JPH1189161A - スラスト軸受装置及び水車発電機 - Google Patents
スラスト軸受装置及び水車発電機Info
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- JPH1189161A JPH1189161A JP24368597A JP24368597A JPH1189161A JP H1189161 A JPH1189161 A JP H1189161A JP 24368597 A JP24368597 A JP 24368597A JP 24368597 A JP24368597 A JP 24368597A JP H1189161 A JPH1189161 A JP H1189161A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、圧油給油中のスラストパッド
がスラストランナの回転方向に対し前端部を持ち上げる
ように円周方向に大きく傾斜することを防止し、スラス
トランナとの接触による損傷が起きないスラスト軸受を
提供することにある。 【解決手段】圧油給油溝の外周部のテーパー部を削除
し、圧油溝の外周部の壁面を軸受摺動面とほぼ垂直とす
ることにより、圧油溝前縁部の圧力低下と後縁部の圧力
上昇を防止し、スラストパッドの逆方向の傾斜を防ぐよ
うに溝を形成し、スラストパッドの圧油給油装置から圧
油を供給する。 【効果】スラストパッドを水平に保てるので、圧油給油
中にスラストパッドのスラストランナと接触し損傷する
ことを防ぐことができる。
がスラストランナの回転方向に対し前端部を持ち上げる
ように円周方向に大きく傾斜することを防止し、スラス
トランナとの接触による損傷が起きないスラスト軸受を
提供することにある。 【解決手段】圧油給油溝の外周部のテーパー部を削除
し、圧油溝の外周部の壁面を軸受摺動面とほぼ垂直とす
ることにより、圧油溝前縁部の圧力低下と後縁部の圧力
上昇を防止し、スラストパッドの逆方向の傾斜を防ぐよ
うに溝を形成し、スラストパッドの圧油給油装置から圧
油を供給する。 【効果】スラストパッドを水平に保てるので、圧油給油
中にスラストパッドのスラストランナと接触し損傷する
ことを防ぐことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスラスト軸受にかか
わり、特に揚水発電機のように可逆回転する回転機械の
ティルティングパッドスラスト軸受に関する。
わり、特に揚水発電機のように可逆回転する回転機械の
ティルティングパッドスラスト軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】高荷重を支えるスラスト軸受には,圧油
を強制的に供給することによりスラストランナとスラス
トパッドの間に油膜を形成するための圧油給油口がスラ
ストパッド摺動面に設けられている。このようなスラス
ト軸受は,定格回転時にはスラストパッドがスラストラ
ンナとの間に回転方向に先細のくさび形状の隙間ができ
るように傾き、くさび効果により発生する動圧によりス
ラストランナとスラストパッドの間に油膜を形成するよ
うに設計されているが、低速回転域では十分な動圧が発
生しないため、圧油給油口より圧油を供給し、静圧によ
りスラストランナとスラストパッドの間に油膜を形成す
る。
を強制的に供給することによりスラストランナとスラス
トパッドの間に油膜を形成するための圧油給油口がスラ
ストパッド摺動面に設けられている。このようなスラス
ト軸受は,定格回転時にはスラストパッドがスラストラ
ンナとの間に回転方向に先細のくさび形状の隙間ができ
るように傾き、くさび効果により発生する動圧によりス
ラストランナとスラストパッドの間に油膜を形成するよ
うに設計されているが、低速回転域では十分な動圧が発
生しないため、圧油給油口より圧油を供給し、静圧によ
りスラストランナとスラストパッドの間に油膜を形成す
る。
【0003】従来、一方向回転機では、ピボットをパッ
ド円周方向に60%の位置に配置し、圧油給油口をほぼ
ピボットの位置に設けランナを指示しているが、可逆回
転をする回転軸を支えるスラスト軸受では、スラストパ
ッドの支持中心点及び圧油給油口は、どちらもスラスト
パッドの円周方向中心線上に設けられていた。これは、
軸受の性能が回転軸の方向に依存することを避けるため
に有効な配置であるとされている。このような構造にお
いても比較的小型の回転機のスラスト軸受ではパッドが
本来傾くべき方向と逆に傾くことはなく、起動から定格
運転まで十分な油膜を形成して潤滑されていた。しかし
ながら、大容量の大型回転機では、軸受摺動部の周速が
増すために、圧油給油溝周辺で動圧効果を生じ圧油給油
溝の前後で圧力変動しパッドを逆方向に傾斜させる(以
下逆ティルトと称する)場合があり、軸受が焼損する場
合もあった。
ド円周方向に60%の位置に配置し、圧油給油口をほぼ
ピボットの位置に設けランナを指示しているが、可逆回
転をする回転軸を支えるスラスト軸受では、スラストパ
ッドの支持中心点及び圧油給油口は、どちらもスラスト
パッドの円周方向中心線上に設けられていた。これは、
軸受の性能が回転軸の方向に依存することを避けるため
に有効な配置であるとされている。このような構造にお
いても比較的小型の回転機のスラスト軸受ではパッドが
本来傾くべき方向と逆に傾くことはなく、起動から定格
運転まで十分な油膜を形成して潤滑されていた。しかし
ながら、大容量の大型回転機では、軸受摺動部の周速が
増すために、圧油給油溝周辺で動圧効果を生じ圧油給油
溝の前後で圧力変動しパッドを逆方向に傾斜させる(以
下逆ティルトと称する)場合があり、軸受が焼損する場
合もあった。
【0004】従来技術としては,特開昭60−38055 号に
開示されているように軸受の焼損,耐荷重性等は考慮し
ているものの、逆ティルトに関しては考慮されていなか
った。
開示されているように軸受の焼損,耐荷重性等は考慮し
ているものの、逆ティルトに関しては考慮されていなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この構造では圧油給油
中にスラストパッドの円周方向傾斜のバランスが悪くな
ることがある。回転軸停止中に圧油を供給したときスラ
ストパッドは円周方向にはほとんど傾斜しておらず水平
である。圧油を供給したまま回転軸の回転を開始する
と、起動時は油膜に発生するせん断力等によりランナの
回転方向に対して前端部が持ち上がるようにスラストパ
ッドは傾くが、通常このようなスラストパッドは入口部
がテーパー状に加工されており、このテーパー部のくさ
び膜によりある回転数以上では動圧が発生するため本来
の傾きを維持する。ところが、低速回転時の潤滑油膜を
確保するために、静圧軸受作用を用いるリフター装置を
具備するスラスト軸受では低速回転域で逆方向にパッド
が傾斜する場合がある。リフター装置の圧油給油溝13
は通常溝の外周部をテーパー状に加工されている。静止
時及び起動時はこのリフター装置による油膜圧力は円周
方向に対称に分布する。ところが、ある回転数範囲では
圧油給油溝13の前半部では逆くさび油膜が生ずるため
圧力は減少する。一方、給油溝の後半部ではくさび油膜
が形成されるため、相対的に後半部の圧力が前半部より
も高くなる。従って、スラストパッドには後端を押し下
げるモーメント力が作用し、スラストパッドは通常と逆
の方向に傾きを生ずる。
中にスラストパッドの円周方向傾斜のバランスが悪くな
ることがある。回転軸停止中に圧油を供給したときスラ
ストパッドは円周方向にはほとんど傾斜しておらず水平
である。圧油を供給したまま回転軸の回転を開始する
と、起動時は油膜に発生するせん断力等によりランナの
回転方向に対して前端部が持ち上がるようにスラストパ
ッドは傾くが、通常このようなスラストパッドは入口部
がテーパー状に加工されており、このテーパー部のくさ
び膜によりある回転数以上では動圧が発生するため本来
の傾きを維持する。ところが、低速回転時の潤滑油膜を
確保するために、静圧軸受作用を用いるリフター装置を
具備するスラスト軸受では低速回転域で逆方向にパッド
が傾斜する場合がある。リフター装置の圧油給油溝13
は通常溝の外周部をテーパー状に加工されている。静止
時及び起動時はこのリフター装置による油膜圧力は円周
方向に対称に分布する。ところが、ある回転数範囲では
圧油給油溝13の前半部では逆くさび油膜が生ずるため
圧力は減少する。一方、給油溝の後半部ではくさび油膜
が形成されるため、相対的に後半部の圧力が前半部より
も高くなる。従って、スラストパッドには後端を押し下
げるモーメント力が作用し、スラストパッドは通常と逆
の方向に傾きを生ずる。
【0006】上に述べたように、従来の圧油給油口がス
ラストパッドの円周方向支持中心線上にのみある従来の
構造では、圧油給油中に回転軸を回転させたときにスラ
ストパッドがその円周方向の前縁部を持ち上げる方向に
大きく傾いてしまうのである。このときのスラストパッ
ドの前縁部とスラストランナとの間隔は数10μmと狭
くなり、場合によっては接触し双方の破損を招く可能性
がある。
ラストパッドの円周方向支持中心線上にのみある従来の
構造では、圧油給油中に回転軸を回転させたときにスラ
ストパッドがその円周方向の前縁部を持ち上げる方向に
大きく傾いてしまうのである。このときのスラストパッ
ドの前縁部とスラストランナとの間隔は数10μmと狭
くなり、場合によっては接触し双方の破損を招く可能性
がある。
【0007】このような、スラストパッドがその前縁部
を持ち上げるように大きく傾く現象は、水力発電機の大
型化に伴い大容量の揚水発電機のスラスト軸受装置にお
いて顕著にあらわれることが確認されている。
を持ち上げるように大きく傾く現象は、水力発電機の大
型化に伴い大容量の揚水発電機のスラスト軸受装置にお
いて顕著にあらわれることが確認されている。
【0008】本発明の目的は、圧油給油中のスラストパ
ッドがスラストランナの回転方向に対し前端部を持ち上
げるように円周方向に大きく傾斜することを防止すると
ともに、定格回転時の耐荷重性を向上することにより、
スラストランナとの接触による損傷が起きないスラスト
軸受を提供することにある。
ッドがスラストランナの回転方向に対し前端部を持ち上
げるように円周方向に大きく傾斜することを防止すると
ともに、定格回転時の耐荷重性を向上することにより、
スラストランナとの接触による損傷が起きないスラスト
軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、回転軸と、
この回転軸に固定されたランナと、このランナを摺動支
持し、かつランナの周方向に沿って設けられた複数のス
ラストパッドと、このスラストパッドを支持する支持部
材と、前記スラストパッドの摺動面に設けられた圧油給
油口と、この圧油給油口に圧油を供給する圧油給油手段
からなるスラスト軸受において、前記圧油給油口の外周
部の形状を、回転方向後端部で動圧が発生しない構造に
形成することにより解決される。
この回転軸に固定されたランナと、このランナを摺動支
持し、かつランナの周方向に沿って設けられた複数のス
ラストパッドと、このスラストパッドを支持する支持部
材と、前記スラストパッドの摺動面に設けられた圧油給
油口と、この圧油給油口に圧油を供給する圧油給油手段
からなるスラスト軸受において、前記圧油給油口の外周
部の形状を、回転方向後端部で動圧が発生しない構造に
形成することにより解決される。
【0010】リフター装置は本来圧力分布が円周方向に
対称になるように圧油給油溝を設けるとともに、この圧
油給油溝13は溝の面積が大きいほど供給圧力が低くで
きるが、定格運転時はくさび油膜部で発生する動圧を阻
害するため、溝面積は極力小さい方が良く、供給圧力と
のバランスで溝面積が決定される。また圧油給油溝13
は外周部が加工時の変形等によりスラストランナと接触
しないようにテーパー状に加工されるのが一般的であっ
た。しかしながら、このテーパー部が回転中に動圧を発
生させパッドを逆方向に傾ける原因となっていた。そこ
で、本発明では圧油給油溝の外周部のテーパー部を削除
し、圧油溝の外周部の壁面を軸受摺動面とほぼ垂直とす
ることにより、圧油溝前縁部の圧力低下と後縁部の圧力
上昇を防止し、スラストパッドの逆方向の傾斜を防ぐよ
うに溝を形成したことにある。
対称になるように圧油給油溝を設けるとともに、この圧
油給油溝13は溝の面積が大きいほど供給圧力が低くで
きるが、定格運転時はくさび油膜部で発生する動圧を阻
害するため、溝面積は極力小さい方が良く、供給圧力と
のバランスで溝面積が決定される。また圧油給油溝13
は外周部が加工時の変形等によりスラストランナと接触
しないようにテーパー状に加工されるのが一般的であっ
た。しかしながら、このテーパー部が回転中に動圧を発
生させパッドを逆方向に傾ける原因となっていた。そこ
で、本発明では圧油給油溝の外周部のテーパー部を削除
し、圧油溝の外周部の壁面を軸受摺動面とほぼ垂直とす
ることにより、圧油溝前縁部の圧力低下と後縁部の圧力
上昇を防止し、スラストパッドの逆方向の傾斜を防ぐよ
うに溝を形成したことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面によ
り詳細に説明する。図1はスラスト軸受装置の全体の断
面図である。回転軸1にはスカート部9が取り付けられ
ており、該スカート部9にはスラストランナ2が具備さ
れている。また、該スカート部9の外周側には該回転軸
1の振れを防止するためにガイド軸受11が配置されて
いる。該スラストランナ2の下部には複数個のスラスト
パッド3で構成されるスラスト軸受が配置されており、
回転軸1全体の重量を該スラスト軸受で支持している。
該スラストパッドは起動時は該スラストランナ2の周速
が低いため動圧が発生しないため、低速回転域ではリフ
ター装置14により、静圧軸受作用を用いて該スラスト
ランナ2を支持する。該リフター装置14は高圧の潤滑
油を供給するためのポンプ7と供給油量を調整する流量
調節バルブ6とチェックバルブ8と該スラストパッド3
に設けられた圧油給油口12及び圧油みぞ13により構
成されている。リフター装置作動時には、該ポンプ7に
より圧油は該流量調節バルブ6、該チェックバルブ8を
通り、この圧油給油口12からスラストパッド3とスラ
ストランナ2の摺動面に流れ込み油膜を形成する。該流
量調節バルブ6を設けることにより、荷重の変動による
油膜厚さの変化の少ない油膜を形成することができる。
また該チェックバルブ8は、該ポンプ7の異常停止など
圧油の供給側の圧力が低下した場合に、油膜から潤滑油
が圧油給油装置を逆流することを避けるために設けられ
ている。また、該スラストパッド3の下部には支持部材
4が取り付けられており、該支持部材4の下部にはピボ
ット5が配置されている。該ピボット5の位置はスラス
トパッド3の耐荷重性に大きく影響し、一方向回転機で
は円周方向に入口より60%の位置が最も耐荷重性に優
れているとされている。しかし、揚水発電機のように可
逆回転機では、いずれの方向でも耐荷重性を満足させな
ければならないため、ピボット位置はパッドの円周方向
中央に配置される。
り詳細に説明する。図1はスラスト軸受装置の全体の断
面図である。回転軸1にはスカート部9が取り付けられ
ており、該スカート部9にはスラストランナ2が具備さ
れている。また、該スカート部9の外周側には該回転軸
1の振れを防止するためにガイド軸受11が配置されて
いる。該スラストランナ2の下部には複数個のスラスト
パッド3で構成されるスラスト軸受が配置されており、
回転軸1全体の重量を該スラスト軸受で支持している。
該スラストパッドは起動時は該スラストランナ2の周速
が低いため動圧が発生しないため、低速回転域ではリフ
ター装置14により、静圧軸受作用を用いて該スラスト
ランナ2を支持する。該リフター装置14は高圧の潤滑
油を供給するためのポンプ7と供給油量を調整する流量
調節バルブ6とチェックバルブ8と該スラストパッド3
に設けられた圧油給油口12及び圧油みぞ13により構
成されている。リフター装置作動時には、該ポンプ7に
より圧油は該流量調節バルブ6、該チェックバルブ8を
通り、この圧油給油口12からスラストパッド3とスラ
ストランナ2の摺動面に流れ込み油膜を形成する。該流
量調節バルブ6を設けることにより、荷重の変動による
油膜厚さの変化の少ない油膜を形成することができる。
また該チェックバルブ8は、該ポンプ7の異常停止など
圧油の供給側の圧力が低下した場合に、油膜から潤滑油
が圧油給油装置を逆流することを避けるために設けられ
ている。また、該スラストパッド3の下部には支持部材
4が取り付けられており、該支持部材4の下部にはピボ
ット5が配置されている。該ピボット5の位置はスラス
トパッド3の耐荷重性に大きく影響し、一方向回転機で
は円周方向に入口より60%の位置が最も耐荷重性に優
れているとされている。しかし、揚水発電機のように可
逆回転機では、いずれの方向でも耐荷重性を満足させな
ければならないため、ピボット位置はパッドの円周方向
中央に配置される。
【0012】図2は本発明の一実施例であるスラストパ
ッド3の摺動面形状を示したものである。該スラストパ
ッド3の摺動面には中央部にリング状の圧油みぞ13が
配置されており、該圧油みぞ13の内周部中央には圧油
給油口12が設けられている。また、該圧油みぞ13の
内周面は該スラストパッド3の摺動面より低く構成され
ており、該圧油給油口12より供給される潤滑油が該圧
油みぞ13に流入しやすく構成されている。図3は図2
のI−I断面を示したものである。回転軸1の停止時に
圧油給油口12から圧油を供給すると、該スラストパッ
ド3は該スラストランナ2に対し平行になっている。こ
こで、回転軸1が回転をはじめると、潤滑油のせん断力
は該スラストパッド3を前端部が持ち上がるようなモー
メント力として作用するが、該スラストパッド3の入口
部のテーパー部15によるくさび油膜作用により動圧が
発生するため、該スラストパッド3は本来の正常な向き
に傾く。これに対し、図4及び図5は従来のスラストパ
ッドの摺動面形状及び図4のII−II断面形状を示したも
のである。従来構造では、圧油給油溝13は本発明と同
様に設けられているが、該圧油みぞ13の外周部には、
圧油溝外周テーパー部16が付け加えられている。該圧
油塵外周テーパー部16は該圧油みぞ13のエッジ部が
加工時の変形等により摺動面が凸変形しスラストランナ
2と接触することを防止するために設けられているもの
であり、静圧軸受作用には直接関係しないだけでなく低
速回転域において本来のスラストパッドの傾きと逆方向
の傾きを生ずるように作用する。すなわち図6に示すよ
うに圧油みぞ13の回転方向前縁A部と後縁B部ではそ
れぞれ逆くさび油膜とくさび油膜が形成される。A部で
は逆くさび油膜であるため、図7に示すようにテーパー
部では周囲圧力Poに比べ圧力が低下する。また図8に
示すようにB部ではくさび油膜が形成されるため、テー
パー部の圧力は周囲圧力Poより上昇する。この結果、
図9に示すように、該圧油みぞ13の前後端部で圧力変
動を生じ、破線で示す静止時の圧力分布に比べ前端で低
く後端で高い圧力分布となる。このため図中に示すよう
なモーメントが作用し、スラストパッド3は前縁が高
く、後縁が低くなるような、本来と逆の傾きを生ずるこ
ととなる。
ッド3の摺動面形状を示したものである。該スラストパ
ッド3の摺動面には中央部にリング状の圧油みぞ13が
配置されており、該圧油みぞ13の内周部中央には圧油
給油口12が設けられている。また、該圧油みぞ13の
内周面は該スラストパッド3の摺動面より低く構成され
ており、該圧油給油口12より供給される潤滑油が該圧
油みぞ13に流入しやすく構成されている。図3は図2
のI−I断面を示したものである。回転軸1の停止時に
圧油給油口12から圧油を供給すると、該スラストパッ
ド3は該スラストランナ2に対し平行になっている。こ
こで、回転軸1が回転をはじめると、潤滑油のせん断力
は該スラストパッド3を前端部が持ち上がるようなモー
メント力として作用するが、該スラストパッド3の入口
部のテーパー部15によるくさび油膜作用により動圧が
発生するため、該スラストパッド3は本来の正常な向き
に傾く。これに対し、図4及び図5は従来のスラストパ
ッドの摺動面形状及び図4のII−II断面形状を示したも
のである。従来構造では、圧油給油溝13は本発明と同
様に設けられているが、該圧油みぞ13の外周部には、
圧油溝外周テーパー部16が付け加えられている。該圧
油塵外周テーパー部16は該圧油みぞ13のエッジ部が
加工時の変形等により摺動面が凸変形しスラストランナ
2と接触することを防止するために設けられているもの
であり、静圧軸受作用には直接関係しないだけでなく低
速回転域において本来のスラストパッドの傾きと逆方向
の傾きを生ずるように作用する。すなわち図6に示すよ
うに圧油みぞ13の回転方向前縁A部と後縁B部ではそ
れぞれ逆くさび油膜とくさび油膜が形成される。A部で
は逆くさび油膜であるため、図7に示すようにテーパー
部では周囲圧力Poに比べ圧力が低下する。また図8に
示すようにB部ではくさび油膜が形成されるため、テー
パー部の圧力は周囲圧力Poより上昇する。この結果、
図9に示すように、該圧油みぞ13の前後端部で圧力変
動を生じ、破線で示す静止時の圧力分布に比べ前端で低
く後端で高い圧力分布となる。このため図中に示すよう
なモーメントが作用し、スラストパッド3は前縁が高
く、後縁が低くなるような、本来と逆の傾きを生ずるこ
ととなる。
【0013】スラストパッド3の前端部が持ち上がるよ
うに傾いてしまった場合、このような方向に傾いたまま
回転数が上昇していくと、くさび効果の逆の効果により
油膜の圧力は減少する。スラストパッド3の圧油給油口
の上流にあたる部分では圧力の減少を補うだけの圧油の
流入はないので圧力は減少するが、本発明のように圧油
みぞ13を設けた場合にはそれに該当する部分は、図1
0に示すように圧油みぞ13の前縁では油膜厚さが急拡
大となっているため圧力低下が生ずるが溝部が深いため
少なく、後縁での圧力上昇もないためスラストパッド3
を逆方向に傾けるモーメントが作用しない。従って、ス
ラストパッド3は起動から定格回転まで正常な傾きを維
持するとともに、高速回転で圧油給油溝は動圧の発生を
阻害することがないため、定格運転時の油膜厚さも確保
できる。また、該圧油給油口12のまわりに該圧油みぞ
13を設けると、圧油給油口付近の広い範囲に同一の圧
力が分布するようになり、パッドがより安定しやすくな
る。
うに傾いてしまった場合、このような方向に傾いたまま
回転数が上昇していくと、くさび効果の逆の効果により
油膜の圧力は減少する。スラストパッド3の圧油給油口
の上流にあたる部分では圧力の減少を補うだけの圧油の
流入はないので圧力は減少するが、本発明のように圧油
みぞ13を設けた場合にはそれに該当する部分は、図1
0に示すように圧油みぞ13の前縁では油膜厚さが急拡
大となっているため圧力低下が生ずるが溝部が深いため
少なく、後縁での圧力上昇もないためスラストパッド3
を逆方向に傾けるモーメントが作用しない。従って、ス
ラストパッド3は起動から定格回転まで正常な傾きを維
持するとともに、高速回転で圧油給油溝は動圧の発生を
阻害することがないため、定格運転時の油膜厚さも確保
できる。また、該圧油給油口12のまわりに該圧油みぞ
13を設けると、圧油給油口付近の広い範囲に同一の圧
力が分布するようになり、パッドがより安定しやすくな
る。
【0014】図11及び図12に、本発明の他の実施例
を示す。本実施例ではリング状の圧油みぞ13の内周部
はスラストパッド3の摺動面と同一の高さとし、圧油給
油口12と該圧油みぞ13を連通する連通溝17を設け
る。これにより、該圧油給油溝の面積を小さくでき、定
格運転時の動圧発生を阻害することがないため、起動か
ら定格運転まで、十分な油膜を確保できるとともに、逆
ティルト現象も防止することができる。
を示す。本実施例ではリング状の圧油みぞ13の内周部
はスラストパッド3の摺動面と同一の高さとし、圧油給
油口12と該圧油みぞ13を連通する連通溝17を設け
る。これにより、該圧油給油溝の面積を小さくでき、定
格運転時の動圧発生を阻害することがないため、起動か
ら定格運転まで、十分な油膜を確保できるとともに、逆
ティルト現象も防止することができる。
【0015】また、図13及び図14は本発明の別の実
施例を示したものである。本実施例ではリング状の圧油
みぞ13の内周部の外周に外径側に深くなるテーパー溝
18を設け内周ランド部19の高さはスラストパッド3
の摺動面より低くすることにより、定格運転時の動圧発
生を阻害することが少なく、起動から定格運転まで、十
分な油膜を確保できるとともに、逆ティルト現象も防止
することができる。
施例を示したものである。本実施例ではリング状の圧油
みぞ13の内周部の外周に外径側に深くなるテーパー溝
18を設け内周ランド部19の高さはスラストパッド3
の摺動面より低くすることにより、定格運転時の動圧発
生を阻害することが少なく、起動から定格運転まで、十
分な油膜を確保できるとともに、逆ティルト現象も防止
することができる。
【0016】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明のテ
ィルティングパッドスラスト軸受によれば、スラストパ
ッドの圧油給油溝の前後縁での圧力変動を防止すること
によりスラストパッドを水平に保つことができ、また圧
油給油溝面積を必要最小限にすることにより定格運転時
の動圧発生を阻害することがないために耐荷重性が増
し、スラストパッドのスラストランナと接触し損傷する
ことを防ぐことができる。
ィルティングパッドスラスト軸受によれば、スラストパ
ッドの圧油給油溝の前後縁での圧力変動を防止すること
によりスラストパッドを水平に保つことができ、また圧
油給油溝面積を必要最小限にすることにより定格運転時
の動圧発生を阻害することがないために耐荷重性が増
し、スラストパッドのスラストランナと接触し損傷する
ことを防ぐことができる。
【図1】本発明によるスラスト軸受装置全体の断面図。
【図2】本発明によるスラストパッドの圧油給油溝構造
を示す図。
を示す図。
【図3】図2のI−I断面図。
【図4】従来のスラストパッド構造を示す図。
【図5】図4のII−II断面図。
【図6】従来構造の圧力発生の説明図。
【図7】図6のA部における圧力分布の説明図。
【図8】図6のB部における圧力分布の説明図。
【図9】逆ティルト現象のメカニズムの説明図。
【図10】本発明のスラストパッドの圧力分布の説明
図。
図。
【図11】本発明の他の実施例を示す図。
【図12】図11のIII−III断面図。
【図13】本発明の他の実施例を示す図。
【図14】図13のIV−IV断面図。
1…回転軸、2…スラストランナ、3…スラストパッ
ド、4…支持部材、5…ピボット、6…流量調節バル
ブ、7…ポンプ、8…チェックバルブ、9…スカート
部、10…油槽、11…ガイド軸受、12…圧油給油
口、13…圧油みぞ、14…リフター装置、15…パッ
ド入口テーパー部、16…圧油溝外周テーパー部、17
…連通溝、18…圧油給油溝内周ランドテーパー部、1
9…圧油給油溝内周ランド部。
ド、4…支持部材、5…ピボット、6…流量調節バル
ブ、7…ポンプ、8…チェックバルブ、9…スカート
部、10…油槽、11…ガイド軸受、12…圧油給油
口、13…圧油みぞ、14…リフター装置、15…パッ
ド入口テーパー部、16…圧油溝外周テーパー部、17
…連通溝、18…圧油給油溝内周ランドテーパー部、1
9…圧油給油溝内周ランド部。
Claims (5)
- 【請求項1】回転軸と、該回転軸に固定されたランナ
と、該ランナを摺動支持し、かつ該ランナの円周方向に
沿って設けられた複数のスラストパッドと、該スラスト
パッドを支持する支持部材と、前記スラストパッドの摺
動面に設けられたリング状の圧油供給溝と、該圧油給油
口に圧油を供給する圧油給油手段からなるスラスト軸受
において、前記圧油給油口の外周部の溝壁面を軸受摺動
面にほぼ垂直とし、かつリング状溝の内周面を軸受摺動
面より低くし、該リング状溝の内周面に圧油給油口12
を設け該圧油給油口12よりスラストパッドに潤滑油を
供給し、油膜を形成することを特徴とするスラスト軸受
装置。 - 【請求項2】前記圧油給油口を前記リング状溝内に設け
たことを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受装置。 - 【請求項3】前記リング状溝の内周面を軸受摺動面と同
一面とし、前記圧油給油口をリング状溝の内周面に設け
るとともに、該圧油給油口12と前記リング状溝を連通
する給油溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
スラスト軸受装置。 - 【請求項4】前記リング状溝の内周面の外周側に外周に
沿って溝が深くなるテーパー状の溝を設けたことを特徴
とする請求項1および3項記載のスラスト軸受装置。 - 【請求項5】請求項1または3のスラスト軸受装置を用
いた水車発電機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24368597A JPH1189161A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | スラスト軸受装置及び水車発電機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24368597A JPH1189161A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | スラスト軸受装置及び水車発電機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1189161A true JPH1189161A (ja) | 1999-03-30 |
Family
ID=17107473
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24368597A Pending JPH1189161A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | スラスト軸受装置及び水車発電機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1189161A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018057219A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 軸受構造体および立形回転電機 |
| JP2019108909A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 上部軸受構造体、立形回転電機、および立形回転電機システム |
| CN116183272A (zh) * | 2023-03-08 | 2023-05-30 | 大唐水电科学技术研究院有限公司 | 一种灯泡贯流式水轮发电机组稳定运行区域测试界定方法 |
| CN117400055A (zh) * | 2023-11-07 | 2024-01-16 | 北京电子科技职业学院 | 一种封油边增加环形供油槽和连接通道的高速机床油腔 |
-
1997
- 1997-09-09 JP JP24368597A patent/JPH1189161A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018057219A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 軸受構造体および立形回転電機 |
| JP2019108909A (ja) * | 2017-12-15 | 2019-07-04 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 上部軸受構造体、立形回転電機、および立形回転電機システム |
| CN116183272A (zh) * | 2023-03-08 | 2023-05-30 | 大唐水电科学技术研究院有限公司 | 一种灯泡贯流式水轮发电机组稳定运行区域测试界定方法 |
| CN117400055A (zh) * | 2023-11-07 | 2024-01-16 | 北京电子科技职业学院 | 一种封油边增加环形供油槽和连接通道的高速机床油腔 |
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