JPS6257601B2 - - Google Patents
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- JPS6257601B2 JPS6257601B2 JP54047074A JP4707479A JPS6257601B2 JP S6257601 B2 JPS6257601 B2 JP S6257601B2 JP 54047074 A JP54047074 A JP 54047074A JP 4707479 A JP4707479 A JP 4707479A JP S6257601 B2 JPS6257601 B2 JP S6257601B2
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- Japan
- Prior art keywords
- phytic acid
- agent
- oxide
- aluminum
- calcium
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- Dental Preparations (AREA)
Description
本発明は歯科用セメント剤に関し、更に詳述す
れば二次う蝕を効果的に抑制し得る新規セメント
剤に関する。 従来より、う蝕に罹患した場合、その部位を削
除して窩洞を形成し、セメントを充填するなどの
治療が一般に行なわれており、これに用いる歯科
用セメントとしてリン酸亜鉛セメントや亜鉛華ユ
ージノールセメント、有機ポリマーと金属酸化物
を組合せたポリカルボキシレートセメント、グラ
スアイオノマーセメントなどが知られている。し
かし、これら歯科用セメントは長年に亘り使用さ
れているが、なお改善されるべき種々の問題点を
有し、特に二次う蝕の誘発は重大な問題になつて
いる。例えば、最も広く使用されているリン酸亜
鉛セメント等は歯質の窩洞壁に対する接着性がな
いため、辺縁部の隙間に細菌が侵入するなどして
再度う蝕にかかる例が非常に多く、またある程度
の接着性を有するセメントでも、歯質とセメント
硬化体との間に微小隙間が生じることは避け難
く、いずれにしても二次う蝕の誘発を招く場合が
多い。 本発明者らは、このような二次う蝕の発生を抑
制し得る歯科用セメントにつき鋭意研究を重ねた
結果、う蝕抑制作用をもつフイチン酸及びフイチ
ン酸誘導体(フイチン酸及びその誘導体がう蝕抑
制作用を有することは従来から広く知られてお
り、フイチン酸をモノフルオロリン酸アルカリ金
属塩やフツ化ナトリウムと組合せて配合した歯磨
剤等も提案されている<英国特許第1384375号、
同第1408922号>)が水の存在下で金属塩と反応
し、歯科用セメントとして好適で強固な(例えば
圧縮強度200〜350Kg/cm2)硬化体を形成すると共
に、この硬化体よりフイチン酸が微量溶出し、こ
の溶出フイチン酸の作用で二次う蝕を効果的に抑
制し得ることを見い出し、本発明を完成するに至
つた。 即ち、本発明はフイチン酸もしくはその誘導体
を主成分とするA剤と金属塩を主成分とするB剤
とから構成され、使用時にこれらA剤とB剤を水
の存在下で混合することにより、二次う蝕抑制作
用を有するセメント硬化体を形成することを特徴
とする歯科用セメント剤を提供するものである。 以下、本発明につき詳しく説明する。 本発明に係る歯科用セメント剤において使用さ
れるフイチン酸は、下記(1)式 で示されるものであり、またフイチン酸誘導体と
してはフイチン酸の1〜6位のリン酸基の一部も
しくは全部の水素原子をアルカリ金属基で置換し
たフイチン酸ナトリウムやフイチン酸カリウム等
のフイチン酸アルカリ金属塩、或いはフイチン酸
カルシウム等のフイチン酸アルカリ土類金属塩、
更にはフイチン酸の1〜6位のリン酸基の一部も
しくは全部の水素原子をアルキル基、アリル基等
で置換したものなどが使用し得る。この場合、フ
イチン酸もしくはその誘導体のうちではフイチン
酸が最も強い反応性を示し、フイチン酸に水酸化
アルカリを添加してフイチン酸の1〜6位のリン
酸基の水素原子をアルカリ金属基もしくはアルカ
リ土類金属基で置換した場合、その置換度が高く
なる程後述するB剤と混合したときの硬化速度が
遅くなる。また、フイチン酸の1・4位のリン酸
基の水素原子をアルキル基、アリル基等で置換し
たものはフイチン酸よりも反応性が劣るが、なお
かなりの反応性を有し、2・3・5・6位のリン
酸基の水素原子をアルキル基、アリル基等で置換
したものは更に極端に反応性が低下する。従つ
て、要求する硬化時間等に応じて上述したフイチ
ン酸もしくはその誘導体のうちから適宜なものを
選択し、又はこれらを適宜組合せて使用すればよ
いが、反応性の点からフイチン酸もしくはその誘
導体としては、フイチン酸、フイチン酸の部分ア
ルカリ金属塩、特にナトリウム塩、及び下記一般
式(2) (但し、R1、R2、R3、R4は少なくとも1つが炭素
数1〜12のアルキル基もしくはアリル基又はこれ
らアルキル基、アリル基の水素原子の一部をハロ
ゲン原子もしくはアミノ基で置換した官能基、残
りが水素原子を示す。)で表わされるフイチン酸
の1・4位のリン酸基の一部を置換した化合物が
好適に使用される。 A剤は上述したフイチン酸もしくはその誘導体
を主成分として構成されるが、必要に応じて硬化
調整剤、例えばリン酸アルミニウムをA剤に対し
て0.1〜1重量%配合するようにしてもよい。ま
た、A剤は通常水溶液もしくは水含有のペースト
の形態に調製される。 B剤を構成する金属塩としては、アルカリ金属
を除く価金属もしくは価以上の金属の塩が用
いられるが、特にマグネシウム、カルシウム、バ
リウム、亜鉛、アルミニウム、チタンの酸化物、
水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸
塩、フツ化物等が好適に使用される。具体的には
酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
バリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、第
3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、フツ化カ
ルシウム、水酸化カルシウム、酸化第1スズ、炭
酸マグネシウム等の1種又は2種以上を適宜組合
せて使用する。この場合、特に酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化バリウム、水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を使用する
と硬化反応が早く進み、一方酸化チタン、フツ化
カルシウム、酸化第1スズ、第3リン酸カルシウ
ム、それに酸化アルミニウム等のアルミニウム塩
の硬化反応性はそれより遅いため、要求する硬化
時間等に応じて適当な金属塩を選択使用し、必要
に応じて組合せて使用することが好ましい。ま
た、リン酸アルミニウム、フツ化アルミニウムは
反応を遅延させるので、必要に応じてこれを添加
し、硬化時間を調整することもできる。 なお、これら金属塩の粉体として市販品のもの
をそのまま使用すると、硬化反応が早すぎて1分
以内に硬化が完了する場合があるので、必要に応
じて市販品の金属塩は、例えば900〜1300℃で6
〜10時間の条件において焼成し、これをジエツト
粉砕機等、各種の粉砕機で微粉化したものを使用
することもできる。この場合、粒径が細かい程硬
化速度が増大する。 上述した金属塩を主成分とするB剤には、更に
必要に応じて強度を高める目的で高分子粉末、歯
の色調に合わせるように色素粉末等を配合しても
よく、またB剤は通常粉剤の形態に調製される。 前記A剤とB剤とは、使用時において水の存在
下(通常A剤中の水分より与えられるが、場合に
より更に少量の水を加えることもできる。)に混
合練和する。これにより、A剤中のフイチン酸も
しくはその誘導体とB剤中の金属塩とが反応し、
硬化するものであり、その硬化反応は触媒がなく
とも進行する。この場合、A剤とB剤との混合割
合(フイチン酸もしくはその誘導体と金属塩との
混合割合)は必ずしも限定されないが、好ましく
はフイチン酸もしくはその誘導体の水溶液1重量
部に対し金属塩を0.7〜2重量部の割合とする。
この場合、金属塩の割合が多くなる程硬化速度は
増大する。なお、フイチン酸もしくはその誘導体
は40〜80重量%、特に50〜70重量%の水溶液とし
て用いることが好ましく、80重量%より含量が多
い場合は硬化速度が遅くなり、40重量%より少な
い含量では得られる硬化体の強度が弱くなること
があるので、上述した範囲の水溶液を用いるのが
望ましい。なお、また反応温度が高い程硬化が速
いので、歯に用いる場合には冷却することが好ま
しい場合もある。 硬化時間は、使用するフイチン酸もしくはその
誘導体、金属塩の種類、その混合割合、水分含
量、反応温度、更には金属塩の焼成の有無、金属
塩粉末の粒径等を選択することにより、硬化時間
を任意に調整することが可能であり、3〜8分間
(JIS規格)という歯科の充填操作には好適な硬化
時間で硬化させることができる。 得られた硬化体は強固なもので、その圧縮強度
は例えば200〜350Kg/cm2である。また特に、この
硬化体は口腔内においてフイチン酸が微量に溶出
してくるため、フイチン酸のう蝕抑制作用により
二次う蝕の抑制上非常に有効である。このため、
本発明の歯科用セメント剤は合着用材料、充填用
材料等に好適に使用される。 なお、市販の歯科用セメント、特にリン酸亜鉛
セメントの液剤にフイチン酸もしくはその誘導体
を添加して応用することもできる。 以上説明したように、本発明に係る歯科用セメ
ント剤は、フイチン酸もしくはその誘導体を主成
分とするA剤と金属塩を主成分とするB剤とから
構成され、これらA剤とB剤とを水の存在下にお
いて混合させることにより、強固な硬化体を形成
すると共に、この硬化体は、処置後う蝕抑制作用
を有するフイチン酸が微量溶出してくるので、二
次う蝕予防上効果的であり、また硬化に際し、そ
の硬化時間を任意に調整でき、1〜10分間という
好適な硬化時間において硬化させることができる
等、歯科用セメント剤としての非常に優れた特性
を有し、インレー、クラウン等の合着、窩洞内へ
の充填、裏装、前歯部の修復等に広く用いること
ができ、二次う蝕の発生を良好に抑制することが
できる。 以下、実施例を示して本発明を具体的に説明す
る。なお、下記の例において%はいずれも重量%
を示す。 実施例 1 50%フイチン酸水溶液0.5gに第1表に示す市
販の種々の金属塩を室温で混合し、硬化反応性を
調べた。結果を第1表に併記する。
れば二次う蝕を効果的に抑制し得る新規セメント
剤に関する。 従来より、う蝕に罹患した場合、その部位を削
除して窩洞を形成し、セメントを充填するなどの
治療が一般に行なわれており、これに用いる歯科
用セメントとしてリン酸亜鉛セメントや亜鉛華ユ
ージノールセメント、有機ポリマーと金属酸化物
を組合せたポリカルボキシレートセメント、グラ
スアイオノマーセメントなどが知られている。し
かし、これら歯科用セメントは長年に亘り使用さ
れているが、なお改善されるべき種々の問題点を
有し、特に二次う蝕の誘発は重大な問題になつて
いる。例えば、最も広く使用されているリン酸亜
鉛セメント等は歯質の窩洞壁に対する接着性がな
いため、辺縁部の隙間に細菌が侵入するなどして
再度う蝕にかかる例が非常に多く、またある程度
の接着性を有するセメントでも、歯質とセメント
硬化体との間に微小隙間が生じることは避け難
く、いずれにしても二次う蝕の誘発を招く場合が
多い。 本発明者らは、このような二次う蝕の発生を抑
制し得る歯科用セメントにつき鋭意研究を重ねた
結果、う蝕抑制作用をもつフイチン酸及びフイチ
ン酸誘導体(フイチン酸及びその誘導体がう蝕抑
制作用を有することは従来から広く知られてお
り、フイチン酸をモノフルオロリン酸アルカリ金
属塩やフツ化ナトリウムと組合せて配合した歯磨
剤等も提案されている<英国特許第1384375号、
同第1408922号>)が水の存在下で金属塩と反応
し、歯科用セメントとして好適で強固な(例えば
圧縮強度200〜350Kg/cm2)硬化体を形成すると共
に、この硬化体よりフイチン酸が微量溶出し、こ
の溶出フイチン酸の作用で二次う蝕を効果的に抑
制し得ることを見い出し、本発明を完成するに至
つた。 即ち、本発明はフイチン酸もしくはその誘導体
を主成分とするA剤と金属塩を主成分とするB剤
とから構成され、使用時にこれらA剤とB剤を水
の存在下で混合することにより、二次う蝕抑制作
用を有するセメント硬化体を形成することを特徴
とする歯科用セメント剤を提供するものである。 以下、本発明につき詳しく説明する。 本発明に係る歯科用セメント剤において使用さ
れるフイチン酸は、下記(1)式 で示されるものであり、またフイチン酸誘導体と
してはフイチン酸の1〜6位のリン酸基の一部も
しくは全部の水素原子をアルカリ金属基で置換し
たフイチン酸ナトリウムやフイチン酸カリウム等
のフイチン酸アルカリ金属塩、或いはフイチン酸
カルシウム等のフイチン酸アルカリ土類金属塩、
更にはフイチン酸の1〜6位のリン酸基の一部も
しくは全部の水素原子をアルキル基、アリル基等
で置換したものなどが使用し得る。この場合、フ
イチン酸もしくはその誘導体のうちではフイチン
酸が最も強い反応性を示し、フイチン酸に水酸化
アルカリを添加してフイチン酸の1〜6位のリン
酸基の水素原子をアルカリ金属基もしくはアルカ
リ土類金属基で置換した場合、その置換度が高く
なる程後述するB剤と混合したときの硬化速度が
遅くなる。また、フイチン酸の1・4位のリン酸
基の水素原子をアルキル基、アリル基等で置換し
たものはフイチン酸よりも反応性が劣るが、なお
かなりの反応性を有し、2・3・5・6位のリン
酸基の水素原子をアルキル基、アリル基等で置換
したものは更に極端に反応性が低下する。従つ
て、要求する硬化時間等に応じて上述したフイチ
ン酸もしくはその誘導体のうちから適宜なものを
選択し、又はこれらを適宜組合せて使用すればよ
いが、反応性の点からフイチン酸もしくはその誘
導体としては、フイチン酸、フイチン酸の部分ア
ルカリ金属塩、特にナトリウム塩、及び下記一般
式(2) (但し、R1、R2、R3、R4は少なくとも1つが炭素
数1〜12のアルキル基もしくはアリル基又はこれ
らアルキル基、アリル基の水素原子の一部をハロ
ゲン原子もしくはアミノ基で置換した官能基、残
りが水素原子を示す。)で表わされるフイチン酸
の1・4位のリン酸基の一部を置換した化合物が
好適に使用される。 A剤は上述したフイチン酸もしくはその誘導体
を主成分として構成されるが、必要に応じて硬化
調整剤、例えばリン酸アルミニウムをA剤に対し
て0.1〜1重量%配合するようにしてもよい。ま
た、A剤は通常水溶液もしくは水含有のペースト
の形態に調製される。 B剤を構成する金属塩としては、アルカリ金属
を除く価金属もしくは価以上の金属の塩が用
いられるが、特にマグネシウム、カルシウム、バ
リウム、亜鉛、アルミニウム、チタンの酸化物、
水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸
塩、フツ化物等が好適に使用される。具体的には
酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
バリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、第
3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、フツ化カ
ルシウム、水酸化カルシウム、酸化第1スズ、炭
酸マグネシウム等の1種又は2種以上を適宜組合
せて使用する。この場合、特に酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化バリウム、水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を使用する
と硬化反応が早く進み、一方酸化チタン、フツ化
カルシウム、酸化第1スズ、第3リン酸カルシウ
ム、それに酸化アルミニウム等のアルミニウム塩
の硬化反応性はそれより遅いため、要求する硬化
時間等に応じて適当な金属塩を選択使用し、必要
に応じて組合せて使用することが好ましい。ま
た、リン酸アルミニウム、フツ化アルミニウムは
反応を遅延させるので、必要に応じてこれを添加
し、硬化時間を調整することもできる。 なお、これら金属塩の粉体として市販品のもの
をそのまま使用すると、硬化反応が早すぎて1分
以内に硬化が完了する場合があるので、必要に応
じて市販品の金属塩は、例えば900〜1300℃で6
〜10時間の条件において焼成し、これをジエツト
粉砕機等、各種の粉砕機で微粉化したものを使用
することもできる。この場合、粒径が細かい程硬
化速度が増大する。 上述した金属塩を主成分とするB剤には、更に
必要に応じて強度を高める目的で高分子粉末、歯
の色調に合わせるように色素粉末等を配合しても
よく、またB剤は通常粉剤の形態に調製される。 前記A剤とB剤とは、使用時において水の存在
下(通常A剤中の水分より与えられるが、場合に
より更に少量の水を加えることもできる。)に混
合練和する。これにより、A剤中のフイチン酸も
しくはその誘導体とB剤中の金属塩とが反応し、
硬化するものであり、その硬化反応は触媒がなく
とも進行する。この場合、A剤とB剤との混合割
合(フイチン酸もしくはその誘導体と金属塩との
混合割合)は必ずしも限定されないが、好ましく
はフイチン酸もしくはその誘導体の水溶液1重量
部に対し金属塩を0.7〜2重量部の割合とする。
この場合、金属塩の割合が多くなる程硬化速度は
増大する。なお、フイチン酸もしくはその誘導体
は40〜80重量%、特に50〜70重量%の水溶液とし
て用いることが好ましく、80重量%より含量が多
い場合は硬化速度が遅くなり、40重量%より少な
い含量では得られる硬化体の強度が弱くなること
があるので、上述した範囲の水溶液を用いるのが
望ましい。なお、また反応温度が高い程硬化が速
いので、歯に用いる場合には冷却することが好ま
しい場合もある。 硬化時間は、使用するフイチン酸もしくはその
誘導体、金属塩の種類、その混合割合、水分含
量、反応温度、更には金属塩の焼成の有無、金属
塩粉末の粒径等を選択することにより、硬化時間
を任意に調整することが可能であり、3〜8分間
(JIS規格)という歯科の充填操作には好適な硬化
時間で硬化させることができる。 得られた硬化体は強固なもので、その圧縮強度
は例えば200〜350Kg/cm2である。また特に、この
硬化体は口腔内においてフイチン酸が微量に溶出
してくるため、フイチン酸のう蝕抑制作用により
二次う蝕の抑制上非常に有効である。このため、
本発明の歯科用セメント剤は合着用材料、充填用
材料等に好適に使用される。 なお、市販の歯科用セメント、特にリン酸亜鉛
セメントの液剤にフイチン酸もしくはその誘導体
を添加して応用することもできる。 以上説明したように、本発明に係る歯科用セメ
ント剤は、フイチン酸もしくはその誘導体を主成
分とするA剤と金属塩を主成分とするB剤とから
構成され、これらA剤とB剤とを水の存在下にお
いて混合させることにより、強固な硬化体を形成
すると共に、この硬化体は、処置後う蝕抑制作用
を有するフイチン酸が微量溶出してくるので、二
次う蝕予防上効果的であり、また硬化に際し、そ
の硬化時間を任意に調整でき、1〜10分間という
好適な硬化時間において硬化させることができる
等、歯科用セメント剤としての非常に優れた特性
を有し、インレー、クラウン等の合着、窩洞内へ
の充填、裏装、前歯部の修復等に広く用いること
ができ、二次う蝕の発生を良好に抑制することが
できる。 以下、実施例を示して本発明を具体的に説明す
る。なお、下記の例において%はいずれも重量%
を示す。 実施例 1 50%フイチン酸水溶液0.5gに第1表に示す市
販の種々の金属塩を室温で混合し、硬化反応性を
調べた。結果を第1表に併記する。
【表】
【表】
実施例 2
50%、60%、75%、80%フイチン酸水溶液をA
剤(それぞれA50剤、A60剤、A75剤、A80剤)と
し、一方 酸化亜鉛 80重量部 酸化マグネシウム 18 〃 フツ化カルシウム 2 〃 以上の混合物を1000℃で6時間焼成した後、粉
砕して200メツシユのフルイを通過したもの及び
300メツシユのフルイを通過したものをB剤(そ
れぞれB200剤、B300剤)とし、これらA剤とB剤
とを室温(20〜25℃)で混合して硬化させた。ビ
カー針による硬化速度の測定結果、及びJIS規格
T6602による圧縮強度の測定結果を第2表に示
す。 また比較のため市販の亜鉛華ユージノールセメ
ント及びリン酸亜鉛セメント(いずれも而至歯科
工業製)を使用し、同様の実験を行つた。
剤(それぞれA50剤、A60剤、A75剤、A80剤)と
し、一方 酸化亜鉛 80重量部 酸化マグネシウム 18 〃 フツ化カルシウム 2 〃 以上の混合物を1000℃で6時間焼成した後、粉
砕して200メツシユのフルイを通過したもの及び
300メツシユのフルイを通過したものをB剤(そ
れぞれB200剤、B300剤)とし、これらA剤とB剤
とを室温(20〜25℃)で混合して硬化させた。ビ
カー針による硬化速度の測定結果、及びJIS規格
T6602による圧縮強度の測定結果を第2表に示
す。 また比較のため市販の亜鉛華ユージノールセメ
ント及びリン酸亜鉛セメント(いずれも而至歯科
工業製)を使用し、同様の実験を行つた。
【表】
【表】
実施例 3
50%フイチン酸水溶液と40%フイチン酸5ナト
リウム水溶液を所定の割合で混合したものをA剤
とした。 一方、 シリカ 30重量部 アルミナ 18 〃 フツ化カルシウム 34 〃 フツ化アルミニウム 6 〃 リン酸アルミニウム 12 〃 以上の混合物を高温で溶融した後、急冷、粉砕
し300メツシユのフルイを通過したものをB剤と
した。 次に、前記A剤とB剤を混合し、その硬化時間
を測定した。結果を第1図に示す。 実施例 4 A剤として各種濃度のフイチン酸水溶液を用
い、B剤として実施例3と同じものを用い、A剤
とB剤を混合したときの硬化時間を測定し、第2
図に示す結果を得た。 実施例 5 前記一般式(2)において、R1が−CH2CH=CH2
基、R2、R3、R4がそれぞれ水素原子であるフイ
チン酸誘導体の50%水溶液(三井東圧社製)をA
剤とし、一方 酸化亜鉛 65重量部 酸化マグネシウム 30 〃 ケイ酸アルミニウム 5 〃 以上の混合物を1200℃で6時間焼成した後、細
かく粉砕し、200メツシユのフルイをパスしたも
のをB剤とし、前記A剤とB剤を1:1(重量
比)の割合で室温において混合したところ、75分
で硬化し、その圧縮強度は312Kg/cm2であつた。 実施例 6 A剤として60%フイチン酸水溶液を使用し、B
剤として酸化亜酸80重量部と酸化マグネシウム20
重量部との混合物を1000℃で6時間焼成した後、
微粉末化して300メツシユのフルイを通過したも
のを使用し、前記A剤とB剤を1:1(重量比)
の割合で室温において混合した。これをテフロン
製の型に流し込み、硬化させて直径20mm、厚さ5
mmの円板状試験体を作製した。 次に、この円板状試験体を小瓶にとり、精製水
10mlを加えて密栓し、所定期間放置した。所定期
間経過後、小瓶中の液1mlを採取して50ml容のケ
ールダール分解フラスコに入れ、濃硫酸3mlを加
え、8時間加熱加水分解した。冷却後100mlの精
製水でうすめ、この希釈液5mlを用いてFiske−
Subbarow法により全リン量を比色定量し、フイ
チン酸の溶出量を調べた。その結果を第3表に示
す。
リウム水溶液を所定の割合で混合したものをA剤
とした。 一方、 シリカ 30重量部 アルミナ 18 〃 フツ化カルシウム 34 〃 フツ化アルミニウム 6 〃 リン酸アルミニウム 12 〃 以上の混合物を高温で溶融した後、急冷、粉砕
し300メツシユのフルイを通過したものをB剤と
した。 次に、前記A剤とB剤を混合し、その硬化時間
を測定した。結果を第1図に示す。 実施例 4 A剤として各種濃度のフイチン酸水溶液を用
い、B剤として実施例3と同じものを用い、A剤
とB剤を混合したときの硬化時間を測定し、第2
図に示す結果を得た。 実施例 5 前記一般式(2)において、R1が−CH2CH=CH2
基、R2、R3、R4がそれぞれ水素原子であるフイ
チン酸誘導体の50%水溶液(三井東圧社製)をA
剤とし、一方 酸化亜鉛 65重量部 酸化マグネシウム 30 〃 ケイ酸アルミニウム 5 〃 以上の混合物を1200℃で6時間焼成した後、細
かく粉砕し、200メツシユのフルイをパスしたも
のをB剤とし、前記A剤とB剤を1:1(重量
比)の割合で室温において混合したところ、75分
で硬化し、その圧縮強度は312Kg/cm2であつた。 実施例 6 A剤として60%フイチン酸水溶液を使用し、B
剤として酸化亜酸80重量部と酸化マグネシウム20
重量部との混合物を1000℃で6時間焼成した後、
微粉末化して300メツシユのフルイを通過したも
のを使用し、前記A剤とB剤を1:1(重量比)
の割合で室温において混合した。これをテフロン
製の型に流し込み、硬化させて直径20mm、厚さ5
mmの円板状試験体を作製した。 次に、この円板状試験体を小瓶にとり、精製水
10mlを加えて密栓し、所定期間放置した。所定期
間経過後、小瓶中の液1mlを採取して50ml容のケ
ールダール分解フラスコに入れ、濃硫酸3mlを加
え、8時間加熱加水分解した。冷却後100mlの精
製水でうすめ、この希釈液5mlを用いてFiske−
Subbarow法により全リン量を比色定量し、フイ
チン酸の溶出量を調べた。その結果を第3表に示
す。
【表】
第3表の結果より、硬化物より微量のフイチン
酸が溶出することが認められ、う蝕抑制上効果的
であることが知見された。
酸が溶出することが認められ、う蝕抑制上効果的
であることが知見された。
第1図は50%フイチン酸水溶液と40%フイチン
酸5ナトリウム水溶液とを混合したものをA剤と
した場合におけるフイチン酸とフイチン酸5ナト
リウムとの混合割合と硬化時間との関係を示すグ
ラフ、第2図はフイチン酸水溶液濃度と硬化時間
との関係を示すグラフである。
酸5ナトリウム水溶液とを混合したものをA剤と
した場合におけるフイチン酸とフイチン酸5ナト
リウムとの混合割合と硬化時間との関係を示すグ
ラフ、第2図はフイチン酸水溶液濃度と硬化時間
との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 フイチン酸もしくはその誘導体を主成分とす
るA剤と金属塩(但しアルカリ金属塩を除く)を
主成分とするB剤とから構成され、水の存在下に
おいて前記A剤とB剤とを混合することによりセ
メント硬化体を形成させることを特徴とする歯科
用セメント剤。 2 A剤を水溶液の形態に調製し、これをB剤と
混合するようにした特許請求の範囲第1項記載の
歯科用セメント剤。 3 フイチン酸もしくはその誘導体として、フイ
チン酸、フイチン酸の部分アルカリ金属塩、及び
下記式 (但し、R1、R2、R3、R4は少なくとも1つが炭素
数1〜12のアルキル基もしくはアリル基又はこれ
らアルキル基、アリル基の水素原子の一部をハロ
ゲン原子もしくはアミノ基で置換した官能基、残
りが水素原子を示す。)で表わされるフイチン酸
化合物の1又は2以上の混合物を使用した特許請
求の範囲第1項又は第2項記載の歯科用セメント
剤。 4 金属塩がマグネシウム、カルシウム、バリウ
ム、亜鉛、アルミニウム、チタンから選ばれる金
属の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、リン
酸塩、炭酸塩又はフツ化物である特許請求の範囲
第1項、第2項又は第3項記載の歯科用セメント
剤。 5 金属塩が酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化バリウム、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アル
ミニウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、フツ化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化
第1スズ、炭酸マグネシウムから選ばれるもので
ある特許請求の範囲第4項記載の歯科用セメント
剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4707479A JPS55139311A (en) | 1979-04-17 | 1979-04-17 | Dental cement |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4707479A JPS55139311A (en) | 1979-04-17 | 1979-04-17 | Dental cement |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS55139311A JPS55139311A (en) | 1980-10-31 |
| JPS6257601B2 true JPS6257601B2 (ja) | 1987-12-02 |
Family
ID=12765013
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4707479A Granted JPS55139311A (en) | 1979-04-17 | 1979-04-17 | Dental cement |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS55139311A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57126407A (en) * | 1981-01-27 | 1982-08-06 | G C Dental Ind Corp | Cement composition for dental use |
-
1979
- 1979-04-17 JP JP4707479A patent/JPS55139311A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS55139311A (en) | 1980-10-31 |
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