JPS6145087B2 - - Google Patents

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JPS6145087B2
JPS6145087B2 JP52045834A JP4583477A JPS6145087B2 JP S6145087 B2 JPS6145087 B2 JP S6145087B2 JP 52045834 A JP52045834 A JP 52045834A JP 4583477 A JP4583477 A JP 4583477A JP S6145087 B2 JPS6145087 B2 JP S6145087B2
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JP
Japan
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brake
clutch
plate
friction
surface roughness
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JP52045834A
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English (en)
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JPS53131351A (en
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Kuniaki Kubokura
Jun Matsubayashi
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Publication date
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Priority to JP4583477A priority Critical patent/JPS53131351A/ja
Publication of JPS53131351A publication Critical patent/JPS53131351A/ja
Publication of JPS6145087B2 publication Critical patent/JPS6145087B2/ja
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電磁クラツチ・ブレーキ装置に係
り、電磁クラツチ・ブレーキ付モートルに用いら
れる電磁クラツチ・ブレーキ装置におけるクラツ
チ摩擦板あるいはブレーキ摩擦板を、可撓性で内
部に空孔を有する表面粗さを適切に規整したコル
クに、特定の油を含浸せしめるとともに、この含
浸油と同種の油と、その粒子径が適切に選択規整
された固体潤滑剤とを混合したグリースを表面に
塗布したコルク材により構成せしめ、また、その
クラツチ板あるいはブレーキ板に係る金属材を炭
素鋼とするとともに、その摩擦面の面粗さを適切
に選択規整した電磁クラツチ・ブレーキ装置に関
するものである。
〔従来の技術〕
従来の電磁クラツチ・ブレーキ装置における摩
擦板は、全くの乾式摩擦、又は完全に油中使用の
湿式摩擦、あるいは、まれに油浸のみのものであ
つた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
一般の摩擦クラツチ・ブレーキ装置におけるク
ラツチ・ブレーキ摩擦板は、その摩擦率は、1〜
4×10-7cm3/Kgm程度であり、一般的に、面の仕
事量、すなわち面での消費エネルギーになつて直
線的に摩耗し、摩擦板の摩耗により仕事が一次側
より二次側に伝達されていくものである。
しかし、このように、摩擦板が、面での仕事量
の累積によつて直線的に摩耗していくのでは、機
械として不具合のものである。それは、クラツチ
側もブレーキ側もともに、磁気吸引面、磁束路と
摩擦面とが構造的に一体化しており、磁気吸引ギ
ヤツプと摩擦面ギヤツプとが独立して動作方向に
寸法調整できない構造で、しかも、摩擦面がトル
ク伝達するために圧接されるとき、磁気吸引面の
金属同士の面が接触しないように設計される機械
においては、一般摩擦板より飛躍的に長い寿命が
要求される。
このような機械、すなわち電磁クラツチ・ブレ
ーキ付モートル(後述の第1図参照)は、例えば
工業用ミシンの駆動モートルとして用いられる場
合、モートル出力として400〜500Wとなり、その
モートルの市場性から考え、摩擦板は、二年以上
寿命を要求されるのが一般である。これを、一日
一万回前後、始動、停止するミシンの縫製作業の
仕事量から逆算すると、摩擦板の摩耗率は、0.3
×10-7cm3/Kgより優れていることが必要となる。
また、縫製作業の市場要求としては、電磁クラ
ツチ・ブレーキ装置の動作音、摩擦板の温度上昇
時の臭気、摩擦板と相手部材であるクラツチ板あ
るいはブレーキ板とによるクラツチ、ブレーキ動
作時に発生する鳴き音などは、特に上記モートル
の商品価値を低下させるものである。
更に、縫製ミシンの駆動用の電磁クラツチ・ブ
レーキ装置付モートルは、クラツチ、ブレーキコ
イルの励磁に制御器をつけて、無段変速あるいは
プログラム速度制御を行うものであり、摩擦板が
摩耗すると、クラツチ、ブレーキ動作において、
初期設定の加減速特性に狂いを生じ、円滑な無段
変速あるいはプログラム速度制御が達成できなく
なる。
これらの摩擦板に係る摩擦材についての長寿命
要求、その他の特性要求を満たす摩擦材は、アス
ベストなどを用いた有機摩擦材や焼結材を用いた
無機摩擦材には見られない。それは、乾燥摩擦に
おいては限界があるためである。そのため、摩擦
面を積極的に、境界摩擦、流体摩擦の方向にもつ
ていくことが必要である。いわゆる、湿式摩擦ク
ラツチ・ブレーキの方向に進む必要がある。
ところが、このように湿式にするためには、構
造的に複雑となり、生産性に欠けるものである。
すなわち、完全に潤滑油などの油中使用の湿式
摩擦クラツチ・ブレーキに係るものにおいては、
上記の乾式のものより、その寿命を長くしうるこ
とが予想されるものの、これは完全に電磁クラツ
チ・ブレーキ装置を油中で作動せしめる構成が困
難で、油を滴下する態様の構成によるものであ
り、その構造が非常に複雑となつて、製作コスト
も高くなるものである。
本発明は、このような従来技術に係るものの欠
点を解消するもので、摩擦板として、可撓性で内
部に空孔を有する表面粗さを適切に規整したコル
クに、特定の油を含浸せしめるとともに、この含
浸油と同種の油と、特定粒子径分布の固体潤滑剤
とを混合したグリースを表面に塗布したコルク材
により構成せしめ、また、そのクラツチ板あるい
はブレーキ板に係る金属材を特定の面粗さとした
炭素鋼を使用するようにして、その製作が容易
で、クラツチ摩擦板あるいはブレーキ摩擦板、ク
ラツチ板あるいはブレーキ板の長寿命化を実現す
るとともに、クラツチ、ブレーキ時の動作音、臭
気、鳴き音などの減少を図り、使用者の使い勝手
を向上させ、しかも長寿命とすることができる電
磁クラツチ・ブレーキ装置の提供を、その目的と
するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための、本発明に係る電
磁クラツチ・ブレーキ装置の構成は、モートルの
軸に取付けられたフライホイールに取着されたク
ラツチ板と、モートルのフレームに固定されたブ
レーキ板との間に、前記クラツチ板へ対向するク
ラツチ摩擦板を設けたクラツチアーマチユアと前
記ブレーキ板へ対向するブレーキ摩擦板を設けた
ブレーキアーマチユアとを、出力軸と一体となつ
たスプラインに移動自在に併置し、また上記クラ
ツチ板とブレーキ板との外周側には、クラツチコ
イルとブレーキコイルを内蔵したヨークを配置せ
しめるように構成し、上記クラツチコイルへの通
電による磁束によりクラツチ板へ移動吸引される
クラツチアーマチユアのクラツチ摩擦板によりフ
ライホイールを介してモートルの回転を出力側に
伝達し、またブレーキコイルへの通電によりブレ
ーキ板へ移動吸引されるブレーキアーマチユアの
ブレーキ摩擦板により出力軸にブレーキをかける
ようにした電磁クラツチ・ブレーキ装置におい
て、上記のクラツチ摩擦板あるいはブレーキ摩擦
板を、可撓性で内部に空孔を有する表面粗さ3〜
50μに規整したコルクに、パラフイン系鉱油を含
浸せしめるとともに、この含浸油と同種の油と、
その粒子径の分布における50%以上が3μ以下に
規整された粒子を含む固体潤滑剤との混合からな
るグリースを表面に塗布したコルク材により構成
せしめ、また上記のクラツチ板あるいはブレーキ
板に係る金属材を炭素鋼とし、その摩擦面の面粗
さを0.5〜3μの範囲のものとしたものである。
〔作 用〕
さきの問題点の解決策として、完全湿式ではな
いが、乾式摩擦方式の摩擦面に第3の物質を積極
的に介在させ、外観構造上は乾式摩擦構造同様に
して生産性の良い機構とする方式の研究が進めら
れてきた。その結果、摩擦材として、アスベスト
やモールド材、あるいは焼結材のように一般に用
いられている硬い材料を用いるのではなく、コル
クや不織布など、内部に空孔をもち、油など液体
の含浸可能な可撓性を有する材料が有効であると
いうことが解明された。
つまり、これらの材料は、何の処理もなく乾式
として用いた場合は、摩耗率は、5〜15×10-7
cm3/Kgで、前述の一般材に比し、摩耗がはげしく
実用性は少ないが、含浸可能な性質を利用し、不
揮発性の鉱油やシリコーン系油を含浸し、これら
の油性分と、グラフアイトやモリブデンなどの固
体潤滑剤を混合したグリースを摩擦材表面に塗布
し、摩擦面の第3の物質とすることにより、摩耗
率は飛躍的に改善できるものである。
そして、また、上記構成により、その製作が容
易で、高摩擦係数を確保できると同時に、コルク
表面に塗布するグリースとして、含浸油と同種の
油を混合使用したことにより、親和性が向上し、
長期にわたつて、飛散、剥離がなく、長年月にわ
たつて、所期する性能を維持できるクラツチ摩擦
板あるいはブレーキ摩擦板や、クラツチ板あるい
はブレーキ板の長寿命化を実現するとともに、ク
ラツチ、ブレーキ時の動作音、臭気、鳴き音など
の減少を図つた電磁クラツチ・ブレーキ装置が得
られるものである。
〔実施例〕
本発明の実施例を、各図を参照して説明する すなわち、第1図は、本発明の一実施例に係る
電磁クラツチ・ブレーキ装置を施した電磁クラツ
チ・ブレーキ付モートルの上半部を示す一部省略
縦断面図である。
図で、1は、モートル軸、2は、フライホイー
ル、3は、クラツチ板、4は、出力軸、5は、ス
プライン、6は、クラツチアーマチユアであり、
7は、クラツチ摩擦板、8は、クラツチ摩擦面で
ある。また、9は、ブレーキアーマチユア、10
は、ブレーキ摩擦板、11は、ブレーキ摩擦面、
12は、ブレーキ板である。なお、13は、ヨー
ク、14,15は、クラツチコイル及びブレーキ
コイルであり、16,17は、クラツチ磁束、ブ
レーキ磁束を示し、19は、磁気吸引面である。
すなわち、モートル軸1に取付けられたフライ
ホイール2に取着されたクラツチ板3と、モート
ルのフレーム(図示せず)に固定されたブレーキ
板12との間に、前記クラツチ板3へ対向するク
ラツチ摩擦板7を設けたクラツチアーマチユア6
と前記ブレーキ板12へ対向するブレーキ摩擦板
10を設けたブレーキアーマチユア9とを、出力
軸4と一体となつたスプライン5に移動自在に併
置し、また上記クラツチ板3とブレーキ板12と
の外周側には、クラツチコイル14とブレーキコ
イル15を内蔵したヨーク13を配置せしめるよ
うに構成したものである。
そして、上記構成によつて、クラツチコイル1
4への通電によるクラツチ磁束16により、出力
軸4のスプライン5に沿つて移動し吸引されるク
ラツチアーマチユア6に設けた、クラツチ摩擦面
8を有するクラツチ摩擦板7とクラツチ板3とに
より、モートル軸1に設けられたフライホイール
2を介し、モートルの回転を出力軸4に伝達する
ようにし、同じくブレーキコイル15への通電に
よるブレーキ磁束17により、出力軸4のスプラ
イン5に沿つて移動し吸引されるブレーキアーマ
チユア9に設けた、ブレーキ摩擦面11を有する
ブレーキ摩擦板10と固定のブレーキ板12とに
より、出力軸4にブレーキをかけるようにしたも
のである。
そして、上記のクラツチ摩擦板7あるいはブレ
ーキ摩擦板10に係る摩擦材として、さきにも述
べたように可撓性で内部に空孔を有する表面粗さ
3〜50μに規整したコルクに、下記の油を含浸せ
しめるとともに、この含浸油と同種の油と、その
粒子径の分布における50%以上が3μ以下に規整
された粒子を含む固体潤滑剤との混合からなるグ
リースを表面に塗布したコルク材を用いるように
したものであり、上記の含浸油をパラフイン系鉱
油とし、固体潤滑剤を、たとえばクラフアイトと
したものである。
また、クラツチ摩擦板7あるいはブレーキ摩擦
板10の相手金属であるクラツチ板3あるいはブ
レーキ板12に係る金属材を、その摩擦面の面粗
さが0.5〜3μの範囲の炭素鋼としたものであ
る。
これは、実加工上問題のない程度の面粗さで、
かつ、耐摩耗性、摩擦係数を維持できるコルクの
相手としてのクラツチ板あるいはブレーキ板の材
料、面粗さを規定したものであり、その粗面さ
0.5〜3μが適していることについては、第4〜
6図に示す実験結果により後述する。
また、上記の摩擦板に係るコルクの可撓性は、
通常のコルクが尋常に有する可撓性、すなわち
JISシヨア硬度50〜100程度そのままのものであつ
て、これに比較して硬いアスベストなどより衝突
時の動作音を小さくすることが所期できるもので
あり、さらに、その表面粗さ3〜50μというの
は、コルクの通常の面粗さ加工研磨の実用的な両
限界を、そのまま、表面粗さの範囲としたもので
ある。
上記において、クラツチ摩擦板7あるいはブレ
ーキ摩擦板10に係る摩擦材であるコルクそのも
のに、外部よりパラフイン系鉱油に係る潤滑油な
どを含浸させ、また、その潤滑油と同種の潤滑油
と固体潤滑剤とを混合したグリースを表面に塗布
したことにより良好な摩耗形態を取りうるもの
で、上記で同種の潤滑油を使用しなければ、内部
の含浸油と表面グリースとの親和性が希薄とな
り、使用後、すぐに飛散、剥離を生じ、所期の目
的を達成しえないものである。
次に、これらの構成を採用した点について、詳
細に説明する。
ここで、第2図は、実験結果による、クラツチ
摩擦板、ブレーキ摩擦板などの摩擦板摩耗量
(%)と電磁クラツチ・ブレーキ装置に係る装置
動作回数(%)との関係を示す摩擦板摩耗特性説
明図であるが、公知の技術に属する従来材料のも
ので、上記乾式摩擦クラツチ・ブレーキに係るも
のにおいては、図中のAの破線に示すように、動
作の回数の累積により、摩耗量が直線的に摩耗
し、短期のうちに電磁クラツチ・ブレーキ装置の
寿命がくるものである。すなわち、b1領域(初期
寸法圧縮)がそのまま延長して、摩滅にいたるこ
とを説明しており、所期設定寿命(100%)に対
し、短期間で摩耗するものである。
しかも、さきに述べた如く、磁気吸引ギヤツプ
は、摩擦板の摩耗により大きく変化し、変速制御
特性が狂つてくる欠点があるものである。
これに反し、実線Bは、発明者らが求める理想
の摩耗状態を示すものである。
上記に係るもののように、積極的に、コルクに
含浸油や表面塗布剤などの第3の物質を介在させ
た場合は、b1領域から、b2領域(寸法安定期間)
に移行し、長期間の運転に対して、含浸油、表面
塗布のグリースにより摩擦板の摩擦面を保護しつ
つ動力伝達を行う。その後、含浸油、グリースの
消滅に伴つて、前述の従来材料(乾式タイプ)と
同様の摩耗形態となり、所期設定寿命を満足する
摩擦板の摩耗量変化を示すものである。
なお、図中Bの線で示す如く、先ず動作回数の
少ない範囲の初期においては、b1の如く、摩擦板
摩耗が測定されるが、これは実質的には、コルク
材料の寸法圧縮であり、摩耗ではない。そして、
材料の圧縮が一段落すると、第3の物質の飛散、
摩滅のない限り、摩擦板の寸法変化は、ほとんど
零になり、図中、b2で示すようになる。
その長寿命は、前述したコルクへの含浸油の量
や質、そのしみ出し具合、及び表面塗布のグリー
スの質、量、相手金属、その他、環境、負荷条件
などに左右されるが、結果的には、含浸油の全消
費と表面塗布剤の飛散、摩滅により、すなわち第
3の物質の消滅によることを含んで、コルクの摩
擦素材と相手金属との直接摩擦が始まり、図中の
b3で示す如く、直線的に摩耗が始まる点で終る。
なお、上記の装置動作回数(%)というのは、
動作回数の相対比較を意味するものであり、100
%を例えば結果的な装置の寿命とすれば、それに
いたる途中では摩耗が極端に少ないということを
説明例示するものである。
このような寿命特性においては、図中の線Bに
沿うb1,b2の範囲では、磁気吸引のギヤツプは、
ほとんど一定で安定した変速特性が得られ、その
摩擦板の摩擦率も、実機使用において、0.3×
10-7cm3/Kgm、あるいは、それより優れた数値を
得ることができ、その目的とする用途に適するも
のである。
以上から、上記のb2領域をいかに長くするかが
重要なことであり、この要因としては、グリース
中の固体潤滑剤の粒子径と摩擦板と係合する相手
金属面の面粗さである。
しかして、このような、最も、その目的とする
ところに適する固体潤滑剤の粒子径、及び相手金
属面の面粗さ範囲の存在することが実験的に把握
できたものである。
すなわち、第3図は、二硫化モリブデン、テフ
ロン、グラフアイトなどの固体潤滑剤の粒子の径
の分布を示す例示であつて、この例では、粒子の
80%以上が1μ以下の粒子径をもつものである。
このような粒子径分布をもつグラフアイトを前
述の固体潤滑剤とし、前述の油としてパラフイン
系鉱油を用いて、コルク摩擦材を処理したときの
動摩擦係数の例を第4図に示す。この第4図の横
軸は、相手摩擦面として、炭素鋼を用いたときの
炭素鋼の表面粗さを示すものである。この実験に
よると、相手金属の面が、0.3μになると摩擦係
数が低下していることが判る。
すなわち、第3図に例示の固体潤滑剤をパラフ
イン系鉱油と混合し、乾式摩擦板に塗布処理した
湿式摩擦板の摩擦系数を相手金属面との表面粗さ
の関係を第4図に示しているものであり、ここ
で、相手金属が0.3μ以下の面粗さの場合、摩擦
係数が低下するという、重要ポイントを示してい
るものである。
一般に、硬い材料同士の摩擦においては、面粗
さというのがさほど摩擦係数に影響しないという
ことが、例えば「動摩擦の変動と表面あらさとの
相関関係」(阿部ほか、精密機械学会誌 第37巻
第2号 1971年2月)などに記述の如く公知とな
つている。
しかし、前述の如く、コルクに油を含浸し、表
面塗布剤を塗布した摩擦材においては、仕上げの
過ぎた鏡面は摩擦特性を低下させていることにな
る。
いわゆる摩擦力の発生は、衆知の如く、面の凹
凸の掘起しメカニズムと、接触面の材料同士の凝
着メカニズムによるといわれている。そして、摩
耗は、上記二つのメカニズムによる材料の破壊、
離脱によるものである。
炭素、それも黒鉛の形をとつているものは、公
知の如く、結晶質固体であり、炭素原子からだけ
からなる六角環網状平面が積層していて、層間の
結合力が弱く、剪断力を受けると、ここに、すべ
り又は、はがれが生じて、鱗片状になり易い性質
を有している。そして化学的にも、きわめて安定
した物質で耐熱性も高い。二硫化モリブデン、テ
フロンも、これと大同小異の性質をもつ物質であ
る。
これらの物質は、公知の如く、固体潤滑剤とし
て用いられるが、本発明に係る摩擦材について
は、その潤滑性により長寿命化に寄与させる一
方、コルク特有の高摩擦係数特性を損なわないと
いう相反する事項の両存の上に成り立つている。
この場合は、油は、粉状の固体潤滑剤の保持で
あり、コルク面への強固な付着に寄与し、そのた
め、油の消費は、固体潤滑剤の粉状への復元、離
散にいたり、ひいては、第2図での説明のよう
に、摩擦材の直線的な摩耗に移行するわけであ
る。
さて、このような摩擦面において、第4図に示
すように、相手金属面の面粗さが小さいと、摩擦
係数が低下するのは、摩擦力発生のメカニズムの
堀起し、凝着に関係し、これらは、コルクの面粗
さ、油と、固体潤滑剤の存在に左右されるものと
考えられる。
これに関連した実験結果として、第5,6図に
示すところを説明する。
第5図は、第2図に関連して述べた前述条件の
もとで、一定時間、摩擦運転した後のコルクの面
粗さを示すものであり、試験前の面粗さを55μと
している。コルクの平均面粗さが、この値を大幅
に越えると、コルク粒子の剥離現象が起こり、寿
命が短かくなることを示している。
すなわち、第5図は、何ら摩擦面に処理を施し
ていない乾式摩擦材と相手金属との運転試験を行
い、初期55μあつた乾式摩擦材(コルク)の面粗
さが、運転後、どのように変化したかを示すもの
である。相手金属の面粗さが小さい場合(0〜3
μの金属面粗さ領域)では、コルク面粗さは、42
〜32μで初期55μの面粗さに近く、相手金属の面
粗さが大きい場合(3μ以上)では、コルク初期
の面粗さ55μが20〜10μと初期に比較して大きく
変化している。つまり、これは、相手金属の面粗
さが大きい場合、乾式摩擦板(コルク)の表面を
研削し、コルクと金属面の面粗さが近くなつてお
り、また相手金属面の面粗さが小さいと、相手コ
ルク面を研削する割合が小さいことを示してい
る。換言すれば、相手金属面の面粗さが3μ以下
の領域では、コルク摩耗が生じにくいことを示し
ている。この第5図によれば、その横軸に示す相
手金属面の面粗さが小さい程、コルク面は試験前
の面粗さに近い。すなわち、コルク面が、相手金
属の面によつて研削されていないことが判る。
第4図と第5図との結果から思考すると、摩擦
係数を保持して、かつ、コルク摩耗の少ない金属
面粗さ範囲の存在することが判る。
次に、第6図は、第4図、5図で説明したよう
な条件下で、更に、グラフアイト粒子径の分布を
変えて、コルク材の摩耗率を試験した結果を示す
ものである。
すなわち、第6図は、横軸に相手金属面の面粗
さを取り、縦軸に摩耗率(摩耗量を単位仕事量で
割つた値)を示したもので、パラメータとして、
乾式摩擦材に塗布する固体潤滑剤の粒子径であ
る。すなわち、第3図で示す粒子の分布が、50%
以上の粒子径1μ以下、3μ以下、5μ以下の
P,Q,Rの材料について、データを示してあ
る。図より明らかなように、Pの材料の(固体潤
滑剤1μ以下の粒子径が50%以上の分布のもの)
が最も摩耗が小さくP,Q,Rと順次大きくなつ
ている。また、相手金属の表面粗さが、2μを越
えた付近まで、P,Q,Rとも摩耗率は一定であ
るが、それ以上の面粗さでは、摩耗率が急激に上
昇している。
つまり、粒子径が大きい程、摩耗率が高くなる
が、相手金属面の面粗さが大きくなると、その差
違がなくなり、いずれも摩耗が大きくなることを
示している。また、図示していないが、グラフア
イトの粒子径が大きくなつても、第4図に示すよ
うな低い表面粗さで、摩擦係数が低下する特性は
同様であつた。
また、グラフアイト以外の二硫化モリブデン、
テフロンの固体潤滑剤の試験結果も大同小異で、
第4〜6図のような同様な特性をもつている。
以上の第1〜6図の実験結果に対して、下記の
結論が得られるものである。
(1) 相手金属面の面粗さが、0.3μ以下の場合、
摩擦係数が低下し、変速特性等に支障をきた
す。
(2) 相手金属の面粗さが、2μ以上なら、表面処
理した摩擦材の摩耗率は高くなる。
これら(1)〜(2)から、0.3μ〜2μであるが、量
産性を加味して、0.5μ〜3μが相手金属面の面
粗さとして、適切である。
(3) また、固体潤滑剤の粒子径としては、1μ以
下のものが最適であるが、3μ以下が50%以上
のもの(第6図のQ以下)であれば、相手金属
面の面粗さとも適合し、5μのもの(第6図の
R)では、摩耗率が、3μに比較して2倍と大
きくなる。3μ程度(以下)なら、量産性も確
保できる。
(4) また、相手金属が3μ以下であれば、仮に何
ら表面処理を施していないコルクでも摩耗は少
ないものである。そして、コルクの表面粗さ
は、コルクの通常の面粗さ加工研磨の実用的な
両限界である3〜50μを、そのまま、その範囲
とするものである。
以上述べたように、本発明に係るものでは、幾
多の実験により最適規整条件を求めたものであ
り、全ての規整条件の相互作用により、はじめて
性能の高い装置を提供しうるようにしたものであ
る。
すなわち、前記により、クラツチ摩擦板あるい
はブレーキ摩擦板を、可撓性で内部に空孔を有す
る表面粗さ3〜50μのコルクに、パラフイン系鉱
油を含浸せしめるとともに、この含浸油と同種の
油と、その粒子径の分布における50%以上が3μ
以下に規整された粒子を含む固体潤滑剤との混合
からなるグリースを表面に塗布したコルク材によ
り構成せしめ、またクラツチ板あるいはブレーキ
板に係る金属材を炭素鋼とし、その摩擦面の面粗
さを0.5〜3μの範囲のものとしたものである。
以上により、さきの第2図Bに示すごとき特性
のものが得られ、また、その製作が容易で、高摩
擦係数を確保できると同時に、コルク表面に塗布
するグリースとして、含浸油と同種の油を混合使
用したことにより、親和性が向上し、長期にわた
り、飛散、剥離がなく、長年月にわたつて、所期
する性能を維持できるクラツチ摩擦板あるいはブ
レーキ摩擦板や、クラツチ板あるいはブレーキ板
の長寿命化を実現するとともに、クラツチ、ブレ
ーキ時の動作音、臭気、鳴き音などの減少を図つ
た電磁クラツチ・ブレーキ装置が得られるもので
ある。
〔発明の効果〕
以上に述べた点をも総合して、本発明によると
きは、高性能を有する摩擦材、加えて、これと不
可分的に奏効する相手金属材とよりなる電磁クラ
ツチ・ブレーキ装置の提供を可能としたものであ
つて、新しい知見、新しい技術思想に基づく、優
れた効果を奏する卓越した発明ということができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を施した電磁クラ
ツチ・ブレーキ付モートルの一部省略縦断面図、
第2図は、摩擦板摩耗特性説明図、第3図は、固
体潤滑剤の粒子径分布説明図、第4,5,6図
は、それぞれ、表面粗さと摩擦係数、表面粗さと
ライニング表面粗さ、表面粗さと摩耗率、との実
験結果曲線図である。 3……クラツチ板、6……クラツチアーマチユ
ア、7……クラツチ摩擦板、9……ブレーキアー
マチユア、10……ブレーキ摩擦板、12……ブ
レーキ板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 モートルの軸に取付けられたフライホイール
    に取着されたクラツチ板と、モートルのフレーム
    に固定されたブレーキ板との間に、前記クラツチ
    板へ対向するクラツチ摩擦板を設けたクラツチア
    ーマチユアと前記ブレーキ板へ対向するブレーキ
    摩擦板を設けたブレーキアーマチユアとを、出力
    軸と一体となつたスプラインに移動自在に併置
    し、また上記クラツチ板とブレーキ板との外周側
    には、クラツチコイルとブレーキコイルを内蔵し
    たヨークを配置せしめるように構成し、上記クラ
    ツチコイルへの通電による磁束によりクラツチ板
    へ移動吸引されるクラツチアーマチユアのクラツ
    チ摩擦板によりフライホイールを介してモートル
    の回転を出力軸に伝達し、またブレーキコイルへ
    の通電によりブレーキ板へ移動吸引されるブレー
    キアーマチユアのブレーキ摩擦板により出力軸に
    ブレーキをかけるようにした電磁クラツチ・ブレ
    ーキ装置において、上記のブレーキ摩擦板あるい
    はブレーキ摩擦板を、可撓性で内部に空孔を有す
    る表面粗さ3〜50μに規整したコルクに、パラフ
    イン系鉱油を含浸せしめるとともに、この含浸油
    と同種の油と、その粒子径の分布における50%以
    上が3μ以下に規整された粒子を含む固体潤滑剤
    との混合からなるグリースを表面に塗布したコル
    ク材により構成せしめ、また上記のクラツチ板あ
    るいはブレーキ板に係る金属材を炭素鋼とし、そ
    の摩擦面の面粗さを0.5〜3μの範囲のものとし
    たことを特徴とする電磁クラツチ・ブレーキ装
    置。
JP4583477A 1977-04-22 1977-04-22 Electromagnetic clutch brake Granted JPS53131351A (en)

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