JPS6330332B2 - - Google Patents
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- JPS6330332B2 JPS6330332B2 JP55058478A JP5847880A JPS6330332B2 JP S6330332 B2 JPS6330332 B2 JP S6330332B2 JP 55058478 A JP55058478 A JP 55058478A JP 5847880 A JP5847880 A JP 5847880A JP S6330332 B2 JPS6330332 B2 JP S6330332B2
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
本発明はセメント混和用塩化ビニル系樹脂エマ
ルジヨンに関するものである。 更に詳細にはセメント、特に速硬性セメントと
混和した組成物が優れた防錆性、防食性、耐薬品
性、接着性、長期耐久性等を有する被覆を形成す
るところのセメント混和用塩化ビニル系樹脂エマ
ルジヨンに関するものである。 タンク類の内外壁、化学プラント、橋梁、鉄塔
と云つた一般に腐食の激しい、いわゆる重防食塗
装の必要な鋼材建造物から一般防錆塗料の塗られ
ている屋根、建物の内外壁等の鋼材に、ポリ酢酸
ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブ
タジエン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体等の合成樹脂エマルジヨンを混和剤とし
たポリマーセメントモルタルを被覆する方法は知
られている。 しかしながら、上記の合成樹脂エマルジヨンを
用いては耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃
性、機械適物性、接着性等が実用上満足されなか
つた。 かかる不都合を改善する方法として、塩化ビニ
ル−酸素を含有する不飽和単量体−親水性官能基
を含有する不飽和単量体より成る乳化共重合エマ
ルジヨンを用いる方法(特公昭47−38527号公報)
が提案されている。 しかしながら、該方法はセメントとの混和性、
接着性等について満足し得るものであるが、耐衝
撃性、冷熱繰返し性が充分でなく、また耐水性、
耐衝撃性が経済的に低下するという欠点がある。 本発明者らは前述の諸欠点を解決した広範囲の
鋼材に被覆可能な防錆防食被覆組成物を開発せん
と鋭意検討を重ねた結果、特定成分から成る塩化
ビニル系樹脂エマルジヨンを使用することにより
上記欠点が解決されることを見出し本発明を完成
するに至つた。 すなわち、本発明は、(a)塩化ビニル単量体25〜
65重量%、(b)アルキル基の炭素数が16以下のα,
β−不飽和カルボン酸アルキル単量体25〜75重量
%及び、(c)エチレン性二重結合を分子内に二個以
上有する多官能性単量体0.005〜20重量%より成
る単量体混合物を乳化重合して得られるガラス転
移温度(Tg)が30℃以下であるセメント混和用
塩化ビニル系樹脂エマルジヨンを、さらには、(a)
塩化ビニル単量体25〜65重量%、(b)アルキル基の
炭素数が16以下のα,β−不飽和カルボン酸アル
キル単量体25〜75重量%、(c)エチレン性二重結合
を分子内に二個以上有する多官能性単量体0.005
〜20重量%、及び(d)モノエチレン系不飽和カルボ
ン酸もしくはその無水物単量耐0を越えて5重量
%までより成る単量体混合物を乳化重合して得ら
れるガラス転移温度(Tg)が30℃以下であるセ
メント混和用塩化ビニル系樹脂エマルジヨンを提
供するにある。 本発明の特徴は従来公知の上記(a)及び(b)または
(a),(b)及び(d)からなる乳化重合体に(c)の該多官能
単量体を共重合単量体として用いて乳化重合させ
た塩化ビニル系樹脂エマルジヨンであり、かかる
エマルジヨンをポリマーセメント組成物の一員と
して使用することにより、接着性が強く、柔軟性
が有り、しかも水、海水、食塩水等に高温で長期
間浸漬しても接着性、耐衝撃性等の低下が非常に
少なく、かつ耐薬品性等が優れていることであ
る。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンの一成
分である(a)塩化ビニル単量体は一般に25〜65重量
%、好ましくは35〜55重量%が共重合させられ、
共重合割合が65重量%を越すとポリマーが硬くな
り皮膜形成性が劣り、防錆防食被覆物としてのポ
リマーセメントモルタルと鋼材の接着性が劣り、
また柔軟性が損なわれるため屈曲性、衝撃性が劣
るようになるし、一方25重量%より少なくなると
ポリマーセメントモルタルの耐水性、特に吸水率
やエフロレツセンスが劣り、防錆防食被覆物とし
ては耐久性、外観の点で問題となるし、また耐薬
品性、特にアルカリに対して弱くなり適当ではな
い。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンの一成
分である(b)アルキル基の炭素数が16以下のα,β
−不飽和カルボン酸アルキル単量体は内部可塑化
効果によりポリマーに柔軟性を附与しこれにより
セメントモルタルの造膜性、結合力を高める効果
を有している。 上記(b)α,β−不飽和カルボン酸アルキル単量
体は一般に25〜75重量%、好ましくは、40〜65重
量%で共重合され、共重合割合が25重量%より少
なくなるとポリマーが硬くなり造膜性が劣り、ポ
リマーセメントモルタルの柔軟性が損なわれ、ま
た鋼材との接着性も弱くなるし、一方75重量%を
越すと塩化ビニル単量体の使用量が相対的に減少
し、ポリマーセメントモルタルの耐水性特に吸水
率、エフロレツセンスが劣り、また機械的強度も
低下する。 このようなα,β−不飽和カルボン酸アルキル
単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ドデシル等の炭素数1〜16個のア
ルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタク
リル酸ドデシル等の炭素数1〜16個のアルキル基
を有するメタクリル酸アルキルエステル;マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ
オクチル、マレイン酸ジドデシル等の炭素数1〜
16個のアルキル基を有するマレイン酸ジアルキル
エステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フ
マル酸ジオクチル、フマル酸ジドデシル等の炭素
数1〜16個のアルキル基を有するフマル酸ジアル
キルエステル;イタコン酸ジメチル、イタコン酸
ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジ
ブチル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジオ
クチル、イタコン酸ジドデシル等の炭素数1〜16
個のアルキル基を有するイタコン酸ジアルキルエ
ステル等が挙げられる。 特に優れた接着性、耐水性、耐アルキル性を与
えるためにアルキル基の炭素数が4〜16、特に4
〜12のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル単量体または前記単量体とアルキル基の炭素数
が3以下のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル単量体0〜35重量%(全単量体に対する割
合)との混合物として用いるのが好ましい。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンの一成
分である(c)の該多官能単量体は被覆物の長期耐久
性、すなわち耐水性、耐薬品性、接着性を改善す
るために用いられるものである。 該多官能単量体は一般に0.005〜20重量%、好
ましくは0.01〜5重量%で共重合され、共重合割
合が0.005重量%より少なくなると被覆物の長期
耐久性の改善が充分とならず実用化できず、一方
20重量%を越すと接着性、屈曲性が低下するよう
になるので好ましくない。 このような該多官能単量体としては、例えばジ
アリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジ
アリルテレフタレート等のフタル酸のジアリルエ
ステル類、ジアリルマレエート、ジアリルフマレ
ート、ジアリルイタコネート等のエチレン性不飽
和二塩基酸のジアリルエステル類、ジアリルアジ
ペート、ジアリルアセテート、ジアリルセバケー
ト等の飽和二塩基酸のジアリルエステル類、ジア
リルエーテル、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテー
ト及びエチレングリコールジビニルエーテル、n
−ブダンジオールジビニルエーテル、オクタデカ
ンジビニルエーテル等のジビニルエーテル類、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジメタクリレート、ジメチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングコールジ
アクリレート等の多価アルコールのジメタクリル
エステルあるいはジアクリルエステル類、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルエタントリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリアクリレート、テトラメチロールメタン
トリアクリレート等の多価アルコールのトリメタ
クリルエステルあるいはトリアクリルエステル
類、ビスメタクリロイルオキシエチレンフタレー
ト、1,3,5−トリアクリロイルヘキサハイド
ロトリアジン等が挙げられる。 上記該多官能単量体は単独または2種以上併用
してもよい。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンにおい
て、(d)モノエチレン系不飽和カルボン酸またはそ
の無水物単量体は接着性及び樹脂エマルジヨンの
機械的安定性、化学的安定性を改善するために必
要に応じて用いられる。 (d)モノエチレン系不飽和カルボン酸または無水
物単量体は一般に5重量%までの量、好ましくは
3重量%までの量で共重合され、共重合割合が5
重量%を越すとポリマーセメントモルタルの耐水
性、耐アルカリ性が劣り、被覆物の長期耐久性、
外観、接着性に問題が生ずるので好ましくない。 このようなモノエチレン系不飽和カルボン酸ま
たはその無水物単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、無水イタコ
ン酸、無水マレイン酸またはこれらの半エステル
等が挙げられる。 また、本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨン
には上記(a)〜(d)単量体の外に他の重合性不飽和単
量体、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、α−オレ
フイン、芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、塩化ビニル以外のハロゲン化ビ
ニル等を約15重量%以下量でかつエマルジヨンの
特性が失われない範囲で併用することができる。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンは常温
でセメントと混合して用いられるため常温付近で
も良好な造膜性能を有し、また鋼材の被覆物とし
てある程度の屈曲性が得られるだけの柔軟性を持
つことが必要であり、そのためにポリマーのガラ
ス転移程度(Tg)は30℃以下とされる。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンは公知
の乳化重合方法で重合することによつて製造され
る。 乳化剤としては、例えばアルキル硫酸ナトリウ
ム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ア
ルキルジフエニルオキシドジスルホン酸ナトリウ
ム等のアニオン性乳化剤が用いられる。 また、触媒としては、例えば過酸化水素、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニ
ウム等、さらにこれらと例えば悪硫酸水素ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ硫酸ナトリウム
等の適当な還元剤との併用系を用いることができ
る。 乳化剤の使用量は仕込み全単量体に対して約
0.1〜10重量%が一般に使用され、また触媒の使
用量は仕込み全単量体に対して約0.05〜1重量%
が一般に使用される。 重合温度は一般に約30〜70℃にて実施すればよ
い。 かくして製造された塩化ビニル系樹脂エマルジ
ヨンは粒径0.05〜2μ程度の共重合体粒子が水中に
分散しており、固形分濃度は30重量%以上が望ま
しい。 固形分濃度が30重量%未満になるとポリマー/
セメント比の大きな組成物の場合水の量が多過ぎ
組成物の流動性の調整が困難となるので好ましく
ない。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンはポリ
マー/セメントを任意の割合で、一般にはポリマ
ー/セメント=0.1〜0.6(重量比)にて混合して
用いられる。 ポリマー/セメント比が0.6より大きくなると
ポリマーセメントモルタルが柔軟になり過ぎ温度
が高くなると表面粘着性が生じ被覆物の耐汚染性
が劣り、一方0.1より小さくなると接着性が劣り、
またポリマーセメントモルタルが硬くなり過ぎ耐
屈曲性、耐衝撃性が劣るようになる。 セメントとしては速硬性セメント、コロイドセ
メント、超早強セメント、早強セメント、普通ポ
ルトランドセメント、白色セメント等が使用可能
である。 しかしながら、本発明の該エマルジヨンは鋼材
にポリマーセメントモルタルを被覆塗装した時タ
レ防止あるいは重ね塗り時間の短縮等が要求され
る用途にたいしては速硬性セメント〔11CaO・
7Al2O3・CaX(Xはハロゲン原子)、3CaO・
SiO2、CaSO4を必須成分とするセメント〕と混
合して用いるのに特に有用である。 本発明は必要に応じ骨材または増量剤が使用さ
れる。 骨剤の種類としては通常セメントモルタルに使
われるものであれば使用可能であるが、作業性ま
た均質な鋼材被覆物を得るためには粒子径の均質
なものの方が良く、6〜8号珪砂等が適当であ
り、使用量はセメントに対する骨材の重量比とし
4以下が望ましく多量に使用すると鋼材被覆物の
接着性、柔軟性が劣り、また機械的物性の低下を
もたらす。 また界面活性剤、分散剤も使用可能であり、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフエノールエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノステアレート等の非イ
オン系界面活性剤、リグニンスルフオン酸塩、ロ
ジン酸塩、アルキルベンゼンスルフオン酸塩等の
陰イオン系界面活性剤等はセメントの分散剤、湿
潤剤、減水剤として使用可能であり、セメントに
対し5重量%以下が望ましく多量に使うと耐水性
の低下とかセメントの凝結時間を遅くしたりす
る。 また着色剤として顔料も使用でき、水分散体に
したものを該合成樹脂エマルジヨンに加えるのが
適当である。 顔料の種類、添加量は通常の方法で決められ
る。 その他通常セメントに添加される混和材料、例
えば急結剤としての炭酸塩、水ガラス、緩結剤と
しての石膏、カルボン酸、作業性の向上のため水
溶性高分子、あるいは消泡剤等も目的に応じて使
用することが出来る。 また耐アルカリ性のよいガラス繊維を使用し補
強することも可能である。 かかる組成物の混練は常温で通常セメント混練
用各種ミキサー等によつて行うことができるが、
速硬性セメントを使用しているので混練時間が長
びくとかかる組成物の流動性は次第に減少して来
るので長時間の混練は適当でなく望ましくは20分
間以内にするのが適当である。 鋼材へのかかる組成物の被覆塗装はエアースプ
レー、エアーレススプレー等による吹付け塗装が
最適であり、気泡混入の少ない被覆物が得られ外
観の仕上り状態も良いものが得られる。 スプレーで吹付けできない部分には、はけ塗
り、ローラー塗り等の方法も可能であるが、気泡
混入が生じやすい。 被覆塗装方法によつてかかる組成物の最適流動
性が決められる。 流動性の調整は骨材の粒子径によつても可能で
あるが一般的には添加する水の量の増減で調整を
する。 本発明によつて得られる防錆、防食被覆組成物
の被覆対象物は広く一般防錆塗料の使用されてい
る分野は勿論その他例えばタンク等の内外層、腐
食の激しい化学プラントあるいは鉄塔、橋梁、船
舶関係等所謂重防食塗装の分野に使用可能であ
る。 その他水道、下水、送水鋼管の内外面のライニ
ング塗装あるいは工事用等に使用される覆工板に
も防錆防食と滑り止めの目的に使用可能である。 また本発明による被覆組成物を被覆塗装した上
に更に上塗りとし長油性フタル酸系樹脂塗料、常
温硬化2液型のエポキシ、ウレタン樹脂、塩化ビ
ニル系溶剤型塗料、塩化ゴム、あるいは耐候性、
耐水性等のよい合成樹脂エマルジヨンを上塗塗料
として重ね塗りすることが可能であり、そうする
ことにより、より外観、耐久性の良い被覆物とな
る。 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。 実施例 1 撹拌装置を備えた内容積20m3の高圧重合反応器
にイオン交換水65部、過硫酸カリウム0.6部仕込
み、密封後、窒素置換及び真空によつて酸素を除
き、塩化ビニル43部、アクリル酸2−エチルヘキ
シル45部、アクリル酸メチル10部、アクリル酸
1.7部、トリアリルイソシアヌレート0.3部、エマ
ルゲン920(花王アトラス社製)の20%水溶液10
部、ネオペレツクスF−60(花王アトラス社製)
の20%水溶液10部を仕込み、50℃で11時間、70℃
で1時間重合し、さらに70℃で1時間真空に吸引
して残存塩化ビニルを除くと、およそ99.5%の収
率で塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシル−
メチルアクリレート−アクリル酸−トリアリルイ
ソシアヌレートの共重合体エマルジヨンが得られ
た。 この合成樹脂エマルジヨンの固形分濃度は55
%、pHは1.4であり、共重合体部分のガラス転移
温度(Tg)は−19℃であり、平均粒子径は0.25μ
であつた。 次に速硬性セメント(ジエツトセメント、住
友セメント社製)100重量部と8号珪砂150重量部
をよく空練りしたものは、上記共重合体エマルジ
ヨン60重量部、エマルゲン810(花王アトラス社
製)の50%水溶液1.5重量部、水30重量部を注い
で混練する。 得られたポリマーセメントモルタルスラリーの
Pロートによるフロー値は50秒であつた。 次にこのポリマーセメントモルタルのスラリー
をリシンガンを用いてサンドブラスト処理した鋼
板に吹きつけて塗装し、膜厚2.2mmの被覆体を得
た。 被覆体の各種試験結果は第1表に示す通りであ
る。 実施例 2〜5 実施例1と同様な操作で各種合成樹脂エマルジ
ヨンを合成し、ついでポリマーセメントモルタル
を調整して鋼板に吹きつけ塗装して被覆体を得
た。 被覆体の各種試験結果を比較例1及び2と共に
合せて示した。 本発明の実施例及び比較例の中での各特性値及
び試験結果は次に示す方法によつて測定したもの
である。 (1) ポリマーのガラス転移温度(Tg):パーキン
エルマー社製示差熱分析装置(DSC)で測定
した。 (2) セメントとの分散性:実験用撹拌機でポリマ
ーセメントモルタルスラリー300を作り約
1000rpmで1分間撹拌を続けポリマーセメント
モルタルスラリーの粘度上昇、凝固物等の発生
の有無を肉眼で観察し異状ないものを良好
(〇)とした。 (3) P・ロートによるフロー値:日本土木協会規
則のプレバツクドコンクリートの試験方法に準
じて測定した。 (4) 硬化時間:JIS R−5201−1964に準じて凝結
時間の始発、終結時間を測定した。 (5) 接着性:鉄板被覆物の表面に直径15mmの鉄棒
を接着剤で接着し鉄棒の外周にそつて被覆物層
に切込みを入れ、島津製作所製100Kgオートグ
ラフで引張速度10mm/分で接着力を測定し破断
状態と破断時の強度を示した。 (6) 屈曲性:JIS G−3492の曲げテストでスパン
間距離を60mmとし鉄板被覆物の被覆物層を下に
して押し下げ被覆物層に鉄板の素地まで達する
亀裂が発生する押し下げ距離を屈曲性として測
定した。 (7) 冷熱繰返し試験:鉄板被覆物を70℃で2時間
加熱し、次にすぐに−30℃で2時間冷却する。
この工程を10回繰返し行ない防錆防食被覆物と
鉄板との密着性、割れ、外観変化を肉眼で観察
し異常の認められないものを良好(〇)とし
た。異常の認められるものはその状態を記し
た。 (8) 耐衝撃性:JIS K−5400−1970の6・13B法
の試験装置で荷重1/2インチ1Kgを高さ50cmよ
り落下させ鉄板被覆物の被覆層の状態観察を肉
眼で行ない、割れ、はがれ等が認められないも
のを良好(〇)とし異常あるものはその状態を
記した。 (9) 塩水噴霧試験:JIS Z2371によりクロスカツ
トを入れ1000時間後の状態でクロスカツト部分
の発錆状態、密着性、外観変化及び点錆等肉眼
で観察し、特に大きな変化のないものを良好
(〇)とし、異常の認められるものはその状態
を記した。 (10) 促進耐候性:JIS K−5400−1970の促進耐候
試験装置を用いて1000時間照射後の鉄板被覆物
の外観変化、発錆状態、ふくれ、剥離の有無を
肉眼で観察し、特に大きな変化のないものを良
好(〇)とし異常の認められるものはその状態
を記した。 (11) 耐水性、耐薬品性:第1表の各試薬中に鉄板
被覆物を6ケ月間浸漬した後、外観、状態変化
を肉眼で観察し、〇:良好、△:一部不良、
×:不良で評価し不良の状態を記した。 なお浸漬後の接着性、耐衝撃性は前記の(5)、(8)
と同様に測定した。 なお、試験に使用した鉄板は冷間圧延鋼板をサ
ンドブラスト処理した(150×70×1mm)のもの
を使用した。 また鉄板被覆物は鉄板上に防錆防食被覆組成物
スラリーをノズル径φ3.2mmのリシンガンで空気圧
3.5Kg/cm2で塗膜厚2.0mmになるように1回塗装し
たものを23℃ 90%RHで1日間、次に23℃ 65
%RHで14日間養生したものを使用した。
ルジヨンに関するものである。 更に詳細にはセメント、特に速硬性セメントと
混和した組成物が優れた防錆性、防食性、耐薬品
性、接着性、長期耐久性等を有する被覆を形成す
るところのセメント混和用塩化ビニル系樹脂エマ
ルジヨンに関するものである。 タンク類の内外壁、化学プラント、橋梁、鉄塔
と云つた一般に腐食の激しい、いわゆる重防食塗
装の必要な鋼材建造物から一般防錆塗料の塗られ
ている屋根、建物の内外壁等の鋼材に、ポリ酢酸
ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブ
タジエン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体等の合成樹脂エマルジヨンを混和剤とし
たポリマーセメントモルタルを被覆する方法は知
られている。 しかしながら、上記の合成樹脂エマルジヨンを
用いては耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃
性、機械適物性、接着性等が実用上満足されなか
つた。 かかる不都合を改善する方法として、塩化ビニ
ル−酸素を含有する不飽和単量体−親水性官能基
を含有する不飽和単量体より成る乳化共重合エマ
ルジヨンを用いる方法(特公昭47−38527号公報)
が提案されている。 しかしながら、該方法はセメントとの混和性、
接着性等について満足し得るものであるが、耐衝
撃性、冷熱繰返し性が充分でなく、また耐水性、
耐衝撃性が経済的に低下するという欠点がある。 本発明者らは前述の諸欠点を解決した広範囲の
鋼材に被覆可能な防錆防食被覆組成物を開発せん
と鋭意検討を重ねた結果、特定成分から成る塩化
ビニル系樹脂エマルジヨンを使用することにより
上記欠点が解決されることを見出し本発明を完成
するに至つた。 すなわち、本発明は、(a)塩化ビニル単量体25〜
65重量%、(b)アルキル基の炭素数が16以下のα,
β−不飽和カルボン酸アルキル単量体25〜75重量
%及び、(c)エチレン性二重結合を分子内に二個以
上有する多官能性単量体0.005〜20重量%より成
る単量体混合物を乳化重合して得られるガラス転
移温度(Tg)が30℃以下であるセメント混和用
塩化ビニル系樹脂エマルジヨンを、さらには、(a)
塩化ビニル単量体25〜65重量%、(b)アルキル基の
炭素数が16以下のα,β−不飽和カルボン酸アル
キル単量体25〜75重量%、(c)エチレン性二重結合
を分子内に二個以上有する多官能性単量体0.005
〜20重量%、及び(d)モノエチレン系不飽和カルボ
ン酸もしくはその無水物単量耐0を越えて5重量
%までより成る単量体混合物を乳化重合して得ら
れるガラス転移温度(Tg)が30℃以下であるセ
メント混和用塩化ビニル系樹脂エマルジヨンを提
供するにある。 本発明の特徴は従来公知の上記(a)及び(b)または
(a),(b)及び(d)からなる乳化重合体に(c)の該多官能
単量体を共重合単量体として用いて乳化重合させ
た塩化ビニル系樹脂エマルジヨンであり、かかる
エマルジヨンをポリマーセメント組成物の一員と
して使用することにより、接着性が強く、柔軟性
が有り、しかも水、海水、食塩水等に高温で長期
間浸漬しても接着性、耐衝撃性等の低下が非常に
少なく、かつ耐薬品性等が優れていることであ
る。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンの一成
分である(a)塩化ビニル単量体は一般に25〜65重量
%、好ましくは35〜55重量%が共重合させられ、
共重合割合が65重量%を越すとポリマーが硬くな
り皮膜形成性が劣り、防錆防食被覆物としてのポ
リマーセメントモルタルと鋼材の接着性が劣り、
また柔軟性が損なわれるため屈曲性、衝撃性が劣
るようになるし、一方25重量%より少なくなると
ポリマーセメントモルタルの耐水性、特に吸水率
やエフロレツセンスが劣り、防錆防食被覆物とし
ては耐久性、外観の点で問題となるし、また耐薬
品性、特にアルカリに対して弱くなり適当ではな
い。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンの一成
分である(b)アルキル基の炭素数が16以下のα,β
−不飽和カルボン酸アルキル単量体は内部可塑化
効果によりポリマーに柔軟性を附与しこれにより
セメントモルタルの造膜性、結合力を高める効果
を有している。 上記(b)α,β−不飽和カルボン酸アルキル単量
体は一般に25〜75重量%、好ましくは、40〜65重
量%で共重合され、共重合割合が25重量%より少
なくなるとポリマーが硬くなり造膜性が劣り、ポ
リマーセメントモルタルの柔軟性が損なわれ、ま
た鋼材との接着性も弱くなるし、一方75重量%を
越すと塩化ビニル単量体の使用量が相対的に減少
し、ポリマーセメントモルタルの耐水性特に吸水
率、エフロレツセンスが劣り、また機械的強度も
低下する。 このようなα,β−不飽和カルボン酸アルキル
単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ドデシル等の炭素数1〜16個のア
ルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタク
リル酸ドデシル等の炭素数1〜16個のアルキル基
を有するメタクリル酸アルキルエステル;マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ
オクチル、マレイン酸ジドデシル等の炭素数1〜
16個のアルキル基を有するマレイン酸ジアルキル
エステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フ
マル酸ジオクチル、フマル酸ジドデシル等の炭素
数1〜16個のアルキル基を有するフマル酸ジアル
キルエステル;イタコン酸ジメチル、イタコン酸
ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジ
ブチル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジオ
クチル、イタコン酸ジドデシル等の炭素数1〜16
個のアルキル基を有するイタコン酸ジアルキルエ
ステル等が挙げられる。 特に優れた接着性、耐水性、耐アルキル性を与
えるためにアルキル基の炭素数が4〜16、特に4
〜12のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル単量体または前記単量体とアルキル基の炭素数
が3以下のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル単量体0〜35重量%(全単量体に対する割
合)との混合物として用いるのが好ましい。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンの一成
分である(c)の該多官能単量体は被覆物の長期耐久
性、すなわち耐水性、耐薬品性、接着性を改善す
るために用いられるものである。 該多官能単量体は一般に0.005〜20重量%、好
ましくは0.01〜5重量%で共重合され、共重合割
合が0.005重量%より少なくなると被覆物の長期
耐久性の改善が充分とならず実用化できず、一方
20重量%を越すと接着性、屈曲性が低下するよう
になるので好ましくない。 このような該多官能単量体としては、例えばジ
アリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジ
アリルテレフタレート等のフタル酸のジアリルエ
ステル類、ジアリルマレエート、ジアリルフマレ
ート、ジアリルイタコネート等のエチレン性不飽
和二塩基酸のジアリルエステル類、ジアリルアジ
ペート、ジアリルアセテート、ジアリルセバケー
ト等の飽和二塩基酸のジアリルエステル類、ジア
リルエーテル、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテー
ト及びエチレングリコールジビニルエーテル、n
−ブダンジオールジビニルエーテル、オクタデカ
ンジビニルエーテル等のジビニルエーテル類、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジメタクリレート、ジメチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングコールジ
アクリレート等の多価アルコールのジメタクリル
エステルあるいはジアクリルエステル類、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルエタントリメタクリレート、トリメチロールエ
タントリアクリレート、テトラメチロールメタン
トリアクリレート等の多価アルコールのトリメタ
クリルエステルあるいはトリアクリルエステル
類、ビスメタクリロイルオキシエチレンフタレー
ト、1,3,5−トリアクリロイルヘキサハイド
ロトリアジン等が挙げられる。 上記該多官能単量体は単独または2種以上併用
してもよい。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンにおい
て、(d)モノエチレン系不飽和カルボン酸またはそ
の無水物単量体は接着性及び樹脂エマルジヨンの
機械的安定性、化学的安定性を改善するために必
要に応じて用いられる。 (d)モノエチレン系不飽和カルボン酸または無水
物単量体は一般に5重量%までの量、好ましくは
3重量%までの量で共重合され、共重合割合が5
重量%を越すとポリマーセメントモルタルの耐水
性、耐アルカリ性が劣り、被覆物の長期耐久性、
外観、接着性に問題が生ずるので好ましくない。 このようなモノエチレン系不飽和カルボン酸ま
たはその無水物単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、無水イタコ
ン酸、無水マレイン酸またはこれらの半エステル
等が挙げられる。 また、本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨン
には上記(a)〜(d)単量体の外に他の重合性不飽和単
量体、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、α−オレ
フイン、芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、塩化ビニル以外のハロゲン化ビ
ニル等を約15重量%以下量でかつエマルジヨンの
特性が失われない範囲で併用することができる。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンは常温
でセメントと混合して用いられるため常温付近で
も良好な造膜性能を有し、また鋼材の被覆物とし
てある程度の屈曲性が得られるだけの柔軟性を持
つことが必要であり、そのためにポリマーのガラ
ス転移程度(Tg)は30℃以下とされる。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンは公知
の乳化重合方法で重合することによつて製造され
る。 乳化剤としては、例えばアルキル硫酸ナトリウ
ム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ア
ルキルジフエニルオキシドジスルホン酸ナトリウ
ム等のアニオン性乳化剤が用いられる。 また、触媒としては、例えば過酸化水素、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニ
ウム等、さらにこれらと例えば悪硫酸水素ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ硫酸ナトリウム
等の適当な還元剤との併用系を用いることができ
る。 乳化剤の使用量は仕込み全単量体に対して約
0.1〜10重量%が一般に使用され、また触媒の使
用量は仕込み全単量体に対して約0.05〜1重量%
が一般に使用される。 重合温度は一般に約30〜70℃にて実施すればよ
い。 かくして製造された塩化ビニル系樹脂エマルジ
ヨンは粒径0.05〜2μ程度の共重合体粒子が水中に
分散しており、固形分濃度は30重量%以上が望ま
しい。 固形分濃度が30重量%未満になるとポリマー/
セメント比の大きな組成物の場合水の量が多過ぎ
組成物の流動性の調整が困難となるので好ましく
ない。 本発明の塩化ビニル系樹脂エマルジヨンはポリ
マー/セメントを任意の割合で、一般にはポリマ
ー/セメント=0.1〜0.6(重量比)にて混合して
用いられる。 ポリマー/セメント比が0.6より大きくなると
ポリマーセメントモルタルが柔軟になり過ぎ温度
が高くなると表面粘着性が生じ被覆物の耐汚染性
が劣り、一方0.1より小さくなると接着性が劣り、
またポリマーセメントモルタルが硬くなり過ぎ耐
屈曲性、耐衝撃性が劣るようになる。 セメントとしては速硬性セメント、コロイドセ
メント、超早強セメント、早強セメント、普通ポ
ルトランドセメント、白色セメント等が使用可能
である。 しかしながら、本発明の該エマルジヨンは鋼材
にポリマーセメントモルタルを被覆塗装した時タ
レ防止あるいは重ね塗り時間の短縮等が要求され
る用途にたいしては速硬性セメント〔11CaO・
7Al2O3・CaX(Xはハロゲン原子)、3CaO・
SiO2、CaSO4を必須成分とするセメント〕と混
合して用いるのに特に有用である。 本発明は必要に応じ骨材または増量剤が使用さ
れる。 骨剤の種類としては通常セメントモルタルに使
われるものであれば使用可能であるが、作業性ま
た均質な鋼材被覆物を得るためには粒子径の均質
なものの方が良く、6〜8号珪砂等が適当であ
り、使用量はセメントに対する骨材の重量比とし
4以下が望ましく多量に使用すると鋼材被覆物の
接着性、柔軟性が劣り、また機械的物性の低下を
もたらす。 また界面活性剤、分散剤も使用可能であり、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフエノールエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノステアレート等の非イ
オン系界面活性剤、リグニンスルフオン酸塩、ロ
ジン酸塩、アルキルベンゼンスルフオン酸塩等の
陰イオン系界面活性剤等はセメントの分散剤、湿
潤剤、減水剤として使用可能であり、セメントに
対し5重量%以下が望ましく多量に使うと耐水性
の低下とかセメントの凝結時間を遅くしたりす
る。 また着色剤として顔料も使用でき、水分散体に
したものを該合成樹脂エマルジヨンに加えるのが
適当である。 顔料の種類、添加量は通常の方法で決められ
る。 その他通常セメントに添加される混和材料、例
えば急結剤としての炭酸塩、水ガラス、緩結剤と
しての石膏、カルボン酸、作業性の向上のため水
溶性高分子、あるいは消泡剤等も目的に応じて使
用することが出来る。 また耐アルカリ性のよいガラス繊維を使用し補
強することも可能である。 かかる組成物の混練は常温で通常セメント混練
用各種ミキサー等によつて行うことができるが、
速硬性セメントを使用しているので混練時間が長
びくとかかる組成物の流動性は次第に減少して来
るので長時間の混練は適当でなく望ましくは20分
間以内にするのが適当である。 鋼材へのかかる組成物の被覆塗装はエアースプ
レー、エアーレススプレー等による吹付け塗装が
最適であり、気泡混入の少ない被覆物が得られ外
観の仕上り状態も良いものが得られる。 スプレーで吹付けできない部分には、はけ塗
り、ローラー塗り等の方法も可能であるが、気泡
混入が生じやすい。 被覆塗装方法によつてかかる組成物の最適流動
性が決められる。 流動性の調整は骨材の粒子径によつても可能で
あるが一般的には添加する水の量の増減で調整を
する。 本発明によつて得られる防錆、防食被覆組成物
の被覆対象物は広く一般防錆塗料の使用されてい
る分野は勿論その他例えばタンク等の内外層、腐
食の激しい化学プラントあるいは鉄塔、橋梁、船
舶関係等所謂重防食塗装の分野に使用可能であ
る。 その他水道、下水、送水鋼管の内外面のライニ
ング塗装あるいは工事用等に使用される覆工板に
も防錆防食と滑り止めの目的に使用可能である。 また本発明による被覆組成物を被覆塗装した上
に更に上塗りとし長油性フタル酸系樹脂塗料、常
温硬化2液型のエポキシ、ウレタン樹脂、塩化ビ
ニル系溶剤型塗料、塩化ゴム、あるいは耐候性、
耐水性等のよい合成樹脂エマルジヨンを上塗塗料
として重ね塗りすることが可能であり、そうする
ことにより、より外観、耐久性の良い被覆物とな
る。 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。 実施例 1 撹拌装置を備えた内容積20m3の高圧重合反応器
にイオン交換水65部、過硫酸カリウム0.6部仕込
み、密封後、窒素置換及び真空によつて酸素を除
き、塩化ビニル43部、アクリル酸2−エチルヘキ
シル45部、アクリル酸メチル10部、アクリル酸
1.7部、トリアリルイソシアヌレート0.3部、エマ
ルゲン920(花王アトラス社製)の20%水溶液10
部、ネオペレツクスF−60(花王アトラス社製)
の20%水溶液10部を仕込み、50℃で11時間、70℃
で1時間重合し、さらに70℃で1時間真空に吸引
して残存塩化ビニルを除くと、およそ99.5%の収
率で塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシル−
メチルアクリレート−アクリル酸−トリアリルイ
ソシアヌレートの共重合体エマルジヨンが得られ
た。 この合成樹脂エマルジヨンの固形分濃度は55
%、pHは1.4であり、共重合体部分のガラス転移
温度(Tg)は−19℃であり、平均粒子径は0.25μ
であつた。 次に速硬性セメント(ジエツトセメント、住
友セメント社製)100重量部と8号珪砂150重量部
をよく空練りしたものは、上記共重合体エマルジ
ヨン60重量部、エマルゲン810(花王アトラス社
製)の50%水溶液1.5重量部、水30重量部を注い
で混練する。 得られたポリマーセメントモルタルスラリーの
Pロートによるフロー値は50秒であつた。 次にこのポリマーセメントモルタルのスラリー
をリシンガンを用いてサンドブラスト処理した鋼
板に吹きつけて塗装し、膜厚2.2mmの被覆体を得
た。 被覆体の各種試験結果は第1表に示す通りであ
る。 実施例 2〜5 実施例1と同様な操作で各種合成樹脂エマルジ
ヨンを合成し、ついでポリマーセメントモルタル
を調整して鋼板に吹きつけ塗装して被覆体を得
た。 被覆体の各種試験結果を比較例1及び2と共に
合せて示した。 本発明の実施例及び比較例の中での各特性値及
び試験結果は次に示す方法によつて測定したもの
である。 (1) ポリマーのガラス転移温度(Tg):パーキン
エルマー社製示差熱分析装置(DSC)で測定
した。 (2) セメントとの分散性:実験用撹拌機でポリマ
ーセメントモルタルスラリー300を作り約
1000rpmで1分間撹拌を続けポリマーセメント
モルタルスラリーの粘度上昇、凝固物等の発生
の有無を肉眼で観察し異状ないものを良好
(〇)とした。 (3) P・ロートによるフロー値:日本土木協会規
則のプレバツクドコンクリートの試験方法に準
じて測定した。 (4) 硬化時間:JIS R−5201−1964に準じて凝結
時間の始発、終結時間を測定した。 (5) 接着性:鉄板被覆物の表面に直径15mmの鉄棒
を接着剤で接着し鉄棒の外周にそつて被覆物層
に切込みを入れ、島津製作所製100Kgオートグ
ラフで引張速度10mm/分で接着力を測定し破断
状態と破断時の強度を示した。 (6) 屈曲性:JIS G−3492の曲げテストでスパン
間距離を60mmとし鉄板被覆物の被覆物層を下に
して押し下げ被覆物層に鉄板の素地まで達する
亀裂が発生する押し下げ距離を屈曲性として測
定した。 (7) 冷熱繰返し試験:鉄板被覆物を70℃で2時間
加熱し、次にすぐに−30℃で2時間冷却する。
この工程を10回繰返し行ない防錆防食被覆物と
鉄板との密着性、割れ、外観変化を肉眼で観察
し異常の認められないものを良好(〇)とし
た。異常の認められるものはその状態を記し
た。 (8) 耐衝撃性:JIS K−5400−1970の6・13B法
の試験装置で荷重1/2インチ1Kgを高さ50cmよ
り落下させ鉄板被覆物の被覆層の状態観察を肉
眼で行ない、割れ、はがれ等が認められないも
のを良好(〇)とし異常あるものはその状態を
記した。 (9) 塩水噴霧試験:JIS Z2371によりクロスカツ
トを入れ1000時間後の状態でクロスカツト部分
の発錆状態、密着性、外観変化及び点錆等肉眼
で観察し、特に大きな変化のないものを良好
(〇)とし、異常の認められるものはその状態
を記した。 (10) 促進耐候性:JIS K−5400−1970の促進耐候
試験装置を用いて1000時間照射後の鉄板被覆物
の外観変化、発錆状態、ふくれ、剥離の有無を
肉眼で観察し、特に大きな変化のないものを良
好(〇)とし異常の認められるものはその状態
を記した。 (11) 耐水性、耐薬品性:第1表の各試薬中に鉄板
被覆物を6ケ月間浸漬した後、外観、状態変化
を肉眼で観察し、〇:良好、△:一部不良、
×:不良で評価し不良の状態を記した。 なお浸漬後の接着性、耐衝撃性は前記の(5)、(8)
と同様に測定した。 なお、試験に使用した鉄板は冷間圧延鋼板をサ
ンドブラスト処理した(150×70×1mm)のもの
を使用した。 また鉄板被覆物は鉄板上に防錆防食被覆組成物
スラリーをノズル径φ3.2mmのリシンガンで空気圧
3.5Kg/cm2で塗膜厚2.0mmになるように1回塗装し
たものを23℃ 90%RHで1日間、次に23℃ 65
%RHで14日間養生したものを使用した。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a)塩化ビニル単量体25〜65重量%、(b)アルキ
ル基の炭素数が16以下のα,β−不飽和カルボン
酸アルキル単量体25〜75重量%及び、(c)エチレン
性二重結合を分子内に二個以上有する多官能性単
量体0.005〜20重量%より成る単量体混合物を乳
化重合して得られるガラス転移温度(Tg)が30
℃以下であるセメント混和用塩化ビニル系樹脂エ
マルジヨン。 2 単量体混合物として、(a)塩化ビニル単量体35
〜55重量%、(b)アルキル基の炭素数が16以下の
α,β−不飽和カルボン酸アルキル単量体40〜65
重量%及び、(c)エチレン性二重結合を分子内に二
個以上有する多官能単量体0.01〜5重量%より成
る単量体混合物が用いられることを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載のセメント混和用塩化ビ
ニル系樹脂エマルジヨン。 3 (a)塩化ビニル単量体25〜65重量%、(b)アルキ
ル基の炭素数が16以下のα,β−不飽和カルボン
酸アルキル単量体25〜75重量%、(c)エチレン性二
重結合を分子内に二個以上有する多官能性単量体
0.005〜20重量%、及び(d)モノエチレン系不飽和
カルボン酸もしくはその無水物単量体0を越えて
5重量%までより成る単量体混合物を乳化重合し
て得られるガラス転移温度(Tg)が30℃以下で
あるセメント混和用塩化ビニル系樹脂エマルジヨ
ン。 4 単量体混合物として、(a)塩化ビニル単量体35
〜55重量%、(b)アルキル基の炭素数が16以下の
α,β−不飽和カルボン酸アルキル単量体40〜65
重量%、(c)エチレン性二重結合を分子内に二個以
上有する多官能性単量体0.01〜5重量%、及び(d)
モノエチレン系不飽和カルボン酸もしくはその無
水物単量体0を越えて3重量%までより成る単量
体混合物が用いられることを特徴とする特許請求
の範囲第3項記載のセメント混和用塩化ビニル系
樹脂エマルジヨン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5847880A JPS56155211A (en) | 1980-04-30 | 1980-04-30 | Vinyl chloride resin emulsion for cement blending |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5847880A JPS56155211A (en) | 1980-04-30 | 1980-04-30 | Vinyl chloride resin emulsion for cement blending |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56155211A JPS56155211A (en) | 1981-12-01 |
| JPS6330332B2 true JPS6330332B2 (ja) | 1988-06-17 |
Family
ID=13085536
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5847880A Granted JPS56155211A (en) | 1980-04-30 | 1980-04-30 | Vinyl chloride resin emulsion for cement blending |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56155211A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2566797B2 (ja) * | 1986-12-06 | 1996-12-25 | ライオン株式会社 | 水硬性無機質材料用配合剤 |
| JP2670625B2 (ja) * | 1988-08-13 | 1997-10-29 | ライオン株式会社 | 水硬性無機質材料用配合剤 |
| US5332457A (en) * | 1992-03-12 | 1994-07-26 | Mitsubishi Yuka Badische Co., Ltd. | Process for producing carpet |
| JP4155616B2 (ja) * | 1998-01-20 | 2008-09-24 | 株式会社日本触媒 | セメント混和剤およびそれを用いたセメント組成物並びにその調製方法 |
-
1980
- 1980-04-30 JP JP5847880A patent/JPS56155211A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56155211A (en) | 1981-12-01 |
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