JPS6215514B2 - - Google Patents
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- JPS6215514B2 JPS6215514B2 JP55158428A JP15842880A JPS6215514B2 JP S6215514 B2 JPS6215514 B2 JP S6215514B2 JP 55158428 A JP55158428 A JP 55158428A JP 15842880 A JP15842880 A JP 15842880A JP S6215514 B2 JPS6215514 B2 JP S6215514B2
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- ferrite
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- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
本発明は、爆薬に混入するためのフエライト、
さらに詳しくいえば、爆薬に混入したときに長期
間にわたつて安定性を保持しうるフエライト組成
物の製造方法に関するものである。 ダイナマイトなどの爆薬で発破作業を行う場
合、配置した爆薬が不発のまま残ることがある。
通常、このような不発爆薬は肉眼により探し出し
除去されているが、この作業には多大の労力と危
険を伴う上に、完全な除去を行うことがむずかし
く残存した爆薬が次の掘削時にドリルと接触して
爆発し、大きな人的被害を与えることがしばしば
みられる。 このような災害予防の対策手段の1つとして、
爆薬に磁石粉末を混入したのち、磁化することに
よつて磁性爆薬とし発破終了後不発爆薬を磁気セ
ンサーで探知する方法が提案されている。 しかしながら、爆薬に普通のフエライト粉末を
混入した場合、長期間保存している間に爆薬が変
質し、その作用が損なわれるという問題を生じる
ため、爆薬の安定性を損なわない磁性材料の開発
が重要な課題となつている。 これまで、爆薬に混入したときにその安定性を
そこなわないようにしたフエライト磁性体粉末と
しては、磁石体粉末の各粒子を化学的に安定なポ
リマーで被覆したものが知られている(特開昭54
−160708号公報)。 しかしながら、このように単に磁性体粉末粒子
を被覆しただけのものは、これを爆薬に配合する
際、混練により粒子表面が接触して被覆が破壊さ
れ、アルカリ性物質が漏出する結果、十分な安定
性が得られない上に、ポリマー被覆を形成する際
の触媒として用いた酸性物質が爆薬の分解を促進
し、安定性を阻害するという欠点がある。 本発明者らは、このような従来のポリマー被覆
磁性体粉末が有する欠点を克服するために種々研
究を重ねた結果、フエライト系磁性体粉末をポリ
マーで被覆するに先立つて、これを酸処理しPH5
〜9に調整しておけば、爆薬に対する悪影響をか
なり軽減することができ、たとえ混練によりポリ
マー被覆が破壊されても、爆薬の安定性をそこな
うことがないこと、及びポリマー被覆を形成させ
たのち、アルカリ処理してPH5〜9に調整してか
ら水洗、乾燥すれば、酸性物質に起因する爆薬の
分解反応を抑制しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明に従えば、フエライト系磁性
体粉末を酸処理してPH5〜9に調整したのち、ラ
ジカル重合可能なモノマーと緊密に接触させた状
態に維持し、酸性亜硫酸イオンの存在下で重合反
応を行わせ、前記粉末をポリマーで被覆し、次い
でアルカリ処理してPH5〜9に調整し、水洗、乾
燥することにより、爆薬に混入した場合にその安
定性をそこなうことのないフエライト組成物を得
ることができる。 本発明方法におけるフエライト系磁性体粉末の
被覆処理は、先に本発明者らが提案した公知の方
法(特公昭55−25482号公報参照)に従つて行う
ことができる。この際、原料のフエライト系磁性
体粉末中に不純物として混入しているアルカリ性
物質を中和、水洗により除去することが、万一被
覆処理が部分的に不十分である場合あるいは爆薬
との混練り時に被覆の一部が破損した場合にも十
分な安定性が維持する上で必要である。 本発明方法において、フエライト系磁性体粉末
をポリマーで被覆処理した場合、ポリマー中に残
存する亜硫酸及びこれが酸化されて生成する硫
酸、さらに亜硫酸又は硫酸とモノマー又は成長中
のオリゴマー(活性オリゴマー)との反応で生成
するスルホン酸誘導体などの爆薬の安定性に悪影
響を及ぼすので、これをアルカリ処理してPH5〜
9に調整したのち、水洗することが必要である。 本発明方法により得られる爆薬混入用フエライ
ト組成物は、フエライト系磁性体粒子及びその表
面に担持された熱可塑性ポリマー又はコポリマー
あるいはその両成分から成つている。 本発明に用いるフエライト系磁性体材料として
は、スピネル結晶構造を有するMn−Zn系、Ni−
Zn系などの軟磁性フエライト、あるいはリチウ
ム系、Mn−Mg系などの半硬質磁性フエライト、
あるいは一般式MO・6Fe2O3(但しMはCa++、
Ba++、Sr++及びPb++などの二価の金属イオンで
ある)で表わされるマグネトプランバイト型結晶
構造を有する硬質磁性フエライトなどを挙げるこ
とができるが、残磁気検知の点から保磁力の強い
硬質磁性フエライトが好適である。フエライト系
磁性体の粒径は、爆発後の残磁気の問題及び爆薬
と練り合せる時の混練り機の磨耗の問題などから
10μ以下が望ましいが、本発明はこれに限定され
るものではない。 また本発明において、フエライト系磁性体粉末
をポリマーで被覆させるに当り、前処理としてフ
エライト系磁性体粉末を酸処理してPHを5〜9に
調整することによつてフエライト系磁性体粉末中
の遊離のアルカリ性物質を除去する。この場合の
酸としては塩酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸、又
は酢酸、プロピオン酸などの有機酸のような通常
酸として使用されるものは全て使用できるが、廃
水処理の問題や価格の問題などから無機酸が望ま
しい。 また水洗する場合は新鮮な水で数回、特に熱水
で洗浄することが望ましい。 本発明に用いるラジカル重合又はラジカル共重
合可能なモノマーとして、アクリル酸、メタクリ
ル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、
エチレングリコールジアクリレート、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、エチレングリコ
ールジメタクリレート、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどのアクリル酸エステル類やメタク
リル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなどの脂肪族ビニルエステル類、スチレン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物
類、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど
のジエン類及びアクリロニトリルなどを挙げるこ
とができる。 本発明の方法においては、上記ラジカル重合又
はラジカル共重合可能なモノマー類から選ばれた
1種あるいは2種以上のモノマーと前処理された
フエライト系磁性体粉末を緊密に接触させた状態
に維持し、酸性亜硫酸イオンの存在下重合反応を
行わせてフエライト系磁性体粉末をホモポリマー
あるいはコポリマーで被覆する。 本発明で用いるラジカル重合又はラジカル共重
合可能なモノマーの量は、余り多過ぎると価格的
に不利であり、少な過ぎるとフエライト系磁性体
粉末を完全に被覆できなくなるので、フエライト
系磁性体粉末に対して重量で0.1〜30%、好まし
くは0.5〜10%の範囲にある。 また本発明で用いる酸性亜硫酸イオンを供与す
る物質として、亜硫酸水、亜硫酸ガス、亜硫酸塩
水溶液、酸性亜硫酸塩水溶液などが使用される。
この亜硫酸イオンの量は、亜硫酸換算でモノマー
100重量部当り0.01〜30重量部、好ましくは0.5〜
10重量部の範囲にある。 本発明の被覆処理条件としては、前処理された
フエライト系磁性体粉末を、フエライト系磁性体
粉末1重量部に対して1〜10重量部の水に懸濁さ
せその中に前記のモノマー及び亜硫酸イオンを供
与する重合開始剤を加えたのち10℃〜100℃、好
ましくは20℃〜70℃の範囲の温度で被覆処理を行
う。処理時間は1〜4時間で、モノマーはほぼ
100%ポリマーに転化する。しかし、特にこれら
の条件に限定されるものではない。 被覆処理後のフエライト系磁性体組成物は亜硫
酸及びこれが酸化されて生じた硫酸、さらに亜硫
酸又は硫酸とモノマー、又は成長中のオリゴマー
(活性オリゴマー)との反応により生じたスルホ
ン酸誘導体などの酸性物質を含有する。これらの
酸性物質は爆薬中に混入されると微量であつても
爆薬の分解を促進し爆薬の安定性を阻害する。し
たがつてこれらの酸性物質を不活性化するかある
いは除去することが必要であり、その方法として
被覆処理後のフエライト系磁性体組成物を中和又
は水洗、あるいは両方の処理を行うことが効果的
である。 中和処理を行う場合、カセイソーダ、カセイカ
リ、炭酸ナトリウム、アンモニア水など通常アル
カリとして使用されているものは全て使用でき
る。このアルカリ性物質を用いてPHを5〜9に調
整する。さらに中和後水洗処理を行つてもよいこ
とはもちろんである。 水洗処理を行う場合、新鮮な水で繰り返し洗浄
を行い、PH5以上になる迄洗浄を続ける。 このようにして得られたフエライト系磁性体組
成物を脱水乾燥後解砕し、爆薬中に10重量%の割
合で混合して爆薬の安定性テストを行つた。テス
ト方法としては、火薬類取締法施行規制に定めら
れている安定性テストの一つであるアベル耐熱テ
スト方法を用い、72℃の条件でテストを行つた。
その結果、窒素化合物が分解して検知されるまで
の時間が無処理フエライト系磁性体粉末の場合、
爆薬に混入直後が7分でその後も低下する傾向に
あり、爆薬の安定性を大きく阻害したのに比べ、
本発明の方法により得られたフエライト系磁性体
組成物の場合は、爆薬に混入直後が30分以上(30
分以上が合格)であり、さらに6か月後の経時変
化追跡の結果も変らず、無混入品と同様の安定性
を示した。 すなわち、本発明の方法により製造されるフエ
ライト系磁性体組成物は爆薬中に混入した場合、
長期間爆薬の安定性を阻害せず、処理混入用(あ
るいは磁性爆薬用)として優れた性能を持つてい
る。 前記のアベル耐熱テストは非常に鋭敏な試験方
法であり、極く微量の酸性物質又はアルカリ性物
質が存在するだけで爆薬中のニトロ基又は硝酸エ
ステル基を分解し、それによつて生じる窒素酸化
物を極く微量でも検出する。したがつてこのテス
トに合格するということは、被覆ポリマーそのも
のを分解劣化させる危険のある不純物が十分除去
あるいは安定化されているということであり、あ
るいは該フエライト系磁性体組成物を爆薬以外の
ものに混合する場合でも、それを劣化、阻害する
危険のある不純物が十分除去あるいは安定化され
ているということであり、本発明の方法は爆薬混
入用のみに限らず、耐安定性の高いフエライト系
磁性体組成物の製造方法としても充分応用でき
る。 次に実施例によつて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明が実施例に記載した範囲内に留
まるものでないことはもちろんである。 実施例 1 かきまぜ後、温度計、冷却管付の14ツ口フ
ラスコにバリウムフエライト粉末(平均粒子径1
μ)100gと水500gを加えて80℃で0.5時間激し
くかきまぜた。この時のPHは11.0であつた。次い
で1N塩酸で中和してPH7.0に調整した。中和後懸
濁液を60℃に保ち、これにメタクリル酸メチルモ
ノマー7gと6g亜硫酸水20gを添加し、60℃で
2時間かきまぜながら反応を行つた。反応終了
後、反応液を冷却しPHを測定したところPH3.0で
あつた。この反応液を2分し、一方はそのまま
過し無中和試料とした。他方は0.1Nカセイソー
ダ水溶液で中和してPH7.0とした。このものも
過し中和試料とした。これら2試料へのポリメタ
クリル酸メチルの被覆量は6.5gであつた。これ
らの2試料を減圧乾燥し、乳鉢で磨り潰したもの
を爆薬安定性テスト用試料とした。 このようにして得られた試料10gとダイナマイ
ト2号榎100gを混合し十分に練り合せたのち、
爆薬の安定性テストの一つであるアベル耐熱試験
を72℃の条件下で行つた。その結果分解して生じ
る窒素酸化物を検出するまでの時間が、中和試料
では30分以上となり、標準のダイナマイト2号榎
そのものと同じ結果が得られたのに対し、無中和
試料では22分であつた。さらに6か月後の測定の
結果、中和試料は30分以上と変らなかつたのに対
して、無中和試料では18分となり明かに安定性が
悪くなつていることが分つた。 実施例 2〜10 実施例1における装置と同様の装置を用いて、
バリウムフエライト粉末(平均粒子径1μ)又は
ストロンチウムフエライト粉末(平均粒子径1
μ)100gを所定量の水に懸濁させ80℃で0.5時間
激しくかきまぜPHを測定した。次いで1N塩酸又
は1N硫酸で中和してPH7.0に調整した。 中和後懸濁液を所定の温度に保ち、これに所定
量のモノマーと6%亜硫酸水20gを添加し、所定
温度で所定時間かきまぜながら反応を行つた。反
応終了後、反応液を冷却しPHを測定した。この反
応液を2分し、一方かそのまま過し無中和試料
とした。他方は0.1Nカセイソーダ水溶液で中和
してPH7.0とした。このものも過して中和試料
とした。 これらの2試料を減圧乾燥し、その重量増加か
らポリマーの被覆量をだした。減圧乾燥試料は乳
鉢で摩り潰し、爆薬安定性テスト用試料とした。 このようにして得られた2試料を、実施例1に
おける方法と同様の方法を用いて爆薬安定性テス
トを行い、分解して生ずる窒素酸化物を検出する
までの時間を測定した。さらに6か月後、同様の
方法で安定性テストを行い、分解して生ずる窒素
酸化物を検出するまでの時間を測定した。次表に
反応条件及び結果を示した。
さらに詳しくいえば、爆薬に混入したときに長期
間にわたつて安定性を保持しうるフエライト組成
物の製造方法に関するものである。 ダイナマイトなどの爆薬で発破作業を行う場
合、配置した爆薬が不発のまま残ることがある。
通常、このような不発爆薬は肉眼により探し出し
除去されているが、この作業には多大の労力と危
険を伴う上に、完全な除去を行うことがむずかし
く残存した爆薬が次の掘削時にドリルと接触して
爆発し、大きな人的被害を与えることがしばしば
みられる。 このような災害予防の対策手段の1つとして、
爆薬に磁石粉末を混入したのち、磁化することに
よつて磁性爆薬とし発破終了後不発爆薬を磁気セ
ンサーで探知する方法が提案されている。 しかしながら、爆薬に普通のフエライト粉末を
混入した場合、長期間保存している間に爆薬が変
質し、その作用が損なわれるという問題を生じる
ため、爆薬の安定性を損なわない磁性材料の開発
が重要な課題となつている。 これまで、爆薬に混入したときにその安定性を
そこなわないようにしたフエライト磁性体粉末と
しては、磁石体粉末の各粒子を化学的に安定なポ
リマーで被覆したものが知られている(特開昭54
−160708号公報)。 しかしながら、このように単に磁性体粉末粒子
を被覆しただけのものは、これを爆薬に配合する
際、混練により粒子表面が接触して被覆が破壊さ
れ、アルカリ性物質が漏出する結果、十分な安定
性が得られない上に、ポリマー被覆を形成する際
の触媒として用いた酸性物質が爆薬の分解を促進
し、安定性を阻害するという欠点がある。 本発明者らは、このような従来のポリマー被覆
磁性体粉末が有する欠点を克服するために種々研
究を重ねた結果、フエライト系磁性体粉末をポリ
マーで被覆するに先立つて、これを酸処理しPH5
〜9に調整しておけば、爆薬に対する悪影響をか
なり軽減することができ、たとえ混練によりポリ
マー被覆が破壊されても、爆薬の安定性をそこな
うことがないこと、及びポリマー被覆を形成させ
たのち、アルカリ処理してPH5〜9に調整してか
ら水洗、乾燥すれば、酸性物質に起因する爆薬の
分解反応を抑制しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明に従えば、フエライト系磁性
体粉末を酸処理してPH5〜9に調整したのち、ラ
ジカル重合可能なモノマーと緊密に接触させた状
態に維持し、酸性亜硫酸イオンの存在下で重合反
応を行わせ、前記粉末をポリマーで被覆し、次い
でアルカリ処理してPH5〜9に調整し、水洗、乾
燥することにより、爆薬に混入した場合にその安
定性をそこなうことのないフエライト組成物を得
ることができる。 本発明方法におけるフエライト系磁性体粉末の
被覆処理は、先に本発明者らが提案した公知の方
法(特公昭55−25482号公報参照)に従つて行う
ことができる。この際、原料のフエライト系磁性
体粉末中に不純物として混入しているアルカリ性
物質を中和、水洗により除去することが、万一被
覆処理が部分的に不十分である場合あるいは爆薬
との混練り時に被覆の一部が破損した場合にも十
分な安定性が維持する上で必要である。 本発明方法において、フエライト系磁性体粉末
をポリマーで被覆処理した場合、ポリマー中に残
存する亜硫酸及びこれが酸化されて生成する硫
酸、さらに亜硫酸又は硫酸とモノマー又は成長中
のオリゴマー(活性オリゴマー)との反応で生成
するスルホン酸誘導体などの爆薬の安定性に悪影
響を及ぼすので、これをアルカリ処理してPH5〜
9に調整したのち、水洗することが必要である。 本発明方法により得られる爆薬混入用フエライ
ト組成物は、フエライト系磁性体粒子及びその表
面に担持された熱可塑性ポリマー又はコポリマー
あるいはその両成分から成つている。 本発明に用いるフエライト系磁性体材料として
は、スピネル結晶構造を有するMn−Zn系、Ni−
Zn系などの軟磁性フエライト、あるいはリチウ
ム系、Mn−Mg系などの半硬質磁性フエライト、
あるいは一般式MO・6Fe2O3(但しMはCa++、
Ba++、Sr++及びPb++などの二価の金属イオンで
ある)で表わされるマグネトプランバイト型結晶
構造を有する硬質磁性フエライトなどを挙げるこ
とができるが、残磁気検知の点から保磁力の強い
硬質磁性フエライトが好適である。フエライト系
磁性体の粒径は、爆発後の残磁気の問題及び爆薬
と練り合せる時の混練り機の磨耗の問題などから
10μ以下が望ましいが、本発明はこれに限定され
るものではない。 また本発明において、フエライト系磁性体粉末
をポリマーで被覆させるに当り、前処理としてフ
エライト系磁性体粉末を酸処理してPHを5〜9に
調整することによつてフエライト系磁性体粉末中
の遊離のアルカリ性物質を除去する。この場合の
酸としては塩酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸、又
は酢酸、プロピオン酸などの有機酸のような通常
酸として使用されるものは全て使用できるが、廃
水処理の問題や価格の問題などから無機酸が望ま
しい。 また水洗する場合は新鮮な水で数回、特に熱水
で洗浄することが望ましい。 本発明に用いるラジカル重合又はラジカル共重
合可能なモノマーとして、アクリル酸、メタクリ
ル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、
エチレングリコールジアクリレート、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、エチレングリコ
ールジメタクリレート、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどのアクリル酸エステル類やメタク
リル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなどの脂肪族ビニルエステル類、スチレン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物
類、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど
のジエン類及びアクリロニトリルなどを挙げるこ
とができる。 本発明の方法においては、上記ラジカル重合又
はラジカル共重合可能なモノマー類から選ばれた
1種あるいは2種以上のモノマーと前処理された
フエライト系磁性体粉末を緊密に接触させた状態
に維持し、酸性亜硫酸イオンの存在下重合反応を
行わせてフエライト系磁性体粉末をホモポリマー
あるいはコポリマーで被覆する。 本発明で用いるラジカル重合又はラジカル共重
合可能なモノマーの量は、余り多過ぎると価格的
に不利であり、少な過ぎるとフエライト系磁性体
粉末を完全に被覆できなくなるので、フエライト
系磁性体粉末に対して重量で0.1〜30%、好まし
くは0.5〜10%の範囲にある。 また本発明で用いる酸性亜硫酸イオンを供与す
る物質として、亜硫酸水、亜硫酸ガス、亜硫酸塩
水溶液、酸性亜硫酸塩水溶液などが使用される。
この亜硫酸イオンの量は、亜硫酸換算でモノマー
100重量部当り0.01〜30重量部、好ましくは0.5〜
10重量部の範囲にある。 本発明の被覆処理条件としては、前処理された
フエライト系磁性体粉末を、フエライト系磁性体
粉末1重量部に対して1〜10重量部の水に懸濁さ
せその中に前記のモノマー及び亜硫酸イオンを供
与する重合開始剤を加えたのち10℃〜100℃、好
ましくは20℃〜70℃の範囲の温度で被覆処理を行
う。処理時間は1〜4時間で、モノマーはほぼ
100%ポリマーに転化する。しかし、特にこれら
の条件に限定されるものではない。 被覆処理後のフエライト系磁性体組成物は亜硫
酸及びこれが酸化されて生じた硫酸、さらに亜硫
酸又は硫酸とモノマー、又は成長中のオリゴマー
(活性オリゴマー)との反応により生じたスルホ
ン酸誘導体などの酸性物質を含有する。これらの
酸性物質は爆薬中に混入されると微量であつても
爆薬の分解を促進し爆薬の安定性を阻害する。し
たがつてこれらの酸性物質を不活性化するかある
いは除去することが必要であり、その方法として
被覆処理後のフエライト系磁性体組成物を中和又
は水洗、あるいは両方の処理を行うことが効果的
である。 中和処理を行う場合、カセイソーダ、カセイカ
リ、炭酸ナトリウム、アンモニア水など通常アル
カリとして使用されているものは全て使用でき
る。このアルカリ性物質を用いてPHを5〜9に調
整する。さらに中和後水洗処理を行つてもよいこ
とはもちろんである。 水洗処理を行う場合、新鮮な水で繰り返し洗浄
を行い、PH5以上になる迄洗浄を続ける。 このようにして得られたフエライト系磁性体組
成物を脱水乾燥後解砕し、爆薬中に10重量%の割
合で混合して爆薬の安定性テストを行つた。テス
ト方法としては、火薬類取締法施行規制に定めら
れている安定性テストの一つであるアベル耐熱テ
スト方法を用い、72℃の条件でテストを行つた。
その結果、窒素化合物が分解して検知されるまで
の時間が無処理フエライト系磁性体粉末の場合、
爆薬に混入直後が7分でその後も低下する傾向に
あり、爆薬の安定性を大きく阻害したのに比べ、
本発明の方法により得られたフエライト系磁性体
組成物の場合は、爆薬に混入直後が30分以上(30
分以上が合格)であり、さらに6か月後の経時変
化追跡の結果も変らず、無混入品と同様の安定性
を示した。 すなわち、本発明の方法により製造されるフエ
ライト系磁性体組成物は爆薬中に混入した場合、
長期間爆薬の安定性を阻害せず、処理混入用(あ
るいは磁性爆薬用)として優れた性能を持つてい
る。 前記のアベル耐熱テストは非常に鋭敏な試験方
法であり、極く微量の酸性物質又はアルカリ性物
質が存在するだけで爆薬中のニトロ基又は硝酸エ
ステル基を分解し、それによつて生じる窒素酸化
物を極く微量でも検出する。したがつてこのテス
トに合格するということは、被覆ポリマーそのも
のを分解劣化させる危険のある不純物が十分除去
あるいは安定化されているということであり、あ
るいは該フエライト系磁性体組成物を爆薬以外の
ものに混合する場合でも、それを劣化、阻害する
危険のある不純物が十分除去あるいは安定化され
ているということであり、本発明の方法は爆薬混
入用のみに限らず、耐安定性の高いフエライト系
磁性体組成物の製造方法としても充分応用でき
る。 次に実施例によつて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明が実施例に記載した範囲内に留
まるものでないことはもちろんである。 実施例 1 かきまぜ後、温度計、冷却管付の14ツ口フ
ラスコにバリウムフエライト粉末(平均粒子径1
μ)100gと水500gを加えて80℃で0.5時間激し
くかきまぜた。この時のPHは11.0であつた。次い
で1N塩酸で中和してPH7.0に調整した。中和後懸
濁液を60℃に保ち、これにメタクリル酸メチルモ
ノマー7gと6g亜硫酸水20gを添加し、60℃で
2時間かきまぜながら反応を行つた。反応終了
後、反応液を冷却しPHを測定したところPH3.0で
あつた。この反応液を2分し、一方はそのまま
過し無中和試料とした。他方は0.1Nカセイソー
ダ水溶液で中和してPH7.0とした。このものも
過し中和試料とした。これら2試料へのポリメタ
クリル酸メチルの被覆量は6.5gであつた。これ
らの2試料を減圧乾燥し、乳鉢で磨り潰したもの
を爆薬安定性テスト用試料とした。 このようにして得られた試料10gとダイナマイ
ト2号榎100gを混合し十分に練り合せたのち、
爆薬の安定性テストの一つであるアベル耐熱試験
を72℃の条件下で行つた。その結果分解して生じ
る窒素酸化物を検出するまでの時間が、中和試料
では30分以上となり、標準のダイナマイト2号榎
そのものと同じ結果が得られたのに対し、無中和
試料では22分であつた。さらに6か月後の測定の
結果、中和試料は30分以上と変らなかつたのに対
して、無中和試料では18分となり明かに安定性が
悪くなつていることが分つた。 実施例 2〜10 実施例1における装置と同様の装置を用いて、
バリウムフエライト粉末(平均粒子径1μ)又は
ストロンチウムフエライト粉末(平均粒子径1
μ)100gを所定量の水に懸濁させ80℃で0.5時間
激しくかきまぜPHを測定した。次いで1N塩酸又
は1N硫酸で中和してPH7.0に調整した。 中和後懸濁液を所定の温度に保ち、これに所定
量のモノマーと6%亜硫酸水20gを添加し、所定
温度で所定時間かきまぜながら反応を行つた。反
応終了後、反応液を冷却しPHを測定した。この反
応液を2分し、一方かそのまま過し無中和試料
とした。他方は0.1Nカセイソーダ水溶液で中和
してPH7.0とした。このものも過して中和試料
とした。 これらの2試料を減圧乾燥し、その重量増加か
らポリマーの被覆量をだした。減圧乾燥試料は乳
鉢で摩り潰し、爆薬安定性テスト用試料とした。 このようにして得られた2試料を、実施例1に
おける方法と同様の方法を用いて爆薬安定性テス
トを行い、分解して生ずる窒素酸化物を検出する
までの時間を測定した。さらに6か月後、同様の
方法で安定性テストを行い、分解して生ずる窒素
酸化物を検出するまでの時間を測定した。次表に
反応条件及び結果を示した。
【表】
【表】
実施例 11
実施例1における装置と同様の装置を用いて、
バリウムフエライト粉末(平均粒子径1μ)100
gを水500gに懸濁させ80℃で0.5時間激しくかき
まぜた。この時のPHは11.0であつた。次いで1N
塩酸で中和しPH7.0に調整した。中和後懸濁液を
60℃に保ち、これにメタクリル酸メチルモノマー
7gと6%亜硫酸水20gを添加し、60℃で2時間
かきまぜながら反応を行つた。反応終了後、反応
液を冷却してPH測定したところPH3.1であつた。
この反応液を2分し、一方はそのまま過して無
中和試料とした。他方は200gの水で6回洗浄し
た。最終洗浄液のPHは6.2であつた。このものも
過し水洗試料とした。これら2試料へのポリメ
タクリル酸メチルの被覆量は6.2gであつた。こ
れら2試料を減圧乾燥し、乳鉢で摩り潰したもの
を爆薬安定性テスト用試料とた。このようにして
得られた2試料を、実施例1における方法と同様
の方法を用いて爆薬安定性テストを行つた。その
結果分解して生ずる窒素酸化物を検出するまでの
時間が、水洗試料では30分以上となり、標準のダ
イナマイト2号榎そのものと同じ結果が得られた
のに対し、無水洗試料では22分であつた。さらに
6か月後の測定結果でも、水洗試料は30分以上を
保つているのに対して、無水洗試料は16分と低下
した。 参考例 実施例1における装置と同様の装置を用いて、
バリウムフエライト粉末(平均粒子径1μ)100
gを水500gに懸濁させて60℃に保ち、これにメ
タクリル酸メチルモノマー7gと6%亜硫酸水40
gを添加し、60℃で2時間かきまぜながら反応を
行つた。反応終了後、反応液を冷却してPHを測定
したところPH2.8であつた。この反応液を2分
し、一方はそのまま過し無中和試料とした。他
方は0.1Nカセイソーダ水溶液で中和しPH7.0とし
た。このものも過し中和試料とした。これら2
試料へのポリメタクリル酸メテルの被覆量は6.0
gであつた。これら2試料を減圧乾燥し、乳鉢で
摩り潰したものを爆薬安定性テスト用試料とし
た。 このようにして得られた2試料を、実施例1に
おける方法と同様の方法を用いて爆薬安定性テス
トを行つた。その結果分解して生ずる窒素酸化物
を検出するまでの時間が、中和試料では30分以上
となり、標準のダイナマイト2号榎そのものと同
じ結果が得られたのに対し、無中和試料では22分
であつた。さらに1か月後の測定結果では、中和
試料も19分と低下し、フエライト粉末試料を中和
又は水洗などの前処理をしない場合は、経時的に
爆薬の安定性が阻害された。
バリウムフエライト粉末(平均粒子径1μ)100
gを水500gに懸濁させ80℃で0.5時間激しくかき
まぜた。この時のPHは11.0であつた。次いで1N
塩酸で中和しPH7.0に調整した。中和後懸濁液を
60℃に保ち、これにメタクリル酸メチルモノマー
7gと6%亜硫酸水20gを添加し、60℃で2時間
かきまぜながら反応を行つた。反応終了後、反応
液を冷却してPH測定したところPH3.1であつた。
この反応液を2分し、一方はそのまま過して無
中和試料とした。他方は200gの水で6回洗浄し
た。最終洗浄液のPHは6.2であつた。このものも
過し水洗試料とした。これら2試料へのポリメ
タクリル酸メチルの被覆量は6.2gであつた。こ
れら2試料を減圧乾燥し、乳鉢で摩り潰したもの
を爆薬安定性テスト用試料とた。このようにして
得られた2試料を、実施例1における方法と同様
の方法を用いて爆薬安定性テストを行つた。その
結果分解して生ずる窒素酸化物を検出するまでの
時間が、水洗試料では30分以上となり、標準のダ
イナマイト2号榎そのものと同じ結果が得られた
のに対し、無水洗試料では22分であつた。さらに
6か月後の測定結果でも、水洗試料は30分以上を
保つているのに対して、無水洗試料は16分と低下
した。 参考例 実施例1における装置と同様の装置を用いて、
バリウムフエライト粉末(平均粒子径1μ)100
gを水500gに懸濁させて60℃に保ち、これにメ
タクリル酸メチルモノマー7gと6%亜硫酸水40
gを添加し、60℃で2時間かきまぜながら反応を
行つた。反応終了後、反応液を冷却してPHを測定
したところPH2.8であつた。この反応液を2分
し、一方はそのまま過し無中和試料とした。他
方は0.1Nカセイソーダ水溶液で中和しPH7.0とし
た。このものも過し中和試料とした。これら2
試料へのポリメタクリル酸メテルの被覆量は6.0
gであつた。これら2試料を減圧乾燥し、乳鉢で
摩り潰したものを爆薬安定性テスト用試料とし
た。 このようにして得られた2試料を、実施例1に
おける方法と同様の方法を用いて爆薬安定性テス
トを行つた。その結果分解して生ずる窒素酸化物
を検出するまでの時間が、中和試料では30分以上
となり、標準のダイナマイト2号榎そのものと同
じ結果が得られたのに対し、無中和試料では22分
であつた。さらに1か月後の測定結果では、中和
試料も19分と低下し、フエライト粉末試料を中和
又は水洗などの前処理をしない場合は、経時的に
爆薬の安定性が阻害された。
Claims (1)
- 1 フエライト系磁性体粉末を酸処理して、PH5
〜9に調整したのち、ラジカル重合可能なモノマ
ーと緊密に接触させた状態に維持し、酸性亜硫酸
イオンの存在下で重合反応を行わせ、前記粉末を
ポリマーで被覆し、次いでアルカリ処理してPH5
〜9に調整し、水洗、乾燥することを特徴とする
爆薬混入用フエライト組成物の製造方法。
Priority Applications (9)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP55158428A JPS5782196A (en) | 1980-11-11 | 1980-11-11 | Manufacture of explosive mixing ferrite composition |
| US06/315,136 US4455179A (en) | 1980-11-11 | 1981-10-26 | Method for the preparation of magnetically traceable explosives |
| AU76922/81A AU547252B2 (en) | 1980-11-11 | 1981-10-28 | Traceable explosives |
| IT24934/81A IT1168060B (it) | 1980-11-11 | 1981-11-09 | Esplosivi rintracciabili magneticamente dotati di stabilita' e metodo per la loro preparazione |
| GB8133826A GB2089781B (en) | 1980-11-11 | 1981-11-10 | Magnetically traceable explosives |
| SE8106657A SE458275B (sv) | 1980-11-11 | 1981-11-10 | Magnetiskt spaarbara stabila spraengaemnen och foerfarande foer framstaellning daerav |
| FR8121060A FR2493830B1 (fr) | 1980-11-11 | 1981-11-10 | Explosifs pouvant etre traces magnetiquement et procede pour leur preparation |
| DE19813144846 DE3144846A1 (de) | 1980-11-11 | 1981-11-11 | Magnetisch nachweisbare sprengstoffe mit stabilitaet und ein verfahren zu ihrer herstellung |
| US06/565,571 US4537645A (en) | 1980-11-11 | 1983-12-27 | Magnetically traceable explosives with stability and a method for the preparation thereof |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP55158428A JPS5782196A (en) | 1980-11-11 | 1980-11-11 | Manufacture of explosive mixing ferrite composition |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5782196A JPS5782196A (en) | 1982-05-22 |
| JPS6215514B2 true JPS6215514B2 (ja) | 1987-04-08 |
Family
ID=15671536
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP55158428A Granted JPS5782196A (en) | 1980-11-11 | 1980-11-11 | Manufacture of explosive mixing ferrite composition |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5782196A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5834437B2 (ja) * | 1978-06-09 | 1983-07-26 | 東北金属工業株式会社 | 爆薬混入用のフェライト磁石粉末 |
-
1980
- 1980-11-11 JP JP55158428A patent/JPS5782196A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5782196A (en) | 1982-05-22 |
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