JPH1188185A - 高品質オーディオ用短時間遅延変換エンコーダ及びデコーダ - Google Patents

高品質オーディオ用短時間遅延変換エンコーダ及びデコーダ

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JPH1188185A
JPH1188185A JP10158420A JP15842098A JPH1188185A JP H1188185 A JPH1188185 A JP H1188185A JP 10158420 A JP10158420 A JP 10158420A JP 15842098 A JP15842098 A JP 15842098A JP H1188185 A JPH1188185 A JP H1188185A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分析・合成ウインドウ対・適応変換係数量子
化及び適応ビット割当てを用いて、高品質音楽を低ビッ
トレート(128kb/s)で符号化する。 【解決手段】 広帯域オーディオ信号は、時間領域のサ
ンプル・ブロックに標本化、量子化101され、その後
各サンプルブロックは分析ウインドウ103で変調され
た後、周波数領域のスペクトル成分が分析ウインドウに
よって重み付けされた時間領域サンプル・ブロックに応
答して発生される。各変換係数は適応ビット割当て10
6を行う変換コーダによって不均一に量子化108さ
れ、これらの係数は、記憶又は伝送に適するフォーマッ
ト109を有するデジタル出力にアセンブル110され
る。デコーダはエンコーダ中の時間領域スペクトルの要
素に対し遊特性の要素により周波数領域のスペクトルに
応答して時間領域信号サンプル・ブロックを発生し、合
成ウインドゥ115、重複加算要素116で復元され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概して、音楽のような
オーディオ信号を高品質低ビットレートでディジタル処
理することに関する。特に、本発明は、音楽信号用の変
換エンコーダ及びデコーダに関する。当該エンコーダ及
びデコーダは、短い信号伝播遅延を有する。話者が自身
の声をモニタしなければならない放送用音声のような用
途では、短い遅延時間が重要である。音声フィードバッ
クの遅れは、当該遅れが非常に短くない限り、スピーチ
に重大な混乱を生じる。
【0002】
【従来の技術】先行技術における変換符号化では、耳障
りな可聴ひずみを生じることなく低ビットレートを達成
するために、長い信号サンプル・ブロック長を用い
た。、例えば、EP 0 251 028に開示されて
いる変換コーダでは、1024サンプルのフロック長を
用いている。短いブロック長を用いると変換コーダの選
択性が劣化するので、長いブロック長が必要であった。
フィルタの選択性は肝要である。何故ならば、十分なフ
ィルタバンク(列)選択性を有する変換コーダでは、聴
感上の音響心理的なマスキング性を利用して、符号化さ
れる信号の本質的な品質を劣化させることなくビットレ
ートの要件を低減させることができるからである。
【0003】長いブロック長を用いるコーダは、2つの
問題に悩まされる。すなわち、(1)変換ブロック全体
にわたる過渡的効果の一時的な拡がりによって引き起こ
される大きな過渡現象を有する可聴ひずみの問題と、
(2)符号化及び復号過程における信号の極端な伝播遅
延の問題とである、先行技術のコーダにおいては、話者
が自身の声をモニタしなければならない放送用音声のよ
うな用途に対しては、これらの処理遅延は余りにも大き
過ぎる、音声フィードバックの遅延は、当該遅延を非常
に短く保たない限り、スピーチに重大な混乱を生じる。
【0004】本発明の背景技術については、以下の背景
技術の概括において更に詳細に論考する。
【0005】信号処理の分野では、所与の信号を十分に
表現するのに必要な情報の量を最小化する方法を発見す
るために大きな関心が払われている。必要な情報を低減
させることによって、信号をより狭い帯域で伝送した
り、より少ない空間内に記憶することができる。ディジ
タル技法に関して、最小情報要件とは、最小2進ビット
要件と同義である。
【0006】ビットの削減要件は、2つの因子によって
制限される。すなわち、(1) 帯域幅Wの信号は、2
×Wより低くない周波数で標本化された一連のサンプル
によって、正確に表現される。これが、いわゆるナイキ
ストのサンプリング・レートである。したがって、帯域
幅Wを有する、T秒間の長さの信号を正確に表現するた
めには、少なくとも2×WXTの数のサンプルが必要で
あり、(2) 信号サンプルの量子化には連続する範囲
のどのような数値をも取り得るが、この数値によって
は、量子化段の規模又は分解能力に比例する、不正確な
信号の表現を生じる。この不正確さは量子化誤りと呼ば
れる。この誤りは、信号サンプル量子化の表現に利用で
きるビットの数に反比例することである。
【0007】もし全帯域幅に対して符号化技法が適用さ
れると、総ての量子化誤りは、雑音として顕われるが、
帯域幅全体にわたって均等に拡散する。スペクトルの選
択された部分に適用できる技法によって、量子化雑音の
スペクトルの拡散を制限することができる。2つの周知
の技法、サプバンド符号化及び変換符号化については、
IEEE学会誌1879年ASSP−27巻10月号の
512ページから530ページまでのトゥリボレー及び
クロジエールによる論文、「言語音声の周波数領域符号
化」(Tribolet and Crochie・e, “Frequency Domain C
oding of Spee-ch”,IEEE Trans. on Acoust., Speec
h, Signal Proc., vol. ASSP-27, October, 1979, pp.
512-30)で論じられている。このような技法としては、
サブバンド符号化、及び変換符号化の2種がある。これ
らの技法を用いることによって、量子化雑音が特に耳障
りな特定の周波数帯において当該周波数帯を小さい段で
量子化することにより、量子化誤りを低減させることが
できる。
【0008】サブバンド符号化は、一連のディジタル帯
域フィルタのバンク(列)によって実現することができ
る。変換符号化は、ディジタル帯域フィルタバンクをシ
ミュレートする幾つかの時間領域対周波数領域変換を任
意に行うことによって実現することができる。変換は、
ディジタル・フィルタよりも実現が容易であり、計算処
理及びハードウエアも少なくて済むが、変換係数で表わ
される帯域フィルタの「周波数ビン」の各々が均一な帯
域幅を有する点で設計上の柔軟性に欠ける。これと対照
的に、ディジタル帯域フィルタバンクは、種々のサブバ
ンド帯域幅を持つように設計することができる。しか
し、変換係数は、単一の変換係数帯域幅の乗数である帯
域幅を有する「サブバンド」を決定すべく、共にグルー
プ化することができる。以下、当明細書では、「サブバ
ンド」という用語は、サブバンド・コーダ、又は変換コ
ーダの何れで実現されるにせよ、全信号帯域幅の選択さ
れた部分を指すものとして用いる。変換コーダで実現さ
れるサブバンドは、1っ又は2っ以上の隣接する変換係
数又は周波数ビンの1組によって決定される。変換コー
ダの周波数ビンの帯域幅は、変換コーダのサンプリング
・レートと、各信号サンプル・ブロック(変換長)中の
サンプル数とに依存する。
【0009】トゥリボレー及びクロジエールは、サブバ
ンド帯域フイルタの2つの特性がサブバンド間の信号漏
洩の量に影響を与えるので、これら2つの特性がサブバ
ンド・コーダ系の性能には特に重大であることに注目し
た。その第1は、フィルタの通過帯域と阻止帯域との間
の領域の帯域幅(僊移帯域)である。第2は、阻止帯域
での減衰レベルである。本明細書中で用いているよう
に、フィルタの「選択度」の尺度は、僊移帯域内のフィ
ルタ応答特性曲線の鋭さ(僊移帯域ロールオフの鋭さ)
と、阻止帯域での減衰レベル(阻止帯域の深さ)とであ
る。
【0010】トゥリボレー及びクロシエールの論文か
ら、サブバンド間の漏洩は、それによってスペクトル分
析の結果が狂わされ、得られるスペクトル形状に応答し
て行われる符号化の決定に悪い影響を与えるので、サブ
バンド・コーダ系の性能に対して特に重要であることが
分かっている。かかる漏洩によって周波数領域エイリア
シングをも生じる。これらの効果については、以下で更
に詳細に論考する。
【0011】サブバンド帯域フィルタの2つの特性、す
なわち、僊移帯域ロールオフの鋭さと阻止帯域排除の深
さとは、耳が可変中心周波数を持つ極度に非対象な同調
されたフイルタの周波数分析特性と類似の特性を示すの
で、特に重大である。耳の同調フィルタの周波数分解能
力は、オーディオ・スペクトル全体にわたって周波数に
つれて変わる。約500Hz以下の周波数においては、
共に接近して存在する複数の信号を耳は識別することが
できるが、可聴限界へと周波数が上昇するにつれて、識
別可能な信号間の周波数の幅は拡がる。このような聴覚
上のフィルタの有効帯域幅は、臨界帯域と呼ばれる。こ
の臨界帯域の重要な特質は、音響心理学的マスキング効
果が臨界帯域内で最も強く顕れること、すなわち、臨界
帯域内の何処でも他のあらゆる周波数の信号に対する可
聴性が、臨界帯域内の支配的な信号によって抑制される
ことである。臨界帯域の外側にある信号はそれ程強くは
掩蔽されない。この概要については、サン・フランシス
コのマッグロウヒル社1988年出版の、K.ブレア・
ベンソン編、「オーディオ.エンジニアリング・ハンド
ブック」の1.40ぺージから1.42ぺージまでと、
4.8ぺージから4.10ぺージまでと(Audio Engine
ering Handbook, K. Balir Benson ed., McGraw-Hill,
San Fransisco, 1988)を参照のこと。
【0012】音響心理学的マスキングは、もし可聴スペ
クトル全体を通してサブバンド帯域幅がこのスペクトル
の同一部分における耳の臨界帯域幅の約半分であるなら
ば、サブバンド及び変換コーダによって更に容易に達成
される。何故ならば、耳の臨界帯域には聴覚上の刺激に
順応する可変の中心周波数があるのに対して、サブバン
ド及び変換コーダは典型的に固定の中心周波数を具えて
いるからである。音響心理学的マスキング効果を利用す
る機会を最適化するために、支配的信号の存在によって
生じる総ての人工的ひずみは、支配的信号を含むサブバ
ンドに制限されなければならない。もしサブバンド帯域
が臨界帯域の約半分又はそれより小さければ(また、も
し、僊移帯域ロールオフが十分に鋭く、阻止帯域排除が
十分に深ければ)、サブバンド通過帯域の帯域幅の縁の
近くに周波数がある信号に対してさえも、望ましくない
ひずみに対する最も効果的なマスキング効果が生じる可
能性がある。もしサブバンド帯域幅が臨界帯域の半分よ
り大きければ、支配的信号によって耳の臨界帯域がコー
ダのサブバンドから偏位させられて、耳の臨界帯域の外
側にある望ましくないひずみの幾分かが掩蔽されない可
能性がある。これらの効果は、耳の臨界帯域が狭くなる
低い周波数においては、最も耳障りである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】変換符号化の性能は、
信号サンプル・ブロック長と、変換符号誤りと、エイリ
アシング相殺とを含む、幾つかの要因に依存する。
【0014】ブロック長 変換関数は変換を行う前に全ブロック中の総ての信号サ
ンプルを受取るまで待たなけれぱならないことから、エ
ンコーダ及びデコーダ系における理論的な最少の時間遅
延は信号ブロック長の2倍である、実際の系では、計算
によって更に遅延が追加されるので、この時間の期間は
信号ブロック長の3倍乃至4倍にもなり得る。したがっ
て、もしエンコーダ及びデコーダ系が短時間の伝播遅延
を必要とする環境で動作しなければならないのであれ
ば、短い信号ブロック長が要求される。ブロック長が短
くなるにつれて、変換エンコーダ及びデコーダの性能
は、結果的に周波数ビンが拡がることによるばかりでは
なく、帯域フィルタの周波数ビンの応答特性の劣化、す
なわち、(1)僊移帯域ロールオフ率の減少と、(2)
阻止帯域排除の水準の減少とによっても、不利な影響を
受ける。帯域フィルタのこの特性劣化によって、隣接す
る周波数ビンにおいて望ましい信号に応答して生じる望
ましくない変換係数の生成、若しくは、変換係数に対す
る望ましくない寄与に帰着する。これらの望ましくない
寄与は、サイドローブ漏洩と呼ばれる。
【0015】かくして、サンプリング・レートによって
は、ブロック長を短くすることにより、或る周波数又は
全周波数、特に低い周波数において、名目上のフィルタ
帯域幅が耳の臨界帯域幅を超えることになる。たとえこ
の名目上のサブバンド帯域幅が耳の臨界帯域幅よりも狭
くとも、広がった僊移帯域、貧弱な阻止帯域排除の形で
顕れる劣化したフィルタ特性によって、耳の臨界帯域幅
の外側に顕著な信号成分が現れる。このような場合に
は、この系の他の側面、特に量子化精度面で、通常、よ
り大幅な制約を受ける。
【0016】短いブロック長によって生じるもう1つの
不利益は、次の節に述べる変換符号化誤りの悪化であ
る。
【0017】変換符号化誤り 離散変換は信号の有限のセグメントにしか作用しないの
で、離散変換では完全に正確な1組の周波数係数は生み
出されない。厳密に言うと、離散変換では、入力時間領
域信号の表現について、無限の変換長が必要になる真正
の周波数領域表現ではなく、時間・周波数表現が作り出
される。しかしながら、ここでの議論の便宜上、離散変
換の出力を周波数領域表現と呼ぶこととしよう。実際に
は、離散変換では、標本化信号は周期が有限のサンプル
期間の約数である周波数成分を持つのみであると仮定し
ている。これは、有限長の信号が周期性のものであると
仮定することに等しい。この仮定は一般的に正しくな
い。この仮定された周期性によって、有限時間期間の縁
において不連続性が生じ、これにより変換において擬似
の高い周波数が生じる。
【0018】この効果を最小化する1つの技法は、期間
の縁の近くのサンプルが0に近くなるように信号サンプ
ルを重み付けることによって、変換を行う前に非連続性
を低減することである。期間の中心にあるサンプルは一
般的に変更せずに、すなわち、係数1で重み付けて通過
させる。この重み付け関数は、「分析ウインドウ」と呼
ばれ、どのような形状でも良いが、幾つかのウインドウ
はサブバンドのフィルタ性能に一層有利に寄与する。
【0019】本明細書で用いているように、「分析ウイ
ンドウ」という用語は、順方向変換を適用する前に行わ
れるウインドウ処理関数を指しているに過ぎない。下で
論考するように、本発明中で用いる分析ウインドウの設
計は、合成ウインドウ設計要件によって制約される。し
たがって、広く同じ用語が用いられている当分野の「分
析ウインドウ」の設計及び性能特性は、本発明で実施さ
れている分析ウインドウとは異なる。
【0020】ウインドウの質を評価するのに用いること
ができる単一の条件はないが、他方、一般的な条件に
は、僊移帯域ロールオフの鋭さと阻止帯域の深さとが含
まれる。或る種の用途においては、鋭いロールオフと深
い阻止レベルとを交換する能力が有益な特質となる。
【0021】分析ウインドウは時間領域関数である。も
し他の補償が行われなければ、復元若しくは「合成」さ
れる信号は、分析ウインドウの形状に従ってのひずみを
受ける。補償方法には幾つかあるが、例えば、以下のと
おりである。
【0022】(a) 復元された信号期間又はブロック
を、逆ウインドウ、すなわち、その重み付け係数が分析
ウインドウの重み付け係数の逆数であるウインドウで、
乗じる。この技法の短所は、分析ウインドウがその縁で
0にならないことを明確に必要とすることである。
【0023】(b) 連続的な入力信号ブロックを重複
させる。2つの隣接するウインドウが重複部分を横切っ
て一体的に合算されるように分析ウインドウを注意深く
設計することによって、このウインドウの効果は正確に
補償される。(しかし、次の節を参照のこと)。離散フ
ーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)の
ような或る形式の変換と共に用いる時には、この技法で
は、重複期間中の信号の一部を変換し、かっ2度伝送し
なければならないので、当該信号を表わすのに必要なビ
ット数が増加する。これらの形式の変換に対しては、可
能な限り小さい重複期間を有するウインドウを設計する
ことが望ましい。
【0024】(c) 信号の合成、又はデコーダ中で行
われる復号でも同様に、合成濾波が必要となろう、IE
EE学会誌1980年2月号ASSP−28の99ペー
ジから102ページまでのクロシエールによる論文、
「短時間フーリエ分析・合成の重み付け重複・加算方
法」(Crochie-re,“A Weighted Overlap-Add Method
ofShort-Time Fourier Analysis/Synthesis”, IEEE Tr
ans., Spee-ch, and Signal Proc., vol. ASSP-28, Feb
ruary, 1980, pp.99-102)で論考されているように、合
成ウインドウで重み付けられた重複・加算方法によって
合成内挿濾波を効率的に実行することができる、このよ
うに、変換を実行する幾つかのサブバンド・エンコーダ
では、本発明の好ましい実施例で用いるエンコーダを含
めて、重複・加算を伴う合成ウインドウ処理を用いる。
更に、量子化誤りによって、有限時間期間の縁において
0とならない時間領域信号が逆変換に生じる。これをそ
のままにして置くと、この誤りによって、復元される時
間領域信号はウインドウ重複期間内で最も強く歪まされ
る。縁で各合成信号ブロックを整形するために、合成ウ
インドウを用いることもできる。この場合、当該信号は
分析及び合成ウインドウで処理される。すなわち、当該
信号はこれら2つのウインドウの積によって重み付けら
れる。したがって、この2つのウインドウの積が重複部
分を横切って一体的に合算されるように、両方のウイン
ドウが設計されなければならない。これについては、前
節における論考を参照のこと。
【0025】短い変換サンプル・ブロックでは、上記の
分析及び合成ウインドウに対してより大きな補償要件が
課される。変換サンプル・ブロックが短くなるにつれ
て、フィルタの僊移帯域及び阻止帯域を通してのサイド
ローブ漏洩が一層多くなる。良く整形された分析ウイン
ドウではこの漏洩が低減される。
【0026】サイドローブ漏洩は望ましくない。何故な
らば、サイドローブ漏洩によって、変換においてフィル
タの通過帯域の外側の信号成分の周波数を誤って表現す
るスペクトル係数が生じるからである。この表現誤りが
エイリアシングと呼ばれるひずみである。
【0027】エイリアシング相殺 ナイキストの理論では、サンプル間の期間が信号の最高
周波数成分の期間の半分より短ければ、離散サンプルか
ら信号を正確に復元できると考える。サンプリング・レ
ートがこのナイキスト・レートよりも小さければ、高い
周波数成分は低い周波数成分として誤って表わされる。
この低い周波数成分が真正成分に対する誤差である。
【0028】サブバンド・フィルタ及び有限ディジタル
変換は、完全な通過帯域フィルタではない。通過帯域と
阻止帯域との間の僊移は無限に鋭いものではなく、阻止
帯域中における信号減衰は無限に大きくはない。その結
果、通過帯域で濾波された入力信号が通過帯域遮断周波
数によって示されるナイキスト・レートで標本化される
としても、この遮断周波数よりも高い健移帯域中の周波
数は忠実には表現されない。
【0029】エイリアシングひずみが逆変換によって自
動的に相殺されるように分析及び合成フィルタを設計す
ることは可能である。時間領域内の直角位相ミラー・フ
ィルタにはこの特性がある。本発明の好ましい実施例で
用いられている変換コーダは、ノース・ホランドのエル
ゼフィ工科学出版社1987年出版の「音声通信」第6
巻299ページから308ページまでの、ジョンソンと
ブラッドリーによる、「時間領域エイリアシング消去を
含む適応変換符号化」(Johsonand Bradley.,“AdaPtiv
e Transform Coding Incorporating Time Domain Alia-
sing Cancellation”, Speech Communications, vol 6,
North Holland: Elsevier Science Publishers, 1987,
pp. 229-308)の中で論考されているものであるが、こ
れによってもまた、エイリアシングひずみは相殺され
る。
【0030】サンプル・ブロック長を短くすればする
程、その結果として発生する聴取可能な変換コーダ中の
エイリアシングひずみを抑制するのが一層困難になる。
上で説明したように、短いサンプル・ブロック長によっ
てフィルタ特性が劣化する。すなわち、通過帯域幅が広
がり、通過帯域対阻止帯域の僊移がより鋭さを失い、阻
止帯域排除特性が劣化する。その結果、エイリアシング
がより一層目立つようになる。もしエイリス成分が不十
分な正確さで符号化され復号されると、これらの符号化
誤りによって、エイリアシングひずみを逆変換で完全に
相殺することが妨げられる。残留エイリアシングひずみ
は、音響心理学的に掩蔽されない限り聴取可能なものと
なろう、しかし、サンプル・ブロックを短くすることに
よって、変換周波数ビンの幾つかは、特に聴覚上の臨界
帯域が最大の分解能力を有する低い周波数において、聴
覚上の臨界帯域よりも広い通過帯域を具えることにな
る。この結果として、エイリアシングひずみを掩蔽する
ことができない。このひずみを極少化する1つの方法
は、問題のサブバンド中での量子化精度を向上させるこ
とであるが、それによって必要なビットレートは増加す
る。
【0031】ビットレート低減技法 上で挙げた2つの要因(ナイキスト・サンプル・レート
及び量子化誤り)によって、特定品質の信号伝送又は記
憶に対するビットレート要件を決定すべきである。しか
し、各種技法を利用して、所与の信号品質に必要なビッ
トレートを低減することができる。これらの技法では、
信号の冗長性と無関係性を利用する。信号が予見できる
ものであるか、若しくは他の方法で受信機から得られる
ものであるならば、その信号成分には冗長性がある。も
し或る信号成分が特定品質の表現を達成するために不要
ならば、その信号成分は無関係である、当技術で用いら
れる幾つかの技法には、以下の事柄が含まれる。
【0032】(1) 予測:信号の周期的乃至は予知可
能な特性によって、現在の信号又は先行する信号の特性
に基づいて、幾つかの成分を受信機に予期させることが
できる。
【0033】(2) エントロピー符号化:省略符号に
よって、高い発生磯率の成分を表現することができる。
この場合、送信機及び受信機の両方とも、同一のコード
・ブックを備えていなければならない。エントロピー符
号化及び予知には、計算の複雑さと処理による遅延とが
増大する短所がある。また、エントロピー符号化及び予
知では、本来、可変伝送速度の出力が与えられるので、
もし一定ビットレート系で用いるのであれば緩衝する必
要がある。
【0034】(3) 不均一符号化:対数又は不均一量
子化段による表現によって、量子化誤りが大きくなると
いう犠牲の下で、より少ないビットで大信号値の符号化
を行うことが可能になる。
【0035】(4) 浮動小数点:浮動小数点表現によ
って、精度が下がるという犠牲の下で、ビット要件を低
減することができる。ブロック浮動小数点表現では、1
ブロックの浮動小数点仮数に対して1つの位取り因子又
は指数を用いる。また、ブロック浮動小数点表現は、時
間領域信号を符号化する際に広く用いられる。浮動小数
点は、不均一符号化の特異例である。
【0036】(5) ビット割当て:正確さに対する受
信機への要求は、時間、信号内容、強さ、又は周波数に
伴って変化する。例えば、話し声のより低い周波数成分
は、通常、話し言葉を理解し話者を認識する上で一層重
要であるので、より高い周波数成分よりも一層高い精度
で伝送されなければならない、音楽信号に関しては、別
の基準が適用する。ビット割当てについての幾つかの一
般基準は、以下のとおりである。
【0037】(a) 成分変動:最大レベルの交流電力
を持っ変換係数に対しては、より多くのビットを割り当
てる。
【0038】(b) 成分値:最大振幅又はエネルギー
を持っ周波数帯を表現する変換係数に対しては、より多
くのビットを割り当てる。
【0039】(c) 音響心理学的マスキング:他の信
号成分によって量子化誤りが掩蔽される(分裂聴感)信
号成分に対しては、より少ないビットを割り当てる。こ
の技法は、可聴信号が人が聴取することを目的として企
図されている用途で、その特質を発揮する。マスキング
は、音楽信号のような多重音信号及び複号波形よりも、
単音信号に関して最も良く認識される。
【0040】問題の要約 上述の議論は真正のサブバンド・フィルタ・バンクを用
いるか、若しくは時間領域対周波数領域変換を用いるか
の何れかによって実現されるサブバンド・コーダに適用
されるものであるが、本発明の好ましい実施例に関する
議論を単純にし、問題を一層明確に識別するために、以
下の要約の大部分は変換が実行されるコーダに対してと
りわけ適切なものである。
【0041】サブバンドによる適応ビット割当てを用い
るサブバンド符号化は、トゥリボレーとクロシエールに
よって既知のものとなっているが、この符号化技法には
幾つかの制約があり、それにより、音楽のような高品質
のオーディオ信号のための短遅延時間エンコーダ・デコ
ーダ系には適しないものとされている。第1の問題は、
この符号化技法ではビット割当て及び量子化段の規模を
スピーチの特性に依存させているので、高品質の音楽信
号には適しないことである。
【0042】第2の問題は、符号化された信号には、サ
ブバンドのビット割当てを決定するために受信機及びデ
コーダによって要求される副次的情報の形で、余分なビ
ットが含まれることである。
【0043】第3の問題は、この符号化技法では、変換
係数分散のみに従ってビットを割り当てているので、音
響心理学的マスキング効果を十分に活用していないこと
である。このビット割当てでは、信号内容と共に変化す
る音響心理学的マスキングしきい値を考慮していない。
更に、このビット割当て技法では、スペクトル漏洩が生
じ易い、大きなスペクトルを有するサブバンドに隣接す
るサブバンドに対してビットを割り当てないので、フィ
ルタ・バンクに高い選択性が必要になる。
【0044】第4の問題は、より長い分析ウインドウを
用いることによってフィルタ・バンクの高い選択性を実
現することはできるが、時間領域エイリアシングを避け
るために、変換ブロック長よりも長くないウインドウを
用いるように符号化技法が制約されることである。その
結果、3kHzの帯域の信号に対して必要なフィルタ・
バンクの選択度は、8kHzのレートで標本化される2
56サンプルのサンプル・ブロック長を用いて達成され
る。15kHzの帯域幅の信号に対して同じフィルタ・
バンク選択度を達成するには、コーダでは40kHzの
レートで標本化される少なくとも1280サンプルのサ
ンプル・ブロック長を用いなければならない。したがっ
て、トゥリボレーとクロシエールの符号化技法によって
実現されるエンコーダ・デコーダを通してのブロック遅
延は少なくとも64msになる。総合的な信号伝播の遅
延量は、符号化及び復号を行うのに必要な時間によって
更に増加する。
【0045】この伝播遅延量は、オペレータヘの実時間
の音声のフィードバックが必要な(放送用音声のよう
な)用途での使用にとっては余りにも大き過ぎる。話し
手の声が遅延して自身の耳にフィードバックされると、
この遅延が非常に短いものでない限り、スピーチ妨害を
生じる。この例として、アメリカ音響学会誌1950年
11月、第22巻、第6号、824ページから826ペ
ージまでのバーナード・S・リーによる論文、「遅延音
声フィードバックの効果」(“Effectsof Delayed Spee
ch Feedback”,Journal of the Acoustical Soc. of Am
erica, vol. 22,No.6, PP. 824-826)を参照のこと。リ
ーは、40msの音声フィードバックの遅延によって顕
著なスピーチ妨害を生じることを示しており、彼の経験
的データの補外では、スピーチ妨害を避けるためには遅
延は約10msを超えるべきではないと示唆している。
【0046】第5の問題は、符号化された信号が伝送又
は記憶の最中に遭遇する雑音による悪化に対して脆弱な
ことである。この符号化技法では、誤差を検出し訂正す
ることについても、また、符号化された信号を、このよ
うな雑音の効果を限度内に止めるような方法でフォーマ
ット化することについても、何も備えがない。
【0047】ジョンソンとプラツトレイによって提示さ
れている符号化技法では、時間領域エイリアシング消去
を行なう時、間領域対周波数領域変換を利用することに
よって、トゥリボレーとクロジエールの符号化技法を改
良している。この消去によって、変換長よりも長い分析
ウインドウをコーダで用いることが可能となり、これに
よって、フィルタ・バンクの選択性を改良している。し
かし、この符号化技法は、スピーチの信号を符号化する
ことを意図したもので、高品質の音楽信号を符号化する
ためには十分には適しない。この符号化技法では、信号
セグメントを分析する「調製期間」中に習得されるスペ
クトル特性に依存している。
【0048】更に、より長い分析ウインドウを用いるこ
とによってフィルタ・バンクの高い選択性を実現するこ
とができるが、ジョンソンとブラッドレイの符号化技法
では変換ブロック長の2倍よりも長いウインドウを用い
ることはできない。しかし、ジョンソンとブラッドレイ
の提示を実施する際には、実現可能な最長の分析ウイン
ドウをコーダに用いることはできない。量子化符号ブロ
ックの規模を実施上の長さに抑制するためには、理論的
な最大値よりも短い、準最適のウインドウを用いなけれ
ばならない。その結果、3kHzの帯域幅の信号に対し
て必要なフィルタ・バンクの選択度は、8kHzのレー
トで標本化される128サンプルのサンプル・ブロック
長を用いて達成される。15kHzの帯域幅の信号に対
して同じフィルタ・バンク選択度を達成するには、コー
ダでは40kHzのレートで標本化される少なくとも6
40サンプルのサンプル・ブロック長を用いなければな
らない。したがって、ジョンソンとブラットレイの符号
化技法によって実現されるエンコーダ・デコーダ系をと
おしてのブロック遅延量は、少なくとも32msにな
る、総合的な信号伝播遅延量は、符号化及び複号を行う
のに必要な時間によって一層大きなものとなる。上で論
じたように、この伝播遅延量は、オペレータヘの実時間
の音声のフィードバックが必要な用途での使用には適し
ない。
【0049】コー及びザイディアス(Koh and Xydeas)
によるEP 0 176 243号では、変換及びサブ
バンド・コーダで用いることができる適応ビット割当て
技法が開示されている。この割当て技法では、符号化さ
れた信号中に副次的情報の形式での余分なビットを一切
必要としないが、トゥリボレーとクロジエールの符号化
技法の場合と同様に変換係数の分散にのみに従ってビッ
ト割当てを行うので、音響心理学的マスキング効果を十
分には利用していない。これに加えて、この符号化技法
は、スピーチの信号を符号化することを意図したもので
あり、演習期間の信号セグメントに応答して構成される
固定割当てパターンに従ってサブバンドに対するビット
割当てを行うので、高品質の音楽信号を符号化するため
には十分には適しない。
【0050】更に、7kHzの帯域幅の信号に対して必
要なフィルタ・バンクの選択度は、14kHzのレート
で標本化される128サンプルのサンプル・ブロック長
を用いて達成される。15kHzの帯域幅の信号に対し
て同じフイルタ・バンク選択度を達成するには、30k
Hzのレートで標本化される少なくとも274サンプル
のサンプル・ブロック長をコーダで用いなければならな
い。したがって、コーとザイディアスの符号化技法で実
現されるエンコーダ・デコーダ系を通してのフロック遅
延量は、少なくとも18msになる。総合的な信号伝播
遅延は、符号化及び複号を行うのに必要な時間によっ
て、一層大きなものとなる、上で論じたように、この伝
播遅延は、オペレータヘの実時間の音声のフィードバッ
クが必要な用途での使用には適しない。
【0051】フェルトボイス、ヴァント・デル・ヴァー
ル、及びブロイワー(Veldhuis, Vand Der Waal, and B
reeuwer)によるEP 0 289 080号では、Q
MFフィルタ・バンクを用いて実現されるサブバンド符
号化技法が開示されている。この符号化技法は、高品質
の音楽信号の符号化を意図したものである、適応ビット
割当てでは、符号化された信号中に副次的情報の形式で
の余分なビットを一切必要としないが、固定で、信号内
容に対して独立のサブバンドの聴取可能なしきい値に従
ってビット割当てを行うので、音響心理学的マスキング
効果を十分には利用していない。総ての条件下でサブバ
ンドが聴取下能であることが分かっている時にのみビッ
トが再割当てされるので、ビット割当ては必ずしも常に
適応的ではない。
【0052】更に、この符号化技法は、必要な合計ビッ
トよりもビット数が少ない時には割当てのために選択さ
れるサブバンド中の総てのサンプルに対して使用可能な
ビットを割り当てることができないので、このビット割
当ては準最適である。この技法もまた、スペクトル漏洩
が生じ易い大きなスペクトルを有するサブバンドに隣接
するサブバンドに対してはビットを割り当てない。
【0053】フェルトボイスらによって開示されている
符号化技法もまた、オペレータヘの実時間の音声フィー
ドバックが必要な用途での使用には適しない。ビット割
当ては、46msの信号サンプルのブロックから誘導さ
れる情報に基づいている。したがって、このフェルトボ
イスの符号化技法を用いて実現されるエンコーダ・デコ
ーダ系を通してのブロック遅延量は、少なくとも92m
sである。総合的な信号伝播遅延量は、符号化及び複号
を行うのに必要な時間によって一層大きなものとなる、
上で論考したように、この伝播遅延量は、オペレータヘ
の実時間の音声のフィードバックが必要な用途での使用
には適しない。
【0054】
【課題を解決するための手段】オペレータに対する音声
の実時間でのフィードバックに用いるのに十分な程度に
小さい信号伝播遅延量を有し、伝送通路による信号の悪
化に対して高度の耐性を有する、符号化及び復号要素を
用いて、広帯域のオーディオ情報、とりわけ、音楽のデ
ィジタル処理を行うことが本発明の目的である。
【0055】この目的は、それぞれ請求項記載のエンコ
ーダ及びデコーダを用いて達成される。すなわち、例え
ば、放送用のオーディオ・ネットワークのような用途に
見合う高品質音楽の伝送又は記憶及び再生に適するよう
な符号化及び復号要素を提供し、コンパクト・ディスク
で得られるのと本質的に同程度の、良好な品質の再生を
行い、低ビットレートを有するディジタル処理系中で実
施されるような、符号化及び復号要素を提供し、符号化
された信号を記憶するのに少量の空間しか必要としない
ディジタル処理系で実現されるような、符号化及び復号
要素を提供し、ディジタル処理系中で実現される符号化
及び復号要素であって、短い変換ブロックを有する変換
符号化を用いて短い信号伝播遅延を達成するが、他方、
低ビットレートを用いながら音楽の高品質の再生を行
う、符号化及び復号要素を提供し、短い変換ブロックを
用いることから生じる変換コーダの性能への負の効果を
補償し、音楽信号を処理する変換コーダ中に、改良され
た音響心理学的マスキング技法を提供し、変換コーダ中
に生じ勝ちな聴取可能なひずみを音響心理学的に補償す
るための技法を提供するようなことが、本発明の特定の
実施例によって達成される。
【0056】上記の本発明の目的及び本発明の更なる目
的の詳細については、当明細書の全体を通して、とりわ
け、発明を実施するための望ましい形態を叙述する以下
の節で詳しく説明する。
【0057】本発明の教示するところにより、エンコー
ダによって広帯域オーディオ情報のディジタル符号化が
行われるが、このエンコーダの信号伝播遅延量は少な
い、この広帯域オーディオ信号は、時間領域のサンプル
・ブロックに標本化、量子化されるが、このサンプル・
ブロックは十分短い信号伝播遅延になる時間期間を有す
るので、このエンコーダを用いる符号化及び復号系は、
オペレータが実時間で音色フィードバックすることが可
能である。その後、各サンプル・ブロックは分析ウイン
ドウによって変調される。その後、周波数領域のスペク
トル成分が、分析ウインドウによって重み付けられた時
間領域サンプル・ブロックに応答して発生される。各変
換係数は適応ビット割当てを行う変換コーダによって不
均一に量子化され、これらの係数は記憶又は伝送に適す
るフォーマットを有するディジタル出力にアセンブルさ
れる。伝送信号が通信線路の雑音又はその他の悪化の影
響を受ける用途においては、誤差訂正符号を用いても良
い。
【0058】更に本発明の教示するところにより、本発
明のエンコーダによって符号化されるディジタル符号化
広帯域オーディオ信号の高品質の再生が、本発明のデコ
ーダによって行われる。デコーダは、記憶要素又は伝送
線路を経由してエンコーダのディジタル出力を受け取
る。デコーダは、不均一に符号化されたスペクトル成分
をフォーマット化されたディジタル信号から誘導し、周
波数領域成分をこの成分から再構成する。エンコーダ中
の時間領域スペクトル成分を発生した要素に対して逆の
特性を具える要素によって、周波数領域のスペクトル成
分に応答して時間領域信号サンプル・ブロックが発生さ
れる。このサンプル・ブロックは合成ウインドウによっ
て変調される。この合成ウインドウは、この合成ウイン
ドウの応答特性とエンコーダ中の分析ウインドウの応答
特性との積によって、2つの隣接する重複サンプル・ブ
ロックに関して一体的に合算される複合応答特性を作り
出すような特性を具えている。隣接するサンプル・ブロ
ックは重複され、加算されて、これにより、分析及び合
成ウインドウの重み付け効果が消去され、高品質のアナ
ログ出力にその後変換される時間領域信号のディジタル
化された表現が復元される。
【0059】更に本発明の教示するところにより、エン
コーダ.デコーダ系によって広帯域オーディオ情報の高
品質のディジタル符号化と再生が行われるが、この系は
小さな信号伝播遅延量を有する。この系のエンコーダ部
分中では、アナログの広帯域オーディオ信号が、標本化
され、時間領域サンプル・ブロックに量子化されるが、
このサンプル・ブロックは、オペレータに音声を実時間
でフィードバックすることに対してこのエンコーダ部分
を用いる符号化及び復号系の使用が可能な程度の、十分
短い信号伝播遅延の時間期間を有する。その後、各サシ
ブル・ブロックは分析ウインドウによって変調される。
その後、周波数領域のスペクトル成分が、分析ウインド
ウによって重み付けられた時間領域サンプル・ブロック
に応答して発生される。適応ビット割当てを含む不均一
スペクトル符号化によって各スペクトル成分が量子化さ
れ、これらの成分は、信号の雑音悪化を受け易い記憶又
は通信線路を通しての伝送に適するフォーマットを有す
る、ディジタル出力にアセンブルされる、この系のデコ
ーダ部分によって、記憶要素又は伝送線路を経由してエ
ンコーダのディジタル出力が受け取られる。このデコー
ダ部分によって、不均一に符号化されたスペクトル成分
がフォーマット化されたディジタル信号から誘導され、
周波数領域のスペクトル成分がこの成分から再構成され
る、時間領域信号サンプル・ブロックが、エンコーダ部
分中の周波数領域変換係数を発生した要素に対して逆の
特性を具える要素によって、周波数領域変換係数に応答
して発生される。このサンプル・ブロックは合成ウイン
ドウによって変調される。この合成ウインドウは、この
合成ウインドウの応答特性とエンコーダ中の分析ウイン
ドウの応答特性との積によって2つの隣接する重複サン
プル・ブロックに関して合計が単位1になる複合応答特
性が作り出されるような特性を有する。隣接するサンプ
ル・ブロックは、重複され、加算されて、これにより、
分析及び合成ウインドウの重み付け効果を消去し高品質
のアナログ出力にその後変換される時間領域信号のディ
ジタル化された表現が復元される。
【0060】本発明のエンコーダの実施例において、離
散変換によって、分析ウインドウによって重み付けられ
た時間領域サンプル・ブロックに応答して周波数領域の
スペクトル成分が発生される。この離散変換には、改良
型の離散余弦変換(DCT:Discrete Cosine Transfor
m)及び改良型の離散正弦変換(DST:Discrete SineT
ransform)の代替的応用と同等の機能を有することが好
ましい。代替的な実施例においては、この離散変換は離
散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transfor
m)によって実施されるが、実質的には総ての時間領域
対周波数領域変換を用いることができる。
【0061】2チャネル・エンコーダに関する本発明の
好ましい実施例においては、単一のFFTを利用して、
先行変換が各チャネルからの1つの信号サンプル・ブロ
ックに関して計算される、2チャネル・デコーダに関す
る本発明の好ましい実施例においては、単一のFFTを
利用して、2チャネルの各々から1つずつの、2つの変
換フロックに関して逆変換が同時に計算される。
【0062】エンコーダ及びデコーダの好ましい実施例
においては、サンプリング・レートは44.1kHzで
ある。このサンプリング・レートは決定的なものではな
いが、適切であり、コンパクト・ディスクに用いられて
いるサンプリング・レートでもあるので便利である。こ
の44.1kHzのサンプリング・レートを用いる好ま
しい実施例においては、名目上の周波数応答特性は15
kHzまで延びており、時間領域サンプル・ブロックは
128サンプルの長さを有し、許容できる程度の短い信
号伝播遅延の時間期間を有するので、オペレータに音声
を実時間でフィードバックすることに対してこの系を使
用することが可能である。この符号化・復号の総合系
は、サンプル・ブロック期間の約3倍、又は約10ms
以下の、スピーチ妨害問題を克服するに十分な程度に短
い遅延を有するものと仮定されている。好ましい実施例
において、エンコーダ出力のシリアル・ビットレート
は、192kビット/s程度(誤差訂正符号のような付
帯的情報を含めて)である。本発明の基本的な神髄から
逸脱せずに、異なる信号品質をもたらす別のビットレー
トを用いることもできる。
【0063】このエンコーダの好ましい実施例において
は、不均一変換コーダによって、可変長のコード・ワー
ドが各変換係数について計算される。各変換係数のコー
ド・ワードのビット長は、固定ビット数と、現状の信号
内容のためにサブバンド中の雑音が他のサブバンド中の
雑音よりも音響心理学的にマスクされ易いかどうかに基
づく適応ビット割当てによって決定される可変ビット数
との合計である。この固定ビット数は、対象のサブバン
ド中での単音についての音響心理学的マスキング効果に
関する経験的観察に基づいて、各サブバンドに対して割
り当てられる。この固定ビット割当てでは、低い周波数
における耳の選択度がより大きいことによって、低い周
波数においでは系の性能が主観的に低下することについ
て考慮を払っている。複合信号が存在する際のマスキン
グ性能は、通常・単音信号が存在する際のマスキング性
能よりも良好であるが、複合信号が存在する際のマスキ
ング効果は、良く理解されておらず、また予測できるも
のでもない。この系では、ビットの多くが固定ビットで
あり、比較的僅かのビットしか適応的に割り当てないと
いう点で、積極的なものとは言えない。この方法には、
幾つかの長所がある。その第1は、必要な固定ビットの
割当てを行った経験的手続には逆変換過程を含んでいた
ので、この固定ビット割当てでは逆変換によって作り出
される望ましくないひずみを本来的に補償することであ
る。第2に、適応ビット割当てのアルゴリズムを比較的
単純に維持することができることである。これに加え
て、エンコーダとデコーダとの間で生じる信号伝送誤り
は、デコーダ中のビットに対する値となると同時に不正
確な割当てともなるので、適応的に割り当てられたビッ
トはこのような誤りに対して一層敏感であることであ
る。
【0064】本発明によるビット割当てに関する経験的
技法については、図13を参照することによって、より
良く理解できるであろう。図13では、500Hzの信
号音(正弦波)から生じる、出力雑音及びひずみの重要
な臨界帯域スペクトル(すなわち、ここに示してある雑
音及びひずみは、聴覚上の臨界帯域に関するものであ
る)を、3つの異なるビット割当てに関して、聴覚上の
マスキングと比較して示している。この図では、特定の
データを示すことよりむしろ、経験的な方法を示すこと
を企図している。
【0065】割当てA(実線)は基準であり、任意の数
のビットを各変換係数に対して割り当てた時の、500
Hzの正弦波によって作り出される雑音及びひずみの積
を示している。割当てB(短い線の点線)は、割当てA
と同じ相対的割当てであるが、変換係数当たり2っ少な
いビットを音する雑音及びひずみの積を示している。割
当てC(鎖線)は、オーディオ帯域の1500Hzまで
の低い周波数部分に対して、割当てAと同じ割当てを与
えた場合を示している。割当てCは、約1500Hzか
ら上の高い周波数部分に対しては、割当てBと同じであ
る。点線は、500Hzについての聴覚上のマスキング
を示している。
【0066】以上の3つのビット割当て事例の総てにつ
いて、マスキング曲線の急激な低下による聴取可能な雑
音が500Hzの信号音以下の周波数において存在する
こと、すなわち、約100Hzから300乃至400H
zにかけて、雑音及びひずみの積がマスキングしきい値
より上にあることが観察されるであろう。ビットを2つ
少なくしたこと(割当てAに対する割当てB)によっ
て、聴取可能な雑音及びひずみが悪化するが、割当てC
に示すように、500Hzの信号音以下の領域を含むス
ペクトルにこの2ビットを加え戻すことによって、元の
聴取可能な雑音反びひずみの水準を回復する。聴取可能
な雑音は、高い周波数においても存在するが、オーディ
オ・スペクトルの極めて高い部分において500Hzの
信号音によって作り出される雑音及びひずみの積は比較
的低いことから、ビットを滅らしたり追加した際にも、
実質的に変化しない。
【0067】種々の周波数の信号音に応答して作り出さ
れる雑音及びひずみを、種々のビット割当てについて観
察することによって、オーディオ・スペクトル全体にわ
たって聴取可能なマスキングに関して受容できる雑音及
びひずみの水準となる、種々の変換係数に対するビット
長を割り当てることができる。図13の例に関しては、
約100Hzから300乃至400Hzまでの領域中の
マスキングしきい値以下の雑音及びひずみの積の水準を
低減するために、雑音及びひずみがマスキングしきい値
より低くなるまで、500Hzの信号音を含む変換係数
及びそれと至近の変換係数に関する基準割当てに対して
追加ビットを加えても良い。他の信号音に対しても、オ
ーディオ・スペクトル全体にわたって、信号音が存在す
る際に総合的変換係数ビット長割当てが受容できる雑音
となるまで、同様な段階を一度に1つずつ踏むことがで
きよう。これは、コンピュータ・シミュレーションによ
って、最も容易に行われる。スペクトル全体を通して各
変換係数から1っ又は2っ以上のビットを取り除くこと
によって、固定ビット割当て(割当てBのように)が行
われる。必要に応じて、適応割当てビットが加えられて
(割当てCのように)、問題の領域において聴取可能な
雑音が受容できる水準まで低減される。かくして、図1
3に示す例のようなビットの割当てに対する聴取可能な
雑音の増減に関する経験的観察によって、本発明の固定
及び適応ビット割当て構想の基盤が形成される。
【0068】このエンコーダの好ましい実施例において
は、不均一量子化変換係数は、ブロック指数と可変長コ
ード・ワードとから成る、ブロック浮動小数点表現によ
って表される。上で述べたように、この可変長コード・
ワードは、更に、適応割当てビットの固定ビット長部分
と可変長部分とから成る。1組の変換ブロックに対する
符号化信号は、指数と、総ての適応割当てビットの1群
が続くコード・ワードの固定長部分とによって構成され
るフレームに組み立てられる。コード・ワードの指数及
び可変長部分は、適応割当てビットから別個に組み立て
られて、突発雑音誤りに対する脆弱性が低減される。
【0069】先行技術でのエンコーダとは異なり、本発
明によるエンコーダでは、各フレーム中の適応割当てビ
ットの割当てに関する副次的な情報を伝送する必要がな
い。本発明のデコーダでは、エンコーダで用いられた割
当てアルゴリズムと同一の割当てアルゴリズムを用いる
ことによって、正しい割当てを誘導することができる。
【0070】フレーム同期を必要とする用途において
は、本発明のエンコーダ部分によって、フォーマット化
されたデータが同期ビットに対して補足される。このフ
ォーマット化データ・ビットは、最初に無作為化され、
それにより1又は0のビットの長い列が生じる確率が低
減される。これは、特定の長さを超える長い連続を許容
しない、T−1搬送のような多くの環境において必要な
ことである。非同期の用途では、無作為化によって、フ
レーム内の有効データがブロック同期列と誤認される確
率もまた低減される。本発明によるデコーダ部分では、
フレーム同期データ・ビットを取り除き、逆無作為化を
適用することによって、フォーマット化データが復元さ
れる。
【0071】符号化信号が悪化する可能性のある用途に
おいては、誤り訂正符号を用いて、最重要情報、すなわ
ち、指数、及び有り得る低い周波数の係数コード・ワー
ドの部分が保護される。フォーマット化されたフレーム
全体に誤り符号、及び上記の保護されたデータが分散さ
れて、突発雑音に対する感度が低減され、必要とされる
突発雑音の長さが重要データの訂正ができるまで増加さ
れる。
【0072】本発明の種々の特長及び本発明の実施例に
ついては、「発明を実施するための望ましい形態」を述
べる以下の節、及び添付図面中で、より詳細に説明す
る。
【0073】
【実施例】1.本発明の望ましい実施例 図1a及び図1bには、本発明の基本的な構造が示され
ている。図1aに示す本発明のコーダ部分は、以下の部
分から成る。すなわちこれらは、時間領域信号入力10
0、信号標本化及び量子化要素101、信号サンプル・
バッファ102、各ディジタル化時間領域信号ブロック
を変調する分析ウインドウ乗算要素(マルチプレクサ)
103、量子化信号を周波数係数に変換するディジタル
・フィルタバンク104、整数値の変換係数の各々を浮
動小数点表現に転換するフロック浮動小数点エンコーダ
105、総合的信号のスペクトル構成に従って各変換係
数の表現に対してビットを割り当てる適応ビット割当て
要素106、割り当てられたビット長に各変換係数を丸
める均一量子化琴置107、符号化された周波数係数を
伝送又は記憶のためにビット・ストリームにアセンブル
するフォーマット化要素、すなわち、フォーマット要素
109である。図1aによって伝送通路110が示され
ているが、符号化信号を、後で使用するために、直ちに
記憶することもできることを理解して置くべきであろ
う。
【0074】図1bに示す本発明のデコーダ部分は、以
下の部分から成る。すなわち、符号化されたビット・ス
トリーム信号入力111、符号化された周波数係数の各
々を組み立てられたビット・ストリームから抽出するデ
フォーマッタ112、各変換係数を整数値の変換係数に
転換する線形化要素113、変換係数を時間領域信号ブ
ロックに転換する逆ディジタル・フィルタバンク11
4、時間領域信号ブロックを変調する合成ウインドウ乗
算要素115、時間領域信号のディジタル表現を復元す
る信号ブロック重複・加算要素116、アナログ・デジ
タル変換要素117、及びアナログ信号出力118であ
る。
【0075】幾つかの離散ディジタル変換の何れを用い
ても、順方向及び逆方向のフィルタバンクを実現するこ
とができる。本発明の好ましい実施例で用いている変換
については、プリンセンとブラッドリーによるIEEE
の音響、音声、信号処理会報の1986年ASSP−3
4巻、1153ぺージから1161ぺージ(Princenand
Bradley, IEEE Trans. on Acoust., Speech, Signal P
roc., vol. ASSP-34.1986, PP. 1153-161)までの中に
最初に叙述されている。この技法は、厳密に標本化され
たシングル・サイドハンド分析・合成系の時間領域等価
である。当出願においては、この技法を時間領域エイリ
アシング相殺(Time-Domain Aliasing Cancellation:
TDAC)と呼ぶ。本発明のもう1つの実施例において
は、離散フーリェ変換(DFT)を用いることもでき
る。DFT形に関する好ましい実施例については、TD
AC形について十分述べた後に論考する。
【0076】A.演算ハードウエア 本発明のTDAC変換のための基本的なハードウエアの
構成を図2a及び第2b図に示す。経験的研究から、所
与の性能目標を達成するためには、特別な手段を取らな
い限り、変換計算は少なくとも20有意ビットの精度で
行われなければならないことが分かっている。16ビッ
トの演算を利用するコーダを実現できる特別な手段の1
っについては、DFTの実施の一部として後に述べる。
【0077】44.1kHz又は48kHzの何れかの
サンプル・レートを用いる、本発明の単一チャネル版の
好ましい実施例の実現においては、時間領域入力信号を
20μs以下の周期時間で量子化する、16ビットのア
ナログ対ディジタル・コンバータ(ADC)を利用して
いる。16ビットのディジタル化されたサンプルの各々
を用いて、後続の計算で用いられる24ビットのワード
の有意16ビットが形成される。待ち時間なしの、2
0.5MHzで動作するモトローラ(Motorola)社製D
SP56001型ディジタル信号プロセッサ(DSP)
を用いて、必要な計算が行われ、符号化・複号化過程が
制御される。スタティック等速呼出記憶要素(RAM)
によって、DSPに対するプログラム化とデータ記憶と
が行われる。周期時間20μs以下の16ビットのディ
ジタル対アナログ・コンバータ(DAC)を用いて、複
合されたディジタル信号からアナログ信号が発生され
る。
【0078】図2aに示すエンコーダのハードウエアの
構成は、以下のものから成る。すなわち、アナログ信号
入力200、低域フィルタ(LPF)200A,ADC
201,DSP 202、スタティックRAM 20
3、消去可能固定記憶要素(EPROM)204、及び
符号化されたシリアル信号出力206である。LPF2
00A20(図1aに示されていない低域フィルタ)に
よって、入力信号が帯域幅制限されることが保証され
る。ADC 201によって、入力信号がシリアルの1
6ビットのワードにディジタル化(標本化及び量子化)
される。DSP 202によって、ディジタル化された
サンプルのシリアル・ストリームが受け取られ、緩衝さ
れ、サシプルがブロックにグループ化され、ブロックを
周波数領域に変換するために必要な計算が行われ、変換
係数が符号化され、コード・ワードがデータ・ストリー
ムにフォーマット化され、符号化信号がシリアル・デー
タ通路206を通して伝送される。このDSPのための
プログラミング及びデータ作業領域は、2組の8,19
2個の24ビット・ワードに秩序立てられているスタテ
ィックRAM 203の2つの24kBバンク中に記憶
される、このDSPには、RAM中ではプログラマブル
ROM中で実現されるよりも一層安価に実現される、短
呼出時間プログラム記憶要素が必要である。その結果、
EPROM 204では、エンコーダが最初に起動され
る時にDSPによってRAM 203で使用できる形式
で中身が取り出される圧縮フォーマット中に、プログラ
ミング及びスタティック・データが記憶される。PAL
205によって、DSP 202で発生されるプログ
ラム及びデータのアドレスがRAMバンク203の特定
のアドレス・セグメントに翻訳されることにより、エン
コーダがプログラム及びデータをRAMの単一の24k
Bバンク中に記憶することが可能になる。
【0079】図2b及び図3では、2つのDSPインタ
ーフェイスについて更に詳細に示されている、図2bに
は、DSP 202及びADC 201のためのシリア
ル通信インターフェイスと、ADC 201と、シリア
ル・データ通路206とが示されている。タイミング発
生要素202Aによって、エンコーダのための、受取り
クロック、フレーム同期クロック、及び伝送クロック信
号が発生される。線路SCOによって、ADC 201
からDSP 202へと、線路SRDに沿ってディジタ
ル化人力信号サンプルのシリアル・ビット・ストリーム
にクロック同期が掛けられる。線路SC1によって、各
16ビット・ワードの始まりを標識するフレーム同期信
号が、ADC及びDSPに対して与えられる。線路SC
Kによって、DSPからシリアル・データ線路206へ
と、線路STDに沿って符号化信号のシリアル・ビット
・ストリームにクロック同期が掛けられる。
【0080】図3には、メモリをアドレスするインター
フェイスが示されている。前記のモトローラ社のDSP
56001のためのメモリは、プログラム、Xデータ、
及びYデータの3つのセグメントに分割されている。R
AMのバンクの1つにはプログラム・メモリが含まれて
いるが、DSPによって線路PSが低電位にされると何
時でもこれが選択される。第2のバンクにはデータ・メ
モリが含まれているが、線路DSが低電位にされると何
時でもこれが選択される。線路XYを高電位にしたり、
低電位にしたりすることにより、それぞれXデータ・メ
モリとYデータ・メモリとがDSPによって選択され
る。線路XYをアドレス線路A12に取り付けることに
よって、Xデータ・メモリとYデータ・メモリとは別の
アドレス空間に位置付けされる。したがって、Yデータ
・メモリの4kワード(4096又は24ビット・ワー
ドの100016)がワード・アドレス0000から0
FFF16に位置付けされ、Xデータ・メモリの4kワ
ードがワード・アドレス100016から1FFF16
に位置付けされ、プログラム・メモリは8kワードの自
身の空間中にあり、ワード・アドレス0000から0F
FF16から成る。
【0081】プログラム・データRAM 203及びE
PROM 204は、別のアドレス空間に位置付けされ
る。インバ一夕205Cによって、DSP 202が、
アドレス線路A15の状態に従ってRAM又はEPRO
Mの何れかを選ぶことが可能になる。DSP 202に
よってA15が高電位に設定されると、インバータ20
5CによってRAM203及びEPROM 204のチ
ップ選択(CS)線路は低電位に設定される。DSP
202によってA15が低電位に設定されると、インバ
ータ205CによってRAM 203及びEPROM
204のCS線路は高電位に設定される。CS線路が高
電位に設定されると、スタティックRAMのみが選択さ
れる。
【0082】図4aに示されるデコーダのハードウェア
の構成は、符号化シリアル信号入力通路207、DSP
208、スタティックRAM 209、EPROM
210、DAC 212、LPF 213A、及びアナ
ログ信号入力213から成る。DSP 208によっ
て、符号化信号が受け取られ、緩衝され、この信号のフ
ォーマットが符号化変換係数に分解され、この係数を時
間領域に変換するのに必要な計算が行われ、この係数が
時間領域ブロックにグループ化され、このブロックが重
複・加算されてディジタル・サンプルの時間領域別にさ
れ、このディジタル・サンプルがシリアル・ビット・ス
トリームの形でDAC 212に伝送される。DSPに
関するプログラミング及びデータ作業領域は、2つの
8,192個の24ビット・ワードに順序立てられてい
るスタティックRAM 209の2つの24kBバンク
に記憶される。EPROM 210によって、エンコー
ダが最初に起動する時にRAM 209に対して使用で
きる形式でDSPによって中身が取り出される圧縮フォ
ーマットで、プログラミング及びスタティック・データ
が記憶される。DAC 212によって、DSPから受
け取られるシリアル・データ・ストリームに対応するア
ナログ信号が発生される。LPF 213A(図1bに
は示されていない低域フィルタ)によって、出力信号2
13がこの符号化・複号化過程で作り出されるあらゆる
高域擬似信号から免れることが保証される。
【0083】図4bには、DSP 208のためのシリ
アル通信インターフェイスと、シリアル信号入力通路2
07と、DAC 212とが示されている。フェーズ・
ロック・ルーフを用いて符号化シリアル・ビット入力信
号からタイミング基準を抽出するタイミング発生器20
8Aによって、このデコーダのための、受取りクロッ
ク、フレーム同期クロック、及び伝送信号が発生され
る。線路SC0によって、DSP 208へ、線路SR
Dに沿って符号化シリアル・ビット信号のクロック同期
が掛けられる。線路SCKによって、DSP 208か
らDAC 212へと、線路STDに沿って複号ディジ
タル化信号のシリアル・ビット・ストリームのクロック
同期が掛けられる。線路SC2によって、DACと、D
SPとに対してフレーム同期信号が与えられ、これによ
って、各16ビット・ワードの始まりが標識される。D
SP 208とメモリ・アドレス・バスとの間のインタ
ーフェイスは、エンコーダについて上に述べたのと同様
な方法で実現される。図4bを参照して欲しい。
【0084】2チャネルのエンコーダでは、図5aに示
すように結合された、LPF 200A及び200B
と、ADC 201A及び201Bとが必要である。D
SP及びADCの構成要素間のインターフェイスは、1
チャネルのエンコーダについて上に述べたのと類似の方
法で動作する・タイミング発生器202Aによって、フ
レーム同期信号の半分の伝送速度でDSPの線路SC2
に対して付加的な信号が与えられて、マルチプレクサ2
02Bが制御され、2つのADCの何れがディジタル化
データを現在送っているかがDSPに対して指示され
る。
【0085】2チャネルのデコーダでは、図5bに示す
ように結合されたDAC212A及び212Bと、LP
F22013A及び213Bとが必要である。DSP及
びDACの構成要素間のインターフェイスは、1チャネ
ルのデコーダについて上に述べたのと類似の方法で動作
する。タイミング発生器208Aによって、フレーム同
期信号の半分の伝送速度でDSPの線路SC1に対して
付加的な信号が与えられて、デマルチップレクサ208
Bが制御され、2つのDACの何れがディジタル化デー
タを現在受け取っているかがDSPに対して指示され
る。
【0086】この基本的なハードウエア構成を改変する
ことができる。例えば、待ち時間なしの、27MHzで
動作するモトローラ社のDSP65001 1個によっ
て、2チャネルのエンコーダ又はデコーダを実現でき
る。この場合、追加のRAMが必要となるかもしれな
い。
【0087】特別のハードウェアを用いて、ウインドウ
変調又は高速フーリェ変換(FFT:Fast Fourier Tra
nsform)のような幾つかの機能を行うこともできる。こ
の総合的なエンコーダ・デコーダを特別仕立ての集積回
路中で実現することもできる。これ以外にも数多くの実
施方法があることは、当業者にとっては明白であろう。
【0088】B.入力信号の標本化とウインドウ処理 本発明の現在の実施例において、信号標本化及び量子化
要素101は、引き続いて右側に8個の0ビットが引き
当てられて24ビットの整数表現を形成する16ビット
に入力信号を量子化する、アナログ対ディジタル・コン
バータである。後続の変換計算は総て、24ビットの整
数計算で行われる。アナログ入力信号は、最高でも15
kHz(20kHz帯域幅コーダに関しては、20kH
z)に帯域幅を制限しなければならない。これは、図1
aには示されていない低域フィルタによって達成され
る。
【0089】上で論じたように、信号の標本化及び量子
化要素101によって作り出される信号サンプル・ブロ
ック長は、非常に重要な成分である。この長さは、信号
伝播遅延をディジタル・フィルタ性能と平衡させるよう
に選ばれなければならない。前方変換(ディジタル・フ
ィルタバシク104)は、総ての変換計数が計算される
まで総てのブロックのサンプルを待たなければならな
い。逆変換(ディジタル・フィルタバンク114)にお
いても、時間領域信号が復元されるまで総ての係数を待
たなければならない点で、同様な遅延がある、その結
果、前方及び逆変換の両方がブロック期間の大きさに等
しい期間で行われると仮定すると、信号が本発明の系を
通過するための遅延は、信号サンプル・ブロック長の3
倍になる。望ましい総合的遅延は約10ms以上であっ
てはならないので、信号サンプル・ブロック長は3.3
msを超えてはならない。
【0090】しかし、ブロック長を短くすることはフィ
ルタ帯域幅を狭めることであり、僊移帯域ロールオフと
阻止帯域の深さとに不利な影響を与えることになるの
で、できるだけ長いブロックを用いることが望ましい。
したがって、選択されるブロック長は、前文節で論じた
ような3.3msの制約を受けつつも、可能な限り長い
ものにしなけれぱならない。他の品質に加えて、少なく
ともコンパクト・ディスク(CD)が具える品質の音楽
信号は、15kHzを超える帯域幅を有する。ナイキス
トの理論から、15kHzの帯域の信号は30kHz以
上で標本化されなければならないことは周知のことであ
る。44.1kH〓のサンプル・レートがCD用途に用
いられており、このサンプル・レートを選択することに
よって本発明をこのような用途に用いる要素が単純化さ
れるので、現在の実施例に対しては44.1kHzのサ
ンプル・レートが選ばれている(このサンプル・レート
によって、本発明の20kHz帯域幅の代替的実施例を
も実施できる)。このサンプル・レートを所与のものと
すると、3.3msのブロックは、147個のサンプル
から成る。しかし、もしサンプルの数を2の累乗にすれ
ば、ディジタル・フィルタの計算は単純化される。その
ようにした結果、1ブロック当たりのサンプル数を12
8にすることにより、ブロック長は2.9msに確定さ
れる。
【0091】別のサンプル・レート、つまり、多くの職
業用オーディオ用途に一般的となっている48kHzの
ようなサンプル・レートを用いることもできる。もし異
なるサンプル・レートが選ばれると、隣接する変換係数
間の周波数分離が変化し、望ましい信号帯域幅を表現す
るために必要な係数の数が変化する。サンプル・レート
を変えた際に本発明の実施例が受ける総ての影響につい
ては、当業者にとっては明白であろう。
【0092】入力信号が複素数でない、すなわち、虚数
成分の総てが0であると仮定すると、512サンプル・
ブロックの周波数領域変換によって、最大256の非0
の特異変換係数が作り出される。したがって、図1a及
び図1bに示す本発明は、256の周波数ビンから成
る。この実施例において、各ビンの帯域幅は86.1H
z(又は44.1kHz/512)に等しい。(幾つか
の離散変換に関しては、ビン0、すなわち直流又は0周
波数は、この量の半分に等しい帯域幅を有する)。1
5.6kHzの信号を通過させるために、0から182
までの係数のみが用いられる。(20kHzの信号を通
過させるためには、0から233までの係数が用いられ
る)。入力信号の帯域幅を超える追加の高い周波数係数
は、エイリアシング消去を行った際の設計帯域幅内での
量子化誤りの悪効果を最小化するために用いられる。入
力信号が15kHz(又は20kHz)に帯域幅制限さ
れ、最終的出力信号もまた帯域幅制限されて、最高係数
中を通過するあらゆるエイリアシングが相殺されている
ことに注意して欲しい。
【0093】変換では、サンプル・ブロック中の信号は
周期性のものであると仮定しているので、サンプル・ブ
ロックが改変、すなわち、修正されない限り、存在しな
いスペクトル成分を誤って作り出す。図6aを参照のこ
と。この変換誤りは、図6bに示すようにブロックの縁
の不連続性に起因している。これらの不連続性を緩和し
て、この効果を最小化することもできる。ブロックの縁
の近くにあるサンプルを0に近付けるように、ブロック
をどのようにして改変又は重み付けするかについて図7
aから図7dまでに示してある。図7a図に示すマルチ
プレクサの回路によって、図7bに示す標本化入力信号
x(t)が図7cに示す重み付け機能により変調され
る。この結果生じる信号を図7dに示す。この過程は図
1aのボックス103で表される。分析ウインドウと呼
ばれるこの重み付け関数は、信号サンプル・ブロックを
サンプルごとに逓信することであるが、この形状によっ
てディジタル・フィルタの性能に強い影響を与えるの
で、数多くの研究の主題となってきた。その例として、
ハリスによるIEEE学会誌1978年66巻51ぺー
ジから83ページまでの論文、「離散フーリェ変換を用
いた高調波分析のためのウインドウの使用について」
(Harris,“0n the Use of Win-dows for HarmonicAnal
ysis with the Discrete Fourier Transform”, Proc.I
EEE, vol. 66, 1978, pp. 51-83)を参照のこと。要約
すると、良好なウインドウによって、阻止帯域幅の深さ
の所与の水準に対する僊移帯域ロールオフの鋭さが増大
され、隣接するブロックを重複・加算することによりウ
インドウの変調効果を修正することが可能になるという
ことである。ウインドウの設計については、以下で更に
詳しく論考する。
【0094】C.分析フィルタバンク、順方向変換 離散変換によって、図1aに示すディジタル・フィルタ
バンク104が実現される。フィルタ作用は、時間領域
信号サンプル・ブロックを時間変化スペクトル係数に転
換することによって行われる。本発明の1つの実施例で
用いられているこの変換技法は、時間領域エイリアシン
グ相殺(TDAC:Time-Domain Alias-ing Cancellati
on)である。TDACでは、改変された離散余弦変換
(DiscreteCosine Transform:DCT)の代替的応用と
等価の変換機能を、改変された離散正弦変換(DST:
Discrete Sine Transform:)と共に利用する。
【0095】E−TDACでは、改変された離散正弦変
換(Dis-crete Sine Transform:DST)を伴う改変さ
れた離散余弦変換(Discrete Cosine Transform:DC
T)の代替的応用に等価の変換関数を利用する。DCT
は以下の式1、DSTは以下の式2に示される。すなわ
ち、
【0096】
【式1】 ここで、 k=周波数係数番号 n=入力信号サンプル番号 N=サンプル・ブロック長 m=E−TADCに関する位相項 X(n)=サンプルnにおける入力信号X(t)の量子
化数 C(k)=DCT係数k S(k)=DST係数kである。
【0097】TDAC変換では、2組のスペクトル係数
又は変換ブロックの1つが各信号サンプル・ブロックに
対して交互に作り出される。これらの変換ブロックは、
次式の形を取る。すなわち、
【0098】
【式2】 ここで、 i=信号サンプル・ブロック番号 C(k)=DCT係数(式1を参照のこと) S(k)=DST係数(式2を参照のこと) である。
【0099】ここで用いられる計算アルゴリズムは、高
速フーリエ変換(FFT)である。クーリーとテューキ
ーによる数学計算誌1965年19巻、297ページか
ら301ぺージまでの論文、「複体フーリエ・シリーズ
の機械計算のためのアルゴリズム」(Cooley and Tuke
y, “An Al-gorithm for the Machine Calculation ofC
omplex Fourier Series”, Math. Comp., vol. 19, 196
5, PP. 297-301)を参照のこと。単一のFFTを用いて
単一複素変換の実数及び虚数成分としてDCT及びDS
Tをそれそれ決定することによって、DCT及びDST
を同時に行うことができる。この技法では、FFTは複
素変換であるが、両方の入力信号サンプル・ブロックは
実数値のサンプルのみから成るという事実を利用してい
る。これらの変換を1つのFFTと一連の複素定数との
積に因数分解することによって、DCT係数が1組の実
数値として変換から出現し、DST係数が1組の虚数と
して表される。したがって、1つの信号サンプル・ブロ
ックのDCTを、もう1つの信号サンプル・ブロックの
DSTと共に、複体アレイの乗算及び加算が後に続くた
だ1つのFFTによって、同時発生的に計算することが
できる。
【0100】1つのFFTを用いて2つの変換を同時発
生的に計算するこの基本的な技法は、当分野では周知の
ものであり、ニュー・ジャージイ州イングルウッド・ク
リフズのプレンティス・ホール社1974年出版の、ブ
リガムによる「高速フーリェ変換」(Brigham, TheFast
Fourier Transform, Englewood Cliffs, NJ: Prentice
-Hall, Inc.,1974)に叙述されている。E−TDACに
対する改変DCT及びDSTの同時発生的な計算に関す
る追加的な情報は、カリフォルニア州スタンフォードの
スタンフォード大学の、ルッカボウによる1988年6
月の博士学位論文、「音声の可変レート及び適応周波数
領域ベクトル量子化」(Lookabaugh,“Variable Rate a
nd Adaptive Frequency Domain Vector Quantization o
f SPeech”, Stanford, CA: Stanford University, PhD
Thesis, June, 1988)中に見ることができる。
【0101】この同時発生的な過程は、1つのチャネル
に対してDCTブロック、もう1つのチャネルに対して
DSTブロックという形で各チャネルに対して変換ブロ
ックが同時発生的に発生される2チャネルの用途におい
て、とりわけ有用である。所与のチャネルに対する符号
化されたフロックは、DCTとDSTの間で交替し(式
5を参照)、常に相互のチャネル・ブロック間で逆の形
式となる。各チャネルに対して1つずつの1組のブロッ
クは、来に変換され、フ才一マット化される。
【0102】プリンセンは、適正な位相成分m、及び注
意深く設計された1組の分析・合成ウインドウを用いる
ことによって、E−TDAC技法では以下の形式の余弦
及び正弦変換の交互する列から正確に入力信号を復元で
きることを示している。すなわち、 {C(k)}0, {S(k)}1, {C(k)}2, {S(k)}3,・・・ (5) である。ここで、各変換ブロックは、1つの時間領域信
号サンプル・ブロックを表す。この過程は、図14aか
ら図14eまでと、図15aから図15dまでと、図1
6aから図16gまでに示されている。
【0103】図14aを参照すると、1組の量子化され
た入力信号x(t)がブロックにグループ化されている
ことが分かる、図14bに示すウインドウ関数Wで変
調された1組のブロックによって、図14dに示す信号
(t)が作り出される。信号x(t)はDCTに
対する入力である。標本化された入力信号x(t)のブ
ロックの別の1組は、第1の組とブロック長の半分だけ
重複されるが、図14cに示すウインドウ関数W(こ
れのウインドウ関数はWと同等であるが、時間的にブ
ロック長の半分だけずれている)によってウインドウ処
理されて図14eに示す信号x(t)を作り出し、次
にDSTに受け渡される。
【0104】DCT及びDSTの交互の変換ブロックの
みを用いることによって、これらの変換ブロックの廃棄
された半分に含まれる情報が失われることになる。この
損失によって時間領域エイリアシング成分が作り出され
るが、式1及び式2について適切な位相項mを選び、重
複された時間領域信号サンプル・ブロックに対して前向
き変換を適周し、逆変換で復元される隣接する時間領域
信号サンプル・ブロックを重複・加算することによっ
て、このひずみを相殺することができる。
【0105】式1及び式2における位相項mによって、
この時間領域エイリアシングひずみの位相転移が制御さ
れる。図15aから図15dまでと、図16aから図1
6gまでに、このひずみが説明されている。逆DCTか
ら復元される信号x′(t)が、図15aに示されて
いる。図15bでは、この復元信号が2つの成分、すな
わち、元のウインドウ処理された信号(実線)と、時間
領域エイリアシングひずみ(点線)とから成ることが示
されている。図15c及び図15dには、逆DSTから
復元される信号x′(t)についての類似の情報が示
されている。このエイリアシングひずみを相殺し、元の
時間領域信号を正確に復元するために、E−TDACで
はこのエイリアシングが次のようであることが必要であ
る。すなわち、DCTについては、時間領域エイリアス
成分は、サンプル・ブロックの約1/4の点の時間以内
で反転される標本化信号の第1半部と、サンプル・ブロ
ックの約3/4の点の時間以内で反転される標本化信号
の第2半部とから成ることである。DSTについては、
このエイリアス成分は振幅の記号が逆になっていること
以外は、DCTについての場合と類似であることであ
る。図15b及び図15dを参照のこと。エイリアス相
殺に必要な位相項は、次式のとおりである。すなわち、
【0106】
【式3】 ここで、 N=サンプル・ブロック長 である。
【0107】TDACにもまた、重複された信号サンプ
ル・ブロックに対して、注意深く設計された1組の分析
・合成ウインドウを適用することが必要である。この信
号サンプル・ブロックは100%の重複、すなわち、所
与のブロックの50%が前のブロックによって重複さ
れ、同ブロックの残りの50%が後のブロックによって
重複されている形で、重複されていなければならない。
図16aから図16gまで、信号サンプル・ブロックの
重複と、その結果のエイリアス消去とについて示してあ
る。図16a及び図16dに示す、逆DCT及びDST
から復元される信号y(t)及びy(t)は、それ
それウインドウ関数W(t)及びW(t)によって
変調されて、これにより図16c及び図16fに示す信
号y(t)及びy(t)が作り出される。これらの
ウインドウ処理された信号の重複されたブロックが加算
されると、エイリアス成分は消去され、図16gに示す
その結果の信号y(t)は元の入力X信号(t)を正確
に再構成したものとなる。
【0108】この分析・合成過程巾に用いられるウイン
ドウの設計と重複・加算については、以下で更に詳しく
論考する。この時点では、変換ブロックの半分を省略す
ることによって必要なビットレートは半減されるが、信
号合成中にE−TDACに必要な100%重複を行うこ
とによりビツトレートが倍加されることを注意して置く
ことで十分である。その結果、E−TDACは必要なビ
ットレートに対しては中立的な効果を持つ。
【0109】D.不均一量子化 フィルタ・バンク104から誘導される各変換係数は、
不均一量子化要素108によって、符号化され、サブバ
ンドにグループ化される(表I及びIIにサブバンドに対
する変換係数の割当てを示す)。この不均一量子化要素
は、図1aに示す、ブロック浮動小数点エンコーダ10
5と、適応ビット割当て要素106と、均一量子化要素
107とによって構成されている。量子化は、変換ブロ
ック・ペア、すなわち、1チャネル系における2つの隣
接するブロックの何れか、若しくは、2チャネルの各チ
ャネルからの1つのブロックに対して行われる。第7図
に示すように、不均一量子化は、5つの主要な部分から
成る。すなわち、(1)サブバンド指数を計算し、
(2)主指数を決定し、(3)係数の周波数の関数とし
ての各係数コード・ワードのビット長を初期設定し、
(4)特定のコード・ワードに対して追加ビットを適応
的に割り当て、及び(5)適応ビット割当てと、係数の
周波数に基づく最小ビット長との合計から計算されるビ
ット長に従ってコード・ワードの丸めと打切りを行うこ
とである。
【0110】数値量の浮動小数点表現は、ディジタル・
データ表現の分野では周知であり、整数表現で可能な範
囲より一層広い範囲の値を表現するために用いられる。
浮動小数点数は、仮数及び指数で構成される。本発明の
実施例において、仮数は、2の補数形式で表現される記
号化された整数値表現である。
【0111】この対応する指数は、表現されている数の
量の真値にこの仮数を転換(正規化又は非正規化の何れ
かに)するのに必要な、2のべきの乗数に等しい非記号
化値である。この表現は、以下のように表現できる。す
なわち、 F=M・2−E (7) ここで、 F=浮動小数点の値 u=記号化整数値仮数 E=非記号化整数値指数 である。
【0112】例えば、指数3では、この浮動小数点の値
が、この整数値仮数に2−3を乗じることにより得られ
ることを指示する。これは、仮数の二進表現を右へ3桁
移動することと等価である。
【0113】正の非0仮数は、最も有意のビットが非0
である時、正規化されていると言われる。負の値を持っ
仮数は、最も育意のビットが0である時、正規化され
る。正規化された仮数によって、数量に対する有意のビ
ットの最大値が仮数の制限ビット長内に含まれることが
保証される。
【0114】ブロック浮動小数点表現もまた、当分野で
は周知であり、従来の浮動小数点表現で可能なビット数
より少ないビットで1組の浮動小数点数を表現するため
に用いられる。この技法では、仮数の群に対して1つの
指数を用いる。この群中の幾つかの仮数は、正規化する
ことができない。この群中で最も大きい量に対する仮数
は、その量が小さ過ぎる、すなわち、正規化するのに必
要な倍数を指数が表現することが不可能ということがな
いという条件下で、正規化される。しかし、仮数が正規
化されるかされないかに拘らず、指数は、浮動小数点量
の真値を得るためにこの群中の各整数値仮数を右に転移
しなければならない桁数を常に表現する。
【0115】1.サブバンド指数 ブロック浮動小数点エンコーダは、部分1及び2の不均
一量子化要素から成る。第1部分によって演じられる機
能を、図8のボックス701に示す。この部分によっ
て、幾つかのサブバンド周波数係数の各々に対するサプ
バンド指数が計算される。これらのサブバンドは表Iに
示されている。この過程は、3つの段階から成る。第1
段階では、1つの変換ブロック内で各サブバンド中の最
大の変換係数を見付け、これらの24ビットの係数を正
規化するために必要な左への転移の桁数を決定する。第
2段階では、第2の変換ブロックに関して対応する転移
値を決定する。第3段階では、第1の変換ブロック中の
各サブバンドの転移値とこれに対応する第2の変換ブロ
ックの転移値とを比較し、この2つの中の小さい方の値
を選び、この値を両ブロック中の適切なサブバンドに対
する指数として保存する。
【0116】2.主指数 不均一量子化要素部分の第2部分によって、2つのサブ
バンド群の各々に対する1ビットの主指数の値が決定さ
れる。この主指数は、コーダのダイナミック・レンジを
広げるために用いられる。表Iを参照すると、主指数M
EXPOによって、低周波数サブバンド0から18まで
が表現されていることが分かる。主指数MEXP1によ
って、19から36までの高いサブバンド周波数が表現
される。(20kHzコーダに関しては、表IIに示され
ているように、3つの追加的サブバンドが必要であ
る)。もし群の中の総てのサブバンド指数が3であるか
若しくはそれ以上であれば、この群に対する主指数は1
に設定され、群中の総てのサブバンド指数は3まで滅ら
される、主指数が1に設定されると、群中の総てのサブ
バンド内の総ての符号化された主指数が、サブバンド指
数値によって指示される桁よりも3桁左に転移されるこ
とが指示される。主指数が0である時には、群中の各サ
ブバンド指数によって、このサプバンド中での各変換係
数に関する左への転移の合計桁数が正確に表現される。
これらの主指数によって、十分なダイナミック・レンジ
を持たせながら、より短いサブバンド指数を用いること
が可能になる。過程中のこの段階は、図8のボックス7
02a及び702bに示されている。
【0117】符号化信号を表現するのに必要な総合的な
ビットを減少させる、追加的な段階を取ることもでき
る。1つの指数によって単一の係数が表現されている総
てのサブバンドにおいて、正規化された仮数の記号ビッ
トは過分なものである。上で論考したように、正規化さ
れた仮数中では、記号ビットと最も有意なデータ・ビッ
トとは、常に逆の値である。したがって、記号ビットを
エンコーダによって脱落させることができ、デコーダに
よって復活させることができる。この脱落されたビット
を当出願では「隠れビット」と呼ぶ。
【0118】仮数が正規化されているかどうかを、指数
を調べることによって判断できる。もし指数が最大値
(本発明の好ましい実施例で用いている浮動小数点系中
では主指数を調整した後に15になる)よりも小さけれ
ば、この仮数は正規化されている。もし指数が最大値に
等しければ、結論を引き出すことができないので、仮数
は正規化されておらず、隠れビットはないものと仮定さ
れる。
【0119】この技法は、仮数が自身の独特の指数を1
つしか含んでいない仮数に関してのみ用いることができ
る。このような係数は通常正規化されると仮定すると、
固定又は最小ビット長をこの係数に関して表Iに示され
ているように減らすことによって、ビット要件の低減が
実現される。もしたまたま変換係数が正規化されていな
ければ、周波数成分は非常に小さい振幅であるので、低
減ビット長によって聴取可能な雑音が発生することはな
いであろう。
【0120】3.固定ビット長 不均一量子化要素の第3部分によって、左に転移された
変換係数の各々に対する初期最小ビット長が設定され
る。このビット市は、係数の周波数に従って設定され
る。図8のボックス703にはこの過程のこの部分が表
され、表Iには各係数のコード・ワードに対して固定さ
れるビットの最小数が示されている。この最小ビット長
は、代表的なフィルタバンクの応答特性曲線を音響心理
学的マスキングしきい値曲線と比較することによって誘
導されたものである。フィルタの性能は信号及び係数の
周波数の間の周波数差のみの関数であるので、このフィ
ルタバンクの応答特性を表すのにどのような周波数係数
を用いても良い。図10に示す応答特性曲線は、フィル
タの通過帯域内の周波数の範囲に対するフィルタの応答
特性の実効値から得られる。上で論じたように、フィル
タの選択度は、分析ウインドウの形状と、各時間領域信
号ブロック中のサンプルの数とによって影響される。信
号合成過程中に付加的な選択度の損失が生じるので、総
合的コーダの応答特性は図10に示す程には良好ではな
いことに注意して置きたい。この効果については以下で
論考するが、図17a及び図17bにもまた示されてい
る。
【0121】2つの音響心理学的マスキング曲線が図1
0に示されている。これらの曲線は、オーディオ技術協
会誌1988年第35巻の517ページから534ペー
ジまでのフィールダーによる論文、「ディジタル・オー
ディオ・コンバータによって作り出される聴取可能なひ
ずみと雑音の評価」(Fielder,“Evaluation of theAud
ible Distortion and Noise Produced by Digital Audi
o Converters”, J.Aud-io Eng. Soc., vol. 35, 1988,
pp. 517-534)から誘導されたものである。耳の聴覚上
の20選択度は周波数と共に大きく変化するが、500
Hzから2kHzの間の周波数に対しては1kHzの曲
線が耳の特性を代表し、より高い周波数に対しては4k
Hzの曲線が耳の特性を代表する。低いビット・レート
を達成するためには、変換コーダに関しての僊移帯域ロ
ールオフと阻止帯域排除の割合は、音響心理学的マスキ
ング曲線の割合と同じ程度に大きくなければならない。
とりわけ、1kHz以下のマスキング信号音に対する耳
の聴覚上の選択度は極めて高いことに注意して欲しい。
【0122】当分野での別の変換コーダでは、少なくと
も512サンプルの時間領域ブロック長を用いることに
よって、この必要なサブバンド帯域と選択度とを達成し
ている。例えば、IEEEの音響、音声及び信号処理国
際会議1987年141ぺージから144ぺージまでの
ブランデンバーグによる論文、「OCF一高品質音響信
号のための新しい符号化アルゴリズム」(Brandenburg,
0CF--A New Coding Algorithm for High QualitySound
Signals”(IEEEna1Proc., 187,pp. 141-1
44)を参照のこと。
【0123】上で論じた遅延の制約のために、本発明で
は128個のサンプル・ブロックを用いており、望まし
くない程度に広い帯域幅と劣化したフィルタ選択度と
を、別の方法で克服しなければならない。この問題の克
服は、4kHz以下の符号化された周波数係数の総でに
ついて追加のビットを確保することによって、部分的に
達成されている。図11aでは、フィルタの応答特性を
4kHzの音響心理学的マスキング曲線に対して比較し
ている。周波数が上がるにつれてコーダの帯域幅と選択
度が音響心理学的マスキング曲線に対して向上するの
で、高い周波数の係数を表すために必要なビット数は少
なくなる。この関係は、表Iに示す最小ビット長の値に
反映されている。
【0124】図11bでは、1kHzのマスキング曲線
を、この音響心理学的マスキング曲線が常に上になるよ
うに漏らせてあるフィルタ応答特性に対して比較してい
る。このフィルタ応答特性に関する偏りは、低い周波数
の係数に対して磯保してある追加ビットによって得られ
る、精度の増加に負うものである。各追加ビットによっ
て、信号対雑音比が約6dB向上する。図11bでは、
もしマスキシグに寄与する別の信号音が存在しなけれ
ば、低い周波数の変換係数を符号化するために8dBの
相殺(又は約1.3の追加ビットの精度)を必要とする
ことが示されている。
【0125】しかし、図10、図11a、及び図11b
に示されている曲線は、単音又は非常に狭い帯域の雑音
によって作り出される音響心理学的マスキング効果を表
しているので、これらの図によって示唆されている最小
ビット長は控え目なものである。図12には、3つの音
の個々のマスキング曲線を単純に重ね合わせることによ
って誘導された複合マスキング曲線が示されている。経
験的な証拠によって、重合音の実際のマスキング効果を
理解すると、この複合マスキング曲線さえもまた、非常
に控え目なものであることが示されている。更に、一般
的に音楽は幾つかの個別の周波数よりも数等複雑な信号
であり、その結果、マスキングの水準が増大することに
よって、変換係数コード・ワードに必要な精度を下げる
ことが可能になる。結果として、表Iに示される、DC
T係数C(0)及びDST係数S(1)以外の総てに関
する最小ビット長は、図11a、及び図11bのマスキ
ング曲線によって示唆される各係数コード・ワードのビ
ット長から3ビットを控除することで得られる。上記の
2つの低い周波数の係数以外は、特定の係数の精度を増
加するために必要なところでは、適応ビット割当てによ
って追加ビットが供給される。
【0126】4.適応ビット割当て a.大要 不均一量子化要素の第4部分によって、適応ビット割当
てが行われる。図8のボックス704には、この割当て
過程の大要が提示されている。大まかに言って、各変換
ブロックについて、ビット割当てによって、4つの相で
特定の係数に対する固定の数の追加ビットが割り当てら
れる。このビットの数を、信号符号化品質とビットレー
トとの平衡を取るように選ぶことができる、本発明の好
ましい実施例では、この割当てを34ビツトで設定す
る。この制限を、当出願では、割当て最大値、又は割当
て可能ビット数と呼ぶ。
【0127】現状の実施例では、1係数当たり4ビット
の最大値を割り当てている。この最大値は、符号化精度
と総合的ビットレートとの間の設計上の妥協を表してい
る。当業者には、本発明の概念又は基本的目的を変更せ
ずに、この最大値、又は適応割当て可能ビット数を変え
ることができることが分かるであろう。
【0128】相0は、残りの相に対する初期化の過程で
ある、相1では、1係数当たり4ビットの最大値まで、
最大のスペクトル・エネルギーを有する同一に重要な周
波数帯域内の係数に対してビットが割り当てられる、も
し割当て可能ビットの総てが相1の内に割り当てられる
ならば、この割当て過程は停止される、もしそうでなけ
れば、相2によって、全適応割当ビットが各係数に対し
て4ビットになるように、相1の期間で割り当てられた
変換係数に対して追加ビットが割り当てられる。もし割
当て可能なビットの総てが相2の最中に割り当てられる
ならば、この割当て過程は停止される。もしビットが幾
らかでも残っているならば、相3によって、相1及び相
2の内0に割り当てられた係数に隣接する係数に対して
ビットが割り当てられる、この手順の更に詳細な概念に
ついては、以下の文節で叙述する。この手順の論理の実
施については、後で論考する。
【0129】図9は、特定の変換係数に対して適応的に
ビットを割り当てる概念上の過程の図である。相0の初
期化段階がボックス800中に示されている。第1段階
では、アレイA()の要素が0に設定される。次の段階
では、最大のスペクトル成分を音するサブバンドに対す
る指数である、最小のサブバンドの指数が識別され、こ
の値がXMINて保存される。総てのサブバンドの指数
がXMIN除され、その差異がアレイM()中に記憶さ
れる。有り得る最小のサブバンドの指数は0であり、有
り得る最大のサブバンドの指数は4ビットの高い周波数
サブバンド指数に対する最大値15と主指数MEXP1
に対する値3とを加えた、18であることに注意して欲
しい。表Iを参照して欲しい。したがって、アレイ
M()中の有り得る値の範囲は、負の18から0までで
ある。次の段階で、アレイM()の各要素に4が加えら
れ、0以下の総ての要素は0に設定される。相0の終り
においては、アレイM()は、各サブバンドについて1
つの、値が0から4までの範囲の要素の1組から成る、
4の値を有する要素は、サブバンド中の少なくとも1つ
の係数が全信号中で最大のスペクトル係数の1つを有す
るサブバンドを表す。
【0130】相0では、図9のボックス801に示す過
程を用いて、もう1つのアレイA()が構成される。こ
のアレイA()は、各サブバンド中の係数に割り当てら
れるビットを表す。A()中の各要素は、サブバンドに
対応する、より高いサブバンド指数は複合変換係数を表
すので、A()の各要素は対応するサブバンド中で総て
の変換係数に割り当てられるビット数を表すことを表I
から思い出して欲しい。例えば、表Iを参照すると、サ
ブバンド7は、係数7及び8を表す。もし要素A(7)
が値1を有するならば、変換係数7及び8に対して1ビ
ットずつの、2ビットが割り当てられることを示してい
る。この例について続けると、もし要素A(18)が値
2を有するならば、変換係数39から45の各々に対し
て2ビットずつの、14ビットが割り当てられる。この
割当て過程の間中、A()の各要素が増分されるにつれ
て、割当てのために残って20ビットから割り当てられ
たビットの数が控除される。
【0131】この相、又はそれに続く相の総ての間中に
割当て可能なビット総てが割り当てられると、この相は
直ちに終結し、次の相は省かれる。割当て限界に達する
最後の段階中に、この段階中にサブバンドに割り当てら
れるビットの数は、割当てのために残っているビットの
数を超えない。2つ以上の係数を有するサブバンドの処
理が行われている間に割当て可能なビットの最後のもの
が割り当てられると、このサブバンド中の係数総てに同
じ数のビットが割り当てられないことがあり得る。
【0132】最も低い周波数係数を表すM()アレイ要
素[DCTブロックに関してはM(0)、DSTブロッ
クに関してはM(1)]から始めて、M()の各要素が
替わるがわる検査される。M()アレイ全体にわたって
か、若しくは割当て可能ビットの総てが割り当てられる
まで、4回もの検査が行われる。第1回の検査で、アレ
イA()中の各要素は、もしアレイM()中の対応する
要素が4に等しい値を有するならば、1つだけ増分され
る。第2回の検査によって、3又は4の値を有する
M()中の各要素に対応するアレイA()中の各要素が
1だけ増分される、第3回の検査で、アレイA()要素
は、対応するM()要素が2から4までの範囲内の値を
有するならば、増分される。最後の検査によって、1か
ら4までの範囲内の値を有するM(要素に対応するアレ
イA()中の要素が増分される。もし割り当てられるビ
ットの数が割当て限界に達するか、もしくは割当て限界
よりも少なければ、このビット割当て過穆は相0の終り
で完結することに注意して置くと良い。
【0133】もし割当て可能ビットが幾つかでも残って
いれば、図9のボックス802に示す相2の割当てが続
行される。この相では、A()アレイ全体にわたって3
回もの検査が行われ、もし最大数の割当て可能ビットが
割り当てられると、この相は早々に停止される。各検査
は、最も低い周波数要素[DCTブロックに関してはA
(0)、DSTブロックに関してはA(1)]で開始さ
れ、周波数を上げながら進められる。アレイA()全体
にわたる第1回の検査で、1と3との間の値を画する各
要素が1だけ増分される。第2回の検査で、2画は3の
値を有する要素が増分される、第3回の検査で、3に等
しい要素が増分される。割当て限界を超えることなくこ
の相が完結するならば、A()アレイ中の各要素の値
は、4または0の値を有する。
【0134】もし割当て可能なビットが幾つかでも残っ
ていれば、図9のボックス803に示す相3の割当てが
続行される。前の相と同じように、割当て限界に達する
と直ちに相3の割当ては終了する。この最後の相によっ
て、高いエネルギーを持つ係数のサブバンドに隣接する
低いスペクトル・エネルギーを持っ変換係数に対して追
加ビットが割り当てられる。この割当ては、4段階で達
成される。第1段階によって、値{0,0,4}を持っ
3つの隣接要素の群を探索するための、最も高い周波数
要素A(18)[20kHz帯域幅コーダ中では要素A
(20)は開始要素]から始まる、アレイA()の走査
が行われる。もしこれらが見付かれば、この群の値が
{0,1,4}になるように、中央の要素が1に設定さ
れる。
【0135】2つの特別な場合は第2段階から成る。最
も低い周波数変換係数のビット割当ては、2つの最も低
い周波数変換係数の値[DCTブロックに関してはA
(0)及びA(1)、又はDSTブロックに関してはA
(1)及びA(2)]が{0,4}であるならば、1に
設定される。要素A(17)及びA(18)の値は、そ
れらの値が{4,0}ではないかを判断すべく試験され
る、もしそうならば、最高の周波数のサブバンドに対す
る割当ては、1に設定される。[20kHzコーダでは
要素A(19)及びA(20)は試験される]。
【0136】もし割当て限界に達していなければ、値
{4,0,0}を持っ3つの隣接要素の群を探索するた
めに、最高の周波数サブバンドから始め、低い周波数に
向けてアレイA()を走査することで、相3の段階3が
開始される。もしこれらが見付かれば、{4,1,0}
の値を作り出すべく、中央の要素が1に設定される。
【0137】相3の第4及び最終段階によって、この相
の段階1から3までの段階中でのサブバンド割当てビッ
ト中の係数に対して、追加ビットが割り当てられる。ア
レイA()の最高の周波数要素で始めて、段階1中で改
変される各要素が増分される。段階2中で改変される要
素は総て、次に増分される。最後に、段階3中で改変さ
れる要素が、最高の周波数サブバンドと共に始めて、増
分される。段階4では、上で論じたのと同じ順序で、割
当て可能なビットが総て割り当てられるまで、着しくは
段階1から3までの段階中で改変される要素の総てに各
々合計4ビットずつが割り当てられるまで、アレイ要素
が反復的に増分される。もし後者の条件に一致し、割当
て可能なビットが幾つかでも残っていれば、相3が、段
階1から始めて、反復される。
【0138】b.適応ビット割当て諭理 適応ビット割当ての概念については、図9に表現し、上
で述べた。このアルゴリズムの概念を理解することは、
適応ビット割当てルーチンの実際の論理を理解するのに
役立つ。
【0139】相0は、0に等しいアレイA()の総ての
要素を初期化し、TからTまでの4つの表を構築するこ
とから12始まる。これらの表の構築は、以下の段階を
通して達成される。すなわち、(1)最小のサブバンド
指数を識別し、この値をXとして保存し、(2)最も低
い周MIN波数サブバンド(DCTブロックについては
サブバンド1、又は、DSTブロックについてはサブバ
ンド2)から始めて、サブバンド指数(表I参照)をX
MINから控除し、(3)もしこの差が0であれば、こ
のサブバンド数を表T、T、T、及びTに挿入
し、(4)もしこの差が負の1であれば、このサブバン
ド数を表T、T、及びTに挿入し、(5)もしこ
の差が負の2であれば・このサブバンド数を表T、及
びTに挿入し、(6)もしこの差が負の3であれば、
このサブバンド数を表Tに挿入し、(7)総てのサブ
バンドが処現されるまで、各サプバンドに対して段階3
から段階6までを続行する、段階である。この段階の最
後において、表TにはXMIN−3からXMINま
の範囲の指数を有する総てのサブバンドの数、表T
はXMIN−2からXMINまでの指数を有するサブバ
ンド、表TにはXMIN−1からXMINまでの指数
を有するサブバンド、表TにはXMINに等しい指数
を有するサブバンドが含まれる。ここで重要なことは、
各表へのサブバンド書込みが周波数の上がる順序で行わ
れることである。
【0140】相1によって、最大のサブバンド指数を有
するサブバンド中の変換係数に対して、ビットが割り当
てられる。最初の表Tへの書込み(最も低い周波数)
から始めて、この表で表される各サブバンド内の各変換
係数に対して1ビットが割り当てられる。割当ては、表
、T、最後にTへと、次々に反復される。この
過程は、割当て可能なビットが総て割り当てられるま
で、若しくはTからTまでの表への総ての書込みが
処理され終わるまで、続行される。サブバンド中の総て
の係数に対してビットが割り当てられると、A()中の
要素が各サブバンド中の各変換係数に対して割り当てら
れる全ビットを反映するように、アレイA()のサブバ
ンドに対応してアレイA()中での書込みが1だけ増分
される。
【0141】前に注意したように、割当て可能なビット
が総て割り当てられると割当ては直ちに終結する。各表
への書込みによって、一般的に重合変換係数を含むサプ
バンドが表される。したがって、もし割当て可能ビット
の最後のものが2っ以上の係数を持っサブバンドを表す
表書込みに割り当てられるならば、そのサブバンド中の
係数の総てには同じ数のビットが割り当てられないこと
が起こり得る。そのような状況下では、この割当て過程
によって、継続してアレイA()中に記憶されるサブバ
ンド割当ての合計から、サブバンド中のどの係数が控除
しなければならないビットを持っているのかが表示され
る。
【0142】相2によって、表TからTまでの4つ
の新しい表が、相0で用いられたのと類似の手順を用い
て構築される。すなわち、この手順は、(1)Xによっ
て最MIN小のサブバンド指数が依然保持され、(2)
最も低い周波数サブバンド(DCTブロックについては
サブバンド1、又は、DSTブロックについてはサブバ
ンド2)に関して、サブバンド指数をXMINから控除
し、(3)もしこの差が0であれば、このサブバンド数
を表Tに挿入し、(4)もしこの差が負の1であれ
ば、このサブバンド数を表Tに挿入し、(5)もしこ
の差が負の2であれば、このサブバンド数を表丁に挿入
し、(6)2もしこの差が負の3であれば、このサブバ
ンド数を表Tに挿入し、(7)総てのサブバンドが処
理されるまで、各サブバンドに対して段階3から段階6
までを続行することである。この段階の最後において・
表TにはXMIN−3に等しい指数を有する総てのサ
ブバンドの数、表TにはXMIN−2に等しい指数を
有するサブバンド、表TにはXMIN−1に等しい指
数を有するサブバンド、表TにはXMINに等しい指
数を有するサブバンドが含まれる。総ての表へのサブバ
ンド書込みは、変換係数の周波数の上がる順序で行われ
る。
【0143】相2によって、表TからTまでの中の
サブバンドで表される総ての係数に対して、各係数が合
計4つの追加ビットを受け取るまで、若しくは割当て限
界に達するまで、ビットが割り当てられる。表T中の
最初の書込み(最も低い周波数)から始めて、この表中
に表される各サブバンド内に含まれる各係数に対して、
1ビットが割り当てられる。各サブバンドが処理される
につれて、書込みは、表Tから取り除かれて、表T
に挿入される。次に、追加ビットが割り当てられるにつ
れて、各書込みを表Tから表Tに移動させながら、
表T中の書込みに関連する係数に対して、追加ビット
が割り当てられる。その後、書込みを表Tから表T
に移動させながら・表T中の書込みが処理される.も
し割当て可能なビットが幾らかでも残っているならば、
表Tに対する処理、その後、表Tに対する処理を反復
しながら、割当てが続行される。もし割り当てられるべ
きビットが残っているならば、表T中の書込みを通し
て最後の処理が行われる。もし相2によって割当て可能
なビットの総てが割り当てられなければ、表Tには各
々が受け取った4ビットを持つ総ての係数を含み、表T
から表Tまでは空である。もし割当て可能なビット
の総てが割り当てられたならば、各変換係数に割り当て
られた全ビットを反映すべく、表Tから表Tまでに
含まれる情報からアレイA()が再構築される。表T
中の書込みに対応するアレイA()中の各要素には値4
が割り当てられる。表T中の書込みに対応する各
A()要素には値3が割り当てられ、表Tについては
値2、表Tについては値1が割り当てられる。A()
の他の総ての要素、すなわち表Tから表Tまでの書
込みで表されないサブバンドは0である。
【0144】もし割当て可能なビットが幾つかでも残っ
ているならば、相3での割当てが続行される。サブバン
ドの数を周波数の下がる向きに順序付けることによっ
て、表Tが4並び替えられる。第1段階によって、表T
にはない、低い周波数で、表T中にあるサブバンド
に隣接するサブバンドが表Tに対して追加される。表
中の最初の書込み(最も高い周波数)から始めて、
表T中での隣接書込みが1っであるのか、若しくは2
っ以上のサブバンドに分離されていないかにっいて検査
される。もし分離されているならば、高い周波数の直ぐ
下にあるサブバンドの数が表Tに挿入される・例えば
・表T中の2つの隣接する書込みによってサブバンド
16及び12が表されるとしよう。これらのサブバンド
は3つのサブバンドに分離されている。したがって、サ
ブバンド16の下のサブバンドを表す数15が表T
挿入されることになろう。
【0145】第2段階によって、表Tにはない、高い
周波数で、表T中にあるサブバンドに隣接するサブバ
ンドが表Tに対して追加される。表T中の最初の書
込み(最も高い周波数)から始めて、表T中での隣接
書込みが1つであるのか、若しくは2っ以上のサブバン
ドに分離されていないかについて判定すべく検査され
る。もし分離されているならば、低い周波数の直ぐ上に
あるサブバンドの数が表Tに挿入される。例えば、表
中の2つの隣接する書込みによってサブバンド16
及び12が表されるとしよう。上で論じたように、これ
らのサブバンドは3つのサブバンドに分離されている。
したがって、サブバンド12の上のサブバンドを表す数
13が表Tに挿入されることになろう。
【0146】表T中の最初の書込みから始めて、表T
中の書込みによって表される各サブバンドに関連する
各変換係数に対して追加ビットが割り当てられる。各サ
ブバンドの警込みは、処理されるにつれて、表Tから
表Tへと移される。表Tの処理の最後で割当て可能
なビットが幾つかでも残っているならば、各書込みを表
から表Tへと移しながら、表Tの書込みに関し
て類似の過程が反復される。もし割り当てられるべきビ
ットが幾つかでも残っているならば、表Tの書込みを
表Tから表Tへと移しながら、表Tの過程が続行
される。もしこの過程の後にビットが幾つかでも残って
いるならば、最初に表Tの書込みが未だ並び替えられ
た状態にあるがどうかを判定し、もしそうでなければ、
表Tの書込みを周波数の下がる向きの順序に並び欝え
る、始めの段階から相3が繰り返される。割当て可能な
ビットの総てが割り当てられると、上で相2に関して述
べたように、4つの表からアレイA()が構築される。
【0147】ビットの総てが割り当てられた後、各変換
係数コード・ワードは、この係数がグループ化されるサ
ブバンドをその中で表すアレイA()の要素の値に等し
い、ビット長に丸められる。しかし、1つのサブバンド
中の幾つかの係数では、割当てビットの合計数を割当て
最大数に等しく保つために必要なビット長から1つ控除
した、ビット長を具えることもある。
【0148】5.コード・ワード省略 図8のボックス705に示す不均一量子化要素の第5部
分は、適応ビット割当てルーチンに従う。前節で決定さ
れたサブバンド及び主指数を用いて、変換ブロック中の
各変換係数は、もしその関連する主指数が0に設定され
ているならば、変換係数が中でグループ化されるサブバ
ンドに対する指数の値に等しい桁数に更に3桁加えた桁
数だけ、左に移動される。その後、アレイA()中で見
出たされる各サブバンドに対して割り当てられる適応割
当てビットの数に最小ビット長(表Iを参照)を加える
ことによって、各係数の合計ビット長が計算される。各
変換係数のコード・ワードは、このビット長に丸められ
る。
【0149】上で述べたように、アレイA()の各要素
によって、サブバンド内の総ての係数に割り当てられる
ビットの数が表される。1つのサブバンド中の幾つかの
係数では、割当てビットの合計数を割当て最大数に等し
く保つために必要なビット長から1っ控除したビット長
を具えることもある。
【0150】E.フォーマット化 フォーマット化過程によって、伝送又は記憶のための符
号化された1組の変換ブロックが用意される。この過程
は、図1aのボックス109に示されている。以下の叙
述では、1チャネル系中の2つの隣接する変換ブロック
のフォーマット化について論考する。同じ技法を用い、
ステレオ音響の用途に用いられる技法のように信号を処
理して、2チャネル系の各チャネルから1つの変換ブロ
ックがフォーマット化される。
【0151】各変換係数のコード・ワードの固定長表現
は、丸められたコード・ワードを、表Iに示す最小ビッ
ト長に等しい長さにまで省略することによって形成され
る。このコード・ワードに対して割り当てられるあらゆ
る追加ビットは、適応ビット・ブロック中で個別にフォ
ーマット化される。その後、主指数と、サブバンド指数
と、省略されたコード・ワードと、適応ビット・ブロッ
クとが図20aに示すグループ化によって組み立てられ
る。
【0152】図20aの変換ブロックのフォーマット化
されたフレームでは、変換ブロックAがDCTブロッ
ク、変換ブロックBがDSTブロックの形での、構造が
説明されている。このフレームが、伝送中の雑音によっ
て生じるようなビット誤りを受けるのであれば、図20
bに示すようにデータに誤り訂正符号が混交される。も
しこのディジタル信号が放送用に企図されたものなら
ば、フレーム同期ビットのような、また、もしこのフレ
ームが記憶用に企図されたものならば、データベース・
ポインタ又はレコードキーのような、追加の付帯的なビ
ットが必要になることもある。フレーム同期ビットが必
要であれば、フォーマット化されたフレームは、ニュー
・ヨーク州ニュー・ヨークのヴァン・ノストランド・ラ
インホールド社1985年出版の、スミスによる「ディ
ジタル伝送系」の228ページから236ページまで
(Smith, Digi-tal Transmission System, New York, N
Y: Van Nost-rand Reinhold Co., 1985, pp. 228-236)
に叙述されている技法を用いて、無作為化される。無作
為化は、フレーム内の有効データが同期パターンと誤認
される確率を下げるために行われる。その後、この無作
為化されたフレームは、フレーム同期ビットに対して付
加される。
【0153】各変換係数を2つの別個の部分又はセグメ
ントで表現することができることに注意して欲しい。第
の部分によって係数の最小の長さが表現されるが、この
部分は固定の数のバスで構成される。表Iを参照のこ
と。この表現の第2部分は、もしそれがあるとすれれ
ば、長さが変わり、適応的に割当てられるビットで構成
される。可変長のワードとして各係数を表す表現構想で
は雑音による悪化があるのに対して、この2部分構成に
よる表現構想はより優れた免疫性があるので、これが選
ばれる。好ましい実施例の構成を用いるフレーム中でも
し突発雑音が発生すると、この雑音の影響は、指数の
値、コード・ワード、又はこの雑音によって直接影響を
受ける割当てビットに限られる。もし可変長コード・ワ
ードを利用するフレーム中で突発雑音が発生すると、こ
の雑音の影響は、残りのフレーム全体に伝はんずること
が有り得る。突発雑音によって、この雑音で直接的に打
撃を受ける指数の値及びコード・ワードのみならず、各
可変長のコード・ワードの長さを決定するのに必要な情
報も変わってしまうので、この伝はんが生じる。もし1
つのコード・フードの長さに誤りを生じると、フレーム
の残りの部分も誤って解釈される。
【0154】表Iでは、符号化されたDCTブロック
が、2つの主指数ビットと、69ビットに対する19の
サブバンド指数と、163ビットに対する46の係数の
コード・フードとから構成されていることが示されてい
る。適応的に割り当てられる追加の34ビットによっ
て、合計のDCTブロック長は268ビットになる。
(本発明の20kHz形については、符号化されたDC
Tブロックは、2つの主指数と、77ビットに対する2
1のサブバンド指数は、197ビットに対する63の係
数のコード・ワードと、34の適応的に割り当てられる
ビットとの合計310ビットである)。表Iに記され、
表現4に示されているように、DST係数に対するコー
ド・ワードS(0)は常に0であるので、このコード・
ワード及びその指数を伝送したり、又は記憶したりする
必要はない。このことによって、符号化されたDCTブ
ロックが合計8ビット(指数ビット3っと、係数コード
・ワード5つ)だけ低減されて、合計260ビット(2
0kHz方式については、302ビット)になる、DC
T及びDSTブロックの組の符号化されたフレームに対
する合計長は、528ビットである。
【0155】追加ビットが割り当てられている係数を指
示するのに、付帯的情報は必要ではない。フォーマット
を解除する過程では、符号化過程で用いられるのと同一
の割当てアルゴリズムを実行することによって、伝送さ
れたサブバンド指数から適正な割当てを決定することが
可能である。
【0156】データの悪化が問題ではない時には、変換
ブロックのフレームをフォーマット化するための好まし
い構造は、指数を最初に、係数コード・ワードを2番目
に、適応割当てビットを最後に配置する構造である。こ
の構造では、総てのサブバンド指数が受け取られた後
に、適応ビット・ブロックが受け取られる間に、フォー
マットを解除する過程によって各変換係数に対するビッ
ト割当てを決定することが可能であるので、処理による
遅延が低減される。本発明の好ましい実施例において用
いられるフォーマット化構造は、図20aに示されてい
る。ビット・ストリームは、主及びサブバンド指数と共
に、周波数の上向きの順序にフォーマット化される。そ
の後、変換ブロックAに関する係数コード・ワードの固
定長部分が周波数の上昇する順序で組み立てられ、ブロ
ックBに関する係数コード・ワードがそれに続く。最後
に、ブロックAに関する適応ビット・ブロックがビット
・ストリームに付加され、ブロックBに関する適応ビッ
ト・ブロックがそれに続く。
【0157】データ悪化の可能性が心配な用途において
は、誤り訂正構想が必要である。サブバンド指数中の誤
りと、それよりも程度は低いが、低い周波数係数コード
・ワード中の誤りとによって、聴感上の最大の歪みが生
じる。この情報は、保護すべき最重要のデータである。
好ましい構成では、これらの値を誤り検出及び訂正符号
を用いて保護するが、突発雑音誤差に対する免疫性を向
上させるために、これらの値をできるだけ隔置する。図
20bにこのような構想が示されている。
【0158】当業者にとって、本基本発明から逸脱せず
に、別のフレーム・フォーマット及び訂正符号を利用で
きることは明白であろう。
【0159】DCT・DSTブロック・対の1フレーム
の全体の長さは528ビット(20kHz形については
612ビット)である。この長さに関して、139ビッ
ト(20kHz版については155ビット)はサブバン
ド及び主指数である。このビット・ストリームに対して
3個の(15,13)リード・ソロモン(Reed-Solomo
n)誤り訂正符号が付加される。これらの符号の各々に
よって、13個の4ビット記号(ニブル:nibbles)又
は2ビットに対する単一記号誤り検出・訂正が行われ
る。この例として、マサチュセッツ州ケンブリッジの
M.I.T.ブレス社1986年出版のピーターソンと
ウエルドンによる「誤り訂正符号」の269ぺージから
309ぺージまでと、361ぺージから362ぺージま
で(Peterson and Weldon, Error-Correcting Codes, C
ambridge, Mass: The M.I.T. Press, 1986, pp. 269-30
9, 361-10362)を参照して欲しい。これらの3つの誤り
訂正符号の1.3個は、各フレームに挿入され、39ニ
ブル(156ビット)までのデータが保護されるが、全
フレーム長は552ビット(20kHz形については6
36ビット)になる。
【0160】これらの3つの符号によって156ビット
までを保護できるが、15kHz方式では139のサブ
バンド指数ビットしかないことから、フロック・対・フ
レーム中の3個の最低周波数係数コード・ワード[DC
Tについては係数C(0)及びC(1)、DSTについ
ては係数S(1)]に対しても保護を行うことができ
る。この残りの誤り訂正能力は、各変換ブロックの低い
周波数の主指数の2個(表Iに示されているMEXP
0)に対する冗長保護を行うことに利用される。しか
し、特定データ要素に対するこの3個の誤り符号の割当
ては任意的であって、DST主指数に1個の符号を割り
当てられなけれはならず、また、各変換ブロックからの
2つの低い周波数の主指数には第3の符号を割り当てら
れなければならない。
【0161】リード・ソロモン・コードによってニブル
中のデータが処理されるので、誤り符号と、保護された
データと、保護されていないデータは、処理を容易にす
るために4ビットのニブルにグルーブ化される。各ブロ
ック・対・フレーム中での保護されるデータに対する保
護されないデータの比率は、約2対1である、これによ
って、保護されたデータをフォーマット化されたフレー
ム全体にわたって分散して、保護されたデータの4ビッ
トのニブルの各々を保護されていないデータの2ニブル
により分離することが可能になる。これに加えて、各誤
り符号自体が単一記号誤りを保持することが有り得るの
で、保護されたニブルは連続する3つの符号の各々に対
して割り当てられる。例えば、最初の5つの保護された
ニブルはそれぞれ、誤り符号1、2、3、1、及び2に
対して割り当てられる。これについては図20bを参照
して欲しい。この技法を用いると、フレーム中のあらゆ
る位置に各誤り符号に33ビットもの1つの突発雑音が
生じても、各誤り符号から2個以上のニブルを悪化させ
ることがない。したがって、33ビット以上の長さを持
たない突発雑音に対しては、保護されたデータを復元す
ることができる。
【0162】上で論じた制約の下で、指数及び変換係数
コード・ワードは周波数の上昇する順序にアセンブルさ
れ、その後に適応的ビット・ブロックが続く。
【0163】F.伝送又は記憶 今や、フォーマット化されたフレームの伝送又は記憶の
ための準備が整えられた。図1aには、伝送要素110
が示されている。伝送媒体としては、放送のような公共
頒布系と、スタジオでのモニタや信号ミキシングのよう
な内部用途と、内部施設又は地上系や衛星系電波を経由
する電話用途とが含まれる。記憶媒体には、磁気デーブ
と、磁気又は光ディスクとが含まれる。
【0164】G.フォーマット解除 伝送信号の受信が、もしくは記憶からの取り出しの何れ
かによって、ディジタル化され符号化された信号が伝送
要素111から受け取られると、フォーマット解除過程
が始まる。この過程は、図1bのボックス112に表現
されている。もしコード・ワードのフォーマット化され
たフレームが、伝送の前に無作為化されていたものであ
れば、逆無作為化過程によって復元される。その後、こ
のフレームは、各変換ブロックの成分、すなわち、主指
数と、サブバンドに指数と、変換指数コード・ワード
と、適応的割当てビットとに分割される。誤り訂正符号
がもしあれば、これを用いて、伝送又は記憶の間に引き
起こされた誤りが取り除かれる。
【0165】各主指数ビットは、その冗長ビットを用い
て点検されて、精度が確認される。もしこの点検で落第
ならば、つまり、主指数とその冗長相対部とが等しくな
ければ、この主指数の値は1であると仮定される。もし
この主指数の正しい値が実際には0であるとしたら、こ
の仮定によって、総ての変換係数の振幅はこの誤った主
指数の下でグルーブ化されるサブバンド内に下げられ
る。主指数を(1であるべきところで)0に誤って設定
すると、影響を受ける係数の総ての振幅を増加させるの
で、この仮定による方が、0に誤って設定するよりも不
都合なひずみの発生をより少なくできる。
【0166】総ての単一係数サブバンドに関する指数も
また点検されて、隠れビットについての調整が必要であ
るかどうかが判断される。
【0167】主指数を0(1であるべきところで)に誤
って設定すると、影響を受ける係数の総ての振幅が増加
するので、この仮定を用いる方が、不都合なひずみの発
生をより少なくてきる。
【0168】DCT係数C(0)に対する指数も点検さ
れ、隠れビットに対する調整が必要かどうかが判定され
る。
【0169】上で述べた適応ビット割当てルーチンを用
いて、受信信号から抽出される指数が処理され、この処
理結果を用いて、変換係数に対する適応ビット・ブロッ
クの適正な割当てが決定される。最大ビット長とあらゆ
る適応割当てビットとを加えたビット長にその長さが等
しい、各変換係数の部分は、24ビット・ワードに負荷
され、その後、もし関連する主指数が1に設定されてい
るならば、適切なサブバンド指数の値と3桁の追加移動
桁とを加えた数に等しい度数だけ右に移行される。この
過程は、図1bのボックス113に表現されている。
【0170】H.合成フィルタバンク、逆変換 図1bのボックス114には、フォーマット解除及び直
線化手順から復元された周波数領域係数の各組を時間領
域信号サンプルのブロックに変換する、合成フィルタの
バンクが表現されている。図1aの分析フィルタバンク
で用いられる変換とは逆の変換によって、合成フィルタ
バンク114が実現される。本発明の実施例で用いられ
るTDAC技法のための逆変換は、改変された逆DCT
及び逆DSTの交互的な適用である。変換ブロックの半
分が伝送又は記憶から除去されているので(表現5及び
29を参照のこと)、逆変換のためにこれらのブロック
を再生しなければならない。式8に示されるように、失
われたDCTブロックを入手可能なDCTブロックから
再生することができる。この逆DCTブロックは式10
で表現されており、逆DSTブロックは式11で表現さ
れている。すなわち、
【0171】
【式4】 ここで、k=変換係数 n=信号サンプル数 K=変換係数の数 N=サンプル・ブロック長 m=E−TDACに関する相期間
【0172】
【式5】 である。
【0173】計算は、FFTアルゴリズムを用いて行わ
れる。逆変換において、前向き変換で用いられた技法と
同じ技法を用いて、FFTを用いてのDCT及びDST
の両方の同時発生的計算が可能になる。
【0174】図14aから図14eまでと、図16aか
ら図16gまでに、分析・合成フィルタバンクの変換過
程が示されている。分析フィルタバンクによって、時間
領域信号が、DCT及びDSTブロックの交互列に変換
される。逆変換によって、逆DCTが別のブロックの各
々に適用され、逆DSTがブロックの別の半分に適用さ
れる。図15aから図15dまでに示すように、復元信
号には、エイリアシングひずみが含まれている。このひ
ずみは、図1bのボックス116に表されている後続の
時間領域ブロック重複・加算過程の間に、相殺される。
この重複・加算過程については、以下に述べる。
【0175】I.合成ウインドウ 図16aから図16gまでには、隣接する時間領域信号
サンプル・ブロックの重複・加算による時間領域エイリ
アシングの相殺が示されている。ブリンセンによって誘
導されているように、時間領域エイリアシングひずみを
相殺するには、E−TDAC変換で分析ウインドウと同
等の合成ウインドウを適用し、隣接するブロックを重複
・加算することが必要である。各ブロックは、100
%、すなわち、先行ブロックによって50%、後続ブロ
ックによって50%が重複される。合成ウインドウ変調
は、図1bのボックス115によって表現されている。
【0176】合成・分析ウインドウの設計では、フィル
タバンクの性能について考慮しなければならない。両方
のウインドウとも時間領域信号を変調すべく用いられる
ので、フィルタ性能に係る総合的効果は、これら2つの
ウインドウの積から形成される単一のウインドウによっ
て生じる効果と類似している。したがって、合成・分析
ウインドウ・ペアの設計は、合成、及び分析ウインドウ
の点ごとの乗算を表す適切な積ウインドウを設計するこ
とにより達成される。この設計は非常に制約されてい
て、僊移帯域ロールオフの鋭さと阻止帯域排除の深さと
を交換する融通性を低下させる。その結果、フィルタ性
能は、この制約のない分析専用ウインドウにおけるより
も大幅に劣化する。この例については、図17a及び図
17bを参照のこと。
【0177】先行技術では、分析ウインドウに関して多
大な注意が払われているが、合成ウインドウについては
教示するところが少ない。以下に叙述する技法では、周
知の良好な分析ウインドウの設計から良好な合成・分析
ウインドウ・ペアを誘導している。どのような分析ウイ
ンドウをも出発点として用いることができるが、幾つか
のウインドウでは良好な選択度を有するフィルタバンク
の設計が可能となり、僊移帯域ロールオフの鋭さを阻止
帯域排除の深さと交換する手段が提供される。3つの例
として、カイザー・ベッセル・ウィンドウ(Kaiser-Bes
sel window)と、ドルフ・チェビシェフ・ウインドウ(D
olph-Chebychev window)と、パークス・マックレラン
法(Parks-McClellan method)を用いて有限インパルス
・フイルタ係数から誘導されるウインドウとが挙げられ
る。1972年3月のIEEE学会誌、回路理論、CT
−19巻の189ページから194ページまでの、パー
クスとマックレランによる論文、「リニア相を有する非
回帰型ディジタル・フィルタのチェビシェフ近似法」
(Parks and McClellan,“Chebychev Approximationfor
Nonrecursive Digital Filters with Linear Phas
e”,IEEE Trans. Circuit Theory, vol. CT-19, March
1972, pp. 189-94)を参照のこと。ここでは、カイザ
ー・ベッセル・ウインドウのみにっいて論考している。
このウインドウによって、単一のパラメータ・アルファ
値の選択を通して、上述の交換が可能になる。一般的法
則として、低いアルファ値によって僊移帯域ロールオフ
が改善され、高いアルファ値によって阻止帯域排除の深
さが増加させられる。上で引用したハリスの論文を参照
のこと。
【0178】本発明の好ましい実施例では、4から7ま
での範囲のアルファ値が使用できる。この範囲では、中
間周波数領域(1kHzから2kHz)での倦移帯域ロ
ールオフの鋭さと、低い周波数領域(500Hz以下)
及び高い周波数領域(7kHz以上)での阻止帯域排除
の深さとの間の良好な妥協が得られる。この受容できる
アルファ値の範囲は、量子化雑音を音響心理学的マスキ
ングしきい値以下に維持するために十分な阻止帯域排除
を具える最低のアルファ値を、コンピュータ・シミュレ
ーションで識別することによって決定された。
【0179】カイザー・ベッセル・ウインドウ関数は以
下の通りである。すなわち、
【0180】
【式6】 ここで、 α=カイザー・ベッセル・アルファ因数 n=ウインドウのサンプル数 N=ウインドウのサンプル数中のウインドウ長
【0181】
【式7】 である。
【0182】この重複・加算条件を満足させるために、
長さv+1のウインドウW(n)を長さN−vの長方形
ウインドウでたたみ込むことによって、長さNの分析・
合成績ウインドウWP(n)が誘導される。値vは、ウ
インドウ重複・加算期間である。この重複・加算過程に
よって、エイリアスひずみと分析・合成ウインドウの変
調効果とが消去される。積ウインドウを誘導するたたみ
込みは、式13に示される。ここでは、表現の分母によ
って、最大値が単位1に近付くが1を超えないようにウ
インドウが測定される。この表現を式14に示されるよ
うに単純化することもできる。すなわち、
【0183】
【式8】 ここで、 n=積ウインドウのサンプル数 V=ウインドウ重複期間内のサンプル数 N=積ウインドウの望ましい長さ W(n)=長さv+1のウインドウ関数の開始 WP(n)=長さNの誘導された積ウインドウ
【0184】
【式9】 式(15)及び式(16)に示される分析及び合成ウイ
ンドウは、誘導された積ウインドウWP(n)をそれぞ
れS及びAで累乗することによって得られる。すなわ
ち、 WA(n)=WP(n)A 0≦n<N (15) WS(n)=WP(n)S 0≦n<N (16) ここで、 WP(n)=誘導された積ウインドウ(式13及び式1
4を参照) WA(n)=分析ウインドウ WS(n)=合成ウインドウ N=積ウインドウの長さ A+S=1 である。
【0185】本発明の現在の実施例では、分析及び合成
ウインドウは、100%のウインドウ重複、又は256
サンプルの重複期間を有する、512サンプルの長さで
ある。S及びAの値は各々、E−TDAC変換に必要な
1組の同等な分析合成ウインドウ及び合成ウインドウを
作り出す真半分に設定される。これらの値を式14に代
入することによって、結果としての分析ウインドウは以
下のようになる。すなわち、
【0186】
【式10】 ここで、W(n)=長さ257のカイザー・ベッセル関
数で、アルファ因数は4から7までの範囲である。
【0187】J.重複・加算 ウインドウの設計には・更に追加の要件が課される・す
なわち、分析及び合成ウインドウは、隣接する2つの分
析及び合成ウインドウが重複された時に、分析・合成績
ウインドウが一体的に合算されるように設計されなけれ
ばならない。重複・加算過程は、分析ウインドウ及び合
成ウインドウの時間領域効果を相殺すべく用いられるの
で、この要件が課される。この過程は、図1bのボック
ス116によって表現され、図16aから図16gまで
によって説明されている。逆DCT及びDSTからそれ
ぞれ復元される信号y(t)及びy(t)は、図1
6a及び第16d図に示されている。各信号ブロック
は、1連のブロックにグループ化される。各信号ブロッ
クは、図16b及び図16eに示される分析・合成ウイ
ンドウ関数によって変調される。結果として得られる信
号y′(t)及びy′(t)のブッロクが、図16
c及び図16fに示されている。ブロック長の半分ずつ
が重複されている2つの信号は加算されて図16gに示
される信号y(t)が作り出される。信号y(t)は、
元の入力信号を正確に再構築したものである。
【0188】図18に示されるように、フロックkとブ
ロックk+1との間の重複期間内の或る時刻ntにあ
る信号サンブルは、2つのブロックの各々の中のサンプ
ルによって表現される。ウインドウ処理された2つのブ
ロックの重複・加算に続いて、時刻ntにある復元さ
れた信号サンプルは、ウインドウ処理されたブロックk
及びk+1からのサンプルの合計であることが分かる。
これは、以下の式で表することができる。すなわち、 X(n0t)=WPk(nOt)・x(nOt)+ WPk+1(nOt)・x(nOt) (18) ここで、 WPk(nOt)=WAk(nOt)・WSk(nOt)={WAk(nOt)}2 WAk(nOt)=時刻nOtにおけるブロックk中の分析ウインド
ウ WSk(nOt)=時刻nOtにおけるブロックk中の合成ウイ
ンドウ WAk(nOt)=E−TDAC変換に必要なWSk(nOt) である。
【0189】もしウインドウの重複期間を横切る2つの
山ウインドウの合計が単位1に等しければ、山ウインド
ウの変調効果は相殺される。したがって、信号x(n
t)は、ブロックk及びブロックk+1の間の重複期間
内の時間サンプルの総てについて以下のようであれば、
正確に復元される。すなわち、 WPk(nt) + WPk+1(nt)=1 0≦n<N (19) である。
【0190】時間の関数として山ウインドウで作業する
のは困難であるので、式19に示されている要求をウイ
ンドウのサンプル数の関数に翻訳することが望ましい。
式20から式23まででは、100%重複している51
2サンプルの分析及び合成ウインドウのペアの積から作
り出される積ウインドウについてのこの要件を表してい
る。式20では、ウインドウWPの前半部とウインド
ウWPk−1の後半部との重複が表されている。式21
では、ウインドウWPの後半部とウインドウWP
k+1の前半部との重複が表されている。式22及び式
23では、分析山ウインドウに関して等価の表現が示さ
れている。すなわち、 WPk-1(n+256) + WPk(n)=1 0≦n<64 (20) WPk(n) + WPk+1(n-256)=1 64≦n<128 (21) {WAk-1(n+256)}2 + {WAk(n)}2=1 0≦n<64 (22) {WAk(n)}2 + {WAk+1(n-256)}2=1 64≦n<128 (23) ここで、 WPk(n)=WAk(n)・WSk(n)={WAk(n)}2 WAk(n)=ブロックk中のサンプルnに対する分析ウイン
ドウの値 WSk(n)=ブロックk中のサンプルnに対する合成ウイン
ドウの値 WAk(n)=E−TDAC変換に必要なWSk(n) である。
【0191】K.信号出力 図1bのボックス117には、ディジタル入力に応答し
て電圧が変化するアナログ信号を発生する、ディジタル
対アナログ・コンバータが示されている。このディジタ
ル入力は、重複・加算過程によって作り出される、24
整数ワードの16最上位ビットから得られる。このアナ
ログ出力は、擬似の高周波成分を取り除くために、15
kHz(20kHz版については20kHz)の通過帯
域を持つ低域フィルタで濾波されなければならない。図
1bでは、このフィルタは示されていない。
【0192】II.本発明の代替DFTの実施 TDAC変換は大半の用途に対して好ましいが、しか
し、TDACコーダでは、離散フーリエ変換(DFT)
を基盤とするコーダにおけるよりも多くの演算資源を必
要とする。DFTを用いることにより、16有意ビット
に対して必要とするメモリ、処理速度、計算精度のより
少ないコーダが実現される。DFTコーダの設計目標
は、TDAC方式についての設計目標と同じである。す
なわち、CDと同等の品質の信号と、最小のビットレー
トと、コーダでの最小の遅延とを目標とする。以下の議
論では、TDAC方式について上で論じた際の44.1
kHzのサンプルレートを用いることもできるが、48
kHzのサンプルレートを前提にしている。
【0193】図21a及び図21bでは、本発明のDF
Tの実施例の基本的な構造が示されている。この構造
は、TDAC方式についてのものと類似している。16
ビット計算のより低い精度に対して補償するために4つ
の差異が要求される。すなわち、(1)ボックス221
9で表されるネットワークによって、アナログ入力一号
に対してプリエンファシス利得を加え、(2)ボックス
2220で表されるブロック浮動小数点エンコーダを、
ボックス2203で表される分析ウインドウ変調の前に
動作させ、(3)ボックス2222で表されるブロック
浮動小数点エンコーダを、時間領域信号を16ビット整
数形式に復元すべく動作させ、(4)ボックス2224
で表される相補ポストエンファシス増強をアナログ出力
信号に対して加えることが、これらの差異である。
【0194】この信号サンプルは、DFT計算が16有
意ビットの精度で行われると、丸め誤差の累積による聴
感上の雑音を生じて必要なダイナミック・レンジを表し
得ないので、ブロック浮動小数点形式に転換して、有意
ビットの数を増加させる。FFTアルゴリズム中での丸
め雑音の累積についての更なる情報に関しては、ノース
・ホランド出版社1981年出版の信号処理3の123
ぺージから133ぺージのブラカシュとラオによる、
「ラディックス4FFTの固定ポイント誤差分析」(Pr
akash and Rao,“Fixed Point Error Analysis of Radi
x-4 FFT”,SignalProcessing 3, North-Holland Publi-
shing Co., 1981 pp. 123-133)を参照のこと。各信号
サンプルを4ビット指数を有する形式からブロック浮動
小数点形式に表現することによって、各変換係数の効果
的なダイナミック・レンジが増加する。
【0195】図21aのボックス2220に表されるブ
ロック浮動小数点エンコーダでは、ディジタル化された
信号ブロック中の最大のサンプルを最初に見付け出す。
この値を正規化するのに必要な左への移行桁数が決定さ
れる。この左への移行桁数は0桁から15桁までである
が、これによって、主指数MEXPの値が確定される。
復号の間に、図21bに示されるブロック浮動小数点直
線化要素2222によって各サンプルが主指数と等しい
桁数だけ左へ移行され、その浮動小数点表現からサンブ
ル・ブロックが導出される。
【0196】ブロック浮動小数点表現を用いることによ
って、総てのサンプルが、符号化の際には左へ移行さ
れ、復号の際には右へ移行されて、計算による丸め誤差
が低減されるので、低いレベルの信号に対する低雑音の
基盤が提供される。不都合なことには、広帯域オーディ
オ信号振幅コンパンダによって作り出される雑音基盤の
変調と類似の、計算による雑音基盤の変調が高い信号レ
ベルに生じる。しかし、経験的な証拠によって、この聴
取可能な効果の大きなものは300Hz以下の周波数で
生じることが分かっている。300Hz以下での16ビ
ット変換コーダのひずみ及び丸め雑音は聴取不可能なの
で、信号入力(及び、結果的には雑音基盤)を、ADC
量子化の前に特別なプリエンファシス減衰によって低減
し、ディジタル対アナログ転換の後でポストエンファシ
ス増強によって補償することもできる。図21bのボッ
クス2219で表されるプリエンファシス減衰と、図2
1bのボックス2224で表されるポストエンファシス
増強とによって、低い周波数信号に関する聴取可能な変
調雑音は大幅に低減される。このプリエンファシス特性
は、ポストエンファシス特性に対して相互補完的であ
り、コーダの周波数応答特性は平坦に保たれる。このプ
リエンファシス利得特性は、以下の式で与えられる低い
周波数の減衰を有する。すなわち、
【0197】
【式11】 ここで、 G(s)=プリエンファシス利得 s=j・f j=√−1 f=・rad/sで表される入力周波数 である。
【0198】このプリエンファシス利得は、直流(0H
z)で19dB、高い周波数で単位1の利得を有する第
2シェルフである。高域遮断周波数は300Hz、低域
遮断周波数は100Hzである。プリエンファシス及び
ポストエンファシスの使用に関する更なる詳細について
は、オーディオ・エンジニアリング協会誌第33巻19
85年9月号649ぺージから657ぺージまでのフィ
ールダーによる論文、「録音機用のプリエンファシス及
びポストエンファシスの技法」(Fielder,“Pre-and Po
stempha-sis Techniques as Applied to Audio Recordi
ng Systems”,J. Audio Eng. Soc., vol. 33, Septembe
r 1985, pp.649-657)を参照のこと。
【0199】以下の叙述では、DFT変換とTDAC変
換との間の違いについて論考する。
【0200】A.演算ハードウェア 本発明のDFT方式の基本的なハードウェア構造は、図
2a及び図に示されている本発明のTDAC方式の基本
的なハードウェア構造と同じである。単一チャネルのD
FT方式の好ましい実施例の実施に当たっては、44・
1kHz又は48kHzのサンプル・レートの何れかを
用いて、20μs以内の周期の16ビットADCを利用
して入力の時間山域信号を量子化している。エイ・ティ
・アンド・ティ社(AT&T)製のDSP−16型、又
はテキサス・インストゥルメンツ社(Texas Instrumen
ts)製のTMS32020型のような、或る種の16ビ
ットのディジタル信号プロセッサの何れでも用いて必要
な計算を行い、符号化及び復号の過程を制御することが
できる。スタティックRAMによって、DSPのための
プログラム及びデータ・メモリを行う。20μs以内の
周期の16ビットDACを用いて符号されたディジタル
化信号からアナログ信号を発生させる。コーダのハード
ウェアの設計、及びDSPのシリアル・ポートの構成
は、本発明のTDAC方式について述べたものとは異な
っているが、当業者にとっては明白なものである。
【0201】B.入力信号の標本化とウインドウ処理 上で論考したように、入力信号は、標本化及び量子化の
前にプリエンファシスによって減衰される。ここで諭じ
ているDFTの実施例での標本化は、48kHzで行わ
れる、ADCからの量子化された値は長さ16ビット
で、長さ128サンプルのブロックに緩衝される、2.
67msごとに1ブロックが受け取られ、これによっ
て、コーダを通る際の遅延が短縮される。
【0202】その後、緩衝されたブロックのサンプル
は、1つの4ビットの主指数を用いてブロック浮動小数
点表現に転換される。128サンプルのフロックは、主
指数の値に等しい量だけ左へ移項されて、その後分析ウ
インドウによって変調される。
【0203】この分析ウインドウは、TDAC変換とD
FTとの間の差異があることから、TDAC変換で用い
られる分析ウインドウとは異なる。TDAC変換の場合
とは異なり、DFTでは、変換ブロックの1つの形式の
列を作り出す。各変換ブロックは、41の変換係数の各
々に対する1組の値、すなわち、実数及び虚数成分とか
ら成る、(係数0は例外で、単一の実数成分によって表
される)、表nを参照して欲しい、転送レート又はデー
タ記憶要件が重複期間中に信号サンプルに関して倍増す
るので、入力信号サンプル・ブロックの重複の量を低減
するウインドウ設計を選ぶことが重要である、100%
の重複を有する分析ウインドウを用いるDFTコーダに
は、TDACコーダに必要なビットレートの約2倍のビ
ットレートが必要である。
【0204】TDACウインドウとは異なり、DFTウ
インドウでは、長い期間にわたって単位1の利得を示す
ことによって、ブロックの重複の長さを64サンプルか
ら16サンプルに低減する、図22を参照のこと。この
低減によって、ディジタル・フィルタの阻止帯域排除が
劣化するが、TDACコーダのデータレートより14.
3%[128/(128−16)]のデータ伝送速度の
増加しか招かない。
【0205】DFTウインドウは、カーネルカイザー・
ベッセル関数が17サンプルの長さであり、1.5から
3までの範囲内のアルファ因数を持つ点を除いては、T
DAC実施例のウインドウと類似の方法で発生される。
受容できるアルファ因数の範囲は、TDAC変換ウイン
ドウについて上で論じたアルファ因数の範囲と同じ方法
で決定された。これらの値を式13から式16までに代
入して、カイザー・ベッセル・ウインドウと、長さ11
2(ブロック長128から重複長16を差し引いた値)
の矩形ウインドウとのたたみこみ積の平方根から、分析
・合成ウインドウが得られる。このDFTウインドウ
は、以下の式のとおりである。すなわち、
【0206】
【式12】 ここで、W(n)=長さ17のカイザー・ベッセル関
数、アルファ因数は1.5から3までである。
【0207】このDFT及びTDACウインドウは、第
23図に示されている。第24図に示されているよう
に、DFTウインドウは、重複の冗長量があるため、T
DACウインドウよりも適正な周波数選択度を具えてい
る。
【0208】C.分析フィルタ・バンク、前方変換 DFTによってフィルタ・バンクが実現され、これは以
下の式で表される。すなわち、
【0209】
【式13】 ここで、 k=周波数係数の数 n=入力信号のサンプル数 N=サンプルのブロック長 x(n)=入力信号x(t)のサンプルnにおける量子
化値 C(k)=実数又は余弦係数k S(k)=虚数又は正弦係数k である。
【0210】D.非均一量子化 非均質量子化要素の最初の3つの部分は、これに対応す
るTDACコーダの非均一量子化要素の部分と類似して
いる。ここでの大きな差異は、主指数が、TDACコー
ダ中で行われているように非均一量子化要素の第2部分
によってではなく、ブロック浮動小数点エンコーダ22
20によって、分析ウインドウ処理及び周波数対時間領
域変換の前に決定されることである、この他の小さな差
異は、ブロック浮動小数点表現の構造、すなわち、サブ
バンド指数の長さと、係数の数及び長さの差異とにあ
る。表Iと表nを比較のこと。DFTコーダ中のサブバ
ンド指数の評価については、その虚数項が常に0であっ
て、無視される、係数0(直流又は0Hz)以外の変換
係数の値については、変換係数の対に基づいている。サ
ブバンド指数成分の各々は、サブバンド内の総ての係数
に対して、それが実数であろうと虚数であろうと、最大
の成分から決定される。この実施例においてはDFTフ
ィルタの周波数選択性がより貧弱であるので、DFTコ
ーダに対する最小ビット長はTDACコーダに対する最
小ビット長よりも大きい。TDACコーダに関しては、
正弦波入力を用い、フィルタ選択度を聴感上のマスキン
グ特性と比較することによって、経験的にDFTコーダ
に対する最小ビット長が決定された。
【0211】E.適応ビット割当て DFTコーダに対する適応ビット割当てはTDACコー
ダに用いられる適応ビット割当てとは異なるが、この差
異の大半は変換ブロックの構造に由来する。割当てに
は、32ビット(34ビットではなく)しか利用できな
い。割当ては、各係数について、実数・虚数対に対して
行われる。この割当て方式を単純化するために、係数0
に対してはダイナミック・ビットの割当ては行なわれな
い。係数0の長さは、表Iに示されるような最小ビット
長に制限される。したがって、32ビットは40の係数
対に対して割り当てられる。
【0212】TDACコーダとは対照的に、同じビット
数を用いて約2倍の数コード・ワードに対して割り当て
ることができる。その結果、あらゆるコード・ワードに
対して割り当てられることのできるビットの最大数は、
2ビットに制限される。TDACの割当てでは、4つの
表文はアレイを用いて4ビットも係数に対して割り当て
るのに対して、DFT割当て方式では、2層しか利用し
ない。
【0213】F.フォーマット化 フォーマット化されたデータの構造は、TDACコーダ
に用いられるフォーマット化データの構造と類似である
が、これについては図24a及び図24bに示されてい
る・DFTフォーマットとTDAC変換フォーマットと
の間の主要な差異は、ブロック浮動小数点構造と、指数
と変換係数とに対して割当てられるビット数にある。
【0214】表IIを参照すると、図21a中のDFT非
均一量子化要素2208によって、65個のサブバンド
・ビットと、331個の変換係数ビットと、適応ビット
割当てのための32個のビットとが作り出されることが
分かる。ブロック浮動小数点エンコーダ2220によっ
て、4ビットの主指数が、線路2221に沿ってフォー
マット化要素2209に対して直接受け渡される。単一
チャネルに対する総ての量子化データの全長は、432
ビットである。データの悪化が問題ではない2チャネル
用途では、好ましいフォーマット化構造は図24aに示
される構造のものである。
【0215】データの悪化が懸念される2チャネル用途
では、誤り訂正の施策が必要である。好ましい構造は、
図24aに示されている。保護されるべき最も重要なデ
ータは、138ビット(チャネル当たり69ビット)か
ら成る主指数及び係数指数である。リード・ソロモン・
コードは、これらのデータを保護するのに十分であり、
追加的な18ビットの保護を行なう能力がある。この余
分の能力は2チャネルの間に平等に分与されて、主指数
に対する冗長的な保護(4ビット)と、変換係数0の3
つの最上位ビットに対する保護と、係数1の実数及び虚
数成分の最上位ビットに対する保護とが与えられる。エ
ンファシスによって与えられる低い周波数への増強によ
って、300Hz以下のコード・ワード中のあらゆる誤
りがより聴取可能になるので、最下位周波数係数を保護
することが望ましい。
【0216】III.ウインドウのコンピュータ最適化設計 「最適な」ウインドウによって、変換を基盤とするデイ
シタル・フィルタに、究極的な排除についての所与の水
準のための鋭い僊移帯域ロールオフを具えさせることが
可能になる。ウインドウと、ウインドウによって得られ
るフィルタの周波数応答特性との聞のこの関係を、手短
かに、ウインドウ周波数応答特性と呼ぶ。上で論じたよ
うに、これらのフィルタ特性によって、変換コーダが、
符号化された信号の品質についての所与の主観的水準に
対する低ビットレートを達成することを可能にする。本
発明の目的のために、ウインドウの最適化では、分析専
用ウインドウについてではなく、みしろ、分析・合成ウ
インドウ対について考慮しなければならない。
【0217】分析専用ウインドウの設計は多大な注目を
集めてきたが、先行技術には、分析・合成ウインドウ対
について教えるところは少ない。上で述べた、たたみこ
み技法では、周知の分析専用ウインドウから分析・合成
ウインドウ対を導出するが、最適な分析専用ウインドウ
から最適なウインドウ対をこの技法で誘導できるのかど
うかについては未だ示されていない。上で述べた数値最
適化方法は、究極的な排除の特定の水準を有するTDA
C変換と共に用いるウインドウ対を設計すべく制約を受
ける時に、たたみこみ技法によって作り出される、全く
同等の制約を受けたウインドウ対と実質的に同一の形状
を各ウインドウが具えるウインドウ対が、それによって
作り出される。この最適化方法では、2つの事実が存立
される。すなわち、(1)究極的な排除の特定の水準に
対する「最適」ウインドウを設計することは可能であ
り、(2)たたみこみ技法は、計算上より一層効率的で
ありながら、実質的に最適なウインドウ対を誘導するこ
とである。
【0218】この結果によって、分析・合成ウインドウ
対を設許する際の問題が、より良く理解されている分析
専用ウインドウの設計問題に転換されるので、この結果
を得たことは極めて有益である。最適な分析専用ウイン
ドウを出発点として用いれば、たたみこみ技法によって
実質的に最適な分析・合成ウインドウ対が導出されるで
あろう。
【0219】一般的に、この適正化過程によって、目標
選択度曲線を対応する周波数特性によって最適適合させ
るN点分析ウインドウが、TDAC変化で課せられる制
約を条件として、識別される。上で論じたように、これ
らの制約では、1.5ブロックだけ移動され、自身に重
複している分析ウインドウの二乗(分析・合成績ウイン
ドウ)を、重複期間内で単位1に加算しなければならな
いことが要求される。この適正化過程は、ディジタル・
コンピュータ・プログラムとして実行されるが、以下の
過程から成る。すなわち、(1)初期化を行い、(2)
分析ウインドウを決定し、(3)発生された点の組から
試験的な分析ウインドウを構成し、(4)この試験的分
析ウインドウの周波数応答特性を決定し、(5)過程を
続行するかどうかについて決定する過程である。
【0220】初期化過程では、目標又は望ましい選択度
の周波数特性曲線を決定し、最初のウインドウの形状を
特定するデータを、ファイルから読み出す。この目標選
択度曲線は試聴試験から経験的に誘導されたものである
が、その僊移帯域ロールオフの比率は、臨界帯域内での
耳の音響心理学的マスキング曲線にほぼ従っている。
【0221】第2の段階では、試験ウインドウを決定す
る1組の点が発生される。この適正化過程が始まると、
初期化データによって特定される値から、第1の試験的
ウインドウが構成される。この過程が続行されるにつれ
て、後続の試験ウインドウが適正化ルーチンによって構
成される。
【0222】この適正化ルーチンによって、最良のN/
4+1試験ウインドウの一覧表が保守される、周波数応
答特性が目標選択度曲線に最も接近する試験ウインドウ
が、最良のウインドウである。多次元適正化方法の殆ど
総てを用いることができるが、ここではニュートン・ラ
フソン(Newton-Raphson)技法を用いた。ニュートン法
の基本戦略では、最良のN/4+1ウインドウを用い
て、N/4多次元空間中の表面の斜面を計算し、この表
面の斜面を100交差点に外挿する。この例として、ニ
ューヨークのケンブリッジ大学1986年ブレスの25
4ぺージから259ぺージまでの、ブレスによる論文、
「数的処方、科学計算の技法」(Press, Numerical Rec
ipes: The Art of Scientific Computing, New York, C
ambridge University Press, 1986, pp. 254-59)を参
照のこと。
【0223】第3の段階では、第2の段階で発生された
1組の点から試験ウインドウのN点が構成される。各試
験ウインドウはN/4点のみによって決定される。この
ウインドウは、対称的であり、隣接するウインドウを
1.5ブロックだけ移動して、単位1に加えなければな
らないので、最初のN/4点のみが独立である。この関
係は、以下の式で表現される。すなわち、 W[N/2-(i+1)]=√{1-W[j]2} 0 ≦ i < N4 (28) W[i]=W[N-i-1] N/2 ≦ I < N (29) ここで、 w[i]=点iに対する分析ウインドウ機能の値 N=ウインドウ長 である。
【0224】第4の段階では、試験ウインドウの周波数
応答特性曲線が決定される。この応答特性曲線は幾つか
ある方法の何れによって決定されても良いが、ここで用
いた方法は周波数掃引FFTスペクトル分析器に類似し
ている。この応答特性曲線の各点は、ディジタル化入力
信号の100個の重複したサンプル・ブロックのFFT
から得られる、対応する変換係数の実効値の平均値から
計算される、この入力信号は、ナイキスト周波数の半分
に等しい周波数を中心として、周波数帯域全体にわたっ
て1つの変換係数を幅方向に掃引する正弦である。サン
プル・ブロック間の重複の量は50%である。
【0225】例えば、コーダの実施例の1つでは、4
4.1kHzで128点のサンプル・ブロックに入力信
号を標本化する、1つの変換係数の帯域幅は344.5
Hz(44.1kHz/128)で、この帯域幅の半分
は172.27Hzである。ナイキスト周波数は22.
05kHzであるので、ナイキスト周波数の半分は1
1.025kHzである。試験ウインドウの周波数応答
特性は、10.85kHz(11,025Hz−17
2.26Hz)の周波数から11.20kHz(11,
025Hz+172.26Hz)の周波数まで掃引する
ディジタル化正弦波信号に対する応答特性の実効値から
構成される。このディジタル化信号の長さは、50%の
重複を音する100個の128点のブロック、又は64
64点である。
【0226】第5の段階では、試験ウインドウ応答特性
に関する誤差値が計算される。この誤差値は、試験ウイ
ンドウ応答特性及び目標応答特性曲線の間の試験ウイン
ドウ点ごとの差異の改変された実効値として計算され
る。この改変された実効値エラーの計算は以下の式で表
現される。すなわち、
【0227】
【式14】 ここで、 E=改変実効値エラー値 N=ウインドウ長
【0228】
【式15】 =点における試験ウインドウの計算された応答特性
(dB) T=点における目標応答特性曲線(dB) である。
【0229】応答特性値はdBで表現されるので、この
改変実効値誤差値は対数尺度である。変換係数を表現す
るのに必要なビットの数は望ましい信号対雑音比の対数
に比例するので、対数表現が用いられる。
【0230】第6の段階では、この過程を続行するかど
うかが決定される。過程が解に基づいて収束するか、若
しくは収束の速度が十分低くなるまで、この過程は続行
される。
【0231】表III中の入力は、4から7までの範囲内
のアルファ値を持っカイザー・ベッセル・ウインドウか
ら始まる、たたみこみ技法によって誘導される、幾つか
の分析ウインドウの特性を示す。上の式12から式17
までを参照のこと。この表では、僊移帯域ロールオフと
阻止帯域排除の比率との間の交換が示されている。僊移
帯域ロールオフの比率は、dB当たりのHzで表現され
るが、僊移領域の中間における周波数応答特性曲線に対
する線形の近似である。小さな数値は、より鋭いロール
オフを表す。dBで表現される究極的な排除は、通過帯
域の中央における周波数応答特性に対する阻止帯域内の
フィルタ応答特性を表す。
【0232】
【表1】
【0233】
【表2】
【0234】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1a及び1bは、本発明の基本的構造を示す
概念図である。
【図2】図2a及び図2bは、本発明の1実施例のハー
ドウエア構成を示す概念図である。
【図3】図3は、本発明の1実施例のハードウエア構成
を示す概念図である。
【図4】図4a及び4bは、本発明の1実施例のハード
ウエア構成を示す概念図である。
【図5】図5a及び5bは、本発明の2チャンネルの実
施例に関する演算要素の直列通信インタフェースの詳細
を示す仮想表現図である。
【図6】図6aは、結果として関数Y(t)を得るため
の関数X(t)の関数W(t)による変調を示す概念図
で、図6bは、時間領域信号サンプルブロックの分析ウ
インドウによる変調を示す仮想図である。
【図7】図7a乃至7dは、時間領域信号サンプルブロ
ックの分析ウインドウによる変調を示す仮想図である。
【図8】図8は、本発明で用いられる非均一量子化要素
に関する高水準論理を示す流れ図である。
【図9】図8は、本発明で用いられる適応ビット割当て
過程に関する詳細な論理を示す流れ図である。
【図10】図10は、代表的フィルタ応答特性及び2つ
の代表的心理音響的マスキング曲線を示す表現図であ
る。
【図11】図11a及び11bは、それぞれ4kHz及
び1kHzの心理音響的マスキング曲線に関するフィル
タ応答特性を示す表現図である。
【図12】図12は、幾つかの信号音の音響心理学的マ
スキング曲線から誘導される複合マスキング曲線を説明
する表現図である。
【図13】図13は、500Hzの音に対する音響心理
学的マスキング曲線に関して、3つの異なるビット割当
てに対して符号化された500Hzの音の符号化雑音及
びひずみの、スペクトル・レベルを示す表現図である。
【図14】図14aから図14eまでは、重複され、ウ
インドウで処理された一連の時間領域信号サンプル・フ
ロックにグループ化される時間領域信号を説明する、仮
想表現図である。
【図15】図15aから図15dまでは、E−TDAC
変換によって作り出される時間領域エイリアシングひず
みを説明する、仮想表現図である。
【図16】図16aから図16gまでは、E−TDAC
変換信号合成の間の、時間領域エイリアシングの重複・
加算による相殺を説明する仮想表現図である。
【図17】図17a及び図17bは、分析専用ウインド
ウを用いるフィルタバンクのフィルタ僊移帯域ロールオ
フ及び阻止帯域排除を、本発明のために設計された分析
・合成ウインドウ・ペアを用いるフィルタバンクのフィ
ルタ僊移帯域ロールオフ及び阻止帯域排除と比較する表
現図である。
【図18】図18は、ウインドウで処理された隣接ブロ
ックの重複・加算特性を示す仮想表現図である。
【図19】図19は、4から7までのアルファ値に対す
る幾つかのたたみ込みカイザー・ベッセル(Kaiser-Bes
sel)分析ウインドウの形状を正弦波傾斜ウインドウと
比較する仮想表現図である。
【図20】図20a及びbは、それぞれ誤り符号を有し
ないもの及び有するものにつき、符号化された2つの変
換ブロックのフレームのフォーマットを示す概要図であ
る。
【図21】図21a乃至21eは、本発明のO−TDA
C変換のために実施される、重複されたウインドウで処
理された一連の時間領域信号サンプルブロックにグルー
プ化される時間領域信号を示す仮想表現図である。
【図22】図22a乃至22cは、O−TDAC変換に
よって作り出される時間領域エイリアシングを示す仮想
表現図である。
【図23】図23a乃至23gは、O−TDAC信号合
成間における時間領域エイリアシングの重複・加算によ
る相殺を示す仮想表現図である。
【図24】図24は、誤り訂正を有しない、本発明のO
−TDAC変換実施のために符号化された2つの変換ブ
ロックのフレームのフォーマットを示す概要図である。
【符号の説明】
101 標本化・量子化要素 103 分析ウインドウ乗算要素 104 フィルターバンク 105 浮動小数点エンコーダ 108 非均一量子化要素 109 フォーマッタ 110 デフォーマッタ 113 直線化要素 114 逆フィルターバンク 115 合成ウインドウ 116 重複・加算要素 117 アナログ・デジタル変換要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルイス・ダン・フィルダー アメリカ合衆国、94030 カリフォルニア 州ミルブレア、チューオラムニ・ロード 1210 (72)発明者 マーク・フランクリン・デイビス アメリカ合衆国、94044 カリフォルニア 州パシフィカ、マンザニタ・ドライブ 1110

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号サンプルから成るオーディオ情報を
    高品質でデジタル符号化するエンコーダであって、 前記信号サンプルに応答してサブバンド情報を発生させ
    る要素であって、前記サブバンド情報がコードワードを
    含み、該コードワードの各々が固定ビット数から成る第
    1部分及び適応ビット割当によって決められる可変ビッ
    ト数から成る第2部分を含むサブバンド情報発生要素
    と、 各々のコードワードを、前記第1部分を表す第1区分と
    前記第部分を表す第2区分との2つまでの区分にフォー
    マットすることによって、前記サブバンド情報を含むデ
    ジタル情報を、伝送又は記憶に適したフォーマットを有
    するデジタル出力にアセンブルする要素とから成るエン
    コーダ。
  2. 【請求項2】 分析ウインドウ加重された信号サンプル
    ブロックを形成するために前記信号サンプルのブロック
    を分析ウインドウで重み付けし、前記分析ウインドウ加
    重された信号サンプルブロックに離散変換を適用するこ
    とによって前記サブバンド情報が発生される、請求項1
    のエンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記コードワードの第1区分が前記デジ
    タル出力内で予め設定された位置にアセンブルされる、
    請求項1又は2のエンコーダ。
  4. 【請求項4】 前記コードワードの第1区分が前記デジ
    タル出力内の隣接位置ににアセンブルされる、請求項1
    乃至3のいずれか1つのエンコーダ。
  5. 【請求項5】 符号化された信号からオーディオ情報を
    高品質で再生するデコーダであって、 前記符号化された信号からコードワードを再構成するこ
    とによって前記コードワードを含むサブバンド情報を得
    る要素であって、前記コードワードの各々が固定ビット
    数から成る第1部分及び適応ビット割当によって決めら
    れる可変ビット数から成る第2部分を含み、前記コード
    ワードが、前記符号化された信号内の前記第1部分を表
    す第1区分と前記第2部分を表す第2区分との2つまで
    の区分から再構成されるサブバンド情報要素と、 前記得られたサブバンド情報に応答して信号サンプルを
    発生させる要素とから成るデコーダ。
  6. 【請求項6】 前記得られたサブバンド情報に逆離散変
    換を適用することによって前記信号サンプルが発生され
    る、請求項5のデコーダ。
  7. 【請求項7】 前記コードワードの第1区分が、前記符
    号化された信号内に予め設定された位置でフォーマット
    された第1区分から再構成される、請求項5又は6のデ
    コーダ。
  8. 【請求項8】 前記コードワードの第1区分が、前記符
    号化された信号内の隣接位置でフォーマットされた第1
    区分から再構成される、請求項5乃至7のいずれか1つ
    のデコーダ。
  9. 【請求項9】 オーディオ情報を高品質で符号化するエ
    ンコーダであって、 前記オーディオ情報のサブバンドを表すサブバンド情報
    を発生させる要素と、 ビットをコードワードに適応的に割当ることによって前
    記サブバンド情報を表すコードワードを発生させる要素
    であって、前記それぞれのサブバンドのエネルギーレベ
    ルに基づいてビットが、それぞれのサブバンドに対する
    サブバンド情報を表すコードワードに適応的に割当ら
    れ、前記それぞれのサブバンドのエネルギーレベルに基
    づいて追加のビットが、隣接サブバンドに対するサブバ
    ンド情報を表すコードワードに割当られるコードワード
    発生要素と、 前記コードワードを含むデジタル情報を、伝送又は記憶
    に適したフォーマットを有するデジタル出力にアセンブ
    ルする要素とから成るエンコーダ。
  10. 【請求項10】 前記サブバンド情報が、分析ウインド
    ウ加重された信号サンプルブロックを形成するために前
    記オーディオ情報の信号サンプルのブロックを分析ウイ
    ンドウで重み付けし、前記分析ウインドウ加重された時
    間領域信号サンプルブロックに離散変換を適用すること
    によって発生される変換係数を含む、請求項9のエンコ
    ーダ。
  11. 【請求項11】 前記コードワードが、 各サブバンドの相対的エネルギーレベルを評価し、 最大相対エネルギーレベルを有するサブバンドの第1グ
    ループに対するサブバンド情報を表すコードワードにビ
    ットを割当て、一定数のビットがサブバンドの前記第1
    グループに対するサブバンド情報を表すコードワードの
    各々に割当られてしまった時前記割当を停止し、 該コードワードの各々が前記一定数のビットに割当られ
    てしまっているサブバンドに隣接するサブバンドに対す
    るサブバンド情報を表すコードワードに前記追加ビット
    を割当ることによって発生される、請求項9又は10の
    エンコーダ。
  12. 【請求項12】 前記追加ビットが前記それぞれのサブ
    バンドの高周波数側隣接サブバンドに対するサブバンド
    情報を表すコードワードに割当られる前に、該追加ビッ
    トが前記それぞれのサブバンドの低周波数側隣接サブバ
    ンドに対するサブバンド情報を表すコードワードに割当
    られる、請求項9乃至11のいずれか1つのエンコー
    ダ。
  13. 【請求項13】 デジタル情報を含む符号化された信号
    からオーディオ情報を高品質で再生するデコーダであっ
    て、 前記デジタル情報からコードワードを得る要素であっ
    て、前記コードワードが前記オーディオ情報のサブバン
    ドに対するサブバンド情報を表すコードワード要素と、 ビットをコードワードに適応的に割当ることによって前
    記サブバンド情報を表すコードワードを発生させる要素
    であって、前記それぞれのサブバンドのエネルギーレベ
    ルに基づいてビットが、それぞれのサブバンドに対する
    サブバンド情報を表すコードワードに適応的に割当ら
    れ、前記それぞれのサブバンドのエネルギーレベルに基
    づいて追加のビットが、隣接サブバンドに対するサブバ
    ンド情報を表すコードワードに割当られるコードワード
    発生要素と、 前記サブバンド情報に応答して前記オーディオ情報を再
    生する要素とから成るデコーダ。
  14. 【請求項14】 前記サブバンド情報に逆離散変換を適
    用することによってオーディオ情報の前記再生が行われ
    る、請求項13のデコーダ。
  15. 【請求項15】 前記サブバンド情報が、 各サブバンドの相対的エネルギーレベルを評価し、 最大相対エネルギーレベルを有するサブバンドの第1グ
    ループに対するサブバンド情報を表すコードワードにビ
    ットを割当て、一定数のビットがサブバンドの前記第1
    グループに対するサブバンド情報を表すコードワードの
    各々に割当られてしまった時前記割当を停止し、 該コードワードの各々が、前記一定数のビットに割当ら
    れてしまっているサブバンドに隣接するサブバンドに対
    するサブバンド情報を表すコードワードに前記追加ビッ
    トを割当ることによって発生される、請求項13又は1
    4のエンコーダ。
  16. 【請求項16】 前記追加ビットが前記それぞれのサブ
    バンドの高周波数側隣接サブバンドに対するサブバンド
    情報を表すコードワードに割当られる前に、該追加ビッ
    トが前記それぞれのサブバンドの低周波数側隣接サブバ
    ンドに対するサブバンド情報を表すコードワードに割当
    られる、請求項13乃至15のいずれか1つのエンコー
    ダ。
  17. 【請求項17】 2チャンネルオーディオ情報を高品質
    でデジタル符号化するエンコーダであって、 前記2チャンネルオーディオ情報の各々から信号サンプ
    ルブロックを含む信号サンプルブロック対を形成する要
    素と、 前記信号サンプルブロック対内の各信号サンプルブロッ
    クを分析ウインドウで重み付けすることによって分析ウ
    インドウ加重信号サンプルブロックを形成する要素と、 各分析ウインドウ加重信号サンプルブロック対から得ら
    れる情報に単一高速フーリエ変換を適用することによっ
    て変換係数を発生させる要素と、 前記変換係数にビットを割当ることによってコードワー
    ドを発生させかつ前記コードワードを、伝送又は記憶に
    適したフォーマットを有するデジタル出力にアセンブル
    する要素とから成るエンコーダ。
  18. 【請求項18】 符号化された信号から2チャンネルオ
    ーディオ情報を高品質で再生するデコーダであって、 前記符号化された信号からコードワードを得る要素と、 前記コードワードから変換係数を再構成して変換ブロッ
    ク対を形成する要素と、 各変換ブロック対に単一高速フーリエ変換を適用するこ
    とによって信号サンプルブロック対を発生させる要素で
    あって、前記信号サンプルブロック対が2チャンネルオ
    ーディオ情報の各々からの信号サンプルのブロックを表
    すブロック対発生要素と、 分析ウインドウによって前記信号サンプルブロック対の
    各信号サンプルブロックを重み付けする要素とから成る
    デコーダ。
  19. 【請求項19】 信号サンプルから成るオーディオ情報
    を高品質でデジタル符号化する方法であって、 前記信号サンプルに応答してサブバンド情報を発生さ
    せ、前記サブバンド情報がコードワードを含み、該コー
    ドワードの各々が固定ビット数から成る第1部分及び適
    応ビット割当によって決められる可変ビット数から成る
    第2部分を含むようにさせ、 各々のコードワードを、前記第1部分を表す第1区分と
    前記第部分を表す第2区分との2つまでの区分にフォー
    マットすることによって、前記サブバンド情報を含むデ
    ジタル情報を、伝送又は記憶に適したフォーマットを有
    するデジタル出力にアセンブルすることから成る符号化
    方法。
  20. 【請求項20】 符号化された信号からオーディオ情報
    を高品質で再生する復号方法であって、 前記符号化された信号からコードワードを再構成するこ
    とによって前記コードワードを含むサブバンド情報を導
    出し、前記コードワードの各々が固定ビット数から成る
    第1部分及び適応ビット割当によって決められる可変ビ
    ット数から成る第2部分を含み、前記コードワードが、
    前記符号化された信号内の前記第1部分を表す第1区分
    と前記第2部分を表す第2区分との2つまでの区分から
    再構成されるようにし、 前記得られたサブバンド情報に応答して信号サンプルを
    発生させることから成る復号方法。
  21. 【請求項21】 オーディオ情報を高品質で符号化する
    方法であって、 前記オーディオ情報のサブバンドを表すサブバンド情報
    を発生させ、 ビットをコードワードに適応的に割当ることによって前
    記サブバンド情報を表すコードワードを発生させ、前記
    それぞれのサブバンドのエネルギーレベルに基づいてビ
    ットが、それぞれのサブバンドに対するサブバンド情報
    を表すコードワードに適応的に割当られ、前記それぞれ
    のサブバンドのエネルギーレベルに基づいて追加のビッ
    トが、隣接サブバンドに対するサブバンド情報を表すコ
    ードワードに割当られるようにし、 前記コードワードを含むデジタル情報を、伝送又は記憶
    に適したフォーマットを有するデジタル出力にアセンブ
    ルすることから成る符号化方法。
  22. 【請求項22】 デジタル情報を含む符号化された信号
    からオーディオ情報を高品質で再生する復号方法であっ
    て、 前記デジタル情報からコードワードを導出し、前記コー
    ドワードが前記オーディオ情報のサブバンドに対するサ
    ブバンド情報を表すようにし、 ビットをコードワードに適応的に割当ることによって前
    記サブバンド情報を表すコードワードを発生させ、前記
    それぞれのサブバンドのエネルギーレベルに基づいてビ
    ットが、それぞれのサブバンドに対するサブバンド情報
    を表すコードワードに適応的に割当られ、前記それぞれ
    のサブバンドのエネルギーレベルに基づいて追加のビッ
    トが、隣接サブバンドに対するサブバンド情報を表すコ
    ードワードに割当られるようにし、 前記サブバンド情報に応答して前記オーディオ情報を再
    生することから成る復号方法。
  23. 【請求項23】 2チャンネルオーディオ情報を高品質
    でデジタル符号化する方法であって、 前記2チャンネルオーディオ情報の各々から信号サンプ
    ルブロックを含む信号サンプルブロック対を形成し、 前記信号サンプルブロック対内の各信号サンプルブロッ
    クを分析ウインドウで重み付けすることによって分析ウ
    インドウ加重信号サンプルブロックを形成し、 各分析ウインドウ加重信号サンプルブロック対から得ら
    れる情報に単一高速フーリエ変換を適用することによっ
    て変換係数を発生させ、 前記変換係数にビットを割当ることによってコードワー
    ドを発生させかつ前記コードワードを、伝送又は記憶に
    適したフォーマットを有するデジタル出力にアセンブル
    することから成る符号化方法。
  24. 【請求項24】 符号化された信号から2チャンネルオ
    ーディオ情報を高品質で再生する復号方法であって、 前記符号化された信号からコードワードを導出し、 前記コードワードから変換係数を再構成して変換ブロッ
    ク対を形成し、 各変換ブロック対に単一高速フーリエ変換を適用するこ
    とによって信号サンプルブロック対を発生させ、前記信
    号サンプルブロック対が2チャンネルオーディオ情報の
    各々からの信号サンプルのブロックを表すようにし、 分析ウインドウによって前記信号サンプルブロック対の
    各信号サンプルブロックを重み付けすることから成る復
    号方法。
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