JPS6333484B2 - - Google Patents

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JPS6333484B2
JPS6333484B2 JP1123079A JP1123079A JPS6333484B2 JP S6333484 B2 JPS6333484 B2 JP S6333484B2 JP 1123079 A JP1123079 A JP 1123079A JP 1123079 A JP1123079 A JP 1123079A JP S6333484 B2 JPS6333484 B2 JP S6333484B2
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JP
Japan
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weight
carbon atoms
monomer
polymerization
embedding
Prior art date
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Expired
Application number
JP1123079A
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English (en)
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JPS55104311A (en
Inventor
Kanji Yoshida
Toshio Yoshihara
Koji Takahashi
Yoshitaka Sasaki
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP1123079A priority Critical patent/JPS55104311A/ja
Publication of JPS55104311A publication Critical patent/JPS55104311A/ja
Publication of JPS6333484B2 publication Critical patent/JPS6333484B2/ja
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は生体組織、細胞群及び細胞自体を顕微
鏡下に観察する場合に有用な生体組織の包埋固定
用の新規樹脂組成物に関する。 生体組織、細胞群及び細胞自体(以下、生体組
織等と呼ぶ。)を光学顕微鏡下に観察する方法と
して、生体組織等をパラフインによる包埋処理の
後、鋼製ナイフ又はガラスナイフで、厚さ0.5〜
10μの薄片に切り出し、染色及び酵素処理等の
後、光学顕微鏡で観察する方法と、生体組織等の
供試サンプルを一旦は無水エタノール等で脱水し
た後、エポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂
等で処理して生体組織等を包埋固定した後、ガラ
スナイフを用いて電子顕微鏡用ミクロトームによ
り50〜150nmの超薄切片に切り出し、これをオス
ミウムやウラン、鉛等の電子染色を施した後、観
察する方法とがあり、従来は夫々別の方法で観察
し、考察して来た。 しかし光学顕微鏡用に染色した生体組織等の細
胞内部の構造を、そのまま高倍率の電子顕微鏡に
よつて観察することによつて得られる観察情報は
病理解剖形態、生理学等の基礎医学、生物学や電
子顕微鏡の利用や活用分野の拡大のみならず、臨
床医学の面でも生体組織の検査診断に用いること
により生体組織の異変、例えば腫瘍、前癌状態の
組織や癌細胞と正常組織の識別判別等において極
めて重要である。 しかしながら前述の如く光学顕微鏡用と電子顕
微鏡用とはそれぞれ異なつた前処理を施す為に、
同じ観察試料を光学顕微鏡と電子顕微鏡用との両
方に使用出来ないという重大な欠点があつた。 従来からのこれ等の光学顕微鏡と電子顕微鏡と
の観察に両用出来る樹脂は既刊の文献に若干報告
されているが世界的に新しい試みであり、これら
はまだ研究者の特殊技術によつて達成された特異
な観察例程度にすぎないものである。 光学顕微鏡用にサンプルを包埋固定する樹脂は
パラフイン以下にも例えば水溶性エポキシ樹脂や
メタアクリル酸誘導体の共重合物を用いる研究報
告がRuddell(Stain Technology43 253′67),
Green G.H(J.of Chemical Pathology,23
640′70),Sims B.,(J. of Microscopy 101
223′74),Lee.R.L(Medical Laboratory
Sciences. 34 231′77),Potler A.R(Medical
Laboratory Technology 31 145′74),Kushida.
(J.of Electron Microsc.,26 (4)345−348′77)
及びKushida(東女医大誌45巻,3号,227〜230)
等に、またメラミン−アルデヒド系を用いる報告
としてY Shinagawa(J.of Electron Microsc.,
27(1)′72)にされているが、これらは光学顕微鏡
観察用の包埋樹脂として徐々に使用されはじめた
段階であり、これを電子顕微鏡観察用と併用する
ことは今日では未だ実現されてない。 前記の組成物が電子顕微鏡観察用の包埋剤とし
てすることが困難である理由は、1)ウルトラミ
クロトームを使用しても包埋試料より超薄切片を
容易切り出せない事である。これは包埋剤樹脂が
軟かすぎたり、試料との親和性が低く浸透が不十
分な為と思われる。従来の超薄切片用包埋剤はエ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びアクリ
ル系樹脂等は電子顕微鏡用の包埋剤の特性は有す
るが、光学顕微鏡用の試料に必要な染色及び各種
の酵素処理が殆んど出来ないか、又は多少染色が
出来たとしても染色斑や濃淡の不明瞭な着色しか
出来ないこと、2)また光学顕微鏡用の包埋樹脂
の条件を満足させると電子顕微鏡観察時、電子線
の照射によつて包埋樹脂が容易に解重合や分解を
おこして長時間安定に観察出来ないこと、3)さ
らに、光学顕微鏡用又は電子顕微鏡による観察は
いずれも生体組織や細胞を生体環境に近い低い温
度状態で包埋固定されねばならないが、多くの場
合、重合時に発熱して観察サンプルは70℃〜140
℃位の熱の影響を受けて熱変性を受けるケースが
殆んどであり、また紫外線硬化タイプでは紫外線
の強い照射によつて蛋白が崩壊したり変性を受け
たりして生体組織や細胞の観察には適さない等の
理由によるものである。したがつて、今日まで光
学顕微鏡と電子顕微鏡とに両用できる包埋樹脂に
ついては今だに開発されてない現状にある。 本発明者らは上記の状況に鑑み種々検討し研究
を重ねた結果、特殊な成分を用いることにより、
光学顕微鏡と電子顕微鏡とに両用出来ることを見
い出し本発明を完成した。 即ち、本発明の要旨とするところは、 (A) 炭素数が1〜4のアルコールと重合度が2〜
5のポリオールのアクリル酸モノエステル及
び/又はメタクリル酸モノエステル(a)60〜95重
量%と炭素数が1〜4の多価アルコールとその
重合度が2〜5のポリオールのアクリルジエス
テル又はメタアクリル酸ジエステル及び炭素数
1〜6のアルキル基の二又は三置換のアルキル
アミンのビス又はトリスアクリルアミド又はメ
タアクリルアミドよりなる群から選ばれた少な
くとも1種の多官能単量体(b)0.1〜7.5重量%と
それらの単量体と相溶性を有する他の単量体(c)
の残量%とからなる単量体混合物55〜93重量
%、 (B) 前記単量体混合物に任意に溶解し相溶性を有
する可塑剤5〜40重量%、 (C) 重合開始剤0.02〜2重量%、及び (D) 還元剤0.02〜2重量% とからなる生体組織の包埋固定用の新規樹脂組
成物である。 本発明において使用されるアクリル酸モノエス
テル及び/又はメタアクリル酸モノエステル(a)は
炭素数が1〜4のアルコールと重合度が2〜5の
ポリオールのアクリル酸モノエステル及び/又は
メタクリル酸モノエステルであつて、その具体例
として、ヒドロキシルエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシルアクリレート、ヒドロキシルプロピル
メタアクリレート及びヒドロキシルプロピルアク
リレート等があげられる。これらの化合物は1種
又は2種以上を混合して使用でき、単量体混合物
中の使用割合は60〜95重量%の範囲である。もし
前記アクリル酸モノエステル及び/又はメタアク
リル酸モノエステルの量が単量体混合物中95重量
%をこえる場合には、包埋樹脂が脆弱かつ薄切片
化操作が困難となるので、また60重量%未満の場
合には生体組織に対する透過、浸透性が低下する
ので好ましくない。 本発明の組成物を構成するのに使用される多官
能性単量体(b)は、前記のアクリル酸モノエステル
及び/又はメタクリル酸モノエステルと相溶性を
有し、生体組織や細胞内に浸透後、ラジカル重合
によつて構造強度を発揮する二官能性単量体であ
つて、炭素数が1〜4の多価アルコールとその重
合度が2〜5のポリオールのアクリル酸ジエステ
ル又はメタアクリル酸ジエステル及び炭素数1〜
6のアルキル基の二又は三置換のアルキルアミン
のビス又はトリスアクリルアミド又はメタアクリ
ルアミドよりなる群から選ばれた少なくとも1種
の単量体である。多官能性単量体(b)のアクリル酸
ジエステル又はメタアクリル酸ジエステルとして
は、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,6−プロパンジオール、1,
2−プロパンジオール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール及びテトラプロピ
レングリコール等のアクリル酸ジエステル又はメ
タアクリル酸ジエステル等が具体例としてあげら
れる。また、多官能性単量体(b)の炭素数1〜6の
アルキル基の二又は三置換のアルキルアミンとし
ては、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロ
ピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミ
ン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,3−
テトラメチレンジアミン、1,2−エチレンジ−
N,N′−メチルアミン、1,4−テトラメチレ
ンジ−N,N′−メチルアミン、1,4−テトラ
メチレンジ−N,N′−エチルアミン、1,3−
テトラメチレンジ−N,N′−メチルアミン等が
具体例としてあげられる。これ以外にもネオペン
チルグリコール、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、キシリトール等の多価アルコールのアク
リル酸ジエステル又はメタアクリル酸ジエステル
等やシスタミンメタクリル酸ジエステル、シスタ
ミンジメタクリルアミドも用いることが出来る。
又従来から一般に使われているその他多くのジビ
ニル化合物も使用することが出来る。例えばジビ
ニルベンゼン、ジビニルトルエン、酒石酸ジアリ
ルエステル、アリルマレートジアリルメタクリレ
ート、ジビニルスルフオン、エチレングリコール
イタコン酸エステル、ビスフエノールAのジメタ
アクリレート、ヘキサンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、ジアリルフマレート、ジアリルアコ
ニテート等のメタクリル酸ジエステルやアクリル
酸ジエステル等も用いられる。これらの多官性化
合物は普通の状態では主成分であるヒドロキシエ
チルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタク
リレート及びそのアクリレート等に充分な相溶性
をもたないので良い結果を得にくいが活性剤や安
定剤を用いることで改良することは可能である。 一般にこれ等水溶性の二官能性モノマーの使用
量が増加すると包埋樹脂の構造強度が急激に増大
し、成形加工、研磨、切削、接着等が容易に行な
えるようになるが単量体混合物中に対し0.1重量
%未満では十分な構造強度を発揮しえず又、7.5
重量%をこえる使用では強度は十分であつても成
形加工性が低減するか又は消失し操作性に乏しい
樹脂となる。一般的には使用する多官能性モノマ
ーの分子鎖の剛直性に依存するが単量体混合物に
対して7.5重量%をこえる量を用いると普通光学
顕微鏡に用いるヘマトキシリン染色、PAS染色、
Giemsa染色の他、フオイルゲン反応、アルシア
ンブルー染色、スーダンブラツクB染色、PAM
染色、メチルグリーンピロニン染色、プラシアン
ブルー染色、ターンブル染色、トルイジンブルー
染色等の染色に適性を失なうことがあり満足いく
光学顕微鏡用組織染色性を得るためには多官能性
単量体の使用量は単量体混合物中0.1〜7.5重量
%、好ましくは0.5〜4.5重量%に制限されねばな
らない。このように架橋密度が高くなるにつれ水
溶性の染料の拡散が困難になるため、架橋密度、
架橋剤の分子量と分子鎖と剛直性には注意が必要
である。 他方電子顕微鏡に用いる超薄切片の切出し性能
は極めて重要であるがガラスナイフを装填したミ
クロトームで切り出した場合60〜90nmに上手に
切り出せることが最小限必要である。この様に切
り出したサンプルは光の干渉のためシルバー色で
60nmの切片はグレーの光沢を有する。超薄切片
の切出し加工性を評価する一つの方法として切片
の光沢をみると判断できる。 本発明において使用される単量体(c)は前記した
(メタ)アクリル酸モノエステル(a)と多官能性単
量体(b)と相溶性を有する単量体であつて、得られ
る重合体に操作性と成形加工性を付与し、さらに
弾性と強靭性をも付与するために用いられる。単
量体(c)としては、炭素数が1〜6のアルキル基を
有するメタアクリル酸エステル或いはアクリル酸
エステル、アクリルアミド及びメタアクリルアミ
ドよりなる群から選ばれた、例えばエチルメタア
クリレート、プロピルメタアクリレート、ノルマ
ル−又はイソ−ブチルメタアクリレート、ノルマ
ル−イソペンタンメタクリレート、ノルマル−又
はイソ−ヘキサンメタクリレート、アクリルアミ
ド及びメタクリルアミド等の化合物が好ましい。
これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよ
く、その使用量は単量体混合物中、前記(メタ)
アクリル酸モノエステル(a)と多官能性単量体(b)と
の残量重量%、好ましくは0.2〜20重量%の範囲
である。 単量体混合物中、単量体(c)が0.2重量%未満で
は操作性、成形加工性、弾性及び強靭性等の性質
が十分でなく、また一方、20重量%をこえる使用
範囲ではヒドロキシルエチルメタクリレートやヒ
ドロキシルプロピルメタクリレートに対し溶解度
の限界をこえて相分離をおこし、均一性のない樹
脂組成物を形成し、重合体の機械的性質を低下さ
せるケースがあるため好ましくない。特に単量体
(c)においてアルキル基の炭素数の大きいメタクリ
レート或いはアクリレートでは、この傾向は更に
大きいので、より好ましくは0.6〜12重量%の範
囲である。本発明においてはノルマル−ブチルメ
タクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、ノ
ルマル−ペンチルメタクリレート、ノルマルーヘ
キシルメタクリレート等が好ましい。 以上のべて来た単量体より構成される単量体混
合物の量は組成物中55〜93重量%であり、93重量
%をこえる場合には包埋樹脂が脆弱、非浸透性、
薄片切出し操作困難となり吸湿して軟弱となりす
ぎる点で好ましくなく、また55重量%未満の場合
には生体組織の形状保存の低下並びに薄片切出し
性の悪化の点で好ましくない。 また、この発明において使用する可塑剤は、前
記単量体混合物に任意に溶解し、相溶性を有する
ものであつて、前記の単量体混合物を一般の原形
質膜や細胞膜、角質物、菌体膜や胞芽隔膜(スポ
アー)等の生体膜に対する浸透性を助長する必要
から用いられる。 本発明において使用される可塑剤としては、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジ
オール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、
1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジ
オール、2,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘ
キサンジオール、3,5−ヘキサンジオール、グ
リセリン、1,2,3,4−ブタンテトラオー
ル、1,2,3又は1,2,4−のブタントリオ
ール、1,2,4−,1,2,3−又は1,2,
5−のペンタントリオール、1,2,6−,1,
2,3−,1,2,4−又は2,3,4−のヘキ
サントリオール等の多価アルコールとその異性体
並びにそのオリゴマー類;メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル
又はイソヘキシル等の炭素数が1〜6アルキル基
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルエーテル類;
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ並びにノ
ルマルバレリツク酸、ビバリツク酸、ノルマル−
並びにイソ−カプロイツク酸、エナンチツク酸、
ノルマル−並びにイソ−カプリツク酸、ペラルゴ
ン酸、カプリツク酸又はラウリル酸等の炭素数1
〜12の有機酸エステルで炭素鎖の飽和のもの;及
びグリコース、ソルビトール、キシリトール、イ
ノシトール、庶糖、ペンタエリスリトール、グル
コン酸等の多価アルコールとその水酸基1〜3個
を炭素数1〜12の飽和アルキル基で置換した多価
アルコールのエステル類等があげられる。 これらの可塑剤は組成物中に、前記化合物の少
なくとも1種を5〜40重量%使用される。組成物
への可塑剤の添加により重合して得られた包埋樹
脂の切り出し加工性と染色性を保持するばかりで
なく、重合時反応速度を任意にコントロールする
ことができるために、重合時の発熱を生体組織や
細胞に変性を起さない温緩な温度範囲に低減する
室温又は冷間重合が可能となる。可塑剤の使用量
が40重量%をこえると重合時の反応が充分に進行
せず脆弱で切片に切り出し加工しにくいものとな
るため好ましくない。より好ましくは30重量%以
下の範囲内で使用するのがよい。一方、可塑剤の
使用量が5重量%未満の場合には樹脂の浸透性、
機械的強度、並びに染色性が悪くなり、また重合
発熱も高くなる点で好ましくない。 本発明の包埋樹脂組成物を硬化するために使用
される重合開始剤としては公知のラジカル重合の
重合開始剤であり、その例としては例えば過酸化
ベンゾイル、ビス(2,4−ジクロロベンゾイ
ル)パーオキサイド、ジイソノナノイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、デカノイル
パーオキサイド等の過酸化物やアゾ化合物であ
り、より好ましくは約−30℃〜80℃の温度範囲内
で短時間、即ち約60分間から4時間内で完全に硬
化を惹起し反応を終了するような触媒を選択する
のが有利である。 本発明においてはこれらの重合開始剤は還元剤
と組合せて使用される。還元剤としては例えばジ
メチルアニリン、ジメチル−p−トルイジン、p
−トルイジン、ジプロポキシ−p−トルイジン等
があげられる。還元剤の3級アミンにおいては窒
素原子に直接、少なくとも一個の芳香族残基と結
合しているものが好ましい。この様な系の重合開
始剤としてはアシルパーオキシドがより好まし
く、次いでアルキルパーオキシドが好ましい。前
記の重合開始剤の系にメルカブタン及びα−オキ
シスルフオン等の有機硫黄化合物並びに重金属化
合物等との組合せでもよい。本発明の組成物は使
用する時迄重合開始剤と還元剤とを分離して保存
し、これに必要な公知方法で、例えばヒドロキノ
ンやメチルエチルヒドロキノン等の様な重合抑制
剤を含有していてもよい。 以上述べて来たような組成を有す本発明に係る
樹脂組成物は、生体組織等に対してすぐれた親和
性と浸透性を示し、また室温又は冷間重合可能な
親水性を有する電子顕微鏡並びに光学顕微鏡の観
察サンプル用の包埋固定用の樹脂組成物であり、
それを使用して包埋固定した生体組織は鋼製ナイ
フ又はガラスナイフ又はダイヤモンドナイフを装
備したミクロトームにより或る程度のミクロトー
ムの切り出し操作に習熟した者ならば容易に切片
又は超薄切片の観察サンプルを切り出し得る加工
性と構造強度とを有し、観察時の電子線の連続照
射に対して高い寸法安定性を示す。 したがつて、本発明の組成物は生物体のいかな
る組織、臓器、器管、分泌腺、繊毛組織、神経組
織、軟骨、骨随、結締組織、表皮組織等の包埋固
定は勿論のこと捕乳動物、鳥類、爬虫類、両棲
類、魚類、節足動物、腔腸類等多数の動物と単細
胞性動物と殆んど全べての種類の植物種に対して
何等支障なく適応出来る。また、本発明の組成物
は包埋用樹脂として電子顕微鏡や光学顕微鏡の観
察用のみならず組織標本、組織と器官の解剖標
本、魚類、鳥類、昆虫類の標本、装飾や花草木等
の標本にも適応しうる。さらに含水率の高い水性
動植物の包埋にも特殊処理や脱水等をせずに樹脂
包埋が出来る利点がある。 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例 1 本実施例に用いる光学顕微鏡や電子顕微鏡の観
察に用いる試料は、あらかじめ10%中性ホルマリ
ンと2.5%グルタルアルデヒド液で1.5時間固定処
理したマウスの肝臓と腎臓及び精巣をよく水洗
後、下記の表−1に示す組成物からなる重合性混
合物に予備含浸処理をし、これに過酸化ベンゾイ
ルの0.25%添加した重合性混合物にかえて含浸せ
しめた後、ラジカル重合の還元剤p−ジメチルト
ルイジン3%を含むポリエチレングリコール溶液
を総重量に対して5%添加してゼラチンカプセル
中で重合性混合物を包埋し、窒素雰囲気中で重合
硬化させた。常温下、3時間で重合を終了した。
【表】 ガラスナイフによる切片切り出しは電子顕微鏡
用のポータプラム製MF−2B型ミクロトームにガ
ラスナイフ(刃先角45゜にげ角2゜)を設置して薄
片切出しを行なつた。1〜2μm程度に正確にうま
く切り出すことが出来た。切片をガラスプレパラ
ート上に滴下した水面上に慎重に移し、熱をかけ
てプレパラート板にはりつけた。Bohmerのヘマ
トキシリンにプレパラートごと浸け、約15分間常
温で染色処理を施した。その後充分に流水で洗浄
した。次いでエオシンYの1%水溶液中に上記染
色処理したプレパラート板を入れ約1分処理し
た。その後、水で流し洗い乾燥し封入剤でプレパ
ラート試料とした。 実験No.1,2,3及び4で示した本包埋法によ
つて作製した光学顕微鏡的切片はいずれの染色法
に対しても従来のパラフイン切片と全く同様の染
色性を示す。いずれも細胞の変形や破壊が少なく
鮮明ですぐれた分解能を示している。1〜2μmま
で容易に薄切することが出来るので極めて鮮明に
細胞質内の構造が認められ、肝細胞内の微細な顆
粒や腎尿細管主部の Brush border等が明瞭に
判別出来る。 電子顕微鏡を対照とする場合の試料の超薄切片
は実験No.1と2のものは乾式のガラスナイフを使
用することで容易に薄切できる。更に脱包埋する
ことなく染色し、観察出来るため作製した切片は
電子顕微鏡的にも観察可能である。電子顕微鏡用
には、酢酸鉛、四酸化オスミウム、酢酸ウラン等
の電子染色後、観察する事も勿論であるが光学顕
微鏡のため染色をせずに通常の光学染色のままで
超薄切片に切り出したサンプルにつき観察するこ
とも可能である。電子顕微鏡観察にも安定であり
崩壊、収縮等は全くみられず光学顕微鏡、電子顕
微鏡の両方に極めて満足いく結果となつたが多官
能性モノマーの入らない実験No.3と4は電子顕微
鏡観測には不適であつた。 実施例 2 実施例1で用いたマウスの肝臓と腎臓の処理し
た検体を下記の表−2、表−3及び表−4に示し
た各組成を有する重合性混合物中で包埋し重合硬
化させた。常温で3時間で重合は終了した。その
重合においてラジカル重合開始剤は過酸化ベンゾ
イルを0.3%添加して用いラジカル重合の還元剤
はジメチルアニリンを3%含む分子量350のプロ
ピレングリコール溶液を5%添加して行つた。ま
たその重合硬化はゼラチンカプセル中で重合性混
合物包埋して行つた。
【表】 表−2の評価結果から明らかなように、共重合
性のn−ブチルメタクリル酸エステルが組成とし
て入らないと薄切加工性が極度に低下し、又多く
なると生体組織への浸透性が減少する傾向があ
る。
【表】 表−3の結果から明らかなように、多官能性モ
ノマーの添加量によつて最適領域があり、多官能
性モノマーの組成比率が多い程染色性が低下し、
かつ薄切加工性が徐々に減少することがわかる。 表−4は可塑剤として分子量400のポリエチレ
ングリコールジプロピオネートを21〜10%添加し
た場合の包埋剤の薄切加工性と光学顕微鏡用の染
色特性を示す。
【表】 実施例 3 ラツトの肝臓をMchean&Nakane法による
PLP固定液中、4℃で4.5時間処理後、0.2モルの
Cacodylate緩衝剤で2〜3回液を換えて固定液
を洗い流す。次いで下記の表−5及び表−6に示
す重合性組成物の夫々に、0.2%の過酸化ベンゾ
イルを添加してよく混合し、その中に4℃で6時
間浸漬して脱水と浸透をはかる。その後、ポリカ
プセルに組織サンプルを入れ、この中にラジカル
重合の還元剤のジプロポキシ−p−トルイジンを
2.5%含む分子量300のポリエチレングリコール溶
液を重合性組成物に対して5%添加した重合性組
成物を注入し、窒素気流下、氷水中、0℃で重合
硬化した。重合反応系は約1.50時間で最高重合発
熱48〜56℃を記録して重合硬化は終了した。得ら
れた結果を下記の表−5に示す。
【表】
【表】 * ポリカプセル中に点接触型サーモメーター
(横河電機製、触針型熱電対温度計)を挿入し
て測定した。 実施例 4 実施例3で述べたMchean&Nakane法による
PLP固定液中で固定化処理したラツトの肝臓を
0.15%の過酸化ベンゾイルを添加した下記表−7
の重合性組成物中に4℃で6時間浸漬して脱水と
重合性組成物の浸透を計る。その後ポリカプセル
中に資料のラツト肝臓を底部に固定した後、ラジ
カル重合の還元剤のジプロポキシ−p−トルイジ
ンを2.5%を含む分子量300のポリエチレングリコ
ール溶液を下記重合性組成物に対して2.5%添加
して混合した重合性組成物を注入し窒素気流下、
氷水中0℃で重合硬化した。重合反応系は約1.50
時間以内で最高重合発熱ピークを示して重合硬化
を終了した。得られた結果を表−7に示す。
【表】 表−7の結果から明らかなように、多官能性の
架橋モノマーとしてエチレンビスアクリルアミド
を用いた場合、その使用量が多くなると染色性は
急激に消失する。他方超薄切片の切出し性は、架
橋モノマー量が少なくなると低下し、良好な切片
加工が困難となる。 実験No.27〜29の組成は電子顕微鏡による観察に
も十分な用途適性を示し、電子線の照射による包
埋樹脂の崩壊にも耐抗性を示した。 *1 重合時の最高発熱は実施例3に準じて測定
した。 実施例 5 ラツトの肝臓をMchean&Nakane法よつて
PLP固定液中に実施例3に準じて処理した生体
組織サンプルを用いて、下記の表−8及び表−9
に示す重合性組成物の夫々に0.2%の過酸化ベン
ゾイルを添加してよく混合し、その中に7℃で4
時間浸漬して脱水と浸透を計つた。その後ポリカ
プセルに組織サンプルを入れて底部に沈め、これ
にラジカル重合の還元剤のジブロポキシ−p−ト
ルイジンを2.5%を含む分子量400のポリエチレン
グリコール溶液を重合性組成物に対して5%添加
した重合性組成物を注入し、窒素気流下、氷水中
0℃で重合硬化した。重合反応系は約1.50時間で
最高重合発熱を実施例3と同様に測定した。
【表】 実験No.1〜3の重合時の最高発熱は56℃で酵素
活性は満足出来る程度であり、超薄切片の切り出
し加工性も良好であつた。
【表】 実験No.4〜6の重合時の最高発熱は53℃で酵素
の失活は防止出来る程度であつた。また、肝組織
に十分に包埋剤が充填された状態で超薄切片の切
り出し性も良好であり、染色性を良かつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 炭素数が1〜4のアルコールと重合度が
    2〜5のポリオールのアクリル酸モノエステル
    及び/又はメタクリル酸モノエステル(a)60〜95
    重量%と炭素数が1〜4の多価アルコールとそ
    の重合度が2〜5のポリオールのアクリル酸ジ
    エステル又はメタアクリル酸ジエステル及び炭
    素数1〜6のアルキル基の二又は三置換のアル
    キルアミンのビス/又はトリスアクリルアミド
    又はメタアクリルアミドよりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の多官能性単量体(b)0.1〜7.5
    重量%とそれらの単量体と相溶性を有する他の
    単量体(c)の残重量%とからなる単量体混合物55
    〜93重量%、 (B) 前記単量体混合物に任意に溶解して相溶性を
    有する可塑剤5〜40重量%、 (C) 重合開始剤0.02〜2重量%、及び (D) 還元剤0.02〜2重量% とからなる生体組織の包埋固定用の新規樹脂組成
    物。 2 単量体と相溶性を有する単量体(C)が、炭素数
    1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステル
    又はメタアクリル酸エステル、アクリルアミド及
    びメタアクリルアミドよりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の単量体であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の生体組織の包埋固定用
    の新規樹脂組成物。 3 可塑剤が多価アルコールとそのオリゴマー、
    炭素数1〜6のアルキル基エーテル、炭素数1〜
    12の有機酸エステル、グリコース、イソシトー
    ル、ペンタエリスリトール、グルコン酸、庶糖、
    ソルビトール又はキシリトールの水酸基1〜3個
    を炭素数1〜12の飽和アルキル基で置換した多価
    アルコールのエステル類よりなる群から選ばれた
    少なくとも1種の可塑剤であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の生体組織の包埋固定
    用の新規樹脂組成物。
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