JPS623270B2 - - Google Patents
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- JPS623270B2 JPS623270B2 JP54076728A JP7672879A JPS623270B2 JP S623270 B2 JPS623270 B2 JP S623270B2 JP 54076728 A JP54076728 A JP 54076728A JP 7672879 A JP7672879 A JP 7672879A JP S623270 B2 JPS623270 B2 JP S623270B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステルマルチフイラメント糸よ
りなる独特の絹様風合を有する新規な織編物の製
造方法に関する。 従来ポリエステルマルチフイラメント糸使い織
編物は特に糸断面形状や艷消剤の種類、量などを
コントロールすることにより絹様の光沢、感触が
ある程度付与することに成功しているが、ペーパ
ーライクで絹の独特の風合には到つていない。こ
の欠点を解決するためにポリエステルポリマがア
ルカリ処理により加水分解を受け易い性質を利用
し、ポリエステルマルチフイラメント糸使い織編
物をアルカリ処理し、ソフト感、ドレープ性など
を向上させる手法も広く実施されているが、この
手法でも風合面において絹に及ばないのが現状で
ある。ポリエステルマルチフイラメント糸使い織
編物をアルカリ処理する際の糸断面の変化を見る
とマルチフイラメントからなる糸束の外側に存在
するフイラメントは良く加水分解され、糸断面積
が減少しているのに対し、糸束中心部側に存在す
るフイラメント程糸断面積の減少が少なく絹織編
物に比較し糸束中央部のフイラメント間の空隙が
少なく、これがポリエステルマルチフイラメント
糸使い織編物のボリユーム感、ドレープ性などに
乏しいことと対応している。この傾向はマルチフ
イラメント糸のフイラメント数および撚数を増加
させる程増大し、特にフイラメント数を30本程度
以上とした場合および強撚物と呼ばれる分野で著
しい。 又、近年ポリエステルフイラメントを改質し
て、制電性、易染色性、難撚性などを付与するた
め改質剤を共重合あるいは混合することが行なわ
れているが、ポリエステルを改質すると一般的に
アルカリ処理により、織編物中の糸強度の低下が
著しく実用性がそこなわれる欠点がある。 又、通常のポリエステルフイラメント糸使い織
編物をアルカリ処理する際には、アルカリ処理す
る時間が1時間程度と長時間必要であり、一般的
には生産性の悪いバツチ方式により実施されてお
り、更に規定の風合を得るまでのアルカリ処理時
間が一定し難いという欠点がある。 なお、特公昭50―40169号公報には、染色性、
耐光性、耐炎性などを改善するために改質材を共
重合又はブレンドしたポリエステルを薄層状の鞘
としたポリエステル芯鞘複合糸の製造方法が開示
されているが、該発明の目的は改質したポリエス
テルを糸表面に配置したままで使用することで達
成されるものであり、このような方法によつて得
られた糸を用いた織編物は、従来のポリエステル
マルチフイラメント糸使い織編物と同様にペーパ
ーライクで絹の独得の風合には遠く及ばない欠点
がある。 又、たとえ織編物をアルカリ処理し鞘成分を除
去することができたとしても糸中における鞘成分
に対する芯成分の断面積比が5〜200と鞘成分量
が少なく薄層状であるため、アルカリ処理の効果
はわずかであるという欠点がある。 本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消す
るものであつてドレープ性、ボリユーム感、ソフ
ト感などに優れた絹様風合フイラメント織編物を
簡単にかつ能率よく製造する方法を提供するもの
である。 すなわち、前記した本発明の目的は芯成分が90
モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポ
リエステルであり、鞘成分が2〜10モル%のエチ
レン5―ソジユームスルホイソフタレート単位を
含むエチレンテレフタレート共重合ポリエステル
である芯鞘複合マルチフイラメント糸を製造する
に際し、芯成分の固有粘度(25℃オルトクロロフ
エノール中)が0.55〜0.80、鞘成分の固有粘度が
0.60以下であつて、かつ芯成分より0.10以上小さ
いポリエステルを用い、芯成分が三葉断面であ
り、フイラメント数が30本以上の該芯鞘複合マル
チフイラメント糸を使用した織編物をアルカリ処
理により少なくとも鞘成分の一部を溶解除去する
ことを特徴とする絹様フイラメント織編物の製造
方法によつて達成される。 本発明で好ましく用いることのできる芯鞘複合
マルチフイラメント糸を構成するフイラメント糸
の例を第1図に示す。 第1図は3葉断面芯鞘複合糸の横断面図であ
る。1が芯成分、2が鞘成分を示すものである。
芯鞘複合糸の横断面形状、芯成分および鞘成分の
糸横断面における形状は絹様の光沢を付与するた
めに芯成分の形状は3葉断面とすることが必要で
あり、鞘成分の形状はアルカリ処理においてすみ
やかにかつ均一に溶解除去できるよう鞘成分の厚
さは実質的に一様であることが好ましい。 なお、鞘成分の厚さが実質的に一様であるとは
鞘成分の平均の厚さTに対し糸横断面の任意の場
所での鞘成分の厚さがT±0.25T以内にあること
を指す。 本発明においてはかかる芯鞘複合マルチフイラ
メント糸の芯成分に90モル%以上がエチレンテレ
フタレートからなるポリエステル、鞘成分が2〜
10モル%のエチレン5―ソジユームスルホイソフ
タレート単位を含むエチレンテレフタレート共重
合ポリエステルを配置せしめるものである。 芯成分を形成するポリエステル中に公知の親水
化剤、易染剤、難燃剤、防炎剤、紫外線吸収剤な
どを共重合あるいはブレンドの形で導入すること
は可能である。芯鞘型複合マルチフイラメント糸
でない通常の糸では一般的にアルカリ処理で糸強
度の低下が著しい欠点があるが、本発明において
は芯成分をほとんどアルカリ処理にさらされるこ
となく、処理が可能なため糸強度の低下が少ない
という本発明のもう一つの効果が発揮できる。と
りわけ芯成分としてエチレン5―ソジユームスル
ホイソフタレートを共重合したポリエステルを用
いた場合は、本発明の効果は顕著であり、この場
合芯成分は鞘成分のエチレン5―ソジユームスル
ホイソフタレート単位量より2モル%以上少な
く、かつ1〜3モル%のエチレン5―ソジユーム
スルホイソフタレート単位を含む共重合ポリエス
テルであることが好ましい。 鞘成分を形成するポリエステルとは、2〜10モ
ル%のエチレン5―ソジユームスルホイソフタレ
ート単位を含むエチレンテレフタレート共重合ポ
リエステルであるが、この共重合ポリエステルに
は約10モル%までのグリコール類又は他のエステ
ル類あるいはオキシカルボン酸類を含有させるこ
ともできる。含有し得る化合物としてはたとえば
酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、ナフタリ
ン―2,6―ジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸およびアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族
ジカルボン酸などでありジオールとしてジエチレ
ングリコール、1,4―ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、シクロヘキサン―1,4―ジ
メタノールなどを挙げることができる。 更に鞘成分を形成するポリエステル中には本発
明の効果を阻害しない範囲で公知の艷消剤、抗酸
化剤などを添加、含有せしめ製糸性を向上させる
ことも可能である。これらの添加剤以外に螢光増
白剤、難燃剤、染外線吸収剤などを必要に応じて
添加、含有せしめても良い。ポリエステル中のエ
チレン5―ソジユームスルホネートの共重合量が
増加する程アルカリ処理により加水分解し易くな
り溶解除去し易くなる。本発明における鞘成分中
のエチレン5―ソジユームスルホネートの共重合
量は加水分解速度が急増しはじめる2モル%以上
とすることが必要である。エチレン5―ソジユー
ムスルホイソフタレート/エチレンテレフタレー
ト共重合ポリエステルにおいてはエチレン5―ソ
ジユームスルホネート量が2モル%以上の場合、
ポリエチレンテレフタレートに比較し約5倍以上
の易加水分解性を示すもので、このポリマの組合
せで絹様織編物を製造する際のアルカリ処理時に
は鞘成分はきわめて早く溶解除去し、鞘成分除去
後は芯成分はわずかにしか溶解除去せず、アルカ
リ処理を短時間にかつ制御性良く行なうことが可
能である。鞘成分中のエチレン5―ソジユームス
ルホネートの共重合量が多くなるとアルカリ処理
による加水分解のし易さは向上し、3モル%以上
とすることが好ましいが反面多過ぎると芯鞘複合
マルチフイラメント糸の強度や芯鞘複合マルチフ
イラメント糸を製造する際の製糸性が低下し易く
なる欠点があり、共重合量は10モル%以下とする
必要があり、8モル%以下とすることが好まし
い。 本発明に用いることのできる芯鞘複合マルチフ
イラメント糸は、たとえば特公昭43―30011号公
報、特公昭47―33724号公報などに示されるよう
な通常の芯鞘複合紡糸方法により得られるもの
で、複合フイラメント糸断面形状は前述したよう
に3葉断面状の芯成分に実質的に一様の厚さの鞘
成分が配位した如くにすることが好ましい。芯鞘
複合マルチフイラメント糸における鞘成分の量は
特に制限はないが、通常ポリエステル織編物をア
ルカリ処理し溶解除去する際には20〜35重量%溶
解除去するのが風合を向上させるのに有効であ
り、本発明においてもこの溶解除去量に対応する
よう、鞘成分の量は20〜35重量%とすることが好
ましい。芯成分の繊度は制限はないが絹様風合織
編物とするために0.5〜2.5デニールの範囲とする
ことが好ましく、更に芯成分間の繊度を変えてデ
ニールミツクス糸としソフトでかつ腰、張のある
絹様織編物とすることや、芯成分間の熱収縮率を
変えて熱収縮率ミツクス糸として一層ボリユーム
感に富んだ絹様織編物とすることもできる。 芯鞘複合マルチフイラメント糸を紡糸、延伸あ
るいは製織、編成など鞘成分を溶解除去する以前
の工程を通過させる際に糸切れや毛羽が発生する
とそれぞれの工程における生産性や得られる織編
物の品位を低下させ好ましいことではない。 芯成分に90モル%以上がエチレンテレフタレー
トからなるポリエステルを、鞘成分にエチレン5
―ソジユームスルホイソフタレート/エチレンテ
レフタレート共重合ポリエステルを用いた芯鞘複
合マルチフイラメント糸の場合上記のような欠点
を実質的に問題ないレベルとするために鞘成分の
固有粘度を0.60以下とし、芯成分より0.10以上小
さくし、かつ芯成分の固有粘度を0.55〜0.80とす
ることが必要である。エチレン5―ソジユームス
ルホイソフタレート/エチレンテレフタレート共
重合ポリエステルは同一の固有粘度を有するポリ
エチレンテレフタレートより同一の伸度の延伸糸
とする延伸倍率が低く、芯鞘複合マルチフイラメ
ント糸の延伸の際には低い延伸倍率を示す成分に
より延伸倍率が規制され、十分な延伸がされず低
い強度の複合糸しか得られないが上記の固有粘度
範囲とすることにより、十分な延伸ができ糸強度
を向上させることができる。 通常延伸糸強度を向上させるには固有粘度を増
加させることが有効であるが、本発明では逆に低
下させる点に特徴がある。なお、鞘成分の固有粘
度はあまりに低下させると重合後チツプ形状にカ
ツテイングする際に良好な形状とし難いため0.48
以上が好ましく、0.50以上がより好ましい。な
お、本発明の固有粘度は25℃オルトクロロフエノ
ール中での測定値を示す。 本発明におけるフイラメント織編物は織編物を
構成する糸条がフイラメントであれば組織、密度
などに特に制約はなく芯鞘複合マルチフイラメン
ト糸を少なくとも一部に使用すれば良いが、本発
明の効果を十分発揮するために織編物を構成する
全てに芯鞘複合マルチフイラメント糸を使用する
ことが好ましい。 織編物を構成するフイラメントがカツトパイル
あるいは起毛などによつて毛羽が付与されると絹
様感が減少するので本発明の織編物は実質的に毛
羽のないフイラメント織編である。しかも前記し
たようにマルチフイラメント糸のフイラメントの
数は30本以上で効果が発揮される。 次に織編物をアルカリ処理するのであるが、ア
ルカリ処理に先だち織編物を自由収縮可能な状態
(力のかからない状態)で形態熱固定することが
好ましい。これはアルカリ処理により鞘成分を溶
解除去し、隣接する芯成分間の空間がアルカリ処
理中およびアルカリ処理後に芯成分の位置移動に
より減少しないようにするためである。形態固定
温度は芯成分を形成するポリエステルポリマの結
晶化温度より高く(軟化点−50℃)より低いこと
が好ましく通常150〜200℃である。 なお、アルカリ処理後の仕上セツトもこれと同
様に自由収縮可能な状態で仕上セツトすることが
好ましい。 アルカリ処理としてはアルカリ金属の水酸化物
の加熱水溶液にてバツチ式、ジツカー、ウイン
ス、ビーム、吊り槽などの処方により織編物を処
理するもので公知のいかなる方法を用いても良
い。特にバツド・ドライ法やバツド・スチーム法
などにより連続的に織編物をアルカリ処理する生
産性を高めた方法に好ましく適用できる。鞘成分
の溶解速度を速くするために、アルカリ水溶液に
フエノール系物質、アミン系物質、第4級アンモ
ニウム塩、高沸点の多価アルコールなどを添加し
て用いることもできる。 アルカリ金属の水酸化物のなかでもコストが安
く、溶解する能力が大きい点で水酸化ナトリウム
を使用することが好ましく、この場合水酸化ナト
リウム水溶液の濃度を1〜40wt%、温度60〜130
℃として用いることが好ましい。アルカリ処理に
より鞘成分の少なくとも一部を溶解除去すること
により、本発明の効果は得られるが、十分効果を
発揮するためには鞘成分の全てを溶解除去するこ
とが好ましい。アルカリ処理後、鞘成分が溶解せ
ずに一部残存すると染色時に染むらになり易い点
からも鞘成分の全てを溶解除去することが好まし
い。鞘成分の全てを溶解除去するに必要なアルカ
リ処理時間は芯鞘複合フイラメント糸断面形状、
アルカリ水溶液濃度、温度などで変化するが、お
およそ30分以内であり、3分以内とし連続的にア
ルカリ処理するようにすることもでき、このよう
に短時間で処理できるようアルカリ処理条件を設
定することが好ましい。 以上説明したように本発明においてはアルカリ
処理により極めて速く溶解除去できる特定のポリ
エステルを鞘成分に配置した芯鞘複合マルチフイ
ラメント糸を用いることにより織編物をアルカリ
処理する際には糸束を構成する全てのフイラメン
トが均一にアルカリ処理されるため、糸束の外側
から中央部にわたつてフイラメント間の空隙が大
きくソフト感、ドレープ性、ボリユーム感に優れ
た絹様織編物に仕上げることができる。 又、アルカリ処理により強度の低下し易いポリ
エステルを芯成分に配置することにより、アルカ
リ処理の際には実質的にアルカリ処理を受けない
ようにし、芯成分の強度の低下を減少させること
もできる。アルカリ処理において実質的に鞘成分
のみを極めて短時間に連続的に行ない通常のポリ
エステルフイラメント糸使い織編物をアルカリ処
理する場合に比較し、著しく生産性を高めること
ができる。 更に鞘成分がアルカリ処理により極めて速く溶
解し、芯成分はほとんど溶解しないアルカリ処理
条件とし、処理時間や処理温度などの多少の変動
があつても実質的に同じ風合を有する織編物とす
ることができる。 なお、本発明において芯鞘複合マルチフイラメ
ント糸を織編物とするに先だつて仮撚などケン縮
加工することも可能である。 仮撚加工する場合には、仮撚加撚域での熱処理
温度を鞘成分の(軟化点−40℃)から(軟化点−
100℃)とすることが好ましく、更には(軟化点
−60℃)以下とすることにより、芯鞘複合糸でな
い通常の糸条に比較し芯成分の変形が少なく紡
糸、延伸して得られた時の芯成分の形状に近い形
状とし織編物においても良好な糸断面形状を保持
させることもできる。 以下具体例を挙げて本発明を説明する。 実施例 1 芯成分として25℃オルトクロロフエノール中固
有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート、鞘成
分として25℃オルトクロロフエノール中固有粘度
0.53のエチレン5―ソジユームスルホイソフタレ
ート(5モル%)/エチレンテレフタレート(95
モル%)共重合ポリエステルを用い、紡糸温度
290℃、紡糸速度1200m/minにて複合紡糸して
第1図の如くの横断面を有する芯鞘複合マルチフ
イラメント糸を得た。この芯鞘複合マルチフイラ
メント糸において鞘成分が全体に占める割合は25
重量%であり、鞘成分は実質的に同じ厚さを有し
ていた。引続き延伸速度400m/min、熱ピン温
度120℃、延伸倍率3.2倍で延伸を行ない、75デニ
ール48フイラメントの延伸糸とした。延伸糸の強
度は4.4g/d、伸度は33%であつた。この延伸
糸をタテ糸(300T/Mの加撚を施してある)、ヨ
コ糸(700T/Mの加撚を施してある)に用いて
織密度98本/2.54cm(タテ,ヨコ共)として平織
物を製織した。この織物を98〜100℃の水中でノ
イゲンおよびソーダ灰による精練を行なつた後、
自由収縮を許す状態で180℃、3分間の乾熱セツ
トによつて形態固定を行なつた。ついで98〜100
℃で濃度30g/の水酸化ナトリウム水溶液で2
分間アルカリ処理を行なつて鞘成分を完全に溶解
除去し、水洗、風乾を行なつた。アルカリ処理時
の織物に占めるトータルの溶解除去量は26%であ
つた。ついで、実質的に無張力の状態で185℃、
3分間の乾熱仕上セツトを行なつて織物表面のシ
ワを消去した。得られた織物の風合はボリユーム
感、ドレープ性、ソフト感、反発性と絹様光沢を
兼備した優れた絹様織物であつた。 比較実施例 1 全体が実施例1の芯成分と同一のポリマ組成を
有し、かつ実施例1の複合糸と同一の断面形状を
有する75デニール48フイラメントの延伸糸を用い
て実施例1に準じて製織、精練、形態固定、アル
カリ処理、仕上セツトを行なつた。ただし、アル
カリ処理の際に溶解除去量を26%とするには80分
ときわめて長時間を必要とした。得られた織物の
風合は実施例1の織物に比較し、ボリユーム感、
ドレープ性、ソフト感、反発性のいずれにおいて
も見おとりするものであつた。 実施例 2 芯成分として25℃オルトクロロフエノール中の
固有粘度0.62のエチレン5―ソジユームスルホイ
ソフタレート(2.5モル%)/エチレンテレフタ
レート(97.5モル%)共重合ポリエステル、鞘成
分として25℃オルトクロロフエノール中の固有粘
度0.51のエチレン5―ソジユームスルホイソフタ
レート(6モル%)/エチレンテレフタレート
(94モル%)共重合ポリエステルを用い、実施例
1に準じて紡糸延伸した。延伸糸の強度は3.8
g/d、伸度は31%であつた。この延伸糸につい
て実施例1に準じて製織、精練、形態固定、アル
カリ処理、仕上セツトを行なつた。ただし、仕上
セツト前に通常のポリエステル用塩基性染料を用
いて染色処理を行なつた。 なお、アルカリ処理の際に鞘成分を全て溶解除
去するに必要な時間は1.5分と極めて短時間であ
り、織物に占めるトータルの溶解除去量は28%で
あつた。得られた織物の風合はボリユーム感、ド
レープ性、ソフト感、反発性と絹様光沢および鮮
明な染色性を兼備した優れた絹様織物であつた。 なお、織物を構成するマルチフイラメント糸の
強度は3.2g/d、伸度は35%であり、織物引裂
に対する抵抗性も十分実用に耐えるものであつ
た。 比較実施例 2 全体が実施例2の芯成分と同一のポリマ組成を
有し、かつ実施例2の複合糸と同一の断面形状を
有する75デニール48フイラメントの延伸糸を用い
て実施例2に準じて製織、精練、形態固定、アル
カリ処理、染色、仕上セツトを行なつた。ただ
し、アルカリ処理の際に溶解除去量を28%とする
には15分間の長時間を必要とした。得られた織物
の風合は実施例2の織物に比較し、ボリユーム
感、ドレープ性、ソフト感、反発性のいずれにお
いても見おとりするものであつた。更に延伸糸の
段階では強度3.9g/d、伸度34%あつたもの
が、仕上セツト後の織物を構成するマルチフイラ
メント糸の強度は2.4g/d、伸度は30%であ
り、織物引裂に対する抵抗性は実用性に乏しかつ
た。 実施例 3 芯成分、鞘成分を表1に示す固有粘度の組合せ
とし、実施例1に準じ複合紡糸し延伸した。延伸
の際の延伸倍率は芯鞘複合マルチフイラメント糸
の伸度を30%とする延伸倍率とした。得られた延
伸糸を実施例1に準じ製織、アルカリ処理を行な
つた。 No.1と5はいずれも製糸、製織時に毛羽、糸切
の発生が多い欠点がめだつた。いずれの織物もボ
リユーム感、ドレープ性、ソフト感、反発性と絹
様光沢を兼備した絹様織物であつたがNo.1と5の
織物は構成しているマルチフイラメント糸の強度
が低過ぎることに対応して引裂強力が低く実用性
に乏しかつた。No.2〜4の織物は実用性のあるも
のであつた。複合マルチフイラメント糸の強度、
製糸性と製織性および織物の実用性の点より鞘成
分の固有粘度は0.60以下であつて、芯成分より
0.10以上小さいポリエステルであることが必要で
あることが示された。 【表】
りなる独特の絹様風合を有する新規な織編物の製
造方法に関する。 従来ポリエステルマルチフイラメント糸使い織
編物は特に糸断面形状や艷消剤の種類、量などを
コントロールすることにより絹様の光沢、感触が
ある程度付与することに成功しているが、ペーパ
ーライクで絹の独特の風合には到つていない。こ
の欠点を解決するためにポリエステルポリマがア
ルカリ処理により加水分解を受け易い性質を利用
し、ポリエステルマルチフイラメント糸使い織編
物をアルカリ処理し、ソフト感、ドレープ性など
を向上させる手法も広く実施されているが、この
手法でも風合面において絹に及ばないのが現状で
ある。ポリエステルマルチフイラメント糸使い織
編物をアルカリ処理する際の糸断面の変化を見る
とマルチフイラメントからなる糸束の外側に存在
するフイラメントは良く加水分解され、糸断面積
が減少しているのに対し、糸束中心部側に存在す
るフイラメント程糸断面積の減少が少なく絹織編
物に比較し糸束中央部のフイラメント間の空隙が
少なく、これがポリエステルマルチフイラメント
糸使い織編物のボリユーム感、ドレープ性などに
乏しいことと対応している。この傾向はマルチフ
イラメント糸のフイラメント数および撚数を増加
させる程増大し、特にフイラメント数を30本程度
以上とした場合および強撚物と呼ばれる分野で著
しい。 又、近年ポリエステルフイラメントを改質し
て、制電性、易染色性、難撚性などを付与するた
め改質剤を共重合あるいは混合することが行なわ
れているが、ポリエステルを改質すると一般的に
アルカリ処理により、織編物中の糸強度の低下が
著しく実用性がそこなわれる欠点がある。 又、通常のポリエステルフイラメント糸使い織
編物をアルカリ処理する際には、アルカリ処理す
る時間が1時間程度と長時間必要であり、一般的
には生産性の悪いバツチ方式により実施されてお
り、更に規定の風合を得るまでのアルカリ処理時
間が一定し難いという欠点がある。 なお、特公昭50―40169号公報には、染色性、
耐光性、耐炎性などを改善するために改質材を共
重合又はブレンドしたポリエステルを薄層状の鞘
としたポリエステル芯鞘複合糸の製造方法が開示
されているが、該発明の目的は改質したポリエス
テルを糸表面に配置したままで使用することで達
成されるものであり、このような方法によつて得
られた糸を用いた織編物は、従来のポリエステル
マルチフイラメント糸使い織編物と同様にペーパ
ーライクで絹の独得の風合には遠く及ばない欠点
がある。 又、たとえ織編物をアルカリ処理し鞘成分を除
去することができたとしても糸中における鞘成分
に対する芯成分の断面積比が5〜200と鞘成分量
が少なく薄層状であるため、アルカリ処理の効果
はわずかであるという欠点がある。 本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消す
るものであつてドレープ性、ボリユーム感、ソフ
ト感などに優れた絹様風合フイラメント織編物を
簡単にかつ能率よく製造する方法を提供するもの
である。 すなわち、前記した本発明の目的は芯成分が90
モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポ
リエステルであり、鞘成分が2〜10モル%のエチ
レン5―ソジユームスルホイソフタレート単位を
含むエチレンテレフタレート共重合ポリエステル
である芯鞘複合マルチフイラメント糸を製造する
に際し、芯成分の固有粘度(25℃オルトクロロフ
エノール中)が0.55〜0.80、鞘成分の固有粘度が
0.60以下であつて、かつ芯成分より0.10以上小さ
いポリエステルを用い、芯成分が三葉断面であ
り、フイラメント数が30本以上の該芯鞘複合マル
チフイラメント糸を使用した織編物をアルカリ処
理により少なくとも鞘成分の一部を溶解除去する
ことを特徴とする絹様フイラメント織編物の製造
方法によつて達成される。 本発明で好ましく用いることのできる芯鞘複合
マルチフイラメント糸を構成するフイラメント糸
の例を第1図に示す。 第1図は3葉断面芯鞘複合糸の横断面図であ
る。1が芯成分、2が鞘成分を示すものである。
芯鞘複合糸の横断面形状、芯成分および鞘成分の
糸横断面における形状は絹様の光沢を付与するた
めに芯成分の形状は3葉断面とすることが必要で
あり、鞘成分の形状はアルカリ処理においてすみ
やかにかつ均一に溶解除去できるよう鞘成分の厚
さは実質的に一様であることが好ましい。 なお、鞘成分の厚さが実質的に一様であるとは
鞘成分の平均の厚さTに対し糸横断面の任意の場
所での鞘成分の厚さがT±0.25T以内にあること
を指す。 本発明においてはかかる芯鞘複合マルチフイラ
メント糸の芯成分に90モル%以上がエチレンテレ
フタレートからなるポリエステル、鞘成分が2〜
10モル%のエチレン5―ソジユームスルホイソフ
タレート単位を含むエチレンテレフタレート共重
合ポリエステルを配置せしめるものである。 芯成分を形成するポリエステル中に公知の親水
化剤、易染剤、難燃剤、防炎剤、紫外線吸収剤な
どを共重合あるいはブレンドの形で導入すること
は可能である。芯鞘型複合マルチフイラメント糸
でない通常の糸では一般的にアルカリ処理で糸強
度の低下が著しい欠点があるが、本発明において
は芯成分をほとんどアルカリ処理にさらされるこ
となく、処理が可能なため糸強度の低下が少ない
という本発明のもう一つの効果が発揮できる。と
りわけ芯成分としてエチレン5―ソジユームスル
ホイソフタレートを共重合したポリエステルを用
いた場合は、本発明の効果は顕著であり、この場
合芯成分は鞘成分のエチレン5―ソジユームスル
ホイソフタレート単位量より2モル%以上少な
く、かつ1〜3モル%のエチレン5―ソジユーム
スルホイソフタレート単位を含む共重合ポリエス
テルであることが好ましい。 鞘成分を形成するポリエステルとは、2〜10モ
ル%のエチレン5―ソジユームスルホイソフタレ
ート単位を含むエチレンテレフタレート共重合ポ
リエステルであるが、この共重合ポリエステルに
は約10モル%までのグリコール類又は他のエステ
ル類あるいはオキシカルボン酸類を含有させるこ
ともできる。含有し得る化合物としてはたとえば
酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、ナフタリ
ン―2,6―ジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸およびアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族
ジカルボン酸などでありジオールとしてジエチレ
ングリコール、1,4―ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、シクロヘキサン―1,4―ジ
メタノールなどを挙げることができる。 更に鞘成分を形成するポリエステル中には本発
明の効果を阻害しない範囲で公知の艷消剤、抗酸
化剤などを添加、含有せしめ製糸性を向上させる
ことも可能である。これらの添加剤以外に螢光増
白剤、難燃剤、染外線吸収剤などを必要に応じて
添加、含有せしめても良い。ポリエステル中のエ
チレン5―ソジユームスルホネートの共重合量が
増加する程アルカリ処理により加水分解し易くな
り溶解除去し易くなる。本発明における鞘成分中
のエチレン5―ソジユームスルホネートの共重合
量は加水分解速度が急増しはじめる2モル%以上
とすることが必要である。エチレン5―ソジユー
ムスルホイソフタレート/エチレンテレフタレー
ト共重合ポリエステルにおいてはエチレン5―ソ
ジユームスルホネート量が2モル%以上の場合、
ポリエチレンテレフタレートに比較し約5倍以上
の易加水分解性を示すもので、このポリマの組合
せで絹様織編物を製造する際のアルカリ処理時に
は鞘成分はきわめて早く溶解除去し、鞘成分除去
後は芯成分はわずかにしか溶解除去せず、アルカ
リ処理を短時間にかつ制御性良く行なうことが可
能である。鞘成分中のエチレン5―ソジユームス
ルホネートの共重合量が多くなるとアルカリ処理
による加水分解のし易さは向上し、3モル%以上
とすることが好ましいが反面多過ぎると芯鞘複合
マルチフイラメント糸の強度や芯鞘複合マルチフ
イラメント糸を製造する際の製糸性が低下し易く
なる欠点があり、共重合量は10モル%以下とする
必要があり、8モル%以下とすることが好まし
い。 本発明に用いることのできる芯鞘複合マルチフ
イラメント糸は、たとえば特公昭43―30011号公
報、特公昭47―33724号公報などに示されるよう
な通常の芯鞘複合紡糸方法により得られるもの
で、複合フイラメント糸断面形状は前述したよう
に3葉断面状の芯成分に実質的に一様の厚さの鞘
成分が配位した如くにすることが好ましい。芯鞘
複合マルチフイラメント糸における鞘成分の量は
特に制限はないが、通常ポリエステル織編物をア
ルカリ処理し溶解除去する際には20〜35重量%溶
解除去するのが風合を向上させるのに有効であ
り、本発明においてもこの溶解除去量に対応する
よう、鞘成分の量は20〜35重量%とすることが好
ましい。芯成分の繊度は制限はないが絹様風合織
編物とするために0.5〜2.5デニールの範囲とする
ことが好ましく、更に芯成分間の繊度を変えてデ
ニールミツクス糸としソフトでかつ腰、張のある
絹様織編物とすることや、芯成分間の熱収縮率を
変えて熱収縮率ミツクス糸として一層ボリユーム
感に富んだ絹様織編物とすることもできる。 芯鞘複合マルチフイラメント糸を紡糸、延伸あ
るいは製織、編成など鞘成分を溶解除去する以前
の工程を通過させる際に糸切れや毛羽が発生する
とそれぞれの工程における生産性や得られる織編
物の品位を低下させ好ましいことではない。 芯成分に90モル%以上がエチレンテレフタレー
トからなるポリエステルを、鞘成分にエチレン5
―ソジユームスルホイソフタレート/エチレンテ
レフタレート共重合ポリエステルを用いた芯鞘複
合マルチフイラメント糸の場合上記のような欠点
を実質的に問題ないレベルとするために鞘成分の
固有粘度を0.60以下とし、芯成分より0.10以上小
さくし、かつ芯成分の固有粘度を0.55〜0.80とす
ることが必要である。エチレン5―ソジユームス
ルホイソフタレート/エチレンテレフタレート共
重合ポリエステルは同一の固有粘度を有するポリ
エチレンテレフタレートより同一の伸度の延伸糸
とする延伸倍率が低く、芯鞘複合マルチフイラメ
ント糸の延伸の際には低い延伸倍率を示す成分に
より延伸倍率が規制され、十分な延伸がされず低
い強度の複合糸しか得られないが上記の固有粘度
範囲とすることにより、十分な延伸ができ糸強度
を向上させることができる。 通常延伸糸強度を向上させるには固有粘度を増
加させることが有効であるが、本発明では逆に低
下させる点に特徴がある。なお、鞘成分の固有粘
度はあまりに低下させると重合後チツプ形状にカ
ツテイングする際に良好な形状とし難いため0.48
以上が好ましく、0.50以上がより好ましい。な
お、本発明の固有粘度は25℃オルトクロロフエノ
ール中での測定値を示す。 本発明におけるフイラメント織編物は織編物を
構成する糸条がフイラメントであれば組織、密度
などに特に制約はなく芯鞘複合マルチフイラメン
ト糸を少なくとも一部に使用すれば良いが、本発
明の効果を十分発揮するために織編物を構成する
全てに芯鞘複合マルチフイラメント糸を使用する
ことが好ましい。 織編物を構成するフイラメントがカツトパイル
あるいは起毛などによつて毛羽が付与されると絹
様感が減少するので本発明の織編物は実質的に毛
羽のないフイラメント織編である。しかも前記し
たようにマルチフイラメント糸のフイラメントの
数は30本以上で効果が発揮される。 次に織編物をアルカリ処理するのであるが、ア
ルカリ処理に先だち織編物を自由収縮可能な状態
(力のかからない状態)で形態熱固定することが
好ましい。これはアルカリ処理により鞘成分を溶
解除去し、隣接する芯成分間の空間がアルカリ処
理中およびアルカリ処理後に芯成分の位置移動に
より減少しないようにするためである。形態固定
温度は芯成分を形成するポリエステルポリマの結
晶化温度より高く(軟化点−50℃)より低いこと
が好ましく通常150〜200℃である。 なお、アルカリ処理後の仕上セツトもこれと同
様に自由収縮可能な状態で仕上セツトすることが
好ましい。 アルカリ処理としてはアルカリ金属の水酸化物
の加熱水溶液にてバツチ式、ジツカー、ウイン
ス、ビーム、吊り槽などの処方により織編物を処
理するもので公知のいかなる方法を用いても良
い。特にバツド・ドライ法やバツド・スチーム法
などにより連続的に織編物をアルカリ処理する生
産性を高めた方法に好ましく適用できる。鞘成分
の溶解速度を速くするために、アルカリ水溶液に
フエノール系物質、アミン系物質、第4級アンモ
ニウム塩、高沸点の多価アルコールなどを添加し
て用いることもできる。 アルカリ金属の水酸化物のなかでもコストが安
く、溶解する能力が大きい点で水酸化ナトリウム
を使用することが好ましく、この場合水酸化ナト
リウム水溶液の濃度を1〜40wt%、温度60〜130
℃として用いることが好ましい。アルカリ処理に
より鞘成分の少なくとも一部を溶解除去すること
により、本発明の効果は得られるが、十分効果を
発揮するためには鞘成分の全てを溶解除去するこ
とが好ましい。アルカリ処理後、鞘成分が溶解せ
ずに一部残存すると染色時に染むらになり易い点
からも鞘成分の全てを溶解除去することが好まし
い。鞘成分の全てを溶解除去するに必要なアルカ
リ処理時間は芯鞘複合フイラメント糸断面形状、
アルカリ水溶液濃度、温度などで変化するが、お
およそ30分以内であり、3分以内とし連続的にア
ルカリ処理するようにすることもでき、このよう
に短時間で処理できるようアルカリ処理条件を設
定することが好ましい。 以上説明したように本発明においてはアルカリ
処理により極めて速く溶解除去できる特定のポリ
エステルを鞘成分に配置した芯鞘複合マルチフイ
ラメント糸を用いることにより織編物をアルカリ
処理する際には糸束を構成する全てのフイラメン
トが均一にアルカリ処理されるため、糸束の外側
から中央部にわたつてフイラメント間の空隙が大
きくソフト感、ドレープ性、ボリユーム感に優れ
た絹様織編物に仕上げることができる。 又、アルカリ処理により強度の低下し易いポリ
エステルを芯成分に配置することにより、アルカ
リ処理の際には実質的にアルカリ処理を受けない
ようにし、芯成分の強度の低下を減少させること
もできる。アルカリ処理において実質的に鞘成分
のみを極めて短時間に連続的に行ない通常のポリ
エステルフイラメント糸使い織編物をアルカリ処
理する場合に比較し、著しく生産性を高めること
ができる。 更に鞘成分がアルカリ処理により極めて速く溶
解し、芯成分はほとんど溶解しないアルカリ処理
条件とし、処理時間や処理温度などの多少の変動
があつても実質的に同じ風合を有する織編物とす
ることができる。 なお、本発明において芯鞘複合マルチフイラメ
ント糸を織編物とするに先だつて仮撚などケン縮
加工することも可能である。 仮撚加工する場合には、仮撚加撚域での熱処理
温度を鞘成分の(軟化点−40℃)から(軟化点−
100℃)とすることが好ましく、更には(軟化点
−60℃)以下とすることにより、芯鞘複合糸でな
い通常の糸条に比較し芯成分の変形が少なく紡
糸、延伸して得られた時の芯成分の形状に近い形
状とし織編物においても良好な糸断面形状を保持
させることもできる。 以下具体例を挙げて本発明を説明する。 実施例 1 芯成分として25℃オルトクロロフエノール中固
有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート、鞘成
分として25℃オルトクロロフエノール中固有粘度
0.53のエチレン5―ソジユームスルホイソフタレ
ート(5モル%)/エチレンテレフタレート(95
モル%)共重合ポリエステルを用い、紡糸温度
290℃、紡糸速度1200m/minにて複合紡糸して
第1図の如くの横断面を有する芯鞘複合マルチフ
イラメント糸を得た。この芯鞘複合マルチフイラ
メント糸において鞘成分が全体に占める割合は25
重量%であり、鞘成分は実質的に同じ厚さを有し
ていた。引続き延伸速度400m/min、熱ピン温
度120℃、延伸倍率3.2倍で延伸を行ない、75デニ
ール48フイラメントの延伸糸とした。延伸糸の強
度は4.4g/d、伸度は33%であつた。この延伸
糸をタテ糸(300T/Mの加撚を施してある)、ヨ
コ糸(700T/Mの加撚を施してある)に用いて
織密度98本/2.54cm(タテ,ヨコ共)として平織
物を製織した。この織物を98〜100℃の水中でノ
イゲンおよびソーダ灰による精練を行なつた後、
自由収縮を許す状態で180℃、3分間の乾熱セツ
トによつて形態固定を行なつた。ついで98〜100
℃で濃度30g/の水酸化ナトリウム水溶液で2
分間アルカリ処理を行なつて鞘成分を完全に溶解
除去し、水洗、風乾を行なつた。アルカリ処理時
の織物に占めるトータルの溶解除去量は26%であ
つた。ついで、実質的に無張力の状態で185℃、
3分間の乾熱仕上セツトを行なつて織物表面のシ
ワを消去した。得られた織物の風合はボリユーム
感、ドレープ性、ソフト感、反発性と絹様光沢を
兼備した優れた絹様織物であつた。 比較実施例 1 全体が実施例1の芯成分と同一のポリマ組成を
有し、かつ実施例1の複合糸と同一の断面形状を
有する75デニール48フイラメントの延伸糸を用い
て実施例1に準じて製織、精練、形態固定、アル
カリ処理、仕上セツトを行なつた。ただし、アル
カリ処理の際に溶解除去量を26%とするには80分
ときわめて長時間を必要とした。得られた織物の
風合は実施例1の織物に比較し、ボリユーム感、
ドレープ性、ソフト感、反発性のいずれにおいて
も見おとりするものであつた。 実施例 2 芯成分として25℃オルトクロロフエノール中の
固有粘度0.62のエチレン5―ソジユームスルホイ
ソフタレート(2.5モル%)/エチレンテレフタ
レート(97.5モル%)共重合ポリエステル、鞘成
分として25℃オルトクロロフエノール中の固有粘
度0.51のエチレン5―ソジユームスルホイソフタ
レート(6モル%)/エチレンテレフタレート
(94モル%)共重合ポリエステルを用い、実施例
1に準じて紡糸延伸した。延伸糸の強度は3.8
g/d、伸度は31%であつた。この延伸糸につい
て実施例1に準じて製織、精練、形態固定、アル
カリ処理、仕上セツトを行なつた。ただし、仕上
セツト前に通常のポリエステル用塩基性染料を用
いて染色処理を行なつた。 なお、アルカリ処理の際に鞘成分を全て溶解除
去するに必要な時間は1.5分と極めて短時間であ
り、織物に占めるトータルの溶解除去量は28%で
あつた。得られた織物の風合はボリユーム感、ド
レープ性、ソフト感、反発性と絹様光沢および鮮
明な染色性を兼備した優れた絹様織物であつた。 なお、織物を構成するマルチフイラメント糸の
強度は3.2g/d、伸度は35%であり、織物引裂
に対する抵抗性も十分実用に耐えるものであつ
た。 比較実施例 2 全体が実施例2の芯成分と同一のポリマ組成を
有し、かつ実施例2の複合糸と同一の断面形状を
有する75デニール48フイラメントの延伸糸を用い
て実施例2に準じて製織、精練、形態固定、アル
カリ処理、染色、仕上セツトを行なつた。ただ
し、アルカリ処理の際に溶解除去量を28%とする
には15分間の長時間を必要とした。得られた織物
の風合は実施例2の織物に比較し、ボリユーム
感、ドレープ性、ソフト感、反発性のいずれにお
いても見おとりするものであつた。更に延伸糸の
段階では強度3.9g/d、伸度34%あつたもの
が、仕上セツト後の織物を構成するマルチフイラ
メント糸の強度は2.4g/d、伸度は30%であ
り、織物引裂に対する抵抗性は実用性に乏しかつ
た。 実施例 3 芯成分、鞘成分を表1に示す固有粘度の組合せ
とし、実施例1に準じ複合紡糸し延伸した。延伸
の際の延伸倍率は芯鞘複合マルチフイラメント糸
の伸度を30%とする延伸倍率とした。得られた延
伸糸を実施例1に準じ製織、アルカリ処理を行な
つた。 No.1と5はいずれも製糸、製織時に毛羽、糸切
の発生が多い欠点がめだつた。いずれの織物もボ
リユーム感、ドレープ性、ソフト感、反発性と絹
様光沢を兼備した絹様織物であつたがNo.1と5の
織物は構成しているマルチフイラメント糸の強度
が低過ぎることに対応して引裂強力が低く実用性
に乏しかつた。No.2〜4の織物は実用性のあるも
のであつた。複合マルチフイラメント糸の強度、
製糸性と製織性および織物の実用性の点より鞘成
分の固有粘度は0.60以下であつて、芯成分より
0.10以上小さいポリエステルであることが必要で
あることが示された。 【表】
第1図は本発明に好ましく用いることのできる
芯鞘複合糸の横断面形状を示すものである。 1…芯成分、2…鞘成分。
芯鞘複合糸の横断面形状を示すものである。 1…芯成分、2…鞘成分。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 芯成分が90モル%以上がエチレンテレフタレ
ートからなるポリエステルであり、鞘成分が2〜
10モル%のエチレン5―ソジユームスルホイソフ
タレート単位を含むエチレンテレフタレート共重
合ポリエステルである芯鞘複合マルチフイラメン
ト糸を製造するに際し、芯成分の固有粘度(25℃
オルトクロロフエノール中)が0.55〜0.80、鞘成
分の固有粘度が0.60以下であつて、かつ芯成分よ
り0.10以上小さいポリエステルを用い、芯成分が
三葉断面であり、フイラメント数が30本以上の該
芯鞘複合マルチフイラメント糸を使用した織編物
をアルカリ処理により少なくとも鞘成分の一部を
溶解除去することを特徴とする絹様フイラメント
織編物の製造方法。 2 芯成分が鞘成分のエチレン5―ソジユームス
ルホイソフタレート単位量より2モル%以上少な
く、かつ1〜3モル%のエチレン5―ソジユーム
スルホイソフタレート単位を含む共重合ポリエス
テルである特許請求の範囲第1項記載の絹様フイ
ラメント織編物の製造方法。 3 芯鞘複合マルチフイラメント糸の各フイラメ
ントの鞘成分の厚さが実施的に一様である特許請
求の範囲第1、または2項記載の絹様フイラメン
ト織編物の製造方法。 4 アルカリ処理する前の織編物が熱セツトされ
ている特許請求の範囲第1,2、または3項記載
の絹様フイラメント織編物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7672879A JPS564771A (en) | 1979-06-20 | 1979-06-20 | Production of silk like knitted fabric |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7672879A JPS564771A (en) | 1979-06-20 | 1979-06-20 | Production of silk like knitted fabric |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS564771A JPS564771A (en) | 1981-01-19 |
| JPS623270B2 true JPS623270B2 (ja) | 1987-01-23 |
Family
ID=13613624
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7672879A Granted JPS564771A (en) | 1979-06-20 | 1979-06-20 | Production of silk like knitted fabric |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS564771A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57193572A (en) * | 1981-04-28 | 1982-11-27 | Teijin Ltd | Treatment of polyester fabric |
| JPS57154462A (en) * | 1981-03-20 | 1982-09-24 | Toray Industries | Production of raised knitted fabric |
| JPS61148939U (ja) * | 1985-03-08 | 1986-09-13 | ||
| JPS61275423A (ja) * | 1985-05-24 | 1986-12-05 | Toray Ind Inc | 改質ポリエステル複合繊維 |
| US4605323A (en) * | 1985-07-02 | 1986-08-12 | At&T Teletype Corporation | Dual quality wire matrix print head |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4843575A (ja) * | 1971-10-06 | 1973-06-23 | ||
| JPS546965A (en) * | 1977-06-09 | 1979-01-19 | Kuraray Co | Production of separated fiber containing cloth |
-
1979
- 1979-06-20 JP JP7672879A patent/JPS564771A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS564771A (en) | 1981-01-19 |
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