JPS6237656B2 - - Google Patents
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- JPS6237656B2 JPS6237656B2 JP53063785A JP6378578A JPS6237656B2 JP S6237656 B2 JPS6237656 B2 JP S6237656B2 JP 53063785 A JP53063785 A JP 53063785A JP 6378578 A JP6378578 A JP 6378578A JP S6237656 B2 JPS6237656 B2 JP S6237656B2
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- JP
- Japan
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- pps
- injection molding
- molding material
- polyphenylene sulfide
- oxygen
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- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Description
本発明は改良されたポリフエニレンサルフアイ
ド射出成形材料に関するものであり、特に種々の
機械的特性および電気的特性の優れた成形品を得
ることができるポリフエニレンサルフアイド射出
成形材料に関するものである。 ポリフエニレンサルフアイドでは一般式
ド射出成形材料に関するものであり、特に種々の
機械的特性および電気的特性の優れた成形品を得
ることができるポリフエニレンサルフアイド射出
成形材料に関するものである。 ポリフエニレンサルフアイドでは一般式
【式】で表わされる重合体であり、
通常PPSと略称されている。このPPSは熱可塑性
樹脂と熱硬化性樹脂の両者の性質を合せ持ち、加
熱溶融して熱可塑性樹脂と同様の成形を行いうる
のみならず、加熱架橋させることができ焼付塗料
などの熱硬化性樹脂的な使用も可能である。PPS
成形品は優れた耐薬品性、広い温度範囲における
良好な機械的性質の保持性、高温における硬さな
どエンジニアリングプラスチツクとして優れた特
性を有している。 PPSは現在世界でフイリツプス・ペトローリア
ム社のみで製造され“ライトン”という商品名で
販売されている。PPSの製造方法は種々知られて
いるが、現在市販されているPPSはP―ジクロル
ベンゼンと二硫化ソーダを極性溶剤中で反応させ
て製造されたものであると言われている。市販さ
れているPPS成形材料は未架橋品であるV―1グ
レード、架橋品であるP―2、P―3、P―4グ
レード(架橋度はP―2<P―3<P―4)、お
よびペレツト状架橋品であるR―6グレード(前
4品はいずれも粉末状)がある。また、ガラス繊
維入りペレツトであるR―4グレードやその他目
的に応じて充填剤、滑剤、その他添加物含有品が
市販されている。用途として、V―1はスラリ
ー・スプレー塗装用、含浸用、P―2は流動床塗
装用、P―3は粉末塗装用、P―4は圧縮成形
用、R―6は射出成形用に主として使用される
が、これのみに限定されるものではない。即ち、
いずれのグレードにおいても射出成形に使用する
ことが可能である。 PPSの架橋は酸素存在下、通常は空気中で未架
橋PPSを加熱することによつて行なわれる。架橋
温度は未架橋PPSの溶融温度である288℃以下、
通常は250℃前後の温度で行なわれる。加熱によ
つて架橋と同時に鎖延長も起り溶融時の粘度が上
昇し最終的には不溶不融性の樹脂となるが、通常
は必要な架橋度に達した時に冷却し、成形可能な
粉末あるいはペレツト状とされる。 本発明者は、PPSの成形材料の射出成形によつ
て種々の成形品を製造する段階において、PPSか
らのガス発生が種々の問題を引き起すことを見い
出した。この原因はあまり明らかではないが、重
合時に副生した低分子量PPSがポリマー中に存在
すること及び架橋時に部分的にPPS分子鎖の切断
が起つて低分子量のPPSが生成することにより、
この低分子量PPSの揮発や分解がその主たる原因
であろうと予想された。ガスの成分は主として有
機物であり、少量のSO2などのイオウ化合物も見
い出される。この発生したガスはPPS成形品中に
残存し、その機械的特性や電気的特性を低下せし
め、さらには金型材料やインサート金属の腐食を
引き起す恐れがある。一方、もう一つの問題点と
してPPSが射出成形機中で溶融されたとき、粘度
上昇が激しいという欠点がある。この粘度変化が
大きいと射出成形条件(射出圧力、射出量など)
を一定に保つことが困難となり、安定な成形を行
うことが不可能となる。 本発明は以上の問題を解決した改良されたPPS
射出成形材料を得ることを目的とし、特に溶融成
形時にガス発生の少い改良されたPPS成形材料を
得ることを目的とするものである。さらに、本発
明は成形時に架橋反応を起すことが少く、従つて
粘度変化の少い改良されたPPS射出成形材料を得
ることを目的とするものである。さらに別の見方
をすれば、本発明は、ボイドの少いPPS成形品を
得ることが可能となることより機械的特性および
電気的特性の優れた成形品を得ることを目的とす
るものである。 本発明者はこれらの目的を達成すべく種々の研
究検討を行なつた結果、部分的に架橋されたPPS
あるいは未架橋PPSを実質的に酸素の存在しない
雰囲気下に290℃以上の温度に加熱処理すること
により、ガス発生が大巾に減少しかつ驚くべきこ
とに粘度変化の少いPPSを得ることができること
を見い出した。本発明はこの被処理PPS単独また
はこの被処理PPSを主成分とするか少くとも一成
分として含むPPS射出成形材料である。即ち本発
明は、ポリフエニレンサルフアイド射出成形材料
におけるポリフエニレンサルフアイドが、部分的
に架橋されたあるいは未架橋のポリフエニレンサ
ルフアイドを実質的に酸素の存在しない雰囲気下
290℃以上の温度で加熱処理して得られた被処理
ポリフエニレンサルフアイドであることを特徴と
するポリフエニレンサルフアイド射出成形材料で
ある。本発明のPPS射出成形材料は成形時にガス
発生が少く、この成形材料の成形によつて従来よ
りも優れた機械的特性および電気的特性を有する
PPS成形品を得ることができる。さらに、本発明
の成形材料は加熱溶融時の粘度変化(粘度上昇)
がきわめて小さくなることによつて安定な射出成
形が可能となる。 本発明における無酸素条件下の加熱処理によつ
てガス発生が大巾に減少しかつ加熱時の架橋反応
による粘度変化がきわめて小さくなる理由は充分
明確にされていないが、その理由の一つは発生す
るガスの原因となるもの(低分子量PPSなど)を
予め除去してしまうことにあると思われる。事
実、この処理においてPPSの重量減少が見られ
る。さらに他の理由は、酸素の存在しない雰囲気
下で高温に加熱することにより架橋反応を終結さ
せることにあると思われる。即ち、通常の部分架
橋PPSは酸素存在下に加熱架橋して製造される
が、この時架橋反応と同時に架橋に到らないが架
橋し易い段階まで活性化された活性点が生成し、
この活性点が以後の加熱成形時に比較的短時間の
内に架橋すると推定される。本発明によつて酸素
の存在しない雰囲気下で加熱することにより新た
に活性点を生成することなく部分架橋PPS中に存
在する活性点の架橋反応を終結させることがで
き、以後の加熱成形時には架橋反応が進行しない
安定な材料とすることができると推定される。従
つて、本発明の処理によつて溶融成形時の粘度を
調節することができ、しかもその時の粘度の変化
(上昇)を著るしく低下せしめることが可能とな
る。 実質的に酸素の存在しない雰囲気とは窒素など
の不活性ガス中かあるいは減圧下を言う。特に発
生するガスを除くためには減圧下が好ましい。勿
論、不活性ガス雰囲気下でも高温下であるので充
分カスが拡散する。しかし、PPS中に混入して残
るガスを抜き出すためには減圧下の方が効果的で
ある。減圧下の処理の場合を予め空気等を窒素な
どの不活性ガスで置換した後減圧にすることも好
ましい。減圧の場合、酸素が実質的に存在しない
限りその減圧度は特に制限されないが、空気の存
在する雰囲気下から減圧する場合、その圧力は50
mmHg以下、特に10mmHg以下が好ましく、出来
得れば可及的真空下で処理を行うことが好まし
い。この実質的に酸素の存在しない雰囲気を酸素
分圧で表わすと、減圧下あるいは不活性ガス雰囲
気下の酸素分圧は2mmHg以下が好ましい。この
酸素分圧2mmHg以下では微量の酸素による架橋
は全く無視しうる程度に少く、実質上酸素による
架橋は起らないと考えられる。 部分的に架橋されたPPSとは、未架橋PPSを酸
素雰囲気下に加熱して架橋されたPPSである。た
とえば、前記P―2、P―3、P―4、R―6な
どのグレードがその1例であり、R―4グレード
などの充填剤等が配合されたものであつても良
い。しかし、処理の繁雑性を少くし、コストを下
げるためには、未架橋PPSを架橋する処理の際に
続けて本発明における処理を行うことが好まし
い。この場合、本発明における処理に対して適切
な架橋を前段で行うことができ、後述するように
前段架橋処理が本発明における処理に与える影響
もあるからである。また、全く架橋されていない
PPS、たとえばV―1グレード品に直接本発明に
おける処理を行つても有効である。これは未架橋
PPSに最初から含まれていた低分子量PPSを除去
することによりガス発生を低下させることができ
るからである。また未架橋PPSを酸素の存在しな
い雰囲気下で290℃以上に加熱した状態で少量の
酸素を加えてPPSを架橋し、酸素が消費された場
合はそのまま、酸素が存在する場合はそれを除い
て、さらに加熱を続けることにより本発明におけ
る処理を達成することもできる。 本発明における処理温度はPPSの溶融温度以
上、即ち約290℃以上である。通常この温度以上
で部分的に架橋されたあるいは未架橋のPPSは高
粘度の液体状態にある。PPSの架橋は従来その融
点以下の温度で行なわれていたので、処理状態に
おいてPPSは粉末状であつた。本発明における処
理はPPSが液状であるので、静置状態は勿論、撹
拌下等の流動状態の下で処理を行うこともでき
る。さらに、処理時間の短縮などを考慮すると
310℃以上が好ましい。処理温度の上限はPPSが
多量に分解しない限り特に制限されないが、通常
は500℃以下が適当である。 本発明における無酸素条件下の加熱時間は特に
限定されない。発生するガスを充分除去しうる時
間であれば良いと考えられるので、加熱温度が高
い程短時間ですますことができる。また、加熱時
間が長くなる程PPSの粘度が上昇するので、必要
な粘度に達するまで加熱を続けることができる。
たとえば酸素存在下における架橋処理の程度にも
よるが、たとえば330℃における処理では10分以
上、400℃における処理では30秒以上の処理時間
が適当である。 本発明における加熱処理によつて、ガス発生の
原因となる低分子量化合物が除去されるため、本
発明PPS成形材料は以後加熱されても重量減少の
程度が低減する。重量減少の低減の程度はいかな
るものであつても良い結果をもたらすが、実用上
明確に有効となるためには例えばPPSのみの場合
(即ち充填物を含まない場合)温度300℃減圧下
(数mmHg)において120分加熱したとき、その重
量減少が0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下になるように本発明による加熱処理することが
望ましい。これに対し、通常市販の部分架橋PPS
は同一条件による加熱によつて約0.5〜2重量%
の重量減少を示す。 未架橋PPSの酸素存在下の加熱処理時間の長
短、即ちPPSの架橋の程度は本発明における加熱
処理によるPPS射出成形材料の見掛粘度に影響を
及ぼす。たとえば、具体的な1例として、未架橋
PPSを空気中で240℃で処理する時間が長い程、
真空下で330℃で加熱処理する時の見掛粘度の上
昇率が高く、より高い見掛粘度に達する。ただ
し、真空下の加熱処理の時間がある一定時間以上
になると見掛粘度の上昇率は低下してくる。同様
に架橋処理温度も見掛粘度に影響する。本発明に
おける加熱処理によりPPSは架橋度の高い程短時
間に高い見掛粘度に達し、従来困難であつた高い
粘度で安定なPPSを得ることが可能とある。即
ち、従来粘度の高いPPSを得るためには架橋処理
時間を長くして架橋度を上げていたが、これで得
られるPPSは粘度変化が極めて大きくなる欠点が
あつた。しかし、本発明によるPPSは高い粘度で
かつ粘度変化の少いものとすることができる。本
発明射出成形材料中の被処理PPSの粘度の好まし
い態様を考えると、330℃、荷重20Kg/cm2におけ
る見掛粘度は500ポイズ以上、特に1000ポイズ以
上が好ましい。勿論低圧で射出成形を行う必要が
ある場合、多量の充填剤を充填する必要のある場
合、未架橋あるいは低架橋PPSの成形が必要とさ
れる場合、その他低粘度の射出成形材料が必要と
される場合は500ポイズ以下の被処理PPS、たと
えば50〜500ポイズのPPSを使用することもでき
る。 上記本発明における加熱処理の終了した被処理
PPSは通常冷却され、次いで粉末化される。この
被処理PPS粉末はそのまま成形材料として使用で
き、またこの粉末をペレツト化するかあるいは被
処理PPSを粉末化することなく直接ペレツト化
し、ペレツト状成形材料とすることができる、さ
らに、粉末あるいはペレツト状の形状以外の形状
の成形材料とすることができる。また、本発明の
成形材料は被処理PPS単独は勿論、未処理PPSと
混合して使用することができる。 本発明の成形材料はまた被処理PPSの他に種々
の添加剤を含有していてもよい。その代表的な添
加剤はガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、その
他の繊維状強化充填剤と炭酸カルシウム、石英
粉、微少ガラス球、ガラス繊維ミルドフアイバ
ー、グラフアイト、その他の粉末状無機質充填剤
である。特にガラス繊維が強化充填剤として多用
される。これら強化充填剤および粉末状無機充填
剤などの充填剤は被処理PPSに比較的多量に添加
することができ、通常は成形材料に80重量%程度
まで加えることができる。また、強化充填剤、無
機質充填剤以外に種々の添加剤が使用でき、たと
えばフツ素樹脂、モリブデン化合物あるいはアン
チモン化合物などの潤滑剤やポリイミドなどの合
成樹脂などがある。本発明の成形材料中の上記被
処理PPS以外の成分の含有量は特に限定されない
が、通常80重量%以下が好ましく、その下限は限
定されない。なお、前記のように、樹脂における
PPSの無酸素化の熱処理は、これら添加剤の存在
下に行つてもよい。たとえば、市販のガラス繊維
含有部分架橋PPSペレツト(R―4グレード)を
実質的に酸素の存在しない雰囲気下に290℃以上
の温度で処理し、本発明の射出成形材料とするこ
とができる。 本発明射出成形材料の射出成形に使用される射
出成形機あるいは成形条件は特に限定されない。
従来、PPSの射出成形には通常の般用機は勿論、
成形品に応じて種々の成形機が使用されていた
が、本発明射出成形材料も従来のPPSと同様の成
形機や成形条件を使用することができる。PPSの
射出成形は低圧成形しうることが一つの特徴であ
つたが、本発明射出成形材料もその特徴を失うこ
とがない。本発明における射出成形とは、溶融樹
脂材料を型に押し込んで成形する方法であり、押
し込む方法としてプランジヤーやスクリユーなど
が用いられる。射出成形とは通常熱可塑性樹脂の
成形に使用され、類似のトランスフアー成形は熱
硬化性樹脂の成形に使用されるが、樹脂の供給部
等両者に多少の違いはあるが、成形原理自体は大
差ない。ところで前記のようにPPSは熱可塑性樹
脂であると同時に熱硬化性樹脂とも呼べる樹脂で
あり、従つてPPSは射出成形は勿論、トランスフ
アー成形も行いうるものである。このPPSの樹脂
としての特殊性に鑑み、本発明における射出成形
とはトランスフアー成形をも含むものとし、即
ち、流動化した樹脂材料を型内に押し込んで成形
する方法をいう。 本発明射出成形材料を射出成形して得られた成
形品は、従来の相当品に比較して種々の機械的特
性、電気的特性あるいは成形品仕上り外観等が改
良される。たとえば、曲げ強度、引張り強度、衝
撃強度などは顕著に向上し、たとえばガラス繊維
強化PPS成形品では従来品に比較して10〜50%の
強度向上が認められた。また、本発明成形材料を
用いた場合、成形品中のボイドの発生が少くな
り、また充填剤を含む場合はその充填剤とPPSと
の密着性が改良されるため、水分の侵入が抑制さ
れて煮沸時あるいは高湿度雰囲気に成形品を放置
した場合の電気的特性の低下、たとえば体積固有
抵抗の低下が改良される。また、従来の相当品に
比較して成形時のガス発生が著るしく少くなるた
め、例えば表面に“ガス焼け”のない美麗な外観
の射出成形品が得られ、また発生ガスによる作業
環境の汚染も防止できる。 本発明の成形材料を用いて射出成形された成形
品の種類は特に限定されない。たとえば、従来合
成樹脂の射出成形で得られた各種形状の成形品を
得ることができる。以下の実施例では強度等の物
性測定のため各種規格に定められた試験片を作成
しているが、実際の使用に当つては勿論この試験
片の形状にのみ成形されるものではない。本発明
射出成形材料より得られる成形品は、たとえば電
気部品、電子部品、耐蝕機器、耐熱機器、機械部
品、などのPPSの特性を発揮しうる分野に用いら
れる他、各種産業分野における成形品として使用
される。 以下に本発明を参考例、実施例(比較例を含
む)等により具体的に説明するが、本発明はこれ
ら実施例にのみ限定されるものではない。 参考例 1 市販の未架橋PPS粉末(V―1グレード)〔以
下すべてグレードで示すものはフイリツプス・ペ
トローリアム社製の商品名“ライトン”で市販さ
れているPPSである〕、部分架橋PPS粉末(P―
4グレード)、部分架橋ペレツト(R―6グレー
ド)をそれぞれ真空下(数mmHg)〔以下「真空
下」とは特にことわらない限り、空気雰囲気下の
PPSを数mmHgまで減圧した条件下をいう〕、330
℃で15分間加熱し溶融させた後室温まで冷却し固
化させたところ、内部に気泡を含まない固形PPS
を得た。比較のため市販PPSのV―1、P―4、
R―6の各グレード品を未処理のまま空気中300
℃で15分間加熱したところ、ガス発生のため内部
に多数の気泡が存在する固形PPSしか得られなか
つた。 参考例 2 参考例1と同様の方法によつて減圧加熱処理し
たサンプル(V―1処理品、P―4処理品、R―
4処理品)を磁製ルツボに約2g精秤し、減圧下
(数mmHg)、300℃で120分間加熱し重量減少を測
定した。結果を下記第1表に示す。比較のため市
販グレード(V―1、P―4、R―6いずれも未
処理品)の重量減少を同一条件で測定した結果も
同じ表に示した。
樹脂と熱硬化性樹脂の両者の性質を合せ持ち、加
熱溶融して熱可塑性樹脂と同様の成形を行いうる
のみならず、加熱架橋させることができ焼付塗料
などの熱硬化性樹脂的な使用も可能である。PPS
成形品は優れた耐薬品性、広い温度範囲における
良好な機械的性質の保持性、高温における硬さな
どエンジニアリングプラスチツクとして優れた特
性を有している。 PPSは現在世界でフイリツプス・ペトローリア
ム社のみで製造され“ライトン”という商品名で
販売されている。PPSの製造方法は種々知られて
いるが、現在市販されているPPSはP―ジクロル
ベンゼンと二硫化ソーダを極性溶剤中で反応させ
て製造されたものであると言われている。市販さ
れているPPS成形材料は未架橋品であるV―1グ
レード、架橋品であるP―2、P―3、P―4グ
レード(架橋度はP―2<P―3<P―4)、お
よびペレツト状架橋品であるR―6グレード(前
4品はいずれも粉末状)がある。また、ガラス繊
維入りペレツトであるR―4グレードやその他目
的に応じて充填剤、滑剤、その他添加物含有品が
市販されている。用途として、V―1はスラリ
ー・スプレー塗装用、含浸用、P―2は流動床塗
装用、P―3は粉末塗装用、P―4は圧縮成形
用、R―6は射出成形用に主として使用される
が、これのみに限定されるものではない。即ち、
いずれのグレードにおいても射出成形に使用する
ことが可能である。 PPSの架橋は酸素存在下、通常は空気中で未架
橋PPSを加熱することによつて行なわれる。架橋
温度は未架橋PPSの溶融温度である288℃以下、
通常は250℃前後の温度で行なわれる。加熱によ
つて架橋と同時に鎖延長も起り溶融時の粘度が上
昇し最終的には不溶不融性の樹脂となるが、通常
は必要な架橋度に達した時に冷却し、成形可能な
粉末あるいはペレツト状とされる。 本発明者は、PPSの成形材料の射出成形によつ
て種々の成形品を製造する段階において、PPSか
らのガス発生が種々の問題を引き起すことを見い
出した。この原因はあまり明らかではないが、重
合時に副生した低分子量PPSがポリマー中に存在
すること及び架橋時に部分的にPPS分子鎖の切断
が起つて低分子量のPPSが生成することにより、
この低分子量PPSの揮発や分解がその主たる原因
であろうと予想された。ガスの成分は主として有
機物であり、少量のSO2などのイオウ化合物も見
い出される。この発生したガスはPPS成形品中に
残存し、その機械的特性や電気的特性を低下せし
め、さらには金型材料やインサート金属の腐食を
引き起す恐れがある。一方、もう一つの問題点と
してPPSが射出成形機中で溶融されたとき、粘度
上昇が激しいという欠点がある。この粘度変化が
大きいと射出成形条件(射出圧力、射出量など)
を一定に保つことが困難となり、安定な成形を行
うことが不可能となる。 本発明は以上の問題を解決した改良されたPPS
射出成形材料を得ることを目的とし、特に溶融成
形時にガス発生の少い改良されたPPS成形材料を
得ることを目的とするものである。さらに、本発
明は成形時に架橋反応を起すことが少く、従つて
粘度変化の少い改良されたPPS射出成形材料を得
ることを目的とするものである。さらに別の見方
をすれば、本発明は、ボイドの少いPPS成形品を
得ることが可能となることより機械的特性および
電気的特性の優れた成形品を得ることを目的とす
るものである。 本発明者はこれらの目的を達成すべく種々の研
究検討を行なつた結果、部分的に架橋されたPPS
あるいは未架橋PPSを実質的に酸素の存在しない
雰囲気下に290℃以上の温度に加熱処理すること
により、ガス発生が大巾に減少しかつ驚くべきこ
とに粘度変化の少いPPSを得ることができること
を見い出した。本発明はこの被処理PPS単独また
はこの被処理PPSを主成分とするか少くとも一成
分として含むPPS射出成形材料である。即ち本発
明は、ポリフエニレンサルフアイド射出成形材料
におけるポリフエニレンサルフアイドが、部分的
に架橋されたあるいは未架橋のポリフエニレンサ
ルフアイドを実質的に酸素の存在しない雰囲気下
290℃以上の温度で加熱処理して得られた被処理
ポリフエニレンサルフアイドであることを特徴と
するポリフエニレンサルフアイド射出成形材料で
ある。本発明のPPS射出成形材料は成形時にガス
発生が少く、この成形材料の成形によつて従来よ
りも優れた機械的特性および電気的特性を有する
PPS成形品を得ることができる。さらに、本発明
の成形材料は加熱溶融時の粘度変化(粘度上昇)
がきわめて小さくなることによつて安定な射出成
形が可能となる。 本発明における無酸素条件下の加熱処理によつ
てガス発生が大巾に減少しかつ加熱時の架橋反応
による粘度変化がきわめて小さくなる理由は充分
明確にされていないが、その理由の一つは発生す
るガスの原因となるもの(低分子量PPSなど)を
予め除去してしまうことにあると思われる。事
実、この処理においてPPSの重量減少が見られ
る。さらに他の理由は、酸素の存在しない雰囲気
下で高温に加熱することにより架橋反応を終結さ
せることにあると思われる。即ち、通常の部分架
橋PPSは酸素存在下に加熱架橋して製造される
が、この時架橋反応と同時に架橋に到らないが架
橋し易い段階まで活性化された活性点が生成し、
この活性点が以後の加熱成形時に比較的短時間の
内に架橋すると推定される。本発明によつて酸素
の存在しない雰囲気下で加熱することにより新た
に活性点を生成することなく部分架橋PPS中に存
在する活性点の架橋反応を終結させることがで
き、以後の加熱成形時には架橋反応が進行しない
安定な材料とすることができると推定される。従
つて、本発明の処理によつて溶融成形時の粘度を
調節することができ、しかもその時の粘度の変化
(上昇)を著るしく低下せしめることが可能とな
る。 実質的に酸素の存在しない雰囲気とは窒素など
の不活性ガス中かあるいは減圧下を言う。特に発
生するガスを除くためには減圧下が好ましい。勿
論、不活性ガス雰囲気下でも高温下であるので充
分カスが拡散する。しかし、PPS中に混入して残
るガスを抜き出すためには減圧下の方が効果的で
ある。減圧下の処理の場合を予め空気等を窒素な
どの不活性ガスで置換した後減圧にすることも好
ましい。減圧の場合、酸素が実質的に存在しない
限りその減圧度は特に制限されないが、空気の存
在する雰囲気下から減圧する場合、その圧力は50
mmHg以下、特に10mmHg以下が好ましく、出来
得れば可及的真空下で処理を行うことが好まし
い。この実質的に酸素の存在しない雰囲気を酸素
分圧で表わすと、減圧下あるいは不活性ガス雰囲
気下の酸素分圧は2mmHg以下が好ましい。この
酸素分圧2mmHg以下では微量の酸素による架橋
は全く無視しうる程度に少く、実質上酸素による
架橋は起らないと考えられる。 部分的に架橋されたPPSとは、未架橋PPSを酸
素雰囲気下に加熱して架橋されたPPSである。た
とえば、前記P―2、P―3、P―4、R―6な
どのグレードがその1例であり、R―4グレード
などの充填剤等が配合されたものであつても良
い。しかし、処理の繁雑性を少くし、コストを下
げるためには、未架橋PPSを架橋する処理の際に
続けて本発明における処理を行うことが好まし
い。この場合、本発明における処理に対して適切
な架橋を前段で行うことができ、後述するように
前段架橋処理が本発明における処理に与える影響
もあるからである。また、全く架橋されていない
PPS、たとえばV―1グレード品に直接本発明に
おける処理を行つても有効である。これは未架橋
PPSに最初から含まれていた低分子量PPSを除去
することによりガス発生を低下させることができ
るからである。また未架橋PPSを酸素の存在しな
い雰囲気下で290℃以上に加熱した状態で少量の
酸素を加えてPPSを架橋し、酸素が消費された場
合はそのまま、酸素が存在する場合はそれを除い
て、さらに加熱を続けることにより本発明におけ
る処理を達成することもできる。 本発明における処理温度はPPSの溶融温度以
上、即ち約290℃以上である。通常この温度以上
で部分的に架橋されたあるいは未架橋のPPSは高
粘度の液体状態にある。PPSの架橋は従来その融
点以下の温度で行なわれていたので、処理状態に
おいてPPSは粉末状であつた。本発明における処
理はPPSが液状であるので、静置状態は勿論、撹
拌下等の流動状態の下で処理を行うこともでき
る。さらに、処理時間の短縮などを考慮すると
310℃以上が好ましい。処理温度の上限はPPSが
多量に分解しない限り特に制限されないが、通常
は500℃以下が適当である。 本発明における無酸素条件下の加熱時間は特に
限定されない。発生するガスを充分除去しうる時
間であれば良いと考えられるので、加熱温度が高
い程短時間ですますことができる。また、加熱時
間が長くなる程PPSの粘度が上昇するので、必要
な粘度に達するまで加熱を続けることができる。
たとえば酸素存在下における架橋処理の程度にも
よるが、たとえば330℃における処理では10分以
上、400℃における処理では30秒以上の処理時間
が適当である。 本発明における加熱処理によつて、ガス発生の
原因となる低分子量化合物が除去されるため、本
発明PPS成形材料は以後加熱されても重量減少の
程度が低減する。重量減少の低減の程度はいかな
るものであつても良い結果をもたらすが、実用上
明確に有効となるためには例えばPPSのみの場合
(即ち充填物を含まない場合)温度300℃減圧下
(数mmHg)において120分加熱したとき、その重
量減少が0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下になるように本発明による加熱処理することが
望ましい。これに対し、通常市販の部分架橋PPS
は同一条件による加熱によつて約0.5〜2重量%
の重量減少を示す。 未架橋PPSの酸素存在下の加熱処理時間の長
短、即ちPPSの架橋の程度は本発明における加熱
処理によるPPS射出成形材料の見掛粘度に影響を
及ぼす。たとえば、具体的な1例として、未架橋
PPSを空気中で240℃で処理する時間が長い程、
真空下で330℃で加熱処理する時の見掛粘度の上
昇率が高く、より高い見掛粘度に達する。ただ
し、真空下の加熱処理の時間がある一定時間以上
になると見掛粘度の上昇率は低下してくる。同様
に架橋処理温度も見掛粘度に影響する。本発明に
おける加熱処理によりPPSは架橋度の高い程短時
間に高い見掛粘度に達し、従来困難であつた高い
粘度で安定なPPSを得ることが可能とある。即
ち、従来粘度の高いPPSを得るためには架橋処理
時間を長くして架橋度を上げていたが、これで得
られるPPSは粘度変化が極めて大きくなる欠点が
あつた。しかし、本発明によるPPSは高い粘度で
かつ粘度変化の少いものとすることができる。本
発明射出成形材料中の被処理PPSの粘度の好まし
い態様を考えると、330℃、荷重20Kg/cm2におけ
る見掛粘度は500ポイズ以上、特に1000ポイズ以
上が好ましい。勿論低圧で射出成形を行う必要が
ある場合、多量の充填剤を充填する必要のある場
合、未架橋あるいは低架橋PPSの成形が必要とさ
れる場合、その他低粘度の射出成形材料が必要と
される場合は500ポイズ以下の被処理PPS、たと
えば50〜500ポイズのPPSを使用することもでき
る。 上記本発明における加熱処理の終了した被処理
PPSは通常冷却され、次いで粉末化される。この
被処理PPS粉末はそのまま成形材料として使用で
き、またこの粉末をペレツト化するかあるいは被
処理PPSを粉末化することなく直接ペレツト化
し、ペレツト状成形材料とすることができる、さ
らに、粉末あるいはペレツト状の形状以外の形状
の成形材料とすることができる。また、本発明の
成形材料は被処理PPS単独は勿論、未処理PPSと
混合して使用することができる。 本発明の成形材料はまた被処理PPSの他に種々
の添加剤を含有していてもよい。その代表的な添
加剤はガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、その
他の繊維状強化充填剤と炭酸カルシウム、石英
粉、微少ガラス球、ガラス繊維ミルドフアイバ
ー、グラフアイト、その他の粉末状無機質充填剤
である。特にガラス繊維が強化充填剤として多用
される。これら強化充填剤および粉末状無機充填
剤などの充填剤は被処理PPSに比較的多量に添加
することができ、通常は成形材料に80重量%程度
まで加えることができる。また、強化充填剤、無
機質充填剤以外に種々の添加剤が使用でき、たと
えばフツ素樹脂、モリブデン化合物あるいはアン
チモン化合物などの潤滑剤やポリイミドなどの合
成樹脂などがある。本発明の成形材料中の上記被
処理PPS以外の成分の含有量は特に限定されない
が、通常80重量%以下が好ましく、その下限は限
定されない。なお、前記のように、樹脂における
PPSの無酸素化の熱処理は、これら添加剤の存在
下に行つてもよい。たとえば、市販のガラス繊維
含有部分架橋PPSペレツト(R―4グレード)を
実質的に酸素の存在しない雰囲気下に290℃以上
の温度で処理し、本発明の射出成形材料とするこ
とができる。 本発明射出成形材料の射出成形に使用される射
出成形機あるいは成形条件は特に限定されない。
従来、PPSの射出成形には通常の般用機は勿論、
成形品に応じて種々の成形機が使用されていた
が、本発明射出成形材料も従来のPPSと同様の成
形機や成形条件を使用することができる。PPSの
射出成形は低圧成形しうることが一つの特徴であ
つたが、本発明射出成形材料もその特徴を失うこ
とがない。本発明における射出成形とは、溶融樹
脂材料を型に押し込んで成形する方法であり、押
し込む方法としてプランジヤーやスクリユーなど
が用いられる。射出成形とは通常熱可塑性樹脂の
成形に使用され、類似のトランスフアー成形は熱
硬化性樹脂の成形に使用されるが、樹脂の供給部
等両者に多少の違いはあるが、成形原理自体は大
差ない。ところで前記のようにPPSは熱可塑性樹
脂であると同時に熱硬化性樹脂とも呼べる樹脂で
あり、従つてPPSは射出成形は勿論、トランスフ
アー成形も行いうるものである。このPPSの樹脂
としての特殊性に鑑み、本発明における射出成形
とはトランスフアー成形をも含むものとし、即
ち、流動化した樹脂材料を型内に押し込んで成形
する方法をいう。 本発明射出成形材料を射出成形して得られた成
形品は、従来の相当品に比較して種々の機械的特
性、電気的特性あるいは成形品仕上り外観等が改
良される。たとえば、曲げ強度、引張り強度、衝
撃強度などは顕著に向上し、たとえばガラス繊維
強化PPS成形品では従来品に比較して10〜50%の
強度向上が認められた。また、本発明成形材料を
用いた場合、成形品中のボイドの発生が少くな
り、また充填剤を含む場合はその充填剤とPPSと
の密着性が改良されるため、水分の侵入が抑制さ
れて煮沸時あるいは高湿度雰囲気に成形品を放置
した場合の電気的特性の低下、たとえば体積固有
抵抗の低下が改良される。また、従来の相当品に
比較して成形時のガス発生が著るしく少くなるた
め、例えば表面に“ガス焼け”のない美麗な外観
の射出成形品が得られ、また発生ガスによる作業
環境の汚染も防止できる。 本発明の成形材料を用いて射出成形された成形
品の種類は特に限定されない。たとえば、従来合
成樹脂の射出成形で得られた各種形状の成形品を
得ることができる。以下の実施例では強度等の物
性測定のため各種規格に定められた試験片を作成
しているが、実際の使用に当つては勿論この試験
片の形状にのみ成形されるものではない。本発明
射出成形材料より得られる成形品は、たとえば電
気部品、電子部品、耐蝕機器、耐熱機器、機械部
品、などのPPSの特性を発揮しうる分野に用いら
れる他、各種産業分野における成形品として使用
される。 以下に本発明を参考例、実施例(比較例を含
む)等により具体的に説明するが、本発明はこれ
ら実施例にのみ限定されるものではない。 参考例 1 市販の未架橋PPS粉末(V―1グレード)〔以
下すべてグレードで示すものはフイリツプス・ペ
トローリアム社製の商品名“ライトン”で市販さ
れているPPSである〕、部分架橋PPS粉末(P―
4グレード)、部分架橋ペレツト(R―6グレー
ド)をそれぞれ真空下(数mmHg)〔以下「真空
下」とは特にことわらない限り、空気雰囲気下の
PPSを数mmHgまで減圧した条件下をいう〕、330
℃で15分間加熱し溶融させた後室温まで冷却し固
化させたところ、内部に気泡を含まない固形PPS
を得た。比較のため市販PPSのV―1、P―4、
R―6の各グレード品を未処理のまま空気中300
℃で15分間加熱したところ、ガス発生のため内部
に多数の気泡が存在する固形PPSしか得られなか
つた。 参考例 2 参考例1と同様の方法によつて減圧加熱処理し
たサンプル(V―1処理品、P―4処理品、R―
4処理品)を磁製ルツボに約2g精秤し、減圧下
(数mmHg)、300℃で120分間加熱し重量減少を測
定した。結果を下記第1表に示す。比較のため市
販グレード(V―1、P―4、R―6いずれも未
処理品)の重量減少を同一条件で測定した結果も
同じ表に示した。
【表】
参考例 3
市販の未架橋PPS粉末(V―1グレード)を空
気気流中240℃で60分間加熱して架橋処理した
後、真空下330℃で120分加熱処理した。このサン
プルを冷却後粉砕し、高化式フローテスターで
300℃、荷重20Kg/cm2における見掛粘度を測定し
たところ650ポイズであつた。同じサンプルを磁
製ルツボに約10gとり、これをさらに空気気流中
330℃で30分間加熱した後再び上記条件で見掛粘
度を測定したところ、750ポイズとなつており粘
度の上昇は少なかつた。 一方、市販の部分架橋PPS粉末(P―3グレー
ド)の見掛粘度を上記条件で測定したところ720
ポイズであつた。この市販P―3グレード粉末を
磁製ルツボに約10gとり、これを空気気流中330
℃で30分間加熱した後見掛粘度を測定したとこ
ろ、4000ポイズとなつており大巾に粘度が上昇し
た。 実施例 1 未架橋PPSを空気中240℃で120分加熱した後、
真空下330℃で120分加熱したPPSを冷却後粉砕
し、これにガラス繊維含有率40重量%となるよう
にガラス繊維チヨツプドストランドを加え、押し
出し機によりペレツトとした。 同様に未架橋PPSを空気中240℃で60分加熱し
た後、真空下330℃で120分加熱したPPSよりガラ
ス繊維含有率40重量%のペレツトを製造した。 一方、比較のため、未架橋PPSを空気中240℃
で120分、および空気中240℃で60分加熱したPPS
を使用してガラス繊維含有率40%のペレツトを製
造した。これらペレツト状成形材料を使用して射
出成形により各種試験片を作成し、その物性を測
定した。結果を第2表に示す。 射出成形は、シリンダー温度330℃、射出圧力
1100Kg/cm2、金型温度130℃の条件で般出射出成
形機で行つた〔以下の実施例においても同様であ
る〕。
気気流中240℃で60分間加熱して架橋処理した
後、真空下330℃で120分加熱処理した。このサン
プルを冷却後粉砕し、高化式フローテスターで
300℃、荷重20Kg/cm2における見掛粘度を測定し
たところ650ポイズであつた。同じサンプルを磁
製ルツボに約10gとり、これをさらに空気気流中
330℃で30分間加熱した後再び上記条件で見掛粘
度を測定したところ、750ポイズとなつており粘
度の上昇は少なかつた。 一方、市販の部分架橋PPS粉末(P―3グレー
ド)の見掛粘度を上記条件で測定したところ720
ポイズであつた。この市販P―3グレード粉末を
磁製ルツボに約10gとり、これを空気気流中330
℃で30分間加熱した後見掛粘度を測定したとこ
ろ、4000ポイズとなつており大巾に粘度が上昇し
た。 実施例 1 未架橋PPSを空気中240℃で120分加熱した後、
真空下330℃で120分加熱したPPSを冷却後粉砕
し、これにガラス繊維含有率40重量%となるよう
にガラス繊維チヨツプドストランドを加え、押し
出し機によりペレツトとした。 同様に未架橋PPSを空気中240℃で60分加熱し
た後、真空下330℃で120分加熱したPPSよりガラ
ス繊維含有率40重量%のペレツトを製造した。 一方、比較のため、未架橋PPSを空気中240℃
で120分、および空気中240℃で60分加熱したPPS
を使用してガラス繊維含有率40%のペレツトを製
造した。これらペレツト状成形材料を使用して射
出成形により各種試験片を作成し、その物性を測
定した。結果を第2表に示す。 射出成形は、シリンダー温度330℃、射出圧力
1100Kg/cm2、金型温度130℃の条件で般出射出成
形機で行つた〔以下の実施例においても同様であ
る〕。
【表】
実施例 2
市販の未架橋PPS粉末(V―1グレード)を空
気気流中260℃で60分加熱して架橋処理した後、
加圧窒素ガス気流中(圧力1.3Kg/cm2、酸素分圧
約1.95mmHg、N2純度99.8%)350℃で120分間加
熱処理した。これを冷却後粉砕し、これにガラス
繊維含有率30重量%となるようガラス繊維チヨツ
プドストランドを加え、押出機によりペレツトと
した。一方、比較のため未架橋PPSを空気中260
℃で60分加熱したPPSを使用してガラス繊維含有
率30重量%のペレツトを製造した。これらペレツ
ト状成形材料を使用して射出成形により各種試験
片を作成し、その物性を測定した。結果を下記第
3表に示す。
気気流中260℃で60分加熱して架橋処理した後、
加圧窒素ガス気流中(圧力1.3Kg/cm2、酸素分圧
約1.95mmHg、N2純度99.8%)350℃で120分間加
熱処理した。これを冷却後粉砕し、これにガラス
繊維含有率30重量%となるようガラス繊維チヨツ
プドストランドを加え、押出機によりペレツトと
した。一方、比較のため未架橋PPSを空気中260
℃で60分加熱したPPSを使用してガラス繊維含有
率30重量%のペレツトを製造した。これらペレツ
ト状成形材料を使用して射出成形により各種試験
片を作成し、その物性を測定した。結果を下記第
3表に示す。
【表】
実施例 3
市販の部分架橋PPS粉末(P―4グレード)と
未架橋PPS(V―1グレード)を各々真空下320
℃で90分加熱処理した。このサンプルを冷却後粉
砕し、下記第4表に示す配合割合で石英粉((株)龍
森製、商品名ヒユーズレツクスE―1)とガラス
繊維チヨツプドストランドを加え押出機によりペ
レツトとした。一方、比較のため市販のPPS粉末
(P―4グレードとV―1グレード)を未処理の
まま用い本実施例と同じ配合でペレツトとした。
これらペレツト状成形材料を使用して射出成形に
より円板状試験片(直径50mm、厚さ3mm)を作成
し、これら試験片を高湿度雰囲気に放置した後及
び煮沸した後の体積固有抵抗を測定した。煮沸し
たサンプルについては吸水率も同時に測定した。
試験条件と測定結果を第2表に示す。
未架橋PPS(V―1グレード)を各々真空下320
℃で90分加熱処理した。このサンプルを冷却後粉
砕し、下記第4表に示す配合割合で石英粉((株)龍
森製、商品名ヒユーズレツクスE―1)とガラス
繊維チヨツプドストランドを加え押出機によりペ
レツトとした。一方、比較のため市販のPPS粉末
(P―4グレードとV―1グレード)を未処理の
まま用い本実施例と同じ配合でペレツトとした。
これらペレツト状成形材料を使用して射出成形に
より円板状試験片(直径50mm、厚さ3mm)を作成
し、これら試験片を高湿度雰囲気に放置した後及
び煮沸した後の体積固有抵抗を測定した。煮沸し
たサンプルについては吸水率も同時に測定した。
試験条件と測定結果を第2表に示す。
【表】
【表】
実施例 4
市販の未架橋PPS粉末(V―1グレード)を空
気気流中240℃で120分加熱して架橋処理した後真
空下で下記第6表に示した条件で加熱処理した。
このサンプルを冷却後粉砕し押出機によりペレツ
トとした。このペレツトを射出成形機により成形
して各種試験片を作成し、その物性を測定した。
結果を下記第6表にまとめて示す。比較のため市
販の部分架橋PPSペレツト(R―6グレード)を
本発明による加熱処理をしないで成形した試験片
の物性測定結果を同じ表に示した。
気気流中240℃で120分加熱して架橋処理した後真
空下で下記第6表に示した条件で加熱処理した。
このサンプルを冷却後粉砕し押出機によりペレツ
トとした。このペレツトを射出成形機により成形
して各種試験片を作成し、その物性を測定した。
結果を下記第6表にまとめて示す。比較のため市
販の部分架橋PPSペレツト(R―6グレード)を
本発明による加熱処理をしないで成形した試験片
の物性測定結果を同じ表に示した。
【表】
実施例 5
市販の未架橋PPS粉末(V―1グレード)を真
空下330℃で120分間加熱処理して冷却後粉砕し、
これにガラス繊維チヨツプドストランドと微粉ク
レー(土居カオリン(株)製、ASP400グレード)を
加えて押出機によりペレツトとし、ガラス繊維含
有率40重量%、クレー含有率40重量%のペレツト
状成形材料を製造した。未架橋PPS(V―1グレ
ード)は見掛粘度が低いため多量の充填剤を充填
しても成形流動性が良く良好に射出成形が可能で
あつた。比較のため市販の未架橋PPS(未処理
品)を用い、同じ配合でペレツトを製造した。こ
れらペレツト状成形材料を使用して射出成形によ
り各種試験片を作成しその物性を測定した。その
結果を下記第7表に示す。
空下330℃で120分間加熱処理して冷却後粉砕し、
これにガラス繊維チヨツプドストランドと微粉ク
レー(土居カオリン(株)製、ASP400グレード)を
加えて押出機によりペレツトとし、ガラス繊維含
有率40重量%、クレー含有率40重量%のペレツト
状成形材料を製造した。未架橋PPS(V―1グレ
ード)は見掛粘度が低いため多量の充填剤を充填
しても成形流動性が良く良好に射出成形が可能で
あつた。比較のため市販の未架橋PPS(未処理
品)を用い、同じ配合でペレツトを製造した。こ
れらペレツト状成形材料を使用して射出成形によ
り各種試験片を作成しその物性を測定した。その
結果を下記第7表に示す。
【表】
【表】
実施例 6
市販のガラス繊維入りPPSペレツト(R―4グ
レード、ガラス繊維40重量%含有)を真空下300
℃で150分間加熱処理し、冷却後粉砕して小片と
した。これを射出成形して各種試験片を作成し、
その物性を測定した。比較のため市販のガラス繊
維入りPPSペレツト(R―4グレード)を未処理
のまま同じ条件で成形した。物性、外観等の結果
を下記第8表に示す。
レード、ガラス繊維40重量%含有)を真空下300
℃で150分間加熱処理し、冷却後粉砕して小片と
した。これを射出成形して各種試験片を作成し、
その物性を測定した。比較のため市販のガラス繊
維入りPPSペレツト(R―4グレード)を未処理
のまま同じ条件で成形した。物性、外観等の結果
を下記第8表に示す。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリフエニレンサルフアイド射出成形材料に
おけるポリフエニレンサルフアイドが、部分的に
架橋されたあるいは未架橋のポリフエニレンサル
フアイドを実質的に酸素の存在しない雰囲気下
290℃以上の温度で加熱処理して得られた被処理
ポリフエニレンサルフアイドであることを特徴と
するポリフエニレンサルフアイド射出成形材料。 2 実質的に酸素の存在しない雰囲気が減圧雰囲
気であることを特徴とする特許請求の範囲1の射
出成形材料。 3 実質的に酸素の存在しない雰囲気が酸素分圧
2mmHg以下の減圧雰囲気あるいは不活性ガス雰
囲気であることを特徴とする特許請求の範囲1の
射出成形材料。 4 加熱処理温度が310〜500℃であることを特徴
とする特許請求の範囲1の射出成形材料。 5 部分的に架橋されたポリフエニレンサルフア
イドが未架橋ポリフエニレンサルフアイドをその
溶融温度以下酸素存在下で加熱処理して得られた
ポリフエニレンサルフアイドであることを特徴と
する特許請求の範囲1の射出成形材料。 6 被処理ポリフエニレンサルフアイドが温度
300℃、減圧下において120分加熱されたときその
重量減少が0.3重量%以下であることを特徴とす
る特許請求の範囲1の射出成形材料。 7 射出成形材料が被処理ポリフエニレンサルフ
アイドと充填剤とからなることを特徴とする特許
請求の範囲1の射出成形材料。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6378578A JPS54155300A (en) | 1978-05-30 | 1978-05-30 | Injection molding material of polyphenylene sulfide |
| FR7913625A FR2427350B1 (fr) | 1978-05-30 | 1979-05-29 | Poly(sulfure de phenylene) moulable |
| NL7904198A NL7904198A (nl) | 1978-05-30 | 1979-05-29 | Polyfenyleensulfide. |
| DE19792922072 DE2922072A1 (de) | 1978-05-30 | 1979-05-30 | Formbares polyphenylensulfid, verfahren zur herstellung desselben und verwendung desselben |
| GB7918875A GB2021608B (en) | 1978-05-30 | 1979-05-30 | Mouldable polyphenylenesulphide |
| US06/043,907 US4274993A (en) | 1978-05-30 | 1979-05-30 | Moldable polyphenylenesulfide |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6378578A JPS54155300A (en) | 1978-05-30 | 1978-05-30 | Injection molding material of polyphenylene sulfide |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS54155300A JPS54155300A (en) | 1979-12-07 |
| JPS6237656B2 true JPS6237656B2 (ja) | 1987-08-13 |
Family
ID=13239368
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6378578A Granted JPS54155300A (en) | 1978-05-30 | 1978-05-30 | Injection molding material of polyphenylene sulfide |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS54155300A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56135549A (en) * | 1980-03-26 | 1981-10-23 | Dainippon Ink & Chem Inc | Polyarylene sulfide resin composition |
| JPS5717153A (en) * | 1980-07-04 | 1982-01-28 | Asahi Glass Co Ltd | Sealing method of electronic parts |
| JPS5770157A (en) * | 1980-10-21 | 1982-04-30 | Dainippon Ink & Chem Inc | Glass fiber-reinforced polyarylane sulfide resin composition |
| JPS57168945A (en) * | 1981-04-13 | 1982-10-18 | Dainippon Ink & Chem Inc | Resin composition |
| JPS5874751A (ja) * | 1981-10-28 | 1983-05-06 | Hodogaya Chem Co Ltd | ポリフエニレンサルフアイド樹脂組成物 |
| JPS59115331A (ja) * | 1982-12-21 | 1984-07-03 | Toray Ind Inc | ポリフエニレンスルフイド重合体の製造方法 |
| EP0320514A4 (en) * | 1987-06-19 | 1991-03-13 | Toray Industries, Inc. | Crosslinked polyarylene resin and process for its production |
| JPH0198633A (ja) * | 1987-06-19 | 1989-04-17 | Toray Ind Inc | 高耐熱性ポリアリーレン系樹脂成形物およびその製法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5841292B2 (ja) * | 1974-07-30 | 1983-09-10 | 株式会社クラレ | ガンリヨウテンカポリエステルジユウゴウタイノ セイゾウホウホウ |
-
1978
- 1978-05-30 JP JP6378578A patent/JPS54155300A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS54155300A (en) | 1979-12-07 |
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