JPH1199362A - 基材表面の生体活性被覆法及びそのように被覆された基材からなる製品 - Google Patents

基材表面の生体活性被覆法及びそのように被覆された基材からなる製品

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JPH1199362A
JPH1199362A JP10182326A JP18232698A JPH1199362A JP H1199362 A JPH1199362 A JP H1199362A JP 10182326 A JP10182326 A JP 10182326A JP 18232698 A JP18232698 A JP 18232698A JP H1199362 A JPH1199362 A JP H1199362A
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sulfonic acid
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シュタイネルト フォルカー
Stefan Dr Zschoche
ツョッヒェ シュテファン
Hans-Joerg Jacobasch
ヤコバッシュ ハンス−イェルク
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Huels AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材表面の生体活性被覆法及びそのように被
覆された基材からなる製品 【解決手段】 基材表面の生体活性被覆法において、一
般式: R−(A) 式I の少なくとも1種のビニルモノマーを放射線又は熱によ
り、ポリマー骨格の側鎖中にラジカル形成基を有する高
分子開始剤で予め処理されていた基材表面上でグラフト
重合させるが、但し、式中のAがカルボキシル基−CO
OH又はカルボキシル基の塩を表すモノマーIは、Aの
前記の意味とは別の意味を有する少なくとももう1個の
基Aを有するか、又はAが、Aの前記の意味とは別の意
味を有する少なくとももう1種のモノマーIと一緒に使
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子開始剤を使
用して、基材、有利にプラスチック(又はポリマー)基
材の表面を生体活性被覆する方法に関する。本発明によ
り施与された被覆の重要な特性は、体液及び組織、殊に
血液と接触する際のその良好な相容性である。被覆モノ
マーの官能性もしくは、被覆中の特定の官能基のモル比
に応じて、表面は更に、細菌忌避性で、かつ細胞増殖抑
制性であるか、又は細菌忌避性で、かつ細胞増殖促進性
である。本発明は更に、医療目的又はバイオテクノロジ
ー目的に、又は衛生分野で使用するためのこのような被
覆を有する製品に関する。
【0002】
【従来の技術】表面上の細菌のコロニー形成及び増殖は
通常、望ましくない現象であり、これは往々にして、有
害な結果に結びつく。例えば、飲料水及び飲料工業で
は、細菌個体群は、健康に有害な品質低下をもたらしう
る。包装上の、又はその中の細菌は往々にして、食料品
を腐敗させるか、又は消費者の感染の原因となる。無菌
で操作されるべきバイオテクノロジー装置では、系外の
細菌は相当な処理技術的リスクである。このような細菌
は原料と一緒に侵入し得るか、又は不充分な殺菌でいか
なる装置部分にも残留しうる。細菌群の各部分は付着に
より、噴霧及び清浄化の際の通常の液体交換から免れ、
かつ系中で増殖しうる。
【0003】更に、水処理装置(例えば、膜による脱塩
のためのもの)中、更に、溶解有機物質又は液体未希釈
有機物質が充填されており、かつ細菌群に有利な条件を
有している容器中での細菌のコロニー形成が知られてい
る。このような微生物の付着は、かなりの規模で装置の
ブロッキング及び/又は腐食破壊をもたらしうる。
【0004】看護食品、この場合殊に老人看護食品及び
薬剤では、細菌付着及び細菌拡張からの保護が特に重要
になっている。使い捨て食器の廃棄を回避することが予
定されており、かつリターナブル食器の不充分な洗浄が
行われているだけであると、大量給食又は大量計量の際
に、特に著しいリスクが存在する。食品供給チューブ及
び管中に細菌が有害に増殖することも、貯蔵容器中、並
びに高温湿潤条件下、例えば浴室中のテキスタイル中で
の増殖と同様に公知である。このような設備は、公衆の
通行の激しい領域での特定表面、例えば公共交通機関、
病院、電話ボックス、学校及び殊に公衆トイレと同様
に、細菌の有利な生活環境である。
【0005】老人看護及び病人看護においては、殊に集
中治療室及び家庭内看護では往々にして低下している病
人の抵抗力は、感染に対して慎重な処置を要求する。
【0006】医療における診察、処置及び手術では医療
用具及び装置の使用は、特にこのような装置又は用具が
生体組織又は体液と接触する場合には、特に最新の注意
を必要とする。長期接触又は継続接触の場合、例えば、
インプラント(Implantate)、カテーテル、ステント、心
臓弁膜及び心臓ペースメーカーの場合、細菌汚染は患者
にとって生命を脅かす危険になりうる。
【0007】既に、表面上の細菌のコロニー形成及び拡
張を阻止するための多くの方法が試みられた。J. Micro
biol. Chemoth. 31(1993) 261-271で、S.E.Tebbs及びT.
S.J.Elliottは、抗菌作用成分として4級アンモニウム
塩を有する塗料様被覆を記載している。これらの塩は、
水、水性又は別の極性媒体により、並びに体液により被
覆材から溶出し、それに伴いその作用は短期間のみであ
る。このことは、国際公開WO92/18098号明細
書中に記載されているように、被覆中への銀塩の添加に
も同様に当てはまる。
【0008】T.Ouchi 及びY.Ohyaは、Progr. Polym. Sc
i. 20(1995), 211〜中で、共有結合又はイオン相互作用
によるポリマー表面上での殺菌効果の固定化を記載して
いる。往々にしてこのような場合、純粋な作用物質に対
して殺菌効果はかなり低下している。異極結合はしばし
ば、充分に安定であるとは判明していない。更に、殺菌
は通常、表面上での不所望な堆積をもたらし、これは更
なる殺菌効果をマスクし、かつ後続の細菌コロニー形成
のベースとなる。
【0009】W.Kohnen et al.は、ZBI. Bakt. Suppl. 2
6.(Gustav Fischer verlag. Stuttgart-Jena-New York,
1994, P.408-410)中に、ポリウレタンフィルムを、酸
素の存在下にグロー放電により予備処理して、アクリル
酸でグラフトすると、該フィルム上への表皮ブドウ球菌
の付着が阻止されることを報告している。
【0010】文献中に更に、高分子開始剤としての過酸
化物含有ポリマーが予め施与されている基材へのモノマ
ーのグラフトが記載されている。この系では、光分解に
より、又は熱により離脱可能な基がポリマー骨格中に存
在する(ドイツ特許(DE)第3044531号明細
書、ヨーロッパ特許(EP)第0370477号明細
書)。ラジカル形成下にこれらの基を離脱する際に、高
分子開始剤のポリマー骨格は分解し、かつそれに伴いそ
の安定性を失う。このようなポリマーは、継続的な「相
互浸透ネットワーク(IPN)」の形成下には、他の基
材上に施与することはできない。それというのも、前記
の基の離脱により、基材ネットワークから拡出する小さ
いポリマー片が生じるためである。
【0011】ドイツ特許(DE−OS)第224281
8号明細書中に、側鎖中に存在するペルオキシジエステ
ル基を有するポリマーの製造が述べられているが、この
ために、特殊な使用は挙げられていない。
【0012】上記のように、医療診断、処置及び手術で
医療用具及び装置を使用する際には、これらの用具及び
装置の細菌汚染を阻止することが重要である。中期間又
は長期間生体組織又は体液に接触するこれらの用具及び
装置の多くでは、これに加えて、体固有の細胞の付着及
び拡散は特に望ましくない。例えば、中期体内設置カテ
ーテルでの細胞増殖は、長期インプラントステント又は
心臓弁膜の場合と同様に有害である。
【0013】更に、眼内レンズの透明性は、インプラン
ト後、細胞増殖に従い徐々に低下しうる。従って、一連
の方法は、細胞増殖を例えば眼内レンズの保持物中への
特定の金属又は金属塩の添加により回避することを目標
としているが、その際、効果は多くの場合不完全で、持
続的ではない。国際公開WO94/16648号明細書
中にも、インプラントされたポリマー材料製接眼レンズ
の表面上での細胞増殖を阻止するという方法が記載され
ている。
【0014】ヨーロッパ特許(EP)第0431213
号明細書により、その表面が強鉱酸で親水性にされてい
ることにより細胞忌避性を有するポリマーが供給されて
いる。しかしポリマー表面の後からの化学的変性は多く
の場合均一でない。これは通常、細胞増殖のための出発
点となる処理されていない、又は十分には処理されてい
ない状態に留まる。更に、このように処理された表面の
細胞忌避性は往々にして、持続的ではない。
【0015】他方で、特定の使用のためには、細菌忌避
性だが、細胞増殖は促進する表面を有する物品が望まし
い。これは例えば、医療診断、治療及び手術のための、
同様に、インプラントされている組織中で成長すべき多
くの人工機能補完装具のための一連の装置に当てはま
る。このような装置及び人工機能補完装具、例えば人工
股関節又は歯は往々にして、ポリマーから、又はポリマ
ー被覆された別の材料、例えば金属からなる。
【0016】最後に、体液、例えば血液又はリンパ液
と、又は組織と接触する用具及び装置用の材料は、その
外部環境と相容性でなければならない。殊に、血液相容
性は望まれる重要な特性である。該材料は、可能な限り
長い血液凝固時間を、即ち可能な限り著しいトロンボゲ
ン形成特性を有するべきでもない。
【0017】種々の、相互に部分的に排他的な要求が、
医療上の使用に規定されているポリマー表面の生体活性
特性にはある。これらは、常に細菌を忌避し、かつ体液
及び組織と相容性であるが、選択的に細胞増殖を抑制す
るか、又は細胞増殖を促進する必要がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、表面
を生体活性に、即ち細菌を忌避し、かつ体液、殊に血液
及び組織と相容性で、並びに選択的に細胞増殖を抑制す
るか、又は促進するようにそれにより被覆することがで
き、その際、それにより処理された材料の機械的特性が
変化するか、又はその他重大な欠点が生じない表面の改
善被覆法を開発することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】意外にも、一般式: 式I: R−(A) [式中、Rは、a価を有するオレフィン系不飽和有機
基、有利に炭化水素基を表し、Aは、カルボキシル基−
COOH、硫酸基−OSO2OH、スルホン酸基−SO3
H、リン酸基−OPO(OH)2、ホスホン酸基−PO
(OH)2、亜リン酸基−OP(OH)2、フェノール系ヒド
ロキシル基又は前記の基のいずれかの塩を表し、かつa
は、1〜6の整数、有利に1、2又は3である]の少な
くとも1種のビニルモノマーを放射線誘起して、又は熱
により、ポリマー骨格の側鎖中にラジカル形成基を有す
る高分子開始剤で予め処理されていた基材表面上でグラ
フト重合させるが、但し、式中のAがカルボキシル基−
COOH又はカルボキシル基の塩(つまりカルボキシレ
ート基)を表すビニルモノマーIは、Aの前記の意味と
は別の意味を有する少なくとももう1個の基Aを有する
か、又はAが、Aの前記の意味とは別の意味を有する少
なくとももう1種のモノマーIと一緒に使用すると、基
材、殊にポリマー基材の表面を有利に生体活性に被覆す
ることができることを発見した。
【0020】本発明の1実施形では、オレフィン系単一
不飽和ビニルモノマーIと並んで、又はその代わりに、
少なくとも2個、場合により3又は4個のオレフィン系
二重結合を有する架橋性ビニルモノマー(架橋剤)を併
用もしくは使用する。架橋性ビニルモノマーはそれ自体
基Aを有してよく、その場合ビニルモノマーI及びそれ
自体が生体活性である。この場合、必要ではないが、オ
レフィン系単一不飽和ビニルモノマーIを付加的に使用
することができる。しかし、架橋性ビニルモノマーが基
Aを有さない場合には、付加的にオレフィン系単一不飽
和ビニルモノマーIを使用する必要がある。該架橋剤は
場合により、オレフィン系単一不飽和ビニルモノマーI
と一緒に、既に高分子開始剤で処理された基材に施与す
ることができる。しかしこれで基材を処理する場合に、
これを、高分子開始剤の溶液に添加するのが有利であ
る。
【0021】式Iのモノマーの共通する特徴は、これら
が1又は2個のオレフィン系二重結合並びに少なくとも
1つの酸性基又は酸性基の塩を有することである。塩と
しては、アルカリ塩及び殊にナトリウム塩が有利であ
る。酸基、例えばカルボキシル基及びスルホン酸基は、
グラフト後の中和(例えば水酸化ナトリウムを用いて
の、又はリン酸塩緩衝液中での)によりカルボキシレー
ト基もしくはスルホネート基に移行して、かつカルボキ
シレート基は酸性化によりカルボキシル基にすることが
できる。後者の場合、特定の基Aが、他の基Aに変化す
る。
【0022】意外にも、本発明によりカルボキシル基又
はカルボキシレート基含有モノマーIと他のモノマーI
とで被覆された表面の細菌忌避性は、これを匹敵する条
件下に前記文献W.Kohnen et al.,によりアクリル酸で変
性した場合よりも、はるかに際立っている。
【0023】本発明で被覆された表面は、有利な特性の
注目すべき組合せを示し、従って優れた生理学的相容性
を示す。これらは殊に、良好に血液相容性であり、かつ
高い規模で、しかも比較的長い期間細菌の付着及び増殖
を低減する。これらの作用を受ける細菌は殊に、黄色ブ
ドウ球菌、表皮ブドウ球菌、化膿性ブドウ球菌、肺炎桿
菌、緑膿菌及び大腸菌である。同時に多くの場合、細
胞、例えば繊維芽細胞及びヒト臍の緒細胞のような内皮
細胞の増殖も抑制する。被覆が細菌は忌避するが、細胞
増殖は促進する特別な条件は、後記で説明する。本発明
で被覆された基材の表面は、移動可能及び/又は抽出可
能なモノマー成分及びオリゴマー成分を含まない。遊離
された体外物質又は殺菌された細菌による不所望な副作
用は当初から回避される。
【0024】架橋剤の併用は、より良好に付着する層剥
離安定な被覆をもたらす。これは殊に、架橋剤を基材の
処理の際に高分子開始剤と一緒に使用した場合に当ては
まる。
【0025】本発明の方法では、基材表面を先ず次に詳
述するように、ラジカル形成基を側鎖中に有する高分子
開始剤で処理し、引き続き、UV光又は熱の作用下に、
慎重なグラフト重合又はグラフト共重合により被覆す
る。
【0026】1.式IのビニルモノマーI グラフト(共)重合を、一般式II又はIII: (C2n−q−x)(COOR1) II (C2n−q−x)(SO31) III の重合可能なビニルモノマー又はそれらの混合物を用い
て実施するのが有利である。一般式Iに含まれているこ
れらの式中で、nはそれぞれ無関係に2から6の整数で
あり;xはそれぞれ無関係に1又は2であり;qはそれ
ぞれ無関係に0であるか、n=4、5又は6である場合
には2であり;かつ基R1はそれぞれ無関係に−H又は
金属イオンの等価物、殊にアルカリ金属イオンを表す。
【0027】所定の規定に相応して、基:(C
2n−q−x)−はそれぞれ無関係に、直鎖又は分枝鎖の
一価のアルケニル基(q=0、x=1)又はアルカジエ
ニレン基(q=2、x=1)又は2価のアルケニレン基
(q=0、x=2)又はアルカジエニル基(q=2、x
=2)を意味する。
【0028】2つのビニルモノマーII及びIIIの代
わりに、それ自体の分子中に基−COOR1及び−SO3
1を有するモノマー(II+III)のみを使用する
こともできる。
【0029】ベンゼンから誘導された一般式IV: (C66−b−c−d)B3 (OH) IV [式中、Bは、それぞれ無関係に、式:(C
2n−1−q−y)(COOR1)又は(C
2n−1−q−y)(SO31)の一価又は二価の直鎖又
は分枝鎖基を表し、ここでR1、n及びqは前記と同様
に規定され、かつyは0、1又は2であり;R3はそれ
ぞれ無関係に、C1〜C4−アルキル、−NH2、−CO
OH、−SO 3H、−OSO3H、−OPO(OH)2、−
PO(OH)2、−OP(OH)2、−OPO(O−)OCH2
−CH2−N(CH3)3、−PO(O−)O−CH2−CH
2−N(CH3)3、−OP(O−)OCH2−CH2−N
(CH3)3又は塩、殊に前記の酸基のアルカリ塩を表
し;bは1、2又は3であり;cは0、1、2又は3で
あり;かつdは0、1、2又は3であるが;但し、b+
c+d≦6、有利に≦4である]のビニルモノマーも使
用することができる。
【0030】勿論、一般式II、III及びIVのビニ
ルモノマーの任意の混合物を本発明方法のために使用す
ることもできる。
【0031】他の好適なビニルモノマーは式Iに相当す
る硫酸及びその塩:スルホン酸及びその塩;リン酸及び
その塩又は中性塩、酸性ホスホン酸エステル及びその
塩;リン酸及びその塩又は中性塩、酸性リン酸エステル
及びその塩;並びに亜リン酸及びその塩又は中性塩、そ
の酸性エステル及びその塩である。これらのモノマーも
相互に、かつ/又は一般式II、III及びIVのモノ
マーと混合して、本発明の方法に使用することができ
る。
【0032】最後に、式Iに相応する1〜3価の(又は
1〜3塩基性)フェノール並びにその塩も、好適なビニ
ルモノマーとして述べることができる。これらも場合に
より、相互に、かつ/又は前記のビニルモノマーと混合
して使用する。
【0033】本発明の方法には、一方でカルボキシル基
及び/又はカルボキシレート基を、かつ他方でスルホン
酸基及び/又はスルホネート基を有する被覆をもたらす
ビニルモノマーIからの組合せが役立つ。前記の基に関
する相容性の観点では、3つの可能な2種組合せ、即ち
カルボキシル基及びスルホン酸基;カルボキシル基及び
スルホネート基;並びにカルボキシレート基及びスルホ
ネート基、更に2つの3種組合せ、即ちカルボキシル
基、カルボキシレート基及びスルホネート基;並びにカ
ルボキシル基、スルホン酸基及びスルホネート基があ
る。これら全ての組合せが、本発明方法の使用可能な実
施形と同定される。
【0034】前記の組合せでは、被覆中でのカルボキシ
ル基及び/又はカルボキシレート基とスルホン酸基及び
/又はスルホネート基とのモル比は、広い範囲で変動可
能である。前記の比が0.2〜3、有利に0.4〜3、
殊に0.4〜2である場合に、特に強力な細胞増殖抑制
特性が達成される。前記のモル比が2〜10、有利に3
〜10、かつ殊に3〜5である場合に、被覆された表面
は、注目に値する細菌忌避性、細胞増殖促進性を示す。
哺乳動物の細胞の付着及び増殖が、被覆により、被覆さ
れていない表面と比べて改善されているか、少なくと
も、細菌の付着及び増殖よりも少なく阻害されている場
合に、本発明では被覆が細胞増殖促進性であるとしてい
る。
【0035】1つ以上の同じ又は異なる基Aを分子中に
含有する一般式Iの好適なモノマーのうち例えば、次の
ものを挙げることができる:アクリル酸、アクリル酸ナ
トリウム、4−ビニルサリチル酸、イタコン酸、ビニル
酢酸、ケイ皮酸、4−ビニル安息香酸、2−ビニル安息
香酸、ソルビン酸、カフェ酸、マレイン酸、メチルマレ
イン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、メチ
ルフマル酸、ジメチルフマル酸、ジヒドロキシマレイン
酸、アリル酢酸;アリル硫酸、アリルスルホン酸、メタ
リル硫酸、メタリルスルホン酸、ナトリウムアリルスル
フェート、ナトリウムアリルスルホネート、ナトリウム
メタリルスルフェート、ナトリウムメタリルスルホネー
ト、ナトリウムビニルスルホネート、ビニルスルホン
酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、2−スチレンスル
ホン酸、4−スチレンスルホン酸、ナトリウム−2−ス
チレンスルホネート、ナトリウム−4−スチレンスルホ
ネート、ナトリウムビニルトルエンスルホネート、ブテ
ン−(2)−ジオール−(1,4)−ジホスフェート、ブテ
ン−(2)−ジオール−(1,4)−ジホスホネート、ジホ
スフェートもしくはジホスホネートの二ナトリウム塩、
2−ビニルフェノール、2−アリルヒドロキノン、4−
ビニルレソルシン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒド
ロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、カルボキシ
ビニルベンゼンスルホン酸。
【0036】本発明方法のもう1つの実施形では、モノ
マーIとして、一般式V及びVI:
【0037】
【化1】
【0038】[式V及びVI中、R1は水素又はメチル基
を表し、R2は2価の有機基、有利に10個までの炭素
原子を有する脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素基又は
C−C−単結合を表し、R3は−O−又は−NH−を表
し、R4は水素又は基−SO3−Naを表し、R5は水
素、メチル基又は基:−R2−COO−Naを表し、
6は水素又はNaを表し、かつnは4又は5を表す
が、但し、置換基R4の少なくとも1つが基:−SO3
Naである]のモノマーからなる混合物を使用する。
【0039】有利なモノマーV及びVI中では、R1
水素を表し、R2は1〜4個の炭素原子を有するアルキ
レン基、フェニレン基又はC−C−単結合を表し、R3
は−O−又は−NH−を表し、R4は水素又は基−SO3
−Naを表し、R5は水素又は基:−R2−COO−N
を表し、R6は水素又はNaを表し、かつnは4で
ある。
【0040】モノマーVには変性された糖基、有利にペ
ントース及び殊にアラビノースの糖基が含まれる。これ
らの糖基は、少なくとも1つの基:−O−SO3−Na
(O−スルフェート)又は−NH−SO3−Na
(N−スルフェート)を有利には基R2の隣に含む。
これらは、1〜4個のこれらの基を有するのが有利であ
る。これらの糖基中に、O−スルフェート基及びN−ス
ルフェート基が同時に存在してよく、その際、N−スル
フェート基は基R2の隣に位置するのが有利である。場
合により、糖基は、専らこれらの基の1種のみを、例え
ばO−スルフェート基のみを有していても良い。前記の
種類(O−スルフェートを含有し、並びにN−スルフェ
ートを含有する基)のそれぞれは、単独で、又はモノマ
ーVとしての他の種と共に好適である。混合比はほぼ
0:100〜100:0である。
【0041】モノマーV及びVIが使用され得る量比
は、広い範囲で変動可能である。例えば、モノマーVの
N−スルフェート−及び/又はO−スルフェート基とモ
ノマーVIのカルボキシル基及び/又はカルボキシレー
ト基とのモル比は例えば、1:100〜100:1であ
る。有利なモル比は、1:20〜20:1である。
【0042】モノマーVの製造はドイツ特許出願第19
720369.8号明細書出願中に詳細に記載されてい
る。
【0043】モノマーVIには、ヘパリン類似作用に必
要なカルボキシル基又はカルボキシレート基を提供する
公知で、かつ簡単に入手可能な物質が該当する。好適な
モノマーVIは、オレフィン系二重結合1つ及びカルボ
キシルもしくはカルボキシレート官能性又はカルボキシ
ル基官能性もしくはカルボキシレート感応性に変化しう
る官能性、例えばカルボンエステル基、カルボンアミド
基又は無水カルボン酸基1つ又は2つを有する。カルボ
キシレート官能性の対イオンとして、ナトリウムイオン
が役立つ。好適なモノマーVIの例は、酸の(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、4−ビニル安息香酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、ビニル酢酸、ケイ皮酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、メチルマレイン酸、ジメチ
ルフマル酸、メチルフマル酸、ジヒドロキシマレイン
酸、アリル酢酸並びにそれらのナトリウム塩。
【0044】2.他のビニルモノマー 勿論、ビニルモノマーIの代わりに又はそれと共に、そ
の官能基がグラフト重合の後に変化する他のビニルモノ
マーも使用することができる。例えば、カルボンアミド
基を、後から酸性媒体中での加水分解によりカルボキシ
ル基に変えることができる。更に、カルボンエステル−
及びスルホン酸エステル基をアルカリ性媒体中での加水
分解によりカルボキシレート基もしくはスルホネート基
に変えることができる。基Aに変えることができる官能
基を有する他のビニルモノマーの例は前記の1で例示し
た酸と殊に1〜8個の炭素原子を有するアルカノールと
のエステル、アミド及びニトリル並びにアクリルニトリ
ル及びメタクリルニトリルである。
【0045】更に、基Aを有さず、かつ基Aに変えうる
基も有さず、つまり生物学的作用に関して中性又は多少
の弱い効果しか有さないビニルモノマーも併用できる。
これには例えば、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル及
びプロピオン酸ビニル;ビニルケトン、例えばビニルエ
チルケトン;オレフィン、例えば1−ブテン、1−ヘキ
セン及び1−オクテン;ビニル芳香族、例えばスチレ
ン、ビニルトルエン及びジビニルベンゼン;及びビニル
シロキサンがこれに該当する。
【0046】他のモノマーは、優勢な量で存在してよ
く、例えば90モル%までであってよい。
【0047】架橋性ビニルモノマー(架橋剤) 架橋性ビニルモノマーは少なくとも2個の、場合により
3又は4個のオレフィン系二重結合を有する。その併用
は一方で、より厚くかつより耐層剥離な層をもたらし、
他方で、他の点で同じ条件下に細菌付着及び増殖をもう
一度かなり低下させる。3又は4個のオレフィン基を有
する架橋剤はその限りで、ジオレフィンに比べてより効
果的である。これは、二次元ネットワークをもたらす一
方で、有利なより高官能性のビニルモノマーは三次元ネ
ットワークを生じさせる。勿論、2つ以上の異なる架橋
剤で処理することもできる。
【0048】前記のように、架橋性ビニルモノマー自体
が、基Aを含有してよく、従って、1種のビニルモノマ
ーIであり、かつ被覆の生体活性に寄与する。しかし、
基Aに変えられる官能性を有してもよいか、又は官能基
を有していなくてもよい。2個のオレフィン系二重結合
を有するビニルモノマーIをグラフトのために使用する
場合には、殊に3又は4個のオレフィン系二重結合を有
する架橋剤の併用が推奨される。
【0049】架橋性ビニルモノマーは親水基、例えばヒ
ドロキシル基及び/又はアルキレンオキシド基を有し、
かつ同時に親水性でかつ架橋性のビニルモノマーである
のが有利である。基材の処理のために、該架橋剤を高分
子開始剤の溶液に添加する場合には、それを、高分子開
始剤のペルオキシ基に対して、好適に0.01〜300
モル%、有利に10〜150モル%の量で使用する。架
橋剤をモノオレフィン系不飽和ビニルモノマーIと一緒
に使用する場合には、それを、モノオレフィン系不飽和
ビニルモノマーIに対して好適に0.1〜50モル%、
有利に1〜20モル%の量で使用する。
【0050】好適な架橋性ビニルモノマーは例えば、低
級ジオレフィン、例えば1,3−ブタジエン及びイソプ
レン;(メタ)アクリル酸誘導体、例えばメチレンビス
アクリルアミド(MBAA)、エチレングリコールジメ
タクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、エチレングリコールジアクリレート
(EGDA)、ジエチレングリコールジアクリレート
(DEGDA)、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート又は−メタクリレート、ポリエチレングリコール−
400−ジアクリレート、ポリエチレングリコール−6
00−ジアクリレート、ポリエチレングリコール−10
00−ジアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト及びペンタエリトリットテトラアクリレート;ポリビ
ニルエーテル、例えばジエチレングリコールジビニルエ
ーテル、ポリエチレングリコール−300−ジビニルエ
ーテル、ポリエチレングリコール−1500−ジビニル
エーテル、ポリエチレングリコール−6000−ジビニ
ルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ
ビニルエーテル、1,4−ヘキサンジオールジビニルエ
ーテル、グリセリン−12EO−トリビニルエーテル及
びペンタエリトリット−64EO−テトラビニルエーテ
ル;炭水化物誘導体、例えば1分子当たり1個以上のア
クリロイル基を有するアクリロイル化ヒドロキシプロピ
ルセルロース;及びアリル化合物、例えばアリシナメー
ト、テトラエチレングリコールジアリルエーテル及びペ
ンタエリトリットテトラアリルエーテルである。
【0051】基材材料 基材材料として特に、放射線反応性基を有する、又は有
さない全てのポリマープラスチック、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリエステル及びポリエーテル、ポリエーテ
ルブロックアミド、ポリスチレン、ポリビニルクロリ
ド、ポリカーボネート、ポリオルガノシロキサン、ポリ
オレフィン、ポリスルホン、ポリイソプレン、ポリクロ
ロプレン、ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)相
応するコポリマー及びブレンド並びに天然及び合成ゴム
が好適である。本発明の方法は、塗装又は別の方法でプ
ラスチック被覆された金属体、ガラス体又は木材の表面
にも適用することができる。
【0052】ポリマー基材は、種々の形態を有してよ
く、該当する製品の所定の使用に応じて例えば板状物、
シート、管又はチューブとして存在してよい。
【0053】高分子開始剤 好適な高分子開始剤は、側鎖中に光分解により又は熱に
より活性化可能なラジカル形成基、例えばペルオキシド
基、ヒドロペルオキシド基、ペルエステル基又はアゾ基
を有する。この合成は例えば、カルボキシル基含有ポリ
マーとペルオキシアルコールとの、又は過酸化水素との
及び引き続く塩化カルボン酸とのポリマー類似反応によ
り行う。別の合成は、ヒドロキシル基−含有ポリマーか
ら出発し、これをヒドラジンと反応させ、引き続き酸化
させてアゾ化合物にする。ポリマーとしては特に、一方
で光分解により又は熱により活性化可能なラジカル形成
基と結合するか、又はそれに変化する官能基を有し、か
つ他方で、ホモ重合又は共重合可能か、ホモ縮合又は共
縮合可能か、又はホモ付加又は共付加可能であるモノマ
ーから製造されたものが好適である。有利なポリマー
は、重合又は共重合により得られる炭素骨格を有するポ
リマー又はコポリマーである。コモノマーを併用する場
合には、コポリマーは、モノマーのランダム又は交互連
続を伴うブロックコポリマー又はコポリマーであってよ
い。
【0054】好適な重合可能なモノマーには、ヒドロキ
シル基、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、例えばヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピル
メタクリレート又は4−ヒドロキシブチルアクリレー
ト;2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレ
ン、4−ヒドロキシスチレン、4−ビニルレソルシン、
アリルアルコール、2,3−ブタジエン−1−オール、
2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブテン−1−オー
ル及び3−メタリルアルコールを有するものが挙げられ
る。更に、カルボキシル基を有するモノマー、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ジヒドロ基マレ
イン酸、フマル酸及び4−ビニル安息香酸;エポキシ基
を有するモノマー、例えばグリシジル(メタ)アクリレ
ート;無水物基を有するモノマー、例えば無水マレイン
酸;イミド基を有するモノマー、例えばマレイン酸イミ
ドが好適である。
【0055】高分子開始剤でのポリマー基材の処理 先ず高分子開始剤を、場合により架橋剤と一緒に有機溶
剤中に溶かす。好適な溶剤は例えば、アルコール、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロ
パノール;エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン及びジオキサン;エステル、例えば酢酸エ
チル;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン及
びシクロヘキサノン;炭化水素、例えばペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、テストベンジン、ベンゼン、ト
ルエン及びキシレン;カルボン酸、例えばギ酸及び酢
酸;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリ
クロロメタン及びテトラクロロメタン;又は強極性溶
剤、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド及びジメチルスルホキシドである。勿論、2種以上の
前記の溶剤からなる均質な混合物も使用することができ
る。溶剤は一方で、基材の処理の後に可能な限り迅速に
蒸発させるべきであるが、高分子開始剤の基材構造(又
は構造を有する「合金」)への侵入を可能にするために
基材は膨潤させるべきである。高分子開始剤とポリマー
基材との所定の組合せに有利な溶剤は、予備試験によっ
て難なく知ることができる。
【0056】溶液中の高分子開始剤の濃度は好適には
0.5〜60重量%であり、殊に1〜10重量%であ
る。場合により併用される架橋剤の濃度は通常、同じ範
囲である。後記の濃度は実際に特に役立ち、かつ通常、
進行中に付着する、高分子開始剤及び場合により架橋剤
からなる、基材を完全にカバーする層を、nm−範囲で
の層厚で生じさせる。溶剤及び高分子開始剤の熱不安定
性に従って、室温又は若干高めた温度で、真空を用い
て、又は用いずに、基材を溶液で、例えば浸漬、刷毛塗
り又は噴霧により処理し、引き続き乾燥させる。
【0057】ビニルモノマーでの被覆 1.熱グラフト 高分子開始剤で処理されたポリマー基材上に、ビニルモ
ノマーを場合により架橋剤と一緒に、有利には溶かした
形で、かつ再度、浸漬、刷毛塗り又は噴霧により施与す
る。モノマー被覆された基材は高分子開始剤に応じて、
空気の酸素の排除下に30〜100℃、殊に50〜90
℃に加熱し、これによりグラフト重合を開始させる。場
合により、高分子開始剤を有する基材をビニルモノマー
もしくはその溶液中に浸漬し、かつ浸漬された状態で前
記の温度に加熱することもできる。好適な溶剤はビニル
モノマーに応じて、例えば水又は水性アルコール混合物
であるが、他の溶剤又は溶剤混合物も、それがビニルモ
ノマー及び場合により架橋剤に関して充分な溶解特性を
有するならば、使用することができる。モノマーの溶解
性及び所望の層厚に応じて、ビニルモノマー及び場合に
より架橋剤の濃度を溶液中で一緒に、0.1〜40重量
%、有利に1〜10重量%にすることができる。後記の
濃度は特に役立ち、かつ通常、経過中に付着する、高分
子開始剤を完全に被覆する層を生じさせる。
【0058】2.光開始グラフト ビニルモノマーの熱グラフトの変法として、光開始グラ
フトも可能である。このために、ビニルモノマーを、場
合により架橋剤と一緒に高分子開始剤で処理された基材
上に前記のように施与し、かつ被覆された基材に次いで
照射する。場合により、基材を浸漬した状態で照射する
こともできる。照射の間の温度は、いずれの場合にも2
0〜60℃である。
【0059】照射を、可視光線の短波セグメントの、ま
た電磁線のUV範囲の長波セグメントの放射線で行うの
が有利である。260〜500nm、有利に290〜3
20nmの波長を有する放射線が特に好適である。前記
の波長範囲の放射線は、比較的穏やかで、かつ重合に関
して選択的であり、基材ポリマーも、高分子開始剤の骨
格も侵さない。特に好適な照射源は、連続的な照射を伴
う、例えば照射媒体としてXeCl又はXeFを用いる
エキシマー−UV−エミッタ(Heraeus 社、D−638
01、Kleinostheim)である。原則的に、可視領域もし
くは前記の領域で広いUVのスペクトル及び照射部を有
する水銀灯を使用することもできる。露光時間は通常、
30〜200mW/cm2の範囲の照射強度で10秒〜
20分、有利に2〜15分である。
【0060】場合により、このような多段階工程によ
り、気密なかつ/又は厚い被覆を確実なものとするため
に、記載の処理工程を高分子開始剤での処理を含めて繰
り返すのが有利である。
【0061】被覆基材の使用 本発明の方法は、細菌付着及び/又は細菌増殖の抑制の
ために、並びに細胞増殖に関して表面の所望の特性に関
して最適であるか、又は改善された血液相容性をもたら
す種々異なる官能基のモル比の正確な調整を提供してい
る。本発明により被覆された表面を有する製品は、医療
又はバイオテクノロジー又は衛生分野での使用に好適で
ある。このような製品は例えば、シート、チューブ、
管、ドアノブ及び便座である。医療分野からは特に、カ
テーテル、インプラント(例えば心臓弁膜及びステン
ト)、血液バッグ、創傷用包帯、チューブ(例えばドレ
ナージ用)、膜及びコンタクトレンズを挙げることがで
きる。
【0062】
【実施例】本発明を更に詳述するために、次の例を挙げ
る。ここで使用されたビニルモノマーは、数多くの他
の、一般式I〜VIに該当する好適な化合物を代表して
いる。
【0063】例 使用ポリマー基材
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】使用高分子開始剤 高分子開始剤として、ペルオキシエステル基を有するポ
リマーを使用する。これを第2表中に記載されている溶
剤中の5重量%溶液として使用する。
【0067】
【表3】
【0068】使用ビニルモノマー 第3表中に記載のモノマーから、それぞれ(a)5重量
%水溶液、(b)5重量%イソプロパノール−溶液又は
(c)5重量%アセトン/THF/水(4:4:1)−
溶液を製造した。
【0069】
【表4】
【0070】1 ナトリウム塩としてのO−スルフェー
ト化1−ヒドロキシ−1−デソキシ−1−(4−ビニル
フェニル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトール
(ドイツ特許出願第19720369.8号明細書によ
る)。
【0071】2 ナトリウム塩としてのN−及びO−ス
ルフェート化1−アミノ−1−デソキシ−1−(4−ビ
ニルフェニル)−D−グルコ(D−マンノ)−ペンチトー
ル(ドイツ特許出願第19720369.8号明細書に
よる)。
【0072】3 付加的架橋剤 被覆法 高分子開始剤及び場合により架橋剤を、その(もしくは
それらの)溶剤中に浸漬し、かつ風乾するか、又は乾燥
キャビネット中50℃で乾燥することにより固定した後
に、ビニルモノマーを場合により架橋剤と一緒に、高分
子開始剤層上に第6表中に記載の方法で施与し、かつ硬
化させた。
【0073】
【表5】
【0074】細菌忌避性の測定 細菌の付着に関する試験を、種々の菌を用いて行うこと
ができる。このために、特に第5表に記載されている細
菌が好適である。それというのも、これらは、感染した
カテーテルの臨床分離株中に、往々にして生じるためで
ある。
【0075】
【表6】
【0076】これらの細菌株の初期付着(後続の増殖と
は無関係に)の測定法は例えば、肺炎桿菌に関して次に
記載している。他の株(B1〜B3)の初期付着を同様
に測定した。
【0077】静止条件下での初期細菌付着測定 酵母抽出物−ペプトン−グルコース−栄養培地(1%+
1%+1%)中の細菌株肺炎桿菌の一晩培地を遠心分離
し、かつホスフェート緩衝された食塩水(=PBS;K
2PO40.05m、pH7.2+NaCl0.9%)
中に再度入れる。PBS−緩衝液で細胞濃度を細胞10
8/mlまで希釈する。懸濁された細菌を、試験すべき
シート片と3時間接触させる。このために、両面被覆さ
れた直径1.6cm(=4.02cm2)円形シート片
を、プレパラート針にさし込み、かつ細胞懸濁液中で振
る。片面被覆させたシートを、直径4.5cmの円形平
滑ディスクの形にし、かつ2〜3cm厚の軟質PVCか
らなる保護膜と共に、膜濾過装置中に張る。試験される
被覆を有する、上に見えている面上に、細胞懸濁液を施
与し、かつ3時間撹拌する。膜濾過装置は気密にすべき
である。即ち、細胞懸濁液が、非気密性のセルを通っ
て、流れ出てはならない。
【0078】接触時間が過ぎた後に、細菌懸濁液を水流
ポンプを用いて吸い取り、かつシート片を洗浄のため
に、殺菌PBS−溶液20mlを用いて100mlグラ
ス中で2分間撹拌する。シート片を再度、無菌PBS−
溶液中に浸し、次いで、加熱されたTRIS/EDTA
(Tris−ヒドロキシエチルアミノメタン0.1M、
エチレンジアミンテトラ酢酸4mM、pH7.8にHC
lを用いて調節)10ml中で2分間、沸騰水浴中で抽
出した。
【0079】抽出溶液で、小エッペンドルフ型カップを
満たし、直ちに、抽出されたアデノシントリホスフェー
ト(ATP)の生体発光−測定のために−20℃に凍結
する。測定を、次のように実施する:ポリカーボネート
製透明チューブ中に、試薬ミックス100μl(生体発
光テストCLSII。Boehringer Mannheim GmbH社)を
入れ、10秒間に亙り、光インパルス−測定装置LUM
AT LB9501(Laboratorien Prof. Berthold Gm
bH, 75323 Bad Wildbad, ドイツ)中で、光インパルス
を吸収する。次いで、試料100μlを添加し、かつ新
たに測定する。相対光単位(RLU)を、全てのバッチ
中で測定された光インパルスの数から試薬ミックス中で
の光インパルスを引くことにより得る。この値は、シー
トに付着した細菌の数に比例する。細胞108/mlを
有する細菌懸濁液0.1mlのアリコートを、高温TR
IS/EDTA10ml中で抽出し、かつATP−含有
率を測定することにより、RLU−値と細菌数との間の
換算ファクターを決定する。
【0080】結果 次の第6表に、種々の条件及び全部で20の実験の結果
をまとめた。
【0081】
【表7】
【0082】実験5で被覆されたポリアミド12−シー
トの抗血栓効果の測定 部分トロンボプラスチン時間(PTT)で測定された血
液凝固時間に、凝固抑制剤、例えばヘパリンによって影
響を与える。PTTの測定のために、血漿に接触活性化
剤並びにリン脂質及びカルシウムイオンを添加し、それ
により接触活性化剤の活性化を起こし、並びに内因性凝
固系の活性化を触媒する。試験の実際の実施の際には、
血漿に接触活性化剤(例えば、カオリン)及びリン脂質
(例えばケファリン)を添加し、かつ被覆された12−
シートもしくは比較のための未被覆のPA12−シート
の存在下に3分間、37℃でインキュベーションする。
次いで、塩化カルシウムを添加し、かつ凝固時間(PT
T)を測定する。
【0083】未被覆のPA12−シートのPTT時間は
35秒であり、実験5により被覆されたシートのPTT
時間は60秒である。これらの値は、3人の給血者の血
漿を用いての測定からの平均値である。
【0084】トロンビン時間(TZ)は、物質の凝固抑
制効果のためのもう1つの尺度である。凝固の最終相で
は、フィブリノーゲンが不溶性フィブリン、軟質凝血と
なり、これは、共有交差結合により硬質凝血に変わる。
この反応はトロンビンにより触媒され、かつ凝固抑制物
質、例えばヘパリンにより遅延される。ヘパリン類似作
用の測定のために、被覆されたPA12−シートのTZ
を、未被覆のPA12−シートのTZと比較する。用量
に依存してヘパリンのTZを比較する。
【0085】未被覆のPA12−シートのTZは21秒
であり、実験5により被覆されたPA12−シートのT
Zは26秒である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/18 C08J 7/18 (72)発明者 フォルカー シュタイネルト ドイツ連邦共和国 ドレスデン レーヴェ ンシュトラーセ 6 ツェー (72)発明者 シュテファン ツョッヒェ ドイツ連邦共和国 ドレスデン カール− マルクス−シュトラーセ 54 (72)発明者 ハンス−イェルク ヤコバッシュ ドイツ連邦共和国 ドレスデン ニュール ンベルガー シュトラーセ 45

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面の生体活性被覆法において、一
    般式: R−(A) 式I [式中、Rは、a価を有するオレフィン系不飽和有機基
    を表し、 Aは、カルボキシル基−COOH、硫酸基−OSO2
    H、スルホン酸基−SO3H、リン酸基−OPO(O
    H)2、ホスホン酸基−PO(OH)2、亜リン酸基−OP
    (OH)2、フェノール系ヒドロキシル基又は前記の基の
    いずれかの塩を表し、かつaは、1〜6の整数である]
    の少なくとも1種のビニルモノマーを放射線又は熱によ
    り、ポリマー骨格の側鎖中にラジカル形成基を有する高
    分子開始剤で予め処理されていた基材表面上でグラフト
    重合させるが、但し、式中のAがカルボキシル基−CO
    OH又はカルボキシル基の塩を表すモノマーIは、Aの
    前記の意味とは別の意味を有する少なくとももう1個の
    基Aを有するか、又はAが、Aの前記の意味とは別の意
    味を有する少なくとももう1種のモノマーIと一緒に使
    用されることを特徴とする、基材表面の生体活性被覆
    法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2個のオレフィン系二重結合
    を有する架橋性ビニルモノマーを併用する、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 3又は4個のオレフィン系二重結合を有
    する架橋性ビニルモノマーを併用する、請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 架橋性ビニルモノマーを高分子開始剤と
    一緒に、基材処理の際に使用する、請求項1から3のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 架橋性ビニルモノマーを、場合によりモ
    ノオレフィン系不飽和ビニルモノマーIと一緒に、高分
    子開始剤で処理された基材上に施与する、請求項1から
    3のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ビニルモノマーIの代わりに、又はそれ
    と共に、グラフトにより基Aに変わる官能基を有する他
    のビニルモノマーを使用する、請求項1から5のいずれ
    かに記載の方法。
  7. 【請求項7】 ビニルモノマーIの代わりに、又はそれ
    と共に、基Aを有さず、基Aに変わり得る基も有さない
    他のビニルモノマーを併用する、請求項1から6のいず
    れかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 グラフトされた被覆がカルボキシル基及
    び/又はカルボキシレート基並びにスルホン酸基及び/
    又はスルホネート基を有するようにビニルモノマーIを
    選択する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 カルボキシル基及び/又はカルボキシレ
    ート基とスルホン酸及び/又はスルホネート基とのモル
    比が0.2〜3である、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 カルボキシル基及び/又はカルボキシ
    レート基とスルホン酸及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が0.4〜3である、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 カルボキシル基及び/又はカルボキシ
    レート基とスルホン酸及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が0.4〜2である、請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 カルボキシル基及び/又はカルボキシ
    レート基とスルホン酸及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が2〜10である、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 カルボキシル基及び/又はカルボキシ
    レート基とスルホン酸及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が3〜10である、請求項8に記載の方法。
  14. 【請求項14】 カルボキシル基及び/又はカルボキシ
    レート基とスルホン酸及び/又はスルホネート基とのモ
    ル比が3〜5である、請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 グラフトされたポリマー層がリン酸基
    又はホスホン酸基又はそれらの塩又はエステルを含有す
    るようにビニルモノマーIを選択する、請求項1から7
    のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 ビニルモノマーのグラフト重合を25
    0〜500nmの放射線で生じさせる、請求項1から1
    5のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 モノマーの重合を290〜320nm
    のUV−光線で生じさせる、請求項1から15のいずれ
    かに記載の方法。
  18. 【請求項18】 重合を熱により開始させる、請求項1
    から15のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 温度が30〜100℃である、請求項
    18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 ポリマー基材が、板状物、シート、管
    又はチューブとして存在する、請求項1から19のいず
    れかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 医療分野又はバイオテクノロジー分野
    又は衛生分野で使用するための、請求項1から20のい
    ずれかの方法により全体的に又は部分的に被覆された表
    面を有する製品。
  22. 【請求項22】 製品が、カテーテル、インプラント、
    血液バッグ、傷用包帯、チューブ、膜又はコンタクトレ
    ンズである、請求項21に記載の製品。
  23. 【請求項23】 医療目的又はバイオテクノロジー目的
    のための、又は衛生分野での請求項21又は22に記載
    の製品の使用。
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