JPH1192265A - エアバッグ用ガス発生剤組成物 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生剤組成物

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JPH1192265A
JPH1192265A JP9248905A JP24890597A JPH1192265A JP H1192265 A JPH1192265 A JP H1192265A JP 9248905 A JP9248905 A JP 9248905A JP 24890597 A JP24890597 A JP 24890597A JP H1192265 A JPH1192265 A JP H1192265A
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potassium
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JP9248905A
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Kenshiyuu Go
建洲 呉
Kazuyuki Matsuoka
一之 松岡
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低毒性かつ危険性が少なく取り扱いが容易で
あり、燃焼効率及びガス発生効率に優れて、燃焼時に残
渣生成量が少ないガス発生剤組成物を提供する。 【解決手段】 (a)カーボンブラック又は活性炭粉
末、及び(b)相安定化硝酸アンモニウムを必須成分と
して含有し、任意成分として(c)有機高分子系バイン
ダ、(d)滑剤等の成形助剤、(e)一酸化炭素と窒素
酸化物等有害生成ガスを低減する触媒を含有する自動車
における乗員保護装置としてのエアバッグ用ガス発生剤
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエアバッ
グ拘束システムに適するガス発生剤組成物及びその成型
体に関し、特に比表面積の大きいカーボンブラックある
いは活性炭粉末から成る燃料と、相安定化した硝酸アン
モニウム系酸化剤とをべ一スにして、必要に応じて他の
添加剤を添加してなるガス発生剤組成物及びその成型体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車における乗員保護装置としてのエ
アバッグ用ガス発生剤としては、従来からアジ化ナトリ
ウムを用いた組成物が多用されてきた。しかし、近年、
アジ化ナトリウムの取扱い時の危険性等が問題視されて
きている。そこでこれに替わるより安全ないわゆる非ア
ジド系ガス発生剤組成物として各種の含窒素有機化合物
を含むガス発生剤組成物が開発されている。
【0003】たとえば、米国特許4,909,549号
には水素を含むテトラゾール、トリアゾール化合物と酸
素含有酸化剤との組成物が、米国特許4,369,07
9号には水素を含まないビテトラゾールの金属塩と酸素
含有酸化剤との組成物が、また特開平6−239683
号にはカルボヒドラジドと酸素含有酸化剤との組成物が
開示されている。
【0004】これらの非アジドガス発生剤組成物のほと
んどはテトラゾール、ビテトラゾールの金属塩、トリア
ゾール、カルボヒドラジド等低分子含窒素有機化合物燃
料と、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウム、過塩素酸カ
リウム等の酸化剤とから構成されるものである。
【0005】米国特許5,545,272号には7〜20
重量%のカリウム塩で相安定化された硝酸アンモニウム
とニトログアニジンとのガス発生剤組成物が開示されて
いる。WO96/27574には、ニトログアニジン
と、相安定化硝酸アンモニウムと、ゴム状バインダとの
組成物のガス発生剤が開示されている。
【0006】特開平7−330477号にはアクリレー
ト末端ポリブタジエン、ポリブタジエンポリカルボン
酸、エポキシ変性ポリブタジエンと硬化剤と酸化剤との
ガス発生剤組成物が開示されている。特開平6−927
70号には、アジド基を発生する有機結合剤、活性可塑
剤及び酸化充填剤を特に含んでなる、結合材がヒドロキ
ノシル基を含むポリグリシジルアジドと少なくとも1種
のポリイソシアネートとの反応生成物からなり、酸化充
填剤の少なくとも85重量%が硝酸アンモニウムからなる
ことを特徴とするガス発生剤組成物が開示されている。
【0007】さらに、EP699645には、アジ化ナ
トリウムと酸化鉄、硝酸アンモニウムと燃料、硝酸アン
モニウムとカーボンブラック、硝酸カリウムとカーボン
と硫黄等の発熱性反応物の組成物の製造法が開示されて
いる。米国特許第3,698,191号には、有機バイ
ンダとカーボンと硝酸塩とのハイブリッドロケットの推
進薬が開示されている。米国特許第3,720,553
号には、硝酸アンモニウムとフェノキシ樹脂にカーボン
を添加する推進薬が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
アジド系、もしくは硝酸アンモニウムを使わない非アジ
ドガス発生剤はガス発生効率が低く、アジド系ガス発生
剤の100gあたりのガス発生量が1.5モル以下、硝酸アン
モニウムを使わない非アジドガス発生剤の10Ogあたり
のガス発生量が2.5モル以下で、また燃焼時に大量の残
渣を生成する。燃焼時に生成した残渣がそのままインフ
レータから放出すると、該残渣はバッグに損傷を与える
おそれもある。
【0009】このため、燃焼残渣をインフレータからで
きるだけ放出しないために、大量のフィルターをインフ
レータに詰めることが必要となるが、大量のフィルター
はインフレータの小型化、軽量化を阻害し、インフレー
タの製造コストを高くする。
【0010】また、前記の米国特許5,545,272
号とWO96/27574に開示されていた相安定化硝
酸アンモニウムとニトログアニジンとのガス発生剤組成
物はガス発生効率が高くなり、残渣生成量が少ないが、
相安定化硝酸アンモニウムとニトログアニジンが低共融
物を生成し、その組成物の融解温度が120℃以下で、イ
ンフレータ製造時の溶接工程でガス発生剤が溶ける恐れ
があること、起爆感度が高くガス発生剤製造上の安全性
に問題があること、燃焼速度が低いこと(70kg/cm2
圧力で燃焼速度が10mm/sec以下)等の欠点がある。
【0011】また、従来アジドポリマなどとエネルギー
バインダと硝酸アンモニウムあるいは相安定化硝酸アン
モニウムを利用し、残渣生成量が少ないガス発生剤も開
示されているが(例えば、EP705809)、これら
のガス発生剤は燃焼時に大量の有毒な一酸化炭素を生成
し、かつ燃焼速度が低いので、ロケット推進薬に適合さ
れる可能性はあるが、単純に自動車エアバッグ用ガス発
生剤組成物への応用することは困難である。
【0012】また前述のEP699645には硝酸アン
モニウムとカーボンの組成物の製造法が開示されている
が、硝酸アンモニウムがいくつかの相転移点を持ち、組
成物の使用温度の範囲で大きな体積変化があるので、そ
の成型体が安定して存在できず、燃焼が不安定である。
また、硝酸アンモニウムと有機バインダとカーボンの推
進薬組成物は、硝酸アンモニウムの相転移の問題が存在
するだけでなく、大量の有機バインダを加えるので、燃
焼速度が低く、燃焼ガスに大量の有毒な一酸化炭素を含
むので、自動車エアバッグには適用できない。
【0013】本発明の課題は低毒性かつ危険性が少なく
取り扱いが容易であり、燃焼効率及びガス発生効率に優
れた、燃焼時に残渣生成量の少ない、燃焼速度が速いエ
アバッグ用ガス発生剤組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、燃焼時に
残渣を生成しない、もしくは残渣生成量が少ないカーボ
ンブラックあるいは活性炭粉末と、相安定化した硝酸ア
ンモニウムとの組成物に着目し、その燃焼性、安全性、
実用性等に関して鋭意研究を重ね、カーボンブラックあ
るいは活性炭粉末と、相安定化した硝酸アンモニウムと
のガス発生剤組成物、さらに必要に応じて有機系高分子
バインダ、成型助剤及び燃焼生成ガスの一酸化炭素、窒
素酸化物を低減するための触媒を添加したガス発生剤組
成物が上記課題を解決した実用的なエアバッグ用ガス発
生剤組成物であることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0015】即ち本発明は、下記(a)成分、(b)成
分を必須成分として含有し、更に必要に応じて下記
(c)成分、(d)成分及び(e)成分からなる群から
選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする
エアバッグ用ガス発生剤組成物を提供するものである。
【0016】(a)カーボンブラックあるいは活性炭粉
末 (b)相安定化硝酸アンモニウム (c)有機高分子系バインダ (d)滑剤等の成形助剤 (e)有害生成ガスを低減する触媒 また本発明は、上記のガス発生剤組成物を押出成型して
得られる、単孔円柱状または多孔円柱状のガス発生剤組
成物成型体、上記ガス発生剤組成物を圧縮成型して得ら
れる、ペレット形状のガス発生剤組成物成型体をも提供
するものである。
【0017】さらに本発明は、上記のガス発生剤組成
物、またはガス発生剤組成物成型体を用いる自動車エア
バッグ用インフレータをも提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(a)成分の
カーボンブラックあるいは活性炭粉末はガス発生剤組成
物中で燃料の役割と燃焼速度促進剤の役割を果たす。本
発明者らは、比表面積の大きいカーボンブラック又は活
性炭粉末が硝酸アンモニウムの高温分解を著しく促進
し、相安定化した硝酸アンモニウムとの組成物とした場
合に、その燃焼速度が、従来の低分子含窒素有機化合物
と相安定化した硝酸アンモニウムとの組成物に比ベ、著
しく大きいことを発見した。即ち、本発明のガス発生剤
組成物では、例えばニトログアニジン、アミノテトラゾ
ール、硝酸トリアミノグアニジン等の低分子含窒素有機
化合物を使用せず、従来の硝酸アンモニウム系ガス発生
剤及び推進薬の燃焼速度が低いという問題を解決してい
る。
【0019】また本発明のガス発生剤組成物の必須成分
であるカーボンブラック又は活性炭粉末は、空気中でも
400℃以上加熱されても分解しないので、熱安定性が優
れている。さらに、カーボンブラック又は活性炭粉末と
硝酸アンモニウムは低共融物を生成しないので、インフ
レータの製造時の溶接工程でガス発生剤が融解する恐れ
がない。
【0020】本発明のガス発生剤組成物中のカーボンブ
ラック又は活性炭粉末の比表面積は10〜5000m2/gの
ものが用いられ、50〜4000m2/gが好ましく、500〜35
00m/gがより好ましい。
【0021】本発明のガス発生剤組成物中のカーボンブ
ラック又は活性炭粉末の粒度は、小さすぎると、カーボ
ンブラック又は活性炭粉末の製造が困難なだけでなく、
ガス発生剤製造時に粉末飛散の恐れがあり、大きすぎる
と、ガス発生剤に対する燃焼促進効果が少なくなり、不
完全燃焼の可能性が高くなるので、1〜500ミクロン
のものが用いられ、1〜200ミクロンが好ましく、1〜1
00ミクロンがより好ましい。
【0022】また、本発明のガス発生剤組成物中の
(a)成分の含有量については、酸素バランスから考え
ると、有機高分子バインダを多く添加すれば少量でも良
く、有機高分子バインダを添加しなければ、組成物の酸
素バランスがゼロ又はゼロに近い組成まで含有しなけれ
ばならない。そこで、その含有量は0.5〜14重量%が好
ましく、5〜10重量%がより好ましい。
【0023】本発明のガス発生剤組成物に用いられる
(b)成分の酸化剤は相安定化した硝酸アンモニウムで
ある。硝酸アンモニウムは窒素、酸素、水素により構成
されるので、燃焼時に固形残渣を生成しないが、−18
℃、32.1℃、84.2℃、125.2℃に相転移点があり、この
相転移に伴い体積変化が起こる。相安定化していない硝
酸アンモニウムを大量に用いるガス発生剤は、この体積
変化のため、ガス発生装置を正常に作動させることがで
きない。
【0024】そこで従来の硝酸アンモニウム系推進薬の
場合は、硝酸アンモニウムの相転移に基づく不安定燃焼
を避けるため、大量の有機高分子バインダを使用してい
る。しかし、大量の有機バインダを使った場合、酸素バ
ランスが大きくマイナス側になり、燃焼時に大量の有毒
な一酸化炭素を生成するので、エアバッグガス発生剤と
しては適用できない。
【0025】本発明では硝酸アンモニウムの相転移の問
題を解決するために、相安定化した硝酸アンモニウムを
使用する。硝酸アンモニウムの相安定化の方法は公知で
ある。1つの周知の方法は、硝酸アンモニウムにカリウ
ム塩を加えることである。本発明は、硝酸アンモニウム
に少量の過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、塩素酸カリ
ウム、亜硝酸カリウム、塩化カリウム、蓚酸カリウムを
加えた相安定化した硝酸アンモニウムが好ましく、カリ
ウム塩の熱安定性、酸化能力等から考えると、過塩素酸
カリウムあるいは硝酸カリウムで相安定化した硝酸アン
モニウムがより好ましい。これらのカリウム塩の硝酸ア
ンモニウムへの添加量については、1〜30重量%が好ま
しいが、添加量が多くなると、ガス発生剤の燃焼後生成
した酸化カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム等の固
形残渣も多くなるため、1〜15重量%がより好ましい。
【0026】本発明のガス発生剤組成物中の(b)成分
の含有量は組成物の酸素バランスをゼロ又はゼロに近く
することから考えると、70〜95重量%が好ましく、80〜
95重量%がより好ましい。
【0027】本発明のガス発生剤組成物は、(a)成分
と(b)成分の2成分を乾式あるいは湿式で混合し、そ
の混合物を打錠して、ペレット状で使っても良い。例え
ば、硝酸アンモニウムと過塩素酸カリウム、もしくは、
硝酸アンモニウムと硝酸カリウムを水に溶解して、その
溶液にカーボンブラック又は活性炭粉末を加えて混合
し、この湿ったガス発生剤混合物を乾燥させ、粉砕し、
ガス発生剤混合物の粉末を得る。この粉末を打錠機によ
りペレットに成型し、これらのペレットをインフレータ
に詰めて使用する。しかし、その成型性をもっと優れた
ものとする為には、有機高分子バインダを添加しても良
い。
【0028】有機高分子バインダについては、セルロー
ス系高分子、ポリアクリル系高分子、ポリビニル系高分
子、ポリエステル系高分子、ポリウレタン系高分子等の
中から選ばれ、具体的には酢酸セルロース、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリルアミド・ポリアクリル酸金属塩
の共重合物等が挙げられる。
【0029】大量の有機高分子バインダを添加すると、
ガス発生剤組成物は燃焼速度が低くなり、酸素バランス
がマイナスになるので、その添加量は低いレベルである
ことが望ましい。本発明の組成物では、有機高分子バイ
ンダの量は12重量%以下であることが好ましい。
【0030】また、成型をよりスムーズにするために、
(d)成分の成型助剤を添加しても良い。成型助剤はス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸亜鉛、二硫化モリブデン等が挙げられる。
【0031】しかし、これらの成型助剤を大量に含有さ
せると、ガス発生剤の燃焼性能、燃焼ガスに悪影響する
恐れがあるので、その添加はできるだけ少量にすること
が望ましい。従って本発明のガス発生剤組成物中の
(d)成分の含有量は2重量%以下が好ましく、1重量
%以下がより好ましい。
【0032】さらに、本発明は燃焼後に一酸化炭素と窒
素酸化物等の有害生成ガスを効果的に低減するために、
(e)成分の燃焼触媒を添加しても良い。燃焼触媒は、
酸化銅、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化コバルトまたは酸化マ
ンガン等が挙げられる。
【0033】これらの燃焼触媒は、一酸化炭素と窒素酸
化物等の有害生成ガスを効果的に低減することができる
が、燃焼により生じる固形残渣を増やすので、その含有
量はできるだけ少量とすることが好ましい。そこで、本
発明のガス発生剤組成物中の(e)成分の含有量は2重
量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましい。
【0034】本発明のガス発生剤組成物として特に好ま
しいものは、(a)成分として5〜10重量%の比表面積
500〜4000g/m2のカーボンブラック、(b)成分とし
て90〜95重量%の過塩素酸カリウム、硝酸カリウムによ
り相安定化された硝酸アンモニウムを含有するものであ
る。
【0035】上記の本発明のガス発生剤組成物は、アジ
ド系ガス発生剤に比べて単位重量当たりのガス発生効率
を大幅に高めることができ、また、燃焼時に燃焼残渣の
生成量が少なく、ガス発生器(インフレータ)をより小
型に設計し得る。本発明のガス発生剤組成物を用いて成
型体を得るにあたっては、本発明のガス発生剤組成物に
(c)成分の高分子化合物の種類に応じて水あるいは有
機溶媒を添加し、均一に混合した後、押出成型して単孔
円柱状または多孔円柱状の成型体を得るか、もしくは、
打錠機等を用いてペレット状の成型体を得る。このよう
な成型体にすることにより、ガス発生器(インフレー
タ)の充填に適した形態とすることができる。
【0036】本発明のガス発生剤組成物及びその成型体
は運転席のエアバッグインフレータ、助手席のエアバッ
グインフレータ及びサイドインフレータに適用でき、更
にハイブリッドインフレータにも適用できる。運転席の
エアバッグインフレータについては、本発明のガス発生
剤組成物及びその成型体はガス発生効率が高く、残渣の
生成量が少ないので、該残渣を濾過するフィルターを詰
める(ハウジング内に収容させる)必要がなくなり、燃
焼火炎を外部に出さない少量のクーラントだけ詰めれば
よい。これにより、運転席のエアバッグインフレータは
本発明のガス発生剤組成物及びその成型体を使うと、燃
焼室の容積が40cm3以下になり、外径が60mm以下で、高
さが40mm以下のものとして設計することができる。ハイ
ブリッドインフレータについては、本発明のガス発生剤
組成物及びその成型体は酸素バランスがゼロあるいはゼ
ロに近いので、酸素を含まない圧縮ガスを使ってもよ
い。
【0037】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0038】(実施例1〜12及び比較例1〜2)表1
に示す組成を有するガス発生剤組成物を調製し、その理
論計算に基づく燃焼温度、発生ガス効率(100g組成物
の発生ガスのモル数)、残渣の生成量(1モルガス発生
時の常温での固形物残渣の生成グラム数)を表1に示し
た。明らかに、本発明のガス発生剤組成物はアジド系ガ
ス発生剤とアミノテトラゾール系ガス発生剤に比べる
と、ガス発生効率が高くなり、残渣生成量が大幅に少な
くなった。
【0039】表1中、Cはカーボンブラック又は活性炭
粉末を、ANは硝酸アンモニウムを、そしてPSANは
相安定化した硝酸アンモニウムを夫々指示する。又PS
AN(AN/KClO4)は硝酸アンモニウムと過塩素
酸カリウムにより構成される相安定化した硝酸アンモニ
ウムを示し、PSAN(AN/KNO3)は硝酸アンモ
ニウムと硝酸カリウムにより構成される相安定化した硝
酸アンモニウムを示し、PAAはポリアクリルアミドを
示す。また、表1中の組成比の欄には、各ガス発生剤組
成物中に於けるカーボンブラック又は活性炭粉末、硝酸
アンモニウム、過塩素酸カリウムあるいは硝酸カリウム
それぞれの重量%を示している。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例13〜16及び比較例3〜4)表
2に示す組成を有するガス発生剤組成物を調製し、日本
工業規格(JIS)K4810-1979の火薬類性能試験法に
基づいて該組成物の摩擦感度と落槌感度とを測定した。
その結果を表2に示した。
【0042】表2中、C(CF9)が比表面積60m2/gの
カーボンブラックで、C(MSC30)が窒素吸着法により
求めた比表面積が3400m2/gの活性炭粉末で、C(100
0)が窒素吸着法により求めた比表面積が1100m2/gの
活性炭粉末である。これらの結果により、カーボンブラ
ック又は活性炭粉末とPSANとの組成物は摩擦感度が
36kgf以上で鈍感で、落槌感度がPSANあるいは硝酸
アンモニウムより鈍感である。また、カーボンブラック
又は活性炭粉末の表面積が大きくなると、その組成物の
落槌感度が鈍感になる。
【0043】
【表2】
【0044】(実施例17〜18及び比較例5〜6)表
3に示す組成を有するガス発生剤組成物を調製し、その
融解温度、熱分解温度、TG(熱重量分析による)重量
減少開始温度をTAS型示差熱分析装置(株式会社リガ
ク製)で測定した。測定時の昇温速度は20℃/minで、
測定雰囲気は窒素ガスで、測定時のサンプル量は1〜3
mgである。その結果を表3に示した。この結果により、
カーボンブラック又は活性炭粉末と相安定化した硝酸ア
ンモニウムは低共融物を生成しない。また、カーボンブ
ラック又は活性炭粉末の比表面積が大きくなると、組成
物の熱分解温度が低くなるので、明らかに、比表面積の
大きいカーボンブラック又は活性炭粉末が硝酸アンモニ
ウムの分解を促進する。
【0045】
【表3】
【0046】(実施例19〜26)表4に示す組成を有
するガス発生剤組成物を調製し、その組成物をストラン
ドに成型して、70kg/cm2圧力、窒素雰囲気下で燃焼速
度を測定した。その結果を表4に示した。表4中、C
(MSC25)が窒素吸着法により求めた比表面積2400m2
/g活性炭粉末で、C(MSC20)が窒素吸着法により求
めた比表面積2020m2/g活性炭粉末である。表4によ
り、比表面積の大きいカーボンブラック又は活性炭粉末
と相安定化した硝酸アンモニウムとの組成物は高い燃焼
速度を持っている。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明は自動車における乗員保護装置と
してのエアバッグ用ガス発生剤組成物及びその成型体を
提供するものであり、本発明により低毒性かつ危険性が
少なく取り扱いが容易であり、燃焼効率及びガス発生効
率に優れて、燃焼時に残渣生成量が少ないガス発生剤組
成物及びその成型体が製造可能となった。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)成分及び(b)成分を必須
    成分として含有することを特徴とするエアバッグ用ガス
    発生剤組成物。 (a)カーボンブラック又は活性炭粉末 (b)相安定化硝酸アンモニウム
  2. 【請求項2】 (a)成分の含有量が0.5〜14重量%、
    (b)成分の含有量が70〜95重量%である請求項1記載
    のガス発生剤組成物。
  3. 【請求項3】 更に、下記(c)成分、(d)及び
    (e)成分からなる群から選ばれる1種又は2種以上を
    含有する請求項1記載のエアバッグ用ガス発生剤組成
    物。 (c)有機高分子系バインダ (d)成形助剤 (e)有害生成ガスを低減する触媒
  4. 【請求項4】 (a)成分の含有量が0.5〜14重量%、
    (b)成分の含有量が70〜95重量%、(c)成分の含有
    量が12重量%以下、(d)成分の含有量が2重量%以
    下、(e)成分の含有量が2重量%以下である請求項3
    記載のエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  5. 【請求項5】 (a)成分のカーボンブラック又は活性
    炭粉末の比面積が10〜5000m2/gである請求項1〜4
    のいずれか一項記載のエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  6. 【請求項6】 (b)成分が、過塩素酸カリウム、硝酸
    カリウム、塩素酸カリウム、亜硝酸カリウム、蓚酸カリ
    ウム、塩化カリウムから選ばれる少なくとも1種のカリ
    ウム塩により相安定化された硝酸アンモニウムである請
    求項1〜5のいずれか一項記載のエアバッグ用ガス発生
    剤組成物。
  7. 【請求項7】 (c)成分の有機高分子バインダがセル
    ロース系高分子、ポリアクリル系高分子、ポリビニル系
    高分子、ポリエステル系高分子、及びポリウレタン系高
    分子からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求
    項3〜6のいずれか一項記載のエアバッグ用ガス発生剤
    組成物。
  8. 【請求項8】 (d)成分の成型助剤が、ステアリン酸
    カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
    亜鉛、二硫化モリブデンから選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項3〜7のいずれか一項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生剤組成物。
  9. 【請求項9】 (e)成分の有害生成ガスを低減する触
    媒が、酸化銅、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化コバルトまたは
    酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種である請求項
    3〜8のいずれか一項記載のエアバッグ用ガス発生剤組
    成物。
  10. 【請求項10】 (a)成分として比表面積500〜4000
    g/m2のカーボンブラック又は活性炭粉末5〜10重量
    %、(b)成分として過塩素酸カリウム又は硝酸カリウ
    ムにより相安定化された硝酸アンモニウム90〜95重量%
    を含有するエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  11. 【請求項11】 (a)成分として比表面積500〜4000
    g/m2のカーボンブラック又は活性炭粉末4〜9重量
    %、(b)成分として過塩素酸カリウム又は硝酸カリウ
    ムにより相安定化された硝酸アンモニウム90〜95重量
    %、(c)成分として酢酸セルロース1〜5重量%を含
    有するエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  12. 【請求項12】 (a)成分として比表面積500〜4000
    g/m2のカーボンブラック又は活性炭粉末3〜9.5重量
    %、(b)成分として過塩素酸カリウム又は硝酸カリウ
    ムにより相安定化された硝酸アンモニウム90〜95重量
    %、(c)成分としてポリアクリルアミド0.5〜7重量
    %を含有するエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  13. 【請求項13】 (a)成分として比表面積500〜4000
    g/m2のカーボンブラック又は活性炭粉末2〜9.6重量
    %、(b)成分として過塩素酸カリウム又は硝酸カリウ
    ムにより相安定化された硝酸アンモニウム90〜95重量
    %、(d)成分としてステアリン酸カルシウム0.1〜1.0
    重量%、(e)成分として有害生成ガスを低減する触媒
    0.3〜2.0重量%を含有するエアバッグ用ガス発生剤組成
    物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか一項に記載
    のエアバッグ用ガス発生剤組成物を押出成型して単孔円
    柱状または多孔円柱状としたガス発生剤組成物成型体。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれか一項に記載
    のエアバッグ用ガス発生剤組成物を圧縮成型してペレッ
    ト形状としたガス発生剤組成物成型体。
  16. 【請求項16】 硝酸アンモニウムと過塩素酸カリウ
    ム、もしくは、硝酸アンモニウムと硝酸カリウムを水に
    溶解して、その溶液にカーボンブラック又は活性炭粉末
    を加えて混合し、この湿ったガス発生剤混合物を乾燥さ
    せ、粉砕したガス発生剤混合物の粉末を、打錠機により
    ペレットに成型するガス発生剤組成物成型体の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜13のいずれか一項に記載
    のエアバッグ用ガス発生剤組成物、または請求項14若
    しくは15記載のガス発生剤成型体を用いるエアバッグ
    用インフレータ。
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