JPS592740B2 - 耐食・耐高温使用中脆化特性に優れた化学容器 - Google Patents

耐食・耐高温使用中脆化特性に優れた化学容器

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JPS592740B2
JPS592740B2 JP55002906A JP290680A JPS592740B2 JP S592740 B2 JPS592740 B2 JP S592740B2 JP 55002906 A JP55002906 A JP 55002906A JP 290680 A JP290680 A JP 290680A JP S592740 B2 JPS592740 B2 JP S592740B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は金属組成的に2属以上の多層構造を有する化学
容器に関するものであつて、特に高温高圧の水および水
素雰囲気、また、塩素イオンやボ30リチオン酸の発生
するような環境においても脆化が少なく、かつ、応力腐
食割れを起こし難い内層材を有する化学容器に係るもの
である。
一般に、炭素鋼および低合金鋼などで製造される種々の
圧力容器や化学反応容器の内面は耐食性35の観点から
主としてオーステナイト係のステンレス鋼によるライニ
ングがなされている。
これらのクラッド鋼による圧力容器において、クラッド
部は高温高圧水および水素による脆化(主として延性、
靭性の低下)と熱応力および腐食環境との複合によつて
生じる応力腐食割れの危険に曝されるため、より一層信
頼性の高い内層材の出現が望まれている。この問題点を
解決すべく、本発明者らはステンレス鋼内層材の合金成
分系について検討を行つた。
その際、容器の製造は操作条件が苛酷になるにつれ外層
材の板厚が厚くなり、クラツド法としては肉盛溶接法が
主として用いられるため、クラツド鋼の製作工程上、ク
ラツド部について固溶化熱処理が自由に行い得ないばか
りでなく、600〜750℃で20〜50時間に及ぶ炭
素鋼または低合金鋼側の応力除去熱処理の影響を受け炭
化物の析出やσ相の生成が促進される。また、内層材と
外層材との境界部においては、炭素鋼または低合金鋼側
からステンレス鋼側への炭素の拡散が行われ硬化層がで
きるなど、これらは耐食性および機械的性質にとつて好
ましくないことを念頭においたまず、一般のオーステナ
イト系ステンレス鋼の溶接に対しては熱間割れを防止す
るため数%のフエライト量を含む組織とすることが通常
であるが本発明者らはMnおよびNを適当に調整するこ
とにより完全なオーステナイト組織においても熱間割れ
に対して鈍感になることを見い出した。
したがつて、容器製造時に使用するクラツド部材質をM
nおよびNを高めた完全オーステナイト系ステンレス鋼
にすることにより、まず、クラツド部となる素材の圧延
性がよくなり素材の製造を容易とした。また、容器製造
時に行われる応力除去熱処理に際してフエライト相を含
まないことからσ相による脆化の心配がなく、かつまた
、フエライト相を含まない内層材でなることから容器稼
動中における水素吸収によるクラツド部の延性低下に対
しても好ましい結果が得られた。しかし、完全オーステ
ナイト系ステンレス鋼では粒界腐食について問題がある
。これに対してBを添加することによりフエライト相を
有するオーステナイト系ステンレス鋼の場合より耐粒界
腐食性を改善することができた。本発明は上記知見に基
づいてなされたものであつて、その要旨とするところは
、炭素鋼または低合金鋼を外層材とし、オーステナイト
系ステンレス鋼を内層材とする金属組織的に2層以上の
多層構造を有する化学容器において該ステンレス鋼部の
化学成分が重量%でMnが3〜8%,Nが0.08〜0
.4%,Bが0.002〜0.08%であり、さらにC
O.l5O!)以丁、Sil,O%以下、Ni8,O〜
28.0%,Crl8.O〜28.0%を含み、又はさ
らにMO4.O%以下、又はこれにさらにNbl.O%
以下を含み、残部は鉄および不可避不純物からなり、か
つ、その化学成分のNieq=Ni+30C+0.5M
n+30NCreq=Cr+1.5Si+0.5Nb−
1−MOから計算した値がデイロングの状態図において
完全オーステナイト域にある組成を有することを特徴と
する耐食、耐高温使用中脆化特性に優れた化学容器にあ
る〇以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明化学容器内層のステンレス鋼クラツド部に
ついて、各化学成分範囲を前記のごとく定めた理由につ
いて記述する。
Mnはクラツド部素材製造に際し、熱問加工性を向上さ
せ、クラツド部の強度を増加させるばかりでなく、クラ
ツド部の接合溶接に際して溶接金属中のSと結合して溶
接時の熱間割れ感受性を低めるうえで3%以上含有する
と効果があるが、これを多量に含有することは応力腐食
割れ感受性を高め、かつクラツド部の材質を劣化させる
ため、また、クラツド部が常に完全オーステナイト組織
として安定するに必要な量としては8%で十分であるこ
とから、含有Mn量は3(f)〜8%とした。
Nの添加は本発明の一つの重要な要件である。Nは水素
による脆化を防ぐための完全オーステナイト組織を安定
化する元素で、クラツド部素材製造時およびクラツド部
の溶接時に溶接金属の結晶粒を微細化して熱間割れ感受
性をも低下させ、また高温強度を高めるにも有効である
。一方、腐食環境下においてNは窒素化合物をつくり腐
食雰囲気の塩素度を上昇させるので、クラツド部の腐食
発生抵抗を増大させる。耐食へのN含有量の効果は0.
08%以上から現われ、0.4%の固溶限附近まで続く
。しかし、MnおよびNによる相安定化の完全オーステ
ナイト・ステンレス鋼それ自身では粒界腐食および応力
腐食割れに対して抵抗力が極端に小さく、これを改善す
るためには特に有効な元素としてBを添加しなけれはな
らない。
このBは0.002%以上の添加から粒界における炭化
物析出を抑制する効果が認められるが、0.08%超の
添加では低融点の硼素化合物を生成し、製造時に熱間割
れを生じるので好ましくない。このためBは0.002
(f)〜0.08(f)とした。Cは熱処理により粒界
にクロム炭化物を析出させCr欠乏による粒界腐食の原
因となるので0.15%以下とされている。Siは強力
な脱酸剤ではあるが靭性の低下などから1.0%以下で
なければならない。Niはオーステナイト系ステンレス
鋼の基本元素でありオーステナイトを安定化さすために
8.0%以上は必要である。
Niの増加は靭性の向上のみならず耐応力腐食割れ性を
向上させるが高価なため28.0(f)以下で使用され
る。Crはステンレス鋼の基本成分であり、12(f)
から耐食性がでてきて耐孔食性などに優れた性質を示す
には18.0%以上が必要である。
Crは多い程耐食性を向上させるがフエライト安定元素
であり、Crを増大させてかつ完全オーステナイト組織
にするにはオーステナイト安定元素であるNi,Mn,
Nなどを多量に添加する必要がある。このように添加元
素の高い合金は高価になるので通常のステンレス鋼の範
囲としては28.001)までで充分である。また、本
発明においては、前記ステンレス鋼部にさらにMO4.
OOl)以下、又はこれにさらにNbl.O%以下を含
むことができる。
MOは耐孔食性に優れた元素であり、高温強度を高める
のに役立つが4.0%超では65『C以上の熱処理で脆
化し衝撃値が低下する。
NbはCを固定し耐粒界腐食性を改善する元素である。
しかしCの重量%で8〜10倍以上でかつ1.001:
I超のNbの添加は溶接に際して熱間割れ感受性を高め
る。その他不可避的な不純物としてP,Sなどがあるが
、これらの成分はクラツド部材製造時の割れ感受性を高
めるため極めて少ないことが好ましい。
また、不可避的に微量のAl,Ti,Cal或いはVな
どが含まれることがある。さらに、該ステンレス鋼部に
おいては、その化学成分がNieq+30C+0.5M
n+30N,CreqCr+1.5Si+0.5Nb+
MOから計算した値がデイロングの状態図において完全
オーステナイト域にあることを必須とする。
この式から得られた値が第1図に示すデイロングの状態
図において完全オーステナイト域にある場合、容器製造
時の熱処理によつて生じるσ相脆化を防ぎ、かつ、使用
時の高温高圧水および水素環境などによつて生じる水素
脆化を防ぐことになる。ここで第1図における完全オー
ステナイト域とは同図に示すように、M(マルテンサイ
ト)+A(オステナイト)の線よりNieqが高く、か
つフエライト量0(f)の線よりNieqが高い範囲が
これに該当するものである。
このような内層材からなる金属組織的に2層以上の多層
構造を有する化学容器の素材を得る方法としては炭素鋼
または低合金鋼と前述の化学成分範囲を満足するオース
テナイト・ステンレス鋼とを組合せて圧延または爆発圧
接などにより貼り合わせる方法および肉盛溶接による方
法がある。
また、肉盛溶接の方法としては被覆アータ溶接、潜弧溶
接、TIG溶接、MIG溶接、自己被包ガス溶接、エレ
クトロスラグ溶接およびガス溶接などの溶接法を用いる
ことができる。これらの各種溶接法によりクラツド鋼の
内層材を得る場合にはそれぞれの溶接方法での母材に対
する稀釈率(一般には5〜40(:f))組合せるフラ
ツクス剤またはガス組成にて変化する合金成分の歩留り
を考慮して電極材の成分を決定すべきである。
また、肉盛溶接法にてクラツド部材を得る場合には稀釈
率の小さい溶接旋工法を採るべきであり、単層または多
層の肉盛部において各層の肉盛溶接金属が本発明の化学
成分範囲を満足することが好ましいが、表面層すなわち
最終層のみ満足する場合においても本発明の目的を十分
満足する。以下、本発明の効果を実施例により更に具体
的に説明する。外層材の低合金鋼については(A)SB
46鋼、(日A387−22鋼および(0A533B鋼
を使用し、ステンレス鋼の内層材としては第1表に示す
溶接金属が得られるよう0.4×75mm断面形状を有
する第2表に示す帯状電極と第3表に示す潜弧フラツク
スとを組合せて直流定電圧の溶接機にて逆極性で120
0A,25,18CTrL/―の溶接条件にて溶接を行
つた。
なお、参考までに第1表に示された溶接金属について各
試験滝のもののNieqとCreqとをそれぞれ計算し
、それらの関係を第1図に表示すると同図中の各点のよ
うになり、本発明例のものはすべて完全オーステナイト
域にあることがわかる。
このステンレス鋼クラツド部について溶接のままの状態
でバイストレイン割れ試験を行い、また690℃で22
時間の溶接後熱処理の後、ストラウス粒界腐食試験、ポ
リチオン酸による応力腐食試験、501)H2SO4+
3%NaCl中での分極測定による孔食電位測定を行つ
た。
この試験結果を第4表に示す。更に溶接後熱処理後のス
テンレス鋼クラツド部について400℃,100kg/
Crit水素分圧の雰囲気中にて7200時間の暴露試
験を行つた後、側曲げ試験、引張試験および衝撃試験な
どの機械試験を行い第5表に示す結果を得た。以上のご
とく、内層材が本発明による化学組成を有する化学容器
であれば優れた耐食、耐高温使用中脆化特性を有するも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はデイロングの状態図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素鋼または低合金鋼を外層材とし、オーステナイ
    トステンレス鋼を内層材とする金属組織的に2層以上の
    多層構造を有する化学容器において、該ステンレス鋼部
    の化学成分が重量%でMnが3〜8%、Nが0.08〜
    0.4%、Bが0.002〜0.08%であり、さらに
    Cが0.15%以下、Siが1.0%以下、Niが8.
    0〜28.0%、Crが18.0〜28.0%、残部は
    鉄および不可避不純物からなり、かつ、その化学成分の
    Nieq=Ni+30C+0.5Mn+30NCreq
    =Cr+1.5Si+0.5Nb+Moから計算した値
    がデイロングの状態図において完全オーステナイト域に
    ある組成を有することを特徴とする耐食・耐高温使用中
    脆化特性に優れた化学容器。 2 炭素鋼または低合金鋼を外層材とし、オーステナイ
    トステンレス鋼を内層材とする金属組織的に2層以上の
    多層構造を有する化学容器において、該ステンレス鋼部
    の化学成分が重量%でMnが3〜8%、Nが0.08〜
    0.4%、Bが0.002〜0.08%であり、さらに
    Cが0.15%以下、Siが1.0以下、Niが8.0
    〜28.0%、Crが18.0〜28.0%、Moが4
    .0%以下、残部は鉄および不可避不純物からなり、か
    つ、その化学成分のNieq=Ni+30C+0.5M
    n+30NCreq=Cr+1.5Si+0.5Nb+
    Moから計算した値がデイロングの状態図において完全
    オーステナイト域にある組成を有することを特徴とする
    耐食・耐高温使用中脆化特性に優れた化学容器。 3 炭素鋼または低合金鋼を外層材とし、オーステナイ
    トステンレス鋼を内層材とする金属組織的に2層以上の
    多層構造を有する化学容器において、該ステンレス鋼部
    の化学成分が重量%でMnが3〜8%、Nが0.08〜
    0.4%、Bが0.002〜0.08%であり、さらに
    Cが0.15%以下、Siが1.0%以下、Niが8.
    0〜28.0%、Crが18.0〜28.0%、Moが
    4.0%以下、Nbが1.0%以下、残部は鉄および不
    可避不純物からなり、かつ、その化学成分のNieq=
    Ni+30C+0.5Mn+30NCreq=Cr+1
    .5Si+0.5Nb+Moから計算した値がデイロン
    グの状態図において完全オーステナイト域にある組成を
    有することを特徴とする耐食・耐高温使用中脆化特性に
    優れた化学容器。
JP55002906A 1980-01-14 1980-01-14 耐食・耐高温使用中脆化特性に優れた化学容器 Expired JPS592740B2 (ja)

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JPS56102561A JPS56102561A (en) 1981-08-17
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METAL PROGRESS=1960 *
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