JPS5941646B2 - カチオン澱粉の製造方法 - Google Patents

カチオン澱粉の製造方法

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JPS5941646B2
JPS5941646B2 JP11218079A JP11218079A JPS5941646B2 JP S5941646 B2 JPS5941646 B2 JP S5941646B2 JP 11218079 A JP11218079 A JP 11218079A JP 11218079 A JP11218079 A JP 11218079A JP S5941646 B2 JPS5941646 B2 JP S5941646B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、カチオン澱粉の製造方法に関するものであ
る。
カチオン澱粉は、繊維工業におけるたて糸用糊剤、排水
処理における沈澱剤、製紙工業における紙力増強、歩留
向上、中性抄造の目的で用いられ、広い用途を持つてい
る。
カチオン澱粉は、澱粉にカチオン化剤を反応させて作ら
れる。
カチオン化剤としては、色々なアミン化合物が知られて
いる。この反応を行うには、大量の水分の存在下でこの
反応を行う湿式法と、少量の水分の存在下でこの反応を
行う乾式法とが知られている。このうち湿式法は、均質
のカチオン澱粉を得やすい長所をもつが、反面、カチオ
ン化反応後の脱水又は乾燥に多量のエネルギーを必要と
し、そのために有利でなかつた。そこで、この欠点を改
良するために、溶剤としての水にさらにアルコール又は
ケトンを添加することが提案された。
それは特公昭36−18246号公報に記載されている
。しかし、この方法も湿式法の範鴫を脱するものではな
かつた。なぜならば、そこではアルコール又はケトンと
水との総重量が澱粉に対し1倍半もの大量に用いられ、
それらを混合した結果は澱粉の懸濁液だとされ、アルコ
ール又はケトンは澱粉の膨潤を防止するものとされ、反
応生成物は濾過によつて不純物を除去されるとされてい
るからである。また、現に特公昭36−18246号公
報の発行された当時は、まだ乾式法が知られていなかつ
た。従つて、上記公報の記載は、これを乾式法に結びつ
けて考え得るものではなかつた。その後に乾式法が提案
されたが、乾式法は、水分の含有率を極めて僅か、例え
ば25重量%以下として反応を行うので、反応後の脱水
又は乾燥の工程に大したエネルギーを必要としないとい
う利点をもつている。
ところが、乾式法は、不均一反応であるため、反応触媒
として加えたアルカリ剤等により、澱粉が局部的に変質
を起し、均一良質のカチオン澱粉を得ることができない
という欠点を持つている。そこで、この点を改良する必
要があつた。乾式法は、例えば米国特許第412756
3号明細書(これは、日本の特開昭54−11983号
公報に対応している)に記載されている。
この公報は、一般式X−CH2−CH−(CH2)n−
Aで表わされるハロヒドリンをカチオン化剤として使用
し、これを乾燥状態で澱粉と反応させる方法を記載して
いる。
この方法によれば、酸性ないしアルカリ性の広いPH範
囲内で、容易にカチオン澱粉が得られる、と記載してい
る。またその方法では、カチオン化剤及び反応触媒を加
える際に、それらを水のような液体ベヒクルに溶解又は
分散してもよいと記載しているが、水をベヒクルとして
用いるとしても、その量は全体に対して25%以下の少
量でなければならない、としている。だから、そこでい
うベヒクルを用いるとしても、カチオン化反応は不均一
反応となる。従つて、反応触媒の添加により、澱粉が局
部的に変質を起し、茶色のカチオン澱粉粒子を生じ、均
一良質のカチオン澱粉を得ることができなかつた。この
発明者は、乾式法によつてカチオン澱粉を得ようとする
とき、そこに少量のメタノールのようなアルコールを存
在させると、澱粉の局部的に変質するのが防がれ、均一
良質のカチオン澱粉が得られることを見出した。
この発明は、このような確認に基づいてなされたもので
ある。この発明は、アルカリ及び少量の水の存在下で澱
粉をカチオン化剤と反応させ、カチオン澱粉を製造する
方法において、澱粉にアルカリを加えると同時又はそれ
以前に、炭素数が1ないし10の脂肪族一価アルコール
を加え、澱粉に対するアルコールと水との存在量をそれ
ぞれ4−85重量?及び5−35重量?とし、かつ水と
アルコールとの合計量を9−90重量%として、この状
態で澱粉をカチオン化剤と反応させることを特徴とする
、カチオン澱粉の製造方法に関するものである。
この発明方法では、炭素数が1ないし10の脂肪族一価
アルコールを用いることを特徴としている。アルコール
中の脂肪族基は、直鎖状のものでも、分岐したものでも
よい。脂肪族の一価アルコールを選んだ理由は、一価ア
ルコールが澱粉のアルカリ及び水による局部的膨潤を防
ぐに効果があるからである。また、一価アルコールが比
較的低い沸点を有し、水と共に蒸発させて除くのに容易
だからである。また、脂肪族のアルコール中でも、炭素
数が1ないし10のものを選んだ理由は、炭素数が11
以上になると、澱粉の局部的膨潤を防ぐ効果が少くなり
、また沸点が高くなつて、蒸発させて除くことが困難と
なるからである。アルコールの添加は、アルカリを加え
ると同時、又はそれ以前に行う。
具体的に云えば、アルカリとして苛性ソーダを用いて、
これを固体のまま澱粉に添加する場合には、澱粉にアル
コールを予じめ添加しておき、その後に苛性ソーダを加
える。また、苛性ソーダを水溶液として添加する場合に
は、その添加前にアルコールを澱粉に加えてもよく、ま
たアルコールを苛性ソーダ水溶液に加えて添加してもよ
い。また、苛性ソーダをアルコールに溶解して、添加し
てもよい。土述のアルコールは、その添加量が制限され
る。
すなわちアルコールは、澱粉に対し4−85重量%の範
囲内になければならない。また、水の存在量は、澱粉に
対し5−35重量%の範囲内になければならない。しか
も、水とアルコールとの合計量は、澱粉に対し9−90
重量?の範囲内になければならない。この発明方法は乾
式法であることを前提とするから、反応時に存在する水
の量は当然少量でなければならない。
水の量が澱粉に対し5重量%以下であると、澱粉とカチ
オン化剤との反応が円滑に進行しなくなる。逆に、水の
量が35重量?以上になると、アルコールによる膨潤を
防ぐ効果が減少し、かつ乾式法の特色が失なわれ、生成
したカチオン澱粉から水を除去し、乾燥するのに多大の
エネルギーが消費される。このような理由によつて、こ
の発明方法では、水の量を5ないし35重量?の範囲内
とする。この水の量が、カチオン化剤又はアルカリと共
に加える水の量をも含んでいることは、云うまでもね:
い。この量は、さらに澱粉の中に初めから存在する水分
の量までも含んでいる。ここの発明方法において、アル
コールの量に制限があるのは、次のような理由による。
アルコールは、澱粉が水とアルカリにより局部的に膨潤
するのを防ぐ作用を持つている。従つて、アルコールの
必要量は、反応系に存在する水分量におおよそ比例して
多くなる。しかし、アルコールの量を澱粉に対し85重
量%以上に多くすると、反応後のアルコールの除去が却
つて煩瑣となるのに、実際上はさほどの利点がなくなる
。また、逆に、アルコールの量が4重量%より少なくな
ると、澱粉が水及びアルカリによつて局部的に膨潤する
のを防ぐ効果がなくなる。そこで、アルコールの量は、
澱粉に対し4−85重量?とするのである。また、この
発明方法では、水とアルコールとの合計量を澱粉に対し
て9−90重量%とすることを必要とするが、それは下
記の理由による。すなわち、上記合計量が9重量%以下
では、水及びアルコールのそれぞれの作用が減少し、均
質な製品が得られない。逆に、上記合計量が90重量%
よりも多くなると、乾式法の特色が失なわれ、生成した
カチオン澱粉から水及びアルコールを除去し、乾燥する
のに多大のエネルギーを要することになる。また、90
重量%以下で、すべての反応を行うことができるからで
ある。この発明方法において、水とアルコール以外の材
料は、すべて従来用いられて来たものがそのまま用いら
れる。
すなわち、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ等
の水酸化アルカリ金属のほか、加水分解して水酸化アル
カリを生成する化合物、例えば炭酸ソーダ等をも使用で
きる。水酸化アルカリ金属は、これをカチオン化反応の
触媒として作用させるためには、澱粉1モル当り0.0
15ないし0.2モルが必要とされる。それは、0.0
15モルより少ないと、反応効率が低下するからであり
、逆に0.2モルより多いと、アルコールによる膨潤抑
制効果が減少するからである。澱粉は、一般に加工澱粉
と云われている処理品であつてもよく、また未処理品で
あつてもよい。
使用し得る澱粉の代表的なものは、馬鈴薯、タピオカ、
とうもろこし、分画されたアミロース、アミクロペクチ
ン等である。そのほか、エーテル化又はエステル化した
澱粉、例えばカルボキシメチル澱粉、ヒドロキシエチル
澱粉、リン酸澱粉をも用いることができる。カチオン化
剤としても、公知の種々のものを用いることができる。
カチオン化剤は、澱粉として反応して、一般式で表わさ
れるエーテル結合を与える試薬であると云うことができ
る。
但し、上式中R1は、炭素数が1ないし6の直鎖又は分
岐のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を表わし
、R2及びR3は、水素又は炭素数が1ないし4の直鎖
又は分岐のアルキル基を表わし、R4は炭素数が1ない
し4の直鎖又は分岐アルキル基を表わしている。また、
R3及びR4は、一緒になつて、環構造を形成している
ものも含んでいる。環構造の好適な例は、ピロール基、
ピロリジン基、ピリジン基、ピペリジン基及びモルホリ
ン基等である。カチオン化剤は、これを分類すると、第
一級アミン、第二級アミン、第三級アミン及び第四級ア
ンモニウム塩に分けられる。
このうち、好適なものは、第三級アミン及び第四級アン
モニウム塩である。第三級アミンとしては、例えば2−
ジエチルアミノエチルクロライド、3−ジブチルアミノ
ー1、2−エポキシプロパン、β−クロルエチルモルホ
リン、クロルメチルピロリジン等を用いることができる
。また、第四級アンモニウム塩としては、例えば、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド、4−クロロブテントリエチルア
ンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピルトリエチルアンモニウムクロライド、3−クロロ
−プロピル−(N−エチル)ピペリジンクロライド等を
用いることができる。但し、上記化合物中クロル又はク
ロライドとあるのは、他のハロゲンに代えることもでき
る。カチオン化剤は、粉末又は40〜50%水溶液の形
で得られる。
水溶液の場合には、そのまま用いてもよいし、またアル
コールで稀釈して用いてもよい。粉末の場合にも、その
まま、又はアルコールに溶解し、又は稀釈して用いる。
カチオン化剤の添加量は、目的とする置換度に合わせて
定める。この発明方法では、原料たる澱粉の種類に応じ
て、反応効率がほぼ一定となるが、その範囲はおよそ7
0−90重量%である〇この発明方法では、カチオン化
反応を円滑に進行させるために、添加によつて得られた
混合物を必要に応じて加熱する。
加熱は40〜100℃の範囲、好ましくは50〜80℃
の範囲にする。このように加熱すると、カチオン化反応
は通常1〜24時間、好条件の下では3〜10時間で終
了し、ここにカチオン澱粉が生成する。カチオン澱粉の
生成機構は、次のとおりである。
例として、カチオン化剤に3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロライドを用いると
、澱粉との反応は次の化学式で表わし得られる。かくし
て、反応の結果、カチオン化剤と等モルの塩酸を生成す
ることになる。
従つて、水酸化アルカリ金属は、触媒の作用以外に、生
成した塩酸を中和するためにも消費される。中和のため
に必要とされる量は、カチオン剤と等モルである。この
発明方法で得られるカチオン澱粉は、そのままの形でも
利用されるが、またその中に残留しているアルカリを中
和し、さらにアルコールと水とを除いて精製される。ま
た、場合によつては、これをさらに分解して低粘度化し
、低粘度のカチオン澱粉として利用される。この発明方
法では、澱粉をアルカリの存在下でカチオン化剤と反応
させるとき、多量の水のほかに少量のアルコールが存在
するので、アルコールが水及びアルカリによる澱粉の膨
潤を押さえるとともに、アルカリの分散媒として働くの
で、澱粉の局部的変質とくに茶色を帯びたカチオン澱粉
の生成がなくなり、良質のカチオン澱粉を得ることがで
きる。
また、アルコールは、水とともに減圧吸引等によつて容
易に除くことができる。従つて、アルコールの添加によ
り、カチオン化反応が均一に行ない得ることとなる。要
するに、この発明方法は、均質のカチオン澱粉を容易に
製造できるという利点をもつている。上述の発明方法に
関連して、そこで得られたカチオン澱粉をさらに分解し
て、低い粘度のものとするのに都合のよい方法が見出さ
れた。
従来、カチオン澱粉を低い粘度のものとするには、カチ
オン澱粉をスラリーにして、酸化剤とくに次亜塩素酸ソ
ーダ、又は無機酸例えば硫酸を作用させていた。
しかし、スラリーにして湿式法によることは有利でない
。そこで乾式法によることが考えられるが、次亜塩素酸
ソーダを用いて、乾式法により低粘度のものにしようと
すると、反応装置の腐蝕が激しく、また、カチオン澱粉
を局部的に変質させるので、低粘度のものを得ることが
できない。他方、硫酸又は塩酸のような無機酸を用いれ
ば、乾式法で低粘度のものとすることはできる。しかし
、無機酸を用いた場合には、その添加量、温度、時間の
コントロールが困難であり、また生成物中に副成物たる
塩類を増加させる、という欠点が付随していた。従つて
、カチオン澱粉を低粘度のものとするには、さらに改良
の余地があつた。ところが、この発明方法によつて得ら
れたアルコールとアルカリとを含んだ混合物は、これに
過酸化水素を加えて加熱すると、過酸化水素の添加量に
応じて、容易に所望どおりの低い粘度のカチオン澱粉の
得られることが見出された。
この知見に基づく発明をここでは第2発明と呼ぶことに
するが、第2発明は、上述の第1発明方法によりアルコ
ールを添加して得たカチオン澱粉をさらに過酸化水素で
分解して、低粘度のカチオン澱粉を製造する方法である
。いいかえると、第2発明は、アルカリと少量の水との
存在下で澱粉をカチオン化剤と反応させ、カチオン澱粉
を製造する方法において、澱粉にアルカリを加えると同
時又はそれ以前に、炭素数が1ないし10の脂肪族アル
コールを加え、澱粉に対しアルコールと水との存在量を
それぞれ4一85重量?及び5−35重量%とし、かつ
水とアルコールとの合計量を9−90重量%として、カ
チオン化剤との反応を行わせ、次いで過酸化水素を加え
て反応させ、カチオン澱粉を低粘度のものとすることを
特徴とする、カチオン澱粉の製造方法に関するものであ
る。
カチオン澱粉の低粘度化は、澱粉の主鎖結合であるα−
1、4−グルコシド結合が切断され、分解されることに
よつて起るものと考えられる。
従つて、澱粉重量に対して加える分解促進剤の量が多け
れば多いほど、低粘度化が進むと考えられる。過酸化水
素を用いてこの分解を行うときは、分解は温度、時間に
依存するところが少なく、専ら過酸化水素の添加量によ
つて、低粘度化の程度が決定されるので、好都合である
。カチオン澱粉は、添加した過酸化水素の量に応じて、
殆んど定量的に低粘度が進むと述べたが、それは、カチ
オン基の種類が異なるカチオン澱粉の間や、カチオン基
による置換度が異なるカチオン澱粉の間では、成り立ち
得ない。
例えば、カチオン基の種類が異なるカチオン澱粉の間で
は、同量の過酸化水素を加えても、低粘度化の程度は異
なつてくる。また、カチオン基が同一でも、カチオン基
による置換度が低いものでは、同程度の粘度の低下をも
たらすのに、より大量の過酸化水素が必要とされる。し
かし、カチオン基の種類が同一で、且つカチオン基によ
る置換度が等しいカチオン澱粉の間では、添加した過酸
化水素の量に応じて、殆んど定量的に低粘度化が進行す
る。このことは、低粘度化を行う上に甚だ有利である。
すなわち、予備実験によつて過酸化水素の添加量と得ら
れる低粘度化の関係を測定しておけば、これを基にして
所望の低粘度化を得るに必要な過酸化水素の量が知られ
、この量の添加により、所望の低粘度化物を得ることが
できる。過酸化水素の添加量は、澱粉1モル当り0,0
1ないし0,2モルの範囲内とするのが好都合である。
過酸化水素による低粘度化は、そのほかにも利点をもつ
ている。
それは、過酸化水素により低粘度化を行なつたあとは、
過酸化水素の残留物について、何等の顧慮を必要としな
いという点である。すなわち、過酸化水素の反応生成物
については、全く除去の必要がないという利点がある。
上に述べた第1発明の方法では、そこで生成したものが
カチオン澱粉であつて、そのカチオン澱粉が、アルカリ
触媒と少量の水及びアルコールとを含んでいる。
このアルカリが過酸化水素の活性化を促し、また水及び
アルコールが過酸化水素の分散を助けるから、結局、第
1発明で得た生成物は過酸化水素により、カチオン澱粉
の低粘度化を円滑且つ均等に進行させるに適している。
しかも、低粘度化は加えた過酸化水素の量に応じて、定
量的に進行する。この点で、第1発明の結果を利用する
第2発明の方法は、大きな利点を示している。なお、第
2発明の方法では、過酸化水素による分解を促進するた
めに、加温してもよい。加温は、40ないし100℃の
範囲とするのがよい。過酸化水素による反応時間は、厳
密に管理する必要がない。低粘度化は、通常30分乃至
24時間のうちに終了する。この反応は、撹拌機を備え
ているジヤケツト付きの耐圧容器内で行うことが望まし
い。低粘度化反応の終了後は、さきにカチオン反応の触
媒として用いたアルカリのほか、水とアルコールとがな
お残留している。
そこで、まず、アルカリを除くために、酸を用いて中和
する。次いで、全体を攪拌しながら減圧して吸引する。
すると、残留している水とアルコールとが揮散して、こ
こに乾燥した低粘度のカチオン澱粉が得られる。こうし
て得られた低粘度のカチオン澱粉は、着色の認められな
い均一な粉体であつて、水溶液での安定性もよく、すぐ
れた特性をもつ、良質のものである。次に実施例及び比
較例を挙げて、この発明方法をさらに具体的に説明する
。
但し、以下で単に部というのは、重量部の意味である。
また、実施例で得られたカチオン澱粉の水分含有率、P
Hl置換度、糊化開始温度、粘度等を示すが、それらの
測定方法は、特別の記載がない限り、下記のとおりであ
る。水分含有率 105℃の乾燥機中に入れ、恒量に達
した時点の減量を水分とする。
PH5重量%の懸濁液のPH値で、PHメーターにより
測定する。
置換度 窒素量の測定により求める。
すなわち70V/V%メチルアルコールで充分洗浄し、
乾燥後、ゲルタール分解し、水蒸気蒸留を行なう。
糊化開始温度 アミログラフイ一法により求める。
すなわち、ブラベンダ一型回転粘度計を用いて8W/V
%液のアミログラムより求める。
粘度 5重量?液又は10重量?液を96℃で糊化後、
30分間そのまま放置して、65℃とし、ブルツクフイ
ールド型回転粘度計を用いて、30rP111で測定し
たときの蝿実施例 1加熱媒体を循環し得るジヤケツト
を備えた、攪拌機つきの51容ステンレス製耐圧容器に
、とうもろこし澱粉1000部(水分含有率13,5%
)を入れて密封した。
次いで、反応容器内の空気を真空ポンプで排除し、その
後撹拌しながら、15重量%の水酸化ナトリウムのメチ
ルアルコール溶液110部をバルブから注入した。さら
に攪拌を続けながら、これに3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの50重
量%水溶液80部を加え、ジヤケツトから加熱して、内
温を65℃とし、4時間反応させた。その後、真空ポン
プを用いて容器内を減圧にし、次いで中和のために90
重量%醋酸13.3部を噴霧し、15分間中和のために
攪拌した。その後、また真空ポンプで容器内を減圧にし
、内温を80℃に上昇させ、水とアルコールとを除去し
、乾燥した。得られたものは、均一な粉末状のカチオン
澱粉であつた。このカチオン澱粉は12.5重量%の水
分を含み、PHが6.5で、置換度0.029、糊化開
始温度が64℃で、65℃における5%の濃度での粘度
が6200cpsで、良好なものであつた。
実施例 2 実施例1と同一のとうもろこし澱粉1000部を実施例
1と同一の容器に入れ、容器内の空気を排除した。
その後2−エチルヘキサノール150部を注入し、撹拌
しながら、固体状の水酸化ナトリウム48部を入れ、引
続き3−クロロ−2−ヒ ニドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライドの50重量%水溶液300部
を注入し、ジヤケツトから加熱して内温を65℃とし、
5時間カチオン化反応を行なつた。反応後、90重量%
醋酸26.7部を注入し、引 5続き実施例1と同様に
乾燥した。
得られた製品は、均一な粉末状のカチオン澱粉であり、
全製品が100メツシユの篩を通過した。このカチオン
澱粉は、13.0重量?の水分を含み、PHが6.5で
、置換度0。
114、糊化開始温度 5が34℃で、65゜Cにおけ
る5%の濃度での粘度が2200cpsで、良好なもの
であつた。
比較例 1この比較例では、ただ2−エチルヘキサノー
ルを用いない点が異なるだけで、それ以外は実施例 1
2と全く同様に処理した。
その結果得られたカチオン澱粉は、13.0重量?の水
分を含み、PHが6.5で、置換度が0.085、糊化
開始温度が38℃で、65℃における5%濃度での粘度
が1520cpsであつた。
この比較例で得られたカチオン澱粉は、実施例2で得ら
れたものに比べると、置換度が低く、糊化開始温度が高
くなつている。これは反応が進んでいないことを示して
いる。また、このカチオン澱粉1009を100メツシ
ユの篩にかけたところ、21.29が篩を通過しないで
残つた一.そこで、篩を通過したものと通過しなかつた
ものとに分けてそれぞれの性質を調べたところ、通過し
たものは、PHが60、置換度が0,098で、粒子が
均一であつたが、通過しなかつたものは、PHが11.
9、置換度が0.020で、粒子は膨潤し顆粒状であつ
て、製品が均一でないことを認めた。実施例 3 実施例1と同一の容器に馬鈴薯澱粉(水分含有率14.
5%)1000部を入れ、密閉し、排気した。
その後、容器内を攪拌しながら、水酸化ナトリウムの5
0重量?水溶液33部をイソプロピルアルコール50部
で稀釈した、アルコール系水酸化ナトリウム水溶液を注
入し、引続いて、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライドの50重量%水溶液
80部を注入し、撹拌しつづけた。
そのとき、ジヤケツトにより加熱し、内温を60℃とし
、5時間カチオン化反応を行なつた。反応後、90重量
%の醋酸13,8部を注入して、中和を行ない、その後
は実施例1と同様にして乾燥し、カチオン澱粉を得た。
得られたカチオン澱粉は着色の認められない均一な粉末
であつた。
このカチオン澱粉は14.0%の水分を含み、PHが6
.5で、置換度0,034を示し、糊化開始温度が53
゜Cで、5%の濃度で65゜Cにおける粘度が3600
cpsであつた。実施例 4実施例1と同一の容器に、
置換度0.05のヒドロキシプロピル化とうもろこし澱
粉(水分含有率12.5%)1000部を入れ、密封し
、排気した。
容器内を撹拌しながら、水酸化ナトリウムの50重量?
水溶液45部を、イソブチルアルコール80部で稀釈し
たアルコール系水酸化ナトリウム水溶液を注入した。引
続いて、3−クロロ−2一ヒドロキシプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライドの50重量70水溶液100
部を注入し、撹拌を続けた。そのとき、ジヤケツトによ
り加熱し、容器の内温を65゜Cに保ち、4時間30分
カチオン反応を行なつた。反応終了後、90重量%の醋
酸20部を注入して中和を行ない、次いで実施例1と同
様に乾燥を行ない、カチオン澱粉を得た。
得られたカチオン澱粉は、着色のない均一な粉末であつ
た。
このカチオン澱粉は、13,5%の水分を含み、6.5
のPHを示し、置換度が0.039で、糊化開始温度が
45℃であり、5%,65℃での粘度が5400cps
であつた。実施例 5 実施例1と同一の容器に、とうもろこし澱粉(水分含有
率13.570)1000部を密封し、排気した。
容器内を攪拌しながら、水酸化ナトリウムの50重量%
の水溶液72部を、メチルアルコール72部で稀釈した
アルコール系水酸化ナトリウム水溶液を注入した。
引続いて、2−ジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩
50部を、メチルアルコール50部に溶解した溶液を注
入し、撹拌を続けた。そのとき、ジヤケツトより加熱し
、容器の内温を60℃に維持し、5時間カチオン反応を
行なつた。反応終了後、90重量?の醋酸26.7を注
入して、中和を行ない、次いで内温を8『Cにし、真空
ポンプで容器内の水とアルコールとを吸引除去し、乾燥
してカチオン澱粉を得た。
得られたカチオン澱粉は、着色のない均一な粉末であつ
た。
このカチオン澱粉は、12,0%の水分を含み、6.5
のPHを示し、置換基が0.032で、糊化開始温度が
66℃であり、5%,65゜Cでの粘度が6700cp
sであつた。実施例 6 この実施例では、実施例3の記載どおりにカチオン化反
応を行ない、引続いて、過酸化水素による低粘度化反応
を行なつた。
実施例3のとおりにカチオン化反応を行なつたのち、醋
酸で中和する前に、真空ポンプを用いて容器内を減圧に
し、35重量%の過酸化水素を噴霧した。
その後温度を65℃に維持したが、過酸化水素の添加量
と反応時間とを変えて、下記4バツチ、6A,6B,6
C及び6Dの実験を行なつた。それぞれの反応条件を表
にして示すと、下記第1表のとおりである。低粘度化反
応終了後、90重量%の醋酸13.3部を噴霧して、中
和を行ない、低粘度化反応を終了させた。
その後、内温を80℃に上昇させ、真空ポンプにより吸
引して、水とアルコールを除去し、乾燥した。反応生成
物は着色のない均一な粉末であつた。この粉末について
、濃度10%、温度65℃で30rpmにおける粘度を
測定したところ、その粘度は、6Aないし6Dの場合に
おいて、それぞれ、3150,540,210,85c
psであつた。実施例 7 この実施例は、とうもろこし澱粉を原料としてカチオン
化反応を行なつた。
実施例1,2,4及び5のそれぞれの場合において、醋
酸で中和することなく、引続いて、過酸化水素により低
粘度化反応を行なつた。過酸化水素としては、35%濃
度のものを用い、過酸化水素15部を加えて、カナオン
化反応と同温度で2時間低粘度化反応を行ない、それぞ
れのバツチを7A,7B,7C及び7Dとした。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルカリ及び少量の水の存在下で澱粉をカチオン化
    剤と反応させ、カチオン澱粉を製造する方法において、
    澱粉にアルカリを加えると同時又はそれ以前に、炭素数
    が1ないし10の脂肪族一価アルコールを加え、澱粉に
    対するアルコールと水との存在量をそれぞれ4−85重
    量%及び5−35重量%とし、かつ水とアルコールとの
    合計量を9−90重量%として、この状態の下で澱粉を
    カチオン化剤と反応させることを特徴とする、カチオン
    澱粉の製造方法。 2 アルカリと少量の水との存在下で澱粉をカチオン化
    剤と反応させ、カチオン澱粉を製造する方法において、
    澱粉にアルカリを加えると同時又はそれ以前に、炭素数
    が1ないし10の脂肪族アルコールを加え、澱粉に対し
    アルコールと水との存在量をそれぞれ4−85重量%及
    び5−35重量%とし、かつ水とアルコールとの合計量
    を9−90重量%として、カチオン化剤との反応を行わ
    せ、次いで過酸化水素を加えて反応させることを特徴と
    するカチオン澱粉の製造方法。
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