JPH1189563A - エキセロヒラム属に属する微生物及びその用途 - Google Patents

エキセロヒラム属に属する微生物及びその用途

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JPH1189563A
JPH1189563A JP9270322A JP27032297A JPH1189563A JP H1189563 A JPH1189563 A JP H1189563A JP 9270322 A JP9270322 A JP 9270322A JP 27032297 A JP27032297 A JP 27032297A JP H1189563 A JPH1189563 A JP H1189563A
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rice
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JP9270322A
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Shingo Hayakawa
晋吾 早川
Koji Kageyama
幸二 景山
Mitsuo Hiyakumachi
満朗 百町
Masatoshi Gohara
雅敏 郷原
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Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 エキセロヒラム属ペディセラータ(Exser
ohilum pedicellata)種に属し、雑草に対し病原性を有
し、イネ属に属する植物に対し病原性を有さない微生物
を有効成分として含有することを特徴とする除草剤。 【効果】 本発明の除草剤は、土壌混和処理によりイネ
科ヒエ属の雑草を選択的に枯死あるいは生育抑制し、イ
ネなどの作物に影響を与えることなく防除できる。ま
た、化学農薬のように環境を汚染あるいは破壊すること
がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エキセロヒラム属
ペディセラータ(Exserohilum pedicellata)種に属する
新規微生物、エキセロヒラム属ペディセラータ種に属す
る微生物を有効成分とする除草剤及びその除草剤を用い
た雑草の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】安定化した食料生産のため、現代の農作
において農薬の使用は不可欠となっている。しかし、自
然界に存在しない化学物質を長期間大量に農耕地に使用
したための種々な弊害が現れている。最も重要な問題は
農薬による人畜及び生態系への直接あるいは間接的な影
響である。近年、化学農薬の雑草、害虫、病原菌と人畜
との間の選択性の高い化学農薬が開発され問題は少なく
なったが、依然天然に存在しない化学物質が大量に自然
環境に投与され自然界の生態系に対する影響は減少して
いない。
【0003】以上の問題を解決するために、環境保全型
の雑草及び病害虫の防除法の開発が望まれてきた。除草
剤分野では、化学農薬に頼らない、雑草の病原菌を用い
た雑草の防除剤とその利用法の開発が望まれており、特
に植物病原菌を用いた微生物農薬への期待は高い。雑草
病原微生物は雑草中に普遍的に存在するものであり、こ
れを利用した微生物農薬は選択性が高く、人畜はもとよ
り他の植物、昆虫、微生物への影響が少ないといわれて
いる。現在までに、Phytophthora palmivora DeVine
(米国、対象雑草:Stranglervine、ガガ イモ科)とCo
lletotrichum gloeosporioides f. sp. aeschynomene C
ollego (米国、対象雑草:Northern jointvetch、マメ
科)、Colletotrichum gloeosporioides f. sp. malvae
BioMal(カナダ、対象雑草:Round-leaved mallow、ア
オイ科)が農薬登録され、商品化されている。
【0004】水田や畑地における主要雑草であるイネ科
ヒエ(Echinochloa)属の雑草に対する微生物除草剤 Coc
hliobolus lunatus (アナモルフ:Curvularia lunata)[W
eedResearch(1987), 27,43-47、特開平5-284963号公報]
あるいは Ustilago trichophora [WO93/05656]、Drechs
lera monoceras(Exserohilum monocerasの異名)[特開
平3-219883号公報、特開平4-226905号公報、特開平4-36
0678号公報、特開平4-370090号公報、特開平6-277042号
公報、特開平6-329513号公報、特開平6-247822号公
報]、Exserohilum monocerasを用いた防除法[特開平9-1
40373号公報]が公知である。
【0005】しかしながら、Cochlioborus lunataは、
十分な効果を出すためには18時間以上の露点時間が必
要であり、Ustilago trichophoraは、十分な効果が現れ
るまでに4から5週間必要であり、またDrechslera mon
ocerasは、胞子生産量が低い、Exserohilum monoceras
では葉からしか、感染できないという問題点を有し、い
ずれも未だ実用化されていない。トウモロコシ、イネに
病原性を有するエキセロヒラム属ペディセラータ(Exser
ohilum pedicellata)種は海外で得られているが本発明
菌株のようにヒエ(Echinochloa)属の雑草に対し優れた
防除能を有し、イネには病原性を示さない菌株は報告さ
れていない。また、本種の日本における発見は初めてで
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒエ属等の
雑草に対し、十分な除草効果を示し、かつ根部から植物
体を枯死させる新規微生物を提供することを目的とす
る。また、本発明は、雑草に対し病原性を有し、イネ属
植物には病原性を示さない微生物を有効成分として含有
する除草剤を提供することを目的とする。さらに、その
除草剤を用いた雑草の防除方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エキセロヒラムペ
ディセラータ(Exserohilum pedicellata)種に属する微
生物が、ヒエ(Echinochloa)属の雑草に対し優れた防除
能を有することを見出し、本発明を完成した。即ち、本
発明は、ヒエ(Echinochloa)属に属する植物に対し病原
性を示し、イネ属に属する植物に病原性を示さないこと
を特徴とするエキセロヒラム属ペディセラータ(Exseroh
ilum pedicellata)種に属する新規微生物である。新規
微生物は、例えば、エキセロヒラム属ペディセラータ(E
xserohilum pedicellata)種に属するJT-1043菌株, JT-1
044菌株及びJT-1045菌株である。
【0008】また、本発明は、エキセロヒラム属ペディ
セラータ(Exserohilum pedicellata)種に属し、雑草に
対し病原性を示す微生物を有効成分として含有すること
を特徴とする除草剤である。さらに、本発明は、上記除
草剤を用いた雑草の防除方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。最初に、
本発明の新規微生物に該当する菌株、エキセロヒラム属
ペディセラータ(Exserohilum pedicellata)種に属するJ
T-1043菌株, JT-1044菌株及びJT-1045菌株について説明
する。これらの菌株は、日本各地より水田土壌を採集
し、イネ科ヒエ属の雑草に対する病原性を有する菌株を
分離して、純粋培養し、イネ科ヒエ属の雑草に対する防
除効果を検討するとともに、他の作物、特にイネに対す
る非病原性を検討するスクリーニング手段によって創製
したものである。本発明の新規菌株の菌学的性質の主な
ものを列挙するとつぎの通りである。
【0010】好気性菌であり、生育できるpHは3−1
3の範囲、好ましくは5−7の範囲である。生育温度
は、15−30度、生育適温は、25−30度の範囲で
ある。ポテトデキストロース寒天培地における生育は盛
んで、コロニーは灰色菌糸中に多数の黒色小粒を放射状
から渦巻状に生じ、気中菌糸は少ない。分生子柄は緑褐
色〜暗褐色で先端部がジグザグに曲がり、先端とその周
辺にポロ型分生胞子を形成しその離脱痕跡は明確であっ
た。また、分生胞子はボート型、色は淡いオリーブ色で
偽隔壁により3−10胞に仕切られた厚膜な横隔多室胞
子であった。大きさは、長径64−108μm(平均7
7μm)、幅16−28μm(平均25μm)で基部の
方が太く、基部にはへそ(hilum)が見られた。
【0011】以上の菌学的性質をA. Sivanesanの文献[G
raminicolous Species of Bipolaris,Curvularia, Drec
hslera, Exserohilum and their Telemorphs, Mycologi
cal Papers,No.158, pp.211-212, issued 10th Novemb
er 1987, published from CABInternational Mycologic
al Institute]に基づき検索を行った結果、本菌株をエ
キセロヒラム属ペディセラータ(Exserohilum pedicella
ta)種に属する微生物であると同定した。本種は、イ
ネ、トウモロコシの病原菌として、海外で数菌株が寄託
されているがイネ科ヒエ属の植物に病原性を示し、イネ
科イネ属の植物には病原性を示さない菌株は、日本はも
とより世界的にも初めてである。日本に於ける本菌の報
告はないことから、これらの菌株を新規菌株と認定し、
各々エキセロヒラム属ペディセラータ(Exserohilum ped
icellata)に属するJT-1043菌株,JT-1044菌株及びJT-104
5菌株と命名した。そして、これらの菌株を工業技術院
生命工学工業技術研究所に、それぞれFERM BP-6086、FE
RM BP-6087及びFERM BP-6088(いずれも原寄託日平成 9
年 8月28日)として寄託した。本菌株の培養には、特別
な方法を用いる必要はなく、エキセロヒラム属に属する
公知の菌株と同様の方法を用いることができる。培地と
しては、資化可能な炭素源、窒素源、無機物及び必要な
生育促進物質を適当に含有する培地であれば、合成培
地、天然培地のいずれも用いることができる。具体的な
培地を例示すると、ポテトデキストロース寒天培地(P
DA)、Czapek寒天培地等を挙げることができる
が、これに限るものではない。培養に際しては、温度を
15−30度、好ましくは25−30度、pHを3−1
3、好ましくは5−7に維持することが望ましい。以上
のような条件で7−14日程度培養を行うと培地表面に
充分な量の分生子が形成されてくる。本菌株は、水田あ
るいは畑地雑草のイネ科ヒエ属の雑草を枯死させ、イ
ネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシなどのイネ科作物
の他、ナス、ダイズ、カンラン、キュウリ等の作物に影
響を与えない。この菌株は、大量培養が可能であり、か
つ、容易に大量の胞子を得ることができる。
【0012】次に、本発明の除草剤及び防除方法につい
て説明する。本発明の除草剤に用いる微生物としては、
エキセロヒラム属ペディセラータ(Exserohilum pedicel
lata)に属するJT-1043菌株, JT-1044菌株又はJT-1045菌
株を挙げることができるが、この菌株以外でもエキセロ
ヒラム属ペディセラータ種に属し、ヒエ属に属する植物
に対し病原性を示し、イネ属に属する植物に病原性を示
さない微生物であればどのようなものでもよい。本発明
の除草剤は、エキセロヒラム属ペディセラータ(Exseroh
ilum pedicellata)に属する微生物を大量培養して得ら
れる胞子を水に懸濁することにより製剤化することがで
きるが、製剤化の方法はこれに限定されるものではな
い。この場合、胞子濃度は、103〜1012個/mlが
適当であるが、これに限定されるものではない。また、
水に懸濁するにあたっては、界面活性剤、展着剤などの
補助剤を添加してもよい。主剤である微生物は、培養直
後の新鮮なもののほかに、いったん保存したものを、水
を主体とするもので復元したものでもよい。保存方法
は、微生物の保存方法として広く知られている、超低温
保存(−80℃)、真空凍結乾燥などを用いることがで
きる。
【0013】本発明の防除方法は、上記除草剤を圃場に
散布又は土壌混和することにより行う。散布量は、雑草
の繁茂の度合いに応じて決めればよいが、通常圃場10
アール当たり胞子量が108〜1015個になるように散
布するのが好ましい。本発明の除草剤及び防除方法の対
象となる植物は、特に制限はないが、ヒエ属に属する植
物に対し特に有効である。ここで言うヒエ属植物の例と
してはタイヌビエ(Echinochloa oryzicola )、イヌビエ
(Echinochloa crus-galli var.crus-galli)、ヒメタイ
ヌビエ(Echinocholoa crus-galli var. formosensis)等
が代表的であるがこれらに限定されるものではない。ま
た、防除対象とする植物の生育時期についても特に制限
はなく、発芽前の植物から成長した植物まで広く防除対
象とすることができる。
【0014】
【実施例】
実施例―1 1)本発明の新規菌株の創製行程 本発明の菌株は水田土壌より分離した。各地より得られ
た供試土壌を組織培養用24穴マルチウェルの各ウェル
に入れ滅菌、脱気処理したタイヌビエの種子を8粒播い
た。土壌に水が浸るようにウェルごとに灌水し、25度
の人工気象器内で3週間栽培した。3週間後、出芽率、
種子の状態、根部の褐変状況を観察し、褐変した根およ
び不出芽の種子を採取し、付着した土壌を水道水で洗い
落とした後、風乾させ、ブドウ糖添加ジャガイモ煎汁培
地(PDA培地)に10%乳酸を加えpH5.5に調整した
酸性PDA培地上に置き、25度の恒温器中で2−5日
間培養し、伸長したコロニーの周縁部を新しい酸性PD
A培地に移し培養し分生子を形成させた。さらに新しい
PDA培地に分生子を撹線し培養して、単一コロニーを
得ることによって、微生物の純粋分離を行った。
【0015】2)創製した菌株のスクリーニング 分離された各菌株について、イネ科ヒエ属の雑草に対す
る病原性を検討するとともに、イネ、コムギ、トウモロ
コシ、キュウリに対する影響を検討して、イネ科ヒエ属
の雑草に対して優れた除草効果を発揮しイネ、コムギ、
トウモロコシ、キュウリに影響を与えない、新規菌株エ
キセロヒラム属ペディセラータ(Exserohilum pedicella
ta)種に属するJT-1043菌株、 JT-1044菌株及びJT-1045
菌株を分離した。
【0016】実施例―2 2−1)ノビエに対する病原力試験 接種源となる菌株は前記方法で土壌より純粋分離した各
菌株を用い、ジャガイモ寒天培地上で培養して得られた
菌糸体をコルクボーラーで1片のディスクを打ち抜き下
記マルチウェル内に接種した。ノビエ種子は次亜塩素酸
ナトリウム溶液(Sodium hypochloride)に等量の0.
1%ツイーン80(Tween 80)溶液を加えた溶液中に懸
濁し、1から3分間浸漬して、表面殺菌したものを用い
た。水道水で洗浄後風乾し、高圧蒸気滅菌(120度、60
分)した川砂を組織培養用24穴に約0.8g入れ、上記接
種源を1片入れ更に上記の滅菌川砂約3.2gをいれた。蒸
留水でウェルを浸した後滅菌したノビエ種子を川砂表面
に8粒播種した。このマルチウェルを25度、16時間照
明、8時間暗黒の人工気象器に置き3週間栽培した。栽培
後、根部に付着した川砂を丁寧に洗い落とし、風乾後、
発病度、発病率、草丈を測定した。草丈は有意差検定を
行い対照区に対して有意な差のある菌株を選抜した。発
病度は根の褐変程度により発病指数 0:無褐変、 1:一部褐変、 2:50%以上の褐変、 3:50%以上の褐変及び根部の伸長不良 として以下の式で求めた。 発病度=Σ(発病指数 x 各個体数)/出芽個体数 活性の強かった菌株について結果を表-1に示す。
【0017】
【表1】 表−1 JT-1043菌株、 JT-1044菌株及びJT-1045菌株のノビエに対す る防除効果 ──────────────────────────── 菌株番号 出芽率 草丈 発病度 発病率(%) ──────────────────────────── JT-1043 93.8 2.78 2.4 100 JT-1044 100 3.28 1.9 93.3 JT-1045 93.8 2.84 2.5 100 GUHJ-4 40.0 1.76 2.6 87.5 GU55-T3 93.8 2.93 1.9 93.3 GU32-R9 100 2.72 2.3 100 無処理 100 3.54 0.0 0.0 ──────────────────────────── 比較菌株 *GUHJ-4:土壌より得られたPythium sp. *GU55-T3:土壌より得られた未同定菌 *GU32-R9:土壌より得られたRhizoctonia sp. 表−1から明かな通り、本発明の微生物であるJT-1043
菌株、 JT-1044菌株及びJT-1045菌株並びに比較菌株で
あるGUHJ-4菌株、GU55-T3菌株及びGU32-R9菌株は、ノビ
エ(Echinochloa crus-galli ) に対して優れた病原性を
示した。
【0018】2−2)ノビエおよびイネのに対するポッ
ト試験 上記の試験でノビエに対して強い病原性を示した6菌株
についてポット(高さ10cm直径6cm)を用いてノビエ及
びイネに対する病原性を再度検討した。土壌には田植機
用育苗床土(くみあい粒状培土WD:全農)を用い、水
道水で3回よく洗浄、風乾し、高圧蒸気滅菌処理(12
1度、60分)した。接種源は、V8+バーミュキュライ
ト混合培地で作成した。V8+バーミュキュライト培地
は、V8ジュース(Campbell Soup Co.)200mlに炭酸カル
シウム2.5gを入れ溶解させた後、遠心器により遠心(30
00rpm, 10分)を行い、その上澄みを蒸留水で20%に希釈
して作成したV8ジュース1200mlにバーミュキュライト40
0gを加えたものである。500ml コルベンに20% V8ジュー
ス100ml及びバーミュキュライト30gを分注し、これに計
1cmのコルクボーラーで打ち抜いた含菌寒天を5枚入れ
培養した。この接種源の培養は2ー3週間行ったが、途
中、菌糸の広がりを均一にするために3〜5日間隔で菌
糸が細断されない程度に振とうして混ぜた。ポットには
下から5cmまで(約150g)滅菌土壌を入れ、その上に接
種源を1cm厚で層状に入れた。さらに滅菌土壌で1cm 被
覆してノビエ又はイネの種子を播種しさらに滅菌土壌を
1cm覆土した。このポットを25度のコイトトロン内に
おいて2〜3週間植物体を栽培し、出芽率、草丈、発病
度、発病率を測定した。ノビエ、イネ共に表面殺菌した
種子を50粒用いた。結果を表−2および表ー3に示
す。
【0019】
【表2】 表−2 JT-1043菌株、JT-1044菌株及びJT-1045菌株のノビエに対する防除効果 ──────────────────────────────── 菌株番号 出芽率 生重(mg) 草丈 発病度 発病率 ──────────────────────────────── JT-1043 52 589.5 7.02 2.5 100 JT-1044 56 520.5 7.21 2.6 100 JT-1045 53 550.2 7.02 2.5 100 GUHJ-4 59 701.5 7.14 1.6 81.4 GU55-T3 64 987 8.99 0.6 47.8 GU32-R9 78 2119 12.61 0.5 47.4 無処理 74 1979 12.53 0.0 0.0 ────────────────────────────────
【0020】
【表3】 表−3 JT-1043菌株、 JT-1044菌株及びJT-1045菌株のイネに対する防除効果 ──────────────────────────────── 菌株番号 出芽率 生重(mg) 草丈 発病度 発病率 ──────────────────────────────── JT-1043 91 5155.5 20.25 0.0 0.0 JT-1044 99 5912.0 20.37 0.0 0.0 JT-1045 98 5615 21.0 0.0 0.0 GUHJ-4 56 720.0 4,95 2.1 91.1 GU55-T3 96 5620 21.46 0.0 0.0 GU32-R9 41 689 6.81 3.0 100 無処理 99 5896 21.54 0.0 0.0 ──────────────────────────────── 表−2及び表ー3から明かな通り、本発明の微生物JT-1
043菌株、JT-1044菌株及びJT-1045菌株は、ノビエ(Echi
nochloa crus-galli) に対して優れた病原性を示しイネ
(Oryza sativa)に対しては病原性を示さなかった。一
方、比較菌株GUHJ-4およびGU32-R9はノビエに対しても
本発明菌株に劣り、イネに対しても強い病原性を示し
た。比較菌株GU55-T3はイネには病原性を示さなかった
が、ノビエに対する活性は劣った。
【0021】3)創製した菌株の同定 本発明の菌株の同定は、主に分生子の形態を観察して行
った。その結果、前述の通り、本菌株は、エキセロヒラ
ム属ペディセラータ(Exserohilum pedicellata)種に属
する新規微生物と同定された。
【0022】実施例―3 4)本発明菌株を用いた除草活性試験 本発明菌株を水田の土壌混和処理を想定し、本発明3菌
株について1/3000 aのポットを用いてノビエ及びイネに
対する病原性をエキセロヒラム属モノセラス種と比較検
討した。土壌には田植機用育苗床土(くみあい粒状培土
WD:全農)を用い、水道水で3回よく洗浄、風乾し、
高圧蒸気滅菌処理(121度、60分)した。接種源
は、V8+大麦混合培地で作成した。V8+大麦培地は、V8
ジュース(Campbell Soup Co.)200mlに炭酸カルシウム
2.5gを入れ溶解させた後、遠心器により遠心(3000rpm,
10分)を行い、その上澄みを蒸留水で20%に希釈して作
成したV8ジュース1200mlに大麦400gを加えたものであ
る。500ml コルベンに20% V8ジュース100ml及び大麦30g
を分注し、これに計1cmのコルクボーラーで打ち抜いた
含菌寒天を5枚入れ培養した。この接種源の培養は2ー
3週間行ったが、途中、菌糸の広がりを均一にするため
に3〜5日間隔で菌糸が細断されない程度に振とうして
混ぜた。ポットには下から5cmまで(約150g)滅菌土壌
を入れ、その中に接種源として重量濃度0.5%の上記含菌
大麦粒を混和した。ノビエ及びイネの種子を10粒づつ
播種しさらに滅菌土壌を1cm覆土した。このポットを2
5度のコイトトロン内において2〜3週間植物体を栽培
し、出芽率、草丈、発病度、発病率を測定した。結果を
表−2および表ー3に示す。
【0023】
【表3】 表−3 JT-1043菌株、JT-1044菌株及びJT-1045菌株のノビエ及びイネに対する影響 ─────────────────────────────── 菌株番号 タイヌヒ゛エ イヌヒ゛エ ヒメタイヌヒ゛エ 日本晴 コシヒカリ ─────────────────────────────── JT-1043 1.5++ 1.5++ 1.6++ 0.0- 0.0- JT-1044 2.0++ 1.8++ 2.0++ 0.0- 0.0- JT-1045 1.8++ 2.0++ 2.0++ 0.0- 0.0- E.monocerasW7 0.6+ 1.5++ 1.3+ 0.0- 0.1- 無処理 0.0- 0.0- 0.0- 0.0- 0.1- ─────────────────────────────── 0:影響なし 1:根部一部褐変 2:根部50%以上の褐変 3:根部50%以上の褐変及び根の伸長阻害 ++:地上部著しい生育阻害又は枯死 +:一部生育阻害 -:影響 表−3から明かな通り、本発明の微生物のJT-1043菌
株、JT-1043菌株及びJT-1045菌株は、土壌混和処理にお
いて比較菌株エキセロヒラム モノセラス(Exserohilu
m monoceras)よりもイネ科ヒエ属の雑草に対して優れ
た防除効果を示した。いずれの菌株もイネには病原性を
示さなかった。
【0024】実施例―4 5)作物に対する影響 イネ、コムギ、トウモロコシ、ナス、ダイズ、カンラ
ン、キュウリを供試植物とした。作物を市販のポットで
生育させ、2から5葉期のものを試験材料とした。本発
明の微生物JT-1043菌株, JT-1044菌株及びJT-1045菌株
は、ジャガイモ寒天培地上で培養して得られた胞子を
0.1%ツイーン80溶液中に懸濁、104個/ml から
107個/ml に調整し、エアスプレーを用いて、各種作
物に接種を行った。すぐに25度の湿室に48時間置い
た後、25度の温室に移し、2週間後の各種作物の発病
個体率及び防除率を調査した。その結果を表−4に示し
た。107個/ml における本菌によるノビエの発病率は
100%、枯死率は100%、防除効果は100%であ
った。作物に対する試験に用いた接種源の胞子濃度は1
7個/mlとした。比較としてヒメタイヌビエ、イヌビ
エ、タイヌビエの病原性を示す植物も供試した。試験結
果は3菌株共同じであり、表−4にJT-1043菌株の結果
を示した。
【0025】
【表4】表−4 作物に対する影響 ───────────────── 植物 有無 ───────────────── イネ − コムギ − トウモロコシ − ナス − ダイズ − カンラン − キュウリ − ヒメタイヌビエ + イヌビエ + タイヌビエ + ───────────────── +:枯死あるいは生育抑制 −:影響なし 表−4から明かな通り、本発明の微生物は、イネ、コム
ギ、トウモロコシ、ナス、ダイズ、キュウリ、カンラン
の生育に影響を与えなかった。
【0026】6)大量培養および製剤方法 PDA培地上に生育させたエキセロヒラム属に属する微
生物に、滅菌水を加え、撹はんすることにより、高濃度
の胞子懸濁液を調整し、約100μlをV−8ジュ ース
寒天培地上に滴下、これを滅菌L字型状ガラス棒にて拡
散させることにより、一度に多量のペトリ皿(直径9c
m)への微生物の植え付けが可能となった。その結果、
胞子生産量は、ペトリ皿1枚当たり約6×107個の胞
子生産が認められた。このように、本発明の微生物は、
平板培地での培養により、容易にかつ大量に胞子を得る
ことができる。さらに、得られた胞子を10%のスキム
ミルクに懸濁し、真空乾燥することによって水和剤とす
ることができる。この水和剤は、水に懸濁し、ツイーン
80等の界面活性剤を加え、施用することができる。
【0027】実施例―5 〔製剤例1〕(液剤) エキセロヒラム ペディセラータ JT-1043菌株の分生子
(1010個)、ツイーン80(1g)を水1Lに加えて
混合し、液剤を調整した。 〔製剤例2〕(水和剤) マルトース9%、クレイ1%、水90%の混合液1ml
当たり分生子(JT-1043株)108個を懸濁した。これを
風乾した後、乾燥物を混合粉砕し、水和剤を調整した。 〔製剤例3〕(水和剤) スキムミルク10%、水90%の混合液1ml当たり分
生子(JT-1045株)108個を懸濁した。これを真空乾燥
した後、乾燥物を混合粉砕し、水和剤を調整した。 〔製剤例4〕(粉剤) ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン14%、
ホワイトカーボン12%、クレイ74%の混合物1g当
たり分生子(JT-1044菌株)108個を混合した。これを
乾燥した後、均一に粉砕し、粉剤を調整した。 〔製剤例5〕(粒剤) β−シクロデキストリン15%、デンプン2%、ベント
ナイト18%、炭酸カルシウム36%、水29%の混合
物1g当たり分生子(JT-1043菌株)108個を加えて練
った後、造粒機で造粒し、乾燥することによって粒剤を
調整した。 〔製剤例6〕(乳剤) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸アン
モニウム18%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル6%、リン酸トリエチル29%、リン酸トリブチ
ル47%の混合物1g当たり分生子(JT-1043菌株)1
8個を加えて均一に懸濁し、乳剤を調整した。 〔製剤例7〕(油剤) スピンドルオイル95%、ひまし油4%、シリコーンオ
イル1%の混合液1ml中に分生子(JT-1044菌株)1
8個を懸濁し、油剤を調整した。 〔製剤例8〕(ドライフロアブル剤) アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム12%、ポリエ
チレングリコールエーテル88%の組成物1ml中に分
生子(JT-1044菌株)108を懸濁し、ドライフロアブル
剤を調整した。 〔製剤例9〕(カプセル剤) アルギン酸ナトリウム0.7%、カオリン5%、グリセ
リン15%、水79.3%の混合液1ml中に分生子
(JT-1045菌株)108個を懸濁し、0.2モル酢酸カル
シウム溶液中に滴下してカプセル状生成物を得た。これ
を細断した後、篩にかけ、風乾しカプセル剤を調整し
た。
【0028】
【発明の効果】本発明の除草剤は、土壌混和処理により
イネ科ヒエ属の雑草を選択的に枯死あるいは生育抑制
し、イネなどの作物に影響を与えることなく防除でき
る。また、化学農薬のように環境を汚染あるいは破壊す
ることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郷原 雅敏 神奈川県横浜市青葉区梅が丘6―2 日本 たばこ産業株式会社植物保護開発センター 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒエ(Echinochloa)属に属する植物に対
    し病原性を有し、イネ属に属する植物に対し病原性を有
    さないことを特徴とするエキセロヒラム属ペディセラー
    タ(Exserohilum pedicellata)種に属する新規微生物。
  2. 【請求項2】 JT-1043菌株、JT-1044菌株又はJT-1045
    菌株のいずれかである請求項1記載の新規微生物。
  3. 【請求項3】 エキセロヒラム属ペディセラータ(Exser
    ohilum pedicellata)種に属し、雑草に対し病原性を有
    し、イネ属に属する植物に対し病原性を有さない微生物
    を有効成分として含有することを特徴とする除草剤。
  4. 【請求項4】 エキセロヒラム属ペディセラータ(Exser
    ohilum pedicellata)種に属する微生物が、請求項1又
    は2記載の新規微生物であることを特徴とする請求項3
    記載の除草剤。
  5. 【請求項5】 雑草がヒエ(Echinochloa)属に属する植
    物であることを特徴とする請求項3又は4記載の除草
    剤。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5記載の除草剤を用いた雑草
    の防除方法。
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