JPS6343461B2 - - Google Patents
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- JPS6343461B2 JPS6343461B2 JP8057778A JP8057778A JPS6343461B2 JP S6343461 B2 JPS6343461 B2 JP S6343461B2 JP 8057778 A JP8057778 A JP 8057778A JP 8057778 A JP8057778 A JP 8057778A JP S6343461 B2 JPS6343461 B2 JP S6343461B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
この発明はNiを添加した強靭鋳鉄とその製造
方法に関するものである。 鋳鉄は簡単にいえばFe―C―Si三元系合金で
あるが、炭素は一般に黒鉛化しており、一方残り
の基地組織は鋳造後の冷却条件もしくは熱処理に
より、フエライト、パーライト、ベイナイト、マ
ルテンサイトもしくはこれらの混合組織に任意に
変化させることができるのが特徴といえる。通常
の鋼の強靭性は、低炭素のマルテンサイト基地に
よつて最もすぐれたものといえるが、鋳鉄の場合
には、オーステナイト(γ)域に加熱保持した場
合、前段組織がパーライト基地のような場合はも
ちろん、たとえばフエライト基地であつても、黒
鉛部より炭素が極めて速やかに基地中に拡散固溶
し、その後焼入れした場合には少くとも共析炭素
量近傍の高炭素を固溶したマルテンサイトとな
り、著しく脆弱な材質となる。 そのため鋳鉄では、結晶格子的にも炭素の強制
固溶度に無理がないベイナイト基地のものが、マ
ルテンサイト基地のものより強靭性にすぐれるも
のといわれ、いわゆるアシキユラー鋳鉄として知
られている。 しかし、ベイナイト基地の場合について上述の
マルテンサイト基地に見られる挙動はそのまま当
てはまり、より低炭素のベイナイト基地を得るこ
とが望ましいといえる。 一方、靭性のみに着目すれば、フエライト基地
のものが一般に最もすぐれているといわれるが、
これにたとえば鋼の場合で強靭化に最も有効とい
われるNiを添加した場合、強度上昇は見られて
も逆に靭性や遷移温度特性は改善されず、鋼にお
けるような有効な結果は得られていない。 この発明は、上記の様な点を解決しようとした
もので、Niを添加した鋳鉄においてより強靭で、
かつ最近における低温工業の進展上の要請から低
温靭性にも秀れた強靭な鋳鉄を得ること、すなわ
ち吸収エネルギーが高く、かつ低温靭性にもすぐ
れた強靭鋳鉄を得ることを目的としている。 この発明は、Cが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜
3.3重量%、Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄にNiを
1.0〜4.0重量%添加したものにおいて、基地組織
をフエライトとベイナイトとの混合基地組織とし
た強靭鋳鉄と、Cが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜
3.3重量%、Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄にNiを
1.0〜4.0重量%添加したものを共析変態温度区間
から恒温焼入れし、基地組織をフエライトとベイ
ナイトとの混合基地組織とした強靭鋳鉄の製造方
法である。 なおCが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜3.3重量
%、Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄は、従来から
公知のものであり、上記成分範囲の限定理由は次
の通りである。 すなわちCが2.70重量%未満の場合は、Cの析
出がしにくくなるとともにセメンタイトの析出が
多くなり、靭性が低下する。 またCが4.00重量%を越えると、黒鉛の形状が
球状でなくなり、靭性が低下する。 またSiが1.5重量%未満の場合は、黒鉛が球状
化しにくく、鋳造性が低下する。 そしてSiが3.3重量%を越えると、肉厚のもの
等は特に偏析しやすくなり、靭性が低下する。 またMnが0.10重量%未満の場合は、焼入性が
低下し、0.70重量%を越えると、偏析が起き、靭
性が低下する。 さらにこの発明においてNiの添加量を1.0〜4.0
重量%とした理由は、1.0重量%未満では、肉厚
感受性が低下し、肉厚部におけるベイナイト化が
起こりにくいためである。また4.0重量%を越え
ると、硬さが増し、切削性が悪くなると共に、フ
エライト基地組織とした後に共析変態温度区間に
保持させて、フエライトとベイナイトとの混合基
地組織を得ようとする場合に、あらかじめフエラ
イト基地組織としにくくなるからである。 以下この発明の実施例を鋳鉄の中でも特に低温
靭性も含めて秀れた性質をもつ球状黒鉛鋳鉄につ
いて説明する。 その化学成分値を第1表に示す。
方法に関するものである。 鋳鉄は簡単にいえばFe―C―Si三元系合金で
あるが、炭素は一般に黒鉛化しており、一方残り
の基地組織は鋳造後の冷却条件もしくは熱処理に
より、フエライト、パーライト、ベイナイト、マ
ルテンサイトもしくはこれらの混合組織に任意に
変化させることができるのが特徴といえる。通常
の鋼の強靭性は、低炭素のマルテンサイト基地に
よつて最もすぐれたものといえるが、鋳鉄の場合
には、オーステナイト(γ)域に加熱保持した場
合、前段組織がパーライト基地のような場合はも
ちろん、たとえばフエライト基地であつても、黒
鉛部より炭素が極めて速やかに基地中に拡散固溶
し、その後焼入れした場合には少くとも共析炭素
量近傍の高炭素を固溶したマルテンサイトとな
り、著しく脆弱な材質となる。 そのため鋳鉄では、結晶格子的にも炭素の強制
固溶度に無理がないベイナイト基地のものが、マ
ルテンサイト基地のものより強靭性にすぐれるも
のといわれ、いわゆるアシキユラー鋳鉄として知
られている。 しかし、ベイナイト基地の場合について上述の
マルテンサイト基地に見られる挙動はそのまま当
てはまり、より低炭素のベイナイト基地を得るこ
とが望ましいといえる。 一方、靭性のみに着目すれば、フエライト基地
のものが一般に最もすぐれているといわれるが、
これにたとえば鋼の場合で強靭化に最も有効とい
われるNiを添加した場合、強度上昇は見られて
も逆に靭性や遷移温度特性は改善されず、鋼にお
けるような有効な結果は得られていない。 この発明は、上記の様な点を解決しようとした
もので、Niを添加した鋳鉄においてより強靭で、
かつ最近における低温工業の進展上の要請から低
温靭性にも秀れた強靭な鋳鉄を得ること、すなわ
ち吸収エネルギーが高く、かつ低温靭性にもすぐ
れた強靭鋳鉄を得ることを目的としている。 この発明は、Cが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜
3.3重量%、Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄にNiを
1.0〜4.0重量%添加したものにおいて、基地組織
をフエライトとベイナイトとの混合基地組織とし
た強靭鋳鉄と、Cが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜
3.3重量%、Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄にNiを
1.0〜4.0重量%添加したものを共析変態温度区間
から恒温焼入れし、基地組織をフエライトとベイ
ナイトとの混合基地組織とした強靭鋳鉄の製造方
法である。 なおCが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜3.3重量
%、Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄は、従来から
公知のものであり、上記成分範囲の限定理由は次
の通りである。 すなわちCが2.70重量%未満の場合は、Cの析
出がしにくくなるとともにセメンタイトの析出が
多くなり、靭性が低下する。 またCが4.00重量%を越えると、黒鉛の形状が
球状でなくなり、靭性が低下する。 またSiが1.5重量%未満の場合は、黒鉛が球状
化しにくく、鋳造性が低下する。 そしてSiが3.3重量%を越えると、肉厚のもの
等は特に偏析しやすくなり、靭性が低下する。 またMnが0.10重量%未満の場合は、焼入性が
低下し、0.70重量%を越えると、偏析が起き、靭
性が低下する。 さらにこの発明においてNiの添加量を1.0〜4.0
重量%とした理由は、1.0重量%未満では、肉厚
感受性が低下し、肉厚部におけるベイナイト化が
起こりにくいためである。また4.0重量%を越え
ると、硬さが増し、切削性が悪くなると共に、フ
エライト基地組織とした後に共析変態温度区間に
保持させて、フエライトとベイナイトとの混合基
地組織を得ようとする場合に、あらかじめフエラ
イト基地組織としにくくなるからである。 以下この発明の実施例を鋳鉄の中でも特に低温
靭性も含めて秀れた性質をもつ球状黒鉛鋳鉄につ
いて説明する。 その化学成分値を第1表に示す。
【表】
一般に鋳鉄の場合にはSiの存在により共析変態
に温度範囲が存在するのが特徴であり、この時熱
膨脹曲線の記録により求めた温度域を第2表に示
す。
に温度範囲が存在するのが特徴であり、この時熱
膨脹曲線の記録により求めた温度域を第2表に示
す。
【表】
第1表に示した各試料の鋳放し状態における組
織は、いわゆるブルスアイを伴つたパーライトま
たはベイナイト基地であつたが、できるだけ低炭
素基地とする目的で第1図に示す熱処理A,B,
CそしてDのものについては、まず通常の二段フ
エライト化焼鈍を行うことにより、これらをフエ
ライト基地とした。図中、F・C=炉冷、A・C
=空冷、O・Q=油冷、α=フエライト、γ=オ
ーステナイトである。 熱処理Aは、そのフエライト化焼鈍後共析変態
温度区間〔フエライト(α)+オーステナイト
(γ)区間〕に加熱保持後300℃の鉛浴中に恒温焼
入して基地の一部をベイナイト変態させたもので
ある。このような処理により、ベイナイト+フエ
ライトの混合基地となり、しかもベイナイト部は
通常のオーステナイト域より低い温度から恒温焼
入されており、なおかつ未変態のフエライト相が
存在しているため、高温保持中に黒鉛部より基地
への炭素の拡散が阻止され、炭素含有量の少ない
ベイナイト組織となる。また、Niは添加材では
(α+γ)域中での保持により、Niはオーステナ
イト相中に分配濃化されるため、その有効性がよ
り高められると共に、残留オーステナイト安定化
による靭性向上も期待できることになる。一方未
変態フエライト相も十分な焼鈍効果により靭性回
復が顕著となる。 熱処理Bの場合は、フエライト化焼鈍後マルテ
ンサイト組織とし、さらにこれを(α+γ)域中
で保持焼入後、高温で焼戻して最終的にフエライ
トと焼戻マルテンサイトの混合組織としたもので
ある。なお最初のフエライト化焼鈍およびγ域よ
りの焼入によるマルテンサイト組織への変態は場
合によつて省略してもよいが、次に(α+γ)域
より焼入れして得られるマルテンサイト部分を熱
サイクルにより一層微細化する目的の場合には有
効な方法となる。熱処理Bで目指す点は、熱処理
Aで述べたことと同様であるが、最終的に共析変
態点直下で高温焼戻後焼入する操作により、一部
すでに前段階でNiが濃化した部分は、実際には
As点が局部的に低下しているため、γ域に入る
部分があり、この時、より微細化したマルテンサ
イトと、より安定な残留オーステナイトの導入が
期待できる点にある。 熱処理Cは通常のベイナイト組織を得る場合で
あるが、前段組織をフエライトとして出発してい
る点に特徴がある。熱処理Dは通常二段フエライ
ト化焼鈍のままのもので、熱処理Eは鋳放し後残
留応力除去焼鈍を行つたままのもので、熱処理C
〜Eは上述の熱処理AまたはBとの比較のために
実施したものである。 これらの各資料の遷移温度特性を測定するため
に、ハーフ・サイズ無溝シヤルピー衝撃試験片を
切り出し、衝撃値(Kg・m/cm2)を測定した。そ
の結果を第2図に示す。これによれば、Niの添
加がない場合において、フエライト基地材(No.1
―D)が最も秀れた結果を示したが、Niが2%
程度入ると靭性は著しく劣化するのが見られ(No.
2―D)、このような材料では、熱処理Bのもの
(No.2―B)が最も秀れた結果を示した。 しかし、さらにNiが増えた材料(No.3)では、
熱処理Bのもの(No.3―B)も靭性の絶対値Aよ
り劣るが、遷移温度はほぼ同じで秀れた低温特性
を示すことがわかる。 熱処理Cのベイナイト地のもの(No.3―C)も
前二者(No.3―A,No.3―B)より劣るが、通常
得られるベイナイト地のものより秀れた靭性を示
した。これはNiを添加した効果とフエライト地
からの出発に起因されるものである。 以上の各材の強度特性を知るために、計装化シ
ヤルピー衝撃試験を行い、破断時の吸収エネルギ
ー(Kg・m)を測定した。その結果を第3図に示
した。これによればNi添加により吸収エネルギ
ーは上昇しており、熱処理間での吸収エネルギー
値に大差は認められない。つまり、フエライト相
を混合させることによる強度低下傾向はほとんど
ないといえる。むしろ切削性等の観点からは望ま
しい結果が期待できるものである。 なお第2図に示す衝撃値は、No.1(Ni含有しな
いもの)―Aの方が、No.2(Ni含有するもの)―
Aより高く、遷移温度もNo.1―Aの方がNo.2―A
より低温側にある。 しかし、第3図に示すように、吸収エネルギー
は、No.1よりNo.2の方が、No.2よりNo.3の方が高
くなり、熱処理間での吸収エネルギー値に大差は
認められない。 つまり、フエライトとベイナイトとの混合基地
組織とすることによる強度低下傾向はほとんどな
く、むしろ、切削性等の観酸からは望ましい結果
が期待できるものである。 以上のように、この発明は、Cが2.70〜4.00重
量%、Siが1.5〜3.3重量%、Mnが0.10〜0.70重量
%の鋳鉄にNiを1.0〜4.0重量%添加したものにお
いて、基地組織をフエライトとベイナイトとの混
合基地組織としたことにより、著しく強靭性に秀
れた鋳鉄を得ることができるもので、さらにこの
鋳鉄を共析変態温度区間から高温焼入し、基地組
織をフエライトとベイナイトとの混合基地組織と
した強靭鋳鉄の製造方法であるから、従来のオー
ステナイト域から焼入する場合に比べて加熱保持
温度を低下させることができると共に、前段組織
つまり共析変態温度区間に保持させる前の組織を
鋳放しまたは焼鈍によりフエライト基地組織とし
ておいた場合には、強靭性を得るのに特に有効で
ある。 上述の通りであるから本発明によれば、吸収エ
ネルギーが高く、かつ低温靭性にすぐれた強靭鋳
鉄を得ることができる。
織は、いわゆるブルスアイを伴つたパーライトま
たはベイナイト基地であつたが、できるだけ低炭
素基地とする目的で第1図に示す熱処理A,B,
CそしてDのものについては、まず通常の二段フ
エライト化焼鈍を行うことにより、これらをフエ
ライト基地とした。図中、F・C=炉冷、A・C
=空冷、O・Q=油冷、α=フエライト、γ=オ
ーステナイトである。 熱処理Aは、そのフエライト化焼鈍後共析変態
温度区間〔フエライト(α)+オーステナイト
(γ)区間〕に加熱保持後300℃の鉛浴中に恒温焼
入して基地の一部をベイナイト変態させたもので
ある。このような処理により、ベイナイト+フエ
ライトの混合基地となり、しかもベイナイト部は
通常のオーステナイト域より低い温度から恒温焼
入されており、なおかつ未変態のフエライト相が
存在しているため、高温保持中に黒鉛部より基地
への炭素の拡散が阻止され、炭素含有量の少ない
ベイナイト組織となる。また、Niは添加材では
(α+γ)域中での保持により、Niはオーステナ
イト相中に分配濃化されるため、その有効性がよ
り高められると共に、残留オーステナイト安定化
による靭性向上も期待できることになる。一方未
変態フエライト相も十分な焼鈍効果により靭性回
復が顕著となる。 熱処理Bの場合は、フエライト化焼鈍後マルテ
ンサイト組織とし、さらにこれを(α+γ)域中
で保持焼入後、高温で焼戻して最終的にフエライ
トと焼戻マルテンサイトの混合組織としたもので
ある。なお最初のフエライト化焼鈍およびγ域よ
りの焼入によるマルテンサイト組織への変態は場
合によつて省略してもよいが、次に(α+γ)域
より焼入れして得られるマルテンサイト部分を熱
サイクルにより一層微細化する目的の場合には有
効な方法となる。熱処理Bで目指す点は、熱処理
Aで述べたことと同様であるが、最終的に共析変
態点直下で高温焼戻後焼入する操作により、一部
すでに前段階でNiが濃化した部分は、実際には
As点が局部的に低下しているため、γ域に入る
部分があり、この時、より微細化したマルテンサ
イトと、より安定な残留オーステナイトの導入が
期待できる点にある。 熱処理Cは通常のベイナイト組織を得る場合で
あるが、前段組織をフエライトとして出発してい
る点に特徴がある。熱処理Dは通常二段フエライ
ト化焼鈍のままのもので、熱処理Eは鋳放し後残
留応力除去焼鈍を行つたままのもので、熱処理C
〜Eは上述の熱処理AまたはBとの比較のために
実施したものである。 これらの各資料の遷移温度特性を測定するため
に、ハーフ・サイズ無溝シヤルピー衝撃試験片を
切り出し、衝撃値(Kg・m/cm2)を測定した。そ
の結果を第2図に示す。これによれば、Niの添
加がない場合において、フエライト基地材(No.1
―D)が最も秀れた結果を示したが、Niが2%
程度入ると靭性は著しく劣化するのが見られ(No.
2―D)、このような材料では、熱処理Bのもの
(No.2―B)が最も秀れた結果を示した。 しかし、さらにNiが増えた材料(No.3)では、
熱処理Bのもの(No.3―B)も靭性の絶対値Aよ
り劣るが、遷移温度はほぼ同じで秀れた低温特性
を示すことがわかる。 熱処理Cのベイナイト地のもの(No.3―C)も
前二者(No.3―A,No.3―B)より劣るが、通常
得られるベイナイト地のものより秀れた靭性を示
した。これはNiを添加した効果とフエライト地
からの出発に起因されるものである。 以上の各材の強度特性を知るために、計装化シ
ヤルピー衝撃試験を行い、破断時の吸収エネルギ
ー(Kg・m)を測定した。その結果を第3図に示
した。これによればNi添加により吸収エネルギ
ーは上昇しており、熱処理間での吸収エネルギー
値に大差は認められない。つまり、フエライト相
を混合させることによる強度低下傾向はほとんど
ないといえる。むしろ切削性等の観点からは望ま
しい結果が期待できるものである。 なお第2図に示す衝撃値は、No.1(Ni含有しな
いもの)―Aの方が、No.2(Ni含有するもの)―
Aより高く、遷移温度もNo.1―Aの方がNo.2―A
より低温側にある。 しかし、第3図に示すように、吸収エネルギー
は、No.1よりNo.2の方が、No.2よりNo.3の方が高
くなり、熱処理間での吸収エネルギー値に大差は
認められない。 つまり、フエライトとベイナイトとの混合基地
組織とすることによる強度低下傾向はほとんどな
く、むしろ、切削性等の観酸からは望ましい結果
が期待できるものである。 以上のように、この発明は、Cが2.70〜4.00重
量%、Siが1.5〜3.3重量%、Mnが0.10〜0.70重量
%の鋳鉄にNiを1.0〜4.0重量%添加したものにお
いて、基地組織をフエライトとベイナイトとの混
合基地組織としたことにより、著しく強靭性に秀
れた鋳鉄を得ることができるもので、さらにこの
鋳鉄を共析変態温度区間から高温焼入し、基地組
織をフエライトとベイナイトとの混合基地組織と
した強靭鋳鉄の製造方法であるから、従来のオー
ステナイト域から焼入する場合に比べて加熱保持
温度を低下させることができると共に、前段組織
つまり共析変態温度区間に保持させる前の組織を
鋳放しまたは焼鈍によりフエライト基地組織とし
ておいた場合には、強靭性を得るのに特に有効で
ある。 上述の通りであるから本発明によれば、吸収エ
ネルギーが高く、かつ低温靭性にすぐれた強靭鋳
鉄を得ることができる。
第1図はこの発明の熱処理と従来の熱処理方法
を示す説明図、第2図は各種試料の遷移温度特性
線図、第3図は各種試験の吸収エネルギーの比較
線図である。
を示す説明図、第2図は各種試料の遷移温度特性
線図、第3図は各種試験の吸収エネルギーの比較
線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Cが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜3.3重量%、
Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄にNiを1.0〜4.0重量
%添加したものにおいて、基地組織をフエライト
とベイナイトとの混合基地組織とした強靭鋳鉄。 2 Cが2.70〜4.00重量%、Siが1.5〜3.3重量%、
Mnが0.10〜0.70重量%の鋳鉄にNiを1.0〜4.0重量
%添加したものを共析変態温度区間から恒温焼入
れし、基地組織をフエライトとベイナイトとの混
合基地組織とした強靭鋳鉄の製造方法。 3 フエライト基地組織とした後に共析変態温度
区間に保持させた特許請求の範囲第2項記載の強
靭鋳鉄の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8057778A JPS558444A (en) | 1978-07-04 | 1978-07-04 | High toughness cast iron and its preparation |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8057778A JPS558444A (en) | 1978-07-04 | 1978-07-04 | High toughness cast iron and its preparation |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS558444A JPS558444A (en) | 1980-01-22 |
| JPS6343461B2 true JPS6343461B2 (ja) | 1988-08-30 |
Family
ID=13722189
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8057778A Granted JPS558444A (en) | 1978-07-04 | 1978-07-04 | High toughness cast iron and its preparation |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS558444A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0263562U (ja) * | 1988-11-02 | 1990-05-11 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56130453A (en) * | 1980-03-14 | 1981-10-13 | Riken Corp | Tough spheroidal graphite cast iron and its heat treatment |
-
1978
- 1978-07-04 JP JP8057778A patent/JPS558444A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0263562U (ja) * | 1988-11-02 | 1990-05-11 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS558444A (en) | 1980-01-22 |
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