JPH119973A - 除濁用膜モジュールのろ過逆洗方法 - Google Patents

除濁用膜モジュールのろ過逆洗方法

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JPH119973A
JPH119973A JP9184654A JP18465497A JPH119973A JP H119973 A JPH119973 A JP H119973A JP 9184654 A JP9184654 A JP 9184654A JP 18465497 A JP18465497 A JP 18465497A JP H119973 A JPH119973 A JP H119973A
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acid
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backwash
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JP9184654A
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Kanroku Naganami
勘六 長南
Yasunari Kojima
康成 小島
Hitoshi Miyaki
均 宮木
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いフラックスを得るとともに、安定して長
時間、連続運転ができる除濁用膜モジュールのろ過逆洗
方法を提供する。 【解決手段】 中空糸膜からなる除濁用の膜モジュール
を用いて、原水からろ過水を得るに際し、前記膜モジュ
ール5に原水1を通してろ過水を得るろ過工程に、該膜
モジュールを殺菌剤8を注入した逆洗水によって逆洗す
る逆洗工程と、酸9を注入した逆洗水によって逆洗する
逆洗工程とを、適宜組合せて行う除濁用膜モジュールの
ろ過逆洗方法としたものであり、前記酸は、クエン酸、
クエン酸二水素アンモニウム又はクエン酸とグリコール
酸の混酸を用い、膜モジュール内の濃度がクエン酸とし
て50〜1500mg/リットルとなるように注入する
か、又は無機酸を用い、膜モジュール内のpHが1.0
〜3.0になるように注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除濁用膜モジュー
ルのろ過逆洗方法に係り、特に、河川水、工業用水等を
原水として、中空糸膜からなる除濁用膜モジュールを用
いて、ろ過操作を行い、ろ過水を得る方法における除濁
用膜モジュールのろ過逆洗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な一般の河川水、工業用水
の水質について述べると、これらの原水中には、濁質成
分として鉱物性の微粒子、微生物、藻類等が含まれてい
るし、また、フミン質や微生物、藻類が分解して生成し
た高分子有機物が含まれる場合もある。これらの成分を
除去するため、従来は用途に応じて、凝集剤を注入し
て、フロックを形成させて、ろ過する凝集ろ過法、ある
いは、凝集沈殿ろ過法等が適用されてきた。これら従来
の一般的処理方法にくわえて、最近では膜ろ過法が開発
されている。この方法は、従来法では処理の難しい原
水、即ち、濁質が少ないため、わざわざ濁質としてカオ
リン等を注入して凝集剤によるフロック形成を促進し、
更に、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の凝集剤から
のアルミニウムのろ過水への漏出濃度を出来るだけ低く
するため、pH調整(酸、又はアルカリの注入)を必要
とする原水の場合でも、凝集剤を使用せず、そのまま、
膜ろ過することによって、非常に良好な水質のろ過水が
得られ、発生する汚泥量も少なく出来ること、運転方
法、維持管理も容易であること、設置面積も小さくな
り、コンパクトになること等の種々のメリットがあるこ
とから、UF膜、MF膜を利用した膜モジュールを用い
て、濁質の除去方法が検討、実用化されはじめている。
【0003】また、原水の色度が有機物による場合など
は、その除去のため、凝集剤のPAC等をアルミニウム
として数mg/リットルろ過工程時に原水に注入する。
この場合、PACの注入量は従来法より少なくなる傾向
にあるが、ろ過水へのアルミニウム漏出対策は従来法と
同じとなり、そのメリットは若干小さくなる。通常、中
空糸膜を用いたろ過逆洗方法においては、ろ過工程は通
常、15〜90分間おこなわれ、逆洗工程に入る。ろ過
工程時、内圧型においては、原水は膜の内側から外側
へ、外圧型においては、膜の外側から内側へと通水され
る。そのため、自ずと逆洗工程時の逆洗水の流れる方向
は、内圧型と外圧型では全く逆となる。内圧型、外圧型
にかかわらず、一般に膜面の流速を大きくして、膜面へ
の濁質の付着を出来るだけ防止するために、クロスフロ
ー方式のろ過が採用されることが多く、モジュール入口
水の5〜50%程度がろ過水となる。そして、残りの5
0〜95%は常に原水として系内を循環している。
【0004】全ろ過方式はクロスフロー方式よりも循環
用のポンプ動力費が低減できることから、採用されるこ
とがある。しかし、クロスフローの流れがなくなってし
まうため、膜面への濁質の付着はどうしても、多く、か
つ強くなるため、膜材質、逆洗方法によって異なるが、
定期的に、例えば1日から10日毎程度に薬品洗浄が必
要になる。どちらを採用するかはイニシャルコスト、ラ
ンニングコスト、設置面積、維持管理の容易さ、運転の
安定性等のトータルの比較によってきまる。従来の内圧
型、クロスフロー方式の中空糸膜モジュールろ過装置を
例にすると、15〜60分間のろ過工程の終了後に、通
常、下記のごとく、40秒〜2分程度の短時間の逆洗が
行われるのが一般的である。モジュールの上部(ろ過水
出口、循環水出口側)からモジュールの下部(原水入
口、逆洗排水出口側)へ逆洗水を膜の外側から内側へろ
過時の1.5〜4倍程度の高流速で20〜30秒間程度
通水することによって、膜内面に付着している、ろ過時
に補足した濁質成分を系外に排出する。また、モジュー
ル下部から上部へと、同様に行うこともある。
【0005】更にその後、フラッシング工程と称して、
原水と逆洗水をモジュール下部から上部へと、同時に通
水し、いっそう高流速として濁質成分を系外に排出する
こともある。逆洗水には通常、殺菌剤として、次亜塩素
酸ナトリウムが用いられ、逆洗排水中の残留塩素とし
て、0.2〜3.0mg/リットルとなるように注入さ
れる。外圧型、クロスフロー方式の中空糸膜モジュール
ろ過装置の例では、一般に、ろ過工程終了後、膜の内側
から外側へ前記の内圧型と同様に次亜塩素酸ナトリウム
を注入された逆洗水が高流速で通水される。更に、定期
的(数時間〜数日間毎)に膜モジュール下部から、空気
を導入し、数分間の空気バブリング操作を行い、物理的
に中空糸膜を揺らして、中空糸膜外面の濁質を剥離し
て、排出する逆洗方法が行われている。平膜モジュール
ろ過装置は、外圧型で、加圧ではなく吸引によって、ろ
過水を得る方法が採用されることが多い。そして、ろ過
工程と逆洗工程を同時に行うため、連続的、又は間欠的
に空気バブリング操作を行っている例が多い。
【0006】また、上記した以外にも次のようないくつ
かの逆洗方法の改良提案がなされている。 逆洗圧力、逆洗流量を検討したもの。 中空糸内に空気を吹き込み乱流条件になるように、
圧力と空気量、モジュール内保有水量を変化して逆洗す
ることを検討したもの(特開平7−236818)。 内圧式、特に外圧式では水と空気の混合した液での
物理的洗浄、即ち、空気バブリング操作が効果的である
ことを検討したもの(特開昭60−19002、特開昭
61−153104、特開平2−164423、特開平
4−110023、特開平6−23246)。 外圧式、クロスフロー方式のろ過において、毎回逆
洗廃液に遊離塩素が検出される条件の工程後、水と空気
を混合する物理的洗浄を検討したもの(特開平7−27
5671)。
【0007】さらに、殺菌剤としての次亜塩素酸ナトリ
ウム(NaOCl)、即ち、遊離塩素を注入した逆洗水
を用いて、逆洗を行うことは公知であり、フラックス
(単位膜面積及び単位時間別のろ過水流量で通常単位m
3 /m2 ・日)が安定する効果のあることがわかってい
る。例えば、UF膜の膜汚染を低減するため、逆洗水に
次亜塩素酸ナトリウムを用い遊離塩素として、3.5m
g/リットル注入する方法が効果的であることが知られ
ている。この時の逆洗排液の遊離塩素は0.1〜1mg
/リットル検出される濃度としている。中空糸膜の運転
方法においては、前記の如く、ろ過15〜90分間、逆
洗40秒〜2分間の短時間の操作のくりかえし連続運転
をおこなう。そしてフラックスが低下した時、又は、膜
入口圧力(膜の圧力損失)が上昇し設定値以上になった
時、設計値であるフラックスを一定に維持するため、モ
ジュール内の中空糸膜の破損が生じないように、薬品洗
浄を行っている。薬品洗浄用の薬品は、大きく二つに分
けられる。一つは殺菌剤、酸化剤等であり、微生物、有
機物等を殺菌、溶解等をし、膜から濁質の剥離性を良く
するもの、例えば次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、
苛性ソーダ、オゾン等である。もう一つは、キレート作
用を有しているクエン酸、シュウ酸、その他の有機酸類
などである。また、塩酸等の無機酸も用いられる。
【0008】そして、膜の耐薬品性、膜の汚染状況を考
慮し、効果的なものを単一、または複数選択し、その濃
度、接触時間、接触液温などをきめて、循環洗浄、又は
浸漬処理を行っている。その頻度は1日〜数カ月毎とか
なりの変動幅がある。一般に、薬品洗浄用として用いら
れる薬品の濃度は高く、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は
50〜500mg/リットル程度、次亜塩素酸ナトリウ
ムを適用できない膜材質の場合は、苛性ソーダを用い、
その濃度は膜材質の耐pH性によってきめている。ま
た、塩酸の濃度は同様に膜材質の耐pH性ラックによっ
てきめ、pHとして1.0〜3.0程度の場合が多い。
クエン酸の濃度は0.5〜2.0%程度が通常用いられ
る。そして、高いフラックスを維持するため、1日〜1
0日毎程度と頻繁に、また、その濃度も数%とかなりの
高濃度液を用いて、薬品洗浄している例も多い。
【0009】以上述べたごとく、種々の改良が提案、実
施されているが、高頻度の薬品洗浄による、薬品洗浄操
作の間、かなりの長時間にわたって装置が停止し、その
間はろ過水が得られなくなる問題、原水の濁質成分が膜
面に付着しやすい性状である場合に、また、濁質の濃度
が高い場合に、更には原水の水温が10℃以下のような
低水温になる程、通常時のフラックスの1/2〜1/4
の低いフラックスとなってしまい、かつ、フラックス低
下が速くなる問題がある。そのため、連続運転出来る時
間が短くなり、安定して、設計流量を維持するために装
置に余裕を持たせる必要が生じ、設計時に装置容量を大
きくしたり、あるいは系列数を多くしなければならなく
なるデメリットが生じてしまう。それゆえ、従来の一般
的な処理方法と比較してイニシャルコスト、ランニング
コスト、維持管理上等の点から、膜適用自体のメリット
が小さくなる問題が生じてしまっている。本来、膜が持
っている高いフラックスを安定して長期間維持でき、か
つ、維持管理の容易な、ろ過逆洗方法が求められてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑み、中空糸膜を用い、運転方法としての内圧型、
外圧型のクロスフロー方式、全ろ過方式、膜材質として
のUF膜、MF膜いずれの膜モジュールろ過装置にも適
用でき、高いフラックスを得るとともに、安定して長期
間、連続運転ができるようにフラックスの低下傾向を抑
制し、適正な(ろ過−逆洗)運転を行うことができる除
濁用膜モジュールのろ過逆洗方法を提供することを課題
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、中空糸膜からなる除濁用の膜モジュー
ルを用いて、原水からろ過水を得るに際し、前記膜モジ
ュールに原水を通してろ過水を得るろ過工程に、該膜モ
ジュールを殺菌剤を注入した逆洗水によって逆洗する逆
洗工程と、酸を注入した逆洗水によって逆洗する逆洗工
程とを、適宜組合せて行うことを特徴とする除濁用膜モ
ジュールのろ過逆洗方法としたものである。前記方法に
おいて、酸としては、クエン酸、クエン酸二水素アンモ
ニウム又はクエン酸とグリコール酸の混酸を用い、膜モ
ジュール内の濃度がクエン酸として50〜1500mg
/リットルとなるように注入するか、又は無機酸を用
い、膜モジュール内のpHが1.0〜3.0になるよう
に注入する。また、前記酸を注入する逆洗工程は、15
〜40℃に加温した逆洗水を用いて行うのがよく、該逆
洗工程は、膜モジュールの逆洗の前又は後に、該膜モジ
ュールを介して原水循環配管系統又は薬品洗浄用の薬品
貯槽を含む配管系統に、前記の酸又は殺菌剤を注入した
洗浄水を通して洗浄を行うのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者等は、フラックスの低下
傾向を抑制し、適正なろ過−逆洗運転を行うために、原
水性状、ろ過、逆洗方法、フラックスの低下状況の検討
を行った結果、解決すべき問題点は以下の二点に集約さ
れることを見出した。 膜汚染の進行防止、 原水水温の低下対策 そして、は主に原水性状と逆洗方法に係わる基本的問
題であること、モジュール構造、膜材質、ろ過時間(ろ
過工程一回当たりの濁質補足量)等もその影響はかなり
大きいが今後の開発、検討によって改善されていく可能
性はおおいに期待でき、かつ解決可能な問題と考えられ
た。本発明もこの問題に寄与するものである。原水性状
が特に中空糸膜に付着しやすい濁質を含む性状である場
合、逆洗方法が適切でなければ膜汚染の進行を遅く(防
止)することは出来ないこともわかった。
【0013】は現実的に大きい問題となっている。水
温15℃以下、特に冬期の10℃以下では水の粘性率の
増大によって、フラックスを15℃〜25℃の場合の1
/2〜1/4に低下させざるをえないのが現状である。
フラックスを低下させずに、膜の入口圧力を上げていく
ことによって、設計流量を得る事は限界があり、上げす
ぎると膜の破損あるいはポンプ動力費(ランニングコス
ト)の上昇をまねく。の対策として、前記の種々の提
案がされている。の対策としては、現状、イ)膜の入
口圧力を上げる、ロ)前記の頻繁な薬品洗浄によって、
膜の透水性を回復させ、その抵抗を出来るだけ小さく
し、フラックスの維持をはかる、ハ)冬期の低水温時の
フラックスを設計時の値として、かなり余裕を持たせた
装置容量とする対策等が行われている。しかし、いずれ
も膜によるメリットを十分に発揮させる方法とは言い難
い。それゆえ、ろ過時の膜の透水抵抗を小さく出来る膜
材質の開発が行われている。
【0014】更に、原水性状の影響を詳細に検討してみ
た。 (1)原水が河川水、工業用水の場合 河川水の水質はその河川水流域の地質、生活排水、工業
排水等の流入条件によって、かなり異なっている。膜を
もちいて、河川水を直接に処理する場合、問題となる成
分は次のようなものがある。 濁質としてのアルミニウム、鉄分、シリカ等は凝集
剤を用いた場合に生成するような柔らかい微細なフロッ
ク状のものではなく、一般的に硬いと表現してよいもの
である。これらは単独にではなく、結合あるいは混合し
て存在している場合が多いと考えられる。それゆえ、膜
面に付着しにくく、付着しても逆洗によって剥離しやす
いとおもわれる。 濁質として、更に、微生物、藻類等の生物によるも
のがある。これらは膜を汚染し、処理しにくい場合が多
い。それゆえ、逆洗時に剥離しやすいように、微生物の
殺菌、殺藻のために、膜材質によって異なるが原水その
ものに、初めから殺菌剤を、例えば、次亜塩素酸ナトリ
ウムを遊離塩素として0.2〜1.5mg/リットル、
又はその他の殺菌剤を適正量、注入し、存在させておく
か、逆洗時に逆洗水に遊離塩素として2〜5mg/リッ
トル注入することがフラックスの安定上、効果的である
ことは前述の公知の事実として述べたのと同じである。
【0015】 色度成分はその色度がなんによって、
生じているかによって、膜の除去性能はことなってく
る。鉄による場合は遊離塩素等による酸化処理によっ
て、溶解性(イオン状)から色度をしめす濁質にかわる
ため、ろ過される。マンガンによる場合は、その酸化が
充分にすすみにくいため、大部分、ろ過されずに、膜を
通過してしまうと言ってよい。そのため、別途にマンガ
ン除去の対策が必要である。反対に、マンガンが存在す
ると逆洗時の塩素による酸化によって、膜のろ過水側の
膜面に少しずつ濁質として付着し、フラックス低下をも
たらすことがある。フミン質等の有機物による場合は、
原水にPAC等の凝集剤を適正量注入し、凝集処理し膜
ろ過等する必要がある。 河川水は季節によって、水温の変動があり、冬期は
10℃以下、時には5℃以下になることも多く、フラッ
クスの低下を招いてしまう。それゆえ、装置の設計フラ
ックスの値はろ過水を安定して供給するため、現在は冬
期の低水温時のフラックスを基本にする事が多い。
【0016】一方、工業用水は河川水等を、凝集剤とし
て硫酸バンドを用い、凝集処理され、その上澄み水が各
工場に供給されている。そのため、原水水質は、前記の
の有機物による色度の問題は生じにくいと言って良
い。しかし、濁度は2〜6度と低いが、凝集処理した時
の残留アルミニウムは0.2から0.4mg/リット
ル、時には1.0mg/リットルとかなり高い値を示
し、かつ微細な、柔らかいフロック状を示し、膜面に付
着しやすい。また、各工場までの配管が長いことから、
配管からの溶出による鉄も原水の鉄に加算され、0.2
〜1.0mg/リットルと高い値を示し、残留アルミニ
ウムと同様な性状であり、膜面に付着しやすい。工業用
水は河川水、又は湖沼水等を凝集処理し、各工場に供給
されることがほとんどであり、河川水と同様に季節によ
って、水温の変化がかなりあり、冬期には10℃以下、
時には5℃以下の低水温になることが多い。このような
低水温時は河川水と同様な対策が必要になる。工業用水
の場合の方が河川水を直接対象とする場合より、膜によ
るろ過は難しいと思われた。
【0017】(2)原水が湖沼水、地下水の場合 湖沼水の水質成分でフラックスの低下を起こさせるもの
は、河川水や工業用水と異なり、位置する地理的条件、
汚染状況、採水深度によって異なるが微生物、藻類、及
び、これらの分解で生ずる有機物の複合的影響であるこ
とが多い。鉱物性の濁質の影響はそれほど大きくはない
と考えられる。また、原水水温も冬期は10℃以下にな
ることも多い。膜によるろ過の対象としては、前記の微
生物、藻類、及び、有機物を考慮し、いっそうの工夫を
要する逆洗方法、薬品洗浄方法にする原水である場合が
多い。地下水の場合、くみ上げる井戸の深さ、その周り
の地質によって、水質はことなる。しかし、水温は10
〜20℃の間でほぼ一定の水温となっており、低水温に
よるフラックスの低下の問題は小さい。鉄が存在して
も、前記の工業用水並みの対策でよい場合が多い。
【0018】しかし、マンガンが存在する時は、前記
(1)で述べたように、別途、マンガン除去の設備が必
要になってくる。以上のような、原水性状の詳細な検討
と実験の結果から、現在のような逆洗時に次亜塩素酸ソ
ーダ等の殺菌剤を注入する逆洗方法では、中空糸膜モジ
ュールろ過装置そのものを適用できる原水には限界があ
り、適用限界を超えた原水の場合には、前処理として従
来の一般的な前処理装置、あるいは後処理として除マン
ガン装置を設ける必要がある。本発明者等はこの限界を
乗り越えるため、即ち、前述した 膜汚染の進行防
止、 原水水温の低下対策を、次のような手段で解決
するものである。
【0019】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は原水として、河川水、湖沼水、地下水、及びこれ
らを一次処理した工業用水を用いる場合、更には濁質成
分として、鉄、アルミニウム等を含む原水をろ過し、回
収再利用する場合、あるいは海水を原水とする場合等に
好適に適用できる。膜によるろ過がより難しい原水とし
て、工業用水の場合を例に述べると下記の如くである。
工業用水は前述の如く河川水等を凝集剤として、硫酸バ
ンドを用い凝集処理され、その上澄み水が各工場等に供
給される。それゆえ、濁度は2〜6度と低いが、凝集時
の残留アルミニウムが0.2〜0.4mg/リットル、
時には1.0mg/リットルとなる。通常、凝集沈殿ろ
過法で処理される飲料水中の残留アルミニウムである
0.05〜0.15mg/リットルに比べて数倍に達し
ている。また、鉄も原水の鉄に、工業用水の長い配管か
ら溶出する分も加算され、0.2〜1.0mg/リット
ル程度の高い値を示す。これらは微細な、かつ軟らかい
フロック状を示し、膜面に付着しやすい。有機物は一般
に一度、硫酸バンドで処理されているのでそれ程高くな
く、色度は10〜20度程度であるが、有機物によるも
のはすくなく、大部分、鉄による事が多い。
【0020】膜汚染を進行させている原因は、内圧型の
中空糸膜モジュールの場合、長期の運転結果から、前記
のアルミニウムと鉄等の複合した微細な、軟らかいフロ
ック状を示す濁度が通常の逆洗によっては充分に排出さ
れず、膜面、及び膜内にすこしずつ付着し、残留して、
蓄積し、そして、中空糸膜内面を覆い、ついには、内面
が詰まる現象が生じてしまう。そして、水が流れなくな
る中空糸膜の数が漸次、増加していく事によって、即
ち、有効膜面積の減少によって、フラックスが低下して
いく過程をたどると判断された。河川水を直接ろ過する
場合より前述の現象が生じ易いことから厄介や原水と言
って良い。外圧型の中空糸膜モジュールの場合、前記膜
面への付着性の高い濁質が中空糸膜同士を固着させ、同
様に、全体としてろ過できる有効膜面積を少なくさせて
いると判断される。特に中空糸膜モジュールの上部、下
部の膜固定部に固着した濁質は通常の逆洗によっては除
去しにくい。
【0021】種々の実験の結果、通常の逆洗において
は、原水中の微生物の蓄積によるフラックスの低下を防
止するため、逆洗水に殺菌剤として、代表的には次亜塩
素酸ナトリウムを2〜5mg/リットル程度注入し、逆
洗排水に遊離塩素が0.5〜3.0mg/リットル程度
は残留するようにする。これは逆洗毎に行った方がよ
い。しかし、微生物が極く少ない場合などは適宜、(ろ
過−逆洗)の数回に一回行っても良い。殺菌剤は次亜塩
素酸ナトリウム以外、膜材質が耐えるものであれば過酸
化水素、オゾン等でも良く、微生物を殺菌、又は、濁質
の剥離に効果的な濃度を注入すれば良い。そして、〔殺
菌剤注入による逆洗と15〜90分のろ過〕を数回から
数10回行った後、前記の濁質による中空糸膜内面の詰
まっていく現象を抑え、かつ無くしてしまうため、酸注
入による逆洗を行う。その頻度は原水性状、運転条件、
膜材質によって大きく変わってくるが、次の如く行う。
【0022】膜内面に通常の逆洗では付着、残留してし
まい、フラックス低下をもたらす濁質が過剰に蓄積し、
従来の薬品洗浄が必要になる前に、即ち、中空糸膜への
濁質蓄積が低レベルのうちに、低濃度の酸注入逆洗を定
期的に行うことによって、前記の蓄積した濁質を溶解、
又は中空糸膜の内外面、及び膜内からの溶解性、剥離性
を促進することが、本発明の基本的考え方である。濁質
の溶解、剥離性の促進効果がある程度の低濃度の酸を、
(ろ過−逆洗)の一定頻度毎に、定期的に逆洗時に注入
し、濁質の蓄積を防止、低減する事を基本とするもので
ある。ここでいう従来の薬品洗浄とは、例えば、
0.5〜2.5%のクエン酸を用いた循環溶液処理を数
時間から1日間行う。 50〜300mg/リットル
の次亜塩素酸ナトリウム(Cl2 として)を同様に循環
洗浄し、浸漬時間をクエン酸洗浄よりも長く数時間から
1日間行う。このとを適宜組合せて行う洗浄をい
う。
【0023】本発明においては、一般的な膜材質の場合
は、殺菌剤の注入と酸の注入を同時に行うのは好ましく
ない。酸性条件下においては殺菌剤、特に、遊離塩素が
中空糸膜自体の劣化を促進してしまうからである。遊離
塩素やオゾン等にも耐える例えば、ポリふっ化ビニリデ
ンの様なものであれば構わない。本発明で使用する酸
は、クエン酸単独、又はクエン酸とグリコール酸との混
酸、又はクエン酸二水素アンモニウム、又は無機酸の塩
酸が適当である。その他の有機酸、無機酸、錯体形成剤
も使用可能であるが、取扱い上の安全性、万一、ろ過水
に漏洩した時の安全性、使用濃度とその効果(ランニン
グコスト)等を考慮すると、前記の酸が適している。例
えば、クエン酸は劇物、毒物でもなく取扱いは容易であ
り、食品添加物として許可され、清涼飲料用に添加もさ
れている。また、酸洗浄時の注入量も50〜1500m
g/リットル、好ましくは200〜600mg/リット
ル程度である。例えば、膜面積50m2 の−モジュール
当たりの系統内保有水量を50リットル程度とすると、
その全使用量は一回の逆洗当たり10〜30g程度と少
ない。
【0024】クエン酸とグリコール酸との混酸は、例え
ばクエン酸(−水和物)とグリコール酸(70%)を
1:1の比率で混酸としたものである。クエン酸二水素
アンモニウムとはクエン酸(分子量192)にアンモニ
ア(NH3 、分子量17)を1:1の比率で注入し、混
合することによってpHを3.5〜4.0程度にしたも
のである。これらは配管等の化学洗浄によく用いられる
薬品である。クエン酸二水素アンモニウムはクエン酸よ
りも酸化鉄に対する溶解力は極めて大きい。しかし、逆
洗廃液の窒素(N)の処理が必要になること、また、グ
リコール酸は劇物、毒物でもないが単価がかなり高い。
それゆえ、前述の如く、その取扱い上簡単で、単価もそ
れほど高くなく、かつその廃水も生物処理が容易である
クエン酸を単独で用いる方が好ましい。塩酸は取扱い
上、気をつけなければならないが、万一、若干ろ過水に
漏洩しても原水の重炭酸塩と反応して、NaCl等の
塩、及び二酸化炭素を生成し、ろ過水は酸性とならず、
問題は生じない。膜材質が酢酸セルロース系の場合を例
にすると、pH2.0程度まで耐えられるので、その全
使用量は1回の酸逆洗当たりクエン酸と同様に求める
と、原水水質によっても異なるが、前記の膜面積50m
2 の1モジュール当たり、35%塩酸で60〜100g
程度である。
【0025】本発明は更に、実験の結果、逆洗水として
用いる低水温のろ過水を15℃〜40℃、好ましくは注
入薬品の効果、ランニングコストも考慮し、18℃〜2
5℃程度に加温する事によって、前記、酸注入時の逆洗
が効果的であることを見出した。即ち、前述の如く、中
空糸内外面及び膜内に付着、蓄積した濁質の溶解、及び
その剥離性をより容易に出来るのである。従って、逆洗
時毎には、加温した逆洗水は必要でなく、低濃度の酸注
入時にのみ適用すれば充分である。クエン酸は、15℃
以下ではその効果は小さく、膜材質の耐熱性が高く、ラ
ンニングコストが許容範囲なら、25℃〜40℃と高い
程よい。これはクエン酸の作用機構がキレート作用(錯
イオン形成作用)であるため、配管洗浄や一般的な薬品
洗浄で用いられる数%の濃度を適用しなくても、本発明
で使用する低濃度の50〜1500mg/リットル、好
ましくは200〜600mg/リットルでも同じような
作用機構があり、濁質を構成する鉄、アルミニウム、マ
ンガン、カルシウム等に対して、キレート剤として充分
に作用し、全体として濁質の溶解、剥離を容易にしてい
ると思われる。
【0026】一方、塩酸はキレート剤のような作用はな
いため、濁質の一部分の溶解によって、逆洗による濁質
の剥離が生じ易くなることによると考えられる。これを
促進するため、膜モジュール内のpHを膜材質の許容す
る範囲の一般に1.5〜3.0程度とし、その温度も1
8℃〜40℃、好ましくはクエン酸の場合より出来るだ
け高めの、膜の耐熱性以下の25℃〜40℃に設定する
のがよい。前述の酸類は膜材質の耐熱性、ランニングコ
ストが問題にならなければ、40℃以上の温度にしても
よい。本発明においては、さらに河川水、湖沼水等を対
象にした場合で、原水に有機物由来の濁質がかなり含ま
れる場合は、本発明の低濃度の酸注入による逆洗の前、
又は後に本発明で用いている殺菌剤を有機物の分解、即
ち膜に付着している濁質の分解、あるいは剥離性を促進
するための酸化剤として、定期的に、原水循環配管系統
又は薬品洗浄用の薬品貯槽を含む配管系統に注入し、膜
モジュールを介して、循環操作を行い中空糸膜面の洗浄
を行うと効果的である。
【0027】この時の循環配管系統内の殺菌剤(酸化
剤)の濃度は、膜の耐塩素性にもよるが、例えば次亜塩
素酸ソーダで20〜300mg/リットル、好ましくは
20〜60mg/リットル程度が維持されるように注入
していく。膜面等に有機物があると、遊離塩素が消費さ
れていくので、減少した分を補給して、20〜60mg
/リットル程度の濃度に保ち、循環洗浄する。この時の
工程は大きく分けて、下記の如くになるが、原水の水質
条件によってきめていく。 例)a:次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤による循環洗浄 b:低濃度クエン酸等の酸による逆洗 組み合わせ例: a−b、a−b−a、b−a、b−a
−b
【0028】次に、内圧型クロスフロー方式の、本発明
の具体的な工程の一例を以下に示す。 (1)ろ過工程; 30分、フラックス: 1.0〜
2.5m3 /m2 ・日、 (2)殺菌剤を注入する逆洗工程; 下向流逆洗: 20〜30秒、 遊離塩素:2〜5m
g/リットル注入 上向流逆洗: 20〜30秒、 遊離塩素:2〜5m
g/リットル注入 フラッシング:20〜40秒、 遊離塩素:2〜5m
g/リットル注入フラッシングは(ろ過−逆洗)の
数回〜10数回に一回の頻度で、例えば、上向流逆洗を
〔逆洗水+原水〕にて行う。フラッシングは、の逆
洗操作によって、また、次に述べる酸を注入する逆洗工
程によって、充分にフラックスが回復する場合は省略し
ても良い。同様にフラッシングを行う時は下向流逆
洗、又は上向流逆洗を省略してもよい。更に、フラッ
シング時の遊離塩素は後工程で遊離塩素の存在が問題に
なる時は注入しなくても良い。
【0029】(3)酸を注入する逆洗工程; 循環−1 : 30秒〜10分、 酸の注入:
有、 逆洗水:加温 下向流逆洗: 20〜30秒、 酸の注入:
有、 逆洗水:加温 上向流逆洗: 20〜30秒、 酸の注入:
有、 逆洗水:加温 循環−2 : 30秒〜10分、 酸の注入:
有、 逆洗水:加温 ブロー(水置換):30秒〜3分、酸の注入:無、
原水 フラッシング: 20〜40秒、 酸の注入:
無、 原水+逆洗水 との操作は全く同一であり、中空糸膜の汚染が大き
いと判断される場合、の操作を行う。通常はを組み
込んだ〔−−−−〕、〔−−−〕、
〔−−−〕等の一連の操作を行えば良い、と
は酸の注入をせず、モジュール内、及び配管内の溶
解、剥離した濁質、及び注入した酸を排出し、系内に残
留しないようにするためにも行う必要がある。フラッ
シングはブロー(水置換)が充分であれば行わなくて
もよい。
【0030】発明においては前述の逆洗工程とろ過工程
を、例えば、次のように組み合わせて、従来の薬品洗浄
を行わずに、連続運転を行っていくのである。前述の逆
洗方法を次のA〜Dのように定め、全体のろ過(→)、
逆洗の組み合わせ例を説明すると下記の如くである。 A:殺菌剤を注入する逆洗工程(+):フラッシン
グ工程、無 B:殺菌剤を注入する逆洗工程(+):フラッシン
グ工程、有 C:酸を注入する逆洗工程 : 殺菌剤の注入、無 フラッシング、ブロー工程、有 D:C+殺菌剤(酸化剤)による循環洗浄 →:ろ過工程 運転例1)、〔A→A→A→B→A→A→C→〕の繰り
返し 運転例2)、〔A→A→A→A→A→A→C→〕の繰り
返し 運転例3)、〔A→A→A→A→A→A→B→A→A→
A→A→A→A→C→〕の繰り返し 運転例4)、〔A→A→A→A→A→A→B→A→A→
A→A→A→A→B→〕等の繰り返しとし、Cは一日に
1〜3回程度行う。 運転例5)、例4)において、Cは必要に応じて、運転
の状況を見て、数日から数週間に一回の頻度で、半自動
で行う。 運転例6)、Dは例1)〜例5)等において、原水性状
が悪化した場合に、必要に応じて、半自動にて行う。
【0031】次に、具体的な実施方法について、図1に
示す内圧型クロスフロー工程図を用いて説明する。原水
槽2の原水1を、原水ポンプP1で自動フィルタ3(8
0〜100メッシュ程度)を通し、更に循環ポンプP2
によって、モジュール5の下部から中空糸膜内面に導入
し、その40〜45%をろ過し、ろ過水ライン12より
ろ過水出口弁V2aを開とし、ろ過水槽6に受け、ろ過
水14を得る。また、逆洗に必要な一定のろ過水を逆洗
用ろ過水出口弁V2bを開とし、逆洗用水槽7に受け
る。V2bを無くし、ろ過水槽6に設けられた送水ポン
プ(図示せず)によって逆洗に必要なろ過水を逆洗用水
槽7に貯留してもよい。一方、残りの55〜60%の原
水はクロスフローライン11、循環弁V1を経て循環を
繰り返す。ろ過された原水分の流量は原水ポンプP1で
補給していく。自動フィルタ3に捕捉された大きい粒径
の濁質はドレンライン4の弁を開とし定期的に自動フィ
ルタ3の保有水量の1.5〜2.0倍の水量を排出す
る。そして15分〜60分ろ過した後、前述のA、B、
Cの逆洗を次の如く行う。
【0032】Aにおいては、基本的には逆洗水取出弁V
7aの弁を開とし、加温していない逆洗水を用い、逆洗
ポンプP3により逆洗水入口弁V3、逆洗排水出口弁V
5を開として、また、次亜塩素酸ソーダを注入ポンプP
4を起動し貯槽8から逆洗ラインに遊離塩素として3〜
5mg/リットルにモジュール内がなるように注入しつ
つ、下向流逆洗(逆洗工程)を20〜30秒間行う。
ついで同様に逆洗水入口弁V4、逆洗排水出口弁V6を
開として、上向流逆洗(逆洗工程)を行う。Bにおい
ては、Aの工程後、ブロー工程を次のように行う。原水
ポンプP1、循環ポンプP2を起動し、逆洗排水出口弁
V6を開とし、中空糸膜内の濁質を排出する。この時循
環ポンプはインバータ制御し中空糸膜面の流速を大きく
なる様にする事が好ましい。また、この時、フラッシン
グ工程も兼ねて、逆洗ポンプP3を起動し逆洗水を導入
してもよい。Cの酸逆洗時は、酸注入時に用いる逆洗用
水槽7内の逆洗水は加温装置10によって15〜40
℃、好ましくはランニングコストを考慮し18〜25℃
程度にする。加温手段は電気ヒーターもしくは蒸気によ
る熱交換機等用い、水温が平均化するようにポンプ等に
よって攪拌し、温度スイッチTSによってコントロール
する。そして酸逆洗時はV7bを開として、逆洗ポンプ
P3を起動し、逆洗水入口弁V3、逆洗排水出口弁V5
を開として、20〜30秒間の下向流逆洗(逆洗工程
)を行う。
【0033】この時、共通逆洗ラインのところに酸の貯
槽9から逆洗用酸ポンプP5を起動し酸を本発明の低レ
ベルの濃度になるように注入する。同様に逆洗水入口弁
V4、逆洗排水出口弁V6を開として、上向流逆洗(逆
洗工程)を20〜30秒間行う。上向流逆洗、又は下
向流逆洗は必要に応じてどちらか、あるいは両方行って
もよい。ついで、前述した循環ポンプP2を起動し、モ
ジュール5、クロスフローライン11、循環弁V1を開
とし、酸の貯槽9から循環用酸ポンプP6を起動し、循
環ライン系のいずれの位置でもよいが例えば、*3のと
ころに酸を注入しつつ循環を30秒〜10分間行う。酸
の注入は、循環系内の濃度がクエン酸として50〜15
00mg/リットル、好ましくはクエン酸で200〜6
00mg/リットルとなったら停止する。これはクエン
酸とグリコール酸の混酸、クエン酸二水素アンモニウム
の場合も同じである。酸の注入によって系内の圧力が高
くなったら、例えば逆洗排水出口弁V6を圧力スイッチ
(図示せず)又はタイマーによって時々、開とし系内の
圧力を中空糸膜の耐圧以下、好ましくは0.5〜2kg
f/cm2 以下として、循環(逆洗工程、循環−2)を
行う。この時の循環流速は、中空糸膜面の流速を大きく
する程良いため、例えば前述の50m2 膜モジュールで
は8〜15m3 /h程度でも良いが、モジュール入口と
出口との圧力損失の許される範囲で出来るだけ大きくす
る。そのため、循環弁V1の開度の調整、循環ポンプP
2のインバーター制御等を行う。
【0034】ついでブロー工程(水置換)を下記の如く
行う。原水ポンプP1、循環ポンプP2を起動し、循環
弁V1、逆洗排水弁V6を開とし循環しながら、循環ラ
インの水置換を行う。この時逆洗ポンプP3も起動し、
逆洗水入口弁V4又はV3を開として逆洗水も導入する
と、前記の中空糸膜内面の膜面流速を更に大きく出来
る。この場合、前述したフラッシング工程を行う必要性
は小さくなる。Dを行う場合はAを行ってから次の如く
行う。循環弁V1を開とし、循環ポンプP2を起動し循
環しながら、循環洗浄用次亜塩素酸ソーダ注入ポンプP
7を起動し、例えば*4の注入点に注入しながら循環系
内の遊離塩素の濃度を20〜60mg/リットルに保
ち、例えば3〜15分間、循環洗浄する。このとき、循
環系の圧力を圧力スイッチ等により検知し、その圧力を
0.4〜2kgf/cm2 になるように逆洗排水弁V6
等を定期的に一定時間、開とする。またCと同様に循環
流量を出来るだけ大きくする事が好ましい。一般にDの
操作の必要性は、原水の性状が採水点、季節によって異
なる事が多いため、自動に組み込んでおかず、半自動に
しておくのも一つの考えである。
【0035】外圧型の場合、通常、内圧型の逆洗Aに相
当する逆洗を行い、定期的に図1のフローに加えて、内
圧型のフラッシング工程に相当する空気バブリングを行
うため、図示しないが、空気源としてのコンプレッサ
ー、モジュール下部に空気注入用の配管、自動弁、ま
た、モジュール上部に空気、水の排出配管、自動弁(図
1中、11、V6に相当)を設け、空気バブリング操作
を定期的に行って中空糸膜をゆらし、主に膜外面に付着
した濁質を剥離し、その後、モジュール内の水をモジュ
ール下部の逆洗排水弁(図1中、V5に相当)から排出
する。全ろ過方式で運転する場合は、図1において循環
ポンプP2、及び循環弁V1とそれに接続する配管を設
けておくが、通常は使用しない。しかし本発明の低濃度
の酸注入逆洗時に前記の内圧型で説明したように操作を
し、モジュールの洗浄を行う。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 図1の処理フローによる内圧型クロスフロー方式の処理
を行った。 (1)原水: 工業用水 水質は下記表1に示す通りである。
【0037】(2)運転条件 1)膜モジュール;膜面積:50m2 (中空糸膜内側の
総面積)、モジュール:1本、膜素材:CA膜(UF
膜) 2)運転方法; クロスフロー方式:ろ過水、45%、回収率 ろ過時間 : 記号 → 30分間 実フラックス : 1.5m3 /m2 ・日 逆洗工程: 逆洗A; 下向流逆洗:20秒、Cl2 3mg/リッ
トル、 逆洗水:加温(無) 上向流逆洗:20秒、Cl2 3mg/リットル、 逆洗水:加温(無) 逆洗B−1;逆洗A+フラッシング(原水ポンプ、逆洗
ポンプ起動) 30秒間、逆洗水 加温(無) 逆洗C; 下向流逆洗:20秒、酸注入 有、逆洗
水:20℃に加温 上向流逆洗:20秒、酸注入 有、逆洗水:20℃に
加温 循環−2: 3分、酸の注入 有、逆洗水:20℃に
加温 ブロー(水置換):30秒間、酸の注入:無、原水使
用 フラッシング:30秒間、酸の注入:無、原水+逆洗
水 酸 : クエン酸注入濃度、約600mg/リットル
(循環系内)
【0038】3)運転の組合せ例 前述の下記の組合せとした。 運転例1)、〔A→A→A→B→A→A→C→〕の繰り
返し 運転例2)、〔A→A→A→A→A→A→C→〕の繰り
返し 運転例3)、〔A→A→A→A→A→A→B→A→A→
A→A→A→A→C→〕の繰り返し 運転例4)、〔A→A→A→A→A→A→B→A→A→
A→A→A→A→B→〕等の繰り返しとし、Cは一日に
1回行った。 運転例5)、例4)において、Cは7日に一回の頻度
で、半自動で行った。
【0039】4)結果 原水とろ過水の水質を表1に示す。
【表1】
【0040】a:いずれも、処理水は表1に示す良好な
水質を得た。また実フラックスは1.5m3 /m2 ・日
であり、25℃、0.4kgf/cm2 に換算した補正
フラックスは運転例)1、2、3、4、5で、いずれも
3.0m3 /m2 ・日程度と安定して6ケ月以上の長期
間、高フラックスが得られた。クエン酸の注入量は運転
例)1、2、3では600mg/リットル、運転例)
4、5では1200mg/リットルとした。 b:また、実フラックスを2.0m3 /m2 ・日と大き
くし同様に運転したが、運転例)1、2、3、4いずれ
も安定して6ケ月以上の長期間、連続運転できた。ま
た、0.4kgf/cm2 、25℃での補正フラックス
は3.0m3 /m2 ・日程度が得られ、膜入口圧力の上
昇はほとんど見られなかった。運転例5)では、実フラ
ックスは2.0m3 /m2 ・日が同様に安定して得られ
たが、6ケ月後の補正フラックスは2.0m3 /m2
日に低下した。
【0041】実施例2 実施例1と同じ原水、内圧型クロスフロー方式の処理
を、クエン酸からクエン酸とグリコール酸の混酸、及び
クエン酸二水素アンモニウムを用い、どちらもクエン酸
の濃度が500mg/リットル、逆洗Cの逆洗水の温度
を20℃程度となるようにして、運転例3)〔A→A→
A→A→A→A→B→A→A→A→A→A→A→C→〕
の繰り返し運転を行った。いずれの薬品も、安定して6
ケ月以上の長期間、実フラックスは2.0m3 /m2
日が得られ、処理は良好であり、処理水質はほとんど表
1に示す値と同じであった。この間3.0m3 /m2
日程度の補正フラックスが得られ、膜入口圧力の上昇も
ほとんど見られなかった。
【0042】実施例3 実施例1と同じ原水、内圧型クロスフロー方式の処理を
クエン酸から塩酸にかえて、実施例2と同様に塩酸の注
入量1200mg/リットル、pHを逆洗廃液で2.5
から2.8程度にし、実施した。実施例1の運転例1)
で、補正フラックス1.0m3 /m2 ・日まで低下する
までの連続運転時間は3.0〜3.5ケ月と後述の比較
例より長かったが、前記のクエン酸等の場合より短く、
従来の薬品洗浄が必要になった。
【0043】実施例4 実施例1と同じ原水について、外圧型クロスフロー方式
の処理を行った。 1)膜モジュール;膜面積:40m2 (中空糸膜外側の
総面積)、モジュール:1本、膜素材:PAN(UF
膜) 2)運転方法; クロスフロー方式:ろ過水、45%回収率 ろ過時間 : 記号 → 20分間(ろ過水の流れ、膜
の外側から内側へ) 実フラックス : 0.5m3 /m2 ・日
【0044】逆洗工程: 逆洗水の流れる方向は内圧型
と全く反対になっている。 逆洗A; 下向流逆洗:15秒、Cl2 3mg/リッ
トル、 逆洗水:加温(無) 上向流逆洗:15秒、Cl2 3mg/リットル、 逆洗水:加温(無) 逆洗B−2;逆洗A+空気バブリング 本工程は1日1回、40秒間行ったあと、直ちにモジュ
ール内の水を原水にてブローし、置換、満水にした。 逆洗C; 本工程は1日1回とし、下記の如く行った。 下向流逆洗:15秒、酸注入 有、逆洗水:20℃加
温 上向流逆洗:15秒、酸注入 有、逆洗水:20℃加
温 酸 : クエン酸、モジュール内の濃度:約600mg
/リットル 空気バブリング:40秒間、酸の注入 無、逆洗水:
加温 ブロー(水置換):40秒間、酸の注入:無、原水使
用 満水工程: 20秒間、原水使用
【0045】3)運転の組合せ例 通常、逆洗Aを行い、逆洗B、Cは各1日1回として、
約12時間毎にBとCを交互に行い運転した。 4)結果 約3.0ケ月の連続運転ができた。3.0ケ月後、補正
フラックスは1.0m3 /m2 ・日以下に低下し、また
膜入口圧も2.0kgf/cm2 と上昇し、従来の薬品
洗浄が必要になった。処理水質は表1とほとんど同じで
あり、良好であった。
【0046】実施例5 実施例1と同じ原水、膜モジュールを用い、全ろ過方式
の運転を次の如く行った。 1)運転方法; ろ過時間 : 記号 → 30分間 実フラックス : 1.5m3 /m2 ・日 逆洗工程は通常、逆洗Aを行い、逆洗B、Cは各1日1
回として、即ち、約12時間毎にBとCを交互に行い運
転した。A、B、Cの逆洗工程の詳細はいずれも実施例
1と同じにした。ただし、図1において、ろ過工程時、
循環弁V1は閉、循環ポンプP2は起動していない。逆
洗Cのときはこれらを起動して実施例1と同様に行っ
た。 2)結果 約6ケ月間の長期間に亘って連続運転ができた。前記の
補正フラックスは当初、3.0m3 /m2 ・日であった
が、徐々に低下し6ケ月後には1.2m3 /m2 ・日に
低下した。それゆえ、実フラックス1.5m3 /m2
日を得るため、膜入口の圧力も徐々に上げていった。そ
して、6ケ月後に2%クエン酸と50mg/リットルに
よる従来の薬品洗浄を行ったところ、初期の補正フラッ
クスに復帰した。
【0047】実施例6 下記の表2に示す原水について、実施例1の運転例3)
について、通常は逆洗Aを行い、逆洗B−1と逆洗Cを
行った後の逆洗Dを1日2回行った。即ち、逆洗Dは逆
洗Cに続いて循環洗浄用次亜塩素酸ソーダ注入ポンプP
7を起動し、遊離塩素を*4の点に注入しつつ、循環弁
V1を開、循環ポンプP2を起動し、循環洗浄を10分
間行った。この時、循環系の圧力が1.0kgf/cm
2 以下になるように、逆洗排水出口弁V6を時々、開に
した。また循環流量は循環弁V1の開度を大きくし、ろ
過時モジュール内を流れる(6〜8m3 /h)の2〜3
倍の流量とした。表2に原水とろ過水の水質を示すが、
原水は河川水であり、ろ過時、PAC等の凝集剤は使用
していない。
【0048】
【表2】 <結果>原水は河川水であり、若干有機物による色度が
有り、かつ濁度の変動もある。処理は6ケ月間以上の長
期間に亘って、安定して運転できた。補正フラックスの
低下も見られなかった。しかし、ろ過水の色度は若干、
高かった。その他の水質は良好であった。
【0049】比較例1 表1の原水及び同一の膜モジュールを用い、下記の運転
例について試験した。 運転例1)、〔A→A→A→B→A→A→A→〕の繰り
返し 逆洗工程: 逆洗A; 下向流逆洗:20秒、Cl2 3mg/リッ
トル、 逆洗水:加温(無) 上向流逆洗:20秒、Cl2 3mg/リットル、 逆洗水:加温(無) 逆洗B−1;逆洗A+フラッシング(原水ポンプ、逆洗
ポンプ起動) 30秒間、逆洗水:加温(無) <結果>実フラックスは1.5m3 /m2 ・日と同一に
設定したが、連続運転時間は2.0〜2.5ケ月間と短
かく、従来の薬品洗浄が必要になった。補正フラックス
も2.5ケ月後には初期の3.0m3 /m2 ・日から
1.3m3 /m2 ・日程度に低下した。
【0050】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、河川
水、工業用水等のいずれを原水としても、また、運転方
法として内圧型、外圧型のクロスフロー方式、全ろ過方
式、膜材質としてのUF膜(限外ろ過膜)、MF膜(精
密ろ過膜)、形状としての中空糸膜、更に、膜の材質に
かかわらず、いずれの膜モジュールろ過装置にも適用で
きる、中空糸膜を用いて、ろ過操作を行い、ろ過水を得
る方法において、単位膜面積、及び単位時間当たりの、
ろ過水流量(フラックス:通常使用する単位、m3/m
2 ・日)を高く、かつ安定して長期間得るためのろ過逆
洗方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のろ過逆洗方法を説明するためのフロー
工程図。
【符号の説明】
1:原水、2:原水槽、3:自動フィルタ(目開き、8
0〜100メッシュ)、4:自動フィルタのドレンライ
ン、5:膜モジュール、6:ろ過水槽、7:逆洗用水
槽、8:薬品貯槽(酸化剤、次亜塩素酸ソーダ)、9:
薬品貯槽(酸、クエン酸等)、10:加温装置、11:
クロスフローライン(循環ライン)、12:ろ過水ライ
ン、下向流逆洗ライン、13:上向流逆洗ライン、1
4:ろ過水、P1:原水ポンプ、P2:循環ポンプ、P
3:逆洗ポンプ、P4:次亜塩素酸ソーダ注入ポンプ
(逆洗水用)、P5:逆洗用酸注入ポンプ、P6:循環
用酸注入ポンプ、P7:循環用次亜塩素酸ソーダ注入ポ
ンプ、V1〜V7:自動弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜からなる除濁用の膜モジュール
    を用いて、原水からろ過水を得るに際し、前記膜モジュ
    ールに原水を通してろ過水を得るろ過工程に、該膜モジ
    ュールを殺菌剤を注入した逆洗水によって逆洗する逆洗
    工程と、酸を注入した逆洗水によって逆洗する逆洗工程
    とを、適宜組合せて行うと共に、前記酸として、クエン
    酸、クエン酸二水素アンモニウム又はクエン酸とグリコ
    ール酸の混酸を用い、膜モジュール内の濃度がクエン酸
    として50〜1500mg/リットルとなるように注入
    することを特徴とする除濁用膜モジュールのろ過逆洗方
    法。
  2. 【請求項2】 中空糸膜からなる除濁用の膜モジュール
    を用いて、原水からろ過水を得るに際し、前記膜モジュ
    ールに原水を通してろ過水を得るろ過工程に、該膜モジ
    ュールを殺菌剤を注入した逆洗水によって逆洗する逆洗
    工程と、酸を注入した逆洗水によって逆洗する逆洗工程
    とを、適宜組合せて行うと共に、前記酸として、無機酸
    を用い、膜モジュール内のpHが1.0〜3.0になる
    ように注入することを特徴とする除濁用膜モジュールの
    ろ過逆洗方法。
  3. 【請求項3】 前記酸を注入する逆洗工程は、15〜4
    0℃に加温した逆洗水を用いて行うことを特徴とする請
    求項1又は2記載の除濁用膜モジュールのろ過逆洗方
    法。
  4. 【請求項4】 前記酸を注入する逆洗工程は、膜モジュ
    ールの逆洗の前又は後に、該膜モジュールを介して原水
    循環配管系統又は薬品洗浄用の薬品貯槽を含む配管系統
    に、前記の酸又は殺菌剤を注入した洗浄水を通して洗浄
    を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記
    載の除濁用膜モジュールのろ過逆洗方法。
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