層18、下地
膜26、配線間および配線上に形成された低誘電率膜2
8およびキャップ膜30からなる第1層間絶縁層50、
低誘電率膜62およびキャップ膜64からなる第2配線
間絶縁層66、第1層間絶縁層50に形成されたヴィア
孔60、第2配線間絶縁層66に形成された溝70を有
する構造を形成する。次に、図24(a)に示すよう
に、例えばフッ素化シリコン酸化膜からなる被覆膜71
を、ヴィア孔60および溝70の側壁を含めた基板表面
に堆積する。被覆膜71は、例えば基板バイアスを併用
した高密度プラズマCVD法で堆積する。
【0174】続いて、例えばフッ素系ガス雰囲気を使用
した異方性プラズマエッチングを用いて、ヴィア孔60
および溝70の底において被覆膜71が除去されるよう
にエッチバックを行う。この結果、図24(b)に示す
ように、溝の側壁に側壁膜73が、ヴィア孔60の側壁
には側壁膜75が形成される。側壁膜73は溝70の側
壁に露出した低誘電率膜62を被覆する。側壁膜75は
ヴィア孔60の側壁に露出した低誘電率膜28を被覆す
る。
【0175】次に、図24(c)に示すように、ダマシ
ン法によって、ヴィア孔60内にプラグ74を、溝70
内に配線22を形成する。この構造において、ヴィア孔
60および溝70の側壁が側壁膜73,75で被覆され
ているため、プラグおよび配線は低誘電率膜28および
62とは接触しない。このような工程を繰り返して、ヴ
ィア孔および溝の側壁に側壁膜を有する第3層およびそ
れ以降の配線層を形成することができる。
【0176】本実施例においては、基板バイアスを併用
した高密度プラズマCVD法で被覆膜を堆積し、異方性
エッチバックを行うことによって側壁膜を形成する。従
って、ヴィア孔60および溝70の側壁がほぼ垂直に形
成されている場合であっても、側壁膜の表面は、上端の
コーナー部付近を除いたほぼ全領域にわたって実質的に
均一な順方向の傾斜を有する。別の言い方をすれば、側
壁膜の厚さは、上端のコーナー部付近を除いた側壁の上
部において下部よりも小さい。この順方向の傾斜によっ
て、ヴィア孔60および溝70内への金属膜の埋め込み
性が向上し、ヴィア孔および溝が微細になった場合にも
良好に金属膜を埋め込むことができる。十分な埋め込み
性改善効果を得るために、順方向の傾斜は、垂直面に対
して約2゜以上、好ましくは約4゜以上、さらに好まし
くは約6゜以上になるよう、高密度プラズマCVDおよ
び異方性エッチバックの条件を設定する。しかし、この
角度を大きくしすぎる事は好ましくない。例えば約8゜
以上になると、ヴィア孔もしくは溝の中のかなりの部分
が側壁膜で占められるようになり、金属膜で埋め込むこ
とができる体積が減少する。
【0177】このような順傾斜の側壁膜は、金属膜の堆
積方法によっては特に顕著な埋め込み性向上効果をもた
らす。このような基板バイアスを併用した高密度プラズ
マCVD法を用いて形成した順方向の傾斜を有する側壁
膜上に、例えばイオン化スパッタ法によって、チタン/
窒化チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、窒
化タングステン等の拡散防止層を、薄くかつ均一に堆積
することができる。高密度プラズマCVD法およびイオ
ン化スパッタ法の両者が、基板バイアスによって加速さ
れたイオンを利用しているからである。イオン化スパッ
タ法は、また、拡散防止層上に薄い銅膜を堆積する場合
にも好適に利用することができる。この薄い銅膜は、ヴ
ィア孔や溝を埋め込むための厚い銅膜をメッキ法によっ
て堆積するための、核生成層として利用することができ
る。同様に、他の低抵抗金属膜、例えば金膜をメッキ法
によって堆積する際にも、核生成層が必要である。
【0178】本実施例においては、高密度プラズマCV
D法を利用して堆積した被覆膜によって側壁膜を形成し
ている。高密度プラズマCVD法によって堆積したシリ
コン酸化膜は、他の方法、例えば通常のプラズマCVD
法によって堆積した膜に比較して、高い水分拡散抑制効
果を有する。さらに、前述のように、Si(−F)2
合が実質的に含まれない範囲にフッ素添加量を制限した
場合には、フッ素の添加によってさらに水分拡散抑制効
果が向上する。従って、低誘電率膜からの水分拡散を抑
制する効果を必要な範囲に保ちながら、側壁膜を薄くす
る事が可能である。この結果、微細なヴィア孔60およ
び溝70内への金属膜埋め込み性を高くすることができ
る。例えばヴィア孔もしくは溝の上部(低誘電率膜の上
面付近)での側壁膜の膜厚を約15nm以下にすること
ができる。条件によっては約10nm以下に、さらに、
約5nm以下にする事も可能である。
【0179】本実施例においては、シリコン酸化膜に比
較して低い誘電率を有するフッ素化シリコン酸化膜によ
って側壁膜を形成している。このため、シリコン酸化
膜、シリコン窒化膜等の、より高い誘電率を有する材料
で側壁膜を形成した場合に比較して、配線間の容量をよ
り効果的に減少させることができる。本実施例は、ヴィ
ア孔60および溝70の側壁に同時に側壁膜を形成して
いる。すなわち、ヴィア孔および溝の両者に被覆膜を堆
積し、異方性エッチバックを行うことによって側壁膜を
形成している。しかし、ヴィア孔の側壁膜を溝の側壁膜
とは別個の工程で形成することも可能である。また、場
合によっては、ヴィア孔と溝との一方のみに側壁膜を形
成することも可能である。
【0180】本実施例では、基板バイアスを併用した高
密度プラズマCVD法によって被覆膜71を形成した
後、エッチバックを行うことによって側壁膜73,75
を形成している。この結果、以下の効果が得られる。 1)順方向に傾斜した側壁膜を形成することにより、ヴ
ィア孔および溝内への金属膜の埋め込み性を向上させる
ことができる。 2)水分拡散に対する十分な抑制効果を確保しながら側
壁膜を薄くすることができる。この結果ヴィア孔および
溝内への金属膜の埋め込み性を向上させることができ
る。 3)低い誘電率を有する側壁膜を形成することができ
る。この結果配線間の容量を効果的に低減することがで
きる。
【0181】しかし、上記の1)および2)の効果を得
るためには、他の様々な材料の膜を利用することができ
る。例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコ
ン酸窒化膜等を利用して被覆膜71を形成することも可
能である。このような膜は基板バイアスを併用した高密
度プラズマCVD法で堆積することが好ましい。
【0182】(実施例8)図25(a),(b),
(c)は、本発明の配線構造の各形成工程を表す第8の
実施例の断面図である。図25(a)に示すように、実
施例4の場合と同様にして、半導体基板10上の下地絶
縁層12上に、配線18a,18b,18cを含む第1
配線層18を形成する。第1配線層18の配線間の下地
絶縁層12の表面の膜厚d1の部分は除去されている。
続いて下地膜26を形成し、例えばフッ素化ポリイミド
の前駆物質を含む溶液を塗布し、加熱によってキュアを
行ってフッ素化ポリイミド膜を形成する。さらに、平坦
化を行い、第1配線層18の配線間を埋め込むととも
に、配線上にも膜厚t3の部分が残された低誘電率膜2
8を形成する。フッ素化ポリイミドからなる低誘電率膜
28の熱伝導率は室温において0.24W/mK程度で
あり、シリコン酸化膜の熱伝導率(室温において1.4
W/mK)に比較して1/6程度である。なお、第1配
線層18の配線上の低誘電率膜28の膜厚は、実施例4
の場合に比較して薄くする。また、第1配線層18の配
線間の間隔をs1、配線の上面上の下地膜26の膜厚を
t2とする。
【0183】次に、図25(b)に示すように、例えば
プラズマCVD法で膜厚t4の窒化シリコン膜を堆積
し、熱伝導性絶縁膜100を形成する。窒化シリコンの
室温での熱伝導率は19W/mK程度であり、シリコン
酸化膜の熱伝導率に比較して14倍程度高い。このよう
にシリコン酸化膜に比較して熱伝導率の高い絶縁材料の
膜を以下「熱伝導性絶縁膜」と呼ぶ。続いて、第2の低
誘電率膜102を形成し、例えばフッ素化シリコン酸化
膜を堆積してキャップ膜30を形成する。第2の低誘電
率膜102およびキャップ膜30の膜厚はそれぞれt
5,t6である。以上の工程によって、下地膜26、低
誘電率膜28、熱伝導性絶縁膜100、第2の低誘電率
膜102、および、キャップ膜30からなる層間絶縁層
104を形成する。
【0184】続いて、層間絶縁層104にヴィア孔を形
成し、プラグを形成する(図示せず)。さらに、必要に
応じて、同様の工程を繰り返し、第2層以降の配線層お
よび層間絶縁層を形成する。第2配線層22を形成した
状態の断面図を図25(c)に示す。その後、表面保護
膜を形成し、ボンディングパッドを形成し、半導体集積
回路のウエハ製造工程を完了する。
【0185】例えば、実施例4の配線構造では、層間絶
縁層50の大部分が、熱伝導率の低い低誘電率材料膜で
形成されている。このような構造では、エレクトロマイ
グレーション試験において、配線におけるジュール発熱
によって試験中の配線温度が上昇し、短時間でエレクト
ロマイグレーション不良が発生する問題が指摘されてい
た(例えば、K. Banerjee et al., International Elec
tron Devices Meeting, Digest of Technical Papers
(1996) p. 65 )。これに対して、本実施例の配線構造
では、層間絶縁層の一部が窒化シリコンからなる熱伝導
性絶縁膜で形成されており、この熱伝導性絶縁膜を通し
た熱の拡散によって、ジュール熱発生による局所的な配
線温度の上昇が低減されるため、配線の信頼性が向上す
る。
【0186】ここで、局所的な温度上昇を低減する効果
を高めるためには、熱伝導性絶縁膜100を第1配線層
18の配線に近い位置に形成することが好ましい。一
方、第1配線層18の配線間の静電容量を低減するため
には、熱伝導性絶縁膜100を配線から離すことが好ま
しい。窒化シリコンの誘電率が高い(7.5程度)ため
である。現実には、ジュール熱を発生する配線の長さは
100μm以上のオーダーである場合がほとんどである
のに対して、第1配線層18の配線と熱伝導性絶縁膜1
00との距離(すなわち、半導体基板10に対して垂直
な方向に測定した第1配線層18の配線の上面から熱伝
導性絶縁膜100の下面までの距離=t2+t3)はた
かだか1μmのオーダーである。このため、現実的に
は、局所的な温度上昇を低減する効果において、熱伝導
性絶縁膜100と第1配線層18の配線との距離の重要
性は小さい。従って、熱伝導性絶縁膜100と第1配線
層18の配線との距離は、配線間の静電容量に対する影
響を重視して決定するべきである。具体的には、(t2
+t3)はs1に対して約20%以上、好ましくは約5
0%以上に選ぶのがよい。また(t5+t6)は、s1
1に対して約20%以上、好ましくは約50%以上に選
ぶのがよい。
【0187】また、配線層間の静電容量を低減するため
には、(t3+t5)が大きい方が好ましい。具体的に
は、(t3+t5)をs1およびs11の大きい方に対
して同程度以上、好ましくは約2倍程度以上にすれば、
配線層間の静電容量の影響が、同一配線層内の配線間の
静電容量の影響に比較して小さくなる。また、熱伝導性
絶縁膜100の膜厚は、局所的な温度上昇を低減する効
果を高めるためには、厚い方が好ましい。しかし、厚す
ぎると、配線層間を接続するヴィア孔のアスペクト比
(深さと開口寸法との比)が増大して接続歩留まりが低
下する。現実には、(t2+t3)と同程度以上、好ま
しくは約2倍程度以上にするのがよい。
【0188】なお、本実施例では、熱伝導性絶縁膜10
0として窒化シリコン膜を使用したが、本発明はこれに
限定されず、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)膜も
使用可能である。アルミナは室温において21W/mK
と、シリコン酸化膜の約15倍の熱電導率を有する。そ
の他、シリコン酸化膜に比較して高い熱伝導率を有する
材料の膜、好ましくは、シリコン酸化膜に比較して3倍
程度以上好ましくは5倍程度以上の熱伝導率を有する材
料の膜を使用するのがよい。さらに、シリコン酸化膜に
比較して10倍程度以上の熱伝導率を有する材料を使用
して熱伝導性絶縁膜100を形成した場合に顕著な効果
が得られる。
【0189】また、本実施例では、低誘電率膜28をフ
ッ素化ポリイミドで形成した例を示したが、本発明はこ
れに限定されず、その他様々な低誘電率材料を使用する
ことが可能である。これらの材料の熱伝導率は材料によ
って異なるが、多くの場合シリコン酸化膜に比較して低
い。本発明の効果はシリコン酸化膜に比較して1/3程
度以下の熱伝導率を有する材料を使用して低誘電率膜2
8,102を形成した場合に顕著である。さらに1/5
程度以下の熱伝導率の材料を使用する場合に特に顕著な
効果が得られる。
【0190】以上、本発明の配線構造、および、この配
線構造の形成方法、ならびに、この配線構造を適用する
半導体集積回路について詳細に説明したが、本発明は上
記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲
において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろん
である。
【0191】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の配
線構造およびこの配線構造の形成方法は、基本的に、配
線層の配線間の第1絶縁層の上面の高さを、配線層の配
線の底面の高さよりも低く形成し、この第1絶縁層の低
く形成した領域および配線層の配線間に低誘電率膜を含
む第2絶縁層を形成したものである。従って、本発明の
配線構造およびこの配線構造の形成方法によれば、配線
間の電界の広がりが低誘電率の第2絶縁層内に制限さ
れ、配線間の実効誘電率を第2絶縁層の誘電率に近い値
まで下げることができるため、配線間の静電容量を効果
的に低減することができ、半導体装置を高速動作させる
ことができる。また、本発明の配線構造およびこの配線
構造の形成方法によれば、配線層の配線と低誘電率膜と
の間に下地膜を配線の側面の上端部における膜厚が下端
部における膜厚よりも薄く形成することによって、配線
間の間隔が微細になった場合にも、低誘電率膜で配線間
を良好に埋め込むことができるため、各種の新規な低誘
電率材料を使用して、配線間および配線層間の静電容量
をさらに効果的に削減することができる。さらに、本発
明の配線構造およびこの配線構造の形成方法によれば、
低誘電率膜の上に熱伝導性絶縁膜を形成することによっ
て、ジュール熱発生による局所的な配線温度の上昇を低
減し、エレクトロマイグレーション等の不良が発生する
のを防止することができ、配線の信頼性を向上させるこ
とができる。また、本発明の配線構造を適用する本発明
の半導体集積回路は、少なくとも2層以上の配線層を有
し、下層側の配線層の内、少なくとも1つの配線層にA
l系配線を適用し、上層側の配線層の内、少なくとも1
つの配線層を銅系配線層としたものである。従って、本
発明の配線構造を適用する半導体集積回路によれば、A
l系配線を用いて開発されたマクロセル等の資産を生か
し、かつ、銅系配線による配線抵抗の削減の効果によっ
て、高速動作が可能な半導体集積回路を、短い開発期
間、かつ、低開発コストで製造することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の配線構造の例を表す断面図である。
【図2】 従来の配線構造の他の例を表す断面図であ
る。
【図3】 (a),(b),(c)は、本発明の配線構
造の各形成工程を表す第1の実施例の断面図である。
【図4】 (d),(e)は、本発明の配線構造の各形
成工程を表す第1の実施例の断面図である。
【図5】 (a),(b),(c)は、本発明の配線構
造の各形成工程を表す第2の実施例の断面図である。
【図6】 (d),(e),(f)は、本発明の配線構
造の各形成工程を表す第2の実施例の断面図である。
【図7】 (a),(b),(c)は、本発明の配線構
造の各形成工程を表す第3の実施例の断面図である。
【図8】 (d),(e),(f)は、本発明の配線構
造の各形成工程を表す第3の実施例の断面図である。
【図9】 (g)は、本発明の配線構造の各形成工程を
表す第3の実施例の断面図である。
【図10】 (a),(b),(c)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第4の実施例の断面図である。
【図11】 (d)は、本発明の配線構造の各形成工程
を表す第4の実施例の断面図である。
【図12】 (a),(b),(c)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第5の実施例の断面図である。
【図13】 (d)は、本発明の配線構造の各形成工程
を表す第5の実施例の断面図である。
【図14】 (a),(b),(c)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第6の実施例の断面図である。
【図15】 (d),(e),(f)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第6の実施例の断面図である。
【図16】 (g)は、本発明の配線構造の各形成工程
を表す第6の実施例の断面図である。
【図17】 本発明の配線構造の形成工程を表す一実施
例の断面図である。
【図18】 (a),(b),(c)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第7の実施例の断面図である。
【図19】 (d),(e),(f)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第7の実施例の断面図である。
【図20】 (g),(h),(i)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す第7の実施例の断面図である。
【図21】 (j)は、本発明の配線構造の各形成工程
を表す第7の実施例の断面図である。
【図22】 (a),(b),(c)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表す別の実施例の断面図である。
【図23】 (d),(e)は、本発明の配線構造の各
形成工程を表す別の実施例の断面図である。
【図24】 (a),(b),(c)は、本発明の配線
構造の各形成工程を表すさらに別の実施例の断面図であ
る。
【図25】 (a),(b)および(c)は、本発明の
配線構造の各形成工程を表す第8の実施例の断面図であ
る。
【図26】 (a)および(b)は、各々Cu系配線を
使用しない製品および使用する製品の配線層構成の一例
を模式的に示す断面図である。
【図27】 長距離の信号配線の一例を示す模式図であ
る。
【図28】 クロック配線の一例を示す模式図である。
【図29】 電源バス配線の一例を示す模式図である。
【図30】 DRAMとロジック回路とを同一チップ上
に混載した半導体集積回路にCu系配線を使用した場合
の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
10,210 半導体基板 12,212 下地絶縁層 14,72 金属膜 16,54,58,68,98 レジストパターン 18,22,96,218 配線層 18a,18b,18c,22a,22b,22c,2
18a,218b,218c 配線 20,24,32,40,44,48,50,52,5
6,76,104,220 層間絶縁層 26,34,78,216 下地膜 28,36,62,80,88,102,228 低誘
電率膜 30,38,64,82,90 キャップ膜 42,46 シリコン酸化膜 60,84 ヴィア孔 66,86 絶縁層 70,92 溝 71 被覆膜 73,75 側壁膜 74,94 プラグ 100 熱伝導性絶縁膜 106,108,110 Al系配線層 112,114 Cu系配線層 116 半導体集積回路チップ 118,126 回路ブロック 120 I/Oセル 122,124 長距離信号配線 128 発振回路 130 クロック配線 132 セルアレイ 134,136,138 電源バス 140 メモリセルアレイ 142 センスアンプアレイ 144 DRAM 146 ロジック回路ブロック 148 データ配線 229 ボイド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体集積回路に適用される配線構造であ
    って、 半導体基板の上に形成された第1の絶縁層と、この第1
    の絶縁層の上に形成され、少なくとも1つの隣接する配
    線を含む配線層と、少なくとも前記配線層の隣接する配
    線の間に形成され、シリコン酸化膜よりも低い誘電率を
    持つ低誘電率膜を含む第2の絶縁層とを有し、 前記隣接する配線の間に形成された前記第2の絶縁層の
    底面の高さは、前記隣接する配線の底面の高さよりも、
    前記隣接する配線間の間隔の20%以上低く形成されて
    いることを特徴とする配線構造。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の配線構造であって、 前記第2の絶縁層は、前記配線層の配線と前記低誘電率
    膜との間に、さらに、少なくとも前記隣接する配線の上
    面および側面上に形成された下地膜を含み、 この下地膜は、前記隣接する配線の側面の上端部におけ
    る膜厚が下端部における膜厚よりも薄く形成されている
    ことを特徴とする配線構造。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の配線構造であっ
    て、 前記低誘電率膜は、前記隣接する配線上にも形成され、 前記第2の絶縁層は、さらに、前記低誘電率膜の上に形
    成された熱伝導性絶縁膜を含み、 この熱伝導性絶縁膜は、シリコン酸化膜の熱電導率より
    も高い熱電導率を持つことを特徴とする配線構造。
  4. 【請求項4】半導体集積回路に適用される配線構造の形
    成方法であって、 半導体基板の上に第1の絶縁層を形成し、この第1の絶
    縁層の上に、少なくとも1つの隣接する配線を含む配線
    層を形成し、この隣接する配線の間に形成された前記第
    1の絶縁層の上面の前記隣接する配線間の間隔の20%
    以上の膜厚の領域を除去した後、少なくとも前記配線層
    の隣接する配線の間に、シリコン酸化膜よりも低い誘電
    率を持つ低誘電率膜を含む第2の絶縁層を形成すること
    を特徴とする配線構造の形成方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の配線構造の形成方法であ
    って、 前記第2の絶縁層を形成するに際し、前記低誘電率膜を
    形成する前に、さらに、前記隣接する配線の上面および
    側面上に下地膜を、前記隣接する配線の側面の上端部に
    おける膜厚が下端部における膜厚よりも薄くなるように
    形成し、その後、この下地膜の上に、かつ、少なくとも
    前記配線層の隣接する配線の間に、前記低誘電率膜を形
    成することを特徴とする配線構造の形成方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載の配線構造の形成
    方法であって、 前記第2の絶縁層を形成するに際し、前記低誘電率膜を
    前記隣接する配線上にも形成されるように形成した後
    に、さらに、シリコン酸化膜の熱電導率よりも高い熱電
    導率を持つ熱伝導性絶縁膜を形成することを特徴とする
    配線構造の形成方法。
  7. 【請求項7】少なくとも2層以上の配線層を有し、 下層側の配線層の内、少なくとも1つの配線層は、請求
    項1〜3のいずれかに記載の配線構造を適用するアルミ
    ニウムもしくはアルミニウム合金を主体とするアルミニ
    ウム系配線層であり、上層側の配線層の内、少なくとも
    1つの配線層は、銅もしくは銅合金を主体とする銅系配
    線層であって、 この銅系配線層の配線を用いて、長距離信号配線、クロ
    ック配線、および、電源バス配線の内の少なくとも1つ
    が形成されていることを特徴とする半導体集積回路。
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