JPH1194780A - 仕事関数測定方法、仕事関数測定装置、及び試料ホルダ - Google Patents

仕事関数測定方法、仕事関数測定装置、及び試料ホルダ

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JPH1194780A
JPH1194780A JP9273582A JP27358297A JPH1194780A JP H1194780 A JPH1194780 A JP H1194780A JP 9273582 A JP9273582 A JP 9273582A JP 27358297 A JP27358297 A JP 27358297A JP H1194780 A JPH1194780 A JP H1194780A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材質の如何に関わりなく、かつ表面状態に左
右されることなく仕事関数を正確に測定すること。 【解決手段】 可動電極12の表面に順次波長を走査し
ながら励起光Lλを照射して、可動電極の表面から光電
子が放出した時の光エネルギを求める第1の工程と(図
3(イ))、試料Sの表面に対して進退するように一定
の周波数で可動電極12を振動させ、可動電極12と試
料Sとの電位差を測定する第2の工程と(図3
(ロ))、この電位差に前回の工程で求めた光エネルギ
を加算した値を求める第3の工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料の特性や状
態、特に仕事関数を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特定の機能を備えた材料の開発などにお
いては、材料の特性を判定する手段として仕事関数を求
めることが行なわれる。このような仕事関数の測定に
は、通常、試料表面に対して一定の振幅で振動する電極
を対向させ、試料と電極との間の電位差を零位法で測定
する表面電位測定装置や、特開平1-138450号公報に示さ
れたような、一端が開口された陰極Aの内部に陽極Bを
配設し、これら両極間に電界を掛けた状態で、陰極Aの
開口部に試料Sを配設し、この表面に順次波長を変えな
がら光Lを照射し、光電子放出闇値以上の光が照射され
たときに光のエネルギを検出する光電子放出閾値測定装
置などが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の装置によれば、
可動電極を試料に対向させるという簡単な操作で測定が
可能であるものの、測定結果が可動電極に付着した気体
分子に大きく左右されるため、試料自体の特性を正確に
把握することが困難であるという問題があり、また後者
の装置によれば、気体分子の影響をほとんど受けず、材
料自体の仕事関数を正確に把握できるものの、半導体物
質のように仕事関数がフェルミ準位に左右される物質に
あっては、材料を構成している元素や分子の仕事関数を
測定することができないという問題を抱えている。本発
明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは試料の種類や、気体分子の付着
の如何に関わりなく、試料の特性を正確に測定する方法
を提案することである。また、本発明の他の目的は、上
記測定方法を実施するための装置を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために本発明においては、可動電極の表面に順次波長
を走査しながら励起光を照射して、前記可動電極の表面
から光電子が放出した時の光エネルギを求める工程と、
試料の表面に対して進退するように一定の周波数で可動
電極を振動させ、前記可動電極と前記試料との電位差を
測定する工程と、前記電位差に前記光エネルギを加算し
た値を求める工程とを備え、可動電極自体の仕事関数を
補正できるようにした。
【0005】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実
施例を示すものであって、図中符号1は、振動型表面電
位測定装置であり、また符号2は光電子放出閾値測定装
置である。、この実施例においては試料ホルダ3に一体
に組み込まれている。
【0006】表面電位測定装置1は、励振器11に取り
付けられた可動電極12と、可動電極12と試料との間
の電位差を検出する電位差測定回路13とから構成され
ていて、可動電極12は、この実施例では試料ホルダ3
に一体に組み込まれている。
【0007】光電子放出閾値測定装置2は、下部に開口
21aを備えた筒状陰極21の内部空間に、不平等電界
を形成するための陽極22と、放電を制御する第1格子
電極23、第2格子電極24が上下関係となるように配
置された検出部25を備えている。
【0008】陽極22には開口21aに光電子が進入し
たときに陰極21との間で放電を生じさせるに足る高電
圧が高抵抗Rを介して放電電圧発生回路26から供給さ
れ、また直流阻止用コンデンサCを介して放電検出回路
27が接続されている。
【0009】第1格子電極23は第1パルス発生器28
が、また第2格子電極24は第2パルス発生器29が接
続されおり、図2に示したように第1格子電極23には
常時は100V程度の電圧を、また光電子に基づいて放
電(図2(a))が生じて発生した場合には、一定時間
Te継続する400V程度の電圧が印加され(図2
(b))、また第2格子電極24には常時は80V程度
の電圧を、また放電によるパルスが検出された段階では
マイナス30V程度の電圧(図2(c))が印加されて
いる。
【0010】これにより試料からの光電子を第2格子電
極24の電位により陽極22に引き込んで、光電子の数
に相当する放電を一定時間Te生じさせる一方、過剰な
光電子の侵入を防止して火花放電への発展を防止するよ
うになっている。
【0011】そして、検出部25の近傍には光ビーム発
生装置30が配置されている。この光ビーム発生装置3
0は、光源31と、波長切換回路32からの信号により
制御を受ける分光器33とから構成されていて、試料等
に波長の異なる光を照射できるようになっている。
【0012】34は、エネルギ検出回路で、放電検出回
路27から信号が出力した時に、試料に照射している光
ビームのスペクトルエネルギを検出するものである。
【0013】試料ホルダ3は、試料をアースに接続し、
試料の表面が可動電極12に対して平行となるよう、こ
の実施例では水平に保持する支持部35を備え、リード
線を介して電位差測定回路13に接続されている。
【0014】36は、仕事関数演算回路で、電位差測定
回路13により測定された試料との電位差Vsに、エネ
ルギ検出回路34により測定された可動電極12の仕事
関数V0を加算して出力するものである。
【0015】つぎにこのように構成した装置の動作につ
いて説明する。図3(イ)に示したように、可動電極1
2をその試料対向面が光電子放出閾値測定装置2の検出
部25に対向するように陰極21の開口21aの下方に
配置して、光ビーム発生装置31、33の光Lλを波長
を変えながら照射する。
【0016】可動電極12が、これを構成している材料
の仕事関数、つまり光電子放出閥値を越えるエネルギを
持つ波長の光Lλの照射を受けると、その表面から光電
子を放出する。
【0017】この光電子は、陽極22に移動して放電を
起させるから、この時の光エネルギをエネルギ検出回路
34により検出すれば、可動電極12の仕事関数V0が
判明する。
【0018】このようにして可動電極12の仕事関数V
0が判明した段階で、図3(ロ)に示したように試料ホ
ルダ3に試料Sを載置して可動電極12と間隙を持たせ
て対向させ、可動電極12を試料に対して進退するよう
に振動させる。
【0019】もとより、可動電極12と試料Sとの間に
は半導体物理の分野でいう接触帯電現象が生じていて両
者の間には仕事関数の差に相当する電位差Vsが誘起さ
れ、また可動電極12と試料Sとの間にコンデンサが形
成されるため、一種の静電発電機を構成する。
【0020】したがって、可動電極12と試料Sとの仕
事関数に相当する電位差VSを超高入力インピーダンス
の測定手段からなる仕事関数演算回路36により検出す
ることにより、試料Sの仕事関数を測定することができ
る。
【0021】このように振動型表面電位測定装置1によ
れば、可動電極自体の仕事関数が判明していれば、試料
の種類に関わりなく仕事関数を求められるから、光電子
放出の閾値が仕事関数に一致しない半導体等の試料であ
っても、試料の組成に基づく仕事関数を正確に測定する
ことができる。
【0022】なお、上述の実施例においては、可動電極
の仕事関数を検出してから、試料を測定するようにして
いるが、試料を測定した後に、可動電極の仕事関数を検
出して補正するようにしても同様の作用効果を奏するこ
とは明らかである。
【0023】また、上述の実施例のおいては可動電極の
仕事関数を直接測定するようにしているが、標準試料を
介して測定することもできる。すなわち、光電子放出閾
値測定装置2により仕事関数が測定されている標準試料
を、振動型表面電位測定装置1により仕事関数を求め、
両測定値の差分を可動電極のガス吸着等に起因する補正
値として記憶しておく。
【0024】そして振動型表面電位測定装置1により試
料を測定し、これにより得た値を前記補正値で補正する
ことにより、可動電極12のガス吸着等に起因する誤差
を補正することができる。
【0025】さらに上述の実施例においては、試料ホル
ダ3を光電子放出閾値測定装置2の陰極21の開口21
aに対向させて配置しているが、搬送手段に取り付けて
移動できるようにしてもよい。
【0026】すなわち図4は、上述の仕事関数測定方法
を利用した仕事関数測定装置の一実施例を示すものであ
り、また図5は、測定領域を拡大して示すものであっ
て、高インピーダンス電圧測定手段を内蔵した本体ケー
ス40の上面にフレーム41を設けて測定機構を配置
し、またフレーム41の前方側に試料の位置を確認する
ための顕微鏡43が、測定に障害とならないように転倒
により退避、または取り外し可能に設けられている。
【0027】フレーム41は、制御パネル44が設けら
れた正面、及び切欠き部41aにより側方が開放されて
いて、試料の挿脱を可能に構成され、フレーム41に囲
まれた領域にノブ45により試料を上下動可能とする試
料載置台47と、試料の上面に位置するように振動型表
面電位測定ユニット48が配置され、制御パネル44に
は、標準試料で測定された電位を設定するダイヤル56
と、電位表示パネル57が配置されている。
【0028】振動型表面電位測定ユニット48は、図6
に示したようにユニットケース49の表面に、測定電位
のリード部を兼ねる片持梁状に固定された板バネ50の
自由端側に導電性針状アーム51を介して電極板52を
固定して構成された振動電極を備えている。電極板52
は、少なくとも試料と対向する面(図中、上面)を大気
に対して安定で、かつガス吸着の少ない材料、金(A
u)やタングステン(W)の板材により構成されてい
る。
【0029】再び図4、5に戻って、振動型表面電位測
定ユニット48は、電極板52を下方にして取付け基板
53を介してフレーム41に固定され、電極板52の下
方への最大変位点よりも若干下方に下面54が位置し、
かつ図7に示したように電極板52を露出させる窓5
5、及び顕微鏡43による確認のための視野確保用の切
欠き部56とを備えた位置決め用の基板57が配置され
ている。
【0030】窓55には、下面から上面に拡開する斜面
55aが形成され、かつ少なくとも試料に対向する面、
及び窓55の領域に大気に対して安定な材料、この実施
例で金のメッキ層が形成されている。
【0031】この実施例において、ノブ45を一方の方
向に回動して試料載置台47を降下させ、前述したよう
に光電子放出閾値測定装置により仕事関数が予め測定さ
れた標準試料Sを試料載置台47の所定位置に載置する
(図8(イ))。
【0032】ついで、標準試料Sの表面が位置決め基板
57に接触するまでノブ45を他方向に回動すると、標
準試料Sの上面が位置決め用基板57の下面に当接し、
電極板52に対して一定の間隙gで位置決めされる(図
8(ロ))。
【0033】この状態で、振動型表面電位測定ユニット
48を作動させると、電極板52は、基板57の窓55
の範囲で上下に一定の振幅、この実施例においては0.
5mm以下で振動する。
【0034】この測定過程においては、電極板52の側
方が安定な金の表面層を備えた基板57の窓55に囲ま
れているため、電極板52は外乱を受けることなく、標
準試料Sの電位を発生する。このようにして検出された
標準試料Sの電位は、表示パネル57に表示されるの
で、予め測定した値となるようにダイヤル45により電
極板52に印加する電位を調整すると、校正作業が終了
する。
【0035】標準試料の測定が終了した段階で、ノブ4
5を操作して標準試料を取出し、前述と同様の過程によ
り目的の試料をセットする。これにより、試料の表面と
振動型表面電位測定ユニット48の電極板52との間隙
gが標準試料Sの測定時と同一の値に設定されるから、
試料の仕事関数を、真空環境を必要とすることなく大気
中で正確に測定することができる。
【0036】ところで、標準試料Sは安定な金の薄板に
より構成されているが、長期間の間には大気中のイオン
などが付着して電位が変化する虞があるので、図9に示
したように金属板60の中央に標準試料Sの表面を突出
させて位置決めすることができる凹部61を形成し、他
方の金属板62には少なくとも標準試料Sの測定領域と
間に間隙を形成できる凹部63を形成したものを用意
し、標準試料Sを2枚の金属板60、62で挟んでネジ
64、64などの締め付け手段により挟持させるホルダ
65に収容すると、標準試料Sの測定面と大気との接触
を断つことができ、校正電位を長期間維持することがで
きる。そして金属板60、62の対向面には金などの安
定な金属の層を形成しておくのが望ましい。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
可動電極の表面に順次波長を走査しながら励起光を照射
して、可動電極の表面から光電子が放出した時の光エネ
ルギを求める工程と、試料の表面に対して進退するよう
に一定の周波数で可動電極を振動させ、可動電極と試料
との電位差を測定する工程と、電位差に前記光エネルギ
を加算した値を求める工程とを備えたので、可動電極の
状態の如何に関わりなく、試料の仕事関数を大気中で正
確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のー実施例を示す装置の構成図である。
【図2】光電子放出閾値測定装置の各電極の電圧変化を
示す波形図、
【図3】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上装置の動作
を示す説明図である。
【図4】図(イ)、(ロ)は、それぞれ振動型表面電位
測定法による装置の一実施例を示す正面図と、側面図で
ある。
【図5】同上装置の測定領域を拡大して示す図である。
【図6】図(イ)、(ロ)は、それぞれ振動型表面電位
測定ユニットの一実施例を示す上面図と側面図である。
【図7】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上装置の試料
位置決め用基板の一実施例を示す正面図と、A−A線に
おける断面図である。
【図8】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上装置の動作
を、試料セット前の状態と、測定可能状態とで示す図で
ある。
【図9】図(イ)乃至(ハ)は、それぞれ同上装置に適
した標準試料ホルダの一実施例を、ホルダを構成する金
属板、及び試料を収容した状態で示す図である。
【符号の説明】
1 振動型表面電位測定装置 2 光電子放出閾値測定装置 3 試料ホルダ 11 励振器 12 可動電極 25 測定部 S 試料

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動電極の表面に順次波長を走査しなが
    ら励起光を照射して、前記可動電極の表面から光電子が
    放出した時の光エネルギを求める工程と、試料の表面に
    対して進退するように一定の周波数で可動電極を振動さ
    せ、前記可動電極と前記試料との電位差を測定する工程
    と、 前記電位差に前記光エネルギを加算した値を求める工程
    とからなる仕事関数測定方法。
  2. 【請求項2】 標準試料に順次波長を走査しながら励起
    光を照射して、前記標準試料から光電子が放出した時の
    光エネルギを求める工程と、 前記標準試料の表面に対して進退するように一定の周波
    数で可動電極を振動させ、前記可動電極と前記標準試料
    との電位差を測定する工程と、 試料の表面に対して進退するように一定の周波数で可動
    電極を振動させ、前記可動電極と前記試料との電位差を
    測定する工程と、 前記電位差に前記光エネルギを加算した値を求める工程
    とからなる仕事関数測定方法。
  3. 【請求項3】 試料の表面に対して進退するように一定
    の周波数で振動する可動電極と、前記可動電極と前記試
    料との電位差を測定する手段とからなる表面電位計測手
    段と、 試料に順次波長を走査しながら励起光を照射する光ビー
    ム発生手段と、前記試料からの光電子を検出する光電子
    検出手段と、該光電子検出手段により光電子が検出され
    た時の前記励起光のエネルギを検出する手段とからなる
    光電子放出閾値測定手段と、 前記電位差と前記エネルギとの差分を求める手段と、 前記可動電極と前記光電子検出手段とに対向させるよう
    に試料を支持する試料ホルダとからなる仕事関数測定装
    置。
  4. 【請求項4】 測定電位のリード部を兼ねる片持梁状に
    固定された弾性板の自由端側に電極板を固定した振動型
    表面電位測定手段と、前記電極板の下方への最大変位点
    よりも若干下方に下面が位置し、かつ電極板を露出させ
    る窓を備えた位置決め用の基板と、前記基板に対して昇
    降可能で、試料表面を前記基板に当接させる位置決め手
    段とからなる仕事関数測定装置。
  5. 【請求項5】 前記基板の表面に安定な金属の層が形成
    されている請求項4に記載の仕事関数測定装置。
  6. 【請求項6】 標準試料の表面を突出させて位置決めす
    ることができる凹部を備えた第1の金属板と、少なくと
    も試料の測定領域と間に間隙を形成できる凹部を形成し
    た第2の金属板と、試料を挟んで前記金属板を挟持する
    手段とからなる試料ホルダ。
  7. 【請求項7】 前記金属板の対向面に安定な金属の層が
    形成されている請求項6に記載の試料ホルダ。
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