JPS6145687B2 - - Google Patents
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- JPS6145687B2 JPS6145687B2 JP12165581A JP12165581A JPS6145687B2 JP S6145687 B2 JPS6145687 B2 JP S6145687B2 JP 12165581 A JP12165581 A JP 12165581A JP 12165581 A JP12165581 A JP 12165581A JP S6145687 B2 JPS6145687 B2 JP S6145687B2
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- less
- cooling
- cooling rate
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
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- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は延性および耐2次加工脆性の良好な低
降伏比高張力鋼板の製造方法に係り、特に引張強
さ50Kg/mm以上の高張力鋼板のコストが低廉な製
造方法に関する。 近年、自動車の安全性や軽量化の観点からバン
パーやドアーガードバーなどの強度部材に引張強
さ50Kg/mm2以上の高張力薄鋼板が多用されつつ
ある。このような用途に適用される材料の特性と
して引張強さが高いと同時に延性が良好で更に車
体の組立時あるいは組立後にはスポツト溶接性お
よび耐2次加工脆性が良好であることが要求され
る。最近フエライトとマルテンサイトを主とする
低温変態生成物から成る混合組織鋼板がこのよう
な要求を満足する鋼板として多く使用されてい
る。しかし従来の混合組織鋼板で強度を高めるに
はMn、Si、Nb、Tiなどの元素を多量添加する必
要があり、その結果コストの上昇をもたらし、ま
たMnやSiなどの多量添加は連続焼鈍中に表面酸
化を起こし易くスポツト溶接性や耐2次加工性を
劣化させる問題があつた。したがつて従来は延
性、スポツト溶接性、耐2次加工脆性がすぐれた
高張力鋼板を低いコストで製造することは困難で
あつた。 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消
し、製造コストが低廉な延性および耐2次加工脆
性の良好な低降伏比高張力鋼板の製造方法を提供
することにある。 本発明のこの目的は次の4発明によつて達成さ
れる。 第1発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、重量比にて、C:0.02〜0.15%、
Mn:1.5〜3.5%、P:0.03〜0.15%、Al:0.10%
以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よ
り成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取する工程
と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950℃の
温度範囲に10秒から10分間加熱する工程と、前記
加熱工程終了後600℃を越える高温域を20℃/sec
以下の冷却速度で徐冷する工程と、前記徐冷工程
終了後600〜300℃間の平均冷却速度が下記(1)式で
求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上であり、かつ
15〜200℃/secの範囲となる如く急速ドライ冷却
する工程と、を有して成ることを特徴とする延性
および耐2次加工脆性の良好な低降伏比高張力薄
鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn(%) +3.5P(%)〕+3.95 …(1) 第2発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、第1発明と同一の基本組成のほか
に、更にSi:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%B:5〜100ppmより成るA群のうち
から選ばれた1種または2種以上を含み、かつ Mn%+0.26Si%+3.5P%+1.3Cr%+2.67Mo%
≧0.64%を満足し、残部がFeおよび不可避的不
純物より成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取す
る工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜
950℃の温度範囲に10秒から10分間加熱する工程
と、前記加熱工程終了後600℃を越える高温域を
20℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工程と、前
記徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷却速度が
下記(2)式で求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上で
あり、かつ15〜200℃/secの範囲内となる如く急
速ドライ冷却する工程と、を有して成ることを特
徴とする延性および耐2次加工脆性の良好な低降
伏比高張力薄鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn% +0.26Si%+3.5P%+1.3Cr% +2−67Mo%〕+3.95 …(2) 第3発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、第1発明と同一の基本組成のほか
に、更にNb:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.2%、
V:0.01〜0.2%より成るB群のうちから選ばれ
た1種または2種以上を含み、残部がFeおよび
不可避的不純物より成る鋼を熱延後600℃以下で
低温巻取する工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1
変態点〜950℃の温度範囲に10秒から10分間加熱
する工程と、前記加熱工程終了後600℃を越える
高温域を20℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工
程と、前記徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷
却速度が下記(1)式で求まる臨界冷却速度CR℃/
sec以上であり、かつ15〜200℃/secの範囲内と
なる如く急速ドライ冷却する工程と、を有して成
ることを特徴とする延性および耐2次加工脆性の
良好な低降伏比高張力鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn(%) +3.5P(%)〕+3.95 …(1) 第4発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、第1発明と同一の基本組成のほか
に更にSi:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%、B:5〜100ppmより成るA群、
Nb:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.2%、V:0.01〜
0.2%より成るB群のそれぞれの群のうちから選
ばれた1種または2種以上を同時に含み、かつ Mn%+0.26Si%+3.5P%+1.3Cr%+2.67Mo%≧
0.64%を満足し、残部がFeおよび不可避的不純
物より成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取する
工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950
℃の温度範囲に10秒から10分間加熱する工程と、
前記加熱工程終了後600℃を越える高温域を20
℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工程と、前記
徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷却速度が下
記(2)式で求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上であ
り、かつ15〜200℃/secの範囲内となる如く急速
ドライ冷却する工程と、を有して成ることを特徴
とする延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏
比高張力薄鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn% +0.26Si%+3.5P%+1.3Cr% +2.67Mo%〕+3.95 …(2) (但B添加の場合は上記3.95は3.40に変更) すなわち本発明は安価なPを強化元素として積
極的に添加し、冷延後Ac1〜950℃の温度範囲に
加熱し、次いで冷却条件を制御することによつて
Pによる耐2次加工脆性の劣化を抑制しかつ延性
の良好な低降伏比高張力薄鋼板の製造方法に関す
るものである。 なおPを用いた高張力冷延鋼板の製造方法に関
する技術として特開昭50−23316と特開昭50−
60419がある。特開昭50−23316は高降伏点鋼板を
連続焼鈍、過時効処理で製造する方法で得られる
鋼はフエライト、カーバイドから成る固溶強化鋼
であり、連続焼鈍後過時効処理を行なわない本発
明とは異なる。 また特開昭50−60419は製造条件、特に連続焼
鈍時の冷却速度が小さく、得られる組織はα相と
その周囲を均一にとりまく可視な炭化物を多く含
むフエライト相との複合組織であり、本願技術の
フエライト相と、マルテンサイト相を主体とする
低温変態生成物および残留オーステナイト相から
成る混合組織鋼とは全く異なる。 先づ本発明を得た基本実験結果について説明す
る。
降伏比高張力鋼板の製造方法に係り、特に引張強
さ50Kg/mm以上の高張力鋼板のコストが低廉な製
造方法に関する。 近年、自動車の安全性や軽量化の観点からバン
パーやドアーガードバーなどの強度部材に引張強
さ50Kg/mm2以上の高張力薄鋼板が多用されつつ
ある。このような用途に適用される材料の特性と
して引張強さが高いと同時に延性が良好で更に車
体の組立時あるいは組立後にはスポツト溶接性お
よび耐2次加工脆性が良好であることが要求され
る。最近フエライトとマルテンサイトを主とする
低温変態生成物から成る混合組織鋼板がこのよう
な要求を満足する鋼板として多く使用されてい
る。しかし従来の混合組織鋼板で強度を高めるに
はMn、Si、Nb、Tiなどの元素を多量添加する必
要があり、その結果コストの上昇をもたらし、ま
たMnやSiなどの多量添加は連続焼鈍中に表面酸
化を起こし易くスポツト溶接性や耐2次加工性を
劣化させる問題があつた。したがつて従来は延
性、スポツト溶接性、耐2次加工脆性がすぐれた
高張力鋼板を低いコストで製造することは困難で
あつた。 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消
し、製造コストが低廉な延性および耐2次加工脆
性の良好な低降伏比高張力鋼板の製造方法を提供
することにある。 本発明のこの目的は次の4発明によつて達成さ
れる。 第1発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、重量比にて、C:0.02〜0.15%、
Mn:1.5〜3.5%、P:0.03〜0.15%、Al:0.10%
以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よ
り成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取する工程
と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950℃の
温度範囲に10秒から10分間加熱する工程と、前記
加熱工程終了後600℃を越える高温域を20℃/sec
以下の冷却速度で徐冷する工程と、前記徐冷工程
終了後600〜300℃間の平均冷却速度が下記(1)式で
求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上であり、かつ
15〜200℃/secの範囲となる如く急速ドライ冷却
する工程と、を有して成ることを特徴とする延性
および耐2次加工脆性の良好な低降伏比高張力薄
鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn(%) +3.5P(%)〕+3.95 …(1) 第2発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、第1発明と同一の基本組成のほか
に、更にSi:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%B:5〜100ppmより成るA群のうち
から選ばれた1種または2種以上を含み、かつ Mn%+0.26Si%+3.5P%+1.3Cr%+2.67Mo%
≧0.64%を満足し、残部がFeおよび不可避的不
純物より成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取す
る工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜
950℃の温度範囲に10秒から10分間加熱する工程
と、前記加熱工程終了後600℃を越える高温域を
20℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工程と、前
記徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷却速度が
下記(2)式で求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上で
あり、かつ15〜200℃/secの範囲内となる如く急
速ドライ冷却する工程と、を有して成ることを特
徴とする延性および耐2次加工脆性の良好な低降
伏比高張力薄鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn% +0.26Si%+3.5P%+1.3Cr% +2−67Mo%〕+3.95 …(2) 第3発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、第1発明と同一の基本組成のほか
に、更にNb:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.2%、
V:0.01〜0.2%より成るB群のうちから選ばれ
た1種または2種以上を含み、残部がFeおよび
不可避的不純物より成る鋼を熱延後600℃以下で
低温巻取する工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1
変態点〜950℃の温度範囲に10秒から10分間加熱
する工程と、前記加熱工程終了後600℃を越える
高温域を20℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工
程と、前記徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷
却速度が下記(1)式で求まる臨界冷却速度CR℃/
sec以上であり、かつ15〜200℃/secの範囲内と
なる如く急速ドライ冷却する工程と、を有して成
ることを特徴とする延性および耐2次加工脆性の
良好な低降伏比高張力鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn(%) +3.5P(%)〕+3.95 …(1) 第4発明の要旨とするところは次のとおりであ
る。すなわち、第1発明と同一の基本組成のほか
に更にSi:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%、B:5〜100ppmより成るA群、
Nb:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.2%、V:0.01〜
0.2%より成るB群のそれぞれの群のうちから選
ばれた1種または2種以上を同時に含み、かつ Mn%+0.26Si%+3.5P%+1.3Cr%+2.67Mo%≧
0.64%を満足し、残部がFeおよび不可避的不純
物より成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取する
工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950
℃の温度範囲に10秒から10分間加熱する工程と、
前記加熱工程終了後600℃を越える高温域を20
℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工程と、前記
徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷却速度が下
記(2)式で求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上であ
り、かつ15〜200℃/secの範囲内となる如く急速
ドライ冷却する工程と、を有して成ることを特徴
とする延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏
比高張力薄鋼板の製造方法である。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn% +0.26Si%+3.5P%+1.3Cr% +2.67Mo%〕+3.95 …(2) (但B添加の場合は上記3.95は3.40に変更) すなわち本発明は安価なPを強化元素として積
極的に添加し、冷延後Ac1〜950℃の温度範囲に
加熱し、次いで冷却条件を制御することによつて
Pによる耐2次加工脆性の劣化を抑制しかつ延性
の良好な低降伏比高張力薄鋼板の製造方法に関す
るものである。 なおPを用いた高張力冷延鋼板の製造方法に関
する技術として特開昭50−23316と特開昭50−
60419がある。特開昭50−23316は高降伏点鋼板を
連続焼鈍、過時効処理で製造する方法で得られる
鋼はフエライト、カーバイドから成る固溶強化鋼
であり、連続焼鈍後過時効処理を行なわない本発
明とは異なる。 また特開昭50−60419は製造条件、特に連続焼
鈍時の冷却速度が小さく、得られる組織はα相と
その周囲を均一にとりまく可視な炭化物を多く含
むフエライト相との複合組織であり、本願技術の
フエライト相と、マルテンサイト相を主体とする
低温変態生成物および残留オーステナイト相から
成る混合組織鋼とは全く異なる。 先づ本発明を得た基本実験結果について説明す
る。
【表】
第1表に示す化学組成であつてP含有量を変化
させた0.8mm厚の冷延鋼板を670℃×10時間の従来
の箱焼鈍、および本発明による770℃×60secの加
熱後600〜300℃間の平均冷却速度が40〜60℃/
secのガスジエツト冷却、更に冷却速度が約2000
℃/secの水冷による比較法の3種の焼鈍を行つ
た。これらの鋼板のカツプの静的破壊荷重で示さ
れる耐2次加工脆性、溶接部の強度、延性比で示
されるスポツト溶接性、および引張強さ・伸びの
関係をそれぞれ第1図、第2図、および第3図に
示した。 第1図において、耐2次加工脆性はいずれの焼
鈍条件においてもP量の増加に伴ない劣化する
が、ガスジエツト冷却の本発明法による連続焼鈍
材は劣化の程度が少なく、P量が0.15%以下にお
いては、カツプの静的破壊荷重は800Kg以上であ
つて実用に十分耐えうる耐2次加工脆性である。
またスポツト溶接性および引張強さ・伸び関係と
も本発明法によるものは良好な結果を示してい
る。 本発明における鋼板の冷却方式は、従来の水冷
のような大きな冷却速度では鋼板の耐2次加工脆
性が劣化するので、高速気体を吹付けるガスジエ
ツト冷却あるいは伝熱抜熱を行うロール冷却もし
くはこれらの組合せ冷却等の急速ドライ冷却を採
用する。本発明の急速ドライ冷却では、水冷ある
いは気水冷却等の如く鋼板表面に酸化物が発生し
ない。従つて次工程の酸洗処理を必要とせず、酸
洗の設備費およびランニングコストが不要となり
コスト面で非常に有利である。 次に本発明の成分限定理由について説明する。 C: Cは鋼の基本成分の一つとして重要な元素であ
る。特に本発明の場合にはα−γ域に加熱した時
のγ相の体積率は主に鋼中C量とその加熱温度に
より決まり更に冷却後のマルテンサイト量にも影
響するため重要である。C量に上下限を設定した
理由は、0.02%未満でも基本的に本発明の目的と
する混合組織は得られるが、Ac1点が急激に上昇
しα−γ2相になる温度領域が狭くなり、その結
果焼鈍時の温度制御が非常に困難になるため下限
を0.02%とした。一方C量の増加は強度を増加さ
せ、耐2次加工脆性を改善するため好ましいが、
0.15%を越えるとスポツト溶接性が急激に劣化す
るため上限を0.15%とした。 Mn: Mnは固溶体強化元素であり、強度を確保する
ために必要であるが、本発明においてはPととも
に低温変態生成物形成のためにも特に重要な元素
である。Mnの下限は(α−γ)の混合組織を形
成し、かつ耐2次加工脆性を良好ならしめる条件
として決まる。すなわち、後記第4図の説明より
明らかな如く、目的とする混合組織が得られても
冷却速度が15℃/sec未満では耐2次加工脆性が
劣化する。従つて耐2次加工脆性の良好な混合組
織を得るには、(1)式で示されるCRが15℃/sec以
上であることが必要である。本願発明の基本組成
としてはPの下限を0.03%と限定したので(1)式か
らMnの下限は1.5%となる。 一方Mn量の増加に応じてCRは減少し比較的小
さな冷却速度でも目的とする混合組織鋼が得られ
るがMn量が3.5%を越えるとCと同様にスポツト
溶接性の劣化をもたらすため上限を3.5%に限定
した。 P: Pは安価で固溶強化能の大きいフエライト形成
元素であるが、脆化を促進する欠点があるため従
来その使用は限定されていた。本発明者らは詳細
な実験にもとずき従来とは異なる知見を得た。 すなわちPの添加量増加に伴ない(1),(2)式に示
す如く混合組織の得られる下限の冷却速度すなわ
ち臨界冷却速度CRは減少し、PはMnと同様のγ
安定元素としての効果を有している。また第1図
に示す如く特定の熱処理条件に限定した場合にP
が0.15%以下の範囲において耐2次加工脆性を表
わす成形カツプの液体N2温度における静的破壊
荷重の劣化程度が少ない。また第2図に示す如く
スポツト溶接性を表わす溶接部の強度・延性比も
Pが0.15%までの範囲においては劣化が少なく、
0.15%を越すと急激に劣化する。上記の結果から
Pの上限を0.15%とした。また混合組織形成に最
低0.03%必要なのでPの下限を0.03%に限定し
た。 Al: Alは脱酸元素として必要であるが過剰のAlは
アルミナクラスターを形成し、表面性状を劣化さ
せ、また熱間割れの危険が高くなるので上限を
0.10%に限定した。 上記C、Mn、P、Alの各限定量をもつて本発
明の高張力鋼板の基本成分とするが、更にA群と
してSi、Cr、Mo、Bの各元素、B群としてNb、
Ti、Vの各元素を下記限定量において1種また
は2種以上を同時に含有する高張力鋼板において
も本発明の目的をより有効に達成することができ
る。これらの限定理由は次の如くである。 A群Si、Cr、Mo、B: A群の元素は(2)式から明らかな如くいずれも混
合組織形成に必要な臨界冷却速度を下げると同時
に低温変態生成物の量を増しその結果強度増加の
効果がある。その効果が発揮するにはSi、Cr、
Moの各元素は0.1%以上、Bは5mm以上が必要で
あり、また過剰の添加は効果が飽和しコストも上
昇するので上限をSiは1.5%以下、Cr、Moは1.0
%以下、Bは100ppm以下に限定した。また前記
の理由で下記限定式の条件を満足する必要があ
る。 Mn%+0.26Si+3.5P+1.3Cr+2.67Mo%≧0.64% B群Nb、Ti、V: Nb、Ti、Vの各元素は炭窒化物形成元素であ
り細粒化、析出物あるいはフエライト相の再結晶
抑制による強度増加の効果がある。しかし各元素
とも0.01%未満では上記の効果が十分あがらない
ので下限を0.01%に限定した。また過剰の添加は
効果が飽和しコストも上昇するので、Nbは0.1%
以下、Ti、Vは0.2%以下に限定した。 なお上記A群、B群の各元素は単独に使用して
それぞれ効果を発揮するが、複合添加してもそれ
ぞれの効果が相殺されることはない。 上記の如く成分組成を限定した鋼を下記の如く
熱処理条件を限定管理することによつて延性およ
び耐2次加工脆性がともに良好な混合組織低降伏
比高張力薄鋼板を低廉なコストで製造できる。 本発明鋼は熱延、酸洗、冷延後連続焼鈍され
る。熱延条件は通常の条件で行なわれるが、高強
度を得るためには600℃以下の低温巻取とする必
要がある。 次に本発明による熱処理方法の限定理由につい
て説明する。 焼鈍条件は本発明のもつとも重要な要件であ
り、まず加熱温度は低温変態生成相の母相である
オーステナイト相を得るためAc1点以上としなけ
ればならない。またAc1点以上においては温度の
増加に伴ないγ相の量が増加し、その結果冷却後
の低温変態生成物の量が増し、より高強度が得ら
れるため高温焼鈍が好ましいが、950℃以上にお
いては強度増加が飽和すると同時にテンパーカラ
ーやピツクアツプが発生するため上限を950℃と
した。ピツクアツプとは連続焼鈍ライン等で先行
の鋼帯から落下した酸化スケールが後行の鋼帯に
付着する現象をいう。一方Nb、Ti、Vなどの元
素を含む場合にはα−γ域の低温側で高強度が得
られるため、α−γ域の低温焼鈍が好ましい。 加熱時間は所定量のγ相を現出させるため10秒
以上の保持が必要であり、また10分以上保持する
ことは焼鈍炉の均熱帯を長くするかあるいは通板
速度を低下させる必要があり、いずれもコスト増
加をもたらすため上限を10分とした。 加熱温度からの冷却は耐2次加工脆性に大きな
影響を与えるためもつとも重要である。本発明に
よつて製造される鋼の延性、スポツト溶接性、特
に耐2次加工脆性が従来の常識に反して良好な理
由は明らかでないが、高強度と上記3特性を良好
ならしめる条件として冷却速度範囲が決定され
る。まず第3図において示される如く(1),(2)式か
ら計算されるCR以上の速度で冷却された混合組
織鋼板は強度と延性の関係が良好である。また第
1図から明らかなように耐2次加工脆性は箱焼鈍
すなわち冷却速度の小さいフエライトカーバイド
鋼では著しく劣化し、冷却速度がCR以上の混合
組織鋼板においては良好である。 さらに第1表のC鋼に対する耐2次加工脆性に
およぼす冷却速度の関係を第4図に示したが、C
鋼のCRは約5℃/secであり、冷却速度8℃/
secの空冷でも混合組織は得られるが耐2次加工
脆性すなわちカツプの静的破壊荷重は実用上の限
界値800Kgに達しない。すなわち冷却速度が15
℃/sec未満では混合組織が得られても、耐2次
加工脆性が向上しない。さらに混合組織鋼板の引
張強さは冷却速度が大きいほど高くなり、同一組
成でより高強度を得るためには高冷却速度が好ま
しい。以上の理由から冷却速度は(1)式または(2)式
から計算されるCR以上としかつ15℃/sec以上の
範囲に限定した。 冷却速度がCR以上であればいずれの速度でも
混合組織は得られるが著しく大きな冷却速度、例
えば水冷の場合は第1図に示す如く耐2次加工脆
性が劣化する。従つて冷却速度の上限をガスジエ
ツト冷却の上限の冷却速度200℃/secに設定し
た。なお上記の冷却速度はいずれも600〜300℃間
の平均速度であるが、延性向上あるいは低降伏応
力を得るためにはフエライト中の固溶C量を低減
する必要があり、そのためには600℃以上の高温
域を20℃/sec以下の速度で徐冷する必要があ
る。 上記の如く本発明法は安価なPを使用し、焼鈍
条件を限定することにより混合組織とし、強度、
延性、および耐2次加工脆性ともに良好な自動車
高張力鋼板の製造が可能となつた。 実施例 1 第1表に示す組成の鋼を仕上圧延温度830〜870
℃巻取温度500〜550℃にて熱延し、つづいて冷延
にて0.8mm厚の冷延鋼板とし、670℃×10時間の箱
焼鈍と770℃×60秒間の加熱後600〜300℃間の平
均冷却速度が40〜60℃/secのガスジエツト冷却
および冷却速度が約2000℃/secの水冷と3種の
焼鈍を行つた。これらの鋼板について引張特性、
スポツト溶接性、耐2次加工脆性を調査した。ス
ポツト溶接性は加圧力300Kg、通電時間8Hzの条
件において溶接電流を変えチリ発生限界電流を求
め、それより500A低い電流で溶接し、剪断引張
および十字引張試験を行つた。また耐2次加工脆
性は33mmφのカツプを絞り比2.06において成形
後、耳を切削しカツプ高さを26mmとし液体N2中
で円錐台形状のポンチで圧縮し破壊荷重を求め
た。 第1図に耐2次加工脆性におよぼすP量と焼結
条件との関係を示したが前記の如く、Pが0.15%
以下の本発明法においては40〜60℃/sec冷却の
場合は静的破壊強度は800Kg以上あつてすぐれた
結果を示している。第2図にスポツト溶接性にお
よぼすP量と焼鈍条件を示したが、Pが0.15%以
下の40〜60℃/secの連続焼鈍の本発明法の場合
は、比較法である箱焼鈍および水冷の連続焼鈍の
場合に比較して、十字引張および剪断引張試験値
および延性比が平均して良好な値を示している。
第3図に引張強さ・伸び関係におよぼすP量と焼
鈍条件の影響を示したが、A鋼およびE鋼はPが
本発明の限定外であり、B、C、D鋼は本発明の
限定内の組成である。冷却速度がCR〜200℃/
secのB、C、D鋼が本発明法の場合であるが、
他の場合に比較して引張強さ・伸び関係が調和し
てすぐれた値を示している。冷却速度がCR以下
すなわちフエライトパーライト鋼の性質も比較の
ため示した。第4図に第1表のC鋼の冷延鋼板を
770℃×60秒の加熱後冷却速度を大幅に変化させ
焼鈍を行いカツプの静的破壊荷重との関係を示し
た。その結果は前記の如く、冷却速度が15〜200
℃/secの本発明法の範囲内においては800Kg以上
のすぐれた静的破壊強度を示している。 実施例 2 第2表に示す化学組成および熱延条件の鋼板を
つづいて冷延し、第3表に示す条件で連続焼鈍を
行いその機械的性質を同表に示した。 鋼種No.2の冷却条件2℃/secは本発明法の限
定外であるが、その他は本発明法の範囲内であ
り、本発明法の場合はすぐれた強度および延性を
示している。 上記の実施例からも明らかな如く、本発明法は
Pを積極的に添加し、焼鈍条件を限定することに
させた0.8mm厚の冷延鋼板を670℃×10時間の従来
の箱焼鈍、および本発明による770℃×60secの加
熱後600〜300℃間の平均冷却速度が40〜60℃/
secのガスジエツト冷却、更に冷却速度が約2000
℃/secの水冷による比較法の3種の焼鈍を行つ
た。これらの鋼板のカツプの静的破壊荷重で示さ
れる耐2次加工脆性、溶接部の強度、延性比で示
されるスポツト溶接性、および引張強さ・伸びの
関係をそれぞれ第1図、第2図、および第3図に
示した。 第1図において、耐2次加工脆性はいずれの焼
鈍条件においてもP量の増加に伴ない劣化する
が、ガスジエツト冷却の本発明法による連続焼鈍
材は劣化の程度が少なく、P量が0.15%以下にお
いては、カツプの静的破壊荷重は800Kg以上であ
つて実用に十分耐えうる耐2次加工脆性である。
またスポツト溶接性および引張強さ・伸び関係と
も本発明法によるものは良好な結果を示してい
る。 本発明における鋼板の冷却方式は、従来の水冷
のような大きな冷却速度では鋼板の耐2次加工脆
性が劣化するので、高速気体を吹付けるガスジエ
ツト冷却あるいは伝熱抜熱を行うロール冷却もし
くはこれらの組合せ冷却等の急速ドライ冷却を採
用する。本発明の急速ドライ冷却では、水冷ある
いは気水冷却等の如く鋼板表面に酸化物が発生し
ない。従つて次工程の酸洗処理を必要とせず、酸
洗の設備費およびランニングコストが不要となり
コスト面で非常に有利である。 次に本発明の成分限定理由について説明する。 C: Cは鋼の基本成分の一つとして重要な元素であ
る。特に本発明の場合にはα−γ域に加熱した時
のγ相の体積率は主に鋼中C量とその加熱温度に
より決まり更に冷却後のマルテンサイト量にも影
響するため重要である。C量に上下限を設定した
理由は、0.02%未満でも基本的に本発明の目的と
する混合組織は得られるが、Ac1点が急激に上昇
しα−γ2相になる温度領域が狭くなり、その結
果焼鈍時の温度制御が非常に困難になるため下限
を0.02%とした。一方C量の増加は強度を増加さ
せ、耐2次加工脆性を改善するため好ましいが、
0.15%を越えるとスポツト溶接性が急激に劣化す
るため上限を0.15%とした。 Mn: Mnは固溶体強化元素であり、強度を確保する
ために必要であるが、本発明においてはPととも
に低温変態生成物形成のためにも特に重要な元素
である。Mnの下限は(α−γ)の混合組織を形
成し、かつ耐2次加工脆性を良好ならしめる条件
として決まる。すなわち、後記第4図の説明より
明らかな如く、目的とする混合組織が得られても
冷却速度が15℃/sec未満では耐2次加工脆性が
劣化する。従つて耐2次加工脆性の良好な混合組
織を得るには、(1)式で示されるCRが15℃/sec以
上であることが必要である。本願発明の基本組成
としてはPの下限を0.03%と限定したので(1)式か
らMnの下限は1.5%となる。 一方Mn量の増加に応じてCRは減少し比較的小
さな冷却速度でも目的とする混合組織鋼が得られ
るがMn量が3.5%を越えるとCと同様にスポツト
溶接性の劣化をもたらすため上限を3.5%に限定
した。 P: Pは安価で固溶強化能の大きいフエライト形成
元素であるが、脆化を促進する欠点があるため従
来その使用は限定されていた。本発明者らは詳細
な実験にもとずき従来とは異なる知見を得た。 すなわちPの添加量増加に伴ない(1),(2)式に示
す如く混合組織の得られる下限の冷却速度すなわ
ち臨界冷却速度CRは減少し、PはMnと同様のγ
安定元素としての効果を有している。また第1図
に示す如く特定の熱処理条件に限定した場合にP
が0.15%以下の範囲において耐2次加工脆性を表
わす成形カツプの液体N2温度における静的破壊
荷重の劣化程度が少ない。また第2図に示す如く
スポツト溶接性を表わす溶接部の強度・延性比も
Pが0.15%までの範囲においては劣化が少なく、
0.15%を越すと急激に劣化する。上記の結果から
Pの上限を0.15%とした。また混合組織形成に最
低0.03%必要なのでPの下限を0.03%に限定し
た。 Al: Alは脱酸元素として必要であるが過剰のAlは
アルミナクラスターを形成し、表面性状を劣化さ
せ、また熱間割れの危険が高くなるので上限を
0.10%に限定した。 上記C、Mn、P、Alの各限定量をもつて本発
明の高張力鋼板の基本成分とするが、更にA群と
してSi、Cr、Mo、Bの各元素、B群としてNb、
Ti、Vの各元素を下記限定量において1種また
は2種以上を同時に含有する高張力鋼板において
も本発明の目的をより有効に達成することができ
る。これらの限定理由は次の如くである。 A群Si、Cr、Mo、B: A群の元素は(2)式から明らかな如くいずれも混
合組織形成に必要な臨界冷却速度を下げると同時
に低温変態生成物の量を増しその結果強度増加の
効果がある。その効果が発揮するにはSi、Cr、
Moの各元素は0.1%以上、Bは5mm以上が必要で
あり、また過剰の添加は効果が飽和しコストも上
昇するので上限をSiは1.5%以下、Cr、Moは1.0
%以下、Bは100ppm以下に限定した。また前記
の理由で下記限定式の条件を満足する必要があ
る。 Mn%+0.26Si+3.5P+1.3Cr+2.67Mo%≧0.64% B群Nb、Ti、V: Nb、Ti、Vの各元素は炭窒化物形成元素であ
り細粒化、析出物あるいはフエライト相の再結晶
抑制による強度増加の効果がある。しかし各元素
とも0.01%未満では上記の効果が十分あがらない
ので下限を0.01%に限定した。また過剰の添加は
効果が飽和しコストも上昇するので、Nbは0.1%
以下、Ti、Vは0.2%以下に限定した。 なお上記A群、B群の各元素は単独に使用して
それぞれ効果を発揮するが、複合添加してもそれ
ぞれの効果が相殺されることはない。 上記の如く成分組成を限定した鋼を下記の如く
熱処理条件を限定管理することによつて延性およ
び耐2次加工脆性がともに良好な混合組織低降伏
比高張力薄鋼板を低廉なコストで製造できる。 本発明鋼は熱延、酸洗、冷延後連続焼鈍され
る。熱延条件は通常の条件で行なわれるが、高強
度を得るためには600℃以下の低温巻取とする必
要がある。 次に本発明による熱処理方法の限定理由につい
て説明する。 焼鈍条件は本発明のもつとも重要な要件であ
り、まず加熱温度は低温変態生成相の母相である
オーステナイト相を得るためAc1点以上としなけ
ればならない。またAc1点以上においては温度の
増加に伴ないγ相の量が増加し、その結果冷却後
の低温変態生成物の量が増し、より高強度が得ら
れるため高温焼鈍が好ましいが、950℃以上にお
いては強度増加が飽和すると同時にテンパーカラ
ーやピツクアツプが発生するため上限を950℃と
した。ピツクアツプとは連続焼鈍ライン等で先行
の鋼帯から落下した酸化スケールが後行の鋼帯に
付着する現象をいう。一方Nb、Ti、Vなどの元
素を含む場合にはα−γ域の低温側で高強度が得
られるため、α−γ域の低温焼鈍が好ましい。 加熱時間は所定量のγ相を現出させるため10秒
以上の保持が必要であり、また10分以上保持する
ことは焼鈍炉の均熱帯を長くするかあるいは通板
速度を低下させる必要があり、いずれもコスト増
加をもたらすため上限を10分とした。 加熱温度からの冷却は耐2次加工脆性に大きな
影響を与えるためもつとも重要である。本発明に
よつて製造される鋼の延性、スポツト溶接性、特
に耐2次加工脆性が従来の常識に反して良好な理
由は明らかでないが、高強度と上記3特性を良好
ならしめる条件として冷却速度範囲が決定され
る。まず第3図において示される如く(1),(2)式か
ら計算されるCR以上の速度で冷却された混合組
織鋼板は強度と延性の関係が良好である。また第
1図から明らかなように耐2次加工脆性は箱焼鈍
すなわち冷却速度の小さいフエライトカーバイド
鋼では著しく劣化し、冷却速度がCR以上の混合
組織鋼板においては良好である。 さらに第1表のC鋼に対する耐2次加工脆性に
およぼす冷却速度の関係を第4図に示したが、C
鋼のCRは約5℃/secであり、冷却速度8℃/
secの空冷でも混合組織は得られるが耐2次加工
脆性すなわちカツプの静的破壊荷重は実用上の限
界値800Kgに達しない。すなわち冷却速度が15
℃/sec未満では混合組織が得られても、耐2次
加工脆性が向上しない。さらに混合組織鋼板の引
張強さは冷却速度が大きいほど高くなり、同一組
成でより高強度を得るためには高冷却速度が好ま
しい。以上の理由から冷却速度は(1)式または(2)式
から計算されるCR以上としかつ15℃/sec以上の
範囲に限定した。 冷却速度がCR以上であればいずれの速度でも
混合組織は得られるが著しく大きな冷却速度、例
えば水冷の場合は第1図に示す如く耐2次加工脆
性が劣化する。従つて冷却速度の上限をガスジエ
ツト冷却の上限の冷却速度200℃/secに設定し
た。なお上記の冷却速度はいずれも600〜300℃間
の平均速度であるが、延性向上あるいは低降伏応
力を得るためにはフエライト中の固溶C量を低減
する必要があり、そのためには600℃以上の高温
域を20℃/sec以下の速度で徐冷する必要があ
る。 上記の如く本発明法は安価なPを使用し、焼鈍
条件を限定することにより混合組織とし、強度、
延性、および耐2次加工脆性ともに良好な自動車
高張力鋼板の製造が可能となつた。 実施例 1 第1表に示す組成の鋼を仕上圧延温度830〜870
℃巻取温度500〜550℃にて熱延し、つづいて冷延
にて0.8mm厚の冷延鋼板とし、670℃×10時間の箱
焼鈍と770℃×60秒間の加熱後600〜300℃間の平
均冷却速度が40〜60℃/secのガスジエツト冷却
および冷却速度が約2000℃/secの水冷と3種の
焼鈍を行つた。これらの鋼板について引張特性、
スポツト溶接性、耐2次加工脆性を調査した。ス
ポツト溶接性は加圧力300Kg、通電時間8Hzの条
件において溶接電流を変えチリ発生限界電流を求
め、それより500A低い電流で溶接し、剪断引張
および十字引張試験を行つた。また耐2次加工脆
性は33mmφのカツプを絞り比2.06において成形
後、耳を切削しカツプ高さを26mmとし液体N2中
で円錐台形状のポンチで圧縮し破壊荷重を求め
た。 第1図に耐2次加工脆性におよぼすP量と焼結
条件との関係を示したが前記の如く、Pが0.15%
以下の本発明法においては40〜60℃/sec冷却の
場合は静的破壊強度は800Kg以上あつてすぐれた
結果を示している。第2図にスポツト溶接性にお
よぼすP量と焼鈍条件を示したが、Pが0.15%以
下の40〜60℃/secの連続焼鈍の本発明法の場合
は、比較法である箱焼鈍および水冷の連続焼鈍の
場合に比較して、十字引張および剪断引張試験値
および延性比が平均して良好な値を示している。
第3図に引張強さ・伸び関係におよぼすP量と焼
鈍条件の影響を示したが、A鋼およびE鋼はPが
本発明の限定外であり、B、C、D鋼は本発明の
限定内の組成である。冷却速度がCR〜200℃/
secのB、C、D鋼が本発明法の場合であるが、
他の場合に比較して引張強さ・伸び関係が調和し
てすぐれた値を示している。冷却速度がCR以下
すなわちフエライトパーライト鋼の性質も比較の
ため示した。第4図に第1表のC鋼の冷延鋼板を
770℃×60秒の加熱後冷却速度を大幅に変化させ
焼鈍を行いカツプの静的破壊荷重との関係を示し
た。その結果は前記の如く、冷却速度が15〜200
℃/secの本発明法の範囲内においては800Kg以上
のすぐれた静的破壊強度を示している。 実施例 2 第2表に示す化学組成および熱延条件の鋼板を
つづいて冷延し、第3表に示す条件で連続焼鈍を
行いその機械的性質を同表に示した。 鋼種No.2の冷却条件2℃/secは本発明法の限
定外であるが、その他は本発明法の範囲内であ
り、本発明法の場合はすぐれた強度および延性を
示している。 上記の実施例からも明らかな如く、本発明法は
Pを積極的に添加し、焼鈍条件を限定することに
【表】
【表】
【表】
より、延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏
比高張力鋼板を低廉なコストで製造することがで
きた。
比高張力鋼板を低廉なコストで製造することがで
きた。
第1図は耐2次加工脆性におよぼすP量と焼鈍
条件の影響を示す相関図、第2図はスポツト溶接
性におよぼすP量と焼鈍条件の影響を示す相関
図、第3図は引張強さ・伸び関係におよぼすP量
と焼鈍条件の影響を示す相関図、第4図は耐2次
加工脆性と焼鈍冷却速度との関係を示す相関図で
ある。
条件の影響を示す相関図、第2図はスポツト溶接
性におよぼすP量と焼鈍条件の影響を示す相関
図、第3図は引張強さ・伸び関係におよぼすP量
と焼鈍条件の影響を示す相関図、第4図は耐2次
加工脆性と焼鈍冷却速度との関係を示す相関図で
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比にて、C:0.02〜0.15%、Mn:1.5〜
3.5%、P:0.03〜0.15%、Al:0.10%以下を含
み、残部がFeおよび不可避的不純物より成る鋼
を熱延後600℃以下で低温巻取する工程と、前記
熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950℃の温度範囲
に10秒から10分間加熱する工程と、前記加熱工程
終了後600℃を越える高温域を20℃/sec以下の冷
却速度で徐冷する工程と、前記徐冷工程終了後
600〜300℃間の平均冷却速度が下記(1)式で求まる
臨界冷却速度CR℃/sec以上であり、かつ15〜
200℃/secの範囲内となる如く急速ドライ冷却す
る工程と、を有して成ることを特徴とする延性お
よび耐2次加工脆性の良好な低降伏比高張力薄鋼
板の製造方法。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn(%) +3.5P(%)〕+3.95 …(1) 2 重量比にて、C:0.02〜0.15%、Mn:1.5〜
3.5%、P:0.03〜0.15%、Al:0.10%以下を含
み、更にSi:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%、B:5〜100ppmより成るA群のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含み、かつ Mn%+0.26Si%+3.5P%+1.3Cr%+2.67Mo%
≧0.64%を満足し残部がFeおよび不可避的不純
物より成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取する
工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950
℃の温度範囲に10秒から10分間加熱する工程と、
前記加熱工程終了後600℃を越える高温域を20
℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工程と、前記
徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷却速度が下
記(2)式で求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上であ
り、かつ15〜200℃/secの範囲内となる如く急速
ドライ冷却する工程と、を有して成ることを特徴
とする延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏
比高張力薄鋼板の製造方法。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn% +0.26Si%+3.5P%+1.3Cr% +2.67Mo%〕+3.95 …(2) (但B添加の場合は上記3.95は3.40に変更) 3 重量比にて、C:0.02〜0.15%、Mn:1.5〜
3.5%、P:0.03〜0.15%、Al:0.10%以下を含
み、更にNb:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.2%、
V:0.01〜0.2%より成るB群のうちから選ばれ
た1種または2種以上を含み、残部がFeおよび
不可避的不純物より成る鋼を熱延後600℃以下で
低温巻取する工程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1
変態点〜950℃の温度範囲に10秒から10分間加熱
する工程と、前記加熱工程終了後600℃を越える
高温域を20℃/sec以下の冷却速度で徐冷する工
程と、前記徐冷工程終了後600〜300℃間の平均冷
却速度が下記(1)式で求まる臨界冷却速度CR℃/
sec以上であり、かつ15〜200℃/secの範囲内と
なる如く急速ドライ冷却する工程と、を有して成
ることを特徴とする延性および耐2次加工脆性の
良好な低降伏比高張力薄鋼板の製造方法。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn(%) +3.5P(%)〕+3.95 …(1) 4 重量比にて、C:0.02〜0.15%、Mn:1.5〜
3.5%、P:0.03〜0.15%、Al:0.10%以下を含
み、更にSi:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:
0.1〜1.0%、B:5〜100ppmより成るA群、
Nb:0.01〜0.1%、Ti:0.01〜0.2%、V:0.01〜
0.2%より成るB群のそれぞれの群のうちから1
種または2種以上を同時に含み、かつ Mn%+0.26Si%+3.5P%+1.3Cr%+2.67Mo%≧
0.64%を満足し残部がFeおよび不可避的不純物
より成る鋼を熱延後600℃以下で低温巻取する工
程と、前記熱延鋼板の冷延後Ac1変態点〜950℃
の温度範囲に10秒から10分間加熱する工程と、前
記加熱工程終了後600℃を越える高温域を20℃/
sec以下の冷却速度で徐冷する工程と、前記徐冷
工程終了後600〜300℃間の平均冷却速度が下記(2)
式で求まる臨界冷却速度CR℃/sec以上であり、
かつ15〜200℃/secの範囲内となる如く急速ドラ
イ冷却する工程と、を有して成ることを特徴とす
る延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏比高
張力薄鋼板の製造方法。 logCR(℃/sec)=−1.73〔Mn% +0.26Si%+3.5P%+1.3Cr% +2.67Mo%〕+3.95 …(2) (但B添加の場合は上記3.95は3.40に変更)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12165581A JPS5822332A (ja) | 1981-08-03 | 1981-08-03 | 延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏比高張力薄鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12165581A JPS5822332A (ja) | 1981-08-03 | 1981-08-03 | 延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏比高張力薄鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5822332A JPS5822332A (ja) | 1983-02-09 |
| JPS6145687B2 true JPS6145687B2 (ja) | 1986-10-09 |
Family
ID=14816620
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12165581A Granted JPS5822332A (ja) | 1981-08-03 | 1981-08-03 | 延性および耐2次加工脆性の良好な低降伏比高張力薄鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5822332A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0341290U (ja) * | 1989-08-31 | 1991-04-19 |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6052528A (ja) * | 1983-09-02 | 1985-03-25 | Kawasaki Steel Corp | 延性およびスポツト溶接性の良好な高強度薄鋼板の製造方法 |
| US4770719A (en) * | 1984-04-12 | 1988-09-13 | Kawasaki Steel Corporation | Method of manufacturing a low yield ratio high-strength steel sheet having good ductility and resistance to secondary cold-work embrittlement |
| CN116694988A (zh) | 2016-03-31 | 2023-09-05 | 杰富意钢铁株式会社 | 薄钢板和镀覆钢板、以及薄钢板的制造方法和镀覆钢板的制造方法 |
| KR102157430B1 (ko) | 2016-03-31 | 2020-09-17 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 박강판 및 도금 강판, 그리고 열연 강판의 제조 방법, 냉연 풀 하드 강판의 제조 방법, 박강판의 제조 방법 및 도금 강판의 제조 방법 |
| KR102165051B1 (ko) | 2016-03-31 | 2020-10-13 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 박강판 및 도금 강판, 그리고, 박강판의 제조 방법 및 도금 강판의 제조 방법 |
-
1981
- 1981-08-03 JP JP12165581A patent/JPS5822332A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0341290U (ja) * | 1989-08-31 | 1991-04-19 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5822332A (ja) | 1983-02-09 |
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